JP2014521693A - 界面活性剤の味及び/又は臭気改善のためのプロセス - Google Patents

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Abstract

液液溶媒抽出を用いて水溶性界面活性剤の味を改善する方法であって、前記方法が、処理を必要とする水溶性界面活性剤組成物を提供する工程であって、前記水溶性界面活性剤組成物が、水溶性界面活性剤と、1つ以上の望ましくない非極性材料とを含有する、工程と、前記水溶性界面活性剤組成物を抽出溶媒及び水と接触させて、水相及び溶媒相を含む抽出混合物を形成する工程と、水相を溶媒相から分離する工程と、を含み、抽出溶媒は、約15〜約17(MPa)0.5の範囲の分散力成分(δ)、0〜約9(MPa)0.5の範囲の極性成分(δ)、0〜約11(MPa)0.5の範囲の水素結合成分(δ)の、個々のハンセン溶解度パラメーターを有する溶媒から選択される。そのような方法により生成された処理済み水溶性界面活性剤組成物と、そのような処理済み水溶性界面活性剤組成物を含有する口腔ケア組成物。

Description

本発明は、望ましくない非極性材料を含有する水溶性界面活性剤組成物と、そのような組成物の味及び/又は臭気を改善するための液液抽出プロセスとに関する。
従来より、歯磨剤(練り歯磨き)、口内洗浄剤などの口腔ケア組成物の味、色、臭気又は透明さを改善するために多大な努力が費やされてきた。それらの組成物の性質に起因して、製品の味は、多くの場合、実際の又は知覚される有効性よりも消費者にとって重要であり得る。多数の有効な口腔ケア成分が望ましくない味、色、臭気又は透明さを有するため、特性を改善する努力は、当技術分野にて一般的である。味の場合、望ましくない製品の味を改善する1つの方法は、着香剤などの、消費者の全体的な味覚体験を改善するであろう追加の成分を加えることである。しかしながら、そのような改善は高価であり得、また望ましくない味を完全に遮蔽することは困難であり得る。染料又は他の添加剤による色又は透明さの改善は、同様の問題を有する。
アルキルホスフェート界面活性剤などの水溶性界面活性剤は、口腔ケア組成物を含む多様な消費者製品中での使用のために市販されている。これらの陰イオン性表面活性有機リン酸剤は、エナメル表面に対する強い親和性を有し、かつ外皮タンパク質を脱着し、エナメル表面に付着し続けるのに十分な表面結合傾向を有する。このような特性は、これらの材料を練り歯磨きなどの口腔ケア組成物に組み込むのに望ましいものとする。しかしながら、これらの材料は、それらの望ましい特性にも係わらず、口腔ケア組成物中に広く商業化されていない。商業化されていないことの理由の1つは、市販のアルキルホスフェート材料に通常関連した悪い味及び/又は臭気プロファイルであり得る。味は、洗濯、シャンプー又はパーソナルクレンジングなどの他の消費者製品産業では考慮事項ではない場合があるが、口腔ケアにおいては重要な考慮事項である。同様に、洗濯、シャンプー又はパーソナルクレンジング製品中で使用されている材料に関連した、任意の望ましくない臭気は、一般に、香料の添加により改善できるが、香料レベルは、消費者に許容されるために口腔ケア組成物中では最小限に保つ必要があり、また、使用された際に更なる不快な味を生成する場合がある。
また蒸気ストリッピング、真空ストリッピング、及び/又は炭素濾過プロセスによる界面活性剤材料の精製は、一般に、不純物を有益に除去して、有効性を増大させ、望ましくない副反応を最小限にするなどとして既知である。しかしながら、これらの精製プロセスは、市販の水溶性界面活性剤材料に関連した不快な味及び/又は臭気を改善するには不十分であることが見出されている。
液/液抽出(LLE)は、一般に、成分が、混合後に液体2層を形成する2つの不混和性溶媒中で混合された際に分離され得る異なる極性を有する場合、混合物の成分を分離するのに有用であるとして既知である。例えば、LLEsはサンプルの主要な又は所望される成分(1つ又は複数)とは有意に異なる極性の不純物を含むサンプルの精製及び洗浄に有用である。このことは、サンプルが溶解している主な液体と不混和性の溶媒と混合することにより達成することができる。
LLEは、望ましくない副産物又は汚染物質を排除する化学処理に使用されている。例えば、Hoke,et al(Procter & Gamble)に付与されたPCT特許出願第WO 2008005550号は、ペパーミント油から極性の硫黄不純物を除去して、スズイオンを含む歯磨剤に配合された際に悪臭形成を避ける、水洗浄手順を開示している。Noyes,et al(Procter & Gamble)に付与された米国特許第4,352,829号では、コーヒーからのカフェインの酢酸エチル抽出が、カフェイン除去プロセスに有効であることが示された。
しかしながら、口腔ケア組成物中に使用されるものなどの水溶性界面活性剤の全体的な味及び/又は臭気を改善する、有効な、費用効率が高い、かつ消費者に望ましい方法を見出すことの関心が尚存在している。
現在驚くべきことに、酢酸エチルなどの溶媒を使用する液液抽出プロセスが、水溶性界面活性剤原材料中に見出される非極性材料の存在を有意に低減することによって、界面活性剤の臭気及び/又は味プロファイルを改善するのに有用であり得ることが見出された。
理論に束縛されるものではないが、純粋な材料自体に起因する悪い味及び/又は臭気プロファイルを有すると以前は一般に考えられていた水溶性界面活性剤が、現在では、実際には驚くべきことに味及び臭気の点では許容し得ると考えられている。驚くべきことに、市販の水溶性界面活性剤組成物中に通常存在する残留アルコール、アルコールエトキシレート、アルデヒド、エーテル、ケトン、アルキルアミン及びエステルなどの非極性材料が、以前は界面活性剤自体と関連されていた悪い味及び臭気のプロファイルの大部分に関連し得ることが見出された。これらの材料のいくつかは、着香味剤及び香料に使用されることが多いため、これらの材料を基礎をなす界面活性剤からより効率的に抽出する新しいプロセスが、そのような結果を生じることは更に驚くべきことであった。例えば、ドデカノール及びドデカナールは、通常、着香剤及び香料中に含めるのに安全かつ有用であると教示されているが、驚くべきことに、これらの材料は、水溶性界面活性剤組成物中に有意により高いレベルで含まれる場合、苦味、石鹸様などの不快な味を呈することが見出された。
更に理論に束縛されるものではないが、適切な溶媒を使用する液液抽出は、そのような界面活性剤を精製する、以前から既知の技術よりも効果的であり、それらの界面活性剤を最小限の悪い味及び/又は臭気特性にて口腔ケア製品に組み込むことを可能にする。
したがって、本発明は、液液溶媒抽出を用いて水溶性界面活性剤の味及び/又は臭気を改善するプロセス又は方法に関する。
一実施形態において、本発明は、液液溶媒抽出を用いて水溶性界面活性剤の味を改善するプロセス又は方法に関し、前記プロセスは、処理を必要とする水溶性界面活性剤組成物を提供する工程であって、前記水溶性界面活性剤組成物が、水溶性界面活性剤と1つ以上の望ましくない非極性材料とを含有する、工程と、前記水溶性界面活性剤組成物を抽出溶媒及び水と接触させて、水相及び溶媒相を含む抽出混合物を形成する工程と、水相を溶媒相から分離する工程と、を含み、抽出溶媒は、約15〜約17(MPa)0.5の範囲の分散力成分(δ)、0〜約9(MPa)0.5の範囲の極性成分(δ)、及び0〜約11(MPa)0.5の範囲の水素結合成分(δ)の、個々のハンセン溶解度パラメーターを有する溶媒から選択される。
別の実施形態では、本発明は、液液溶媒抽出を用いて水溶性界面活性剤の味を改善するプロセス又は方法に関し、前記プロセスは:アルキルホスフェート界面活性剤、アルキルホスフェートエトキシル化界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される界面活性剤と、1つ以上の望ましくない非極性材料とを含有する水溶性界面活性剤組成物を提供する工程と、前記水溶性界面活性剤組成物を酢酸エチル及び水と接触させて、水相及び溶媒相を含む抽出混合物を形成する工程と、水相を溶媒相から分離する工程と、を含む。
別の実施形態では、本発明は、水溶性界面活性剤が少なくとも約20%水溶性である、そのようなプロセス又は方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、水溶性界面活性剤が陰イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択され、かつ少なくとも約30%水溶性である、上記のプロセス又は方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、水溶性界面活性剤がアルキルホスフェート界面活性剤、アルキルホスフェートエトキシル化界面活性剤、ラウリルサルフェート界面活性剤、ベタイン界面活性剤、ベタインエトキシル化界面活性剤、アミンオキシド界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される、上記のプロセス又は方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、界面活性剤がココアミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、カプリル/カプラミドベタイン、ラウリル硫酸ナトリウム、モノアルキルホスフェート、アミンオキシド、及びこれらの混合物から選択される、上記のプロセス又は方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、水溶性界面活性剤がココアミドプロピルベタイン界面活性剤、モノアルキルエトキシル化ホスフェート界面活性剤、モノアルキルホスフェート界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される、上記のプロセス又は方法に関する。一実施形態において、水溶性界面活性剤は、アルキルエトキシル化ホスフェート界面活性剤である。
別の実施形態では、本発明は、抽出溶媒が、約13〜約19(MPa)0.5の範囲の分散力成分(δ)、約2〜約9(MPa)0.5の範囲の極性成分(δ)、及び約2〜約11(MPa)0.5の範囲の水素結合成分(δ)の、個々のハンセン溶解度パラメーターを有する、上記のプロセス又は方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、抽出溶媒が酢酸エチル、水−飽和酢酸エチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、カプロン酸エチル、カプリル酸エチル、ペラルゴン酸エチル酢酸メチル、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、短鎖エステル、及びこれらの混合物から選択される、上記のプロセス又は方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、抽出溶媒が食品等級エチルエステルから選択される、上記のプロセス又は方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、抽出溶媒が酢酸エチルである、上記のプロセス又は方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、抽出混合物が混合物の約10重量%〜約90重量%の水、混合物の約5重量%〜約60重量%の水溶性界面活性剤、混合物の5重量%未満の望ましくない非極性不純物、及び混合物の約10重量%〜約90重量%の溶媒を含む、上記のプロセス又は方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、抽出混合物中の抽出溶媒と水溶性界面活性剤との比が、約1:10〜約10:1である、上記のプロセス又は方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、抽出混合物中の抽出溶媒と水溶性界面活性剤との比が、約1:2〜約2:1である、上記のプロセス又は方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、水相を溶媒相から分離する工程が、抽出混合物を遠心分離する工程を更に含む、上記のプロセス又は方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、プロセスが抽出混合物を周囲温度にて約10秒間〜約1分間の間、激しい混合により混合した後、この混合物を2相に落ち着かせ、水相を溶媒相から分離させる工程を更に含む、上記のプロセス又は方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、プロセスが、抽出溶媒及び水と接触させる工程の前に、固体の非純粋界面活性剤材料をその融点まで加熱する工程を更に含む、上記のプロセス又は方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、プロセスが更に、任意の残留溶媒を水相から除去する工程を含む、上記のプロセス又は方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、任意の残留溶媒を水相から除去する工程が、真空ストリッピング(熱を有し又は有さず)、薄膜蒸発(wiped-film evaporation)分留、炭素濾過、又はこれらの組み合わせから選択される工業的方法の使用を含む、上記のプロセス又は方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、抽出混合物が、塩、pH調節剤、及びこれらの混合物から選択される相分離増強剤を更に含む、上記のプロセス又は方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、上記に示したプロセスにより生成された、約10%〜約70%の水溶性界面活性剤、約30%〜約90%の水、及び約1%未満の望ましくない非極性材料を含有する、上記のプロセス又は方法で得られた処理済み水溶性界面活性剤組成物に関する。
別の実施形態では、本発明は、界面活性剤が約0.5%未満の望ましくない非極性材料を含む、そのような界面活性剤に関する。
別の実施形態では、本発明は、界面活性剤が約1%未満の総アルコールを含む、そのような界面活性剤に関する。
別の実施形態では、本発明は、上記に示したプロセス又は方法で生成された処理済みモノアルキルホスフェート界面活性剤に関する。
別の実施形態では、本発明は、上記に示したプロセス又は方法で生成された処理済みココアミドプロピルベタイン界面活性剤に関する。
別の実施形態では、本発明は、上記に示したプロセスにより処理された水溶性界面活性剤組成物を含有する、改善された消費者許容性を有する口腔ケア組成物に関する。
別の実施形態では、本発明は、抽出溶媒として酢酸エチルが使用される、水溶性界面活性剤の味を改善するための液液溶媒抽出の使用に関する。
本発明の一実施形態による、液液溶媒抽出を用いた界面活性剤の精製プロセスの流れ図である。
本発明は、液液溶媒抽出を用いた、水溶性界面活性剤の味を改善するためのプロセスに関する。このプロセスは、
a)処理を必要とする水溶性界面活性剤組成物を提供する工程であって、前記水溶性界面活性剤組成物が、水溶性界面活性剤と1つ以上の望ましくない非極性材料とを含有する、工程と、
b)前記水溶性界面活性剤組成物を抽出溶媒及び水と接触させて、水相及び溶媒相を含む抽出混合物を形成する工程と、
c)水相を溶媒相から分離する工程と、を含み、
抽出溶媒は、約15〜約17(MPa)0.5の範囲の分散力成分(δ)、0〜約9(MPa)0.5の範囲の極性成分(δ)、及び0〜約11(MPa)0.5の範囲の水素結合成分(δ)の、個々のハンセン溶解度パラメーターを有する溶媒から選択される。本発明は更に、本明細書のプロセスで生成された、改善された水溶性界面活性剤組成物と、そのような改善された界面活性剤を含有する口腔ケア組成物とに関する。
これらの要素は下記により詳細に論じられる。
水溶性界面活性剤の味を改善するプロセス
本明細書で使用されるとき、溶媒抽出及び分割としても既知の液液抽出は、2つの異なる不混和性液体、本明細書では水及び溶媒中での化合物の相対的な溶解度に基づいて該化合物を分離する標準的な方法を指す。これは一つの液相から他の液相中への物質の抽出である。「液液」相は、抽出手順の一部として混合される、2つの異なる不混和性液体を指す。本明細書で使用されるとき、不混和性とは、液体が互いに混合された際に少なくとも2層を形成する能力を指す。層は2つの液体が混合され、不定期間静置された後に形成され得、又は場合によっては、2つの液体の混合物が遠心分離され及び/若しくは室温未満に冷却されて分離を補助する。
一般に、液液抽出では、一方の相は水性であり、他方はエーテル、MTBE、ジクロロメタン、クロロホルム、又は酢酸エチルなどの非極性親油性有機溶媒であろう。殆どの有機溶媒は、水相の上部にて浮遊するが、重要な例外は殆どのハロゲン化溶媒である。
機器は、一般に、液液抽出が分液漏斗を含むため、研究室環境内で使用される。小規模プラント又は研究室内では、2つの液体を混合した後、大規模分液漏斗内に導入することによるなど、バッチ式の液液抽出方法が用いられ得る。大規模プラント生成では、多段階連続逆流抽出を用いて、多数の抽出を連続して迅速かつ容易に行うことができる。一実施形態において、プロセスは、抽出プロセスにおける遠心分離接触装置、薄層抽出機、スプレーカラム、パルスカラム及びミキサーセトラー、並びにこれらの組み合わせから選択される機械の使用を含む。
多くの場合、分液漏斗は、半球が上にある円錐形状を有する。分液漏斗は、頂部にストッパーを有し、底部にストップコック(タップ)を有する。研究室内で使用される分離漏斗は、一般にホウケイ酸ガラスから形成され、それらのストップコックはガラス又はPTFEから形成されている。典型的なサイズは、50mL〜3Lである。工業化学においては、それらはより大きく、遙かに大きい容積には遠心分離機が使用される。
分液漏斗を使用する際、底部のストップコックを閉鎖して、抽出混合物を頂部を介して分液漏斗内に導入する。次いで、漏斗を閉鎖し、漏斗を多数回反転させることによって振とうする。次いで、漏斗を反転し、タップを注意深く開放して過剰な蒸気圧を解放する。分離漏斗を脇に置いて、相を完全に分離させる。次いで頂部及び底部タップを開放し、2相を重力によって個々に放出し、別個に捕捉する。
以下図1を参照すると、水溶性界面活性剤を作製し、液液抽出を用いて水溶性界面活性剤の味を改善するプロセス10を詳細する工業的フローチャートは、一連の工程を含み、工程20では新鮮な界面活性剤原材料出発物質を提供し、工程30では伝統的な手段を介して水溶性界面活性剤を生成し、工程40は反応を鎮め、工程50では場合により中間処理及び/又は掃除し、処理を必要とする水溶性界面活性剤組成物を提供し、工程で60は水溶性界面活性剤組成物を抽出溶媒及び水と接触させ、工程70では水相及び溶媒相を含む抽出混合物を形成し、工程80では場合により遠心分離機を使用して液相を分離し、場合により工程60及び70を反復し、工程90では真空ストリッピング、加熱、薄膜蒸発、又はこれらの組み合わせなどの手段により水相から残留揮発性溶媒を分離し、工程100では改善された水溶性界面活性剤を収集し、工程110では有機相上で分留を行い、工程120では将来の使用のために抽出溶媒を回収し、工程130では非極性材料(不純物)を収集し、有価物と140使用できない非極性材料(不純物)とに分離し、再使用のために出発界面活性剤原材料を回収する工程150を含む。
工程20及び30では、例えば市販のものなどの、水溶性界面活性剤原材料を生成する。工程60では、処理を必要とする水溶性界面活性剤組成物を提供することによって、それら水溶性界面活性剤原材料の味を改善するプロセスを開始し、水溶性界面活性剤組成物は、水溶性界面活性剤と1つ以上の望ましくない非極性材料とを含有する。水溶性界面活性剤組成物と水及び溶媒とを組み合わせて抽出混合物を形成した後、工程80で水相を溶媒相から分離することにより、工程100で処理済み水溶性界面活性剤が収集され得る。
一実施形態において、液液抽出プロセスは抽出工程を使用し、該工程では、望ましくない非極性材料を水相から溶媒相へ移動した後、場合により、望ましくない非極性材料を溶媒相から除去する洗浄(scrubbing)段階が続き、次いで場合により、任意の水溶性界面活性剤又は他の材料を溶媒相から除去するストリッピング段階が続く。次いで、溶媒相を処理して、再度使用する準備を整えてもよい。
一実施形態において、プロセスは、水溶性界面活性剤を水相から収集する工程を含む。別の実施形態では、水溶性界面活性剤を水相から収集する工程の後、水溶性界面活性剤は以下のうちの1つ以上に進む。
a)プロセス工程の少なくとも1回の反復、場合によりプロセス工程の少なくとも3回の連続した反復、場合によりプロセス工程の少なくとも4回の反復、
b)場合により炭素濾過を用いた更なる濾過工程、及び/又は
c)口腔ケア組成物への水溶性界面活性剤の組み込み。
液/液抽出の準備におけるpH最適化の手順
一実施形態において、プロセスは、更に、抽出混合物のpHを最適化する工程を含む。そのような工程では、水溶性界面活性剤組成物の溶解度を最適化してもよく、所望の水溶性界面活性剤と、悪い芳香、味及び/又は色を付与する望ましくない非極性材料との間の極性の差を最大にしてもよい。pHは、所望の水溶性界面活性剤と望ましくない非極性材料との間の極性の差を最大にするよう調整できる重要な変数である。これは、pH操作によって一次荷電から中性状態へ、またその逆へ変化できる化合物のクラスにおいて特に重要である。
例えば、モノアルキルホスフェート界面活性剤の場合、ホスフェート基の大体がイオン化状態にあることによって極性及び水溶性を最大にすることを確実にするために、より高いpHが好ましい可能性がある。同時に、市販のMAP組成物中に見出される望ましくない非極性材料の殆どが、典型的なpHにおいて有意にイオン化されず、正味疎水性の特徴を所有するため、一実施形態において、抽出中のpHは8〜11の範囲内に最適化される。一実施形態において、プロセスは、更に、約8〜約11、あるいは8〜10の抽出pHを含む。
更に、検討事項は、水中に溶解した水溶性界面活性剤原材料を含む水相、望ましくない非極性材料、及び抽出溶媒を含む所定の抽出混合物において、化学反応を開始し得るpHを避けることである。例えば、抽出溶媒としての酢酸エチルをモノアルキルホスフェートと共に使用する場合、抽出条件を、EtOAcが酢酸及びエタノールに変換することを避けるであろうpH範囲内に維持することが推奨される。一実施形態において、抽出後、酢酸エチルは、無臭となるであろうレベルまで、また、有意なレベルのエタノール及び酢酸への後の変換の可能性を避けるために、除去される必要があり、酢酸は、原材料に酢の臭気を導入し得る。一実施形態において、抽出後、酢酸エチルは50ppm未満、あるいは5ppm未満のレベルまで除去される。
一般的なpH最適化は、上記のように行うことができる。精密なpH最適化のために、pHを少しずつ増加させて調整し、一段階LLEを行う。目標pH範囲での一回の抽出後、水溶性界面活性剤組成物中の界面活性剤及び非極性不純物の出発濃度の、以前の知識を用いて、抽出溶媒中の水溶性界面活性剤の量と、望ましくない非極性材料の量とを分析的に測定する。不純物の溶媒相中への除去が最適化され、また水相中での界面活性剤保持も最適化されるpH範囲を同定する。
処理を必要とする水溶性界面活性剤組成物を提供する。
水溶性界面活性剤
本明細書で使用されるとき、「水溶性界面活性剤」は、室温(25℃)で測定した際、少なくとも部分的に水溶性である界面活性剤を指す。一実施形態において、水溶性界面活性剤は、少なくとも10%水溶性であり、あるいは少なくとも20%水溶性であり、あるいはまた少なくとも30%水溶性であり、あるいは少なくとも40%水溶性である。本明細書で相対的な意味にて使用されるとき、「水溶性界面活性剤原材料」は、有意なレベルの水、又は望ましくない副産物、又は下記に更に記載する「水溶性界面活性剤組成物」中に見出されるものなどの出発物質を有さない水溶性界面活性剤自体を指す。更に、本明細書で使用されるとき、「抽出された水溶性界面活性剤組成物」又は「処理済み水溶性界面活性剤組成物」は、本明細書に示すプロセスを経て、未処理水溶性界面活性剤組成物と比較して、望ましくない非極性材料のある測定可能なレベルの低下を有する水溶性界面活性剤組成物を指す。
本明細書で使用されるとき、「処理を必要とする」は、水溶性界面活性剤組成物が、特定の製品使用に必要とされるよりも高いレベルの、望ましくない非極性材料を含有することを意味する。口腔ケア組成物の場合、処理を必要とする水溶性界面活性剤組成物は、組成物の約0.01重量%以上の望ましくない非極性材料、あるいは組成物の約0.1重量%を超える、あるいは約0.5重量%を超える、あるいは約0.7重量%を超える、あるいは1重量%以上のそのような材料を含有する水溶性界面活性剤組成物を含む。
好適な水溶性界面活性剤の同定
一実施形態において、本明細書のプロセスは、好適な水溶性界面活性剤を同定する工程を含む。好適な水溶性界面活性剤を同定する工程は、界面活性剤の水溶性を決定するサブ工程を含んでもよい。界面活性剤の水溶性を決定する際、界面活性剤を水に可溶にし、また比較的非極性の望ましくない不純物と共に溶媒相に抽出され得る所望の原材料の量を最低限にするために、条件を最適化する必要がある。pHは、典型的なpH範囲内でのpH操作を介してイオン化に供される、好適な界面活性剤上に電荷が持続するであろうように調整され得る。温度は、必要であれば上昇させてもよく、サンプルは、均質溶液の形成を促進するように激しく振とう及び/又は撹拌される必要がある界面活性剤は、大まかに10%以上水溶性の場合、比較的極性が低い望ましくない化合物を除去するためのLLEによる味/臭気/色除去の有望な候補である。
その水溶性が問題である界面活性剤を評価するためには、10gの固体界面活性剤をガラス容器内に配置し、100mLの蒸留脱イオン水を加える。必要であれば温度を60℃まで(融点がより高い場合、より高く)上昇させ、適宜、30分間まで振とう、撹拌又は渦撹拌する。原材料の全部が溶解し、透明な溶液が形成された場合、その界面活性剤は、本明細書に示すプロセスでの使用に好適である。溶解度の客観的評価には、加熱及び撹拌後、10um孔径の膜を通して真空濾過する。フィルター上で回収された固体材料を秤量して、有意な量の界面活性剤が未溶解のまま残留しているか否かを決定する。確認が必要の場合、適切な分析方法を介して、透明な水性部分に溶解した材料の濃度の直接分析測定を用いる。
本明細書のプロセスにより精製され得る水溶性界面活性剤の例としては、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、カプリル/カプラミドベタイン、ラウリル硫酸ナトリウム、モノアルキルホスフェート、アミンオキシド、及びこれらの混合物が挙げられる。
本明細書で有用な水溶性界面活性剤は、いくつかの実施形態では、アルキルホスフェートなどの陰イオン性界面活性剤から選択され得る。これらの表面活性有機リン酸剤は、エナメル表面に対する強い親和性を有し、かつ外皮タンパク質を脱着し、エナメル表面に付着し続けるのに十分な表面結合傾向を有する。有機リン酸化合物の好適な例としては、以下の一般構造によって表される、モノエステル、ジエステル若しくはトリエステルが挙げられ、式中、Z1、Z2又はZ3は同一であっても若しくは異なってもよく、少なくとも1つが有機部分であり、一実施形態では、所望により1個以上のリン酸基によって置換される、炭素原子数1〜22の直鎖状若しくは分枝状のアルキル又はアルケニル基、アルコキシル化アルキル又はアルケニル、(多)糖、ポリオールあるいはポリエーテル基から選択される。
Figure 2014521693
いくつかの他の作用剤としては、以下の構造によって表されるアルキル又はアルケニルリン酸エステルが挙げられる:
Figure 2014521693
式中、R1は、6〜22個の炭素原子からなる直鎖状又は分枝状のアルキル又はアルケニル基を表し、
場合により、1つ以上のホスフェート基で置換され、n及びmは、個々に及び別々に2〜4であり、a及びbは、個々に及び別々に0〜20であり、Z2及びZ3は、同一であっても又は異なってもよく、それぞれ水素、アルカリ金属、アンモニウム、プロトン化アルキルアミン若しくはアルカノールアミンなどのプロトン化官能性アルキルアミン、又はR1−(OCnH2n)a(OCmH2m)b−基を表す。好適な作用剤の例としては、アルキル及びアルキル(ポリ)アルコキシリン酸、例えばリン酸ドデシル、PPG5セテアレス−10リン酸、ラウレス−1リン酸、ラウレス−3リン酸、ラウレス−9リン酸、トリラウレス−4リン酸、C12〜18のPEG 9リン酸、ジラウレス−10リン酸ナトリウムが挙げられる。一実施形態では、アルキルリン酸は高分子である。高分子アルキルリン酸の例としては、高分子部分としての反復アルコキシ基、具体的には、3個以上のエトキシ基、プロポキシイソプロポキシ基又はブトキシ基を含むものが挙げられる。
本発明で有用な双性イオン性又は両性界面活性剤としては、脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム及びスルホニウム化合物の誘導体が挙げられ、その脂肪族ラジカルは直鎖又は分枝鎖であることができ、その際脂肪族置換基の1つは約8〜約18個の炭素原子を含み、1つは例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネートのような陰イオン性水溶性基を含む。好適な両性界面活性剤としては、Polefka et al.に付与された米国特許第5,180,577号に開示されているようなベタイン界面活性剤が挙げられる。典型的なアルキルジメチルベタインとしては、デシルベタイン即ち2−(N−デシル−N,N−ジメチルアンモニオ)アセテート、ココベタイン即ち2−(N−ココ−N,N−ジメチルアンモニオ)アセテート、ミリスチルベタイン、パルミチルベタイン、ラウリルベタイン、セチルベタイン、ステアリルベタインなどが挙げられる。アミドベタインは、ココアミドエチルベタイン、コカミドプロピルベタイン(CAPB)、及びラウラミドプロピルベタインにより例示される。これらの界面活性剤に関連することが多い不要な味は、石鹸様、苦味、化学的及び/又は人工的である。
更なる好適な高分子有機リン酸薬剤としては、リン酸デキストラン、リン酸ポリグルコシド、リン酸アルキルポリグルコシド、リン酸ポリグリセリル、リン酸アルキルポリグリセリル、リン酸ポリエーテル、及びリン酸アルコキシル化ポリオールが挙げられる。いくつかの特定の例は、PEGホスフェート、PPGホスフェート、アルキルPPGホスフェート、PEG/PPGホスフェート、アルキルPEG/PPGホスフェート、PEG/PPG/PEGホスフェート、ジプロピレングリコールホスフェート、PEGグリセリルホスフェート、PBG(ポリブチレングリコール)ホスフェート、PEGシクロデキストリンホスフェート、PEGソルビタンホスフェート、PEGアルキルソルビタンホスフェート、及びPEGメチルグルコシドホスフェートである。好適な非高分子リン酸としては、リン酸アルキルモノグリセリド、リン酸アルキルソルビタン、リン酸アルキルメチルグルコシド、リン酸アルキルスクロースが挙げられる。これらの界面活性剤に関連することが多い不要な味は、石鹸様、苦味、化学的及び/又は人工的である。
本明細書で有用な水溶性両性界面活性剤としては、更に、アミンオキシド界面活性剤が挙げられる。アミンオキシドは、第三級アミン、一般に、C12〜C18アルキルジメチルの酸化の結果である、N−オキシドである。例えば、本明細書で有用なアミンオキシド界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキシド、ラウリルジヒドロキシエチルアミンオキシド、コカミドプロピルアミンオキシド、ラウラミドアミンオキシド、セチルジメチルアミンオキシド、3−ラウラミドプロピル−N,N−ジメチルアミンオキシドを挙げることができる。
本発明で有用な水溶性陽イオン性界面活性剤としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリミジニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ヤシアルキルトリメチルアンモニウムナイトライト、セチルピリミジニウムフロリドなどの、約8〜18個の炭素原子を含む1つの長アルキル鎖を有する第4級アンモニウム化合物が挙げられる。好ましい化合物は、Briner et al.に付与された米国特許第3,535,421号に記載されている洗剤特性を有する第4級ハロゲン化アンモニウムである。所定の陽イオン性界面活性剤は、本明細書に開示した口腔ケア組成物中で殺菌剤としても作用し得る。
別の実施形態では、水溶性界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される。一実施形態において、水溶性界面活性剤は、アルキルホスフェート界面活性剤、アルキルホスフェートエトキシル化界面活性剤、ラウリルサルフェート界面活性剤、ベタイン界面活性剤、ベタインエトキシル化界面活性剤、アミンオキシド界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される。別の実施形態では、水溶性界面活性剤は、アルキルホスフェート界面活性剤、アルキルホスフェートエトキシル化界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される。一実施形態において、水溶性界面活性剤は、モノアルキルホスフェート界面活性剤である。
一実施形態において、界面活性剤は、ココアミドプロピルベタイン、アルキルエトキシル化ホスフェート、モノアルキルホスフェート、及びこれらの混合物から選択される。
水溶性界面活性剤組成物
本明細書に開示した水溶性界面活性剤組成物は、水溶性界面活性剤と、1つ以上の望ましくない非極性材料とを含有する。本明細書で有用な水溶性界面活性剤組成物としては、Rhodia(Spartanburg,South Carolina,USA所在)、Stepan(Metamoros,Mexico及びWinder,Georgia,USA所在)、Croda(Edison,New Jersey,USA所在)及びClariant(Charlotte,North Carolina,USA所在)などの供給元から市販されているものが挙げられる。理論に束縛されるものではないが、望ましくない非極性材料の存在は、これらの組成物が処理を必要とすること、例えば組成物がそれらの望ましくない材料を除去する必要があることを提示するものである。更に理論に束縛されるものではないが、驚くべきことに、現在市販の水溶性界面活性剤は、販売前に製造業者によって様々な程度に精製されているが、水溶性界面活性剤原材料の味及び/又は色に影響を与える、有意な量の望ましくない非極性材料を尚含んでいることが見出された。
これらの望ましくない非極性材料は、界面活性剤の製造中に使用された未反応出発物質(アルコール及び/又はアミンなど)、製造プロセス中に生じる副反応生成物、又は酸化生成物(アルデヒドなど)であり得る。
水溶性界面活性剤組成物は、更に、組成物の約0.1重量%〜約90重量%の水、あるいは約10重量%〜約50重量%の水を含有してもよい。一般に、水溶性界面活性剤は、水性混合物として市販されている。この水は、本発明の液液抽出プロセスを行う前に、水溶性界面活性剤組成物から一部又は全部除去されてもよい。水が市販の組成物から大幅に除去される場合、水を抽出混合物の一部としてプロセスに再導入することが必要であり得る。
通常使用されている多数の水溶性界面活性剤原材料は、水溶液として相当高い濃度で、商業的供給元により製造されている。これらの界面活性剤は、本明細書に示したプロセスに従った液液抽出による臭気、色、及び/又は味改善のよい候補である。
本明細書に示したプロセスにより改善され得る水溶性アルキルホスフェート界面活性剤組成物としては、表1に示す市販の組成物が挙げられる:
Figure 2014521693
望ましくない非極性材料
本明細書で使用されるとき、「望ましくない非極性材料」は、一般に、処理を必要とする水溶性界面活性剤組成物中に見出される任意の非極性材料を指す。一実施形態において、望ましくない非極性材料は、残留アルコール、アルコールエトキシレート、アルデヒド、エーテル、ケトン、アルキルアミン、アミド及びエステルから選択される。
一実施形態において、望ましくない非極性材料は、不純物、未反応出発物質、副産物及び/又は汚染物質から選択される、劣る味の(off-tasting)成分であってもよい。そのような望ましくない非極性材料は、消費者から、石鹸様、苦味、金属様、土様又は泥様、及び収斂剤として評され得る。石鹸様は、一般に、ドデカナール又はドデカノールの存在により特徴付けられる。苦味は、アルキルアミン又はアルコールの存在下で生じ得る。
抽出混合物
本明細書のプロセスの一工程では、水溶性界面活性剤組成物を抽出溶媒及び水と接触させて、水相及び溶媒相を含む抽出混合物を形成する。例えば研究室規模のバッチプロセスなどの一実施形態では、次いで抽出混合物を約10秒間〜1分間激しく混合する。混合後、抽出混合物を約15分間〜約2時間静止させる。多数の抽出を連続して行う場合、分離時間は、約10〜約20分間に短縮されてもよい。
工業規模上などの別の実施形態では、Rousselet Robatel製のBXP 190などの工業用遠心抽出機を使用して、2つの流体間の密度差を利用してそれらを遠心分離により分離してもよい。装置は逆流設定にて操作され、又は一段階抽出として操作されてもよい。工業用遠心抽出機を使用した一連の連続抽出は、非常に急速に、数秒においてさえも、行われて所望の処理済み界面活性剤材料に達することができる。
そして、抽出混合物は、抽出溶媒、界面活性剤、及び望ましくない非極性材料を含む。一実施形態において、抽出混合物は、混合物の約10重量%〜約90重量%の水、混合物の約5重量%〜約60重量%の水溶性界面活性剤、5重量%未満の望ましくない非極性材料、及び混合物の約10重量%〜約90重量%の溶媒を含む。一実施形態において、抽出混合物中の抽出溶媒と水溶性界面活性剤との比は、約1:10〜約10:1、あるいは約1:2〜約2:1である。
抽出混合物中に含まれる水は、商業的供給元から水溶液として得た際に、水溶性界面活性剤組成物自体の中で提供されてもよく、及び/又は抽出プロセス中に添加された水であってもよい。場合によっては、水溶性界面活性剤水溶液中の水レベルを、水溶性界面活性剤組成物を抽出溶媒と接触させる前に低下させて、本明細書のプロセスに必要な溶媒のレベルを低下させてもよい。
一実施形態において、抽出混合物は、塩、pH調節剤、及びこれらの混合物から選択される相分離増強剤を更に含む。
一実施形態において、抽出混合物を形成して、水相及び溶媒相の両方を含めた後、水相を溶媒相から分離する。別の実施形態では、2相を分離した後、溶媒相から抽出溶媒を回収し、続く液液抽出プロセスで再使用する。
一実施形態において、水相を溶媒から分離する工程中、温度を調整して抽出効率を改善する。本明細書で使用されるとき、「抽出効率」とは、処理を必要とする水溶性界面活性剤組成物から望ましくない不純物を除去する、プロセスの能力を指す。
一実施形態において、プロセス中、プロセスが行われる圧力を調整して抽出効率を改善する。
一実施形態において、本明細書のプロセス工程は、所望の量の望ましくない非極性不純物が除去されるまで連続して反復される。一実施形態において、処理済み水溶性界面活性剤組成物が収集され、プロセス工程は、連続して少なくとも2回、あるいは少なくとも3回、あるいはまた少なくとも4回反復され、その度に望ましくない水溶性不純物のレベルが更に低下する。
別の実施形態では、先行する抽出物から抽出溶媒を除去した後、抽出を多数連続して行う。
本明細書で使用されるとき、用語「抽出する」及び「抽出」は、水溶性界面活性剤組成物の所望の成分から、望ましくない成分を除去するプロセスを指す。望ましくない成分は、主として抽出溶媒中への優先的溶解度により、微生物除去及び/又は他の不純物若しくは汚染物質除去に関連する場合がある。
本明細書で使用されるとき、用語「除去」、「低下させる」、「低下」、及びそれらの派生語は、望ましくない材料の数又は濃度の部分的低下を指し、特に、同じ出発物質に対して本明細書のプロセス工程の多数の反復が連続して用いられる場合、相対的な意味にて考慮され得る。
抽出溶媒
本明細書で使用されるとき、「抽出溶媒」は、水溶性界面活性剤組成物中に含まれる望ましくない非極性材料を可溶化するのに使用され得る任意の液体又は超臨界流体を指す。水性界面活性剤と共に液体2層を形成するであろう許容可能な安全性プロファイルを有する有機溶媒は、単独で、又は、他の溶媒、例えば酢酸エチル、エタノール、プロピレングリコール、PEGs、他のエーテル若しくはエステル、若しくは他の溶媒などと組み合わせて使用されて類似した結果を達成し得る。有用な超臨界流体の一例は、二酸化炭素である。溶媒と界面活性剤との一連の比、一連の界面活性剤濃度、混合及び/又は抽出条件などは、この一般的な手法の特定の用途のために最適化され得る変数である。
理論に束縛されるものではないが、処理を必要とする水溶性界面活性剤組成物中に見出される望ましくない非極性材料に関する完全化学組成データが、徹底的な化学的特性評価(in-depth chemical characterization)を介して得られ、及びよく理解されている場合、不純物が悪臭及び劣る味の主な原因であるか、又は界面活性剤自体が悪臭及び劣る味の大部分に寄与するかを決定する研究を開始してもよい。
本明細書で有用な抽出溶媒は、約15〜約17(MPa)0.5の範囲の分散力成分(δ)、0〜約9(MPa)0.5の範囲の極性成分(δ)、及び0〜約11(MPa)0.5の範囲の水素結合成分(δ)の、個々のハンセン溶解度パラメーターを有するものを含む。
一実施形態において、溶媒は、約13〜約19(MPa)0.5の範囲の分散力成分(δ)、約2〜約9(MPa)0.5の範囲の極性成分(δ)、及び約2〜約11(MPa)0.5の範囲の水素結合成分(δ)の、個々のハンセン溶解度パラメーターを有する。一実施形態において、極性成分は約4〜約6の範囲であり、別の実施形態では、水素結合成分は約6〜約9の範囲である。
ハンセン溶解度パラメーターに加えて、溶媒は、水及び水溶性界面活性剤組成物と組み合わされた際、別個の層を形成するであろう。以下の視覚分離試験を用いて、溶媒がこの基準を満たすか否かを迅速に決定することができる。30mLのガラスバイアルを使用し、10mLの提案される抽出溶媒、10mLの、水溶性界面活性剤組成物の30%水溶液を加え、バイアルに蓋をし、30秒間激しく振とうし、30分間静止させ、可視沈殿及び2つの別個の水層を視覚的に検査する。可視沈殿が存在せず、少なくとも2つの別個の層が形成された場合、溶媒は視覚的分離試験に合格し、本明細書に示したプロセスに従った抽出溶媒として使用することができる。
一実施形態において、本明細書で有用な抽出溶媒は、0.5を超えるlogP値を有する。
本明細書で有用な抽出溶媒としては、酢酸エチル、水−飽和酢酸エチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、カプロン酸エチル、カプリル酸エチル、ペラルゴン酸エチル酢酸メチル、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、単鎖エステル、及びこれらの混合物が挙げられる。一実施形態において、抽出溶媒は、食品等級エチルエステルから選択される。
一実施形態において、抽出溶媒は、実質的に乳酸エチルを含まず(即ち、ある程度測定可能な量の乳酸エチルを含まず)、あるいは0.0001%未満の乳酸エチルを含む。
本明細書で有用な他の抽出溶媒としては、メチルエチルケトンなどのケトン、ジ−n−プロピルエーテルなどのエーテル、ラクトン、アセタール、及びこれらの混合物が挙げられる。
本明細書で有用な他の抽出溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、クロロホルム、トルエン、塩化メチレン、メチルナノフルオロエーテル、エチルナノフルオロエーテル、四塩化炭素、及びこれらの混合物から選択されるものが挙げられる。HFE 7100、HFE 7200及びHFE 7500は、TCI AMERICA,9211 N.Harborgate Street,Portland,OR 97203,U.S.A.から入手可能な市販のハイドロフルオロエーテルの商品名である。
抽出溶媒の混合物も使用し得る。
一実施形態において、抽出混合物は、実質的にTHFを含まない(即ち、ある程度測定可能な量のTHFを含まない)。
一実施形態において、抽出混合物は、モノアルキルホスフェートを含み、実質的に1−オクタノール及びフェノキシエタノールを含まない(即ち、ある程度測定可能な量の1−オクタノール及びフェノキシエタノールを含まない)。
本明細書で有用な抽出溶媒は、二酸化炭素などの超臨界流体も含む。本明細書で使用されるとき、「超臨界二酸化炭素」は、Tr=1及びPr=1を超える温度及び圧力にある二酸化炭素である。TrはT/Tcであり、Tは超臨界二酸化炭素の現在の温度であり、Tcは臨界温度である。PrはP/Pcであり、Pは超臨界二酸化炭素の現在の圧力であり、Pcは臨界圧力である。Tc、二酸化炭素(CO2)の臨界温度は、摂氏31.1度(℃)、又は304.1度ケルビン(K)であり、Pcは7.4MPa(73気圧(atm))又は約7.4MPa[1073ポンド/平方インチ(PSI)]である。
より一般的な言い方では、超臨界二酸化炭素は、その臨界温度及び圧力の両方以上にある間も、流体状態にある二酸化炭素を指す。二酸化炭素は通常、標準温度及び圧力(STP)で気体として挙動し、又は凍結された際、ドライアイスと呼ばれる固体として挙動する。温度及び圧力の両方が、標準温度及び圧力から、二酸化炭素に関する臨界点以上に上昇した場合、二酸化炭素は気体と液体との中間の特性を採用し得る。より詳細には、二酸化炭素は、その臨界温度(31.1℃)及び臨界圧力(7.4MPa[73atm])を超えると超臨界流体として挙動し、膨張してその容器を気体のように満たすが、液体の密度のような密度を有する。相図の超臨界流体領域は、臨界圧力(7.3MPa[73.8バール]、又は7.3MPA[1070PSI])を超える圧力に対する臨界温度(31.1℃)を超える温度として定義される。
超臨界流体を抽出溶媒として使用する場合、「バッチ型」システム又は「連続型」システムを選択することが可能である。バッチシステムは、並行して又は連続して使用され、サイクルにて(規定された滞留時間で)操作され、順次負荷、処理及び解放され、十分な大量除去効率を与えることができる。「連続型」システムは一般に、超臨界二酸化炭素ガス流を有する連続操作される多数のバッチ容器を指し、供給物及び生成物の固体の連続的な負荷、処理及び解放は、超臨界二酸化炭素の流れに逆流する、供給物から生成物への固体の移動の流れとして想定され得る。負荷、処理及び解放の方向は、超臨界二酸化炭素の流れと反対である。このタイプの「連続的」逆流操作は、一般に連続逆流シークエンシングバッチ操作と称される。したがって、1つ又は2つのバッチ段階が連続して又は並行して存在する場合、用語「バッチ」が使用される傾向があり、3つ以上のバッチ段階が存在する場合も、それらが超臨界二酸化炭素の流れと平行に操作される場合、用語「バッチ」が使用される。しかしながら、それらが、超臨界二酸化炭素に対して、抽出される材料の逆流の流れで操作される場合、それらは、材料供給物及び所望の生成物の逆流の流れが超臨界二酸化炭素の流れの方向をシミュレートする、逆流「シークエンシングバッチ」と呼ばれる。「連続的」は、供給物及び溶媒が固定システムを通して連続的に供給され、生成物が連続的に除去されるプロセスも定義し得ることを理解するべきである。
超臨界流体が抽出溶媒として選択される場合、溶媒相からの水相の分離は、超臨界流体上に課された温度及び圧力を解放して流体を気体状態に戻すことにより行うことができる。
抽出溶媒の選択
一実施形態において、プロセスは更に、処理を必要とする水溶性界面活性剤との使用に好適な抽出溶媒を選択する工程を含む。
そのような工程は、処理を必要とする水溶性界面活性剤を考慮して抽出溶媒を評価する工程を含む。溶媒の評価は、提案される溶媒を、処理を必要とする水溶性界面活性剤組成物と組み合わせて、溶媒が界面活性剤水混合物と2相システムを形成するか否かを決定する工程を含む。pH、温度又はイオン強度を調整して、良好な2相割れを供給し、また抽出効率を最適化し得る。抽出溶媒は、水/界面活性剤混合物と組み合わされた際、有意な沈殿を生じない必要がある。好適な抽出溶媒によって首尾よい2相分離が達成されるため、溶媒の極性は、非極性不純物を抽出溶媒層中へ、及び水性界面活性剤相の外へ優先的に抽出することが期待される。一実施形態において、溶媒は食品等級であり、水性/界面活性剤相から容易に分離されるであろう。続く抽出に再使用できるように、抽出された不純物から容易に、即ち分留によって回収可能な溶媒を選択することも望ましい。
本発明の可溶化方法に選択される溶媒は、Charles M.Hansenによる「Hansen Solubility Parameters:A User’s Handbook」,CRC Press(2007)及びAllan F.M.Barton(1999)編集の「The CRC Handbook and Solubility Parameters and Cohesion Parameters,」(1999)にてCharles Hansenにより説明されている溶解度パラメーター及び凝集特性に基づく。各材料を3D空間内の3点により規定する。これらの3点は、以下に定義し得るハンセン溶解度パラメーター(HSP)として既知である。
溶解度パラメーターは、数値定数として理論的に計算され、溶媒材料が特定の溶質を溶解させる能力を予測するのに有用なツールである。溶媒の溶解度パラメーターが溶質、即ち、溶解される材料の溶解度パラメーター範囲内にあるとき、溶質の可溶化が起こる可能性がある。実験的に及び理論的に誘導された3つのハンセン溶解度パラメーター、分散力成分(δ)、極性又は双極子相互作用成分(δ)及び水素結合成分(δ)が存在する。3つのパラメーターのそれぞれ(即ち、分散、極性及び水素結合)は、溶解力、即ち溶媒能の異なる特徴を表す。3つのパラメーターは、組み合わされて、溶媒の全体的な強度及び選択性の尺度となる。総ハンセン溶解度パラメーター、前述した3つのパラメーターの2乗和の平方根は、溶媒の溶解力のより一般的な記述を提供する。個々の及び全部の溶解度パラメーターの単位は、MPa0.5又は(J/cc)0.5で付与される。
これらの3つのパラメーターは、ハンセン空間としても既知の3次元内の点に関する座標として処理されてもよい。この3次元空間内で2種の分子がより接近する程、互いの中に溶解する可能性がより高くなる。2種の分子(通常、溶媒及びポリマー)のパラメーターが範囲内にあるか否かを決定するために、相互作用半径(R)と呼ばれる値が、溶解される物質に与えられる。この値は、ハンセン空間内の球体の半径を決定し、その中心は3つのハンセンパラメーターである。ハンセン空間内のハンセンパラメーター間の距離(Ra)を計算するには、以下の式を使用する。
Figure 2014521693
ハンセン溶解度パラメーターは、「Molecular Modeling Pro」ソフトウェア,version 5.1.9(ChemSW,Fairfield CA,www.chemsw.com)又はDynacomp SoftwareからのHansen Solubilityにより計算することができる。本明細書で有用な溶媒の溶解度パラメーターを、以下の表1に示す。
Figure 2014521693
メチル及びエチルナノフルオロブチルエーテルは、TCI AMERICA,9211 N.Harborgate Street,Portland,OR 97203,U.S.A.から市販されている。
水相
本明細書で使用されるとき、「水相」は、水、水溶性界面活性剤、及び他の水溶性材料を含む、抽出混合物の部分を指す。
一実施形態において、本発明のプロセスは、更に、水相のイオン強度を上下に調整して、抽出効率を改善する工程を含んでもよい。
溶媒相
本明細書で使用されるとき、「溶媒相」は、抽出溶媒、望ましくない非極性材料、及び他の水−不溶性材料を含む抽出混合物の部分を指す。
一般に、溶媒相及び水相は、不混和性であろう。
一実施形態において、水相及び溶媒相を分離した後、水相は少量の抽出溶媒を尚含んでおり、この抽出溶媒は、続く抽出工程、蒸発(ロータベーパー又は戸外(open-air)、場合により窒素流などを用いて)、又はこれらの組み合わせによって水相から更に除去されてもよい。
溶媒相からの水相の分離
上記により完全に述べたように、溶媒相からの水相の分離は、伝統的な液液抽出技術を用いて行ってもよい。そのような分離は、特に多数回の抽出を計画している場合、相割れ後に粗く行うことができる。実験台又はパイロットプラント規模上では、これは分液漏斗の使用によることを意味し得る一方、工業的スケール上では、連続的なプロセスでの遠心分離及び分離のための標準的な機器の使用、又はバッチでの分離のために装備された非常に大きい槽内によることを意味し得る。
一実施形態において、水相を溶媒相から分離する工程は、更に、抽出混合物を遠心分離する工程を含む。
一実施形態において、抽出混合物を周囲温度で約10秒間〜約1分間、激しい混合により混合した後、この混合物を2相に落ち着かせ、水相を溶媒相から分離する。
一実施形態において、水相を溶媒相から分離する工程は、二酸化炭素などの超臨界流体に適用される熱及び圧力を低減して、超臨界流体を気体状態に戻し、該気体を抽出混合物から逃す工程を含む。
このプロセスは、更に、任意の残留溶媒を水相から除去する工程を含んでもよい。一実施形態において、任意の残留溶媒を水相から除去する工程は、真空ストリッピング(熱を有し又は有さず)、分留、薄膜蒸発、炭素濾過、又はこれらの組み合わせから選択される工業的方法の使用を含む。
処理済み水溶性界面活性剤の回収
本発明によるプロセスは更に、蒸発又は他の伝統的な手段によって、処理済み水溶性界面活性剤組成物を水相から回収する工程を含んでもよい。
一実施形態において、処理済み水溶性界面活性剤組成物は、全て処理済み組成物の重量に基づいて、約10%〜約50%、あるいは約20%〜約30%の処理済み水溶性界面活性剤、約60〜約90%、あるいは約70%〜約80%の水、及び1%以下、あるいは0.7%以下、あるいは0.5%以下、あるいは0.1%以下、あるいは0.05%以下、あるいは0.01%以下の望ましくない非極性材料を含有する。
一実施形態において、処理済みモノアルキルホスフェート界面活性剤組成物は、処理済み組成物の0.7重量%以下、あるいは0.5重量%以下、あるいは0.1重量%以下、あるいは0.05重量%以下、あるいは0.01重量%以下の望ましくない非極性材料を含有する。
一実施形態において、処理済みココアミドプロピルベタイン界面活性剤組成物は、処理済み組成物の0.1重量%以下の、あるいは0.07重量%以下の、あるいは0.05重量%以下の、あるいは0.01重量%以下の、あるいは0.005重量%以下の、0.0001重量%以下の、あるいは測定可能な量を有さない、アミン及びアミド材料を含有する。
一実施形態において、処理済みココアミドプロピルベタイン界面活性剤組成物は、処理済み組成物の少なくとも20重量%のココアミドプロピルベタイン界面活性剤、及び10ppm以下の、あるいは5ppm以下の、あるいは1ppm以下の、あるいは500ppb以下の、あるいは測定可能な量を有さない、アミン及びアミド材料を含有する。
一実施形態において、処理済みココアミドプロピルベタイン界面活性剤組成物は、処理済み組成物の0.1重量%以下の、あるいは0.07重量%以下の、あるいは0.05重量%以下の、あるいは0.01重量%以下の、あるいは0.005重量%以下の、0.0001重量%以下の、あるいは測定可能な量を有さない、望ましくない非極性材料を含有する。
一実施形態において、処理済み水溶性界面活性剤組成物は、全て処理済み組成物の重量に基づいて、約10%〜約50%、あるいは約20%〜約30%の処理済み水溶性界面活性剤、約60〜約90%、あるいは約70%〜約80%の水、及び1%以下の総アルコールを含有する。
一実施形態において、処理済みモノアルキルホスフェート界面活性剤組成物は、処理済み組成物の0.7重量%以下、あるいは0.5重量%以下、あるいは0.1重量%以下、あるいは0.05重量%以下、あるいは0.01重量%以下の総アルコールを含有する。
溶媒のリサイクル
一実施形態において、プロセスは更に、溶媒相から抽出溶媒を分離する工程と、場合によりこの抽出溶媒を更なる液液抽出プロセスに再使用する工程と、を含む。
一実施形態において、この溶媒のリサイクル工程は、分画カラム(又は蒸留塔)の使用を含む。分画カラムは、様々な用途のために、このタイプの流れを分離し、それらを除去することが可能であることが示されている。分画カラム工程を組み込んだプロセスの一例を、図1に示す。分画カラムの設計は、様々な分画に関する潜在的な市場、システムのスループットの必要性、及び全体的なコストを考慮に入れる必要があるであろう。蒸留塔内で使用するプレートのサイズ及び数は、これらの要因を考慮して選択され得る。
分画カラム又は分留カラムは、液体混合物の蒸留に使用されて、混合物をそれらの揮発性の差に基づいて、その成分部分又は画分に分離することができる。分画カラムは様々なサイズを有し、小規模研究室蒸留、及び大規模工業的蒸留に使用される。
分画カラムは、ラウールの法則に従って、混合蒸気を冷却し、凝縮させ、及び再度気化させることにより、混合物を分離することを助ける。各凝縮−気化サイクルにより、蒸気は所定の成分に富むようになる。
典型的な分留では、液体混合物は蒸留フラスコ内で加熱され、得られた蒸気は分画カラムを上昇する。蒸気はカラム内部のガラススプール(トレー又はプレートとして既知)上で凝縮し、蒸留フラスコに戻り、上昇する蒸留物の蒸気を還流する。最も熱いトレーはカラムの底部にあり、最も冷たいトレーは頂部にある。安定した状態では、各トレー上の蒸気及び液体は、平衡に達している。蒸気の最も揮発性が高い部分のみが、頂部へ行くまで気体形態に留まり、頂部にて蒸気は冷却器を通して進行し、冷却器は蒸気が凝縮して液体蒸留物となるまで冷却する。分離はより多数のトレーを追加することにより(熱、流れなどの実際的限界まで)向上され得る。
分留は、化学工学の単位操作の1つである。分画カラムは、大量の液体を蒸留する必要がある化学プロセス工業にて広く使用されている。多数の画分がこの方法を介して、及び工業的プロセスのために回収されることができ、その限界は一般に、生成物の要件と経済面のみである。
工業的蒸留は、一般に、「蒸留塔」又は「蒸留カラム」として既知の大きい垂直円筒状カラム内で行われ、カラムの直径は約65センチメートル〜6メートルの範囲であり、高さは約6メートル〜60メートル以上である。工業的蒸留塔は、通常、連続的な定常状態にて操作される。供給物、熱、周囲温度、又は凝縮の変化により乱されない限り、追加される供給物の量は、通常、除去される生成物の量と等しい。
溶媒相をリサイクルする他の手段としては、サイクロン分離器の使用が挙げられる。溶媒相中の材料の密度差を使用して、それらの分離を推進することが可能であり得る。この手法は、一般に設置及び操作がより経済的である利点を有するが、蒸留手法と比較して、達成される分離の程度が低下され得る。
固体水溶性界面活性剤の準備
一実施形態において、プロセスは更に、固体の非純粋界面活性剤材料をその融点まで加熱する工程を含む。一実施形態において、固体非純粋界面活性剤材料を、抽出溶媒及び水と接触させる工程の前に、約25℃〜約80℃、あるいは約30℃〜約60℃の温度まで加熱する。
口腔ケア組成物への組み込み
本発明のプロセスは更に、処理済み水溶性界面活性剤組成物を口腔ケア組成物に組み込む工程を含んでもよい。
口腔ケア組成物
本発明によるプロセスから得られた処理済み水溶性界面活性剤組成物は、一実施形態において、口腔ケア組成物中に組み込まれてもよく、該口腔ケア組成物は、本明細書に示したプロセスで処理されていない水溶性界面活性剤と比較して改善された味を有する。
本明細書で使用されるとき、「口腔ケア組成物」は、通常の使用過程では、特定の治療剤の全身投与の目的で意図的に嚥下されず、むしろ、経口作用を目的として実質的に全ての歯の表面及び/又は口腔組織と接触するのに十分な時間、口腔内に保持される製品を意味する。口腔ケア組成物は、練り歯磨き、歯磨剤、歯磨きゲル、歯肉縁下用ゲル、口内リンス剤、ムース、フォーム、マウススプレー、ドロップ、咀しゃく錠、チューインガム、又は義歯製品などの様々な形態であってよい。口腔ケア組成物は、口腔表面に直接適用又は取り付けるためにストリップ又はフィルムに組み込まれてもよい。
抽出の有効性を評価する手順
一実施形態において、本発明によるプロセスと共に、抽出の有効性を評価する工程が水溶性界面活性剤組成物上で行われる。そのような工程は以下のように行われてもよい。
1.水溶性界面活性剤組成物を供給する。
2.この水溶性界面活性剤組成物に酢酸エチルなどの抽出溶媒を加え、これらは全て分液漏斗内にある。
3.分液漏斗を振とうすることによりおよそ1分間激しく混合し、液体層を分離させる。
4.所望の水溶性界面活性剤を含有する水性層を収集する。
5.望ましくない材料を含有する溶媒層を別個にて収集し、廃棄するか、又は溶媒及び望ましくない材料を他の目的に使用する。例えば、望ましくない材料が、水溶性界面活性剤製造における出発物質の場合、これらを単離及び再使用して、より多量の界面活性剤を作製してもよい。抽出溶媒は、抽出手順での後の再使用のために精製されてもよい。
6.抽出の前及び後の口腔ケア成分の両方からのサンプルを浸漬固相マイクロ抽出(SPME)(即ちLLE)と、その後のGC−MS(Agilentモデル6890 GC &モデル5973 Mass Spectrometric Detector,Agilent Technologies,Wilmington,DE,USAを使用して)により分析する。抽出の前及び後のサンプルにおける不純物レベルを比較して、不純物の除去効率を決定する。
7.抽出の前及び後の材料を直接、又は口腔ケア製品中に添加した後、臭い及び/又は味見して、改善のレベルを知覚的に示す。
(実施例I)
改善されたMAP L213/S界面活性剤
本明細書に示したプロセスを用いて、Rhodiaにより供給されているMAP L213/S(水溶液中のモノアルキルホスフェート界面活性剤、上記の表1参照)から望ましくない非極性材料を抽出し、抽出溶媒として酢酸エチル(Honeywell Burdick & Jackson,Muskegon,MI,USAにより供給)を使用した。抽出した材料を分析し、処理済みMAP L213/Sを、抽出後、味及び臭気に関して評価し、特に出発MAP L213/S材料と比較した場合、非常に軽度であることが示された。商業的に供給されている材料ML 213/Sから除去された望ましくない材料を、以下の表3に示す。以下のプロセス工程を行った。
1.100グラムのMAP L213/Sを、きれいな250mLの分液漏斗内に配置した。
2.100mLの酢酸エチルを分液漏斗に加え、分液漏斗を栓で塞ぎ、およそ1分間激しく振とうした。
3.分液漏斗内容物を、視覚的に区別される2つの層に落ち着くまで、ある時間静止させた。
4.分液漏斗から底部層(処理済みMAP L213/S)を第2のきれいな250mL分液漏斗内に排出した。
5.酢酸エチルを別個に収集し、他の目的のために取っておいた。
6.次いで、100mLの新鮮な酢酸エチルの第2のアリコートを、分液漏斗内の処理済みMAP L213/Sに加え、工程2〜5を合計5回反復した。
7.最終の抽出工程後、水層を丸底フラスコ内に収集し、次いでこの丸底フラスコをロータベーパー(rotavapor)(Flawil,SwitzerlandのBUCHI Labortechnik AGにより供給されているモデルRE111)上に配置した。ロータベーパーの水浴を80℃に設定し、酢酸エチル臭気がもはや知覚されなくなるまで作動させた。
7.次いで、処理済みMAP L213/S界面活性剤の質量を得、水を加えて、EtOAc除去に伴う水損失による任意の質量の損失を補った。
Figure 2014521693
次いで、得られた処理済みMAP L213/Sを、以下のような比較味試験に供した。
以下のMAP L213/S化合物(全て、Rhodiaから市販されているMAP L213/S界面活性剤に基づく)を、味見のために6人のパネリストに供した。各MAP材料を蒸留水中1%界面活性剤のレベルに希釈し、pH 7に中和した。10mLのサンプルを15mLのカップ内でパネリストに提供した。パネリストは、サンプル間で味覚を消すのに十分な時間を提供するために、朝1回及び昼1回よりも頻繁に材料を試食しないように指示され、また試食前の15分間に飲食しないように指示された。パネリストは、カップの内容物を口内に出し、嚥下せずに製品を10〜20秒間、口内で回し、吐き出し、10〜20秒間待機した後、以下のカテゴリーに関して知覚したものを0〜60のスケール上で評価するよう指示された。1)石鹸味、2)苦味の量、3)他の劣る味の量、4)「石鹸味」の強度、5)「苦味」の強度。
176=Rhodia L213/S,lot SW10G−4636 251=Rhodia L213/S,lot 012
389=Rhodia L213/S,lot 010
462=Rhodia L213/S,lot 011
937=この実施例Iにて上記に示したプロセス工程に従って酢酸エチルで抽出したRhodia L213/S,lot 001
対照=Rhodia L213/S,lot 001
表4から理解し得るように、対照及び比較例176、251、389及び462は全て、本明細書に示したプロセスに従って酢酸エチルで処理されたMAP組成物と比較して、石鹸味、苦味の量、他の劣る味の量、石鹸味の強度、及び苦味の強度などの悪い味の要素に関して有意に高い評価を有した。
Figure 2014521693
(実施例II)
改善されたココアミドプロピルベタイン界面活性剤
(100グラムのMAPと100mLの溶媒に代わって)20グラムのココアミドプロピルベタインと、20mLの溶媒を使用し、MAP L213/Sをココアミドプロピルベタインで置き換え、工程2〜5を3反復(段階)のみ行った以外は、実施例Iに示したプロセス工程を用いて、Stepan,Mexico SA DE CV(Matamoros,MX)により供給されているココアミドプロピルベタイン界面活性剤から望ましくない非極性材料を抽出した。抽出した材料を分析し、処理済みココアミドプロピルベタイン界面活性剤を、抽出後、味及び臭気に関して評価し、特に出発物質と比較した場合、非常に軽度であることが示された。商業的に供給されている材料から除去された望ましくない材料を、以下の表5に示す。
Figure 2014521693
(実施例III)
改善されたラウリルベタイン界面活性剤
実施例Iに示したプロセス工程を用いて、MAP L213/Sをラウリルベタインで置き換え、工程2〜5の4反復(段階)のみを完了して、Mason Chemical Company(Arlington Heights,IL,USA)により供給されているラウリルベタイン界面活性剤から望ましくない非極性材料を抽出した。抽出した材料を分析し、処理済みラウリルベタイン界面活性剤を、抽出後、味及び臭気に関して評価し、特に出発物質と比較した場合、非常に軽度であることが示された。商業的に供給されている材料から除去された望ましくない材料を、以下の表6に示す。
Figure 2014521693
(実施例IV)
改善されたラウリル硫酸ナトリウム界面活性剤
実施例Iに示したプロセス工程を用いて、MAP L213/Sをラウリル硫酸ナトリウムで置き換え、工程2〜5の3反復(段階)のみを完了して、Stepan(Winder,GA,USA)により供給されているラウリル硫酸ナトリウム界面活性剤から望ましくない非極性材料を抽出した。抽出した材料を分析し、処理済みラウリル硫酸ナトリウム界面活性剤を、抽出後、味及び臭気に関して評価し、特に出発物質と比較した場合、非常に軽度であることが示された。商業的に供給されている材料から除去された望ましくない材料を、以下の表7に示す。
Figure 2014521693
(実施例V)
歯磨剤組成物
本発明による歯磨剤組成物を、下記にて表8の実施例Va〜Viとして示す。これらの組成物は、本明細書の実施例I〜IVに示したプロセスから得られた界面活性剤を含有する。これらの組成物は、未処理の市販の水溶性界面活性剤を含有する組成物と比較して改善された味を有する。
Figure 2014521693
(実施例VI)
改善されたエトキシル化モノアルキルホスフェート界面活性剤
エトキシル化モノアルキルホスフェートから非極性材料を分離するのに高圧二酸化炭素を使用して、エトキシル化モノアルキルホスフェート(Rhodiaにより供給)から望ましくない非極性材料を抽出した。最初に、45mLの界面活性剤を100ccの処理バッグ内に配置した。次いで、このバッグを6mmのガラスビーズで満たした更なる100ccサンプル処理バッグで包み込んだ。界面活性剤及びガラスビーズで満たしたバッグを、SFEユニットの100ccのサンプル処理容器(200C/10kspi操作)内に配置した。使用した設定は、80℃の炉アセンブリ及び絞りバルブアセンブリ(restrictor valve assembly)であった。CO2による槽の圧力を5.17MPa(750psi)まで上昇させ、10〜15分間平衡化した。次いで、圧力を24MPa(3500psi)に設定し、10分間浸漬させた。10分後、静的/動的バルブを開放し、CO2フローを10mL/分の安定した速度にて10分間維持した。静的浸漬と動的フローとの交互の工程を、同じ圧力及び温度条件にて10回完了した。
次いで、抽出した材料を分析し、抽出後、処理済みエトキシル化モノアルキルホスフェート界面活性剤を味及び臭気に関して評価し、特に出発物質と比較した場合に非常に軽度であることが示された。商業的に供給されている材料から除去されたとして同定された望ましくない材料を、以下の表9に示す。
Figure 2014521693
サンプルVIaは、未処理界面活性剤が94.3ppmのドデカナール、6534ppmのドデカノール、及び62ppmの酢酸ドデシルを有したことを示す。記載したバッチCO2プロセスにて界面活性剤を処理した後、処理済みMAPサンプルVIbは、低下されたドデカナール75.6ppm、低下されたドデカノール5256.8ppm、及び低下された酢酸ドデシル47.6ppmを含んでいた。
(実施例VII)
改善されたアミンオキシド界面活性剤
実施例Iに示したプロセス工程を用いて、MAP L213/Sをアミンオキシドに置き換えて、Sigma−Aldrich Corporation(St.Louis,MO,USA)から供給されているN,N−ジメチルドデシルアミンN−オキシド(アミンオキシド)界面活性剤(〜30%水溶液)から望ましくない非極性材料を抽出した。加えて、異なるロータリーエバポレーター(Flawil,SwitzerlandのBUCHI Labortechnik AGにより供給されているモデルEL131)を使用して、残留EtOAcを除去した。回転蒸発(rotovap)中、粗引きポンプ(General ElectricモデルSKC36PN435GX,Fort Wayne,IN,USA)を介して真空を適用し、前記ポンプは、ポンプ入口と回転蒸発器(rotovap)との間のホースの区分内のティー(teed)に加えられたクランプの手動による調整により制御された。界面活性剤が泡立ちを開始する時点まで真空を上昇させた。真空を適用することによって、残留EtOAの除去速度が有意に増大した。次いで、抽出の前及び後のアミンオキシド材料を浸漬SPME GC−MS(Agilentモデル7890 GC &モデル5975 Mass Spectrometric Detector,Agilent Technologies,Wilmington,DE,USA)により分析し、抽出後、処理済みアミンオキシド界面活性剤を味及び臭気に関して評価し、特に出発物質と比較した場合に非常に軽度であることが示された。この実施例のGC−MS分析は、後により新しい機器を用いて行い、得られた滞留時間は、他の実施例の滞留時間よりも僅かに長い。商業的に供給されている材料から除去された望ましくない材料を、以下の表10に示す。
Figure 2014521693
Figure 2014521693
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値、及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「20g」として開示した「寸法」は、「約20g」を意味するものとする。全ての百分率、比率及び割合は、特に示さない限り重量に基づく。特に指摘される場合を除き、分量、百分率、部分及び割合を含む全ての量は、「約」という言葉により修正されると理解され、量は有効数字を示すことを意図しない。
本明細書の全体を通じて与えられる全ての最大の数値限定は、それよりも小さい数値限定を、そうしたより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているものと同様にして包含するものと理解すべきである。本明細書の全体を通じて与えられる全ての最小数値限定は、それよりも大きい全ての数値限定を、あたかもそれらの大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているものと同様にして含むものである。本明細書の全体を通じて与えられる全ての数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に含まれるそれよりも狭い全ての数値範囲を、あたかもそれらのより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているものと同様にして含むものである。
特に記載のない限り、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、「1つ以上」を意図する。
本明細書で使用する時、「含む」とは、最終結果に影響を及ぼさない他の工程及び他の成分を加えることができることを意味する。この用語は、用語「〜からなる」及び用語「本質的に〜からなる」を包含する。本発明の組成物及び本発明の方法/プロセスは、本明細書に記載した発明の必須要素及び制限事項、並びに本明細書に記載した追加若しくは任意の成分、成分、工程、又は制限事項のいずれをも含むことができ、これらからなることができ、及びこれらから本質的になることができる。
相互参照されるか又は関連する全ての特許又は特許出願を含む、本願に引用される全ての文書を、特に除外すること又は限定することを明言しない限りにおいて、その全容にわたって本願に援用するものである。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求される全ての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他の全ての参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参考として組み込まれた文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

Claims (10)

  1. 液液溶媒抽出を用いて水溶性界面活性剤の味を改善する方法であって、
    a)処理を必要とする水溶性界面活性剤組成物を提供する工程であって、前記水溶性界面活性剤組成物が、水溶性界面活性剤と、1つ以上の望ましくない非極性材料とを含有する、工程と、
    b)前記水溶性界面活性剤組成物を抽出溶媒及び水と接触させて、水相及び溶媒相を含む抽出混合物を形成する工程と、
    c)前記水相を前記溶媒相から分離する工程と、を含み、
    前記抽出溶媒が、15〜17(MPa)0.5の範囲の分散力成分(δ)、0〜9(MPa)0.5の範囲の極性成分(δ)、及び0〜11(MPa)0.5の範囲の水素結合成分(δ)の、個々のハンセン溶解度パラメーターを有する溶媒から選択される、方法。
  2. 前記水溶性界面活性剤が、少なくとも20%水溶性である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記水溶性界面活性剤が、陰イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択され、かつ少なくとも30%水溶性である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記水溶性界面活性剤が、アルキルホスフェート界面活性剤、エトキシル化アルキルホスフェート界面活性剤、ラウリルサルフェート界面活性剤、ベタイン界面活性剤、ベタインエトキシル化界面活性剤、アミンオキシド界面活性剤、及びこれらの混合物から選択され、好ましくはココアミドプロピルベタイン、アルキルエトキシル化ホスフェート、モノアルキルホスフェート、及びこれらの混合物から選択される、請求項1又は3に記載の方法。
  5. 前記抽出溶媒が、酢酸エチル、水−飽和酢酸エチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、カプロン酸エチル、カプリル酸エチル、ペラルゴン酸エチル酢酸メチル、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、単鎖エステル、超臨界二酸化炭素、及びこれらの混合物から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記抽出溶媒が酢酸エチルである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記抽出混合物中の抽出溶媒と水溶性界面活性剤との比が、1:10〜10:1である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記水相を前記溶媒相から分離する前記工程が、更に、前記抽出混合物を遠心分離する工程を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記方法が更に、任意の残留溶媒を前記水相から除去する工程を含み、前記任意の残留溶媒を前記水相から除去する工程が、真空ストリッピング(熱を有し又は有さず)、分留、薄膜蒸発、炭素濾過、又はこれらの組み合わせから選択される工業的方法の使用を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 水溶性界面活性剤組成物の味を改善するための液液溶媒抽出の使用であって、抽出溶媒として酢酸エチルが使用される、使用。
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