JP2015015415A - 光電変換層の成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】残像特性に直接影響を及ぼす膜特性が良好なバルクヘテロ層を安定して成膜する。
【解決手段】基板10を用意し、基板10を真空蒸着室内に設置する基板設置工程と、設置された基板10の温度が5℃以上15℃以下の温度範囲となるように制御しながら、有機光電変換層を構成するn型有機半導体とp型有機半導体とを基板10上に共蒸着して第1の光電変換層32aを成膜する第1の光電変換層形成工程と、基板の温度制御をやめ、第1の光電変換層32a上に共蒸着を実施して第2の光電変換層32bを成膜する第2の光電変換層形成工程を実施して有機光電変換層32を成膜する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機光電変換素子に設けられてなる光電変換層を成膜する方法に関する。
デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話用カメラ、内視鏡用カメラ等に利用されているイメージセンサとして、CCDセンサやCMOSセンサなどの撮像素子が広く知られている。これらの素子には、一対の電極間に光電変換層を含む受光層を備えた光電変換素子が備えられている。光電変換素子は、一対の電極のうち光透過性を有する透明電極側から入射した光に応じて光電変換層で電荷を生成し、生成された電荷を電極から信号電荷として読み出す素子である。
光電変換層に有機化合物を用いた有機光電変換素子及びそれを用いた撮像素子が本出願人らによって提案されている。有機、無機にかかわらず、撮像素子に用いられる光電変換素子には、光電流/暗電流のS/N比、応答速度、感度、残像特性等様々な性能において高い水準を満足することが求められる。これらの性能の高性能化には、光電変換素子の光電変換効率の向上が必須である。
本出願人は、有機光電変換素子において、良好な光電変換効率が得られる有機光電変換層として、p型有機半導体とフラーレン又はフラーレン誘導体等のn型半導体との混合層(バルクへテロ層)を提案している(特許文献1〜2等)。
バルクヘテロ層は、例えば、p型有機半導体材料とn型有機半導体材料とを共蒸着(真空蒸着)により製造することができる。共蒸着では、複数の蒸着源を配してその速度等をコントロールすることによりその所望の組成の膜を形成する。
特開2007−123707号公報 特開2012−94660号公報
小坂,「真空蒸着中の輻射熱とその低減について」,金属表面技術,1977年,Vol.28, No.6, p.330-335, 1977.
しかしながら、共蒸着により形成されたバルクヘテロ層を有機光電変換層として備えた撮像素子は、組成が制御されたものであってもデバイス性能がばらつきやすく、歩留まりのよい製造が難しいという問題がある。
特に、残像現象の程度は、バルクヘテロ層の成膜において、同一条件の成膜をしているにもかかわらず異なる装置を用いただけで顕著にばらつくことが本発明者によって確認されている。
真空蒸着では、基板温度が、蒸着熱により上昇することが知られており、蒸着が進むにつれて基板温度は徐々に上昇する(非特許文献1等に記載)。これは、蒸着熱が輻射エネルギーにより大きく影響を受けることに起因するものと考えられる。輻射エネルギーは、基板の材質、基板表面に蒸着される膜の材料やその膜厚の増加、真空容器の内部表面の材質や該表面の膜付着状態、真空容器の形状等の色々な要素によって変化しやすいため、真空蒸着において基板温度の精密な制御は難しい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、成膜装置によって変化しやすく、且つ、残像特性に直接影響を及ぼす膜特性が良好なバルクヘテロ層を安定して製造可能な有機光電変換膜の成膜方法を提供することを目的とするものである。
本発明はまた、残像特性の良好な有機光電変換素子を歩留まり良く製造することを目的とするものである。
本発明の有機光電変換層の成膜方法は、
有機光電変換素子に備えられてなる有機光電変換層の成膜方法であって、
基板を用意し、この基板を真空蒸着室内に設置する基板設置工程と、
設置された基板の温度が5℃以上15℃以下の温度範囲となるように制御しながら、有機光電変換層を構成するn型有機半導体とp型有機半導体を基板上に共蒸着して第1の光電変換層を成膜する第1の光電変換層形成工程と、
基板の温度の制御をやめ、第1の光電変換層上に共蒸着を実施して第2の光電変換層を成膜する第2の光電変換層形成工程を有する。
本明細書において、基板の温度(基板温度)とは、基板を設置する基板ホルダ等の、基板設置面の温度とする。また、「基板上に共蒸着する」とは、基板上に直接共蒸着する場合、及び、基板上に、電極等のその他の層を介して共蒸着する場合の両方を意味する。
本発明の有機光電変換層の成膜方法において、基板温度の制御には冷却を好ましく用いることができる。また、第2の光電変換層が第1の光電変換層よりも大きい層厚を有することが好ましい。
第1の光電変換層の平均層厚の第2の光電変換層の平均層厚対する比は、1/2以下であることが好ましく、1/3以下であることがより好ましい。第1の光電変換層と第2の光電変換層の合計層厚が0.2μm〜1.0μmの範囲である場合は、第1の光電変換層の平均層厚は10Å以上100Å以下であることが好ましい。
本発明の有機光電変換層の成膜方法は、第2の光電変換層形成工程を、基板温度の最高温度が80℃以上となる条件で実施する態様が好ましい。
また、本発明の有機光電変換層の成膜方法において、基板設置工程後、第1の光電変換層形成工程を実施する前に、基板の温度が5℃以上15℃以下の温度範囲となるように冷却する冷却工程を有する態様が好ましい。
有機光電変換層のn型有機半導体としては、フラーレン又はフラーレン誘導体を主成分とするものが好ましく、p型有機半導体としては、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
(一般式(1)中、Zは少なくとも2つの炭素原子を含む環であって、5員環、6員環、または5員環および6員環の少なくともいずれかを含む縮合環を表す。L、L、およびLはそれぞれ独立に無置換メチン基、または置換メチン基を表す。Dは原子群を表す。nは0以上の整数を表す。)
本発明の有機光電変換素子の製造方法は、正孔捕集電極と電子捕集電極とに挟持された少なくとも有機光電変換層を含む受光層を有する有機光電変換素子の製造方法であって、
前記有機光電変換層を、上記本発明の有機光電変換層の成膜方法により成膜するものである。
本発明の有機膜成膜装置は、基板上に有機膜を共蒸着により成膜する装置であって、
真空蒸着室と、
真空蒸着室内に前記基板側に開口されて配置されてなり、有機膜の原料を入れる容器と、この容器を加熱して容器内の原料を蒸発させる加熱源とを備える複数の蒸着源と、
基板の温度を共蒸着中に5℃以上15℃以下に制御する基板温度制御手段を有する。
基板温度制御手段は、共蒸着中に着脱可能な冷却手段であることが好ましい。
本発明の有機光電変換層の成膜方法では、有機光電変換層を、基板の温度が5℃以上15℃以下の温度範囲となるように制御しながら共蒸着した後に、基板の温度の制御をやめて更に共蒸着を実施することにより形成する。かかる成膜方法によれば、成膜装置によって変化しやすく、且つ、残像特性に直接影響を及ぼす膜特性が良好なバルクヘテロ層を安定して製造することができる。
更に、本発明の有機光電変換層の成膜方法を用いることにより、残像特性の良好な有機光電変換素子を歩留まり良く製造することができる。
本発明の有機光電変換層の成膜方法により有機光電変換層を成膜して得られる有機光電変換素子の一実施形態を示す断面模式図 本発明の有機光電変換層の成膜方法の一実施形態を示す断面模式図(基板設置工程から第1の光電変換層形成工程) 本発明の有機光電変換層の成膜方法の一実施形態を示す断面模式図(第2の光電変換層形成工程) 本発明の有機膜成膜装置の一実施形態を示す概略模式図 本発明の有機光電変換層の成膜方法における基板温度変化の一例を示す図 第1の光電変換層形成工程を実施せずに有機光電変換層を成膜して得られた有機光電変換素子の残像電流値と、有機光電変換層形成時の基板温度の最高温度との関係を示す図 有機材料の蒸着膜の配向度と蒸着時の基板温度との関係を示す図 本発明の有機光電変換層の成膜方法により有機光電変換層を成膜して得られた有機光電変換素子の残像電流値と、第2の光電変換層形成工程における基板温度の最高温度との関係を示す図 図7にて測定した有機光電変換素子の有機光電変換層の配向度と、第2の光電変換層形成工程における基板温度の最高温度との関係を示す図 本発明により得られる有機光電変換素子に好適な撮像素子の一例の概略構成を示す断面模式図
「有機光電変換層の成膜方法及び有機光電変換素子の製造方法」
図面を参照して、本発明にかかる一実施形態の有機光電変換層の成膜方法及びそれを用いた有機光電変換素子の製造方法について説明する。図1は本実施形態の有機光電変換素子の製造方法によって製造される有機光電変換素子の概略断面図である。また、図2A〜図2Bは、本発明にかかる一実施形態の有機光電変換層の成膜方法の工程を示す断面模式図である。本明細書の図面において、視認しやすくするため、各部の縮尺は適宜変更して示してある。
図1に示されるように、有機光電変換素子1は、基板10と、基板10上に形成された正孔捕集電極20と、正孔捕集電極20上に形成された電子ブロッキング層31と、電子ブロッキング層31上に形成された光電変換層32と、光電変換層32上に形成された正孔ブロッキング層33と、正孔ブロッキング層33上に形成された電子捕集電極40と、電子捕集電極40の表面及び、正孔捕集電極20から電子捕集電極40まで積層された積層体の側面を被覆してなる封止層50とを備える。電子ブロッキング層31と光電変換層32と正孔ブロッキング層33とで受光層30を形成している。
光電変換素子1において、電子捕集電極40は透明電極であり、電子捕集電極40上方から光が入射すると、この光が電子捕集電極40を透過して光電変換層32に入射し、ここで電荷が発生する。発生した電荷のうちの正孔は正孔捕集電極20に移動し、電子は電子捕集電極40に移動する。
電子捕集電極40及び正孔捕集電極20間にバイアス電圧(外部電場)を印加することで、光電変換層32で発生した電荷のうち、正孔を正孔捕集電極20に、電子を電子捕集電極40に移動させることができる。
光電変換層32は、バルクへテロ層からなる光電変換層であり共蒸着により成膜することができる。バルクヘテロ層からなる光電変換層は、バルクへテロ層におけるn型有機半導体とp型有機半導体の混合比率によって、(1)バルクへテロ層中のキャリア輸送性、(2)可視光吸収率、(3)電子ブロッキング層との間のキャリア輸送性、(4)耐熱性について最適化することができる。これらの特性を良好にすることで、耐熱性を有し、且つ、応答速度及び感度が良好な、暗電流の少ない光電変換素子とすることができる。
光電変換層32は、以下に示す本発明の有機光電変換層の成膜方法により成膜されてなり、第1の光電変換層形成工程にて成膜された、正孔捕集電極20側の第1の光電変換層32aと、第2の光電変換層形成工程にて成膜された、電子捕集電極40側の第2の光電変換層32bとから構成されている。
図2A〜図2Bに示されるように、本実施形態の有機光電変換層の成膜方法は、正孔捕集電極20と電子ブロッキング層31とが順次積層された基板10を用意し、その基板10を真空蒸着室内に設置する基板設置工程と、設置された基板10の温度が5℃以上15℃以下の温度範囲となるように制御しながら、有機光電変換層を構成するn型有機半導体とp型有機半導体とを基板10上に共蒸着して第1の光電変換層32aを成膜する第1の光電変換層形成工程と、基板の温度制御をやめ、第1の光電変換層32a上に共蒸着を実施して第2の光電変換層32bを成膜する第2の光電変換層形成工程を実施して有機光電変換層32を成膜する。
共蒸着の方法は特に制限されないが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、フラッシュ蒸着等を用いて実施することが好ましい。
本実施形態の有機光電変換層の成膜方法は、図3に示される有機膜成膜装置200により好適に実施することができる。図3は、真空蒸着装置である有機膜成膜装置200の概略模式図である。図示されるように、有機膜成膜装置200は、基板10上に有機膜を共蒸着により成膜する装置であって、真空蒸着室170と、基板10を表面110aに保持する基板ホルダ110と、真空蒸着室170内に基板10側に開口されて配置されてなり、有機膜の原料を入れる容器151(A,B)と、この容器を加熱して容器内の原料を蒸発させる加熱源152(A,B)とを備える複数の蒸着源150(A,B)と、基板10の温度を共蒸着中に5℃以上15℃以下に制御する基板温度制御手段120を有する。
有機膜成膜装置200において、複数の蒸着源150が2つである態様について示してあるが、蒸着源150は2つに限定されるものではない。図3において、蒸着源はそれぞれ加熱制御手段160(A,B)に接続されて原料の蒸発を制御されており、蒸着源の開口部の基板側には、それぞれの原料の蒸着の開始及び終了を制御するシャッター140(A,B)が備えられている。
また、基板ホルダ110には、成膜される有機膜の組成及び膜厚の面内均一性を良好にするために基板ホルダを回転させたり、3次元方向に移動させる基板ホルダ位置制御手段130と、基板ホルダ表面110aの温度を5℃以上15℃以下に制御する基板温度制御手段120とを備えている。本実施形態では、基板温度制御手段120が冷却源121と温度制御部122とにより構成された態様について示してあるが、基板温度制御手段120は、共蒸着中に着脱可能な冷却源121によってのみ構成されていてもよい。
<基板設置工程>
基板設置工程では、光電変換層32を成膜する基板10を用意し、有機膜成膜装置200の真空蒸着室170内に設置する。本実施形態では、正孔捕集電極20と電子ブロッキング層31とが基板表面10a上に順次積層された基板10を用意し、真空蒸着室170内の基板ホルダ110の表面110aに、電子ブロッキング層31の表面が成膜面となるように設置する。図3において、基板10上に成膜された層については図示を省略してある。
<第1の光電変換層形成工程>
次に、設置された基板10の温度が5℃以上15℃以下の温度範囲となるように制御しながら、有機光電変換層を構成するn型有機半導体とp型有機半導体とを基板10上に成膜された電子ブロッキング層31上に共蒸着して第1の光電変換層32aを成膜する。
有機光電変換層32を構成するn型有機半導体とp型有機半導体は特に制限されないが、いずれかの材料若しくは両方が、分子が縦長の長軸を有する異方性を有していることが必要である。有機光電変換層32の好適な材料については後記する。
第1の光電変換層形成工程では、基板10の温度が5℃以上15℃以下の温度範囲となるように制御しながら、n型有機半導体とp型有機半導体とを共蒸着することにより、縦長の長軸を有する異方性分子が、長軸が基板面に水平方向に強く配向した状態で蒸着された第1のバルクヘテロ層(第1の有機光電変換層)32aを成膜する。
第1の光電変換層形成工程は、基板10の温度が5℃以上15℃以下の温度範囲となるように制御しながら、n型有機半導体とp型有機半導体とを共蒸着する工程であるので、基板設置工程において成膜基板が5℃以上15℃以下の温度範囲となっていない場合、例えば、室温に温度が保たれた基板10上に第1の光電変換層形成工程を実施する場合等においては、基板の冷却工程を実施する必要がある。
冷却工程は、基板設置工程前に実施してもよいし、基板設置工程後、基板ホルダ上にて実施してもよい。第1の光電変換層形成工程は、開始時から基板10の温度が5℃以上15℃以下となっているようにする。
<第2の光電変換層形成工程>
次に、基板10の温度制御をやめて、第1のバルクヘテロ層32aの上に、引き続き第1のバルクヘテロ層32aと同様の蒸着源を用いて共蒸着を実施し、第2のバルクヘテロ層32bを形成する。第2のバルクヘテロ層32bの成膜において、基板10の温度制御をやめた以外は第1のバルクヘテロ層32aの成膜条件と同様でよいが、必要に応じてその他の条件を変更してもよい。
基板設置工程前の基板が室温にて保持されていた場合の、本実施形態の有機光電変換層の成膜方法の各工程と基板温度との関係を図4に示す。図4は、横軸が本実施形態の成膜方法の各プロセスを示しており、左から右に工程が進んでいく。図4に示されるように、第1の光電変換層形成工程前に基板温度は冷却工程により5℃以上15℃以下にされ(図4では10℃)、その温度を維持した状態に制御しながら第1の光電変換層形成工程を実施し、その後、温度制御をやめてから第2の光電変換層形成工程を実施する。図4では第1の光電変換層形成工程において基板温度は一定値となっているが、5℃以上15℃以下の範囲であれば変動しても構わない。
図4では、第2の光電変換層形成工程の最高温度が70℃となる場合について示してあるが、第2の光電変換層形成工程において、光電変換層を構成する有機材料の融点以下であればその最高温度は特に制限されない。ただし、膜の長期信頼性の観点からは、150℃程度以下であることが好ましい。また生産性の観点からは、蒸着成膜環境が長時間連続稼動している場合に雰囲気温度が短時間成膜と比べると高くなるケースが有り得、たとえば前記第2の光電変換層形成工程を実施する際の基板温度の最高温度は80℃以上となることも実際上起こり得る。
第1の光電変換層と第2の光電変換層の層厚の割合は特に制限されないが、低温成膜となる第1の光電変換層よりも第2の光電変換層の層厚が大きい方が、生産性の点で好ましい。第1の光電変換層の平均層厚の第2の光電変換層の平均層厚に対する比が1/2以下であることが好ましく、1/3以下であることがより好ましい。第1の光電変換層と第2の光電変換層の合計層厚が0.2μm〜1.0μmの範囲である場合は、第1の光電変換層の平均層厚は10Å以上100Å以下であれば、配向性付与効果が充分に得られる。
後記実施例では、第1の光電変換層と第2の光電変換層の合計層厚が約400nmであり、そのうち第1の光電変換層の膜厚は6〜7.5nmであった。
本実施形態の有機光電変換層の成膜方法では、有機光電変換層32を、基板の温度が5℃以上15℃以下の温度範囲となるように制御しながら共蒸着した後に、基板の温度の制御をやめて更に共蒸着を実施して形成する。かかる成膜方法によれば、残像特性の良好な有機光電変換素子を歩留まり良く製造することができる。
以下に、上記有機光電変換層の成膜方法により、残像特性の良好な有機光電変換素子を歩留まり良く製造可能とするメカニズムについて説明する。
「本発明が解決しようとする課題」の項目において述べたように、真空蒸着による有機膜の成膜では、基板温度が、基板の材質、基板表面に蒸着される膜の材料やその膜厚の増加、真空容器の内部表面の材質や該表面の膜付着状態、真空容器の形状等の色々な要素によって変化する輻射エネルギーにより影響を受ける。
本発明者は、成膜装置によって変化しやすい輻射エネルギーが、残像特性の成膜装置によるばらつきの要因の一つである可能性に着目し、残像特性と、輻射エネルギーにより変化する基板温度との関係について検討を行った。
図5は、市販されている真空蒸着装置を用いて、ITO(酸化インジウム錫)電極が成膜された基板上に、電子ブロッキング層、バルクヘテロ層を蒸着し、更に、上部電極をスパッタ法により形成して有機光電変換素子を作製し、得られた素子の残像電流値を測定した結果を示したものである。有機光電変換素子は、それぞれバルクヘテロ層の蒸着時の基板温度のみ変化させて、複数作製した。既に述べたように、通常の蒸着時の基板温度は、輻射エネルギーを含む蒸着により、経時上昇していくものであり、成膜終了時に最高温度となることが殆どである。従って、ここでは、成膜終了時の基板温度を異ならせた有機光電変換素子を複数作製し、それぞれの残留電流値について測定した。
図5には、基板温度の最高温度の値により残電流値が変化することが示されている。この測定では,基板温度が80℃から大きく残像電流値が増加し特性が低下していることが観察される。
次に、残像電流値に影響を与えているバルクヘテロ層の膜特性について検討を行った。バルクヘテロ層はアモルファスの膜であり、異方性の大きい有機分子を含む有機アモルファス膜は、膜厚方向の有機分子の配向性が基板温度に依存して変化することが知られている(特開2010−212112号公報等)。一方、膜面内方向についての配向性は確認されていない。
本発明者は、図5で用いたバルクヘテロ層材料のうち、分子の異方性の大きいp型有機半導体材料(後記化合物6)について、蒸着膜の、膜厚方向の有機分子の配向性の基板温度に依存性について評価を行った。
膜厚方向の有機分子の配向性は、非特許文献(”Daisuke Yokoyama et al, “Horizontal Orientation of linear-shaped organic molecules having bulky substituents in neat and doped vacuum-deposited amorphous films. ”Organic Electronics 10, pp.127-137 2009.)や、特開2010−212112号公報に記載されているように、蒸着膜に対する多入射角分光エリプソメトリー法による偏光解析と、解析により得られる消衰係数とから求められる配向度パラメータにより定量化することにより行った。
具体的には、算出された消衰係数から下記式(a)に示される配向度パラメータSを算出し、膜中の分子配向を評価した。
S=(−2)×(k−kxy)/(k+2kxy) ・・・(a)
(kは膜厚方向の消衰係数、kxyは基板面内方向の消衰係数である。)
薄膜が光学的異方性を有していない、すなわち、分子配向(有機分子の長軸の配向)が完全ランダム配向の場合のS値は0、薄膜中の分子配向方向が基板に対して完全に垂直方向の場合のS値は−0.5、完全水平配向の場合が1となる。また、π共役化合物の分子配向が基板に対して水平方向に制御されている場合は、S値は0<S≦1の範囲の値を示す。
化合物6(以下、有機色素分子とする)を、石英基板上に各種基板温度で成膜し、それぞれの配向度Sを評価した結果を図6に示す。基板温度は基板を直接加熱する方法とし、成膜中は一定温度にて保持した。ここで、配向度を正確に測定するために、蒸着膜の膜厚は、膜の吸収特性を正確に測定するに充分な40nmとした。
図6には、基板温度15℃までは、蒸着膜の配向度パラメータが0.7付近であり、20℃〜60℃では0.6付近、100℃では水平方向の分子配向は保てず、よりランダムに近くなっていることが示されている。
図5と図6とを比較すると、有機色素分子の長軸が、基板に対して水平方向の配向性が強い(0.5<S≦1の範囲でより1に近い場合)場合に、残留電流値が低くなる傾向があると推察される。
このことは、本評価で用いた有機色素が、ドナー・アクセプタ連結型の縦長の分子で、分子内双極子モーメントを一定量もっているという特徴を有することから、以下のようなメカニズムによるものと本発明者は考えている。
縦長の有機色素分子の長軸が基板に対して倒れる傾向(水平配向)になると、有機色素分子の分子間でπ共役が重なる配置を容易に取りやすくなり、π共役の重なりが大きくなると、電荷の受渡しがよりスムーズになり、残像電流が小さい、すなわち応答性が良くなる。
一方、分子配向がランダムぎみ(S=0に近づく)になると、上述のような重なりが少なくなることに加えて、分子内に双極子モーメントを持っているため、分子がランダム配置することで電位の局在準位がランダムに形成されて、電荷のトラップになるなど、電位が電荷の流れを阻害する。
以上のことから、本発明者は、残像特性の良好な有機光電変換素子を安定して製造可能とするためには、バルクヘテロ層を構成する縦長の有機分子が基板に対して水平方向に強く配向したバルクヘテロ層を、基板温度の変化による影響を受けること無く形成することが重要であることを見出した。
縦長の有機分子が基板に対して水平方向に強く配向するように成膜するには、基板温度をより低温に維持して成膜すればよいと考えられる。図6から判断すれば、基板温度を60℃以下とすることにより、ある程度水平方向に縦長の有機分子が配向したバルクヘテロ層が得られ、基板温度を15℃以下とすればより水平方向の配向性が強くなり、残像特性の優れた有機光電変換素子が得られるものと考えられる。
基板温度は低いことが好ましいと考えられるが、5℃未満では、成膜環境下の水分や、酸素、水素などの成膜環境下に存在する極微量であるガス成分を膜中に取り込みやすくなる点で問題がある。
一方、室温より低い15℃以下の低温での蒸着では蒸着速度が遅く生産性が悪いという問題、また、基板温度は制御なしでは徐々に蒸着熱により上昇していくことを考慮すると、コストパフォーマンスやプロセス容易性の観点からも、低温温度制御は少ない時間にすることが好ましい。また、後記実施例、比較例にて示されるように、本発明者は、10℃に基板温度を制御したまま成膜されたバルクヘテロ層では、残像特性が劣化することも確認している。
有機光電変換層の有機分子の配向性の制御は、過去にいくつか報告がある。例えば、既に述べた特開2010−212112号公報には、単一材料の蒸着により形成されてなる電荷輸送性非晶質膜において、分子配向方向が水平方向であれば、水平方向の電荷移動度と垂直方向の電荷移動度を比較すると垂直方向の電荷移動度が高くなることが記載されており、基板温度を0℃〜Tg(270℃や300℃)の範囲内の一定温度で蒸着することにより配向制御された電荷輸送層が得られることが記載されている。すなわち、配向性の制御は、0℃〜Tgの範囲であれば、300℃近傍までの高温成膜においても、良好な制御が可能であることが記載されている。
また、特開2008−258421号公報には、キャリア移動度を向上させるために、光導電性有機化合物を含有する光電変換層の気相成膜において一部又はすべてを、基板温度を60℃〜250℃の範囲内の一定温度で成膜することにより、p型有機半導体及びn型有機半導体の少なくとも一方が配向制御されてなる光電変換層を備えた有機光電変換素子が開示されている。
更に、アモルファス有機薄膜内の分子配向は下層の影響を受けにくいこと、アモルファス有機薄膜を、基板温度を変えて重ねて成膜することで、単一材料のみで厚み方向に光学特性や電気特性を変調、制御可能であることが、上記非特許文献等に記載されている。
これらの記載からは、本実施形態の有機光電変換層の成膜方法のように、成膜プロセス中の基板温度が、図4に示されるような変化を示す場合には第1の光電変換層32aと第2の光電変換層32bとでは、配向性や光学特性、電気特性は異なるものが成膜されると想到されよう。
後記実施例及び比較例に示されるように、本発明者は、縦長の有機分子が水平方向に配向したバルクヘテロ層を容易に生産性良く成膜可能なバルクヘテロ層の成膜方法について検討を重ねた結果、有機光電変換層の成膜において、高い水平配向性を有する有機光電変換層が得られるように基板温度を5℃〜15℃に制御しながらまず成膜し、その後、基板温度の制御をやめて通常の蒸着成膜を実施することにより、良好な生産性、良好なコストパフォーマンス及びプロセス容易性を有し、且つ、残像特性の良好な有機光電変換素子の製造可能となることを見出した。
後記実施例の記載からもわかるように、本発明の有機光電変換層の成膜方法では、下地層における有機分子の配向性の影響により上層の有機分子を配向させて配向性の優れた光電変換層を成膜している。このように、有機アモルファス膜において、下地層の有機分子の配向性により上層の有機分子の配向性を制御する方法は、有機アモルファス膜における技術常識にはない新たな手法である。
以下に、有機光電変換素子1の各層の構成について説明する。
<基板及び電極>
基板10としては特に制限なく、シリコン基板、ガラス基板等を用いることができる。
正孔捕集電極20は、光電変換層32で発生した電荷のうちの正孔を捕集するための電極であり、後記する撮像素子の構成においては画素電極に相当する。正孔捕集電極20としては、導電性が良好であれば特に制限されないが、用途に応じて、透明性を持たせる場合と、逆に透明を持たせず光を反射させるような材料を用いる場合等がある。
具体的には、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属硼化物、有機導電性化合物、これらの混合物等が挙げられ、更に具体的には、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル、チタン、タングステン、アルミ等の金属及びこれらの金属の酸化物や窒化物などの導電性化合物(一例として窒化チタン(TiN)を挙げる)、更にこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITO又は窒化チタンとの積層物などが挙げられる。正孔捕集電極20として特に好ましいのは、窒化チタン、窒化モリブデン、窒化タンタル、窒化タングステンのいずれかの材料である。
電子捕集電極40は、光電変換層32で発生した電荷のうちの電子を捕集する電極であり、本実施形態では受光側に配された透明電極である。電子捕集電極40としては、光電変換層32に光を入射させるために、光電変換層32が感度を持つ波長の光に対して十分に透明な導電性材料であれば特に制限されないいが、光電変換層32に入射する光の絶対量が大きく、外部量子効率を高くするために、透明導電性酸化物(TCO)を用いることが好ましい。電子捕集電極40は、後記する撮像素子の構成においては画素電極に相当する。
電子捕集電極40としては、具体的には、ITO、IZO、SnO2、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、ZnO、AZO(Alドープ酸化亜鉛)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、TiO2、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)のいずれかの材料が挙げられる。
電子捕集電極40の光透過率は、可視光波長において、60%以上が好ましく、より好ましくは80%以上で、より好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。
電極(20,40)を形成する方法は特に限定されず、電極材料との適正を考慮して適宜選択することができる。具体的には、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式等により形成することができる。
電極の材料がITOの場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾルーゲル法など)、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法で形成することができる。更に、ITOを用いて作製された膜に、UV−オゾン処理、プラズマ処理などを施すことができる。電極の材料がTiNの場合、反応性スパッタリング法をはじめとする各種の方法が用いられ、更にアニール処理、UV−オゾン処理、プラズマ処理などを施すことができる。
TCOからなる透明導電膜を電子捕集電極40とした場合、DCショート、あるいはリーク電流増大が生じる場合がある。この原因の一つは、光電変換層32に導入される微細なクラックがTCOなどの緻密な膜によってカバレッジされ、反対側の下部電極20との間の導通が増すためと考えられる。そのため、Alなど膜質が比較的劣る電極の場合、リーク電流の増大は生じにくい。電子捕集電極40の膜厚を、光電変換層32の膜厚(すなわち、クラックの深さ)に対して制御する事により、リーク電流の増大を大きく抑制できる。電子捕集電極40の厚みは、光電変換層32厚みの1/5以下、好ましくは1/10以下であるようにする事が望ましい。
通常、導電性膜をある範囲より薄くすると、急激な抵抗値の増加をもたらすが、本実施形態に係る光電変換素子を組み込んだ固体撮像素子では、シート抵抗は、好ましくは100〜10000Ω/□でよく、薄膜化できる膜厚の範囲の自由度は大きい。また、上部電極40は厚みが薄いほど吸収する光の量は少なくなり、一般に光透過率が増す。光透過率の増加は、光電変換層32での光吸収を増大させ、光電変換能を増大させるため、非常に好ましい。薄膜化に伴う、リーク電流の抑制、薄膜の抵抗値の増大、透過率の増加を考慮すると、電子捕集電極40の膜厚は、5〜100nmであることが好ましく、5〜20nmである事がより好ましい。
<受光層>
受光層30は、少なくとも光電変換層32を含む層であるが、本実施形態では電子ブロッキング層31及び正孔ブロッキング層33を備えている。電子ブロッキング層31及び正孔ブロッキング層33の成膜方法は特に制限されず、それぞれの乾式成膜法又は湿式成膜法により形成することができるが、成膜時のすべての工程は真空中で行われることが好ましく、基本的には化合物が直接、外気の酸素、水分と接触しないようにすることが好ましい。かかる成膜方法としては真空蒸着法が挙げられる。真空蒸着法においては、水晶振動子、干渉計等の膜厚モニタ−を用いて蒸着速度をPIもしくはPID制御することが好ましい。また、2種以上の化合物を同時に蒸着する場合には光電変換層32と同様、共蒸着法を用いることができ、共蒸着法は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、フラッシュ蒸着等を用いて実施することが好ましい。
受光層30を乾式成膜法により形成する場合、形成時の真空度は、受光層形成時の素子特性の劣化を防止することを考慮すると、1×10−3Pa以下が好ましく、4×10−4Pa以下がさらに好ましく、1×10−4Pa以下が特に好ましい。
受光層30の厚みは、10nm以上1000nm以下が好ましく、さらに好ましくは50nm以上800nm以下、特に好ましくは100nm以上600nm以下である。10nm以上とすることにより、好適な暗電流抑制効果が得られ、1000nm以下とすることにより、好適な光電変換効率(感度)が得られる。
<<光電変換層>>
光電変換層(バルクへテロ層)32におけるn型有機半導体としては特に制限なく、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC80、フラーレンC82、フラーレンC84、フラーレンC90、フラーレンC96、フラーレンC240、フラーレン540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ等が挙げられる。以下に代表的なフラーレンの骨格を示す。
また、フラーレン誘導体とはこれらに置換基が付加された化合物のことを表す。フラーレン誘導体の置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、又は複素環基である。アルキル基として更に好ましくは、炭素数1〜12までのアルキル基であり、アリール基、及び複素環基として好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、ベンズイミダゾール環、イミダゾピリジン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、またはフェナジン環であり、さらに好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピリジン環、イミダゾール環、オキサゾール環、またはチアゾール環であり、特に好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、またはピリジン環である。これらはさらに置換基を有していてもよく、その置換基は可能な限り結合して環を形成してもよい。なお、複数の置換基を有しても良く、それらは同一であっても異なっていてもよい。また、複数の置換基は可能な限り結合して環を形成してもよい。
バルクへテロ層32において、n型有機半導体と混合する有機p型半導体は特に制限されないが、吸収スペクトルのピーク波長は、可視領域の光を幅広く吸収するという観点から450nm以上700nm以下であることが好ましく、480nm以上700nm以下がより好ましく、510nm以上680nm以下であることが更に好ましい。光を効率よく利用する観点から、モル吸光係数は高ければ高いほどよい。吸収スペクトル(クロロホルム溶液)が、波長400nmから700nmまでの可視領域において、モル吸光係数は20000M−1cm−1以上が好ましく、30000M−1cm−1以上がより好ましく、40000M−1cm−1以上が更に好ましい。
p型有機半導体は、ドナー性有機半導体(化合物)であり、主に正孔輸送性有機化合物に代表され、電子を供与しやすい性質がある有機化合物あり、さらに詳しくは2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物である。従って、ドナー性有機化合物は、電子供与性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。
p型有機半導体としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ピラン化合物、キナクリドン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン化合物、スチリルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、カルバゾール化合物、ポリシラン化合物、チオフェン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、ポリアミン化合物、インドール化合物、ピロール化合物、ピラゾール化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体等を用いることができ、トリアリールアミン化合物、ピラン化合物、キナクリドン化合物、ピロール化合物、フタロシアニン化合物、メロシアニン化合物、縮合芳香族炭素環化合物が好ましい。
p型有機半導体の好適な材料として例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
(一般式(1)中、Zは5又は6員環を形成するのに必要な原子群を表す。L、L、及びLはそれぞれ独立に、無置換メチン基、又は置換メチン基を表す。Dは原子群を表す。nは0以上の整数を表す。)
一般式(1)中、Zは、少なくとも2つの炭素原子を含む環であって、5員環、6員環、又は、5員環及び6員環の少なくともいずれかを含む縮合環を表す。5員環、6員環、又は、5員環及び6員環の少なくともいずれかを含む縮合環としては、通常メロシアニン色素で酸性核として用いられるものが好ましく、その具体例としては例えば以下のものが挙げられる。
(a)1,3−ジカルボニル核:例えば1,3−インダンジオン核、1,3−シクロヘキサンジオン、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン等。
(b)ピラゾリノン核:例えば1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−(2−ベンゾチアゾイル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン等。
(c)イソオキサゾリノン核:例えば3−フェニル−2−イソオキサゾリン−5−オン、3−メチル−2−イソオキサゾリン−5−オン等。
(d)オキシインドール核:例えば1−アルキル−2,3−ジヒドロ−2−オキシインドール等。
(e)2,4,6−トリケトヘキサヒドロピリミジン核:例えばバルビツール酸又は2−チオバルビツール酸及びその誘導体等。誘導体としては例えば1−メチル、1−エチル等の1−アルキル体、1,3−ジメチル、1,3−ジエチル、1,3−ジブチル等の1,3−ジアルキル体、1,3−ジフェニル、1,3−ジ(p−クロロフェニル)、1,3−ジ(p−エトキシカルボニルフェニル)等の1,3−ジアリール体、1−エチル−3−フェニル等の1−アルキル−1−アリール体、1,3−ジ(2―ピリジル)等の1,3位ジヘテロ環置換体等が挙げられる。
(f)2−チオ−2,4−チアゾリジンジオン核:例えばローダニン及びその誘導体等。誘導体としては例えば3−メチルローダニン、3−エチルローダニン、3−アリルローダニン等の3−アルキルローダニン、3−フェニルローダニン等の3−アリールローダニン、3−(2−ピリジル)ローダニン等の3位ヘテロ環置換ローダニン等が挙げられる。
(g)2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン(2−チオ−2,4−(3H,5H)−オキサゾールジオン核:例えば3−エチル−2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン等。
(h)チアナフテノン核:例えば3(2H)−チアナフテノン−1,1−ジオキサイド等。
(i)2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン核:例えば3−エチル−2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン等。
(j)2,4−チアゾリジンジオン核:例えば2,4−チアゾリジンジオン、3−エチル−2,4−チアゾリジンジオン、3−フェニル−2,4−チアゾリジンジオン等。
(k)チアゾリン−4−オン核:例えば4−チアゾリノン、2−エチル−4−チアゾリノン等。
(l)2,4−イミダゾリジンジオン(ヒダントイン)核:例えば2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2,4−イミダゾリジンジオン等。
(m)2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン(2−チオヒダントイン)核:例えば2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン等。
(n)イミダゾリン−5−オン核:例えば2−プロピルメルカプト−2−イミダゾリン−5−オン等。
(o)3,5−ピラゾリジンジオン核:例えば1,2−ジフェニル−3,5−ピラゾリジンジオン、1,2−ジメチル−3,5−ピラゾリジンジオン等。
(p)ベンゾチオフェンー3−オン核:例えばベンゾチオフェンー3−オン、オキソベンゾチオフェンー3−オン、ジオキソベンゾチオフェンー3−オン等。
(q)インダノン核:例えば1−インダノン、3−フェニルー1−インダノン、3−メチルー1−インダノン、3,3−ジフェニルー1−インダノン、3,3−ジメチルー1−インダノン等。
で表される環として好ましくは、1,3−ジカルボニル核、ピラゾリノン核、2,4,6−トリケトヘキサヒドロピリミジン核(チオケトン体も含み、例えばバルビツール酸核、2−チオバルビツール酸核)、2−チオ−2,4−チアゾリジンジオン核、2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン核、2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン核、2,4−チアゾリジンジオン核、2,4−イミダゾリジンジオン核、2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン核、2−イミダゾリン−5−オン核、3,5−ピラゾリジンジオン核、ベンゾチオフェン−3−オン核、インダノン核であり、より好ましくは1,3−ジカルボニル核、2,4,6−トリケトヘキサヒドロピリミジン核(チオケトン体も含み、例えばバルビツール酸核、2−チオバルビツール酸核)、3,5−ピラゾリジンジオン核、ベンゾチオフェンー3−オン核、インダノン核であり、更に好ましくは1,3−ジカルボニル核、2,4,6−トリケトヘキサヒドロピリミジン核(チオケトン体も含み、例えばバルビツール酸核、2−チオバルビツール酸核)であり、特に好ましくは1,3−インダンジオン核、バルビツール酸核、2−チオバルビツール酸核及びそれらの誘導体である。
一般式(1)において、L、L、及びLはそれぞれ独立に、無置換メチン基、又は置換メチン基を表す。置換メチン基同士が結合して環を形成してもよい。環としては6員環(例えば、ベンゼン環等)が挙げられる。置換メチン基の置換基としては後述の置換基Wが挙げられるが、L、L及びLは全てが無置換メチン基である場合が好ましい。
一般式(1)において、nは0以上の整数を表し、好ましくは0以上3以下の整数を表し、より好ましくは0である。nを増大させた場合、吸収波長域が長波長にすることができるが、熱による分解温度が低くなる。可視域に適切な吸収を有し、かつ蒸着成膜時の熱分解を抑制する点でn=0が好ましい。
一般式(1)において、Dは原子群を表す。Dは−NR(R)を含む基であることが好ましく、更に、前記Dが−NR(R)が置換したアリール基(好ましくは、置換基を有してもよい、フェニル基又はナフチル基)を表す場合が好ましい。R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表し、該置換基としては後述する置換基Wが挙げられるが、好ましくは、脂肪族炭化水素基(好ましくは置換基を有してもよいアルキル基又はアルケニル基)、アリール基、又はヘテロ環基である。
が表すアリーレン基としては、好ましくは炭素数6〜30のアリーレン基であり、より好ましくは炭素数6〜18のアリーレン基である。該アリーレン基は、後述の置換基Wを有していてもよく、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよい炭素数6〜18のアリーレン基である。例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、ピレニレン基、フェナントレニレン基、メチルフェニレン基、ジメチルフェニレン基等が挙げられ、フェニレン基又はナフチレン基が好ましい。
Ra、Rbで表される置換基としては後述の置換基Wが挙げられ、好ましくは、脂肪族炭化水素基(好ましくは置換されてよいアルキル基、アルケニル基)、アリール基(好ましくは置換されてよいフェニル基)、又はヘテロ環基である。
Ra、Rbが表すアリール基としては、それぞれ独立に、好ましくは炭素数6〜30のアリール基であり、より好ましくは炭素数6〜18のアリール基である。該アリール基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜18のアリール基を有していてもよい炭素数6〜18のアリール基である。例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基、フェナントレニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ビフェニル基等が挙げられ、フェニル基又はナフチル基が好ましい。
Ra、Rbが表すヘテロ環基としては、それぞれ独立に、好ましくは炭素数3〜30のヘテロ環基であり、より好ましくは炭素数3〜18のヘテロ環基である。該ヘテロ環基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜18のアリール基を有していてもよい炭素数3〜18のヘテロ環基である。また、Ra、Rbが表すヘテロ環基は縮環構造であることが好ましく、フラン環、チオフェン環、セレノフェン環、シロール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環からから選ばれる環の組み合わせ(同一でも良い)の縮環構造が好ましく、キノリン環、イソキノリン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、チエノチオフェン環、ビチエノベンゼン環、ビチエノチオフェン環が好ましい。
、Ra、及びRbが表すアリーレン基及びアリール基はベンゼン環又は縮環構造であることが好ましく、ベンゼン環を含む縮環構造であることがより好ましく、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環、フェナントレン環を挙げることができ、ベンゼン環、ナフタレン環又はアントラセン環がより好ましくは、ベンゼン環又はナフタレン環が更に好ましい。
置換基Wとしてはハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基といっても良い)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH))、ホスファト基(−OPO(OPO(OH))、スルファト基(−OSOH)、その他の公知の置換基が挙げられる。
Ra、Rbが置換基(好ましくはアルキル基、アルケニル基)を表す場合、それらの置換基は、−NRa(Rb)が置換したアリール基の芳香環(好ましくはベンゼン環)骨格の水素原子、又は置換基と結合して環(好ましくは6員環)を形成してもよい。
Ra、Rbは互いに置換基同士が結合して環(好ましくは5員又は6員環、より好ましくは6員環)を形成してもよく、また、Ra、RbはそれぞれがL(L、L、Lのいずれかを表す)中の置換基と結合して環(好ましくは5員又は6員環、より好ましくは6員環)を形成してもよい。
一般式(1)で表される化合物は、特開2000−297068号公報に記載の化合物であり、前記公報に記載のない化合物も、前記公報に記載の合成方法に準じて製造することができる。
一般式(1)で表される化合物は下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
(式中、Z、L21、L22、L23、及びnは一般式(1)におけるZ、L、L、L、及びnと同義であり、その好ましい例も同様である。D21は置換又は無置換のアリーレン基を表す。D22、及びD23はそれぞれ独立に、置換若しくは無置換のアリール基又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。)
21が表すアリーレン基としては、Dが表すアリーレン環基と同義であり、その好ましい例も同様である。
22、及びD23が表すアリール基としては、それぞれ独立に、Ra、及びRbが表すヘテロ環基と同義であり、その好ましい例も同様である。
以下に一般式(1)で表される化合物の好ましい具体例を、一般式(3)を用いて示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(式(3)中、Zは下記A−1〜A−12のいずれかを表す。L31がメチレンを表し、nが0を表す。D31がB−1〜B−9のいずれかであり、D32、及びD33がC−1〜C−16のいずれかを表す。)
としては、A−2が好ましく、D32、及びD33はC−1、C−2、C−15、C−16から選択されることが好ましく、D31はB−1又はB−9であることが好ましい。
特に好ましいp型有機材料としては、染料若しくは5個以上の縮環構造を持たない材料(縮環構造を0〜4個、好ましは1〜3個有する材料)が挙げられる。有機薄膜太陽電池で一般的に使用されている顔料系p型材料を用いると、pn界面での暗時電流が増大しやすい傾向になること、結晶性の粒界でのトラップにより光応答が遅くなりがちであることから、撮像素子用として用いることが難しい。このため、結晶化しにくい染料系のp型材料、若しくは5個以上の縮環構造を持たない材料が撮像素子用に好ましく用いることができる。
一般式(1)で表される化合物の更に好ましい具体例は、一般式(3)における以下の置換基、連結基及び部分構造の組み合わせであるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ここで、A−1〜A−12、B−1〜B−9、及びC−1〜C−16は既に示したものと同義である。
以下に一般式(1)で表される化合物の特に好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
光電変換層32は、有機ELの発光層(電気信号を光に変換する層)とは異なり非発光性の層である。非発光性層とは、可視光領域(波長400nm〜730nm)において発光量子効率が1%以下、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.1%以下の層であることを意味する。光電変換層32において、発光量子効率が1%を超えると、センサや撮像素子に適用した場合にセンシング性能又は撮像性能に影響を与えるため、好ましくない。
<<電子ブロッキング層>>
電子ブロッキング層31は、正孔捕集電極20から光電変換層32に電子が注入されるのを抑制するための層である。有機材料単独膜で構成されてもよいし、複数の異なる有機材料あるいは無機材料の混合膜で構成されていてもよい。
電子ブロッキング層31は、複数層で構成してあってもよい。このようにすることで、電子ブロッキング層31を構成する各層の間に界面ができ、各層に存在する中間準位に不連続性が生じる。この結果、中間準位等を介した電荷の移動がしにくくなるため電子ブロッキング効果を高めることができる。但し、電子ブロッキング層31を構成する各層が同一材料であると、各層に存在する中間準位が全く同じとなる場合も有り得るため、電子ブロッキング効果を更に高めるために、各層を構成する材料を異なるものにすることが好ましい。
電子ブロッキング層31は、正孔捕集電極20からの電子注入障壁が高くかつ正孔輸送性が高い材料で構成することが好ましい。電子注入障壁としては、隣接する電極の仕事関数よりも、電子ブロッキング層の電子親和力が1eV以上小さいことが好ましい、より好ましくは1.3eV以上、特に好ましいのは1.5eV以上である。
電子ブロッキング層31は、正孔捕集電極20と光電変換層32との接触を充分に抑制し、また正孔捕集電極20表面に存在する欠陥やゴミの影響を避けるために、20nm以上であることが好ましく、40nm以上であることがより好ましい。
電子ブロッキング層31には、電子供与性有機材料を用いることができる。具体的には、低分子材料では、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)や4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、ポリアリールアルカン、ブタジエン、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、ポルフィン、テトラフェニルポルフィン銅、フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニウムフタロシアニンオキサイド等のポリフィリン化合物、トリアゾール誘導体、オキサジザゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、フルオレン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体などを用いることができ、高分子材料では、フェニレンビニレン、フルオレン、カルバゾール、インドール、ピレン、ピロール、ピコリン、チオフェン、アセチレン、ジアセチレン等の重合体や、その誘導体を用いることができる。電子供与性化合物でなくとも、充分な正孔輸送性を有する化合物であれば用いることは可能である。具体的には、例えば、特開2008−72090号公報に記載された化合物等を好ましく用いることができる。
電子ブロッキング層31として好適な化合物の一例を以下に示す。
電子ブロッキング層31としては無機材料を用いることもできる。一般的に、無機材料は有機材料よりも誘電率が大きいため、電子ブロッキング層31に用いた場合に、光電変換層32に電圧が多くかかるようになり、光電変換効率(感度)を高くすることができる。電子ブロッキング層31となりうる材料としては、酸化カルシウム、酸化クロム、酸化クロム銅、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化ガリウム銅、酸化ストロンチウム銅、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化インジウム銅、酸化インジウム銀、酸化イリジウム等がある。
電子ブロッキング層31が単層の場合にはその層を無機材料からなる層とすることができ、または、複数層の場合には1つ又は2以上の層を無機材料からなる層とすることができる。
<<正孔ブロッキング層>>
光電変換素子1において、正孔ブロッキング層33は、外部電圧印加時に電子捕集電極40からの正孔注入を抑制する層であり、上に形成する層(本実施形態では電子捕集電極40)の形成時、光電変換層32を保護して成膜ダメージを抑制する機能を有する。
正孔ブロッキング層には、電子受容性有機材料を用いることができる。電子受容性材料は特に制限されないが、1,3−ビス(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾリル)フェニレン(OXD−7)等のオキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、バソクプロイン、バソフェナントロリン、及びこれらの誘導体、トリアゾール化合物、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、ビス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール化合物などを用いることができる。また、電子受容性有機材料でなくとも、十分な電子輸送性を有する材料ならば使用することは可能である。ポルフィリン系化合物や、DCM(4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(4−(ジメチルアミノスチリル))−4Hピラン)等のスチリル系化合物、4Hピラン系化合物を用いることができる。
正孔ブロッキング層33及び電子ブロッキング層31より構成される電荷ブロッキング層は、厚くしすぎると、光電変換層に適切な電界強度を印加するために必要な、供給電圧が高くなってしまう問題や、電荷ブロッキング層中のキャリア輸送過程が、光電変換素子の性能に悪影響を与えてしまう問題を生じる可能性がある。従って、正孔ブロッキング層33及び電子ブロッキング層31の合計膜厚は、300nm以下となるように設計されることが好ましい。該合計膜厚は、200nm以下がより好ましく、100nm以下が更に好ましい。
<封止層>
封止層50は、光電変換素子1、もしくは後記する撮像素子100の作製後に、水分子や酸素分子などの光電変換材料を劣化させる因子の侵入を阻止して、長期間の保存/使用にわたって、光電変換層の劣化を防止するための層である。また、封止層50は、封止層成膜後の撮像素子100の作製工程において溶液、プラズマなどに含まれる光電変換層を劣化させる因子の侵入を阻止して光電変換層を保護するための層でもある。
封止層50は、正孔捕集電極20、電子ブロッキング層31、光電変換層32、正孔ブロッキング層33及び電子捕集電極40を覆って形成されている。
光電変換素子1では、入射光は封止層50を通じて光電変換層32に到達するので、光光電変換層32に光を効率よく入射させるために、封止層50は、光電変換層32が感度を持つ波長の光に対して十分に透明である必要がある。かかる封止層50としては、水分子を浸透させない緻密な金属酸化物・金属窒化物・金属窒化酸化物などセラミクスやダイヤモンド状炭素(DLC)などがあげられ、従来から、酸化アルミニウム、酸化珪素、窒化珪素、窒化酸化珪素やそれらの積層膜、それらと有機高分子の積層膜などが用いられている。
封止層50は、単一材料からなる薄膜で構成することもできるが、多層構成にして各層に別々の機能を付与することで、封止層50全体の応力緩和、製造工程中の発塵等によるクラック、ピンホールなどの欠陥発生の抑制、材料開発の最適化が容易になることなどの効果が期待できる。例えば、封止層50は、水分子などの劣化因子の浸透を阻止する本来の目的を果たす層の上に、その層で達成することが難しい機能を持たせた「封止補助層」を積層した2層構成を形成することができる。3層以上の構成も可能だが、製造コストを勘案するとなるべく層数は少ない方が好ましい。
封止層50の形成方法は、特に制限されず、既に成膜された光電変換層32等の性能、膜質をなるべく劣化させない方法で成膜されることが好ましい。
有機光電変換材料は、水分子、酸素分子などの劣化因子の存在で顕著に性能が劣化してしまう。そのために劣化因子を浸透させない緻密な金属酸化物、金属窒化酸化物などで光電変換層全体を被覆して封止することが必要である。従来から、酸化アルミニウム、酸化珪素、窒化珪素、窒化酸化珪素やそれらの積層構成、それらと有機高分子の積層構成などを封止層として、各種真空成膜技術で形成されている。
しかしながら、従来の封止層は、基板表面の構造物、基板表面の微小欠陥、基板表面に付着したパーティクルなどによる段差において、薄膜の成長が困難なので(段差が影になるので)平坦部と比べて膜厚が顕著に薄くなる。このために段差部分が劣化因子の浸透する経路になってしまう。この段差を封止層で完全に被覆するには、平坦部において1μm以上の膜厚になるように成膜して、封止層全体を厚くする必要がある。封止層形成時の真空度は、1×10Pa以下が好ましく、5×10Pa以下がさらに好ましい。
画素寸法が2μm未満、特に1μm程度の撮像素子とした場合、封止層50の膜厚が大きいと、カラーフィルタと光電変換層との距離が大きくなり、封止層内で入射光が回折/発散し、混色が発生する恐れがある。従って、画素寸法が1μm程度の撮像素子への適用を考えた場合、封止層50の膜厚を減少させても素子性能が劣化しないような封止層材料/製造方法が必要になる。
原子層堆積(ALD)法は、CVD法の一種で、薄膜材料となる有機金属化合物分子、金属ハロゲン化物分子、金属水素化物分子の基板表面への吸着/反応と、それらに含まれる未反応基の分解を、交互に繰返して薄膜を形成する技術である。基板表面へ薄膜材料が到達する際は上記低分子の状態なので、低分子が入り込めるごくわずかな空間さえあれば薄膜が成長可能である。そのために、従来の薄膜形成法では困難であった段差部分を完全に被覆し(段差部分に成長した薄膜の厚さが平坦部分に成長した薄膜の厚さと同じ)、すなわち段差被覆性が非常に優れる。そのため、基板表面の構造物、基板表面の微小欠陥、基板表面に付着したパーティクルなどによる段差を完全に被覆できるので、そのような段差部分が光電変換材料の劣化因子の浸入経路にならない。封止層50の形成を原子層堆積法で行なった場合は従来技術よりも効果的に必要な封止層膜厚を薄くすることが可能になる。
原子層堆積法で封止層50を形成する場合は、先述した封止層50に好ましいセラミクスに対応した材料を適宜選択できる。もっとも、本発明の光電変換層は有機光電変換材料を使用するために、有機光電変換材料が劣化しないような、比較的に低温で薄膜成長が可能な材料に制限される。アルキルアルミニウムやハロゲン化アルミニウムを材料とした原子層堆積法によると、有機光電変換材料が劣化しない200℃未満で緻密な酸化アルミニウム薄膜を形成することができる。特にトリメチルアルミニウムを使用した場合は100℃程度でも酸化アルミニウム薄膜を形成でき好ましい。酸化珪素や酸化チタンも材料を適切に選択することで酸化アルミニウムと同様に200℃未満で緻密な薄膜を形成することができ好ましい。
封止層は、水分子などの光電変換材料を劣化させる因子の侵入を十分阻止するために、10nm以上の膜厚であることが好ましい。撮像素子において、封止層の膜厚が大きいと、封止層内で入射光が回折または発散してしまい、混色が発生する。封止層の膜厚としては、200nm以下であることが好ましい。
なお、原子層堆積法により形成した薄膜は、段差被覆性、緻密性という観点からは比類なく良質な薄膜形成を低温で達成できる。もっとも、薄膜材料の物性が、フォトリソグラフィ工程で使用する薬品で劣化してしまうことがある。例えば、原子層堆積法で成膜した酸化アルミニウム薄膜は非晶質なので、現像液や剥離液のようなアルカリ溶液で表面が侵食されてしまう。
また、原子層堆積法のようなCVD法で形成した薄膜は内部応力が非常に大きな引張応力を持つ例が多く、半導体製造工程のように、断続的な加熱、冷却が繰返される工程や、長期間の高温/高湿度雰囲気下での保存/使用により、薄膜自体に亀裂の入る劣化が発生することがある。
従って、原子層堆積法により成膜した封止層50を用いる場合は、耐薬品性に優れ、且つ、封止層50の内部応力を相殺可能な封止補助層を形成することが好ましい。
かかる補助封止層としては、例えば、スパッタ法などの物理的気相成膜(PVD)法で成膜した耐薬品性に優れる金属酸化物、金属窒化物、金属窒化酸化物などのセラミクスのいずれか1つを含む層が挙げられる。スパッタ法などのPVD法で成膜したセラミクスは大きな圧縮応力を持つことが多く、原子層堆積法で形成した封止層50の引張応力を相殺することができる。
光電変換素子1において、光電変換効率(感度)、暗電流、光応答速度において、優れた特性を得るために、正孔捕集電極20と電子捕集電極40との間に印加する外部電場としては、1V/cm以上1×10V/cm以下が好ましい。外部電場は、一対の電極に外部から印加される電圧を電極間距離で割った値である。
光電変換素子1は、電子ブロッキング層31と光電変換層32と正孔ブロッキング層33とによって受光層30が形成されている。本実施形態においては正孔ブロッキング層33を備えた態様について示しているが、正孔ブロッキング層33は正孔の流れには寄与しないことから、正孔ブロッキング層33の有無にかかわらず本発明の効果を得ることができる。
「撮像素子」
次に、光電変換素子1を備えた撮像素子100の構成について、図9を参照して説明する。図9は、本発明の一実施形態を説明するための撮像素子の概略構成を示す断面模式図である。この撮像素子は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等の撮像装置、電子内視鏡、携帯電話機等の撮像モジュール等に搭載して用いられる。
撮像素子100は、図1に示したような構成の複数の有機光電変換素子1と、各有機光電変換素子の光電変換層で発生した電荷に応じた信号を読み出す読み出し回路が形成された回路基板とを有し、該回路基板上方の同一面上に、複数の有機光電変換素子が1次元状又は二次元状に配列された構成となっている。
撮像素子100は、基板101と、絶縁層102と、接続電極103と、画素電極104と、接続部105と、接続部106と、受光層107と、対向電極108と、緩衝層109と、封止層110と、カラーフィルタ(CF)111と、隔壁112と、遮光層113と、保護層114と、対向電極電圧供給部115と、読出し回路116とを備える。
画素電極104は、図1に示した有機光電変換素子1の正孔捕集電極20と同じ機能を有する。対向電極108は、図1に示した有機光電変換素子1の電子捕集電極40と同じ機能を有する。受光層107は、図1に示した有機光電変換素子1の正孔捕集電極20と電子捕集電極40との間に設けられる受光層30と同じ構成である。封止層110は、図1に示した有機光電変換素子1の封止層50と同じ機能を有する。画素電極104と、これに対向する対向電極108の一部と、これら電極で挟まれる受光層107と、画素電極104に対向する緩衝層109及び封止層110の一部とが、有機光電変換素子を構成している。
基板101は、ガラス基板又はSi等の半導体基板である。基板101上には絶縁層102が形成されている。絶縁層102の表面には複数の画素電極104と複数の接続電極103が形成されている。
受光層107は、複数の画素電極104の上にこれらを覆って設けられた全ての有機光電変換素子で共通の層である。
対向電極108は、受光層107上に設けられた、全ての有機光電変換素子で共通の1つの電極である。対向電極108は、受光層107よりも外側に配置された接続電極103の上にまで形成されており、接続電極103と電気的に接続されている。
接続部106は、絶縁層102に埋設されており、接続電極103と対向電極電圧供給部115とを電気的に接続するためのプラグ等である。対向電極電圧供給部115は、基板101に形成され、接続部106及び接続電極103を介して対向電極108に所定の電圧を印加する。対向電極108に印加すべき電圧が撮像素子の電源電圧よりも高い場合は、チャージポンプ等の昇圧回路によって電源電圧を昇圧して上記所定の電圧を供給する。
読出し回路116は、複数の画素電極104の各々に対応して基板101に設けられており、対応する画素電極104で捕集された電荷に応じた信号を読出すものである。読出し回路116は、例えばCCD、MOS回路、又はTFT回路等で構成されており、絶縁層102内に配置された図示しない遮光層によって遮光されている。読み出し回路116は、それに対応する画素電極104と接続部105を介して電気的に接続されている。
緩衝層109は、対向電極108上に、対向電極108を覆って形成されている。封止層110は、緩衝層109上に、緩衝層109を覆って形成されている。カラーフィルタ111は、封止層110上の各画素電極104と対向する位置に形成されている。隔壁112は、カラーフィルタ111同士の間に設けられており、カラーフィルタ111の光透過効率を向上させるためのものである。
遮光層113は、封止層110上のカラーフィルタ111及び隔壁112を設けた領域以外に形成されており、有効画素領域以外に形成された受光層107に光が入射する事を防止する。保護層114は、カラーフィルタ111、隔壁112、及び遮光層113上に形成されており、撮像素子100全体を保護する。
このように構成された撮像素子100では、光が入射すると、この光が受光層107に入射し、ここで電荷が発生する。発生した電荷のうちの正孔は、画素電極104で捕集され、その量に応じた電圧信号が読み出し回路116によって撮像素子100外部に出力される。
撮像素子100の製造方法は、次の通りである。
対向電極電圧供給部115と読み出し回路116が形成された回路基板上に、接続部105,106、複数の接続電極103、複数の画素電極104、及び絶縁層102を形成する。複数の画素電極104は、絶縁層102の表面に例えば正方格子状に配置する。
次に、複数の画素電極104上に、受光層107、対向電極108、緩衝層109、封止層110を順次形成する。受光層107、対向電極108、封止層110の形成方法は、上記光電変換素子1の説明において記したとおりである。緩衝層109については、例えば真空抵抗加熱蒸着法によって形成する。次に、カラーフィルタ111、隔壁112、遮光層113を形成後、保護層114を形成して、撮像素子100を完成する。
「設計変更」
以上、本発明の有機光電変換層の成膜方法及びそれを用いた有機光電変換素子の製造方法、有機膜成膜装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。
(実施例1)
Si基板上にITO電極をパターン形成したCMOS基板を用意し、有機蒸着室の基板ホルダーに設置して、蒸着室内を1.0×10-4Pa以下となるように減圧した。その後、基板ホルダーを回転させながら、ITO電極上に、抵抗加熱蒸着法により化合物2を電子ブロッキング層として蒸着速度1.0〜1.2Å/Secで厚み30nmとなるように蒸着した。
次に、図3に示される構成を有する有機蒸着室内の蒸着源の容器に、化合物7とC60をそれぞれに設置し、基板温度が10℃となるまで冷却ブロックにより冷却した後、化合物1とC60の割合が膜厚比で1:3となる条件にて成膜を開始した。成膜開始から30秒間基板温度が5℃〜15℃の範囲となるように基板温度を制御しながら共蒸着して第1の光電変換層形成工程を実施した。第1の光電変換層形成工程における2材料合わせた共蒸着膜での蒸着速度は、2.0〜2.5Å/Secであった。
成膜開始から30秒経過後に冷却ブロックをはずしてバルクヘテロ層の層厚が約400nmとなるまで共蒸着して第2の光電変換層形成工程を実施した。第2の光電変換層形成工程において、基板温度の最高温度は100℃とした。
次いで、スパッタ室に搬送し、第2の光電変換層上に対向電極としてITOをRFマグネトロンスパッタにより厚み10nmとなるようにスパッタした。その後、ALD(Atomic Layer Deposition:原子層堆積)室へ搬送し、保護膜としてAl膜を原子層堆積法により厚み2000Åとなるように成膜した。
その後、スパッタ室に搬送し、応力緩和層としてSiON膜をplaner型スパッタにより厚み1000Åとなるように成膜し、撮像素子を作製した。
(実施例2)
第2の光電変換層形成工程において、基板温度の最高温度を35℃とした以外は実施例1と同様にして撮像素子を作製した。
(実施例3)
第2の光電変換層形成工程において、基板温度の最高温度を60℃とした以外は実施例1と同様にして撮像素子を作製した。
(実施例4)
第2の光電変換層形成工程において、基板温度の最高温度を80℃とした以外は実施例1と同様にして撮像素子を作製した。
(実施例5)
化合物7とC60の割合が膜厚比で1:2となる蒸着条件とした以外は実施例1と同様にして撮像素子を作製した。
(実施例6)
化合物7とC60の割合が膜厚比で1:1となる蒸着条件とした以外は実施例1と同様にして撮像素子を作製した。
(実施例7)
化合物7の代わりに化合物6を用いた以外は実施例1と同様にして撮像素子を作製した。
(比較例1)
バルクへテロ層の形成方法以外は実施例1と同様にして撮像素子を作製した。バルクへテロ層の形成方法は、成膜開始前の基板温度は室温環境の20℃程度の状態から成膜室に搬送して、まもなく、化合物7とC60の割合が膜厚比で1:3となる蒸着条件にて成膜を開始した。バルクへテロ層の共蒸着において、基板温度の最高温度は100℃であり、蒸着速度は2.0〜2.5Å/Secであった。
(比較例2)
バルクへテロ層の形成方法以外は実施例2と同様にして撮像素子を作製した。バルクへテロ層の形成方法は、成膜開始前の基板温度は室温環境の20℃程度の状態から成膜室に搬送して、まもなく、化合物7とC60の割合が膜厚比で1:3となる蒸着速度にて成膜を開始した。バルクへテロ層の共蒸着において、基板温度の最高温度は35℃であり、蒸着速度は2.0〜2.5Å/Secであった。
(比較例3)
バルクへテロ層の形成方法以外は実施例1と同様にして撮像素子を作製した。バルクへテロ層の形成方法は、成膜開始前の基板の冷却後、基板温度を5℃〜15℃の範囲となるように制御しながら、化合物1とC60の割合が膜厚比で1:3となる蒸着条件にてバルクへテロ層を成膜した。
(比較例4)
バルクへテロ層の形成方法以外は実施例1と同様にして撮像素子を作製した。バルクへテロ層の形成方法は、成膜開始前の基板温度は室温環境の20℃程度の状態から成膜室に搬送して、まもなく、化合物7とC60の割合が膜厚比で1:3となる蒸着条件にて成膜を開始した。バルクへテロ層の共蒸着において、2材料合わせた共蒸着膜での蒸着速度は2.0〜2.5Å/Secとし、バルクへテロ膜成膜中の基板温度の最高温度は80℃であった。
(比較例5)
バルクへテロ層の形成方法以外は実施例1と同様にして撮像素子を作製した。バルクへテロ層の形成方法は、成膜開始前の基板温度は室温環境の20℃程度の状態から成膜室に搬送して、まもなく、化合物7とC60の割合が膜厚比で1:3となる蒸着条件にて成膜を開始した。バルクへテロ層の共蒸着において、2材料合わせた共蒸着膜での蒸着速度は2.0〜2.5Å/Secとし、バルクへテロ膜成膜中の基板温度の最高温度は60℃であった。
(評価)
上記実施例及び比較例の撮像素子について、残留電流値の測定を行った。残留電流値の測定は、出力1WのLEDを1秒以上照射した後消灯し、20m秒経過後の残留電流を測定することにより実施した。その結果、実施例1〜実施例7において、残留電流値はいずれも約10pAであった。
第2の光電変換層形成工程の基板最高温度の異なる実施例1〜実施例4及び比較例3の結果を、図7に纏めて示す。また、実施例1〜実施例4及び比較例3の光電変換層について、その配向度パラメータを測定した結果を図8に纏めて示す。図7、図8より、成膜初期に基板温度を5℃〜15℃の範囲に制御して共蒸着を実施し、その後この温度制御をやめて共蒸着を実施する本発明の有機光電変換層の成膜方法により、基板温度の最高温度に依存することなく、有機光電変換層中の縦長の有機分子を基板面に対して水平方向への配向性を強く成膜し、その結果、低い残像電流値を有する有機光電変換素子が得られることが確認された。このことは、本発明によれば、成膜装置の温度上昇特性に依存せず、低い残像電流値を有する有機光電変換素子を安定して製造できることを示している。
本発明の有機光電変換層の成膜方法は、デジタルカメラや携帯電話用カメラ、内視鏡用カメラ等に搭載される有機撮像素子や、有機ELディスプレイや有機EL照明等に搭載される有機発光素子、電子ペーパーや無線タグ等に搭載される有機薄膜トランジスタ、光センサ等に用いられる有機光電変換素子の光電変換層の成膜に好ましく適用することができる。
1 有機光電変換素子(光電変換素子)
10 基板
20 正孔捕集電極(電極)
30 受光層
31 電子ブロッキング層
32 光電変換層(バルクへテロ層)
32a 第1の光電変換層
32b 第2の光電変換層層
33 正孔ブロッキング層
40 電子捕集電極(電極)
50 封止層
120 基板温度制御手段
150 蒸着源
151 容器
152 加熱源
170 真空蒸着室
200 有機膜成膜装置

Claims (10)

  1. 有機光電変換素子に備えられてなる有機光電変換層の成膜方法であって、
    基板を用意し、該基板を真空蒸着室内に設置する基板設置工程と、
    該設置された基板の温度が5℃以上15℃以下の温度範囲となるように制御しながら、前記有機光電変換層を構成するn型有機半導体とp型有機半導体とを前記基板上に共蒸着して第1の光電変換層を成膜する第1の光電変換層形成工程と、
    前記制御をやめ、前記第1の光電変換層上に前記共蒸着を実施して第2の光電変換層を成膜する第2の光電変換層形成工程を有する有機光電変換層の成膜方法。
  2. 前記制御が冷却である請求項1記載の有機光電変換層の成膜方法。
  3. 前記基板温度の最高温度が80℃以上となる条件で前記第2の光電変換層形成工程を実施する請求項1記載の有機光電変換層の成膜方法。
  4. 前記第2の光電変換層が前記第1の光電変換層よりも大きい層厚を有する請求項1〜3いずれか1項記載の有機光電変換層の成膜方法。
  5. 前記第1の光電変換層の平均層厚の前記第2の光電変換層の平均層厚に対する比が1/2以下である請求項4記載の有機光電変換層の成膜方法。
  6. 前記第1の光電変換層の平均層厚の前記第2の光電変換層の平均層厚に対する比が1/3以下である請求項5記載の光電変換層の成膜方法。
  7. 前記基板設置工程後、前記第1の光電変換層形成工程を実施する前に、前記基板の温度が5℃以上15℃以下の温度範囲となるように冷却する冷却工程を有する請求項1〜6いずれか1項記載の有機光電変換層の成膜方法。
  8. 前記n型有機半導体がフラーレン又はフラーレン誘導体を主成分とするものである請求項1〜7いずれか1項記載の有機光電変換層の成膜方法。
  9. 前記p型有機半導体は、下記一般式(1)で表される化合物を含むものである請求項1〜8いずれか1項記載の有機光電変換層の成膜方法。
    (一般式(1)中、Zは少なくとも2つの炭素原子を含む環であって、5員環、6員環、または5員環および6員環の少なくともいずれかを含む縮合環を表す。L、L、およびLはそれぞれ独立に無置換メチン基、または置換メチン基を表す。Dは原子群を表す。nは0以上の整数を表す。)
  10. 基板上に、正孔捕集電極と電子捕集電極とに挟持された少なくとも有機光電変換層を含む受光層を有する有機光電変換素子の製造方法であって、
    前記有機光電変換層を、請求項1〜9いずれか1項記載の有機光電変換層の成膜方法により成膜する有機光電変換素子の製造方法。
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