JP2014506458A - タンパク質形質導入の向上 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】向上したタンパク質形質導入の方法が提供される。前記方法の態様は、目的のタンパク質ドメインとタンパク質形質導入ドメインの両方を含む形質導入タンパク質および核酸形質移入試薬と細胞を接触させることを含む。本発明の実施形態に従う方法の実施において使用される系およびキットもまた提供される。前記方法、系およびキットは様々な異なる用途で使用される。

Description

細胞透過性ペプチドとしても知られるタンパク質形質導入ドメイン(PTD)は、哺乳類細胞の原形質膜を透過することができるクラスの小ペプチドである(B.Godin, E.Touitou.“エトゾームキャリアから皮膚および細胞膜を介してバシトラシン浸透率増加のメカニズム”(“Mechanism of bacitracin permeation enhancement through the skin and cellular membranes from an ethosomal carrier,”)J. Control. Rel. 94:365−379(2004))。いくつかの周知のPTD、すなわち、HIVの転写因子であるTAT、キイロショウジョウバエのホメオドメインタンパク質由来のAntpペプチド、単純ヘルペスウイルスのタンパク質であるVP22、およびアルギニンオリゴマーが存在する(Pillai&Panchagnula,インスリンの経皮イオントフォレシス、4.化学的エンハンサーの影響(Transdermal iontophoresis of insulin:IV.Influence of chemical enhancers),Int.J.Pharm. 269:109−120(2004)、Kalia et al.,イオントフォレシスによる薬物送達(Iontophoretic drug delivery),Adv.Drug Deliv.Rev.56:619−658(2004)およびS.Mitragotri,経皮薬物配達によるエンハンサーの相乗効果(“Synergistic effect of enhancers for transdermal drug delivery,”) Pharm.Res.17:1354−1359(2000))。これらのペプチドが多くの種類および分子量の化合物、例えば、複合体化ペプチド、オリゴヌクレオチド、およびリポソームなどの小粒子を哺乳類細胞のいたるところに輸送することが報告されている(Mitragotri,同上、Boinpally et al.,シクロスポリンAのレシチン小胞のイオントフォレシス(Iontophoresis of lecithin vesicles of clyclosporin A),Int.J.Pharm.274:185−190(2004)、Lindgren et al.,膜透過性ペプチド(Cell−penetrating peptides),Trends Pharmacol.Sci. 21:99−103(2000)、およびSchwarze&Dowdy,生体内タンパク質形質導入、生物学的活性化タンパク質、化合物およびDNAの細胞内配達(In vivo protein transduction:intracellular delivery of biologically active proteins, compounds and DNA),Trends Pharmacol.Sci.21:45−48(2000))。したがって、PTDは薬物送達アプローチの1つの重要なクラスを象徴する。
米国特許出願公開第2006/0099677号明細書
向上したタンパク質形質導入の方法が提供される。前記方法の態様は、目的のタンパク質ドメインとタンパク質形質導入ドメインの両方を含む形質導入タンパク質および核酸形質移入試薬と細胞を接触させることを含む。本発明の実施形態に従う方法の実施において使用される系およびキットもまた提供される。前記方法、系およびキットは様々な異なる用途で使用される。
安定した二方向性TREtight ZsGreen/FLuc組込みカセットを有するHeLaレポータ細胞(クローン19)を96ウェルフォーマットでプレーティングし(ウェルあたり15,000細胞)、細胞が付着した後に、ウェルあたり0、5、10または20μLの形質導入ミックスを添加し、形質導入ミックスは、次の添加物、2% のLTX、0.6%のXfect、2%のリポフェクタミン2000(Lipo2000)、0.2mMのクロロキンまたは6μg/mLのポリブレンのうちの1つを含むOptimem培地中のTetエクスプレスタンパク質から成り、翌日にルシフェラーゼアッセイを実行する、Tetエクスプレスの活性の向上を示すルシフェラーゼアッセイの結果を提供する図である。 クローン19HeLaレポータ細胞を96ウェルフォーマットでプレーティングし(ウェルあたり15,000細胞)、Tetエクスプレスタンパク質(Optimem培地中)を提示した量の試薬と混合して前述の細胞に添加し、試薬にはミラス社のTransit−siQuest、Transit−TKO、Transit−LTI、Transit−Jurkat、Transit−2020またはクロンテック社のXfectが含まれ、翌日にルシフェラーゼアッセイを実行する、Tetエクスプレスの活性の向上を示すルシフェラーゼアッセイの結果を提供する図である。 クローン19HeLaレポータ細胞を96ウェルフォーマットでプレーティングし(ウェルあたり15,000細胞)、10μgのTetエクスプレスまたは熱不活化Tetエクスプレス(75℃で5分間)を0、1、2または4μLのいずれかのXfectと混合して前述の細胞に添加し、翌日にルシフェラーゼアッセイを実行する、熱不活化したTetエクスプレスを使用するルシフェラーゼアッセイの結果を提供する図である。 クローン19HeLaレポータ細胞を96ウェルフォーマットでプレーティングし(ウェルあたり15,000細胞)、デオキシリボヌクレアーゼIで(150μLのTetエクスプレスあたり10ユニット、37℃で30分間)前処理していないまたは前処理したTetエクスプレスをXfectと混合して細胞に添加し、翌日にルシフェラーゼアッセイを実行する、デオキシリボヌクレアーゼ処理ではTetエクスプレスの活性は変化しないことを示す図である。 クローン19HeLaレポータ細胞を12ウェルフォーマットでプレーティングし(ウェルあたり50,000細胞)、2μLのリポフェクタミンLTXを用いて0.5μgのpUC19プラスミド(対照)、prOF7プラスミド、pTet On AdvancedプラスミドまたはpTet Off Advancedプラスミドを細胞に形質移入し、翌日にドキシサイクリンを1000ng/mLまで添加し、翌日にルシフェラーゼアッセイを実行することを示す図である。 ウェルあたり50,000細胞のクローン19HeLaレポータ細胞を12ウェルフォーマットでプレーティングし、Xfect試薬の存在下または非存在下で細胞を0、1、10または100μgのTetエクスプレス(または派生物)で処理し、翌日にルシフェラーゼアッセイを実行する、Xfectのトランス活性化への効果を示す図である。
向上したタンパク質形質導入の方法が提供される。前記方法の態様は、目的のタンパク質ドメインとタンパク質形質導入ドメインの両方を含む形質導入タンパク質および核酸形質移入試薬と細胞を接触させる過程を含む。本発明の実施形態に従う方法の実施において使用される系(システム)およびキットもまた提供される。前記方法、系およびキットは様々な異なる用途で使用される。
本発明が、記載される特定の実施形態に限定されることはなく、当然のことながら、変更され得るものであるということが、本発明をさらに詳細に説明する前に理解されるものとする。本発明の範囲は添付の請求項によってのみ限定されるので、本明細書において使用される用語は単に特定の実施形態を説明することを目的とするものであり、限定的であることを意図したものではないということもまた理解されるものとする。
数値の範囲が提供される場合、文脈によって別途明確に指示されない限り下限の単位の10分の1まで、その範囲の上限と下限の間の各介在値およびその記載範囲内の他の任意の記載値または介在値が本発明に包含されると理解される。これらのより小範囲の上限と下限がそのより小範囲内に独立して含まれることが可能であり、また本発明に包含されるが、記載範囲内の任意の具体的に除外される限度に従属する。記載範囲が前記限度の一方または両方を含む場合、それらの含まれる限度の一方または両方を排除する範囲もまた本発明に含まれる。
本明細書において、用語「約」を前置した数値を用いて一定の範囲が提示される。本明細書において用語「約」を使用して、それが先行する正確な数に逐語的サポートを提供し、ならびにその用語が先行する数に近い数、または近似する数を提供する。数が具体的に列挙した数に近い、または近似しているか判断する際、列挙されていないがそれに近い、または近似する数は、それが提示される文脈において、具体的に列挙された数と実質的に等価である数であり得る。
別途定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において記載されるものと類似または同等の任意の方法および材料もまた、本発明の実施または試験において使用可能であるが、代表的例証的方法および材料がこれから説明される。
本明細書において引用される刊行物と特許のすべてが、各々個々の刊行物または特許が参照により組み込まれると具体的および個別に示されるかのように、参照により本明細書に組み込まれ、そして、それと関連して刊行物が引用される方法および/または材料を開示および説明するために、参照により本明細書に組み込まれる。任意の刊行物の引用は出願日前のその開示についてのものであり、本発明が、先行発明を理由としてそのような刊行物に先行する権限がないと認めることとして解釈されてはならない。また、提供された刊行の日付は実際の公開日と異なる可能性があり、それは個別に確認される必要があり得る。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈によって別途明確に指示されない限り、複数参照を含むことに留意されたい。特許請求の範囲はあらゆる任意選択要素を除外して起草され得ることにさらに留意されたい。したがって、この記述は、請求要素の列挙と関連した「だけ(solely)」、「のみ(only)」などのような排他的用語、または「消極的」限定を用いるための先行記述としての役割を果たすことを目的とする。
本開示を読むことで当業者には明白となるように、本明細書において説明および例証される個々の実施形態の各々は、本発明の範囲または精神から逸脱することなく他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴と容易に分離される、または組み合わされることが可能である個別の構成要素および特徴を有する。列挙される事象の順番で、または、論理的に可能である他の任意の順番で任意の列挙される方法を実施することが可能である。
タンパク質形質導入向上の方法
先に要約したように、本発明の態様はタンパク質形質導入の方法を含む。「タンパク質の形質導入」は、本明細書で使用される場合、タンパク質の外部環境から細胞への内部取込を意味する。したがって、タンパク質を細胞に形質導入するとき、前記タンパク質は前記細胞の外部環境から前記細胞、例えば、前記細胞の細胞質に流通するように細胞膜を通過する。本発明のある実施形態に従って、タンパク質形質導入方法が向上する。向上するという語法は、本発明の実施形態に従うタンパク質形質導入が、例えば、以下により詳細が記載されるように、核酸形質移入試薬の使用を含まないタンパク質形質導入方法と比較して、2倍以上効率的である、例えば、10倍以上効率的を含み、5倍以上効率的であることを意味する。
本発明のタンパク質形質導入方法において使用されるタンパク質は、本明細書において「形質導入タンパク質」と称される。形質導入タンパク質は、本明細書において記載されるタンパク質形質導入方法の間に細胞の外部環境から細胞に細胞膜を越えて移動するタンパク質である。形質導入タンパク質は、目的のタンパク質構成部分またはドメイン(すなわち、POIドメイン)とタンパク質形質導入ドメインである、少なくとも2つの構成部分を含む。これらの2つの構成部分またはドメインは、以下により詳細が記載されるように、明確または不明確なものである可能性がある。
目的のタンパク質(POI)ドメイン
形質導入タンパク質のPOIドメインは任意のペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質であり得る。目的のPOIには研究用POI、診断用POIおよび治療用POIが含まれる。研究用POIは研究プロトコルにその活性が使用されるタンパク質ドメインである。したがって、研究用POIは、実験方法において使用されるタンパク質ドメインである。研究用POIはそのような利用法を有する任意のPOIである可能性があり、いくつかの例では、前記研究用POIは、細胞中でそれをコードするベクターからそれを発現することにより研究プロトコルに提供されることもあるタンパク質ドメインである。特定の種類の研究用POIの例には誘導発現系の転写モジュレータ、シグナル産生系のメンバー、例えば、その酵素および基質、ホルモン、プロホルモン、プロテアーゼ、酵素活性モジュレータ、パータービマーおよびペプチドアプタマー、抗体、タンパク質間相互作用のモジュレータなどが含まれるが、これらに限定されない。
診断用POIは診断プロトコルにその活性が使用されるタンパク質ドメインである。したがって、診断用POIは、診断方法において使用されるタンパク質ドメインである。診断用POIはそのような利用法を有する任意のPOIであり得る。特定の種類の診断用POIの例にはシグナル産生系のメンバー、例えば、その酵素および基質、標識化結合メンバー、例えば、標識化抗体およびその結合断片、ペプチドアプタマーなどが含まれるが、これらに限定されない。
目的のPOIには治療用POIがさらに含まれる。目的の治療用POIには、インスリン、グルカゴン、成長ホルモン(GH)、副甲状腺ホルモン(PTH)、成長ホルモン放出因子(GHRF)、濾胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、アンジオポエチン、アンジオスタチン、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、エリスロポエチン(EPO)、結合組織増殖因子(CTGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、酸性線維芽細胞増殖因子(aFGF)、上皮成長因子(EGF)、トランスフォーミング増殖因子アルファ(TGFα)、血小板由来増殖因子(PDGF)、インスリン成長因子IおよびII(IGF−IおよびIGF−II)、TGFβを含むトランスフォーミング増殖因子ベータスーパーファミリーのいずれか1つ、アクチビン、インヒビン、またはBMP1〜15を含む骨形成タンパク質(BMP)のいずれか、増殖因子であるヘレグルイン/ニューレグリン/ARIA/neu分化因子(NDF)ファミリーのいずれか1つ、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィンNT−3およびNT−4/5、毛様体神経栄養因子(CNTF)、グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)、ニュールツリン、アグリン、セマフォリン/コラプシンファミリーのいずれか1つ、ネトリン−1およびネトリン−2、肝細胞増殖因子(HGF)、エフリン、ノギン、ソニック・ヘッジホッグおよびチロシンヒドロキシラーゼを含むがこれらに限定されないホルモンおよび増殖因子および分化因子が含まれるが、これらに限定されない。
目的のPOIにはウロキナーゼタイプのプラスミノーゲン活性化因子(u−PA)および組織プラスミノーゲン活性化因子(tpA)を含むがこれらに限定されない線維素溶解性タンパク質;第VIIa因子、第VIII因子、第IX因子およびフィブリノーゲンなどの凝血原タンパク質;血栓部位での止血平衡(hemostaticbalance)の変更で使用されるプラスミノーゲン活性化因子インヒビター1(PAI−1)、フォン・ヴィレブランド因子、第V因子、ADAMTS−13およびプラスミノーゲン;などが含まれるが、これらに限定されない。
jun、fos、max、mad、血清応答因子(SRF)、AP−1、AP2、myb、MyoD、ミオゲニン、ETSボックス含有タンパク質、TFE3、E2F、ATF1、ATF2、ATF3、ATF4、ZF5、NFAT、CREB、HNF4、C/EBP、SP1、CCAATボックス結合タンパク質、インターフェロン調節因子(IRF−1)、ウィルムス腫瘍タンパク質、ETS結合タンパク質、STAT、GATA−3などのGATAボックス結合タンパク質、およびフォークヘッドファミリーのウィングド・ヘリックス(wingedhelix)タンパク質などの転写因子もまたPOIとして対象である。
カルバモイルシンテターゼI、オルニチントランスカルバミラーゼ、アルギノコハク酸シンテターゼ、アルギノコハク酸リアーゼ、アルギナーゼ、フマリルアセト酢酸ヒドロラーゼ、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ、α1アンチトリプシン、グルコース−6−ホスファターゼ、ポルフォビリノーゲンデアミナーゼ、第VIII因子、第IX因子、シスタチオンβシンターゼ、分枝鎖ケト酸デカルボキシラーゼ、アルブミン、イソバレリルCoAデヒドロゲナーゼ、プロピオニルCoAカルボキシラーゼ、メチルマロニルCoAムターゼ、グルタリルCoAデヒドロゲナーゼ、インスリン、β−グルコシダーゼ、ピルビン酸カルボキシル塩、肝臓ホスフォリラーゼ、ホスフォリラーゼキナーゼ、グリシンデカルボキシラーゼ、H−プロテイン、Tタンパク質、嚢胞性線維症膜貫通型調節因子(CFTR)配列およびジストロフィンcDNA配列もまたPOIとして対象である。
ある実施形態において、POIはまた非共有結合で結合した複合体を含むと理解されるものとする。これらはタンパク質間複合体ならびにタンパク質−mRNA複合体、タンパク質−非コードRNA複合体、タンパク質−脂質複合体およびタンパク質−小分子複合体であり得る。そのような複合体の例はRISC、スプライセオソームなどである。
タンパク質形質導入ドメイン(PTD)
本発明の方法では、細胞に形質導入するために使用される形質導入タンパク質は、先に概説したように、POIドメインとタンパク質形質導入ドメインの両方を含むタンパク質である。PTDは、細胞膜を越えて移動する能力を前記タンパク質に与え、それによって、前記タンパク質が細胞によって内部に取り込まれることを可能にするドメインである。目的のPTDに明確なPTDと分散型PTDの両方が含まれる場合、PTDは、例えば、以下により詳細が記載されるように、様々であり得る。
明確なPTD
先に言及したように、いくつかの例では、PTDは明確なPTDである。明確なPTDは、形質導入タンパク質の規定の位置またはドメイン、例えば、N末端ドメインもしくはC末端ドメインなどの末端ドメインまたは中央ドメインを構成するPTDである。(以下により詳細が記載されるように)明確なPTDは分散型PTDと異なり、それらは形質導入タンパク質のPOI部分のような他のドメインによって散在させられることがない。したがって、明確なPTDを含む形質導入タンパク質を、POIを第1ドメインとして、そして、PTDを第2ドメインとして含む融合タンパク質として見ることが可能であり、その場合、その2つのドメインはコード核酸の別々の領域によってコードされ、そして、タンパク質上では任意の順序で互いに対して配置され、PTDドメインがPOIドメインに対してN末端側にあり、またはその逆であることも可能である。
明確なPTDには、静電気的に細胞膜に付着することにより細胞表面に結合することができ、膜の転移によって細胞が取り込むことができる短陽イオン性ペプチドが含まれ得る(Kabouridis(2003)TRENDS Biotech 21(11)498−503)。目的のPTDは、例えば、ヒアルロン酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、デルマタン硫酸、ケラチン硫酸またはコンドロイチン硫酸およびそれらの誘導体などのグリコサミノグリカン類(GAG)への結合を介して標的細胞と相互作用することができる。明確なPTDはどんな長さでもよい。いくつかの例では、PTDの長さは5個から100個までのアミノ酸、例えば、5個から25個までのアミノ酸の範囲にあり、いくつかの例では、PTDは5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個または25個のアミノ酸の長さである。本発明の所与の形質導入タンパク質分子は単一のPTDまたは複数のPTDを含むことが可能である。例えば、複数コピーの同一のPTD(例えば、二量体、三量体、四量体、五量体、六量体、七量体、八量体、九量体、十量体またはそれ以上の多量体)または異なるPTDを形質導入タンパク質のPOIドメインと複合体化して形質導入タンパク質分子を作製することができる。
目的とする特定のPTDには、ヒト免疫不全ウイルス1(HIV−I)TAT(Ruben et al.(1989)J.Virol.63:1−8)、ヘルペスウイルス外被タンパク質VP22(Elliott and O’Hare(1997)Cell88:223−233)、キイロショウジョウバエのホメオティックタンパク質であるAntennapedia(Antp)タンパク質(Penetratin PTD,Derossi et al.(1996)J.Biol.Chem.271:18188−18193)、プロテグリン1(PG−I)抗微生物ペプチドSynB(Kokryakov et al.(1993)FEBSLett.327:231−236)およびKaposi線維芽細胞増殖因子(Lin et al.,(1995)J.Biol.Chem.270−14255−14258)に由来するPTDが含まれるが、これらに限定されない。合成PTDもまたPTDとして対象である。目的の合成PTDには、トランスポータン(Pooga et al.(1988)FASEBJ.12:67−77、Pooga et al.(.2001)FASEB J.15:1451−1453)、MAP(Oehlke et al.(1998)Biochim.Biophys.Acta.1414:127−139)、KALA(Wyman et al.(1997)Biochemistry36:3008−3017)、および、例えば、様々なβ−陽イオン性ペプチドなどの他の陽イオン性ペプチド(Akkarawongsa et al.(2008)Antimicrob.Agents and Chemother.52(6):2120−2129)が含まれるが、これらに限定されない。さらなるPTDペプチドと異型PTDはまた、例えば、米国特許出願公開第US2005/0260756号、第US2006/0178297号、第US2006/0100134号、第US2006/0222657号、第US2007/0161595号、第US2007/0129305号、欧州特許公開第EP1867661号、PCT公開第WO2000/062067号、第WO2003/035892号、第WO2007/097561号および第WO2007/053512号に提供され、これらの参照文献における前記PTDの開示は参照により本明細書に組み込まれる。TAT様形質導入ドメイン、プリオン様形質導入ドメイン(Wadia et al.(2008)PLoS ONE 3(10) e3314:1−8)、およびペプチドのαヘリックスの一面にクラスターを形成する塩基性の電荷を有する形質導入ドメインを有するPTDもまた、PTDとして対象である。例えば、目的のPTDには国際公開第WO2010/129033号において開示されるPTDが含まれるが、これらに限定されず、それらのPTDの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
任意の従来の方法を用いて明確なPTDを含む形質導入タンパク質を作製することが可能である。例えば、組換え法または化学的結合による複合体化などの任意の従来の方法を用いてPOIにPTDを複合体化することができる。POIへのリンカー部分の結合がPOIの所望の活性を実質的に妨げない限り、前記複合体における構成部分の結合は任意の従来の方法によるものであることが可能である。
任意の使いやすいリンカーを使用することができる。化学的に結合した複合体に適切なリンカーおよび結合にはジスルフィド結合、チオエーテル結合、ヒンダード・ジスルフィド結合(hindered disulfide bonds)およびアミンおよびチオール基などの遊離反応基の間の共有結合が含まれるが、これらに限定されない。ポリペプチドの一方または両方で反応性チオール基を生じさせるためにヘテロ二機能性試薬を使用し、その後に一方のポリペプチドのチオール基を、反応性マレイミド基またはチオール基が結合し得る他方のポリペプチドの反応性チオール基またはアミン基と反応させてこれらの結合を生じさせることが可能である。いくつかの例では、各リンカーの所望の特性を利用するために数個のリンカーが含まれ得る。リンカーをPTDとPOIに共有結合させることにより化学的リンカーおよびペプチドリンカーを挿入することが可能である。以下に記載されるが、そのような共有結合をもたらすためにヘテロ二機能性薬剤を使用することが可能である。ペプチドリンカーもまた、そのリンカーとPOI、そのリンカーとPTD、またはそのPTD、リンカーとPOIを融合タンパク質としてコードするDNAを発現させることにより連結させることが可能である。柔軟なリンカーおよび複合体の溶解性を上昇させるリンカーが、それだけで、または、他のリンカーと併せて、ある例において対象である。
リンカーは、PTDおよびPOIを結合するのに適切な任意の部分であり得る。そのような部分にはペプチド連鎖、1個と50個の間のアミノ酸を含むものなどのアミノ酸連鎖およびペプチド連鎖、ならびにヘテロ二機能性切断可能クロスリンカーなどの化学的リンカーが含まれるが、これらに限定されない。他のリンカーにはPTDとPOIの間の立体障害を低減させるペプチドおよび他の部分、複合体の柔軟性を上昇させるリンカー、複合体の溶解性を上昇させるリンカー、または複合体の血清中安定性を上昇させるリンカーが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの方法では、PTDの切断が望まれる場合、リンカーは細胞内酵素の基質、光切断性リンカーおよび酸切断性リンカーを含むことができる。
適切な宿主細胞内で発現することが可能である、PTDとPOIを含む融合ポリペプチドとして遺伝子工学によりPOI−PTD複合体を作製することができる。標準的な組換えDNA技術に類似の方法またはそれらから容易に適応可能である方法で、本明細書において記載されるような融合ポリペプチドを作製および使用することが可能である。したがって、PTDおよびPOIをコードする核酸を含む核酸分子および発現ベクターが本明細書において提供される。任意の使いやすい発現ベクターならびに組換えDNA方法および発現ベクターの作製と使用の方法を用いることが可能である。所望により、PTDを含む第1ペプチドドメインとPOIを含む第2ポリペプチドドメインの間に1つ以上のアミノ酸、すなわち、リンカーペプチドをさらに挿入することが可能である。
POIの活性に影響を与えない様にPTDをPOIに複合体化させることが可能である。POIの末端(N末端またはC末端)のうちの一方に、または、POIのアミノ酸のうちの1つの選択した側鎖に、PTDを直接POIに結合させることが可能である。POIに間接的に、ペプチドの末端のうちの一方に、または、アミノ酸のうちの1つの側鎖に、連結アームまたはスペーサーによりPTDを結合させることも可能である。
分散型タンパク質形質導入ドメイン(PTD)
先に言及したように、形質導入タンパク質におけるタンパク質形質導入ドメインとして分散型PTDもまた対象である。分散型PTDは、形質導入タンパク質にタンパク質形質導入能力を与える形質導入タンパク質のドメインまたは領域を意味し、タンパク質形質導入は(先に定義したように)細胞の細胞膜を越えるタンパク質の転移のことである。タンパク質形質導入ドメインは分散しているので、形質導入タンパク質が三次元構造に折りたたまれると、形質導入タンパク質にタンパク質形質導入活性をもたらす前記タンパク質の表面上の「塩基性パッチ」を構成する複数の非連続的なアミノ酸残基からタンパク質形質導入ドメインは構成される。したがって、前記分散型PTDは、前記タンパク質が立体構造を構成すると、塩基性パッチの一部である、非連続的な複数の残基の相互作用から生じる。POIドメインの残基の間に前記の複数の非連続的な残基が散在する。「塩基性パッチ」は3%以上、例えば、10%以上(数による)を含む5%以上の塩基性アミノ酸残基、すなわち、ヒスチジン(H)、リシン(K)またはアルギニン(R)を含む、折りたたまれたタンパク質の表面領域である。所与の塩基性パッチの塩基性残基の総数は様々であり得るが、いくつかの例では、2から50まで、例えば、5〜20を含む3〜30の範囲である。前記塩基性パッチの表面積は様々であり得るが、いくつかの例では、5Å2 から10,000Å2 まで、例えば、25〜100Å2 の範囲である。前記分散型PTDの前記塩基性パッチは非連続的なアミノ酸残基から生じるので、前記塩基性バッチに関与する(すなわち、そのメンバーである)残基の少なくともいくつかは、POIドメインの一次配列において非連続的である。したがって、前記分散型タンパク質形質導入ドメインの前記塩基性パッチに存在する2つ以上の残基は、1以上の残基長、例えば、3以上の残基長、例えば、4以上、5以上、10以上の残基長を含む2以上の残基長の領域またはドメインによって、一次配列内で互いに分離されている可能性がある。前記塩基性パッチに関与し、1個以上の介在性残基によって一次配列内で分離されている残基対の数は様々であり得るが、その数は2以上、3以上、4以上、5以上、10以上などであり得る。したがって、前記分散型PTDは、それが見いだされるタンパク質の一次配列内で連続的な残基から構成される「標準的」タンパク質形質導入ドメインとは区別される。したがって、前記分散型PTDは非標準的タンパク質形質導入ドメインとしてみなされ得る。
先に概説したように、POIは非常に多様であり得る。例えば、上述したように、目的のタンパク質が分散型タンパク質形質導入ドメインを含む、または含むように改変されることが可能である。分散型タンパク質ドメインを含むように、多種多様な方法、例えば、定方向突然変異でタンパク質を改変することが可能である。
例としてのみではあるが、POIは転写修飾因子であり得る。転写修飾因子の例にはTet−Off、Tet−Off Advanced、Tet−On、Tet−On AdvancedまたはTet On−3G転写修飾因子(それらの全てがカリフォルニア州、マウンテンビューのクロンテックラボラトリーズ社から入手可能である)が含まれるが、これらに限定されない。これらの例では、前記転写修飾因子ドメインは、Tet−Off、Tet−Off Advanced、Tet−On、Tet−On AdvancedまたはTet On−3G転写修飾因子と比べると、1つ以上の点突然変異を含むことが可能であり、それらの突然変異は前記分散型タンパク質形質導入ドメインに生じる。いくつかの例では、前記点突然変異は式XnYで記載される突然変異であり、Xは中性または負に荷電した(例えば、アラニン、グルタミン、グルタミン酸、システインなど)任意の接面アミノ酸残基であり、nはN末端から数えたそのアミノ酸の位置であり、Yはヒスチジン、リシンまたはアルギニンである。ある実施形態において、別の正の電荷に対して空間的に近傍にあるような、上記の式に従って改変される残基が選択され、XnをYnに変更することにより、表面領域の電荷が局所的に増加する。目的とする特定の点突然変異にはQ32R、C88R、A118R、E128R、C195R、Q32K、C88K、A118K、E128K、C195Kが含まれるが、これらに限定されない。上記の特定の点突然変異のうち、本発明の所与のtet転写修飾因子は記載した点突然変異の1つ以上、例えば、3つ以上、4つ以上、5つ以上などを含む、2つ以上を含むことが可能である。
任意の都合の良いプロトコルを用いて分散型PTDを含む形質導入タンパク質を作製することができる。任意の都合の良いプロトコルを用いて、もとの形質導入タンパク質をコードする核酸を変異させ、コードタンパク質の配列に目的の変異を生成して所望の分散型PTDを提供することができる。そのような突然変異を持つDNA配列またはタンパク質産物は、本明細書において提供される配列と実質的に類似している可能性があり、例えば、それぞれ、少なくとも1ヌクレオチドまたは1アミノ酸異なり、そして、少なくとも2個異なっていることがあり得るが、30ヌクレオチドまたは10アミノ酸よりも多く異なることはない。配列の変化は置換、挿入、欠失またはそれらの組合せであり得る。欠失にはドメインまたはエクソンの欠失、例えば、10、20、50、75、100、150またはそれ以上の一続きのアミノ酸残基の欠失のような、より大きな変化がさらに含まれることがあり得るが、幾つかの例では、そのような実施形態は、わずか10アミノ酸の違いについて先に提供された範囲を超えている。クローン化した遺伝子のインビトロ突然変異形成技術が公知である。部位特異的突然変異形成のプロトコルの例をGusti net al.(1993),Biotechniques 14:22、Barany(1985),Gene 37:111−23;Colicelli et al.(1985), Mol.Gen.Genet.199:537−9およびPrentki et al.(1984),Gene 29:303−13に見つけることができる。部位特異的突然変異形成法をSambrook et al.,分子クローニング実験室マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual), CSH Press 1989,pp.15.3−15.108、Weiner et al.(1993), Gene 126:35−41;Sayers et al.(1992), Biotechniques 13:592−6、Jones and Winistorfer(1992),Biotechniques12:528−30、Barton et al.(1990), Nucleic Acids Res 18:7349−55、Marotti and Tomich(1989), Gene Anal.Tech.6:67−70およびZhu(1989),Anal Biochem 177:120−4に見つけることができる。
米国特許出願番号第13/303,652号に分散型PTDのさらなる例が報告されている。その開示が参照により本明細書に組み込まれる。
追加的ドメイン
いくつかの場合では、形質導入タンパク質は、POIドメインとPTDドメインに加えて1つ以上の追加的ドメインを含むことができる。例えば、形質導入タンパク質はタンパク質タグドメイン、例えば、POIの精製タグとして働くタグ配列を含むことができる。米国特許第7,176,298号および米国特許出願公開第20090023898号に記載のものが含まれるが、これらに限定されない任意の都合の良いタグ配列を使用することができる。これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。目的とする特定のタグ配列には6×Hisタグ、6×HNタグなどが含まれるが、これらに限定されない。そのようなタグが存在するとき、そのようなタグは長さが様々であり得るが、いくつかの例では、5アミノ酸長から500アミノ酸長まで、例えば、6〜12アミノ酸長を含む5〜100アミノ酸長の範囲である。前記タグはPOIの任意の都合の良い部位に位置することができる。目的とする別の任意選択的なドメインはスペーサードメインである。スペーサードメインが存在するとき、それらは長さが様々であり得るが、いくつかの例では、2アミノ酸から50アミノ酸まで、例えば5〜15アミノ酸の範囲である。スペーサードメインの配列は任意の都合の良い配列であり得るが、いくつかの例では、その配列はポリアラニン配列、ポリグリシン配列または混合アミノ酸配列である。タグドメインと同様に、スペーサードメインは形質導入タンパク質内の任意の都合の良い部位に位置することができる。
形質導入の方法
先に要約したように、本発明の態様は、例えば、上述したように、標的細胞を形質導入タンパク質で形質導入することを含む。したがって、本発明の態様は標的細胞を形質導入する方法をさらに含み、その方法では前記標的細胞はインビトロまたはインビボで存在し得る。形質導入タンパク質で形質導入される標的細胞は非常に多様であり得る。標的細胞は単一細胞、細胞株または多細胞生物の構成要素であり得る。いくつかの例では、標的細胞は真核細胞である。目的とする特定の細胞型のいくつかの例には、細菌、酵母(例えば、出芽酵母(S.cerevisiae)、***酵母(S.pombe)、ピキア・パストリス(P.pastoris)、クルイベロミセス・ラクティス(K.lactis)、ハンセヌラ・ポリモルファ(H.polymorpha))、真菌、植物細胞および動物細胞が含まれるが、これらに限定されない。目的の標的細胞は動物細胞を含み、特定の種類の動物細胞には昆虫、線形動物または哺乳類の細胞が含まれるが、これらに限定されない。例として挙げるが、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、マウス、非ヒト霊長類およびヒトの細胞を含むさまざまな哺乳類細胞が使用され得る。様々な種のなかで、造血細胞、神経細胞、グリア細胞、間充織細胞、皮膚細胞、粘膜細胞、間質細胞、(平滑筋細胞を含む)筋肉細胞、脾臓細胞、網膜内皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、肝細胞、腎臓細胞、胃腸細胞、肺細胞、線維芽細胞および他の細胞型などの様々な種類の細胞を使用することができる。目的とする造血細胞には、赤血球系列、リンパ球系列または骨髄単球性系列と関係する可能性がある有核細胞ならびに筋芽細胞および線維芽細胞のいずれかが含まれる。造血幹細胞、神経幹細胞、間質幹細胞、筋肉幹細胞、肝幹細胞、肺幹細胞、胃腸幹細胞および間充織幹細胞など、ES細胞、epi−ES細胞、および人工多能性幹細胞(iPS細胞)などの幹細胞および前駆細胞もまた対象である。
所望により、標的細胞をインビトロまたはインビボで形質導入することができる。インビトロで形質導入される標的細胞では、そのような細胞は最終的には宿主生物に導入され得る。前記細胞の性質に応じて、非常に多様な方法で前記細胞を宿主生物、例えば、哺乳類動物に導入することができる。血管系に注射により造血細胞を投与することができ、104 個以上の細胞、および、いくつかの例では、1010個以下の細胞、例えば、l08 個以下の細胞が投与される。使用される細胞の数は様々な環境、導入の目的、細胞の生存時間、用いられるプロトコル、例えば、投与回数、細胞の増殖能力、治療薬の安定性、治療薬の生理的要求などに依存する。あるいは、移植片として用いることができる皮膚細胞については、細胞の数は火傷または他の外傷に適用される層のサイズに依存するであろう。筋芽細胞または線維芽細胞について、細胞の数は104 個以上および、いくつかの例では、108 個以下であることができ、その場合、前記細胞は分散体として適用されることができ、一般に、目的の部位、またはその近くに注射される。前記細胞は生理的に許容可能な媒体中に存在し得る。
本発明の形質導入法は、前記標的細胞を適切な量の形質導入タンパク質および核酸形質移入薬剤と、前記形質導入タンパク質が前記標的細胞を形質導入するのに、すなわち、前記標的細胞が前記形質導入タンパク質を内部に取り込むのに充分な条件下で接触させることを含む。これらの実施形態において、形質導入条件下で前記標的細胞を形質導入タンパク質と接触させる。特定の例では、細胞培養条件下である量の形質導入タンパク質をある量の標的細胞と接触させ、そして、形質導入が起こるのに充分な期間インキュベートする。いくつかの例では、細胞あたり7×107 分子〜7×108 分子などの細胞あたり1分子から1×1012分子までの範囲にある、ある量の形質導入タンパク質を、10,000細胞〜100,000細胞などの1細胞から50,000,000細胞の範囲にある、ある量の標的細胞と接触させる。任意の都合の良い培地を使用することができ、目的の培地にはRPMI、DMEM、OptiMEMなどが含まれるが、これらに限定されない。前記細胞および形質導入タンパク質を、例えば、1〜4時間などの5分間から5日までの様々な時間の間、例えば、30〜37℃などの4℃から42℃までの範囲にある様々な温度でインキュベートすることができる。
先に要約したように、形質導入の間に、核酸形質移入試薬の存在下で標的細胞を形質導入タンパク質と接触させることができる。核酸形質移入試薬は、例えば、2倍以上、例えば、5倍または10倍以上を含み、3倍以上形質導入を向上させる化学物質である。本発明の方法での使用に適切な形質移入試薬は様々であり得る。目的の形質移入試薬には、シクロデキストリンベースの試薬、高分子ベースの試薬(例えば、DEAEデキストランまたはポリエチレンイミンベースの試薬)、デンドリマーベースの試薬、リポソームベースの試薬(例えば、陽イオン性高分子ベースの試薬)などを含むが、これらに限定されない化学物質ベースの形質移入試薬が含まれるが、これらに限定されない。目的の核酸形質移入試薬にはクロンテックラボラトリーズ社のXfect(登録商標)形質移入試薬、ライフテクノロジーズ社のリポフェクタミンLTX形質移入試薬、ライフテクノロジーズ社のリポフェクタミン2000形質移入試薬、ミラス社のSiQuest形質移入試薬、Transit−siQuest形質移入試薬、Transit−TKO形質移入試薬、Transit−LTI形質移入試薬、Transit−Jurkat形質移入試薬、Transit−2020形質移入試薬;クロロキン、PEGなどが含まれるが、これらに限定されない。
インビトロ用途では、任意の都合の良い濃度で前記核酸形質移入試薬を培地に含めることができ、いくつかの例では、濃度は、0.0025〜0.036mg/mLなどであり、そして、0.001〜0.01mg/mLを含むような、0.001mg/mLから0.1mg/mLまでの範囲である。形質導入タンパク質および形質移入試薬の標的細胞との接触について任意の都合の良い順序を用いることができるように、形質導入タンパク質が培地中に供給される前、同時または後に前記形質移入薬剤を培地中でインキュベートすることができる。
有用性
本発明の方法および組成物は、細胞がタンパク質を内部に取り込むことが望ましい任意の用途で使用される。言い換えると、本明細書において記載される方法および組成物は任意のタンパク質形質導入用途に使用される。本発明の方法および組成物はインビトロ用途とインビボ用途の両方で使用される。前記方法および組成物が使用される用途には研究用途、診断用途および治療用途が含まれるが、これらに限定されない。目的とする特定の種類の用途には、真核細胞、植物および動物での細胞の発生と分化の研究;インビトロタンパク質生産;インビボタンパク質生産;インビボでの調節された遺伝子発現の画像化;ヒト疾患の動物モデル;安定的細胞株の作製;インヒビターRNAの発現;薬物スクリーニング、遺伝子治療;などが含まれるが、これらに限定されない。本発明の方法および組成物が使用される用途は米国特許第5,888,981号、第5,866,755号、第5,789,156号、第5,654,168号、第5,650,298号、第6,004,941号、第6,271,348号、第6,271,341号、第6,783,756号、第5,464,758号、第6,252,136号、第5,922,927号、第5,912,411号および第5,859,310号ならびに米国特許出願公開第20090257985号にさらに記載され、これらの刊行物で開示される具体的な用途の開示は参照により具体的に本明細書に組み込まれる。
キット
本発明のさらなる態様には、例えば、形質導入用途に使用するキットが含まれる。本発明のキットは、例えば、上述したように、核酸形質移入薬剤を少なくとも含む。いくつかの例では、前記キットは形質導入タンパク質をさらに含むことができ、前記タンパク質は明確なPTDまたは分散型PTDを含むことができる。あるいは、キットは、宿主細胞中で目的の形質導入タンパク質を発現するために構成されたベクターを含むことができる。そのようなベクターは、明確なPTDをコードするドメイン、およびPOIコード配列を受容するための(例えば、多重クローニング部位(MCS)のような、制限部位の形態の)クローニング部位を有する発現カセットを含むことができる。前記ベクターは、例えば、そのベクターの他の構成要素と機能するように結合した、プロモーター、選択マーカーなどの、1つ以上の追加の構成要素をさらに含むことができる。上述の核酸形質移入薬剤および任意選択的構成物に加えて、前記キットはさらに追加的な構成物を含むことができる。キット中に存在し得る追加の構成物には宿主細胞株、対照細胞株などが含まれるが、これらに限定されない。前記キットの様々な試薬構成物は別の容器に存在することができ、または、それらのうちのいくつか、もしくは、全てが、所望により、単一の容器内の試薬混合物に前もって混合されることができる。
上記構成物に加えて、対象キットは(特定の実施形態において)対象の方法を実施するための説明書をさらに含むことができる。これらの説明書は様々な形態で対象キット内に存在することができ、それらの1つ以上が前記キット内に存在することができる。これらの説明書が存在し得る1つの形態は、前記キットの包装材、パッケージ挿入物などの形態をとる、情報が印刷される一枚または複数枚の紙などの適切な媒体または基材上に印刷された情報として存在する。これらの説明書のさらに別の形態はコンピュータで読み込み可能な媒体、例えば、ディスケット、コンパクトディスク(CD)などであり、その媒体上に情報が記録されている。存在し得る、これらの説明書のさらに別の形態は、離れた場所にある情報にアクセスするためにインターネットを介して使用することができるウェブサイトアドレスである。
次の実施例は、本発明の実施法および使用法を当業者に完全に開示し、説明するために述べられるものであり、本発明者らが自分たちの発明とみなすものの範囲を限定することを意図するものではなく、以下の実験が実施された全ての、または唯一の実験であると意味することを意図するものでもない。使用した数(例えば、量、温度など)については正確性を確実にするように努力しているが、ある程度の実験誤差とばらつきを考慮するべきである。他に指示されない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度はセルシウス度であり、圧力は大気圧または大気圧近くである。標準的な略記を用いることができる。例えば、bpは塩基対、kbはキロベース、plはピコリッター、sまたはsecは秒、minは分、hまたはhrは時間、aaはアミノ酸、kbはキロベース、ntはヌクレオチドなどである。
実験
実施例:DNA形質移入試薬の使用による形質導入の向上
Tetエクスプレスタンパク質の開発中に、いくつかの異なるDNA形質移入試薬の共添加がTetレポータ細胞株でのルシフェラーゼ活性を大いに増大させることに我々は気が付いた。Tetエクスプレスタンパク質は次の配列を有する。
下線は前記転写モジュレータードメイン(tetR)を意味し、斜体は前記発現修飾ドメイン(VP16)を意味し、一続きのアラニンは前記リンカーを意味し、そして太字は形質導入活性を向上させるためになされたアルギニン置換を意味する。
Tetエクスプレスの開発の最中に、我々は、レポータプラスミドの一過性形質移入から安定的なレポータ細胞株の使用に切り替えた。これらの細胞は、ZsGreen1とホタルルシフェラーゼとをTRE−tightプロモーター(クロンテックラボラトリーズ社、マウンテンビュー、カリフォルニア州)の制御下で発現する安定的に組み込まれたレポータを有するHeLa細胞ベースの細胞株である。我々がTetエクスプレスの活性を測定するためにDNA形質移入する必要はもはや無いことをこのことは意味した。我々は、観察されるTetエクスプレスの活性がこの切り替えにより低下することに気が付き、そして、あるDNA形質移入試薬の存在下で形質導入を実行することにより活性が元の状態に復帰することが可能であることを判定した。形質導入を最も向上させた試薬にはクロンテック社のXfect、ライフテクノロジーズ社のリポフェクタミンLTXおよび2000ならびにミラス社のSiQuest試薬が含まれる(図1および2)。
図1は、Tetエクスプレスの活性の向上を示すルシフェラーゼアッセイの結果を提供する。安定した二方向性TREtight ZsGreen/FLuc組込みカセットを有するHeLaレポータ細胞(クローン19)を96ウェルフォーマットでプレーティングした(ウェルあたり15,000細胞)。細胞が付着した後に、ウェルあたり0、5、10または20μLの形質導入ミックスを添加した。形質導入ミックスは、次の添加物、2% のLTX、0.6%のXfect、2%のリポフェクタミン2000(Lipo2000)、0.2 mMのクロロキンまたは6μg/mLのポリブレンのうちの1つを含むOptimem培地中のTetエクスプレスタンパク質から成った。翌日にルシフェラーゼアッセイを実行した。
図2は、Tetエクスプレスの活性の向上を示すルシフェラーゼアッセイの結果を提供する。クローン19HeLaレポータ細胞を96ウェルフォーマットでプレーティングした(ウェルあたり15,000細胞)。Tetエクスプレスタンパク質(Optimem培地中)を提示した量の試薬と混合し、前記細胞に添加した。試薬にはミラス社のTransit−siQuest、Transit−TKO、Transit−LTI、Transit−Jurkat、Transit−2020またはクロンテック社のXfectが含まれた。翌日にルシフェラーゼアッセイを実行した。
向上効果を示したが、程度はそれほどではない他の試薬にはミラス社のTKO試薬、LTI試薬、Jurkat試薬および2020試薬、クロロキン、PEGが含まれる。向上効果があったとしても貧弱であった他の試薬にはポリブレンおよびDMSOが含まれる。
図3Aは、熱不活化したTetエクスプレスを使用するルシフェラーゼアッセイの結果を提供する。クローン19HeLaレポータ細胞を96ウェルフォーマットでプレーティングした(ウェルあたり15,000細胞)。10μgのTetエクスプレスまたは熱不活化Tetエクスプレス(75℃で5分間)を0、1、2または4μLのいずれかのXfectと混合し、前記細胞に添加した。翌日にルシフェラーゼアッセイを実行した。図3Bに示されるように、デオキシリボヌクレアーゼ処理ではTetエクスプレスの活性は変化しない。クローン19HeLaレポータ細胞を96ウェルフォーマットでプレーティングした(ウェルあたり15,000細胞)。デオキシリボヌクレアーゼIで(150μLのTetエクスプレスあたり10ユニット、37℃で30分間)前処理していないまたは前処理したTetエクスプレスをXfectと混合し、細胞に添加した。翌日にルシフェラーゼアッセイを実行した。図3Cでは、クローン19HeLaレポータ細胞を12ウェルフォーマットでプレーティングした(ウェルあたり50,000細胞)。2μLのリポフェクタミンLTXを用いて0.5μgのpUC19プラスミド(対照)、prOF7プラスミド、pTet On AdvancedプラスミドまたはpTet Off Advancedプラスミドを細胞に形質移入した。翌日に、ドキシサイクリンを1000ng/mLまで添加した。翌日にルシフェラーゼアッセイを実行した。
図3A〜3Cに示されるような、観察されたルシフェラーゼ活性の増大は、タンパク質形質導入の向上というよりもむしろプラスミドDNA(すなわち、Tetエクスプレスの細菌性発現ベクター)の混入に起因する可能性があるという懸念を表明した。実行した実験には、
1.デオキシリボヌクレアーゼでTetエクスプレスタンパク質精製物を処理すること(効果なし)、
2.前記タンパク質精製物を70〜75℃で5分間熱不活化すること(活性の喪失に至った)、
3.Tetエクスプレスをコードする細菌性発現ベクターの前記宿主レポータ細胞への直接的形質移入(効果なし)が含まれた。これらの実験の結果により、ルシフェラーゼ活性の増大の原因としてのプラスミドDNAの混入が除外された。
図4はXfect(クロンテックラボラトリーズ社、マウンテンビュー、カリフォルニア州)のトランス活性化への効果を示す図である。ウェルあたり50,000細胞のクローン19HeLaレポータ細胞を12ウェルフォーマットでプレーティングした。Xfect試薬の存在下または非存在下で細胞を0、1、10または100μgのTetエクスプレス(または派生物)で処理した。翌日にルシフェラーゼアッセイを実行した。
明確な理解を目的として、例証と実例により前記発明の詳細を記述してきたが、添付の特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなく本発明に一定の変更および改変を行うことが可能であることが、本発明の教示に照らして当業者にとって容易に明らかとなる。
したがって、前述のものは本発明の原理を例証するにすぎない。本明細書では明確に説明または示されていないが、本発明の原理を具現化し、そして、本発明の精神及び範囲内に含まれる様々な構成を当業者は考案可能であることが認識される。また、本明細書に列挙される実施例と条件的用語は全て、本発明者らが本技術分野をさらに発展させることになった本発明の原理および概念を読者が理解する助けとなることを主として意図したものであり、そのような特定的に列挙した実施例および条件に限定されることが無いと解釈されるものとする。さらに、本発明の原理、態様および実施形態ならびにその特定の実施例を列挙している本明細書における記述は全て、その構造および機能の両方の同等物を包含するものと意図される。加えて、そのような同等物には現在公知の同等物および将来に開発される同等物、すなわち、構造に関わらず、同じ機能を果たす開発される任意の要素の両方が含まれると意図される。したがって、本発明の範囲は、本明細書において示され、説明される例示的な実施形態に限定されると意図されない。むしろ、本発明の範囲および精神は、添付の特許請求の範囲によって具現化される。
米国特許法第119条(e)の定めにより、本願は2011年1月26日に提出された米国特許仮出願番号第61/436,495号の提出日時に対する優先権を主張するものである。その開示は参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (20)

  1. タンパク質を細胞に形質導入する方法であって、
    前記タンパク質を前記細胞に形質導入するのに十分な状況下で、(a)(i)目的のタンパク質(POI)ドメインと(ii)タンパク質形質導入ドメイン(PTD)とを有する形質導入タンパク質および(b)核酸形質移入試薬を前記細胞に接触させる過程を有することを特徴とする方法。
  2. 前記形質導入タンパク質は明確なPTDを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記明確なPTDは5から100個のアミノ酸を有することを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記明確なPTDは、TAT、VP22、antpおよびポリアルギニンに見出されるPTDからなる群より選択されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記形質導入タンパク質は分散型PTDを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記分散型PTDは、3個以上の不連続の塩基性アミノ酸残基で構成された塩基性パッチを有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記塩基性アミノ酸残基が前記塩基性パッチ内に30%以上存在することを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 前記核酸形質移入試薬は、Xfect(登録商標)形質移入試薬、リポフェクタミン(登録商標)LTX形質移入試薬、リポフェクタミン2000(登録商標)形質移入試薬、SiQuest(登録商標)形質移入試薬、Transit−siQuest(登録商標)形質移入試薬、Transit−TKO(登録商標)形質移入試薬、Transit−LTI(登録商標)形質移入試薬、Transit−Jurkat(登録商標)形質移入試薬、Transit−2020(登録商標)形質移入試薬、クロロキン、PEGおよびこれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記細胞を評価し、前記細胞が前記形質導入タンパク質で形質導入されたか否かを判定する過程をさらに有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記方法はインビトロの方法であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の方法。
  11. (a)宿主細胞、
    (b)(i)目的のタンパク質(POI)ドメインと(ii)タンパク質形質導入ドメイン(PTD)とを有する形質導入タンパク質、および
    (c)核酸形質移入試薬
    を備えることを特徴とする形質導入システム。
  12. 前記形質導入タンパク質は明確なPTDを有することを特徴とする請求項11に記載のシステム。
  13. 前記明確なPTDは5から100個のアミノ酸を有することを特徴とする請求項12に記載のシステム。
  14. 前記明確なPTDは、TAT、VP22、antpおよびポリアルギニンに見出されるPTDからなる群より選択されることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
  15. 前記形質導入タンパク質は分散型PTDを有することを特徴とする請求項11に記載のシステム。
  16. 前記分散型PTDは、3個以上の不連続の塩基性アミノ酸残基で構成された塩基性パッチを有することを特徴とする請求項15に記載のシステム。
  17. 前記塩基性アミノ酸残基が前記塩基性パッチ内に30%以上存在することを特徴とする請求項16に記載のシステム。
  18. 前記核酸形質移入試薬は、Xfect(登録商標)形質移入試薬、リポフェクタミン(登録商標)LTX形質移入試薬、リポフェクタミン2000(登録商標)形質移入試薬、SiQuest(登録商標)形質移入試薬、Transit−siQuest(登録商標)形質移入試薬、Transit−TKO(登録商標)形質移入試薬、Transit−LTI(登録商標)形質移入試薬、Transit−Jurkat(登録商標)形質移入試薬、Transit−2020(登録商標)形質移入試薬、クロロキン、PEGおよびこれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする請求項11ないし17のいずれか1項に記載のシステム。
  19. (a)(i)明確なPTDをコードするエレメントを備える発現カセットとクローニング部位とを有するベクターおよび(ii)形質導入タンパク質の少なくとも1つ、ならびに
    (b)核酸形質移入試薬
    を備えることを特徴とするキット。
  20. 前記核酸形質移入試薬は、Xfect(登録商標)形質移入試薬、リポフェクタミン(登録商標)LTX形質移入試薬、リポフェクタミン2000(登録商標)形質移入試薬、SiQuest(登録商標)形質移入試薬、Transit−siQuest(登録商標)形質移入試薬、Transit−TKO(登録商標)形質移入試薬、Transit−LTI(登録商標)形質移入試薬、Transit−Jurkat(登録商標)形質移入試薬、Transit−2020(登録商標)形質移入試薬、クロロキン、PEGおよびこれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする請求項19に記載のキット。
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