JP2015013374A - 液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法 - Google Patents

液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ノズルから液体を吸引する吸引動作を含むクリーニング動作を行う液体噴射装置において、クリーニング動作後であっても、安定して液体を噴射することができる液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法を提供する。【解決手段】液体噴射ヘッド3と、微振動パルスを発生する駆動信号発生手段47と、微振動パルスの圧力発生手段31への印加を制御する制御手段41,43と、吸収材を備えていない封止空間14cを内部に有し、液体噴射ヘッド3に密着して当該封止空間14c内にノズル24を密封するキャップ14と、ノズル24から液体を吸引する吸引手段50と、を備え、吸引手段50による吸引動作を含むクリーニング動作が行われたノズル24に対応する圧力発生手段31に対して、少なくとも1つ以上の微振動パルスを印加することで、当該ノズル24に対応する圧力室28内の液体を微振動させる微振動駆動を間欠的に実行する。【選択図】図3

Description

本発明は、インクジェット式記録装置などの液体噴射装置、及び、その制御方法に関し、特に、液体噴射ヘッドのノズルから液体を強制的に噴射させることで、当該ノズルをクリーニングする液体噴射装置、及び、その制御方法に関するものである。
液体噴射装置は、液体を液滴としてノズルから噴射可能な液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射する装置である。この液体噴射装置の代表的なものとして、例えば、インクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドのノズルから液体状のインクをインク滴として噴射させて記録を行うインクジェット式記録装置(以下、プリンターという)等の画像記録装置を挙げることができる。
上記のようなプリンターでは、記録ヘッドのノズルから噴射するインクの噴射特性を回復あるいは維持するために、定期的にクリーニング動作が行われている。例えば、記録ヘッドのノズルが形成されたノズル面にキャップを当接して、ノズルをキャップの封止空間内に封止した状態で、ポンプによって当該封止空間内を減圧することでノズルからインクを強制的に排出させる吸引動作が行われている(例えば、特許文献1参照)。この吸引動作によって、インクと共に増粘したインクや気泡等をポンプが設けられた排出路へ排出することができる。また、従来の一般的なキャップの封止空間内には、インクを吸収するスポンジ等の吸収材が設けられている。この吸収材は、吸引動作の際に排出されたインクの一部を吸収する。このため、吸引動作時にキャップ内に排出されたインクの跳ね返りや泡立ちが吸収材によって抑制される。
ところで、上記のような記録ヘッドは、ごく少量の液体を所定位置に正確に着弾させることができるという特長を生かして、織物、編物および不織布等の布帛に対して画像を記録する捺染用のプリンターにも応用されている。そして、捺染用のインクとしては、例えば、樹脂を含有したものが用いられている。インク内に樹脂を含有することで、顔料等の色材を布帛に定着させることができる。
特開2003―276214号公報
上記のような樹脂を含有したインクは、含有される水分や溶剤等が蒸発して固化し易い。このため、吸引動作によって、キャップの吸収材に吸収されたインクは、キャップ内で固化し蓄積される。その結果、吸収材によるインクの吸収機能が失われるだけでなく、排出路が目詰まりし、吸引動作が正常に行われない虞があった。また、ノズル面にキャップを当接した際に、固化し堆積したインクによって、ノズル面が傷つく虞もあった。
このような不具合を解決するため、キャップの封止空間内に吸収材を設けない構成が提案されている。しかしながら、このような構成では、吸引動作の際にノズル内のインクに気泡が混入したり、ノズルのメニスカスが破壊されたりする不具合が増加する傾向にあった。これは、吸引動作において、封止空間内に吸収材を設けない構成では、吸収材を設けた構成に比べて、吸引されるインクの流速が早くなるためであると考えられている。すなわち、ノズルから吸引されるインクの流速が早くなることで、ノズルのメニスカスの挙動(振動等)が激しくなり、ノズル内のインクに空気が混入しやすくなる。また、吸引動作後に大気開放弁を開いてキャップ内部を大気開放する際等に、キャップ内のインクが泡立ちやすく、当該泡がノズルのメニスカスに付着する等してインクに空気が混入する場合も考えられる。その結果、ノズルからインクが噴射されないドット抜けが発生する虞があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノズルから液体を吸引する吸引動作を含むクリーニング動作を行う液体噴射装置において、クリーニング動作後であっても、安定して液体を噴射することができる液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法を提供することにある。
本発明の液体噴射装置は、圧力発生手段を駆動することで圧力室内に圧力変動を生じさせ、ノズルから樹脂を含有する液体を噴射させる液体噴射ヘッドと、
前記圧力発生手段に印加することで前記ノズルから液体が噴射されない程度に前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる微振動パルスを発生する駆動信号発生手段と、
前記微振動パルスの前記圧力発生手段への印加を制御する制御手段と、
吸収材を備えていない封止空間を内部に有し、前記液体噴射ヘッドに密着して当該封止空間内にノズルを密封するキャップと、
前記密封された封止空間内を減圧することでノズルから液体を吸引する吸引手段と、
を備え、
非記録動作時において、前記吸引手段による吸引動作を含むクリーニング動作が行われたノズルに対応する前記圧力発生手段に対して、少なくとも1つ以上の微振動パルスを印加することで当該ノズルに対応する圧力室内の液体を微振動させる微振動駆動を間欠的に実行することを特徴とする。
また、本発明の液体噴射装置の制御方法は、圧力発生手段を駆動することで圧力室内に圧力変動を生じさせ、ノズルから樹脂を含有する液体を噴射させる液体噴射ヘッドと、
前記圧力発生手段に印加することで前記ノズルから液体が噴射されない程度に前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる微振動パルスを発生する駆動信号発生手段と、
前記微振動パルスの前記圧力発生手段への印加を制御する制御手段と、
吸収材を備えていない封止空間を内部に有し、前記液体噴射ヘッドに密着して当該封止空間内にノズルを密封するキャップと、
前記密封された封止空間内を減圧することでノズルから液体を吸引する吸引手段と、
を備えた液体噴射装置の制御方法であって、
非記録動作時において、前記吸引手段による吸引動作を含むクリーニング動作が行われたノズルに対応する前記圧力発生手段に対して、少なくとも1つ以上の微振動パルスを印加することで当該ノズルに対応する圧力室内の液体を微振動させる微振動駆動を間欠的に実行することを特徴とする。
本発明によれば、クリーニング動作が行われたノズル内の液体に気泡が混入した場合においても、微振動駆動を間欠的に実行することで当該気泡を排出することができるので、ノズルのメニスカスが破壊されたりすることを抑制できる。これにより、安定して液体を噴射することができる。また、ノズル内の液体の増粘が進行することを抑制できる。
プリンターの構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドの構成を説明する断面図である。 プリンターの電気的な構成を説明するブロック図である。 クリーニング動作を説明する模式図である。 微振動パルスの一例を説明する波形図である。 間欠的に微振動駆動を行う駆動信号を説明する図である。 ノズルのメニスカスの様子を説明する模式図である。 間欠的に微振動駆動を行ったときの効果を説明する図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下の説明は、本発明の液体噴射装置として、織物、編物および不織布等の布帛(着弾対象の一種)の表面に対して画像等の記録を行うインクジェット式プリンター(以下、プリンター)を例に挙げて行う。
図1は、プリンター1の構成を説明する斜視図である。このプリンター1は、インクを噴射する記録ヘッド3、この記録ヘッド3が取り付けられるキャリッジ4、キャリッジ4を主走査方向に移動させるキャリッジ移動機構5、布帛2を副走査方向に移送する搬送機構6等を備えている。本実施形態のインクは、樹脂(樹脂粒子)を含むインクが用いられている。なお、インクについては、後で詳しく説明する。このインクは、液体供給源としてのインクカートリッジ7に貯留されている。インクカートリッジ7は、記録ヘッド3に対して着脱可能に装着される。なお、インクカートリッジ7がプリンター1の本体側に配置され、当該インクカートリッジ7からインク供給チューブを通じて記録ヘッド3に供給される構成を採用することもできる。
上記のキャリッジ移動機構5はタイミングベルト8を備えている。そして、このタイミングベルト8はDCモーター等のパルスモーター9により駆動される。従ってパルスモーター9が作動すると、キャリッジ4は、プリンター1に架設されたガイドロッド10に案内されて、主走査方向(布帛2の幅方向)に往復移動する。キャリッジ4の主走査方向の位置は、位置情報検出手段の一種であるリニアエンコーダー11によって検出される。リニアエンコーダー11は、その検出信号、即ち、エンコーダーパルス(位置情報の一種)をプリンター1の制御部41に送信する。
記録動作時の記録ヘッド3の下方には、プラテン12が配置されている。このプラテン12は、記録動作を行う際の記録ヘッド3のノズル面25(ノズルプレート19:図2参照)に対して間隔を空けて配置され、布帛2を支持する。また、キャリッジ4の移動範囲内における記録領域(捺染領域)よりも外側には、フラッシングボックス13が設けられている。このフラッシングボックス13は、クリーニング動作のうちの1つであるフラッシング動作において、記録ヘッド3から噴射されたインクを捕集する部材である。本実施形態のフラッシングボックス13は、上方(記録ヘッド3側)に向けて開口した箱体状に形成されている。また、本実施形態では、フラッシングボックス13がプラテン12の主走査方向の両側に設けられている。なお、フラッシングボックス13が主走査方向の両側のうち一方の端部にのみ設けられる構成を採用することもできる。
また、キャリッジ4の移動範囲内における記録領域(捺染領域)よりも外側であって、一方(図1における右側)のフラッシングボックス13よりも外側の端部領域には、キャリッジ4の走査の基点となるホームポジションが設定されている。このホームポジションには、記録ヘッド3のノズル面25を封止するキャップ14、および、ノズル面25を払拭するためのワイパー15等が配置されている。そして、プリンター1は、このホームポジションから反対側の端部へ向けてキャリッジ4が移動する往動時と、反対側の端部からホームポジション側にキャリッジ4が戻る復動時との双方向で布帛2上に文字や画像等を記録する所謂双方向記録を行う。
キャップ14は、図1または図4(a)に示すように、上面(ノズル面25と対向する側の面)が開口した封止空間14cを内部に有するトレイ状の部材である。具体的には、キャップ14は、長方形状の底部14aと、この底部14aの周縁から起立する側壁部14bとから構成され、これら底部14aおよび側壁部14bによって封止空間14cが区画されている。そして、キャップ14は、キャップ移動機構49(図3参照)によって上下動することで、側壁部14bの上端をホームポジションで待機する記録ヘッド3のノズル面25に密着させ、ノズル24を封止空間14c内に密封(封止)する。なお、本実施形態のキャップ14は、ゴム等の弾性部材により形成されている。これにより、ノズル面25とキャップ14の密着性を向上させ、ノズル24を確実に密封することができる。また、封止空間14cは、底部14aおよび側壁部14bからなるキャップ14の構造体面のみによって区画され、その内部にはインクを吸収する多孔質部材からなる吸収材(例えば、スポンジ等)が配置されていない。このため、後述するポンプ50によってノズル24からインクを吸引する吸引動作が行われた際に、インクが吸収材に捕集されず、封止空間14c内にインクが残留することを抑制できる。その結果、キャップ14をノズル面25に当接した際に、封止空間14c内で固化したインクによって、当該ノズル面25が傷つくことを抑制できる。
また、キャップ14の底部14aには、図4(a)に示すように、インク排出路48の上端が開口している。このインク排出路48の途中に、密封された封止空間14c内を減圧するポンプ50(本発明における吸引手段に相当)が接続されている。このため、キャップ14によりノズル面25を密封した状態(封止空間14c内にノズル24を密封した状態)でポンプ50を動作させると、封止空間14c内が減圧され、ノズル24から気泡や増粘したインクを吸引することができる。そして、吸引されたインク等は、インク排出路48を介して、図示しないタンク等に排出される。なお、図示しないが、キャップ14の封止空間14cは、大気開放路を通じて大気と連通されている。そして、この大気開放路は、同じく図示しない大気開放弁によって開閉されるように構成されている。
ワイパー15は、図1または図4(c)に示すように、上方(記録ヘッド3側)に向けて起立した板状の部材であり、ゴム等の弾性部材により形成されている。このワイパー15の幅(払拭方向に直交する方向(副走査方向)の寸法)は、ノズル面25を払拭可能な大きさに設定されている。なお、ワイパー15は、先端部が記録ヘッド3の移動経路に重なってノズル面に接触するワイピング位置と、この移動経路から外れてワイパー15の先端部が記録ヘッド3のノズル面25に接触しない退避位置とに進退可能となっている。記録ヘッド3のノズル面25を払拭する場合には、ワイパー15をワイピング位置まで移動させ、ワイパー15の先端部がノズル面25に当接した状態で記録ヘッド3とワイパー15とを相対移動させる。これにより、ワイパー15がノズル面25に付着したインク等を払拭する。本実施形態では、記録ヘッド3を主走査方向に移動させることで、ワイパー15がノズル面25を払拭するように構成されている。なお、ワイパー15のノズル面25と接触する接触部は、ノズル面25をスムーズに払拭できるように、インクの溶剤や水等からなる液体で湿らせてある。また、ノズル面25との接触部が布からなる布ワイパーを用いることもできる。さらに、記録ヘッド3の位置を固定した状態でワイパー15が自走することでノズル面を払拭する構成を採用することもできる。
本実施形態のインクは、捺染用のインクであり、例えば、樹脂を含有したものが用いられている。以下、インクに含まれる成分について、詳細に説明する。
インクに含まれる顔料は、有機顔料および無機顔料のいずれも使用することができる。インクに含まれる顔料は、白色系の顔料、白色系の顔料以外の顔料のいずれの色の顔料も用いることができる。
白色系の顔料としては、以下に限定されないが、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化アンチモン、及び酸化ジルコニウム等の白色無機顔料が挙げられる。当該白色無機顔料以外に、白色の中空樹脂粒子及び高分子粒子などの白色有機顔料を使用することもできる。
白色系の顔料以外の顔料とは、上述した白色系の顔料を除く顔料のことをいう。例えば、アゾ系、フタロシアニン系、染料系、縮合多環系、ニトロ系、及びニトロソ系などの有機顔料(ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウォッチングレッド、ジスアゾイエロー、ハンザイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルー、アニリンブラック等)、コバルト、鉄、クロム、銅、亜鉛、鉛、チタン、バナジウム、マンガン、及びニッケル等の金属類、金属酸化物及び硫化物、並びにファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、さらには黄土、群青、及び紺青等の無機顔料を用いることができる。
インクに含まれる顔料の含有量は、使用する顔料種により異なるものの良好な発色性を確保することなどから、インクの全質量に対して、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上12質量%以下がさらに好ましい。中でも、インクに含まれる顔料として酸化チタンを用いる場合には、酸化チタンの含有量は、沈降し難いとともに、(特に明度の低い布帛2上での)隠蔽性及び色再現性に優れるため、インクの全質量に対して、3質量%以上25質量%以下であることが好ましく、5質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
顔料は、インク中での分散性を高めるという観点から、表面処理を施した顔料であってもよいし、分散剤等を利用した顔料であってもよい。
表面処理を施した顔料とは、物理的処理または化学的処理によって顔料表面に親水性基(カルボキシル基、スルホン酸基等)を、直接または間接的に結合させて水性溶媒中に分散可能としたものである(以下、「自己分散型の顔料」ともいう。)。
また、分散剤を利用した顔料とは、界面活性剤や樹脂により顔料を分散させたものであり(以下、「ポリマー分散型顔料」ともいう。)、界面活性剤や樹脂としてはいずれも公知の物質を使用することが可能である。また、「ポリマー分散型顔料」の中には、樹脂により被覆された顔料も含まれる。樹脂により被覆された顔料は、酸析法、転相乳化法、及びミニエマルション重合法などにより得ることができる。
インクは、樹脂を含有する。樹脂を含有することにより、インクと布帛2の密着性を向上できるので、インクにより形成される画像の耐擦性を向上できる。
本実施形態に係る捺染用のインクセットは、布帛2のような伸縮しやすい記録媒体に対する記録に用いられることが多いことから、記録される画像(すなわちインクにより形成されるインク膜)が伸縮しやすい(伸張しやすい)ものであることが好ましい。すなわち、インク膜が布帛2の伸縮に追随して伸縮できる伸度を有することにより、インク膜の破断、ひび割れを防ぎ、洗濯・摩擦堅牢度を確保することができる。こうした観点から、インクに含まれる樹脂の皮膜伸度は、400%以上1200%以下であることが好ましく、500%以上1200%以下であることがより好ましく、600%以上1200%以下であることがさらに好ましく、700%以上1200%以下であることが特に好ましい。樹脂の皮膜伸度が上記範囲内、とりわけ下限を下回らずにあることで、布帛2の伸縮に対して追従性の良好な画像を形成できる。また、樹脂の皮膜伸度が上記範囲内、とりわけ上限を超えずにあることで、インク膜の粘性を適度な範囲に保ち、布帛2に対するアンカー効果の低下を抑制できるので、定着性の低下を抑制しつつ、洗濯・摩擦堅牢度(耐擦性)にも良好な画像を形成できる。
また、インクに含まれる樹脂は、インク膜の破断、ひび割れを防ぎ、洗濯・摩擦堅牢度を確保することができる点で、ガラス転移点(Tg)が、0℃以下が好ましく、−10℃以下がより好ましい。また、ガラス転移点(Tg)の下限は、−80℃以上が好ましい。また、インクに含まれる樹脂は、インク膜の破断、ひび割れを防ぎ、洗濯・摩擦堅牢度を確保することができる点で、最低像膜温度(MFT)が、0℃以下が好ましく、−10℃以下がより好ましい。また、最低像膜温度の下限は、−80℃以上が好ましい。
インクに含まれる樹脂は、皮膜の耐擦性、密着性、インクの保存安定性を向上できる等の観点から、エマルジョンであることが好ましい。インクに含まれる樹脂は、水に安定に分散させるために必要な親水成分が導入された自己乳化型のものでもよいし、外部乳化剤の使用により水分散性となるものでもよいが、前処理液とインクとの反応を阻害しにくくするという観点から、乳化剤を含まない自己乳化型分散体(自己乳化型のエマルジョン)であることが好ましい。
樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、フルオレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ロジン変性樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル系樹脂等を用いることができる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。これらの中でも、設計の自由度が高く、それゆえ所望の皮膜物性(上記の皮膜伸度)を得やすいことから、ウレタン系樹脂およびアクリル系樹脂から選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、ウレタン系樹脂を用いることがより好ましい。
インク中における樹脂の含有量は、インクの全質量に対して、固形分換算で、1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、8質量%以上15質量%以下であることがさらに好ましい。インク中における樹脂の含有量が上記範囲内、とりわけ下限を下回らずにあることで、樹脂がインクの定着性を向上させる効果を十分に発揮できるので、記録される画像の耐擦性が向上する。また、上限を超えずにあることで、樹脂に起因する凝集物の発生が抑制できるので、インクの保存安定性や吐出安定性が優れたものとなる。
その他、インクは、水、有機溶剤、界面活性剤、pH調製剤、防腐剤・防かび剤等を含有してもよい。
次に記録ヘッド3について説明する。図2は記録ヘッド3の概略断面図である。なお、図2では、他方のノズル列に対応する主要部分の構成が、図示されたものと左右方向に対称であるため省略されている。本実施形態における記録ヘッド3は、図2に示すように、圧力発生ユニット17および流路ユニット18を備え、これらの部材が積層された状態でケース23に取り付けて構成されている。
ケース23は、合成樹脂等によって形成される箱体状部材である。図2に示すように、このケース23の中心部分にはノズル列方向に沿って長尺な貫通空部34が、ケース23の高さ方向を貫通する状態で形成されている。そして、この貫通空部34には、図示しないフレキシブルケーブルの一端部が収容される。また、ケース23には、インク導入路35が形成されている。このインク導入路35は、その上端が上流側の流路と接続され、下端が流路ユニット18の共通液室29(リザーバー)に接続されている。これによりインクカートリッジ7からのインクは、インク導入路35を介して共通液室29に導入される。
流路ユニット18は、複数のノズル24を直線状(列状)に開設したノズルプレート19(ノズル形成部材の一種)、及び、共通液室29が設けられた連通基板20を有している。この列設された複数のノズル24は、一端側のノズル24から他端側のノズル24までドット形成密度に対応したピッチで等間隔に設けられている。本実施形態では、360dpiに対応するピッチで360個のノズル24を列設することでノズル列(ノズル群の一種)が構成されている。また、本実施形態では、当該ノズルプレート19に2列のノズル列が形成されている。共通液室29は、ノズル列方向に沿って一連に形成された空部であり、2列のノズル列に対応して、2列形成されている。この共通液室29のノズル24側(圧力室28側)には、圧力室28と連通する液体導入口30が各圧力室28に対応して複数開設されている。なお、ノズルプレート19の下面がノズル面25に相当する。
圧力発生ユニット17は、圧力室28が形成された圧力室形成基板26(圧力室形成部材の一種)、弾性膜27、圧電素子31、および保護基板21が積層されてユニット化されている。そして、共通液室29から液体導入口30を介して圧力室28にインクを導入し、制御部41からの駆動信号を、フレキシブルケーブルを介して圧電素子31に供給することで、圧電素子31を駆動させて圧力室28に圧力変動を生じさせる。この圧力変動を利用することで、連通基板20に貫通したノズル連通路32を介してノズル24からインク滴を噴射させている。
次に、プリンター1の電気的構成を説明する。図3は、プリンター1の電気的な構成を説明するブロック図である。プリンター1は、キャリッジ移動機構5、搬送機構6、リニアエンコーダー11、キャップ移動機構49、ポンプ50、記録ヘッド3、及び、制御部41を有する。なお、外部装置40は、例えばコンピューターやデジタルカメラなどの画像を取り扱う電子機器である。この外部装置40は、プリンター1の制御部41と通信可能に接続されており、プリンター1において布帛2に画像等を印刷させるため、その画像等に応じた印刷データをプリンター1に送信する。
制御部41は、プリンター1の各部の制御を行うための制御ユニットであり、インターフェース(I/F)部44と、CPU45と、記憶部46と、駆動信号生成部47(本発明における駆動信号発生手段に相当)と、を有する。インターフェース部44は、外部装置40からプリンター1へ送信される印刷データや印刷命令を受信したり、外部装置40にプリンター1の状態情報を送信したりする等、プリンター1とのデータの送受信を行う。記憶部46は、CPU45のプログラムや各種制御に用いられるデータを記憶する素子であり、ROM、RAM、NVRAM(不揮発性記憶素子)を含む。CPU45は、プリンター1全体の制御を行うための演算処理装置であり、記憶部46に記憶されているプログラムに従って、各ユニットを制御する。また、CPU45は、リニアエンコーダー11から出力されるエンコーダーパルスからタイミングパルスPTSを生成するタイミングパルス生成手段として機能する。さらに、CPU45は、このタイミングパルスPTSに同期させて印刷データの送信や、駆動信号生成部47による駆動信号の生成等を制御する。そして、CPU45は、キャップ移動機構49およびポンプ50を制御して、ノズル24およびノズル面25をクリーニングするクリーニング動作を制御する。なお、クリーニング動作については、後で詳しく説明する。
駆動信号生成部47は、駆動信号COMの波形に関する波形データに基づいて、アナログの電圧信号を生成する。これらの電圧信号を電力増幅し、駆動信号COMを生成する。ここで、記録動作時における駆動信号COMは、記録ヘッド3のノズル24からインクを噴射させる噴射パルスを含む一連の信号である。この駆動信号COMには、当該駆動信号COMの生成繰り返し周期である単位期間T内に、複数の噴射パルスが含まれている。また、圧力室28内のインクを微振動させる駆動信号COMは、ノズル24からインクが噴射されない程度に圧力室28内のインクに圧力変動を生じさせる微振動パルスBPを少なくとも1つ以上含む一連の信号である。本実施形態では、図6に示すように、単位期間(T1またはT3)内に複数(図6では3つ)の微振動パルスBPが含まれている。なお、噴射パルスおよび微振動パルスBPは、圧電素子31に所定の動作を行わせる駆動電圧の一種である。
図5は、微振動パルスBPの一例を説明する波形図である。なお、図5の縦軸は電圧を表わし、横軸は時間を表わしている。微振動パルスBPは、膨張要素p1、膨張維持要素p2、および、収縮要素p3を含んでいる。膨張要素p1は、基準電位(中間電位)VBから最小電位(最小電圧)VLまでマイナス側に電位が変化して圧力室28を膨張させる。膨張維持要素p2は、最小電位VLを一定時間維持する。収縮要素p3は、最小電位VLから基準電位(中間電位)VBまでプラス側に電位が変化して圧力室28を収縮させる。この収縮により、圧力室28内のインクが、ノズル24から噴射されない程度に加圧される。そして、この圧力室28の一連の容積変動に伴って圧力室28内には比較的緩やかな圧力変動が生じ、この圧力変動によって圧力室28内のインク、および、ノズル24に露出したインクの液面(メニスカス)が微振動して攪拌される。なお、微振動パルスBPは、図5および図6に例示したような基準電位VBからマイナス側に変化する波形に限らず、基準電位VBからプラス側に変化する波形でもよい。その他、ノズル24からインクが噴射されない程度に圧力室28内のインクに圧力変動を生じさせる波形であれば、どのような形状の波形であってもよい。
ヘッド制御部43は、CPU45からのヘッド制御信号に基づき、記録ヘッド3の圧電素子31に対する駆動信号COMの印加制御等を行う。具体的には、ヘッド制御部43は、CPU45からの噴射データに基づき、駆動信号COMから噴射パルスを選択し、圧電素子31に印加する。また、ヘッド制御部43は、CPU45からのヘッド制御信号に基づき、クリーニング動作が行われたノズル24に対応する圧力室28に対して、微振動駆動が間欠的に実行されるように駆動信号COMの印加制御を行う。例えば、クリーニング動作後において、図6に示すように、印加時間T1の間、圧電素子31に微振動パルスBPを印加して圧力室28内のインクに微振動を発生させる。その後、間欠時間T2の間、圧電素子31に印加する駆動信号COMを一定の電位(基準電位VB)に保ち、圧電素子31を振動させない。そして、間欠時間T2の後、印加時間T3の間、再び圧電素子31に微振動パルスBPを印加して圧力室28内のインクに微振動を発生させる。このような微振動駆動の間欠動作を繰り返し行うことで、ノズル24からインクが噴射されない所謂ドット抜けを抑制することができる。この点については、後で説明する。なお、制御部41およびヘッド制御部43が本発明における制御手段に相当する。
次に、ノズル24およびノズル面25をクリーニングするクリーニング動作について説明する。クリーニング動作は、非記録動作時において記録ヘッド3のノズル24から噴射するインクの噴射特性を回復あるいは維持するために定期的に行われる動作である。例えば、プリンター1起動後において最初の記録動作の直前や機器(インクカートリッジ7等)設置(交換)後の最初のインク充填後に行われる。また、記録動作の合間において、所定の時間が経過する毎、あるいは、所定回数のパス(記録ヘッド3の走査)を行う毎、または、所定のページ数を印刷する毎等に行われる。本実施形態のクリーニング動作は、吸引動作と、払拭動作と、フラッシング動作とを含んでいる。
クリーニング動作を開始すると、まず、キャリッジ移動機構5を駆動して、記録ヘッド3をホームポジションに移動させる。次に、図4(a)に示すように、キャップ移動機構49を駆動し、キャップ14を上方(記録ヘッド3側)に移動させて、側壁部14bの上端を記録ヘッド3のノズル面25に密着させる。また、上記の大気開放弁が閉じられる。これにより、ノズル24が封止空間14c内に密封(封止)される。この状態で、ポンプ50を駆動し、吸引動作を行う。すなわち、ポンプ50の駆動によって密封された封止空間14c内が減圧され、インクがノズル24からインク排出路48側に排出(吸引)される。これに伴って、気泡や増粘したインクがノズル24から排出される。その後、大気開放弁が開かれて封止空間14c内を大気圧に戻し、図4(b)に示すように、キャップ移動機構49を再び駆動して、キャップ14を下方に移動させる。
次に、ワイパー15による払拭動作を行う。ワイパー15をワイピング位置まで移動させ、ワイパー15の先端部をノズル面25に当接させた状態で、記録ヘッド3をホームポジションとは反対側に移動させる。これにより、図4(c)に示すように、ワイパー15がノズル面25の主走査方向における一側から他側に向けて相対的に移動して、ノズル面25を払拭する。
最後に、記録ヘッド3をフラッシングボックス13の上方に移動させて、フラッシング動作を行う。フラッシング動作は、記録動作時の噴射パルスよりも圧力室28の圧力変動が大きくなるように設定されたフラッシングパルスを圧電素子31に印加することで行われる。このため、フラッシング動作において一回の圧電素子31の駆動で噴射されるインクの量が、記録動作時よりも多くなる。これにより、気泡や増粘したインクをノズル24から更に排出することができる。そして、フラッシング動作後に、記録ヘッド3をホームポジションに移動させてクリーニング動作を終了する。なお、このとき、キャップ移動機構49を駆動して、ホームポジションで待機する記録ヘッド3のノズル面25をキャップ14で封止することもできる。このようにすれば、記録ヘッド3内のインクが増粘することを抑制できる。
ところで、図7(a)や図7(b)に示すように、上記のようなクリーニング動作を行った際に、ノズル24のメニスカスが破壊されたり、ノズル24内のインクに気泡が混入したりする虞があった。ここで、メニスカスの破壊とは、ノズル24内のインク面が凹状の正常状態(図7(c)参照)から遷移して、インクを噴射した際に、予定されるインクの噴射特性が得られない状態になっていることをいう。例えば、図7(a)に示すように、ノズル24内のインク面の一部が、ノズル24の奥(圧力室28側)に入り込んでいる状態が該当する。特に、本実施形態では、キャップ14の封止空間14c内に吸収材を設けない構成を採用したので、ノズル24内のインクへの気泡の混入やメニスカスの破壊がより起こりやすくなっていた。このようなインクへの気泡の混入やメニスカスの破壊が発生すると、ノズル24からインクが噴射されない所謂ドット抜けが発生する虞があった。このような不具合の原因としては、以下に説明するような理由が考えられる。
吸引動作において、ノズル24からインクを吸引する際に、ノズル24のメニスカスの挙動(振動等)が激しくなり、ノズル24内のインクに気泡が混入する虞がある。特に、封止空間14c内に吸収材を設けない構成では、吸収材を設けた構成に比べて、吸引されるインクの流速が早くなるため、メニスカスの挙動(振動等)が一層激しくなり、インクへの気泡の混入が起こりやすくなる。これにより、メニスカスが破壊される虞も高まる。また、吸引動作後に減圧された封止空間14cを大気圧に戻してからキャップ14をノズル面25から離間させるが、大気開放する際の気圧の変化、若しくはキャップ14を離間する際の気圧の変化によってメニスカスが振動する。この振動によって、ノズル24内のインクに気泡が混入したり、メニスカスが破壊されたりする虞がある。さらに、ワイパー15による払拭動作の際にもノズル24内のインクに気泡が混入する虞もある。ワイパー15のノズル面25と接触する接触部は、インクの溶剤や水等からなる液体で濡れているため、払拭動作の際に、この液体と共に気泡がノズル24内のインクに混入する虞があるからである。
このような要因により発生するインクの噴射不良(ドット抜け)を抑制するため、本発明では、クリーニング動作後の非記録動作時において、微振動パルスを印加することで圧力室28内のインクを微振動させる微振動駆動を間欠的に実行している。これにより、インクに混入した気泡を排出したり、破壊されたメニスカスを回復したりすることができる。その理由としては、以下の仮説が考えられている。
例えば、図7(a)に示すように、メニスカスが破壊され、ノズル24内のインク面の一部が、ノズル24の奥(圧力室28側)に入り込んでいる状態において、所定の印加時間の間(例えば、数秒の間)、圧電素子31に微振動パルスを印加して圧力室28内のインクに微振動を発生させる。これにより、この圧力室28に連通するノズル24内のインク面が振動する。その後、所定の間欠時間の間(例えば、数秒〜数千秒の間)、圧電素子31に印加する駆動信号COMを一定の電位に保ち、圧電素子31を振動させない。これにより、振動によって移動し易くなったインク面が、表面張力や毛細管力によって、安定な状態、すなわち図7(c)に示すような正常なメニスカス位置に戻ろうとする。特にノズル24の奥に入り込んだ液面の端部は、毛細管力によって、ノズル24を区画する壁面に沿って下方に移動する。このとき、正常なメニスカスの位置よりも下方に移動する場合があるが、間欠時間の後において、再び所定の印加時間の間、圧電素子31に微振動パルスを印加してノズル24内のインク面を振動させることで、正常なメニスカスの位置に戻すことができる。このような間欠的な微振動駆動を繰り返し行うことで、破壊されたメニスカスを回復することができる。なお、微振動駆動の間に間欠時間を設けず、微振動駆動を連続的に実行し続けた場合、破壊されたメニスカスが回復し難いことが確認されている。これは、インク面が振動し続けると、ノズル24の奥に入り込んだ液面が壁面に沿って下方に移動し難くなるためだと考えられる。
また、例えば、図7(b)に示すように、ノズル24内のインクに気泡Bが混入していた場合でも、所定の印加時間の間、圧電素子31に微振動パルスを印加してノズル24内のインク面を振動させることで、気泡Bを除去することができる。具体的に説明すると、ノズル24内のインクに混入した気泡Bはノズル24を区画する壁面に密着した状態になっている。この状態で、インク面を振動させると、この振動によって、気泡Bが壁面から剥がされる。あるいは、気泡Bが移動しやすくなる。そして、微振動の後、所定の間欠時間の間、圧電素子31を振動(駆動)させずにノズル24内のインク面を放置することで、表面張力等によって気泡Bはインク面に取り込まれて大気中に放出される。このように、ノズル24内のインクに気泡が混入していない、正常な状態に戻すことができる。
このように、クリーニング動作後の非記録動作時において、ノズル24内のインク面に振動(微振動)を起こした後、圧電素子31を駆動せずにノズル24内のインク面を放置することで、表面張力等によって、インクに混入した気泡の排出や、破壊されたメニスカスの回復を促すことができる。その結果、ノズル24内のインクに気泡が混入したり、ノズル24のメニスカスが破壊されたりすることを抑制できる。そして、このようなインク面の振動と放置を繰り返すことで、すなわち微振動駆動を間欠的に実行することで、より確実にインクに混入した気泡の排出や、破壊されたメニスカスの回復を行うことができる。
図8は、クリーニング動作の後において間欠的に微振動駆動を行ったときの実験結果である。図8における「実施例」が本発明の間欠的な微振動駆動を行った場合であり、「比較例」が行わなかった場合である。クリーニング動作の後、ノズル24からインクを噴射する印字テストを行い、ドット抜けしたノズル24がいくつあったかを実施例と比較例とで比較している。なお、摂氏15度、25度、40度の各温度において、BK(ブラックインク)、Ye(イエローインク)、Ma(マゼンタインク)、Cy(シアンインク)のそれぞれについて実験を行っている。また、温度が摂氏25度の場合では、微振動印加時間と間欠時間とを異ならせた複数の実験を行っている。具体的には、印加時間を1秒、間欠時間を60秒にした場合、印加時間を1秒、間欠時間を180秒にした場合、印加時間を2秒、間欠時間を180秒にした場合、の合計3パターンについて実験を行っている。なお、温度が摂氏15度および40度の場合では、印加時間を1秒、間欠時間を180秒にした場合のみ実験を行っている。図8に示すように、クリーニング動作の後、間欠的な微振動駆動を行った場合(実施例)の方が、行わなかった場合(比較例)よりも、すべての条件においてドット抜けしたノズル24の数が少なくなっている。
このように、クリーニング動作後において、圧電素子31に対して微振動パルスを印加することで圧力室28内のインクを微振動させる微振動駆動を間欠的に実行したので、クリーニング動作が行われたノズル24内のインクに気泡が混入した場合においても当該気泡を排出させることができ、ノズル24のメニスカスが破壊されたりすることを抑制できる。これにより、安定してインクを噴射することができる。また、本実施形態のように樹脂を含有するインクを用いる場合、圧力室28内のインクが微振動し続けると、メニスカス近傍の増粘したインクが攪拌されて、この増粘したインクが圧力室28側に送られる一方、増粘していないインクがメニスカス近傍に送られるため、増粘が加速する。しかしながら、本発明では、微振動駆動を連続的に実行し続けるのではなく、間欠的に実行したのでノズル24内のインクの増粘が進行することを抑制できる。
ところで、上記実施形態では、クリーニング動作に、吸引動作と、払拭動作と、フラッシング動作とを含んでいたが、これには限られない。クリーニング動作としては、吸引動作と、払拭動作とを含んでいればよい。また、上記実施形態では、クリーニング動作後に微振動駆動を間欠的に実行したが、これには限られない。例えば、吸引動作と、払拭動作とからなるクリーニング動作において、ワイパーによってノズル面を払拭している途中であっても、すでに払拭されたノズル面にあるノズルに対応する圧力室に微振動駆動を間欠的に実行することもできる。要は、クリーニング動作の途中であっても、クリーニング動作が行われたノズルに対応する圧電素子に対して微振動パルスを印加して、当該ノズルに対応する圧力室内のインクが間欠的に微振動するようにすればよい。
さらに、上記実施形態では、キャップ14の側壁部14bをノズル面に密着して、ノズル24を封止空間14c内に密封(封止)したが、これには限られない。例えば、記録ヘッドの下面において、ノズルプレートを可及的に小型化して当該ノズルプレートの周囲に他の部材(例えば、共通液室のコンプライアンス部として機能するコンプライアンスシートや記録ヘッドを固定する固定板等)が露出した記録ヘッドにおいては、キャップの側壁部をノズルプレートより外側の当該他の部材に密着させる。これにより、ノズルを封止空間内に密封することができる。要は、記録ヘッドは種々の構成を採用することができ、キャップの封止空間内にノズルを密封することができれば、記録ヘッドのどの部分にキャップを密着させてもよい。
また、以上では、圧力発生手段として、所謂撓み振動型の圧電素子31を例示したが、これには限られず、例えば、所謂縦振動型の圧電素子を採用することも可能である。この場合、上記実施形態で例示した微振動パルスに関し、電位の変化方向、つまり上下が反転した波形となる。その他、圧力発生手段としては、発熱によりインク内に気泡を発生させることで圧力変動を生じさせる発熱素子や、静電気力により圧力室の区画壁を変位させることで圧力変動を生じさせる静電アクチュエーターなどの圧力発生手段を採用する構成においても本発明を適用することが可能である。
1…プリンター,2…布帛,3…記録ヘッド,4…キャリッジ,5…キャリッジ移動機構,6…搬送機構,7…インクカートリッジ,8…タイミングベルト,11…リニアエンコーダー,13…フラッシングボックス,14…キャップ,15…ワイパー,17…圧力発生ユニット,18…流路ユニット,19…ノズルプレート,20…連通基板,23…ケース,24…ノズル,25…ノズル面,26…圧力室形成基板,27…弾性膜,28…圧力室,29…共通液室,30…液体導入口,31…圧電素子,32…ノズル連通路,35…インク導入路,41…制御部,43…ヘッド制御部,45…CPU,46…記憶部,47…駆動信号生成部,48…インク排出路,49…キャップ移動機構,50…ポンプ

Claims (2)

  1. 圧力発生手段を駆動することで圧力室内に圧力変動を生じさせ、ノズルから樹脂を含有する液体を噴射させる液体噴射ヘッドと、
    前記圧力発生手段に印加することで前記ノズルから液体が噴射されない程度に前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる微振動パルスを発生する駆動信号発生手段と、
    前記微振動パルスの前記圧力発生手段への印加を制御する制御手段と、
    吸収材を備えていない封止空間を内部に有し、前記液体噴射ヘッドに密着して当該封止空間内にノズルを密封するキャップと、
    前記密封された封止空間内を減圧することでノズルから液体を吸引する吸引手段と、
    を備え、
    非記録動作時において、前記吸引手段による吸引動作を含むクリーニング動作が行われたノズルに対応する前記圧力発生手段に対して、少なくとも1つ以上の微振動パルスを印加することで、当該ノズルに対応する圧力室内の液体を微振動させる微振動駆動を間欠的に実行することを特徴とする液体噴射装置。
  2. 圧力発生手段を駆動することで圧力室内に圧力変動を生じさせ、ノズルから樹脂を含有する液体を噴射させる液体噴射ヘッドと、
    前記圧力発生手段に印加することで前記ノズルから液体が噴射されない程度に前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる微振動パルスを発生する駆動信号発生手段と、
    前記微振動パルスの前記圧力発生手段への印加を制御する制御手段と、
    吸収材を備えていない封止空間を内部に有し、前記液体噴射ヘッドに密着して当該封止空間内にノズルを密封するキャップと、
    前記密封された封止空間内を減圧することでノズルから液体を吸引する吸引手段と、
    を備えた液体噴射装置の制御方法であって、
    非記録動作時において、前記吸引手段による吸引動作を含むクリーニング動作が行われたノズルに対応する前記圧力発生手段に対して、少なくとも1つ以上の微振動パルスを印加することで、当該ノズルに対応する圧力室内の液体を微振動させる微振動駆動を間欠的に実行することを特徴とする液体噴射装置の制御方法。
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