JP2015026691A - 半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表面プラズモン共鳴を利用して得られた高効率な発光を、基板とは逆側の端面側から効率よく取り出すことができる半導体発光素子を提供する。【解決手段】 この半導体発光素子30は、基板1上に複数の層を積層してなり、これら複数の層は、n型半導体層2およびp型半導体層4と、これら2つの半導体層2、4の間に配された活性層3と、この活性層3の光取出側(基板1側とは逆側)の面の近傍に配された、金属材料からなる表面プラズモン層5と、を含み、さらに、活性層3よりも基板1側の所定の位置に設けられ、活性層3の発光部10から、基板1方向に射出された光を、光取出方向に反射する金属反射層9を含む。【選択図】図1

Description

本発明は半導体発光素子に関するもので、特に、表面プラズモン共鳴を利用して発光効率を高め得る半導体発光素子に関するものである。
近年、窒化物発光素子の活用範囲が高電流・高出力分野へと拡大されつつあることから、発光素子の発光効率を向上させるため、多重量子井戸構造(MQW)の成長条件、あるいは量子井戸層や量子障壁層における結晶性の向上に焦点をあてた研究がなされている。これらの研究は、量子井戸層と量子障壁層の間のエネルギーバンドギャップ内に拘束されたキャリアーによる発光効果を向上させることを目的としているが、現段階から、さらに内部量子効率を大幅に高めていくことは難しい。
一方、InGaN量子井戸層(活性層)のごく近傍(50nm以内)にAg、Al、Auなどの金属からなる極薄蒸着フィルム(金属原子が一様に配列された構造をもつ層)を配置した場合、量子井戸−金属表面プラズモン結合の効果により、フォトルミネセンス(PL)からの発光効率が向上するとの報告がなされている(例えば、非特許文献1、2参照)。
また、例えば、下記特許文献1(図3に示す従来技術1を参照)、および下記特許文献2(図4に示す従来技術2を参照)においては、量子井戸−金属表面プラズモン結合の効果を利用して、InGaN量子井戸層(活性層)を有する発光素子の発光効率を電流注入により上昇させる技術が開示されている。
特開2010−171391号公報 特開2011−216555号公報
Nature Mater.誌、3巻、601頁、2004年 Applied Physics Letters誌、87巻、7110、2頁、2005年
しかし、上記特許文献1においては、活性層103のうち実際に発光可能な領域は、図3に示すように、半導体結晶成長基板101からの結晶成長が可能な、表面プラズモン層105にある導電性のビア(導電性スルーホール)105Aの直上に位置する部分に限られる。
そのため、表面プラズモン層105のエッジ部分しか発光効率の向上に寄与することができず、放射された光の多くが、ビア105Aの部分から基板(半導体結晶成長基板:以下同じ)101方向へ向かってしまい、p型電極107側から取出可能な光がわずかとなってしまう(図2(B)を参照)。
また、上記特許文献2においては、図4に示すように、プラズモンが発生する金属微細構造218が、InGaN量子井戸層(活性層)206の上部(p型電極212)の近傍に位置し、増強された光は、その大部分がn型基板202方向に向かってしまう。
実際に素子外部に光を取り出す場合、厚みが大きい基板を介して取り出すよりも、その逆側の電極側(一般にはp型電極側)から取り出す方が効率が良いので好ましい。特に、高精細で、発光領域を電極により選択する表示装置においては、基板とは逆側の電極側から効率よく光を取り出せるか否かが重要なポイントとなる。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、表面プラズモン共鳴を利用して得られた高効率な発光を、基板とは逆側の端面側から効率よく取り出すことができる半導体発光素子を提供することを目的とするものである。
本発明に係る半導体発光素子は、
基板上に複数の層を積層してなる半導体発光素子であって、
前記複数の層は、n型半導体層およびp型半導体層と、これら2つの半導体層の間に配された活性層と、この活性層よりも光取出側の界面の近傍に配された、表面プラズモン層と、を含み、
前記活性層よりも前記基板側の所定の位置に設けられ、前記活性層から前記基板側に放出される光を、該光取出方向に反射する光反射層を含むことを特徴とするものである。
また、前記光反射層が円環状の透孔部を備えるとともに、当該透孔部よりも光取出側に位置する前記表面プラズモン層が円環状とされ、該透孔部と該表面プラズモン層とが、前記積層方向に互いに重なり合うように構成されていることが好ましい。
また、前記活性層と前記表面プラズモン層の間に、5nm以上で50nm以下の厚みのスペーサー層が挟持されるようにして配設され、該スペーサー層が、前記n型半導体層および前記p型半導体層のうち、前記活性層よりも光取出側に配された半導体層よりなることが好ましい。
また、前記基板側から順に、前記n型半導体層、前記活性層、前記p型半導体層および絶縁体層が積層され、該n型半導体層中に、前記円環状の透孔部を有する前記光反射層が配設され、この円環状の透孔部とは積層方向に重なり合う前記p型半導体層の領域に、前記表面プラズモン層およびp型電極がこの順に積層されてなることが好ましい。
また、前記光反射層が金属反射層からなり、全体として円板状に形成されてなることが好ましい。
また、前記光反射層と前記活性層の対向する面の距離が、50nm以上で200nm以下に設定されてなることが好ましい。
また、前記表面プラズモン層は、Au,Ag,Pt,CuおよびAlから選択される、金属薄膜または金属微粒子により形成されてなることが好ましい。
本発明の半導体発光素子によれば、発光層として機能する活性層から、光取出側とは逆側である基板方向に出力された光を反射する金属層を、該活性層に対して光取出側とは逆側の所定の位置に設けているので、前記活性層から、前記基板方向に放出される光を、該光取出側に反射することができ、表面プラズモン共鳴を利用して得られた発光を光取出側から、従来よりも高い割合で効率よく取り出すことが可能となる。
本発明の実施形態に係る半導体発光素子の概略を示す、光取出側から見たときの一部透視図(A)および断面図(B)である。 半導体発光素子から光取出側に放出される光エネルギーの割合を、本発明の実施例(A)および比較例(B)について示すものである。 従来技術1に係る半導体発光素子を示す概略図である。 従来技術2に係る半導体発光素子を示す概略図である。 本発明の実施形態における、層間で屈折、反射された光線の様子を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施形態に係る半導体発光素子について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による半導体発光素子を示す部分透視図(A)および断面図(B)を示すものである。
図示するように、本実施形態による半導体発光素子30は、半導体単結晶成長用基板(以下、単に基板と称する)1、n型半導体層2、活性層3、p型半導体層4および絶縁体層8を設けてなるとともに、上記n型半導体層2中に金属反射層9を、また上記絶縁体層8中に表面プラズモン層5を設けるようにしている。さらに、n型半導体層2の露出表面にはn型電極6を、絶縁体層8中であって表面プラズモン層5上にはp型電極7を設けるようにしている。
なお、活性層3中であって、表面プラズモン層5の直下近傍が発光部10となる。
また、金属反射層9は、積層方向から見て、全体として円形形状をなし、その領域の内周部にリング状の透孔部9Aが設けられており、この透孔部9Aと積層方向に対応する位置に表面プラズモン層5およびp型電極7がリング状に設けられている。
上記基板1としては、サファイア、Si、ZnO、GaAs、SiC、MgAl、MgO、LiAlO、LiGaO、GaN等の材料を用いることができる。この場合、サファイアは六角−菱面形(Hexa−Rhombo R3c)対称性を有する結晶体で、c軸及びa軸方向の格子定数がそれぞれ13.001Åと4.758Åであり、C(0001)面、A(1120)面、R(1102)面等を有する。また、上記C面は比較的窒化物薄膜の成長が容易であり、高温において安定しており、特に、窒化物半導体の成長用基板として有用である。
また、上記n型半導体層2およびp型半導体層4を、窒化物半導体、即ち、組成式AlInGa(1−x−y)N(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)によって表わされるものとし、n型半導体層2はn型不純物を、p型半導体層4はp型不純物を各々ドーピングされた半導体物質からなるものとすることができる。n型半導体層2の厚みは、例えば2〜5μmとすることができ、p型半導体層4の厚みは、例えば5〜50nmとすることができる。
上記AlInGa(1−x−y)Nの組成を示す材料の代表例としては、GaN、AlGaN、InGaN等が挙げられる。また、上記n型不純物としては、Si、Ge、Se、Te等を用いることができ、上記p型不純物としてはMg、Zn、Be等を用いることができる。
また、n型半導体層2およびp型半導体層4の間に形成された活性層3は、電子と正孔の再結合により所定のエネルギーを有する光を放出し、例えばインジウムの含有量(含有割合)に応じてバンドギャップエネルギーを調節し得るようになっており、具体的にはInGa(1−x)N(0≦x≦1)等の物質から構成することが可能である。この活性層3の厚みは、例えば単一量子井戸構造の場合は3nm、多重量子井戸構造の場合は、InGaN(3nm)/GaN(10nm)の重層を5周期分積層した厚さである65nmとする。
ところで、上記表面プラズモン層5は、例えば、Au、Ag、Pt、CuおよびAl等の金属のうちから選択される、金属薄膜または金属微粒子により形成されることが好ましい。
また、表面プラズモン層5は、上記活性層3の近傍(例えば、上記活性層3から、5nm以上50nm以下の距離範囲)に配置され、本実施形態においては、この間隔を確保するために、活性層3と表面プラズモン層5との間に、上記距離範囲を厚みとされたスペーサー層を介在させるようにしている。
上述した「近傍」とは、物理的には、表面プラズモン層5の表面に形成される表面プラズモンの電界がおよぶ範囲、換言すれば、表面プラズモン層5の表面に形成される表面プラズモンによって、活性層3からの発光強度が増強されるという効果が実質的に得られる範囲、をいうものである。
したがって、本実施形態では、このスペーサー層を5nm以上50nm以下の厚みとされたp型半導体層4により構成している。
表面プラズモン層5と活性層3との距離を50nm以下とすることにより、活性層3におけるInGaN量子井戸中の電子−正孔対を再結合させて消滅させ、表面プラズモン層5の表面プラズモンを容易に励起させることができる。そして、この表面プラズモン効果によって活性層3からの発光強度を増強することができる。
一方、上記数値において、5nm以上とすることにより、p型半導体層4の厚みが薄くなりすぎて本来の機能を発揮できなくなる等の不都合を防止することができる。
また、前述したように、本実施形態においては、活性層3から放射される光の振動数と、表面プラズモン層5の表面プラズモンの振動数とが概ね一致するように設定されている。すなわち、活性層3にキャリアーが注入された際に発生するゲインスペクトルの波長と、表面プラズモン層5の表面プラズモンの振動スペクトル(表面プラズモンの分散曲線)の波長とが概ね一致するように設定されている。ここで「概ね一致」とは、物理的には、上記ゲインスペクトルと上記表面プラズモン振動スペクトルとが波長軸上で重なりあうことを意味する。
すなわち、表面プラズモンの振動スペクトルは、表面プラズモンの振動数に相当する波長において無限大に発散し、それよりも長波長側に減衰していく傾向を示すことから、上記ゲインスペクトルのピーク位置が表面プラズモンの振動数に一致するか、やや長波長側にシフトした範囲に収まっていることを表す。なお、具体的に「概ね一致」の範囲としては、上記ゲインスペクトルのピーク波長が、表面プラズモン層5の表面プラズモンの振動数に相当する波長から、それより100nm以下だけ長い波長までの範囲に設定することが好ましく、さらには、50nm以下だけ長い波長までの範囲に設定することがより好ましい。
また、表面プラズモン層5は、表面プラズモン共鳴による発光効率の向上を考慮して、上記表面プラズモン層5の厚さを、約10〜500nmの範囲内となるように設定することが好ましい。
また、前述した金属反射層9の透孔部9Aは、図1(A)に示されるように、円環状をなす表面プラズモン層5の直下(基板1側)において、上記表面プラズモン層5に対し、積層方向から見て、丁度対応する円環状をなして重畳するように(いわゆるネガパターンの関係に)形成されている。
この金属反射層9の大きさの一例としては、その円板の外径を2000nm、リング状の透孔部9Aの外径を700nm、リング状の透孔部9Aの内径を400nmとする。このようにすると、表面プラズモン層5およびp型電極7の、各々のリングの外径および内径も700nmおよび400nmとなる。また、上記透孔部9A、表面プラズモン層5およびp型電極7の各リング幅は150nmとなる。
なお、リング状に構成される発光部10の外径および内径、さらにはそのリング幅も上記透孔部9Aと同様な値となる。
このように、上記透孔部9Aと、上記表面プラズモン層5および上記p型電極7との位置関係が、上下方向に互いに対応する位置であって、互いに同一のリング径に設定すれば、発光部10からの発光効率を良好に維持しつつ、光反射効率を良好なものとすることができる。
すなわち、上記透孔部9Aは、n型半導体層2の結晶成長を可能とするための、いわば通路としての機能を有し、この透孔部9Aを通して成長したn型半導体層2とp型半導体層4の、キャリアーとアクセプターが活性層3において再結合して発光が生じる。これに対し、金属反射層9のその他の部分においては、n型半導体層2の成長が妨げられるので、透孔部9A上を除き、金属反射層9よりも上方において、n型半導体層2が良好な結晶性を有することが難しいので、透孔部9Aの上方に位置する活性層3の発光部10においてのみ発光が生じる。したがって、光のプラズモン増強もこの透孔部9Aの上方に位置する表面プラズモン層5の近傍に位置する領域において行われる。なお、透孔部9A以外の金属反射層9の領域の上方においては、その位置から再びn型半導体層2を形成するようにしてもよいし、n型半導体層2の構成材料以外の透明な材料、例えばSiO2等により構成してもよい。
ここで、この活性層3と金属反射層9の間隔における好ましい範囲について説明する。
すなわち、この間隔が小さ過ぎると発光部10からの光の、透孔部9Aを通過する割合が多くなり過ぎてしまい、その一方、この間隔が大き過ぎると発光部10からの光の拡散範囲が広くなり過ぎて金属反射層9に照射される割合が小さくなり過ぎてしまう。そのため、金属反射層9の外側のリングの外径の半分をR,表面プラズモン層5のリングの外径および内径の各半分をそれぞれro、riとすれば、取得し得る光のエネルギーが約50%を超えるためには活性層3と金属反射層9の間隔Dは例えば以下に示す数式(1)の範囲に設定することが望ましい。
すなわち、
0.28(ro-ri)<D<0.58(R-ri) (1)
ただし、D<R-riの範囲であれば、取得し得る光のエネルギーの改善が期待できる。
また、活性層3と金属反射層9との間の領域(ただし、透孔部9Aの上方以外の領域)を、SiO2等の、n型半導体層2の構成材料よりも小さい屈折率の材料により形成した場合には、金属反射層9から反射された光の発散割合を大きくさせないようにすることが可能となる。
すなわち、図5に示すように、発光部10の所定の点Pから所定方向に射出された光線Lは、n型半導体材料であるGaN(屈折率は2.38)2AとSiO2(屈折率は1.45)12の界面において、その両面の材料の屈折率の違いから、スネルの法則に基づき、図示するように、入射角θに比べて出射角θが大きくなるように屈折する。この後、SiO2 12と金属反射層9の界面に達した光線Lは、この界面において正反射し、光取出方向に向かう。したがって、このSiO2 12からなる部分に、上記GaN 2Aからなる材料を用いた場合と比べて、光線Lの光取出方向への収束作用を付与することができ、さらに光取出効率を向上させることができる。
また、上記p型半導体層4の上面は、シリコン酸化物またはシリコン窒化物等からなる絶縁体層8によって密封されることが望ましく、これにより、p型半導体層4の大気中への露出が防止される。
また、上記各層は、例えば、以下のような成膜方法によって形成することができる。
すなわち、上記n型半導体層2およびp型半導体層4は、従来より知られているMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法やHVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)法等を用いて成長させることができる。
また、上記金属反射層9や表面プラズモン層5などを形成する場合には、当該層の直下層上に蒸着やスパッタ等の成膜手法を用いて、金属薄膜の層を形成した後、当該金属薄膜の層をドライエッチングやEB描画(電子線描画)等の手法を用いて、層表面を微細に加工する。
なお、金属反射層9を形成する際には、n型半導体層2を所定の厚さまで形成した後、金属反射層9を蒸着やスパッタによって、所定の層厚となるように形成し、次にこの金属反射層9を、ドライエッチングやEB描画(電子線描画)によって、図1(A)に示すような円板形状となるように、かつ透孔部9Aが円環状に穿設されるように形成する。
続いて再び、上述したMOCVD法やHVPE法を用いてn型半導体層2を成長させて、金属反射層9の全体がn型半導体層2内に埋め込まれるように形成する。このn型半導体層2の上方への成長は、円環状の透孔部9Aを通して行われる。
なお、表面プラズモン層5の表面における表面プラズモンのエネルギーは、表面プラズモン層5を構成する金属材料に応じて相違する。例えば、そのp型半導体層4と上記金属材料との界面における表面プラズモン振動の振動数は、上記金属材料がAu,Ag,Cu,Alの場合、それぞれ下記表1に示すとおりである。
また、上記表面プラズモン層5は、金属薄膜または金属微粒子から構成されることが好ましい。この場合、何れにしても金属表面には凹凸が形成されることになり、この表面プラズモン層5の表面の凹凸からなる金属微細構造により生成される表面プラズモンの振動数と、発光部10からの光の振動数とを略一致させるように構成することによって、共鳴現象が生じ、発光部10からの光が増強されて、下方(基板1方向)に射出されることになる。
ただし、前述したように、発光部10と表面プラズモン層5の表面とを5〜50nmの近傍位置に配するために、これら両者間に、この距離を確保し得る、p型半導体層4が設けられる。
ここで、発光部からの発光が緑〜赤色(発射される光の発光波長が537nm〜637nm)である場合には、上記表面プラズモン層5を構成する金属材料がAuである場合に強い相互作用が生じると考えられる。
また、発光部10からの発光が青から青緑色(発射される光の発光波長が437nm〜537nm)である場合には、上記表面プラズモン層5を構成する金属材料がAgである場合に強い相互作用が生じると考えられる。
さらに、発光部10からの発光が波長が長めな赤色(発射される光の発光波長が574nm〜674nm)である場合には、上記表面プラズモン層5を構成する金属材料がCuである場合にも強い相互作用が生じると考えられる。
さらに、前述したように、上記p型電極7は、円環状をなす表面プラズモン層5の直上において、積層方向から見て、互いに対応する円環状をなして重畳するように(いわゆるポジパターンの関係に)形成されている。互いにこのように重畳させることで、表面プラズモン層5の近傍直下に位置する活性層3の領域が発光部10となるため、効率的に電流を注入することが可能となる。
また、表面プラズモン層5に、NiおよびPdのうち少なくとも一方を10〜50原子量%程度添加することにより、p型電極7とオーミックコンタクトをとることができる。
このNiやPdの材料の添加を行わない場合には、表面プラズモン層5内に、NiやPdのうちの少なくとも一方からなるビアを形成し、これによりp型電極7とp型半導体層4を接続する構造とすることにより、活性層3へ効率的に電流を注入することが可能である。
なお、本発明の半導体発光素子としては、上記実施形態のものに限られるものではないことは勿論であり、例えば、上記実施形態におけるn型半導体層とP型半導体層の配置や、n型電極とP型電極の配置を入れ替えることも可能である。
(効果確認試験)
本実施例に係る半導体発光素子の効果を確認するためにFDTD(Finit-Difference Time-Domain)法を用いてシミュレーションを行った。以下、本実施例に係る半導体発光素子の構成について説明する。
図1に示すように、サファイアからなる基板1上に、n型半導体層2、活性層3、p型半導体層4、表面プラズモン層5、n型電極6、p型電極7、絶縁体層8および金属反射層9を形成した。
すなわち、基板1の上に3μm厚のn−GaN(Si添加)からなるn型半導体層2(例えば、基板1とn型半導体層2であるn−GaNの間に、2μm厚程度のGaN(無添加)が形成されている)を形成し、このn型半導体層2の上にはInGaN(3nm)/GaN(10nm)の重層の5周期分である65nmの活性層3(3nm厚の単層InGaNだけでも良い)を形成し、その上に、p−GaN(Mg添加)40nm厚からなるp型半導体層4(ただし、活性層3との間にGaNあるいはp−AlGaN(Mg添加)などの薄膜を含むとキャリアーが注入されやすくなるので好ましい)を形成した。また、p型半導体層4の上に、50nm厚のAgからなる円環状の表面プラズモン層5、および200nm厚のSiO2からなる絶縁体層8を形成し、表面プラズモン層5上には、150nm厚のAuからなる円環状のp型電極7を形成した。また、n型半導体層2の露出面上に、200nm厚のTi(5nm)/Al(195nm)からなるn型電極6を形成した。
また、金属反射層9は、n型半導体層2の内部において150nm厚のAuにより形成した。
また、円環状のp型電極7および表面プラズモン層5において、そのリング外径は700nmとし、そのリング内径は400nmとした。
さらに、活性層3と、金属反射層9の対向面間の距離は100nmとし、円板状をなす金属反射層9の外径は2000nmとし、円環状の透孔部9Aの外側の径は700nmとし、円環状の透孔部9Aの内側の径は400nmとした。
このようにして実施例に係る半導体発光素子を作製した。
一方、金属反射層9を設けなかったこと以外は、上記実施例と同様の構成にて比較例に係る半導体発光素子を作製した。
上述したように構成された実施例および比較例に係る半導体発光素子において、それぞれの発光部から自由空間に470nmの波長をもつ光を放射した場合の結果を図2に示す。
すなわち、図2は、本実施例(A)と比較例(B)における、光の放射分布を図示するものであり、素子の発光領域から放射される全光エネルギーに対して、基板1とは反対側の素子表面(光取得側)において取得し得る光のエネルギーは、金属反射層を設けていない比較例においては24%であったのに対し、金属反射層9を設けた本実施例においては82%となった。この結果から、本実施例においては光の取得効率を大幅に改善できることが明らかである。
1、101 基板(半導体単結晶成長用基板)
2、102 n型半導体層
3、103 活性層
4、104 p型半導体層
5、105 表面プラズモン層
6、106 n型電極
7、107 p型電極
8 絶縁体層
9 金属反射層
9A 透孔部
10、120、220 発光部
30、130、230 半導体発光素子
105A ビア
202 n型基板
204、210 p‐AlInGaNクラッド層
206 InGaN量子井戸層
208 p‐InGaNスペーサ層
212 オーム性電極(P電極)
214 オーム性電極(N電極)
216 結晶欠陥
218 金属微細構造

Claims (7)

  1. 基板上に複数の層を積層してなる半導体発光素子であって、
    前記複数の層は、n型半導体層およびp型半導体層と、これら2つの半導体層の間に配された活性層と、この活性層よりも光取出側の界面の近傍に配された、表面プラズモン層と、を含み、
    前記活性層よりも前記基板側の所定の位置に設けられ、前記活性層から前記基板側に放出される光を、該光取出方向に反射する光反射層を含むことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記光反射層が円環状の透孔部を備えるとともに、当該透孔部よりも光取出側に位置する前記表面プラズモン層が円環状とされ、該透孔部と該表面プラズモン層とが、前記積層方向に互いに重なり合うように構成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 前記活性層と前記表面プラズモン層の間に、5nm以上で50nm以下の厚みのスペーサー層が挟持されるようにして配設され、該スペーサー層が、前記n型半導体層および前記p型半導体層のうち、前記活性層よりも光取出側に配された半導体層よりなることを特徴とする請求項1または2記載の半導体発光素子。
  4. 前記基板側から順に、前記n型半導体層、前記活性層、前記p型半導体層および絶縁体層が積層され、該n型半導体層中に、前記円環状の透孔部を有する前記光反射層が配設され、前記p型半導体層の領域に、この円環状の透孔部とは積層方向に重なり合う前記表面プラズモン層およびp型電極がこの順に積層されてなることを特徴とする請求項2または3記載の半導体発光素子。
  5. 前記光反射層が金属反射層からなり、全体として円板状に形成されてなることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載の半導体発光素子。
  6. 前記光反射層と前記活性層の対向する面の距離が、50nm以上で200nm以下に設定されてなることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項記載の半導体発光素子。
  7. 前記表面プラズモン層は、Au,Ag,Pt,CuおよびAlから選択される、金属薄膜または金属微粒子により形成されてなることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項記載の半導体発光素子。
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