JP7136372B2 - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、成形品およびそれらの製造方法 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、成形品およびそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、成形品およびそれらの製造方法に関する。さらに詳しくは、機械特性に優れ、かつ、熱伝導性に優れたポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、成形品およびそれらの製造方法に関する。
近年、生産性、成形性に優れ、かつ高耐熱性を有するエンジニアリングプラスチックが開発され、軽量でもあることから金属材料に代わる材料として電気、電子機器や自動車用等の部材として幅広く使用されている。特にポリフェニレンサルファイド(以下PPSと略することがある)樹脂に代表されるポリアリーレンスルフィド(以下、PASと略することがある)樹脂は、耐熱性に優れつつ、かつ、機械的強度、耐薬品性、成形加工性、寸法安定性にも優れ、これら特性を利用して、電気・電子機器部品、自動車部品材料などとして利用されている。
また、これら電気・電子機器部品、自動車部品材料など分野では、高出力化と伴に発熱量も増大しており、放熱特性を良好にするため、材料自体の熱伝導性のさらなる向上は喫緊の課題となっていた。
このため、PPS樹脂に、窒化ホウ素および塩基性硫酸マグネシウムフィラー(繊維径0.5~1.0μmの無機短繊維)を配合してなる、表面粗さRz6μm以下の成形品表面を有する成形品が知られており、当該成形品表面を放熱対象物へ密着させることで、放熱特性を向上する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、該成形品は、射出成形する際に成形品表面と平行に配向したフィラーの向きに沿って熱が伝導するため、放熱対象物から成形品表面へ伝導した熱が、成形品表面で横方向(表面方向)に伝導するばかりで、成形品表面に対し垂直方向(厚み方向、または深さ方向ともいう)の熱伝導性が不十分であり、熱伝導性向上へ向け改良の余地があるばかりでなく、さらに、TD方向(溶融成形時の樹脂流れ方向に対して直角方向。以下、同じ)の機械的強度にも改良の余地があった。
そこで、PAS樹脂に、繊維径の大きいウィスカー、すなわち針状構造を有する単結晶体と、球状フィラーとを必須成分として溶融混練してなるPAS樹脂組成物が知られている(特許文献2参照)。その成形品は、成形品表面方向(ウィスカー等のフィラーの配向方向)だけでなく、成形品表面に対して厚み方向(深さ方向)の熱伝導性およびTD方向の機械的強度にも優れることが知られている。しかしながら、該成形品中に含まれるフィラーが針状構造を有するがゆえに、成形品表面方向の熱伝導率は十分に向上しても、厚み方向への熱伝導率の向上にまだ改良の余地があった。
特開2014-234407号公報 特開2018-053004号公報 特開2016-88984号公報
また、フィラーとして針状構造を有する単結晶体を用いずに球状フィラーのみを用いることによって、優れた熱伝導性と機械的強度を有するPPS樹脂組成物、成形品およびそれらの製造方法も知られている(特許文献3参照)。しかしながら、本発明者らが確認したところ、当該成形品の表面方向の熱伝導率と、厚み方向の熱伝導率とを共に向上しうるものではあったものの、まだ改良の余地があった。
そこで本発明が解決しようとする課題は、PAS樹脂を含有し、かつ、成形品表面に対し面方向と厚み方向(深さ方向)の熱伝導性が共に優れた成形品、当該成形品を提供しうるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物およびそれらの製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、PAS樹脂と、非定常形状の炭酸マグネシウムとを必須成分として配合してなるPAS樹脂組成物が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、PAS樹脂と、円形度が0.8未満の範囲である炭酸マグネシウムとを必須成分として配合してなるPAS樹脂組成物、に関する。
また本発明は、前記PAS樹脂組成物を成形してなる成形品、に関する。
さらに本発明は、PAS樹脂と、円形度が0.8未満の範囲である炭酸マグネシウムとを必須成分として配合し、PAS樹脂の融点以上の温度範囲で溶融混錬する工程を有する、PAS樹脂組成物の製造方法、に関する。
本発明により、PAS樹脂を含有しかつ、成形品表面に対し面方向と厚み方向(深さ方向)の熱伝導性が共に優れた成形品、当該成形品を提供しうるPAS樹脂組成物およびそれらの製造方法を提供することができる。
本発明のPAS樹脂組成物は、PAS樹脂と、円形度が0.8未満の範囲である炭酸マグネシウムとを必須成分として配合してなることを特徴とする。
本発明のPAS樹脂組成物は、必須成分としてPAS樹脂を配合してなる。PAS樹脂は、芳香族環と硫黄原子とが結合した構造を繰り返し単位とする樹脂構造を有するものであり、具体的には、下記一般式(1)
Figure 0007136372000001
(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1~4の範囲のアルキル基、ニトロ基、アミノ基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基を表す。)で表される構造部位と、必要に応じてさらに下記一般式(2)
Figure 0007136372000002
で表される3官能性の構造部位と、を繰り返し単位とする樹脂である。式(2)で表される3官能性の構造部位は、他の構造部位との合計モル数に対して0.001~3モル%の範囲が好ましく、特に0.01~1モル%の範囲であることが好ましい。
ここで、前記一般式(1)で表される構造部位は、特に該式中のR及びRは、前記PAS樹脂の機械的強度の点から水素原子であることが好ましく、その場合、下記式(3)で表されるパラ位で結合するもの、及び下記式(4)で表されるメタ位で結合するものが挙げられる。
Figure 0007136372000003
これらの中でも、特に繰り返し単位中の芳香族環に対する硫黄原子の結合は前記一般式(3)で表されるパラ位で結合した構造であることが前記PAS樹脂の耐熱性や結晶性の面で好ましい。
また、前記PAS樹脂は、前記一般式(1)や(2)で表される構造部位のみならず、下記の構造式(5)~(8)
Figure 0007136372000004
で表される構造部位を、前記一般式(1)と一般式(2)で表される構造部位との合計の30モル%以下で含んでいてもよい。特に本発明では上記一般式(5)~(8)で表される構造部位は10モル%以下であることが、PAS樹脂の耐熱性、機械的強度の点から好ましい。前記PAS樹脂中に、上記一般式(5)~(8)で表される構造部位を含む場合、それらの結合様式としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体の何れであってもよい。
また、前記PAS樹脂は、その分子構造中に、ナフチルスルフィド結合などを有していてもよいが、他の構造部位との合計モル数に対して、3モル%以下が好ましく、特に1モル%以下であることが好ましい。
また、PAS樹脂の物性は、本発明の効果を損ねない限り特に限定されないが、以下の通りである。
(溶融粘度)
本発明に用いるPAS樹脂の溶融粘度は特に限定されないが、流動性および機械的強度のバランスが良好となることから、300℃で測定した溶融粘度(V6)が、好ましくは2Pa・s以上の範囲であり、好ましくは1000Pa・s以下の範囲、より好ましくは500Pa・s以下の範囲であり、さらに好ましくは200Pa・s以下の範囲である。ただし、溶融粘度(V6)の測定は、PAS樹脂を島津製作所製フローテスター、CFT-500Dを用いて行い、300℃、荷重:1.96×10Pa、L/D=10(mm)/1(mm)にて、6分間保持した後に測定した溶融粘度の測定値とする。
(非ニュートン指数)
本発明に用いるPAS樹脂の非ニュートン指数は特に限定されないが、0.90以上から、2.00以下の範囲であることが好ましい。リニア型PAS樹脂を用いる場合には、非ニュートン指数が、好ましくは0.90以上の範囲、より好ましくは0.95以上の範囲から、好ましくは1.50以下の範囲、より好ましくは1.20以下の範囲である。このようなポリアリーレンスルフィド樹脂は機械的物性、流動性、耐磨耗性に優れる。ただし、本発明において非ニュートン指数(N値)は、キャピログラフを用いて融点+20℃、オリフィス長(L)とオリフィス径(D)の比、L/D=40の条件下で、剪断速度(SR)及び剪断応力(SS)を測定し、下記式を用いて算出した値である。非ニュートン指数(N値)が1に近いほど線状に近い構造であり、非ニュートン指数(N値)が高いほど分岐が進んだ構造であることを示す。
Figure 0007136372000005
[ただし、SRは剪断速度(秒-1)、SSは剪断応力(ダイン/cm)、そしてKは定数を示す。]
(製造方法)
前記PAS樹脂の製造方法としては特に限定されないが、例えば(製造法1)硫黄と炭酸ソーダの存在下でジハロゲノ芳香族化合物を、必要ならばポリハロゲノ芳香族化合物ないしその他の共重合成分を加えて、重合させる方法、(製造法2)極性溶媒中でスルフィド化剤等の存在下にジハロゲノ芳香族化合物を、必要ならばポリハロゲノ芳香族化合物ないしその他の共重合成分を加えて、重合させる方法、(製造法3)p-クロルチオフェノールを、必要ならばその他の共重合成分を加えて、自己縮合させる方法、等が挙げられる。これらの方法のなかでも、(製造法2)の方法が汎用的であり好ましい。反応の際に、重合度を調節するためにカルボン酸やスルホン酸のアルカリ金属塩や、水酸化アルカリを添加しても良い。上記(製造法2)方法のなかでも、加熱した有機極性溶媒とジハロゲノ芳香族化合物とを含む混合物に含水スルフィド化剤を水が反応混合物から除去され得る速度で導入し、有機極性溶媒中でジハロゲノ芳香族化合物とスルフィド化剤とを、必要に応じてポリハロゲノ芳香族化合物と加え、反応させること、及び反応系内の水分量を該有機極性溶媒1モルに対して0.02~0.5モルの範囲にコントロールすることによりポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する方法(特開平07-228699号公報参照。)や、固形のアルカリ金属硫化物及び非プロトン性極性有機溶媒の存在下でジハロゲノ芳香族化合物と必要ならばポリハロゲノ芳香族化合物ないしその他の共重合成分を加え、アルカリ金属水硫化物及び有機酸アルカリ金属塩を、硫黄源1モルに対して0.01~0.9モルの範囲の有機酸アルカリ金属塩および反応系内の水分量を非プロトン性極性有機溶媒1モルに対して0.02モル以下の範囲にコントロールしながら反応させる方法(WO2010/058713号パンフレット参照。)で得られるものが特に好ましい。ジハロゲノ芳香族化合物の具体的な例としては、p-ジハロベンゼン、m-ジハロベンゼン、o-ジハロベンゼン、2,5-ジハロトルエン、1,4-ジハロナフタレン、1-メトキシ-2,5-ジハロベンゼン、4,4’-ジハロビフェニル、3,5-ジハロ安息香酸、2,4-ジハロ安息香酸、2,5-ジハロニトロベンゼン、2,4-ジハロニトロベンゼン、2,4-ジハロアニソール、p,p’-ジハロジフェニルエーテル、4,4’-ジハロベンゾフェノン、4,4’-ジハロジフェニルスルホン、4,4’-ジハロジフェニルスルホキシド、4,4’-ジハロジフェニルスルフィド、及び、上記各化合物の芳香環に炭素原子数1~18の範囲のアルキル基を有する化合物が挙げられ、ポリハロゲノ芳香族化合物としては1,2,3-トリハロベンゼン、1,2,4-トリハロベンゼン、1,3,5-トリハロベンゼン、1,2,3,5-テトラハロベンゼン、1,2,4,5-テトラハロベンゼン、1,4,6-トリハロナフタレンなどが挙げられる。また、上記各化合物中に含まれるハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子であることが望ましい。
重合工程により得られたポリアリーレンスルフィド樹脂を含む反応混合物の後処理方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、(後処理1)重合反応終了後、先ず反応混合物をそのまま、あるいは酸または塩基を加えた後、減圧下または常圧下で溶媒を留去し、次いで溶媒留去後の固形物を水、反応溶媒(又は低分子ポリマーに対して同等の溶解度を有する有機溶媒)、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類などの溶媒で1回または2回以上洗浄し、更に中和、水洗、濾過および乾燥する方法、或いは、(後処理2)重合反応終了後、反応混合物に水、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素などの溶媒(使用した重合溶媒に可溶であり、かつ少なくともポリアリーレンスルフィドに対しては貧溶媒である溶媒)を沈降剤として添加して、ポリアリーレンスルフィドや無機塩等の固体状生成物を沈降させ、これらを濾別、洗浄、乾燥する方法、或いは、(後処理3)重合反応終了後、反応混合物に反応溶媒(又は低分子ポリマーに対して同等の溶解度を有する有機溶媒)を加えて撹拌した後、濾過して低分子量重合体を除いた後、水、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類などの溶媒で1回または2回以上洗浄し、その後中和、水洗、濾過および乾燥をする方法、(後処理4)重合反応終了後、反応混合物に水を加えて水洗浄、濾過、必要に応じて水洗浄の時に酸を加えて酸処理し、乾燥をする方法、(5)重合反応終了後、反応混合物を濾過し、必要に応じ、反応溶媒で1回または2回以上洗浄し、更に水洗浄、濾過および乾燥する方法、等が挙げられる。
尚、上記(後処理1)~(後処理5)に例示したような後処理方法において、ポリアリーレンスルフィド樹脂の乾燥は真空中で行なってもよいし、空気中あるいは窒素のような不活性ガス雰囲気中で行なってもよい。
本発明のPAS樹脂組成物は、必須成分として円形度が0.8未満の範囲の炭酸マグネシウムを配合してなる。本発明で用いる炭酸マグネシウムは、塩基性炭酸マグネシウム、中性炭酸マグネシウム、ヒドロキシ炭酸マグネシウム、無水炭酸マグネシウムのいずれでもよいが、好ましくは無水炭酸マグネシウムを用いるのがよい。本発明で用いる炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムを主成分とするマグネサイトであってもよい。例えば、炭酸マグネシウムの含有率が、好ましくは90質量%以上の範囲、より好ましくは98質量%以上の範囲であり、好ましくは100質量%以下の範囲、より好ましくは99.999質量%以下の範囲である、高純度マグネサイト粉末が挙げられる。高純度マグネサイト粉末としては、合成品と天産品とがあるが、このうち天然品であるものが好ましい。
本発明に用いる炭酸マグネシウムは、成形品表面に対し面方向と厚み方向(深さ方向)の熱伝導性に優れることから、異方性を有する形状であることが好ましく、その円形度の数平均が0.8未満の範囲であり、好ましくは0.75以下の範囲であり、より好ましくは0.70以下の範囲である。該円形度の下限値は特に限定されないが、機械的強度に優れる点から好ましくは0.50以上の範囲であり、より好ましくは0.60以上の範囲である。
なお、本発明でいう「円形度」とは、下記数式(1)で算出されるパラメータである。
Figure 0007136372000006
ただし、前記数式中、SおよびLは、それぞれ、炭酸マグネシウムを顕微鏡(キーエンス社製のマイクロスコープVHX-6000)により倍率(200倍)で投影画像を撮影し、画像処理ソフト(キーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX-6000付属の自動面積計測を使用)を用いて測定される炭酸マグネシウムの二次元的な投影面積の測定値(S)および周囲長(L)を表す。また、本発明でいう円形度は、一枚の投影画像中に撮影される50~100個の炭酸マグネシウムの上記投影面積(S)および周囲長(L)の測定結果から算出したものの数平均値である。円形度(R)は0よりも大きく1以下(0<R≦1)であり、仮に、真球形状をなし、上記の投影画像が真円の場合、円形度(R)=1となる。
本発明に用いる炭酸マグネシウムの平均粒子径(D50)の範囲については、特に限定されないが、機械的強度、流動性に優れる観点から、その上限値が45μmであることが好ましく、30μmであることがより好ましく、25μmであることがさらに好ましく、20μmであることが特に好ましい。一方、機械的強度、熱伝導性に優れる観点から、その下限値は1μmであることが好ましく、5μmであることがより好ましく、11μmであることがさらに好ましい。なお、当該平均粒子径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定機(Microtrac MT3300EXII)を用いて常法に従って測定した粒度分布に基づき求められる平均粒子径(D50)である。
本発明に用いる炭酸マグネシウムの最大粒子径については、特に限定されないが、機械強度、流動性、表面外観性に優れる観点から、300μm以下であることが好ましく、297μm以下であることがより好ましく、125μm以下であることがさらに好ましく、100μm以下であることがとくに好ましい。なお、当該最大粒子径は、特定の目開きを有するフィルターを用いた篩分けに基づく値であってもよい。
本発明に用いる炭酸マグネシウムは表面処理をすることが可能であり、具体的には、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物、ボラン処理、セラミックコート等があげられる。なかでも、エポキシ系化合物またはシラン系化合物が好ましい。
本発明のPAS樹脂組成物は、前記炭酸マグネシウムの配合割合の範囲は特に限定されないが、成形品表面の厚み方向への熱伝導性に優れる点からPAS樹脂100質量部に対して、その下限値が、好ましくは20質量部、より好ましくは50質量部、さらに好ましくは100質量部である。一方、機械的強度および成形品表面の平滑性に優れる点から、PAS樹脂100質量部に対して、その上限値が、好ましくは400質量部、より好ましくは350質量部、さらに好ましくは300質量部、特に好ましくは250質量部である。
本発明のPAS樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤を任意成分として含有することができる。これら充填剤としては本発明の効果を損なうものでなければ公知慣用の材料を用いることもでき、例えば、繊維状のものや、粒状や板状などの非繊維状のものなど、さまざまな形状の充填剤等が挙げられる。具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、シランガラス繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、金属繊維、チタン酸カリウム、炭化珪素、珪酸カルシウム、ワラストナイト等の繊維、天然繊維等の繊維状充填剤が使用でき、またガラスビーズ、ガラスフレーク、硫酸バリウム、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、セリサイト、マイカ、雲母、タルク、アタパルジャイト、フェライト、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ゼオライト、ミルドファイバー、硫酸カルシウム等の非繊維状充填剤も使用できる。
本発明において充填剤は必須成分ではなく、配合する場合、その含有量は本発明の効果を損ねなければ特に限定されるものではない。充填剤の配合量としては、例えば、PAS樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは10質量部以上から、好ましくは600質量部以下、より好ましくは200質量部以下の範囲である。かかる範囲において、樹脂組成物が良好な機械的強度と成形性を示すため好ましい。
本発明のPAS樹脂組成物は、必要に応じて、シランカップリング剤を任意成分として配合することができる。本発明のPAS樹脂シランカップリング剤としては、本発明の効果を損ねなければ特に限定されないが、カルボキシ基と反応する官能基、例えば、エポキシ基、イソシアナト基、アミノ基または水酸基を有するシランカップリング剤が好ましいものとして挙げられる。このようなシランカップリング剤としては、例えば、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ-イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ-イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ-イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ-イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ-イソシアナトプロピルトリクロロシラン等のイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ-ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン等の水酸基含有アルコキシシラン化合物が挙げられる。本発明においてシランカップリング剤は必須成分ではないが、配合する場合、その配合量は、本発明の効果を損ねなければその添加量は特に限定されないが、PAS樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下までの範囲である。かかる範囲において、樹脂組成物が良好な耐コロナ性と成形性、特に離形性を有し、かつ成形品がエポキシ樹脂と優れた接着性を呈しつつ、さらに機械的強度が向上するため好ましい。
本発明のPAS樹脂組成物は、必要に応じて、熱可塑性エラストマーを任意成分として含有することができる。熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系エラストマー、弗素系エラストマーまたはシリコーン系エラストマーが挙げられ、このうちポリオレフィン系エラストマーが好ましいものとして挙げられる。これらのエラストマーを添加する場合、その配合量は、本発明の効果を損ねなければ特に限定されないが、PAS樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下までの範囲である。かかる範囲において、得られるPAS樹脂組成物の耐衝撃性が向上するため好ましい。
例えば、前記ポリオレフィン系エラストマーは、α-オレフィンの単独重合体、または2以上のα-オレフィンの共重合体、1または2以上のα-オレフィンと、官能基を有するビニル重合性化合物との共重合体が挙げられる。この際、前記α-オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1-ブテン等の炭素原子数が2以上から8以下までの範囲のα-オレフィンが挙げられる。また、前記官能基としては、カルボキシ基、酸無水物基(-C(=O)OC(=O)-)、エポキシ基、アミノ基、水酸基、メルカプト基、イソシアネート基、オキサゾリン基等が挙げられる。そして、前記官能基を有するビニル重合性化合物としては、酢酸ビニル;(メタ)アクリル酸等のα,β-不飽和カルボン酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のα,β-不飽和カルボン酸のアルキルエステル;アイオノマー等のα,β-不飽和カルボン酸の金属塩(金属としてはナトリウムなどのアルカリ金属、カルシウムなどのアルカリ土類金属、亜鉛等);グリシジルメタクリレート等のα,β-不飽和カルボン酸のグリシジルエステル等;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のα,β-不飽和ジカルボン酸;前記α,β-不飽和ジカルボン酸の誘導体(モノエステル、ジエステル、酸無水物)等の1種または2種以上が挙げられる。上述の熱可塑性エラストマーは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
更に、本発明のPAS樹脂組成物は、上記成分に加えて、さらに用途に応じて、適宜、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアリーレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ四弗化エチレン樹脂、ポリ二弗化エチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、液晶ポリマー等の合成樹脂(以下、単に合成樹脂という)を任意成分として配合することができる。本発明において前記合成樹脂は必須成分ではないが、配合する場合、その配合の割合は本発明の効果を損ねなければ特に限定されるものではなく、また、それぞれの目的に応じて異なり、一概に規定することはできないが、本発明に係る樹脂組成物中に配合する合成樹脂の割合として、例えばPAS樹脂100質量部に対し5質量部以上の範囲であり、15質量部以下の範囲の程度が挙げられる。換言すれば、PAS樹脂(A)と合成樹脂との合計に対してPAS樹脂の割合は質量基準で、好ましくは(100/115)以上の範囲であり、より好ましくは(100/105)以上の範囲である。
また本発明のPAS樹脂組成物は、その他にも着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、発泡剤、難燃剤、難燃助剤、防錆剤、およびカップリング剤等の公知慣用の添加剤を必要に応じ、任意成分として含有してもよい。これらの添加剤は必須成分ではなく、例えば、PAS樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上の範囲であり、好ましくは1000質量部以下の範囲で、本発明の効果を損なわないよう目的や用途に応じて適宜調整して用いればよい。
本発明のPAS樹脂組成物の製造方法は、PAS樹脂と、円形度が0.8未満の範囲である炭酸マグネシウムとを必須成分として配合し、PAS樹脂の融点以上の温度範囲で溶融混錬する工程を有する。以下、詳述する。
本発明のPAS樹脂組成物は、各必須成分、および必要に応じてその他の任意成分を配合してなる。本発明に用いる樹脂組成物を製造する方法としては、特に限定されないが、必須成分と必要に応じて任意成分を配合して、溶融混錬する方法、より詳しくは、必要に応じてタンブラーまたはヘンシェルミキサー等で均一に乾式混合し、次いで、二軸押出機に投入して溶融混練する方法が挙げられる。
溶融混錬は、樹脂温度がPAS樹脂の融点以上となる温度範囲、好ましくは該融点+10℃以上となる温度範囲、より好ましくは該融点+10℃以上、さらに好ましくは該融点+20℃以上から、好ましくは該融点+100℃以下、より好ましくは該融点+50℃以下までの範囲の温度に加熱して行うことができる。
前記溶融混練機としては分散性や生産性の観点から二軸混練押出機が好ましく、例えば、樹脂成分の吐出量5~500(kg/hr)の範囲と、スクリュー回転数50~500(rpm)の範囲とを適宜調整しながら溶融混練することが好ましく、それらの比率(吐出量/スクリュー回転数)が0.02~5(kg/hr/rpm)の範囲となる条件下に溶融混練することがさらに好ましい。また、溶融混練機への各成分の添加、混合は同時に行ってもよいし、分割して行っても良い。例えば、前記成分のうち、添加剤を添加する場合は、前記二軸混練押出機のサイドフィーダーから該押出機内に投入することが分散性の観点から好ましい。かかるサイドフィーダーの位置は、前記二軸混練押出機のスクリュー全長に対する、該押出機樹脂投入部(トップフィーダー)から該サイドフィーダーまでの距離の比率が、0.1以上であることが好ましく、0.3以上であることがより好ましい。また、かかる比率は0.9以下であることが好ましく、0.7以下であることがより好ましい。
このように溶融混練して得られる本発明に係るPAS樹脂組成物は、前記必須成分と、必要に応じて加える任意成分およびそれらの由来成分を含む溶融混合物であり、該溶融混練後に、公知の方法、例えば、溶融状態の樹脂組成物をストランド状に押出成形した後、ペレット、チップ、顆粒、粉末などの形態に加工してから、必要に応じて100~150℃の温度範囲で予備乾燥を施すことが好ましい。
本発明の成形品はPAS樹脂組成物を成形してなる。また、本発明の成形品の製造方法は、前記PAS樹脂組成物を溶融成形する工程を有する。以下、詳述する。
本発明のPAS樹脂組成物は、射出成形、圧縮成形、コンポジット、シート、パイプなどの押出成形、引抜成形、ブロー成形、トランスファー成形など各種成形に供することが可能であるが、特に離形性にも優れるため射出成形用途に適している。射出成形にて成形する場合、各種成形条件は特に限定されず、通常一般的な方法にて成形することができる。例えば、射出成形機内で、樹脂温度がPAS樹脂の融点以上の温度範囲、好ましくは該融点+10℃以上の温度範囲、より好ましくは融点+10℃~融点+100℃の温度範囲、さらに好ましくは融点+20~融点+50℃の温度範囲で前記PAS樹脂組成物を溶融する工程を経た後、樹脂吐出口よりを金型内に注入して成形すればよい。その際、金型温度も公知の温度範囲、例えば、室温(23℃)~300℃、好ましくは120~180℃に設定すればよい。
本発明のPAS樹脂組成物を成形してなる成形品は、成形品表面に対し表面方向および厚み方向のいずれの方向に対して優れた熱伝導性を示すだけでなく、PAS樹脂が本来有する特性に優れ、特に、機械的強度にも優れる。このことから、放熱性ないし熱伝導性が必要とされる各種製品に用いられる部材として好適に用いることができる。本発明のPAS樹脂組成物を成形してなる成形品の有する熱伝導率は特に限定されるものではないが、例えば、成形品の表面方向における熱伝導度(ただし、ホットディスク法による測定)が好ましくは0.65〔W/m・K〕以上、より好ましくは0.69〔W/m・K〕以上、さらに好ましくは0.70〔W/m・K〕以上の範囲であり、かつ、厚み方向における熱伝導度(ただし、キセノンフラッシュ法による測定)が、好ましくは0.65〔W/m・K〕以上、より好ましくは0.67〔W/m・K〕以上、さらに好ましくは0.69〔W/m・K〕以上の範囲とすることができる。成形品の表面方向の熱伝導率に関して、上限値は特定されないが、例えば、1.5〔W/m・K〕以下、好ましくは1.2〔W/m・K〕以下の範囲が挙げられる。また、厚み方向の熱伝導率に関しても、上限値は特定されないが、例えば例えば、1.5〔W/m・K〕以下、好ましくは1.2〔W/m・K〕以下の範囲が挙げられる。
当該成形品の用途としては、特に限定されるものではなく各種製品として用いることが可能であるが、特に熱源に対して高い放熱特性を示す放熱部材ないし熱伝導性部材として用いることが好ましく、発熱部材または放熱部材と接合された複合成形品や、PAS樹脂単独の成形品等として用いることができる。本発明のPAS樹脂組成物と接合する発熱部材としては電子回路、その他各種発熱し得る部品や、さらにアルミダイキャストなどの金属等の放熱部材により構成される部品であってもよい。前記発熱部材と接合された複合成形品の接合方法としては、例えばインサート射出成形、振動溶着、赤外溶着、電磁誘導加熱、およびこれらを組み合わせた接合方法を用いることができる。
本発明のPAS樹脂組成物の成形品および複合成形品の製品としては、例えば、自動車のエンジンコントロールユニット用、またはモーター用の放熱部材、LED用基板の放熱部材、各種電気・電子機器基板用のヒートシンク等が例示される。また、本発明の成形品は放熱部材のみではなく、以下のような通常の樹脂成形品とすることもできる。例えば箱型の電気・電子部品集積モジュール用保護・支持部材・複数の個別半導体またはモジュール、センサ、LEDランプ、コネクタ、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサ、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナ、スピーカ、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モータ、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、端子台、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダ、パラボラアンテナ、コンピュータ関連部品等に代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤ、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザディスク・コンパクトディスク・DVDディスク・ブルーレイディスク等の音声・映像機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライタ部品、ワードプロセッサ部品、あるいは給湯機や風呂の湯量、温度センサなどの水回り機器部品等に代表される家庭、事務電気製品部品;オフィスコンピュータ関連部品、電話器関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライタ、タイプライタなどに代表される機械関連部品:顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計等に代表される光学機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクタ、ブラシホルダー、スリップリング、ICレギュレータ、ライトディマ用ポテンシオメーターベース、リレーブロック、インヒビタースイッチ、排気ガスバルブ等の各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディ、キャブレタースペーサ、排気ガスセンサ、冷却水センサ、油温センサ、ブレーキパットウェアーセンサ、スロットルポジションセンサ、クランクシャフトポジションセンサ、エアーフローメータ、ブレーキパッド摩耗センサ、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダ、ウォーターポンプインペラ、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュータ、スタータースイッチ、イグニッションコイルおよびそのボビン、モーターインシュレータ、モーターロータ、モーターコア、スターターリレ、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクタ、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターロータ、ランプソケット、ランプリフレクタ、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルタ、点火装置ケース等の自動車・車両関連部品が挙げられ、その他各種用途にも適用可能である。
以下、実施例、比較例を用いて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下、特に断りが無い場合「%」や「部」は質量基準とする。
<MD/TD曲げ強さの測定>
試験片として流動方向(MD)の評価用としてISO TYPE-Aダンベルを、流動と直角方向(TD)の評価用としてISO D2シートから25mm幅で切り出したものを作製し、測定試験に用いた。なお、ウェルド部を含まない試験片となるよう前記ダンベル片端部またはISO D2シートの1点ゲートから樹脂を射出して作製した。
曲げ強さの測定として、ISO178「プラスチック-曲げ特性の求め方」の測定方法に準拠して、各実施例および比較例で得られた組成物からなる試験片について測定を行った。
<熱伝導率の測定(キセノンフラッシュ法、ホットディスク法)>
試験片として縦横それぞれ10mm、厚み2mmの平板を各実施例および比較例について作製し、試験に用いた。なお、表中「表面」とは射出成形時の成形品の表面方向を、「深さ」とは該成形品の射出成形時の樹脂流れ方向に対して垂直方向(厚み方向)をそれぞれ意味するものとする。熱伝導率の測定は、成形品の表面方向をJIS R 1611「ファインセラミックスのフラッシュ法による熱拡散率・比熱容量・熱伝導率の測定方法」に準拠して、測定した。また、ISO D2シート(60mm×60mm×厚み2mm)を試験片とし、成形品の深さ方向をISO 22007-2に準拠して、測定した。
<溶融粘度>
実施例においてポリアリーレンスルフィド樹脂のV6溶融粘度は、300℃での溶融粘度(V6)を、島津製作所製フローテスター「CFT-500D」を用い、300℃、荷重:1.96×10Pa、L/D=10(mm)/1(mm)の条件にて、6分間保持した後に測定した値である。
<炭酸マグネシウムの粒子径測定>
レーザー回折・散乱法(JIS Z8825)に準拠した方法で測定を行い、各試料の数平均粒子径を算出した。
<実施例1~3及び比較例1>
表1記載する組成成分および配合量にしたがい、各材料を配合した。その後、株式会社日本製鋼所製ベント付2軸押出機「TEX-30(製品名)」にこれら配合材料を投入し、樹脂成分吐出量25kg/hr、スクリュー回転数200rpm。設定樹脂温度330℃で溶融混練して樹脂組成物のペレットを得た。ガラス繊維はサイドフィーダーから投入し、それ以外の材料はタンブラーで予め均一に混合しトップフィーダーから投入した。得られた樹脂組成物のペレットを140℃ギヤオーブンで2時間乾燥した後、射出成形することで各種試験片を作製し、下記の試験を行った。各試験結果を表1に示す。
Figure 0007136372000007

なお、表1~3中の配合成分の配合比率は質量部を表し、下記のものを用いた。
・PAS樹脂成分
A1:ポリフェニレンスルフィド樹脂(V6溶融粘度10Pa・s)
・炭酸マグネシウム
B1:ソブエクレー社製炭酸マグネシウム「マグネサイト微粉」を120メッシュ(捕捉粒子径125μm超)のフィルターを利用して加圧濾過して捕捉粒子を除き、粒子を得た(D50=17.9μm、円形度0.68)
B2:ソブエクレー社製炭酸マグネシウム「マグネサイト」を50メッシュ(捕捉粒子径297μm超)のフィルターを利用して加圧濾過して捕捉粒子を除き、粒子を得た(D50=27.9μm、円形度0.66)
B3:ソブエクレー社製炭酸マグネシウム「マグネサイト」を400メッシュ(捕捉粒子径37μm超)のフィルターを利用して加圧濾過して、捕捉粒子を回収した(D50=43.6μm、円形度0.65)。
b4:神島化学工業株式会社製炭酸マグネシウム「マグサーモ MS-PS」(D50=10.6μm、円形度0.83、最大粒子径44μm)
・充填剤成分
C :ガラス繊維、オーウェンスコーニング社製「FT-562」
実施例のものは、比較例に比して、表面方向および厚み(深さ)方向の熱伝導率に優れたものとなった。

Claims (13)

  1. ポリアリーレンスルフィド樹脂と、円形度が0.50以上から0.8未満の範囲である無水炭酸マグネシウムとを必須成分として配合してなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
    (ただし、円形度は倍率(200倍)で撮影した投影画像中の50~100個の炭酸マグネシウムの投影面積(S)および周囲長(L)の測定結果から、下記数式(1)で算出した値の数平均値である。)
    Figure 0007136372000008
  2. 前記無水炭酸マグネシウムの平均粒子径(D50)が45μm以下の範囲である、請求項1記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  3. 前記無水炭酸マグネシウムの粒子径が300μm以下の範囲である、請求項1又は2記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  4. ポリアリーレンスルフィド樹脂100質量部に対して、前記無水炭酸マグネシウムが20~400質量部の範囲である請求項1~3の何れか一項に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  5. 熱伝導性材料用である請求項1~4の何れか一項に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  6. 請求項1~5の何れか一項に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形してなる成形品。
  7. 成形品の表面方向における熱伝導度(ただし、ホットディスク法による測定)が0.65〔W/m・K〕以上の範囲であり、かつ、厚み方向における熱伝導度(ただし、キセノンフラッシュ法による測定)が0.65〔W/m・K〕以上の範囲である請求項6記載の成形品。
  8. ポリアリーレンスルフィド樹脂と、円形度が0.50以上から0.8未満の範囲である無水炭酸マグネシウムとを必須成分として配合し、ポリアリーレンスルフィド樹脂の融点以上の温度範囲で溶融混錬する工程を有する、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法。
    (ただし、円形度は倍率(200倍)で撮影した投影画像中の50~100個の炭酸マグネシウムの投影面積(S)および周囲長(L)の測定結果から、下記数式(1)で算出した値の数平均値である。)
    Figure 0007136372000009
  9. 前記無水炭酸マグネシウムの平均粒子径(D50)が45μm以下の範囲である、請求項8に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法。
  10. 前記無水炭酸マグネシウムの粒子径が300μm以下の範囲である、請求項8又は9に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法。
  11. 前記無水炭酸マグネシウムを、目開き297μmのフィルターで篩分けする工程を含む請求項8~10の何れか一項に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法。
  12. 前記無水炭酸マグネシウムを破砕する工程を含む、請求項8~11の何れか一項に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法。
  13. 請求項1~5の何れか一項に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を溶融成形する工程を有する成形品の製造方法。
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