JP2015011584A - 自動販売機用タッチパネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】タッチパネル10は、第一基板14と、前記第一基板14の板面と対向するように配置された第二基板18と、前記第二基板18の板面の一部が外部より押圧されて押圧部位が前記第一基板14側に変形することで、前記第一基板の板面に沿った第一方向における前記押圧部位を検出する検出部材と、前記第一基板及び第二基板の各表面に配置されたアクリル樹脂、及びポリエステル樹脂から選択された少なくとも1種の樹脂を含んでなる樹脂層24、28を有する保護部材と、を備える。
【選択図】図1
Description
また、他の方式として、予め決められた電子マネー用のスイッチング素子が複数配置され、そのうちの1つを押圧すると当該箇所のバックライトが点灯し、その後、選択された電子マネーで支払いを行う方式がある。
複数のスイッチング素子が複数配置された方式においても、光学的な方式においても、位置決めのために設けられた最表面の電子マネーの種類を表示した画像部は、タッチパネル表面に固定して直接設けられる必要があり、例えば、対応する新しい電子マネーの種類を増減したり、変更したりする場合には、表面層と共に配置されるセンサーやスイッチング素子に係るハードウエアも作り替えることが必要であり、変化への対応が困難であった。
そこで、本発明者は、指で表面を押圧したり、接触したりして発生させた信号をそのまま読み取って情報を入力する抵抗膜方式や静電容量方式等を適用する対応を検討した。これらの方式は、通常、モバイル端末などには使用されるものの、表面における強度と耐久性とを維持するため、基板に強化ガラスを使用する必要があった。通常は、強化ガラス表面に偏光フィルムを積層して用いているが、強化ガラスは価格が高価であり、さらに、ガラスの最表面に偏光フィルムを貼った構造では、強い衝撃が加わって破損された場合、偏光フィルムによる飛散防止機能は有するものの、強度は、ほぼ200N〜300N程度であり、屋外での使用は想定されておらず、このような方式を直接屋外で使用するには適さないことを見出した。
このため、より高い耐衝撃性及び耐候性を有し、屋外での使用に耐えうるタッチパネルが熱望されている。
さらに、保護部材は、光透過性に優れるために、従来、最表面に表示する必要のある電子マネーの種類を表示する表示部をタッチパネルの裏面に設けることができるために、検出部材の特性と相俟って、ハードウエアを変更することなく、使用しうる電子マネーの変更に対応できる。
上記構成によれば、最表面に保護部材として、透明性と膜強度に優れるアクリル樹脂及びポリエステル樹脂から選択された少なくとも1種の樹脂を含んで形成された樹脂層を備えるために、強化ガラスよりも低コストではあるが強度の低いアルカリガラス基材を用いた場合でも、保護部材により全体の強度と耐衝撃性が優れると共に、より強い衝撃が加わってガラス基材が破損した場合においても、樹脂層の存在により破片の飛散などが効果的に抑制される。
また、保護部材自体が透明性に優れるために、一般的なガラス基板を用いた検出部材を積層した場合でも、裏面に配置された印刷物の視認性に優れる。
上記構成によれば、検出部材も検出方式として抵抗膜方式及び静電容量方式を採用することで、タッチパネルの表面全域にわたり、領域を限定することなく押圧箇所が検出可能であるために、ハードウエアを変更することなく、使用しうる電子マネーの変更に対応できる。
上記構成によれば、電子マネーの種類を表示する表示部位をタッチパネルの裏面に配置した場合でも表示部の視認性に優れる。このため、裏面の表示部として簡単な印刷物を用いうるために、自動販売機で用いられる電子マネーの種類が変更された場合、印刷物を差し替えればよく、表示部をタッチパネルの表面に設けた場合に比較し、自動販売機で用いられる電子マネーの種類の変更に、より柔軟に、より低コストで対応しうる。
なお、以下、検出部材として抵抗膜方式を用いた例を挙げて説明するが、本発明はこれに限定されない。
図1に示されるように、本発明の実施形態に係るタッチパネル10は、可視光に対して透明なガラスを矩形状に形成した第一基板の一例としての第1の基板14と、第1の基板14に対向して配置され、第1の基板14と同様に可視光に対して透明なガラスを矩形状に形成し、パネル長手方向において第1の基板14より長くされた第二基板の一例としての第2の基板18と、を備えている。この第2の基板18については、液晶表示装置と組み合わされた際に表面側となるように配置され、使用時にユーザより押圧される側となる。このため、第2の基板18の板厚は、第1の基板14の板厚よりも薄くされて変形し易くなっている。
本実施形態では、検出部材としてを例に挙げて説明したが、検出部材はこれに限定されず、タッチパネルの全域において接触位置を検出しうる方式であれば、例えば、静電容量方式など、公知の検出部を、いずれも本発明に適用しうる。
次に、本発明の重要な構成要件である保護部材について説明する。
保護部材は、接着層22と樹脂層24とからなり、アルカリガラス基材である第1のガラス基材14上に形成される。また、タッチパネルの表面、即ち、押圧側の保護部材は、第2のガラス基材18上に形成され、接着層26と樹脂層28とからなる。
このように、タッチパネルの両面に保護部材を設けることが、耐久性、耐候性の観点から好ましい。
図1、図2に示されるように、第1の基板14及び第2の基板に隣接して、又は接着層22、26を介して、設けられる樹脂層24、28は、透明性が高く、形成された樹脂層の膜強度に優れた樹脂により形成される。
本発明における樹脂層に好適な樹脂としては、透明かつ機械的強度を有する膜を形成しうる樹脂であることを要する。樹脂の好ましい物性としては、可視光に対する光透過性が高いこと、形成された膜のJIS K 5600−5−4(1999年)で規定された試験法による鉛筆硬度が3H以上であること、JIS C 2151(2006年)で規定された試験法による引っ張り強度が50MPa以上であることなどが挙げられる。
このような物性を有する樹脂層を用いることで、屋外での使用に耐える耐久性、耐候性を維持することができる。
前記の物性を満たす樹脂の具体例としては、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチルなどのポリアクリル酸エステル;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチルなどのポリメタクリル酸エステル;アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルを含む共重合体などのアクリル樹脂が好ましく挙げられる。
本発明における樹脂層に使用しうるアクリル樹脂としては、市販品を用いてもよく、例えば、「アクリライト」(三菱レイヨン製:ポリメタクリル酸メチルを主成分とする)などが挙げられる。
また、他の好ましい樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂などが挙げられる。
樹脂層を形成するアクリル樹脂及びポリエステル樹脂から選ばれる樹脂は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのなかでも、アクリル樹脂が透明性と耐候性に優れるため好ましい。
保護部材が有する樹脂層の表面は、傷が付きにくく、耐衝撃性がより良好となるため、柔軟であることが好ましい。
樹脂層は単層構造でもよく、同一の又は互いに異なる樹脂膜を複数積層してなる多層構造の樹脂層であってもよい。
本発明においては、保護部材としてガラス基材上に樹脂層が設けられることから、ガラス基材として高価な強化ガラスを用いる必要はなく、一般的に使用されるアルカリガラス基材を使用しうることも特徴である。
接着層22、26の形成には、公知の接着剤、粘着剤を、性能を考慮して適宜選択して用いればよい。
なかでも、タッチパネルの透明性の観点から、光学的に透明な接着層とすることが好ましく、アクリル樹脂を含んで構成される高透明性接着剤(OCA)を用いることも好ましい態様である。
OCAは、市販品としても入手可能であり、例えば、3M(登録商標)製の高透明性接着剤転写テープなどが挙げられる。
接着層24、26の厚みは、充分な接着強度を有し、透明性を低下させないという観点からは、0.3mm以下であることが好ましく、0.1mm〜0.2mm程度であることがより好ましい。
自動販売機で使用しうる電子マネーを記載した表示シートを第1のガラス基材14と接着層22と樹脂層24と備える側の樹脂層24に隣接して配置すると、タッチパネル10が透明性に優れることから、タッチパネル10を介しても表面からの表示シートの視認性に優れる。
このため、表示シートの差し替えが容易であり、使用しうる電子マネーの種類を増減或は変更する場合も、表示シートと、タッチパネル10の押圧部位を検知する検出部位の信号を制御するソフトウエアとを変更するのみで、ハードウエアを変更することなく対応しうるために、従来に比較して簡易に電子マネーの変更に対応できる。
タッチパネル10のヘイズは、JIS K 7136(2000年)に記載の方法により測定される。また、光透過性は可視光の透過性を指し、JIS K 7361−1(1997年)に記載の方法により測定される。
次に、タッチパネル10の作用及び効果について説明する。タッチパネル10は、例えば、図示せぬ表示シートをタッチパネル10の第1の基板14側の裏面に重ねることで用いられる。
(実施例1)
厚さ1.1mmのアルカリガラス基材(第1のガラス基材:SHOTT社製)14表面に、導電性を有し可視光に対して透明な錫ドープ酸化インジウム(ITO)で構成された第1の透明電極12を厚み150Åで形成した。また、同様に、厚さ0.2mmのアルカリガラス基材(第2のガラス基板)18における第1の基板14側を向いた板面に、錫ドープ酸化インジウムで構成された厚み150Åの第2の透明電極16を形成した。
両者を、シール材「ストラクトボンド」(登録商標、三井化学製)を介して接着した。
その後、第1のガラス基材14表面に、3M社製OCAテープ8146−4を用いて厚み0.15mmの接着層22を形成し、該接着層22介して、アクリライト(登録商標、三菱レイヨン製)を用いて、厚み0.5mmのポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂層24を配置することで、保護部材を形成した。
第2のガラス基材18側にも、同様にして接着層26を介して厚み0.5mmのPMMA樹脂層28からなる保護部材を形成し、図1に示す構造のタッチパネル10を得た。
得られたタッチパネル10を以下の方法で性能評価した。
(高温保存試験:目視及び動作荷重)
得られたタッチパネル10を恒温槽 PL−2K(エスペック社製、85±5℃)内に240時間保存した。その後、2時間常温で放置し、目視による外観異常の有無、動作した時の性能の低下について評価した。動作荷重は、タッチパネルを平面視した場合の右上(a)、右下(b)、中央(c)、左上(d)、左下(e)の5箇所で測定した。異なるサンプルで2回測定した。いずれのサンプルも保存試験後の外観の変化は確認されなかった。
240時間保存の前後で動作荷重に係る同様の試験を行った。このとき、動作荷重が0.2N〜2.94Nであると合格(A)と判定し、0.2N未満及び2.94Nを超えるものを不合格(B)と判定する。
リニアリティとは、タッチパネル内の位置変量に対する内部抵抗値の直線性を指す。
図3に示すタッチパネルの有効動作範囲(アクティブエリア)において、X側電極に+5Vの電圧を印加し、アクティブエリア内の任意の点を押圧したときの出力電圧をY側電極で検出して、理論電圧との誤差を測定する。測定は常温(25℃)にて行った。
ここで、理論電圧は、測定部位が描画する直線の両端(E1、E0)にある時の、電圧(E1)と電圧(E0)を結んだ直線により計算される、即ち、E1とE0との間の任意の点における計算上の電圧の理論値(理論電圧)である。この理論電圧と、X側で、5mm〜10mm間隔で設けられた交点の全ポイントで測定を行った実測電圧との差が誤差であり、これを計測し、全ポイントの測定結果より最大誤差(ΔE)を決定する。
Y側電極についても、+5Vの電圧を印加し、同様にアクティブエリア内の任意の点を押圧したときの出力電圧をX側電極で検出して、理論電圧との誤差を測定し、最大誤差(ΔE)を決定する。
出力電圧のフルスケール値、即ち、電圧(E1)と電圧(E0)との差に対する前記最大誤差(ΔE)の割合(%)がリニアリティであり、下記式より算出する。リニアリティが0に近いほど精度が高いタッチパネルであると評価される。
(式) リニアリティ(%)=〔(ΔE)/(E1−E0)〕×100
リニアリティは、X側では±2.0%以下を、Y側では±2.5%以下を、合格(A)と判定する。
上記と同様の条件で、高温保存試験前、及び、恒温層に240時間保存し、常温にて
2時間放置後のタッチパネルの可視光の透過性をJIS K 7361−1(1997年)に記載の方法により測定した。光透過性は84%以上のものを合格(A)、84%未満のものを不合格(B)と判定した。
(高温保存試験:ヘイズ)
上記と同様の条件で、高温保存試験前、及び、恒温層に240時間保存後に、常温で2時間放置した後のタッチパネルのヘイズを、JIS K 7136(2000年)に記載の方法により測定した。ヘイズは4%以下のものを合格(A)、4%を超えるものを不合格(B)と判定した。
結果を下記表1に示す。
得られたタッチパネル10を恒温湿度槽 PL−2K(エスペック社製、60±5℃ 85%Rh)内に240時間保存した。その後、2時間常温で放置し、目視による外観異常の有無、動作した時の性能の低下について評価した。動作荷重は、タッチパネルを平面視した場合の右上(a)、右下(b)、中央(c)、左上(d)、左下(e)の5箇所で測定した。異なるサンプルで2回測定した。いずれのサンプルも保存試験後の外観の変化は確認されなかった。
上記と同様の条件で、高温高湿保存試験前、及び、恒温層に240時間保存し、常温で2時間放置後のタッチパネルのリニアリティを高温保存試験と同様にして測定した。
リニアリティは、X側では±2.0%以下を、Y側では±2.5%以下を、合格(A)と判定する。
(高温高湿保存試験:透過性)
上記と同様の条件で、高温高湿保存試験前、及び、恒温層に240時間保存し、常温で2時間放置後のタッチパネルの可視光の透過性を高温保存試験におけるのと同様にして測定した。光透過性は84%以上のものを合格(A)、84%未満のものを不合格(B)と判定した。
(高温高湿保存試験:ヘイズ)
上記と同様の条件で高温高湿の恒温層に240時間保存し、常温にて2時間放置後のタッチパネルのヘイズを、高温保存試験におけるのと同様にして測定した。ヘイズは4%以下のものを合格(A)、4%を超えるものを不合格(B)と判定した。
結果を下記表2に示す。
得られたタッチパネル10を万能材料試験機(INSTRON5582、インストロン社製)にて、長辺端部を3.5mm保持し、プローブ(真鍮製、先端φ5SR2.5)で中央の押圧ポイントを、樹脂層28側から押して強度試験を行った。プローブの移動速度は5mm/minとし、強度は250N以上で合格(A)とした。結果を下記表3に示す。試験は、サンプル10点について行った。
得られたタッチパネル10を鉛筆引かき塗膜硬さ試験機 三菱uni・硬度6H・芯3mm露出・先端は平面仕上げにて、角度45度、鉛筆上段に500gf荷重を印加して1cm移動を5回実施した。移動速度は5mm/minとし、樹脂層28側表面にて試験を実施した。
判定基準としては、削れキズ等の外観異常ないものを合格(A)と判定した。なお、鉛筆先端の加圧による凹みは傷とは見なさない。結果を下記表4に示す。
実施例1で樹脂層の形成に用いたPMMA樹脂に換えて、厚み0.5mmのポリカーボネート樹脂(MR85、三菱ガス化学社製)を用いて樹脂層を形成した以外は同様にして比較例1のタッチパネルを得た。
得られた実施例1及び比較例1のタッチパネルについて、Φ50mm鋼球落下装置により、鋼球重量500gを中央部に落下させ、割れや傷の発生の有無を確認した。鋼球の落下高さを表に示すように変えて行った。落下試験後、タッチパネル中央部を目視で観察し、外観の変化がないものを合格(A)とし、ひびやワレが生じたものを不合格(B)とした。結果を下記表5に示す。
なお、落下距離20cm以上で合格(A)であれば、屋外での使用において実用上問題のないレベルである。
以上の評価結果より、本発明のタッチパネルは、高温雰囲気、高温高湿雰囲気下においてもその性能が維持され、光透過性やヘイズの劣化も観察されなかった。加えて、表面硬度、耐衝撃性に優れることから、耐久性、耐候性、及び耐衝撃性のいずれにも優れ、屋外での使用にも適することが確認された。
14 第1の基板(第一基板の一例)
18 第2の基板(第二基板の一例)
22、26 接着層
24、28 樹脂層(保護部材の一例)
28 発光部材
Claims (4)
- 第一基板と、
前記第一基板の板面と対向するように配置された第二基板と、
前記第二基板の板面の一部が外部より押圧されて押圧部位が前記第一基板側に変形することで、前記第一基板の板面に沿った第一方向における前記押圧部位を検出する検出部材と、
前記第一基板及び第二基板の表面に配置されたアクリル樹脂、並びにポリエステル樹脂から選択された少なくとも1種の樹脂を含んでなる樹脂層を有する保護部材と、
を備える自動販売機用タッチパネル。 - 前記第一基板及び第二基板は、アルカリガラス製基板である、請求項1に記載の自動販売機用タッチパネル。
- 前記検出部材は、抵抗膜方式及び静電容量方式より選択される検出部材である、請求項1又は請求項2に記載の自動販売機用タッチパネル。
- ヘイズが10%以下であり、且つ、光透過率が80%以上である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の自動販売機用タッチパネル。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170207 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20170919 |