JP2014227133A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ツインクラッチ式の変速機を備えるハイブリッド車両において、高圧バッテリの故障時にモータによる発電が行えず低圧バッテリに電力を供給できない状態を回避する。
【解決手段】高圧バッテリ(30)の故障を検知したときに、第2クラッチ(C2)を係合させることで、エンジン(2)の駆動力を第2変速機構(G2)を介して出力軸(CS)に伝達して車両を走行させると共に、第1変速機構(G1)をニュートラルとし、第1クラッチ(C1)を係合させることで、第1クラッチ(C1)を介してエンジン(2)の駆動力の一部をモータ(3)に伝達して該モータ(3)で発電を行い、12Vバッテリ(22)への電力供給をモータ(3)による発電電力のみで賄い、高圧バッテリ30の電力の授受は行わないように制御すると共に、第2変速機構(G2)によるアップシフトを禁止しダウンシフトのみを許可する。
【選択図】図5

Description

本発明は、駆動源としての内燃機関及び電動機と、奇数変速段側の変速軸と偶数変速段側の変速軸の2系統に分けられた有段式の変速機とを備えるハイブリッド車両において、駆動源及び変速機の動作を制御するハイブリッド車両の制御装置及び制御方法に関する。
従来、駆動源としてのエンジン(内燃機関)及びモータ(電動機)を備えたハイブリッド車両がある。このようなハイブリッド車両では、複数の変速段を切り替えて設定することで内燃機関と電動機の少なくともいずれかの駆動力を駆動輪に伝達可能な有段式の変速機を備えるものがある。
また、上記のようなハイブリッド型の車両に用いる変速機として、例えば、特許文献1,2に示すように、奇数段(1,3,5速段など)の変速段で構成される第1変速機構の入力軸と内燃機関の機関出力軸とを断接可能な第1クラッチ(奇数段クラッチ)と、偶数段(2,4,6速段など)の変速段で構成される第2変速機構の入力軸と機関出力軸とを断接可能な第2クラッチ(偶数段クラッチ)とを備え、これら2つのクラッチを交互につなぎ替えることで変速を行うツインクラッチ式の変速機がある。また、このようなツインクラッチ式の変速機には、第1変速機構の入力軸に電動機の回転軸を連結した構成のものがある。
また、上記のようなハイブリッド車両では、主に車両走行用の電力を供給する高圧バッテリ(24Vバッテリ)と、各種の車載補機類などを駆動するため電力を供給する低圧バッテリ(12Vバッテリ)とを備えている。これら高圧バッテリと低圧バッテリは、変圧器(DC−DCコンバータ)を介して接続されており、通常時は、低圧バッテリの残容量が低下すると、高圧バッテリからの電力が変圧器を介して低圧バッテリに供給されるようになっている。
その一方で、高圧バッテリに電力の授受が正常に行えない故障(例えば、高圧バッテリの単セル異常など)が生じた場合は、フェールセーフアクションとして、高圧バッテリから供給される電力に代えて、モータの発電電力が変圧器を介して低圧バッテリに供給されるようにすることで、高圧バッテリには電力を入出力させない制御が行われる。
ところが、上記のようなツインクラッチ式の変速機を備えたハイブリッド車両では、モータとエンジンとの間の動力伝達経路にクラッチ(発進クラッチ)が介在している。そのため、当該クラッチの締結が解放されている(切り離されている)場合は、減速回生時を除いて、車両の走行中にエンジンの駆動力をモータに伝達することによる発電を行うことができない。したがって、車両の走行状態によっては、クラッチが切り離されることで、高圧バッテリの故障時に上記のフェールセーフアクションを行うことができない場合がある。そのため、モータによる発電が行えず、変圧器を介して低圧バッテリに電力を供給できない間の低圧バッテリの消費電力は、高圧バッテリから供給される。これにより、高圧バッテリの残容量(SOC)が低下するという問題があった。
特開2012−30727号公報 特開2000−168404号公報
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ツインクラッチ式の変速機を備えるハイブリッド車両において、高圧蓄電器の故障時に電動機による発電が行えず、低圧蓄電器に電力を供給できない状態を回避して、高圧蓄電器の残容量の低下を防止することができるハイブリッド車両の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、駆動源としての内燃機関(2)と電動機(3)を備えると共に、前記電動機(3)に接続されると共に第1クラッチ(C1)を介して選択的に前記内燃機関(2)の機関出力軸(2a)に接続される第1入力軸(IMS)と、第2クラッチ(C2)を介して選択的に前記内燃機関(2)の機関出力軸(2a)に接続される第2入力軸(SS)と、駆動輪(WR,WL)側に動力を出力する出力軸(CS)と、前記第1入力軸(IMS)と前記出力軸(CS)との間に配置されて奇数変速段と偶数変速段のいずれか一方を設定可能な第1変速機構(G1)と、前記第2入力軸(SS)と前記出力軸(CS)との間に配置されて奇数変速段と偶数変速段のいずれか他方を設定可能な第2変速機構(G2)と、を有する変速機(4)と、前記電動機(3)との間で電力の授受が可能な高圧蓄電器(30)と、前記電動機(3)又は前記高圧蓄電器(30)からの電力を少なくとも降圧することが可能な変圧器(21)と、前記変圧器(21)を介して前記高圧蓄電器(30)及び前記電動機(3)との間で電力の授受が可能な低圧蓄電器(22)と、前記第1、第2駆動源(2,3)による車両の駆動、及び前記高圧蓄電器(30)と前記低圧蓄電器(22)の電力の授受を制御するための制御手段(10)と、を備えるハイブリット車両の制御装置であって、前記高圧蓄電器(30)の故障を検知する高圧蓄電器故障検知手段(36)を備え、前記制御手段(10)は、前記高圧蓄電器故障検知手段(36)で前記高圧蓄電器(30)の故障を検知したときに、前記第2クラッチ(C2)を係合させることで、前記内燃機関(2)の駆動力を前記第2変速機構(G2)の変速段を介して前記出力軸(CS)に伝達して車両を走行させると共に、前記第1変速機構(G1)をニュートラルとし、前記第1クラッチ(C1)を係合させることで、該第1クラッチ(C1)で前記内燃機関(2)の駆動力の一部を前記電動機(3)に伝達して前記電動機(3)で発電を行い、前記低圧蓄電器(22)への電力供給を前記電動機(3)による発電電力のみで賄い、前記高圧蓄電器(30)の電力の授受は行わないように制御すると共に、前記第2変速機構(G2)で設定される変速段のアップシフトを禁止しダウンシフトのみを許可する高圧蓄電器故障時電力制御を実施することを特徴とする。
本発明にかかるハイブリッド車両の制御装置では、高圧蓄電器に電力を入出力できない故障時に、第1変速機構をニュートラルにして第1クラッチを係合させることで、該第1クラッチでエンジンの駆動力の一部をモータに伝達する発電動作により、電動機の発電で低圧蓄電器を充電する高圧バッテリ故障時電力制御を行うことで、高圧蓄電器の残容量(SOC)の低下を回避できる。また、高圧蓄電器の電力の授受を行わないことで、故障が生じている高圧蓄電器の確実な保護を図ることができる。その際、第2変速機構で設定される変速段のアップシフトを禁止してダウンシフトのみを許可することにより、どのような車速で高圧バッテリ故障時電力制御を開始しても、最終的に(変速段が一定の変速段に維持されて)車速が一定以下となることで、高圧バッテリ故障時電力制御による電動機から低圧蓄電器への電力の供給を連続的に行えるようになる。
また、上記ハイブリッド車両の制御装置では、車速を検出する車速検出手段(35)を備え、制御手段(10)は、車速検出手段(35)で検出した車速が所定の閾値以下の場合に高圧蓄電器故障時電力制御を実施するとよい。
車速が高くなると電動機の発電量が増加することで、低圧蓄電器に供給される電力が増える。そして、低圧蓄電器に供給される電力が過剰になると、その余剰分が高圧蓄電器に供給されるおそれがある。そこで、車速が所定の閾値以下の場合に高圧バッテリ故障時電力制御を行うようにする。これにより、低圧蓄電器に供給される電力が過剰になることでその余剰分が高圧蓄電器に供給されることを防止できる。
また、上記ハイブリッド車両の制御装置では、高圧蓄電器(30)の残容量を検出する高圧蓄電器残容量検出手段(34)を備え、制御手段(10)は、高圧蓄電器残容量検出手段(34)で検出した高圧蓄電器(30)の残容量が所定の閾値よりも高くなると、第1クラッチ(C1)の締結を解除するか締結量を低減させる制御を行うとよい。すなわち、高圧蓄電器の故障時には精密な制御が行えないので、高圧蓄電器の残容量を第1クラッチの締結制御によって制御する。
また、上記ハイブリッド車両の制御装置では、制御手段(10)は、高圧蓄電器故障時電力制御において、第2変速機構(G2)で設定される偶数変速段が最低変速段(2nd)になったら、以後の第2変速機構(G2)による変速動作を禁止するとよい。
第2変速機構の最低変速段(2nd)になるまでのシフトダウン時は、電動機で低圧蓄電器の消費電力を発電できないため、高圧蓄電器の残容量が低下する。これに対して、第2変速機構の最低変速段になったら、以後の変速動作を禁止することで、それ以降の高圧蓄電器の残容量の低下がなくなる。また、最終的に第2変速機構の最低変速段までシフトダウンすることで、車両停車後の次回発進時の確実な発進(第2変速機構の最低変速段による発進)が可能となる。
また、上記ハイブリッド車両の制御装置では、高圧蓄電器(30)の故障には、当該高圧蓄電器(30)からの正常範囲の放電を行えない状態の故障が含まれていてよい。
この構成によれば、高圧蓄電器からの正常範囲の放電を行えない状態の故障が生じているときに、高圧バッテリ故障時電力制御を実施することで、高圧蓄電器の残容量の低下を確実に防止できる。なお、高圧蓄電器からの正常範囲の放電を行えない状態の故障の一例としては、高圧蓄電器が複数の電池セルが直列に接続された構成の蓄電器である場合に、いずれかの電池セルの電流又は電圧の少なくともいずれかが正常範囲外となる単セルの特性異常が挙げられる。
また、上記ハイブリッド車両の制御装置では、高圧蓄電器(30)の故障を車両の運転者に報知するための報知手段(37)を備えるとよい。
この構成によれば、報知手段を備えることで、高圧蓄電器の故障を運転者に報知することが可能となる。これにより、高圧蓄電器の故障が生じた場合、運転者に速やかな停車を促すことができ、車両を迅速に減速させて高圧バッテリ故障時電力制御による電動機の発電で低圧蓄電器に電力を供給可能な状態に移行させることが可能となる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明の一実施形態にかかる制御装置を備えたハイブリッド車両の構成例を示す概略図である。 図1に示す変速機の詳細構成を示すスケルトン図である。 図2に示す変速機の各シャフトの係合関係を示す概念図である。 変速機における駆動力の伝達経路と、モータ、高圧バッテリ、低圧バッテリ、電気負荷の間で行われる電力の授受の流れとを示す図である。 高圧バッテリ故障時電力制御における各値の変化を示すタイミングチャートである。 高圧バッテリ故障時電力制御の手順を説明するためのフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかるハイブリッド車両の制御装置を備えた車両の構成例を示す概略図である。本実施形態の車両1は、図1に示すように、駆動源としての内燃機関2及び電動機3を備えたハイブリッド自動車の車両であって、さらに、トランスミッション(変速機)4と、ディファレンシャル機構5と、左右のドライブシャフト6R,6Lと、左右の駆動輪WR,WLとを備えると共に、電動機3を制御するためのパワードライブユニット(PDU)20と、高圧バッテリ(高圧蓄電器)30と、DC−DCコンバータ(変圧器)21と、12Vバッテリ(低圧蓄電器)22と、車載補機からなる電気負荷(低圧電気負荷)23とを備える。
ここで、電動機3は、モータでありモータジェネレータを含み、高圧バッテリ30は、蓄電器でありキャパシタを含む。また、内燃機関2は、エンジンであり、ディーゼルエンジンやターボエンジンなどを含む。内燃機関(以下、「エンジン」と記す。)2と電動機(以下、「モータ」と記す。)3の回転駆動力は、変速機4、ディファレンシャル機構5およびドライブシャフト6R,6Lを介して左右の駆動輪WR,WLに伝達される。
図1に示すように、変速機4は、モータ3に接続されると共に第1クラッチ(後述する奇数段クラッチ)C1を介して選択的にエンジン2のクランク軸2aに接続される第1入力軸(後述する内側メインシャフト)IMSと、第2クラッチ(後述する偶数段クラッチ)C2を介して選択的にエンジン2のクランク軸2aに接続される第2入力軸(後述する外側メインシャフト又はセカンダリシャフト)OMS(SS)と、駆動輪WR,WL側に動力を出力する出力軸CSと、第1入力軸IMSと出力軸CSとの間に配置されて最低変速段から奇数番目に属する複数の変速段(1,3,5速段など)を設定可能な第1変速機構G1と、第2入力軸OMS(SS)と出力軸CSとの間に配置されて最低変速段から偶数番目に属する複数の変速段(2,4,6速段など)を設定可能な第2変速機構G2とを備えて構成されている。なお、図1及び下記の図4では、変速機4の構成を簡略化したものを示しているが、変速機4が備える詳細な構成は、図2に示すスケルトン図に表されている。
また、車両1は、エンジン2、モータ3、変速機4、ディファレンシャル機構5、DC−DCコンバータ21および高圧バッテリ30、12Vバッテリ22などを制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)10を備える。電子制御ユニット10は、1つのユニットとして構成されるだけでなく、例えばエンジン2を制御するためのエンジンECU、モータ3やDC−DCコンバータ21を制御するためのモータジェネレータECU、高圧バッテリ30を制御するためのバッテリECU、変速機4を制御するためのAT−ECUなど複数のECUから構成されてもよい。本実施形態の電子制御ユニット10は、エンジン2及びモータ3を制御するとともに、高圧バッテリ30、PDU20、12Vバッテリ22の電力授受の制御や、変速機4による変速動作の制御などを行う。
電子制御ユニット10は、各種の運転条件に応じて、モータ3のみを動力源とするモータ単独走行(EV走行)をするように制御したり、エンジン2のみを動力源とするエンジン単独走行をするように制御したり、エンジン2とモータ3の両方を動力源として併用する協働走行(HEV走行)をするように制御する。
また、電子制御ユニット10には、制御パラメータとして、アクセルペダルの踏込量を検出するアクセルペダルセンサ31からのアクセルペダル開度、ブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキペダルセンサ32からのブレーキペダル開度、ギヤ段(変速段)を検出するシフトポジションセンサ33からのシフト位置、高圧バッテリ30の残容量(SOC)を測定する残容量検出器34からの残容量、車速を検出する車速センサ(車速検出手段)35からの車速などの各種信号が入力されるようになっている。また、図示は省略するが、電子制御ユニット10には、さらに、車両1に搭載されたカーナビゲーションシステムなどから、車両1が現在走行している道路の状況(例えば、平坦路、上り坂、下り坂の別など)に関するデータが入力されるようになっていてもよい。また、高圧バッテリ30の故障を検知するためのバッテリ故障センサ(高圧蓄電器故障検知手段)36が設けられている。このバッテリ故障センサ36は、例えば、高圧バッテリ30に出入りする電流を検知する電流センサなどを備え、当該電流センサによる検出電流が正常値の範囲外となった場合に高圧バッテリ30の故障と判断するように構成されている。バッテリ故障センサ36からの故障検知に関する情報は、電子制御ユニット10に出力される。
エンジン2は、燃料を空気と混合して燃焼することにより車両1を走行させるための駆動力を発生する内燃機関である。モータ3は、エンジン2とモータ3との協働走行やモータ3のみの単独走行の際には、高圧バッテリ30の電気エネルギーを利用して車両1を走行させるための駆動力を発生するモータとして機能するとともに、車両1の減速時には、回生により電力を発電する発電機(ジェネレータ)として機能する。モータ3の回生時には、高圧バッテリ30は、モータ3により発電された電力(回生エネルギー)により充電される。
PDU20には、モータ3と電力の授受を行う高圧バッテリ30が接続されている。ここで授受される電力には、例えば、モータ3の駆動またはアシスト動作時にモータ3に供給される供給電力や、回生作動または昇圧駆動によるモータ3の発電時にモータ3から出力される出力電力がある。そして、PDU20は、電子制御ユニット10からの制御指令を受けてモータ3の駆動および発電を制御する。例えば、モータ3の駆動時には、電子制御ユニット10から出力されるトルク指令に基づき、高圧バッテリ30から出力される直流電力を3相交流電力に変換してモータ3へ供給する。一方、モータ3の発電時には、モータ3から出力される3相交流電力を直流電力に変換して、高圧バッテリ30を充電する。
また、各種補機類からなる電気負荷23を駆動するための12Vバッテリ(低圧バッテリ)22は、DC−DCコンバータ(変圧器)21を介して、PDU20および高圧バッテリ30に対して並列に接続されている。DC−DCコンバータ21は、例えば双方向のDC−DCコンバータであって、高圧バッテリ30の端子間接続、あるいはモータ3の回生作動または昇圧駆動した際のPDU20の端子間電圧を、所定の電圧値まで降圧して12Vバッテリ22を充電すると共に、高圧バッテリ30の残容量(SOC:State Of Charge)が低下している場合には、12Vバッテリ22の端子間電圧を昇圧して高圧バッテリ30を充電可能である。また、電気負荷23を構成する各種補機類としては、車両1に搭載されたデフロスタユニット、電子制御ユニット10用の通信及び送電機器類、カーオーディオ及びその附属機器類、ヒータユニット、ライト(照明類)などが挙げられる。
また、本実施形態のハイブリッド車両の制御装置では、高圧バッテリ30は、図示は省略するが、複数の電池セルが直列に接続された構成のバッテリであって、後述する高圧バッテリ30の故障には、複数の電池セルのうちいずれかに異常(いずれかの電池セルの電流と電圧の少なくともいずれかが正常範囲外となる異常)が生じている単セルの特性異常による故障が含まれる。
また、車両1には、高圧バッテリ30の故障を運転者に報知するための警報ランプ(報知手段)37が設けられている。警報ランプ37は、例えば、車室内のインストルメントパネル(図示せず)に設けられるメーター内ランプとすることができる。そして、電子制御ユニット10は、バッテリ故障センサ36で高圧バッテリ30の故障が検知された場合、当該警報ランプ37を点灯させるようになっている。
次に、本実施形態の車両1が備える変速機4の詳細構成例について説明する。図2は、図1に示す変速機4の詳細構成例を示すスケルトン図である。図3は、図2に示す変速機4の各シャフトの係合関係を示す概念図である。変速機4は、前進7速、後進1速の平行軸式トランスミッションであり、乾式のツインクラッチ式変速機(DCT:デュアルクラッチトランスミッション)である。
変速機4には、エンジン2のクランク軸(機関出力軸)2a及びモータ3に接続される内側メインシャフト(第1入力軸)IMSと、この内側メインシャフトIMSの外筒をなす外側メインシャフト(第2入力軸)OMSと、内側メインシャフトIMSにそれぞれ平行なセカンダリシャフト(第2入力軸)SS、アイドルシャフトIDS、リバースシャフト(リバース軸)RVSと、これらのシャフトに平行で出力軸をなすカウンタシャフトCSとが設けられる。
これらのシャフトのうち、外側メインシャフトOMSがアイドルシャフトIDSを介してリバースシャフトRVSおよびセカンダリシャフトSSに常時係合し、カウンタシャフトCSがさらにディファレンシャル機構5(図1参照)に常時係合するように配置される。
また、変速機4は、奇数段クラッチ(第1クラッチ)C1と、偶数段クラッチ(第2クラッチ)C2とを備える。奇数段クラッチC1及び偶数段クラッチC2は乾式のクラッチである。奇数段クラッチC1は、内側メインシャフトIMSに結合される。偶数段クラッチC2は、外側メインシャフトOMS(第2入力軸の一部)に結合され、外側メインシャフトOMS上に固定されたギヤ48からアイドルシャフトIDSを介してリバースシャフトRVSおよびセカンダリシャフトSS(第2入力軸の一部)に連結される。
内側メインシャフトIMSのモータ3寄りの所定箇所には、プラネタリギヤ機構70のサンギヤ71が固定配置される。また、内側メインシャフトIMSの外周には、図2において左側から順に、プラネタリギヤ機構70のキャリア73と、3速駆動ギヤ43と、7速駆動ギヤ47と、5速駆動ギヤ45が配置される。なお、3速駆動ギヤ43は、1速駆動ギヤとしても兼用されるものである。3速駆動ギヤ43、7速駆動ギヤ47、5速駆動ギヤ45は、それぞれ内側メインシャフトIMSに対して相対的に回転可能であり、3速駆動ギヤ43はプラネタリギヤ機構70のキャリア73に連結している。更に、内側メインシャフトIMS上には、3速駆動ギヤ43と7速駆動ギヤ47との間に3−7速シンクロメッシュ機構81が軸方向にスライド可能に設けられ、かつ、5速駆動ギヤ45に対応して5速シンクロメッシュ機構82が軸方向にスライド可能に設けられる。所望のギヤ段に対応するシンクロメッシュ機構をスライドさせて該ギヤ段のシンクロを入れることにより、該ギヤ段が内側メインシャフトIMSに連結される。内側メインシャフトIMSに関連して設けられたこれらのギヤ及びシンクロメッシュ機構によって、奇数段の変速段を実現するための第1変速機構G1が構成される。なお、上記の駆動ギヤ43,45,47は、本発明にかかる奇数段ギヤであり、上記のシンクロメッシュ機構81,82は、本発明にかかる第1同期結合装置である。第1変速機構G1の各駆動ギヤ43,45,47は、カウンタシャフトCS上に設けられた対応する従動ギヤ(出力ギヤ)51,52,53に噛み合い、カウンタシャフトCSを回転駆動する。
セカンダリシャフトSS(第2入力軸)の外周には、図2において左側から順に、2速駆動ギヤ42と、6速駆動ギヤ46と、4速駆動ギヤ44とが相対的に回転可能に配置される。更に、セカンダリシャフトSS上には、2速駆動ギヤ42と6速駆動ギヤ46との間に2−6速シンクロメッシュ機構83が軸方向にスライド可能に設けられ、かつ、4速駆動ギヤ44に対応して4速シンクロメッシュ機構84が軸方向にスライド可能に設けられる。この場合も、所望のギヤ段に対応するシンクロメッシュ機構をスライドさせて該ギヤ段のシンクロを入れることにより、該ギヤ段がセカンダリシャフトSS(第2入力軸)に連結される。セカンダリシャフトSS(第2入力軸)に関連して設けられたこれらのギヤ及びシンクロメッシュ機構によって、偶数段の変速段を実現するための第2変速機構G2が構成される。なお、上記の駆動ギヤ42,44,46は、本発明にかかる偶数段ギヤであり、上記のシンクロメッシュ機構83,84は、本発明にかかる第2同期結合装置である。第2変速機構G2の各駆動ギヤも、カウンタシャフトCS上に設けられた対応する従動ギヤ51,52,53に噛み合い、カウンタシャフトCSを回転駆動する。なお、セカンダリシャフトSSに固定されたギヤ49はアイドルシャフトIDS上のギヤ55に結合しており、該アイドルシャフトIDSから外側メインシャフトOMSを介して偶数段クラッチC2に結合される。
リバースシャフトRVSの外周には、リバースギヤ58が相対的に回転可能に配置される。また、リバースシャフトRVS上には、リバースギヤ58に対応してリバースシンクロメッシュ機構(リバース用同期係合装置)85が軸方向にスライド可能に設けられ、また、アイドルシャフトIDSに係合するギヤ50が固定されている。リバースシャフトRVSに関連して設けられたこれらのギヤ及びシンクロメッシュ機構によって、リバース段を実現するためのリバース変速機構GRが構成される。車両1を後進(リバース走行)させる場合は、シンクロメッシュ機構85のシンクロを入れて、偶数段クラッチC2を係合することにより、偶数段クラッチC2の回転が外側メインシャフトOMS及びアイドルシャフトIDSを介してリバースシャフトRVSに伝達され、リバースギヤ58が回転される。リバースギヤ58は内側メインシャフトIMS上のギヤ56に噛み合っており、リバースギヤ58が回転するとき内側メインシャフトIMSは前進時とは逆方向に回転する。内側メインシャフトIMSの逆方向の回転はプラネタリギヤ機構70に連結した3速駆動ギヤ43を介してカウンタシャフトCSに伝達される。
カウンタシャフトCS上には、図2において左側から順に、2−3速従動ギヤ51と、6−7速従動ギヤ52と、4−5速従動ギヤ53と、パーキング用ギヤ54と、ファイナル駆動ギヤ55とが固定的に配置される。ファイナル駆動ギヤ55は、ディファレンシャル機構5のディファレンシャルリングギヤ(図示せず)と噛み合うようになっており、これにより、カウンタシャフトCSの回転がディファレンシャル機構5の入力軸(つまり車両推進軸)に伝達される。また、プラネタリギヤ機構70のリングギヤ75には、該リングギヤ75の回転を停止するためのブレーキ41が設けられる。
上記構成の変速機4では、2−6速シンクロメッシュ機構83のシンクロスリーブを左方向にスライドすると、2速駆動ギヤ42がセカンダリシャフトSSに結合され、右方向にスライドすると、6速駆動ギヤ46がセカンダリシャフトSSに結合される。また、4速シンクロメッシュ機構84のシンクロスリーブを右方向にスライドすると、4速駆動ギヤ44がセカンダリシャフトSSに結合される。このように偶数の駆動ギヤ段を選択した状態で、偶数段クラッチC2を係合することにより、変速機4は偶数の変速段(2速、4速、又は6速)に設定される。
3−7速シンクロメッシュ機構81のシンクロスリーブを左方向にスライドすると、3速駆動ギヤ43が内側メインシャフトIMSに結合されて3速の変速段が選択され、右方向にスライドすると、7速駆動ギヤ47が内側メインシャフトIMSに結合されて7速の変速段が選択される。また、5速シンクロメッシュ機構82のシンクロスリーブを右方向にスライドすると、5速駆動ギヤ45が内側メインシャフトIMSに結合されて5速の変速段が選択される。シンクロメッシュ機構81、82がいずれのギヤ43、47、45も選択していない状態(ニュートラル状態)では、プラネタリギヤ機構70の回転がキャリア73に連結したギヤ43を介してカウンタシャフトCSに伝達され、1速の変速段が選択されることになる。このように奇数の駆動ギヤ段を選択した状態で、奇数段クラッチC1を係合することにより、変速機4は奇数の変速段(1速、3速、5速、又は7速)に設定される。
変速機4で実現すべき変速段の決定及び該変速段を実現するための制御(第1変速機構G1及び第2変速機構G2における変速段の選択、すなわちシンクロの切り替え制御と、奇数段クラッチC1及び偶数段クラッチC2の係合及び係合解除の制御等)は、公知のように、運転状況に従って、電子制御ユニット10によって実行される。
図4は、変速機4における駆動力の伝達経路と、モータ3、高圧バッテリ30、12Vバッテリ22、電気負荷23の間で行われる電力の授受の流れとを示す図である。車両1の走行時に、バッテリ故障センサ36で高圧バッテリ30の故障を検知した場合であって、かつ、車速センサ35で検出した車速が所定の閾値(一例として時速10km程度)よりも低速の場合には、第2変速機構G2のいずれかの駆動ギヤをインギヤさせ、偶数段クラッチC2を係合させることで、図4に一点鎖線で示す動力伝達経路のように、エンジン2の駆動力を第2変速機構G2の変速段(偶数変速段)を介して出力軸CSに伝達して車両1を発進及び低速走行させる走行モードが可能である。このとき、奇数段クラッチC1を係合させて、第1変速機構G1をニュートラルとすることで、同図に実線で示す動力伝達経路のように、奇数段クラッチC1を介してエンジン2の駆動力の一部をモータ3に伝達して該モータ3による発電を行うことができる。そして、同図に点線で示すように、モータ3で発電した電力をDC−DCコンバータ(変圧器)21を介して12Vバッテリ22に供給する一方、高圧バッテリ30への電力の授受は行わないようにする。さらに、上記走行モード及び電力制御を実施しているときに、第2変速機構G2による偶数変速段のアップシフトを禁止してダウンシフトのみを許可するようにしている。以下では、この制御を高圧バッテリ故障時電力制御と称し、当該制御の具体的な態様について詳細に説明する。
図5は、高圧バッテリ故障時電力制御を説明するための図で、当該制御を行う場合の車速V、高圧バッテリ故障時電力制御の要求(指令)フラグ、目標変速段、第1変速機構G1による奇数変速段、第2変速機構G2による偶数変速段、奇数段クラッチC1の締結状態、偶数段クラッチC2の締結状態、モータトルクTm、高圧バッテリ30の残容量SOCの各値の変化を示すタイミングチャートである。ここでのモータトルクTmは、モータ3から出力されるトルクである。なお、モータ3による発電を行う場合には、モータトルク(充電トルク)Tmは、負の値(Tm<0Nm)となる。
本実施形態の変速機4の制御では、バッテリ故障センサ36による高圧バッテリ30の故障検知に伴い、時刻t1に高圧バッテリ故障時電力制御の要求(指令)が出されることで、奇数段クラッチC1がオン(締結状態)になり、偶数段クラッチC2がオンになり、第1変速機構G1による奇数変速段がニュートラルに設定される。また、第2変速機構G2による偶数変速段は6速段に設定されている。これにより、第2変速機構G2の6速段を介してエンジン2の駆動力を出力軸CSに伝達することで車両1を走行させながら、第1変速機構G1をニュートラルとし、奇数段クラッチC1を係合させることで、奇数段クラッチC1を介してエンジン2の駆動力の一部をモータ3に伝達してモータ3による発電を行うことができる。
その後、時刻t2に目標変速段が6速段から4速段に切り替わると、奇数段クラッチC1がオフ(非締結状態)になり、偶数段クラッチC2がオフになり、第2変速機構G2による偶数変速段が一時的なニュートラルを経て6速段から4速段に切り替わる。時刻t3に変速段が4速段に切り替わると、奇数段クラッチC1がオンになり、偶数段クラッチC2がオンになる。そして、この変速動作が行われている間(時刻t2〜時刻t3)は、奇数段クラッチC1が切り離されていることでモータ3による発電を行うことができない。したがって、モータトルクは0となる。また、モータ3による発電を行うことができないため、12Vバッテリ22の消費電力が高圧バッテリ30から持ち出されることになる。そのため、高圧バッテリ30の残容量SOCが低下する。
その後、時刻t4に目標変速段が4速段から2速段に切り替わると、奇数段クラッチC1がオフになり、偶数段クラッチC2がオフになり、第2変速機構G2による偶数変速段が一時的なニュートラルを経て4速段から2速段に切り替わる。時刻t5に変速段が2速段に切り替わると、奇数段クラッチC1がオンになり、偶数段クラッチC2がオンになる。そして、この変速動作が行われている間(時刻t4〜時刻t5)は、奇数段クラッチC1が切り離されていることで、モータ3による発電を行うことができない。したがって、モータトルクは0となる。また、モータ3による発電を行うことができないため、12Vバッテリ22の消費電力が高圧バッテリ30から持ち出されることになる。そのため、高圧バッテリ30の残容量SOCが低下する。そして、時刻t5に変速段が2速段に切り替わった後は、アップシフトが禁止されるため、変速段が2速段に維持されて、車速Vが略一定の状態が継続するとともに、高圧バッテリ30の残容量SOCは低下せず一定に保たれる。
また、上記の高圧バッテリ故障時電力制御の実施中に、残容量検出器34で検出した高圧バッテリ30の残容量が所定の閾値容量よりも高くなると、第1クラッチC1を切り離すかその締結量を低減させる制御を行ってもよい。すなわち、高圧バッテリ30の故障時には精密な制御が行えないので、高圧バッテリ30の残容量を第1クラッチC1の締結制御によって制御する。
図6は、高圧バッテリ故障時電力制御の手順を説明するためのフローチャートである。同図に示すように、ここでは、高圧バッテリ故障時電力制御の要求があったか否かを判断する(ステップST1)。その結果、高圧バッテリ故障時電力制御の要求が無ければ(NO)、そのまま処理を終了し、高圧バッテリ故障時電力制御の要求があれば(YES)、続けて、モータ3の駆動力を使用した走行モードの禁止要求が出される(ステップST2)。その後、第1変速機構G1による奇数変速段をニュートラルにした状態での発電の要求を行い(ステップST3)、第2変速機構G2による偶数変速段のアップシフト禁止要求を行う(ステップST4)。
以上説明したように、本実施形態のハイブリッド車両の制御装置では、バッテリ故障センサ36で高圧バッテリ30の故障を検知したときに、第2クラッチC2を係合させることで、エンジン2の駆動力を第2変速機構G2による偶数変速段を介して出力軸CSに伝達して車両を走行させると共に、第1変速機構G1をニュートラルとし、第1クラッチC1を係合させることで、該第1クラッチC1でエンジン2の駆動力の一部をモータ3に伝達して該モータ3で発電を行い、12Vバッテリ22への電力供給をモータ3による発電電力のみで賄い、高圧バッテリ30の電力の授受は行わないように制御すると共に、第2変速機構G2で設定される偶数変速段のアップシフトを禁止しダウンシフトのみを許可する制御高圧バッテリ故障時電力制御を実施するようにした。
本実施形態にかかるハイブリッド車両の制御装置では、高圧バッテリ30に電力を入出力できない故障時に、第1変速機構G1による奇数変速段をニュートラルにして第1クラッチC1を係合させることで、該第1クラッチC1でエンジン2の駆動力の一部をモータ3に伝達する発電動作により、モータ3の発電で12Vバッテリ22を充電する制御を行うことで、高圧バッテリ30の残容量(SOC)の低下を回避できる。その際、第2変速機構G2による偶数変速段のアップシフトを禁止してダウンシフトのみを許可することにより、どのような車速で高圧バッテリ故障時電力制御を開始したとしても、最終的に(変速段が一定の変速段に維持されて)車速が一定以下となることで、高圧バッテリ故障時電力制御によるモータ3から12Vバッテリ22への電力の供給を連続的に行えるようになる。
また、本実施形態のハイブリッド車両の制御装置では、車速センサ35で検出した車速が所定の閾値以下の場合に上記の高圧バッテリ故障時電力制御を実施するようにしてよい。すなわち、車速が高くなるとモータ3の発電量が増加することで、12Vバッテリ22に供給される電力が増える。そして、12Vバッテリ22に供給される電力が過剰になると、その余剰分が高圧バッテリ30に供給されるおそれがある。そこで、車速が所定の閾値以下の場合に高圧バッテリ故障時電力制御を行うようにする。これにより、12Vバッテリ22に供給される電力が過剰になることでその余剰分が高圧バッテリ30に供給されることを防止できる。
また、本実施形態のハイブリッド車両の制御装置では、第2変速機構G2による偶数変速段が最低変速段である2速段になったら、以後の第2変速機構G2による変速動作(アップシフト)を禁止するようにしている。偶数変速段が最低変速段である2速段になるまでのシフトダウン時は、モータ3で12Vバッテリ22の消費電力を発電できないため、高圧バッテリ30の残容量が低下する。これに対して、最低変速段である2速段になった後の変速動作を禁止することで、それ以降、高圧バッテリ30の残容量の低下がなくなる。また、最終的に2速段までシフトダウンすることで、車両停車後の次回発進時の確実な発進(2速段による発進)が可能となる。
また、本実施形態では、高圧バッテリ30の故障には、複数の電池セルのうちいずれかの電池セルの電流又は電圧の少なくともいずれかが正常範囲外となる単セルの特性異常による故障が含まれる。したがって、高圧バッテリ30の電力の授受が行えない(高圧バッテリ30からの正常範囲内の放電を行えない)故障である単セル異常のときに、上記の高圧バッテリ故障時電力制御を実施することで、高圧バッテリ30の残容量の低下を確実に防止できる。
また、本実施形態では、バッテリ故障センサ36で高圧バッテリ30の故障が検知された場合、警報ランプ37を点灯させるようになっている。このように、警報ランプ37を備えることで、高圧バッテリ30の故障を運転者に報知することが可能となる。したがって、高圧バッテリ30の故障が生じた場合、運転者に速やかな停車を促すことができ、車速を迅速に減速させて高圧バッテリ故障時電力制御によるモータ3の発電で12Vバッテリ22に電力を供給可能な状態に移行させることが可能となる。
また、本実施形態では、エンジン2の始動後、高圧バッテリ故障時電力制御の実施中は、12Vバッテリ22への電力供給はモータ3が行い、高圧バッテリ30には電力を入出力させないようにしている。これにより、故障が生じている高圧バッテリ30の確実な保護を図ることができると共に、高圧バッテリ30の残容量の低下を防止できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、図2及び図3に示す変速機の詳細構成は一例であり、本発明にかかる変速機(ツインクラッチ式の変速機)は、少なくとも図1に示す基本的な構成を備えた変速機であれば、その詳細な構成は、図2及び図3に示すものには限定されず、他の構成を備えたものであってもよい。
また、上記実施形態に示す変速機4は、奇数変速段を設定するための第1変速機構G1を設けた内側回転軸(第1入力軸)IMSにモータ3の回転軸が連結されている構成の変速機であるが、これ以外にも、図示は省略するが、偶数変速段を設定するための変速機構を設けた回転軸にモータの回転軸が連結された構成の変速機とすることも可能である。
また、上記実施形態に示すツインクラッチ式の変速機4は、内側メインシャフト(第1入力軸)IMSと外側メインシャフト(第2入力軸)OMSの2本の入力軸からの駆動力が伝達される1本のカウンタシャフト(出力軸)CSを備えた構成であるが、本発明にかかるハイブリッド車両の制御装置が備える変速機は、上記以外にも、2本の入力軸それぞれからの駆動力が伝達される2本の出力軸を備えた構成の変速機であってもよい。
1 車両(ハイブリッド車両)
2 内燃機関(エンジン)
3 モータ(電動機)
4 変速機
5 ディファレンシャル機構
6R,6L ドライブシャフト
10 電子制御ユニット(制御手段)
20 PDU
21 DC−DCコンバータ(変圧器)
22 12V(低圧蓄電器)
23 電気負荷
30 高圧バッテリ(高圧蓄電器)
31 アクセルペダルセンサ
32 ブレーキペダルセンサ
33 シフトポジションセンサ
34 残容量検出器(高圧蓄電器残容量検出手段)
35 車速センサ(車速検出手段)
36 バッテリ故障センサ(高圧蓄電器故障検知手段)
37 警報ランプ(報知手段)
42,44,46 駆動ギヤ(変速ギヤ)
43,45,47 駆動ギヤ(変速ギヤ)
70 プラネタリギヤ機構
81,82 シンクロメッシュ機構(同期係合装置)
83,84,85 シンクロメッシュ機構(同期係合装置)
C1 第1クラッチ
C2 第2クラッチ
CS カウンタシャフト(出力軸)
IDS アイドルシャフト
IMS 内側メインシャフト(第1入力軸、入力軸)
OMS 外側メインシャフト(第2入力軸)
RVS リバースシャフト
SS セカンダリシャフト
G1 第1変速機構
G2 第2変速機構

Claims (6)

  1. 駆動源としての内燃機関と電動機を備えると共に、
    前記電動機に接続されると共に第1クラッチを介して選択的に前記内燃機関の機関出力軸に接続される第1入力軸と、
    第2クラッチを介して選択的に前記内燃機関の機関出力軸に接続される第2入力軸と、
    駆動輪側に動力を出力する出力軸と、
    前記第1入力軸と前記出力軸との間に配置されて奇数変速段と偶数変速段のいずれか一方を設定可能な第1変速機構と、
    前記第2入力軸と前記出力軸との間に配置されて奇数変速段と偶数変速段のいずれか他方を設定可能な第2変速機構と、を有する変速機と、
    前記電動機との間で電力の授受が可能な高圧蓄電器と、
    前記電動機又は前記高圧蓄電器からの電力を少なくとも降圧することが可能な変圧器と、
    前記変圧器を介して前記高圧蓄電器及び前記電動機との間で電力の授受が可能な低圧蓄電器と、
    前記第1、第2駆動源による車両の駆動、及び前記高圧蓄電器と前記低圧蓄電器の電力の授受を制御するための制御手段と、を備えるハイブリット車両の制御装置であって、
    前記高圧蓄電器の故障を検知する高圧蓄電器故障検知手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記高圧蓄電器故障検知手段で前記高圧蓄電器の故障を検知したときに、
    前記第2クラッチを係合させることで、前記内燃機関の駆動力を前記第2変速機構の変速段を介して前記出力軸に伝達して車両を走行させると共に、前記第1変速機構をニュートラルとし、前記第1クラッチを係合させることで、該第1クラッチで前記内燃機関の駆動力の一部を前記電動機に伝達して前記電動機で発電を行い、前記低圧蓄電器への電力供給を前記電動機による発電電力のみで賄い、前記高圧蓄電器の電力の授受は行わないように制御すると共に、
    前記第2変速機構で設定される変速段のアップシフトを禁止しダウンシフトのみを許可する高圧蓄電器故障時電力制御を実施する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 車速を検出する車速検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記車速検出手段で検出した車速が所定の閾値以下の場合に前記高圧蓄電器故障時電力制御を実施する
    ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  3. 前記高圧蓄電器の残容量を検出する高圧蓄電器残容量検出手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記高圧蓄電器残容量検出手段で検出した前記高圧蓄電器の残容量が所定の閾値よりも高くなると、前記第1クラッチの締結を解除するか締結量を低減させる制御を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  4. 前記制御手段は、
    前記高圧蓄電器故障時電力制御において、
    前記第2変速機構で設定される偶数変速段が最低変速段になったら、以後の前記第2変速機構による変速動作を禁止する
    ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  5. 前記高圧蓄電器の故障には、当該高圧蓄電器からの正常範囲の放電を行えない状態の故障が含まれる
    ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  6. 前記高圧蓄電器の故障を車両の運転者に報知するための報知手段を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
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