JP2008024076A - ステアリング装置 - Google Patents

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広司 川上
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Abstract

【課題】車輪が連結されたシャフトの車幅方向への移動を衝撃があまり生じないように規制する。
【解決手段】車両が備える車輪を操舵するためのステアリング装置2は、運転者の操作によるステアリングホイールの回転に応じて、車輪の向きを変化させるために車両の車幅方向に移動するラックバー26が所定範囲以上移動することを規制する移動規制機構100を備える。移動規制機構100は、ラックバー26の移動に伴いラックバー26の移動方向と交差する方向に移動しラックバー26の外周を押圧する。これにより、ラックバー26の移動を衝撃があまり生じないように規制することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両が備える車輪を操舵するためのステアリング装置に関する。
従来、ドライバの操作によるステアリングホイールの回転運動をラックアンドピニオン機構により直線運動に変換し、車輪が連結されたラックを車幅方向に移動させることで車輪を操舵し、車両の進行方向を変えるステアリング装置が知られている。このようなステアリング装置においては、ステアリングホイールを一方向に回転し続けると、向きの変わった車輪がタイヤハウスと干渉してしまうため、ラックの動きを所定の範囲で規制する必要がある。そこで、ラックエンドをラックハウジングに当接させることによってラックの軸方向の移動量を規制することが考えられている。
このように、ラックエンドをラックハウジングに当接させることで、ラックの軸方向の移動は規制することができるが、その際、ラックとラックハウジングが直接当接すると、その衝撃がステアリング装置を構成する各部材に伝わり、ドライバの操作フィーリングの悪化を招くとともに、各部材の耐久性を低下する要因ともなる。
そこで、特許文献1には、ラック両端に取り付けられたボールジョイント側の端面とラックハウジング側の端面との間にゴムなどの弾性体を配し、ラックとラックハウジングが軸方向に当接した際に衝撃を緩和する衝撃緩和装置が開示されている。
特開2005−88777号公報
しかしながら、特許文献1における衝撃緩和装置では、ラックがラックハウジングに当接した際に弾性体が変形することで衝撃を十分に吸収するためには、弾性体の容量を大きくする必要があり、装置の大型化を招くことになる。一方、弾性体の容量を小さくすると、ラックがラックハウジングに当接した際の衝撃を十分に吸収することができずに、サスペンション装置を構成する各構成部材に瞬間的に高いトルクが発生してしまい、各構成部材の耐久性を低下させるおそれがある。
特に、ドライバのステアリングホイールを回す力をアシストする電動式パワーステアリング装置においては、衝撃により瞬間的に高いトルクが発生すると、更に操舵力をアシストするためにモータが過大なトルクを発生させてしまう要因となる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車輪が連結されたシャフトの車幅方向への移動を衝撃があまり生じないように規制する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のステアリング装置は、車両が備える車輪を操舵するためのステアリング装置であって、運転者の操作によるステアリングホイールの回転に応じて、車輪の向きを変化させるために車両の車幅方向に移動するシャフトと、前記シャフトを収容するハウジングと、前記シャフトと前記ハウジングとの間に配置され、前記シャフトの所定範囲以上の移動を規制する移動規制機構と、を備える。前記移動規制機構は、前記シャフトの移動に伴い前記シャフトの移動方向と交差する方向に移動しシャフトの外周を押圧する。
この態様によると、例えば、車庫入れ時や駐車時のように大きな操舵角を必要とする操作を運転者が行った場合、ステアリングホイールの回転に応じてシャフトが大きく移動するが、タイヤが車両本体に当接しないように移動規制機構によりシャフトの所定範囲以上の移動を規制することができる。この際、移動規制機構は、シャフトの移動に伴いシャフトの移動方向と交差する方向からシャフトの外周を押圧するので、移動規制機構とシャフトとの間に摩擦力が発生する。そして、移動規制機構は、この摩擦力を用いてシャフトの移動を規制する。そのため、例えば、固定された緩衝部材にシャフトを直接当接させてシャフトの移動を規制する場合と比較して、移動が規制され始める際の衝撃を簡易な構成により少なくすることができる。また、移動規制機構は、弾性変形しながらシャフトの外周を押圧するので、発生する摩擦力は徐々に高くなり、衝撃を徐々に吸収することができる。
前記移動規制機構は、前記シャフトと係合し、該シャフトとともに移動する環状の係合部と、前記シャフトの移動方向に対して傾斜した第1の傾斜面が形成され、該傾斜面が前記ハウジングの内面と摺動する摺動部と、前記摺動部の内側に前記シャフトと対向するように設けられ、前記シャフトの外周を押圧するための押圧部と、を備えてもよい。前記摺動部は、前記係合部と連動して前記第1の傾斜面が前記ハウジングの内面と摺動することで前記シャフトの移動方向と交差する方向に変位し、前記押圧部は、前記摺動部の変位に伴い前記シャフトの外周を弾性変形しながら押圧する。
この態様によると、環状の係合部は、シャフトが係合されるとシャフトとともに移動する。そして、摺動部は、係合部と連動して摺動部に形成された第1の傾斜面がハウジングの内面と摺動することで、シャフトの移動方向と交差する方向に変位する。押圧部は、摺動部の内側にシャフトと対向するように設けられているので、シャフトの移動に伴い、つまり摺動部の変位に伴いシャフトの外周を押圧する。そのため、例えば、直進時のように運転者によるステアリングホイールの操舵角がニュートラルな状態に近い場合には、押圧部がシャフトから離間され若しくはシャフトを軽く押圧することで、良好な操舵フィーリングを実現することができる。
一方、運転者によるステアリングホイールの操舵角が大きくシャフトが大きく移動する場合には、移動規制機構とシャフトとの間に発生する摩擦力によりシャフトの移動を規制するので、固定された緩衝部材にシャフトを直接当接させてシャフトの移動を規制する場合と比較して、移動が規制され始める際の衝撃を少なくすることができる。また、押圧部は、弾性変形しながらシャフトの外周を押圧するので、発生する摩擦力は徐々に高くなり、衝撃を徐々に吸収することができる。
ここで、摺動部としては、ハウジングに対する摺動性や耐摩耗性が良好な摩擦係数が低い材料が好適である。例えば、高力黄銅系合金や銅系焼結層、リン青銅等の合金をベースとし、固体潤滑剤を埋め込んだ低速・高荷重用無給油軸受を用いることができる。また、押圧部としては、樹脂やゴム等の弾性変形する弾性部材が好適である。なお、押圧部は、ステアリングホイールの操舵角がニュートラルな状態に近い場合には、完全にシャフトから離間されていてもよいが、一部が離間しているだけでもよい。
前記係合部は、径方向にスリットが設けられていてもよい。これにより、環状の係合部は、周方向に変形することが容易となる。そのため、移動規制機構は、より小さな力により摺動部をシャフトの移動方向と交差する方向に変位することが可能となるので、シャフトの一部が係合部に係合した際に発生する衝撃の大きさを抑制することができる。
前記ハウジングの内面は、前記摺動部に形成された第1の傾斜面をガイドする第2の傾斜面が形成されていてもよい。これにより、移動規制機構は、ハウジングの内面が単に円筒状に加工されている場合と比較して、ハウジングの第2の傾斜面に対して第1の傾斜面がガイドされるので傾きにくくなり、安定して移動することが可能となる。また、それに伴い、摺動部は、シャフトの移動方向と交差する方向に精度よく変位することができ、シャフトの外周を均一に押圧することができる。そして、シャフトの速度を徐々に低減することができる。
前記シャフトが前記移動規制機構と係合していない場合における該移動規制機構の位置を規制する位置決め部材と、前記移動規制機構を前記位置決め部材に向かって付勢する付勢部材と、を更に備えてもよい。これにより、移動規制機構は、移動規制機構がシャフトの移動を規制するために移動した場合であっても、例えば、運転者がステアリングホイールをニュートラルに近い状態に戻し、シャフトが移動規制機構と係合していないときには、所定の位置に付勢部材により戻される。そのため、移動規制機構は、長期にわたり安定してシャフトの移動を衝撃があまり生じないように規制することができる。
本発明によれば、車輪が連結されたシャフトの車幅方向への移動を衝撃があまり生じないように規制することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
(第1の実施の形態)
[ステアリング装置]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るステアリング装置2の概略構成図である。本実施の形態に係るステアリング装置2は、車両が備える車輪を操舵するものであり、いわゆるコラムアシスト式電動パワーステアリングとして構成され得るものである。しかし、ステアリング装置は、いわゆる液圧式パワーステアリングとして構成されたものであっても構わない。
ステアリング装置2は、ステアリングホイール4、ステアリングシャフト6、ステアリングコラム8、インターミディエイトシャフト10、ユニバーサルジョイント12,14、ステアリングギヤボックス16、不図示の車輪等を含んで構成されている。そして、ステアリング装置2は、運転者によりステアリングホイール4が回転操作されると車輪が操舵される。ステアリングホイール4は、円環状のリム、ステアリングシャフト6に差し込むハブ、リムとハブを接続するスポークで構成され、車両を操舵するためにドライバにより回転操作される。
ステアリングシャフト6は、上端側においてステアリングホイール4をナットで固着し、ステアリングホイール4の回転力を伝達する役割をもち、ステアリングホイール4とステアリングシャフト6とが同時に回転するように構成される。また、ステアリングシャフト6の下端側は、ステアリングシャフト6の回転をインターミディエイトシャフト10に伝達するためのユニバーサルジョイント12と接続されている。
ステアリングコラム8は、ステアリングシャフト6を不図示の軸受を介して回転自在に支持する。本実施の形態に係るステアリングコラム8は、モータ18と不図示の減速機、およびトルクセンサ20を備え、操舵時にアシストトルクを発生させてステアリング操作力を軽減することができる。インターミディエイトシャフト10は、その回転をステアリングギヤボックス16に伝達するためのユニバーサルジョイント14と接続されている。
ステアリングギヤボックス16は、ステアリングホイール4の回転を車両の車幅方向への直線運動に変換する。具体的には、ステアリングギヤボックス16は、ユニバーサルジョイント14を介して連結されたピニオン軸22の先端に固定されたピニオンギヤ24と、このピニオンギヤ24と噛合するラックバー26とを含む。ラックバー26は、ラックバー26を収容するために車幅方向に延在したハウジングとしてのラックチューブ28内に摺動自在に収容されている。そして、ラックバー26の両端は、ボールジョイント30を介してタイロッド32へと連結されている。
ラックチューブ28の両端には、ボールジョイント30およびタイロッド32の一部を覆うブーツ34が装着されている。左右のタイロッド32は、それぞれ左右のナックルアーム(不図示)に連結されている。そして、ナックルアームが形成されているナックル本体が車輪を支持しているので、ラックバー26の車幅方向の動きによりタイロッド32が連動しナックルを介して車輪の向きを変化させることができる。つまり、本実施の形態に係るステアリング装置2では、運転者の操作によるステアリングホイール4の回転に応じて、車輪の向きを変化させるために車両の車幅方向に移動するシャフトは、ラックバー26およびその両端に連結されているボールジョイント30を含んで構成される。
また、ステアリング装置2は、ラックバー26とラックチューブ28との間に配置され、ラックバー26の所定範囲以上の移動を規制する移動規制機構100を備える。以下に、移動規制機構100について詳述する。
[移動規制機構]
図2は、第1の実施の形態に係る移動規制機構を含むステアリング装置の要部を模式的に示す概略断面図である。図2に示すように、ラックチューブ28は、中空のハウジング部材であり、車幅方向に内径が異なる複数の内周部が形成されている。内周部28aは、半径が最も小さく、ラックバー26が車幅方向に移動可能な程度にわずかな間隙を有してラックバー26が挿入されている。
内周部28bは、内周部28aよりブーツ34側に、内周部28aの内径より大きい内径となるように形成されている。そして、内周部28bとラックバー26との環状隙間には、後述のスプリング36、移動規制機構100における摺動部102および押圧部104が配置されている。また、内周部28bには、移動規制機構100の一部をガイドするために、ラックバー26の移動方向に対して傾斜した傾斜面としてテーパ面28eが形成されている。テーパ面28eは、ラックチューブ28の車幅方向中央部に向かって直径が次第に減少するように形成されている。内周部28cは、内周部28bよりブーツ34側に、内周部28bの内径より大きい内径となるように形成されている。そして、内周部28cとラックバー26との環状隙間には、後述の移動規制機構100における係合部106が配置されている。
図3は、第1の実施の形態に係る移動規制機構を模式的に示す概略斜視図である。移動規制機構100は、シャフトの一部であるボールジョイント30の端面30aと係合する環状の係合部106と、端面30aと係合する側と反対側に突出して設けられている摺動部102および押圧部104とを備える。係合部106は、円盤状のフランジ部にスリット106aが形成されている。摺動部102は、ラックバー26の移動方向である矢印X方向に延伸しており、ラックバー26の移動方向に対して傾斜した傾斜面としてテーパ面102aが形成されている。テーパ面102aは、係合部106から離れるほど直径が次第に減少するように形成されている。押圧部104は、摺動部102の内側にラックバー26と対向するように一体的に設けられている。
ラックチューブ28と主に摺動するテーパ面102aには、ラックチューブ28に対する摺動性や耐摩耗性が良好な摩擦係数が低い材料として、固体潤滑剤を埋め込んだ高力黄銅系合金を用いている。また、押圧部104の材料としては、弾性変形する樹脂やゴム等を用いている。そして、これらの材料を組み合わせて樹脂成形により移動規制機構100を一体的に製造することができる。
次に、移動規制機構100がラックバー26の移動を規制する際の動きを説明する。図4は、第1の実施の形態に係る移動規制機構によりラックバー26の移動が規制された状態を模式的に示す概略断面図である。
図2に示す状態では、移動規制機構100は、内周部28cに形成された環状溝28dに固定された位置決め部材38に向かってスプリング36により付勢されている。そして、移動規制機構100は、位置決め部材38に係合部106が係合することで、ステアリングホイール4の操作がなされていない、あるいは操作量が少ない状態での位置が規制される。位置決め部材38は、一部に切り欠きのある環状のCリングである。これにより、位置決め部材38を環状溝28dに装着する際の作業性を向上することができる。
図2に示す状態から、運転者がいずれかの回転方向にステアリングホイール4を操作すると、ステアリングホイール4の回転に応じてラックバー26が矢印A方向に移動する。ラックバー26の移動量が所定の値に達すると、シャフトを構成するボールジョイント30の端面30aが移動規制機構100の係合部106と係合する。さらに、ラックバー26が矢印A方向に移動すると、係合部106はラックバー26とともにスプリング36の弾性力に抗して矢印B方向に移動する。
このとき、摺動部102は、係合部106と連動してテーパ面102aがラックチューブ28のテーパ面28e面と摺動しながら移動する。そして、摺動部102は、ラックバー26の移動方向と交差する矢印C方向に変位する。そのため、移動規制機構100の中心に形成され、ラックバー26が挿入されている貫通孔の内径が収縮する。その結果、押圧部104は、摺動部102の変位に伴いラックバー26の外周を弾性変形しながら矢印C方向に押圧する。
この際、移動規制機構100とラックバー26との間に摩擦力が発生する。そして、移動規制機構100は、この摩擦力を用いてラックバー26の移動を規制する。さらに、図4に示すように、ラックバー26とともに移動する移動規制機構100の係合部106が、直径の異なる内周部28bと内周部28cとの段差部に係合することで、ラックバー26が所定範囲以上に移動することを完全に規制することができる。
なお、本実施の形態に係るラックチューブ28の内面は、摺動部102に形成されたテーパ面102aをガイドするテーパ面28eが形成されている。そのため、移動規制機構100は、ラックチューブ28の内周部28bが単に円筒状に加工されている場合と比較して、テーパ面28eに対してテーパ面102aがガイドされるので傾きにくくなり、安定して移動することが可能となる。また、それに伴い、摺動部102は、ラックバー26の移動方向と交差する方向に精度よく変位することができ、ラックバー26の外周を均一に押圧することができる。その結果、ラックバー26の速度を徐々に低減し、移動を規制することができる。
また、位置決め部材38は、ボールジョイント30が移動規制機構100と係合していない場合における移動規制機構100の位置を規制し、スプリング36は、移動規制機構100を位置決め部材38に向かって付勢するので、ラックバー26の端部に連結されているボールジョイント30が移動規制機構100と係合していないときには、移動規制機構100は所定の位置にスプリング36により戻される。つまり、移動規制機構100は、移動規制機構100がラックバー26の移動を規制するために移動した場合であっても、運転者がステアリングホイールをニュートラルに近い状態に戻し、ボールジョイント30が移動規制機構100と係合していないときには、所定の位置にスプリングにより戻されることになる。そのため、移動規制機構100は、長期にわたり安定してラックバー26の移動を衝撃があまり生じないように規制することができる。
次に、移動規制機構100の移動量とラックバー26の外周が押圧する際に発生する摩擦力との関係について説明する。図5は、図3に示す移動規制機構100を摺動部102が設けられている側から見た上面図である。図6(a)は、ラックバー26が移動規制機構100に当接してから移動したストローク量Hと周方向の締め代αとの関係を模式的に示したグラフ、図6(b)は、締め代αとラックバー26に作用する摩擦力Fを模式的に示したグラフ、図6(c)は、ラックバーに作用する摩擦力Fとラックバー26の移動速度Vrとの関係を模式的に示したグラフである。なお、図6(a)〜図6(c)に示した各グラフは、説明のために模式的に示したものであり、ここで示された関係に限定されるものではない。
本実施の形態に係るステアリング装置2においては、ラックバー26の直径をφD、係合部106あるいは押圧部104の内径をφD+Δdとすると、ステアリングホイール4がニュートラルな状態の場合、係合部106あるいは押圧部104とラックバー26との間には1/2Δdの環状隙間が形成されていることになる。この状態で、運転者がステアリングホイール4を操作しラックバー26の移動量が所定の値に達すると、その端部に連結されているボールジョイント30の端面30aが移動規制機構100の係合部106に当接する。ラックバー26が更に移動すると、摺動部102に形成されたテーパ面102aにより、押圧部104および係合部106の内径が徐々に収縮し始める。
しかし、押圧部104および係合部106とラックバー26との間には隙間が形成されているため、押圧部104および係合部106の内径がΔd減少するまで、押圧部104はラックバー26の外周に接触しない。したがって、図6(a)に示すように、ストローク量Hの増加にかかわらず、ストローク量がHとなるまで締め代αは増加しない。ここで、締め代αとは、係合部106あるいは押圧部104の内周部がラックバー26の外周部に接触してからのスリット106aの変形量として定義することができる。本実施の形態に係る移動規制機構100においては、係合部106に、径方向のスリット106aが設けられているので、環状の係合部106は、周方向に変形することが容易となる。そのため、移動規制機構100は、より小さな力により摺動部102をラックバー26の移動方向と交差する方向に変位することが可能となるので、シャフトの一部であるボールジョイント30が係合部106に係合した際に発生する衝撃の大きさを抑制することができる。
ストローク量HがHを超えると、締め代αは徐々に増加する。そのため、押圧部104がラックバー26を押圧する押圧量も増加するので、図6(b)に示すように、押圧部104とラックバー26との間に発生する摩擦力Fも徐々に増加する。したがって、図6(c)に示すように、摩擦力Fの増加に伴いラックバー26の移動速度Vは減少することになる。このように、移動規制機構100は、ラックバー26に接触していない状態から、ラックバー26の移動に伴いラックバー26の移動方向と交差する方向からラックバー26の外周を押圧することで、移動規制機構100とラックバー26との間に徐々に摩擦力を発生させることができる。そのため、移動が規制され始める際の衝撃を簡易な構成により少なくすることができる。また、移動規制機構100は、押圧部104が弾性変形しながらシャフトの外周を押圧するので、発生する摩擦力は徐々に高くなり、衝撃を徐々に吸収することができる。
(第2の実施の形態)
図7は、第2の実施の形態に係る移動規制機構を模式的に示す概略斜視図である。なお、第1の実施の形態に係る移動規制機構100と重複する説明は適宜省略する。第2の実施の形態に係る移動規制機構200は、シャフトの一部であるボールジョイント30の端面30aと係合する環状の係合部206と、端面30aと係合する側と反対側に突出して設けられているほぼ筒状の摺動部202および押圧部204とを備える。摺動部202、押圧部204、係合部206には一体的にスリット208が形成されている。
摺動部202は、ラックバー26の移動方向である矢印X方向に延伸しており、ラックバー26の移動方向に対して傾斜した傾斜面としてテーパ面202aが形成されている。テーパ面202aは、係合部206から離れるほど直径が次第に減少するように形成されている。押圧部204は、摺動部202の内側にラックバー26と対向するように一体的に設けられている。
したがって、本実施の形態に係る移動規制機構200によっても、ラックバー26の移動に伴いラックバー26の移動方向と交差する方向からラックバー26の外周を押圧することができ、移動規制機構200とラックバー26との間に徐々に摩擦力を発生させることができる。そのため、移動が規制され始める際の衝撃を簡易な構成により少なくすることができる。また、移動規制機構200は、押圧部204が弾性変形しながらシャフトの外周を押圧するので、発生する摩擦力は徐々に高くなり、衝撃を徐々に吸収することができる。
以上、本発明を上述の各実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
本発明の第1の実施の形態に係るステアリング装置の概略構成図である。 第1の実施の形態に係る移動規制機構を含むステアリング装置の要部を模式的に示す概略断面図である。 第1の実施の形態に係る移動規制機構を模式的に示す概略斜視図である。 第1の実施の形態に係る移動規制機構によりラックバーの移動が規制された状態を模式的に示す概略断面図である。 図3に示す移動規制機構を摺動部が設けられている側から見た上面図である。 図6(a)は、ラックバーが移動規制機構に当接してから移動したストローク量と周方向の締め代との関係を模式的に示したグラフ、図6(b)は、締め代とラックバーに作用する摩擦力を模式的に示したグラフ、図6(c)は、ラックバーに作用する摩擦力とラックバーの移動速度との関係を模式的に示したグラフである。 第2の実施の形態に係る移動規制機構を模式的に示す概略斜視図である。
符号の説明
2 ステアリング装置、 4 ステアリングホイール、 6 ステアリングシャフト、 16 ステアリングギヤボックス、 26 ラックバー、 28 ラックチューブ、 28e テーパ面、 30 ボールジョイント、 30a 端面、 36 スプリング、 38 位置決め部材、 100 移動規制機構、 102 摺動部、 102a テーパ面、 104 押圧部、 106 係合部、 106a スリット。

Claims (5)

  1. 車両が備える車輪を操舵するためのステアリング装置であって、
    運転者の操作によるステアリングホイールの回転に応じて、車輪の向きを変化させるために車両の車幅方向に移動するシャフトと、
    前記シャフトを収容するハウジングと、
    前記シャフトと前記ハウジングとの間に配置され、前記シャフトの所定範囲以上の移動を規制する移動規制機構と、を備え、
    前記移動規制機構は、前記シャフトの移動に伴い前記シャフトの移動方向と交差する方向に移動しシャフトの外周を押圧することを特徴とするステアリング装置。
  2. 前記移動規制機構は、
    前記シャフトと係合し、該シャフトとともに移動する環状の係合部と、
    前記シャフトの移動方向に対して傾斜した第1の傾斜面が形成され、該傾斜面が前記ハウジングの内面と摺動する摺動部と、
    前記摺動部の内側に前記シャフトと対向するように設けられ、前記シャフトの外周を押圧するための押圧部と、を備え、
    前記摺動部は、前記係合部と連動して前記第1の傾斜面が前記ハウジングの内面と摺動することで前記シャフトの移動方向と交差する方向に変位し、
    前記押圧部は、前記摺動部の変位に伴い前記シャフトの外周を弾性変形しながら押圧する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
  3. 前記係合部は、径方向にスリットが設けられていることを特徴とする請求項2に記載のステアリング装置。
  4. 前記ハウジングの内面は、前記摺動部に形成された第1の傾斜面をガイドする第2の傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載のステアリング装置。
  5. 前記シャフトが前記移動規制機構と係合していない場合における該移動規制機構の位置を規制する位置決め部材と、
    前記移動規制機構を前記位置決め部材に向かって付勢する付勢部材と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のステアリング装置。
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