JP2014239873A - 演算装置、プログラム、撮像システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 2方向以上に周期を有する周期パターンから被検体の情報を算出する際に、誤差の影響を軽減することができる演算装置、プログラム、撮像システムを提供すること。【解決手段】 演算装置7は、第1の方向と第2の方向とに周期を持つ周期パターンの情報用いて被検体の情報を算出する。演算装置は、被検体データを用いて、第1と第2との方向のそれぞれに関する周期パターンの位相値である第1と第2との1次位相値と、1次計測対象値との空間分布を算出する手段710と、算出した第1と第2との1次位相値と、1次計測対象値との空間分布の情報を用いて、第1と第2との1次位相値を変数として含む誤差補正関数を算出する算出手段720と、第1と第2との1次位相値と、1次計測対象値と、の空間分布の情報と、誤差補正関数と、を用いて、1次計測対象値の分布を補正した空間分布を算出する算出手段730と、を有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、周期パターンから被検体の情報を算出する演算装置、プログラム、及び撮像システムに関する。
光の干渉縞の解析により被検体の形状や屈折率等の情報を抽出する干渉計測法は今日広く利用されている。このような計測法において被検体からの反射光あるいは透過光の位相情報は干渉縞の変形として検出されるため、位相情報を得るためには検出された干渉縞画像を解析する必要がある。また、解析により直接算出される量は通常は各位置(ピクセル)における干渉縞の位相である。
尚、このような解析は、所謂縦縞、横縞のような1次元のパターンだけでなく、格子縞やその他2次元のパターンを用いて行うこともできる。そのため、本発明及び本明細書では干渉により形成されるパターン全般を干渉パターンと呼ぶ。
尚、干渉パターンの代わりに、干渉を用いずに形成した周期パターンを用いて周期パターンの位相を算出することもできる。以下ではこのような周期パターンの解析のことを周期パターン解析と呼び、解析の結果として算出される周期パターンの位相値の空間分布を位相分布と呼ぶ。尚、周期パターンは干渉パターンを含む。
一方、周期パターン解析の手法として今日広く用いられている方法に位相シフト法がある。本手法では、写野全体の周期パターンの位相を相対的にシフトさせ、周期パターンを複数回検出し、その検出結果のデータを入力値とした所定の計算を行う。これにより、位相値の空間分布を算出することができる。
基本的な位相シフト法では、予定された量の位相シフトが正確に行われていることを前提とした計算により位相値などを算出し、これを元に被検体に関する情報(以下、被検体の情報)が算出される。この場合、装置上の何らかの要因により位相シフト量に誤差が生じていた際には算出結果にも誤差が発生する。このようにして発生する誤差の値は各位置におけるラッピング(折り畳み)された位相値に依存して決定される。よって、誤差は、一般的には周期的なパターンとして画像中に現れる。
また、予定された量の位相シフトが正確に行われたり、位相シフト法を用いなかったりした場合でも、干渉パターンのプロファイルが基本波のほかに高調波成分を強く含む場合等にも同様の誤差が発生することがある。
非特許文献1には、干渉パターンから算出された位相値の空間分布に発生したこの様な誤差を補正するための画像処理方法として、算出結果中の一部の情報を元に位相の暫定的算出値と誤差値との関係を表す関数を用いる方法が記載されている。
J.Schwider,"Phase shifting interferometry:reference phase error reduction"Appl.Opt.,Vol.28,No.18,3889−3892(1989)
上記非特許文献1に記載の方法は、1方向にのみ周期を有する干渉パターン(1次元干渉パターン)を利用した干渉計測を想定している。
一方、干渉計測において、周期方向が異なる1次元干渉パターンを同時に発生させ、2方向以上に周期を有する干渉パターン(2次元干渉パターン)を形成し、これを計測に利用することが効果的である場合がある。このような干渉計の例として2次元トールボット(Talbot)干渉計などがある。
2次元干渉パターンを利用して干渉計測を行う場合、適切な2次元位相シフト法を使用することによりそれぞれの1次元干渉パターンに関する位相の空間分布を得ることが可能である。しかしながら、それぞれの1次元干渉パターンの解析結果において解析対象以外の干渉パターンの存在に起因する誤差が生じることがあるという課題が本発明の発明者によって明らかになった。
よって、非特許文献1に記載の誤差補正方法では、このような2次元干渉パターンから算出される位相値の空間分布に対しては十分に補正することができないことがある。
そこで、本発明は、2方向以上に周期を有する周期パターンから被検体の情報を算出する際に、誤差の影響を軽減することができる演算装置、プログラム、撮像システムを提供することを目的とする。
本発明の一側面としての演算装置は、被検体データを用いて被検体の情報を算出する演算装置であって、前記被検体データは前記被検体による変調を受けた光により形成される周期パターンの情報であり、前記周期パターンは第1の方向と第2の方向とに周期を持ち、前記被検体データを用いて、前記第1の方向に関する前記周期パターンの位相値である第1の1次位相値の空間分布と前記第2の方向に関する前記周期パターンの位相値である第2の1次位相値の空間分布と1次計測対象値の空間分布とを算出する算出手段と、前記第1の1次位相値の空間分布の情報と前記第2の1次位相値の空間分布の情報と前記1次計測対象値の空間分布の情報とを用いて、前記第1の1次位相値と前記第2の1次位相値とを変数として含む誤差補正関数を算出する算出手段と、前記誤差補正関数と、前記第1の1次位相値の空間分布の情報と、前記第2の1次位相値の空間分布の情報と、前記1次計測対象値の空間分布の情報と、を用いて、前記1次計測対象値の分布を補正した空間分布である、2次計測対象値の空間分布の情報を算出する算出手段と、を有することを特徴とする。
本発明のその他の側面については、以下で説明する実施の形態で明らかにする。
本発明によれば、2方向以上に周期を有する周期パターンから被検体の情報を算出する際に、位相シフト誤差、解析の対象としている周波数成分以外の成分の存在等の影響を軽減することができる演算装置、プログラム、撮像システムを提供することができる。
第1実施形態の演算装置の機能ブロック図。 第1実施形態の撮像システムを示した模式図。 第1実施形態における線源格子、位相格子、自己像、および遮蔽格子を示した模式図。 第1実施形態における一連の処理を示したフローチャート。 第2実施形態における一連の処理を示したフローチャート。 実施例1により得られるモアレを示した図。 実施例1により得られる1次チルト補正後位相分布Φ´´、Φ´´と2次チルト補正後位相分布Φ´´´、Φ´´´を示した図。 実施例2により得られる平均検出値分布とモアレビジビリティ分布を示した図。 実施例3により得られるモアレを示した図。 実施例3により得られる1次チルト補正後位相分布Φ´´と2次チルト補正後位相分布Φ´´´を示した図。 実施例4のシミュレーションに用いた被検体データと参照データとの一例を示した図。 実施例4により得られる1次チルト補正後位相分布Φ´´を示した図。 第2実施形態の演算装置の機能ブロック図。
以下に、本発明の好ましい実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
上述のように、非特許文献1に記載の誤差補正方法は、1次元の干渉パターンを利用した干渉計測を想定している。また、誤差を表現する関数は1次元干渉パターンの暫定的な位相分布のみを変数として含んでいる。しかしながら、2次元干渉パターンを用いる場合、1次元干渉パターンを用いる場合よりも、解析の対象としている周期成分以外の成分の存在に起因する誤差が生じやすいという課題が本発明者によって明らかになった。例えば、第1の方向と第2の方向(第1の方向と交わる方向とする)とに周期を持つ2次元干渉パターンを用いる場合、第1の方向について解析をする際に第2の方向の周期成分に起因する誤差が生じることがある。これは、干渉を利用せずに形成した周期パターンであっても同様である。
そこで、本実施形態の撮像システムは、2次元周期パターンから被検体の情報を算出する際に、算出結果に生じ得る誤差を軽減することができる演算装置を備える。
演算装置は、撮像システムの撮像結果に基づいて誤差補正関数を算出し、この誤差補正関数を用いて被検体の情報に発生する誤差を補正する。この誤差補正関数は、周期パターンの位相の暫定的な算出値である1次位相値の空間分布と計測対象値の暫定的な算出値である1次計測対象値の空間分布の情報から算出され、1次位相値と1次計測対象値を変数として含む。誤差補正関数が、1次位相値を変数として含むことで、1次位相値を変数として含まない誤差補正関数と比較してより精度の高い誤差補正を行うことができる。たとえば、1次計測対象値の分布に一定のチルトや曲率を加えるような誤差補正では、干渉パターンの位相に依存した周期的な誤差などは一般には高精度に補正できない。このように、誤差補正関数を用いて補正した後の1次計測対象値を、本明細書では2次計測対象値と呼ぶことがある。
尚、計測対象値とは、演算装置による算出対象の値のことを指す。例えば、撮像装置としてX線トールボット干渉計を用いる場合、検出されるモアレの位相分布をチルト(傾き)補正して得られる値、X線強度の平均検出値、検出されるモアレのビジビリティ値(以下、単にビジビリティ値ということがある)などが挙げられる。モアレの位相分布をチルト補正して得られる値(以下、チルト補正後位相値と呼ぶことがある)は、X線が被検体を透過することにより発生したX線の位相分布の空間微分値の情報(所謂、被検体の微分位相像の情報)を有する。チルト補正後位相値に所定の係数をかけると、被検体の透過により発生したX線微分位相値に換算することができる。また、X線強度の平均検出値は、被検体のX線透過率分布の情報を有し、モアレのビジビリティ値は、被検体のX線小角散乱能分布の情報を有する。
尚、本発明及び本明細書において撮像とは、像を得ることに限定されず、複数の位置のそれぞれにおける被検体に関する情報を得ることを撮像とみなす。例えば、第1の位置におけるX線の微分位相値と、第2の位置(第1の位置とは異なる位置とする)におけるX線の微分位相値を得れば、その装置は撮像装置であるとみなす。
演算装置はCPU(中央演算処理装置)、主記憶装置(RAMなど)、補助記憶装置(HDD、SSDなど)、各種I/Fを有するコンピュータで構成することができる。演算装置が行う各種演算は、補助記憶装置に格納されたプログラムが主記憶装置にロードされ、CPUにより実行されることで実現される。もちろん、この構成はあくまで一例であり、本発明の範囲を限定するものではない。例えば、補助記憶装置の代わりに、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してプログラムが主記憶装置にロードされても良い。
誤差補正関数は、被検体データを用いて算出しても良いし、参照データを用いて算出しても良い。本発明及び本明細書において、被検体データは、被検体による変調を受けた光により形成される周期パターンの情報であり、撮像システムが備える撮像装置の、光源と検出器との間の光路中に被検体を配置した時に検出器上に形成される周期パターンの情報である。この周期パターンは、被検体による変調を受けた光により形成されているため、被検体データは被検体の情報を有する。一方参照データは、被検体による変調を受けていない光により形成される周期パターンの情報であり、撮像システムが備える撮像装置の、光源と検出器との間の光路中に被検体を配置しない時に検出器上に形成される周期パターンの情報である。この周期パターンは、被検体による変調を受けていない光により形成されているため、参照データは被検体の情報を有さない。このとき、光路中に、被検体以外の物が配置されていても良いが、光路中に配置されている物の光学特性が既知であるか、配置されている物の大きさが撮像範囲に対して小さいことが好ましい。
被検体データを用いて誤差補正関数を算出する場合を第1実施形態で、参照データを用いて誤差補正関数を算出する場合を第2実施形態で説明する。
〔第1実施形態〕
図2は本発明の第1実施形態の撮像システム100の構成例を示している。本実施形態の撮像システムは、光としてX線を用いたX線撮像システムであり、X線トールボット・ロー干渉法を行う撮像装置10と演算装置7とを備える。尚、本発明及び本明細書では、X線も光の一部であるとして説明を行う。尚、X線とは、光子エネルギーが2keV以上、100keV以下の電磁波であるとする。また、撮像システムが備える撮像装置として、トールボット・ロー法以外の干渉法を行う撮像装置を用いても良いし、周期パターンを形成することができれば、干渉計以外の撮像装置を用いても良い。
撮像装置10について簡単に説明をする。
撮像装置10は、X線源1と、X線源を仮想的に分割する線源格子2と、X線を回折して干渉パターンを形成する位相格子3と、干渉パターンの一部を遮蔽する遮蔽格子5を有する。更に、撮像装置は、遮蔽格子からのX線を検出する検出器6と線源格子を移動させる位置決めステージ8とを有する。尚、本実施形態の撮像装置10はX線源を備えるが、X線源と撮像装置とを別体とし、使用時に撮像装置と組み合わせることでX線による撮像を行っても良い。X線源1から出射したX線は、線源格子2を通過することにより多数の仮想的な点状X線源を形成する。線源格子の透過部で構成される点状X線源より出射されたX線は被検体9を透過することにより、被検体9の組成、密度、および形状等に応じて位相および強度が変化する。被検体により位相及び強度が変化したX線は位相格子3を透過することにより回折され、トールボット効果により周期的な強度分布を持つ自己像を形成する。この自己像は一種の干渉パターンであり、被検体9の透過X線により形成されている。そのため、自己像は被検体9によるX線の位相と強度の変化を反映して変形している。線源格子2の透過部の周期は一定の規則に従って決められており、全ての仮想的点状X線源の形成する自己像は自己像の周期の整数倍ずれて重なり合うため、比較的高いビジビリティとX線強度を同時に有する自己像4を形成することができる。尚、位相型の回折格子である位相格子の代わりに振幅型の回折格子を用いても良い。
自己像4が形成される位置に遮蔽格子5が配置される。遮蔽格子5は自己像4と同じ周期を有している。遮蔽格子5を自己像4に対してわずかに面内回転させることにより、遮蔽格子を透過したX線はモアレを形成することができる。このモアレの情報が検出器6により検出され、この検出結果に基づいて演算装置7が被検体の情報を算出する。つまり、本実施形態において、遮蔽格子を透過したX線が形成するモアレが、周期パターン解析される周期パターンであり、位相格子3と遮蔽格子5は周期パターンを形成する光学素子である。尚、モアレの周期は自己像と遮蔽格子の相対回転角度によって変化するため、遮蔽格子5の面内回転量を変えることによりモアレの周期を調整することができる。また、遮蔽格子を自己像に対して面内回転させる代わりに、自己像の周期と遮蔽格子の周期をわずかに変えることでモアレを形成しても良い。尚、図2では線源格子と位相格子の間に被検体を配置したが、位相格子と遮蔽格子の間に被検体を配置しても良い。その場合、位相格子により回折されたX線が被検体を透過することで被検体9によるX線の位相と強度の変化を反映した自己像が遮蔽格子上に形成される。
図3(a)〜(d)は、線源格子2、位相格子3、光学系により形成される位相格子3の自己像4、および遮蔽格子5のパターン例をそれぞれ示している。図3(a)は線源格子2であり、黒色部はX線遮蔽部21、無着色部はX線透過部22を示している。また、図3(b)は位相格子3であり、斜線部は位相進行部31、非斜線部は位相遅延部32を示している。ここでは、位相進行部を透過したX線は位相遅延部を透過したX線に対してπradだけ位相が進行するものとする。また、位相進行部と位相遅延部との間のX線透過率差は十分小さいものとする。図3(c)は自己像4であり、無着色に近い部分ほどX線強度が高く、黒色に近い部分ほどX線強度が低いことを表している。図3(d)は遮蔽格子5であり、黒色部はX線遮蔽部51、無着色部はX線透過部52を示している。
モアレパターンの位相は自己像と遮蔽格子の相対位置関係に依存しているため、自己像を面内平行移動させることで位相シフト法を行うことができる。ここでは位置決めステージ8により線源格子2を格子の周期方向に平行移動させて写野全体のモアレパターンの位相を相対的にシフトさせて複数回検出を行うことで位相シフト法を行うものとする。このように検出された複数のモアレの情報(つまり、被検体データ)は、検出器6と接続された演算装置7に伝送され、複数の被検体データ間における検出値の変化から被検体の情報が算出される。
本実施形態が備える演算装置7の機能ブロック図を図1に示した。
演算装置7は、被検体データを用いて1次位相値の空間分布(1次位相分布と呼ぶことがある)と1次計測対象値の空間分布(1次計測対象分布と呼ぶことがある)を算出する算出手段710(第1の算出手段と呼ぶことがある)を有する。更に演算装置7は、誤差補正関数を算出する算出手段720(第2の算出手段と呼ぶことがある)と、2次計測対象値を算出する算出手段730(第3の算出手段と呼ぶことがある)を有する。以下、各算出手段について説明をする。
第1の算出手段は、被検体データを周期パターン解析することにより、1次位相分布と1次計測対象分布を算出する。周期パターン解析の方法は特に問わない。本実施形態では、撮像装置10により得られるモアレを周期パターンとして解析する。第1の算出手段で算出する1次位相分布は、第1の方向における1次位相値(第1の1次位相値と呼ぶことがある)の空間分布と、第2の方向における1次位相値(第2の1次位相値と呼ぶことがある)の空間分布である。また、第1の算出手段で算出される1次計測対象分布には、位相シフト誤差等に起因する前述の周期的な計測誤差が含まれることがある。
本実施形態における計測対象分布は、チルト補正されたモアレの位相分布、X線強度の平均検出値分布、モアレのビジビリティ分布のうちすくなくともいずれか1つである。尚、X線トールボット干渉計では、被検体データを解析することで得られるモアレパターンの位相値のチルト補正後空間分布は、X線が被検体を透過することで新たに発生した位相分布を一定方向に空間微分した結果に対応するような分布となる。尚、X線が被検体を透過することで新たに発生した位相分布を一定方向に空間微分した分布は、X線微分位相分布と呼ばれる。本実施形態は2次元のモアレパターンを利用したトールボット干渉計であるため、第1の方向及び第2の方向に関するモアレパターンの位相分布を元に、2つの異なる微分方向に関するX線微分位相分布を得ることができる。尚、この微分方向はモアレの周期方向である第1の方向及び第2の方向とは必ずしも一致しない。モアレの存在によるX線強度の強弱を何らかの手段による平均化により除去して得られるX線強度平均検出値(平均検出値)の分布からは、被検体のX線透過率分布を求めることができる。また、モアレのビジビリティ値の分布からは、被検体のX線小角散乱能分布を求めることができる。小角散乱能分布はX線微分位相分布と同様に2つの異なる方向に関する散乱能に分離して算出することができる。
第2の算出手段は、第1の1次位相値と第2の1次位相値とを変数として含む誤差補正関数を算出する。この誤差補正関数は、1次計測対象分布の一部の領域の情報と、第1の1次位相分布の一部の領域の情報と、第2の1次位相分布の一部の領域の情報とを用いて算出される。計測対象値がチルト補正後位相値の場合、1次計測対象値の空間分布として1次チルト補正後位相値の空間分布を用いて、2次計測対象値の空間分布である2次チルト補正後位相値の空間分布を算出する。以下、1次チルト補正後位相値の空間分布を1次チルト補正後位相分布、2次チルト補正後位相値の空間分布を2次チルト補正後位相分布と呼ぶことがある。このとき、1次チルト補正後位相分布と、第1及び第2の1次位相値の空間分布(第1及び第2の1次位相値は、チルト補正前の1次位相である)との情報から算出した誤差補正関数を用いて2次チルト補正後位相分布を算出する。1次チルト補正後位相値は、第1及び第2の1次位相分布から算出することができる。よって、この場合は、実質的には第1の1次位相分布と第2の1次位相分布のみを元に誤差補正関数を算出できる。平均検出値分布の誤差の補正には1次平均検出値の分布(以下、1次平均検出値分布と呼ぶことがある)と第1及び第2の1次位相分布との情報から算出した誤差補正関数を用いる。また、ビジビリティ分布の誤差の補正には1次ビジビリティ値の分布(以下、1次ビジビリティ値分布と呼ぶことがある)と第1及び第2の1次位相分布との情報から算出した誤差補正関数を用いる。
誤差補正関数の算出に用いるこれらの情報は、周期パターンの同一の領域に対応することが好ましい。例えば、周期パターンがAという領域を持つとき、このAから算出される1次計測対象分布の情報と、第1の1次位相分布の情報と、第2の1次位相分布の情報とを用いて誤差補正関数を算出することが好ましい。
第2の算出手段で算出されるこの誤差補正関数は、1次計測対象値を入力値とし、誤差補正後の計測対象値である、2次計測対象値を出力するための関数である。誤差補正関数の算出のために使用する1次計測対象値と1次位相値(第1及び第2。以下、単に1次位相値というときは、第1及び第2の1次位相値のことを指す)は、周期パターンの変化の仕方が既知である領域内の計測対象値と位相値(第1及び第2)であることが望ましい。そのため、たとえば被検体の外側を通過したX線が周期パターンを形成する領域、つまり、周期パターンのうち被検体を透過せずに検出器に到達したX線が検出強度分布を形成する領域の1次計測対象値と1次位相値から誤差補正関数を算出することが望ましい。尚、このように、被検体データのうち被検体の影響を実質的に受けずに検出されている領域のことを、本発明及び本明細書では空白領域と呼ぶこととする。
誤差補正関数の算出にはたとえばデータ列に対する曲線のフィッティングを利用した手法など、様々なデータ解析手法を利用できる。また、誤差補正関数を表現するために三角関数などを使用することができる。尚、本発明及び本明細書では、予め決められた関数に値を代入することで誤差補正関数を求めることも、誤差補正関数を算出するという。例えば、予め補助記憶部に記憶されていた関数中に含まれる未知の係数に対し、空白領域における解析結果を元に決定した値や関数を代入することも、誤差補正関数の算出とみなす。また、例えば第1の算出手段による算出結果と関数中の係数の関係を示す表を参照して関数中の係数を決定することも、誤差補正関数の算出とみなす。
第3の算出手段は、第2の算出手段で算出した誤差補正関数と、第1の算出手段で算出した1次計測対象分布と1次位相分布を用いて2次計測対象値の空間分布(以下、2次計測対象分布と呼ぶことがある)を算出する。具体的には、第2の算出手段により算出した誤差補正関数に、1次位相分布と1次計測対象分布を代入して2次計測対象値の空間分布を算出する。すなわち、誤差補正関数に1次位相値と1次計測対象値を代入して2次計測対象値を算出することを複数の座標について行うことで、2次計測対象値の空間分布を算出する。本発明及び本明細書では、このように1次位相値と1次計測対象値の代入を複数の座標について行うようなことを、1次位相分布と1次計測対象分布を代入すると言う。
尚、第2の算出手段で誤差補正関数を算出する際は、誤差を補正する計測対象と同じ計測対象分布を用いる。つまり、第3の算出手段において1次チルト補正後位相分布の誤差を補正する場合は、第2の算出手段における誤差補正関数算出の際に、1次計測対象分布として1次チルト補正後位相分布を用いる。
本実施形態では、被検体データの一部の領域における1次位相分布と1次計測対象分布とを用いて算出した誤差補正関数の変数部分に、被検体データ全体の領域における1次位相分布と1次計測対象分布とを代入する。これにより、被検体データ全体の領域における2次計測対象分布を算出することができる。尚、本実施形態では、第3の算出手段により算出された2次計測対象分布を最終的な被検体の情報として扱うが、演算装置7は2次計測対象分布に対して更に各種の演算を加えても良い。また、2次計測対象分布は、演算装置と接続された画像表示装置に伝送しても良いし、補助記憶部に伝送し、補助記憶部に記憶させても良い。
図4は本実施形態の演算装置が行う演算処理の工程を示すフローチャートである。
演算装置はまず、検出器から被検体データを取得する(S400)。尚、検出器と演算装置は、近接した位置で物理的に接続されている必要はなく、無線通信、LAN、インターネット等を介して接続していても良い。次に、被検体データを用いて、第1の方向における位相分布の暫定的な算出値である第1の1次位相分布と、被検体データの第2の方向における位相分布の暫定的な算出値である第2の1次位相分布と、を算出する(S410)。続いて、被検体データを用いて、1次計測対象分布を算出する(S420)。1次計測対象分布として1次チルト補正後位相値の分布を用いる場合、1次位相分布から1次計測対象分布を算出することができる。このような場合でも、その1次位相分布が被検体データを用いて算出されたものであれば、その1次計測対象分布も被検体データを用いて算出されたものとみなす。そして、1次計測対象分布と1次位相分布のうち、空白領域における値を用いて誤差補正関数を算出(S430)する。そして、算出した誤差補正関数と1次計測対象分布と1次位相分布を用いて2次計測対象値の空間分布を算出する(S440)。このフローは必ずしも順番通りに行わなくても良い。例えば、S410の前にS420を行っても良い。
〔第2実施形態〕
第2実施形態の演算装置は、被検体データの空白領域ではなく、参照データを用いて誤差補正関数を算出する点が第1実施形態の演算装置と異なる。
本実施形態は誤差の発生原因に再現性がある場合に有効な実施形態である。このような場合の例としては装置上の理由により位相シフト誤差に一定の再現性がある場合や、検出される周期パターンが一定の高調波成分を含む場合などが考えられる。本実施形態の撮像システムは、演算装置が行う演算処理以外は第1実施形態と同じであるため、重複する部分の説明は省略する。
本実施形態が備える演算装置17の機能ブロック図を図13に示した。
演算装置17は、被検体データを用いて1次位相分布と1次計測対象分布を算出する算出手段と誤差補正関数を算出する算出手段と2次計測対象値を算出する算出手段を有する点は第1の実施形態の演算装置7と同様である。これらの算出手段に加えて、本実施形態の演算装置17は、参照データから第1及び第2の1次位相分布と1次計測対象分布を算出する手段(第4の算出手段とよぶことがある)を有する。また、誤差補正関数を算出する算出手段において、参照データから算出した第1及び第2の1次位相値と1次計測対象値の情報を用いて誤差補正関数を算出する点が第1実施形態と異なる。以下、被検体データを用いて算出した1次位相分布を被検体データの1次位相分布、被検体データを用いて算出した1次計測対象分布を被検体データの1次計測対象分布と呼ぶことがある。同様に、参照データを用いて算出した1次位相分布を参照データの1次位相分布、参照データを用いて算出した1次計測対象分布を参照データの1次計測対象分布と呼ぶことがある。以下、各算出手段について説明をする。
被検体データを用いて1次位相分布と1次計測対象分布を算出する算出手段1710(第1の算出手段)は、被検体データを周期パターン解析する。これにより、被検体データの1次計測対象分布(1次チルト補正後位相分布、1次モアレビジビリティ分布、1次平均検出値分布のうち少なくともいずれか1つ)と被検体データの1次位相分布(チルト補正前の1次位相分布)を算出する。第1の算出手段は第1実施形態の第1の算出手段と同様なので詳細は省略する。
誤差補正関数を算出する算出手段1720(第2の算出手段)は、参照データを用いて算出された1次計測対象分布と1次位相分布の一部の領域の情報を元に、誤差補正関数を算出する。参照データは被検体の情報を含まないため、参照データ全体で周期パターンの変化の仕方を既知のものとできる。よって、参照データを用いて算出した1次計測対象分布全体と1次位相分布全体の情報を用いて誤差補正関数を算出しても良い。参照データの1次計測対象値の空間分布と参照データの1次位相値の空間分布は、後述する第4の算出手段で算出する。誤差補正関数の算出に用いる情報は異なるが、誤差補正関数の算出方法と表現方法等は第1実施形態と同様である。たとえば、誤差補正関数の算出にはデータ列に対する曲線のフィッティングを利用した手法など、様々なデータ解析手法が利用できる。また、第2の算出手段で算出される誤差補正関数は、第1の1次位相値と第2の1次位相値とを変数として含む。
尚、誤差補正関数は、参照データを用いて算出した1次計測対象値及び1次位相値を用いて算出するが、算出された誤差補正関数においては1次計測対象値及び1次位相値は同装置を用いて取得される一般的な周期パターンの1次計測対象値及び1次位相値を示す。つまり参照データを用いて算出した誤差補正関数が変数として含む1次計測対象値及び1次位相値に、一般的な周期パターンのデータを用いて算出した1次計測対象値及び1次位相値を代入すれば、代入した1次計測対象値の誤差を補正することができる。尚、被検体データは一般的な周期パターンのデータに含まれる。
2次計測対象値を算出する算出手段1730(第3の算出手段)は、第2の算出手段で算出した誤差補正関数を用いて被検体データの1次計測対象値の空間分布を補正することにより、2次計測対象値の空間分布を算出する。2次計測対象値の空間分布の算出には、第2の算出手段で算出した誤差補正関数と、第1の算出手段で算出した被検体データの1次計測対象分布と1次位相分布を用いる。本実施形態の第3の算出手段は第1実施形態の第3の算出手段と同様なので、詳細は省略する。
参照データから1次位相分布と1次計測対象分布を算出する算出手段1740(第4の算出手段)は、参照データを周期パターン解析することにより、参照データの1次位相分布と1次計測対象分布を算出する。参照データ全体に対応する1次計測対象分布と1次位相分布を算出しても良いし、参照データのうち、誤差補正関数の算出に用いる領域のみに対応する1次計測対象分布と1次位相分布を算出しても良い。
図5は本実施形態の演算装置17が行う演算処理の工程を示すフローチャートである。演算装置17はまず、検出器から参照データを取得する(S500)。第1実施形態同様に、検出器と演算装置は近接した位置で物理的に接続されている必要はない。次に、検出器から被検体データを取得する(S510)。そして、参照データを用いて1次計測対象分布と1次位相分布を算出し(S520)、1次計測対象分布と1次位相分布の少なくとも一部を用いて誤差補正関数を算出する(S530)。続いて、被検体データを用いて1次計測対象分布と1次位相分布を算出し(S540)、算出した誤差補正関数と、被検体データを用いて算出した1次計測対象分布と1次位相分布を用いて2次計測対象値の空間分布を算出する(S550)。
尚、このフローは順番通りに行わなくても良い。例えば、S530の前にS540を行っても良い。
本実施形態では被検体データとは別に参照データを取得する。これにより、被検体データ中に空白領域を作らなくても誤差補正関数を算出できるため、撮像範囲全体に被検体が存在する状態で被検体の撮像を行うことができる。また一般的に干渉計による測定の際には被検体データの取得前あるいは取得後に、測定結果から光学素子の不完全性等に起因する誤差の補正に使用するための被検体を含まないデータを検出することがしばしば行われる。このようなデータを前述の参照データとして利用しても良い。
以下では、各実施形態のより具体的な実施例について記述する。
(実施例1)
実施例1は第1実施形態の具体的な実施例である。
X線源1はモリブデンターゲットを使用するX線源であり、発生するX線は17.5keVの位置に特性X線のピークを持つエネルギースペクトルを持つ。線源格子2、位相格子3、遮蔽格子5のパターンは図3に示したものと同様である。線源格子2のX線遮蔽部は厚さ50.0μmの金であり、周期dは23.6μm、X線透過部の幅は11.8μmである。位相格子3はシリコンで作られており、隣接する位相進行部と位相遅延部の中心間距離dは6.00μmである。位相格子3の位相進行部の厚さは位相遅延部に比べて22.3μm厚く、これにより17.5keVの透過X線に対してπradの位相差を与えることができる。遮蔽格子5のX線遮蔽部は厚さ50.0μmの金であり、周期dは8.04μm、X線透過部の幅は4.02μmである。また、線源格子2と位相格子3間の距離Lは1.00m、位相格子3と遮蔽格子5間の距離Lは341mmである。
実施例1では第1の方向(x方向)と第2の方向(y方向)の2方向に対して位相シフト法による周期パターン解析を行う(2次元位相シフト法)。また、遮蔽格子5のわずかな面内回転により、検出器6により検出されるモアレの周期は検出範囲の幅よりも短い適当な長さに調整されている。
実施例1において使用する2次元位相シフト法について以下に説明する。ここでは簡単のため、モアレはx方向およびy方向に関するそれぞれ単一の正弦波同士の積により表されるものとする。このとき、位相シフト法においてn番目に検出されるモアレのあるピクセルにおけるX線強度検出値Iは、
と表せる。ここで、Iは平均検出値、V、Vはx、y方向のモアレのビジビリティ、φx,n、φy,nはn番目のモアレにおけるx、y方向に関するモアレの位相シフト値である。また、Φ、Φはφx,n=φy,n=0の時のx、y方向のモアレの位相値である。但し、モアレの位相値とは、周期パターンの位相値のうち、周期パターンがモアレのものを指す。
本位相シフト法ではx、y方向に関して2π/3を1単位とした位相シフトおよび合計9回のモアレ検出を行う。
すなわち、下記式(2)、(3)のようにモアレの位相シフトを行う。
この時、1次平均検出値をI´、φx,n=φy,n=0の時のx、y方向の1次モアレ位相値をΦ´、Φ´、およびx、y方向の1次ビジビリティ値をV´、V´とすると、それらはそれぞれ、下記式(4)〜(8)を用いて算出できる。
φx,nとφy,nに誤差が無い、すなわち式(2)、(3)の通りであるとき、I´=I、Φ´=Φ、Φ´=Φ、V´=V、V´=Vとなる。ただし、実際に算出されるΦx´およびΦy´はラッピングされた位相である。
図6は、本実施例のシミュレーションに用いたモアレを示した図である。このモアレは、上述の干渉計により得られるモアレを想定して作成したものである。尚、ここでは被検体9として球形の物体を想定している。
本実施例では、モアレ位相のチルト補正後分布を計測対象分布とする場合について説明をする。
図6を含む合計9枚の位相シフトを伴う被検体データと式(5)、(6)を用いて、第1の算出手段により算出されたx、y方向のモアレの位相値(すなわち、1次位相値)Φ´、Φ´に基づき作成した像を、図7(a)、(c)に示す。尚、図6においては横方向がx方向、縦方向がy方向である。ここで、図7(a)、(c)に示した像は、Φ´、Φ´の空間分布に対してチルト補正を施した後の値、つまり、モアレ位相のチルト補正後値の空間分布である。
図7(a)、(c)中に見られる2次元周期パターンは、シミュレーションの際にモアレに対して意図的に与えた2方向に対する位相シフト誤差によるものである。
図7(b)、(d)は、1次チルト補正後位相分布である図7(a)、(c)に対し、誤差補正関数を用いた演算処理を行った結果である。つまり、図7(b)、(d)は、第3の算出手段により算出された2次チルト補正後位相分布に基づく像である。尚、本実施例では、図6中右上部に相当する空白領域における、1次チルト補正後位相分布Φ´´、Φ´´及びチルト補正前の1次位相分布Φ´、Φ´の情報を元に第2の算出手段により誤差補正関数を算出する。そして、算出した誤差補正関数に、x方向とy方向の1次チルト補正後位相分布(Φ´´、Φ´´)を代入することにより誤差補正処理を行い、2次チルト補正後位相分布を算出する。つまり、1次計測対象分布として1次チルト補正後位相値Φ´´、Φ´´の分布を用い、1次位相分布としてΦ´、Φ´の分布を用いて誤差補正関数を算出する。ここで使用した誤差補正関数は、2次チルト補正後位相分布をΦ´´´、Φ´´´とすると、下記式(9)、(10)で示すことができる。
ここで、各(k,l)に対するaΦ’’x,k,l、aΦ’’y,k,l、ψΦ’’x,k,l、ψΦ’’y,k,lは、上述の誤差補正関数算出の過程でデータ解析の結果から決定される数値である。本実施例では、第2の算出手段がこれらの数値を決定することで、誤差補正関数を算出する。
式(9)、(10)のそれぞれに被検体データから算出した1次チルト補正後位相分布と1次位相分布を代入することにより、2次チルト補正後位相分布が算出できる。
尚、式(9)、(10)では誤差補正関数の一例として|k|+|l|の値が3以下となる項に限定して誤差補正関数を構成しているが、補正の対象とする誤差のパターンによっては、|k|+|l|が4以上の値となる項を追加しても良い。
式(9)、(10)はそれぞれ、1次位相分布(Φ´、Φ´)を変数として含む値を1次計測対象分布(Φ´´、Φ´´)に加えることで誤差を補正する誤差補正関数である。式(9)、(10)における第2項はΦ´とΦ´を同時に含む項を有することにより、どちらか一方のみでは決定できないような誤差パターンの補正を可能にしている。このような誤差パターンは、ここでは例えば被検体の無い領域において、x方向ともy方向とも異なる斜め方向(つまり、x方向ともy方向も交差する方向)の周期的誤差として現れるような誤差成分に相当する。このように、2方向以上に周期を有する周期パターンから被検体の情報を算出する場合、2方向以上の1次位相値を変数として含む項を有する誤差補正関数を用いることが好ましい。
また、このように1次位相値を変数として含む項の加算により誤差の補正を行う時、1次計測対象値に加算される値の分布は単純に位置座標により決定される値の分布と似ている場合もある。しかしながら、加算される値の分布が本質的には1次位相値により決定されていることにより、特に被検体の存在により周期パターンが歪められている領域等において、より高精度な誤差補正が可能である。
式(9)、(10)に示したように、2方向以上に周期を有する周期パターンの解析結果の誤差補正を行う場合、それぞれの周期成分の1次位相値を変数として含むcos関数を用いると、それぞれの周期成分と同方向の周期的誤差を補正することができる。さらに、各周期成分の1次位相値を同時に変数として含むcos関数を用いることで、それぞれの周期方向とは一致しない方向に関する周期的誤差を補正することができる。
図7(b)、(d)と図7(a)、(c)を比較すると、図7(b)、(d)の方が周期的誤差が小さくなっており、位相シフト誤差に起因する誤差の影響が軽減されていることがわかる。
(実施例2)
実施例2は第1実施形態の別の実施例である。
本実施例では計測対象分布として平均検出値の空間分布とモアレビジビリティ値の空間分布を用いる。よって、1次計測対象分布として式(4)により得られる1次平均検出値I´、および式(7)、(8)により得られるx、y方向の1次ビジビリティV´、V´の空間分布を用いる。尚、x方向とy方向に関する像についての議論の間に本質的な違いは無いので、以下ではx方向に関する像のみを補正効果を示す図として代表して示す。X線源と干渉計の構成については実施例1と同様とする。
1次平均検出値(I´)と1次ビジビリティ値(V´、V´)の補正については、式(9)、(10)に示したようなΦ´とΦ´によって決定される一定の値を1次計測結果に加える形の誤差補正関数は正しく機能しない場合が多い。代わりにたとえば、下記式(11)〜(13)に示したような、1次位相値によって決定される値で1次計測対象値を割る形の誤差補正関数を用いることが好ましい。
ここで、I´´やV´´、V´´はそれぞれI´、V´、V´の誤差補正後の値であり、2次計測対象値である。また、各(k,l)に対するaI0’,k,l、aVx’,k,l、aVy’,k,l、ψI0’,k,l、ψVx’,k,l、ψVy’,k,lはデータ解析の結果から決定される数値である。本実施例では、第2の算出手段がこれらの数値を決定することで、誤差補正関数を算出する。誤差補正関数の算出には、空白領域における、1次計測対象値と第1と第2の位相値が用いられる。実施例1と同様に、式(11)〜(13)のそれぞれに被検体データから算出した1次計測値の分布(I´、V´、V´)のそれぞれと1次位相分布(Φ´、Φ´)を代入する。これにより、2次計測対象値の分布(I´´、V´´、V´´)のそれぞれを算出することができる。このとき、1次計測対象値を除する値の分布は単純に位置座標により決定される値の分布と似ている場合もあるが、本質的には1次位相値により決定されていることにより、より高精度な誤差補正が可能である。また、実施例1と同様に、式(11)〜(13)では誤差補正関数の一例として|k|+|l|の値が3以下となる項に限定して誤差補正関数を構成している。しかしながら、補正の対象とする誤差のパターンによっては、|k|+|l|が4以上の値となる項を追加しても良い。
また、式(11)〜(13)において1次計測対象値を除する部分の内部の第2項は、Φ´とΦ´を同時に含む項を有することにより、どちらか一方のみでは決定できないような誤差パターンの補正を可能にしている。このような誤差パターンは、実施例1と同様に、例えば被検体の無い領域において、x方向ともy方向とも異なる斜め方向(つまり、x方向ともy方向とも交差する方向)の周期的誤差として現れるような誤差成分に相当する。このように、2方向以上に周期を有する周期パターンから被検体の情報を算出する場合、2方向以上の1次位相値を変数として含む項を有する誤差補正関数を用いることが好ましい。
式(11)〜(13)に示したように、2方向以上に周期を有する周期パターンの解析結果の誤差補正を行う場合、それぞれの周期成分の1次位相値を変数として含むcos関数を用いると、それぞれの周期成分と同方向の周期的誤差を補正することができる。さらに、各周期成分の1次位相値を同時に変数として含むcos関数を用いることで、それぞれの周期方向とは一致しない方向に関する周期的誤差を補正することができる。
実施例1と同じ被検体データを用いて、1次計測対象分布として1次平均検出値I´の空間分布と1次ビジビリティV´の空間分布を算出した。図8(a)が1次平均検出値I´の空間分布、図8(c)が1次ビジビリティV´の空間分布に基づく像である。この図8(a)に示した1次平均検出値I´の空間分布を上記式(11)で表される誤差補正関数を用いて補正することで算出した2次平均検出値I´´の空間分布に基づく像を図8(b)に示す。また、図8(c)に示した1次ビジビリティV´の空間分布を上記式(12)で表される誤差補正関数を用いて補正することで算出した2次ビジビリティV´´の空間分布に基づく像を図8(d)に示す。
図8(b)、(d)と図8(a)、(c)を比較すると、図8(b)、(d)の方が周期的誤差が小さくなっており、位相シフト誤差に起因する誤差の影響が軽減されていることがわかる。
このように、第1と第2の1次位相分布を変数として含む誤差補正関数を用いると、平均検出値の空間分布とビジビリティの空間分布についても誤差補正処理が可能である。
(実施例3)
実施例3は第1実施形態のさらに別の実施例である。本実施例ではパターン解析の方法として位相シフト法の代わりにフーリエ変換法を用いる点が実施例1と異なる。X線源と干渉計の構成については実施例1と同様とする。
フーリエ変換法の詳細についてはM.Takeda et al.“Fourier‐transform method of fringe−pattern analysis for computer−based topography and interferometry”J.Opt.Soc.Am.,Vol.72,No.1,156−160(1982)に記載されているのでここでは説明を省略する。
フーリエ変換法を用いて周期パターンから被検体の情報を算出する場合、周期パターンのフーリエスペクトルにおける0次ピーク等のキャリア周波数ピーク付近のピークに起因する誤差が生じやすい。そのため、本実施例では、このような誤差を補正の対象として考える。この時、誤差補正関数はたとえば、下記式(14)、(15)で示すことができる。
尚、Φ´´、Φ´´は、実施例1と同様にフーリエ変換法により算出された1次チルト補正後位相分布である。また、式(14)、(15)はそれぞれ、1次位相分布(Φ´、Φ´)を変数として含む値を1次計測対象分布(Φ´´、Φ´´)に加えることで誤差を補正する点も、実施例1と同様である。フーリエ変換法では通常、フーリエ空間におけるキャリア周波数に相当するピーク付近のスペクトルの原点への移動によって、モアレ位相のチルト補正が行われる。しかし、本実施例で誤差補正関数に用いる1次位相分布(Φ´、Φ´の分布)については、このスペクトル移動を行わずに算出した位相分布、すなわち、チルト補正を行う前の位相分布を1次位相分布として用いる必要がある。
式(14)、(15)の第2項と第3項とは、それぞれ、Φ´とΦ´のみにより値を決定できる誤差成分を補正する項であり、被検体の無い領域において、周期方向がx方向とy方向にそれぞれ一致するような周期的誤差を補正する項である。また、第4項と第5項とは、それぞれΦ´+Φ´及び−Φ´+Φ´により値が決定できる誤差成分を補正する項であり、被検体の無い領域において、周期方向がx、y方向と45度異なるような周期的誤差を補正する項である。つまり、実施例1の式(9)、(10)と同様に、被検体の無い領域において解析の対象としている周期成分の方向とは異なる周期方向を有する周期的誤差を補正する項(式(14)、(15)の第4項と第5項のことを指す)を有する誤差補正関数である。
また、誤差補正関数が1次位相値を変数として含むことにより、単純に位置座標により補正量を決定する場合に比較して補正の精度が向上する点も実施例1と同様である。また、誤差補正関数が各周期成分の1次位相値を変数として含むcos関数を含むことで効果的な誤差補正が行える点も実施例1と同様である。
図9は本実施例のシミュレーションに用いたモアレを示した図であり、上述の干渉計により得られるモアレを想定して作成したものである。
図10(a)は、図9のモアレを用いて算出した1次チルト補正後位相分布Φ´´に基づく像である。図10(b)は1次チルト補正後位相分布Φ´´に対して上記誤差補正関数式(14)を適用し、誤差を補正して得られた2次チルト補正後位相分布Φ´´´に基づく像である。つまり、図10(a)は第1の算出手段により算出された1次計測値の分布に基づく像であり、図10(b)は第3の算出手段により算出された2次計測値の分布に基づく像である。
図10(a)と(b)を比較すると、図10(b)の方が周期的誤差が小さくなっており、モアレ位相分布において、モアレのフーリエスペクトルにおけるキャリア周波数付近のピークに起因する誤差の影響が軽減されていることがわかる。
このように、第1実施形態は、フーリエ変換法による1次計測対象分布に対しても適用可能である。
(実施例4)
実施例4は第2実施形態の実施例である。干渉計の構成は実施例1と同様とする。図11(a)は、本実施例のシミュレーションに用いた被検体データの一例を示した図であり、図11(b)は、本実施例のシミュレーションに用いた参照データの一例を示した図である。図11(a)、(b)は上述の干渉計により得られるモアレを想定して作成したものである。
本実施例では、実施例1と同様に9枚のモアレの情報から被検体の情報を算出する2次元位相シフト法を行う。尚、ここでは、被検体データ取得時と参照データ取得時のそれぞれにおける9回のデータ取得の間での相対的な位相シフト誤差は同一になるものと仮定している。ただし、それぞれの1番目のデータ取得時における全体的なモアレ位相(つまり、干渉パターンと遮蔽格子との相対位置)は一致しないものとしている。
図12(a)、(b)は、図11(a)、(b)を含むそれぞれ合計9枚の被検体データ及び参照データを元に式(5)等を用いて算出した1次チルト補正後位相分布(Φ´´の分布)に基づく像である。本実施例では、1次計測対象値として1次チルト補正後位相値Φ´´を用いる場合を説明する。第4の算出手段において参照データの1次チルト補正後位相分布(Φ´´の分布)と1次位相分布(Φ´、Φ´の分布)の情報を算出する。そして、第4の算出手段で算出した参照データの1次チルト補正後位相分布と1次位相分布を用いて、第2の算出手段において式(9)と同形の誤差補正関数を算出する。そして、第3の算出手段において、第2の算出手段で算出した誤差補正関数に、被検体データの1次位相分布と被検体データの1次チルト補正後位相分布を代入することで、誤差補正後の2次チルト補正後位相分布Φ´´´を算出した。図12(c)に、2次チルト補正後位相分布Φ´´´に基づく像を示す。
図12(a)と(c)を比較すると、図12(c)の方が周期的誤差が小さくなっており、位相シフト誤差に起因する誤差の影響が軽減されていることがわかる。このように、誤差の発生原因に再現性がある場合は、参照データを用いて誤差補正関数を算出しても十分な効果が得られる。誤差の発生原因の再現性が低い場合であっても、参照データを用いて算出した誤差補正関数を用いることもできるが、実施形態1のように被検体データを用いて算出した誤差補正関数を用いることが好ましい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
7 演算装置
710 被検体データを用いて第1の1次位相分布と第2の1次位相分布と1次計測対象分布を算出する算出手段
720 誤差補正関数を算出する算出手段
730 2次計測対象値を算出する算出手段

Claims (15)

  1. 被検体データを用いて被検体の情報を算出する演算装置であって、
    前記被検体データは前記被検体による変調を受けた光により形成される周期パターンの情報であり、
    前記周期パターンは第1の方向と第2の方向とに周期を持ち、
    前記被検体データを用いて、前記第1の方向に関する前記周期パターンの位相値である第1の1次位相値の空間分布と前記第2の方向に関する前記周期パターンの位相値である第2の1次位相値の空間分布と1次計測対象値の空間分布とを算出する算出手段と、
    前記第1の1次位相値の空間分布の情報と前記第2の1次位相値の空間分布の情報と前記1次計測対象値の空間分布の情報とを用いて、前記第1の1次位相値と前記第2の1次位相値とを変数として含む誤差補正関数を算出する算出手段と、
    前記誤差補正関数と、前記第1の1次位相値の空間分布の情報と、前記第2の1次位相値の空間分布の情報と、前記1次計測対象値の空間分布の情報と、を用いて、前記1次計測対象値の分布を補正した空間分布である、2次計測対象値の空間分布の情報を算出する算出手段と、を有することを特徴とする演算装置。
  2. 前記誤差補正関数を算出する算出手段は、
    前記被検体データのうち前記被検体による変調を受けていない光により形成される周期パターンの領域の、前記第1の1次位相値と前記第2の1次位相値と前記1次計測対象値との情報から前記誤差補正関数を算出することを特徴とする請求項1に記載の演算装置。
  3. 被検体データと参照データとを用いて被検体の情報を算出する演算装置であって、
    前記被検体データは前記被検体による変調を受けた光により形成される周期パターンの情報であり、
    前記参照データは前記被検体による変調を受けていない光により形成される周期パターンの情報であり、
    前記被検体データと前記参照データとのそれぞれは、第1の方向と第2の方向とに周期を持つ周期パターンの情報であり、
    前記参照データを用いて、前記第1の方向における位相値である第1の1次位相値の空間分布と前記第2の方向における位相値である第2の1次位相値の空間分布と1次計測対象値の空間分布とを算出する算出手段と、
    前記被検体データを用いて、前記第1の方向における位相値である第1の1次位相値の空間分布と前記第2の方向における位相値である第2の1次位相値の空間分布と1次計測対象値の空間分布とを算出する算出手段と、
    前記参照データを用いて算出した、前記第1の1次位相値の空間分布と前記第2の1次位相値の空間分布と前記1次計測対象値の空間分布との情報を用いて、周期パターンの第1の1次位相値と第2の1次位相値とを変数として含む誤差補正関数を算出する算出手段と、
    前記誤差補正関数と、前記被検体データを用いて算出した、前記第1の1次位相値の空間分布の情報と前記第2の1次位相値の空間分布の情報と前記1次計測対象値の空間分布の情報と、を用いて、前記被検体データを用いて算出した1次計測対象値の分布を補正した分布である、2次計測対象値の分布を算出する算出手段と、を有することを特徴とする演算装置。
  4. 前記被検体データを用いて第1の1次位相値の空間分布と第2の1次位相値の空間分布と1次計測対象値の空間分布とを算出する算出手段は、
    複数の前記被検体データ間における検出値の変化から前記第1の1次位相値の空間分布と前記第2の1次位相値の空間分布と前記1次計測対象値の空間分布とを算出し、
    複数の前記被検体データ間では、
    前記周期パターンの位相がシフトしている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の演算装置。
  5. 前記被検体データを用いて算出する前記1次計測対象値の空間分布は、
    前記周期パターンの位相値の空間分布と平均検出値の空間分布とビジビリティの空間分布のうちすくなくともいずれかであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の演算装置。
  6. 前記被検体データを用いて算出する前記1次計測対象値の空間分布は、
    前記周期パターンの位相値の空間分布であり、
    前記誤差補正関数は、前記第1の1次位相値の空間分布と前記第2の1次位相値の空間分布とを変数として含む値を前記1次計測対象値の空間分布に加える関数であることを特徴とする請求項5に記載の演算装置。
  7. 前記誤差補正関数は、
    前記第1の1次位相値の空間分布と前記第2の1次位相値の空間分布とを変数として含む項を前記1次計測対象値の空間分布に加える関数である請求項6に記載の演算装置。
  8. 前記被検体データを用いて算出する前記1次計測対象値の空間分布は、
    前記周期パターンの位相値の空間分布と平均検出値の空間分布とビジビリティの空間分布のうち少なくともいずれかであり、
    前記誤差補正関数は、前記第1の1次位相値の空間分布と前記第2の1次位相値の空間分布とを変数として含む値で前記1次計測対象値の空間分布を除する関数である請求項5に記載の演算装置。
  9. 前記誤差補正関数は、前記第1の1次位相値の空間分布と前記第2の1次位相値の空間分布とを変数として含む値で前記1次計測対象値の空間分布を除する関数である請求項8に記載の演算装置。
  10. 周期パターンを検出する検出器を有する撮像装置と、
    前記検出器により検出された被検体データを用いて被検体の情報を算出する演算装置と、を備え、
    前記検出器は、
    前記被検体を光源と前記検出器との間の光路中に配置した時の前記検出器上の前記周期パターンを検出することで被検体データを検出し、
    前記演算装置は、
    請求項1乃至9のいずれか1項に記載の演算装置であることを特徴とする撮像システム。
  11. 前記周期パターンの周期は、前記検出器の検出範囲の幅よりも短いことを特徴とする請求項10に記載の撮像システム。
  12. 前記撮像装置は、
    光源と、前記光源から出射された光により周期パターンを形成する光学素子と、前記検出器とを有することを特徴とする請求項10又は11に記載の撮像システム。
  13. 前記光源はX線源であり、
    前記光学素子は前記X線源から出射されたX線により周期パターンを形成するX線の光学素子であり、
    前記検出器は前記光学素子からのX線を検出するX線の検出器であることを特徴とする請求項12に記載の撮像システム。
  14. 被検体データを用いて被検体の情報を算出するプログラムであって、
    前記被検体データは前記被検体による変調を受けた光により形成される周期パターンの情報であり、
    前記周期パターンは第1の方向と第2の方向とに周期を持ち、
    前記被検体データを用いて、前記第1の方向における位相値である第1の1次位相値の空間分布と前記第2の方向における位相値である第2の1次位相値の空間分布と1次計測対象値の空間分布とを算出する工程と、
    前記第1の1次位相値の空間分布と前記第2の1次位相値の空間分布と前記1次計測対象値の空間分布との情報を用いて、前記第1の1次位相値と前記第2の1次位相値とを変数として含む誤差補正関数を算出する工程と、
    前記誤差補正関数と、前記第1の1次位相値の空間分布の情報と、前記第2の1次位相値の空間分布の情報と、前記1次計測対象値の空間分布の情報と、を用いて、前記1次計測対象値の分布を補正した空間分布である、2次計測対象値の空間分布の情報を算出する工程と、
    を演算装置に実行させることを特徴とするプログラム。
  15. 被検体データと参照データとを用いて被検体の情報を算出するプログラムであって、
    前記被検体データは前記被検体による変調を受けた光により形成される周期パターンの情報であり、
    前記参照データは前記被検体による変調を受けていない光により形成される周期パターンの情報であり、
    前記被検体データと前記参照データとのそれぞれは、第1の方向と第2の方向とに周期を持つ周期パターンの情報であり、
    前記参照データを用いて、前記第1の方向における位相値である第1の1次位相値の空間分布と前記第2の方向における位相値である第2の1次位相値の空間分布と1次計測対象値の空間分布とを算出する工程と、
    前記被検体データを用いて、前記第1の方向における位相値である第1の1次位相値の空間分布と前記第2の方向における位相値である第2の1次位相値の空間分布と1次計測対象値の空間分布とを算出する工程と、
    前記参照データを用いて算出した、前記第1の1次位相値の空間分布と前記第2の1次位相値の空間分布と前記1次計測対象値の空間分布との情報を用いて、周期パターンの第1の1次位相値と第2の1次位相値とを変数として含む誤差補正関数を算出する工程と、前記誤差補正関数と、前記被検体データを用いて算出した、前記第1の1次位相値の空間分布の情報と前記第2の1次位相値の空間分布の情報と前記1次計測対象値の空間分布の情報と、を用いて、前記被検体データを用いて算出した1次計測対象値の分布を補正した分布である、2次計測対象値の分布を算出する工程と、を演算装置に実行させることを特徴とするプログラム。
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