JP2014218534A - 研磨布紙用目詰まり防止剤および研磨布紙用目詰まり防止剤組成物 - Google Patents

研磨布紙用目詰まり防止剤および研磨布紙用目詰まり防止剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】目詰まり防止剤を分散媒に分散させた際の分散安定性に優れ、研磨布紙に塗布した後の研磨性能を向上できる目詰まり防止剤、およびこの防止剤を含有する研磨布紙用目詰まり防止剤組成物の提供。【解決手段】炭素数8〜24の二価の脂肪酸金属塩粒子からなり、下記(1)式で表される粒度要約値AがA≦2.2の関係を満たし、80℃の環境下に10分放置した前記脂肪酸金属塩粒子において、パウダーテスターで測定される下記(2)式で表される凝集度B(%)がB≦20の関係を満たすことを特徴とする研磨布紙用目詰まり防止剤。(1)式粒度要約値A=(D90−D10)/D50(但し、1.0≦D50≦40.0)D10:脂肪酸金属塩粒子の体積基準における10%積算径(μm)D50:脂肪酸金属塩粒子の体積基準におけるメジアン径(μm)D90:脂肪酸金属塩粒子の体積基準における90%積算径(μm)(2)式凝集度B=〔(篩目350μmの篩に残存する脂肪酸金属塩粒子の質量)/2〕?100?(1/1)+〔(篩目250μmの篩に残存する脂肪酸金属塩粒子の質量)/2〕?100?(3/5)+〔(篩目150μmの篩に残存する脂肪酸金属塩粒子の質量)/2〕?100?(1/5)〕【選択図】なし

Description

本発明は、研磨布紙用目詰まり防止剤および研磨布紙用目詰まり防止剤組成物に関する。詳しくは、本発明は、研磨布紙用目詰まり防止剤組成物の分散安定性を向上させ、研磨布紙への塗布時に均一にコートさせることにより研磨性能を向上させることができる研磨布紙用目詰まり防止剤、およびこの防止剤を含有する研磨布紙用目詰まり防止剤組成物に関するものである。
研磨布紙は、結合樹脂とともに研磨粒子が支持基板上に結合されてなり、従来より金属、合金、ガラス、木材、塗料、プラスチック等の様々な基材または被削体等の研磨に使用されている。
研磨布紙は「目詰まり」を被り易く、研磨された被削体からの削り屑(研磨屑)が研磨粒子の間に堆積し、それによって研磨粒子が磨耗されていないにもかかわらず、研磨布紙の切削能力や性能が低下してしまうという問題がある。
そのため、これまで研磨布紙に目詰まり防止剤組成物を使用することが検討されてきた。例えば、目詰まり防止剤組成物に含まれる目詰まり防止成分として、脂肪酸金属塩が知られている(特許文献1を参照)。通常、目詰まり防止剤組成物として、脂肪酸金属塩と結合樹脂を水や極性あるいは非極性有機溶媒に分散させ、それを研磨布紙に塗布し、溶媒を揮発させて目詰まり防止剤組成物を研磨布紙にコートしている。
しかしながら、従来の脂肪酸金属塩は、凝集性が高いことや粒度分布がブロードであったり、粒子形状が不均一であることから、目詰まり防止剤組成物として水または有機溶媒に分散させた際に、一部が凝集粒子のまま存在していたり、局所的に粘性勾配が生じたりして、分散安定性が低下して経時的に分散粒子が沈降等を生じることがある。そのため、その分散液を研磨布紙に塗布した場合、目詰まり防止剤組成物が分散不良のまま塗布されることがあり、研磨性能が低くなるおそれが生じるという問題がある。
特に、一般的に、脂肪酸と金属酸化物または金属水酸化物を反応させて製造する直接法による脂肪酸金属塩については、粒子形状が顆粒状で粒子形が大きく、かつ不揃いであるので、分散液中で沈降する等の分散安定性が低下する傾向が強い。
特開2008−266397号公報
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、目詰まり防止剤を分散媒に分散させた際の分散安定性に優れ、研磨布紙に塗布した後の研磨性能を向上できる目詰まり防止剤、およびこの防止剤を含有する研磨布紙用目詰まり防止剤組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の粒度要約値、特定の凝集度、好ましくはさらに特定の平均円形度を有する脂肪酸金属塩を研磨布紙用目詰まり防止剤として用いることで、分散媒中において優れた分散安定性が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、炭素数8〜24の二価の脂肪酸金属塩粒子からなり、下記(1)式で表される粒度要約値AがA≦2.2の関係を満たし、80℃の環境下に10分放置した前記脂肪酸金属塩粒子において、パウダーテスターで測定される下記(2)式で表される凝集度B(%)がB≦20の関係を満たすことを特徴とする研磨布紙用目詰まり防止剤(以下、単に目詰まり防止剤ともいう。)である。

(1)式
粒度要約値A=(D90−D10)/D50(但し、1.0≦D50≦40.0)
D10:脂肪酸金属塩粒子の体積基準における10%積算径(μm)
D50:脂肪酸金属塩粒子の体積基準におけるメジアン径(μm)
D90:脂肪酸金属塩粒子の体積基準における90%積算径(μm)

(2)式
凝集度B=〔(篩目350μmの篩に残存する脂肪酸金属塩粒子の質量)/2〕×100×(1/1)+〔(篩目250μmの篩に残存する脂肪酸金属塩粒子の質量)/2〕×100×(3/5)+〔(篩目150μmの篩に残存する脂肪酸金属塩粒子の質量)/2〕×100×(1/5)〕
本発明の研磨布紙用目詰まり防止剤は、前記二価の脂肪酸金属塩粒子をフロー式粒子像分析装置によって測定したとき、10%粒子径〜90%粒子径の粒子群の平均円形度Cが0.810〜1.000であることが好ましい。
また、本発明の研磨布紙用目詰まり防止剤は、前記二価の脂肪酸金属塩粒子を構成する二価の金属がカルシウムまたは亜鉛であることが好ましい。
また、本発明は、本発明の目詰まり防止剤、分散媒および結合樹脂を含有することを特徴とする研磨布紙用目詰まり防止剤組成物である。
本発明によれば、目詰まり防止剤を分散媒に分散させた際の分散安定性を顕著に向上させ、研磨布紙への塗布時の分散不良を低減させて均一にコートさせることにより研磨性能を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の研磨布紙用目詰まり防止剤、目詰まり防止剤組成物について順次説明する。
(1)研磨布紙用目詰まり防止剤
本発明に用いられる詰まり防止剤は、炭素数8〜24の二価の脂肪酸金属塩粒子からなる。かかる脂肪酸金属塩粒子は、炭素数8〜24の脂肪酸に対して一価のアルカリ化合物を反応させて得られた脂肪酸アルカリ化合物塩と、二価の金属塩とを水溶液中で反応させる複分解法で調製することができる。
脂肪酸アルカリ化合物塩の原料となる脂肪酸は、炭素数が8〜24の脂肪酸であれば特に制限はない。すなわち、天然由来の脂肪酸および合成脂肪酸のいずれであってもよく、飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。好ましくは炭素数が12〜22の直鎖飽和脂肪酸である。炭素数が8未満の場合は、得られる脂肪酸金属塩粒子の目詰まり防止剤としての効果が得られ難くなる。一方、炭素数が24を超える脂肪酸は工業的に入手が困難であり、得られる脂肪酸アルカリ化合物塩の水に対する溶解度が著しく低下するため生産性が低くなる。
上記脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストオレイン酸、パルミチン酸、パルミトオレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキン酸、ベヘン酸およびエルカ酸などが挙げられ、その中ではステアリン酸が好ましい。混合脂肪酸を用いる場合は、好ましくはステアリン酸含有量が50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上の混合脂肪酸が用いられる。
脂肪酸アルカリ化合物塩の原料となる一価のアルカリ化合物としては、アルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)の水酸化物、およびアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類などが挙げられる。脂肪酸アルカリ化合物塩としたときに水に対する溶解度が高い点から、好ましくはナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物である。
本発明に用いる脂肪酸アルカリ化合物塩は、一価のアルカリ化合物と脂肪酸とを、一般に、脂肪酸の融点以上であり、かつ該脂肪酸が分解しない程度の温度、好ましくは100℃以下、より好ましくは50〜100℃、さらに好ましくは60〜95℃、特に好ましくは70〜95℃で反応させて得られる。
本発明に用いられる二価の脂肪酸金属塩粒子は、上記で得られた脂肪酸アルカリ化合物塩と、二価の金属塩とを水溶液中で反応させて得られる脂肪酸金属塩粒子である。上記二価の金属塩は、具体的には二価の無機金属と無機酸または有機酸との塩である。二価の無機金属としては、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属、チタン、亜鉛、鉄、マンガン、カドミウム、水銀、ジルコニウム、鉛、銅、コバルト、アルミニウム、ニッケルなどの遷移金属などが挙げられる。これらの中で、好ましくは、環境に対して負荷が少なく、工業的に容易に入手可能な点から、カルシウム、マグネシウム、亜鉛であり、特に好ましくはカルシウム、亜鉛である。
二価の金属塩としては、例えば塩化カルシウム、酢酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムなどが挙げられる。特に、カルシウム、亜鉛などの塩化物、硫酸塩、および硝酸塩が、水に対する溶解度が高く、効率的に脂肪酸アルカリ化合物塩と反応する点から好ましい。
上記反応は、具体的には、二価の金属塩含有水溶液および脂肪酸アルカリ化合物塩含有水溶液を別々に調製した後、これらを混合することにより行われる。例えば、脂肪酸アルカリ化合物塩含有水溶液中に二価の金属塩含有水溶液を添加する、あるいは別の反応槽に両者を添加することによって行われる。
脂肪酸アルカリ化合物塩含有水溶液と二価の金属塩含有水溶液との混合に際しては、例えば脂肪酸アルカリ化合物塩含有水溶液中に対して二価の金属塩含有水溶液を一度に投入すると、得られる脂肪酸金属塩粒子の形状が不均一になり、粒度分布が広くなるおそれがある。したがって、本発明においては、脂肪酸アルカリ化合物塩含有水溶液中に対して二価の金属塩含有水溶液を適度な速度で徐々に滴下することが好ましい。
脂肪酸金属塩製造時の脂肪酸アルカリ化合物塩の濃度は、脂肪酸金属塩の生産性の点、および脂肪酸アルカリ化合物塩含有水溶液または得られる脂肪酸金属塩スラリーのハンドリング性の点から、通常、1質量%〜20質量%、好ましくは5質量%〜15質量%である。脂肪酸アルカリ化合物塩の濃度が1質量%未満の場合は、脂肪酸金属塩の生産性が低下するおそれがあり、実用上好ましくない。20質量%を超える場合は、脂肪酸アルカリ化合物塩含有水溶液または得られる脂肪酸金属塩スラリーの粘度が上昇するので、均一な反応を行うことが困難となることがある。なお、二価の金属塩含有液中の二価の金属塩の濃度は、脂肪酸金属塩の生産性の点、および脂肪酸アルカリ化合物塩含有水溶液または得られる脂肪酸金属塩スラリーのハンドリング性の点から、通常、10質量%〜50質量%、好ましくは10質量%〜40質量%である。
脂肪酸アルカリ化合物塩と二価の金属塩との反応は、脂肪酸アルカリ化合物塩の溶解度を考慮して、当業者が通常行う温度条件下で行われる。好ましくは50〜100℃、より好ましくは60〜95℃である。反応温度が50℃未満である場合、脂肪酸アルカリ化合物塩と二価の金属塩との反応率が低下するおそれがある。
脂肪酸アルカリ化合物塩と二価の金属塩との反応時に脂肪酸金属塩スラリーを安定化させて、脂肪酸金属塩の生産性を向上させる目的で、ポリアルキレングリコール系エーテル、特にオキシプロピレンブロックがオキシエチレンブロックで挟まれた構造(EO−PO−EO)を有するトリブロックエーテルを脂肪酸金属塩スラリー中に存在させることが好ましい。脂肪酸金属塩スラリー中におけるポリアルキレングリコール系エーテルの含有量は、通常、脂肪酸アルカリ化合物塩100質量部に対して0.01質量部〜5質量部、好ましくは0.05質量部〜2質量部である。なお、ポリアルキレングリコール系エーテルは、一価のアルカリ化合物と脂肪酸とを反応させる前に反応系に存在させても良く、また脂肪酸アルカリ化合物塩と二価の金属塩との反応の前に反応系に存在させても良い。
上記方法によって、脂肪酸金属塩スラリーが得られる。この脂肪酸金属塩スラリーはそのまま、あるいは遠心脱水機、フィルタープレス、真空回転濾過機などにより溶媒を分離し、必要に応じて、洗浄を行い、副生する無機塩を除去した後に、回転乾燥機、気流乾燥装置、通気式乾燥機、噴霧式乾燥機、流動層型乾燥装置などにより乾燥させる。乾燥方法は、連続式または回分式、あるいは常圧または真空下のいずれでもよい。さらに、乾燥させた脂肪酸金属塩を必要に応じて粉砕する。粉砕方法は、特に限定されず、例えばピンミル、ジェットミル、アトマイザー等によることができる。粉砕された脂肪酸金属塩粒子は分級される。すなわち、振動を与えて篩い分けを行う多段篩装置等を用いて分級を行ない、粒度分布を調整する。このようにして、本発明の詰まり防止剤としての脂肪酸金属塩粒子を得ることができる。
本発明に用いられる脂肪酸金属塩粒子は、炭素数8〜24の二価の脂肪酸金属塩粒子であって、粒度分布が狭いものとすることで、分散媒中で均一に分散させることが可能であり、本発明の作用効果(分散性)をより安定して発現させ易くなる。
具体的には、脂肪酸金属塩粒子の下記(1)式で表される粒度要約値Aを2.2以下にすることが好ましい。本発明において粒度要約値Aはマイクロトラックレーザー回折法により測定した粒子径から算出される。粒度要約値Aが2.2を超えると、分散媒中に存在する脂肪酸金属塩の粒子径のバラツキにより、分散媒中での安定性が低下して塗布性が低下するおそれがある。
粒度要約値Aは1.0≦A≦2.1の関係を満たすことがより好ましい。1.0≦A≦2.1の関係を満たす場合、本発明の作用効果がさらにより安定して得られる。粒度要約値Aが1.0未満の場合、歩留まりが著しく低くなるなど工業的に製造することが困難となるおそれがある。
なお、粒度要約値Aの調整は、脂肪酸アルカリ化合物塩の濃度、脂肪酸アルカリ化合物塩と二価の金属塩との反応時の温度、二価の金属塩含有水溶液を脂肪酸アルカリ化合物塩含有水溶液に滴下する際の滴下速度をそれぞれ適宜調整することによって行うことができる。また、粒度分布が広い、つまり粒度要約値Aの値が大きいものについては、後処理において、100メッシュ、200メッシュ、330メッシュ等の篩を用いて分級することによって行なうことができる。
ここで使用するマイクロトラックレーザー回折法は、レーザー光を粒子に照射することによって得られる散乱光を利用して、粒度分布を求める方法である。本発明においては、脂肪酸金属塩粒子が溶解しない有機溶媒、例えばエタノール、イソプロピルアルコールなどの有機溶媒を循環させたところに試料をそのまま投入する湿式による測定とする。また、本発明における測定対象は粒子径0.1μm〜200μmの範囲であり、下記の(1)式で表わされる値を粒度要約値Aとした。なお、本発明においては、例えば日機装株式会社製のマイクロトラックMT−3000を用いて測定することができる。
(1)式
粒度要約値A=(D90−D10)/D50(但し、1.0≦D50≦40.0)
D10:脂肪酸金属塩粒子の体積基準における10%積算径(μm)
D50:脂肪酸金属塩粒子の体積基準におけるメジアン径(μm)
D90:脂肪酸金属塩粒子の体積基準における90%積算径(μm)
本発明者の検討によれば、脂肪酸金属塩粒子を80℃の環境下に10分放置したときのパウダーテスターで測定される下記(2)式で表される凝集度B(%)がB≦20の関係を満たすことにより、様々な混合・分散方法でも脂肪酸金属塩粒子が解れやすく、素早く均一に分散することができるので、研磨布紙への塗布時の分散不良を低減させることができる。
なお、凝集度Bの調整は、脂肪酸アルカリ化合物塩と二価の金属塩との反応を穏和な条件下で行ない、反応によって得られるスラリー中の脂肪酸金属塩粒子同士の凝集を防ぐことによって行うことができる。つまり、例えば、脂肪酸アルカリ化合物塩と二価の金属塩との反応時の反応率を低下させない程度の穏和な温度で反応を行ったり、熟成時間を短縮したりすることによって行なうことができる。反応時のこれら因子を適宜調整することによって、凝集度Bを本発明規定の範囲に調整することができる。
凝集度B(%)は、2≦B≦18がより好ましく、さらに好ましくは2≦B≦15であり、特に好ましくは2≦B≦13である。2≦B≦13を満たせば本発明の作用効果がさらにより安定して得られる。
(2)式
凝集度B=〔(篩目350μmの篩に残存する脂肪酸金属塩粒子の質量)/2〕×100×(1/1)+〔(篩目250μmの篩に残存する脂肪酸金属塩粒子の質量)/2〕×100×(3/5)+〔(篩目150μmの篩に残存する脂肪酸金属塩粒子の質量)/2〕×100×(1/5)〕
ここで使用するパウダーテスターによる脂肪酸金属塩粒子の凝集度Bは、下記の測定方法で得られた値である。すなわち、例えばパウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製、PT−N型)を用いて下記の(a)〜(f)の工程を行なう。
(a)80℃に設定された恒温機内で、測定対象の脂肪酸金属塩粒子を10分間放置する。
(b)パウダーテスターの振動台に、上層から篩目350μm、250μm、150μmの篩いを順次セットする。
(c)上記(a)工程後の脂肪酸金属塩粒子2.0gを即座に篩目350μmの篩上に静かにのせる。
(d)篩を振幅1mmで105秒間振動させる。
(e)各篩に残存した脂肪酸金属塩粒子の質量を計測する。
(f)上記(e)工程で得られた各質量にそれぞれ1/1、3/5および1/5の重みを順次に乗じ、これらを加算して上記(2)式により百分率を算出した値を凝集度B(%)とする。
以上の(a)〜(f)の工程を5回繰り返し、その平均値を測定値とする。
さらに、本発明に用いられる脂肪酸金属塩粒子は、下記(3)式で表されるゆるみ嵩密度(Da)(g/cc)が0.110≦Da≦0.180であることが好ましく、0.135≦Da≦0.160であることがより好ましい。0.110≦Da≦0.180であることにより、分散媒に添加した際に脂肪酸金属塩粒子に安定性が得られ、斑の発生を抑制することができる。
ゆるみ嵩密度(Da)は、下記の測定方法で得られた値である。まず、例えばパウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製、PT−N型)を用い、振動台に篩目710μmの篩をセットし、その中に試料250ccを入れ、30秒間振動させて、篩の下方に設置した測定用カップの中に、落下した試料を集める。付属のブレードを用いて、カップ上の余分な脂肪酸金属塩粒子をすりきった後、試料の入ったカップの質量を測定する。なお、本発明においては、この操作・測定を5回繰り返し、その平均値を嵩密度(Da)の測定値とする。PT−N型では、自動で測定値が表示される。
(3)式
ゆるみ嵩密度(Da)(g/cc)=試料の入ったカップの質量(g)/カップの容積(cc)
本発明の目詰まり防止剤組成物では、目詰まり防止剤に加えて、バインダーとしての結合樹脂が分散媒に添加され、結合樹脂も分散媒中での凝集・合一を起こす傾向がある。これを抑制するために、結合樹脂への被覆性を高める観点から、フロー式粒子像分析装置によって測定したとき、10%粒子径〜90%粒子径の粒子群の平均円形度Cが0.810〜1.000であることが好ましく、0.820〜1.000であることがさらに好ましく、0.830〜1.000であることが特に好ましい。
なお、平均円形度Cの調整は、脂肪酸アルカリ化合物塩と二価の金属塩との反応を穏和な条件下で行ない、反応によって得られるスラリー中の脂肪酸金属塩粒子の粒子形状が不均一となるのを防ぐことによって行うことができる。つまり、例えば、脂肪酸アルカリ化合物塩と二価の金属塩との反応時の反応率を低下させない程度の穏和な温度で反応を行ったり、二価の金属塩含有水溶液を脂肪酸アルカリ化合物塩含有水溶液に滴下する際の滴下速度を緩やかにしたり、スラリーを安定化させるために上述のポリアルキレングリコール系エーテルを添加したりすることによって行なうことができる。反応時のこれら因子を適宜調整することによって、平均円形度Cを本発明規定の範囲に調整することができる。
本発明における平均円形度は、脂肪酸金属塩粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、次のように定義することができる。まず、例えばシスメックス社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」を用いて、円相当径0.5μm〜200μmの範囲内の粒子を測定し、そこで測定された各粒子の円形度(ai)を下記(4)式によりそれぞれ求める。
(4)式
円形度(ai)=(粒子の投影像と同じ面積を有する円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
さらに、円相当径0.5μm〜200μmの範囲内の粒子において、下記(5)式で示すように、測定された全粒子の円形度の総和を、全粒子数(m)で除した値を平均円形度(a)と定義する。
Figure 2014218534
本発明における平均円形度とは、脂肪酸金属塩の粒子形の凹凸の度合いを示す指標であり、脂肪酸金属塩粒子の表面形状が円形に近くなるほど1.000に近づき、粒子の表面形状が複雑になるほど平均円形度は小さな値となる。本発明で用いることができる測定装置である「FPIA−3000」は、各粒子の円形度を算出し、得られた円形度によって、粒子の円形度0.4〜1.0を61分割したクラスに分け、分割点の中心と頻度を用いて平均円形度の算出を行う算出法を用いている。
本発明において、10%粒子径〜90%粒子径の粒子群の平均円形度C(以下、単に「平均円形度C」とも呼ぶ。)は、上記測定装置で測定した全粒子のうち、粒径分布の小粒子径側から数えて10%粒子径〜90%粒子径の範囲にある粒子の円形度の総和を粒子数で除した値である。
10%粒子径〜90%粒子径の粒子群の平均円形度Cの測定は、例えば以下のとおりである。予め不純固形物などを除去したイオン交換水30mlを容器中に用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはポリオキシエチレン−ラウリルエーテル(日油株式会社製、商品名:ノニオンK−204)を加えた後、さらに測定試料を20mg加え、均一に分散させる。分散手段としては、例えば超音波分散機UH−50型(エスエムテー社製、20kHz・50W)に、振動子として直径5mmのチタン合金チップを装着したものを用い、5分間分散処理を行い、分散液濃度を3, 000個/ml〜20, 000個/mlとして、測定用の分散液とする。その際、測定用分散液の温度が40℃以上にならないように適宜冷却しながら行う。その後、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」を用いて測定を行い、得られたデータを処理することで平均円形度Cが求められる。
本発明者は、得られた脂肪酸金属塩粒子を目詰まり防止剤として用いるに際し、得られた粉体物性の中でも、10%粒子径〜90%粒子径の粒子群の平均円形度Cと、(1)式の粒度要約値Aとの数値的関係が、目詰まり防止剤の分散安定性、塗布時の研磨布紙への被覆性に大きく影響を与えることを見出した。つまり、目詰まり防止剤の分散安定性、塗布時の研磨布紙への被覆性を高める観点からは、0<(粒度要約値A/平均円形度C)≦2.7であり、0<(粒度要約値A/平均円形度C)≦2.6が好ましく、0<(粒度要約値A/平均円形度C)≦2.5がより好ましい。
(粒度要約値A/平均円形度C)の値が小さいほど脂肪酸金属塩の粒度分布が狭く均一な大きさとなり、且つ個々の粒子の形状は円形に近くなることから、分散媒中で素早く均一に分散して、さらに塗布時の研磨布紙への被覆性が高くなり、研磨性能が優れた研磨布紙を得ることができる。
本発明の目詰まり防止剤は、非イオン性界面活性剤と混合して用いても良い。非イオン性界面活性剤としては、エーテル型の非イオン性界面活性剤が望ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどが更に望ましい。これは、スラリー中の脂肪酸金属塩粒子形成の安定性、得られた脂肪酸金属塩粒子による粒状窒素肥料への被覆性において、前記脂肪酸金属塩粒子および非イオン性界面活性剤を併用する方が優れているためである。
本発明の目詰まり防止剤は、炭素数8〜24の二価の脂肪酸金属塩粒子であって、特定の粒度要約値A、特定の凝集度Bを有し、好ましくはさらに特定のゆるみ嵩密度、特定の平均円形度C、粒度要約値Aを平均円形度Cで除した値が特定の範囲となる粉体物性を有する。このような脂肪酸金属塩粒子は、目詰まり防止剤として分散媒中で素早く均一に分散し、さらに分散媒中の結合樹脂への被覆性が高いことから、結合樹脂の凝集・合一を抑制し、高い分散安定性を付与することができる点で好適である。
(2)研磨布紙用目詰まり防止剤組成物
本発明の研磨布紙用目詰まり防止剤組成物は、本発明の目詰まり防止剤、分散媒および結合樹脂を含有する。
目詰まり防止剤組成物中における目詰まり防止剤の含有量は、通常、5〜50質量%、好ましくは10〜40質量%、さらに好ましくは15〜40質量%、より好ましくは20〜30質量%である。目詰まり防止剤組成物中の目詰まり防止剤の含有率が5質量%未満であると、目詰まり防止性能が不十分となるおそれがある。一方、目詰まり防止剤の含有率が50質量%を超えると、目詰まり防止剤組成物がゲル化を起こし、流動性がなくなって、適切に塗布できなくなるおそれが生じる。
(分散媒)
本発明に用いられる分散媒は、水、極性あるいは非極性有機溶媒のいずれであってもよい。極性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられ、非極性溶媒としては、トルエン、キシレン、ヘキサン、シンナーなどが挙げられる。なお、これらの溶媒は、任意の割合で2種以上を混合して用いてもよい。
目詰まり防止剤組成物中における分散媒の含有量は、通常、30〜90質量%、好ましくは40〜60質量%である。
30質量%未満である場合、組成物がゲル化・固化を起こすことがあり、流動性が失われるおそれがある。90質量%を超えると目詰まり防止剤、結合樹脂の含有比率が低くなり、目詰まり防止剤本来の機能が低下するおそれがある。
(結合樹脂)
本発明に用いられる結合樹脂としては、35℃以上、特に40〜150℃のガラス転移温度を有するものが好ましい。結合樹脂のガラス転移温度が35℃未満である場合、研磨布紙に塗布後の目詰まり防止皮膜がべたついて目詰まり防止機能を損なうおそれがある。結合樹脂の種類としては、例えば、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレンブタジエン・アクリロニトリルゴム、クロロプレンゴムなどのラテックス、アクリル系および酢酸ビニル系のエマルジョン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体が挙げられる。
なお、ガラス転移温度は、セイコーインスツルメンツ社製、粘弾性測定装置EXSTER6000DMSにより、温度範囲室温から500℃、昇温速度2℃/min、周波数10Hzの条件で測定した損失弾性率のピークから求めることができる。
目詰まり防止剤組成物中における結合樹脂の含有量は、通常、5〜50質量%、好ましくは10〜40質量%である。
目詰まり防止剤組成物中の結合樹脂の含有量が5質量%未満であると、結合樹脂成分の比率が低すぎるので、被覆研磨材料表面上への目詰まり防止剤の保持が弱くなるおそれがある。結合樹脂の含有量が50質量%を超えると、結合樹脂成分の比率が目詰まり防止剤よりも高くなり、切り屑の付着を防止するという目詰まり防止剤本来の機能が低下するおそれがある。
本発明の目詰まり防止剤組成物は、公知の方法に準じて製造することができ、例えば、目詰まり防止剤、結合樹脂を分散媒に添加し、一般的には、攪拌羽等を用いて回転数を数百rpmで数十分〜数時間混合することによって製造することができる。
本発明の目詰まり防止剤組成物は、コランダム等の研磨粒子を埋め込んだ研磨布紙(第1層;メークコート、第2層;サイズコート)の最外側面上に、例えば、刷毛塗、ロール塗布、流し塗、しごき塗、吹付塗等の方法によって塗布することができる。塗布量は、使用する研磨粒子の寸法や量等、および研磨布紙の用途等によって適宜変化させてよい。一般には、乾燥皮膜重量として約1〜約75g/m、好ましくは約10〜約40g/mである。
なお、好ましくは、目詰まり防止剤組成物が塗布された研磨布紙は、選択された結合樹脂がひび割れを伴って被膜を形成するのに適当な温度および時間加熱して乾燥される。加熱条件は、諸条件に応じて適宜決定することができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
目詰まり防止剤の調製
(実施例1)
3Lセパラブルフラスコに混合脂肪酸(ミリスチン酸2.1質量%、パルミチン酸30.3質量%、ステアリン酸66.5質量%、アラキン酸0.8質量%、およびベヘン酸0.3質量%を含有)250gおよび水2500gを仕込み、90℃まで昇温した。次いで、48質量%水酸化ナトリウム水溶液77.2gを加え、同温度(90℃)にて1時間攪拌し、脂肪酸アルカリ化合物塩水溶液を得た。その後、90℃に保持したまま、35質量%塩化カルシウム水溶液151.2gを1時間かけて脂肪酸アルカリ化合物塩水溶液に滴下した。滴下終了後、さらに、90℃にて1時間攪拌した。得られた混合脂肪酸カルシウム塩水溶液スラリーに水1500gを加え、65℃以下まで冷却した。その後、吸引濾過機でろ過し、1000gの水で2回水洗し、得られたケーキをミクロンドライヤーで乾燥、粉砕及び分級して脂肪酸カルシウム塩粒子を得た。
(実施例2)
3Lセパラブルフラスコに混合脂肪酸(ミリスチン酸1.6質量%、パルミチン酸24.0質量%、ステアリン酸73.4質量%、アラキン酸0.7質量%、およびベヘン酸0.3質量%を含有)250g、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール・ブロックエーテル(日油株式会社製、商品名:プロノン♯104)0.75gおよび水2500gを仕込み、90℃まで昇温した。次いで、48質量%水酸化ナトリウム水溶液76.5gを加え、同温度(90℃)にて1時間攪拌し、脂肪酸アルカリ化合物塩水溶液を得た。その後、90℃に保持したまま、35質量%塩化カルシウム水溶液150.1gを1時間かけて脂肪酸アルカリ化合物塩水溶液に滴下した。滴下終了後、さらに、90℃にて1時間攪拌した。得られた混合脂肪酸カルシウム塩水溶液スラリーに水1500gを加え、65℃以下まで冷却した。その後、吸引濾過機でろ過し、1000gの水で2回水洗し、得られたケーキをミクロンドライヤーで乾燥、粉砕及び分級して脂肪酸カルシウム塩粒子を得た。
(実施例3)
3Lセパラブルフラスコに混合脂肪酸(ミリスチン酸2.1質量%、パルミチン酸30.3質量%、ステアリン酸66.5質量%、アラキン酸0.8質量%、およびベヘン酸0.3質量%を含有)250gおよび水2500gを仕込み、90℃まで昇温した。次いで、48質量%水酸化ナトリウム水溶液77.2gを加え、同温度(90℃)にて1時間攪拌し、脂肪酸アルカリ化合物塩水溶液を得た。その後、90℃に保持したまま、35質量%塩化亜鉛水溶液225.0gを1時間かけて脂肪酸アルカリ化合物塩水溶液に滴下した。滴下終了後、さらに、90℃にて1時間攪拌した。得られた混合脂肪酸亜鉛塩水溶液スラリーに水1500gを加え、65℃以下まで冷却した。その後、吸引濾過機でろ過し、1000gの水で2回水洗し、得られたケーキをミクロンドライヤーで乾燥、粉砕及び分級して脂肪酸亜鉛塩粒子を得た。
(比較例1)
10L加圧ニーダーに混合脂肪酸(ミリスチン酸2.4質量%、パルミチン酸31.1質量%、ステアリン酸65.4%、アラキン酸0.8質量%、およびベヘン酸0.3質量%を含有)250gを入れ、100℃に加熱した後、生石灰68.0gを加え、攪拌しつつ徐々に140℃まで昇温し、1時間反応させた。得られた混合脂肪酸カルシウム塩を80℃、3日間恒温槽で乾燥し、バンタムミルで粉砕してサンプルを得た。
(比較例2)
特許文献1に記載のステアリン酸カルシウム「Ca−St」を用いた。
(比較例3)
特許文献1に記載のステアリン酸亜鉛「Zn−St」を用いた。
実施例1〜3および比較例1〜3の脂肪酸金属塩粒子について、粒度要約値A〔体積基準における10%積算径D10(μm) 、体積基準におけるメジアン径D50(μm) 、体積基準における90%積算径D90(μm) から算出した値]、ゆるみ嵩密度(Da)(g/cc)および凝集度B(%)を、それぞれ以下の装置を用い、上述の方法で測定した。その結果を表1に示す。
(1)粒度
粒度分布測定装置(機器名「マイクロトラックMT−3000」日機装株式会社製)で測定した。原理:レーザー回折・散乱法
(2)ゆるみ嵩密度
粉体特性評価装置(機器名「パウダーテスターPT−N型」ホソカワミクロン株式会社製)で測定した。
(3)凝集度
粉体特性評価装置(機器名「パウダーテスターPT−N型」ホソカワミクロン株式会社製)で測定した。
(4)平均円形度
フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)を用いて水分散系で測定を行った。
Figure 2014218534
〔目詰まり防止剤組成物の製造方法〕
表1に記載された各種の脂肪酸金属塩粒子30質量%、およびメチルセルロース(信越化学工業社製、商品名「メトローズSM25」、2質量%水溶液、粘度25mPa・s)20質量%を分散媒であるシンナー50質量%に混合し、ヤマト科学社製スターラーでプロペラ型攪拌羽根を用いて500rpmで30分間分散させ、目詰まり防止剤組成物を得た。
(分散安定性試験)
上記にて調製した各種の研磨布紙用目詰まり防止剤組成物について、分散安定性および粘度変化率を評価した。調製後21日間室温で静置し、凝集・沈降により固化分離または全体がゲル化して流動性を消失しているかを目視で確認した。
上記期間内に、凝集・沈降が発生せずに固液分離またはゲル化が見られなかったきときは「○」、凝集・沈降が発生するも固液分離またはゲル化が見られなかったきときは「△」、凝集・沈降が発生し、かつ固液分離またはゲル化が見られたときは「×」で評価した。
また、粘度変化率は、B型粘度計で測定し、1−(6日間室温保管後の値)/(調製直後の値)の100分率(%)として示した。
以上の結果を表2に示した。
Figure 2014218534
表2の結果から、表1のNo.1およびNo.2の脂肪酸カルシウム塩粒子、No.3の脂肪酸亜鉛塩粒子を用いた研磨布紙用目詰まり防止剤は、粒度要約値Aが小さく粒子径が均一であり、凝集度Bが低いことから分散性が高く、平均円形度が高いことから、21日間の室温保管後でも高い分散性が得られ、粘度変化率も低く、優れた安定性が得られていることが分かる。
一方、表2のNo.4は、粒度要約値Aが大きく粒子径が不均一であることから分散性が低く、研磨布紙用目詰まり防止剤が沈降してしまい、粘度変化率の値が大きくなり安定性が著しく損なわれていることが分かる。
No.5は、凝集度Bが高く、平均円形度が低いことから、分散媒中でも凝集してしまい分散不良となり、粘度変化率の値も大きくなり安定性が著しく損なわれていることが分かる。
No.6も、粒度要約値A、凝集度Bの値が大きいことから研磨布紙用目詰まり防止剤が凝集していないものの、一部がゲル化し、安定性が損なわれていることが分かる。
本発明の研磨布紙用目詰まり防止剤は、この詰まり防止剤を含有する研磨布紙用目詰まり防止剤組成物の分散安定性を顕著に向上させ、研磨布紙への塗布時の分散不良を低減させて均一にコートさせることにより研磨性能を向上させることができる。

Claims (4)

  1. 炭素数8〜24の二価の脂肪酸金属塩粒子からなり、下記(1)式で表される粒度要約値AがA≦2.2の関係を満たし、80℃の環境下に10分放置した前記脂肪酸金属塩粒子において、パウダーテスターで測定される下記(2)式で表される凝集度B(%)がB≦20の関係を満たすことを特徴とする研磨布紙用目詰まり防止剤。

    (1)式
    粒度要約値A=(D90−D10)/D50(但し、1.0≦D50≦40.0)
    D10:脂肪酸金属塩粒子の体積基準における10%積算径(μm)
    D50:脂肪酸金属塩粒子の体積基準におけるメジアン径(μm)
    D90:脂肪酸金属塩粒子の体積基準における90%積算径(μm)

    (2)式
    凝集度B=〔(篩目350μmの篩に残存する脂肪酸金属塩粒子の質量)/2〕×100×(1/1)+〔(篩目250μmの篩に残存する脂肪酸金属塩粒子の質量)/2〕×100×(3/5)+〔(篩目150μmの篩に残存する脂肪酸金属塩粒子の質量)/2〕×100×(1/5)〕
  2. 前記二価の脂肪酸金属塩粒子をフロー式粒子像分析装置によって測定したとき、10%粒子径〜90%粒子径の粒子群の平均円形度Cが0.810〜1.000であることを特徴とする請求項1に記載の研磨布紙用目詰まり防止剤。
  3. 前記二価の脂肪酸金属塩粒子を構成する二価の金属がカルシウムまたは亜鉛であることを特徴とする請求項1または2に記載の研磨布紙用目詰まり防止剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の研磨布紙用目詰まり防止剤、分散媒および結合樹脂を含有することを特徴とする研磨布紙用目詰まり防止剤組成物。
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