JP2014218611A - セルロース系樹脂組成物及びフィルム - Google Patents

セルロース系樹脂組成物及びフィルム Download PDF

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Masaki Segawa
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Abstract

【課題】優れた光学特性を有するセルロース系樹脂組成物及び該樹脂組成物を成形してなるフィルムを提供する。
【解決手段】 (A)セルロース系樹脂100質量部に対し、(B)セルロースエステルを除く以下のポリエステル化合物からなる群から選ばれる1種以上1〜30質量部、
(b−1)多価アルコールと多価カルボン酸からなるポリエステル化合物
(b−2)多価アルコールとモノカルボン酸からなるポリエステル化合物
(b−3)多価カルボン酸とモノアルコールからなるポリエステル化合物、および、(C)β−ジケトン化合物0.1〜30質量部を配合してなるセルロース系樹脂組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた光学特性を有するセルロース系樹脂組成物及び該樹脂組成物を成形してなるフィルムに関する。
近年、セルロースアシレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリオレフィン等の樹脂フィルムが主に液晶表示装置用光学補償フィルムに用いられてきている。その中でも、セルロースアシレートフィルムは偏光子に用いられるポリビニルアルコールへの貼合性が優れている点や透明度が高く、しかも適度な強度を有していることから広く用いられている。
しかし、セルロースアシレートフィルムは湿気を通しやすく、その結果、偏光子の劣化などの問題が生じていた。そのため、従来からトリフェニルホスフェート等の可塑剤が、フィルムに対する可塑化効果と耐透湿性能を有する添加剤として使用されていた。
また、液晶表示の薄型化に伴い光学補償フィルムも更なる薄膜化検討が進められている。このような中でトリフェニルホスフェートは樹脂との相溶性が十分でないため、フィルム製造工程における熱や湿度の影響によりブリードが生じる場合があった。さらに、トリフェニルホスフェートは低分子量化合物であるため揮散性が高く、フィルム製造装置の汚染による問題があった。
また、セルロースエステルフィルムはそのままでは光学補償フィルムに必須なリタデーション(複屈折性)が十分ではないため、セルロースエステルフィルムにリタデーションを付与するさまざまな検討がなされてきている。更に、近年は液晶テレビのさらなる視野角拡大や薄膜化のために、より大きなリタデーションが求められている。
樹脂フィルムのリタデーションを増加させるため、リタデーション上昇剤を添加する方法が知られているが、これまでのリタデーション上昇剤では多量添加が必要となり、ブリードなどの問題が発生するため、これまで実用化が困難であった。また、セルロースの総アシル基置換度を低下させる方法なども提案されているが、吸湿性が増加したりするなどの問題があった。
そのような状況下、近年、実用化に向けて特定のリタデーション上昇剤を添加する方法が提案されている。例えば、特許文献1では、ジオールと特定の芳香族ジカルボン酸化合物とのエステル化合物を用いることにより、光学特性、耐透湿性などを向上させている。
また、例えば特許文献2では、セルロースエステルフィルムにジベンゾイルメタンを添加した高いUVカット能を有したフィルムが提案されている。
特開2010−138379号公報 特開2003−177235号公報
しかし、特許文献1における、ジオールと特定の芳香族ジカルボン酸からなるセルロースエステルフィルムは、液晶構造の薄膜化に伴う高いリタデーション値を有するには不十分であった。
一方、ジベンゾイルメタンの添加によるUVカット能を向上したフィルムが提案されている特許文献2には、光学特性向上効果は全く記載されておらず、ましてこれを延伸光学補償フィルムに利用することは示唆すらされていない。
そこで、本発明の目的は、優れた光学特性を有するセルロース系樹脂組成物及び該樹脂組成物を成形してなるフィルムを提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明のセルロース系樹脂組成物は、
(A)セルロース系樹脂100質量部に対し、
(B)セルロースエステルを除く以下のポリエステル化合物からなる群から選ばれる1種以上1〜30質量部、
(b−1)多価アルコールと多価カルボン酸からなるポリエステル化合物、
(b−2)多価アルコールとモノカルボン酸からなるポリエステル化合物、
(b−3)多価カルボン酸とモノアルコールからなるポリエステル化合物、及び
(C)β−ジケトン化合物0.1〜30質量部を配合してなることを特徴とするものである。
本発明のセルロース系樹脂組成物は、成分(B)のうち(b−1)のポリエステル化合物が30質量%以上、(b−2)のポリエステル化合物が30質量%以上、または(b−3)のポリエステル化合物が30質量%以上であることが好ましい。
また、本発明のセルロース系樹脂組成物は、成分(B)のうち、(b−1)のポリエステル化合物が次式(1)、
Figure 2014218611
(式(1)中、lは平均重合度を表す数で、1〜30であり、Aは炭素原子数1〜18のアルキレン基または炭素原子数6〜18の芳香族基を、Gは炭素原子数2〜12のアルキレン基または炭素原子数4〜12のエーテル結合を有するアルキレン基を、Eは水素原子または炭素原子数2〜10の脂肪族アシル基または炭素原子数7〜13の芳香族アシル基を表す。)、
(b−2)のポリエステル化合物が次式(2)、
Figure 2014218611
(式(2)中、Rは脂肪族基を有してもよい炭素原子数6〜20の芳香族基であり、Rはm価の炭素原子数2〜20の脂肪族基であり、mは2〜10の数を表す。)、及び
(b−3)のポリエステル化合物が次式(3)、
Figure 2014218611
(式(3)中、Rは芳香族基を有してもよい炭素原子数1〜20の脂肪族基であり、Rはn価の炭素原子数6〜20の芳香族基であり、nは2〜4の数を表す。)
で表されるものが夫々好ましい。
また、本発明のセルロース系樹脂組成物は、成分(C)が次式(4)で表されるβ−ジケトン化合物であることが好ましい。
Figure 2014218611
(式(4)中、R〜R16は、各々独立して、水素原子、アミノ基、アミド基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数7〜20のアリールカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5〜12のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜10のアルカノイルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数3〜21のアルキルカルボニルオキシアルキレンオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜10のアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜10のアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルコキシアルキレンオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数3〜21のアルコキシカルボニルアルキレンオキシ基を表し、また、隣り合う2個の基が連結してそれぞれ結合する炭素原子とともに5員環または6員環を形成していてもよく、この5員環、6員環は置換基を有していてもよい。)
また、本発明のセルロース系樹脂組成物は、セルロース系樹脂が、セルロースアシレートであることが好ましい。
本発明のフィルムは、本発明のセルロース系樹脂組成物を成形してなることを特徴とするものである。
本発明のフィルムは、好ましくは、延伸されてなる延伸光学補償フィルムである。
本発明において光学特性に優れているとは、大きなリタデーションが付与されていることを意味し、このリタデーションは一般にはフィルムの厚み方向のリタデーション値(Rth)によって把握することが可能である。
なお、Rthは下記式で定義される値である。
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
[式中,nxはフィルム面内の屈折率が最も大きい方向の屈折率、nyはnxに直角な方向でのフィルム面内の屈折率、nzはフィルムの厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)を表す。]
このリタデーション値Rthは、例えば、KOBRA−WR(王子計測機器(株)製)やRETS−100(大塚電子(株)製)などの自動複屈折率計を用いて測定することができる。
本発明の樹脂組成物は、優れた光学特性を有し、即ち大きなリタデーションが付与され、液晶表示装置、特にVAモードの液晶セルを用いるVA型液晶表示装置用の位相差フィルムとして好適に使用される。
以下、本発明について詳細に説明する。
(A)セルロース系樹脂
本発明に用いられる(A)セルロース系樹脂としては、いずれの種類のものであってもよいが、セルロースの低級脂肪酸エステルであることが好ましい。セルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、セルロースの低級脂肪酸エステルとしては、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等や、特開平10−45804号公報、特開平8−231761号公報、米国特許第2,319号明細書等に記載されているようなセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルを挙げることができる。
(B)セルロースエステルを除くポリエステル化合物
本発明に用いられる(B)セルロースエステルを除くポリエステル化合物は、(b−1)多価アルコールと多価カルボン酸からなるポリエステル化合物、(b−2)多価アルコールとモノカルボン酸からなるポリエステル化合物、及び(b−3)多価カルボン酸とモノアルコールからなるポリエステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である。多価アルコールと多価カルボン酸からなるポリエステルとは多価アルコールと多価カルボン酸を酸触媒やチタン化合物、スズ化合物、ジルコニウム化合物などのエステル化触媒でエステル化させてもよく、多価カルボン酸に対応する酸クロライドと多価アルコールを反応させてエステル化させてもよく、多価カルボン酸のフェニルエステルと多価アルコールをエステル交換触媒の存在下にエステル交換反応させたものでもよく、製造方法は特に限定されない。
また、必要に応じて種々の方法により精製処理して酸価や触媒残渣を低減してセルロース系樹脂組成物の安定性や光学特性を損なわないようにすることが好ましい。
但し、上記の方法による化合物の合成方法に何ら制限を受けるものではない。
成分(B)のうち、(b−1)のポリエステル化合物は、次式(1)、
Figure 2014218611
(式(1)中、lは平均重合度を表す数で、1〜30であり、Aは炭素原子数1〜18のアルキレン基または炭素原子数6〜18の芳香族基を、Gは炭素原子数2〜12のアルキレン基または炭素原子数4〜12のエーテル結合を有するアルキレン基を、Eは水素原子または炭素原子数2〜10の脂肪族アシル基または炭素原子数7〜13の芳香族アシル基を表す。)で表されるものであることが好ましい。
前記一般式(1)中、Aで表される炭素原子数1〜18アルキレン基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−アミル、1,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、1,2−ジメチルブチル、1−イソプロピルプロピル、1,3−ジメチルブチル、n−ヘプチル、2−ヘプチル、1,4−ジメチルペンチル、tert−ヘプチル、2−メチル−1−イソプロピルプロピル、1−エチル−3−メチルブチル、n−オクチル、tert−オクチル、2−メチルヘキシル、2−エチルヘキシル、2−プロピルヘキシル、n−ノニル、イソノニル、n−デシル、イソデシル、n−ウンデシル、イソウンデシル、n−ドデシル、イソドデシル、n−トリデシル、イソトリデシル、n−テトラデシル、イソテトラデシル、n−ペンタデシル、イソペンタデシル、n−ヘキサデシル、イソヘキサデシル、n−ヘプタデシル、イソヘプタデシル、n−オクタデシル、イソオクタデシル等のいずれか1つの水素原子を除いた基が挙げられる。
また、前記一般式(1)中、炭素原子数6〜18の芳香族基としては、例えば、フェニル、ナフチル、アントラセン−1−イル、フェナントレン−1−イル等が挙げられる。
ポリエステル中に含まれるAは上記のアルキレン基や芳香族基であれば単一でも2種以上の混合物でもよい。
前記一般式(1)中、Gで表される炭素原子数2〜12のアルキレン基又は炭素原子数4〜12のエーテル結合を有するアルキレン基としては、対応するグリコールが挙げられ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどのアルキレングリコールや、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコールなどのオキシアルキレングリコールが挙げられ、この他に小割合のグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールを使用することができる。
ポリエステル中に含まれるGは上記のアルキレン基やエーテル結合を有するアルキレン基であれば単一でも2種以上の混合物でもよい。
前記一般式(1)中、Eで表される炭素原子数2〜10の脂肪族アシル基としては、アセチル、プロパノイル(プロピオン酸)、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイルが挙げられる。
前記一般式(1)中、Eで表される炭素原子数7〜13の芳香族アシル基としては、置換基を有していてもよいベンゾイル、置換基を有していてもよいシンナモイル等が挙げられる。
ポリエステル中に含まれるEは水素原子、上記の脂肪族アシル基および芳香族アシル基であれば単一でも2種以上の混合物でもよい。
成分(B)のうち、(b−2)のポリエステル化合物は、次式(2)、
Figure 2014218611
(式(2)中、Rは脂肪族基を有してもよい炭素原子数6〜20の芳香族基であり、Rはm価の炭素原子数2〜20の脂肪族基であり、mは2〜10の数を表す。)で表されるものであることが好ましい。
前記一般式(2)中、Rは脂肪族基を有していてもよい芳香族基であり、対応するモノカルボン酸としては例えば、安息香酸、トルイル酸、アニス酸、フェニル酢酸、桂皮酸、等が挙げられ、安息香酸のベンゼン環の任意の位置にアルキル基を導入したtert−ブチル安息香酸や、アルコキシ基を導入した、トリメトキシ安息香酸が挙げられる。また、ビフェニルカルボン酸、ナフタレンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸、またはそれらの誘導体が挙げられる。
前記一般式(2)中、Rはm価の脂肪族基であり、脂肪族基は鎖状でも環状でもエーテル結合を有していても、芳香環で中断されていてもよく、対応する多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、アドニトール、アラビトール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール、グルコース、1,4−フェニレンジメタノール等が挙げられる。この中でもトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、マンニトール、グルコースが好ましい。
成分(B)のうち、(b−3)のポリエステル化合物は、次式(3)、
Figure 2014218611
(式(3)中、Rは芳香族基を有してもよい炭素原子数1〜20の脂肪族基であり、Rはn価の炭素原子数6〜20の芳香族基であり、nは2〜4の数を表す。)で表されるものであることが好ましい。
前記一般式(3)中、Rは芳香族基を有してもよい脂肪族基であり、脂肪族基は鎖状でも環状でもよく、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−アミル、1,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、1,2−ジメチルブチル、1−イソプロピルプロピル、1,3−ジメチルブチル、n−ヘプチル、2−ヘプチル、1,4−ジメチルペンチル、tert−ヘプチル、2−メチル−1−イソプロピルプロピル、1−エチル−3−メチルブチル、n−オクチル、tert−オクチル、2−メチルヘキシル、2−エチルヘキシル、2−プロピルヘキシル、n−ノニル、イソノニル、n−デシル、イソデシル、シクロヘキシル、ベンジル等が挙げられる。
前記一般式(3)中、Rはn価の芳香族基であり、対応する芳香族多価カルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、メリット酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
以下に本発明で使用される前記一般式(1)で表される、(b−1)多価アルコールと多価カルボン酸からなるポリエステル化合物を例示するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、混合物の( )内はモル比を示す。また、これらポリエステル化合物は単独で用いても二種類以上を混合物として用いてもよい。
化合物No.1:多価アルコール成分Gとして、エチレングリコール(50)及び1,2−プロピレングリコール(50)と、多価カルボン酸成分Aとして、コハク酸(50)及びテレフタル酸(50)、末端Eがアセチル基からなるl=5のポリエステル化合物。
化合物No.2:多価アルコール成分Gとして、1,2−プロピレングリコールと、多価カルボン酸成分Aとして、2,6−ナフタレンジカルボン酸、末端Eが水素からなるl=2のポリエステル化合物。
化合物No.3:多価アルコール成分Gとして、エチレングリコールと、多価カルボン酸成分Aとして、アジピン酸、末端Eがアセチル基からなるl=10のポリエステル化合物。
化合物No.4:多価アルコール成分Gとして、1,2−プロピレングリコールと、多価カルボン酸成分Aとして、テレフタル酸、末端Eがトルイル基からなるl=5のポリエステル化合物。
以下に本発明で使用される前記一般式(2)で表される、(b−2)多価アルコールとモノカルボン酸からなるポリエステル化合物を例示するが、本発明はこれによって限定されるものではない。また、これらポリエステル化合物は単独で用いても二種類以上を混合物として用いてもよい。
化合物No.5 化合物No.6
Figure 2014218611
化合物No.7
Figure 2014218611
化合物No.8
Figure 2014218611
化合物No.9
Figure 2014218611
以下に本発明で使用される前記一般式(3)で表される、(b−3)多価カルボン酸とモノアルコールからなるポリエステル化合物からなるポリエステル化合物を例示するが、本発明はこれによって限定されるものではない。また、これらポリエステル化合物は単独で用いても二種類以上を混合物として用いてもよい。
化合物No.10
Figure 2014218611
化合物No.11
Figure 2014218611
化合物No.12
Figure 2014218611
本発明のセルロース系樹脂組成物は、成分(B)のうち(b−1)のポリエステル化合物が30質量%以上、(b−2)のポリエステル化合物が30質量%以上、または(b−3)のポリエステル化合物が30質量%以上であることが好ましい。
また、成分(B)のポリエステル化合物の使用量は、セルロース系樹脂100質量部に対し、1〜30質量部、好ましくは1〜20質量部である。この使用量が1質量部未満ではその効果が十分に発揮されず、一方、30質量部を超えて使用した場合には、ブリードを生じるため、好ましくない。
(C)β−ジケトン化合物
本発明に用いられる(C)β−ジケトン化合物は、任意の縮合反応で合成可能であり、例えば、ナトリウムメトキシド等の塩基性触媒下、アセトフェノン誘導体と安息香酸エステル誘導体とのクライゼン縮合反応により合成できる。
但し、上記の方法による化合物の合成方法に何ら制限を受けるものではない。
好ましくは、次式(4)で表されるβ−ジケトン化合物である。
Figure 2014218611
(式(4)中、R〜R16は、各々独立して、水素原子、アミノ基、アミド基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数7〜20のアリールカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5〜12のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜10のアルカノイルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数3〜21のアルキルカルボニルオキシアルキレンオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜10のアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜10のアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルコキシアルキレンオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数3〜21のアルコキシカルボニルアルキレンオキシ基を表し、また、隣り合う2個の基が連結してそれぞれ結合する炭素原子とともに5員環または6員環を形成していてもよく、この5員環、6員環は置換基を有していてもよい。)
前記一般式(4)中、R〜R16で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
前記一般式(4)中、R〜R16で表される置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、アミル、イソアミル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、tert−オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシルなどが挙げられる。
また、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10のアルコキシ基としては、アルキル基に対応したものが挙げられ、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、1,2−ジメチル−プロポキシ、ヘキシルオキシ、シクロへキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクトキシ、ノニルオキシ、デカンオキシ等が挙げられる。
また、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、トリル、ベンジル、トリチル、スチリル等が挙げられる。
また、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基としては例えば、アリール基に対応したものが挙げられるが、例えば、フェノキシ、ナフトキシ等が挙げられる。
また、置換基を有していてもよい炭素原子数7〜20のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン−2−イル、スチリル、シンナミル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル等が挙げられる。
また、置換基を有していてもよい炭素原子数7〜20のアリールカルボニル基としては、例えば、ベンゾイルなどが挙げられ、前記アルキル基、アルコキシ基に対応した置換基を有したアリールカルボニル基が挙げられる。
また、置換基を有していてもよい炭素原子数5〜12のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシル、4−メチルシクロヘキシル等が挙げられる。
また、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜10のアルカノイルオキシ基としては、前記アルキル基に対応したアルカノイルオキシ基が挙げられる。
また、置換基を有していてもよい炭素原子数3〜21のアルキルカルボニルオキシアルキレンオキシ基としては、前記アルキル基に対応したアルキルカルボニルオキシアルキレンオキシ基が挙げられる。
また、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜10のアルキルカルボニル基としては、前記アルキル基に対応したアルキルカルボニル基が挙げられる。
また、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜10のアルコキシカルボニル基としては、前記アルコキシ基に対応したアルコキシカルボニル基が挙げられる。
また、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルコキシアルキレンオキシ基としては、前記アルコキシ基、アルキル基に対応したアルコキシアルキレンオキシ基が挙げられる。
また、置換基を有していてもよい炭素原子数3〜21のアルコキシカルボニルアルキレンオキシ基としては、前記アルコキシ基、アルキル基に対応したアルコキシカルボニルアルキレンオキシ基が挙げられる。
また、隣り合う2個の基が連結してそれぞれが結合する炭素原子とともに5員環または6員環を形成する場合の5員環の例としては、シクロペンテン環、シクロペンタジエン環、イミダゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、イソキサゾール環、チオフェン環、フラン環、ピロール環等が挙げられる。6員環の例としては、シクロヘキサン環、シクロへキセン環、シクロヘキサジエン環、ベンゼン環、ピリジン環、ピペラジン環、ピペリジン環、モルフォリン環、ピラジン環、ピロン環、ピロリジン環等が挙げられる。5員環および6員環は前記の置換基を有していてもよい。
以下に本発明で使用される(C)β−ジケトン化合物を例示するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
化合物BD−1 化合物BD−2
Figure 2014218611
化合物BD−3 化合物BD−4
Figure 2014218611
化合物BD−5
Figure 2014218611
化合物BD−6
Figure 2014218611
化合物BD−7
Figure 2014218611
化合物BD−8
Figure 2014218611
これらβ−ジケトン化合物の使用量は、セルロース系樹脂100質量部に対し、0.1〜30質量部、好ましくは1〜20質量部である。この使用量が0.1質量部未満ではその効果が十分に発揮されず、一方、30質量部を超えて使用した場合には、ブリードを生じるため、好ましくない。
本発明には、その他可塑剤を任意に使用することができる。可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ブチルヘキシルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジオクチルテレフタレートなどのフタレート系可塑剤;ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジ(ブチルジグリコール)アジペートなどのアジペート系可塑剤;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリ(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリ(ブトキシエチル)ホスフェート、オクチルジフェニルホスフェートなどのホスフェート系可塑剤;多価アルコールとして、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどと、二塩基酸として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などとを用い、必要により一価アルコール、モノカルボン酸(酢酸、芳香族酸など)をストッパーに使用したポリエステル系可塑剤;その他、テトラヒドロフタル酸系可塑剤、アゼライン酸系可塑剤、セバチン酸系可塑剤、ステアリン酸系可塑剤、クエン酸系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、ビフェニレンポリカルボン酸系可塑剤、多価アルコールの芳香族酸エステル系可塑剤(トリメチロールプロパンのトリベンゾエート等)などが挙げられる。
また、本発明には、さらに各種の添加剤、例えば、リン系、フェノール系または硫黄系抗酸化剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤などを配合することもできる。
上記リン系抗酸化剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ビス(2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェニル)・エチルホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキサンジメチルジホスフィト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、フェニル−4,4’−イソプロピリデンジフェノール・ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12−15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、ビス[2,2’−メチレンビス(4,6−ジアミルフェニル)]・イソプロピリデンジフェニルホスファイト、水素化−4,4’−イソプロピリデンジフェノールポリホスファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス[4,4’−n―ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)]・1,6−ヘキサンジオール・ジホスファイト、テトラトリデシル・4,4’−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)・1,1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール・2,4,6−トリ第三ブチルフェノールモノホスファイトなどが挙げられる。
上記フェノール系抗酸化剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、トリデシル・3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオアセテート、チオジエチレンビス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス[2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス[2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルヒドロシンナモイルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン]、トリエチレングリコールビス[β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]などが挙げられる。
上記硫黄系抗酸化剤としては、例えば、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ミリスチルステアリル、ジステアリルエステルなどのジアルキルチオジプロピオネート類およびペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)などのポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類などが挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−第三ブチル−4’−(2−メタクロイルオキシエトキシエトキシ)ベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)などの2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−ドデシル−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−C7〜9混合アルコキシカルボニルエチルフェニル)トリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステルなどの2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−アクリロイルオキシエトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンなどの2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどのベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリドなどの置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレートなどのシアノアクリレート類などが挙げられる。
上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンなどが挙げられる。
その他、本発明には、さらに必要に応じてその他添加剤、例えば、充填剤、着色剤、架橋剤、帯電防止剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、滑剤、難燃剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、金属不活性化剤、離型剤、顔料、加工助剤、酸化防止剤、光安定剤、発泡剤等を配合することができる。
次に、本発明のフィルムの製造方法について説明するが、以下の方法により限定されるものではない。
本発明の製造は、セルロースエステルを溶剤に溶解させたドープ液を塗布、乾燥して行われる。ドープ液には必要に応じて各種添加剤を混合することができる。ドープ液中のセルロースエステルの濃度は、濃い方が支持体に流延した後の乾燥負荷が低減できて好ましいが、セルロースエステルの濃度が濃過ぎると濾過時の負荷が増えて、濾過精度が悪くなる。これ等を両立する濃度としては、10〜30質量%が好ましく、更に好ましくは15〜25質量%である。
本発明に係るドープ液の調製に用いる溶剤は、単独でも併用でもよいが、セルロースエステルの良溶剤と貧溶剤とを混合して用いることが生産効率の点で好ましい。良溶剤と貧溶剤の混合比率の好ましい範囲は、良溶剤が70〜98質量%であり、貧溶剤が30〜2質量%である。本発明に用いられる良溶剤、貧溶剤とは、使用するセルロースエステルを単独で溶解するものを良溶剤、単独では膨潤するのみかあるいは溶解し得ないものを貧溶剤と定義する。そのため、セルロースの平均酢化度によっては、良溶剤、貧溶剤が変わり、例えば、アセトンは、平均酢化度55%のセルロースエステルでは良溶剤になり、平均酢化度60%のセルロースエステルでは貧溶剤となってしまう。このように、良溶剤、貧溶剤はすべての場合に一義的に決まるものではない。本発明において好ましいセルロースエステルの場合には、良溶剤としては、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物やジオキソラン類、アセトン、酢酸メチル等が挙げられる。一方、貧溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
上記ドープ液を調製するときのセルロースエステルの溶解方法としては、一般的な方法を用いることができるが、加圧下で、溶剤の常圧での沸点以上でかつ溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱し、撹拌しながら溶解する方法が、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止することができるため、好ましい。また、セルロースエステルを貧溶剤と混合し、湿潤あるいは膨潤させた後、さらに良溶剤と混合して溶解する方法も好ましく用いられる。さらも、公知の冷却溶解法を用いてもよい。冷却溶解法を用いる場合には、良溶剤として酢酸メチル、アセトンを用いることができる。加圧は、窒素ガス等の不活性気体を圧入する方法や、加熱による溶剤の蒸気圧の上昇によって行ってもよい。加熱は、外部から行うことが好ましく、例えば、ジャケットタイプのものは温度コントロールが容易であるため、好ましい。
溶剤を添加した後の加熱温度は、使用溶剤の常圧での沸点以上で、かつ溶剤が沸騰しない範囲の温度が、セルロースエステルの溶解度の観点から好ましい。加熱温度が高過ぎると必要とされる圧力が大きくなり、生産性が悪くなる。好ましい加熱温度の範囲は45〜120℃であり、60〜110℃がより好ましく、70〜105℃が更に好ましい。また、圧力は、設定温度で溶剤が沸騰しないように調整する。加熱後は、得られたセルロースエステル溶液を濾紙等の適当な濾材を用いて濾過する。濾材としては、不要物等を除去するために絶対濾過精度が小さい方が好ましいが、絶対濾過精度が小さ過ぎると濾材の目詰まりが発生しやすいという問題点が生じる。このため、絶対濾過精度0.008mm以下の濾材が好ましく、0.001〜0.008mmの範囲の濾材がより好ましく、0.003〜0.006mmの範囲の濾材が更に好ましい。濾材の材質は特に制限はなく、通常の濾材を使用することができるが、例えば、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック製の濾材やステンレス等の金属製の濾材が繊維の脱落等がなく、好ましい。
ドープ液の濾過は通常の方法で行うことができるが、加圧下で、溶剤の常圧での沸点以上でかつ溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら濾過する方法が、濾材前後の差圧(以下、濾圧ということがある)の上昇が小さく、好ましい。好ましい濾過の温度は45〜120℃であり、45〜70℃がより好ましく、45〜55℃が更に好ましい。濾圧は小さい方が好ましい。濾圧は1.6×10Pa以下であることが好ましく、1.2×10Pa以下であることがより好ましく、1.0×10Pa以下であることが更に好ましい。
流延(キャスト)工程に用いる支持体は、無端ベルト状もしくはドラム状のステンレスを鏡面仕上げした支持体が好ましい。キャスト工程の支持体の温度は0℃から溶剤の沸点未満の温度までが好ましい。温度が高い方が乾燥速度を速くできるが、あまり高過ぎると発泡し、平面性が劣化する場合がある。好ましい支持体温度は0〜50℃であり、5〜30℃が更に好ましい。支持体の温度を制御する方法は特に制限されないが、温風または冷風を吹きかける方法や、温水バットを支持体に接触させる方法がある。これらの方法のうち、温水バットを用いる方法が、熱の伝達が効率的に行われ、支持体の温度が一定になる時間が短くなるため、好ましい。温風を用いる場合は、目的の温度よりも高い温度の風を使う必要がある。セルロースエステルフィルムが良好な平面性を示すためには、支持体から剥離する際の残存溶剤量は、10〜120質量%が好ましく、更に好ましくは20〜40質量%または60〜120質量%であり、特に好ましくは20〜30質量%または70〜115質量%である。
本発明においては、残留溶剤量は下記式で定義される。
残留溶剤量=〔(加熱処理前のフィルム質量−加熱処理後のフィルム質量)/(加熱処理後のフィルム質量)〕×100(%)
尚、残留溶剤量を測定する際の加熱処理とは、フィルムを115℃で1時間加熱することをいう。また、セルロースエステルフィルムの乾燥工程においては、支持体より剥離したフィルムを更に乾燥し、残留溶剤量を3質量%以下にすることが好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。フィルム乾燥工程では一般にロール懸垂方式か、テンター方式でフィルムを搬送しながら乾燥する方式を採ることができる。
支持体より剥離した直後の残留溶剤量の多い間に、テンター方式で幅保持または延伸を行うことが、寸法安定性向上効果をより発揮するため、好ましい。フィルムを乾燥させる手段は特に制限なく、熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行うことができる。簡便さの点では、熱風で行うことが好ましい。この場合、乾燥温度は40〜150℃の範囲で段階的に高くしていくことが好ましく、寸法安定性を良くするためには50〜140℃で行うことが更に好ましい。
延伸光学補償フィルムの膜厚は、薄い方が液晶ディスプレイの薄膜化が容易になるため好ましいが、薄過ぎると、透湿度が増大し、引き裂き強度等が不足する。これ等を両立するセルロースエステルフィルムの膜厚としては、10〜150μmが好ましく、20〜100μmがより好ましい。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例によりなんら制限を受けるものではない。表中の配合量の単位は質量部とする。
セルローストリアセテートを100質量部(酢化度61%、重合度260)及び下記の表1〜表10記載の添加剤を同表記載の質量部で、メチレンクロライド400質量部とメチルアルコール100質量部とからなる混合溶剤に撹拌しながら均一に溶解させ、各種揮散性評価用及びフィルム作製用ドープ液を調製した。次いで、得られたドープ液をガラス板上に約80μmになるように流延し、室温で16時間乾燥させた後、50℃で1時間乾燥させ、さらに120℃で1時間乾燥させ、各種評価フィルムを得た。得られたフィルムの膜厚はいずれも約80μmであった。
<リタデーション測定方法>
得られたフィルムについて、下記式に従い自動複屈折率計RETS−100(大塚電子(株)製)を用いて、25℃、相対湿度60%環境下、波長590nmにおける厚み方向のリタデーション(Rth)を測定した。
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
[式中,nxはフィルム面内の屈折率が最も大きい方向の屈折率、nyはnxに直角な方向でのフィルム面内の屈折率、nzはフィルムの厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)を表す。]
<揮散性の評価方法>
調製した各種ドープ液について、140℃、10kPaの条件で溶剤を留去した。留去された溶剤をガスクロマトグラフで分析し下記基準にて評価した。
○:ポリエステル系化合物が検出されなかった。
×:ポリエステル系化合物もしくはトリフェニルホスフェートが検出された。
(ガスクロマトグラフ分析条件)
装置;GC−17A(島津製作所製)
カラム:BPX−5(SGE社製)
注入口温度:300℃
検出器温度:300℃
昇温プログラム:100℃→15℃/minで300℃迄昇温
得られた評価結果を下記の表1〜8に示す。
<透湿性の評価方法>
上記の方法で得られたフィルムを、JIS Z 0208に記載の方法に従い、透湿度を測定した。測定条件は40℃、相対湿度90%である。
得られた評価結果を下記の表9〜10に示す。
Figure 2014218611
Figure 2014218611
Figure 2014218611
Figure 2014218611
Figure 2014218611
**:添加剤なし
Figure 2014218611
Figure 2014218611
Figure 2014218611
*トリフェニルホスフェート
Figure 2014218611
Figure 2014218611
上記表1〜8から以下のことが明らかとなった。
本発明に係る(B)ポリエステル化合物と(C)β−ジケトン化合物のいずれか一方を使用してない比較例1−2〜比較例1−4と比較して、双方を使用したいずれの実施例もリタデーションの値が大きかった。
また、比較例1−1と比較例1−5及び比較例1−12〜比較例1−14から明らかなように、(B)ポリエステル化合物が所定量以下である場合にはフィルムが脆いため、リタデーション測定のために試験片を裁断する際に割れてしまい、リタデーションを測定することができなかった。
さらに、比較例1−6〜比較例1−8から明らかなように、(C)β−ジケトン化合物が所定量以下である場合には、全ての実施例と比較してリタデーションの値が小さかった。
さらにまた、比較例1−9〜比較例1−11及び比較例1−15〜比較例1−17から明らかなように、(B)ポリエステル化合物または(C)β−ジケトン化合物が所定量以上である場合には、フィルムがブリードしてしまい、リタデーションが測定不可であった。
次に、表9および表10から以下のことが明らかとなった。
本発明に係る(B)ポリエステル化合物と(C)β−ジケトン化合物を使用した組成とすることで(B)ポリエステル化合物の単独使用と比較して、透湿性を低下できることがわかった。
また、(C)β−ジケトン化合物単独使用では表5より明らかなように、フィルムが脆いため透湿度が測定できなかった。また、脆いためにフィルムとしての透湿性は低下できても、割れると結果として透湿しやすくなる。故に、本発明は透湿性に優れたセルロースフィルムを提供する上でも有用であることが明らかである。

Claims (11)

  1. (A)セルロース系樹脂100質量部に対し、
    (B)セルロースエステルを除く以下のポリエステル化合物からなる群から選ばれる1種以上1〜30質量部、
    (b−1)多価アルコールと多価カルボン酸からなるポリエステル化合物
    (b−2)多価アルコールとモノカルボン酸からなるポリエステル化合物
    (b−3)多価カルボン酸とモノアルコールからなるポリエステル化合物
    および
    (C)β−ジケトン化合物0.1〜30質量部を配合してなることを特徴とするセルロース系樹脂組成物。
  2. 成分(B)のうち(b−1)のポリエステル化合物が30質量%以上である請求項1記載のセルロース系樹脂組成物。
  3. 成分(B)のうち(b−2)のポリエステル化合物が30質量%以上である請求項1記載のセルロース系樹脂組成物。
  4. 成分(B)のうち(b−3)のポリエステル化合物が30質量%以上である請求項1記載のセルロース系樹脂組成物。
  5. (b−1)のポリエステル化合物が次式(1)で表される請求項1〜4のうちいずれか一項記載のセルロース系樹脂組成物。
    Figure 2014218611
    (式(1)中、lは平均重合度を表す数で、1〜30であり、Aは炭素原子数1〜18のアルキレン基または炭素原子数6〜18の芳香族基を、Gは炭素原子数2〜12のアルキレン基または炭素原子数4〜12のエーテル結合を有するアルキレン基を、Eは水素原子または炭素原子数2〜10の脂肪族アシル基または炭素原子数7〜13の芳香族アシル基を表す。)
  6. (b−2)のポリエステル化合物が次式(2)で表される請求項1〜4のうちいずれか一項記載のセルロース系樹脂組成物。
    Figure 2014218611
    (式(2)中、Rは脂肪族基を有してもよい炭素原子数6〜20の芳香族基であり、Rはm価の炭素原子数2〜20の脂肪族基であり、mは2〜10の数を表す。)
  7. (b−3)のポリエステル化合物が次式(3)で表される請求項1〜4のうちいずれか一項記載のセルロース系樹脂組成物。
    Figure 2014218611
    (式(3)中、Rは芳香族基を有してもよい炭素原子数1〜20の脂肪族基であり、Rはn価の炭素原子数6〜20の芳香族基であり、nは2〜4の数を表す。)
  8. 成分(C)が次式(4)で表される請求項1〜7のうちいずれか一項記載のセルロース系樹脂組成物。
    Figure 2014218611
    (式(4)中、R〜R16は、各々独立して、水素原子、アミノ基、アミド基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜10のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数7〜20のアリールカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5〜12のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜10のアルカノイルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数3〜21のアルキルカルボニルオキシアルキレンオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜10のアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜10のアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルコキシアルキレンオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数3〜21のアルコキシカルボニルアルキレンオキシ基を表し、また、隣り合う2個の基が連結してそれぞれ結合する炭素原子とともに5員環または6員環を形成していてもよく、この5員環、6員環は置換基を有していてもよい。)
  9. セルロース系樹脂が、セルロースアシレートである請求項1〜8のうちいずれか一項記載のセルロース系樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のうちいずれか一項記載のセルロース系樹脂組成物を成形してなることを特徴とするフィルム。
  11. 延伸されてなる延伸光学補償フィルムである請求項9または10記載のフィルム。
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