JP2014223041A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、電動リール、特に、複数の遊星歯車機構を含む減速機構を備えた電動リールに関する。
電動リールは、スプールの内部又はスプールの前方にモータが配置されており、このモータの回転を減速機構によって減速してスプールに伝達する。例えば、特許文献1に示された電動リールでは、スプール内部にモータが配置されており、モータの出力軸と同軸に減速機構が配置されている。減速機構は2つの遊星歯車機構を有している。これらの遊星歯車機構は、太陽ギア、太陽ギアが噛み合う複数の遊星ギア、遊星ギアを支持するキャリア、及び遊星ギアが噛み合うリングギアを有している。
以上のような電動リールの減速機構においては、1段目の遊星歯車機構の第1太陽ギアがモータの出力軸に固定されている。そして、1段目の遊星歯車機構の第1キャリアが2段目の遊星歯車機構の第2太陽ギアに連結され、この第2太陽ギアはモータの出力軸に回転自在に支持されている。また、2つの遊星歯車機構の遊星ギアは1つのリングギアに噛み合っており、このリングギアがスプールに固定されている。なお、リングギアはスプールと一体で形成されている場合もある。
前述のように、電動リールの減速機構の多くは、必要とする減速比を実現するために遊星歯車機構を有している。そして、減速機構の小型化、率いては、電動リール自体の小型化を図るために、特に、モータの回転軸方向のそれぞれの歯車の噛み合い(係合)の幅が狭くなっている。
また、前述のような従来の電動リールでは、必要とする減速比を実現するために、2つの遊星歯車機構を有している。そして、1段目の遊星歯車機構の第1キャリアと2段目の遊星歯車機構の第2太陽ギアは連結されている。より具体的には、筒状に形成された第1キャリアの内周部が第2太陽ギアの外周に係合しており、かつ第1キャリアと第2太陽ギアとが互いにカシメ固定されて、互いが別々に軸方向に移動しないようにして、遊星歯車機構の小型化を図っている。
以上のような減速機構において、モータからの回転負荷及びハンドルからの回転負荷がかかるため、長期の使用等によって減速機構がモータの回転軸方向にずれが生じ、それぞれの歯車の係合が外れることが考えられる。
特に、前述のような従来の電動リールでは、第1キャリアと第2太陽ギアとのカシメ固定が外れることが考えられる。このカシメ固定が外れ、第1キャリアが第2太陽ギアから軸方向に大きく離れると、両者の係合が外れて回転が伝達されなくなり、減速機構として機能しなくなる。
本発明の課題は、減速機構の軸方向のずれを防止することで、各歯車の係合が外れても、減速機構として機能させるようにすることにある。具体的には、1段目の遊星歯車機構のキャリアと2段目の遊星歯車機構の太陽ギアとのカシメ固定が外れても、減速機構として機能させるようにすることにある。
本発明の第1側面に係る電動リールは、リール本体と、リール本体に回転自在に支持されたスプールと、スプール内部に収容されスプールを駆動するモータと、モータの回転をスプールに伝達する減速機構と、減速機構の回転軸方向の移動を規制する移動規制機構と、を備えている。
この電動リールでは、モータの回転は減速機構を介してスプールに伝達される。ここで、何らかの原因によって減速機構が回転軸方向に移動すると、減速機構における例えば歯の噛み合い等が外れ、減速機構が機能しない場合がある。
そこで、本発明の電動リールでは、減速機構が回転軸方向に移動するのを移動規制機構によって規制している。このため、減速機構の機能が損なわれるのが防止される。
本発明の第2側面に係る電動リールは、第1側面の電動リールにおいて、移動規制機構はスプールの内壁に設けられている規制本体部を有している。
ここでは、スプールの内壁に設けられた規制本体部によって、減速機構の回転軸方向の移動が規制される。したがって、簡単な構成で減速機構の回転軸方向の移動を規制することができる。
本発明の第3側面に係る電動リールは、第2側面の電動リールにおいて、移動規制機構は規制本体部から回転軸方向に突出した突起部をさらに有している。
ここでは、規制本体部に設けられた突起部によって減速機構の回転軸方向の移動が規制される。したがって、前記同様に、簡単な構成で減速機構の回転軸方向の移動を規制することができることに加え、スプールの内壁に設けられた規制本体部の設置の自由度を向上させることができる。
本発明の第4側面に係る電動リールは、第2又は第3側面の電動リールにおいて、規制本体部は、モータが配置された空間と減速機構が配置された空間とを仕切る隔壁で構成されている。
ここでは、新たな構成を設けることなく、従来の構成を利用できるだけでなく、突起部を設けることで、より簡単な構成で減速機構の回転軸方向の移動を規制することができる。
本発明の第5側面に係る電動リールは、第1から第4側面のいずれかの電動リールにおいて、減速機構は第1遊星歯車機構を有している。第1遊星歯車機構は、モータの軸に固定された第1太陽ギアと、第1太陽ギアに噛み合う複数の第1遊星ギアと、第1遊星ギアを回転自在に支持する第1キャリアと、スプールと同期して回転するとともに第1遊星ギアに噛み合う第1リングギアと、を有している。
ここでは、モータの回転は、減速機構としての第1遊星歯車機構を介してスプールに伝達される。
本発明の第6側面に係る電動リールは、第5側面の電動リールにおいて、減速機構は第2遊星歯車機構をさらに有している。第2遊星歯車機構は、モータの軸に回転自在に支持されるとともに第1キャリアと同期して回転する第2太陽ギアと、第2太陽ギアに噛み合う複数の第2遊星ギアと、第2遊星ギアを回転自在に支持する第2キャリアと、スプールと同期して回転するとともに第2遊星ギアに噛み合う第2リングギアと、を有する。
ここでは、モータの回転は第1遊星歯車機構に伝達され、さらに第1遊星歯車機構の第1キャリアを介して第2遊星歯車機構に伝達される。そして、これらの遊星歯車機構のリングギアから減速された回転がスプールに伝達される。
ここで、何らかの原因によって、第1キャリアと第2太陽ギアとの間の軸方向移動規制のための構成(例えばカシメ固定)に不具合が生じる場合がある。
そこで、本発明の電動リールでは、移動規制機構が設けられており、減速機構、具体的には、第1キャリアのモータ側への移動が規制される。このため、第1キャリアと第2太陽ギアとの噛み合いが維持され、第1キャリアと第2太陽ギアとは互いの回転が同期される。
本発明の第7側面に係る電動リールは、第6側面の電動リールにおいて、第1キャリアは、環状に形成されるとともに、内周端部に係合部を有している。第2太陽ギアは、外周部に第1キャリアの係合部と係合する被係合部を有している。そして、第1キャリアと第2太陽ギアとは相対回転不能係合されている。
本発明の第8側面に係る電動リールは、第7側面の電動リールにおいて、第1キャリアの係合部は複数の係合歯を有している。また、第2太陽ギアの被係合部は第1キャリアの係合歯と噛み合う複数の被係合歯を有している。そして、係合歯と被係合歯とは互いにカシメ固定されている。
ここでは、第1キャリアと第2太陽ギアとのカシメ固定が外れても、移動規制機構によって第1キャリアが軸方向に移動するのが規制される。したがって、両者の係合が外れるのが防止され、第1キャリアと第2太陽ギアとの互いの回転は同期される。
本発明の第9側面に係る電動リールは、第5から第8側面のいずれかの電動リールにおいて、移動規制機構は、減速機構の第1キャリアの回転軸方向への移動を規制する第1キャリア移動規制部材を有している。
ここでは、前記同様に、第1キャリアと第2太陽ギアとのカシメ固定が外れても、第1キャリア移動規制部材によって第1キャリアが軸方向に移動するのが規制され、両者の係合が外れるのが防止される。
本発明の第10側面に係る電動リールは、第6から第9側面の電動リールにおいて、減速機構は第3遊星歯車機構をさらに有している。第3遊星歯車機構は、モータの軸に回転自在に支持されるとともに第2キャリアと同期して回転する第3太陽ギアと、第3太陽ギアに噛み合う複数の第3遊星ギアと、第3遊星ギアを回転自在に支持する第3キャリアと、スプールと同期して回転するとともに第3遊星ギアに噛み合う第3リングギアと、を有する。
ここでは、モータの回転は、第1、第2及び第3遊星歯車機構を介してスプールに伝達される。
本発明の第11側面に係る電動リールは、第10側面の電動リールにおいて、移動規制機構は、さらに、減速機構の第2キャリアの回転軸方向への移動を規制する第2キャリア移動規制部材を有している。
ここでは、第2キャリア移動規制部材によって第2キャリアの回転軸方向への移動が規制される。したがって、第2キャリアと第3太陽歯車との係合が外れるのが防止される。
以上のような本発明によれば、減速機構が回転軸方向に移動するのを移動規制機構によって規制しているため、減速機構の機能が損なわれるのが防止される。例えば、1段目の遊星歯車機構のキャリアと2段目の遊星歯車機構の太陽ギアとの間のカシメ固定等による固定が外れても、減速機構として機能させることができる。
[全体構成]
本発明の一実施形態を採用した電動リール1は、図1から図3に示すように、ハンドル2が装着されたリール本体3と、リール本体3に回転自在に装着されたスプール4と、スプール4内に配置されたモータ5及び減速機構6と、を備えている。リール本体3の上部には、水深表示等を行うためのカウンターケース7が装着されている。また、リール本体3の内部には、図3に示すように、ハンドル2の回転をスプール4に伝達する回転伝達機構8が設けられている。
本発明の一実施形態を採用した電動リール1は、図1から図3に示すように、ハンドル2が装着されたリール本体3と、リール本体3に回転自在に装着されたスプール4と、スプール4内に配置されたモータ5及び減速機構6と、を備えている。リール本体3の上部には、水深表示等を行うためのカウンターケース7が装着されている。また、リール本体3の内部には、図3に示すように、ハンドル2の回転をスプール4に伝達する回転伝達機構8が設けられている。
[リール本体3]
リール本体3は、図1から図3に示すように、フレーム10と、フレーム10の両側方を覆う第1側カバー11及び第2側カバー12と、上カバー13と、前カバー14と、を有している。上カバー13は、フレーム10と第1側カバー11及び第2側カバー12との間の上部に前後方向及び左右方向に沿って配置される。前カバー14はフレーム10の前方を覆う。
リール本体3は、図1から図3に示すように、フレーム10と、フレーム10の両側方を覆う第1側カバー11及び第2側カバー12と、上カバー13と、前カバー14と、を有している。上カバー13は、フレーム10と第1側カバー11及び第2側カバー12との間の上部に前後方向及び左右方向に沿って配置される。前カバー14はフレーム10の前方を覆う。
フレーム10は、第1側板10a及び第2側板10bと、第1側板10a及び第2側板10bを複数箇所で連結する連結部材10cと、を有している。第1側板10aには円形の第1開口10dが形成され、第1開口10dにはモータホルダ15が装着されている。第2側板10bには円形の第2開口10eが形成され、第2開口10eには、回転伝達機構8を含む各種の機構を装着するための機構装着板17が装着されている。機構装着板17は、第2側板10bと第2側カバー12との間に配置される。機構装着板17の中心部には、スプール4を支持するための軸受18が装着されている。また、下部の連結部材10cには、釣り竿を装着するための竿装着脚20が装着されている。
第1側カバー11は、ハンドル2と逆側に配置され、第1側板10aの外方を覆っている。第2側カバー12は、ハンドル2が装着された側に配置され、第2側板10bの外方を覆っている。
[スプール4]
スプール4は、図3に示すように、釣り糸が巻回される糸巻胴部4aと、糸巻胴部4aの両端に一体形成された第1フランジ部4b及び第2フランジ部4cと、を有する。糸巻胴部4aは、中空に形成され、内部にモータ5を収容するモータ収容空間4dと、減速機構6を収容する減速機構収容空間4eと、を有している。
スプール4は、図3に示すように、釣り糸が巻回される糸巻胴部4aと、糸巻胴部4aの両端に一体形成された第1フランジ部4b及び第2フランジ部4cと、を有する。糸巻胴部4aは、中空に形成され、内部にモータ5を収容するモータ収容空間4dと、減速機構6を収容する減速機構収容空間4eと、を有している。
また、スプール4は、一端が軸受22によってモータ5の後述するモータケースに回転自在に支持されている。スプール4の一方側(図3右側)の端面には、回転支持用の固定板23が固定されている。固定板23は、軸受18によって、リール本体3の機構装着板17に回転自在に支持されている。
[モータ5]
モータ5は、図4に示すように、モータケース25と、モータケース25の内周面に設けられた固定子26と、固定子26の内周側に配置された回転子27と、回転子27が固定された出力軸28と、を有している。
モータ5は、図4に示すように、モータケース25と、モータケース25の内周面に設けられた固定子26と、固定子26の内周側に配置された回転子27と、回転子27が固定された出力軸28と、を有している。
モータケース25は、筒部25aと、筒部25aの一端にねじ込み固定された底部25bと、を有している。底部25bは軸受30によって出力軸28に回転自在に支持されている。筒部25aの他端部は、軸受30によってスプール4に回転自在に支持されている。また、筒部25aの他端部外周面には雄ネジ部が形成され、この雄ネジ部にモータホルダ15が螺合されている。
固定子26は、筒部25aの内周面に固定された図示しない複数(例えば3個)の積層コアと、積層コアに巻回されるコイルと、を有する。回転子27は出力軸28に一体回転可能に取り付けられている。
出力軸28は、モータケース25に装着された軸受22と、モータホルダ15に装着された軸受30と、によって支持されている。出力軸28の先端部(図3及び図4において右側)には、減速機構6が連結されている。また、出力軸28の他端部(図3及び図4において左側)には、出力軸28の糸繰り出し方向の回転を禁止するためのワンウェイクラッチ32が装着されている。
[駆動系]
スプール4の内部及び第2側カバー12の内部には、図3及び図4に示すように、スプール4を回転駆動するための駆動系が設けられている。駆動系は、スプール4の内部に配置された減速機構6と、第2側カバー12内に配置されハンドル軸34に装着されたドラグ機構35と、ドラグ機構35と減速機構6との間に配置されたピニオンギア36及びクラッチ機構37と、を有している。
スプール4の内部及び第2側カバー12の内部には、図3及び図4に示すように、スプール4を回転駆動するための駆動系が設けられている。駆動系は、スプール4の内部に配置された減速機構6と、第2側カバー12内に配置されハンドル軸34に装着されたドラグ機構35と、ドラグ機構35と減速機構6との間に配置されたピニオンギア36及びクラッチ機構37と、を有している。
<減速機構6>
減速機構6は、第1遊星歯車機構41と、第2遊星歯車機構42と、キャリア移動規制部材43と、を有している。
減速機構6は、第1遊星歯車機構41と、第2遊星歯車機構42と、キャリア移動規制部材43と、を有している。
第1遊星歯車機構41は、第1太陽ギア41sと、複数の第1遊星ギア41pと、第1キャリア41cと、リングギアRgと、を有している。第1太陽ギア41sはモータ5の出力軸28に固定されている。複数の第1遊星ギア41pのそれぞれは、第1太陽ギア41s及びリングギアRgに噛み合い、支持ピン41mによって第1キャリア41cに回転自在に支持されている。第1キャリア41cは、環状に形成され、内周端部に、図5に示すような複数の歯41tを有している。なお、図5は第1キャリア41cの内周端部の一部を拡大して示したものである。リングギアRgはスプール4の内壁に、スプール4と一体で形成されている。
第2遊星歯車機構42は、第2太陽ギア42sと、複数の第2遊星ギア42pと、第2キャリア42cと、リングギアRg(第1遊星歯車機構のリングギアと共通)と、を有している。第2太陽ギア42sはモータ5の出力軸28に回転自在に支持されている。第2太陽ギア42sの外周面のモータ側の端部には、複数の歯42t(図5参照)が形成されており、この歯42tが第1キャリア41cの内周端部に形成された歯41tと噛み合っている。また、第1キャリア41cと第2太陽ギア42sとはカシメ固定されており、それぞれが独立して軸方向に移動することが禁止されている。複数の第2遊星ギア42pのそれぞれは、第2太陽ギア42s及びリングギアRgに噛み合い、第1遊星歯車機構41と同様に、支持ピン42mによって第2キャリア42cに回転自在に支持されている。第2キャリア42cは、内周部に、軸方向外側(モータと離れる側)に延びる筒状軸42caを有しており、この筒状軸42caの先端がピニオンギア36に連結されている。
<移動規制機構>
移動規制機構は、本実施形態においては、モータ5が配置された空間と減速機構6が配置された空間とを仕切る隔壁である規制本体部としての区画プレート45と、区画プレート45に設けられた突起としてのキャリア移動規制部材43と、から構成されている。より詳細には、スプール4の内部には、モータ5が配置されたモータ収容空間4dと減速機構6が配置された減速機構収容空間4eとを仕切る環状の区画プレート45が固定されている。モータ収容空間4dは減速機構収容空間4eより大径であり、区画プレート45の外周部がモータ収容空間4dの減速機構収容空間4e側の側壁に固定されている。そして、この区画プレート45の内周部において、減速機構6側の側面に、キャリア移動規制部材43が固定されている。キャリア移動規制部材43は、環状の部材であり、第1遊星歯車機構41の支持ピン41mと軸方向で対向する位置に設けられている。
移動規制機構は、本実施形態においては、モータ5が配置された空間と減速機構6が配置された空間とを仕切る隔壁である規制本体部としての区画プレート45と、区画プレート45に設けられた突起としてのキャリア移動規制部材43と、から構成されている。より詳細には、スプール4の内部には、モータ5が配置されたモータ収容空間4dと減速機構6が配置された減速機構収容空間4eとを仕切る環状の区画プレート45が固定されている。モータ収容空間4dは減速機構収容空間4eより大径であり、区画プレート45の外周部がモータ収容空間4dの減速機構収容空間4e側の側壁に固定されている。そして、この区画プレート45の内周部において、減速機構6側の側面に、キャリア移動規制部材43が固定されている。キャリア移動規制部材43は、環状の部材であり、第1遊星歯車機構41の支持ピン41mと軸方向で対向する位置に設けられている。
<ドラグ機構35及びクラッチ機構37>
図3に示すように、ドラグ機構35は、メインギア47と、このメインギア47内に収容されたクラッチ部48と、を有している。ドラグ機構35は、ハンドル軸34とメインギア47のいずれか一方に回転不能に連結された複数の摩擦プレート及び中間プレートと、これらのプレートを押圧する皿バネと、から構成されている。そして、スタードラグ49を調整することによってそのドラグ力を変更することが可能である。
図3に示すように、ドラグ機構35は、メインギア47と、このメインギア47内に収容されたクラッチ部48と、を有している。ドラグ機構35は、ハンドル軸34とメインギア47のいずれか一方に回転不能に連結された複数の摩擦プレート及び中間プレートと、これらのプレートを押圧する皿バネと、から構成されている。そして、スタードラグ49を調整することによってそのドラグ力を変更することが可能である。
ピニオンギア36はメインギア47に噛み合っている。ピニオンギア36は第2側カバー12に支持された支持軸50の回りに回転自在に支持されている。クラッチ機構37は、スプール4を巻上状態と自由状態とに切り換えるものであり、クラッチオフすると自由状態となり、釣糸を繰り出すことが可能となる。また、クラッチオンすると巻上状態となり、モータ5またはハンドル2による巻き上げ動作を行うことが可能となる。クラッチ機構37は、ピニオンギア36の一端と第2キャリア42cの筒状軸42caの一端とによって構成されている。これらの対向する端部同士は噛み合いが可能であり、ピニオンギア36を筒状軸42caから離す方向に移動させるとクラッチが解除された状態(クラッチオフ)となり、また逆方向に移動させることによってクラッチが接続された状態(クラッチオン)となる。なお、クラッチ機構37は、図示しないクラッチ操作機構によってクラッチをオン/オフすることが可能である。
[動作]
まず、クラッチ機構37が接続(クラッチオン)された状態でモータ5を回転させると、出力軸28とともに第1太陽ギア41sが回転する。これにより、この第1太陽ギア41s及びリングギアRgに噛み合う第1遊星ギア41pが第1キャリア41cとともに公転する。また、第1キャリア41cと第2太陽ギア42sとは連結されているので、第2太陽ギア42sも同方向に回転する。ここで、第2キャリア42cは、クラッチ機構37によりハンドル軸34に連結されており、ハンドル軸34はラチェットにより逆転禁止されているので、第2キャリア42cは公転が禁止された状態である。したがって第2太陽ギア42sが回転すると、第2遊星ギア42pが自転しスプール4をモータ5の回転方向と逆方向に減速回転させる。
まず、クラッチ機構37が接続(クラッチオン)された状態でモータ5を回転させると、出力軸28とともに第1太陽ギア41sが回転する。これにより、この第1太陽ギア41s及びリングギアRgに噛み合う第1遊星ギア41pが第1キャリア41cとともに公転する。また、第1キャリア41cと第2太陽ギア42sとは連結されているので、第2太陽ギア42sも同方向に回転する。ここで、第2キャリア42cは、クラッチ機構37によりハンドル軸34に連結されており、ハンドル軸34はラチェットにより逆転禁止されているので、第2キャリア42cは公転が禁止された状態である。したがって第2太陽ギア42sが回転すると、第2遊星ギア42pが自転しスプール4をモータ5の回転方向と逆方向に減速回転させる。
また、クラッチ機構37が接続(クラッチオン)された状態でハンドル2を回転させると、ハンドル2の回転はドラグ機構35を介してピニオンギア36に伝達される。このとき、モータ5の出力軸28はワンウェイクラッチ32により逆転が禁止されているので、第1太陽ギア41sは回転しない。この状態では、ハンドル2によってピニオンギア36に回転が伝達されると、第2キャリア42cが公転し、それにより第2遊星ギア42pが公転しながら自転してスプール4を回転させる。
以上のような動作中に、第1キャリア41cと第2太陽ギア42sとのカシメ固定が外れる場合がある。第1キャリア41cと第2太陽ギア42sとは、前述のように、複数の歯41t,42tで互いに噛み合っているので、カシメ固定が外れて両者が軸方向にある程度移動して離れても、回転は伝達される。しかし、両者の軸方向の移動距離が大きくなると、互いの噛み合いが外れ、回転が伝達されなくなる。
そこでこのリールでは、第1キャリア41cがモータ5側に移動するのを規制するための、キャリア移動規制部材43が設けられており、これにより第1キャリア41cの軸方向の移動距離が抑えられる。具体的には、第1キャリア41cがモータ5側に移動すると、第1キャリア41cの支持ピン41mは、区画プレート45の側面に固定されたキャリア移動規制部材43に当接し、第1キャリア41cのモータ5側への移動が規制される。このため、第1キャリア41cと第2太陽ギア42sとの噛み合いが外れるのを防止でき、減速機構6の機能が損なわれることはない。
また、第1キャリア41cがキャリア移動規制部材43に当接する場合は、キャリア移動規制部材43と支持ピン41mとが当接するので、これらの当接によって第1遊星ギア41pの自転に制動力が作用することはない。
[他の実施形態]
(a)前記実施形態では、スプール4の内周部に区画プレート45を設け、この区画プレート45にキャリア移動規制部材43を設けたが、移動規制部材の構成はこの構成に限定されない。例えば、図6に示すように、スプール52の内周部に、スプール52と一体で内周壁52aを形成し、この内周壁52aから第1キャリア41c側に突出するキャリア移動規制部材43を設けてもよい。
(a)前記実施形態では、スプール4の内周部に区画プレート45を設け、この区画プレート45にキャリア移動規制部材43を設けたが、移動規制部材の構成はこの構成に限定されない。例えば、図6に示すように、スプール52の内周部に、スプール52と一体で内周壁52aを形成し、この内周壁52aから第1キャリア41c側に突出するキャリア移動規制部材43を設けてもよい。
また、キャリア移動規制部材は、内周壁52aと一体で形成することによって構成してもよい。
(b)キャリア移動規制部材のさらに他の例を図7に示す。この例では、第1太陽ギア41s’の外周面において、モータ5側の端部に、他の外周面よりも大径の部分43’を設け、この大径部分43’をキャリア移動規制部材としている。この例においても、第1キャリア41cと第2太陽ギア42sとのカシメ固定が外れ、第1キャリア41cがモータ5側に移動しても、第1キャリア41cに支持された第1遊星ギア41pの側面が第1太陽ギア41s’の大径部分43’に当接することにより、第1キャリア41cのモータ5側への移動を規制することができる。
(c)前記実施形態では、キャリア移動規制部材43を支持ピン41mに当接させることによって第1キャリア41cの移動を規制したが、例えば第1キャリアに突起等の第1係合部を設けるとともに、この第1係合部と軸方向において対向する第2係合部をスプール内部に設け、これらの係合部を当接させることによって第1キャリアの軸方向の移動を規制するようにしてもよい。
(d)図8に減速機構の他の例を示している。この図8に示す減速機構60は、第1遊星歯車機構61と、第2遊星歯車機構62と、第3遊星歯車機構63と、を有している。第1遊星歯車機構61の構成は図3及び図4に示した構成と同様であり、詳細な説明は省略する。また、減速機構以外の構成は、第1キャリアの軸方向の移動を規制する構成も含めて、図3及び図4に示した構成とまったく同様である。
第2遊星歯車機構62は、第2キャリア62cのみが図3及び図4に示した構成と異なり、他の構成は同様である。この第2遊星歯車機構62の第2キャリア62cは、筒状に形成され、環状に形成され、内周端部に前記実施形態と同様の複数の歯62tを有している。
第3遊星歯車機構63は、第3太陽ギア63sと、複数の第3遊星ギア63pと、第3キャリア63cと、リングギアRg(第1及び第2遊星歯車機構のリングギアと共通)と、を有している。第3太陽ギア63sはモータ5の出力軸28に回転自在に支持されている。第3太陽ギア63sの外周面のモータ側の端部には、複数の歯63tが形成されており、この歯63tが第2キャリア62cの内周端部に形成された歯62tと噛み合っている。また、第2キャリア62cと第3太陽ギア63sとはカシメ固定されており、それぞれが独立して軸方向に移動することが禁止されている。複数の第3遊星ギア63pのそれぞれは、第3太陽ギア63s及びリングギアRgに噛み合い、他の遊星歯車機構61,62と同様に、支持ピン63mによって第3キャリア63cに回転自在に支持されている。第3キャリア63cは、内周部に、軸方向外側(モータと離れる側)に延びる筒状軸63caを有しており、この筒状軸63caの先端がピニオンギア36に連結されている。
(e)図9にさらに他の実施形態を示す。この図9に示す例では、基本的な構成が図8に示した例と同様である。すなわち、図9に示す実施形態の減速機構は、第1遊星歯車機構61と、第2遊星歯車機構62と、第3遊星歯車機構63と、を有している。各遊星歯車機構61から63の構成は、軸方向の寸法(幅)を除いて、図8に示した構成と同じである。この例では、各部材の配置の関係から、第1キャリア61cと第2太陽ギア62sとの係合だけではなく、第2キャリア62cと第3太陽ギア63sとの係合も外れる可能性がある。
そこで、図9に示した例では、第2太陽ギア62sの外周面において、モータ5側の端部に、他の外周面よりも大径の部分65を設け、この大径部分65によって第2キャリア62cがモータ側に移動するのを規制している。この例においても、第2キャリア62cと第3太陽ギア63sとのカシメ固定が外れ、第2キャリア62cがモータ5側に移動しても、第2キャリア62cに支持された第2遊星ギア62pの側面が第2太陽ギア62sの大径部分65に当接することにより、第2キャリア62cのモータ5側への移動を規制することができる。したがって、第2キャリア62cと第3太陽ギア63sとの係合が維持され、減速機構としての機能が損なわれることはない。
なお、図9に示した実施形態において、各部材の配置によっては、第1キャリア61cの軸方向移動を規制するキャリア移動規制部材43は省略してもよい。
1 電動リール
3 リール本体
4 スプール
5 モータ
6 減速機構
28 モータ出力軸
41,61 第1遊星歯車機構
41s,41s’,61s 第1太陽ギア
41p,61p 第1遊星ギア
41c,61c 第1キャリア
41t 歯
Rg リングギア
42,62 第2遊星歯車機構と、
42s,62s 第2太陽ギア
42p,62p 第2遊星ギア
42c,62c 第2キャリア
42t 歯
43 キャリア移動規制部材
41m,63m 支持ピン
45 区画プレート
63 第3遊星歯車機構
63s 第3太陽ギア
63p 第3遊星ギア
63c 第3キャリア
3 リール本体
4 スプール
5 モータ
6 減速機構
28 モータ出力軸
41,61 第1遊星歯車機構
41s,41s’,61s 第1太陽ギア
41p,61p 第1遊星ギア
41c,61c 第1キャリア
41t 歯
Rg リングギア
42,62 第2遊星歯車機構と、
42s,62s 第2太陽ギア
42p,62p 第2遊星ギア
42c,62c 第2キャリア
42t 歯
43 キャリア移動規制部材
41m,63m 支持ピン
45 区画プレート
63 第3遊星歯車機構
63s 第3太陽ギア
63p 第3遊星ギア
63c 第3キャリア
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