JP2015009632A - 車輪操舵装置 - Google Patents

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Ryosuke Yamazaki
亮輔 山崎
亮 河内
Ryo Kawauchi
亮 河内
忠嗣 高田
Tadatsugu Takada
忠嗣 高田
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Abstract

【課題】中空円筒体の回転運動をロッドの直線運動に変換する送りねじ機構を有し、上下方向に作用する外力に対して充分な強度の摺動部によってロッドと中空円筒体が摺接している車輪操舵装置を提供することを課題とする。【解決手段】中空円筒体18がロッド12の軸線回りに回転してロッド12を軸線方向に直線運動させる車輪操舵装置とする。そして、ロッド12が、C字形状のスライドブッシュ121を介して中空円筒体18のガイド面18aに摺接し、スライドブッシュ121は、ロッド12の軸線回りに回る回動が回動防止突起121bによって規制され、車輪操舵装置が備わる車両の上下方向に対してロッド12の軸線回りに所定の角度だけ回動した位置でC字形状の切断部121aが停止していることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、車両の車輪操舵装置に関する。
運転者のハンドル操作に応じて前輪が転舵する四輪車両の後輪を操舵する四輪操舵の技術は、例えば、特許文献1に記載されているように広く周知の技術である。
特許文献1に記載される後輪操舵装置(車輪操舵装置)は、タイロッドの全長を可変にして後輪を転舵する構成であり、モータの回転運動をボールねじ(送りねじ機構)で軸部(ロッド)の直線運動に変換してタイロッドの全長を変化させている。
特許第4942739号公報
特許文献1に記載されるタイロッドは、直線運動する軸部がケーシングを摺動するように構成されている。このようなタイロッドでは、軸部の摺動部にスライドブッシュ(摺動部材)を設けることによって軸部の直線運動を滑らかにすることができる。
しかしながら、軸部には、車両が走行するときに上下方向に振動する後輪から上下方向に作用する外力が周期的に入力されるため、軸部にスライドブッシュが備わる場合、スライドブッシュには上下方向に作用する外力に対する強度が要求される。
例えば、断面形状が円形を呈する軸部に円環状のスライドブッシュが嵌め込まれた構成の場合、円環状を呈するスライドブッシュは周方向に均一な強度を有するため上下方向に作用する外力に充分に耐えることができる。しかしながら、スライドブッシュが軸部から抜け落ちることを防止する構造が必要になるため軸部の構造が複雑になる。
また、円環状の外周の一部に、所定の幅で周方向に開いた切断部が形成され、周方向に不連続となったC字形状のスライドブッシュであれば、例えば、作業者は切断部を開くようにC字形状のスライドブッシュを弾性変形させて軸部に嵌め込むことができる。この場合、スライドブッシュが嵌合する溝部が軸部に凹設されていればスライドブッシュが抜け落ちることはないため、抜け落ち防止構造が不要になって簡単な構造の軸部とすることができる。しかしながら、このようなC字形状のスライドブッシュは、切断部の部分が脆弱であるため、この部分に集中して外力が入力されると磨耗や破損が生じる場合がある。
そこで、本発明は、中空円筒体の回転運動をロッドの直線運動に変換する送りねじ機構を有し、上下方向に作用する外力に対して充分な強度の摺動部によってロッドと中空円筒体が摺接している車輪操舵装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため本発明は、中空円筒体の内周面に形成される内歯と、前記中空円筒体に挿通されるロッドの外周面に形成される外歯と、が螺合し、モータが出力する回転動力で、前記中空円筒体が前記ロッドの軸線回りに回転して前記ロッドを軸線方向に直線運動させる送りねじ機構を備え、車両の走行輪となる車輪を回転自在に支持するナックルを、直線運動する前記ロッドで所定の転舵軸回りに回動させて前記車輪を操舵する車輪操舵装置とする。そして、前記ロッドが、前記外周面に軸線回りに凹設される溝部に環装される摺動部材を介して前記中空円筒体の内周面に摺接し、前記摺動部材が、円環状の周方向に所定の幅で開いた切断部を有するC字形状に形成されるとともに、前記溝部に向かって凸設される突起部を有し、前記突起部が、前記溝部に形成される係合部に係合して、前記ロッドの軸線回りに回る前記摺動部材の回動を規制し、前記切断部が、前記車両の上下方向に対して前記ロッドの軸線回りに所定の角度だけ回動した位置で停止していることを特徴とする。
本発明によると、ロッドを直線運動させる送りねじ機構を構成する中空円筒体の内周面と、ロッドと、を摺動部材を介して摺接させることができる。これによって、ロッドを充分な支持力で中空円筒体に支持させることができる。また、摺動部材がC字形状であるため、ロッドに環装させやすく、複雑な構造の抜け止めも不要となる。そして、C字形状の切断部が車両の上下方向に対してロッドの軸線回りに所定の角度だけ回動した位置で停止しているため、車両の上下方向に作用する外力のうちの切断部に作用する成分を小さくできる。したがって、他の箇所よりも脆弱な切断部に作用する力が軽減されるため、上下方向に作用する外力に対して充分な強度を有する摺動部材とすることができる。
また本発明は、前記ロッドの軸線方向が前記車両の車幅方向であって、前記所定の角度が90度であり、前記切断部が、前記車両の前方または後方を向いた位置で停止していることを特徴とする。
本発明によると、ロッドの軸線方向が車両の車幅方向である場合には、切断部が車両の前方または後方を向いた位置(上下方向に対して、90度回動した位置)になるように摺動部材を停止させることで、上下方向に作用する外力によって切断部に作用する力を最も軽減できる。したがって、上下方向に作用する外力に対して充分な強度を有する摺動部材とすることができる。
また本発明は、前記突起部が前記溝部の側壁部に向かって凸設され、前記係合部が前記側壁部に形成されていることを特徴とする。
本発明によると、摺動部材に形成される突起部が、溝部の側壁部に形成される係合部に係合して摺動部材の回動が規制される。
また、本発明の前記摺動部材は、前記C字形状の内周側が金属部で形成され、前記金属部の外周側に樹脂部が形成された二層構造であることを特徴とする。
本発明によると、C字形状の内周側を金属部で形成した摺動部材とすることができる。金属部は弾性を有するため、摺動部材は切断部が開くように弾性変形可能になり、ロッドへ容易に取り付けられる摺動部材とすることができる。また、摺動部材は、金属部の外周側に樹脂部が形成されているため、中空円筒体に対する摺動性能が向上する。
摺動部材に樹脂部が形成されていないと金属部が中空円筒体に摺接することになるが、中空円筒体は強度を確保するため金属製(アルミ合金等)である場合が多く、この場合には金属同士が摺接することになる。そして、摺動部材または中空円筒体の少なくとも一方が激しく磨耗する虞がある。本発明の摺動部材は、外周側に樹脂部が形成されているため、金属同士の摺接を回避することができ、これによって磨耗を抑制することができるため摺動性能が向上する。
また、本発明は、前記車輪に、前記車両の前方に配設される前輪と、前記車両の後方に配設される後輪と、が含まれ、車輪操舵装置が、前記後輪を回転自在に支持する前記ナックルを前記ロッドで回動させて前記後輪を操舵することを特徴とする。
本発明によると、前輪と後輪を有する車両(四輪車両)の後輪を操舵できる車両操舵装置とすることができる。
本発明によると、中空円筒体の回転運動をロッドの直線運動に変換する送りねじ機構を有し、上下方向に作用する外力に対して充分な強度の摺動部によってロッドと中空円筒体が摺接している車輪操舵装置を提供できる。
本実施形態に係る車輪操舵装置が組み込まれた車両のリヤサスペンション周辺を示す図である。 本実施形態に係る車輪操舵装置の縦断面図である。 (a)は中空円筒体の内周面に形成されるガイド面およびロッドに形成される摺動部の構造を示す斜視断面図、(b)は摺動部の拡径部と、拡径部に環装されるスライドブッシュを示す斜視図である。 スライドブッシュに入力される外力を模式的に示す図であり、(a)は切断部が車両の上方を向いた状態を示す図、(b)は切断部が車両の上方に対してθ度だけ回動した位置にある状態を示す図である。 スライドブッシュの二層構造を示す図である。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る車輪操舵装置が組み込まれた車両のリヤサスペンション周辺を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の車両(四輪操舵車両)1に備わるリヤサスペンション2は、例えば、ダブルウイッシュボーン式であり、車両1の走行輪となる車輪(後輪3)を回転自在に支持するナックル4と、ナックル4を上下動可能に車体に連結するアッパーアーム5およびロアアーム6と、後輪3のトー角やキャンバ角等のホイールアライメントを制御(調整・変更)可能に構成される車輪操舵装置7と、後輪3の上下動を緩衝するダンパ8と、を有している。車輪操舵装置7は、基端とする一端がゴムブッシュジョイント9を介して車体(図示せず)に連結され、先端とする一端がゴムブッシュジョイント10を介してナックル4の後部(又は後下部)に連結されている。
さらに、本実施形態のナックル4は、ロアアーム6と転舵軸3aを介して接続され、ロアアーム6に対して転舵軸3aの回りに回動自在に構成されている。そして、ナックル4が転舵軸3aを中心に回動して後輪3が転舵するように構成される。
図2は、本実施形態に係る車輪操舵装置の縦断面図である。
図2に示すように、車輪操舵装置7は、車体(図示せず)に連結されるゴムブッシュジョイント9が一体に設けられたハウジング11と、ナックル4(図1参照)に連結されるゴムブッシュジョイント10が一体に設けられたロッド12と、を有している。ゴムブッシュジョイント10はロッド12の長手方向端部に形成され、ロッド12は、ゴムブッシュジョイント10(先端)とゴムブッシュジョイント9(基端)が、ロッド12の長手方向で車輪操舵装置7の両端となるように備わっている。また、ロッド12は、ハウジング11に対し、長手方向に変位して収容可能に備わり、ロッド12が、ハウジング11に進入する方向に変位すると車輪操舵装置7が収縮する。一方、ロッド12が、ハウジング11から退出する方向に変位すると車輪操舵装置7が伸長する。
そして、車輪操舵装置7が伸長すると、図1に示すナックル4の後部(又は後下部)が車幅方向外側に押されてナックル4が転舵軸3a回りに回動し、後輪3のトー角がトーイン方向に変化する(キャンバ角が小さくなる方向に変化する)。また、車輪操舵装置7が収縮すると、ナックル4の後部(又は後下部)が車幅方向内側に引かれてナックル4が転舵軸3a回りに回動し、後輪3のトー角がトーアウト方向に変化する(キャンバ角が大きくなる方向に変化する)。
このように、本実施形態の車輪操舵装置7は、直線運動するロッド12がナックル4を転舵軸3aの回りに回動させて後輪3を操舵するように構成されている。
例えば、車輪操舵装置7が図示しない制御装置で制御される構成とすることも可能である。この場合、図示しない前輪(転舵輪)の転舵角が小さいときに、図1に示す後輪3が前輪と同じ方向に転舵するように車輪操舵装置7が制御される構成としてもよい(同相制御)。これによって、例えば高速道路を走行する車両1の安定したレーンチェンジ(走行車線の変更)が実現される。
また、前輪(転舵輪)の転舵角が大きいときに、後輪3が前輪と逆の方向に転舵するように車輪操舵装置7が制御される構成としてもよい(逆相制御)。これによって、車両1の旋回半径が小さくなり転回性能の向上が実現される。
このように、制御装置(図示せず)で制御される車輪操舵装置7が備わる車両1は、走行性能の向上が可能となる。前記した同相制御や逆相制御は一例に過ぎず、車輪操舵装置7が、車両1の走行状態(高速走行、低速走行、衝突回避走行など)や走行している路面の状態(傾斜路、低μ路など)に応じて適宜制御される構成であればよい。
なお、本実施形態の車輪操舵装置7は、ロッド12の長手方向への直線運動で伸縮して後輪3(図1参照)を転舵する構成であり、ロッド12は、車両1(図1参照)の車幅方向に直線運動するように構成されている。つまり、ロッド12が直線運動する方向が車両1の車幅方向になる。よって、図2は、上下方向が車両1の前後方向になり、例えば図2の上方が車両1の前方であれば下方が車両1の後方になる。
ハウジング11には、駆動源となるブラシ付きのモータ13と、減速機17と、送りねじ機構20と、が設けられている。モータ13は、減速機17に連結される回転軸14を回転させる。また、減速機17は、複数のギアで構成される(図2の例では、第1ギア15と第2ギア16の2つで構成される)。
第1ギア15は、回転軸14に直結されて(例えば、回転軸14に形成されて)、回転軸14と同じ回転速度で回転する。また、第2ギア16は、直径(歯先円直径)が第1ギア15よりも大きいギアとする。すなわち、第2ギア16は、減速機17を構成する複数のギア(第1ギア15,第2ギア16)の中で最も歯先円直径が大きいギアとする。
第2ギア16は、第1ギア15と噛みあい、第1ギア15の回転運動に応じて自身も回転運動する。第2ギア16は、第1ギア15よりも歯先円直径が大きいため、第2ギア16の回転速度は第1ギア15の回転速度より遅くなる。このように、減速機17は、モータ13(回転軸14)の回転速度を、互いに噛み合う第1ギア15と第2ギア16で減速するように構成される。
また、車輪操舵装置7には、回転部(中空円筒体18の内周面に形成される内歯20a)と直動部(ロッド12の外周面に形成される外歯20b)を含んで構成される送りねじ機構20が備わる。中空円筒体18にはロッド12が軸線方向に挿通される。また、中空円筒体18は、転がり軸受等の軸受部材11aを介してハウジング11に取り付けられ、ロッド12の軸線回りに回転自在に構成される。そして、中空円筒体18は、減速機17の第2ギア16と一体に回転可能に構成される。したがって、モータ13(回転軸14)の回転運動は、減速機17で回転速度が減速されて中空円筒体18に伝達される。つまり、中空円筒体18は、モータ13が出力する回転動力でロッド12の軸線回りに回転する。なお、本実施形態において、ロッド12の軸線方向は、車両1(図1参照)の車幅方向になる。
また、中空円筒体18に挿通されたロッド12の外歯20bと、中空円筒体18の内歯20aが螺合するように構成される。
外歯20bが形成されるロッド12は軸線回りの回転が規制されるため、中空円筒体18が回転運動すると、内歯20aと噛み合う外歯20bがロッド12の軸線方向に送られ、ロッド12は軸線方向に直線運動する。このように、送りねじ機構20によって、中空円筒体18の回転運動がロッド12の直線運動に変換される。そして、ロッド12は、この直線運動によってハウジング11に対して変位し車輪操舵装置7を伸縮させる。
なお、図2に示すように、ロッド12や中空円筒体18を外部から覆うとともに、ロッド12の変位に応じて伸縮するブーツ11bがハウジング11に備わっている。このようなブーツ11bが備わることによって、中空円筒体18等にゴミなどの異物が付着することが抑制され、ロッド12の滑らかな直線運動(変位)が維持される。
以上のように、送りねじ機構20は、ロッド12に形成される外歯20bが中空円筒体18の内歯20aと螺合し、中空円筒体18の回転でロッド12が変位するように構成される。しかしながら、内歯20aと外歯20bの螺合のみでロッド12が中空円筒体18に支持される構成では充分な支持力が得られない。例えば、後輪3(図1参照)からゴムブッシュジョイント10を介してロッド12に入力される外力によって、中空円筒体18の内歯20aを支点とするモーメントがロッド12に発生すると、ロッド12が中空円筒体18に対して傾斜しロッド12の滑らかな直線運動(変位)が阻害される。
そこで、ロッド12の端部に摺動部12aが形成され、中空円筒体18の内周面に形成されるガイド面18aに摺動部12aが摺接する構成とする。
ガイド面18aは、中空円筒体18の内周面の一部として形成され、ロッド12の摺動部12aがガイド面18aに摺接するように形成される。このような構成であれば、後輪3(図1参照)からゴムブッシュジョイント10を介してロッド12に入力される外力によって中空円筒体18の内歯20aを支点とするモーメントがロッド12に発生しても、摺動部12aとガイド面18aの接触によって摺動部12aの回動が規制されてロッド12の傾斜が抑制される。
図3の(a)は中空円筒体に形成されるガイド面およびロッドに形成される摺動部の構造を示す斜視断面図、(b)は摺動部の拡径部と、拡径部に環装されるスライドブッシュを示す斜視図である。
図3の(a)に示すように、摺動部12aは、ロッド12の端部(ゴムブッシュジョイント10と対極側の端部)が拡径した拡径部120と、拡径部120の外周に環装される摺動部材(スライドブッシュ121)と、を含んで構成される。そして、摺動部12aは、拡径部120に環装されるスライドブッシュ121が、中空円筒体18のガイド面18aに摺接するように構成される。
図3の(b)に示すように、拡径部120はロッド12の軸線を中心とする円筒状を呈し、拡径部120の外周には、溝底部120aの両端に側壁部120bが起立した溝部が凹設されている。そして、スライドブッシュ121は、拡径部120の溝底部120aに環装されて溝部に嵌合する円環状を呈する。
拡径部120はロッド12が拡径して形成されるため、拡径部120の外周に凹設される溝部(溝底部120a,側壁部120b)は、ロッド12の外周面に凹設されることになる。したがって、拡径部120の外周に環装されるスライドブッシュ121は、ロッド12の外周面に凹設される溝部に環装されるものである。
なお、拡径部120は、ロッド12の外径とガイド面18aの内径の寸法差を調整するために形成されるものであり、ロッド12の外径とガイド面18aの内径の寸法差が小さい場合には、拡径部120が形成されない摺動部12aであってもよい。
この場合もロッド12の外周面に溝部(溝底部120a,側壁部120b)が凹設され、この溝部にスライドブッシュ121が環装される構成とすればよい。
また、本実施形態のスライドブッシュ121には、円環状の周方向に所定の幅で開く切断部121aが形成されており、スライドブッシュ121は、側面視でC字形状(周方向に不連続な円環状)を呈する。なお、切断部121aの幅(周方向の幅)の大きさは限定されるものではない。
さらに、スライドブッシュ121には、ロッド12の拡径部120に環装された状態での溝底部120aに沿った、ロッド12の軸線回りに回る回転(回動)を防止する爪状部(回動防止突起121b)が形成されている。回動防止突起121bは、拡径部120に環装されたスライドブッシュ121の端部から側壁部120bの側に向かって凸設される突起部として形成される。
また、ロッド12の拡径部120には、回動防止突起121bが係合する係合部120cが形成される。係合部120cは、側壁部120bの一部が回動防止突起121bの形状に切り欠かれて形成され、スライドブッシュ121が拡径部120の溝底部120aに環装されたときに、回動防止突起121bが係合部120cに嵌合するように構成される。このような回動防止突起121bと係合部120cの係合によって、溝底部120aに沿ったスライドブッシュ121の回動(ロッド12の軸線回りに回る回転)が規制される。
また、回動防止突起121bと係合部120cが係合したとき、切断部121aが車両1(図1参照)の上方に対し、前方または後方に所定の角度θ度(但し、「0<θ<180」とする)だけ回動した方向を向くように、スライドブッシュ121が拡径部120に環装される構成であることが好ましい。
図4はスライドブッシュに入力される外力を模式的に示す図であり、(a)は切断部が車両の上方を向いた状態を示す図、(b)は切断部が車両の上方に対してθ度だけ回動した位置にある状態を示す図である。また、図5はスライドブッシュの二層構造を示す図である。なお、図4の(a)、(b)は、拡径部120およびガイド面18aをロッド12の軸線方向から見た図(模式図)である。また、図4の(a),(b)は、スライドブッシュ121とガイド面18aの間隙を誇張して図示したものであり、実際のスライドブッシュ121は、ガイド面18aの内周面に大きな間隙なく摺接している。
車両1(図1参照)が走行すると後輪3(図1参照)が路面の凹凸等に応じて上下方向に振動し、その振動がゴムブッシュジョイント10(図2参照)を介してロッド12に伝達される。したがって、車両1の走行中、ロッド12には上下方向に作用する外力(図4では「Pv」で示す)が周期的に入力される。ロッド12に入力された外力Pvは、拡径部120まで伝達され、スライドブッシュ121を介して中空円筒体18(ガイド面18a)に入力される。したがって、図4の(a)に示すように、拡径部120に環装されるスライドブッシュ121には上下方向に作用する外力Pvが入力される。
図4の(a)に示すように、切断部121aが車両1(図1参照)の上方を向いた状態のとき、切断部121aの位置に、上方向に作用する外力Pvが周期的に入力されて切断部121aは周期的にガイド面18aに押圧される。切断部121aが中空円筒体18に押圧された状態でロッド12が直線運動すると、スライドブッシュ121は、切断部121aの部分が押圧された状態でガイド面18aを摺動することになる。切断部121aの部分(例えば、端部)は他の部分に比べて脆弱な部分であり、この部分が外力Pvで押圧された状態でスライドブッシュ121がガイド面18aを摺動すると、スライドブッシュ121の磨耗や破損が促進される。
しかしながら、図4の(b)に示すように、切断部121aが車両1(図1参照)の上方に対して「θ度」の角度だけ回動した位置にあると、切断部121aには、上方向に作用する外力Pvのコサイン成分(Pv×Cosθ)が作用する。したがって、切断部121aに作用する力が小さくなり、ロッド12が直線運動したときの、スライドブッシュ121の磨耗や破損が抑制される。
なお、スライドブッシュ121の磨耗や破損が最も抑制されるのは、切断部121aの方向に作用する外力Pvのコサイン成分が最も小さい状態であり、図4の(b)に示す角度「θ度」が「90度」のときである。つまり、切断部121aが、溝底部120a(図3の(b)参照)に沿って、車両1(図1参照)の上下方向に対してロッド12の軸線回りに90度回動した位置にあるとき(切断部121aが、車両1の上下方向に対してロッド12の軸線回りに90度回動した位置にあるとき)、切断部121aの方向に作用する外力Pvのコサイン成分が最も小さくなる。そして、この状態のときに、切断部121aの磨耗や破損が最も抑制される。
また、図4の(a),(b)には、上方向に作用する外力Pvを説明したが、切断部121aが下方に配置される状態のときには、下方向に作用する外力によってスライドブッシュ121の磨耗や破損が促進される。
本実施形態は、スライドブッシュ121が環装される拡径部120を備えるロッド12の軸線方向が車両1(図1参照)の車幅方向であり、スライドブッシュ121はロッド12の軸線回りに回転(回動)するため、切断部121aが車両1の上方を向いた状態からスライドブッシュ121が90度回動すると、切断部121aは車両1の前方または後方を向く。したがって、切断部121aが車両1の前方または後方を向いた位置にあるときに、スライドブッシュ121の磨耗や破損が最も抑制される。
しかしながら、図3の(a)に示すように、スライドブッシュ121は、円筒状の拡径部120の溝底部120a(図3の(b)参照)に環装される構成であり、溝底部120aに沿った、ロッド12の軸線回りに回る回動を規制する機能がないスライドブッシュ121では切断部121aの位置を停止できない。
そこで、本実施形態の車輪操舵装置7(図2参照)は、図3の(b)に示すように、スライドブッシュ121に回動防止突起121bを設けるとともに、拡径部120の側壁部120bに係合部120cを設け、係合部120cに回動防止突起121bを係合させてスライドブッシュ121の回動を規制可能な構成とした。
この構成によって、切断部121aが、車両1(図1参照)の上下方向に対してロッド12の軸線回りに所定の角度θ度だけ(例えば、90度だけ)回動した位置で停止した状態にスライドブッシュ121を維持(固定)することができ、スライドブッシュ121の磨耗や破損を抑制できる。
例えば、ロッド12の軸線方向が車両1の車幅方向のとき、スライドブッシュ121は、切断部121aが、車両1の上方に対して前方または後方に回動した位置で停止した状態に維持(固定)され、スライドブッシュ121の磨耗や破損が抑制される。
なお、スライドブッシュ121の切断部121aの位置を決定する角度θ度は、例えば、車両1(図1参照)に要求される走行性能、スライドブッシュ121の強度、側壁部120bに係合部120cを加工する際の加工性、などを考慮して、車両1の特性値として適宜決定されればよい。
なお、図3の(a)に示すロッド12が、車両1(図1参照)の前後方向に直線動作してナックル4(図1参照)を回動させる構成も考えられる。この場合、ロッド12の軸線方向は車両1の前後方向になる。したがって、切断部121aが車両1の上方を向いた状態から、ロッド12の軸線回りにスライドブッシュ121が回動すると、切断部121aは車両1の車幅方向(左方または右方)に回動する。したがって、切断部121aが車両1の上方に対して左方または右方に回動した位置で停止した状態のときにスライドブッシュ121の磨耗や破損が抑制される。
また、本実施形態のスライドブッシュ121は、図5に示すように、C字形状の内周側が金属部(金属製のバックメタル122a)で形成され、外周側が樹脂部122bで形成される二層構造とした。スライドブッシュ121は、外周側が樹脂部122bで形成されることによって、中空円筒体18のガイド面18a(図3の(a)参照)と好適に摺動可能になる。
また、スライドブッシュ121は、内周側がバックメタル122aで形成されるため、バックメタル122aの弾性で不連続な円環状(C字形状)が維持される。そして、スライドブッシュ121に切断部121aが形成されている場合、バックメタル122aが備える弾性によって、スライドブッシュ121は切断部121aが開くように弾性変形可能である。したがって、スライドブッシュ121は、溝底部120a(図3の(b)参照)が通過するように切断部121aが開かれて拡径部120(溝部)に嵌合される。また、溝底部120aに嵌合したスライドブッシュ121は、バックメタル122aがC字形状を維持することによって拡径部120への嵌合が維持される。
このような構成にすることによって、スライドブッシュ121の抜け止め機構が不要になり、簡素な構造の拡径部120(ロッド12)とすることができる。
以上のように、本実施形態の車輪操舵装置7(図1参照)は、図2に示すように、直線運動するロッド12の摺動部12aが中空円筒体18のガイド面18aを摺動するように構成される。したがって、後輪3(図1参照)からゴムブッシュジョイント10を介してロッド12に入力される外力によるロッド12の傾斜が抑制され、ロッド12の滑らかな直線運動が維持される。また、図3の(a),(b)に示すように、摺動部12aは、拡径部120の溝部(溝底部120a,側壁部120b)にスライドブッシュ121が環装されて構成される。
スライドブッシュ121は、図3の(b)に示すように、円環状の周方向に所定の幅で開く切断部121aが形成され、側面視でC字形状を呈する。また、図5に示すように、スライドブッシュ121は、内周側の金属部(バックメタル122a)と外周側の樹脂部122bからなる二層構造であり、バックメタル122aが有する弾性によって、切断部121aが開くような弾性変形が可能である。
したがって、拡径部120の外周に、図3の(b)に示すような溝部が形成される構成であれば、スライドブッシュ121はバックメタル122aの弾性力によって抜け落ちることなく拡径部120に環装される。このため、拡径部120に複雑な構成の抜け止めは不要であり、簡素な構造のロッド12とすることができる。
また、本実施形態のスライドブッシュ121には、拡径部120の溝底部120aに沿った、ロッド12の軸線回りに回る回動を規制する回動防止突起121bが形成され、拡径部120の側壁部120bには回動防止突起121bが係合する係合部120cが形成されている。したがって、拡径部120に環装されたスライドブッシュ121の切断部121aを所定の位置で停止させておくことができる。このことによって、スライドブッシュ121の磨耗や破損が抑制される位置(例えば、車両1の上下方向に対してロッド12の軸線回りに所定の角度θ度だけ回動した位置)に切断部121aを停止させておくことが可能であり、磨耗や破損に耐性のある摺動部12aとすることができる。
例えば、ロッド12の軸線方向が車両1の車幅方向の場合、切断部121aを、車両1の前方または後方を向いた位置で停止させておくことが可能になる。
なお、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、図3の(b)に示す、スライドブッシュ121の回動防止突起121bや拡径部120の係合部120cが2つ以上形成される構成であってもよい。
また、溝底部120aの両側に形成される側壁部120bの両方に係合部120cが形成され、その係合部120cに対応して、回動防止突起121bが形成される構成であってもよい。
また、図3の(b)に示すように、本実施形態の回動防止突起121bは拡径部120の側壁部120bに向かって凸設され、側壁部120bに係合部120cが形成される構成とした。しかしながら、例えば、回動防止突起121bが拡径部120の溝底部120aに向かって凸設され、回動防止突起121bが係合する係合部(図示せず)が溝底部120aに形成される構成であってもよい。
また、図示はしないが、拡径部120の溝底部120aからスライドブッシュ121に向かって凸設される突起部からなる回動防止突起が、スライドブッシュ121に形成される係合部(凹部)に係合する構成であってもよい。
また、スライドブッシュ121の構成も、図5に示す二層構造に限定されるものではない。例えば、金属製の心材(図示せず)の周囲を樹脂部122bが覆って構成されるスライドブッシュ121であってもよい。
また、スライドブッシュ121の拡径部120からの取り外しが不要である場合、拡径部120の溝底部120aにスライドブッシュ121が貼着される構成であってもよい。この構成であれば、スライドブッシュ121の回動防止突起121bや拡径部120の側壁部120bが不要になり、より簡素な形状の摺動部12a(ロッド12)とすることができる。
1 車両
3 後輪(車輪)
3a 転舵軸
4 ナックル
7 車輪操舵装置
12 ロッド
12a 摺動部
13 モータ
18 中空円筒体
18a ガイド面(摺動部が摺接する内周面)
20 送りねじ機構
20a 内歯
20b 外歯
120a 溝底部(溝部)
120b 側壁部(溝部)
120c 係合部
121 スライドブッシュ(摺動部材)
121a 切断部
121b 回動防止突起(突起部)
122a バックメタル(金属部)
122b 樹脂部

Claims (5)

  1. 中空円筒体の内周面に形成される内歯と、前記中空円筒体に挿通されるロッドの外周面に形成される外歯と、が螺合し、モータが出力する回転動力で、前記中空円筒体が前記ロッドの軸線回りに回転して前記ロッドを軸線方向に直線運動させる送りねじ機構を備え、
    車両の走行輪となる車輪を回転自在に支持するナックルを、直線運動する前記ロッドで所定の転舵軸回りに回動させて前記車輪を操舵する車輪操舵装置であって、
    前記ロッドが、前記外周面に軸線回りに凹設される溝部に環装される摺動部材を介して前記中空円筒体の内周面に摺接し、
    前記摺動部材が、円環状の周方向に所定の幅で開いた切断部を有するC字形状に形成されるとともに、前記溝部に向かって凸設される突起部を有し、
    前記突起部が、前記溝部に形成される係合部に係合して、前記ロッドの軸線回りに回る前記摺動部材の回動を規制し、
    前記切断部が、前記車両の上下方向に対して前記ロッドの軸線回りに所定の角度だけ回動した位置で停止していることを特徴とする車輪操舵装置。
  2. 前記ロッドの軸線方向が前記車両の車幅方向であって、前記所定の角度が90度であり、
    前記切断部が、前記車両の前方または後方を向いた位置で停止していることを特徴とする請求項1に記載の車輪操舵装置。
  3. 前記突起部が前記溝部の側壁部に向かって凸設され、
    前記係合部が前記側壁部に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車輪操舵装置。
  4. 前記摺動部材は、前記C字形状の内周側が金属部で形成され、前記金属部の外周側に樹脂部が形成された二層構造であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車輪操舵装置。
  5. 前記車輪に、前記車両の前方に配設される前輪と、前記車両の後方に配設される後輪と、が含まれ、
    前記後輪を回転自在に支持する前記ナックルを前記ロッドで回動させて前記後輪を操舵することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車輪操舵装置。
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WO2019189100A1 (ja) * 2018-03-27 2019-10-03 Ntn株式会社 転舵機能付ハブユニットおよびこれを備えた車両
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