JP2015010159A - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、成形体およびそれらの製造方法 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、成形体およびそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリアリーレンスルフィド樹脂とカップリング剤と導電性フィラーとを含むポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形して得られ、カップリング剤に由来する微小な粒状物の発生を抑制し、機械的強度、表面外観性および表面平滑性に優れたポリアリーレンスルフィド樹脂成形体、当該成形体を成形可能な組成物およびそれらの製造方法を提供すること。
【解決手段】 アルコール濃度が0.1〜90v/v%の水及びアルコール混合溶媒にカップリング剤を溶解させた水溶液と、ポリアリーレンスルフィド樹脂と導電性フィラーを溶融混練するポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法、該組成物を成形してなるポリアリーレンスルフィド樹脂成形体の製造方法、カップリング剤を含む1μm以上の円相当径を有する粒状物が、組成物表面1mmあたり5個未満であるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物および成形体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、導電性を有するポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、成形体およびそれらの製造方法に関する。
ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、PPS樹脂と略すことがある)に代表されるポリアリーレンスルフィド樹脂(以下、PAS樹脂と略すことがある)は耐熱性、耐薬品性に優れた熱可塑性ポリマーであり、各種の成形加工分野に利用されている。また、ポリアリーレンスルフィド樹脂にカーボンブラック等の導電性フィラーを混合することで導電性や帯電性を付与し、帯電防止燃料チューブや帯電防止または導電シートおよびフィルム、防塵性プラスチックギヤ等へ適用することも検討されている(例えば特許文献1、2参照)。しかし、所望の導電特性を得るために必要なカーボンブラック等の導電性フィラーの添加量は少なくなく、このため樹脂組成物の靭性は低下するものの、これらチューブ、シートおよびフィルム、プラスチックギヤといった用途はその性質上靭性が求められることから、また、異物を起点とする破壊を抑制するため樹脂組成物中に含まれる異物を極力少なくすることが求められている。更に、意匠性、摺動性や磨耗性の観点から、成形品表面の外観性や平滑性も必要とされている。チューブ、シートおよびフィルムは押出成形で製造されることが多いが、異物除去のためスクリーンメッシュ等で異物除去が行われるものの、異物の多い材料では短時間でスクリーンメッシュが閉塞し、成形材料の寸法等を所望の規格内とすることができなくなり、その結果、スクリーンメッシュの頻繁な交換が必要となるため、製品歩留まりの低下という生産性低下に繋がる。
ところで、ポリアリーレンスルフィド樹脂に靭性を付与する手法として、ポリアリーレンスルフィド樹脂を熱処理(熱架橋)によって分子量を上げたものを用いられることが知られているが、このような処理を行うと強度は得られものの脆くなり、また成形加工時にポリアリーレンスルフィド樹脂が熱架橋ゲルにより異物を生じやすい、といった欠点を生じる。例えば、前記特許文献2ではポリアリーレンスルフィド樹脂とポリアリーレンスルフィド樹脂以外の熱可塑性樹脂とを併用することでカーボンブラック添加による靭性を向上させる手法が提案されているが、ポリアリーレンスルフィド樹脂と屈折率の異なる熱可塑樹脂を改質剤として併用するため、表面光沢性が大きく低下し外観性の制約となる。
そこで、熱架橋や他の熱可塑樹脂とのアロイに頼らずに靭性を付与する手法の一つとして、エポキシシラン等のシランカップリング剤を添加する方法がある。アルカリ金属硫化物に一定量以上のアルカリ金属水酸化物を添加することにより、さらには重合反応終了後に酸処理することにより、エポキシシランとの反応性の高いポリアリーレンスルフィド樹脂を製造し、これをシランカップリング剤と併用することで機械的特性を向上させることも知られている(特許文献3参照)。さらに、カルボキシル基を樹脂中50〜100μmol/gなる割合で含有するポリアリーレンスルフィド樹脂と、エポキシ基を有するシランカップリング剤とを必須成分とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が知られている(特許文献4参照)。しかし、いずれの方法も、シランカップリング剤同士が縮合して粒状物を生成するため、ポリアリーレンスルフィド樹脂と反応するシランカップリング剤の有効量が減少し、十分な添加効果が得られておらず、その結果、ポリアリーレンスルフィド樹脂成形体の機械的強度や押出成形に代表される成形連続性が低下する原因となっていた。
特開昭60−053560号公報 特開平10−230556号公報 特開平6−256517号公報 特開2001−279097号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ポリアリーレンスルフィド樹脂とカップリング剤と導電性フィラーとを含むポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形して得られ、カップリング剤に由来する微小な粒状物の発生を抑制し成形時の連続成形性に優れ、かつ異物起点による破壊を抑制し、導電性フィラーによる機械的強度の低下を抑制したポリアリーレンスルフィド樹脂成形体、当該成形体を成形可能な組成物およびそれらの製造方法、さらに当該導電性材料をチューブ状、シート状、フィルム状、ギア形状に成形して所望の導電特性を得ると共に、表面外観性および磨耗性に優れた導電チューブ、フィルム、シート、ギアを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリアリーレンスルフィド樹脂を溶融混練する際に、カップリング剤を直接添加すると、カップリング剤の縮合物が発生しやすいことから、予め、カップリング剤を水溶液中に均一に溶解させ、これをポリアリーレンスルフィド樹脂と導電性フィラーと添加混合することにより当該カップリング剤の縮合物の発生を抑制できることを見出し、上記課題を解決するに至った。
すなわち、本発明は、アルコール濃度が0.1〜90v/v%の範囲である水及びアルコール混合溶媒(a1)にカップリング剤(a2)を溶解させて得られる水溶液(a)と、ポリアリーレンスルフィド樹脂(b)と導電性フィラー(c)とを溶融混練するポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法に関する。
また、本発明はアルコール濃度が0.1〜90v/v%の範囲である水及びアルコール混合溶媒(a1)にカップリング剤(a2)を溶解させて得られる水溶液(a)と、ポリアリーレンスルフィド樹脂(b)と導電性フィラー(c)とを溶融混練して得られたポリアリーレンスルフィド樹脂組成物(c)を成形してなるポリアリーレンスルフィド樹脂成形体の製造方法に関する。
さらに、本発明はポリアリーレンスルフィド樹脂(b)からなる連続相に、カップリング剤(a2)と導電性フィラー(c)とが分散してなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物であって、1μm以上の円相当径を有するカップリング剤を含む粒状物が、組成物表面1mmあたり5個未満であるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に関する。
さらに、本発明は前記ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形して得られる1μm以上の円相当径を有するカップリング剤を含む粒状物が、成形体表面1mmあたり5個未満であるポリアリーレンスルフィド樹脂成形体に関する。
本発明によれば、ポリアリーレンスルフィド樹脂とカップリング剤と導電性フィラーとを含むポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形して得られ、カップリング剤に由来する微小な粒状物の発生を抑制し、機械的強度に優れたポリアリーレンスルフィド樹脂成形体、当該成形体を成形可能な組成物およびそれらの製造方法、さらに当該成形体からなる導電性に優れた導電性材料、当該成形体をシート状またはフィルム状に成形して用いられる導電性のばらつきを抑制し、表面外観性および磨耗性に優れた導電フィルム、シートを提供することができる。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法は、アルコール濃度が0.1〜90v/v%の範囲の水及びアルコール混合溶媒(a1)にカップリング剤(a2)を溶解して得られる水溶液(a)と、ポリアリーレンスルフィド樹脂(b)と導電性フィラー(c)とを溶融混練することを特徴とする。
本発明に用いるカップリング剤(a2)を溶解させる溶媒には、水とアルコールとの混合溶媒を用いる。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノールなどのアルコールなどが挙げられ、このうちエタノールが好ましい。また、水溶液中のアルコール濃度の下限値は0.1v/v%以上の範囲であるが、保存安定性に優れる点から15v/v%以上の範囲が好ましく、さらに30v/v%以上の範囲がより好ましい。一方、水溶液中のアルコール濃度の上限値は、90v/v%以下であるが、混練溶融時の作業性に優れる点から80v/v%以下の範囲が好ましく、さらに70v/v%以下の範囲がより好ましい。
前記混合溶媒中において、カップリング剤(a2)を攪拌混合する。その際の撹拌混合条件としては、カップリング剤が混合溶媒中に溶解すれば特に限定されるものではないが、例えば、撹拌混合時の温度が0〜80℃の範囲であることが好ましく、さらに20〜50℃であることがより好ましく、また、撹拌混合時間が、例えば、0.1〜6時間の範囲であることが好ましく、さらに0.5〜2時間の範囲であることがより好ましい。また、水溶液(a)中のカップング剤の濃度は5〜75質量%の範囲であることが好ましく、さらに10〜50質量%の範囲であることがより好ましい。
このようなカップリング剤(a2)としてはシラン系、チタン系などのカップリング剤が用いられる。このうちシランカップリング剤が好ましく、さらにカルボキシ基と反応する官能基(例えばエポキシ基、イソシアナト基、アミノ基や水酸基)を有するシランカップリング剤が好ましいものとして挙げられる。このようなシランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシラン等のイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン等の水酸基含有アルコキシシラン化合物が挙げられる。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物中におけるカップリング剤(a2)の含有量は、本発明の効果を損なう範囲でなければ特に限定されるものではないが、優れた機械的強度やポリアリーレンスルフィド樹脂を増粘して優れた成形性を付与できる観点から、その下限値がポリアリーレンスルフィド樹脂(b)100質量部に対して、0.01質量部以上の範囲であることが好ましく、さらに0.1質量部以上の範囲であることがより好ましく、さらに0.3質量部以上の範囲であることが最も好ましい。一方、上限値が、成形物の外観の悪化を抑制することができる点から、ポリアリーレンスルフィド樹脂(b)100質量部に対して、5質量部以下の範囲であることが好ましく、さらに3質量部以下の範囲がより好ましく、さらに1.5質量部以下の範囲であることが最も好ましい。
本発明に使用するポリアリーレンスルフィド樹脂(b)は、芳香族環と硫黄原子とが結合した構造を繰り返し単位とする樹脂構造を有するものであり、具体的には、下記式(1)
Figure 2015010159
(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、ニトロ基、アミノ基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基を表す。)で表される構造部位を繰り返し単位とする樹脂である。
ここで、前記式(1)で表される構造部位は、特に該式中のR及びRは、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂の機械的強度の点から水素原子であることが好ましく、その場合、下記式(2)で表されるパラ位で結合するもの、及び下記式(3)で表されるメタ位で結合するものが挙げられる。
Figure 2015010159
これらの中でも、特に繰り返し単位中の芳香族環に対する硫黄原子の結合は前記構造式(2)で表されるパラ位で結合した構造であることが前記ポリアリーレンスルフィド樹脂の耐熱性や結晶性の面で好ましい。
また、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂は、前記式(1)で表される構造部位のみならず、下記の構造式(4)〜(7)
Figure 2015010159
で表される構造部位を、前記式(1)で表される構造部位との合計の30モル%以下で含んでいてもよい。特に本発明では上記式(4)〜(7)で表される構造部位は10モル%以下であることが、ポリアリーレンスルフィド樹脂の耐熱性、機械的強度の点から好ましい。前記ポリアリーレンスルフィド樹脂中に、上記式(4)〜(7)で表される構造部位を含む場合、それらの結合様式としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体の何れであってもよい。
また、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂は、その分子構造中に、下記式(8)
Figure 2015010159
で表される3官能性の構造部位、或いは、ナフチルスルフィド結合などを有していてもよいが、他の構造部位との合計モル数に対して、3モル%以下が好ましく、特に1モル%以下であることが好ましい。
また、本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂(b)の溶融粘度は本発明の効果を損なうものでなければ特に限定されるものではないが、表面外観性、表面平滑性、機械的強度に優れる点から300℃で測定した溶融粘度(V6)が2〜1,000〔Pa・s〕の範囲であることが好ましく、このうち20〜500〔Pa・s〕の範囲がより好ましい。ただし、300℃で測定した粘度(V6)とは、フローテスターを用いて、温度300℃、荷重1.96MPa、オリフィス長とオリフィス径との、前者/後者の比が10/1であるオリフィスを使用して6分間保持した後の溶融粘度を表す。
また、ポリアリーレンスルフィド樹脂の非ニュートン指数は本発明の効果を損なうものでなければ特に限定されるものではないが、0.90〜2.00の範囲であることが好ましい。リニア型ポリアリーレンスルフィド樹脂を用いる場合には、非ニュートン指数が0.90〜1.25の範囲のものを用いることが好ましく、さらに0.95〜1.15の範囲のものを用いることがより好ましく、さらに0.95〜1.10の範囲のものを用いることが最も好ましい。このような非ニュートン指数を有するリニア型のポリアリーレンスルフィド樹脂は機械的物性、流動性、耐磨耗性に優れる。ただし、非ニュートン指数(N値)は、キャピログラフを用いて300℃、オリフィス長(L)とオリフィス径(D)の比、L/D=40の条件下で、剪断速度及び剪断応力を測定し、下記式を用いて算出した値である。
Figure 2015010159
[ただし、SRは剪断速度(秒−1)、SSは剪断応力(ダイン/cm)、そしてKは定数を示す。]N値は1に近いほどポリアリーレンスルフィドは線状に近い構造であり、N値が高いほど分岐が進んだ構造であることを示す。
ポリアリーレンスルフィド樹脂(b)の製造方法としては、特に限定されないが、例えば1)ジハロゲノ芳香族化合物と、更に必要ならばその他の共重合成分とを、硫黄と炭酸ソーダの存在下で重合させる方法、2)p−クロルチオフェノールと、更に必要ならばその他の共重合成分とを自己縮合させる方法、3)有機極性溶媒中で、スルフィド化剤とジハロゲノ芳香族化合物と、更に必要ならばその他の共重合成分とを反応させる方法、4)ジヨード芳香族化合物と単体硫黄と必要に応じて重合禁止剤とを溶融重合する方法等が挙げられる。これらの方法のなかでも、3)の方法が汎用的であり好ましい。反応の際に、重合度を調節するためにカルボン酸やスルホン酸のアルカリ金属塩を添加したり、水酸化アルカリを添加しても良い。上記3)方法のなかでも、加熱した有機極性溶媒とジハロゲノ芳香族化合物を含む混合物に含水スルフィド化剤を水が反応混合物から除去され得る速度で導入し、有機極性溶媒中でジハロゲノ芳香族化合物とスルフィド化剤とを反応させること、及び反応系内の水分量を該有機極性溶媒1モルに対して0.02〜0.5モルの範囲にコントロールすることによりポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する方法(特開平07−228699号公報参照。)や、固形のアルカリ金属硫化物及び非プロトン性極性有機溶媒の存在下でポリハロ芳香族化合物、アルカリ金属水硫化物及び有機酸アルカリ金属塩を、硫黄源1モルに対して0.01〜0.9モルの有機酸アルカリ金属塩および反応系内の水分量を非プロトン性極性有機溶媒1モルに対して0.02モルの範囲にコントロールしながら反応させる方法(WO2010/058713号パンフレット参照。)で得られるものが特に好ましい。
本発明に用いる導電性フィラー(c)としては、例えば、人造黒鉛、天然黒鉛、ガラス状カーボン、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維、カーボンナノファイバーなどの炭素材料や、金属繊維や銀、銅などの金属ないし金属化合物などが挙げられるが、なかでも炭素材料は、軽量であり、耐食性に優れることから好ましく、これらの炭素材料を単独で、もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの炭素材料の粉粒体の形状に特に制限はなく、板状、球状、繊維状、無定形等の何れであってもよい。また、黒鉛を化学処理して得られる膨張黒鉛も使用できる。導電性を考慮すれば、より少量で高度の導電性を有する材料が得られるという点で、人造黒鉛、天然黒鉛、膨張黒鉛等が好ましい。
該導電性フィラー(c)の大きさは、本発明の効果を損ねない範囲であれば特に限定されないが、表面抵抗や体積抵抗率などの導電性に優れ、特に転写ベルトや導電性トレー、キャリアテープなどの導電性材料用途に用いる場合には、表面外観性および表面平滑性に優れる点から、平均粒子径が1μm以下の範囲であり、さらにグロス(光沢性)に優れる点から0.5μm以下の範囲であることが好ましく、さらに0.1μm以下の範囲であることがより好ましい。さらに、均一な導電性、すなわち、成形体内の場所による電気抵抗のばらつきを低く抑える場合や、導電性特に転写ベルトや導電性トレー、キャリアテープなどといった表面外観性および表面平滑性の差が顕著に表れるシート状またはフィルム状の導電性材料用途に用いる場合には、100nm以下の範囲であることが好ましい。一方、ポリアリーレンスルフィド樹脂との濡れ性に優れ、成形性および分散性が良好となる点から、10nm以上の範囲であることが好ましく、さらに20nm以上の範囲であることがより好ましい。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物中における前記導電性フィラー(c)の含有量は、本発明の効果を損なう範囲でなければ特に限定されるものではないが、優れた機械的強度や導電性を付与できる観点から、ポリアリーレンスルフィド樹脂(b)100質量部に対して、1質量部以上の範囲であることが好ましく、さらに3質量部以上の範囲であることがより好ましく、さらに5質量部以上の範囲であることが最も好ましい。一方、成形物の外観の悪化を抑制することができる点から、ポリアリーレンスルフィド樹脂(b)100質量部に対して、50質量部以下の範囲であることが好ましく、さらに40質量部以下の範囲がより好ましく、さらに30質量部以下の範囲であることが最も好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、強度、耐熱性、寸法安定性等の性能を改善するため、上記成分に加え、さらに充填材やその他添加剤が含まれていてもよい。
当該添加剤としては、着色剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、発泡剤、防錆剤、難燃剤、滑剤等の各種添加剤や、また用途に応じて、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリアリーレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ四弗化エチレン、ポリ二弗化エチレン、ポリスチレン、ABS樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、液晶ポリマー等の合成樹脂、或いは、弗素ゴム、シリコーンゴム等のエラストマ、特にエポキシ基、アミノ基、カルボキシ基、イソシアナト基または下記の構造式(1)、構造式(2)
Figure 2015010159
(但し、構造式(1)、構造式(2)中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。)で表される部分構造からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するポリオレフィンエラストマなどの樹脂が挙げられる。
また、充填材としても、粒状、繊維状などさまざまな形状の充填材等が挙げられ、例えば、ガラス繊維、シランガラス繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウム、炭化珪素、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム等の繊維、ウォラストナイト等の天然繊維等の繊維状の充填材や、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、マイカ、雲母、タルク、アタパルジャイト、フェライト、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ガラスビーズ等が挙げられる。
これらの添加剤、充填剤の使用量は、それぞれの目的に応じて異なり、一概に規定することはできないが、ポリアリーレンスルフィド樹脂100質量部に対して0.01〜1000質量部の範囲で、本発明の効果を損なわないよう目的や用途に応じて適宜調整して用いればよい。また、前記充填剤の大きさは、本発明の効果を損ねない範囲であれば特に限定されるものではないが、表面外観性および表面平滑性の点から、平均粒子径が1μm未満の範囲であることが好ましい。一方、ポリアリーレンスルフィド樹脂との濡れ性に優れ、成形性および分散性が良好となる点から、10nm以上の範囲であることが好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法は、本発明の効果を損なわなければ特に制限されず、例えば、原料である前記水溶液(a)とポリアリーレンスルフィド樹脂(b)と導電性材料(c)を、タンブラー又はヘンシェルミキサーなどで均一に混合、次いでバンバリーミキサー、ミキシングロール、単軸または2軸の押出機およびニーダーなどを用いて溶融混練する方法などが挙げられる。なかでも十分な混練力を有する単軸または2軸の押出機を用いて溶融混練する方法が好ましい。
具体的には、前記水溶液(a)と前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(b)と導電性フィラー(c)と、更に必要に応じてその他の配合成分を、タンブラー又はヘンシェルミキサーなどで均一に混合、次いで押出機に投入し、樹脂成分の吐出量(kg/hr)とスクリュー回転数(rpm)との比率(吐出量/スクリュー回転数)が0.02〜2(kg/hr/rpm)なる条件下に溶融混練する方法が挙げられる。かかる条件下に製造することによって前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(b)をマトリックス(連続相)として、カップリング剤(a)と導電性フィラー(c)が微分散する成形体を製造することができる。
上記製造方法につき更に詳述すれば、前記した各成分を押出機内に投入し、設定温度300℃、樹脂温度320℃程度の温度条件下に溶融混練する方法が好ましく挙げられる。この際、樹脂成分の吐出量は回転数200rpmで4〜400kg/hrの範囲であることが好ましく、なかでも分散性の点から10〜250kg/hrであることがより好ましい。したがって、樹脂成分の吐出量(kg/hr)とスクリュー回転数(rpm)との比率(吐出量/スクリュー回転数)は、特に0.05〜1.25(kg/hr/rpm)であることが好ましい。
このようにして溶融混練されたポリアリーレンスルフィド樹脂組成物はその後、直接各種公知の成形法を用いて成形体へと成形されるか、一旦、ペレットとして成形された後、次いで、これを各種成形機に供して溶融成形することにより、目的とする成形体に成形することができる。公知の成形法としては、射出成形法、プレス成形法、カレンダー成形法、ロール成形法、押出成形法、注型成形法およびブロー成形法などが挙げられる。
このようにして得られた成形体は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(b)からなる連続相に、カップリング剤(a)と導電性フィラー(c)が微分散してなり、とくにカップリング剤の凝集に由来する粒状物の割合が低く抑えられたものである。例えば、1μm以上の円相当径を有するカップリング剤を含む粒状物の割合が、成形体表面1mmあたり5個未満であり、好ましくは2個未満であり、さらに好ましくは1個未満である。このため、本発明の成形体は外観表面性、表面平滑性に優れたものとなり、シート状またはフィルム状に成形した場合にはその効果が特に顕著なものとなる。さらにシート状、フィルム状、ストランド状または繊維状に成形した場合には、粒状物に起因して発生する機械的強度の低下を抑制でき、フィルムないしシートの破断、また、ストランド切れまたは繊維切れを抑制することができる。
目的とする形状に成形するためには、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物のペレットをさらに成形機に供して押出成形法、射出成形法、圧縮成形法、吹込成形法、射出圧縮成形法などの公知の各種成形法に適用して、シートまたはフィルムとして得る(成形工程)。
特に配合量が少ない添加剤は、成形工程直前に添加・混合してもよい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂成形体は、ポリアリーレンスルフィド樹脂の本来有する機械的強度、耐熱性、寸法安定性等の諸性能を活かして、例えば、センサ、LEDランプ、コネクタ、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサ、バリコンケース、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナ、スピーカ、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モータ、磁気ヘッドベース、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダ、パラボラアンテナ、コンピュータ関連部品などに代表される電気・電子部品、VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤ、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザディスク・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライタ部品、ワードプロセッサ部品などに代表される家庭、事務電気製品部品や、オフィスコンピュータ関連部品、電話器関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モータ部品、ライタ、タイプライタなどに代表される機械関連部品や、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品や、水道蛇口コマ、混合水栓、ポンプ部品、パイプジョイント、水量調節弁、逃がし弁、湯温センサ、水量センサ、水道メーターハウジングなどの水廻り部品や、バルブオルタネーターターミナル、オルタネーターコネクタ,ICレギュレータ、ライトディヤ用ポテンシオメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディ、キャブレタースペーサ、排気ガスセンサ、冷却水センサ、油温センサ、スロットルポジションセンサ、クランクシャフトポジションセンサ、エアーフローメータ、ブレーキパッド摩耗センサ、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモータ用ブラッシュホルダ、ウォーターポンプインペラ、タービンベイン、ワイパーモータ関係部品、デュストリビュータ、スタータースイッチ、スターターリレ、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクタ、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターロータ、ランプソケット、ランプリフレクタ、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルタ、点火装置ケース、HEV用コンデンサーケース、車速センサ、ケーブルライナ、プラスチックギヤなどの自動車・車両関連部品など各種用途あるいはバグフィルター、保温衣料、不織布や縫い糸等の繊維若しくは粘着フィルム用基材、離型フィルム、回路基板、フィルムコンデンサ、モーター・トランス用絶縁フィルム、転写ベルト、回路基板、燃料チューブ等、フィルム用の材料、電磁波の遮蔽材などとして幅広く有用である。
次に、本発明を実施例及び比較例により、具体的に説明するが、以下において部及び%は、特に断りのない限り、全て質量基準である。
〔比較例1〕ドライブレンド
表1に示したカップリング剤とポリアリーレンスルフィド樹脂と導電性フィラーを、表1に記載する配合比率に従い、タンブラーで均一に混合し、株式会社日本製鋼所製ベント付き2軸押出機「TEX−30α」に投入し、樹脂成分吐出量15kg/hr、スクリュー回転数200rpm、樹脂成分の吐出量(kg/hr)とスクリュー回転数(rpm)との比率(吐出量/スクリュー回転数)=0.075(kg/hr/rpm)、最大トルク32(A)、設定樹脂温度300℃で溶融混練して樹脂組成物のペレットを得た。次いで、得られた樹脂組成物のペレットを室温で24時間放置した後、Tダイ押出機を用いて設定温度300℃、ロール温度70℃で押出成形して、厚み80〜100μmのフィルムを作製した。
(実施例1〜10、比較例2〜4)
表1〜2に示したカップリング剤を、所定のアルコール濃度を有する水−エタノール混合溶媒140gに、23℃、1時間撹拌して、水溶液を調製した。
続いて、調整した水溶液とポリアリーレンスルフィド樹脂と導電性フィラーを、表1〜2に記載する配合比率に従い、タンブラーで均一に混合し、株式会社日本製鋼所製ベント付き2軸押出機「TEX−30α」に投入し、表1〜3に記載した樹脂成分の吐出量(kg/hr)とスクリュー回転数(rpm)との比率Q/N(吐出量/スクリュー回転数)(kg/hr/rpm)、設定樹脂温度300℃で溶融混練して樹脂組成物のペレットを得た。次いで、得られた樹脂組成物のペレットを室温で24時間放置した後、Tダイ押出機を用いて設定温度300℃ロール温度70℃で押出成形して、厚み80〜100μmのフィルムを作製した。
(表面外観性の評価)
フィルムをSEM/EDS装置(日本電子株式会社製「JSM−6360A」)により、Si元素でマッピング画像を作製し、当該画像から円相当径1μm以上の粒状物の個数をカウントした。30視野を観察して平均し、表面外観性は以下の基準に則して判断した。
:1mmに2個未満
◎:1mmに2個以上5個未満
○:1mmに5個以上10個未満
△:1mmに10個以上100個未満
×:1mmに100個以上
(機械的強度の測定)
(引張特性)
フィルムを15×110mmに切り出し、測定温度23℃、標線間距離50mm、試験速度10mm/minで、引張試験機(AGS−5kNX:株式会社 島津製作所製)により、引張強度を測定した。
(表面抵抗の測定)
<表面抵抗率、体積抵抗率>
表面抵抗率(Ω/□)及び体積抵抗率(Ω・cm)は、三菱化学株式会社製の抵抗測定器“ハイレスタUP・URSブローブ”を用いて23℃、55%RH環境下で測定した。実施例1〜5及び比較例1〜2で作製したフィルムを、縦方向に長さ300mmにカットしたベルトをサンプルとし、該サンプルの幅方向に等ピッチで3ヶ所、縦方向に4カ所の合計12ヶ所について、印加電圧100V、10秒後に表面抵抗率及び体積抵抗率をそれぞれ測定し、その平均値の常用対数値で示した。なお該測定サンプルは23℃、55%RH環境下で24時間放置してから測定した。
(光沢値の測定)
光沢計「VG2000」(日本電色製)で光沢の測定を行い、その結果をグロスで示した。光沢の測定条件は入射角20度とした。
<カーボンブラック分散性、カップリング剤凝集物の評価方法>
スクリュー径が30mmで、L/D値が30である単軸押出機の出口側に濾圧試験機を取り付けた試験機に当該組成物と希釈用ポリプロピレン樹脂とを質量比で1/1となる割合で流通させ、当該組成物と希釈用ポリプロピレン樹脂との混合物を上記濾圧試験機から押し出した。ここで、単軸押出機のジャケットの温度は320℃に設定した。濾圧試験機に取り付けたフィルターの構成は、#80μm×焼成20μm×#80μmとし、スクリュー回転数は30rpmとした。
上記濾圧試験機から押し出す際にフィルター入口側に材料を流入させる時の圧力(樹脂圧)とフィルター出口側から排出される際の圧力を測定し、その差(濾過圧。MPa)を求め、これを濾過圧試験値とした。濾過圧試験値が低い程、カーボンブラック凝集物やシランカップリング剤縮合物などの粗大粒子形成が低減され、成形品の表面外観が優れていることを意味する。
Figure 2015010159
Figure 2015010159
Figure 2015010159
*発火
なお、表1〜2中の配合樹脂、材料は下記のものである。
Si(A1):3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製「Z−6040」)
Si(A2):3−アミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製「Z−6610」)
PPS(B1):ポリフェニレンスルフィド(DIC株式会社製「MA−520」、溶融粘度(V6)120〔Pa・s〕)
ただし、PPS樹脂の溶融粘度(V6)は以下の方法で測定した値である。
フローテスター(島津製作所製高化式フローテスター「CFT−500D型」)を用い
て、温度300℃、荷重1.96MPa、オリフィス長とオリフィス径との、前者/後者
の比が10/1であるオリフィスを使用して6分間保持後の溶融粘度を測定した。
導電性フィラー(C1):カーボン(電気化学工業株式会社製「デンカブラック粒状品」平均粒子径35nm)
導電性フィラー(C2):カーボン(電気化学工業株式会社製「デンカブラックHS−100」平均粒子径48nm)
導電性フィラー(C3):人造黒鉛(昭和電工株式会社製「UF−G30」平均粒子径10μm)

Claims (13)

  1. アルコール濃度が0.1〜90v/v%の範囲である水及びアルコール混合溶媒(a1)にカップリング剤(a2)を溶解させて得られる水溶液(a)と、ポリアリーレンスルフィド樹脂(b)と導電性フィラー(c)とを溶融混練することを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記水溶液(a)中のカップリング剤の濃度が5〜75質量%の範囲である請求項1記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記カップリング剤(a2)がシランカップリング剤である請求項1又は2記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法。
  4. 前記溶融混練が、二軸混練押出機を用い、樹脂成分の吐出量(kg/hr)とスクリュー回転数(rpm)との比率(吐出量/スクリュー回転数)が0.02〜2(kg/hr/rpm)なる条件下に溶融混練するものである請求項1〜3の何れか一項記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法。
  5. 前記導電性フィラー(c)が、平均粒子径1μm以下のものである請求項1〜4のいずれか一項記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法。
  6. 前記導電性フィラー(c)が、炭素材料である請求項1〜5のいずれか一項記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項記載の製造方法で製造されたポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形してなるポリアリーレンスルフィド樹脂成形体の製造方法。
  8. ポリアリーレンスルフィド樹脂(b)からなる連続相に、カップリング剤(a2)および導電性フィラー(c)が分散してなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物であって、1μm以上の円相当径を有するカップリング剤を含む粒状物が、組成物表面1mmあたり5個未満であることを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  9. 前記導電性フィラー(c)が、平均粒子径1μm以下のものである請求項8に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  10. 前記導電性フィラー(c)が、炭素材料である請求項8または9に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  11. 請求項8〜10の何れか一項記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形してなるポリアリーレンスルフィド樹脂成形体であって、1μm以上の円相当径を有するカップリング剤を含む粒状物が、成形体表面1mmあたり5個未満であることを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂成形体。
  12. シート状またはフィルム状である請求項11記載のポリアリーレンスルフィド樹脂成形体。
  13. 導電性材料である請求項11又は12記載のポリアリーレンスルフィド樹脂成形体。
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