JP2014210215A - 消泡剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】水への分散性がよく、優れた破泡性、抑泡性を示す消泡剤組成物を提供する。【解決手段】消泡剤組成物は、(A)ソルビタンオレイン酸エステル40〜90質量%、(B)融点10℃以下の食用油脂5〜60質量%、(C)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル0.5〜5質量%を必須成分とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、消泡剤組成物(以下、消泡剤とも言う)に関する。
従来、様々な食品の製造、もしくは加工にあたって、大量生産化および効率化が試みられている。このため、店頭で手軽に求められる食品が増加してきた。しかし、この加工技術の発展の反面、食品加工もしくは製造工程において泡を発生するものがあり、生産性や品質を著しく低下させる原因となっている。
例えば、古くから行われている豆腐の製造工程においては、大豆を水に浸して浸水させ、粉砕してできる「呉(ご)」を加熱し、「おから」と「豆乳」に分ける工程がある。この加熱の際、大豆に含まれる蛋白質が、非常に泡立ちやすい性質を持っており、煮釜からのオーバーフローなどを招くことにつながる。豆腐製造時に泡が発生すると、最終製品の外観や食感に影響を及ぼし、品質が著しく低下してしまうことから、泡の発生を抑えるために消泡剤が用いられてきた。
他方、自動販売機等で販売される缶入り飲料についても、以前より自動充填が行われているが、飲料の充填時に泡立ちが生じた場合は、飲み口付近が飲料で汚染されてしまい、品質悪化の原因となりうる。さらに、運搬時の振動や、開缶前に内容物を均一にする目的で撹拌することが習慣化してきているため、開缶する際に泡立つ原因となる。このように、泡が原因となって缶入り飲料の品質低下を招く可能性があるため、現在は多くの飲料で消泡剤が用いられている。
上記の通り、食品加工時にはしばしば消泡剤が使用されてきている。食品加工に用いられる消泡剤としては、水またはそれを含有する食品に分散させてから添加するのが一般的であり、添加後も食品全体に均一に分散することで消泡効果を発揮する。このため、消泡剤の外観は均一であり、水で希釈してから添加する場合は水へ分散しやすいもの、さらに最終的に添加する食品に対しても均一に分散することができるものが望ましい。外観が均一でない場合は、消泡剤使用時にサンプリングした際に、消泡剤成分濃度にバラツキが生じ、均一な消泡効果が得られない。さらに分散性が低い場合は、水または食品中で消泡剤成分が凝集してしまうため、消泡剤濃度にムラが生じ、均一な消泡効果が得られない。さらに、添加後の早い段階で泡を割ることのできる破泡性、添加後持続的に効果を持つ抑泡性をもつものが望ましい。
食品加工時に使用する消泡剤は大きく分けて2通りあり、シリコーンを有効成分とするもの、食品用乳化剤で構成されるものであり、いずれも食品添加物のみで構成される。シリコーン系消泡剤は、食品衛生法上で使用量に制限がある。さらに、シリコーンは疎水性が高く、食品に添加した場合は容器へ付着する等の理由から分散性を保持することが困難であるため、持続的な抑泡性はみられない。
これに対して食品用乳化剤で構成される消泡剤の場合は、その種類や物性が他種多様であることから、配合検討による物性の調整も可能となる。このため、食品用乳化剤を使用した消泡剤については、これまでに多くの技術が報告されてきた。
食品用乳化剤が消泡剤に応用される例としては、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、ポリグリセリン脂肪酸エステル等を主成分とする食品用消泡剤が広く市販されている。これらの消泡剤は、水または食品成分へ分散させてから食品に添加されるが、この際均一に分散して初めて消泡効果を発揮する。レシチンは常温での水への分散性が低いため、水で希釈した際は不均一分散液となり、撹拌工程を経由しないと均一な消泡効果が得られない。さらに、食品に添加した際も、分散状態を保てないことから、一時的な破泡性しか示さず、抑泡性不足となる。
一方、多くの消泡剤に使用される、親油性のショ糖脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪酸エステルを主成分とする食品用消泡剤については、水や食品への常温での分散性については改善されている。しかし、ショ糖脂肪酸エステルについては、消泡効果の持続がみられず、抑泡性が低い。一方、ポリグリセリン脂肪酸エステルの場合は、比重が大きく消泡成分を水または食品中に保持することができるため、他の成分では実現できなかった抑泡性は改善されるが、初期の破泡性が低下してしまうことがあり、さらにはそのものの苦味が強いため食品の味に影響を及ぼす恐れがある。
この他に、ソルビタン脂肪酸エステルを有効成分とした食品用消泡剤もある。ソルビタン脂肪酸エステルは親油性の乳化剤であり、消泡剤組成物としての使用例は、ソルビタン脂肪酸エステルと水溶性アルカリ金属化合物から成る消泡剤(引用文献1参照)、ソルビタンセスキオレイン酸エステルと油脂の混合物(引用文献2参照)、又はグリセリン不飽和脂肪酸エステルとソルビタン脂肪酸エステルおよび食用油脂又は食品用乳化剤から成る消泡剤(引用文献3参照)などが挙げられる。
特開平10−295310 特開2003−325124 特許第3029370号
しかし、引用文献1に挙げられる組成物に関しては、構成成分であるソルビタン脂肪酸エステルと水溶性アルカリ金属化合物の相溶性が乏しいため外観が分離しており、均一な消泡効果を得るためには添加前に撹拌工程が必要となる。さらに、ソルビタン脂肪酸エステルを可溶化させる成分を含んでいないため水および/または食品への分散性が期待できない。
引用文献2に挙げられる組成物に関しては、液状組成物であり外観も均一であるが、各構成成分がいずれも油性成分であるため、水への分散性が乏しくなり、消泡効果も持続しないため、抑泡性不足となる。
引用文献3に挙げられる組成物に関しては、構成成分であるグリセリン不飽和脂肪酸エステルやソルビタン飽和脂肪酸エステルは常温で固体のものであり、第3成分である常温で液体の食用油脂または乳化剤と混合した場合は、最終製品中で分離、析出する。このため、使用する前に加熱と撹拌による均一化工程を導入しないと、水へ分散せず、一定の消泡効果が期待できない。
このように、従来の消泡剤では、外観が均一で水や食品への分散性が高く、添加直後から良好な破泡性を示し、添加後も抑泡性を保持できるものは存在しなかった。
本発明は、この実情に鑑みて成されたものであり、外観が均一で、水や食品への分散性がよく、優れた破泡性、抑泡性を示す消泡剤組成物を提供することにある。
本発明者は上記の目的を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、本発明の消泡剤組成物を見出した。すなわち、上記目的を達成するための本発明の手段は、(A)ソルビタンオレイン酸エステル40〜90質量%、(B)融点10℃以下の食用油脂5〜60質量%、(C)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル0.5〜5質量%を必須成分とする消泡剤組成物を見出し、本発明を完了した。
本発明により、外観が均一で、水や食品への分散性がよい消泡剤組成物を提供することができる。さらに、種々の食品に対して、良好な破泡性ならびに抑泡性を示す消泡剤組成物を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(A)成分のソルビタンオレイン酸エステルは、ソルビトール、ソルビタン、ソルバイドから選ばれた単独または二種以上の混合物と、オレイン酸のエステルである。エステルは、モノエステル、ジエステル、トリエステル等があるが、中でもトリエステルが好ましい。また、エステル数の異なるものを2種類以上混ぜてもよい。すなわち、モノエステル、ジエステル、トリエステルのうち二種または三種が混合されていてよい。(A)成分は親油性であることから、親油性食品用乳化剤として分類できる。
(A)成分の消泡剤組成物全体に対する配合量は40〜90質量%とする。ただし、本組成物においては、(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計質量を100質量%として計算するものとする。(A)成分の含有量が90質量%を上回ると消泡効果が持続しなくなるため抑泡性不足となり、40質量%を下回ると添加後の初期の消泡効果が低下し、破泡性不足となる。(A)成分の配合量は、45質量%以上が好ましく、50質量%以上がいっそう好ましい。
(B)成分は、融点10℃以下の食用油脂である。例えば、菜種油、大豆油、サフラワー油、ひまわり油等や、中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)等が挙げられ、融点が10℃以下であればいずれでもよい。尚、MCTを構成する中鎖脂肪酸は、カプリル酸およびカプリン酸である。
消泡剤組成物に対する(B)成分の配合量は、5〜60質量%である。(B)成分の配合量が5質量%を下回ると消泡効果が持続しないため抑泡性不足となる。この観点から、(B)成分の配合量は5質量%以上とするが、10質量%以上が更に好ましい。また、(B)成分の配合量が60質量%を上回ると、分散性が低下することによって初期の消泡効果が低下するため、破泡性不足となる。この観点から(B)成分の配合量を60質量%以下とするが、55質量%以下が好ましく、50質量%以下が更に好ましい。
(C)成分は、ソルビタン脂肪酸エステルに、エチレンオキシドを付加した化合物である。これに用いられるソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビトール、ソルビタン、ソルバイドから選ばれた単体あるいは二種または三種の混合物と、脂肪酸とのエステルである。
(C)成分を構成する脂肪酸は、ステアリン酸、オレイン酸である。さらに、そのエステルとしてはモノエステル、ジエステル、トリエステル等が存在するが、可溶化能が優れているモノエステルが好ましい。

(C)成分におけるエチレンオキシドの付加量としては、20mol付加したものが最も好ましい。
(C)成分の配合量は、消泡剤全量に対して0.5〜5質量%とする。(C)成分の配合量が0.5質量%を下回ると、組成物の水や食品への分散性が低下する。この観点から、(C)成分の配合量を0.5質量%以上とし、0.7質量%以上が好ましく、0.8質量%以上が更に好ましい。また、(C)成分の配合量が5質量%を上回ると消泡効果が低下する。この観点から、(C)成分の配合量は5質量%以下とするが、4質量%以下が好ましく、3質量%以下が更に好ましい。
本発明に使用される消泡剤成分のうち、(A)成分は水や食品への分散性が高いことと高い抑泡効果によって初期から良好な消泡作用、すなわち破泡性を示すが、単独で使用した場合は抑泡性不足となる。(B)成分は、(A)成分の粘度を低下させる効果があるため、食品へ添加する工程も容易になり、作業上優位である。また、(B)成分自体も消泡効果を持っているため、混合することで消泡効果が高くなり、持続的で高い消泡効果を得ることができる。
これら2成分の配合割合としては、(A)成分の(B)成分に対する質量比(A)/(B)が、2/3〜18である。(A)/(B)が2/3を下回ると破泡性が低下する。この観点から、(A)/(B)を2/3以上とするが、1以上が好ましく、1.1以上がより好ましく、1.2以上が更に好ましい。また、(A)/(B)が18を上回ると抑泡性が低下する。この観点から、(A)/(B)を18以下とするが、10以下がより好ましく、9以下が更に好ましい。
また、(A)成分と(B)成分との2成分のみを構成成分とした場合、両成分の疎水性が高いため、水への希釈時、もしくは食品への添加時に油滴となって凝集してしまい、分散性を保持することができず、抑泡性を保つことができない。
(C)成分であるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは親水性乳化剤である。また、上記の2成分を水に分散させることができるため、消泡効果の持続性を向上させることができる。さらに、起泡しやすいため大量に配合すると消泡効果を阻害する可能性があるが、泡切れを向上させる効果もある。上記の性質に加えて、油脂との親和性が高いという特徴も持ち合わせているため、油性物質である(A)成分や(B)成分と配合しても析出または分離することが無いため、消泡剤自体の外観の均一性を保つことができる。これに対して、(C)成分の代替として、親水性乳化剤であるショ糖脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪酸エステルを使用した場合、いずれも常温で固体〜半固体であるため、消泡剤組成物とした場合は両者ともに分離してしまうため、そのまま食品に添加した場合は均一な消泡効果が得られない。
本発明の消泡剤の添加方法は、食品に直接添加して分散させてもよいが、あらかじめ水や食品などで消泡剤分散液を調製した後、直接食品に混ぜる方法でも良い。本発明の消泡剤の合計使用量は、食品に対して0.001〜1.0質量%、好ましくは0.002〜0.5質量%がよい。0.001質量%以下では消泡効果が期待できず、1.0質量%より多いと、食品の形状や風味に影響を及ぼす恐れがある。
本発明の消泡剤は、上記の3成分を併用することで十分な消泡効果を発揮する。しかし、組成物における上記配合割合を満足する限り、目的に応じて他の乳化剤を本組成物に対して添加することもできる。
以下で実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(製造例)
表1に従って配合したものを、80℃の加熱下において100rpmにて撹拌を行ったものを、消泡剤サンプルとした。
使用した配合成分としては、(A)のソルビタントリオレイン酸エステルにはノニオンOP−85R、ソルビタンモノオレイン酸エステルにはノニオンOP−80R、(B)のモノグリセリントリカプリル酸エステルとしてはパナセート810S、(C)のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレイン酸エステルはウィルサーフTF−80、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアリン酸エステルはウィルサーフTF−60(以上、日油株式会社製)を使用した。(C)はいずれも親水性乳化剤であるが、その親水性を示す値であるHLBは約15である。
比較例に使用する配合成分において、(A)の代替成分に使用した親油性の乳化剤については(A´)で、(C)の代替成分に使用した親水性の乳化剤については(C´)で示した。(A´)のショ糖オレイン酸エステルはリョートーシュガーエステルO−170、(C´)のショ糖オレイン酸エステルはリョートーシュガーエステルO−1570(以上、三菱化学フーズ製)を使用した。(A´)のデカオレイン酸デカグリセリンにはサンソフトQ−1710S、ペンタオレイン酸デカグリセリンにはサンソフトQ−175S、オレイン酸モノグリセリドにはサンソフトNo.8070Vを、(C´)のモノラウリン酸デカグリセリンにはサンソフトQ−12S(以上、太陽化学製)を使用した。
Figure 2014210215

表1の注記:
※1.(A´)に使用したショ糖オレイン酸エステルは、モノエステル含量が約1%、ジ、トリ、ポリエステル含量が約99%のものであり、HLBは1である。
※2.(C´)に使用したショ糖オレイン酸エステルは、モノエステル含量が約70%、ジ、トリ、ポリエステル含量が約30%のものであり、HLBは15である。
(試験例1)
表1に挙げた消泡剤サンプルについて、水への分散性および外観について評価した。まず、分散性については消泡剤サンプル1gを100mlビーカーに投入し、イオン交換水99gにて希釈し、25℃または80℃において、500rpmで5〜10分間撹拌した際の希釈液の外観を観察し、消泡剤が均一に分散する時間(分散時間)と、撹拌後分離し始める時間(分離開始時間)の計測を行い、下記評価基準に基づいて評価した。再分散性については、高温分散性試験に使用した消泡剤分散液について、25℃になるまで冷却し、上記の条件にて撹拌した際の分散の有無を確認した。外観については、消泡剤を配合して常温にて1日保管した際の外観を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2014210215

表2の注記:
※3.分散時間
〇:撹拌開始5分以内に均一に分散する
△:撹拌開始10分以内に均一に分散する
×:撹拌しても、油滴や固体が分離した状態のままである
※4.分離開始時間
〇:撹拌停止後の液体の外観が30秒以上均一状態を保つことができる
△:撹拌停止後の液体の分散状態を15秒以上保ち、30秒以内に分離する
×:撹拌後15秒以内に固体分と液体分に分離する、または2層分離する
※5.再分散性
〇:再撹拌した際に、分散液の外観が均一となる
×:再撹拌した際に、分散液が不均一となる
※6.外観
〇:均一である
×:固形分と液体分に分離する、不均一である
表2から明らかなように、本発明品については良好な水分散性、均一な外観を示すことが分かる。
一方、比較例1〜3は、発明品に含有される3成分中の2成分しか含んでいないため、十分な分散性を示さない。また、比較例4、6の様に(C)成分の代替としてショ糖脂肪酸エステルを含有する場合は、その融点が高い性質があるため、外観が不均一となる。比較例5は(C)成分のような水との親和性が高い成分を含まないため、25℃での分離開始時間が早くなり、分散性を保持できない。また、比較例7は(C)成分の代替としてポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する場合は、(A)、(B)成分の一部が遊離するため分散性を保てない。比較例8のようにモノグリセリン脂肪酸モノエステルを含有すると、そのものが高融点であるため外観が不均一となり、さらには(C)成分のような親水性成分を含まないため、分散性を保持できない。
(試験例2)
起泡液として、大豆蛋白質(プロリーナRD−1:不二製油製)の0.5質量%水分散液を使用した。大豆蛋白液38gおよび実施例1において調製した消泡剤1質量%分散液2.0gを250mlメスシリンダーに投入し、100℃に加熱した。加熱し、発泡開始後のメスシリンダーを観察し、発泡開始1分後の起泡量を初期の破泡性、発泡開始10分後の起泡量を抑泡性の判断材料とし、下記評価基準に基づいて評価した。さらに、試験中のメスシリンダーを観察し、発泡してできた泡の泡切れについても評価した。この結果を表3に示す。
Figure 2014210215

表3の注記:
※7.初期の破泡性
〇:1分間の起泡量が100ml以下のもの
×:1分間の起泡量が100mlを越えるもの
※8.抑泡性
〇:試験開始後10分間の起泡量が200ml以下のもの
×:10分間の起泡量が200mlを越えるもの
※9.10分後の起泡量
メスシリンダーの目盛りで測定不可能の場合を−で示した。
※10.泡切れ
〇:メスシリンダーに割れた泡が付着して残らないもの
×:メスシリンダーに泡が付着して残るもの
本発明品は、初期の破泡性、抑泡性、泡切れのいずれも要求性能を満たしていた。
これに対して比較例1〜3は、発明品に含有される3成分中の2成分しか含んでいないため、十分な消泡効果を示さない。また、比較例4、6のように(C)成分の代替として、ショ糖脂肪酸エステルを用いた場合は、抑泡性がみられない。さらに、比較例7のように(C)成分の代替としてポリグリセリン脂肪酸エステルを使用する場合については、そのもの自体の比重が大きいことから、初期は消泡剤有効成分が水溶液中に沈むため、破泡性がみられない。また、比較例5、比較例8についてはいずれも(C)のように水への親和性の高い成分を使用していないため、分散性が保持できず、抑泡性がみられない。また、泡切れに関してはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを使用していない比較例1、5、6、7等で劣る傾向がみられたが、これは泡切れを向上させる作用のある(C)を含んでいないためである。
(試験例3)
起泡液として、ホエイ(エンラクトYYY:日本新薬)3質量%水溶液を使用した。ホエイ水溶液69.3gおよび実施例1において調製した消泡剤1質量%分散液0.7gを250ml容器に投入し、55℃に加熱した。5分加熱した後に、家庭用ミキサー(ミルサー600D:イワタニ製)にて10秒間撹拌し、撹拌開始1分後(撹拌停止50秒後)の泡の量を初期の破泡性、撹拌開始5分後(撹拌停止290秒後)の泡の量を抑泡性の判断材料として、下記評価基準に基づいて評価した。結果を表4に示す。
Figure 2014210215

表4の注記:
※11.初期の破泡性
〇:撹拌後1分間の間に起泡量が20mm以下になる
×:撹拌後1分間の間に起泡量が20mmを上回る
※12.抑泡性
〇:撹拌開始時と撹拌後5分後の起泡量の差が5mm以上
×:撹拌開始時と撹拌後5分後の起泡量の差が5mmを下回る
本発明品は、いずれも優れた破泡性、抑泡性を示した。
これに対して比較例1〜3は、発明品に含有される3成分中の2成分しか含んでいないため、十分な消泡効果を示さない。比較例4と6では、(C)成分の代替としてショ糖脂肪酸エステルを使用しており、抑泡性を示さない。比較例5および8については、(C)のような親水性の高い成分を含んでいないため、(A)および(B)の分散させることができず、破泡性も抑泡性もみられない。比較例7は初期の破泡性が不十分であるが、この理由は(C)成分の変わりに使用したポリグリセリン脂肪酸エステルの比重が大きいことから、(A)および(B)成分を起泡液中に沈んでしまい、泡表面に分散するまでに時間を要するためである。

Claims (2)

  1. (A)ソルビタンオレイン酸エステル40〜90質量%、(B)融点10℃以下の食用油脂5〜60質量%、および(C)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル0.5〜5質量%を必須成分とすることを特徴とする、消泡剤組成物。
  2. (A)ソルビタンオレイン酸エステルの(B)融点10℃以下の食用油脂に対する質量比(A)/(B)が2/3〜18であることを特徴とする、請求項1記載の消泡剤組成物。
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