JP2015007190A - 樹脂フィルム及び粘着テープ - Google Patents

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Shoichi Matsumoto
章一 松本
絵理子 佐藤
Eriko Sato
絵理子 佐藤
森野 彰規
Akinori Morino
彰規 森野
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Abstract

【課題】多層の層構成や危険性の高い添加剤を使用しなくとも外的刺激により脆弱化可能な樹脂フィルムを提供する。【解決手段】アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位を有する重合体と、酸発生剤とを含有することにより、多層の層構成や危険性の高い添加剤を使用しなくとも外的刺激により脆弱化可能な樹脂フィルムを提供することができる。 前記アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位(a)がエトキシカルボニルオキシスチレン、メトキシカルボニルオキシスチレン、プロポキシカルボニルオキシスチレン、tert−ブトキシカルボニルオキシスチレンから選ばれる少なくとも一種からなる構造単位であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂フィルムに関する。
粘着テープは、作業性に優れる接着信頼性の高い接合手段として、OA機器、IT・家電製品、自動車等の各産業分野での部品固定用途等に使用されている。近年、地球環境保護の観点から、これら家電や自動車等の各種の産業分野において、使用済み製品のリサイクル、リユースの要請が高まっている。各種製品をリサイクル、リユースする際には、固定された部品を解体する作業が必要となるが、当該粘着テープは製品中の各所に設けられているため、簡易な除去工程による作業コストの低減が要望されている。
このような要求に対し、解体性の粘着剤層を有する粘着テープ、例えば、加熱により発泡する発泡剤を添加した粘着剤層を有する粘着テープや、紫外線照射により接着力が低減する粘着剤層を有する粘着テープ等の検討が各種なされている。しかし、粘着剤層に解体性を付与する場合、接着性能との両立が難しい場合も多く、また、接着安定性が損なわれるおそれもあった。
これに対し、粘着テープの基材に解体性を付与する試みが検討されている。このような解体性の基材としては、例えば、接着層の両面にプラスチックフィルムを積層し、接着層/プラスチックフィルムの層間での剥離や、接着層の破壊が可能な積層体が開示されている(特許文献1参照)。しかし、当該構成の積層体は、多層構造からなるため材料コストや製造コストが高くなりやすい問題があった。
特開平7−178862号公報 特開2003−286464号公報
本発明が解決しようとする課題は、多層の層構成や危険性の高い添加剤を使用しなくとも外的刺激により脆弱化可能な樹脂フィルムを提供することにある。
また、本発明が解決しようとする課題は外的刺激により簡易に解体が可能な粘着テープを提供することにある。
本発明においては、アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位を有する重合体と、酸発生剤とを含有する樹脂フィルムにより、上記課題を解決できる。
本発明の樹脂フィルムは、多層の層構成や外的刺激による添加剤を使用する必要が無いことから、材料コストや添加工程に必要な製造コストを削減できる。また、危険性の高い材料を使用する必要がないことから安全に脆弱化が可能となる。このため、本発明の樹脂フィルムは、外的刺激により簡易に解体可能な粘着テープを、安価にかつ高い安全性で実現できる。さらに、当該粘着テープは、解体性の粘着剤層を使用する必要がないことから、接着安定性と解体性を好適に両立できる。
本発明の樹脂フィルムを使用した粘着テープは、上記のとおり、安価にかつ高い安全性で、接着安定性と解体性とを実現できることから、コストの低減の要請や接着安定性の要請が高く、また、多量の製品のリサイクルが必要な分野、例えば、OA機器、IT・家電製品、自動車等の産業分野における各種部品固定用途に好適に適用できる。
本発明の樹脂フィルムは、アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位を有する重合体と、酸発生剤とを含有する。
[重合体]
本発明に使用する重合体は、アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位を有する重合体である。アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位は、スチレン構造単位の芳香族環中の水素原子がアルコキシカルボニルオキシ基により置換された構造単位である。
アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位中のアルコキシカルボニルオキシ基は、酸によりアルコキシカルボニル基が解離し、芳香環に水酸基が残存するものであればよく、アルコキシカルボニルオキシ基の酸素原子に結合する炭素原子が第二級又は第三級炭素原子であると好適に酸により解離しやすいため好ましい。
また、当該アルコキシカルボニルオキシ基は、水素原子の一部が、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、ハロゲン、芳香族により置換されたアミノアルコキシカルボニルオキシ基、ヒドロキシアルコキシカルボニルオキシ基、カルボキシアルコキシカルボニルオキシ基、ブロモアルコキシカルボニルオキシ基、クロロアルコキシカルボニルオキシ基、フェニルアルコキシカルボニルオキシ基、ナフチルアルコキシカルボニルオキシ基等であってもよい。
当該アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位を与えるアルコキシカルボニルオキシスチレンモノマーとしては、下記式(1)で表されるアルコキシカルボニルオキシスチレンを使用できる。
Figure 2015007190
(式(1)中、Rは、炭素数1〜15のアルキル基、又は水素原子の一部がアミノ基、水酸基、カルボキシ基、ハロゲン、芳香族で置換された炭素数1〜15のアルキル基を表す。)
前記式(1)中のRは、炭素数1〜15のアルキル基、又は、水素原子の一部がアミノ基、水酸基、カルボキシ基、ハロゲン、芳香族で置換された炭素数1〜15のアルキル基を表すが、なかでも、第二級又は第三級炭素原子を有するアルキル基であることが好ましく、炭素数4以上の第三級炭素原子を有するアルキル基であることが特に好ましい。当該アルキル基を有するアルコキシカルボニルオキシ基は、酸により好適にアルキル基が解離しやすくなる。
このようなアルコキシカルボニルオキシスチレンモノマーとしては、例えば、エトキシカルボニルオキシスチレン、メトキシカルボニルオキシスチレン、プロポキシカルボニルオキシスチレン、tert−ブトキシカルボニルオキシスチレン等のアルコキシスチレン類や、p−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)カルボニルオキシスチレン、p−(3−N,N−ジエチルアミノプロポキシ)カルボニルオキシスチレン、p−(3−N,N−ジ−n−プロピルアミノプロポキシ)カルボニルオキシスチレン等のアミノアルコキシカルボニルオキシスチレン類、p−(3−ヒドロキシプロポキシ)カルボニルオキシスチレン、p−(2−ヒドロキシ−2,2−ジメチルエチル)カルボニルオキシスチレン、p−(2−カルボキシ−2,2−ジメチルエチル)カルボニルオキシスチレンp−(2−クロロ−2,2−ジメチルエチル)カルボニルオキシスチレン、、p−(2−フェニル−2,2−ジメチルエチル)カルボニルオキシスチレンを使用できる。
本発明に使用する重合体を構成する構造単位の総モル数に占める前記アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位の割合は、5mol%以上であることが好ましく、5〜99mol%であることがより好ましく、20〜85mol%であることがさらに好ましい。
本発明に使用する重合体は、上記アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位以外の他の構造単位が含まれていてもよい。当該他の構造単位を構成するモノマーとしては、例えば、スチレン、p−ヒドロキシスチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸1−アダマンチル、メタクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、アクリル酸メチル、アクリル酸tert−ブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジイソプロピル、マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、酢酸ビニル、塩化ビニルが例示できる。
これら他の構造単位を含有する場合には、重合体を構成する構造単位の総モル数に占める当該構造単位の割合が90mol%以下であることが好ましく、15〜80mol%であることがより好ましい。
本発明に使用する重合体を共重合体とする場合には、上記モノマー成分のランダム重合体であってもブロック重合体であってもよい。ランダム重合体であると初期の接着力を確保しやすくなるため好ましい。またブロック重合体であると、好適な解体性を得やすくなるため好ましい。
本発明に使用する重合体の分子量は、数平均分子量が5万〜200万であることが好ましい。また、自立可能なフィルムの場合には、8万〜10万程度であることが好ましく、靭性のあるフィルムの場合には10万〜100万程度であることがより好ましい。当該分子量とすることで、好適な強度を確保しやすくなる。
前記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算である。測定条件の例として、HLC−8220GPC(東ソー社製)を用いてカラムはTSKgel GMHXL[東ソー製]を用い、カラム温度は40℃、溶離液はテトラヒドロフラン、流量は1.0mL/分とし、標準ポリスチレンはTSK標準ポリスチレンを用いることで測定できる。
分子量を調整するために、重合には連鎖移動剤を用いても良い。連鎖移動剤としては、公知の連鎖移動剤、例えばラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメチルカプト−1−プロパノールなどが使用できる。
重合体は、例えば前記モノマー又はモノマーの混合物を、ラジカル重合反応することによって製造することができる。前記アクリル重合体の製造方法としては具体的には、リビングラジカル重合法や、アゾ系開始剤または過酸化物を用いて行う従来知られたラジカル重合法が挙げられる。なかでも、リビングラジカル重合法を採用することが、ラジカル重合過程における連鎖移動反応や停止反応等の副反応を引き起こさず、低分子量成分の生成を抑制でき、分子量分布の狭いアクリル重合体を製造できるため好ましい。
前記リビングラジカル重合法としては、例えば原子移動ラジカル重合法(ATRP法)、高周期15族または16族元素を含む有機ヘテロ化合物を触媒として用いるリビングラジカル重合法(有機ヘテロ化合物を媒介とするラジカル重合法)(TERP法等)、可逆的付加開裂連鎖移動重合反応法(RAFT法)等が挙げられる。
前記原子移動ラジカル重合法(ATRP法)は、例えば遷移金属錯体と、有機ハロゲン化物との存在下で、前記したアクリル単量体を重合する方法である。
[酸触媒、酸発生剤]
本発明の樹脂フィルムには、酸触媒(Y1)又は酸発生剤(Y2)を使用する。酸触媒(Y1)としては、例えばp−トルエンスルホン酸やベンゼンスルホン酸等の芳香族スルホン酸、脂肪族スルホン酸などの有機酸や、塩酸や硫酸等の無機酸、及び、それらの水和物を使用することができる。
本発明で使用する酸発生剤(Y2)は、例えば紫外線等のエネルギー線による光照射によりカチオン重合を開始することのできる酸を発生する光酸発生剤や、加熱等によって酸を発生する熱酸発生剤である。なかでも光酸発生剤は、光と熱の二種の外部刺激により接着剤を好適に解体できる一方で、樹脂フィルムとして保管する際や、物品を固定した際には容易に分解や解体が生じにくく、安定した保存性や接着性を保持できるため、特に好ましく使用できる。
前記光酸発生剤としては、例えばN−ヒドロキシナフタルイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドトリフラート、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、フェニル−(3−ヒドロキシ−ペンタデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、フェニル−(3−ヒドロキシペンタデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等を使用することができる。
これら光酸発生剤は、使用する用途に応じて適宜好適なものを選択すればよい。例えば、これら酸発生剤は接着剤との混合により熱分解温度が低下する場合があるため、これらのなかでも、N−ヒドロキシナフタルイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステルやビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン等の酸発生剤単独での熱分解温度が概ね150℃以上のものを使用することが、保存時等に熱の影響によって酸が発生し、樹脂フィルムの解体が進行することを防止するうえで好ましい。
また、光酸発生剤の中でも、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン等の加熱により気体を発生する光酸発生剤は、光による酸発生と加熱による気体発生により、特に高い解体性を実現しやすいため好ましい。N−ヒドロキシナフタルイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル等の100℃程度の加熱よっても気体を発生しにくい光酸発生剤は、熱安定性の高い接着剤層を得ることができるため好ましい。
さらに、光酸発生剤の中でも、骨格中にベンゼン環やナフタレン環構造等の光吸収性の構造を有する光酸発生剤は、少ない光照射時間や少ない含有量で好適な解体性を実現できるため、製造コストや解体コストを低減しやすいため好ましい。一方で、これら光吸収性の構造を有さない光酸発生剤は、光照射に対する安定性が求められる場合に好ましく使用できる。
また、前記熱酸発生剤としては、スルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩を使用することができ、例えば4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジルベンゾチアゾリウムヘキサフルオロアンチモネート等を使用することができる。
[樹脂フィルム]
本発明の樹脂フィルムは、上記重合体と、上記酸触媒(Y1)又は酸発生剤(Y2)とを含有する。本発明の樹脂フィルムは、当該構成により酸触媒又は酸発生剤による酸成分が共重合体の側鎖を分解し、外的刺激により好適に脆弱化が可能となる。
本発明の樹脂フィルムは、クロロホルム等の各種溶媒に溶解した溶液を成形してフィルム化する方法や、各種押出法によりフィルム化する方法等、適宜な方法にてフィルム形成をすればよい。
本発明の樹脂フィルムには、本発明の効果を損なわない範囲で、各種添加剤を添加してもよい。当該添加剤としては、例えば、可塑剤、安定剤、着色剤および界面活性剤などを使用することができる。また、必要に応じて、樹脂フィルムの性能を改良するための付加的な樹脂を添加してもよい。
樹脂フィルムの厚さは使用する態様によって適宜調整すれば良いが、各種部品固定用の粘着テープの基材として使用する場合には、薄いテープ厚さが求められることが多いため、このような用途においては、50〜1200μmであることが好ましく、50〜1000μmであることが好ましく、100〜600μmであることがより好ましく、150〜500μmであることがさらに好ましい。
[粘着テープ]
本発明の樹脂フィルムは、少なくとも一面に粘着剤層を設けることで粘着テープとすることができる。当該粘着テープは、外的刺激により好適に樹脂フィルム層が脆弱化することから、被着体への貼付や被着体間を固定した後、好適に解体が可能となる。
本発明の粘着テープの粘着剤層は、通常の粘着テープに使用される粘着剤組成物からなる粘着剤層を用いることができる。当該粘着剤組成物としては、例えば(メタ)アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられるが、(メタ)アクリレート単独又は(メタ)アクリレートと他のモノマーとの共重合体からなるアクリル系共重合体をベースポリマーとし、これに必要に応じて粘着付与樹脂や架橋剤等の添加剤が配合された(メタ)アクリル系粘着剤組成物を好ましく使用できる。
炭素数1〜12の(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のモノマーがあげられ、これらの1種または2種以上が用いられる。なかでも、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数が4〜8の直鎖または分岐構造を有する(メタ)アクリレートが更に好ましい。特にn−ブチルアクリレートは被着体との密着性を確保しやすく、凝集力や皮脂類への耐性に優れるため好ましい。
アクリル系共重合体中の炭素数1〜12の(メタ)アクリレートの含有量は、アクリル系共重合体を構成するモノマー成分中の80〜98.5質量%であることが好ましく、90〜98.5質量%であることがより好ましい。
また、本発明に使用するアクリル系共重合体は高極性ビニルモノマーを共重合してもよく、高極性ビニルモノマーとしては、水酸基を有するビニルモノマー、カルボキシル基を有するビニルモノマー、アミド基を有するビニルモノマー等が挙げられ、これらの1種または2種以上が用いられる。
水酸基を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等などの水酸基含有(メタ)アクリレートを使用できる。
カルボキシル基を有するビニルモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸2量体、クロトン酸、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート等を使用でき、なかでもアクリル酸を共重合成分として使用することが好ましい。
また、アミド基を有するモノマーとしては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、等が挙げられる。
その他の高極性ビニルモノマーとして、酢酸ビニル、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸等のスルホン酸基含有モノマー等があげられる。
高極性ビニルモノマーの含有量は、アクリル系共重合体を構成するモノマー成分中の1.5〜20質量%であることが好ましく、1.5〜10質量%であることがより好ましく、2〜8質量%であることが更に好ましい。当該範囲で含有することにより、粘着剤の凝集力や保持力、接着性を好適な範囲に調整しやすい。
なお、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤を用いる場合は、これと反応する官能基を有するビニルモノマーとしては水酸基含有ビニルモノマーが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートが特に好ましい。イソシアネート系架橋剤と反応する水酸基含有ビニルモノマーの含有量は、アクリル系共重合体を構成するモノマー成分の0.01〜1.0質量%であることが好ましく、0.03〜0.3質量%が特に好ましい。
アクリル系共重合体は、溶液重合法、隗状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合方法で共重合させることにより得ることができるが、粘着剤の耐水性から溶液重合法や塊状重合法が好ましい。重合の開始方法も、過酸化ベンゾイルや過酸化ラウロイル等の過酸化物系、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾ系の熱重合開始剤を用いた熱による開始方法や、アセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルケタール系、アシルフォスフィンオキシド系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系の光重合開始剤を用いた紫外線照射による開始方法や、電子線照射による方法を任意に選択できる。
上記アクリル系共重合体の分子量は、ゲルパーミエッションクロマトグラフ(GPC)で測定される標準ポリスチレン換算での重量平均分子量が、40〜300万、好ましくは80〜250万である。
本発明に使用するアクリル系粘着剤組成物中には、被着体との密着性や面接着強度を向上させるため、粘着付与樹脂を使用してもよい。粘着付与樹脂としては、ロジン系、重合ロジン系、重合ロジンエステル系、ロジンフェノール系、安定化ロジンエステル系、不均化ロジンエステル系、水添ロジンエステル系、テルペン系、テルペンフェノール系、石油樹脂系、(メタ)アクリレート系樹脂等が例示できる。エマルジョン型の粘着剤組成物に使用する場合には、エマルジョン型の粘着付与樹脂を使用することが好ましい。
なかでも、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂が好ましい。粘着付与樹脂は1種または2種類以上を使用してもよい。
アクリル系共重合体と粘着付与樹脂とを使用する際の配合比は、アクリル系共重合体100質量部に対する粘着付与樹脂の含有量が、5〜60質量部であることが好ましく、8〜50質量部であることが好ましい。両者の比率を当該範囲とすることで、被着体との密着性を確保しやすくなる。
アクリル系粘着剤組成物中には、粘着剤層の凝集力を上げるために粘着剤を架橋することが好ましい。このような架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤等が挙げられる。そのなかでも、重合終了後に添加し、架橋反応を進行させるタイプの架橋剤が好ましく、(メタ)アクリル系共重合体との反応性に富むイソシアネート系架橋剤及びエポキシ系架橋剤が好ましく、発泡体基材との密着性が向上することからイソシアネート系架橋剤がより好ましい。
イソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート等が挙げられる。特に好ましいのは、3官能のポリイソシアネート系化合物である。3官能のイソシアネート系化合物としては、トリレンジイソシアネート及びこれらのトリメチロールプロパン付加体、トリフェニルメタンイソシアネート等が挙げられる。
架橋度合いの指標として、粘着剤層をトルエンに24時間浸漬した後の不溶分を測定するゲル分率の値が用いられる。ゲル分率は、好ましくは25〜70質量%である。より好ましくは30〜60質量%、更に好ましくは30〜55質量%の範囲であれば、凝集性と接着性がともに良好である。
なお、ゲル分率の測定は下記による。剥離シート上に、乾燥後の厚さが50μmになるように粘着剤組成物を塗工し、100℃で3分間乾燥し、40℃2日エージングしたものを50mm角に切り取り、これを試料とする。次に、予め上記試料のトルエン浸漬前の重量(G1)を測定しておき、トルエン溶液中に23℃で24時間浸漬した後の試料のトルエン不溶解分を300メッシュ金網で濾過することにより分離し、110℃で1時間乾燥した後の残渣の重量(G2)を測定し、以下の式に従ってゲル分率が求められる。
ゲル分率(質量%)=(G2/G1)×100
粘着剤の添加剤として、必要に応じて、可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、難燃剤、ガラスやプラスチック製の繊維・バルーン・ビーズ、金属粉末、金属酸化物、金属窒化物等の充填剤、顔料・染料等の着色剤、レベリング剤、増粘剤、撥水剤、消泡剤等の公知のものを粘着剤組成物に任意で添加することができる。
粘着剤層の厚さは、使用する態様によって適宜調整すれば良いが、各種部品固定用の粘着テープとして使用する場合には10〜200μmが好ましく、20〜100μmであることがより好ましい。
上記のとおり、本発明の樹脂フィルムは、多層の層構成や外的刺激による添加剤を使用する必要が無いことから、材料コストや添加工程に必要な製造コストを削減できる。また、危険性の高い材料を使用する必要がないことから安全に脆弱化が可能となる。このため、本発明の樹脂フィルムは、外的刺激により簡易に解体可能な粘着テープを、安価にかつ高い安全性で実現できる。さらに、当該粘着テープは、解体性の粘着剤層を使用する必要がないことから、接着安定性と解体性を好適に両立できる。このため、当該粘着テープは、コストの低減の要請や接着安定性の要請が高く、また、多量の製品のリサイクルが必要な分野、例えば、OA機器、IT・家電製品、自動車等の産業分野における各種部品固定用途に好適に適用できる。
(調製例1)
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート97.97質量部、アクリル酸2.0質量部、4−ヒドロキブチルアクリレート0.03質量部、重合開始剤として2、2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部とを、酢酸エチル100質量部からなる溶剤に溶解し、70℃で12時間重合して、重量平均分子量が200万(ポリスチレン換算)のアクリル系共重合体を得た。次に、アクリル系共重合体100質量部に対し、酢酸エチルを加えて均一に混合し、不揮発分40%の粘着剤組成物(A)を得た。上記にて調整した粘着剤組成物(A)100質量部に対し、日本ポリウレタン社製「コロネートL−45」(イソシアネート系架橋剤、固形分45%)を1.3質量部添加し、15分攪拌後、剥離処理した厚さ75μmのPETフィルムの剥離処理面に乾燥後の厚さが25μmとなるように塗工して、80℃で3分間乾燥し粘着剤層(A)を調製した。粘着剤層のゲル分率は42.5質量%であった。
(製造例1)
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.6mg、BSt2.20gの混合溶液を試験管に入れ、溶存酸素を除くために凍結、脱気、溶融のサイクルを3回繰り返した後、熔封した。60℃のウォーターバスで24時間反応させた後、―78℃に冷却して重合を停止させ、重合溶液をクロロホルム2mLで希釈しメタノール200mLに沈殿させた。沈殿物を吸引ろ過し、室温減圧下で12時間乾燥させ、重合体(1)を白色粉末ポリマーとして得た。重量法により算出した重合収率は99.7%であった。GPC分析より、Mn=1,046,000、Mw=1,883,000、PD=1.8であった。DSC測定よりガラス転移温度は122℃であった。
(製造例2)
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4.1mg、BSt2.75g、スチレン(St)1.30gの混合溶液を試験管に入れ、溶存酸素を除くために凍結、脱気、溶融のサイクルを3回繰り返した後、熔封した。60℃のウォーターバスで24時間反応させた後、―78℃に冷却して重合を停止させ、重合溶液をクロロホルム2mLで希釈しメタノール200mLに沈殿させた。沈殿物を吸引ろ過し、室温減圧下で12時間乾燥させ、重合体(2)を白色粉末ポリマーとして得た。重量法により算出した重合収率は42.3%であった。
得られた重合体(2)は、GPC分析より、Mn=212,000、Mw=403,000、PD=1.90であった。共重合体中の構成成分のモル比は、BSt/St=63/37であった。
(実施例1)
上記製造例1にて得られた重合体(1)をクロロホルムに溶解して5wt%溶液を作成し、当該溶液を型に流し込んだ後、室温で12時間自然乾燥させ、厚さ60μmの樹脂フィルム(1)を得た。得られた樹脂フィルム(1)の片面に、上記調製例1で調製した粘着剤層(A)を貼り合わせたのち、23℃下線圧5kg/cmのロールでラミネートした。その後、40℃で48時間熟成し、粘着テープを得た。
(実施例2)
上記製造例2にて得られた重合体(2)をクロロホルムに溶解して5wt%溶液を作成し、当該溶液を型に流し込んだ後、室温で12時間自然乾燥させ、厚さ60μmの樹脂フィルム(2)を得た。得られた樹脂フィルム(2)の片面に、上記調製例1で調製した粘着剤層(A)を貼り合わせたのち、23℃下線圧5kg/cmのロールでラミネートした。その後、40℃で48時間熟成し、両面粘着テープを得た。
(比較例1)
市販のスチレン重合体(和光純薬社製、Mn=91,000)をクロロホルムに溶解して10wt%溶液を作成し、当該溶液を型に流し込んだ後、室温で12時間自然乾燥させ、厚さ50μmの樹脂フィルム(H1)を得た。得られた樹脂フィルム(H1)の片面に、上記調製例1で調製した粘着剤層(A)を貼り合わせたのち、23℃下線圧5kg/cmのロールでラミネートした。その後、40℃で48時間熟成し、両面粘着テープを得た。
上記実施例及び比較例にて得られた粘着テープにつき、以下の評価を行った。
[加熱試験]
上記実施例及び比較例にて得られた粘着テープからPETフィルムを剥離し、あらかじめ150℃に加熱したアルミニウム板に非粘着面を乗せ、加熱炉で150℃下で15分加熱した。加熱後の粘着テープを加熱炉から取り出し、常温に冷却後、粘着テープの両端を手で引っ張った。実施例1〜2の粘着テープは加熱により脆弱化しており、容易に千切れが生じた。一方比較例1の粘着テープは、脆弱化しておらず、引張後も千切れが生じなかった。

Claims (4)

  1. アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位を有する重合体と、酸発生剤とを含有することを特徴とする樹脂フィルム。
  2. 前記アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位(a)がエトキシカルボニルオキシスチレン、メトキシカルボニルオキシスチレン、プロポキシカルボニルオキシスチレン、tert−ブトキシカルボニルオキシスチレンから選ばれる少なくとも一種からなる構造単位である請求項1に記載の樹脂フィルム。
  3. 前記共重合体(X)を構成する構造単位の総モル数に占める前記アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位の割合が5mol%以上である請求項1又は2に記載の樹脂フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂フィルムの少なくとも一面に粘着剤層を有することを特徴とする粘着テープ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023013678A1 (ja) * 2021-08-06 2023-02-09 公立大学法人大阪 熱易解体性粘着性組成物又は熱分解性バインダー組成物

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