JP2015004811A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】測色器の測色精度を向上させること。【解決手段】パッチ画像Tを記録材Pに形成する画像形成部と、パッチ画像Tを定着する定着部51と、定着部51により定着されたパッチ画像Tに光を照射し、パッチ画像Tからの反射光を測定する分光測色器10と、分光測色器10に対向して設置された白基準板20と、分光測色器10によりパッチ画像Tを測定した結果と、白基準板20を測定した結果とに基づいて、画像の濃度又は色度を制御する制御部55と、を備える画像形成装置であって、制御部55は、分光測色器10によりトリガーパッチを測定した結果と、白基準板20を測定した結果とに基づいて、画像の濃度又は色度を制御するための情報を補正する。【選択図】図6

Description

本発明は、複写機、プリンタ等の機能を有する画像記録装置やそれらの機能を兼ね備える複合機、ワークステーション等の出力機器としてのインクジェット方式や電子写真方式等の画像形成装置に関し、特に画像の測色方法に関する。
近年、カラープリンタ、カラー複写機等のカラー画像形成装置には、出力画像の高画質化が求められている。特に、画像階調や画像色の安定性は、画像の品質に大きな影響を与える。しかし、カラー画像形成装置は、温度や湿度のような環境変化、消耗品の残量や交換等によるロット差、使用されるメディア(記録材の種類等)及び長期間の装置使用により、得られる画像の色味が変化してしまうことがある。従って、出力された画像の安定した色味を実現するためには、測色器を用いて出力した画像の色味を検知し、画像形成装置のプロセス条件にフィードバックすることが有効である。測色器は、印刷物や物体色の色味(色度)を測定する装置である。測色器としては、例えば、被測色物に白色の光を照射し、反射光をRGBのカラーフィルタを通して受光センサで受光することにより、色成分毎の強度を測定する三刺激値直読タイプの測色器がある。また、次のような分光測色器がある。即ち、反射光を回折格子やプリズム等を用いて波長分散した後に、波長毎の強度をラインセンサで検知する。そして、検知された分散光の波長分布、光源の光の波長分布、センサの分光感度などを考慮した演算を行って、被測色物の分光反射率を求める分光測色器が知られている。
このような分光測色器は、例えば図10(a)に示すような構成である。なお、図10(a)の詳細な説明は後述する。このような分光測色器を用いて、色度又は分光反射率が既知の基準試料を予め測定して、既知の色度又は分光反射率を出力するように装置自体を校正した後、被測色物104を測定する。ここで、基準試料としては、例えば、British Ceramic Research Association(BCRA)が認証したBCRAタイルを代表とした、セラミックタイルの表層に白色の釉薬が塗布されたタイルが用いられる。また、色度のみを出力する簡易的な測色器では、図10(c)に示されるような分光反射率をもつ、酸化チタンを含む白色樹脂シートが用いられている。図10(c)についての詳細な説明は後述する。分光測色器を備えるカラー画像形成装置では、検知した結果を画像形成部の露光量やプロセス条件、濃度−階調特性を補正するためのキャリブレーションテーブルなどへフィードバックしている。これにより、記録材上に形成した画像の濃度又は色度制御を行うことができる。
更に測色器の測色精度維持を目的とした画像形成装置内でのセルフクリーニング方法や、経年劣化等に伴う補正処理については、例えば特許文献1及び特許文献2等に提案されている。例えば、図10(b)に示す分光測色器100のように、画像形成装置内で発生する紙粉や粉塵等から保護するため、保護ガラス又は保護シートを備える構成がある。保護ガラス又は保護シート111の表面には紙粉や塵埃等が付着するため、例えば特許文献1に記載された測色器測定面の清掃方法が提案されている。特許文献1の清掃方法は、画像形成装置内に配置された基準試料と測色器の間のギャップが小さい(約0.2mm以下)構成では有効である。また、特許文献2には、基準試料の基準スペクトルと現在の基準試料を測定したスペクトルの傾斜に着目し、傾斜領域の傾きを利用して補正係数を求め、測色結果に反映させる手法が記載されている。特許文献2の方法では、光源の劣化や基準試料の劣化については有効である。
特開平11−216938号公報 特開2006−214968号公報
しかし、特許文献1に記載された測色器測定面の清掃方法は、実際には、メディア(紙等の記録材)の搬送時の搬送負荷を低減させるため、わずかながらギャップ(約0.2mm〜2mm程度)を持った構成となる。そのため、測色器の測色面や基準試料への紙粉や粉塵等のよごれ等を完全に除去することはできず、またミストや揮発性有色性ガス等の付着についても除去できないおそれがある。また、特許文献2の方法では、保護ガラスに付着した紙粉や有色付着物による内面反射等での受光光量変化(迷光の変化)を補正して測色することはできない。即ち、付着物により戻り光が多い場合は受光光量が増加しているため、同一測定対象を測色した場合、戻り光の差がそのまま、測色器による色度の演算結果に反映される。このため、特に低明度の測定対象については、その差がより顕著になり、測色精度への影響が大きくなるという課題がある。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、測色器の測色精度を向上させることを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は以下の構成を備える。
(1)複数の階調のパッチからなるパッチ画像を記録材に形成する画像形成手段と、前記画像形成手段により形成された前記パッチ画像を定着する定着手段と、前記定着手段により定着された前記パッチ画像に光を照射し、前記パッチ画像からの反射光を測定する測定手段と、前記測定手段に対向して設置された基準板と、前記測定手段により前記パッチ画像を測定した結果と、前記基準板を測定した結果とに基づいて、画像の濃度又は色度を制御する制御手段と、を備える画像形成装置であって、前記制御手段は、前記測定手段により所定の明度のパッチを測定した結果と、前記基準板を測定した結果とに基づいて、画像の濃度又は色度を制御するための情報を補正することを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、測色器の測色精度を向上させることができる。
実施例1〜3の分光測色器を示す概略構成図、画像形成装置の構成図 実施例1の測色用のパッチ画像を示す図、実施例1〜3の画像形成装置のブロック図 実施例1〜3のLEDパッケージのスペクトルを示す図、構成を示す図 実施例1〜3の分光測色器の設置状態を示す図、保護ガラスと対向位置との接触状態を示す図 実施例1〜3の保護ガラス上の表面状態を示す図、保護ガラス上の各表面状態における測定結果を示すグラフ 実施例1の測色処理を示すフローチャート 実施例2の測色用のパッチ画像を示す図 実施例2の測色処理を示すフローチャート 実施例3の測色処理を示すフローチャート 従来例の分光測色器の構成を示す図、白基準板の分光反射率を示すグラフ
以下、本発明を実施するための形態を、実施例により図面を参照しながら詳しく説明する。
[従来の分光測色器の構成]
以下に説明する実施例との比較のために、従来の分光測色器の構成を、図10(a)を用いて説明する。分光測色器100は、分光された分散光を検知するラインセンサ101を有する。光源102は、例えば白色LED、ハロゲンランプ又はRGBの3色LED等からなり、可視光全体にわたる波長分布をもつ。光源102から発せられた白色光105は、約45°の照射角で測定用開口110を通過し、被測色物104に入射し、被測色物104の光吸収特性に応じた散乱光となる。散乱光106のうち集光レンズ107の結像領域である入射角約2°範囲以内の光は取り込まれ、平行光となる。平行光となった光は、反射型回折格子108に入射角0°で入射し、反射型回折格子108により分光される。分光された分散光は、ラインセンサ101に入射する。ラインセンサ101の各画素には、反射型回折格子108により分光されたそれぞれ波長範囲の異なる光が入射し、各画素の出力を得ることにより、被測色物104で反射された分散光の波長毎の強度が得られる。なお、図10(b)は、測定用開口110に保護ガラス又は保護シート111を設けた構成であり、図10(a)と同じ構成には同じ符号を付し、説明は省略する。また、図10(c)は、基準試料として用いられる、例えば酸化チタンを含む白色樹脂シート等の分光反射率を示している。横軸は波長(nm)、縦軸は反射率である。
[分光測色器の構成]
実施例1に用いる分光測色器の概略図を図1(a)、図1(b)に示す。図1(a)の分光測色器10は、可視光全体にわたる発光波長分布を有する白色光源12、集光レンズ17、反射型回折格子18、電荷蓄積型ラインセンサ(以下、単にラインセンサという)11を有する。更に、測定手段である分光測色器10は、センサの開口13から侵入する塵埃や紙粉等からの保護を目的とした保護ガラス19を有する。白色光源12から発せられた光15は、開口13及び保護ガラス19を通過する。光15は、記録材P上に形成された被測色物14(例えば、後述するパッチ画像T)に対し約45°の角度で入射し、被測色物14の光吸収特性に応じた散乱光となる。集光レンズ17の集光領域範囲内にある散乱光16の一部は、集光レンズ17に取り込まれて平行光となった後、反射型回折格子18に入射角0°で入射し、分光される。分光された分散光は、ラインセンサ11に入射する。
図1(b)に示すように、本実施例のラインセンサ11は、波長が約350nmから約750nmの可視光を約3nm単位で検出するために必要な134画素で構成されている。なお、図1(b)には、各画素を識別するために、各画素のアドレス番号として1、2、・・・、134のように番号を付している。ラインセンサ11に入射される光は、反射型回折格子18により分光されているため、ラインセンサ11の各画素は、入射光の各波長に対応していることとなる。ラインセンサ11は、入射した分散光の強度に応じて、各画素で光電荷を蓄積する。そして制御演算部22の制御により、ラインセンサ11の蓄積電荷は電圧に変換され、順次電圧信号として出力される。そして、出力された電圧信号をAD変換器21によってAD変換することにより、制御演算部22は被測色物14からの反射光を画素毎のデジタル信号として得ることができる。本実施例に用いたラインセンサ11は、電荷蓄積型ラインセンサであり、所定の蓄積時間に入射した分散光の強度に応じて、画素毎に電圧信号を出力する。また、ラインセンサ11の蓄積時間は、制御演算部22によって適宜調整することが可能である。また、分光測色器10の対向部には、分光測色器10の補正用として白色の基準板(以下、白基準板とする)20が配置されている。従って、分光測色器10により測定される被測色物14としては、記録材P上に形成された後述するパッチ画像Tが相当する場合と、白基準板20が相当する場合とがある。
[被測色物の分光反射率Or(λ)の求め方]
ラインセンサ11から出力される各画素のデジタル信号は、AD変換器21によりAD変換されて制御演算部22に入力され、制御演算部22において以下の演算がなされる。ラインセンサ11の各画素について、各画素のアドレス番号n(本実施例では、n=1〜134)(図1(b)参照)と、各画素に対応する光の波長λとが、予め相対的に対応付けられている(以下、値付けと記す)。そして、互いに対応付けられた(即ち、値付けがなされた)各画素のアドレス番号nと波長λは、メモリ部23に保持されている。なお、値付けの作業は、例えばラインセンサ11の出荷時に波長λが既知の基準単一波長スペクトルを用いるなどして、従来公知の方法にて行うことができる。このようにラインセンサ11の各画素と波長λが対応付けられることで、上述したラインセンサ11の画素毎の電圧信号出力によって、被測色物14からの反射光の波長−信号強度スペクトルOi(λ)が得られる。
ここで、予め測定された分光反射率が既知の基準試料(一般には白色の基準試料、以下、白基準ともいう)に、白色光源12の光を照射したときの反射光の波長−信号強度スペクトルをWi(λ)とする。Wi(λ)は、分光測色器10により白基準を測色(測定ともいう)したときのスペクトルで、保護ガラス19に汚れが付着している場合には汚れも含まれた状態で測定されたときのスペクトルである。また、基準試料自身が有する波長−信号強度スペクトルをWr(λ)とする。Wr(λ)は、汚れ等がない理想的な環境で厳密に測定された白基準のスペクトルである。更に、被測色物14の分光反射率をOr(λ)とする。そうすると、被測色物14の分光反射率Or(λ)は、次式により求められる。
Or(λ)={Oi(λ)/Wi(λ)}×Wr(λ)・・・式(1)
更に、制御演算部22は、式(1)から得られた被測色物14の分光反射率Or(λ)を元に、380nmから730nmの範囲の分光反射率を10nm毎に補間演算して外部(例えば、後述する制御部55;図1(c)参照)へ出力する。
本実施例の分光測色器10により被測色物14を測定するにあたっては、まず制御演算部22が、式(1)に示された波長λを画素アドレスnに置き換える(Or(n)={Oi(n)/Wi(n)}×Wr(n))。そして、制御演算部22は、予め測定しておいた白基準の出力信号Wi(n)と、被測色物14を測定した際のラインセンサ11からの出力信号Oi(n)とから、各画素についてOi(n)/Wi(n)を演算する。ここで、予め測定しておいた白基準の出力信号Wi(n)とは、後述する図6のS118の処理で求められる値である(図8、図9も同様)。その後、対応付けしたラインセンサ11の各画素nと波長λの関係をメモリ部23から読み出し、画素アドレスnを波長λに置き換えてOi(λ)/Wi(λ)を得る。そして、制御演算部22は、メモリ部23に記憶されているWr(λ)の値を読み出し、式(1)に従って、被測色物14の分光反射率Or(λ)を得ることができる。即ち、分光測色器10により被測色物14を測定すると、制御演算部22が、ラインセンサ11の出力信号Oi(n)を白基準の測定値Wi(n)に基づいて補正することにより、分光反射率Or(λ)を外部に出力する。
[カラー画像形成装置の構成]
本実施例の分光測色器10は、例えば電子写真方式のカラー画像形成装置で用いられることが可能であり、図1(c)はその一例である中間転写ベルトを採用したタンデム方式のカラー画像形成装置を示す構成図である。なお、後述する分光測色器10を適用可能なカラー画像形成装置としては、電子写真方式のカラー画像形成装置に限定されるものではなく、例えばインクジェット方式やその他の方式のカラー画像形成装置であってもよい。図1(c)を用いて本実施例の画像形成装置の画像形成部の動作を説明する。
画像形成部は、給紙カセット44、YMCK各色のステーション毎の感光体(以下、感光ドラムという)31Y、31M、31C、31K、帯電手段としての帯電ローラ32Y、32M、32C、32Kを備える。また、画像形成部は、露光用スキャナ部33Y、33M、33C、33K、現像手段としての現像器38Y、38M、38C、38Kを備える。また、画像形成部は、中間転写ベルト37、中間転写ベルト37を駆動する駆動ローラ41、張架ローラ40、補助ローラ42、一次転写ローラ34Y、34M、34C、34Kを備える。更に、画像形成部は、二次転写ローラ43、定着部51、これらを制御動作させる制御部55、コントローラ部56等を備える。なお、符号の添え字Yはイエロー色、Mはマゼンタ色、Cはシアン色、Kはブラック色をそれぞれ表しており、以降、必要な場合を除きYMCKは省略する。感光ドラム31は、アルミシリンダの外周に有機光導伝層を塗布して構成し、図示しない駆動モータの駆動力が伝達されて回転する。駆動モータは、感光ドラム31を画像形成動作に応じて時計周り方向(図1(c)中矢印方向)に回転させる。
制御部55が画像信号を受信すると、記録材Pは、給紙カセット44等から給紙ローラ45、46によって画像形成装置内に給紙される。そして、記録材Pは、後述の画像形成動作と記録材Pの搬送との同期をとるためのローラ状同期回転体であるレジストローラ対47に一旦挟持され、停止して待機する。一方、コントローラ部56は、受信した画像信号に応じて、露光用スキャナ部33によって帯電ローラ32の作用により一定電位に帯電された感光ドラム31の表面に静電潜像を形成させる。現像器38は静電潜像を可視化する手段であり、ステーション毎にイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の現像を行う。各現像器38には、スリーブ35が設けられており、静電潜像を可視化するための現像電圧が印加されている。このように、各感光ドラム31の表面に形成された静電潜像は、現像器38の作用により単色トナー像として現像される。感光ドラム31、帯電ローラ32、現像器38は一体構成となっており、画像形成装置本体から脱着可能なトナーカートリッジ39の形態で取り付けられている。
中間転写ベルト37は、感光ドラム31Y、31M、31C、31Kに接触しており、カラー画像形成時に反時計周り方向に感光ドラム31Y、31M、31C、31Kの回転と同期して回転する。各感光ドラム31上で現像された単色トナー像は、一次転写ローラ34に印加された一次転写電圧の作用により中間転写ベルト37に順次重畳して転写され、中間転写ベルト37上で多色トナー像となる。その後、中間転写ベルト37上に形成された多色トナー像は、駆動ローラ41と二次転写ローラ43とで形成される二次転写ニップ部に搬送される。一方、レジストローラ対47に挟持された状態で待機していた記録材Pは、レジストローラ対47の作用により中間転写ベルト37上の多色トナー像と同期を取りながら二次転写ニップ部に搬送される。そして、中間転写ベルト37上の多色トナー像が二次転写ローラ43に印加された二次転写電圧の作用により、記録紙P上に一括転写される。
定着部51は、記録材Pを搬送させながら、記録材P上に転写された多色トナー像を溶融定着させる。定着部51は、記録材Pを加熱する定着ローラ51aと記録材Pを定着ローラ51aに圧接させるための加圧ローラ51bを備えている。定着ローラ51aは中空状に形成され、内部にヒータ51ahが内蔵されている。多色トナー像を保持した記録材Pは、定着ローラ51aと加圧ローラ51bにより搬送されるとともに、熱及び圧力を加えられ、トナーが記録材P表面に定着される。
トナー像定着後の記録材Pは、排紙ローラ50によって排紙トレイ52に排出され、片面印字の場合には画像形成動作を終了する。一方、両面印字の場合には、記録紙Pの2面目への画像形成を行うために、排紙部でのスイッチバック動作によって両面搬送路60を経由して、再びレジストローラ対47に一旦挟持されて停止して待機する。その後、上述した一連の画像形成動作が行われて記録材Pの2面目への画像形成が行われる。クリーニング装置48は、中間転写ベルト37上に残留したトナーをクリーニングする。クリーニング装置48によりクリーニングが行われ回収されたトナーは、クリーナ容器49に蓄えられる。
本実施例の分光測色器10は、記録材Pに指定間隔及び形状で形成された測定対象のトナー画像(以下、トナーパッチと記す)を測色する目的で、両面搬送路60中の長手中央位置に配置されている。詳細には、両面搬送路60において、記録紙Pの搬送方向に直交する方向の中央部に配置されている。なお、分光測色器10の配置は、長手方向中央位置に限定されない。また、分光測色器10により測色されるトナーパッチは、分光測色器10の位置に応じて記録材P上に形成されるものとする。更に、分光測色器10は、記録材P上のトナーパッチの定着処理が終了したあとで、記録材Pが画像形成装置外に排出される前にトナーパッチを測定できる位置に配置されていればよい。分光測色器10によるトナーパッチの測色動作が開始されると、まず初めに前述した一連の画像形成動作により、記録材Pに例えば図2(a)に示す測色用のパッチ画像Tが形成される。図2(a)に示すように、トナーパッチとしてのパッチ画像Tは、記録紙Pの搬送方向に階調の異なるパッチが連続して形成された形状をしている。パッチ画像Tにおいて、記録紙Pの搬送方向の先頭に位置するパッチをトリガーパッチ(図2(a)中、Triggerと図示)ということとする。なお、パッチ画像Tのトリガーパッチは、後述する迷光補正に用いられるとともに、測色タイミングを検知するためのトリガーとしての機能も有する。また、符号Bについては実施例3で説明する。
定着部51を通過した記録材Pは、排紙部でのスイッチバック動作によって両面搬送路60へと搬送される。そして、両面搬送路60中に配置された分光測色器10により、記録紙Pに形成されたパッチ画像Tは、トリガーパッチを基準として、記録材Pの搬送と同期しながら順次測色される。分光測色器10による測色が終了し、レジストローラ対47を通過した記録材Pは、二次転写部、定着部51を通過して排紙ローラ50によって排紙トレイ52に排出される。このような一連の画像形成動作は、画像形成装置内に設けられた制御部55によって制御される。
[画像形成動作]
次に、本実施例の画像形成装置における画像形成動作の一例を、図2(b)に示すブロック図を用いて説明する。画像形成装置のコントローラ部56と制御部55は、不図示のビデオインターフェースを介して接続され、コントローラ部56が外部端末のホストコンピュータ57や不図示のネットワークに接続される。コントローラ部56が有する記憶部には、色変換に用いるカラーマッチングテーブル(CM)、色分解テーブル(C1)、濃度補正テーブル(D)が記憶されている。また、制御部55には、画像形成動作や分光測色器10からの測色結果を処理するCPU202と、分光測色器10による測定結果を一時保管するメモリ203が搭載されている。
画像形成動作が開始されると、コントローラ部56は、以下の処理を行う。コントローラ部56は、予め用意されているカラーマッチングテーブル(CM)により、ホストコンピュータ等から送られてくる画像の色を表すRGB信号を、カラー画像形成装置の色再現域に合わせたデバイスRGB信号に変換する。以降、カラー画像形成装置の色再現域に合わせたデバイスRGB信号を、DevRGB信号と表記する。続いて、コントローラ部56は、色分解テーブル(C1)及び後述するカラー補正テーブル(C2)により、DevRGB信号をカラー画像形成装置のトナー色材色であるCMYK信号に変換する。なお、カラー補正テーブル(C2)は、後述する本実施例の測色動作によって、テーブルのデータが更新されるものである。
そして、コントローラ部56は、各々のカラー画像形成装置に固有の階調‐濃度特性を補正する濃度補正テーブル(D)により、CMYK信号を、階調‐濃度特性の補正を加えたC’M’Y’K’信号へ変換する。そして、コントローラ部56は、ハーフトーン処理を行い、C’M’Y’K’信号をC’’M’’Y’’K’’信号へ変換する。その後、コントローラ部56は、PWM(Pulse Width Modulation)テーブル(PW)により、C’’M’’Y’’K’’信号を、露光時間Tc、Tm、Ty、Tkへ変換する。ここで、露光時間Tc、Tm、Ty、Tkは、C’’M’’Y’’K’’信号に対応する露光用スキャナ部33C、33M、33Y、33Kの露光時間である。コントローラ部56は、これら露光時間Tc、Tm、Ty、Tkに従って、露光用スキャナ部33C、33M、33Y、33Kを制御する。これにより、コントローラ部56は、感光ドラム31C、31M、31Y、31Kの表面に静電潜像を形成し、先に述べた一連の画像形成動作が行われる。
また、分光測色器10によるパッチ画像Tの測色動作においては、図2(a)に示すように、記録材Pに測色用のパッチ画像Tが形成される。この際、コントローラ部56は、予めコントローラ部56に格納されている複数個のCMYK形式のカラーパッチデータ(CPD)に従って、パッチ画像Tを形成する。パッチ画像Tは単色のパッチでも混色のパッチでもよい。記録材P上に形成された測色用のパッチ画像Tは、前述したように分光測色器10で測色される。そして、分光測色器10のラインセンサ11により読み取られたデータ(上述したOi(n))に基づき、それぞれのパッチ毎に制御演算部22によって分光反射率Or(λ)が算出され、制御部55に出力される。
分光測色器10により出力された分光反射率Or(λ)のデータは、制御部55の作用によって色度値(例えばCIE L*a*b*など)に変換されてコントローラ部56の色変換部に送信される。そして、コントローラ部56の色変換部は、不図示のカラーマネージメントシステム(Color Management System:CMS)を利用して、制御部55から送信された色度値(L*a*b)を、CMYK形式のデータ(CSD)に変換する。ここで、CMYK形式のデータ(CSD)は、画像形成装置に依存するデータである。その後、コントローラ部56の色変換部は、変換したCMYKデータ(CSD)と、デフォルトのカラーパッチデータ(CPD)とを比較する。これにより、コントローラ部56は、変換したCMYKデータ(CSD)とデフォルトのカラーパッチデータ(CPD)との差を補正するようなカラー補正テーブル(C2)を生成し、更新する。
これらの処理は、測色された全ての測色用のパッチ画像Tに対して行われるが、測色されるパッチ画像Tは、画像形成装置で再現可能な全ての色を必ずしも揃えている必要はない。測色用のパッチ画像Tとして記録材Pに形成されていないCMYKデータに関しては、測色されたパッチ画像Tに基づいて補間処理を行うことにより、カラー補正テーブル(C2)を作成すればよい。このようにして作成されたカラー補正テーブル(C2)は、色分解テーブル(C1)と共に、コントローラ部56において更新、保持される。
[分光測色器に用いられる白色光源]
次に、本実施例において、分光測色器10により測色する際に用いられる白色光源12について詳細に説明する。分光測色器10により印刷物や物体色を測色するにあたっては、例えばJIS Z8722に記載されているように、次のように測定を行うことが望まれる。即ち、分光測色器10により厳密に測色を行う際には、波長380nmから780nmの波長域、簡易的な測色の場合でも波長400nmから700nmの波長域に対して、その強度を測定することが望まれる。
そこで、本実施例では、白色光源12として、図3(a)に示すような発光スペクトルを持つLEDパッケージ等の光源を用いる。ここで、図3(a)の横軸は波長(nm)、縦軸は相対強度を示す。図3(a)に示すように、本実施例の白色光源12は、波長390nmに発光強度の極大値を持つ発光ダイオードのスペクトルと、青色スペクトルと、黄色スペクトルと、赤色スペクトルとを組み合わせた形状となっている。ここで、青色スペクトルは波長450nmに蛍光強度の極大値を持ち、黄色スペクトルは波長570nmに蛍光強度の極大値を持ち、赤色スペクトルは波長630nmに蛍光強度の極大値を持つ。なお、このような発光スペクトルを持つLEDパッケージは、従来公知のパッケージと同様に、発光チップと蛍光体を組み合わせることで、表面実装型、砲弾型、チップオンボード型など、任意の形状タイプで得ることが可能である。
LEDパッケージの代表例として、図3(b)に表面実装型LEDパッケージの模式構造図を示す。表面実装型LEDパッケージは、セラミックや樹脂などで成型したキャビティ71の中に発光ダイオード72を実装し、キャビティ71に蛍光体を分散させたエポキシやシリコーンなどの樹脂73を封入して得られる。電極74を介して発光ダイオード72に電流が供給されると、発光ダイオード72から自身の持つ固有波長スペクトルが放射される。放射されたスペクトルの一部は、キャビティ71内の蛍光体を励起し、蛍光体の持つ固有波長スペクトルが放射される。蛍光体として先に述べた青色、黄色、赤色の各波長の光を放射するものを使用することで、本実施例に用いられる図3(a)に示されるような発光スペクトルが放射される。
このように、本実施例では、白色光源12として、近紫外領域に発光強度の極大値を持つ発光ダイオードを使用したLEDパッケージを用いる構成とする。これにより、測色に必要であり、かつ一般的な白色LEDでは十分な出力を得ることのできなかった、波長400nm付近の分光反射出力を得ることが可能となる。具体的には、波長380nm又は400nm以上の波長域の出力を得るために、発光強度の極大値が波長380nmから420nmの範囲にある発光ダイオードを、励起光源として用いれば良い。このような発光ダイオードとしては、InGaN系のものが広く知られている。
また、白色光源12として本実施例にて例示したように、波長420nmから730nmの領域に蛍光強度の極大値を持つ複数の蛍光体を使用したLEDパッケージを用いる構成とする。これにより、簡易測色に必要とされる波長400nmから700nmの領域における分光反射出力を得ることが可能となる。この場合、使用される蛍光体の組成には特に制限はないが、酸化物蛍光体又は窒化物蛍光体が化学的に安定であるため、半導体発光素子及び照明装置の寿命が長くなるので好ましい。特に、金属酸化物、金属窒化物、リン酸塩及び硫化物に、希土類金属のイオンや金属のイオンを付活元素又は共付活元素として組み合わせたものが好ましい。ここで、金属酸化物は、Y2O3、Zn2SiO4等に代表されるものである。また、金属窒化物は、Sr2Si5N8等に代表されるものである。また、リン酸塩は、Ca5(PO4)3Cl等に代表されるものである。また、硫化物は、ZnS、SrS、CaS等に代表されるものである。また、希土類金属は、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等である。更に、金属は、Ag、Cu、Au、Al、Mn、Sb等である。これらは青色蛍光体、緑色蛍光体、黄色蛍光体、橙色蛍光体、赤色蛍光体など、従来公知の蛍光体として用いられている組成物である。
[両面搬送路上における分光測色器の設置状況]
次に、定着後の両面搬送路60における分光測色器10の設置状況の詳細図を図4(a)、図4(b)に示す。図4(a)は、分光測色器10が両面搬送路60内に突出し、記録材Pを狭持搬送する状態を示している。一方、図4(b)は、両面搬送路60に対して分光測色器10が退避している様子を示している。図4(a)において分光測色器10は、測色器ホルダー112によって保持され、付勢ばね113によって測色器ホルダー112毎付勢されており、両面搬送路60内に突出している。記録材Pは、分光測色器10の表面の保護ガラス19と白基準板20(分光測色器10の対向部でもある)によって狭持される。そして、記録材Pは、不図示の搬送ローラによって搬送力を付与され、両面搬送路60を搬送方向(図4(a)中、下向きの矢印方向)に搬送され、分光測色器10を通過する。記録材Pが分光測色器10を通過している状態で、分光測色器10は、記録紙P上に形成された複数のカラーパッチからなるパッチ画像Tに同期してパッチ画像Tを読み取り、測色動作が実行される。
また、分光測色器10による測色動作を行わない場合には、両面搬送路60内に記録材Pが搬送される際の記録材Pの画像形成面を保護する目的で、分光測色器10は両面搬送路60から退避される。詳細には、カム部115が不図示のモータ等により回転駆動され、カム部115が測色器ホルダー112のリフトアーム部114を押上げる。そして、測色器ホルダー112のリフトアーム部114を押上げる力が付勢バネ113による付勢力に打ち勝って、分光測色器10が両面搬送路60から退避させられる。この状態を図4(b)に示す。図4(b)には、図中左向きの矢印方向(搬送方向に直交する方向)に分光測色器10が退避していく方向を示す。この状態では、両面搬送路60内面に対して測色用の窓部分である保護ガラス19が開放状態となっている様子がわかる。図4(b)の状態においては、分光測色器10の保護ガラス19表面は、記録材Pとの接触はないが、測色用の窓部分である保護ガラス19が開放状態となっているため、画像形成装置内を舞う塵埃にさらされることになる。
また、図4(a)の状態で、記録材Pは分光測色器10の保護ガラス19の表面に接触するため、記録材Pによる保護ガラス19表面に付着した紙粉や塵埃等の清掃効果を期待できる。しかし、記録材Pを円滑に搬送しなければならないため、保護ガラス19と白基準板20を密着させ、その間に記録材Pを搬送させ、更に保護ガラス19の表面全体に記録材Pを押し当てて挟持搬送することは、記録材Pの円滑な搬送性を妨げるおそれがある。よって、接触面積を軽減した図4(c)のように、保護ガラス19表面と白基準板20は、対向部ホルダー20’でのみ分光測色器10と接触する構成(以下、この構成をギャップ構成という)にする必要がある。そのため、保護ガラス19と記録材Pとは対向部ホルダー20’の部分は接触するが、他の領域では軽接触を期待するギャップを持った構成となる。このため、保護ガラス19の表面清掃は、記録材Pの姿勢に依存することになる。即ち、記録材Pの姿勢によって、保護ガラス19が正常に清掃される場合や、清掃されずに紙粉や塵埃等が残留する場合の、両方の場合が存在することになる。
図5(a)、図5(b)に分光測色器10の保護ガラス19上の表面状態の様子を示す。なお、図1(a)で説明した構成と同じ構成には同じ符号を付し、説明を省略する。図5(a)は、保護ガラス19上に紙粉や塵埃等がない状態を示す。一方、図5(b)は、保護ガラス19上に付着した紙粉等200の状態を示す。また、図5(c)、図5(d)には、図5(a)、図5(b)の状態で取得した暗色(例えば黒色)の測定対象物の測定結果を示す。ここで、図5(c)は、図5(a)の状態で取得した測定結果で、図5(d)は、図5(b)の状態で取得した測定結果である。図5(c)、図5(d)のグラフは、横軸を波長(nm)、縦軸を反射率としている。図5(c)、図5(d)に示すグラフから明らかなように、保護ガラス19上に付着した紙粉等200によって測定結果が異なることがわかる。
記録材P上の被測色物14(以下、測定対象物ともいう)が黒色の場合、保護ガラス19に紙粉等200が付着していない場合には、図5(c)に示すように、反射率が低くなる。ところが、図5(b)に示すように保護ガラス19に紙粉等200が付着している場合、白色光源12からの光15が紙粉等200によって反射され、反射光がラインセンサ11に入射されてしまう。このため、図5(d)に示すように、保護ガラス19に紙粉等200が付着している場合には、結果として、反射率が高くなってしまう。このように、保護ガラス19上に付着した紙粉等200によって、同じ測定対象物に対する測定結果に大きな影響を与えてしまうことがわかる。この原因は、主に保護ガラス19上に付着した紙粉等200の、白色光源12からの光15の内面散乱による分光測色器10内での迷光ということになる。よって、迷光が増えている状態において正しい測色を行うためには、以下の手順で迷光を除去する必要がある。
[迷光の除去手順]
以下の各記号の定義は信号成分のみで示す。また以下の記号の(λ)は、分光出力として400nm〜700nmまでの10nm毎の波長成分の集合を示している。
分光測色器10の製造時に取得した迷光データ・・・M1(λ)
既知の白基準反射率・・・W_r(λ)
分光測色器10の初期の白基準測定データ・・・W1(λ)
初期の測定対象物の測定データP1(λ)
保護ガラス19の表面に紙粉等が付着していない状態で取得した、暗色測定対象物の測定データ・・・S1(λ)
保護ガラス19の表面に紙粉等が付着している状態で取得した、暗色測定対象物の測定データ・・・S2(λ)
現在の測定対象物の測定データP2(λ)
現在の測定対象物の測定データから迷光分を除去した算出データP2’(λ)
白基準に対して光量補正後に測定した現在の白基準測定データ・・・W2(λ)
初期の測定対象物の分光反射率・・・R1(λ)
現在の測定対象物の分光反射率・・・R2(λ)
迷光を含んだ測定データから迷光を除去する一次補正係数・・・a,b
上述したように定義した記号を用いると、分光反射率R(λ)は、保護ガラス19表面に汚れのない状態、即ち、初期の状態では、以下の式(2)により算出される。
R1(λ)=(P1(λ)−M1(λ))/(W1(λ)−M1(λ))×W_r(λ)・・・(2)
しかし、測定時の迷光データM2(λ)は、初期の迷光データM1(λ)からは変化している。このため、保護ガラス19表面に紙粉等が付着している状態での分光反射率R(λ)を算出する場合は、増加した迷光分(言い換えれば、M2(λ)−M1(λ))も除去する必要がある。ここで、前述の暗色の測定対象物を測定した2点の測定結果(S1(λ)、S2(λ))と、白基準を測定した2点の測定結果(W1(λ)、W2(λ))には、それぞれ測定対象物からの反射と受光光量に関して比例関係が成り立つ。このため、本実施例では、各2点間の測定結果に対して、以下の一次関数を適用する。
S1(λ)=a×S2(λ)+b・・・(3)
式(3)に示すように、暗色の測定対象物について一次式を適用する。次に白基準板の測定データについても、以下の一次式を適用する。
W1(λ)=a×W2(λ)+b・・・(4)
式(3)及び式(4)から係数aとbを算出すると、以下の結果となる。
a=(W1(λ)−S1(λ))/(W2(λ)−S2(λ))・・・(5)
b=((W2(λ)×S1(λ))−(W1(λ)×S2(λ))/(W2(λ)−S1(λ))・・・(6)
式(5)、式(6)で算出された係数aとbを用いることにより、以下の式(7)により、分光測色器10により測色した測定対象物の現在の測定データP2(λ)から、迷光を除去した現在の測定対象物の算出データP2’を算出することができる。即ち、画像の濃度又は色度を制御するための情報であるP2(λ)を補正することにより、迷光を除去したP2’(λ)を得ることができる。
P2’(λ)=a×P2(λ)+b・・・(7)
そして、現在の分光反射率R2(λ)は、以下の式(8)により算出される。なお、以下の式(8)の分光反射率R2(λ)は、上述した式(1)の分光反射率Or(λ)である。
R2(λ)=(P2’(λ)−M1(λ))/(W2(λ)−M1(λ))×W_r(λ)・・・(8)
式(8)において、算出データP2’(λ)は式(7)により測定データP1(λ)を近似算出した値である。また、W2(λ)は白基準に対して光量補正後に測定した現在の白基準測定データである。このため、W1(λ)≒W2(λ)の関係にある。よって、式(8)で算出される値については、式(2)とほぼ同等の値となり、保護ガラス19への紙粉等の付着による迷光の影響を低減することができる。
なお、上述の説明の中で、式(7)では、迷光分を除去した算出データP2’(λ)を算出する演算式に一次関数を適用している。しかし、本発明はこれに限定されるわけではない。例えば、白基準板20及び暗色の測定対象物(例えば黒色)以外に補正として複数測定を行うことができる場合は、一次以上の関数の方程式を用いても良い。
[分光測色器の測定データの補正処理]
上述した演算方法を、画像形成装置内の分光測色器10のデータ処理に適用した例を図6に示す。ステップ(以下、Sとする)102で制御部55は、分光測色器10のセンサ感度補正として、白色光源12をオフ(消灯)した状態で分光測色器10のラインセンサ11による測定、即ち暗電流測定を行う。制御部55は、S102でラインセンサ11により測定した画像データ(暗電流測定の測定結果)を、オフセット演算用のデータとして用いる。
S103で制御部55は、白基準板20に白色光源12からの光15を照射し、白色光源12の光量の調整(以下、光源光量の調整という)を行う。制御部55は、例えば、次のような制御を行うことにより、光源光量の調整を行う。即ち、制御部55は、白基準板20に白色光源12からの光15を照射し、ラインセンサ11により白基準板20のデータを取得する。そして、制御部55は、取得したデータの最大輝度が所望の値となるように、白基準板20の測定を繰り返し、白色光源12の駆動電流を制御する。なお、S103で制御部55が光源光量の調整を行った際に得た、光量調整時の調整値をLED_ADJ1とする。
S104で制御部55は、S103で行った光量調整時の調整値(LED_ADJ1)と、汚れのない状態での光量調整値(汚れなし光量調整値と図示)との比較を行う。ここで、汚れなし光量調整値をLED_ADJ0とし、LED_ADJ0は、予め分光測色器10のメモリ部23に記憶されているものとする。制御部55は、例えば、S103で行った光量調整時の調整値(LED_ADJ1)と汚れなし光量調整値(LED_ADJ0)との差分値ΔLED_ADJ(=|LED_ADJ0−LED_ADJ1|)を算出する。制御部55は、算出した差分値ΔLED_ADJが所定値よりも大きいか否かを判断する。そして、制御部55は、算出した差分値ΔLED_ADJが所定値以下である場合は、清掃が必要でない状態である(OKである)と判断する。一方、制御部55は、算出した差分値ΔLED_ADJが所定値より大きい場合(図中、Δ大と図示)は、清掃が必要な状態である(OKでない)と判断する。S104で制御部55は、算出した差分値ΔLED_ADJ(比較結果ともいえる)が所定値よりも大きい(OKでない)と判断した場合は、S106で保護ガラス19の清掃要求を出力する。なお、制御部55は、例えば保護ガラス19の表面清掃を実行させたり、白基準板20の清掃を実行させたりする。また、制御部55は、光量設定値として初期値(=LED_ADJ0)を設定する。なお、S106の処理は、必須の処理ではなく、行わなくてもよい。このため、図6では、S104の判断からS106、S107の処理への流れを破線で示している。S106の処理を省略する場合には、S103の処理からS105の処理に進む。
S104で制御部55は、算出した差分値ΔLED_ADJが所定値以下である(OKである)と判断した場合、S105で、S103で行った光量調整時の光量調整値(=LED_ADJ1)を光量設定値として設定する。S107で制御部55は、分光測色器10により第一の測定である白基準測定Aを行う。即ち、制御部55は、分光測色器10により白基準板20に白色光源12からS105又はS106で設定した光量設定値で光15を照射し、反射光を測定する。ここで、制御部55が分光測色器10により測定した白基準測定Aの測定結果は、光量調整値がLED_ADJ1(S106へ分岐した場合にはLED_ADJ0)の状態で測定された値であり、この値をW2_A(λ)とする。S108で制御部55は、記録材Pの搬送を開始する。なお、記録材Pには、図2(a)で示すような測定開始基準となるトリガーパッチを含むパッチ画像Tが形成されている。本実施例では、所定の明度のトリガーパッチとして、記録材P自体の色との色差の最も大きい黒を用いている。S109で制御部55は、分光測色器10により記録材P上のトリガーパッチ(TRGパッチ(黒)と図示)の到達を検出し、トリガーパッチを測定する。なお、S109で制御部55が分光測色器10により測色したトリガーパッチの測定値は、上述したS2(λ)である。S110で制御部55は、継続して搬送される記録材P上に形成されているパッチ画像Tのトリガーパッチ以外の複数個のパッチの測定も行う。なお、S110で制御部55が分光測色器10により測色したトリガーパッチ以外のパッチの測定値は、上述したP2(λ)である。
その後、記録材Pは分光測色器10の測色位置から離脱するところまで搬送され、パッチ画像Tが形成された記録材Pが排紙トレイ52に排紙されると、S111で制御部55は、分光測色器10による測色処理のための記録材Pの搬送を終了する。このタイミングで、記録材Pは分光測色器10の測色位置から離脱しているため、分光測色器10による再度の白基準板20の測定が可能な状態となっている。S112で制御部55は、再度白基準板20の測定を行う(第二の測定である白基準測定Bという)。なお、S112で制御部55が分光測色器10により測定した白基準測定Bの測定結果は、光量調整値がLED_ADJ1(S106へ分岐した場合にはLED_ADJ0)の状態で測定された値であり、この値をW2_B(λ)とする。また、分光測色器10による再度の白基準板20の測定は、記録材Pの後端が分光測色器10を通過した後のタイミングであればよい。
制御部55は、S107とS112で分光測色器10により行った2回の測定で、記録材Pの搬送前後の白基準板20の汚れを比較することができる。S113で制御部55は、S107で行った白基準測定Aの測定結果W2_A(λ)と、S112で行った白基準測定Bの測定結果W2_B(λ)とを比較し、比較結果に基づいて白基準測定の値W2(λ)を決定する。S113で制御部55が実行する処理として、例えば、次のような処理がある。制御部55は、白基準測定Aと白基準測定Bの画素毎(波長毎)の測定値をそれぞれ比較する。そして、制御部55は、白基準測定Aと白基準測定Bの差分値が所定値以下であると判断した場合には、記録材Pの通過による汚れの変化はほとんどないと判断し、W2_A(λ)及びW2_B(λ)のいずれかの値に基づいてW2(λ)を決定する。
また、制御部55は、白基準測定Aと白基準測定Bの差分値が所定値より大きいと判断した場合には、更に次のような場合分けを行う。制御部55は、差分値が所定値より大きく、且つ白基準測定Bの測定値W2_B(λ)の方が白基準測定Aの測定値W2_A(λ)よりも暗くなったと判断した場合、記録材Pの搬送により保護ガラス19の紙粉等200が除去されたと判断する。そして、制御部55は、白基準測定Bの測定値W2_B(λ)に基づいて、W2(λ)を決定する。一方、制御部55は、差分値が所定値より大きく、且つ白基準測定Aの測定値W2_A(λ)の方が白基準測定Bの測定値W2_B(λ)よりも暗いと判断した場合、次のように判断する。即ち、制御部55は、記録材Pの搬送により保護ガラス19に紙粉等が付着した、又は白色光源12の光量が変動したと判断する。そして制御部55は、白基準測定Aと白基準測定Bの測定値を例えば線形補間し、線形補間した値に基づいてW2(λ)を決定する。
なお、制御部55が実行する、記録材Pの搬送前後の白基準測定A、Bの比較処理としては、W2_A(λ)とW2_B(λ)の平均値を求めたり、他の処理を用いて求めたりしてもよい。更に、白基準測定A及び白基準測定Bのいずれか一方のみを行うようにしてもよい。また、例えば、記録材Pの搬送速度に基づいて、白基準測定A及び白基準測定Bのいずれか一方のみを行うか、両方を行うかを決定してもよい。このように、白基準測定の実施や、白基準測定の測定結果をどのように用いるかについては、種々の方法が考えられる。
S114で制御部55は、分光測色器10の制御演算部22により、上述した式(3)で説明したトリガーパッチにおける迷光の補正を行う。具体的には、制御演算部22は、W1(λ)、W2(λ)、S1(λ)、S2(λ)の値に基づいて、上述した式(5)、式(6)から、補正係数a、bを算出する。ここで、W1(λ)、S1(λ)は、予め分光測色器10のメモリ部23に記憶されているものとする。なお、S114の処理の後に、制御部55は、S118の処理に進むが、例えばS115〜S117のような処理を実行することもできる。
即ち、S115で制御部55は、S109で測定したトリガーパッチの測定値S2(λ)に基づいて、紙粉等の付着による迷光のレベル(以下、迷光レベルとする)が所定の範囲内にあるか否かを判断する。ここで、所定の範囲とは、迷光の補正を行える範囲である。例えば、制御部55は、迷光レベルとしてトリガーパッチの測定値S2(λ)とS1(λ)との差分を算出し、算出した差分が所定の範囲内にあるか否かを判断する。S115で制御部55は、迷光レベルが所定の範囲内であると判断した場合(変動レベルOKである)、S117の処理に進み、所定の範囲内ではない(変動レベルOKではない)と判断した場合、S116の処理に進む。S116で制御部55は、迷光レベルが迷光の補正を行える範囲内ではないと判断し、例えば再測定要求という警告フラグを立てておき、S117の処理に進む。S117で制御部55は、例えばS113で説明した処理と同様の処理を行うことにより、迷光レベルの変動に基づいて白基準測定A、白基準測定Bの値を補正する。S117で行う処理としては、例えば、制御部55は、トリガーパッチの測定値S2(λ)とS1(λ)の差分に基づいて、S113で決定した値W2(λ)から迷光による影響を差し引いた値をW2(λ)として決定する。なお、S115〜S117の処理は省略することも可能であるため、図6には、S114とS118の間に破線で記載している。
S118で制御部55は、分光測色器10の制御演算部22により、S114で算出したa、bを用いて、白基準反射率W2_r(λ)を算出する。S118で算出される白基準反射率W2_r(λ)は、迷光が除去された状態で算出される値である。S118で算出される白基準反射率W2_r(λ)は、次のように算出される。まず、式(4)より、
W1(λ)=a×W2(λ)+b
であり、かつ、式(7)のP2’(λ)をW2’(λ)、P2(λ)をW2(λ)と置き換えることにより、
W2’(λ)=a×W2(λ)+b
である。ここで、式(8)の分母のW2(λ)として、迷光が除去された値W2’(λ)を用いると、
W2_r(λ)=(W2’(λ)−M1(λ))/(W2’(λ)−M1(λ))×W_r(λ)=W_r(λ)
となる。また、S119で制御部55は、分光測色器10の制御演算部22により、
R2(λ)=(P2’(λ)−M1(λ))/(W2’(λ)−M1(λ))×W_r(λ)・・・(9)
として、S110で測定したパッチ画像Tの各階調のパッチのデータP2(λ)に対する測色演算を行う。式(9)においても、迷光が除去された値W2’(λ)が用いられる。
なお、制御部55は、パッチ画像Tを検知した結果に基づいて、画像形成部の露光量やプロセス条件、濃度−階調特性を補正するためのキャリブレーションテーブルなどへフィードバックを行う。そして、制御部55は、記録材P上に形成した最終出力画像の濃度又は色度の制御を行う。そして、制御部55は、パッチ画像Tの全てのパッチの測色演算を行った後、測色動作を終了する。以上が一連の流れである。なお、本実施例では、S119でまとめて測色演算を行ったが、演算のタイミングについてはこれに限定されるものではない。例えば、トリガーパッチを測定した直後に、迷光補正を行い、パッチ測定毎に順次測色演算を行っても良い。なお、以降の実施例についても同様である。
前述の構成及び本シーケンスを分光測色器10に搭載して、画像形成装置へ設置し、画像形成装置で出力されたパッチ画像Tを読み取り、測色演算精度検証を行ったところ、高い測色精度を得ることができた。本実施例の補正処理により、画像形成に伴い発生する紙粉や外部環境から侵入する塵埃等から測色精度に影響をおよぼす保護ガラス19の汚れによる測色精度への影響を低減し、その結果安定した測色精度を維持できる。また、簡易な構成での分光測色器10は、紙粉等の汚れに対しても高い測色精度を維持できるので、画像形成装置への搭載が容易となる。更に、出力されたパッチ画像Tを画像形成装置内に設置された分光測色器10によって読み取り、画像形成条件にフィードバックさせることで、色安定性の良い出力物を得ることが可能となる。以上、本実施例によれば、測色器の測色精度を向上させることができる。
[分光測色器の測定データの補正処理]
実施例2について、図7のパッチ画像Tについて説明する。図7は、本実施例において分光測色器10が測定を行う、記録材Pの測色用のパッチ画像Tである。図7中には図2(a)と異なり、2つのトリガーパッチ(Trigger1、Trigger2)を形成している。このトリガーパッチは、実施例1で説明した迷光補正と測色タイミングを併せ持つ機能を有する。本実施例では、実施例1と同様に、トリガーパッチには、記録材Pとの色差の最も大きい黒を用いている。なお、記録材Pが長尺の場合は、2つ以上のトリガーパッチを設けてもよいが、本実施例では2つのトリガーパッチを設けた例について、図8を用いて説明を行う。
図8のフローチャートにおいて、図6のフローチャートと同じ処理には同じステップ番号を付し、説明は省略する。なお、本実施例では、トリガーパッチが2つあるため、図8のS109で制御部55が分光測色器10により検出する記録材P上のトリガーパッチは、1つめのトリガーパッチ(Trigger1、TRGパッチ1(黒)と図示)である。S109で制御部55が分光測色器10により測定した結果を、S2_1(λ)とする。
S209で制御部55は、同一の記録材P上に形成されたトリガーパッチ2を分光測色器10により検出する。なお、S209で制御部55が分光測色器10により測定した結果を、S2_2(λ)とする。S210で制御部55は、継続搬送される記録材P上に形成されている他のパッチの測定を行う。
S114で制御部55は、実施例1の式(3)で説明したように、保護ガラス19に付着した紙粉等200に起因する迷光の補正を行う。ここで、制御部55が迷光補正を行う場合、トリガーパッチ1とトリガーパッチ2の差分(S2_2(λ)−S2_1(λ))を用いて補正を行ってもよいし、平均処理((S2_2(λ)+S2_1(λ))/2)を行ってもよい。なお、パッチ画像Tにトリガーパッチが複数含まれる場合、複数のトリガーパッチ(nのトリガーパッチ、nは正の整数)の測定結果の平均処理((S2_1+S2_2+・・・+S2_n)/n)を行っても良い。
以上が一連の流れである。また、前述の構成及び本シーケンスを分光測色器10に搭載して画像形成装置へ設置し、画像形成装置で出力された本実施例のパッチ画像Tを読み取り、測色演算精度検証を行ったところ、実施例1と同様に高い測色精度を得ることができた。以上、本実施例によれば、測色器の測色精度を向上させることができる。
実施例1、2では、トリガーパッチと白基準板20を測定し、保護ガラス19か白基準板20のいずれかに汚れが付着しているとして、迷光補正処理を行っている。実施例3では、トリガーパッチに比較して明るいパッチを測定し、白基準板20を測定した結果と明るいパッチを測定した結果とに基づいて、白基準板20に汚れが付着していると判断した場合には、白基準板20の汚れを補正する構成である。
[分光測色器の測定データの補正処理]
本実施例について、図9を用いて説明する。なお、実施例1で説明した処理と同じ処理には同じステップ番号を付し、説明は省略する。図9の処理に使用するパッチ画像Tは、図2(a)又は図7中のBのように配置した、所定の明度のトリガーパッチに比較して明度の高い、即ち明るいパッチを用いている。具体的には、カラー画像形成装置としてイエロー色等の単一色のパッチ(以降、Bパッチと記す)を用いる。なお、記録材P中に、複数のBパッチを設けてもよいが、本実施例では、1つのBパッチを例として図9を用いて説明を行う。
S302で制御部55は、分光測色器10により記録材P上のパッチ画像TのBパッチの測定を行う。なお、図9中では、Bパッチの測定を、S109、S110の処理の後に実行しているが、S110中に行っても良い。S303で制御部55は、S302で測定したBパッチの比較を行う。S302で測定したBパッチの測定結果と、例えば、画像形成装置のパッチの基準値又は初期の測色結果のいずれか(いずれも、Bパッチと同じ色とする)を用いて汚れの比較を行う。ここで、例えば、画像形成装置のパッチの基準値又は初期の測色結果を、イエロー色についてのものとし、この値をY1(λ)とする。なお、Y1(λ)は、予め分光測色器10のメモリ部23に記憶されているものとする。また、測定したBパッチをY2(λ)とする。そして、制御部55は、例えば、S302で行ったBパッチの測定値Y2(λ)と基準値等Y1(λ)との差分値ΔYを算出し、算出した差分値ΔYが所定値よりも大きいか否かを判断する。制御部55は、算出した差分値ΔYが所定値以下である場合、汚れが増したことによる補正処理(以下、汚れ増補正処理という)を行わなくてよい(OKである)と判断する。一方、制御部55は、算出した差分値ΔYが所定値より大きい場合、汚れ増補正処理が必要な状態である(OKではない)と判断する。
S304で制御部55は、Bパッチとの比較結果から汚れ増補正処理が必要であると判断した場合は、S305で汚れ増補正処理を行う。S305で制御部55は、主に測色演算で用いる白基準プロファイルの最適化を図る。ここで、Bパッチについても式(2)等の関係(例えば、Y1(λ)=c×Y2(λ)+d;c、dは係数)が成り立つ。制御部55は、Bパッチの測定結果から求められる汚れによる測定結果の変動を、白基準の測定値W2(λ)に反映させる。例えば、制御部55は、Bパッチの測定値Y2(λ)とY1(λ)の差分に基づいて、S113で決定した値W2(λ)から汚れによる影響を差し引いた値をW2(λ)として決定する。
S306で制御部55は、白基準板20の設置初期からの汚れによる光量低下分を抽出しておく。ここで、白基準板20が汚れていない状態では反射率が高く、白基準板20が汚れると反射率が低下する。制御部55は、白基準板20の汚れによる反射率の低下に基づき、光量低下分を抽出している。なお、制御部55は、パッチ画像Tの各階調のパッチの測色データに対して補正処理を行う際に、抽出した光量低下分のデータを用いる。具体的には、紙粉等の汚れは波長毎に分光強度レベルが異なるため、抽出された光量低下分のデータは、測色する各パッチの分光反射率毎に補正係数として演算するために用いられる。
前述の構成及び上述した補正処理を行う分光測色器10を画像形成装置へ設置し、画像形成装置で出力されたパッチ画像Tを読み取り、測色演算精度検証を行った。その結果、保護ガラス19の汚れによる迷光増加、メイン光の減少が生じた場合や白基準板20の汚れの影響がある場合においても、高い測色精度を得ることができた。以上、本実施例によれば、測色器の測色精度を向上させることができる。
10 分光測色器
20 白基準板
51 定着部
55 制御部

Claims (15)

  1. 複数の階調のパッチからなるパッチ画像を記録材に形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段により形成された前記パッチ画像を定着する定着手段と、
    前記定着手段により定着された前記パッチ画像に光を照射し、前記パッチ画像からの反射光を測定する測定手段と、
    前記測定手段に対向して設置された基準板と、
    前記測定手段により前記パッチ画像を測定した結果と、前記基準板を測定した結果とに基づいて、画像の濃度又は色度を制御する制御手段と、
    を備える画像形成装置であって、
    前記制御手段は、前記測定手段により所定の明度のパッチを測定した結果と、前記基準板を測定した結果とに基づいて、画像の濃度又は色度を制御するための情報を補正することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記画像の濃度又は色度を制御するための情報の補正とは、前記測定手段の迷光の補正であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記所定の明度のパッチは、黒色のパッチであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記黒色のパッチは、記録材の搬送方向における前記パッチ画像の先頭に形成されることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記パッチ画像は、少なくとも一つが記録材の搬送方向における前記パッチ画像の先頭に形成された複数の前記黒色のパッチを有し、
    前記制御手段は、前記測定手段による複数の前記黒色のパッチの測定結果に基づいて、前記画像の濃度又は色度を制御するための情報を補正することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、前記測定手段による前記黒のパッチの測定結果に基づいて、前記測定手段による前記基準板の測定結果を補正することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、記録材が前記測定手段に到達する前に前記測定手段による前記基準板の第一の測定を行い、前記記録材が前記測定手段を通過した後に前記測定手段による前記基準板の第二の測定を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御手段は、前記第一の測定の測定結果と前記第二の測定の測定結果とに基づいて、前記基準板の測定結果を算出することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記基準板は、白色であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記パッチ画像は、前記所定の明度のパッチよりも明度の高いパッチを有し、
    前記制御手段は、前記測定手段による前記明度の高いパッチの測定結果に基づいて、前記測定手段による前記基準板の測定結果を補正することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記明度の高いパッチとは、イエロー色のパッチであることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記測定手段は、白色の光源を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  13. 前記白色の光源は、400nm〜700nmの波長域の光を照射することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記測定手段は、前記パッチ画像からの反射光を分光する分光手段と、前記分光手段により分光された光が入射されるラインセンサと、を有することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  15. 前記ラインセンサの画素は、前記分光された光の波長と対応付けられていることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
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