JP2014219184A - 保湿保冷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来型のドライアイスや機械式の冷蔵庫に代わる、安価でかつ鮮度劣化を最小限に抑えることができる保湿保冷装置を提供すること。
【解決手段】気密性を有する収容空間Kを有し、被保冷物Sを収容空間Kに収容可能な収容部2と、収容部2の収容空間Kの上方側に配置され、内部に液状又はゲル状の蓄冷剤が充填され、予め凍らせた蓄冷剤が固体から液体に相変化する際の融解潜熱により収容部2の収容空間Kを冷却して保冷する蓄冷部材5と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、青果物の特性に合わせて温度及び湿度を長時間保持することで鮮度劣化を最小限に抑えることができる保湿保冷装置に関する。
従来、日本の青果物を長時間かけて海外市場に流通させるには、消費地において一時保管用の低温貯蔵施設や配送用の冷蔵車などが利用できることを確認し、その上で国内の圃場から空港までは冷蔵車で輸送し、そこから海外の仕向け地までは保冷コンテナにドライアイスを載せて輸送する手段が使われてきた(特許文献1、2等参照)。
また、陸上配送に使われる冷蔵車や航空輸送に使われる保冷コンテナは、冷気循環の不良による青果物の鮮度劣化や、それに伴う廃棄ロスという課題を抱えており、輸出促進の足かせとなっていた(特許文献2、非特許文献1等参照)。
特開2004−218889号公報 特開2005−104580号公報
青果保蔵汎論、緒方邦安、建帛社、p168、1977 農業機械学会誌68(3)、内野ら、p72〜77、2006
そのため、従来型のドライアイスや機械式の冷蔵庫に代わる、安価でかつ鮮度劣化を最小限に抑えることができる保湿保冷装置が望まれる。
本発明は、新しい技術と知恵で以上のような課題を克服し、日本の青果物の輸出促進に貢献するためになされたものである。
本発明は、従来型のドライアイスや機械式の冷蔵庫に代わる、安価でかつ鮮度劣化を最小限に抑えることができる保湿保冷装置を提供することを目的とする。
本発明は、気密性を有する収容空間を有し、被保冷物を前記収容空間に収容可能な収容部と、前記収容部の前記収容空間の上方側に配置され、内部に液状又はゲル状の蓄冷剤が充填され、予め凍らせた前記蓄冷剤が固体から液体に相変化する際の融解潜熱により前記収容部の前記収容空間を冷却して保冷する蓄冷部材と、を備える保湿保冷装置に関する。
また、前記被保冷物と前記蓄冷部材との間に配置されるカバー部材を更に備えることが好ましい。
また、前記カバー部材は、前記収容部の前記収容空間の湿度を調整するために、前記収容部の前記収容空間において設定される異なる湿度に応じて、異なる厚みのカバー部材が用いられることが好ましい。
また、前記カバー部材は、前記蓄冷部材を収容可能な袋状に形成され、前記カバー部材の厚みは、前記蓄冷部材が収容された場合に、前記蓄冷部材に対して一方側と他方側とにおいて異なることが好ましい。
また、前記被保冷物を包装可能なフィルムを更に備えることが好ましい。
また、前記蓄冷部材を複数備え、前記複数の蓄冷部材は、積み重ねられることが好ましい。
本発明によれば、従来型のドライアイスや機械式の冷蔵庫に代わる、安価でかつ鮮度劣化を最小限に抑えることができる保湿保冷装置を提供することができる。
第1実施形態に係る保湿保冷装置1の全体構成図であり、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。 野菜及び果物類の品質保持に好適な温度と湿度とを示す図である。 第1実施形態の保湿保冷装置1を用いてホウレンソウを保存した場合の実験結果を示すグラフである。 第1実施形態の保湿保冷装置1を用いてカキを保存した場合の実験結果を示すグラフである。 第2実施形態に係る保湿保冷装置1Aの全体構成図であり、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。 第3実施形態に係る保湿保冷装置1Bの全体構成を示す斜視図である。 第3実施形態に係る保湿保冷装置1Bの全体構成を示す断面図であり、(a)はカバー部材6の厚みが1mmの部分が青果物Sと蓄冷プレート5との間に配置された状態を示す図であり、(b)はカバー部材6の厚みが4mmの部分が青果物Sと蓄冷プレート5との間に配置された状態を示す図である。 第4実施形態に係る保湿保冷装置1Cの全体構成を示す断面図であり、青果物Sが包装フィルム7に包装された状態で保存される図である。 実施例1及び比較例1における収容空間Kの温度変化及び湿度変化を示すグラフである。 実施例2及び比較例2における収容空間Kの温度変化及び湿度変化を示すグラフである。 実施例3及び比較例3における収容空間Kの温度変化及び湿度変化を示すグラフである。 実施例3及び比較例4における貯蔵中の相対アスコルビン酸含量の変化(エラーバーは標準偏差を示す)を示すグラフである。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る保湿保冷装置1について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る保湿保冷装置1の全体構成図であり、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。図2は、野菜及び果物類の品質保持に好適な温度と湿度とを示す図である。図3は、第1実施形態の保湿保冷装置1を用いてホウレンソウを保存した場合の実験結果を示すグラフである。図4は、第1実施形態の保湿保冷装置1を用いてカキを保存した場合の実験結果を示すグラフである。
本実施形態に係る保湿保冷装置1は、被保冷物としての青果物Sの特性に合わせて、温度及び湿度を長時間安定して保持することで、鮮度劣化を最小限に抑制することができる装置である。青果物には、例えば、生の野菜や果物等がある。
図1に示すように、第1実施形態の保湿保冷装置1は、収容部としての収容ボックス2と、蓄冷部材としての蓄冷プレート5と、を備える。
収容ボックス2は、その内部に、気密性を有する収容空間Kを有する。収容空間Kには、青果物Sを収容可能である。収容ボックス2は、収容ボックス本体3と、蓋部材4と、を有する。収容ボックス本体3は、外側ボックス31と、内側ボックス32と、を有する。
外側ボックス31は、薄板状の部材により、上方側が開放された中空の直方体形状の箱状に形成される。内側ボックス32は、外側ボックス31の内部に配置される。内側ボックス32は、厚板状の部材により、外側ボックス31よりも高さが低く形成され、上方側が開放された中空の直方体形状の箱状に形成される。内側ボックス32の内側には、収容空間Kが形成されている。本実施形態においては、例えば、外側ボックス31の厚みは5mm程度に形成され、内側ボックス32の厚みは5cm程度に形成される。
外側ボックス31は、一対のボックス延出部31A、31Aを有する。一対のボックス延出部31A、31Aは、外側ボックス31の幅方向の両端において、外側ボックス31の上端から上方側に延びる。一対のボックス延出部31A、31Aにおける外側ボックス31の幅方向の内側の面には、後述する蓋部材4の上面に着脱可能な面ファスナーが設けられている。
収容ボックス本体3の上部には、厚板状の蓋部材4が取り付けられている。蓋部材4の一端部は、収容ボックス本体の外側ボックス31の上端部に連結されており、蓋部材4は、蓋部材4と外側ボックス31とが連結される部分を中心軸として回動可能に構成され、収容ボックス本体3の上面を開閉可能である。本実施形態においては、例えば、蓋部材4の厚みは5cm程度に形成される。
蓋部材4は、蓋部材延出部41を有する。蓋部材延出部41における蓋部材4の裏側(収容ボックス本体3の上面を閉めた際に外側ボックス31の側面に対向する側)の面には、外側ボックス31の側面に着脱可能な面ファスナーが設けられている。
蓋部材4における収容空間K側の面(裏面)には、メッシュ状袋体42が取り付けられている。本実施形態においては、メッシュ状袋体42は、メッシュ状の袋体により形成され、蓄冷プレート5を挿入可能である。
このように構成される収容ボックス2は、収容ボックス本体3の上方側の開放部分が蓋部材4により閉じられた状態で、一対のボックス延出部31A、31Aの面ファスナーが蓋部材4の上面に装着されると共に、蓋部材延出部41の面ファスナーが外側ボックス31の側面に装着されることで、収容空間Kにおいて気密性を有するように構成される。収容ボックス2は、外気の空気を流入しにくくして、収容空間Kの温度及び湿度を安定して保持する。なお、収容ボックス2は、断熱性を有する部材により構成されていてもよい。
蓄冷プレート5は、所定の厚みを有した板状に形成される。蓄冷プレート5は、平面視で長方形形状である。蓄冷プレート5は、メッシュ状袋体42の内部に挿入されて、蓋部材4の裏面に取り付けられる。なお、メッシュ状袋体42は、メッシュ状に形成されており、蓄冷プレート5を蓋部材4の裏面に保持させるためだけの部材であり、蓄冷プレート5により冷却されて熱対流現象(比重の差)により落下された気体を遮断することなく、蓄冷プレート5の保冷及び保湿の効果には影響を与えない。この状態で、収容ボックス2において蓋部材4が閉じられることで、収容空間Kにおいて気密性を有した状態で、蓄冷プレート5は、収容ボックス2の収容空間Kの上方側に配置される。
蓄冷プレート5は、中空状の箱状のケース体の内部に、液体又はゲル状の蓄冷剤が充填されることにより構成される。蓄冷プレート5の中空状の箱状のケース体は、例えば、樹脂製のケースで構成される。
蓄冷剤としては、例えば、融解潜熱の大きい水を主体として、これに寒剤(冷却剤)やゲル化剤を適宜添加し、必要に応じて、核剤、着色剤、防腐剤等を添加することで構成される。蓄冷剤の溶融温度(融点)は、寒剤(冷却剤)の種類や添加量を調整して適宜設定することができる。蓄冷剤にゲル化剤を添加することにより、蓄冷剤は、適度な粘性を有した安定したゲル状になる。本実施形態の蓄冷剤は、高吸水性樹脂から成る一般的な保冷剤と異なり、塩化ナトリウムとゲル化剤を調合することにより、任意の温度で一定に保つことを可能としたものである。また、本実施形態に使用される蓄冷剤は、一般的な保冷剤と異なり、収容ボックス2の収容空間Kの温度を長時間保持できる成分により構成される。すなわち、本発明に用いられる蓄冷剤が充填される蓄冷プレート5は、一般的な保冷剤よりも、温度を長時間保持する恒温機能が優れている。
蓄冷剤は、使用開始前に、蓄冷剤の溶融温度(融点)よりも10℃程度低い温度に設定された冷凍庫内で、所定時間、例えば12時間以上掛けて冷凍される。
蓄冷プレート5は、予め凍らせた蓄冷剤が固体から液体に相変化する際の融解潜熱により収容ボックス2の収容空間Kを冷却して保冷する。
蓄冷プレート5は、蓄冷剤の融解温度を設定することで、収容ボックス2の収容空間Kの温度を異ならせることができる。例えば、蓄冷プレート5に充填される蓄冷剤の融解温度(融点)を、0℃、5℃、10℃等に設定することができる。蓄冷プレート5の温度は、内部に充填された蓄冷剤の温度と略同一の温度である。
蓄冷プレート5は、前述の通り、収容空間Kの上方側に配置される。収容空間Kの上方側に配置される蓄冷プレート5の内部に充填された蓄冷剤は、固体から液体に相変化する際の融解潜熱により、周囲の気体の熱を吸熱する。これにより、蓄冷プレート5の周囲の気体は冷却される。蓄冷プレート5に冷却された気体は、熱対流現象(比重の差)により収容空間Kにおいて上方から下方に向けて落下し、拡散される。これにより、蓄冷プレート5は、収容空間Kを冷却する。
ここで、前述の通り、蓄冷プレート5は、気密性を有する収容ボックス2の収容空間Kに配置される。これにより、収容ボックス2の収容空間Kが気密性を有するため、例えば温度が20℃から0℃に変化する際に飽和水蒸気量が低下して、収容ボックス2の収容空間Kにおいて湿度が上昇し、収容空間Kの湿度は例えば90〜100%程度になる。そして、湿度が90〜100%程度の状態が所定時間保持される。特に、本発明に用いられる蓄冷剤が充填される蓄冷プレート5は、一般的な保冷剤よりも、温度を長時間保持する恒温機能が優れているため、湿度を長時間保持する恒湿機能も優れている。
また、本実施形態においては、蓄冷プレート5を複数使用した場合には、設定される温度及び湿度が保持される時間が枚数の分だけ増加する。例えば、蓄冷プレート5を3枚積み重ねて配置した場合には、設定される温度及び湿度が保持される時間は、1枚の場合に比べて3倍の時間になる。また、例えば、蓄冷プレート5を4枚積み重ねて配置した場合には、設定される温度及び湿度が保持される時間は、1枚の場合に比べて4倍の時間になる。
次に、本実施形態における保湿保冷装置1の作用について説明する。
まず、保湿保冷装置1で保冷される青果物Sの温度及び湿度の環境について説明する。図2に示すように、例えば、青果物S(野菜及び果物類)には、保存する場合において、それぞれの青果物Sに最適な温度及び湿度がある。青果物を最適な温度及び湿度の環境下で長時間にわたって保存することで、青果物の新鮮さを長持ちさせることができる。具体的には、図2に示すように、例えば、ホウレンソウの場合には、温度が0〜2℃で、湿度が95%よりも大きいことが最適である。また、例えば、カキ(柿)の場合には、温度が0℃で、湿度が95%よりも大きいことが最適である。
そのため、本実施形態における保湿保冷装置1においては、その青果物Sを保存するのに最適な温度及び湿度に設定された収容空間Kに青果物Sを収容して、青果物Sを保冷及び保湿する。
具体的には、収容空間Kに青果物Sを収容した状態で、気密性を有する収容空間Kに蓄冷プレート5を配置して、収容空間Kの温度及び湿度を青果物Sに最適な温度及び湿度に設定する。例えば蓄冷剤の融解温度(融点)が0℃であって十分に冷凍された蓄冷プレート5を蓋部材4の裏面にメッシュ状袋体42により保持させて、収容ボックス2の蓋部材4を閉める。
これにより、蓄冷プレート5の内部に充填された蓄冷剤は、固体から液体に相変化する際の融解潜熱により、周囲の気体の熱が吸熱されて、蓄冷プレート5の周囲の気体は、蓄冷剤の融解温度の0℃に冷却される。蓄冷プレート5に冷却された気体は、熱対流現象(比重の差)により、収容空間Kへ落下して拡散する。このため、収容ボックス2の収容空間Kにおいて、温度が0℃程度になり、温度が0℃程度の状態が所定時間保持される。また、収容ボックス2の収容空間Kが気密性を有するため、例えば収容空間Kの内部の温度が20℃から0℃に変化する際に飽和水蒸気量が低下して、収容ボックス2の収容空間Kにおいて、湿度が95%程度になる。そして、湿度が95%程度の状態が所定時間保持される。ここで、本実施形態の蓄冷プレート5は、一般的な保冷剤よりも、温度を長時間保持する恒温機能に優れている。そのため、蓄冷プレート5は、収容ボックス2の収容空間Kの温度及び湿度を長時間安定して保持する。
ここで、例えば、本発明の保湿保冷装置1を用いた場合の収容ボックス2の収容空間Kの温度及び湿度の実験結果として、図3に示すホウレンソウ(ほうれん草)及び図4に示すカキ(柿)を保湿及び保冷した場合について説明する。図3及び図4においては、第1実施形態の保湿保冷装置1において、収容ボックス2の収容空間Kの容量が16Lのものを使用し、蓄冷プレート5を収容空間Kの上方側に3枚積み重ねたものを使用した。
図3に示すように、ホウレンソウ(ほうれん草)の実験においては、収容ボックス2の収容空間Kにホウレンソウを収容して、収容空間Kの上方に積み重ねられた3枚の蓄冷プレート5により、収容空間Kの保冷及び保湿を行った。図3に示すように、ホウレンソウの実験においては、収容空間Kの温度が0℃〜10℃程度、及び、収容空間Kの湿度が90〜100%程度で、72時間安定して保持されたことを確認できた。
また、図4に示すように、カキ(柿)の実験結果においては、収容ボックス2の収容空間Kにホウレンソウを収容して、収容空間Kの上方に積み重ねられた3枚の蓄冷プレート5により、収容空間Kの保冷及び保湿を行った。図4に示すように、収容空間Kの温度が5℃程度、及び、収容空間Kの湿度が75〜95%程度で、699時間(29日)安定して保持されたことを確認できた。
次に、本発明の保湿保冷装置1を使用した場合の青果物Sを流通させる仕組みについて説明する。
具体的には、流通行程においては、蓄冷プレート5及び収容ボックス2を積み替えなしで行う方法(一つの輸送会社が国内の集荷先から、海外の配達先まで同じ蓄冷プレート5と収容ボックス2で青果物を輸送するケース)と積み替えありで行う方法(複数の輸送会社が担当する行程で青果物をそれぞれの持つ蓄冷プレートとボックスに積み替えるケース)とがあり、それぞれについて下記に説明する。
まず、積み替えなしのケースについて説明する。生産者が圃場で収穫した青果物を、蓄冷プレート5と共に収容ボックス2に入れて、仕分け場へ運ぶ。輸送会社が仕分け場で青果物を集荷し、トラックに搭載された収容ボックス2に入れ、そのままの形態で海外の消費者へ配達する。海外の消費者が青果物を受け取り、収容ボックス2に入れて消費するまで保存する。
一方、積み替えありのケースについて説明する。生産者が圃場で収穫した青果物を、蓄冷プレート5と共に収容ボックス2に入れて、仕分け場へ運ぶ。輸送会社が仕分け場で青果物を集荷し、トラックに搭載された収容ボックス2に入れ、空港へ運ぶ。航空会社が貨物ターミナルで青果物を引き取り、収容ボックス2が搭載されたコンテナに入れ、航空機で海外へ運ぶ。海外の輸送会社が空港の貨物ターミナルで青果物を集荷し収容ボックス2を搭載したトラックで配達先へ運ぶ。海外の消費者が青果物を受け取り、収容ボックス2に入れて消費するまで保存する。
以上のように、圃場から最終消費地までの全行程で同じ蓄冷プレート5、及び収容ボックス2の利用を可能とし、日本の青果物を海外市場にとれたての鮮度、かつ安価に流通させる仕組みを提供することができる。
このようにして、本発明の特徴である、蓄冷プレート5の活用が青果物の海外流通で主流になると、日本の圃場から海外の消費地まで低温輸送インフラが未整備な地域においても、日本の青果物を、とれたての鮮度でかつ安価に流通できるため、日本の生産者が海外市場を視野にいれた事業を積極的に行えるようになる。
この青果物の流通に革命を起こす動きは国内の研究機関等においても広がり、日本の農業を輸出産業に育てるための産学連携活動の活性化につながると期待できる。
上述した第1実施形態に係る保湿保冷装置1によれば、例えば、以下のような効果が奏される。
第1実施形態に係る保湿保冷装置1は、気密性を有する収容空間Kを有し、青果物Sを収容空間Kに収容可能な収容ボックス2と、収容ボックス2の収容空間Kの上方側に配置され、内部に液状又はゲル状の蓄冷剤が充填され、予め凍らせた蓄冷剤が固体から液体に相変化する際の融解潜熱により収容ボックス2の収容空間Kを冷却して保冷する蓄冷プレート5と、を備える。そのため、収容ボックス2の収容空間Kの温度及び湿度を所定時間保持することができる。これにより、従来型のドライアイスや機械式の冷蔵庫に代えて、安価でかつ鮮度劣化を最小限に抑えることができる保湿保冷装置を提供できる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について、図面を参照しながら説明する。図5は、第2実施形態に係る保湿保冷装置1Aの全体構成図であり、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。なお、第2実施形態の説明にあたって、第1実施形態と同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
図5に示すように、第2実施形態の保湿保冷装置1Aにおいては、カバー部材6は、青果物Sと蓄冷プレート5との間に配置される。本実施形態においては、カバー部材6は、所定の厚みを有するシート状の部材が用いられる。また、カバー部材6は、収容ボックス本体3の開放部分を塞ぐ程度の大きさに形成される。例えば、カバー部材6は、所定の厚みを有するシート状の布材により構成され、布材としてはフェルト(不織布)を用いることができる。
ここで、前述のように、図2に示すように、青果物S(野菜及び果物類)を保存する場合において、それぞれの青果物Sに最適な温度及び湿度がある。例えば、図2に示すように、タマネギやニンニクの場合には、湿度が65〜70%程度であることが最適である。そのため、本実施形態においては、収容空間Kの湿度を調整するために、青果物Sと蓄冷プレート5の間にカバー部材6を配置する。
カバー部材6は、収容ボックス2の収容空間Kの湿度を調整するために、収容ボックス2の収容空間Kにおいて設定される異なる湿度に応じて、異なる厚みのカバー部材6が用いられる。
具体的には、カバー部材6が無い場合において、収容ボックス2の収容空間Kに蓄冷プレート5を配置して、収容ボックス2の収容空間Kの湿度を95%〜100%程度に設定する。そして、例えば、カバー部材6の厚みを1mmとすることにより、収容ボックス2の収容空間Kの湿度を、95%〜100%程度から、5〜6%程度低下させて設定できる。また、カバー部材6の厚みを2mmとすることにより、収容ボックス2の収容空間Kの湿度を、95%〜100%程度から、7〜8%程度低下させて設定できる。また、カバー部材6の厚みを4mmとすることにより、収容ボックス2の収容空間Kの湿度を、95%〜100%程度から、9〜11%程度低下させて設定できる。なお、カバー部材6の厚みは、これに制限されない。
このように、カバー部材6の厚みを大きくする程、カバー部材6の厚みが小さいものよりも、収容ボックス2の収容空間Kにおける湿度を低下させる程度を大きくすることができる。そのため、カバー部材6の厚みを調整することにより、収容ボックス2の収容空間Kにおける設定する湿度を調整できる。
なお、カバー部材6の厚みについては、1枚のカバー部材6により厚みを実現してもよいし、複数の枚数のカバー部材6を重ねることにより厚みを実現してもよい。
また、カバー部材6は、収容ボックス2の収容空間Kの温度を調整できる。カバー部材6の厚みを大きくすることで、蓄冷プレート5により冷却されて熱対流現象(比重の差)により落下する気体が遮られて、収容ボックス2の収容空間Kの温度を高くすることができる。一方、カバー部材6の厚みを小さくすることで、収容ボックス2の収容空間Kの温度を、カバー部材6の厚みが大きい場合と比べて低くすることができる。例えば外気の温度が異なる夏と冬とにおいて、外気の温度が低い冬において収容空間Kが冷えすぎないようにカバー部材6の厚みを大きくしたり、外気の温度が高い夏において収容空間Kを冷やすようにカバー部材6の厚みを小さくすることで、収容ボックス2の収容空間Kの温度を調整できる。
また、カバー部材6が布材により構成される場合には、蓄冷プレート5の表面の水分を吸収して、収容ボックス2の収容空間Kに水分が入り込むことを抑制することができる。また、
上述した第2実施形態に係る保湿保冷装置1によれば、第1実施形態における効果に加えて、例えば、以下のような効果が奏される。
第2実施形態に係る保湿保冷装置1は、青果物Sと蓄冷プレート5との間に配置されるカバー部材6を更に備える。そのため、収容ボックス2の収容空間Kの湿度を調整することができる。これにより、それぞれの青果物Sに最適な湿度で青果物Sを保存することができる。
また、第2実施形態に係る保湿保冷装置1においては、カバー部材6は、収容ボックス2の収容空間Kの湿度を調整するために、収容ボックス2の収容空間Kにおいて設定される異なる湿度に応じて、異なる厚みのカバー部材6が用いられる。そのため、カバー部材6の厚みを異ならせることのみで、収容ボックス2の収容空間Kの湿度を容易に調整することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について、図面を参照しながら説明する。図6は、第3実施形態に係る保湿保冷装置1Bの全体構成を示す斜視図である。図7は、第3実施形態に係る保湿保冷装置1Bの全体構成を示す断面図であり、(a)はカバー部材6の厚みが1mmの部分が青果物Sと蓄冷プレート5との間に配置された状態を示す図であり、(b)はカバー部材6の厚みが4mmの部分が青果物Sと蓄冷プレート5との間に配置された状態を示す図である。なお、第3実施形態の説明にあたって、第1実施形態及び第2実施形態と同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
第3実施形態の保湿保冷装置1Bは、主として、第2実施形態のカバー部材6に代えて、袋状のカバー部材6Aを備える点において、第2実施形態と異なる。
図6及び図7に示すように、第3実施形態の保湿保冷装置1Bは、第1実施形態のカバー部材6に代えて、袋状のカバー部材6Aを備える。袋状のカバー部材6Aは、蓄冷プレート5を収容可能な袋状に形成される。カバー部材6Aは、所定の厚みを有する袋状の布材により構成され、布材としてはフェルト(不織布)を用いることができる。
蓄冷プレート5は、袋状のカバー部材6Aに収容された状態で、メッシュ状袋体42に挿入することで、蓋部材4の裏面に取り付けられる。
袋状のカバー部材6Aは、図6及び図7に示すように、蓄冷プレート5が収容された場合に、蓄冷プレート5に対して一方側61と他方側62とにおいて厚みが異なる。具体的には、図7に示すように、蓋部材4の裏面に、袋状のカバー部材6Aに蓄冷プレート5を収容した状態で、蓄冷プレート5を取り付ける。ここで、袋状のカバー部材6Aに蓄冷プレート5を収容した状態で上下を引っ繰り返して反転させることにより、青果物Sと蓄冷プレート5との間に配置される袋状のカバー部材6Aの厚みを、1mmの場合(図7(a)参照)と、4mmの場合(図7(b)参照)と、に変更して設定することができる。
これにより、袋状のカバー部材6Aの上下を引っ繰り返して反転させるだけで、設定する湿度に応じて、青果物Sと蓄冷プレート5との間に配置されるカバー部材6Aの厚みを変更することにより、収容空間Kの湿度を変更することができる。
上述した第3実施形態に係る保湿保冷装置1によれば、第1実施形態及び第2実施形態における効果に加えて、例えば、以下のような効果が奏される。
第3実施形態においては、カバー部材6Aは、蓄冷プレート5を収容可能な袋状に形成され、袋状のカバー部材6Aの厚みは、蓄冷プレート5が収容された場合に、蓄冷プレート5に対して一方側61と他方側62とにおいて異なる。そのため、カバー部材6Aの一方側61と他方側62の厚みを異ならせる簡易な構成で、カバー部材6Aの上下を引っ繰り返して反転させることにより、収容空間Kの湿度を容易に変更することができる。よって、カバー部材6Aの一方側と他方側の厚みを異ならせる簡易な構成により、それぞれの青果物Sに最適な湿度に変更することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について、図面を参照しながら説明する。図8は、第4実施形態に係る保湿保冷装置1Cの全体構成を示す断面図であり、青果物Sが包装フィルム7に包装された状態で保存される図である。なお、第4実施形態の説明にあたって、第1実施形態と同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
第4実施形態の保湿保冷装置1Cは、主として、第1実施形態において1枚の蓄冷プレート5により構成していたのに代えて4枚の蓄冷プレート5が配置されている点、及び、青果物Sをフィルムとしての包装フィルム7に包装している点において、第1実施形態の保湿保冷装置1と異なる。
図8に示すように、第4実施形態の保湿保冷装置1Cにおいては、収容ボックス2の上方側には、4枚の蓄冷プレート5が2段2列で積み重ねられている。また、収容空間Kには、包装フィルム7の包装された青果物Sが収容されている。本実施形態においては、包装フィルム7は、袋状に形成され、開口部が溶着により閉止されている。包装フィルム7は、例えば、ポリプレンにより形成された透明フィルムで袋状に形成される。なお、本実施形態においては、例えば、青果物Sとしては、コマツナのベビーリーフを用いている。
上述した第4実施形態に係る保湿保冷装置1Cによれば、第1実施形態における効果に加えて、例えば、以下のような効果が奏される。
第1実施形態に係る保湿保冷装置1においては、4枚の蓄冷プレート5が2段2列で積み重ねられて、収容空間Kの上方側に配置される。そのため、4枚の蓄冷プレート5に充填された蓄冷剤の融解潜熱により冷却された気体は、収容空間Kの内部に落下される。これにより、蓄冷プレートが1枚で構成されるよりも、収容空間Kの温度及び湿度を長時間にわたって保持することができる。
また、第4実施形態に係る保湿保冷装置1においては、青果物Sを包装可能な包装フィルム7を備える。そのため、包装フィルム7で包装されていない場合よりも、運搬時における青果物Sの損傷を抑制することができる。また、包装フィルム7で包装されていない場合よりも、青果物Sの鮮度を保持することができる。また、包装フィルム7で包装されていない場合よりも、青果物Sが存在する空間の気密性を高くでき、収容空間Kの湿度をより安定させることができる。
以上、本発明の保湿保冷装置1の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、第1実施形態〜第4実施形態について説明したが、本発明は、第1実施形態〜第4実施形態のいずれか1つの形態により構成してもよいし、第1実施形態〜第4実施形態のうちのいずれか2つ以上を組み合わせて構成してもよい。具体的には、例えば、第1実施形態に第4実施形態の包装フィルム7の構成を加えてもよいし、第2実施形態のカバー部材6及び第4実施形態の包装フィルム7を併せて備えてもよいし、第3実施形態のカバー部材6A及び第4実施形態の包装フィルム7を併せて備えてもよい。
また、複数の蓄冷プレート5が積み重ねられるように構成したが、これに制限されず、横方向に並べて配置されていてもよい。
また、蓄冷プレート5の数は制限されない。
また、カバー部材6、6Aの厚みは、制限されず、適宜設定することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を用いて、本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものでない。図9は、実施例1及び比較例1における収容空間Kの温度変化及び湿度変化を示すグラフである。図10は、実施例2及び比較例2における収容空間Kの温度変化及び湿度変化を示すグラフである。図11は、実施例3及び比較例3における収容空間Kの温度変化及び湿度変化を示すグラフである。図12は、実施例4及び比較例4における収容空間Kの温度変化及び湿度変化を示すグラフである。図13は、実施例4及び比較例4における貯蔵中の相対アスコルビン酸含量の変化(エラーバーは標準偏差を示す)を示すグラフである。
実施例1及び比較例1の構成について説明する。
実施例1は、第1実施形態における保湿保冷装置1において、収容ボックス2の容量が16Lのものを使用し、蓄冷プレート5(A4サイズ:縦30cm、横21cm、厚み3.5cm)を3枚積み重ねて使用した。収容ボックス2の収容空間Kには、ブドウを収容した。
比較例1は、機械式冷蔵庫を使用し、機械式冷蔵庫の内部に、ブドウを収容した。
実施例1及び比較例1について、収容ボックス2の収容空間Kの内部の時間による温度変化及び湿度変化を測定した。その結果により、図9に示す収容空間Kの内部の温度変化のグラフが得られた。実施例1及び比較例1においては、0〜360時間(15日間)の時間による温度変化及び湿度変化を測定した。
図9を考察すると、実施例1においては、収容ボックス2の収容空間Kの温度は5℃程度であり、収容ボックス2の収容空間Kの湿度は75〜85%程度である。実施例1は、変化の程度が緩やかで、変化の幅も小さい。一方、比較例1においては、特に機械式冷蔵庫の内部の湿度の変化の幅が大きく、湿度は短い周期で小刻みに変動している。
実施例2及び比較例2の構成について説明する。
実施例2は、第1実施形態における保湿保冷装置1において、収容ボックス2の容量が32Lのものを使用し、蓄冷プレート5(A4サイズ:縦30cm、横21cm、厚み3.5cm)を4枚積み重ねて使用した。収容ボックス2の収容空間Kには、イチゴを収容した。
比較例2は、機械式冷蔵庫を使用し、機械式冷蔵庫の内部に、イチゴを収容した。
実施例2及び比較例2について、収容ボックス2の収容空間Kの内部の時間による温度変化及び湿度変化を測定した。その結果により、図10に示す収容空間Kの内部の温度変化のグラフが得られた。実施例2及び比較例2においては、0〜150時間(6日間程度)の時間による温度変化及び湿度変化を測定した。
図10を考察すると、実施例2においては、収容ボックス2の収容空間Kの温度は3℃程度であり、収容ボックス2の収容空間Kの湿度は85〜95%程度である。実施例2は、変化の程度が緩やかで、変化の幅も小さい。一方、比較例2においては、特に機械式冷蔵庫の場合には、デフロスト(霜取り)の動作が実行され、デフロストの動作により収容空間Kの内部の湿度が一旦下降した後に所定の湿度まで回復するまでの時間が長い。
以上により、本発明に係る実施例1及び2における収容ボックス2の収容空間Kの湿度は、比較例1及び2における収容ボックス2の収容空間Kの湿度よりも、長時間にわたって安定して保持されるという結果が得られた。
実施例3、4及び比較例3、4の構成について説明する。
実施例3は、第4実施形態における保湿保冷装置1Cにおいて、収容ボックス2の容量が32Lのものを使用し、蓄冷プレート5(A4サイズ:縦30cm、横21cm、厚み3.5cm)を4枚を2段2列に積み重ねて使用した。収容ボックス2の収容空間Kには、包装フィルム7に包装されたコマツナのベビーリーフを収容した。蓄冷プレート5、収容ボックス2及び包装フィルム7の詳細は、下記の通りである。
(1)蓄冷プレート
・製造メーカー:アイ・ティ・イー株式会社
・製品名:アイスバッテリーシステム
・サイズ:A4(縦30cm、横21cm、厚み3.5cm)を4枚
・設定日数:4日間
・設定温度:2℃〜3℃
・設定湿度:70〜90%
(2)収容ボックス
・製造メーカー:アイ・ティ・イー株式会社
・製品名:アイスバッテリー保冷ボックス
(3)鮮度保持フィルム(包装フィルム)
・製造メーカー:東洋紡
・製品名:F&G袋(延伸ポリプロピレン防曇規格袋11号)
実施例3では、コマツナのベビーリーフを収穫後すみやかに鮮度保持フィルムで包み、温度2℃〜3℃、湿度70〜90%に設定した蓄冷プレート5と一緒に収容ボックス2内に入れ、国内生産地から海外消費地までの輸送日数を想定して4日間貯蔵した。貯蔵中、10分毎に収容ボックス2内の温度および湿度を、1日毎にベビーリーフの品質を測定した。コマツナのベビーリーフは青果物の中でも鮮度保持が最も難しい品目の1つである。
実施例4では、実施例3において、鮮度保持フィルム7を用いずに、レタスのベビーリーフを3日間貯蔵した。
比較例3は、実施例3において、収容ボックス2および蓄冷プレート5の代わりに、3℃に設定した低温インキュベーター(機械式冷蔵庫)を用いた以外は同様にして貯蔵を行った。貯蔵中のインキュベーター内の温度および湿度、ならびにベビーリーフの品質を実施例の結果と比較した。比較例3は現行の機械式冷蔵による低温での流通を想定したものである。
比較例4は、実施例3において、収容ボックス2および蓄冷プレート5の代わりに、25℃に設定した低温インキュベーター(機械式冷蔵庫)を用いた以外は同様にして貯蔵を行った。貯蔵中のベビーリーフの品質を実施例の結果と比較した。比較例4は低温管理がなされない常温での流通を想定したものである。
まず、貯蔵中の温度および湿度の制御について評価した。図11に示すとおり、比較例3および実施例3ともに2〜3℃の低温環境を4日にわたって維持することができた。比較例3では冷凍機のオン−オフ制御による温度変動と12時間おきに行われたデフロストによる一時的な温度上昇が認められた。実施例3ではベビーリーフの取り出し作業に伴う一時的な温度上昇が認められたが、収容ボックス2内の温度は5℃以下に保たれた。また、相対湿度は比較例3および実施例3ともに70〜90%に保つことができたが、実施例3では温度変動が小さい分、湿度の変動も抑制された。
コマツナのベビーリーフの品質として色差、水分損失率、相対アスコルビン酸含量を評価した。色差は、比較例4では貯蔵2日後に色の変化が起きたが、実施例3および比較例3では貯蔵4日後でも色差は認められなかった。また、水分損失率は貯蔵4日後でも3%未満であり、本発明よる高湿度環境の維持によって萎れを抑制可能であった。さらに、図12に示すとおり、相対アスコルビン酸含量については、比較例4では貯蔵4日後に貯蔵開始時の約半分まで減少したのに対し、実施例3および比較例3では貯蔵の前後で差異が生じなかった。これらの品質測定の結果は、機械式冷蔵と同水準の品質保持効果を本発明は有することを示している。なお、このコマツナのベビーリーフに対する結果は葉菜類だけでなく青果物全般へ応用できるものである。
実施例4において、貯蔵中の保冷ボックス内の温度および湿度、ならびにベビーリーフの品質を測定した。貯蔵中、保冷ボックス内の温度は3℃、相対湿度は83%に保たれた。相対アスコルビン酸含量は5%の減少に留まり内部成分の損耗は抑制できていた。しかし、水分損失率は23%であり、萎れを大幅に抑制できているものの、完全に防ぐには至らなかった。
以上により、本発明に係る実施例3における収容ボックス2の収容空間Kの湿度は、比較例3における収容ボックス2の収容空間Kの湿度よりも、安定して保持されるという結果が得られた。また、実施例3において、コマツナのベビーリーフの品質として色差、水分損失率、相対アスコルビン酸含量について、貯蔵4日後において、良好な結果が得られた。
1 保湿保冷装置
2 収容ボックス(収容部)
5 蓄冷プレート(蓄冷部材)
6、6A カバー部材
7 包装フィルム(フィルム)
K 収容空間
S 青果物(被保冷物)

Claims (6)

  1. 気密性を有する収容空間を有し、被保冷物を前記収容空間に収容可能な収容部と、
    前記収容部の前記収容空間の上方側に配置され、内部に液状又はゲル状の蓄冷剤が充填され、予め凍らせた前記蓄冷剤が固体から液体に相変化する際の融解潜熱により前記収容部の前記収容空間を冷却して保冷する蓄冷部材と、
    を備える保湿保冷装置。
  2. 前記被保冷物と前記蓄冷部材との間に配置されるカバー部材を更に備える
    請求項1に記載の保湿保冷装置。
  3. 前記カバー部材は、前記収容部の前記収容空間の湿度を調整するために、前記収容部の前記収容空間において設定される異なる湿度に応じて、異なる厚みのカバー部材が用いられる
    請求項2に記載の保湿保冷装置。
  4. 前記カバー部材は、前記蓄冷部材を収容可能な袋状に形成され、
    前記カバー部材の厚みは、前記蓄冷部材が収容された場合に、前記蓄冷部材に対して一方側と他方側とにおいて異なる
    請求項3に記載の保湿保冷装置。
  5. 前記被保冷物を包装可能なフィルムを更に備える
    請求項1から4のいずれかに記載の保湿保冷装置。
  6. 前記蓄冷部材を複数備え、
    前記複数の蓄冷部材は、積み重ねられる
    請求項1から5のいずれかに記載の保湿保冷装置。
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