JP2014217142A - 回転子の液冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転軸を軸支する軸受を覆う外カバーに、アダプターを介して装着されて外カバーから外方に突出した回転軸の前端部分を受け入れる冷却液箱を有し、冷却液箱に、入液パイプと排液通路とが備え、摺動リングと固定リングとを有するメカニカルシールユニットによりハウジング内への冷却液の浸入を防止するようにした回転子の液冷却装置を不釣り合い質量と回転数とによって誘発される強制外力に起因するメカニカルシールユニット装着箇所での振動加速度の増加を抑制すると同時に、回転軸周りの撓み変形量に起因するメカニカルシールユニット装着箇所での振動加速度の増加を抑制して、耐久性を向上させる。【解決手段】固定リング62を取付金具7の後端周縁部に外挿すると共に、アダプター3の前面に凹設したくぼみ部32に摺動リング61を直接嵌着し、摺動リングを前方に向けて付勢するコイルばね35をアダプターに内蔵する。【選択図】図2

Description

本発明は、主として電動機の回転子を冷却するための回転子の液冷却装置に関する。
この種の回転子の液冷却装置は例えば特許文献1で知られている。このものは、回転軸に外挿される回転子とこの回転子を囲う固定子とが収納され、回転軸を軸支する、当該回転軸の軸線方向で前後一対の軸受が設けられたハウジングに密着して、反伝動側である前方の軸受を覆う外カバーに、アダプターを介して装着されて外カバーから外方に突出した回転軸の前端部分を受け入れる冷却液箱を有する。冷却液箱には、前端が開口する回転軸の内部通路に挿設される入液パイプと当該冷却液箱内に連通する排液通路とが備えられている。そして、冷却液が入液パイプの前端から当該入液パイプ内の往き通路を通して回転軸の内部通路へと流入され、回転軸の内周面と入液パイプの外周面との間の間隙からなる戻り通路を介して冷却液箱内に戻り、排液通路から排出されるようにしている。
また、上記特許文献1記載のもの(以下、単に「従来例」という)は、アダプターの後端内面に設けた取付金具に回転軸の軸線方向に摺動自在な摺動リングが取り付られると共に、回転軸の前端部に外挿した他の取付金具に固定リングが取り付けられている。そして、アダプターに組み付けた付勢手段により摺動リングを前方に向けて付勢して摺動リングと固定リングとを面接触させ、これら摺動リングと固定リングとを有するメカニカルシールユニットによりハウジング内への冷却液の浸入を防止するようにしている。この場合、メカニカルシールユニットのシール性、耐摩耗性、機械的強度や変形剛性を確保するため、摺動リングは、上記取付金具で保持される付勢手段により付勢される基端部と、この基端部からアダプターの内面を貫通して前方に延出し、摺動リングの内周面とOリングを介して密着する断面視略Z字形状の接続部と、接続部の前端に設けたシール部とで構成されていた。
上記従来例のメカニカルシールユニットは、特に摺動リングが軸線方向に長くて重量があり、しかも、前方の軸受から、取付金具の回転軸に対する固定箇所までの長さ(オーバーハング距離L)も長くなっている。このため、メカニカルシールユニットが設けられた箇所における回転軸周りの不釣合い重量によって誘発される強制外力に起因する振れ回り振動が増大するという問題があった。
ここで、JIS B 0905−1992、回転機械の剛性ロータの釣合い良さの規格によれば、釣合い良さの等級がG0.4〜G4000まで11段階で規定されており、選定した釣合い良さの等級において、許容残留不釣り合いをUper(g・mm)、釣合いのバランスを図る剛性ロータの半径をR(mm)とすれば、許容不釣合い質量m(g)は、m=Uper/Rとなり、例えば、釣合良さの最も良いG0.4を選定して製作したとしても、不釣り合い質量mが残存することになる。
上記回転軸回りの不釣合い質量mによって誘発されて回転軸に作用する振れ回りの強制外力をP、剛体ロータ(回転軸及び回転子)の回転数をn(min―1)とすると、P=mR・(2π×n/60)となる。この場合、δは、メカニカルシールユニットが設けられた箇所における回転軸周りの撓み変形量、Mは、メカニカルシールユニットが設けられた箇所での回転軸周りの質量、Cは、メカニカルシールユニットが設けられた箇所での回転軸周りの減衰係数、Kは、メカニカルシールユニットが設けられた箇所での回転軸周りの撓み変形ばね定数とすると、M・dδ/dt+C・dδ/dt+Kδ=mR・(2π×n/60)という振れ回りによる強制振動の運動方程式(1)が成立する。
上記式(1)から、強制外力Pに起因する振れ回りの振動の振幅は、不釣り合い質量mの1乗に比例し、回転数nの2乗に比例して増幅され、振れ回りの振動加速度はこの振動の振幅の増幅度合に比例して増大する。これと共に、メカニカルシールユニットが設けられた箇所における回転軸周りの撓み変形量δに起因する振れ回りの振動の振幅も、回転軸周りの撓み変形のばね定数Kに概ね反比例する。その結果、上記振れ回りの振動の振幅は、上記オーバーハング距離Lの3条に概ね比例して増幅されることになり、振れ回りの振動加速度もまた振動の振幅の増幅度合に比例して増大することになる。
ところで、近年では、更に高出力(例えば、200kW)で高速回転数(例えば、20000min−1〜35000min−1)の電動機が要望されることがあり、このような電動機の回転子の液冷却装置として上記従来例のものを適用すると、ハウジング内への冷却液の浸入を防止する摺動リングと固定リングとのシール面としての接触面に、引っ掻き摩耗や斑摩耗が発生し、これら摩耗に伴ってメカニカルシールユニットが破損するという問題を招来する。
特開第2738814号公報
本発明は、以上の点に鑑み、不釣り合い質量と回転数とによって誘発される強制外力に起因するメカニカルシールユニット装着箇所での振動加速度の増加を抑制すると同時に、回転軸周りの撓み変形量に起因するメカニカルシールユニット装着箇所での振動加速度の増加を抑制して、摩耗に伴うメカニカルシールユニットの破損を抑制することができる耐久性の良い回転子の液冷却装置を提供することをその課題とするものである。
上記の課題を解決するために、本発明の回転子の液冷却装置は、回転軸に外挿される回転子とこの回転子を囲う固定子とが収納され、回転軸を軸支する、当該回転軸の軸線方向で前後一対の軸受が夫々設けられたハウジングに密着して前方の軸受を覆う外カバーに、アダプターを介して装着されて外カバーから外方に突出した回転軸の前端部分を受け入れる冷却液箱を有し、冷却液箱に、前端が開口する回転軸の内部通路に挿設される入液パイプと当該冷却液箱内に連通する排液通路とが備えられ、冷却液が入液パイプの前端から回転軸の内部通路へと流入され、回転軸の内周面と入液パイプの外周面との間の間隙を介して冷却液箱に戻り、排液通路から排出されるように構成され、アダプターに回転軸の軸線方向に摺動自在な摺動リングが取り付られると共に、回転軸の前端部に外挿した取付金具に固定リングが取り付けられ、摺動リングを前方に向けて付勢して摺動リングと固定リングとを接触させ、これら摺動リングと固定リングとを有するメカニカルシールユニットによりハウジング内への冷却液の浸入を防止するようにし、固定リングを取付金具の後端周縁部に外挿すると共に、アダプターの前面に凹設したくぼみ部に摺動リングを嵌着し、当該摺動リングを前方に向けて付勢する付勢手段をアダプターに内蔵したことを特徴とする。
本発明によれば、付勢手段をアダプターに内蔵することで、上記従来例で用いられていた、付勢手段を保持する取付金具を省略し、また、アダプターの前面に凹設したくぼみ部に摺動リングを直接嵌着することで、前方の軸受から、取付金具の回転軸に対する固定箇所までの長さ(オーバーハング距離)を上記従来例のものと比較して大幅に短くできる。その上、メカニカルシールユニット自体の重量も上記従来例のものと比較して大幅に軽くでき、その結果、不釣り合い質量と回転数とによって誘発される強制外力に起因するメカニカルシールユニット装着箇所での振動加速度を上記従来例と比較して大幅に抑制することができ、しかも、回転軸周りの撓み変形量に起因するメカニカルシールユニット装着箇所での振動加速度を上記従来例のものと比較して大幅に抑制することができる。
従って、本発明の回転子の液冷却装置を高出力で高速回転数の電動機に適用しても、ハウジング内への冷却液の浸入を防止する摺動リングと回転リングとのシール面としての接触面に、引っ掻き摩耗や斑摩耗が発生し難くすることができ、摩耗に伴うメカニカルシールユニットの破損を抑制して耐久性を向上することができる。
本発明において、前記前方及び後方の両軸受を夫々アンギュラ玉軸受とし、両アンギュラ玉軸受の向きを、当該アンギュラ玉軸受の接触角の延長線と前記回転軸の軸線との交点が当該回転軸の中心に向かうように夫々配置することが好ましい。これによれば、アンギュラ玉軸受の接触角の延長線と回転軸の軸線との交点、つまり、所謂回転子質量の作用点の位置が回転軸の中心に向かうように夫々配置されることで両アンギュラ玉軸受の回転子質量の作用点間の距離が短くなって、メカニカルシールユニットの破損に対して振動加速度の面から重畳的に悪影響を与え得る、不釣り合い質量と回転数とによって誘発される強制外力に起因するメカニカルシールユニット装着箇所での間接二次的な振動加速度を抑制することができ、しかも、回転軸周りの撓み変形量に起因するメカニカルシールユニット装着箇所での間接二次的な振動加速度を抑制することができ、メカニカルシールユニットを一層破損し難くできて耐久性を更に向上することができる。なお、アンギュラ玉軸受は回転軸の軸線方向に複数列設するようにしてもよい。
ところで、冷却液を入液パイプの前端から回転軸の内部通路へと流入させ、回転軸の内周面面と入液パイプの外周面との間の間隙(環状の通路)を介して冷却液箱に戻し、排液通路から排出するときに、冷却液が蒸発して気泡を発生してキャビテーション現象を引き起こし、これに起因してメカニカルシールユニットに対して付随的な振動(及び騒音)を発生させる場合がある。即ち、冷却液を入液パイプの前端から回転軸の内部空間へと流入させ、回転軸の内面と入液パイプの外周面との間の間隙を介して冷却液箱に戻し、排液通路から排出するまでの流路において、圧力をp、冷却液の密度をρ、冷却液の流速をVとすれば、ベルヌーイの定理からp+ρV/2=一定という式(2)が成立する。そして、上記流路の各箇所における断面積をS、回転子を冷却するのに必要となる冷却液の流量をQとすると、SV=Qという式(3)が成立する。
上記式(3)から、流路の各箇所における断面積Sが変化すると、冷却液の流速Vが速くなる箇所と遅くなる箇所とが生じ、上記式(2)から、流路のうち断面積が狭くなる箇所では、圧力pが低く、この圧力pが冷却液の蒸気圧以下になると、冷却液が蒸発して気泡を発生する。そして、流路の断面積Sが広く、冷却液の流速Vが遅くなる流路の下流側の箇所では、圧力pが上昇することで気泡が潰れて急激な圧力変動が発生し、メカニカルシールユニットに対して付随的な振動(及び騒音)を発生させる。
そこで、本発明においては、前記取付金具に径方向に突出する膨出部を形成すると共に、前記アダプターに膨出部の周囲を囲う、排液通路に通じる排液口を備えた延出部を形成し、これら膨出部と延出部とで、回転軸の内面と入液パイプの外周面との間の通路の断面積と同等の断面積を有する狭窄通路を画成することが好ましい。これによれば、冷却液が、回転軸の内周面と入液パイプの外周面との間の間隙(環状の通路)を通って、比較的流路面積の広い、回転軸前端とこれに対向する冷却液箱の内面との間の流路に到達したとき、流速が遅くなって圧力上昇するが、その下流側に狭窄通路を備えるため、前記流路に達した冷却液が狭窄通路へと流れることで圧力上昇が抑制され、気泡が潰れて急激な圧力変動を発生することを抑制することができる。なお、本発明においては、同等の断面積には、断面積が厳密に一致している場合だけでなく、発生した気泡が潰れる程、圧力上昇しない場合を含む。
また、本発明においては、前記外カバーに、前記前方の軸受に潤滑油を供給する給油孔が穿設された外輪間座を介して、当該前方の軸受の外輪を後方に向けて付勢する他の付勢手段が内蔵され、前方の軸受の外輪に対して所定のセット荷重が作用する構成を採用することが好ましい。これによれば、液冷却装置のハウジングへの組立時並びに、例えば給油孔のクリーニング、付勢手段の交換や点検を含むメンテナンス時に、付勢手段や外輪間座といった部品が前方の軸受よりハウジング外側に位置するため、軸受や回転軸自体はハウジングに組み付けた状態でよく、組立及び分解の作業性を向上することができる。
本発明の回転子の液冷却装置を備えた電動機の断面図。 図1に示す液冷却装置を拡大して示す断面図。 (a)〜(c)は回転軸のアンギュラ玉軸受による支持をモデル化して示す図。 (a)は、本発明にてメカニカルシールユニットの装着箇所での回転軸周りの撓み変形量δを有限要素解析したときの変形図。(b)は、従来例にてメカニカルシールユニットの装着箇所での回転軸周りの撓み変形量δを有限要素解析したときの変形図。
以下、図面を参照して、電動機に本発明の回転子の液冷却装置を適用した実施形態を説明する。以下において、「上」、「下」、といった方向を示す用語は図1を基準とし、また、図1中、電動機の反伝動側である左側を前方、電動機の伝動側である右側を後方とする。
図1を参照して、EMは、本実施形態の回転子の液冷却装置CMを備えた電動機である。電動機EMはハウジング1を備え、ハウジング1には、当該ハウジング1の互いに向かい合う前後の壁面10a,10bに配置した一対の軸受11a,11bを介して回転軸12が軸支されている。回転軸12には回転子13が外挿され、この回転子13を囲うようにハウジング内には固定子14が配置されている。なお、電動機EMとしては公知の構造のものが利用できるため、これ以上の詳細な説明は省略する。そして、図1中、左側に位置するハウジング1の壁面10a外側に本実施形態の液冷却装置CMが取り付けられている。
図2も参照して、液冷却装置CMは、ハウジング1の壁面10aに密着して前方の軸受11aを覆う外カバー2に、アダプター3を介して装着されて外カバー2から外方に突出した回転軸12の前端部分を受け入れる冷却液箱4を有する。外カバー2は、その後面がハウジング1にOリング2aを介して密接するように回転軸12に外挿されている。この場合、外カバー2の回転軸12との接触箇所には油切り溝21が形成されている。また、外カバー2の前面中央には、前方の軸受11aの抜止めを行うナット部材5を受け入れる第1凹部22が設けられると共に、第1凹部22の周囲に位置させて外カバー2の前面には、径方向に90度間隔で4個の第2凹部23が設けられている。そして、第2凹部23には、他の付勢手段としてのコイルばね24,24が夫々内蔵されている。コイルばね24,24は、ハウジング1に形成した給油通路15に連通する、潤滑油を供給する給油孔25aが穿設された外輪間座25を介して、前方の軸受11aの外輪を後方に向けて付勢し、前方の軸受11aの外輪に対して所定のセット荷重が作用するようにしている。更に、外カバー2の前面中央が凸状に形成され、この凸状の部分を介してアダプター3が嵌着されている。なお、第2凹部23及びコイルばね24の数については、4個〜16個の範囲で等配角度間隔で設けることができる。
外カバー2にOリング2bを介してアダプター3を密着させて組み付けた状態では、外カバー2の前面とアダプター3の後面との間には、後述のメカニカルシールユニットのシール面から漏洩した冷却液を溜める漏液溜め部31が画成されるようにしている。そして、外カバー2に、漏液溜め部31に連通し、外カバー2の外周面に達するドレイン孔26が穿設され、漏液が外部へと排液されるようにしている。これにより、漏液が、外カバー2の油切り溝21、軸受11a、ひいては、ハウジング1内まで浸入することが確実に防止される。
アダプター3にOリング2cを介して密着されて組み付けられる冷却液箱4には、前端が開口する回転軸12の内部通路12aに同心に挿設される入液パイプ41と冷却液箱4内に連通する排液通路42とが備えられている。非圧縮性流体からなる冷却液が入液パイプ41の前端から入液パイプ41内の往き通路41aを通して回転軸12の内部通路12aへと流入され、内部通路12aの後端で跳ね返った冷却液が、回転軸12の内周面と入液パイプ41の外周面との間の間隙からなる戻り通路41bを介して冷却液箱4内に戻り、排液通路42から排出される(図1参照)。そして、このように冷却液を流したときにハウジング1内への冷却液の浸入を防止するために、メカニカルシールユニット6が設けられている。
メカニカルシールユニット6は、アダプター3に回転軸の軸線方向に摺動自在に取り付けれた摺動リング61と、取付金具7に取り付けられた固定リング62とを備える。この場合、アダプター3の前面中央には環状のくぼみ部32が凹設されると共に、くぼみ部32の底面には収容孔33が更に凹設されている。そして、摺動リング61をくぼみ部32にOリング34を介して挿入される基部61aとこの基部61aの前端から径方向内側に向けて連続してのびる環状の平坦部61bとで構成して、摺動リング61を前方に向けて付勢する付勢手段としてのコイルバネ35を収容孔33に内蔵した状態でくぼみ部32に摺動リング61が直接嵌着されている。他方で、取付金具7は、回転軸12の前端に外挿されてねじ71により固定され、取付金具7の後端周縁部にOリング73を介して固定リング62が外挿されている。この場合、固定リング62は、取付金具7の周面からその後面の外周縁部を覆うように形成されている。そして、摺動リング61を前方に向けて付勢して摺動リング61の前面に設けた環状の凸部を固定リング62の後面に面接触させることで、ハウジング1内への冷却液の浸入を防止するようにしている。
以上によれば、コイルばね35をアダプター3に内蔵することで、上記従来例で用いられていた、付勢手段を保持する取付金具が省略でき、また、アダプター3の前面に凹設したくぼみ部32に摺動リング61を直接嵌着することで、前方の軸受11aから、取付金具7の回転軸12に対する固定箇所までの長さ、即ち、オーバーハング距離Lを大幅に短くできる(上記従来例より40%減)。その上、メカニカルシールユニット6自体の重量も大幅に軽くでき(上記従来例より40%減)、その結果、不釣り合い質量と回転数とによって誘発される強制外力に起因するメカニカルシールユニット装着箇所での振動加速度を上記従来例と比較して40%以上抑制することができ、しかも、回転軸周りの撓み変形量に起因するメカニカルシールユニット装着箇所での振動加速度を上記従来例のものと比較して45%以上抑制することができる。
ところで、上記実施形態のように、液冷却装置CMを構成し、回転軸12を回転させたときに、メカニカルシールユニット6の装着箇所での間接二次的な振動加速度を抑制することが望ましい。そこで、本実施形態においては、ハウジング1に夫々設けた軸受を、図1中左側の反伝動側に位置する前方の軸受11aをアンギュラ玉軸受とすると共に、図1中右側の伝動側に位置する後方の軸受11bもまたアンギュラ玉軸受とした。そして、両アンギュラ玉軸受11a,11bの向きを、当該アンギュラ玉軸受11a,11bの接触角の延長線と回転軸の軸線との交点が当該回転軸の中心に向かうように夫々配置している。そして、アンギュラ玉軸受11a,11bの接触角の延長線と回転軸の軸線との交点、つまり、所謂回転子質量の作用点の位置が回転軸の中心に向かうように夫々配置されることで両アンギュラ玉軸受11a,11bの回転子質量の作用点間の距離が短くなって、メカニカルシールユニット6の破損に対して振動加速度の面から重畳的に悪影響を与え得る、不釣り合い質量と回転数とによって誘発される強制外力に起因するメカニカルシールユニット6の装着箇所での間接二次的な振動加速度を抑制することができると共に、回転軸12周りの撓み変形量に起因するメカニカルシールユニット6の装着箇所での間接二次的な振動加速度を抑制することができる。つまり、回転子13回りの撓み変形量に起因する振動の振幅は、作用点間の距離の3乗に概ね比例して増減するため、当該距離lを短くすることで、メカニカルシールユニットに対して間接二次的に影響を与える振動加速度を減少させることができる。
ここで、図3(a)は、上記の如く、アンギュラ玉軸受の向きを当該アンギュラ玉軸受の接触角の延長線と回転軸12の軸線との交点(所謂回転子質量の作用点)が、回転子13の中心方向に向かうように配置したものをモデル化したものであり、回転軸12の質量の作用点、即ち、回転軸12の支点は夫々を単純支持の梁としてモデル化できる。ここで、回転軸の撓み変形量をδ´、回転子が外挿された箇所での回転軸に作用する振れ回りの強制外力P´、アンギュラ玉軸受の支点間の距離をl、回転軸の曲げ剛性EIとすると、撓み変形量δ´は、δ´=P´・l/48EIという式(4)で算出できる。これにより、モデル化の回転軸の撓み変形量が支点間距離lの3乗に比例して増加するため、当該支点間距離lを短縮すれば、撓み変形量δ´に起因する振動の振幅を概ね支点間距離lの3乗で縮小することができることができる。その結果、上記実施形態では、メカニカルシールユニット6に対する間接二次的であるものの重畳的に悪影響を与えるところの振動加速度を減少できる。
本実施形態では、回転軸を互いに向かい合うハウジング1の壁面10a,10bに設けた夫々1個のアンギュラ玉軸受で回転軸を支持するものを例に説明したが、これに限定されるものではなく、反伝動側である前方のハウジング1の壁面10aに2個のアンギュラ玉軸受を列設してもよい。図3(b)は、アンギュラ玉軸受10a,10aの向きを当該アンギュラ玉軸受の接触角の延長線と回転軸12の軸線との交点(所謂回転子の質量の作用点)が、回転子13の中心方向に向かうように配置したものをモデル化したものであり、回転軸12の質量の作用点、即ち、回転軸12の支点のうち前方の支点は固定支持、後方の支点は単純支持の梁としてモデル化できる。そして、この場合の回転軸の撓み変形量をδ´は、δ´=1/√5×P´・l/48EIという式(5)で算出できる。これにより、上記式(4)から算出されるモデル化の回転軸の撓み変形量の1/√5に縮小することができ、それに伴って、メカニカルシールユニット6に対する間接二次的であるものの重畳的に悪影響を与えるところの振動加速度を更に減少できる。
他方で、ハウジング1の壁面10a,10bに夫々2個のアンギュラ玉軸受11a、11a,11b,11bを設けてもよい。図3(c)は、アンギュラ玉軸受11a、11a,11b,11bの向きを夫々当該アンギュラ玉軸受11a、11a,11b,11bの接触角の延長線と回転軸12の軸線との交点(所謂回転子の質量の作用点)が、回転子13の中心方向に向かうように配置したものをモデル化したものであり、回転軸12の質量の作用点、即ち、両支点は固定支持の梁としてモデル化できる。そして、この場合の回転軸12の撓み変形量をδ´は、δ´=1/4×P´・l/48EIという式(6)で算出できる。これにより、上記式(4)から算出されるモデル化の回転軸の撓み変形量の1/4に縮小することができ、それに伴って、メカニカルシールユニット6に対する間接二次的であるものの重畳的に悪影響を与えるところの振動加速度をより一層減少できる。
ここで、本発明の液冷却装置CMの効果を確認するために、上記実施形態の液冷却装置CMにおいて、メカニカルシールユニット6の装着箇所での回転軸12周りの撓み変形量δを有限要素解析し、この変形図を図4(a)に示す。なお、図4(b)は上記従来例に相当するものである。これによれば、回転軸12周りの撓み変形量δをメカニカルシールユニット6の小型、軽量化とオーバーハング距離Lの短縮化とが相俟って、上記従来例のものと比較して32.4%まで縮小したことが確認された。従って、メカニカルシールユニット6の装着箇所での回転軸周りの撓み変形量に起因する振れ回りの振動の振幅を67.6%減少することができた。
ところで、非圧縮性流体からなる冷却液を入液パイプ41の前端から入液パイプ41内の往き通路41aを通して回転軸12の内部通路12aへと流入し、内部通路12aの後端で跳ね返った冷却液が戻り通路41bを介して冷却液箱4内に戻り、排液通路42から排出するときに、冷却液が蒸発して気泡を発生してキャビテーション現象を引き起こし、これに起因してメカニカルシールユニット6に対して付随的な振動(及び騒音)を発生させる場合がある。このため、このような付随的に発生し得る振動を抑制することが望ましい。
上記実施形態では、取付金具7の周囲に径方向に突出する膨出部72を形成すると共に、アダプター3に膨出部72の周囲を囲うように、排液通路42に通じる排液口36aを備えた筒状の延出部36を形成して、これら膨出部72と延出部36とで狭窄通路41cを画成した。そして、狭窄通路41cの断面積を戻り通路41bの断面積と同等とした。これにより、冷却液が、戻り通路41bを通って、比較的流路面積の広い、回転軸12の前端とこれに対向する冷却液箱4の内面4aとの間の流路に到達したとき、流速が遅くなって圧力上昇するが、その下流側に狭窄通路41cを備えるため、上記流路に達した冷却液が狭窄通路41cへと流れることで圧力上昇が抑制され、気泡が潰れて急激な圧力変動を発生することを抑制することができる。なお、同等の断面積には、断面積が厳密に一致している場合だけでなく、発生した気泡が潰れる程、圧力上昇しない場合を含む。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記に限定されるものではない。上記実施形態では、液冷却装置を電動機に適用したものを例に説明したが、発電機の回転軸の冷却に適用してもよい。
EM…電動機、CM…液冷却装置、1…ハウジング、11a,11b…アンギュラ玉軸受(軸受)、12…回転軸、12a…内部通路、13…回転子、14…固定子、2…外カバー、24…コイルばね(他の付勢手段)、25…外輪間座、25a…給油孔、3…アダプター、32…くぼみ部、35…コイルばね(付勢手段)、36…延出部、36a…排液口、4…冷却液箱、41…入液パイプ、41b…戻り通路(回転軸の内周面と入液パイプの外周面との間の間隙)、41c…狭窄通路、42…排液通路、6…メカニカルシールユニット、61…摺動リング、62…固定リング、7…取付金具、72…膨出部。

Claims (4)

  1. 回転軸に外挿される回転子とこの回転子を囲う固定子とが収納され、回転軸を軸支する、当該回転軸の軸線方向で前後一対の軸受が夫々設けられたハウジングに密着して前方の軸受を覆う外カバーに、アダプターを介して装着されて外カバーから外方に突出した回転軸の前端部分を受け入れる冷却液箱を有し、
    冷却液箱に、前端が開口する回転軸の内部通路に挿設される入液パイプと当該冷却液箱内に連通する排液通路とが備えられ、冷却液が入液パイプの前端から回転軸の内部通路へと流入され、回転軸の内周面と入液パイプの外周面との間の間隙を介して冷却液箱に戻り、排液通路から排出されるように構成され、
    アダプターに回転軸の軸線方向に摺動自在な摺動リングが取り付られると共に、回転軸の前端部に外挿した取付金具に固定リングが取り付けられ、摺動リングを前方に向けて付勢して摺動リングと固定リングとを接触させ、これら摺動リングと固定リングとを有するメカニカルシールユニットによりハウジング内への冷却液の浸入を防止するようにした回転子の液冷却装置において、
    固定リングを取付金具の後端周縁部に外挿すると共に、アダプターの前面に凹設したくぼみ部に摺動リングを嵌着し、当該摺動リングを前方に向けて付勢する付勢手段をアダプターに内蔵したことを特徴とする回転子の液冷却装置。
  2. 前記前方及び後方の両軸受を夫々アンギュラ玉軸受とし、両アンギュラ玉軸受の向きを、当該アンギュラ玉軸受の接触角の延長線と前記回転軸の軸線との交点が当該回転軸の中心に向かうように夫々配置したことを特徴とする請求項1記載の回転子の液冷却装置。
  3. 前記取付金具に径方向に突出する膨出部を形成すると共に、前記アダプターに膨出部の周囲を囲う、排液通路に通じる排液口を備えた延出部を形成し、これら膨出部と延出部とで、回転軸の内面と入液パイプの外周面との間の通路の断面積と同等の断面積を有する狭窄通路を画成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の回転子の液冷却装置。
  4. 前記外カバーに、前記前方の軸受に潤滑油を供給する給油孔が穿設された外輪間座を介して、当該前方の軸受の外輪を後方に向けて付勢する他の付勢手段が内蔵され、前方の軸受の外輪に対して所定のセット荷重が作用するように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転子の液冷却装置。
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