JP2014238062A - ロータリ圧縮機 - Google Patents

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裕文 吉田
Hirofumi Yoshida
裕文 吉田
啓晶 中井
Hiroaki Nakai
啓晶 中井
信吾 大八木
Shingo Oyagi
信吾 大八木
優 塩谷
Masaru Shiotani
優 塩谷
健 苅野
Takeshi Karino
健 苅野
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Abstract

【課題】吸入穴の内壁温度および吸入室を形成するシリンダ内径壁面温度の上昇を抑制して低温低圧の吸入ガスへの受熱を抑え、体積効率の高い圧縮機を提供すること。【解決手段】上軸受7または下軸受8の少なくともいずれか一方にシリンダ5の吸入部5aの半分以上まで延伸した延伸部7a、8aを設け、延伸部7a、8aと吸入部5aとを近接させることにより、上軸受7、下軸受8がシリンダ5の吸入部5aを覆い、圧縮機構部4に接する高温の外部雰囲気とシリンダ5の吸入部5aとを隔離する。吸入穴12の内壁温度および吸入室9を形成するシリンダ5の内径壁面温度の上昇を抑制して低温低圧の吸入ガスへの受熱を抑え、圧縮機の体積効率を向上させることが可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、空調機、冷凍機、ブロワ、給湯機等に使用されるロータリ圧縮機に関するものである。
従来の構成の一例として図12のロータリ方式の高圧タイプ密閉型圧縮機の縦断面図を参照しながら説明する。シリンダ101とローリングピストン102、図示されていないベーンを上軸受103と下軸受104で挟み込むことで吸入室105と圧縮室を形成する。駆動軸106の回転に伴ってローリングピストン102が回転することで圧縮動作を行う圧縮機構部107と、駆動軸106に回転力を伝える電動要素108とが密閉容器109内に収納されており、密閉容器109下部には圧縮機構部107の潤滑およびシールに供されるオイルが貯留されている。シリンダ101に設けられた吸入穴110にはアキュームレータ111を含む吸入配管が接続されている。アキュームレータ111で気液分離された低温低圧の吸入ガスは圧縮機構部107で圧縮されて高温高圧の吐出ガスとして密閉容器109内部に放出され、密閉容器109内部で吐出ガスに含まれるオイルミストを分離後、密閉容器109上部に設けられた吐出管112から圧縮機外部へ導出される。
図13は図12の圧縮機構部107の拡大図である。シリンダ101に設けられた吸入穴110には吸入ライナー113が圧入され、吸入ライナー113上流側は拡管されてアキュームレータ111の吸入接続管114が挿入され、密閉容器109に固定された吸入外管115とともにロー付けして密封されている。シリンダ101とローリングピストン102とベーンとで形成される三日月状の部屋は、吸入穴110に隣接する吸入室105と、部屋の容積を縮小させながら圧縮を行う圧縮室とで構成され、低温低圧の吸入ガスは吸入接続管114と吸入ライナー113、吸入穴110を経由して吸入室105へと流入している。一方、圧縮機構部107の外部雰囲気や吸入ライナー113の外側は高温高圧の吐出ガスや貯留オイルが満たされている。吸入穴110内部と吸入ライナー113外部は圧入部116が仕切りとなることで高圧ガスや貯留オイルが吸入配管経路へ流入することを防止している。
しかし、高温高圧の吐出ガスや貯留オイルにさらされている圧縮機構部107は高温状態にあり、シリンダ101の外側表面に伝達された熱が内部へ伝導することで吸入穴110の壁面も高温となるため、低温の吸入ガスが吸入穴110を通過の際に加熱されて密度が低下、その結果、圧縮機の体積効率と圧縮機効率が低下するという課題がある。
この課題を解決するため、特許文献1に示す高圧ドーム形圧縮機では、図14のとおり、シリンダ101の吸入穴110に、吸入穴110に密嵌する嵌合筒部113aと、嵌合筒部113aに連続し、吸入穴110の内径より小径とした小径筒部113bとをもった吸入ライナー113を取り付ける。吸入ライナー113の小径筒部113bの外周面と吸入穴110の内周面との間にガス滞留部P1を設けることで、低温低圧の吸入ガスがシリンダ101の熱により加熱されるのを抑制している。
実開平5−993号公報
しかしながら、前記特許文献1の従来の構成では、吸入穴が設けられたシリンダの吸入部におけるシリンダ自体の温度は高いままであり、ガス滞留部の無い吸入ライナー出口以降の吸入経路での受熱や、吸入室を形成するシリンダ内径壁面からの受熱を低減することはできない。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、シリンダとローリングピストン、ベーンを挟み込んで吸入室と圧縮室を形成する上端板と下端板の少なくともいずれか一方をシリンダの吸入部の半分以上まで延伸させることでシリンダ吸入部を覆い、圧縮機構部に接する高温の外部雰囲気からの受熱を低減させた、体積効率の高い圧縮機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の圧縮機は、シリンダとローリングピストン、ベーンを上端板および下端板で挟み込むことで吸入室と圧縮室を形成し、駆動軸の回転に伴ってローリングピストンが回転することで圧縮動作を行う圧縮機構部を密閉容器内部に備え、シリンダと上下端板とは密着固定され、シリンダには外周から吸入室までつながる吸入孔が設けられた吸入部を有するロータリ圧縮機であって、上端板または下端板の少なくともいずれか一方にはシリンダの吸入部の半分以上まで延伸した延伸部を設け、延伸部と吸入部とが近接していることを特徴とするものである。これによって、上下端板がシリンダ吸入部を覆い、圧縮機構部に接する高温の外部雰囲気とシリンダ吸入部とを隔離することで、吸入穴の内壁温度および吸入室を形成するシリンダ内径壁面温度の上昇を抑制して低温低圧の吸入ガスへの受熱を抑え、圧縮機の体積効率を向上させることが可能である。
また、本発明の圧縮機は、シリンダとローリングピストン、ベーンを上端板および下端板で挟み込むことで吸入室と圧縮室を形成し、駆動軸の回転に伴って前記ローリングピストンが回転することで圧縮動作を行う圧縮機構部を密閉容器内部に備え、前記シリンダと前記上下端板とは密着固定され、前記シリンダには外周から前記吸入室までつながる吸入穴が設けられた吸入部を有するロータリ圧縮機であって、
前記上端板または前記下端板の少なくともいずれか一方には前記シリンダの前記吸入部の半分以上まで延伸した延伸部を設け、前記延伸部と前記吸入部とが密着していることを特徴とするものである。これによって、上述した効果に加えて、いかなる運転状態でも延伸部と吸入部との間に高温のガスまたはオイルが浸入することがない。
本発明の圧縮機は、高温の圧縮機構部外部雰囲気からシリンダ吸入部への熱移動を抑制することができるため、圧縮機の高効率化が可能である。
本発明の実施の形態1における圧縮機の縦断面図 本発明の実施の形態1における圧縮機構部の拡大断面図 本発明の実施の形態1における圧縮機構部の下部正面図 本発明の実施の形態1における別の密着範囲形状の圧縮機構部の下部正面図 本発明の実施の形態1における別の延伸部形状の圧縮機構部の下部正面図 本発明の実施の形態1におけるさらに別の延伸部形状の圧縮機構部の下部正面図 本発明の実施の形態2における圧縮機構部の拡大断面図 本発明の実施の形態2における圧縮機構部の下部正面図 本発明の実施の形態3における圧縮機構部の下部正面図 本発明の実施の形態3における別の圧縮機構部の下部正面図 本発明の実施の形態4における圧縮機の縦断面図 従来の圧縮機における圧縮機の縦断面図 従来の圧縮機における圧縮機構部の拡大断面図 特許文献1の圧縮機における吸入穴付近の拡大断面図
第1の発明は、シリンダとローリングピストン、ベーンを上端板および下端板で挟み込むことで吸入室と圧縮室を形成し、駆動軸の回転に伴ってローリングピストンが回転することで圧縮動作を行う圧縮機構部を密閉容器内部に備え、シリンダと上下端板とは密着固定され、シリンダには外周から吸入室までつながる吸入孔が設けられた吸入部を有するロータリ圧縮機であって、上端板または下端板の少なくともいずれか一方にはシリンダの吸入部の半分以上まで延伸した延伸部を設け、延伸部と吸入部とが近接することにより、上下端板がシリンダ吸入部を覆い、圧縮機構部に接する高温の外部雰囲気とシリンダ吸入部とを隔離することで、吸入穴の内壁温度および吸入室を形成するシリンダ内径壁面温度の上昇を抑制して低温低圧の吸入ガスへの受熱を抑え、圧縮機の体積効率を向上させることが可能である。
また、延伸部と吸入部との間の外部雰囲気と連通する隙間は微小であるため、高温の外部雰囲気と循環しにくく、微小隙間内に滞留するガスまたはオイルが断熱層となって熱流束を小さくすることができ、延伸部による断熱性を更に向上させることができる。
第2の発明は、シリンダとローリングピストン、ベーンを上端板および下端板で挟み込むことで吸入室と圧縮室を形成し、駆動軸の回転に伴ってローリングピストンが回転することで圧縮動作を行う圧縮機構部を密閉容器内部に備え、シリンダと上下端板とは密着固定され、シリンダには外周から吸入室までつながる吸入孔が設けられた吸入部を有するロータリ圧縮機であって、上端板または下端板の少なくともいずれか一方にはシリンダの吸入部の半分以上まで延伸した延伸部を設け、延伸部と吸入部とが密着することにより、第1の発明と同様の効果が得られると同時に、いかなる運転状態でも延伸部と吸入部との間に高温のガスまたはオイルが浸入することがないため、延伸部の断熱効果を安定的に発揮することができる。
第3の発明は、特に、第1または2の発明の圧縮機において、延伸部または吸入部の少なくともいずれか一方に凹部を形成することにより、凹部が断熱層として機能し、シリンダ吸入部の温度上昇を抑えて吸入ガスへの受熱を一層低減することが可能である。
第4の発明は、特に、第3の発明の圧縮機において、凹部が密閉容器の内部空間と連通することにより、圧縮機の組立て時に凹部に取り残された空気やそれに含まれる水分等は、圧縮機への作動流体封入時の真空引き工程にて作動流体またはオイルと置換できるため、空気や水分の残留による圧縮機信頼性低下と効率低下を防止することができる。
延伸部と吸入部とが密着する場合は、細溝等を設けて連通路とする必要があるが、延伸部と吸入部とが近接して微小隙間がある場合は、同様に細溝等を設けてもよいが、その微小隙間を連通路とすることもできる。
いずれの場合でも、連通路としての細溝や微小隙間は非常に狭い通路であるため、高温の外部雰囲気と凹部との間のガスまたはオイルの循環は小さく、凹部内に滞留するガスまたはオイルが断熱層として機能して吸入部の受熱を低減することが可能である。
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明の圧縮機において、中板によって二つのシリンダとローリングピストン、ベーンが仕切られ、それらを上軸受と下軸受とで
挟み込んで密着固定した2シリンダ式ロータリ圧縮機としている。
上述のとおり、2シリンダ式ロータリ圧縮機の圧縮機構部は、上側から上軸受、上側シリンダ、中板、下側シリンダ、下軸受の順に構成され、上側シリンダにおいて、第1の発明にて記述した上端板は上軸受であり、下端板は中板である。一方、下側シリンダにおいて、上端板は中板であり、下端板は下軸受である。
2シリンダ式ロータリ圧縮機は、1シリンダ式と比較して、シリンダの高さを小さめに抑えて小型化設計を行なうことが一般的である一方、吸入配管での圧力損失を抑制するため、吸入穴および吸入ライナーの内径は大きめに確保する必要がある。その結果、低温の吸入ガスに接する吸入穴壁面と、高温の外部雰囲気に接するシリンダ吸入部の上下端面との間の距離が小さくなり、吸入穴内部を流れる吸入ガスが受熱の影響を受けやすいため、本発明の効果をより発揮できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における圧縮機の縦断面図である。図1において、密閉容器1内に電動要素2が収納されている。電動要素2の鉛直方向の駆動軸3で圧縮機構部4が駆動されるようになっている。この圧縮機構部4はシリンダ5とローリングピストン6、図示されていないベーンを上軸受7と下軸受8で挟み込むことで吸入室9と圧縮室10を形成して圧縮動作を行うように構成されている。シリンダ5内には、駆動軸3と一体的に構成されたクランク軸偏芯部11が収納されており、このクランク軸偏芯部11にローリングピストン6が回転自在に装着されている。シリンダ5には、図示されていないベーンがローリングピストン6に当接して設けられ、吸入室9と圧縮室10とを仕切っている。シリンダ5には、吸入室9と隣接して吸入穴12が設けられている。
吸入穴12には吸入ライナー13が圧入され、密閉容器1内部の高温高圧の吐出ガスと吸入穴12内部の低温低圧の吸入ガスを仕切っている。吸入ライナー13には、圧縮機の液圧縮を防止するためにアキュームレータ14が挿入され、密閉容器1に固定された吸入外管15とともにロー付けまたは溶接されて接続されており、圧縮機に吸入される作動流体を気液分離している。電動要素2が付勢され、その駆動軸3が回転すると、クランク軸偏芯部11がシリンダ5内において偏芯回転し、ローリングピストン6が図示しないベーンに当接しながら回転運動し、作動流体の吸入、圧縮が繰り返される。
図2は図1における圧縮機構部4の吸入穴12付近を拡大した断面図、図3は図1における圧縮機構部4を下部から見た正面図である。ただし、図3において説明に不要な部材は省略している。また、シリンダ5の吸入穴12付近を吸入部5aと称することとする。下軸受8は、シリンダの吸入部5aを覆い隠すように延伸部8aを持ち、延伸部8aには凹部8bが設けられている。シリンダ5と下軸受8とはボルト16で締結され、φaの範囲内はお互いが密着しているが、φaよりも外周側の吸入部5aと延伸部8aとの間には、微小隙間δが確保されている。
以上のように構成された圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。密閉容器1の内部空間は圧縮機構部4にて圧縮後吐出された高温高圧の吐出ガスで満たされ、常に流動している。また、密閉容器1の下部には圧縮機構部4の内部に供給して潤滑とシールの機能を果たすオイルが貯留されている。このオイルは、潤滑およびシールに供されて吐出ガスとともに高温となったものが気液分離されて密閉容器1下部へ戻ってくるため、また、常に高温の吐出ガスと流動しながら接触しているため、吐出ガスと概ね同程度の高温状
態となっている。すなわち、圧縮機構部4は、その外部雰囲気が吐出ガスとオイルであり、常に高温にさらされていることになる。
一方、シリンダ5の吸入穴12内部には、圧縮前の低温低圧の吸入ガスが流れている。吸入ガスが受熱すると密度が低下し、圧縮機構部4が発揮する作動流体の質量流量が減少して圧縮機の体積効率が悪化してしまうため、圧縮機の効率向上の手段として、吸入ガスへの受熱低減は非常に重要である。従来の構成における吸入ガスへの軸方向の熱移動の内訳は二つの熱伝達と一つの熱伝導からなる。すなわち、高温の外部雰囲気からシリンダ5の吸入部5a付近への熱伝達、シリンダ5の吸入部5a上下端面から吸入穴12内壁への熱伝導、および、吸入穴12内壁から吸入ガスへの熱伝達である。吸入部5aの上下端面から吸入穴12内壁までの熱伝導距離を拡大することで吸入穴12内壁温度を低下させ、吸入ガスの受熱量を低減することは可能である。しかしながら、圧縮室10の寸法設計自由度を犠牲にすることになり、結果として圧縮機の効率を向上させることは非常に困難である。
本実施形態においては、その熱移動経路に特徴があり、高温の外部雰囲気から吸入ガスへの熱移動は四つの熱伝達と三つの熱伝導からなる。すなわち、下軸受8の延伸部8aへの熱伝達、外部雰囲気にさらされた延伸部8a下側端面から凹部8b壁面への熱伝導、凹部8b壁面から凹部8b内部のガスまたはオイルへの熱伝達、凹部8b内部のガスまたはオイル内の熱伝導、凹部8b内部のガスまたはオイルからシリンダ5の吸入部5a下側端面への熱伝達、吸入部5a下側端面から吸入穴12内壁への熱伝導、および、吸入穴12内壁から吸入ガスへの熱伝達である。
高温の外部雰囲気から吸入穴12内壁までの軸方向距離が、従来の構成で熱伝導距離を拡大したものと同一であっても、熱伝達箇所が倍増するため、熱流束が小さくなり、吸入ガスの受熱量を大きく低減することが可能である。その結果、圧縮機の体積効率を向上させることができる。加えて、シリンダ5の吸入部5a上下端面から径方向に熱伝導した先の、吸入室9を形成するシリンダ5の内径壁面の温度も低下させることができるため、吸入室9での吸入ガスの受熱も抑制することができる。
本実施の形態1では、外部雰囲気と凹部8bとが微小隙間δによって連通しているが、その微小隙間δとシリンダ5の最外径との比を概ね0.005以下としているため、その通路は非常に狭く、凹部8b内のガスまたはオイルは滞留して断熱層をなすことで吸入ガスの受熱を低減することができる。加えて、凹部8b内部に圧縮機組立て時の空気やそれに含まれる水分等が取り残されることがなく、空気や水分の残留による圧縮機信頼性低下や効率低下を防止することが可能である。
なお、図3ではシリンダ5と下軸受8との密着範囲をφaとし、それより外側に微小隙間δを設けているが、図4のように密着範囲を吸入部5a側へ延長し、密着範囲の外縁部Aよりも外側に微小隙間δを設けてもよい。また、微小隙間δを連続的または不連続的に変化させる構成としてもよい。図4の構成では、外部雰囲気と凹部8bとの連通路が密着範囲の外縁部Aより外側に限定されて連通路断面積を縮小できるため、凹部8b内部のガスまたはオイルがより滞留しやすく、微小隙間δのばらつきが大きくても凹部8bが断熱層としての機能をより安定的に発揮することができる。また、凹部8bはシリンダ5に設けても同様の効果が得られるし、シリンダ5と下軸受8の両方に設けてもよい。
下軸受8の延伸部8aは、シリンダ5の吸入部5aを半分以上覆い隠して吸入ガスの受熱を低減する機能を備えていればどのような形状でもよく、例えば図5のようなシンプルな形状(三角形状)とすることで下軸受8の加工性が向上してコストアップを抑制できる。図6のようにベーンが収納されるベーン溝5bでの延伸部8aの突出を無くすことでベ
ーンの上下端面に作用する圧力のバランスを保ち、ベーンの上下方向の片当たりによる信頼性および効率の悪化を防止することもできる。また、凹部8bが無くても微小隙間δが断熱層となるため、吸入ガスの受熱低減効果は得られる。
本実施の形態1は、下軸受8に設けた延伸部8aの構成で説明したが、上軸受7に適用しても同様の効果が得られることは言うまでもない。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2における圧縮機構部4の吸入穴12付近を拡大した断面図、図8は圧縮機構部4を下部から見た正面図である。ただし、図8において説明に不要な部材は省略している。実施の形態1ではシリンダ5の吸入部5aと下軸受8の延伸部8aとの間には微小隙間δが確保されているのに対し、実施の形態2では吸入部5aと延伸部8aは密着しており、延伸部8aに凹部8bを設けるとともに、圧縮機構部4の外部雰囲気と凹部8bとの間を連通する連通溝8cを設けている。
この構成により、実施の形態1と同様、凹部8bが断熱層となることで吸入ガスの受熱を低減して体積効率を向上することができるとともに、凹部8b内部に圧縮機組立て時の空気やそれに含まれる水分等が取り残されることがなく、空気や水分の残留による圧縮機信頼性低下や効率低下を防止することが可能である。
本実施の形態2の構成は、実施の形態1と比較して外部雰囲気と凹部8bとの連通路をより狭く、しかも精度よく構成できるため、凹部8bの断熱効果を安定的に発揮することができるという利点があるが、圧縮機の実運転時に求められる機能を踏まえて、微小隙間δと連通溝8cを共用した構成もあり得る。吸入部5aと延伸部8aは密着しているが、密着面の平面度や表面粗さの分だけ空間は存在し、その極小隙間を以って断熱層をなすことも可能である。したがって、必ずしも凹部8bおよび連通溝8cを備える必要はなく、凹部8bが無い構成でも、吸入部5a上下端面から吸入穴12内壁までの熱伝導距離を拡大した従来の構成よりも吸入ガスの受熱低減効果は大きい。
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態2における圧縮機構部4を下部から見た正面図である。ただし、図9において説明に不要な部材は省略している。図9において、密着してボルト16で締結されたシリンダ5と下軸受8の締結面は最外周部まで同一平面であり、シリンダ5の吸入部5aと下軸受8の延伸部8aも密着している。また、延伸部8aには凹部8bが設けられ、連通溝8cによって圧縮機構部4の外部雰囲気と連通している。延伸部8aは、下軸受8の全周にわたって円環状に設けられており、下軸受8の締結面を含む密着平面が円形の対称形状となっていることが特徴的である。
本実施の形態3の構成により、実施の形態2と同様、圧縮機の体積効率向上および信頼性と効率の悪化防止の効果が得られるとともに、下軸受8の締結面を含む密着平面を研磨加工や切削加工等によって成形する際、加工負荷の変動が小さく抑えられ、要求される平面形状を高い精度で実現することができるため、圧縮機の効率および信頼性を安定的に確保することが可能である。
なお、シリンダ5の吸入部5aを含む密着平面を円形にすることで、下軸受8と同様、上述の高精度加工を実現できるが、圧縮室10を形成する端面を含む下軸受8の方が圧縮機の効率および信頼性に及ぼす影響は大きいため、シリンダ5への適用による効果は限定的である。また、図10のように、シリンダ5の密着平面を、φaの円環状面を吸入部5aへのみ伸ばした鍵穴様形状としてもよい。この構成では、シリンダ5の密着平面を必要最小限とすることで加工時間を短縮し、不要なコストアップを抑制することが可能である
(実施の形態4)
図11は、本発明の実施の形態4における圧縮機の縦断面図であり、中板17によって仕切られた二つのシリンダ5とローリングピストン6、ベーンを上軸受7と下軸受8とで挟み込んだ2シリンダ式ロータリ圧縮機である。図11において、上軸受7と下軸受8、中板17の全てに延伸部7a、8a、17aを備え、それぞれに凹部7b、8b、17bが設けられている。特に、中板17は上下両方のシリンダ5に面するため、両面に凹部17bを設けている。
2シリンダ式ロータリ圧縮機は、1シリンダ式と比較して、シリンダ5の高さを小さめに抑えて小型化設計を行なうことが一般的である一方、吸入配管での圧力損失を抑制するため、吸入穴12および吸入ライナー13の内径は大きめに確保する必要がある。その結果、低温の吸入ガスに接する吸入穴12壁面と、高温の外部雰囲気に接するシリンダ5の吸入部5aの上下端面との間の距離が小さくなり、吸入穴12内部を流れる吸入ガスが受熱の影響を受けやすいため、本発明の効果をより発揮できる。
なお、本実施の形態4では2シリンダ式ロータリ圧縮機を例として挙げたが、シリンダ5が三つ以上の多シリンダ式ロータリ圧縮機でも同様の効果が得られることは無論である。
以上のように、本発明にかかる圧縮機は、上下端板が吸入側へ延伸してシリンダ吸入部を覆い、高温の圧縮機構部外部雰囲気とシリンダ吸入部とを隔離することで、吸入穴の内壁温度および吸入室を形成するシリンダ内径壁面温度の上昇を抑制して低温低圧の吸入ガスへの受熱を抑え、圧縮機の体積効率を向上させることができる。HFC系冷媒やHCFC系冷媒、HFO系冷媒を用いたエアーコンディショナーやヒートポンプ式給湯機のほかに、自然冷媒の二酸化炭素を用いたエアーコンディショナーやヒートポンプ式給湯機などの用途にも適用できる。
1 密閉容器
3 駆動軸
4 圧縮機構部
5 シリンダ
5a 吸入部
6 ローリングピストン
7 上軸受
7a 延伸部
7b 凹部
8 下軸受
8a 延伸部
8b 凹部
8c 連通溝
9 吸入室
10 圧縮室
12 吸入穴
17 中板
17a 延伸部
17b 凹部

Claims (5)

  1. シリンダとローリングピストン、ベーンを上端板および下端板で挟み込むことで吸入室と圧縮室を形成し、駆動軸の回転に伴って前記ローリングピストンが回転することで圧縮動作を行う圧縮機構部を密閉容器内部に備え、前記シリンダと前記上下端板とは密着固定され、前記シリンダには外周から前記吸入室までつながる吸入穴が設けられた吸入部を有するロータリ圧縮機であって、
    前記上端板または前記下端板の少なくともいずれか一方には前記シリンダの前記吸入部の半分以上まで延伸した延伸部を設け、前記延伸部と前記吸入部とが近接していることを特徴とするロータリ圧縮機。
  2. シリンダとローリングピストン、ベーンを上端板および下端板で挟み込むことで吸入室と圧縮室を形成し、駆動軸の回転に伴って前記ローリングピストンが回転することで圧縮動作を行う圧縮機構部を密閉容器内部に備え、前記シリンダと前記上下端板とは密着固定され、前記シリンダには外周から前記吸入室までつながる吸入穴が設けられた吸入部を有するロータリ圧縮機であって、
    前記上端板または前記下端板の少なくともいずれか一方には前記シリンダの前記吸入部の半分以上まで延伸した延伸部を設け、前記延伸部と前記吸入部とが密着していることを特徴とするロータリ圧縮機。
  3. 前記延伸部または前記吸入部の少なくともいずれか一方に凹部を形成した請求項1または2に記載のロータリ圧縮機。
  4. 前記凹部が前記密閉容器の内部空間と連通している請求項3に記載のロータリ圧縮機。
  5. 中板によって二つの前記シリンダと前記ローリングピストン、前記ベーンが仕切られ、それらを上軸受と下軸受とで挟み込んで密着固定した2シリンダ式の前記圧縮機構部を備えた請求項1〜4のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017075538A (ja) * 2015-10-13 2017-04-20 三菱重工業株式会社 ロータリ圧縮機、ロータリ圧縮機の製造方法

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