JP2015028124A - アルカリ分散性ホットメルト粘着剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた粘着強度を有すると共に、常温環境下だけでなく低温環境下においても、被着体の物理的な剥離によって残余物を発生させずに除去することができるアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を提供する。【解決手段】本発明のアルカリ分散性ホットメルト粘着剤は、下記一般式(1)−[a]−[b]−[a]− (1)(式中、[a]はメチルメタクリレート重合体ブロックであり、[b]はアルキル基の炭素数が2〜12であるアルキル(メタ)アクリレート重合体ブロックであり且つガラス転移点が−80〜−30℃である)で示される構造を重合体の主鎖中に有する(メタ)アクリル系ブロック共重合体100重量部、酸価が100〜300mg/KOHであるロジン系粘着付与樹脂(I)20〜100重量部、及びセバシン酸エステル20〜100重量部を含むことを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、優れた粘着強度を有すると共に、常温環境下だけでなく低温環境下においても、被着体の物理的な剥離によって残余物を発生させずに除去することができるアルカリ分散性ホットメルト粘着剤に関する。
従来から、清涼飲料水、液体調味料、化粧品などを収容するために、ポリエチレンテレフタレータレートなどの合成樹脂からなる容器が多く使用されている。そして、容器包装リサイクル法の施行により、容器はその使用後にリサイクルするために回収されている。回収された容器は、粉砕してフレークとし、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物を含むアルカリ水溶液を用いて洗浄した後に、乾燥させ、必要に応じてペレット状に加工して、リサイクル原料とされる。
容器の外周には、ラベルなどの被着体が巻き付けて装着される。ラベルには、商品名や絵柄、内容物の成分や効能などが印刷される。このようなラベルとしては、従来では、熱収縮性ラベルが一般的に用いられており、ヒーターや蒸気の熱によってラベルを収縮させることで、容器へ熱収縮性ラベルを装着させていた。しかしながら、低コスト化の観点から、ヒーターや蒸気の使用や高価な熱収縮性ラベルの使用は望ましくない。
一方、ホットメルト粘着剤によれば、安価な樹脂フィルムを、ヒーターや蒸気を使用せずに、容器に装着することができる。したがって、容器へのラベルの装着にはホットメルト粘着剤を用いた方式が普及し始めている。しかしながら、従来のホットメルト粘着剤では、接着強度が強すぎるため、温水やアルカリ水溶液を用いてもラベルを容器から剥離することができないという問題があった。
そこで、特許文献1では、熱可塑性エラストマー(A)、酸価が100〜300mgKOH/g 以下である固体粘着付与剤(B)、ワックス(C)、及び炭素数が6〜18の脂肪酸グリセリド(D)を含むことを特徴とするアルカリ分散性ホットメルト粘着剤が開示されている。
引用文献1のアルカリ分散性ホットメルト粘着剤は、アルカリ水溶液中で微粒子状に分散することができる。したがって、このようなアルカリ分散性ホットメルト粘着剤によりラベルが装着された容器をアルカリ水溶液に入れて撹拌することにより、ラベルを容器から化学的に剥離させることができる。
近年、PETボトルリサイクル推進協議会により定められた“PETボトル自主設計ガイドライン”では、容器からラベルを手などにより物理的に剥離する際に、ラベルだけでなく粘着剤も容器に残らないことが求められている。
しかしながら、特許文献1のアルカリ分散性ホットメルト粘着剤では、依然として、粘着強度が強過ぎるため、このようなアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を用いて容器にラベルが装着されている場合、容器からラベルなどの被着体を手などにより物理的に剥離する際に容器に粘着剤が残る問題がある。粘着剤の残余物が残っている容器は、リサイクル工程において、粘着剤をアルカリ水溶液を用いて化学的に剥離させる必要がある。そのため、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤には、優れた粘着強度を有すると共に、ラベルなどの被着体の物理的な剥離によって残余物を発生させずに除去可能であることが求められている。
さらに、ホットメルト粘着剤は、常温下で固体であり、固化することによって被着体の貼り合わせを可能とする。しかしながら、冬期などの低温環境下では、ホットメルト粘着剤がより硬い固化物となり、粘着強度がさらに強くなる。そのため、容器から被着体を物理的に剥離する際に、容器に粘着剤の残余物が発生する問題が特に生じる。
したがって、本発明の目的は、優れた粘着強度を有すると共に、常温環境下だけでなく低温環境下においても、被着体の物理的な剥離によって残余物を発生させずに除去することができるアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を提供することである。
本発明のアルカリ分散性ホットメルト粘着剤は、下記成分、
下記一般式(1)
−[a]−[b]−[a]− (1)
(式中、[a]はメチルメタクリレート重合体ブロックであり、[b]はアルキル基の炭素数が2〜12であるアルキル(メタ)アクリレート重合体ブロックであり且つガラス転移点が−80〜−30℃である)で示される構造を重合体の主鎖中に有する(メタ)アクリル系ブロック共重合体100重量部、
酸価が100〜300mg/KOHであるロジン系粘着付与樹脂20〜100重量部、及び
セバシン酸エステル20〜100重量部、
を含むことを特徴とする。
下記一般式(1)
−[a]−[b]−[a]− (1)
(式中、[a]はメチルメタクリレート重合体ブロックであり、[b]はアルキル基の炭素数が2〜12であるアルキル(メタ)アクリレート重合体ブロックであり且つガラス転移点が−80〜−30℃である)で示される構造を重合体の主鎖中に有する(メタ)アクリル系ブロック共重合体100重量部、
酸価が100〜300mg/KOHであるロジン系粘着付与樹脂20〜100重量部、及び
セバシン酸エステル20〜100重量部、
を含むことを特徴とする。
本発明のアルカリ分散性ホットメルト粘着剤は、優れた粘着強度を有すると共に、常温環境下だけでなく低温環境下においても、被着体の物理的な剥離によってアルカリ分散性ホットメルト粘着剤の残余物を発生させずに除去することができる。
本発明のアルカリ分散性ホットメルト粘着剤は、(メタ)アクリル系ブロック共重合体、ロジン系粘着付与樹脂、及びセバシン酸エステルを含んでいる。
[(メタ)アクリル系ブロック共重合体]
(メタ)アクリル系ブロック共重合体は、下記一般式(1)
−[a]−[b]−[a]− (1)
(式中、[a]はメチルメタクリレート重合体ブロックであり、[b]はアルキル基の炭素数が2〜12であるアルキル(メタ)アクリレート重合体ブロックであり且つガラス転移点が−80〜−30℃である)で示される構造を重合体の主鎖中に有する。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体は、下記一般式(1)
−[a]−[b]−[a]− (1)
(式中、[a]はメチルメタクリレート重合体ブロックであり、[b]はアルキル基の炭素数が2〜12であるアルキル(メタ)アクリレート重合体ブロックであり且つガラス転移点が−80〜−30℃である)で示される構造を重合体の主鎖中に有する。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。また、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
[a]で示されるブロックは、メチルメタクリレート重合体ブロックである。メチルメタクリレート重合体ブロックとしては、メチルメタクリレート単独重合体ブロック、又はメチルメタクリレートと他のモノマーとの共重合体ブロックが挙げられる。他のモノマーとしては、アクリル酸(ガラス転移点106℃)、アクリロニトリル(ガラス転移点97℃)、アクリルアミド(ガラス転移点165℃)、イソボルニル(メタ)アクリレート(ガラス転移点97℃)、及びグリシジルメタクリレート(ガラス転移点45℃)などが挙げられる。なかでも、メチルメタクリレート単独重合体ブロック(ガラス転移点105℃)が好ましい。
なお、メチルメタクリレート重合体ブロックがメチルメタクリレートと他のモノマーとの共重合体ブロックである場合は、メチルメタクリレートを主たる繰り返し単位として構成されていることが好ましい。具体的には、メチルメタクリレート重合体ブロック中におけるメチルメタクリレート単位の含有量は80重量%以上が好ましい。メチルメタクリレート単位の含有量が80重量%以上であるメチルメタクリレート重合体ブロックを含んでいる(メタ)アクリル系ブロック共重合体によれば、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤に対して優れた凝集力及び保持力を付与することができる。
[a]で示されるブロックのガラス転移点は、80℃以上が好ましく、100〜150℃がより好ましい。[a]で示されるブロックのガラス転移点が低過ぎる(メタ)アクリル系ブロック共重合体を用いると、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤が柔らかくなり過ぎることがある。そのためアルカリ分散性ホットメルト粘着剤の凝集力を低下させ、結果として、被着体の物理的な剥離によって残余物を発生させずにアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を除去することが困難となる虞れがある。
[b]で示されるブロックは、アルキル基の炭素数が2〜12であるアルキル(メタ)アクリレート重合体ブロックである。[b]で示されるブロックを構成しているモノマー成分としては、例えば、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、エチルアクリレート、ノニルアクリレート、オクチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、エチルメタクリレート、ノニルメタクリレート、オクチルメタクリレート、及びn−プロピルメタクリレートなどが挙げられる。なかでも、n−ブチルアクリレート、ノニルアクリレート、オクチルアクリレート、及び2−エチルヘキシルアクリレートが好ましい。[b]で示されるブロックとしては、n−ブチルアクリレート単独重合体ブロック(ガラス転移点−54℃)、及び2−エチルヘキシルアクリレート単独重合体ブロック(ガラス転移点−70℃)が特に好ましく挙げられる。
[b]で示されるブロックのガラス転移点は、−80〜−30℃に限定されるが、−75〜−50℃が好ましい。[b]で示されるブロックのガラス転移点が低過ぎる(メタ)アクリル系ブロック共重合体を用いると、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤が柔らかくなり過ぎることがある。そのため、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤の凝集力を低下させ、結果として、被着体の物理的な剥離によって残余物を発生させずにアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を除去することが困難となる虞れがある。[b]で示されるブロックのガラス転移点が高過ぎる(メタ)アクリル系ブロック共重合体は、硬過ぎて、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤の粘着強度を低下させる虞れがある。
なお、(メタ)アクリル系ブロック共重合体における重合体ブロックのガラス転移点(Tg)とは、重合体ブロックを構成する各モノマーの単独重合体のガラス転移点及びそのモノマーの含有割合(重量分率)に基づいて、フォックス(FOX)の式から求められる値を意味する。単独重合体のガラス転移点は、例えば、日刊工業新聞社の「粘着技術ハンドブック」に記載されているガラス転移点を採用することができる。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体中における[a]で示されるブロックの含有量は、20〜40重量%が好ましく、20〜30重量%がより好ましい。また、(メタ)アクリル系ブロック共重合体中における[b]で示されるブロックの含有量は、80〜60重量%が好ましく、80〜70重量%がより好ましい。[a]で示されるブロックの含有量が多過ぎる(メタ)アクリル系ブロック共重合体は、硬過ぎて、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤の粘着強度を低下させる虞れがある。また、[a]で示されるブロックの含有量が少な過ぎる(メタ)アクリル系ブロック共重合体を用いると、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤が柔らかくなり過ぎることがある。そのため、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤の凝集力を低下させ、結果として、被着体の物理的な剥離によって残余物を発生させずにアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を除去することが困難となる虞れがある。
なお、(メタ)アクリル系ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は、10,000〜150,000が好ましく、30,000〜130,000がより好ましい。重量平均分子量が大き過ぎる(メタ)アクリル系ブロック共重合体を用いると、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤の溶融粘度が高くなり過ぎて、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤を塗工することができない虞れがある。また、重量平均分子量が小さ過ぎる(メタ)アクリル系ブロック共重合体を用いると、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤が柔らかくなり過ぎることがある。そのため、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤の凝集力を低下させ、結果として、被着体の物理的な剥離によって残余物を発生させずにアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を除去することが困難となる虞れがある。
さらに、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤のアルカリ分散性を考慮すると、(メタ)アクリル系ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は、70,000〜100,000が特に好ましい。重量平均分子量が上記範囲内である(メタ)アクリル系ブロック共重合体によれば、アルカリ分散性に優れているアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を提供することができる。
なお、本発明において、(メタ)アクリル系ブロック共重合体の重量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を用いて、ゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算した値を意味する。
[粘着付与樹脂]
本発明のアルカリ分散性ホットメルト粘着剤は、酸価が100〜300mg/KOHであるロジン系粘着付与樹脂(I)を含有している。ロジン系粘着付与樹脂(I)は、(メタ)アクリル系ブロック共重合体との相溶性に優れる。したがって、このようなロジン系粘着付与樹脂(I)を(メタ)アクリル系ブロック共重合体と組合せて用いることにより、アルカリ分散性に優れていると共に、被着体の物理的な剥離によって残余物を発生させずに除去することが可能なアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を提供することができる。
本発明のアルカリ分散性ホットメルト粘着剤は、酸価が100〜300mg/KOHであるロジン系粘着付与樹脂(I)を含有している。ロジン系粘着付与樹脂(I)は、(メタ)アクリル系ブロック共重合体との相溶性に優れる。したがって、このようなロジン系粘着付与樹脂(I)を(メタ)アクリル系ブロック共重合体と組合せて用いることにより、アルカリ分散性に優れていると共に、被着体の物理的な剥離によって残余物を発生させずに除去することが可能なアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を提供することができる。
ロジン系粘着付与樹脂(I)の酸価は、100〜300mg/KOHに限定されるが、120〜280mgKOH/gが好ましく、150〜250mgKOH/gがより好ましい。酸価が低過ぎるロジン系粘着付与樹脂(I)では、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤のアルカリ分散性を低下させる虞れがある。また、酸価が高過ぎるロジン系粘着付与樹脂(I)では、被着体の物理的な剥離によって残余物を発生させずにアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を除去することが困難となる虞れがある。
なお、本発明において、ロジン系粘着付与樹脂(I)及び後述する粘着付与樹脂(II)の酸価とは、粘着付与樹脂1gを中和するために要する水酸化カリウム(KOH)のmg数を意味する。具体的には、次の手順により測定することができる。まず、粘着付与樹脂の重量(W1)を量る。次に、フラスコに粘着付与樹脂及びエタノール50mLを順次加えて、これらを加熱して溶解させた後、0.1N水酸化カリウム水溶液で滴定する(指示薬:フェノールフタレイン)。滴定の終点は、液の淡紅色が30秒残存する点とする。そして、同様の方法で空試験を行って滴定量を補正し、次式から粘着付与樹脂の酸価を求めることができる。
粘着付与樹脂の酸価=
[0.1N水酸化カリウム水溶液の消費量(ml)×5.611)]/[粘着付与樹脂の重量W1(g)]
粘着付与樹脂の酸価=
[0.1N水酸化カリウム水溶液の消費量(ml)×5.611)]/[粘着付与樹脂の重量W1(g)]
ロジン系粘着付与樹脂(I)の軟化点は、65℃以上が好ましく、65〜110℃がより好ましく、75〜105℃が特に好ましい。軟化点が低過ぎるロジン系粘着付与樹脂(I)では、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤の凝集力を低下させる虞れがある。凝集力が低いアルカリ分散性ホットメルト粘着剤では、被着体の物理的な剥離によって残余物を発生させずに除去することが困難となる。軟化点が高過ぎるロジン系粘着付与樹脂(I)では、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤の粘着強度を低下させる虞れがある。
なお、本発明において、ロジン系粘着付与樹脂(I)及び後述する粘着付与樹脂(II)の軟化点は、JIS K2207(石油アスファルト)で規定されている6.4軟化点試験法に準拠して測定することができる。
ロジン系粘着付与樹脂(I)としては、ロジン、(メタ)アクリル酸変性ロジン、マレイン酸変性ロジン、フマール酸変性ロジン、及びこれらの水素添加物が挙げられる。ロジン系粘着付与樹脂(I)としては、フマール酸変性ロジンの水素添加物が好ましく挙げられる。
アルカリ分散性ホットメルト粘着剤中におけるロジン系粘着付与樹脂(I)の含有量は、(メタ)アクリル系ブロック共重合体100重量部に対して、20〜100重量部に限定されるが、40〜100重量部が好ましく、50〜100重量部がより好ましい。ロジン系粘着付与樹脂(I)の含有量が少な過ぎるアルカリ分散性ホットメルト粘着剤では、アルカリ分散性が低下する虞れがある。また、ロジン系粘着付与樹脂(I)の含有量が多過ぎるアルカリ分散性ホットメルト粘着剤では、粘着強度が高過ぎる虞れがある。このようなアルカリ分散性ホットメルト粘着剤は、被着体の物理的な剥離によって残余物を発生させずに除去することが困難となる。
アルカリ分散性ホットメルト粘着剤の全重量に対するロジン系粘着付与樹脂(I)の含有率は、5重量%以上が好ましく、5〜50重量%がより好ましく、10〜45重量%が特に好ましい。ロジン系粘着付与樹脂(I)の含有率が低過ぎるアルカリ分散性ホットメルト粘着剤では、アルカリ分散性が低下する虞れがある。
本発明のアルカリ分散性ホットメルト粘着剤は、酸価が0〜80mg/KOHである粘着付与樹脂(II)をさらに含有していることが好ましい。粘着付与樹脂(II)を用いることによって、被着体の物理的な剥離によって残余物をより高く発生させずに除去することが可能なアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を提供することができる。
粘着付与樹脂(II)の酸価は、0〜80mg/KOHが好ましく、10〜50mgKOH/gがより好ましく、15〜40mgKOH/gが特に好ましい。酸価が低過ぎるロジン系粘着付与樹脂(II)を用いると、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤の粘着強度を低下させる虞れがある。また、酸価が高過ぎるロジン系粘着付与樹脂(II)を用いると、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤の粘着強度が高くなり過ぎる虞れがある。このようなアルカリ分散性ホットメルト粘着剤は、被着体の物理的な剥離によって残余物を発生させずに除去することが困難となることがある。
粘着付与樹脂(II)の軟化点は、65℃以上が好ましく、65〜120℃がより好ましく、90〜120℃が特に好ましい。軟化点が低過ぎる粘着付与樹脂(II)では、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤の凝集力を低下させる虞れがある。凝集力が低いアルカリ分散性ホットメルト粘着剤では、被着体の物理的な剥離によって残余物を発生させずにを除去することが困難となる。軟化点が高過ぎる粘着付与樹脂(II)では、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤の粘着強度を低下させる虞れがある。
粘着付与樹脂(II)としては、ロジン系粘着付与樹脂、ポリテルペン、変性ポリテルペン樹脂、水添テルペン、スチレン樹脂、及びα−メチルスチレン樹脂などが挙げられる。なかでも、ロジン系粘着付与樹脂が好ましい。ロジン系粘着付与樹脂として、具体的には、上述したロジン系粘着付与樹脂(I)と同様のものが挙げられるが、ロジン酸化合物のエステル誘導体が好ましい。
アルカリ分散性ホットメルト粘着剤中における粘着付与樹脂(II)の含有量は、(メタ)アクリル系ブロック共重合体100重量部に対して、10〜100重量部が好ましく、15〜80重量部がより好ましい。粘着付与樹脂(II)の含有量が低過ぎるアルカリ分散性ホットメルト粘着剤では、粘着強度が低下する虞れがある。また、粘着付与樹脂(II)の含有量が高過ぎるアルカリ分散性ホットメルト粘着剤では、粘着強度が高過ぎる虞れがある。このようなアルカリ分散性ホットメルト粘着剤は、被着体の物理的な剥離によって残余物を発生させずに除去することが困難となる。
[セバシン酸エステル]
本発明のアルカリ分散性ホットメルト接着剤は、セバシン酸エステルを含有している。セバシン酸エステルを用いることにより、優れた粘着強度を有すると共に、被着体の物理的な剥離によって残余物を発生させずに除去することができるアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を提供することができる。
本発明のアルカリ分散性ホットメルト接着剤は、セバシン酸エステルを含有している。セバシン酸エステルを用いることにより、優れた粘着強度を有すると共に、被着体の物理的な剥離によって残余物を発生させずに除去することができるアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を提供することができる。
セバシン酸エステルとしては、下記一般式(2)で示されるセバシン酸ジエステルが好ましく挙げられる。
一般式(2)におけるR1及びR2としては、炭素数が3〜12のアルキル基が好ましく、炭素数が6〜12のアルキル基がより好ましく、炭素数が4〜9のアルキル基が特に好ましい。アルキル基の炭素数が少な過ぎると、アルカリ分散性ホットメルト接着剤の凝集力が低下する虞れがある。このようなアルカリ分散性ホットメルト粘着剤は、被着体の物理的な剥離によって残余物を発生させずに除去することが困難となることがある。また、アルキル基の炭素数が多過ぎると、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤のアルカリ分散性及び粘着強度が低下する虞れがある。なお、アルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
セバシン酸ジエステルとして、具体的には、セバシン酸ジ−n−ブチル、セバシン酸ジイソブチル、セバシン酸ジプロピル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジイソオクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジイソノニル、及びセバシン酸ジイソデシルが挙げられる。なかでも、セバシン酸ジ−n−ブチル、セバシン酸ジイソブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジイソオクチル、及びセバシン酸ジイソノニルが好ましく、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルがより好ましい。これらのセバシン酸ジエステルは、一種単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
アルカリ分散性ホットメルト粘着剤中におけるセバシン酸エステルの含有量は、(メタ)アクリル系ブロック共重合体100重量部に対して、20〜100重量部に限定されるが、35〜70重量部が好ましく、40〜65重量部がより好ましく、50〜60重量部が特に好ましい。セバシン酸エステルの含有量が低過ぎるアルカリ分散性ホットメルト粘着剤は、アルカリ分散性が低下する虞れがある。また、セバシン酸エステルの含有量が高過ぎるアルカリ分散性ホットメルト粘着剤は、粘着強度が低下する虞れがある。
本発明のアルカリ分散性ホットメルト粘着剤は、リサイクルが必要とされる製品の表面にラベルなどの被着体を接着するために好適に用いられる。本発明のアルカリ分散性ホットメルト粘着剤は、流通時には製品から被着体が剥がれないように十分な接着強度で被着体を製品に粘着することができる一方で、被着体が粘着されている製品の使用後、手などにより被着体を物理的に剥離しても、製品からアルカリ分散性ホットメルト粘着剤の残余物なく、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤を被着体とともに剥離除去することができる。また、製品にアルカリ分散性ホットメルト粘着剤の残余物が部分的に残ったとしても、本発明のアルカリ分散性ホットメルト粘着剤は優れたアルカリ分散性を有していることによって、熱アルカリ水溶液を用いて製品から残余物を容易に除去することができる。したがって、使用後の製品は、被着体を剥離した後、リサイクル原料として有効に使用することが可能となる。
製品としては、内容物を収容するための容器などが挙げられる。容器の構成材料としては、ポリエチレンテレフタラート(PET)及びポリ乳酸などのポリエステル系樹脂、ガラス、及び金属などが挙げられる。容器に収容される内容物としては、飲料水、油脂、調味料、医薬品、化粧品、及び洗剤などが挙げられる。
被着体としては、特に制限されないが、ラベルなどが挙げられる。ラベルとしては、紙や合成樹脂フィルムが挙げられる。合成樹脂フィルムを構成している材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート、及びポリ乳酸系樹脂などの合成樹脂が挙げられる。また、OPP(Oriented Polypropylene)フィルムなどの延伸された合成樹脂フィルムもラベルとして用いることができる。
アルカリ分散性ホットメルト粘着剤を用いた容器へのラベルの粘着は、特に制限されず、例えば、次の通りにして行うことができる。まず、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤を加熱溶融させた後、図1に示すように、溶融状態のアルカリ分散性ホットメルト粘着剤をラベル10の裏面の始端部11A及び終端部11Bに塗工する。次に、図2に示すように、ラベル10の始端部11Aを塗工されたアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を介して容器20の表面に貼り付けた後、ラベル10を容器20に巻き付ける。そして、ラベル10の終端部11Bをラベル10の始端部11A上にアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を介して貼り付ける。その後、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤を冷却固化させることによって、ラベル10が接着された容器20を得ることができる。
アルカリ分散性ホットメルト粘着剤を塗工する部位は、ラベル裏面の両端部11A、11Bに限定されず、ラベル裏面全面、ラベル表面の一方の端部などであってもよい。また、ラベル10を容器20に貼り合わせる際に、ラベル10の始端部11A表面と終端部11Bの裏面が重なり合っていることが好ましいが、このような形態に限定されない。
以下に、本発明を実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
後述する実施例及び比較例で使用した各成分の詳細を、以下に記載する。
[(メタ)アクリル系ブロック共重合体]
・(メタ)アクリル系ブロック共重合体(1)[上記一般式(I)(式中、[a]がメチルメタクリレート単独重合体ブロック(ガラス転移点105℃)であり、且つ[b]がn−ブチルアクリレート単独重合体ブロック(ガラス転移点−54℃)である)で示される構造を重合体の主鎖中に有するアクリル系ブロック共重合体、[a]で示されるブロックの含有量:23重量%、[b]で示されるブロックの含有量:77重量%、(メタ)アクリル系ブロック共重合体の重量平均分子量:110,000、クラレ社製 商品名「クラリティ LA−410L」]
・(メタ)アクリル系ブロック共重合体(2)[上記一般式(I)(式中、[a]がメチルメタクリレート単独重合体ブロック(ガラス転移点105℃)であり、且つ[b]がn−ブチルアクリレート単独重合体ブロック(ガラス転移点−54℃)である)で示される構造を重合体の主鎖中に有するアクリル系ブロック共重合体、[a]で示されるブロックの含有量:23重量%、[b]で示されるブロックの含有量:77重量%、(メタ)アクリル系ブロック共重合体の重量平均分子量:80,000、クラレ社製 商品名「クラリティ LA−2140e」]
・(メタ)アクリル系ブロック共重合体(1)[上記一般式(I)(式中、[a]がメチルメタクリレート単独重合体ブロック(ガラス転移点105℃)であり、且つ[b]がn−ブチルアクリレート単独重合体ブロック(ガラス転移点−54℃)である)で示される構造を重合体の主鎖中に有するアクリル系ブロック共重合体、[a]で示されるブロックの含有量:23重量%、[b]で示されるブロックの含有量:77重量%、(メタ)アクリル系ブロック共重合体の重量平均分子量:110,000、クラレ社製 商品名「クラリティ LA−410L」]
・(メタ)アクリル系ブロック共重合体(2)[上記一般式(I)(式中、[a]がメチルメタクリレート単独重合体ブロック(ガラス転移点105℃)であり、且つ[b]がn−ブチルアクリレート単独重合体ブロック(ガラス転移点−54℃)である)で示される構造を重合体の主鎖中に有するアクリル系ブロック共重合体、[a]で示されるブロックの含有量:23重量%、[b]で示されるブロックの含有量:77重量%、(メタ)アクリル系ブロック共重合体の重量平均分子量:80,000、クラレ社製 商品名「クラリティ LA−2140e」]
[粘着付与樹脂]
・ロジン系粘着付与樹脂(I)[酸価180mgKOH/g、軟化点72℃、フマール酸変性ロジンの水素添加物、ハリマ化成社製 商品名「ハリタックF」]
・ロジン系粘着付与樹脂(II)[酸価25mgKOH/g、軟化点104℃、ロジン酸化合物エステル誘導体の水素添加物、GUANGDONG KOMO CO.,LTD.製、 商品名「KF399S」]
・ロジン系粘着付与樹脂(I)[酸価180mgKOH/g、軟化点72℃、フマール酸変性ロジンの水素添加物、ハリマ化成社製 商品名「ハリタックF」]
・ロジン系粘着付与樹脂(II)[酸価25mgKOH/g、軟化点104℃、ロジン酸化合物エステル誘導体の水素添加物、GUANGDONG KOMO CO.,LTD.製、 商品名「KF399S」]
[セバシン酸エステル]
・セバシン酸エステル(1)[セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、伊藤製油社製 商品名「DOS」]
・セバシン酸エステル(2)[セバシン酸ジ−n−ブチル]
・セバシン酸エステル(3)[セバシン酸ジイソノニル]
・セバシン酸エステル(4)[セバシン酸ジイソデシル]
・セバシン酸エステル(1)[セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、伊藤製油社製 商品名「DOS」]
・セバシン酸エステル(2)[セバシン酸ジ−n−ブチル]
・セバシン酸エステル(3)[セバシン酸ジイソノニル]
・セバシン酸エステル(4)[セバシン酸ジイソデシル]
[可塑剤]
・可塑剤(1)[ポリプロピレングリコール、数平均分子量(Mn):1000、旭硝子社製 商品名「エクセノール E−1020」]
・可塑剤(2)[ポリプロピレングリコール、数平均分子量(Mn):3000、旭硝子社製 商品名「エクセノール E−3020」]
・可塑剤(3)[アジピン酸ジオクチル、東京化成工業社製 商品名「アジピン酸ジオクチル」]
・可塑剤(4)[アクリル共重合体、重量平均分子量(Mw):2,000、東亜合成社製 商品名「UP−1020」]
・可塑剤(1)[ポリプロピレングリコール、数平均分子量(Mn):1000、旭硝子社製 商品名「エクセノール E−1020」]
・可塑剤(2)[ポリプロピレングリコール、数平均分子量(Mn):3000、旭硝子社製 商品名「エクセノール E−3020」]
・可塑剤(3)[アジピン酸ジオクチル、東京化成工業社製 商品名「アジピン酸ジオクチル」]
・可塑剤(4)[アクリル共重合体、重量平均分子量(Mw):2,000、東亜合成社製 商品名「UP−1020」]
[実施例1〜10及び比較例1〜8]
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(1)〜(2)、ロジン系粘着付与樹脂(I)、ロジン系粘着付与樹脂(II)、セバシン酸エステル(1)〜(4)、可塑剤(1)〜(4)を、それぞれ表1に示した配合量で、加熱装置を備えた攪拌混練機中に投入した後、160℃で2時間に亘って加熱しながら混練することにより、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤を得た。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(1)〜(2)、ロジン系粘着付与樹脂(I)、ロジン系粘着付与樹脂(II)、セバシン酸エステル(1)〜(4)、可塑剤(1)〜(4)を、それぞれ表1に示した配合量で、加熱装置を備えた攪拌混練機中に投入した後、160℃で2時間に亘って加熱しながら混練することにより、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤を得た。
[評価]
ホットメルト粘着剤について、アルカリ分散性、低温環境下及び常温環境下における界面剥離性、低温環境下及び常温環境下における粘着強度を以下の手順に従って評価した。結果を表1に示す。
ホットメルト粘着剤について、アルカリ分散性、低温環境下及び常温環境下における界面剥離性、低温環境下及び常温環境下における粘着強度を以下の手順に従って評価した。結果を表1に示す。
[アルカリ分散性]
PETボトルの外表面全面にアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を塗布して冷却固化させた後、PETボトルを裁断することにより8mm×8mmの正方形状のペレットを得た。このペレット10g、及び85℃の1.5重量%の水酸化ナトリウム溶液100gをステンレスビーカーに投入して、これらを100rpmで15分間撹拌して混合物を得た。その後、混合物をろ過することにより濾取したペレットについて、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤の残余物の発生状態を目視観察し、下記評価基準にてアルカリ分散性を判定した。表1において、「◎」、「○」、「△」及び「×」はそれぞれ下記に示す通りである。
◎:残余物の発生がなかった。
○:残余物が発生したペレットが半分未満であった。
△:残余物が発生したペレットが半分以上であった。
×:残余物の発生があった。
PETボトルの外表面全面にアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を塗布して冷却固化させた後、PETボトルを裁断することにより8mm×8mmの正方形状のペレットを得た。このペレット10g、及び85℃の1.5重量%の水酸化ナトリウム溶液100gをステンレスビーカーに投入して、これらを100rpmで15分間撹拌して混合物を得た。その後、混合物をろ過することにより濾取したペレットについて、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤の残余物の発生状態を目視観察し、下記評価基準にてアルカリ分散性を判定した。表1において、「◎」、「○」、「△」及び「×」はそれぞれ下記に示す通りである。
◎:残余物の発生がなかった。
○:残余物が発生したペレットが半分未満であった。
△:残余物が発生したペレットが半分以上であった。
×:残余物の発生があった。
[界面剥離性]
帯状の延伸ポリプロピレン(OPP)ラベルを用意した。アルカリ分散性ホットメルト粘着剤をバーコーターにより幅2cm、塗工量30g/m2で、OPPラベル裏面の始端部11A及び終端部11Bにそれぞれ塗工した。次に、ラベル10の始端部11Aを塗工されたアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を介してPETボトル20の表面に貼り付けた後、ラベル10をPETボトル20に巻き付けた。ラベル10の終端部11Bをラベル10の始端部11A上にアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を介して貼り付けた。その後、ラベル上に2kgのゴムローラーを1往復させて荷重をかけた後、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤を冷却固化させることによって、図2に示すように、ラベル10が接着されたPETボトル20を得た。得られたPETボトル20に巻き付けられたラベル10を終端部11Bから手で物理的に剥離した。ラベル10の始端部11AをPETボトル20から剥離した後、PETボトル20表面のアルカリ分散性ホットメルト粘着剤の残余物を顕微鏡(キーエンス社製 製品名「マイクロスコープVHX−700F」)により観察し、始端部11Aにおけるアルカリ分散性ホットメルト粘着剤の全塗工面積に対する残余物の付着面積の割合を算出した。そして、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤の残余物の付着面積の割合を下記評価基準にて判定し、界面剥離性を評価した。そして、5℃温度環境下又は23℃温度環境下にて、上記手順に従って界面剥離性を評価し、結果を表1の「5℃界面剥離性」及び「23℃界面剥離性」の欄にそれぞれ示した。
◎:付着面積の割合が0%であった。
○:付着面積の割合が0%を超え且つ15%未満であった。
△:付着面積の割合が15%以上で且つ25%未満であった。
×:付着面積の割合が25%以上で且つ55%未満であった。
××:付着面積の割合が50%以上であった。
帯状の延伸ポリプロピレン(OPP)ラベルを用意した。アルカリ分散性ホットメルト粘着剤をバーコーターにより幅2cm、塗工量30g/m2で、OPPラベル裏面の始端部11A及び終端部11Bにそれぞれ塗工した。次に、ラベル10の始端部11Aを塗工されたアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を介してPETボトル20の表面に貼り付けた後、ラベル10をPETボトル20に巻き付けた。ラベル10の終端部11Bをラベル10の始端部11A上にアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を介して貼り付けた。その後、ラベル上に2kgのゴムローラーを1往復させて荷重をかけた後、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤を冷却固化させることによって、図2に示すように、ラベル10が接着されたPETボトル20を得た。得られたPETボトル20に巻き付けられたラベル10を終端部11Bから手で物理的に剥離した。ラベル10の始端部11AをPETボトル20から剥離した後、PETボトル20表面のアルカリ分散性ホットメルト粘着剤の残余物を顕微鏡(キーエンス社製 製品名「マイクロスコープVHX−700F」)により観察し、始端部11Aにおけるアルカリ分散性ホットメルト粘着剤の全塗工面積に対する残余物の付着面積の割合を算出した。そして、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤の残余物の付着面積の割合を下記評価基準にて判定し、界面剥離性を評価した。そして、5℃温度環境下又は23℃温度環境下にて、上記手順に従って界面剥離性を評価し、結果を表1の「5℃界面剥離性」及び「23℃界面剥離性」の欄にそれぞれ示した。
◎:付着面積の割合が0%であった。
○:付着面積の割合が0%を超え且つ15%未満であった。
△:付着面積の割合が15%以上で且つ25%未満であった。
×:付着面積の割合が25%以上で且つ55%未満であった。
××:付着面積の割合が50%以上であった。
[粘着強度]
アルカリ分散性ホットメルト粘着剤を、延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(厚み25μm)の一面に塗工量30g/m2で塗工した後、このOPPフィルムのアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を塗工した面上にPETフィルム(厚み50μm)を重ねた。その後、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤を冷却固化させることにより、OPPフィルとPETフィルムとがアルカリ分散性ホットメルト粘着剤によって貼り合わされた積層体を得た。その後、5℃温度環境下又は23℃温度環境下において、OPPフィルムからPETフィルムを剥離速度300mm/分で剥離した際の粘着強度(N/15mm)を測定し、結果を表1の「5℃粘着強度」及び「23℃粘着強度」の欄にそれぞれ示した。表1において、「◎」、「○」、「△」、及び「×」は、それぞれ次の通りである。
◎:粘着強度が1N/15mm以上であった。
○:粘着強度が0.5N/15mm以上1N/15mm未満であった。
△:粘着強度が0.5N/15mm未満であった。
×:OPPフィルム又はPETフィルムが破壊した。
アルカリ分散性ホットメルト粘着剤を、延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(厚み25μm)の一面に塗工量30g/m2で塗工した後、このOPPフィルムのアルカリ分散性ホットメルト粘着剤を塗工した面上にPETフィルム(厚み50μm)を重ねた。その後、アルカリ分散性ホットメルト粘着剤を冷却固化させることにより、OPPフィルとPETフィルムとがアルカリ分散性ホットメルト粘着剤によって貼り合わされた積層体を得た。その後、5℃温度環境下又は23℃温度環境下において、OPPフィルムからPETフィルムを剥離速度300mm/分で剥離した際の粘着強度(N/15mm)を測定し、結果を表1の「5℃粘着強度」及び「23℃粘着強度」の欄にそれぞれ示した。表1において、「◎」、「○」、「△」、及び「×」は、それぞれ次の通りである。
◎:粘着強度が1N/15mm以上であった。
○:粘着強度が0.5N/15mm以上1N/15mm未満であった。
△:粘着強度が0.5N/15mm未満であった。
×:OPPフィルム又はPETフィルムが破壊した。
10 ラベル
11A 始端部
12B 終端部
20 容器
11A 始端部
12B 終端部
20 容器
Claims (3)
- 下記一般式(1)
−[a]−[b]−[a]− (1)
(式中、[a]はメチルメタクリレート重合体ブロックであり、[b]はアルキル基の炭素数が2〜12であるアルキル(メタ)アクリレート重合体ブロックであり且つガラス転移点が−80〜−30℃である)で示される構造を重合体の主鎖中に有する(メタ)アクリル系ブロック共重合体100重量部、
酸価が100〜300mg/KOHであるロジン系粘着付与樹脂(I)20〜100重量部、及び
セバシン酸エステル20〜100重量部、
を含むことを特徴とするアルカリ分散性ホットメルト粘着剤。 - セバシン酸エステルが、セバシン酸ジ−n−ブチル、セバシン酸ジイソブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジイソオクチル、及びセバシン酸ジイソノニルよりなる群から選ばれる一種であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ分散性ホットメルト粘着剤。
- セバシン酸エステルが、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルであることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ分散性ホットメルト粘着剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013194872A JP2015028124A (ja) | 2013-07-04 | 2013-09-20 | アルカリ分散性ホットメルト粘着剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013140363 | 2013-07-04 | ||
JP2013140363 | 2013-07-04 | ||
JP2013194872A JP2015028124A (ja) | 2013-07-04 | 2013-09-20 | アルカリ分散性ホットメルト粘着剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015028124A true JP2015028124A (ja) | 2015-02-12 |
Family
ID=52492012
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018003035A (ja) * | 2017-10-16 | 2018-01-11 | 株式会社クラレ | 粘接着剤組成物 |
JP2019065206A (ja) * | 2017-10-02 | 2019-04-25 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | ホットメルト型難燃性粘着剤、および難燃性粘着剤付き保護シート |
-
2013
- 2013-09-20 JP JP2013194872A patent/JP2015028124A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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