JP2015025364A - 密閉型圧縮機およびそれを用いた冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率と信頼性を向上した密閉型圧縮機およびこれを用いた冷凍装置を提供する。
【解決手段】ピストンとシャフトの偏心軸部とを連結するコンロッド144を備え、このコンロッドの大端孔158と小端孔156とを連通する給油孔160の開口部を大端孔の上下幅の中心より反軸受側に形成した構成としてある。これにより、圧縮行程でコンロッドと偏心軸部の摺動部に大きな荷重がかかり、油膜厚さが薄く、高い油膜圧力が発生する場合において、摺動部中央に給油孔の開口部がないので、油膜圧力の低下を防止することができ、それにより、固体接触の発生を防止し、摺動損失を低減するとともに、摺動面の摩耗の発生を防止することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、密閉型圧縮機およびそれを用いた冷蔵庫等の冷凍装置に関するものである。
近年、地球環境保護に対する要求から家庭用冷蔵庫等は、ますます省エネ化への動きが加速されている。
このような中にあって、従来、この種の冷蔵庫等に用いられている密閉型圧縮機には、シャフトの給油通路内に冷媒ガスが充満しないように、シャフトにガス抜き溝を設け、潤滑不良の発生を防止して高効率化を図ったものがある(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら、前記従来技術の密閉型圧縮機について説明する。
なお、以下の説明において、上下の関係は、密閉型圧縮機を正規の姿勢に設置した状態を基準とする。
図9は、特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機の縦断面図、図10は、コンロッド内の給油孔と偏心軸部表面のオイル溜りの関係を示す行程図である。
図9、図10において、密閉容器2の底部には潤滑油4を貯留しており、圧縮機本体6は、サスペンションスプリング8によって密閉容器2に対して弾性的に支持されている。
圧縮機本体6は、固定子14および回転子16とから構成された電動要素10と、この電動要素10の下方に配設された圧縮要素12から構成されている。
圧縮要素12のシャフト18は、主軸部20と、主軸部20の下側に延出する偏心軸部22と、を備えており、主軸部20はシリンダブロック24に取り付けられた主軸受26に回転自在に軸支されるとともに、回転子16が嵌装されている。また、シャフト18下端は密閉容器2の底部の潤滑油4内で開口し、シャフト18の内部には上方へ至る給油機構30を備えている。
また、シリンダブロック24は円筒状の穴部であるシリンダ34を備えており、ピストン36がシリンダ34に往復自在に挿入されている。
また、コンロッド44は、図10に示すように、両端に設けた小端孔56と大端孔58がそれぞれピストン36に取り付けられたピストンピン42と偏心軸部22に嵌挿されることで、偏心軸部22とピストン36とを連結している。
また、コンロッド44は、小端孔56と大端孔58とを連通する給油孔60を備えており、偏心軸部22表面には給油機構30と連通する油溜り62と垂直凹部64が設けられている。
以上のように構成された従来の密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
電動要素10に通電されると、回転子16の回転に伴ってシャフト18も回転し、圧縮要素12は所定の圧縮動作を行う。
潤滑油4は、シャフト18の回転に伴う給油機構30の作用により、圧縮要素12の各部へ供給され、油溜り62へ潤滑油4が供給される。
油溜り62と給油孔60は、図10のJで示す上死点から、Hで示す下死点までの間連通し、潤滑油4が、給油孔60を通って、ピストンピン42などへ供給される。
また、潤滑油4に混入して、油溜り62に滞留した冷媒ガスは、垂直凹部64から、密閉容器2内の空間へ放出されるため、給油孔60を経由したピストンピン42の給油が阻害されることがない。
実公昭47−16836号公報
しかしながら、特許文献1に記載された従来の構成では、ピストン36に作用する圧力が最大となる上死点で、偏心軸部22と摺動するコンロッド44の大端孔58の摺動面の中央に、給油孔60の開口部が形成されているため、開口部周辺では油膜圧力が低下し、油膜が薄くなることで油膜破断が生じ、固体接触により摺動損失が増加したり、摩耗が発生したりしやすくなるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、コンロッドと偏心軸部との油膜圧力の低下を防止し、摩耗の発生を抑制して、高効率・高信頼性の密閉式圧縮機とそれを用いた冷凍装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機は、コンロッドの大端孔と小端孔とを連通する給油孔の開口部を大端孔の上下幅の中心より反軸受側に形成した構成としてある。
これにより、圧縮行程でコンロッドと偏心軸部の摺動部に大きな荷重がかかり、油膜厚さが薄く、高い油膜圧力が発生する場合において、摺動部中央に給油孔の開口部がないので、油膜圧力の低下を防止することができ、それにより、固体接触の発生を防止し、摺動損失を低減するとともに、摺動面の摩耗の発生を防止することができる。
本発明の密閉型圧縮機は、コンロッドと偏心軸部の摺動部で発生する油膜圧力の低下を防止することで、固体接触の発生を防止し、摺動損失を低減することができるので、密閉型圧縮機の効率を向上するとともに、固体接触の発生を防止することで摺動面の摩耗の発生を防止し、信頼性を向上することができる。また、この密閉型圧縮機を用いた冷蔵庫等の冷凍装置は密閉型圧縮機の効率向上によって消費電力を低減することができる。
本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図 (a)同実施の形態におけるコンロッドの上面図、(b)同コンロッドの断面図 同実施の形態におけるシャフトの傾きを示す概念図 (a)同実施の形態における油膜圧力の発生状態を示す概念図、(b)比較品における油膜圧力の発生状態を示す概念図 同実施の形態における圧縮室の圧力変化を示す特性図 (H)〜(K)同実施の形態における給油孔とオイル溜りの位置関係を示す行程図 同実施の形態における油膜圧力の発生状態を示す概念図 本発明の実施の形態2における冷凍装置としての冷蔵庫の概略断面図 従来の密閉型圧縮機の縦断面図 従来の給油孔とオイル溜りの位置関係を示す行程図
第1の発明の密閉型圧縮機は、密閉容器内に潤滑油を貯溜するとともに、固定子と回転子を備えた電動要素と、前記電動要素の上方に配置された圧縮要素とを収容し、前記圧縮要素は、前記回転子が固定された主軸部と偏心軸部と給油機構とを備えたシャフトと、前記シャフトの前記主軸部を軸支する主軸受とシリンダとを備えたシリンダブロックと、前記シリンダの内部に往復動可能に挿設されたピストンと、ピストンピンと前記偏心軸部とを連結するコンロッドとを備え、前記コンロッドは、その一端に設けた小端孔を前記ピストンの前記ピストンピンに嵌合させるとともに、他端に設けた大端孔を前記シャフトの前記偏心軸部に嵌合させて前記ピストンと前記偏心軸部を連結し、かつ、前記コンロッドは前記大端孔と前記小端孔とを連通する給油孔を有し、前記給油孔の開口部が、前記大端孔の上下幅の中心より反軸受側に形成されたものである。
これにより、圧縮行程でコンロッドと偏心軸部の摺動部に大きな荷重がかかり、油膜厚さが薄く、高い油膜圧力が発生する場合において、摺動部中央に給油孔の開口部がないので、油膜圧力の低下を防止することができ、それにより、固体接触の発生を防止し、摺動損失を低減するとともに、摺動面の摩耗の発生を防止することができる。その結果、密閉型圧縮機の効率を向上するとともに、固体接触の発生を防止することで摺動面の摩耗の発生を防止し、信頼性を向上することができる。
第2の発明は、特に第1の発明の密閉型圧縮機の前記給油孔の前記大端孔および前記小端孔への前記開口部が、前記大端孔および前記小端孔の中心線を含む平面に対して、前記平面上にない位置に配置したものである。
これにより、コンロッドと偏心軸部の摺動部の荷重が最も大きくなる上死点近傍で、開口部がピストンの荷重が最も大きくなる中心線の近傍から離れているので、油膜圧力の低下を防止し、油膜厚さが大きくなるので、摺動損失を低減し効率を向上するとともに、摩耗を防止し信頼性を向上することができる。
第3の発明は、特に第2の発明の密閉型圧縮機において、前記大端孔および前記小端孔の中心線を含む平面と前記給油孔が交差し、かつ、前記給油孔の前記大端孔への開口部が、前記平面よりシャフトの回転方向に角度をふって配置したものである。
これにより、コンロッドと偏心軸部の摺動部の荷重が最も大きくなる上死点近傍で、連通孔の大端孔への開口部が摺動部へ潤滑油が引き込まれて、油膜厚さが最小となる位置よりも下流側に配置されるので、油膜圧力の低下をより確実に防止できるようになり、さらに高い油膜圧力を発生させることができるので、摺動損失を低減し、信頼性を向上することができる。
第4の発明は、特に第1から3のいずれかの発明の密閉型圧縮機において、前記潤滑油の粘度グレードはVG8以下としたものである。
これにより、特に潤滑油の粘度が低い場合でも、油膜圧力の発生が給油孔によって阻害
されることがないので、粘度低減により摺動損失を低減し、効率向上が可能となるとともに、摩耗防止による信頼性向上の効果が顕著である。
第5の発明は、第1から4のいずれかの発明の密閉型圧縮機を用いた冷凍装置である。
これにより、密閉型圧縮機の効率が高いので、冷凍装置の消費電力を低減することができるとともに、信頼性の高い密閉型圧縮機を用いたことにより、冷凍装置の信頼性も向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における密閉型圧縮機の縦断面図である。図2(a)は、同実施の形態におけるコンロッドの上面図、同(b)は、断面図、図3は、同実施の形態におけるシャフトの傾きを示す概念図である。
図4(a)は、同実施の形態における油膜圧力の発生状態を示す概念図、図4(b)は、比較品における油膜圧力の発生状態を示す概念図である。図5は、同実施の形態における圧縮室の圧力変化を示す特性図、図6(H)〜(K)は、同実施の形態における連通路とオイル溜りの位置関係を示す行程図、図7は、同実施の形態における油膜圧力の発生状態を示す概念図である。
図1から図7において、密閉容器102内底部に潤滑油104を貯留するとともに、圧縮機本体106がサスペンションスプリング108により密閉容器102内で内部懸架されている。また、密閉容器102には、温暖化係数の低い冷媒ガスであるR600a(イソブタン)が充填されている。また、潤滑油104は、密閉型圧縮機の高効率化により消費電力を低減するため、粘度グレードがVG8以下、望ましくは、VG5程度の粘度の低いものを使用している。
圧縮機本体106は、電動要素110と、これによって駆動される圧縮要素112と、からなり、密閉容器102には電動要素110に電源を供給するための電源端子113が取り付けられている。
まず、電動要素110について説明する。
電動要素110は、鋼板を積層した鉄心の複数の磁極歯に絶縁材を介して巻線(図示せず)を直接巻回した固定子114と、固定子114の内径側に配置された永久磁石(図示せず)を内蔵した回転子116と、を備えた突極集中巻方式のDCブラシレスモータである。固定子114の巻線は電源端子113を経由して密閉型圧縮機外のインバータ回路(図示せず)と導線により接続され、電動要素110は複数の回転数で駆動される。
次に、圧縮要素112について説明する。
圧縮要素112は電動要素110の上方に配設されている。
圧縮要素112を構成するシャフト118は、垂直方向に配置され、主軸部120と、主軸部120上端から延出し、主軸部120と平行な偏心軸部122と、を備えている。また、主軸部120には回転子116が焼嵌めなどの方法で固定されている。
シリンダブロック124は、円筒形の内面を有する主軸受126を備え、主軸受126に主軸部120が回転自在な状態で挿入されることでシャフト118が支持されている。そして、圧縮要素112は、偏心軸部122に作用した荷重を偏心軸部122の下側に配置された主軸部120と主軸受126で支持する片持ち軸受の構成になっている。
また、シリンダブロック124は円筒状の穴部であるシリンダ134を備えており、ピストン136がシリンダ134に往復自在に挿入されている。
シリンダ134の端面にはバルブプレート146が取り付けられ、シリンダ134およびピストン136とともに圧縮室148を形成する。さらに、バルブプレート146を覆って蓋をするようにシリンダヘッド150が固定されている。吸入マフラ152は、PBTなどの樹脂で成型され、内部に消音空間を形成し、シリンダヘッド150に取り付けられている。
シャフト118は、主軸部120の下端が密閉容器102内底部に貯留された潤滑油104に浸漬しており、主軸部120の外表面の螺旋溝128などからなり、シャフト118の下端から上端に至る給油機構130を備えている。また、偏心軸部122の表面には給油機構130と連通する油溜り162が設けられている。
次に、コンロッド144について説明する。
コンロッド144は、図2に示すように、一端に小端孔156、他端に大端孔158が設けられていて、この小端孔156と大端孔158がそれぞれピストン136に取り付けられたピストンピン142と、偏心軸部122と、に嵌挿されることで、偏心軸部122とピストン136とを連結している。
コンロッド144には、小端孔156近傍の外表面の開口部165より、大端孔158の内面に設けた開口部166に至る給油孔160が設けられ、給油孔160は、小端孔156の内面に開口部168を有している。
給油孔160の大端孔158への開口部166は、小端孔156と大端孔158の中心線を含む平面A−A上にない位置に配置されており、さらには、平面A−Aより、シャフト118の回転方向、即ち時計回りの方向に角度がずれた位置にふって配置されている。
また、開口部166は、大端孔158の上下幅の中心であるB−B面よりも反軸受側即ち、上方に配置されている。
また、給油孔160は、平面A−Aと交差するように配置され、小端孔156の内面の開口部168は、大端孔158の内面の開口部166と平面A−Aに対して反対側に位置している。開口部168には、小端孔156の軸線方向に縦溝170が設けられている。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
電源端子113より電動要素110に通電されると、固定子114に発生する磁界により回転子116はシャフト118とともに回転する。主軸部120の回転に伴い、偏心軸部122は偏心回転し、コンロッド144により変換され、ピストン136をシリンダ134内で往復運動させる。そして、圧縮室148が容積変化することで、密閉容器102内の冷媒ガスを圧縮室148内に吸入し、圧縮する動作を行う。
次に、給油孔160を上方にずらしたことによる効果を説明する。
圧縮動作を行う際、図3に示すように、圧縮室148の冷媒ガスの圧力Pにより、ピストン136やコンロッド144を介して、シャフト118の偏心軸部122へ圧縮荷重が作用する。主軸部120および主軸受126より上方の偏心軸部122に圧縮荷重が作用することにより、モーメントが生じ、主軸部120は主軸受126とのクリアランス内で傾斜する。
この結果、コンロッド144の大端孔158と偏心軸部122の軸心方向の隙間は、上部のCに比べ、下部のDの方が狭くなる。大端孔158と偏心軸部122は、相対的な回転速度を有しているので、隙間が狭い部位へ潤滑油104が引き込まれることによるくさび効果により油膜圧力が発生し、この油膜圧力は隙間が狭くなるほど大きくなる。
従って、コンロッド144の摺動面に発生する油膜圧力は、図4の(a)本実施品で示すように、給油孔160より下側で大きく発生するので、(b)比較品で示す給油孔160が中心にある場合に比べ、摺動面全体で発生する油膜圧力が大きくなる。
このように、給油孔160の大端孔158への開口部166を上側、すなわち反軸受側に配置することで、特に圧縮荷重が高くシャフト118が傾斜するような条件で、油膜圧力を大きくでき、油膜破断による固体接触の発生を防止することができるので、摺動損失が低減され、密閉型圧縮機の効率を向上することができる。また、摩耗の発生も防止できるので、信頼性が向上する。
次に、給油孔160をコンロッド144の中心線に対してシャフト118の回転方向に角度をふっている効果を説明する。
図5は、シャフト118の回転に伴う、圧縮室148内の圧力の挙動を示す特性図である。I(クランク角270°)近傍から冷媒ガスの圧縮が始まり、圧縮室148内の圧力が上昇し、上死点のJ(360°)を過ぎてから圧力が低下する。
図6に示す通り、上死点のJでは、給油孔160の大端孔158への開口部166は、ピストン136の中心線より右側にずれており、この段階では、偏心軸部122の油溜り162と給油孔160は連通していない。そして、上死点Jを通過してから、Kおよび下死点のHの区間で、油溜り162と給油孔160は連通し、潤滑油104が給油孔160を流れる。給油孔160を流れてきた潤滑油104は、小端孔156への開口部168より縦溝170を経由して、ピストンピン142表面全体に供給され、ピストンピン142表面を潤滑する。さらに、余剰の潤滑油104はさらに給油孔160を流れ、開口部165から外部へ排出される。
そして、圧縮荷重が最大となる、上死点のJにおいて、給油孔160の開口部166、168は、いずれもピストン136の中心線の近傍にある荷重中心から離れているため、給油孔160の開口部166、168が摺動部の中央に位置しないので、油膜圧力が低下することがなく、油膜厚さを大きくできるので、摺動損失を低減し効率を向上するとともに、摩耗を防止し信頼性を向上することができる。
また、図7に示すように、コンロッド144の大端孔158では、コンロッド144に対して、偏心軸部122が回転することで、隙間が狭い部位に潤滑油104が引き込まれることにより、油膜圧力が発生するくさび効果が作用している。
そして、圧縮荷重が最大となる上死点であるJの位置では、給油孔160の大端孔158への開口部166は、ピストン136の中心軸付近からずれた位置にあり、潤滑油10
4の流入方向に対して、荷重中心より下流側の油膜圧力が低い位置に配置されているので、油膜圧力の発生への悪影響を低くすることができる。
また、小端孔156への開口部168は、平面A−Aに対して、大端孔158への開口部166と反対側に配置されている。
このため、図6に示すように、ピストン136より大きな圧縮荷重が作用するIからJの領域では、開口部168は中心より右側に位置しており、荷重が小さいKで開口部168は中央下側に最も近づく。従って、荷重が大きいときは油膜圧力の発生を阻害することなく、荷重の小さいときに潤滑を行うことができるので、摺動損失を低減し、効率を向上すると共に、摩耗の発生を防止し、信頼性を改善することができる。
以上説明したように、コンロッド144の給油孔160の開口位置を摺動面の中心を避けて配置することにより、油膜圧力の発生を阻害することがないので、粘度グレードがVG8以下の低粘度の潤滑油104を用いた場合でも、油膜の破断が少ない良好な潤滑状態を維持できるので、摺動損失低減と効率向上効果の効果が顕著である。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2における冷凍装置としての冷蔵庫の概略断面図を示す。
図8において、断熱箱体180はABSなどの樹脂体を真空成型した内箱182とプリコート鋼板などの金属材料を用いた外箱184とで構成された空間に発泡充填する断熱体186を注入してなる断熱壁を備えている。断熱体186は、例えば硬質ウレタンフォームやフェノールフォームやスチレンフォームなどが用いられる。発泡材としてはハイドロカーボン系のシクロペンタンを用いると、温暖化防止の観点でさらによい。
断熱箱体180は、複数の断熱区画に区分されており、上部を回転扉式、下部を引出し式とする構成をとってある。上から冷蔵室188、並べて設けた引出し式の切替室190および製氷室192と、引出し式の野菜室194と引出し式の冷凍室196となっている。各断熱区画にはそれぞれ断熱扉がガスケットを介して設けられている。上から冷蔵室回転扉198、切替室引出し扉200、製氷室引出し扉202、野菜室引出し扉204、冷凍室引出し扉206である。
また、断熱箱体180の外箱184は、天面後方を窪ませた凹み部208を備えている。
冷凍サイクルは、凹み部208に弾性支持して配設した密閉型圧縮機210と、断熱箱体180側面などに設けた凝縮器(図示せず)と、減圧器であるキャピラリ212と、水分除去を行うドライヤ(図示せず)と、野菜室194と冷凍室196の背面で冷却ファン214を近傍に配置して設けた蒸発器216と、吸入配管218とを環状に接続して構成されている。
ここで、上記密閉型圧縮機210は、実施の形態1で説明した圧縮機を用いている。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。

まず、各断熱区画の温度設定と冷却方式について説明する。冷蔵室188は冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1〜5℃で設定されている。
切替室190は、ユーザーの設定により温度設定を変更可能であり、冷凍室温度帯から冷蔵、野菜室温度帯まで所定の温度設定にすることができる。また、製氷室192は独立の氷保存室であり、自動製氷装置(図示せず)を備えて、氷を自動的に作製、貯留するものである。氷を保存するために冷凍温度帯であるが、氷の保存が目的であるために冷凍温度帯よりも比較的高い−18℃〜―10℃の冷凍温度で設定されることも可能である。
野菜室194は、冷蔵室188と同等もしくは若干高い温度設定の2℃〜7℃とすることが多い。凍らない程度で低温にするほど、葉野菜の鮮度を長期間維持することが可能である。
冷凍室196は、冷凍保存のために通常−22〜−18℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、例えば−30や−25℃の低温で設定されることもある。
各室は異なる温度設定を効率的に維持するために断熱壁によって区分されているが、低コストでかつ断熱性能を向上させる方法として断熱体186で一体に発泡充填することが可能である。発泡スチロールのような断熱部材を用いるのに比べて約2倍の断熱性能とすることができ、仕切りの薄型化による収納容積の拡大などができる。
次に、冷凍サイクルの動作について説明する。
庫内の設定された温度に応じて温度センサ(図示せず)および制御基板からの信号により冷却運転が開始および停止される。冷却運転の指示により密閉型圧縮機210が所定の圧縮動作を行い、吐出された高温高圧の冷媒ガスは、凝縮器(図示せず)にて放熱して凝縮液化し、キャピラリ212で減圧されて低温低圧の液冷媒となり蒸発器216に至る。
冷却ファン214の動作により、庫内の空気と熱交換されて蒸発器216内の冷媒ガスは蒸発気化され、熱交換された低温の冷気をダンパ(図示せず)などで分配することで各室の冷却が行われる。
以上のような動作を行う冷蔵庫の密閉型圧縮機210は、実施の形態1で説明したように構成されており、具体的には、大端孔158と小端孔156とを連通する給油孔160を有し、ピストンピン142と偏心軸部122とを連結するコンロッド144を備え、コンロッド144の給油孔160の開口部が、大端孔158の上下幅の中心より反軸受側に形成されているものである。
これにより、圧縮行程でコンロッド144と偏心軸部122の摺動部に大きな荷重がかかり、油膜厚さが薄く、高い油膜圧力が発生する場合において、摺動部中央に給油孔の開口部がないので油膜圧力の低下を防止することができ、それにより、固体接触の発生を防止し、摺動損失を低減するので密閉型圧縮機210の効率が向上し、その結果、冷蔵庫の消費電力を低減することができる。
また、コンロッド144と偏心軸部122との固体接触の発生を防止することで、摺動面の摩耗の発生を防止し、信頼性を向上することができるので、冷蔵庫の信頼性も向上することができる。
以上のように本発明は、密閉型圧縮機の効率と信頼性を向上し、冷凍装置の消費電力低減と信頼性向上を図ることができ、家庭用電気冷凍冷蔵庫に限らず、エアーコンディショナー、自動販売機、業務用冷凍冷蔵庫やその他の冷凍装置等に広く適用できる。
102 密閉容器
104 潤滑油
110 電動要素
112 圧縮要素
114 固定子
116 回転子
118 シャフト
120 主軸部
122 偏心軸部
124 シリンダブロック
126 主軸受
130 給油機構
134 シリンダ
136 ピストン
142 ピストンピン
144 コンロッド
156 小端孔
158 大端孔
160 給油孔
162 油溜り
165 開口部
166 開口部
168 開口部
210 密閉型圧縮機

Claims (5)

  1. 密閉容器内に潤滑油を貯溜するとともに、固定子と回転子を備えた電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを収容し、前記圧縮要素は、前記回転子が固定された主軸部と偏心軸部と給油機構とを備えたシャフトと、前記シャフトの前記主軸部を軸支する主軸受とシリンダとを備えたシリンダブロックと、前記シリンダの内部に往復動可能に挿設されたピストンと、ピストンピンと前記偏心軸部とを連結するコンロッドとを備え、前記コンロッドはその一端に設けた小端孔を前記ピストンの前記ピストンピンに嵌合させるとともに、他端に設けた大端孔を前記シャフトの前記偏心軸部に嵌合させて前記ピストンと前記偏心軸部を連結し、かつ、前記コンロッドは、前記大端孔と前記小端孔とを連通する給油孔を有し、前記給油孔の開口部が、前記大端孔の上下幅の中心より反軸受側に形成されている密閉型圧縮機。
  2. 前記給油孔の前記大端孔および前記小端孔への開口部が、前記大端孔および前記小端孔の中心線を含む平面に対して、前記平面上にない位置に配置される請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. 前記大端孔および前記小端孔の中心線を含む平面と前記給油孔が交差し、かつ、前記給油孔の前記大端孔への開口部が、前記平面よりシャフトの回転方向に角度をふって配置されている請求項2に記載の密閉型圧縮機。
  4. 前記潤滑油の粘度グレードがVG8以下である請求項1から3のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機を用いた冷凍装置。
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