JP2011207078A - 液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法 - Google Patents

液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体の増粘に起因する噴射不良を抑制することが可能な液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法を提供する。
【解決手段】圧電振動子の作動により圧力室内に圧力変動を与え、圧力室に充填されたインクをノズルから噴射する記録ヘッドと、圧電振動子を駆動してノズル内のインクをノズルからインクが噴射しない程度に微振動させる微振動パルスを発生する駆動信号発生回路と、記録紙に対する記録処理中において、インクを噴射させないノズルに対応する圧電振動子に対して微振動パルスを印加してメニスカスの微振動を行う制御部と、を備え、制御部は、記録処理が開始された時点又はノズルをキャッピング部材に向けてインクを噴射して噴射能力の回復を目的とするフラッシングの終了時点における往路用微振動パルスの電圧値Vh1よりも、フラッシングの終了時点から所定時間が経過した時点における復路用微振動パルスの電圧値Vh2を高める。
【選択図】図5

Description

本発明は、インクジェット式記録ヘッドなどの液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法に関するものである。
液体噴射装置は、液体を噴射(吐出)可能な液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射する装置である。この液体噴射装置の代表的なものとして、例えば、液体噴射ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドのノズルから液滴状のインクを記録紙等の記録媒体(噴射対象物)に対して噴射・着弾させることで画像等の記録を行うインクジェット式プリンター(以下、単にプリンターという。)等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造装置等、各種の製造装置にも液体噴射装置が応用されている。
上記プリンターには、駆動パルスの一種である噴射パルスを含む駆動信号を発生して、発生した噴射パルスを圧力発生素子(例えば、圧電振動子や発熱素子等)に印加(供給)してこれを駆動することにより圧力室(圧力発生室)内の液体に圧力変化を与え、この圧力変化を利用して圧力室に連通したノズルから液体を噴射させるように構成されたものがある。
ところで、一般的なプリンターでは、電源がオフの状態、或いは、電源がオンの状態において印刷を行っていない待機状態のときには、記録ヘッドのノズル形成面が印刷(記録)領域から外れた非印刷領域に設けられたキャッピング部材によって封止(キャッピング)される。これにより、インクの溶媒がノズルから蒸発することが抑制されるようになっている。しかしながら、印刷動作中(記録動作中)では、ノズル形成面がキャッピング状態から開放されるので、ノズルにおけるメニスカスが大気中に晒される。そのため、キャッピング部材から開放されている期間中、時間の経過と共にインクの溶媒がノズルから次第に蒸発することによりノズル近傍のインクの粘度が増加する。そして、インクの増粘が顕著になると、噴射されるインクの重量や飛翔速度が低下したり、インクが噴射されなかったり等の不具合(噴射不良)が生じる虞がある。
このようなインクの噴射不良を防止するため、種々のメンテナンス処理が実行されている。例えば、記録媒体に対する記録動作を実行中に、一定間隔毎、或いは、規定枚数のページを印刷する毎に当該記録動作を中断して、非印刷領域に設けられたキャッピング部材やプラテンに設けられたインク受部に記録ヘッドを移動させ、これらのキャッピング部材等にノズルを対向させた状態でノズルから液滴の空吐出(捨て打ち)を行う(以下、フラッシングという)ことによって、増粘したインクを強制的に除去することが行われている。
また、記録媒体に対する記録動作中において、ノズルからインクを噴射させない程度にノズル内のメニスカスを振動させる微振動パルスを圧力発生素子に印加して、メニスカス近傍の増粘したインクと圧力室側のインクとを攪拌させることで噴射不良を抑制する微振動動作が、インクを噴射しないノズルに対して行われている。そして、微振動パルスを圧力発生素子に繰り返し印加するように構成されたプリンターにおいて、例えば、微振動パルス同士の間隔を徐々に短くすることで、前に発生させた微振動パルスによるメニスカスの残留振動を打ち消すタイミングで、これよりも後に発生させる微振動パルスを圧力発生素子に印加させ、これにより微振動パルスの印加後に実行される記録動作の開始前におけるメニスカスの残留振動を可及的に抑制させ、噴射安定性を確保することが可能なプリンターが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−80702号公報
しかしながら、近年では、一般家庭で使用されるプリンターに対応した記録媒体よりもさらに大きいサイズの記録媒体に対応可能な所謂ラージフォーマットと呼ばれるプリンターが開発されており、このようなプリンターでは、記録ヘッドの移動距離が長くなるため、記録動作中において上記のフラッシングを行う間隔も長くなる傾向にある。このため、ノズルの中で噴射頻度の少ないノズルに対して微振動を行ったとしても、インクの増粘の進行を遅らせることはできても、インクの増粘を確実に抑制することは困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体の増粘に起因する噴射不良を抑制することが可能な液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射装置は、圧力発生手段の作動により圧力室内に圧力変動を与え、当該圧力室に充填された液体をノズルから噴射する液体噴射ヘッドと、
前記圧力発生手段を駆動して前記ノズル内の液体を当該ノズルから液体が噴射しない程度に微振動させる微振動パルスを発生する駆動信号発生部と、
着弾対象に対する噴射処理中において、液体を噴射させないノズルに対応する圧力発生手段に対して前記微振動パルスを印加してメニスカスの微振動を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、前記噴射処理が開始された時点又は前記着弾対象以外の領域に向けて前記液体を噴射して噴射能力の回復を目的とする噴射能力回復処理の終了時点における前記微振動パルスの電圧値よりも、前記噴射処理が開始された時点又は前記噴射能力回復処理の終了時点から所定時間が経過した時点における前記微振動パルスの電圧値を高めることを特徴とする。
なお、噴射能力の回復とは、液体の溶媒が蒸発することで増粘した液体をノズルから噴射して、液体の粘度が増粘する前の状態(理想的には製造時の状態)に近づけて、液体の噴射能力、即ち、噴射される液体の量や飛翔速度を設計・仕様上理想的な状態に近づけることを意味する。
また、「噴射能力回復処理の終了時点」とは、噴射処理が開始されてから終了するまでの間に間欠的に実行される噴射能力回復処理のうちの前回に実行された噴射能力回復処理の終了時点を意味する。
この構成によれば、圧力発生手段の作動により圧力室内に圧力変動を与え、圧力室に充填された液体をノズルから噴射する液体噴射ヘッドと、圧力発生手段を駆動してノズル内の液体をノズルから液体が噴射しない程度に微振動させる微振動パルスを発生する駆動信号発生部と、着弾対象に対する噴射処理中において、液体を噴射させないノズルに対応する圧力発生手段に対して微振動パルスを印加してメニスカスの微振動を行う制御部と、を備え、制御部は、ノズルを着弾対象以外の領域に向けて液体を噴射して噴射能力の回復を目的とする噴射能力回復処理の終了時点における微振動パルスの電圧値よりも、噴射能力回復処理の終了時点から所定時間が経過した時点における微振動パルスの電圧値を高めるので、より確実に液体の増粘を抑制することができる。その結果、液体の増粘に起因する噴射不良を抑制することができる。特に、例えば所謂ラージフォーマットと呼ばれるプリンターのように噴射能力回復処理と次の噴射能力回復処理との間隔が長くなる傾向にある構成であっても、ノズルにおける増粘を抑制することができる。
上記構成において、前記着弾対象に対して前記液体噴射ヘッドを往復動させる走査機構を備え、
前記制御部は、前記液体噴射ヘッドの移動方向を往路から復路に切り替えるタイミングで、往路時における微振動パルスの電圧値よりも復路時における微振動パルスの電圧値を高めることが望ましい。
この構成によれば、着弾対象に対して液体噴射ヘッドを往復動させる走査機構を備え、制御部は、記録ヘッドの移動方向を往路から復路に切り替えるタイミングで、往路時における微振動パルスの電圧値よりも復路時における微振動パルスの電圧値を高めるので、噴射処理時間を延長することなく、また、回路の負担を増加することなく微振動パルスの電圧を変更することができる。即ち、往路と復路とが切り替わる期間では液体の噴射が行われないので、この期間で微振動パルスの電圧の変更を行うことで、噴射処理中に微振動パルスの電圧変更処理が割り込むことがない。したがって、噴射処理の時間が長くなってしまうことが防止される。また、このタイミングでは、液体の噴射が行われない分、制御部の処理を微振動パルスの電圧変更に割り当てることができるので、回路負荷の増加を抑制することができる。
また、本発明の液体噴射装置の制御方法は、圧力発生手段の作動により圧力室内に圧力変動を与え、当該圧力室に充填された液体をノズルから噴射する液体噴射ヘッドを備え、
着弾対象に対する噴射処理中において、発生した微振動パルスを液体を噴射させないノズルに対応する前記圧力発生手段に対して印加することによって当該圧力発生手段を駆動して前記ノズル内の液体を当該ノズルから液体が噴射しない程度にメニスカスを微振動させる液体噴射装置の制御方法であって、
前記ノズルを着弾対象以外の領域に向けて前記液体を噴射して噴射能力の回復を目的とする噴射能力回復処理の終了時点における前記微振動パルスの電圧値よりも、前記噴射能力回復処理の終了時点から所定時間が経過した経過時点における前記微振動パルスの電圧値を高めることを特徴とする。
この制御方法によれば、微振動パルスを圧力発生手段に印加することによる圧力変動を、各ノズル内において増粘するメニスカスに対して過不足なく与えることができ、噴射不良を効率良く抑制することができる。特に、噴射処理の実行中において噴射頻度が少ないノズルにおける増粘を抑制することができるので、当該ノズルにおける噴射不良を防止することが可能となる。
プリンターの概略構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドを圧力発生ユニット側から見た斜視図である。 記録ヘッドの構成を説明する要部断面図である。 プリンターの電気的な構成を説明するブロック図である。 インクの粘度と印字内微振動駆動電圧との関係を説明する図である。 微振動パルスの構成を説明する波形図であって、(a)は往路用微振動パルスであり、(b)は復路用微振動パルスである。 駆動電圧の切替タイミングを説明する図である。 ドット抜け検査時の駆動電圧と印字物の幅に対する噴射不良発生率を測定した実験結果を説明する表である。 第2実施形態におけるインクの粘度と印字内微振動駆動電圧との関係を説明する図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面等を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射装置として、図1に示すインクジェット式記録装置(以下、プリンターと略記する)に適用した場合を例示する。
プリンター1は、液体噴射ヘッドの一種である記録ヘッド2が取り付けられると共に、インク(本発明における液体の一種)を貯留するインクカートリッジ3が着脱可能に取り付けられるキャリッジ4と、記録ヘッド2の下方に配設されたプラテン5と、記録ヘッド2が搭載されたキャリッジ4を記録紙6(着弾対象の一種)の紙幅方向に往復移動させるキャリッジ移動機構7(本発明における走査機構に相当)と、紙幅方向に直交する方向である紙送り方向に記録紙6を搬送する紙送り機構8等を備えて概略構成されている。ここで、紙幅方向とは、主走査方向(図1中に符号Xで示すヘッド走査方向)であり、紙送り方向とは、副走査方向(図1中に符号Yで示すヘッド走査方向に直交する方向)である。
キャリッジ4は、主走査方向Xに架設されたガイドロッド9に軸支された状態で取り付けられており、キャリッジ移動機構7の作動により、ガイドロッド9に沿って主走査方向Xに移動するように構成されている。キャリッジ4の主走査方向Xの位置は、リニアエンコーダー10によって検出され、検出信号が位置情報として制御部46(図4参照)に送信される。これにより、制御部46はこのリニアエンコーダー10からの位置情報に基づいてキャリッジ4(記録ヘッド2)の走査位置を認識しながら、記録ヘッド2による記録動作(噴射動作)等を制御することができる。
キャリッジ4の移動範囲内における記録領域よりも外側(図1における右側)の端部領域には、走査の基点となるホームポジションが設定されている。本実施形態におけるホームポジションには、記録ヘッド2のノズル形成面(ノズルプレート36:図3参照)を封止するキャッピング部材12(本発明における着弾対象以外の領域に相当)と、ノズル形成面を払拭するためのワイパー部材13とが配置されている。そして、プリンター1は、このホームポジションから反対側の端部へ向けてキャリッジ4(記録ヘッド2)が移動する往動時(図1中に符号X1で示す。本発明における往路に相当)と、反対側の端部からホームポジション側にキャリッジ4が戻る復動時(図1中に符号X2で示す。本発明における復路に相当)との双方向で記録紙6上に文字や画像等を記録する所謂双方向記録が可能に構成されている。なお、キャッピング部材12は、上面開放のトレイ状部材であり、ゴムやエラストマー等の弾性部材により作製され、その内部にインクを吸収可能なフェルトやスポンジ等の吸液材によって構成された吸液部材(図示せず)が敷設されている。このように構成されたキャッピング部材12は、インク滴(インクの一種)の空噴射(捨て打ち)を行うことで、増粘したインクやインクに残存した気泡を排除(除去)するための後述するフラッシング(噴射能力回復処理の一種)においてインク滴を受けるインク受け部として用いられる。なお、このキャッピング部材12以外にも、ホームポジション側とは反対側のプラテン5の端部等に、フラッシング時のインク滴を受けるインク受部が設けられる構成もある。
次に、記録ヘッド2の構成について説明する。ここで、図2は、記録ヘッド2を圧力発生ユニット側から見た斜視図、図3は、記録ヘッド2の要部断面図である。例示した記録ヘッド2は、圧力発生ユニット(又はアクチュエーターユニット)19と、流路ユニット20とから構成されており、これらを重ね合わせた状態で一体化してある。圧力発生ユニット19は、圧電振動子26(本発明における圧力発生手段に相当)と、振動板27と、圧力室(圧力発生室)21を区画するための圧力発生室プレート22とを積層し、焼成等により一体化することで構成されている。
また、流路ユニット20は、供給口30や第2連通口31を形成した供給口形成プレート32と、リザーバー33及び第1連通口34を形成したリザーバープレート35とを積層することで構成されている。また、リザーバープレート35の供給口形成プレート32とは反対側の面には、ノズル28が形成されたノズルプレート36を設けている。
振動板27は、弾性を有する板材で構成されている。圧力室21とは反対側となる振動板27の外側表面には、各圧力室21に対応した状態で複数の圧電振動子26が配設される。例示した圧電振動子26は撓み振動モードの振動子であり、駆動電極26aと共通電極26bとによって圧電体26cを挟んで構成されている。そして、圧電振動子26の駆動電極に駆動信号が印加されると、駆動電極26aと共通電極26bとの間には電位差に応じた電場が発生する。この電場は圧電体26cに付与され、圧電体26cが付与された電場の強さに応じて変形する。
圧力発生室プレート22は、圧力室21を形成するのに適した厚さのセラミックス材の薄板、例えばアルミナやジルコニア等によって構成され、圧力室21を区画するための空部がプレートの厚さ方向に貫通した状態で形成されている。圧力室21は、ノズルプレート36のノズル28のピッチと同じ一定のピッチで列状に開設され、列設方向と直交する左右方向に細長い長孔である。
供給口形成プレート32は、ステンレス材等の金属材料によって構成された薄手の板状部材である。図3に示すように、この供給口形成プレート32には、板厚方向を貫通する供給口30が複数開設されている。また、板厚方向を貫通する第2連通口31が、リザーバープレート35の第1連通口34に対応させて形成されている。供給口30は、インク流路(液体流路)内のインクに対して流体抵抗(流動抵抗)を付与する部分である。この供給口30に関し、リザーバー33側の口径が圧力室21側の口径よりも広くなっている。この供給口30はプレス加工によって形成される。また、供給口形成プレート32には、肉厚を他の部分よりも十分に薄くしたコンプライアンス部38が形成されている。このコンプライアンス部38は、エッチングなどによってリザーバープレート35のリザーバー33に対応する領域内をリザーバー33とは反対面側から板厚方向に窪ませて凹部39を形成することで作製されている。
リザーバープレート35は、ステンレス材等の金属材料によって構成された板状部材である。このリザーバープレート35には、リザーバー33を区画するための空部が板厚方向を貫通した状態で形成されている。この空部がリザーバー33を区画形成する。このリザーバー33は、複数の圧力室21に共通な液室として機能する部分であり、インクの種類(色)毎に設けられ、インクカートリッジ3から供給されるインクを貯留する。また、リザーバープレート35には、板厚方向を貫通する第1連通口34が上記の第2連通口31に対応させて複数形成されている。
ノズルプレート36は、ステンレス材等の金属材料によって構成された板状部材である。このノズルプレート36には、複数のノズル28を列設してノズル列(ノズル群)が横並びに形成されており、本実施形態では、ノズル列は一定のピッチ(例えば、180dpi)で開設された180個のノズル28によって構成されている。なお、ノズルプレート36は金属材料以外にも、有機プラスチックフィルム等から構成してもよい。
そして、各プレート部材は、圧力発生ユニット19と供給口形成プレート32との間、供給口形成プレート32とリザーバープレート35との間、およびリザーバープレート35とノズルプレート36との間を接合して一体化される。これにより、図3に示すように、リザーバー33と圧力室21の他端部とが、供給口30を通じて連通する。また、圧力室21の一端部とノズル28とが、リザーバープレート35の第1連通口34および供給口形成プレート32の第2連通口31を通じて連通する。そして、リザーバー33から圧力室21を通って圧力発生ユニット19とノズル28とを連通する一連のインク流路(液体流路)がノズル28毎に形成される。
上記構成の記録ヘッド2では、圧電振動子26を変形させることで対応する圧力室21が収縮或いは膨張し、圧力室21内のインクに圧力変動が生じる。このインク圧力を制御することで、ノズル28からインクを噴射(吐出)させることができる。インクを噴射するのに先だって定常容積の圧力室21を予備的に膨張させるとリザーバー33側から供給口30を通じて圧力室21内にインクが供給される。また、予備膨張の後に圧力室21を急激に収縮させるとノズル28からインクが噴射される。
次に、プリンター1の電気的な構成を説明する。
図4は、プリンター1の電気的な構成を示すブロック図である。本実施形態におけるプリンター1は、プリンターコントローラー40とプリントエンジン41とで概略構成されている。プリンターコントローラー40は、ホストコンピューター等の外部装置からの印刷データ等が入力される外部インターフェース(外部I/F)42と、各種データ等を記憶するRAM43と、各種制御のための制御プログラム等を記憶したROM44と、EEPROMやフラッシュROM等からなる不揮発性記憶素子45と、ROM44に記憶されている制御プログラムに従って各部の統括的な制御を行う制御部46と、クロック信号を発生する発振回路47と、記録ヘッド2へ供給する駆動信号COMを発生する駆動信号発生回路48(本発明における駆動信号発生部に相当)と、印刷データをドット毎に展開することで得られたドットパターンデータや駆動信号等を記録ヘッド2に出力するための内部インターフェース(内部I/F)49とを備えている。プリントエンジン41は、記録ヘッド2と、キャリッジ移動機構7と、紙送り機構8から構成されている。
上記の制御部46は、ROM44に記憶された動作プログラム等に従って記録ヘッド2によるインク滴の噴射制御やその他のプリンター1の各部を制御する。この制御部46は、外部I/F42を介して外部装置から入力された印刷データを、記録ヘッド2においてインク滴の噴射に用いられる噴射データに変換する。変換後の噴射データは、内部I/F49を通じて記録ヘッド2に転送され、記録ヘッド2では、この噴射データに基づいて駆動信号COMの圧電振動子26への供給が制御されてインク滴の噴射、つまり、記録動作(噴射動作)が行われる。
ここで、記録ヘッド2のインク流路内のインクの増粘について説明する。プリンター1は、時間の経過と共にノズル28から露出したメニスカス(自由表面)が空気に晒されることでインク溶媒が蒸発することによってインクが増粘する、即ち、特にメニスカス近傍のインクの粘度が製造時よりも上昇する場合がある。そして、このようにインクが増粘するとノズル28からインクが噴射されない、所謂ドット抜けや飛翔曲がり等の噴射不良が発生する虞があった。そのため、プリンター1は、記録用駆動パルスを用いて記録紙6に対してインクを噴射させてテキストや画像等の印刷を行なう記録処理(印刷処理。本発明における噴射処理に相当)の実行中において一定間隔毎に、記録ヘッド2をホームポジションのキャッピング部材12やプラテン上に設けられたフラッシングポイントと呼ばれるインクを受ける位置に移動させてインク受け部に相対させた状態で、噴射能力回復処理としてフラッシングを実行する。このフラッシングでは、フラッシング用駆動パルスを圧電振動子26に繰り返し印加することによって、増粘したインクを強制的に除去する。
記録用駆動パルスは、記録紙6に対してテキストや画像等の印刷を行なう通常の印刷モードに設定されているときに駆動信号発生回路48から発生され、例えば、一定勾配で電位を降下(変化)させて圧力室21を膨張(拡張)させる膨張要素と、膨張要素の終端電位を一定時間維持する膨張維持要素と、一定勾配で電位を上昇(変化)させて圧力室21を収縮(圧縮)させる収縮要素と、を少なくとも含んで構成されている。そして、記録用駆動パルスの各要素が圧電振動子26に印加されることで、圧電振動子26が駆動してノズル28からインクが噴射される。なお、本発明における記録用駆動パルスは、他の要素を含んで構成されていても良い。例えば、収縮要素の後に、残留振動を制振させる制振要素を入れる構成を採用することもできる。
図5は、インクの粘度と印字内微振動駆動電圧との関係を説明する図であって、図中の上側にインクの粘度変化を示し、図中の下側に駆動電圧の変化を示す。
また、本発明におけるプリンター1は、記録処理の実行中であって、記録ヘッド2をホームポジションのキャッピング部材12に移動させる毎にフラッシング(図5中に符号FLで示す)を行うように構成されている。即ち、プリンター1は、記録ヘッド2が往路及び復路の記録処理を実行する毎に、フラッシングFLを実行する。なお、図5において、フラッシングFLの処理時間の図示は省略している。このフラッシングFLに用いられるフラッシング用駆動パルスは、噴射能力の回復を目的として圧電振動子26を駆動してノズル28から記録紙6以外の領域、即ち本実施形態においてはノズル形成面を封止した状態のキャッピング部材12に向けてインクを噴射するための駆動パルスである。なお、本発明のフラッシング用駆動パルスを用いるフラッシングFLでは、このフラッシングFLにおける1ショット分の噴射を、フラッシング単位[seg](フラッシングセグメント)としている。そして、フラッシングFLでは、所定のフラッシングセグメント数(例えば、合計数〜数百セグメント)だけフラッシング用駆動パルスが圧電振動子26に繰り返し印加(供給)されることで、インク流路内のインクがノズル28から排出される。
ところで、図5中の上側に示すように、記録処理の実行が開始された時点又は前回のフラッシングFLが終了した時点から時間の経過と共にノズル28の近傍でインクが増粘していく。そして、記録ヘッド2が往復する毎に上記したフラッシングFLを実行することで、メニスカス近傍の増粘したインク(Vis2)がノズル28から噴射され、これによりノズル28内に圧力室21側のインクが新たに供給され、ノズル28内において増粘したインクが増粘する前の粘度(Vis1)のインクに入れ替わる。しかしながら、図5の上段のグラフのように、フラッシングを行う毎にインクの粘度が元の粘度まで下がることが理想であるが、記録処理中においては、ノズル28内のインクが増粘するため、フラッシングのみでは、インクの増粘を確実に防止することが難しい。
そのため、本発明のプリンター1では、駆動信号発生回路48が、圧電振動子26を駆動してノズル28内のインクをノズル28からインクが噴射しない程度にメニスカスを微振動させる微振動パルスPを発生可能に構成されており、制御部46が、往路記録処理と復路記録処理の実行中にインクを噴射させないノズル28に対応する圧電振動子26に対して微振動パルスPを印加するように構成されている。また、従来のこの種のプリンターでも、記録処理の実行中にインクが噴射されないノズルに対して微振動パルスを用いて微振動を行う所謂印字内微振動が行われているものがある。
しかしながら、例えば、所謂ラージフォーマットのプリンターでは、記録ヘッドの移動距離が長くなるため、記録動作中において上記のフラッシングを行う間隔も長くなる傾向にある。このため、印字内微振動を行ってもインクの増粘を確実に防止することが困難である。特に、ノズルの中で噴射頻度の少ない(或いは一度もインクを噴射しない)ノズルでは、微振動を行っても、インクの噴射頻度の多いノズルに比べてインクの増粘がより顕著に進行するので、インクの増粘の進行を遅らせることはできてもインクの増粘を確実に抑制することは一層困難であった。このため、記録処理中においては、ノズル28毎にインクの粘度が異なる状態となる。
そこで、本発明のプリンター1は、制御部46が微振動パルスPの駆動電圧Vhをインクの粘度に応じて変化させる(高める)ことに特徴を有する。具体的には、記録処理が開始された時点又はフラッシングFLの終了時点における微振動パルスPの駆動電圧Vhの値よりも、これらの時点から所定時間が経過した時点における微振動パルスPの駆動電圧Vhの値を高めるように構成されている。より具体的には、往路記録処理の実行中に微振動を行うための微振動パルスP1の駆動電圧Vhよりも、復路記録処理の実行中に微振動を行うための微振動パルスP2の駆動電圧Vhが高くなるように構成されている。このため、本実施形態における駆動信号発生回路48は、往路記録処理を実行する往路X1時において発生される往路用微振動パルスP1と、往路用微振動パルスP1よりも駆動電圧Vhが高くなるように(本実施形態では2倍に)設定され、復路記録処理を実行する復路X2時において発生される復路用微振動パルスP2との2種類の微振動パルスPを発生する。そして、制御部46は、往路記録処理から復路記録処理に切り替える際に、微振動パルスPを往路用微振動パルスP1から復路用微振動パルスP2に切り替えるように構成されている。
往路用微振動パルスP1は、台形状のパルス信号であって、基準電位VBと最低電位VL1との電位差(駆動電圧)はVh1(例えば5.0V)に設定されている。この往路用微振動パルスP1は、始端電位が基準電位VB、終端電位が最低電位VL1であり、時間幅t1(例えば5μs)の間に基準電位VBから最低電位VL1まで一定の勾配で電位を降下させる第1パルス要素p11と、第1パルス要素p11の後端電位である最低電位VL1を一定時間(時間幅t2であって、例えば2μs)維持する第2パルス要素p12と、始端電位が最低電位VL1、終端電位が基準電位VBであり、時間幅t3(例えば5μs)の間に一定の勾配の電位差Vh1で電位を上昇させる第3パルス要素p13とから構成されている。なお、本波形は、印字内微振動であるので、基準電位VBは、つまり印字波形の中間電位VCである。
一方、復路用微振動パルスP2は、台形状のパルス信号であって、往路用微振動パルスP1の最低電位VL1よりも最低電位VL2が低くなるように設定されている点が往路用微振動パルスP1とは異なる。即ち、復路用微振動パルスP2は、往路用微振動パルスP1の駆動電圧Vh1よりも駆動電圧Vh2が高くなるよう(例えば、Vh1の2倍となる10V)に設定されている。この復路用微振動パルスP2は、始端電位が基準電位VB、終端電位が最低電位VL2であり、時間幅t1(例えば5μs)の間に基準電位VBから最低電位VL2まで一定の勾配で電位を降下させる第1パルス要素p21と、第1パルス要素p21の後端電位である最低電位VL2を一定時間(時間幅t2であって、例えば2μs)維持する第2パルス要素p22と、始端電位が最低電位VL2、終端電位が基準電位VBであり、時間幅t3(例えば5μs)の間に一定の勾配の電位差Vh2で電位を上昇させる第3パルス要素p23とから構成されている。なお、本波形は、印字内微振動であるので、基準電位VBは、つまり印字波形の中間電位VCである。
そして、本実施形態における制御部46は、記録ヘッド2の移動方向を往路X1から復路X2に切り替えるタイミングで、往路用微振動パルスP1を復路用微振動パルスP2に切り替える。一方、制御部46は、記録ヘッド2の移動方向を復路X2から往路X1に切り替えるタイミングで、復路用微振動パルスP2から往路用微振動パルスP1に切り替える。つまり、制御部46は、記録ヘッド2の移動方向を往路X1から復路X2に切り替えるタイミングで、微振動パルスPの駆動電圧Vhを往路X1時におけるVh1から復路X2時におけるVh2に高める。つまり、記録処理の開始時点又はフラッシングの終了時点から直後は往路X1での記録処理になるので、この時点では微振動パルスP(往路用微振動パルスP1)の駆動電圧がVh1に設定され、記録処理の開始時点又はフラッシングの終了時点から所定時間が経過して復路X2での記録処理に切り替わった時点では、微振動パルスP(復路用微振動パルスP)の駆動電圧が、Vh1よりも高いVh2に設定される。
図7は、駆動電圧Vhの切替タイミングを説明する図である。
次に、往路用微振動パルスP1を復路用微振動パルスP2に切り替えるタイミングについてさらに具体的に説明する。本実施形態の記録処理は、往路記録処理を行う往路記録処理期間と復路記録処理を行う復路記録処理期間との間の記録処理外の期間において、この期間にノズル28内のメニスカスを微振動させることを目的として実行される記録処理外微振動期間と、復路記録処理を実行する前に実行される復路記録処理前微振動期間と、が設けられている。そして、制御部46は、往路記録処理を行う往路記録処理期間の終了時点から復路記録処理前微振動期間の前までの期間、即ち記録処理外微振動期間(例えば0.8ms)内に往路用微振動パルスP1を復路用微振動パルスP2に切り替えるように構成されている。
そして、記録処理外微振動期間に微振動パルスPを切り替えることにより、記録処理時間を延長することなく、また、回路の負担を増加することなく微振動パルスPの電圧を変更することができる。即ち、往路と復路とが切り替わる期間ではインクの噴射が行われないので、この期間で微振動パルスの電圧の変更を行うことで、記録処理中に微振動パルスの電圧変更処理が割り込むことがない。したがって、噴射処理の時間が長くなってしまうことが防止される。また、このタイミングでは、インクの噴射が行われない分、印刷データの展開等処理等が行われないので、制御部46の処理を微振動パルスの電圧変更に割り当てることができる。これにより、回路負荷の増加を抑制することができる。
なお、本実施形態においては、記録紙6に対する往路記録処理を終えて減速する記録ヘッド2が停止する(つまり移動方向が切り替わる)前後のタイミングで、往路用微振動パルスP1を復路用微振動パルスP2に切り替えるような構成を採用しても良い。この構成によれば、記録ヘッド2が減速することによってメニスカスが振動しているタイミングを避けて、微振動パルスPの切り替えを行うことができる。これにより、記録ヘッド2の減速によるメニスカスの振動が記録処理外微振動に対して励起されて、ノズル28からインクが誤噴射される不都合を抑制することができる。
図8は、噴射検査(Bi−d)時の微振動パルスPの駆動電圧Vhと印字物(記録媒体の寸法ではなく、実際に印字した領域)の幅[inch]に対する噴射不良発生率を測定した実験結果を説明する図である。なお、図8中の「××」は、11ノズル以上のノズルで噴射不良が発生したことを示し、「×」は、4ノズル以上10ノズル以下のノズルで噴射不良が発生したことを示し、「△」は、1ノズル以上3ノズル以下のノズルで噴射不良が発生したことを示し、「○」は、全てのノズル28の噴射が良好であった(噴射不良が発生しない)ことを示している。
図8に示すように、往路用微振動パルスP1及び復路用微振動パルスP2を共に圧電振動子26に印加しない場合(図8中の1段目)には、17inch以上ではノズル28からインクが噴射されない、所謂ドット抜けが発生した。そして、往路用微振動パルスP1の駆動電圧Vh1を5.0Vに設定した状態で、復路用微振動パルスP2の駆動電圧Vh2を変化させた場合(図8中の2段目から4段目)において、まず復路用微振動パルスP2の駆動電圧Vh2を5.0V(Vh1と同値)に設定した場合には、44inch以上の印字物を印字した場合にドット抜けが発生し、復路用微振動パルスP2の駆動電圧Vh2を7.5V(Vh1の1.5倍)に設定した場合には、100inch以上の印字物を印字した場合にドット抜けが発生した。一方、復路用微振動パルスP2の駆動電圧Vh2を10.0V(Vh1の2倍)に設定した場合には、100inch以下の印字物を印字した場合の全てにドット抜けが発生しなかった。つまり、往路用微振動パルスP1の駆動電圧Vh1に対して復路用微振動パルスP2の駆動電圧Vh2を高めることで、噴射不良の発生を抑制できることが判る。
このように、本実施形態のプリンター1は、圧電振動子26の作動により圧力室21内に圧力変動を与え、圧力室21に充填されたインクをノズル28から噴射する記録ヘッド2と、圧電振動子26を駆動してノズル28内のインクをノズル28からインクが噴射しない程度に微振動させる微振動パルスPを発生する駆動信号発生回路48と、ノズル28を記録紙6に向けてインクを噴射する記録処理中において、インクを噴射させないノズル28に対応する圧電振動子26に対して微振動パルスPを印加してメニスカスの微振動を行う制御部46と、を備え、制御部46は、フラッシングの終了時点となる往路X1時における往路用微振動パルスP1の駆動電圧Vh1よりも、フラッシングの終了時点から所定時間が経過した時点となる復路X2時における復路用微振動パルスP2の駆動電圧Vh2が高まるように設定されているので、より確実にインクの増粘を抑制することができる。その結果、インクの増粘に起因する噴射不良を抑制することができる。特に、例えば所謂ラージフォーマットと呼ばれるプリンターのように噴射能力回復処理と次の噴射能力回復処理との間隔が長くなる傾向にある構成であっても、ノズルにおける増粘を抑制することができる。
ところで、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
図9は、第2実施形態におけるインクの粘度と印字内微振動駆動電圧との関係を説明する図であって、図中の上側にインクの粘度変化を示し、図中の下側に駆動電圧の変化を示す。
前述した第1の実施形態においては、記録処理中のフラッシングFLの終了時点となる往路X1時に発生される駆動電圧Vh1に設定された往路用微振動パルスP1と、フラッシングFLの終了時点から所定時間が経過した時点となる復路X2時に発生される駆動電圧Vh2(Vh2>Vh1)に設定された復路用微振動パルスP2と、を発生可能に構成されていたが、第2の実施形態におけるプリンター1は、記録処理中のフラッシングFLの終了時点の往路X1から復路X2の間に亘って、駆動電圧Vhを徐々に高めた微振動パルスPを発生可能に構成されている。この構成によれば、インクの粘度の変化に対応した電圧の微振動パルスPを圧電振動子26に印加することができるので、往路用微振動パルスP1と復路用微振動パルスP2とを圧電振動子26に印加することによる圧力変動を、各ノズル28内において増粘するメニスカスに対してより過不足なく与えることができ、噴射不良を効率良く抑制することができる。
なお、上記各実施形態では、圧力発生手段として、所謂撓み振動型の圧電振動子26を例示したが、これには限られず、例えば、所謂縦振動型の圧電振動子を採用することも可能である。この場合、例示した駆動信号に関し、電位の変化方向、つまり上下が反転した波形となる。
以上は、液体噴射装置の一種であるプリンター1を例に挙げて説明したが、本発明は他の液体噴射装置にも適用することができる。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターを製造するディスプレイ製造装置、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極製造装置、バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置等にも適用することができる。
1…プリンター、2…記録ヘッド、6…記録紙、7…キャリッジ移動機構、12…キャッピング部材、21…圧力室、26…圧電振動子、28…ノズル、46…制御部、48…駆動信号発生回路、P1…往路用微振動パルス、P2…復路用微振動パルス、X…主走査方向、X1…往路、X2…復路

Claims (3)

  1. 圧力発生手段の作動により圧力室内に圧力変動を与え、当該圧力室に充填された液体をノズルから噴射する液体噴射ヘッドと、
    前記圧力発生手段を駆動して前記ノズル内の液体を当該ノズルから液体が噴射しない程度に微振動させる微振動パルスを発生する駆動信号発生部と、
    着弾対象に対する噴射処理中において、液体を噴射させないノズルに対応する圧力発生手段に対して前記微振動パルスを印加してメニスカスの微振動を行う制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記噴射処理が開始された時点又は前記ノズルを着弾対象以外の領域に向けて前記液体を噴射して噴射能力の回復を目的とする噴射能力回復処理の終了時点における前記微振動パルスの電圧値よりも、前記噴射処理が開始された時点又は前記噴射能力回復処理の終了時点から所定時間が経過した時点における前記微振動駆動パルスの電圧値を高めることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記着弾対象に対して前記液体噴射ヘッドを往復動させる走査機構を備え、
    前記制御部は、前記液体噴射ヘッドの移動方向を往路から復路に切り替えるタイミングで、往路時における微振動パルスの電圧値よりも復路時における微振動パルスの電圧値を高めることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 圧力発生手段の作動により圧力室内に圧力変動を与え、当該圧力室に充填された液体をノズルから噴射する液体噴射ヘッドを備え、
    着弾対象に対する噴射処理中において、発生した微振動パルスを液体を噴射させないノズルに対応する前記圧力発生手段に対して印加することによって当該圧力発生手段を駆動して前記ノズル内の液体を当該ノズルから液体が噴射しない程度にメニスカスを微振動させる液体噴射装置の制御方法であって、
    前記噴射処理が開始された時点又は前記ノズルを着弾対象以外の領域に向けて前記液体を噴射して噴射能力の回復を目的とする噴射能力回復処理の終了時点における前記微振動パルスの電圧値よりも、前記噴射処理が開始された時点又は前記噴射能力回復処理の終了時点から所定時間が経過した経過時点における前記微振動パルスの電圧値を高めることを特徴とする液体噴射装置の制御方法。
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