JP2014206716A - Vaモード液晶表示装置 - Google Patents

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義明 久門
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昌 山本
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Yujiro Yanai
雄二郎 矢内
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佐藤  寛
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洋士 伊藤
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恵 関口
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Abstract

【課題】湿熱環境下でムラが生じにくく、正面コントラスト及び視野角性能に優れるVAモード液晶表示装置の提供。
【解決手段】吸収軸が互いに直交する一対の偏光板が液晶セルを挟んで配置されるVAモード液晶表示装置であって、視認側の偏光板が液晶セル側から順に、光学補償層、偏光子、偏光板保護膜を有し、前記光学補償層の厚みが10μm以下であり、Rth(550)が35nm〜220nmであり、バックライト側の偏光板が液晶セル側から順に、光学補償層、偏光子、偏光板保護膜を有し、前記光学補償層の厚みが10μm〜60μmであり、下記式(1)及び(2)を満たすVAモード液晶表示装置。
式(1) 30nm≦Re(550)≦200nm
式(2) 50nm≦Rth(550)≦400nm
【選択図】なし

Description

本発明は薄型化された偏光板を用いた液晶表示装置に関する。
近年、ディスプレイの用途拡大や低コスト化のため、液晶表示装置の薄型化が進行している。また、一般的にVAモード液晶表示装置は、TNモードやIPSモードなどの液晶表示装置と比べ正面コントラストに優れることが知られている。しかしながら、近年の画質向上に伴い、更なる正面コントラストの向上が求められるようになってきた。さらに、黒表示時に斜めから観察した際の光漏れ、色味付きの低減も求められている。
VAモード液晶表示装置の画質向上技術として、特許文献1には、円盤状液晶性分子から形成された光学異方性層を偏光膜の表面に直接設ける方法が開示されており、前記文献の実施例には円盤状液晶性分子上に棒状液晶分子を塗布しVAモード液晶表示装置に用いる方法が開示されている。
特許第4234960号公報
一方、液晶表示装置の薄型化の流れで、液晶セルに使用するガラスの薄膜化が進んでいる。この時、液晶セルに貼合する部材(たとえば偏光子や光学補償シートなど)が湿熱環境下で変形することで液晶セルが反りやすくなり、結果としてムラが生じ表示品位を落とす問題が生じることがわかった。また、液晶表示装置の薄型化のため、偏光板自体の薄膜化も求められるようになっている。
ここで、偏光板の薄型化のために、特許文献1記載の技術を適用したところ、液晶表示装置の正面コントラストが低下してしまう問題があることがわかった。
本発明は、上記の問題を解決することを目的とするものであって、偏光板を薄型化し、湿熱環境下でムラが生じにくく、正面コントラストの低下を防ぎ、斜めから観察した際の光漏れ、色味付きを低減しうるVAモード液晶表示装置を提供することにある。
上記課題のもと、本願発明者が鋭意検討を行った結果、視認側の偏光板に含まれる光学補償層を薄型化することが湿熱環境化でのムラ抑制に効果があることを見出した。また、バックライト側の偏光板に所定の厚み、Re、Rthを有する光学補償層を配置することで、正面コントラストを低下させず、斜めから観察した際の光漏れ、色味付きを低減しうるVAモード液晶表示装置を提供出来ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
具体的には、下記手段<1>により、好ましくは<2>〜<5>により上記課題は解決された。
<1>吸収軸が互いに直交する一対の偏光板が液晶セルを挟んで配置されるVAモード液晶表示装置であって、視認側の偏光板が液晶セル側から順に、光学補償層、偏光子、偏光板保護膜を有し、前記光学補償層の厚みが10μm以下であり、Rth(550)が35nm〜200nmであり、バックライト側の偏光板が液晶セル側から順に、光学補償層、偏光子、偏光板保護膜を有し、前記光学補償層の厚みが10μm〜60μmであり、下記式(1)及び(2)を満たすVAモード液晶表示装置。
式(1) 30nm≦Re(550)≦200nm
式(2) 50nm≦Rth(550)≦400nm
(Re(550)は、波長550nmにおける面内レターデーションを表し、Rth(550)は、波長550nmにおける厚み方向のレターデーションを表す。)
<2>吸収軸が互いに直交する一対の偏光板が液晶セルを挟んで配置されるVAモード液晶表示装置であって、視認側の偏光板が液晶セル側から順に、光学補償層、偏光子、偏光板保護膜を有し、前記光学補償層の厚みが10μm以下であり、Rth(550)が35nm〜220nmであり、バックライト側の偏光板が液晶セル側から順に、光学補償層、偏光子、偏光板保護膜を有し、前記光学補償層の厚みが10μm〜60μmであり、下記式(1)及び(2)を満たすVAモード液晶表示装置。
式(1) 30nm≦Re(550)≦200nm
式(2) 50nm≦Rth(550)≦400nm
(Re(550)は、波長550nmにおける面内レターデーションを表し、Rth(550)は、波長550nmにおける厚み方向のレターデーションを表す。)
<3>視認側の偏光板に含まれる光学補償層が、水平配向した円盤状液晶性化合物を有し、前記偏光子上に直接、または配向膜を介して形成される<1>または<2>に記載のVAモード液晶表示装置。
<4>バックライト側の偏光板に含まれる光学補償層が、下記式(3)を満たす<1>〜<3>のいずれかに記載のVAモード液晶表示装置。
式(3) 0.5≦Re(450)/Re(550)≦1.0
<5>バックライト側の偏光板に含まれる偏光板保護膜の厚みが60μm以下であり、40℃90%RHにおける透湿度が50g/m2・日以下である<1>〜<4>のいずれかに記載のVAモード液晶表示装置。
本発明によって、薄型偏光板を用い、湿熱環境下でムラが生じにくく、正面コントラスト及び視野角性能に優れるVAモード液晶表示装置を提供出来るようになった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
(視認側偏光板)
本発明のVAモード液晶表示装置に用いられる視認側偏光板は、液晶セル側から順に、光学補償層、偏光子、偏光板保護膜を有する。
<視認側偏光板に含まれる光学補償層>
本発明に用いられる視認側偏光板に含まれる光学補償層は、膜厚が10μm以下である。本発明者らが検討した結果、視認側偏光板に含まれる光学補償層の膜厚を上記範囲とすることが湿熱環境下でのムラ抑制に有効であることが分かった。液晶表示装置を湿熱環境下に晒すと、視認側偏光板は外部温湿度環境に晒される一方、バックライト側偏光板は筐体にカバーされるため、視認側偏光板と比べ外部温湿度環境の影響を受けづらいと予想される。そのため湿熱環境下でのムラ抑制には視認側偏光板の変形を抑えることで、湿熱環境下でのムラを抑制できると考えられる。
さらに、湿熱環境下で偏光子が膨張、収縮する際に生じるムラが、視認側偏光板に含まれる光学補償層の膜厚が薄いほど抑えられることが分かった。いかなる理論に拘泥するものではないが、変形する偏光子と液晶セルの距離が近いほど、反りが抑えられムラが抑制されていると考えられる。認側偏光板に含まれる光学補償層のより好ましい厚みは5μm以下であり、さらに好ましくは3μm以下である。下限については特に制限はないが、実用的には0.1μm以上である。
前記光学補償層の、波長550nmにおける厚み方向のレターデーションRth(550)は35nm〜220nmであることが好ましい。より好ましくは35〜200nmであり、さらに好ましくは50nm〜220nmであり、さらにより好ましくは70nm〜200nmである。前記光学補償層の波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)は0nm〜5nmであることが好ましい。より好ましくは0nm〜4nmであり、さらに好ましくは0nm〜3nmである。
前記光学補償層はポリマーフィルムであってもよいし、液晶性化合物でも良いが、光学発現性が高く薄膜化が可能であることから、水平配向した円盤状液晶性化合物を含むことが好ましい。円盤状液晶性化合物を含む光学補償層は偏光子上に直接形成しても良いし、偏光子上に配向膜を形成したのちに設けられてもよい。
[円盤状液晶性化合物]
円盤状(ディスコティック)液晶性化合物には、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルが含まれる。
円盤状液晶性化合物としては、分子中心の母核に対して、直鎖のアルキル基、アルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基が母核の側鎖として放射線状に置換した構造である液晶性を示す化合物も含まれる。分子または分子の集合体が、回転対称性を有し、一定の配向を付与できる化合物であることが好ましい。円盤状液晶性化合物から形成する光学補償層は、最終的に光学補償層に含まれる化合物が円盤状液晶性化合物である必要はなく、例えば、低分子の円盤状液晶性化合物が熱や光で反応する基を有しており、結果的に熱、光で反応により重合または架橋し、高分子量化し液晶性を失った化合物も含まれる。円盤状液晶性化合物の好ましい例は、特開平8−50206号公報に記載されている。また、円盤状液晶性化合物の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。
円盤状液晶性化合物を重合により固定するためには、円盤状液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。従って、円盤状液晶性化合物は、下記式(I)で表わされる化合物であることが好ましい。
(I)D(−L−Q)n
式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であり;Qは重合性基であり;そして、nは4乃至12の整数である。
上記式の円盤状コア(D)の例は、特許第4084519号公報の[0019]〜[0032]に具体的に記載されている。
本発明に用いられる光学補償層は、二種類以上の円盤状液晶性化合物を併用してもよい。例えば、以上述べたような重合性円盤状液晶性化合物と非重合性円盤状液晶性化合物とを併用することができる。非重合性円盤状液晶性化合物は、前述した重合性円盤状液晶性化合物の重合性基(Q)を、水素原子またはアルキル基に変更した化合物であることが好ましい。すなわち、非重合性円盤状液晶性化合物は、下記式(Ia)で表わされる化合物であることが好ましい。
(Ia)D(−L−R)n
式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であり;Rは水素原子またはアルキル基であり;そして、nは4乃至12の整数である。式(Ia)の円盤状コア(D)の例は、LQ(またはQL)をLR(またはRL)に変更する以外は、前記の重合性円盤状液晶性化合物の例と同様である。また、二価の連結基(L)の例も、前記の重合性円盤状液晶性化合物の例と同様である。
その他、特許第4084519号公報の[0033]〜[0034]の記載に従うことができる。
[円盤状液晶性化合物を含む組成物]
本発明に用いられる円盤状液晶性化合物は、組成物として他の化合物を含んだ状態で用いてもよい。本発明に用いられる円盤状液晶性化合物を含む組成物は、塗布液として用いることも好ましい。
[溶媒]
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
塗布液の塗布は、公知の方法(例、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
[含フッ素界面活性剤]
本発明に用いられる円盤状液晶性化合物を含む組成物は、前記液晶性化合物を配向させ為、又は光学特性を面内で均一にする為に、少なくとも一種の含フッ素界面活性剤を含むことが好ましい。含フッ素界面活性剤は、低分子化合物でも高分子化合物でもよく、例えば、低分子化合物については、特開2005−128050号公報に例示の化合物が好ましい。
高分子化合物としては、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含むフルオロ脂肪族含有ポリマーを含有しているのが好ましい。
Figure 2014206716
一般式(1)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、又は後述する−L−Qで表される基であり、好ましくは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、塩素原子、−L−Qで表される基であり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基であり、特に好ましいのは水素原子、炭素数1又は2のアルキル基である。該アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基等が挙げられる。該アルキル基は、適当な置換基を有していてもよい。該置換基としては、ハロゲン原子、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、ヒドロキシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、スルホリル基、カルボキシル基などが挙げられる。
なお、アルキル基の炭素数は、置換基の炭素原子を含まない。以下、他の基の炭素数についても同様である。
Lは、単結合、−O−、−CO−、−NR4−、−S−、−SO2−、−PO(OR5)−、アルキレン基、アリーレン基又はこれらを組み合わせて形成される2価の連結基を表す。ここでR4は、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。R5はアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
Lとしては、単結合、−O−、−CO−、−NR4−、−S−、−SO2−、アルキレン基、又はアリーレン基を含むことが好ましく、−CO−、−O−、−NR4−、アルキレン基、又はアリーレン基を含んでいることが特に好ましい。
Lが、アルキレン基を含む場合、アルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜6である。特に好ましいアルキレン基の具体例として、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラブチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられる。
Lが、アリーレン基を含む場合、アリーレン基の炭素数は、好ましくは6〜24、より好ましくは6〜18、特に好ましくは6〜12である。特に好ましいアリーレン基の具体例として、フェニレン基、ナフタレン基等が挙げられる。
Lが、アルキレン基とアリーレン基を組み合わせて得られる2価の連結基(即ちアラルキレン基)を含む場合、アラルキレン基の炭素数は、好ましくは7〜34、より好ましくは7〜26、特に好ましくは7〜16である。特に好ましいアラルキレン基の具体例として、フェニレンメチレン基、フェニレンエチレン基、メチレンフェニレン基等が挙げられる。
Lとして挙げられた基は、適当な置換基を有していてもよい。このような置換基としては先にR1〜R3における置換基として挙げた置換基と同様なものを挙げることができる。以下にLの具体的構造を例示するが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
Figure 2014206716
Figure 2014206716
Qは水素結合性を有する極性基であれば得に制限はない。好ましくは水酸基、カルボキシル基、カルボキシル基の塩(例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩(例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、ジメチルフェニルアンモニウムなど)、ピリジニウム塩など)、カルボン酸のアミド基(N無置換体、N−モノ低級アルキル置換体又はN−ジ低級アルキル置換体、例えば−CONH2、−CONHCH3、−CON(CH32、など)、スルホ基、スルホ基の塩(塩を形成するカチオンの例は上記カルボキシル基に記載のものと同じ)、スルホンアミド基(N無置換体、N−モノ低級アルキル置換体又はN−ジ低級アルキル置換体、例えば−SO2NH2、−SO2NHCH3、−SO2N(CH32など)、ホスホ基、ホスホ基の塩(塩を形成するカチオンの例は上記カルボキシル基に記載のものと同じ)、ホスホンアミド(N無置換体又はN−モノ低級アルキル置換体、例えば−OP(=O)(NH22、−OP(=O)(NHCH32など)、ウレイド基(−NHCONH2)、N位が無置換又はモノ置換されたアミノ基(−NH2、−NHCH3)などである(ここで低級アルキル基はメチル基又はエチル基を表す)。より好ましくは水酸基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホ基であり、特に好ましいのは水酸基又はカルボキシル基である。
ポリマー中に含まれる上記繰り返し単位は、1種単独でも構わないし、2種以上の繰り返し単位が同時に存在していてもよい。カルボン酸を有する繰り返し単位やアクリルアミド基を有する繰り返し単位が特に好ましい。
また前記フルオロ脂肪族含有ポリマーは、フルオロ脂肪族基含有モノマーより誘導される繰り返し単位を1種又は2種以上有していてもよい。好ましくは、特開2006−126768号公報の一般式(I)又は一般式(II)で記載されているフルオロ脂肪族基含有モノマーを含むことが好ましい。具体的には、特開2006−126768号公報の[0033]〜[0044]に記載のモノマー群から選ばれるモノマーから誘導される繰り返し単位を1種含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
さらに、前記フルオロ脂肪族含有ポリマーは上記以外の他の繰り返し単位を含んでいてもよい。前記他の繰り返し単位については特に制限されず、通常のラジカル重合反応可能なモノマーから誘導される繰り返し単位が好ましい例として挙げられる。前記フルオロ脂肪族含有ポリマーは、特開2004−46038号公報の[0026]〜[0033]に記載のモノマー群から選ばれるモノマーから誘導される繰り返し単位を1種含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
また、前記フルオロ脂肪族含有ポリマーは、特開2004−333852号公報に記載されている一般式[2]で表されるモノマーから誘導される繰り返し単位を含んでいてもよい。
なお、前記フルオロ脂肪族含有ポリマーは、液晶性化合物の配向状態を固定化するために置換基として重合性基を有するものでもよい。
本発明に用いられる前記フルオロ脂肪族含有ポリマー中、フルオロ脂肪族基を有するモノマーの重合単位は、該フルオロ脂肪族含有ポリマーを構成する全重合単位に基づいて、25〜99質量%であることが好ましい。より好ましい割合はフルオロ脂肪族基の構造によって異なり、特開2006−126768号公報の一般式(I)で表されるモノマーの重合単位は、該フルオロ脂肪族含有ポリマーを構成する全重合単位に基づいて50〜99質量%であることが好ましく、60〜97質量%であることがより好ましく、70〜95質量%であることがさらに好ましい。特開2006−126768号公報の一般式(II)で表されるモノマーの重合単位は、該フルオロ脂肪族含有ポリマーを構成する全重合単位に基づいて25〜80質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましく、35〜65質量%であることがさらに好ましい。また、一つのポリマー中に2種類以上のフルオロ脂肪族基含有モノマーが含まれていてもよく、一般式(I)で表されるモノマーと一般式(II)で表されるモノマーがそれぞれ一種以上同時に含まれていてもよい。
本発明に用いられる前記フルオロ脂肪族含有ポリマーの好ましい質量平均分子量は、2,000〜100,000であり、より好ましくは3,000〜80,000であり、さらに好ましくは4,000〜60,000である。ここで、質量平均分子量及び分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒THF、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した分子量である。
本発明に用いられる前記フルオロ脂肪族含有ポリマーは、公知慣用の方法で製造することができる。例えば、フッ素系モノマー、水素結合性基を有するモノマー等を含む有機溶媒中に、汎用のラジカル重合開始剤を添加し、重合させることにより製造できる。また、場合によりその他の付加重合性不飽和化合物を、さらに添加して上記と同じ方法にて製造することができる。各モノマーの重合性に応じ、反応容器にモノマーと開始剤を滴下しながら重合する滴下重合法なども、均一な組成のポリマーを得るために有効である。より具体的には、特開2004−46038号公報の[0035]〜[0041]に記載の方法を用いることが好ましい。
[ボロン酸化合物]
視認側の偏光板に含まれる偏光子上に光学補償層を直接形成する際、偏光子と光学補償層の密着性を高めるためボロン酸化合物を用いることが出来る。
本発明に用いられるボロン酸化合物としては、例えば、少なくとも一つのボロン酸基、もしくは、ボロン酸エステル基を有する化合物を表し、且つ、それらを配位子とした金属錯体や、4配位の硼素原子を有するボロニウムイオンも同時に表す。
また、本発明に用いられるボロン酸化合物として好ましくは、下記一般式(II)で表され、以下一般式(II)で表される化合物に付いて詳細に説明する。
Figure 2014206716
一般式(II)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の、脂肪族炭化水素基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜20の置換もしくは無置換の直鎖若しくは分岐のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、iso−プロピル基等)、炭素数3〜20の置換もしくは無置換の環状アルキル基(例えば、シクロヘキシル基等)、炭素数2〜20のアルケニル基(例えば、ビニル基等)が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6〜20の置換若しくは無置換のフェニル基(例えば、フェニル基、トリル基など)、炭素数10〜20の置換若しくは無置換のナフチル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては例えば、少なくとも一つのヘテロ原子(例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等)を含む、置換若しくは無置換の5員もしくは6員環の基であり、例えば、ピリジル基、イミダゾリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基等が挙げられる。
1及びR2は互いに連結して環を形成しても良く、例えば、R1及びR2のイソプロピル基が連結して、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン環を形成しても良い。
一般式(II)中、R1及びR2として好ましくは、水素原子、炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐のアルキル基、R1及びR2が連結して環を形成した場合であり、最も好ましくは、水素原子である。
一般式(II)中、R3は、置換若しくは無置換の、脂肪族炭化水素基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換の直鎖若しくは分岐のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、iso−プロピル基、n−プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−メチルヘキシル基等)、炭素数3〜20の置換若しくは無置換の環状アルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−ノルボルニル基等)、炭素数2〜20のアルケニル基(例えば、ビニル基ビ、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基等)が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6〜50の置換若しくは無置換のフェニル基(例えば、フェニル基、トリル基、スチリル基、4−ベンゾイルオキシフェニル基、4−フェノキシカルボニルフェニル基、4−ビフェニル基、4−(4−オクチルオキシベンゾイルオキシ)フェノキシカルボニルフェニル基等)、炭素数10〜50の置換若しくは無置換のナフチル基等(例えば、無置換ナフチル基等)が挙げられる。
ヘテロ環基としては例えば、少なくとも一つのヘテロ原子(例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等)を含む、置換もしくは無置換の5員もしくは6員環の基であり、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、チアジアゾール、インドール、カルバゾール、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、チアナフテン、ジベンゾチオフェン、インダゾールベンズイミダゾール、アントラニル、ベンズイソオキサゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、プリン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、キノリン、アクリジン、イソキノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキザリン、ナフチリジン、フェナントロリン、プテリジン、モルホリン、ピペリジン等の基が挙げられる。
更に、これらの脂肪族炭化水素基、アリール基、およびヘテロ環基含まれる炭化水素基は任意の置換基によって1個以上置換されていてもよい。置換基としては水素を除く1価の非金属原子団を挙げることができ、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N'−アルキルウレイド基、N',N'−ジアルキルウレイド基、N'−アリールウレイド基、N',N'−ジアリールウレイド基、N'−アルキル−N'−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N'−アルキル−N−アルキルウレイド基、N'−アルキル−N−アリールウレイド基、N',N'−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N',N'−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N'−アリール−N−アルキルウレイド基、N'−アリール−N−アリールウレイド基、N',N'−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N',N'−ジアリール−N−アリールウレイド基、N'−アルキル−N'−アリール−N−アルキルウレイド基、N'−アルキル−N'−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基及びその共役塩基基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその共役塩基基、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、N−アシルスルファモイル基及びその共役塩基基、N−アルキルスルホニルスルファモイル基(−SO2NHSO2(alkyl))及びその共役塩基基、N−アリールスルホニルスルファモイル基(−SO2NHSO2(aryl))及びその共役塩基基、N−アルキルスルホニルカルバモイル基(−CONHSO2(alkyl))及びその共役塩基基、N−アリールスルホニルカルバモイル基(−CONHSO2(aryl))及びその共役塩基基、アルコキシシリル基(−Si(Oalkyl)3)、アリーロキシシリル基(−Si(Oaryl)3)、ヒドロキシシリル基(−Si(OH)3)及びその共役塩基基、ホスホノ基(−PO32)及びその共役塩基基、ジアルキルホスホノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−PO3H(alkyl))及びその共役塩基基、モノアリールホスホノ基(−PO3H(aryl))及びその共役塩基基、ホスホノオキシ基(−OPO32)及びその共役塩基基、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPO3H(alkyl))及びその共役塩基基、モノアリールホスホノオキシ基(−OPO3H(aryl))及びその共役塩基基、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。また、これらの置換基は、可能であるならば置換基同士、または置換している炭化水素基と結合して環を形成してもよい。
一般式(II)中のR3として好ましくは、炭素数6〜40の置換若しくは無置換アリール基であり、より好ましくは、少なくとも一つ以上のアリール基若しくはヘテロ環基を含む置換基を有するフェニル基であり、更に好ましくは、2〜4個のフェニル基を含む置換基が4位に置換したフェニル基である。
また、一般式(II)で表されるボロン酸化合物が、架橋性基で置換されていると、支持体と光学異方性層との密着性が改善されるので好ましい。R3中に架橋性基が含まれるのが好ましい。架橋性基は一般的には重合性基であり、例えば、ビニル基、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、スチリル基、ビニルケトン基、ブタジエン基、ビニルエーテル基、オキシラニル基、アジリジニル基、オキセタン基等の重合性基が挙げられ、好ましくはビニル基、アクリレート基、メタクリレート基、スチリル基、オキシラニル基もしくはオキセタン基であり、最も好ましくはビニル基、アクリレート基、アクリルアミド基、スチリル基である。
以下に、一般式(II)で表される化合物の具体例を示すが、本発明に用いられる化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2014206716
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ボロン酸化合物は、一般に市販のボロン酸化合物をそのまま用いたり、置換基を有するボロン酸化合物を原料として、エステル化、アミド化、アルキル化など一般的な合成反応を施す事によって容易に合成する事が出来る。また、市販のボロン酸化合物を用いない場合には、例えば、ハロゲン化物(例えばアリールブロマイド等)からn−ブチルリチウムとトリアルコキシボラン(例えばトリメトキシボラン等)によって合成したり、金属マグネシウムを用いたWittig反応を施す事で合成することができる。
光学補償層中におけるボロン酸化合物の含有量の好ましい範囲は、光学補償層中(層形成前の組成物においては、組成物の溶媒を除く全固形分中)、0.005〜8質量%であるのが好ましく、0.01〜5質量%であるのがより好ましく、0.05〜1質量%であるのがさらに好ましい。
偏光子と光学補償層の密着性を向上させるため、ボロン酸化合物の量は上記下限値以上とすることが好ましい。一方、上記上限値以下とすることで円盤状液晶性化合物の配向性を向上させ、液晶表示装置に組み込んだ際に正面コントラストの低下を防ぐことができる。
<偏光子>
偏光子とは、自然光や偏光から任意の偏光に変換し得るフィルムをいう。本発明に用いられる偏光子としては、任意の適切な偏光子が採用され得るが、自然光又は偏光を直線偏光に変換するものが好ましく用いられる。
本発明に用いられる偏光板においては、偏光子として、目的に応じて任意の適切ものが採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等が挙げられる。また、米国特許5,523,863号等に開示されている二色性物質と液晶性化合物とを含む液晶性組成物を一定方向に配向させたゲスト・ホストタイプのO型偏光子、米国特許6,049,428号等に開示されているリオトロピック液晶を一定方向に配向させたE型偏光子等も用いることができる。
このような偏光子の中でも、高い偏光度を有するという観点から、ヨウ素を含有するポリビニルアルコール系フィルムによる偏光子が好適に用いられる。偏光子に適用されるポリビニルアルコール系フィルムの材料には、ポリビニルアルコール又はその誘導体が用いられる。ポリビニルアルコールの誘導体としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール等が挙げられる他、エチレン、プロピレン等のオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸や、そのアルキルエステル、アクリルアミド等で変性したものが挙げられる。ポリビニルアルコールの重合度は、1000〜10000程度、ケン化度は80〜100モル%程度のものが一般に用いられる。
前記ポリビニルアルコール系フィルム中には可塑剤等の添加剤を含有することもできる。可塑剤としては、ポリオール及びその縮合物等が挙げられ、たとえばグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。可塑剤の使用量は、特に制限されないがポリビニルアルコール系フィルム中20重量%以下とするのが好適である。
前記ポリビニルアルコール系フィルム(未延伸フィルム)は、常法に従って、一軸延伸処理、ヨウ素染色処理が少なくとも施される。さらには、ホウ酸処理、ヨウ素イオン処理を施すことができる。また前記処理の施されたポリビニルアルコール系フィルム(延伸フィルム)は、常法に従って乾燥されて偏光子となる。
一軸延伸処理における延伸方法は特に制限されず、湿潤延伸法と乾式延伸法のいずれも採用できる。乾式延伸法の延伸手段としては、たとえば、ロール間延伸方法、加熱ロール延伸方法、圧縮延伸方法等が挙げられる。延伸は多段で行うこともできる。前記延伸手段において、未延伸フィルムは、通常、加熱状態とされる。通常、未延伸フィルムは30〜150μm程度のものが用いられる。延伸フィルムの延伸倍率は目的に応じて適宜に設定できるが、延伸倍率(総延伸倍率)は2〜8倍程度、好ましくは3〜6.5倍、さらに好ましくは3.5〜6倍とするのが望ましい。延伸フィルムの厚みは5〜40μm程度が好適である。
ヨウ素染色処理は、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素及びヨウ化カリウムを含有するヨウ素溶液に浸漬することにより行われる。ヨウ素溶液は、通常、ヨウ素水溶液であり、ヨウ素及び溶解助剤としてヨウ化カリウムを含有する。ヨウ素濃度は0.01〜1重量%程度、好ましくは0.02〜0.5重量%であり、ヨウ化カリウム濃度は0.01〜10重量%程度、さらには0.02〜8重量%で用いるのが好ましい。
ヨウ素染色処理にあたり、ヨウ素溶液の温度は、通常20〜50℃程度、好ましくは25〜40℃である。浸漬時間は通常10〜300秒間程度、好ましくは20〜240秒間の範囲である。ヨウ素染色処理にあたっては、ヨウ素溶液の濃度、ポリビニルアルコール系フィルムのヨウ素溶液への浸漬温度、浸漬時間等の条件を調整することによりポリビニルアルコール系フィルムにおけるヨウ素含有量及びカリウム含有量が前記範囲になるように調整する。ヨウ素染色処理は、一軸延伸処理の前、一軸延伸処理中、一軸延伸処理の後の何れの段階で行ってもよい。
ホウ酸処理は、ホウ酸水溶液へポリビニルアルコール系フィルムを浸漬することにより行う。ホウ酸水溶液中のホウ酸濃度は、2〜15重量%程度、好ましくは3〜10重量%である。ホウ酸水溶液中には、ヨウ化カリウムによりカリウムイオン及びヨウ素イオンを含有させることができる。ホウ酸水溶液中のヨウ化カリウム濃度は0.5〜10重量%程度、さらには1〜8重量%とするのが好ましい。ヨウ化カリウムを含有するホウ酸水溶液は、着色の少ない偏光子、即ち可視光のほぼ全波長域に亘って吸光度がほぼ一定のいわゆるニュートラルグレーの偏光子を得ることができる。
ヨウ素イオン処理には、たとえば、ヨウ化カリウム等によりヨウ素イオンを含有させた水溶液を用いる。ヨウ化カリウム濃度は0.5〜10重量%程度、さらには1〜8重量%とするのが好ましい。ヨウ素イオン含浸処理にあたり、その水溶液の温度は、通常15〜60℃程度、好ましくは25〜40℃である。浸漬時間は通常1〜120秒程度、好ましくは3〜90秒間の範囲である。ヨウ素イオン処理の段階は、乾燥工程前であれば特に制限はない。水洗浄後に行うこともできる。
また、本発明で用いられる偏光子としては、塗布型の偏光子でも良い。
本発明に用いられる偏光子は、液晶表示装置の薄型化の観点から、薄型の偏光子であることが好ましい。薄型の偏光子としては、代表的には、特開昭51−069644号公報や特開2000−338329号公報や、WO2010/100917号パンフレット、PCT/JP2010/001460の明細書、または特願2010−269002号明細書や特願2010−263692号明細書に記載されている薄型偏光子を挙げることができる。これら薄型の偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVA系樹脂ともいう)層と延伸用樹脂基材を積層体の状態で延伸する工程と染色する工程を含む製法による得ることができる。この製法であれば、PVA系樹脂層が薄くても、延伸用樹脂基材に支持されていることにより延伸による破断などの不具合なく延伸することが可能となる。
<視認側偏光板に含まれる偏光板保護膜>
本発明に用いられる視認側偏光板に含まれる偏光板保護膜は特に制限はなく、通常用いられる偏光板保護膜を用いることができる。一例としては、特開2001−187825号公報の記載の、20〜30μmの厚さの偏光板保護膜を用いることができる。
更には、以下の記載に従って、視認側偏光板に含まれる偏光板保護膜を形成する事ができる。
[セルロースアシレートフィルム]
本発明に用いられる視認側に含まれる偏光板保護膜は、セルロースアシレートを含むセルロースアシレートフィルムを用いることができる。本発明に用いることができるセルロースアシレートフィルムは、セルロースアシレート含有率が70〜95質量%であることが好ましく、75〜95質量%であることがより好ましく、80〜93質量%であることが更に好ましく、このことにより、偏光板加工性に優れた偏光板保護膜を製造することができる。
本発明に用いることができるセルロースアシレートフィルムに用いられるセルロースアシレートは、原料のセルロースと酸とのエステルであり、炭素数2〜22程度のカルボン酸エステルであることが好ましく、炭素数6以下の低級脂肪酸エステルであることがより好ましい。本発明のセルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基に置換する酢酸及び/又は炭素原子数3〜22の脂肪酸の置換度の測定方法としては、ASTMのD−817−91に準じた方法や、NMR法を挙げることができる。そして、炭素数2〜22程度のセルロースアシレートである場合には、繰り返し単位を有する縮合物を用い、特に炭素数2のセルロースアセテートである場合には、これに加え、繰り返し単位を有する付加物も好ましく用いることによって液晶表示装置の光ムラを改善することができる。
本発明に用いられるセルロースアシレートの原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えばプラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や発明協会公開技報2001−1745(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができ、本発明に用いることができるセルロースアシレートフィルムに対しては特に限定されるものではない。
本発明に用いることができるセルロースアシレートフィルムのセルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基への置換度については特に限定されないが、フィルムに適度な透湿性や吸湿性を付与するため、セルロースの水酸基へのアシル置換度が2.00〜3.00であることが好ましい。更には置換度が2.30〜2.98であることが好ましく、2.70〜2.96であることがより好ましく、2.80〜2.94であることが更に好ましい。
セルロースの水酸基に置換する酢酸及び/又は炭素原子数3〜22の脂肪酸のうち、炭素数2〜22のアシル基としては、脂肪族基でも芳香族基でもよく特に限定されず、単一でも二種類以上の混合物でもよい。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれ更に置換された基を有していてもよい。これらの好ましいアシル基としては、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、へプタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、iso−ブタノイル、t−ブタノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t−ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどが好ましく、アセチル、プロピオニル、ブタノイルがより好ましい。
これらの中でも、合成の容易さ、コスト、置換基分布の制御のしやすさなどの観点から、アセチル基、アセチル基とプロピル基の混合エステルが好ましく、アセチル基が特に好ましい。
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度で180〜700であり、セルロースアセテートにおいては、180〜550がより好ましく、180〜400が更に好ましく、180〜350が特に好ましい。重合度を上記上限以下とすることでセルロースアシレートのドープ溶液の粘度を適切な値とし、流延によりフィルム作製が容易にすることができる傾向がある。重合度を上記下限値以上とすることで作製したフィルムの強度を十分にすることができる傾向がある。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)により測定できる。特開平9−95538に詳細に記載されている。
また、本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって評価され、その多分散性指数Mw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)が小さく、分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜4.0であることが好ましく、2.0〜3.5であることが更に好ましく、2.3〜3.4であることが最も好ましい。
低分子成分が除去されると、平均分子量(重合度)が高くなるが、粘度は通常のセルロースアシレートよりも低くなるため有用である。低分子成分の少ないセルロースアシレートは、通常の方法で合成したセルロースアシレートから低分子成分を除去することにより得ることができる。低分子成分の除去は、セルロースアシレートを適当な有機溶媒で洗浄することにより実施できる。なお、低分子成分の少ないセルロースアシレートを製造する場合、酢化反応における硫酸触媒量を、セルロース100質量部に対して0.5〜25質量部に調整することが好ましい。硫酸触媒の量を上記範囲にすると、分子量分布の点でも好ましい(分子量分布が狭い)セルロースアシレートを合成することができる。本発明のセルロースアシレートフィルムの製造時に使用される際には、セルロースアシレートの含水率は2質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは1質量%以下であり、特に好ましくは0.7質量%以下である。一般に、セルロースアシレートは、水を含有しており、その含水率は2.5〜5質量%が知られている。本発明で上記のようなセルロースアシレートの含水率にするためには、乾燥することが必要であり、その方法は目的とする含水率になれば特に限定されない。本発明のこれらのセルロースアシレートに関しては、その原料綿や合成方法は発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて7頁〜12頁に詳細に記載されている。
本発明に用いることができるセルロースアシレートフィルムでは、セルロースアシレートは置換基、置換度、重合度、分子量分布などの観点で、単一あるいは異なる二種類以上のセルロースアシレートを混合して用いることができる。
[紫外線吸収剤]
本発明に用いることができるセルロースアシレートフィルムは、2種類以上の紫外線吸収剤を含有していてもよい。前記2種類以上の紫外線吸収剤は、ハロゲン元素を含有しない化合物であることが好ましく、下記一般式(III)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2014206716
一般式(III)中、Xは水素原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、アミノ基またはアミド基である。これらは可能であれば更に置換基を有していてもよい。
前記紫外線吸収剤の少なくとも1種は、前記一般式(III)におけるY及びZがそれぞれ独立にアルキル基であり、Y及びZが表すアルキル基が置換基として芳香環を含有せず、
前記紫外線吸収剤の少なくとも1種は、前記一般式(III)におけるY及びZがそれぞれ独立にアルキル基であり、Y及びZが表すアルキル基が置換基として1個の芳香環を有する。
Xは、水素原子、アルキル基、アルコキシル基、又は水酸基が好ましい。
一般式(III)において、Xは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表すことが好ましく、水素原子がより好ましい。
炭素数1〜5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基などを挙げることができる。
炭素数1〜5のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基などを挙げることができる。
前記紫外線吸収剤の少なくとも1種は、前記一般式(III)におけるY及びZがそれぞれ独立にアルキル基であり、Y及びZが表すアルキル基が置換基として芳香環を含有せず、
前記紫外線吸収剤の少なくとも1種は、前記一般式(III)におけるY及びZがそれぞれ独立にアルキル基であり、Y及びZが表すアルキル基が置換基として1個の芳香環を有する。
一般式(III)におけるY及びZがそれぞれ独立にアルキル基であり、Y及びZが表すアルキル基が置換基として芳香環を含有しない紫外線吸収剤と、一般式(III)におけるY及びZがそれぞれ独立にアルキル基であり、Y及びZが表すアルキル基が置換基として1個の芳香環を有する紫外線吸収剤とを併用することで、ケン化処理時の白化現象が抑制できるという効果が得られる。芳香環としてはベンゼン環が好ましい。
Y及びZは、各々、炭素数2〜20の置換又は無置換のアルキル基を表すことが好ましい。
炭素数2〜20の置換、無置換のアルキル基とは、直鎖であっても、分岐であっても良く、また置換基を有していても良い。炭素数2〜20の置換、無置換のアルキル基としては、例えばエチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、tert−オクチル基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、ブトキシエチル基等が挙げられる。
一般式(III)におけるY及びZがそれぞれ独立にアルキル基であり、Y及びZが表すアルキル基が置換基として芳香環を含有しない紫外線吸収剤と、一般式(III)におけるY及びZがそれぞれ独立にアルキル基であり、Y及びZが表すアルキル基が置換基として1個の芳香環を有する紫外線吸収剤との含有比は、95:5〜10:90が好ましく、80:20〜50:50がより好ましい。
分光透過率の観点から、紫外線吸収剤の合計の添加量は、セルロースアシレート100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下が好ましく、1質量部以上5質量部以下がより好ましい。
[可塑剤]
本発明に用いることができるセルロースアシレートフィルムは、可塑剤を少なくとも1種含むことが好ましい。可塑剤は、ポリマー鎖の凝集を抑制し、ヘイズや脆性の観点での性質を改善するのに寄与する。
可塑剤の含有量は、フィルム粘弾性の観点から、セルロースアシレート100質量部に対して、5質量部以上25質量部以下が好ましく、6質量部以上20質量部以下がより好ましい。
前記可塑剤として、従来よりセルロースアシレートフィルムに用いられている種々の可塑剤を用いることができる。中でも、トリフェニルホスフェートとビフェニルジフェニルホスフェートとの混合物であることが好ましい。
[高分子量可塑剤]
本発明に用いることができるセルロースアシレートフィルムは、可塑剤として高分子量可塑剤を用いてもよい。
本発明に用いられる高分子量可塑剤は、分子量が700〜10000であって繰り返し単位を有することを特徴とする。ここで、高分子量可塑剤の分子量とは、平均分子量であり分子量の異なる混合物からなるものである。溶液流延において、可塑剤は溶媒の揮発速度を速めかつ残留溶媒量を低減するために必須な素材である。また、溶融製膜法によるポリマーフィルムにおいても、可塑剤は着色や膜強度劣化を防止するために有用な素材である。さらに、本発明に用いることができるセルロースアシレートフィルムに該高分子量可塑剤を添加することは、機械的性質向上、柔軟性付与、耐吸水性付与、水分透過率低減等のフィルム改質の観点で、有用な効果を示すものである。また本発明においては、製造工程でのハンドリング特性の改良に、非常に有効である。
ここで、本発明に用いることができる高分子量可塑剤は、その化合物中に繰り返し単位部分を有する化合物であってもよい。該高分子可塑剤は、その数平均分子量が600〜10000であることが好ましく、数平均分子量600〜8000であることがより好ましく、数平均分子量700〜5000であることが更に好ましく、数平均分子量700〜3500であることが特に好ましい。
また、本発明に用いることができる高分子量可塑剤は使用する環境温度あるいは湿度下で、液体であっても固体であっても良い。製膜方法によりその融点は区分され、溶液製膜の場合は、好ましくは融点が−100℃〜150℃であり、更に好ましくは融点が−100℃〜70℃であり、特に好ましくは融点が−100℃〜50℃であることが好ましい。これに対して溶融製膜の場合は、好ましくは融点が−100℃〜200℃であり、更に好ましくは融点が−100℃〜170℃であり、特に好ましくは融点が−100℃〜150℃である。
また、その色味は少ないほど良好であり特に無色であることが好ましい。熱的にはより高温において安定であることが好ましく、分解開始温度が150℃以上、更に200℃以上が好ましい。添加量は光学物性・機械物性に悪影響がなければ良く、その配合量は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択され、本発明に用いることができるセルロースアシレートフィルムにおける高分子量可塑剤の含有量は、セルロースアシレートに対して好ましくは1〜50質量%、より好ましくは2〜40質量%である。特に5〜30質量%が好ましい。
以下、本発明に用いられる高分子量可塑剤について、その具体例を挙げながら詳細に説明する。
本発明に用いることができる高分子量可塑剤としては、ジカルボン酸とジオールからなる繰り返し単位を有する高分子量可塑剤において、高分子量可塑剤を形成する該ジカルボン酸が少なくとも1種の炭素数2〜20のアルキレンジカルボン酸と少なくとも1種の炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸からなり、かつ該ジオールが炭素数2〜20のアルキレンジオール、炭素数4〜20のアルキルエーテルジオール、炭素数6〜20の芳香族環含有ジオール(以下、芳香族ジオールとも称する)から選ばれた少なくとも1種類以上のジオールからなる高分子量可塑剤である。
以下に、本発明で用いることができる高分子量可塑剤について説明する。
本発明で用いることができる高分子量可塑剤は、炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸と炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸の混合物と、炭素数2〜12の脂肪族ジオール、炭素数4〜20のアルキルエーテルジオール及び炭素数6〜20の芳香族ジオールから選ばれる少なくとも1種類以上のジオールとの反応によって得られるものであり、かつ反応物の両末端は反応物のままでもよいが、更にモノカルボン酸類やモノアルコール類またはフェノール類を反応させて、所謂末端の封止を実施してもよい。この末端封止は、特にフリーなカルボン酸類を含有させないために実施されることが、保存性などの点で有効である。本発明の高分子量可塑剤に使用されるジカルボン酸は、炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸残基または炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸残基であることが好ましい。
本発明で好ましく用いられる炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等である。
また炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,8−ナフタレンジカルボン酸または2,6−ナフタレンジカルボン酸等がある。
これらの中でも好ましい脂肪族ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸であり、芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸である。特に好ましくは、脂肪族ジカルボン酸成分としてはコハク酸、グルタル酸、アジピン酸であり、芳香族ジカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、である。
本発明では、前述の脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸のそれぞれの少なくとも一種類を組み合わせて用いることができるが、その組み合せは特に限定されるものではなく、それぞれの成分を数種類組み合わせても問題ない。
次に高分子量可塑剤に利用されるジオールまたは芳香族環含有ジオールについて説明する。炭素数2〜20の脂肪族ジオール、炭素数4〜20のアルキルエーテルジオール、炭素数6〜20の芳香族環含有ジオールから選ばれるものである。
まず、炭素原子2〜20の脂肪族ジオールとしては、アルキルジオールまたは脂環式ジオール類を挙げることができ、例えばエタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロ−ルペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等があり、これらのグリコールは、1種または2種以上の混合物として使用される。
好ましい脂肪族ジオールとしては、エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールであり、特に好ましくはエタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールである。
炭素数4〜20のアルキルエーテルジオールとしては、好ましくは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレンエーテルグリコールおよびポリプロピレンエーテルグリコールならびにこれらの組み合わせが挙げられる。その平均重合度は、特に限定されないが好ましくは2〜20であり、より好ましくは2〜10であり、更には2〜5であり、特に好ましくは2〜4である。これらの例としては、典型的に有用な市販のポリエーテルグリコール類としては、カーボワックス(Carbowax)レジン、プルロニックス(Pluronics) レジンおよびニアックス(Niax)レジンが挙げられる。
炭素数6〜20の芳香族ジオールとしては、特に限定されないがビスフェノールA、1,2−ヒドロキシベンゼン、1,3−ヒドロキシベンゼン、1,4−ヒドロキシベンゼン、1,4−ベンゼンジメタノール、が挙げられ、好ましくはビスフェノールA、1,4−ヒドロキシベンゼン、1,4−ベンゼンジメタノールである。
本発明用いることができる高分子量可塑剤としては、特に末端がアルキル基あるいは芳香族基で封止された高分子量可塑剤であることが、好ましい。これは、末端を疎水性官能基で保護することにより、高温高湿での経時劣化に対して有効であり、エステル基の加水分解を遅延させる役割を示すことが要因となっている。
本発明に用いることができる高分子量可塑剤としては、両末端がカルボン酸やOH基とならないように、モノアルコール残基やモノカルボン酸残基で保護することが好ましい。
その場合、モノアルコール残基としては炭素数1〜30の置換、無置換のモノアルコール残基が好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、イソペンタノール、ヘキサノール、イソヘキサノール、シクロヘキシルアルコール、オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ノニルアルコール、イソノニルアルコール、tert−ノニルアルコール、デカノール、ドデカノール、ドデカヘキサノール、ドデカオクタノール、アリルアルコール、オレイルアルコールなどの脂肪族アルコール、ベンジルアルコール、3−フェニルプロパノールなどの置換アルコールなどが挙げられる。
好ましく使用され得る末端封止用アルコール残基は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、イソペンタノール、ヘキサノール、イソヘキサノール、シクロヘキシルアルコール、イソオクタノール、2−エチルヘキシルアルコール、イソノニルアルコール、オレイルアルコール、ベンジルアルコールであり、特にはメタノール、エタノール、プロパノール、イソブタノール、シクロヘキシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソノニルアルコール、ベンジルアルコールである。
また、モノカルボン酸残基で封止する場合は、モノカルボン酸残基として使用されるモノカルボン酸は、炭素数1〜30の置換、無置換のモノカルボン酸が好ましい。これらは、脂肪族モノカルボン酸でも芳香族環含有カルボン酸でもよい。まず好ましい脂肪族モノカルボン酸について記述すると、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、カプリル酸、カプロン酸、デカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸が挙げられ、芳香族環含有モノカルボン酸としては、例えば安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、p−tert−アミル安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、ノルマルプロピル安息香酸、アミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸等があり、これらはそれぞれ1種または2種以上を使用することができる。
本発明に用いることができる高分子量可塑剤の合成は、常法により上記ジカルボン酸とジオールおよび/または末端封止用のモノカルボン酸またはモノアルコール、とのポリエステル化反応またはエステル交換反応による熱溶融縮合法か、あるいはこれら酸の酸クロライドとグリコール類との界面縮合法のいずれかの方法によっても容易に合成し得るものである。これらのポリエステル系可塑剤については、村井孝一編者「可塑剤 その理論と応用」(株式会社幸書房、昭和48年3月1日初版第1版発行)に詳細な記載がある。また、特開平05−155809号、特開平05−155810号、特開平5−197073号、特開2006−259494号、特開平07−330670号、特開2006−342227号、特開2007−003679号各公報などに記載されている素材を利用することもできる。
[糖エステル化合物]
本発明に用いることができるセルロースアシレートフィルムは、可塑剤として、糖エステル化合物を含有してもよい。
前記糖エステル化合物をセルロースアシレートフィルムに添加することにより、光学特性の発現性を損なわず、かつ延伸工程前に熱処理を行わない場合でも全へイズおよび内部ヘイズを小さくすることができる。さらに、本発明のセルロースアシレートフィルムを液晶表示装置に用いることにより、正面コントラストを大幅に改良できる。
{糖残基}
前記糖エステル化合物とは、該化合物を構成する単糖または多糖中の置換可能な基(例えば、水酸基、カルボキシル基)の少なくとも1つと、少なくとも1種の置換基とがエステル結合されている化合物のことを言う。すなわち、ここで言う糖エステル化合物には広義の糖誘導体類も含まれ、例えばグルコン酸のような糖残基を構造として含む化合物も含まれる。すなわち、前記糖エステル化合物には、グルコースとカルボン酸のエステル体も、グルコン酸とアルコールのエステル体も含まれる。
前記糖エステル化合物を構成する単糖または多糖中の置換可能な基は、ヒドロキシル基であることが好ましい。
前記糖エステル化合物中には、糖エステル化合物を構成する単糖または多糖由来の構造(以下、糖残基とも言う)が含まれる。前記糖残基の単糖当たりの構造を、糖エステル化合物の構造単位と言う。前記糖エステル化合物の構造単位は、ピラノース構造単位またはフラノース構造単位を含むことが好ましく、全ての糖残基がピラノース構造単位またはフラノース構造単位であることがより好ましい。また、前記糖エステルが多糖から構成される場合は、ピラノース構造単位またはフラノース構造単位をともに含むことが好ましい。
前記糖エステル化合物の糖残基は、5単糖由来であっても6単糖由来であってもよいが、6単糖由来であることが好ましい。
前記糖エステル化合物中に含まれる構造単位の数は、1〜12であることが好ましく、1〜6であることがより好ましく、1または2であることが特に好ましい。
本発明に用いることができる糖エステル化合物は、ヒドロキシル基の少なくとも1つがエステル化されたピラノース構造単位またはフラノース構造単位を1個〜12個含む糖エステル化合物であることがより好ましく、ヒドロキシル基の少なくとも1つがエステル化されたピラノース構造単位またはフラノース構造単位を1または2個含む糖エステル化合物であることがより好ましい。
前記単糖または2〜12個の単糖単位を含む糖類の例としては、例えば、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、フルクトース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、トレハロース、イソトレハロース、ネオトレハロース、トレハロサミン、コウジビオース、ニゲロース、マルトース、マルチトール、イソマルトース、ソホロース、ラミナリビオース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、ラクトサミン、ラクチトール、ラクツロース、メリビオース、プリメベロース、ルチノース、シラビオース、スクロース、スクラロース、ツラノース、ビシアノース、セロトリオース、カコトリオース、ゲンチアノース、イソマルトトリオース、イソパノース、マルトトリオース、マンニノトリオース、メレジトース、パノース、プランテオース、ラフィノース、ソラトリオース、ウンベリフェロース、リコテトラオース、マルトテトラオース、スタキオース、バルトペンタオース、ベルバルコース、マルトヘキサオース、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、δ−シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトールなどを挙げることができる。
好ましくは、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、トレハロース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、スクラロース、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、δ−シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトールであり、さらに好ましくは、アラビノース、キシロース、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、スクロース、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンであり、特に好ましくは、キシロース、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、スクロース、キシリトール、ソルビトールである。
{置換基の構造}
本発明に用いることができる糖エステル化合物は、用いられる置換基を含め、下記一般式(1A)で表される構造を有することがより好ましい。
一般式(1A) (OH)p−G−(L1−R11q(O−R12r
一般式(1A)中、Gは糖残基を表し、L1は−O−、−CO−、−NR13−のいずれか一つを表し、R11は水素原子または一価の置換基を表し、R12はエステル結合で結合した一価の置換基を表す。p、qおよびrはそれぞれ独立に0以上の整数を表し、p+q+rは前記Gが環状アセタール構造の無置換の糖類であると仮定した場合のヒドロキシル基の数と等しい。
前記Gの好ましい範囲は、前記糖残基の好ましい範囲と同様である。
前記L1は、−O−または−CO−であることが好ましく、−O−であることがより好ましい。前記L1が−O−である場合は、エーテル結合またはエステル結合由来の連結基であることが特に好ましく、エステル結合由来の連結基であることがより特に好ましい。
また、前記L1が複数ある場合は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
11およびR12の少なくとも一方は芳香環を有することが好ましい。
特に、前記L1が−O−である場合(すなわち前記糖エステル化合物中のヒドロキシル基にR11、R12が置換している場合)、前記R11、R12およびR13は置換または無置換のアシル基、置換または無置換のアリール基、あるいは、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアミノ基の中から選択されることが好ましく、置換または無置換のアシル基、置換または無置換のアルキル基、あるいは置換または無置換のアリール基であることがより好ましく、無置換のアシル基、置換または無置換のアルキル基、あるいは、無置換のアリール基であることが特に好ましい。
また、前記R11、R12およびR13がそれぞれ複数ある場合は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記pは0以上の整数を表し、好ましい範囲は後述する単糖ユニット当たりのヒドロキシル基の数の好ましい範囲と同様である。
前記rは前記Gに含まれるピラノース構造単位またはフラノース構造単位の数よりも大きい数を表すことが好ましい。
前記qは0であることが好ましい。
また、p+q+rは前記Gが環状アセタール構造の無置換の糖類であると仮定した場合のヒドロキシル基の数と等しいため、前記p、qおよびrの上限値は前記Gの構造に応じて一意に決定される。
前記糖エステル化合物の置換基の好ましい例としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜22、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、2−シアノエチル基、ベンジル基など)、アリール基(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは6〜18、特に好ましくは6〜12のアリール基、例えば、フェニル基、ナフチル基)、アシル基(好ましくは炭素数1〜22、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアシル基、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、ベンゾイル基、トルイル基、フタリル基など)、アミド基(好ましくは炭素数1〜22、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアミド、例えばホルムアミド基、アセトアミド基など)、イミド基(好ましくは炭素数4〜22、より好ましくは炭素数4〜12、特に好ましくは炭素数4〜8のアミド基、例えば、スクシイミド基、フタルイミド基など)を挙げることができる。その中でも、アルキル基またはアシル基がより好ましく、メチル基、アセチル基、ベンゾイル基がより好ましく、さらにその中でもベンゾイル基が特に好ましい。
また、前記糖エステル化合物中の構造単位当たりのヒドロキシル基の数(以下、ヒドロキシル基含率とも言う)は、3以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。ヒドロキシル基含率を前記範囲に制御することにより、高温高湿経時における糖エステル化合物の偏光子への移動およびPVA−ヨウ素錯体の破壊を抑制でき、高温高湿経時における偏光子性能の劣化を抑制する点から好ましい。
前記糖エステル化合物の入手方法としては、市販品として(株)東京化成製、アルドリッチ製等から商業的に入手可能であり、もしくは市販の炭水化物に対して既知のエステル誘導体化法(例えば、特開平8−245678号公報に記載の方法)を行うことにより合成可能である。
前記糖エステル化合物は、数平均分子量が、好ましくは200〜3500、より好ましくは200〜3000、特に好ましくは250〜2000の範囲が好適である。
以下に、本発明で好ましく用いることができる前記糖エステル化合物の具体例を挙げるが、本発明は以下の態様に限定されるものではない。
糖エステル(1):
Figure 2014206716
糖エステル(2):Acはアセチル基を表す。
Figure 2014206716
糖エステル(3):
Figure 2014206716
糖エステル(4):Bzは、ベンゾイル基を表す。
Figure 2014206716
以下の構造式中、Rはそれぞれ独立に任意の置換基を表し、複数のRは同一であっても、異なっていてもよい。ClogP値とは、1−オクタノールと水への分配係数Pの常用対数logPを計算によって求めた値である。ClogP値の計算には、Daylight Chemical Information Systems社のシステム:PCModelsに組み込まれたCLOGPプログラムを用いた。
Figure 2014206716
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前記糖エステル化合物は、セルロースアシレート100質量部に対し2質量部〜30質量部含有することが好ましく、5質量部〜20質量部含有することがより好ましい。
また、ポリエステル系可塑剤を糖エステル化合物と併用する場合は、ポリエステル系可塑剤の添加量(質量部)に対する糖エステル化合物の添加量(質量部)は、2〜10倍(質量比)加えることが好ましく、3〜8倍(質量比)加えることがより好ましい。
[マット剤微粒子]
本発明に用いることができるセルロースアシレートフィルムには、マット剤として微粒子を加えることが好ましい。本発明に用いることができる微粒子としては、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子はケイ素を含むものが濁度低減の観点から好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。二酸化ケイ素の微粒子は、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上であるものが好ましい。1次粒子の平均径が5〜16nmと小さいものがフィルムのヘイズを下げることができより好ましい。見かけ比重は90〜200g/リットル以上が好ましく、100〜200g/リットル以上が更に好ましい。見かけ比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
これらの微粒子は、通常平均粒子径が0.1〜3.0μmの2次粒子を形成し、これらの微粒子はフィルム中では、1次粒子の凝集体として存在し、フィルム表面に0.1〜3.0μmの凹凸を形成させる。2次平均粒子径は0.2μm以上1.5μm以下が好ましく、0.4μm以上1.2μm以下が更に好ましく、0.6μm以上1.1μm以下が最も好ましい。1次、2次粒子径はフィルム中の粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、粒子に外接する円の直径をもって粒径とした。また、場所を変えて粒子200個を観察し、その平均値をもって平均粒子径とした。
二酸化ケイ素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)などの市販品を使用することができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でアエロジル200V、アエロジルR972Vが1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上である二酸化ケイ素の微粒子であり、セルロースアシレートフィルムの濁度を低く保ちながら、摩擦係数をさげる効果が大きいため特に好ましい。
本発明において2次平均粒子径の小さな粒子を有するセルロースアシレートフィルムを得るために、微粒子の分散液を調製する際にいくつかの手法が考えられる。例えば、溶剤と微粒子を撹拌混合した微粒子分散液をあらかじめ作成し、この微粒子分散液を別途用意した少量の溶液に加えて撹拌溶解し、更にメインのドープ液と混合する方法がある。この方法は二酸化ケイ素微粒子の分散性がよく、二酸化ケイ素微粒子が更に再凝集しにくい点で好ましい調製方法である。ほかにも、溶剤に少量のセルロースアシレートを加え、撹拌溶解した後、これに微粒子を加えて分散機で分散を行いこれを微粒子添加液とし、この微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する方法もある。本発明はこれらの方法に限定されないが、二酸化ケイ素微粒子を溶剤などと混合して分散するときの二酸化ケイ素の濃度は5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%が更に好ましく、15〜20質量%が最も好ましい。分散濃度が高い方が添加量に対する液濁度は低くなり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
最終的なドープ溶液中でのマット剤の添加量は、フィルムのヘイズが許す範囲で多いほうが好ましく、1m2あたり0.01〜1.0gが好ましく、0.03〜0.3gが更に好ましく、0.08〜0.16gが最も好ましい。また、セルロースアシレートフィルムが例えば共流延のような製膜方法で多層から形成される場合、内層への添加はせず、表層側のみに添加することが好ましく、この場合は、表層のマット剤の添加量としては0.001質量%以上0.2質量%以下が好ましく、0.01質量%以上0.1質量%以下がより好ましい。
分散に使用される溶剤としては低級アルコール類が好ましく、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の溶媒としては特に限定されないが、セルロースアシレートの製膜時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
[その他の添加剤]
本発明に用いることができるセルロースアシレートフィルムには、種々の添加剤(例えば、可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、剥離剤、赤外線吸収剤、波長分散調整剤など)を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば20℃以下と20℃以上の紫外線吸収材料の混合や、同様に可塑剤の混合などであり、例えば特開2001−151901号などに記載されている。更にまた、赤外吸収染料としては例えば特開2001−194522号に記載されている。またその添加する時期はドープ作製工程において何れで添加しても良いが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。更にまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、セルロースアシレートフィルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。例えば特開2001−151902号などに記載されているが、これらは従来から知られている技術である。これらの詳細は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて16頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。
{添加剤の添加量}
本発明に用いることができるセルロースアシレートフィルムにおいては、これら他の添加剤を添加する場合、添加剤の総量は、セルロースアシレートに対して5〜50質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましく、5〜30質量%であることが更に好ましい。
{製膜工程}
本発明に用いることができるセルロースアシレートフィルムの製膜工程は、公知のセルロースアシレートフィルムを製膜する方法等を広く採用でき、ソルベントキャスト法により製膜することが好ましい。ソルベントキャスト法では、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製膜することができる。
有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステル及び炭素原子数が1〜6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。エーテル、ケトン及びエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトン及びエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−及びCOO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソール及びフェネトールが含まれる。
炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びメチルシクロヘキサノンが含まれる。
炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート及びペンチルアセテートが含まれる。
2種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノール及び2−ブトキシエタノールが含まれる。
ハロゲン化炭化水素の炭素原子数は、1又は2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている割合は、25〜75モル%であることが好ましく、30〜70モル%であることがより好ましく、35〜65モル%であることがさらに好ましく、40〜60モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリドが、代表的なハロゲン化炭化水素である。2種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
一般的な方法でセルロースアシレート溶液を調製できる。一般的な方法とは、0℃以上の温度(常温又は高温)で、処理することを意味する。溶液の調製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法及び装置を用いて実施することができる。なお、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化炭化水素(特に、メチレンクロリド)を用いることが好ましい。
セルロースアシレートの量は、得られる溶液中に10〜40質量%含まれるように調整する。セルロースアシレートの量は、10〜30質量%であることがさらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
溶液は、常温(0〜40℃)でセルロースアシレートと有機溶媒とを攪拌することにより調製することができる。高濃度の溶液は、加圧及び加熱条件下で攪拌してもよい。具体的には、セルロースアシレートと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌する。加熱温度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60〜200℃であり、さらに好ましくは80〜110℃である。
各成分は予め粗混合してから容器に入れてもよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の不活性気体を注入して容器を加圧することができる。また、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加してもよい。
加熱する場合、容器の外部より加熱することが好ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いることができる。また、容器の外部にプレートヒーターを設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加熱することもできる。
容器内部に攪拌翼を設けて、これを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端には、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けることが好ましい。
容器には、圧力計、温度計等の計器類を設置してもよい。容器内で各成分を溶媒中に溶解する。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるいは、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
調製したセルロースアシレート溶液(ドープ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースアシレテートフィルムを製造することができる。
ドープは、ドラム又はバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18〜35質量%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラム又はバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ソルベントキャスト法における流延及び乾燥方法については、米国特許2336310号、同2367603号、同2492078号、同2492977号、同2492978号、同2607704号、同2739069号、同2739070号、英国特許640731号、同736892号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号、同62−115035号の各公報に記載がある。
ドープは、表面温度が10℃以下のドラム又はバンド上に流延することが好ましい。流延してから2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得られたフィルムをドラム又はバンドから剥ぎ取り、さらに100℃から160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶媒を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。
[偏光板保護膜の厚さ]
本発明に用いられる偏光板保護膜の厚さは、薄型の偏光板とする観点から、15μm〜40μmが好ましく、20μm〜35μmが更に好ましい。
[偏光板保護膜のヘイズ]
本発明に用いられる偏光板保護膜のヘイズは、小さいほうが好ましく、0.01〜2.0%であることが好ましい。より好ましくは1.0%以下、更に好ましくは0.5%以下である。但し、これらの好ましい範囲よりも高いヘイズ値であっても、本発明に用いられる偏光板保護膜のヘイズは、表面形状に起因する表面ヘイズ成分が支配的であるため、例えば接着剤を用いて偏光子と接着させたり、粘着剤を塗工したりして、表面形状を変化させると消滅し、液晶表示装置の表示特性に及ぼす影響はない。しかし、圧力がかかった部分とそうでない部分とで視認されるヘイズムラは、フィルム外観としては問題がある。そのため、本発明に用いられる偏光板保護膜のヘイズ分布として評価されるヘイズムラは、0.5%以下であることが好ましく、0.3%以下であることがより好ましく、0.1%以下であることが更に好ましく、0.05%以下であることが最も好ましい。ヘイズの測定は、本発明の光学フィルム試料40mm×80mmを、25℃,60%RHでヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)などを用いて、JIS K−6714に従って測定することができる。
<表面層>
本発明に用いられる視認側偏光板は、偏光板保護膜の更に視認側に反射防止層を有することも好ましい。反射防止層としては、防眩層や、各種屈折率の異なる層を積層した低反射層を用いることができ、これらを組み合わせても良い。
[防眩層]
上記反射防止層における防眩層は、表面散乱による防眩性と、好ましくはフィルムの硬度、耐擦傷性を向上するためのハードコート性をフィルムに付与する目的で形成される。
本発明で用いることができる防眩層はバインダーおよび防眩性を付与するための透光性粒子を含有し、透光性粒子自体の突起あるいは複数の粒子の集合体で形成される突起によって表面の凹凸を形成されるものであることが好ましい。
透光性粒子の具体例としては、例えばシリカ粒子、TiO2粒子等の無機化合物の粒子;アクリル粒子、架橋アクリル粒子、ポリスチレン粒子、架橋スチレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子等の樹脂粒子;が好ましく挙げられる。なかでも架橋スチレン粒子、架橋アクリル粒子、シリカ粒子が好ましい。
透光性粒子の形状は、球形あるいは不定形のいずれも使用できる。
バインダーの屈折率は、内部ヘイズ、表面ヘイズを調節するという観点から、上述した粒子の中から選ばれた各透光性粒子の屈折率にあわせてバインダーの屈折率を調整することが好ましい。透光性粒子にあわせたバインダーとしては、例えば、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを主成分としてなるバインダー(硬化後の屈折率が1.55〜1.70)と、スチレン含率50〜100質量%である架橋ポリ(メタ)アクリレート重合体からなる透光性粒子およびベンゾグアナミン粒子のいずれか一方または両方との組み合わせが挙げられ、これらのうち、上記バインダーとスチレン含率50〜100質量%である架橋ポリ(スチレン−アクリレート)共重合体からなる透光性粒子(屈折率が1.54〜1.59)との組合せが好適に例示される。
また、上述した観点より、バインダーの屈折率と透光性粒子の屈折率の差の絶対値が0.04以下が好ましい。バインダーの屈折率と透光性粒子の屈折率の差の絶対値は好ましくは0.001〜0.030であり、より好ましくは0.001〜0.020、更に好ましくは0.001〜0.015である。
ここで、バインダーの屈折率は、アッベ屈折計で直接測定するか、分光反射スペクトルや分光エリプソメトリーを測定するなどして定量評価できる。透光性粒子の屈折率は、屈折率の異なる2種類の溶媒の混合比を変化させて屈折率を変化させた溶媒中に透光性粒子を等量分散して濁度を測定し、濁度が極小になった時の溶媒の屈折率をアッベ屈折計で測定することで測定される。
透光性粒子の含有量は、防眩性等の観点から、形成された防眩層中の全固形分に対して3〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
また、粒子径の異なる2種以上の透光性粒子を併用して用いてもよい。より大きな粒子径の透光性粒子で防眩性を付与し、より小さな粒子径の透光性粒子で別の光学特性を付与することが可能である。
また、本発明において、透光性粒子の凝集性を制御するために、スメクタイト型粘土に、4級アンモニウム塩をインターカレーションさせることにより得られるスメクタイト型粘土有機複合体を利用する態様も好適に例示される。スメクタイト型粘土有機複合体の含有量は、形成された防眩層の全固形分に対して、0.2〜8.0質量%が好ましく、0.3〜4.0質量%がより好ましく、0.4〜3.0質量%がさらに好ましく、0.5〜2.0質量%が特に好ましい。
4級アンモニウム塩としては下記一般式(IV)で表される4級アンモニウム塩が好ましい。
[(R13(R2)N]+・X- (IV)
(式中、R1及びR2は同一ではなく、R1は炭素数4〜24の、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表し、R2は炭素数1〜10の、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表し、X-は陰イオンを表す。)
一般式(IV)のアンモニウムイオンとしては、例えば、トリオクチル・メチル・アンモニウムイオン、トリステアリル・エチル・アンモニウムイオン、トリオクチル・エチル・アンモニウムイオン、トリステアリル・メチル・アンモニウムイオン、トリデシル・ヘキシル・アンモニウムイオン、トリテトラデシル・プロピル・アンモニウムイオン等が挙げられ、これらのうち、トリオクチル・メチル・アンモニウムイオンおよびトリステアリル・エチル・アンモニウムイオンが好適に例示される。
一般式(IV)中、X-は、陰イオンを表す。このような陰イオンとしては、例えば、Cl-、Br-、OH-、NO3 -等が挙げられ、これらのうち、Cl-が好適に例示される。
スメクタイト型粘土有機複合体の市販品としては、ルーセンタイトSAN、ルーセンタイトSTN、ルーセンタイトSEN、ルーセンタイトSPN(以上コープケミカル社製)などが挙げられ、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に用いることができる防眩層の膜厚は、0.5μm〜50μmであることが好ましく、1〜35μmであることがより好ましく、1μm〜25μmであることが更に好ましい。
本発明に用いることができる防眩層の中心線平均粗さ(Ra75)は、0.10〜0.40μmの範囲が好ましい。
また、上記防眩層の強度は、鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
防眩層を形成する方法としては、例えば、特開平6−16851号公報の請求項22に記載のような表面に微細な凹凸を有するマット状の賦型フィルムをラミネートして形成する方法、特開2000−206317号公報の請求項10に記載のように電離放射線照射量の差による電離放射線硬化型樹脂の硬化収縮により形成する方法、特開2000−338310号公報の請求項6に記載のように乾燥にて透光性樹脂に対する良溶媒の重量比が減少することにより透光性微粒子および透光性樹脂とをゲル化させつつ固化させて塗膜表面に凹凸を形成する方法、特開2000−275404号公報の請求項8に記載のように外部からの圧力により表面凹凸を付与する方法などが知られており、これら公知の方法を利用することができる。
また、偏光板保護膜中に透光性粒子を含有させ、支持体に防眩機能を付与した態様についても好ましく用いることができる。このような態様としては、特開2009−258720号公報の請求項1や特開2005−105926号公報の請求項1に記載される防眩機能を持ったフィルムが好適に例示される。
[高屈折率層、中屈折率層、および低屈折率層]
高屈折率層の屈折率は、1.70〜1.74であることが好ましく、1.71〜1.73であることがより好ましい。中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整される。中屈折率層の屈折率は、1.60〜1.64であることが好ましく、1.61〜1.63であることが更に好ましい。低屈折率層は、屈折率が1.30〜1.47であることが好ましい。多層薄膜干渉型の反射防止フィルム(中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層)の場合の低屈折率層の屈折率は1.33〜1.38であることが好ましく、1.35〜1.37であることがさらに好ましい。
高屈折率層、中屈折率層、および低屈折率層の形成方法は化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、特に物理蒸着法の一種である真空蒸着法やスパッタ法により、無機物酸化物の透明薄膜を用いることもできるが、オールウェット塗布による方法が好ましい。
高屈折率層、中屈折率層、および低屈折率層としては特開2009−98658号公報の段落[0197]〜[0211]に記載のものを使用することができる。
<ハードコート層>
本発明に用いられる偏光板保護膜においては、フィルムの物理的強度を付与するために、ハードコート層を設けてもよい。ハードコート層を設けなくてもよいが、ハードコート層を設けた方が鉛筆引掻き試験などの耐擦傷性面がさらに強くなり、好ましい。
ハードコート層としては特開2009−98658号公報の段落[0190]〜[0196]に記載のものを使用することができる。
(バックライト側偏光板)
本発明のVAモード液晶表示装置に用いられるバックライト側偏光板は、液晶セル側から順に、光学補償層、偏光子、偏光板保護膜を有する。
<バックライト側偏光板に含まれる光学補償層>
本発明に用いられるバックライト側偏光板に含まれる光学補償層は、膜厚が10μm〜60μmである。より好ましくは12〜55μmであり、さらに好ましくは15〜50μmである。
前記光学補償層は、
30nm≦Re(550)≦200nm、50nm≦Rth(550)≦400nm
を満たす。より好ましくは
40nm≦Re(550)≦180nm、60nm≦Rth(550)≦350nm
であり、さらに好ましくは
50nm≦Re(550)≦170nm、70nm≦Rth(550)≦300nm
であることが好ましい。
ここでRe(550)、Rth(550)は波長550nmにおける面内レターデーション、及び厚み方向のレターデーションを表す。
前記光学補償層は、5≦Re(450)/Re(550)<1.0を満たすことが好ましい。ここでRe(450)、Re(550)はそれぞれ、波長450nm及び550nmにおける面内レターデーションを表し、上記関係であると、面内レターデーションが逆分散性であることを表す。
バックライト側偏光板に含まれる光学補償層のレターデーションが逆分散性であると、液晶表示装置に組み込んだ際、黒表示時の視野角色味が良好となるため好ましい。
前記バックライト側偏光板に含まれる光学補償層はポリマーフィルムであることが好ましい。光学補償層としては、棒状液晶性化合物などを用いることも考えられるが、ポリマーフィルムを用いることで、棒状液晶性化合物を用いた場合に比べ、VAモード液晶表示装置に組み込んだ際の正面コントラストを向上できることが分かった。
前記ポリマーフィルムの材料としては、光学性能、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるポリマーが好ましいが、上述の条件を満たす範囲であればどのような材料を用いてもよい。例えば、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー等が挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、または前記ポリマーを混合したポリマーも例として挙げられる。
また、前記ポリマーフィルムを形成する材料としては、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を好ましく用いることができる。熱可塑性ノルボルネン系樹脂としては、日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン等が挙げられる。
また、前記ポリマーフィルムを形成する材料としては、上述した視認側偏光板に含まれる偏光板保護膜に用いることができるセルロースアシレートを用いることもできる。
[セルロースアシレートフィルム]
以下、バックライト側偏光板に含まれる光学補償層としてセルロースアシレートフィルムを用いた場合の好ましい態様について説明する。
本発明に用いることができるセルロースアシレートは、平均アシル基置換度DSが、2.0<DS<2.95を満たすセルロースアシレートを主成分として含有することが好ましい。平均アシル置換度DSは2.0<DS<2.93がより好ましく、2.1<DS<2.91がさらに好ましい。
ここで、「主成分として」とは、単一のポリマーからなる場合には、そのポリマーのことを示し、複数のポリマーからなる場合には、構成するポリマーのうち、最も質量分率の高いポリマーのことを示す。
セルロースアシレートにおける、セルロースの水酸基への置換度の測定については特に限定されないが、セルロースの水酸基に置換する酢酸及び/又は炭素数3〜22の脂肪酸の結合度を測定し、計算によって置換度を得ることができる。測定方法としては、ASTMD−817−91に準じて実施することができる。
[セルロースアシレートフィルムの製造]
本発明に用いることができるセルロースアシレートフィルムの製造方法は、ドープを支持体上に流延し溶媒を蒸発させてセルロースアシレートフィルムを形成する製膜工程、及びその後当該フィルムを延伸する延伸工程、さらにその後得られたフィルムを乾燥する乾燥工程、さらに、該乾燥工程終了後、150〜200℃の温度で1分以上熱処理する工程を有することが好ましい。
{共流延}
本発明に用いることができるセルロースアシレートフィルムは、溶液流延製膜方法により製膜した後、延伸することにより製造したものであることが好ましい。また、溶液流延製膜が共流延により、同時又は逐次で多層流延製膜であることが好ましい。所望のレターデーション値を有するフィルムとすることができるためである。
本発明では得られたセルロースアシレート溶液を、金属支持体としての平滑なバンド上或いはドラム上に単層液として流延してもよいし、2層以上の複数のセルロースアシレート溶液を流延してもよい。複数のセルロースアシレート溶液を流延する場合、金属支持体の進行方向に間隔を置いて設けた複数の流延口からセルロースアシレートを含む溶液をそれぞれ流延させて積層させながらフィルムを作製してもよく、例えば特開昭61−158414号、特開平1−122419号、特開平11−198285号の各公報などに記載の方法が適応できる。また、2つの流延口からセルロースアシレート溶液を流延することによってもフィルム化することでもよく、例えば特公昭60−27562号、特開昭61−94724号、特開昭61−947245号、特開昭61−104813号、特開昭61−158413号、特開平6−134933号の各公報に記載の方法で実施できる。また、特開昭56−162617号公報に記載の高粘度セルロースアシレート溶液の流れを低粘度のセルロースアシレート溶液で包み込み、その高,低粘度のセルロースアシレート溶液を同時に押出すセルロースアシレートフィルム流延方法でもよい。更に又、特開昭61−94724号、特開昭61−94725号の各公報に記載の外側の溶液が内側の溶液よりも貧溶媒であるアルコール成分を多く含有させることも好ましい態様である。
あるいは、また、2個の流延口を用いて、第一の流延口により金属支持体に成型したフィルムを剥離し、金属支持体面に接していた側に第二の流延を行なうことでより、フィルムを作製することでもよく、例えば特公昭44−20235号公報に記載されている方法である。流延するセルロースエステル溶液は同一の溶液でもよいし、異なるセルロースアシレート溶液でもよく特に限定されない。複数のセルロースアシレート層に機能を持たせるために、その機能に応じたセルロースアシレート溶液を、それぞれの流延口から押出せばよい。さらの本発明のセルロースエステル溶液は、他の機能層(例えば、接着層、染料層、帯電防止層、アンチハレーション層、UV吸収層など)を同時に流延することも実施しうる。
従来の単層液では、必要なフィルム厚さにするためには高濃度で高粘度のセルロースアシレート溶液を押出すことが好ましく、その場合セルロースアシレート溶液の安定性が悪くて固形物が発生し、ブツ故障となったり、平面性が不良であったりして問題となることが多かった。この解決として、複数のセルロースアシレート溶液を流延口から流延することにより、高粘度の溶液を同時に金属支持体上に押出すことができ、平面性も良化し優れた面状のフィルムが作製できるばかりでなく、濃厚なセルロースアシレート溶液を用いることで乾燥負荷の低減化が達成でき、フィルムの生産スピードを高めることができた。
共流延の場合、内側と外側の厚さは特に限定されないが、好ましくは外側が全膜厚の1〜50%であることが好ましく、より好ましくは2〜30%の厚さである。ここで、3層以上の共流延の場合は金属支持体に接した層と空気側に接した層のトータル膜厚を外側の厚さと定義する。
共流延の場合、置換度の異なるセルロースアシレート溶液を共流延して、積層構造のセルロースアシレートフィルムを作製することもできる。また、可塑剤、紫外線吸収剤、マット剤微粒子等の添加剤濃度が異なるセルロースアシレート溶液を共流延して、積層構造のセルロースアシレートフィルムを作製することもできる。例えば、マット剤微粒子は、外層に多く、又は外層のみに入れることが出来る。可塑剤、紫外線吸収剤は外層よりもコア層に多くいれることができ、コア層のみにいれてもよい。又、コア層と外層で可塑剤、紫外線吸収剤の種類を変更することもでき、例えば外層に低揮発性の可塑剤及び/又は紫外線吸収剤を含ませ、コア層に可塑性に優れた可塑剤、或いは紫外線吸収性に優れた紫外線吸収剤を添加することもできる。また、剥離剤を金属支持体側の外層のみ含有させることも好ましい態様である。また、冷却ドラム法で金属支持体を冷却して溶液をゲル化させるために、外層に貧溶媒であるアルコールをコア層より多く添加することも好ましい。外層とコア層のTgが異なっていても良く、外層のTgよりコア層のTgが低いことが好ましい。又、流延時のセルロースアシレートを含む溶液の粘度も外層とコア層で異なっていても良く、外層の粘度がコア層の粘度よりも小さいことが好ましいが、コア層の粘度が外層の粘度より小さくてもよい。
{延伸}
本発明に用いることができるセルロースアシレートフィルムは、延伸処理によりレターデーションを調整することができる。積極的に幅方向(搬送方向に対して垂直な方向)に延伸する方法は、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、特開平4−284211号、特開平4−298310号、及び特開平11−48271号の各公報などに記載されている。フィルムの延伸は、常温又は加熱条件下で実施することができる。延伸時の温度は、100〜210℃が好ましく、120℃〜200℃がより好ましく、130〜195℃がさらに好ましい。
フィルムの延伸は、搬送方向(TD)あるいは幅方向(MD、搬送方向と直交する方向)だけの一軸延伸でもよく同時あるいは逐次2軸延伸でもよいが、TD方向により多く延伸することが好ましい。MD方向の延伸は1.0〜1.3延伸が好ましいTD方向の延伸は、1.1〜2.0倍延伸が好ましく、1.15〜1.9倍がより好ましく、1.15〜1.8倍がさらに好ましい。
延伸処理は製膜工程の途中で行ってもよいし、製膜して巻き取った原反を延伸処理してもよい。
製膜工程の途中で延伸を行う場合には残留溶剤量を含んだ状態で延伸を行っても良く、残留溶剤量=(残存揮発分質量/加熱処理後フィルム質量)×100%が0.05〜50%で好ましく延伸することができる。
製膜して巻き取った原反を延伸を行う場合には、残留溶剤量が0〜5%の状態で幅方向に1.1〜2.0倍延伸を行うことが好ましい。
また本発明に用いることができるセルロースアシレートフィルムは、二軸延伸を行ってもよい。二軸延伸には、同時二軸延伸法と逐次二軸延伸法があるが、連続製造の観点から逐次二軸延伸方法が好ましく、ドープを流延した後、バンドもしくはドラムよりフィルムを剥ぎ取り、幅方向に延伸した後、長手方向に延伸されるか、又は長手方法に延伸した後、幅方向に延伸される。
延伸での残留歪を緩和させ、寸度変化を低減させるため、また面内の遅相軸の幅方向に対するバラツキを小さくするために、横延伸後に緩和工程を設けることが好ましい。緩和工程では緩和前のフィルムの幅に対して緩和後のフィルムの幅を100〜70%の範囲(緩和率0〜30%)に調節することが好ましい。緩和工程における温度はフィルムの見かけ上のガラス転移温度Tg−50〜Tg+50℃であることが好ましい。通常の延伸ではこの最大拡幅率を経た後の緩和率ゾーンでは、テンターゾーンを通過させるまでの時間は1分より短い。
ここで、延伸工程におけるフィルムの見かけ上のTgは、残留溶剤を含んだフィルムをアルミパンに封入し、示差走査熱量計(DSC)で25℃から200℃まで20℃/分で昇温し、吸熱曲線をもとめることによりTgを求めた。
{熱処理工程}
本発明に用いることができるセルロースアシレートフィルムの製造方法は乾燥工程終了後に熱処理工程を設けることが好ましい。当該熱処理工程における熱処理は乾燥工程終了後に行われればよく、延伸/乾燥工程後直ちに行って良いし、あるいは乾燥工程終了後に後述する方法で一旦巻き取った後に、熱処理工程だけを別途設けても良い。本発明においては乾燥工程終了後に一旦、室温〜100℃以下まで冷却した後において改めて前記熱処理工程を設けることが好ましい。これは熱寸法安定性のより優れたフィルムを得られる点で有利であるからである。同様の理由で熱処理工程直前において残留溶媒量が2質量%未満、好ましくは0.4質量%未満まで乾燥されていることが好ましい。
このような処理によりフィルムの収縮率を小さくできる理由は明確ではないが、延伸工程にて延伸される処理を経たフィルムにおいては、延伸方向の残留応力が大きいため、熱処理によって前記残留応力が解消されることにより、熱処理温度以下の領域での収縮力が低減されるものと推定される。
熱処理は、搬送中のフィルムに所定の温度の風を当てる方法やマイクロウエーブなどの加熱手段などを用いる方法により行われる。
熱処理は150〜200℃の温度で行うことが好ましく、160〜180℃の温度で行うことがさらに好ましい。また、熱処理は1〜20分間行うことが好ましく、5〜10分間行うことがさらに好ましい。
熱処理温度が200℃を超えて長時間加熱すると、フィルム中に含まれる可塑剤の飛散量が増大するため問題となる場合がある。
{フィルムの巻き取り}
得られたフィルムを巻き取る巻き取り機には、一般的に使用されている巻き取り機が使用でき、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法などの巻き取り方法で巻き取ることができる。以上の様にして得られた光学フィルムロールは、フィルムの遅相軸方向が、巻き取り方向(フィルムの長手方向)に対して、±2度であることが好ましく、さらに±1度の範囲であることが好ましい。又は、巻き取り方向に対して直角方向(フィルムの幅方向)に対して、±2度であることが好ましく、さらに±1度の範囲にあることが好ましい。特にフィルムの遅相軸方向が、巻き取り方向(フィルムの長手方向)に対して、±0.1度以内であることが好ましい。あるいはフィルムの幅手方向に対して±0.1度以内であることが好ましい。
{加熱水蒸気処理}
また、延伸処理されたフィルムは、その後、100℃以上に加熱された水蒸気を吹き付けられる工程を経て製造されても良い。この水蒸気の吹付け工程を経ることにより、製造されるセルロースアシレートフィルムの残留応力が緩和されて、寸度変化が小さくなるので好ましい。水蒸気の温度は100℃以上であれば特に制限はないが、フィルムの耐熱性などを考慮すると、水蒸気の温度は、200℃以下となる。
これら流延から後乾燥までの工程は、空気雰囲気下でもよいし窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下でもよい。
[セルロースアシレートフィルムに用いられる添加剤]
{重縮合エステル}
本発明において、前記セルロースアシレートフィルムは、グリコールユニットの平均炭素数が2.3〜3.0である重縮合エステルを含むことが好ましい。
ここで、光学補償層の添加剤(特にRth制御剤)として用いられる重縮合エステル類としては、例えば、炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸と炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸の混合物と、炭素数2〜12の脂肪族ジオール、炭素数4〜20のアルキルエーテルジオールおよび炭素数6〜20の芳香族ジオールから選ばれるジオール類との反応によって得られるものなどが挙げられる。
これに対し、本発明で用いることができる重縮合エステルは上述の一般的な重縮合エステル類の中からグリコールユニットの平均炭素数が2.3〜3.0となるように重縮合エステルを選択することで、セルロースアシレートフィルム内および粘着剤層内における重縮合エステル類の結晶性を制御して結晶析出を抑制し、湿熱耐久性試験後のコントラスト低減を抑制することができる。
《グリコールユニット》
本発明に用いることができる重縮合エステルのグリコールユニットは、平均炭素数が2.3〜3.0であり、2.4〜3.0であることが好ましく、2.5〜3.0であることがより好ましい。
本発明に用いることができる重縮合エステルのグリコールユニットとは、隣り合うエステル結合の間に存在するジオール残基のことを言う。この中でも、本発明に用いることができる重縮合エステルのグリコールユニットは、脂肪族ジオール残基、アルキルエーテルジオール残基および芳香族環含有ジオール残基であることが好ましく、炭素数2〜20の脂肪族ジオール、炭素数4〜20のアルキルエーテルジオールおよび炭素数6〜20の芳香族環含有ジオールから選ばれるグリコールを反応して得られるものであることがより好ましい。
前記炭素数2〜20の脂肪族ジオールとしては、アルキルジオールおよび脂環式ジオール類を挙げることができ、例えば、エチレングリコール(1,2−エタンジオール)、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール)、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロ−ルペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等があり、これらのグリコールは、1種または2種以上の混合物として使用される。
好ましい脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール(1,2−エタンジオール)、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール)、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールであり、より好ましくはエチレングリコール(1,2−エタンジオール)、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール)、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールであり、特に好ましくはエチレングリコール(1,2−エタンジオール)およびプロピレングリコール(1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール)である。すなわち、前記重縮合エステルがエチレングリコールユニットおよびポリエチレングリコールユニットを含むことがグリコールユニットの平均炭素数を2.3〜3.0に調整する観点やセルロースエステルとの相溶性、光学発現性の観点から特に好ましい。また、プロピレングリコールの中でも1,2−プロパンジオールのみを含むことが、エチレングリコールとプロピレングリコールを併用した際にジカルボン酸ユニット間の間隔をグリコールユニットの炭素鎖の長さを炭素数2と一定にでき、ジカルボン酸ユニットの結晶化を抑制し易くできる観点から好ましい。
炭素数4〜20のアルキルエーテルジオールとしては、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレンエーテルグリコールおよびポリプロピレンエーテルグリコールならびにこれらの組み合わせが挙げられる。その平均重合度は、特に限定されないが好ましくは2〜20であり、より好ましくは2〜10であり、さらには2〜5であり、特に好ましくは2〜4である。これらの例としては、典型的に有用な市販のポリエーテルグリコール類としては、カーボワックス(Carbowax)レジン、プルロニックス(Pluronics) レジンおよびニアックス(Niax)レジンが挙げられる。
炭素数6〜20の芳香族ジオールとしては、特に限定されないがハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノール、1,2−ヒドロキシベンゼン、1,3−ヒドロキシベンゼン、1,4−ヒドロキシベンゼン、1,4−ベンゼンジメタノールが挙げられ、好ましくはビスフェノールA、1,4−ヒドロキシベンゼン、1,4−ベンゼンジメタノールである。
これらのアルキルエーテルジオールや芳香族ジオールは、本発明の重縮合エステルのグリコールユニットの平均炭素数の範囲を満たす限りにおいて、前記脂肪族ジオールとの混合物として用いることができる。この場合、例えばエチレングリコールとジエチレングリコールの混合物を用いることで本発明の重縮合エステルのグリコールユニットの平均炭素数の範囲を満たすようにしてもよい。
《ジカルボン酸ユニット》
本発明に用いることができる重縮合エステルのジカルボン酸ユニットとは、隣り合うエステル結合の間に存在するジカルボン酸残基のことを言う。この中でも、本発明に用いられる重縮合エステルのジカルボン酸ユニットは、脂肪族ジカルボン酸残基または芳香族ジカルボン酸残基であることが好ましく、炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸または炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸を反応して得られるものであることがより好ましい。
本発明に用いることができる重縮合エステルのジカルボン酸ユニットは、脂肪族ジカルボン酸ユニットでも、芳香族ジカルボン酸ユニットでも、両者を組み合わせてもよく、その組み合せは特に限定されるものではなく、それぞれの成分を数種類組み合わせても問題ない。本発明に用いられる重縮合エステルのジカルボン酸ユニットは、芳香族ジカルボン酸ユニットであることが光学発現性および偏光子耐久性の観点から好ましい。
本発明に用いられる重縮合エステルのグリコールユニットは、ジカルボン酸ユニットの平均炭素数が5.6以上であることが光学発現性の観点から好ましく、5.6〜8.0であることがより好ましく、5.8〜7.5であることが特に好ましい。
本発明で好ましく用いられる炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が挙げられる。
また炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,8−ナフタレンジカルボン酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸等がある。
これらの中でも好ましい脂肪族ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸であり、芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸である。特に好ましくは、脂肪族ジカルボン酸成分としてはコハク酸、グルタル酸、アジピン酸であり、芳香族ジカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、である。
《封止》
また、前記重縮合エステルの両末端は反応物のままでもよいが、さらにモノカルボン酸類やモノアルコール類またはフェノール類を反応させて、所謂末端の封止を実施してもよい。この末端封止は、特にフリーなカルボン酸類を含有させないために実施されることが、保存性などの点で有効である。
本発明における好ましい態様では、前記重縮合エステルの下記式(4)で表される両末端ヒドロキシル基封止率が70%以下であることが好ましい。但し、ここでいう末端ヒドロキシル基には、末端カルボキシル基(−COOH)の一部である−OHは含まれない。
式(4):
両末端ヒドロキシル基封止率(%)=100×(重縮合エステルの両末端に存在する封止ヒドロキシル基の総数)/{(重縮合エステルの両末端に存在する未封止ヒドロキシル基の総数)+(重縮合エステルの両末端に存在する封止ヒドロキシル基の総数)}
また、前記重縮合エステルは式(4)で表される両末端ヒドロキシル基封止率が70%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましく、50%以下であることが特に好ましい。このようにグリコールユニットの平均炭素数が2.3〜3.0である重縮合エステルの中から、さらに特定の両末端ヒドロキシル基封止率を制御した重縮合エステルを選択することで親疎水性を改善することができる。 一方、前記重縮合エステルの下記式(4')で表される両末端カルボキシル基封止率は、70%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましく、50%以下であることが特に好ましい。
式(4'):
両末端カルボキシル基封止率(%)=100×(重縮合エステルの両末端に存在する封止カルボキシル基の総数)/{(重縮合エステルの両末端に存在する未封止カルボキシル基の総数)+(重縮合エステルの両末端に存在する封止カルボキシル基の総数)}
さらに、前記重縮合エステルの両末端ヒドロキシル基封止率および両末端カルボキシル基封止率が、ともに70%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましく、50%以下であることが特に好ましい。また、前記重縮合エステルの両末端はカルボキシル基であるよりもヒドロキシル基であることが好ましい。
本発明においては、特に前記重縮合エステルの両末端がアルキル基や芳香族基で封止されていないヒドロキシル基である重縮合エステルであることが、相溶性および光学発現性の観点から好ましい。
本発明に用いることができる重縮合エステルの両末端がカルボキシル基やヒドロキシル基とならないように、モノアルコール残基やモノカルボン酸残基で保護することもできる。
この場合、モノアルコールとしては炭素数1〜30の置換、無置換のモノアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、イソペンタノール、ヘキサノール、イソヘキサノール、シクロヘキシルアルコール、オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ノニルアルコール、イソノニルアルコール、tert−ノニルアルコール、デカノール、ドデカノール、ドデカヘキサノール、ドデカオクタノール、アリルアルコール、オレイルアルコールなどの脂肪族アルコール、ベンジルアルコール、3−フェニルプロパノールなどの置換アルコールなどが挙げられる。
好ましく使用され得る末端封止用アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、イソペンタノール、ヘキサノール、イソヘキサノール、シクロヘキシルアルコール、イソオクタノール、2−エチルヘキシルアルコール、イソノニルアルコール、オレイルアルコール、ベンジルアルコールであり、特にはメタノール、エタノール、プロパノール、イソブタノール、シクロヘキシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソノニルアルコール、ベンジルアルコールである。
また、モノカルボン酸残基で封止する場合は、モノカルボン酸残基として使用されるモノカルボン酸は、炭素数1〜30の置換、無置換のモノカルボン酸が好ましい。これらは、脂肪族モノカルボン酸でも芳香族環含有カルボン酸でもよい。好ましい脂肪族モノカルボン酸について記述すると、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、カプリル酸、カプロン酸、デカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸が挙げられ、芳香族環含有モノカルボン酸としては、例えば安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、p−tert−アミル安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、ノルマルプロピル安息香酸、アミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸等があり、これらはそれぞれ1種または2種以上を使用することができる。
かかる本発明に用いることができる重縮合エステルの合成は、常法により上記ジカルボン酸とグリコールおよび/または末端封止用のモノカルボン酸またはモノアルコール、とのポリエステル化反応またはエステル交換反応による熱溶融縮合法か、あるいはこれら酸の酸クロライドとグリコール類との界面縮合法のいずれかの方法によっても容易に合成し得るものである。これらの重縮合エステルの製造方法については、村井孝一編者「添加剤 その理論と応用」(株式会社幸書房、昭和48年3月1日初版第1版
発行)に詳細な記載がある。また、特開平05−155809号、特開平05−155810号、特開平5−197073号、特開2006−259494号、特開平07−330670号、特開2006−342227号、特開2007−003679号各公報などに記載されている素材を利用することもできる。
以下、本発明に好ましく用いることのできる重縮合エステルの具体例を示すが、本発明で用いることができる重縮合エステルはこれらに限定されない。
Figure 2014206716
(表中、ポリエステルポリオールは重縮合エステルのことを指す)。
表1中、EGはエチレングリコールを、PGはプロピレングリコールを、BGはブチレングリコールを、TPAはテレフタル酸を、PAはフタル酸を、AAはアジピン酸を、SAはコハク酸を、をそれぞれ示している。
前記重縮合エステルの使用量(含有量でもよい)は、フィルムに対して3質量%〜30質量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは、5質量%〜25質量%の範囲であり、特に好ましくは、5質量%〜20質量%の範囲である。
前記重縮合エステルの分子量は特に制限はないが、重量平均分子量で200〜100000であることが好ましく、200〜10000であることがより好ましく、200〜5000であることが特に好ましい。
前記重縮合エステルの80μm厚のヘイズは5%以下であることが好ましく、4%以下であることがより好ましく、3%以下であることが特に好ましい。なお、前記重縮合エステルの80μm厚のヘイズとは、後述する方法で80μmギャップの2枚のガラス板に挟んで測定した時のヘイズを表す。
<ΔSP値>
本発明では、前記セルロースアシレートの溶解度パラメータと前記重縮合エステルの溶解度パラメータの差(以下、溶解度パラメータの差をΔSP値とも言う)が下記式(5)を満たすことが好ましい。
式(5):
|SP値(PP)−SP値(CA)|≦1.5MPa1/2
(式(5)中、SP値(PP)はHoy法で測定した前記重縮合エステルの溶解度パラメータを表し、SP値(CA)はHoy法で測定した前記セルロースアシレートの溶解度パラメータを表す。)
前記セルロースアシレートと前記重縮合エステルのΔSPが1.5以下であれば、セルロースアシレートと添加剤の相溶性が良化し、白化、泣き出しが生じにくくなる。ΔSPの値は、より好ましくは1.3以下であり、特に好ましくは1.3未満であり、より特に好ましくは1.0未満である。
前記セルロースアシレートフィルムに添加する添加剤が2種類以上の場合、前記重縮合エステルの溶解度パラメータ以外の添加剤と前記セルロースアシレートとのΔSP値が、上記範囲を満たすことが好ましい。
また、前記セルロースアシレートフィルムに添加剤を2種類以上添加する場合、各添加剤とセルロースアシレート間に加え、添加剤同士のΔSP値も上記範囲を満たすことが好ましい。例えば、添加剤2種を添加する場合、前記重縮合エステルのSP値とセルロースアシレートのSP値の差、2つ目の添加剤SP値とセルロースアシレートのSP値の差、および前記重縮合エステルのSP値と2つ目の添加剤のSP値の差の3者が上記範囲を満たすことが好ましい。すなわち、Hoy法で測定した3者それぞれの溶解度のパラメーター(SP値)の最大値と最小値の差が下記式(5')を満たすことが好ましい。
式(5'):|SP値(最大値)−SP値(最小値)|<1.5MPa1/2
さらに、前記式(5')におけるΔSP値の好ましい範囲は、前記式(5)の好ましい範囲と同様である。
尚、本発明におけるSP値は、Hoy法によって算出した値であり、Hoy法は、POLYMER HANDBOOK FOURTH EDITIONに記載がある。
[レターデーション発現剤]
本発明に用いることができるセルロースアシレートフィルムは、レターデーション値を発現するために、少なくとも1種のレターデーション発現剤を含有することが好ましい。前記レターデーション発現剤としては、特に制限はないが、棒状化合物からなるものや、シクロアルカンまたは芳香族環といった環状構造を有する化合物からなるものや、前記非リン酸エステル系の化合物のうちレターデーション発現性を示す化合物を挙げることができる。環状構造を有する化合物としては、円盤状化合物が好ましい。上記棒状化合物あるいは円盤状化合物としては、少なくとも二つの芳香族環を有する化合物をレターデーション発現剤として好ましく用いることができる。
棒状化合物からなるレターデーション発現剤の添加量は、セルロースアシレートを含むポリマー成分100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがさらに好ましい。前記レターデーション発現剤中に含まれる円盤状化合物が、前記セルロースアシレート100質量部に対して3質量部未満であることが好ましく、2質量部未満であることがより好ましく、1質量部未満であることが特に好ましい。
円盤状化合物はRthレターデーション発現性において棒状化合物よりも優れているため、特に大きなRthレターデーションを必要とする場合には好ましく使用される。2種類以上のレターデーション発現剤を併用してもよい。
レターデーション発現剤は、250〜400nmの波長領域に最大吸収を有することが好ましく、可視領域に実質的に吸収を有していないことが好ましい。
円盤状化合物について説明する。円盤状化合物としては少なくとも二つの芳香族環を有する化合物を用いることができる。
本明細書において、「芳香族環」は、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。
芳香族炭化水素環は、6員環(すなわち、ベンゼン環)であることが特に好ましい。
芳香族性ヘテロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般に、最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましく、窒素原子が特に好ましい。芳香族性ヘテロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が含まれる。
芳香族環としては、ベンゼン環、縮合ベンゼン環、ビフェニール類が好ましい。特に1,3,5−トリアジン環が好ましく用いられる。具体的には例えば特開2001−166144号公報に開示の化合物が好ましく用いられる。
レターデーション発現剤が有する芳香族環の炭素数は、2〜20であることが好ましく、2〜12であることがより好ましく、2〜8であることがさらに好ましく、2〜6であることが最も好ましい。
二つの芳香族環の結合関係は、(a)縮合環を形成する場合、(b)単結合で直結する場合および(c)連結基を介して結合する場合に分類できる(芳香族環のため、スピロ結合は形成できない)。結合関係は、(a)〜(c)のいずれでもよい。
(a)の縮合環(二つ以上の芳香族環の縮合環)の例には、インデン環、ナフタレン環、アズレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環、アセナフチレン環、ビフェニレン環、ナフタセン環、ピレン環、インドール環、イソインドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドリジン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、プリン環、インダゾール環、クロメン環、キノリン環、イソキノリン環、キノリジン環、キナゾリン環、シンノリン環、キノキサリン環、フタラジン環、プテリジン環、カルバゾール環、アクリジン環、フェナントリジン環、キサンテン環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサチイン環、フェノキサジン環およびチアントレン環が含まれる。ナフタレン環、アズレン環、インドール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環およびキノリン環が好ましい。
(b)の単結合は、二つの芳香族環の炭素原子間の結合であることが好ましい。二以上の単結合で二つの芳香族環を結合して、二つの芳香族環の間に脂肪族環または非芳香族性複素環を形成してもよい。
(c)の連結基も、二つの芳香族環の炭素原子と結合することが好ましい。連結基は、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、−CO−、−O−、−NH−、−S−またはそれらの組み合わせであることが好ましい。組み合わせからなる連結基の例を以下に示す。なお、以下の連結基の例の左右の関係は、逆になってもよい。
c1:−CO−O−
c2:−CO−NH−
c3:−アルキレン−O−
c4:−NH−CO−NH−
c5:−NH−CO−O−
c6:−O−CO−O−
c7:−O−アルキレン−O−
c8:−CO−アルケニレン−
c9:−CO−アルケニレン−NH−
c10:−CO−アルケニレン−O−
c11:−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO−アルキレン−
c12:−O−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO−アルキレン−O−
c13:−O−CO−アルキレン−CO−O−
c14:−NH−CO−アルケニレン−
c15:−O−CO−アルケニレン−
芳香族環および連結基は、置換基を有していてもよい。
置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、スルホ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ウレイド基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、脂肪族アシル基、脂肪族アシルオキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、脂肪族アミド基、脂肪族スルホンアミド基、脂肪族置換アミノ基、脂肪族置換カルバモイル基、脂肪族置換スルファモイル基、脂肪族置換ウレイド基および非芳香族性複素環基が含まれる。
アルキル基の炭素原子数は、1〜8であることが好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル基の方が好ましく、直鎖状アルキル基が特に好ましい。アルキル基は、さらに置換基(例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アルキル置換アミノ基)を有していてもよい。アルキル基の(置換アルキル基を含む)例には、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、2−ヒドロキシエチル基、4−カルボキシブチル基、2−メトキシエチル基および2−ジエチルアミノエチル基の各基が含まれる。
アルケニル基の炭素原子数は、2〜8であることが好ましい。環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基の方が好ましく、直鎖状アルケニル基が特に好ましい。アルケニル基は、さらに置換基を有していてもよい。アルケニル基の例には、ビニル基、アリル基および1−ヘキセニル基が含まれる。
アルキニル基の炭素原子数は、2〜8であることが好ましい。環状アルキニル基よりも鎖状アルキニル基の方が好ましく、直鎖状アルキニル基が特に好ましい。アルキニル基は、さらに置換基を有していてもよい。アルキニル基の例には、エチニル基、1−ブチニル基および1−ヘキシニル基が含まれる。
脂肪族アシル基の炭素原子数は、1〜10であることが好ましい。脂肪族アシル基の例には、アセチル基、プロパノイル基およびブタノイル基が含まれる。
脂肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、1〜10であることが好ましい。脂肪族アシルオキシ基の例には、アセトキシ基が含まれる。
アルコキシ基の炭素原子数は、1〜8であることが好ましい。アルコキシ基は、さらに置換基(例えば、アルコキシ基)を有していてもよい。アルコキシ基の(置換アルコキシ基を含む)例には、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基およびメトキシエトキシ基が含まれる。
アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2〜10であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニル基およびエトキシカルボニル基が含まれる。
アルコキシカルボニルアミノ基の炭素原子数は、2〜10であることが好ましい。アルコキシカルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノ基およびエトキシカルボニルアミノ基が含まれる。
アルキルチオ基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。アルキルチオ基の例には、メチルチオ基、エチルチオ基およびオクチルチオ基が含まれる。
アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1〜8であることが好ましい。アルキルスルホニル基の例には、メタンスルホニル基およびエタンスルホニル基が含まれる。
脂肪族アミド基の炭素原子数は、1〜10であることが好ましい。脂肪族アミド基の例には、アセトアミドが含まれる。
脂肪族スルホンアミド基の炭素原子数は、1〜8であることが好ましい。脂肪族スルホンアミド基の例には、メタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基およびn−オクタンスルホンアミド基が含まれる。
脂肪族置換アミノ基の炭素原子数は、1〜10であることが好ましい。脂肪族置換アミノ基の例には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基および2−カルボキシエチルアミノ基が含まれる。
脂肪族置換カルバモイル基の炭素原子数は、2〜10であることが好ましい。脂肪族置換カルバモイル基の例には、メチルカルバモイル基およびジエチルカルバモイル基が含まれる。
脂肪族置換スルファモイル基の炭素原子数は、1〜8であることが好ましい。脂肪族置換スルファモイル基の例には、メチルスルファモイル基およびジエチルスルファモイル基が含まれる。
脂肪族置換ウレイド基の炭素原子数は、2〜10であることが好ましい。脂肪族置換ウレイド基の例には、メチルウレイド基が含まれる。
非芳香族性複素環基の例には、ピペリジノ基およびモルホリノ基が含まれる。
レターデーション発現剤の分子量は、300〜800であることが好ましい。
円盤状化合物として下記一般式(∨)で表されるトリアジン化合物を用いることが好ましい。
Figure 2014206716
上記一般式(∨)中:
201は、各々独立に、オルト位、メタ位およびパラ位の少なくともいずれかに置換基を有する芳香族環または複素環を表す。
201は、各々独立に、単結合または−NR202−を表す。ここで、R202は、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基または複素環基を表す。
201が表す芳香族環は、フェニルまたはナフチルであることが好ましく、フェニルであることが特に好ましい。R201が表す芳香族環はいずれかの置換位置に少なくとも一つの置換基を有してもよい。前記置換基の例には、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アルキル置換スルファモイル基、アルケニル置換スルファモイル基、アリール置換スルファモイル基、スルオンアミド基、カルバモイル、アルキル置換カルバモイル基、アルケニル置換カルバモイル基、アリール置換カルバモイル基、アミド基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基およびアシル基が含まれる。
201が表す複素環基は、芳香族性を有することが好ましい。芳香族性を有する複素環は、一般に不飽和複素環であり、好ましくは最多の二重結合を有する複素環である。複素環は5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることが最も好ましい。複素環のヘテロ原子は、窒素原子、硫黄原子または酸素原子であることが好ましく、窒素原子であることが特に好ましい。芳香族性を有する複素環としては、ピリジン環(複素環基としては、2−ピリジルまたは4−ピリジル)が特に好ましい。複素環基は、置換基を有していてもよい。複素環基の置換基の例は、上記アリール部分の置換基の例と同様である。
201が単結合である場合の複素環基は、窒素原子に遊離原子価をもつ複素環基であることが好ましい。窒素原子に遊離原子価をもつ複素環基は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、5員環であることが最も好ましい。複素環基は、複数の窒素原子を有していてもよい。また、複素環基は、窒素原子以外のヘテロ原子(例えば、O、S)を有していてもよい。以下に、窒素原子に遊離原子価をもつ複素環基の例を示す。ここで、−C49 nは、n−C49を示す。
Figure 2014206716
202が表すアルキル基は、環状アルキル基であっても鎖状アルキル基であってもよいが、鎖状アルキル基が好ましく、分岐を有する鎖状アルキル基よりも、直鎖状アルキル基がより好ましい。アルキル基の炭素原子数は、1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましく、1〜10であることがさらに好ましく、1〜8がさらにまた好ましく、1〜6であることが最も好ましい。アルキル基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基)およびアシルオキシ基(例えば、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基)が含まれる。
202が表すアルケニル基は、環状アルケニル基であっても鎖状アルケニル基であってもよいが、鎖状アルケニル基を表すのが好ましく、分岐を有する鎖状アルケニル基よりも、直鎖状アルケニル基を表すのがより好ましい。アルケニル基の炭素原子数は、2〜30であることが好ましく、2〜20であることがより好ましく、2〜10であることがさらに好ましく、2〜8であることがさらにまた好ましく、2〜6であることが最も好ましい。アルケニル基は置換基を有していてもよい。置換基の例には、前述のアルキル基の置換基と同様である。
202が表す芳香族環基および複素環基は、R201が表す芳香族環および複素環と同様であり、好ましい範囲も同様である。芳香族環基および複素環基はさらに置換基を有していてもよく、置換基の例にはR201の芳香族環および複素環の置換基と同様である。
一般式(∨)で表される化合物は、例えば特開2003−344655号公報に記載の方法等、公知の方法により合成することができる。レターデーション発現剤の詳細は公開技報2001−1745の49頁に記載されている。
本発明に用いることができるレターデーション発現剤としては、前記低分子化合物と同様に、高分子系添加剤を使用することもできる。ここで、本発明において前記非リン酸系エステル系ポリマーとして用いられているポリマーがレターデーション発現剤としての機能を兼ねていてもよい。前記非リン酸エステル系ポリマーでもある高分子系のレターデーション発現剤としては、前記芳香族ポリエステル系ポリマーおよび前記芳香族ポリエステル系ポリマーとその他の樹脂の共重合体が好ましい。
本発明に用いることができるレターデーション発現剤は、Re発現剤であることが効率的にReを発現させ、適切なNzファクターを実現する観点からより好ましい。前記レターデーション発現剤のうち、Re発現剤としては、例えば、円盤状化合物および棒状化合物などを挙げることができる。
本発明に用いることができるレターデーション発現剤には、特開2009−063983の[0051]〜[0098]記載の[Re発現剤]を用いることが出来る。
<偏光子>
本発明に用いられるバックライト側偏光板に含まれる偏光子としては、上述した視認側偏光板に用いられる偏光子と同様のものを用いることができる。
<バックライト側偏光板に含まれる偏光板保護膜>
本発明に用いられるバックライト側偏光板に含まれる偏光板保護膜は特に制限はなく、上述した視認側偏光板に含まれる偏光板保護膜と同様のものを用いることができる。
バックライト側偏光板に含まれる偏光板保護膜の膜厚は偏光板薄型化の観点で60mμm以下であることが好ましい。好ましくは50μm以下であり、さらに好ましくは40μm以下である。
前記バックライト側偏光板に含まれる偏光板保護膜の40℃90%RHにおける透湿度は、50g/m2・日以下であることが好ましい。より好ましくは40g/m2・日以下であり、さらに好ましくは30g/m2・日以下である。
透湿度が低い偏光板保護膜を用いると、湿熱環境下で発生するムラを、更に抑制することが出来る。
バックライト側偏光板に含まれる偏光板保護膜は、接着剤を介して偏光子に貼合しても良いし、偏光子上に直接又は転写で形成しても良い。
<透湿度の計測>
バックライト側偏光板に含まれる偏光板保護膜の透湿度はJISZ0208防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)に規定される方法(40℃90%RH)で測定した。
<レタデーションの評価>
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーションおよび厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH又はWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の式(21)及び式(22)よりRthを算出することもできる。
Figure 2014206716
式中、上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値をあらわす。
また式中、nxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表し、dは膜厚(nm)を表す。
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)がさらに算出される。
また、本明細書では、Re(450)、Re(550)の値は、測定装置により3以上の異なる波長(例としてλ=479.2、546.3、632.8、745.3nm)を用いて測定し、それぞれの波長からRe、Rthを算出するものとする。これらの値をコーシーの式(第3項まで、Re=A+B/λ2+C/λ4)にて近似して値A、B、Cを求める。以上より波長λにおけるRe、Rthをプロットし直し、そこから各波長λでのRe(λ)を求めることができる。
(実施例)
以下に実施例を挙げて本発明の特徴を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<視認側偏光板の作製>
[偏光板保護膜の作成]
下記の組成物をミキシングタンクに投入し攪拌して、各成分を溶解し、コア層セルロースアシレートドープ1を調製した。
-------------------------------------------------------------------------
アセチル置換度2.88のセルロースアセテート 100質量部
エステルオリゴマー(化合物1−1) 10質量部
耐久性改良剤(化合物1−2) 4質量部
紫外線吸収剤(化合物1−3) 3質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 438質量部
メタノール(第2溶剤) 65質量部
-------------------------------------------------------------------------
Figure 2014206716
Figure 2014206716
Figure 2014206716
(0263)
[外層セルロースアシレートドープ1の作製]
上記のコア層セルロースアシレートドープ190質量部に下記のマット剤分散液1を10質量部加え、外層セルロースアシレートドープ1を調製した。
-----------------------------------------------------------------------
平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製) 2質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 76質量部
メタノール(第2溶剤) 11質量部
コア層セルロースアシレートドープ1 1質量部
-----------------------------------------------------------------------
[セルロースアシレートフィルムの作製]
前記コア層セルロースアシレートドープ1とその両側に外層セルロースアシレートドープ1とを3層同時に流延口から20℃のドラム上に流延した。溶剤含有率略20質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をテンタークリップで固定し、残留溶剤が3〜15質量%の状態で、横方向に1.2倍延伸しつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、厚さ25μmのセルロースアシレートフィルムを作製し偏光板保護膜01とした。
[透湿度の計測]
保護膜の透湿度はJISZ0208防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)に規定される方法(40℃90%RH)で測定した。偏光板保護膜01の透湿度は980g/m2・日であった。
[ハードコート層の作製]
ハードコート層形成用の塗布液として、下記ハードコート用硬化性組成物ハードコート1を調製した。
Figure 2014206716
Figure 2014206716
上記ハードコート1を、上記にて作製した偏光板保護膜01の表面上へ塗布し、その後、100℃で60秒乾燥し、窒素0.1%以下の条件でUVを1.5kW、300mJにて照射し、硬化させ、厚み5μmのハードコート層を有するハードコート層付偏光板保護膜01を作製した。なお、ハードコート層の膜厚の調整は、スロットダイを用い、ダイコート法において塗布量を調整することにより行った。
[偏光板の作製]
1)フィルムのケン化
作製したハードコート層付偏光板保護膜01を37℃に調温した4.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(ケン化液)に1分間浸漬した後、フィルムを水洗し、その後、0.05mol/Lの硫酸水溶液に30秒浸漬した後、更に水洗浴に通した。そして、エアナイフによる水切りを3回繰り返し、水を落とした後に70℃の乾燥ゾーンに15秒間滞留させて乾燥し、ケン化処理したハードコート層付偏光板保護膜01を作製した。
2)偏光子の作製
特開2001−141926号公報の実施例1に従い、2対のニップロール間に周速差を与え、長手方向に延伸し、幅1330mm、厚みは15μmの偏光子を調製した。このようにして作製した偏光子を偏光子1とした。
3)貼り合わせ
このようにして得た偏光子1と、前記ケン化処理したハードコート層付偏光板保護膜01とを、PVA((株)クラレ製、PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、偏光軸とフィルムの長手方向とが直交するようにロールツーロールで貼りあわせて片面保護膜付き偏光板01を作製した。
このとき、偏光板保護膜のセルロースアシレートフィルム側が、偏光子側になるように張り合わせた。
[水平配向した円盤状液晶化合物からなる光学補償層の形成]
下記化合物3−1〜3−6をメチルエチルケトンに溶解して固形分濃度が35%になるように調製した。
----------------------------------------------------------
重合性液晶性化合物3−1 86.7質量部
化合物3−2 8.6質量部
重合開始剤:化合物3−3 2.9質量部
重合開始剤:化合物3−4 1.0質量部
含フッ素界面活性剤:化合物3−5 0.8質量部
密着向上剤:化合物3−6 0.1質量部
----------------------------------------------------------
Figure 2014206716
Figure 2014206716
Figure 2014206716
Figure 2014206716
Figure 2014206716
Figure 2014206716
塗布液を上記で作製した片面保護膜付き偏光板01の偏光子側の面に、塗布、乾燥した。70℃で1分間加熱して、円盤状液晶性化合物を配向させた。その後、ただちに70℃の温度条件で、500mJ/cm2の紫外線を照射して、円盤状液晶性化合物を重合させ、配向状態を固定した。形成した光学補償層の厚みは1.6μmであった。光学補償層の厚みはレーザー膜厚計にて計測した。これを光学補償層001とし、作製した偏光板を1001とした。
[光学特性の計測]
光学補償層001をガラス基板上に実施例と同条件で形成させ、光学補償層のみのレターデーションを測定した。面内レターデーション(Re(550))は0.5nm、膜厚方向のレターデーション(Rth(550))は120nmであった。屈折率は1.58とした。
片面保護膜付き偏光板01上に、前記光学補償層001と同様の条件で、下記表3に示すように膜厚のみ変化させ光学補償層002〜005を作製し、偏光板1002〜1005とした。
[光学補償層006の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し攪拌して、各成分を溶解し、コア層セルロースアシレートドープ2を調製した。
-------------------------------------------------------------------------
アセチル置換度2.43のセルロースアセテート 100質量部
下記エステルオリゴマー(化合物4−1) 19質量部
下記レターデーション調整剤(化合物4−2) 5質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 471質量部
メタノール(第2溶剤) 70質量部
-------------------------------------------------------------------------
(化合物4−1)
Figure 2014206716
Figure 2014206716
[マット剤分散液2の調製)
次に上記方法で調製したコア層セルロースアシレートドープ2を含む、下記成分を分散機に投入し、マット剤分散液2を調製した。
---------------------------------------------------------------------------
平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製) 0.2質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 72.4質量部
メタノール(第2溶剤) 10.8質量部
コア層セルロースアシレートドープ2 10.3質量部
---------------------------------------------------------------------------
コア層セルロースアシレートドープ2を100質量部、及び上記マット剤分散液2を、セルロースアシレートに対してシリカ微粒子が0.02質量部となる量で混合し、製膜用ドープを調製した。
[セルロースアシレートフィルムの作製]
前記コア層セルロースアシレートドープ2とその両側に外層セルロースアシレートドープ2とを3層同時に流延口から20℃のドラム上に流延した。溶剤含有率略20質量%の状態で剥ぎ取り、パスロールを搬送させ120℃20分間乾燥させ巻き取り、光学補償層006を作製した。膜厚は40μm、Re(550)=1nm、Rth(550)=120nmであった。屈折率は1.48とした。
[偏光板の作製]
前記偏光板保護膜01と同様の条件でケン化処理した光学補償層006とケン化処理したハードコート層付偏光板保護膜01とを、偏光子1を挟むように、PVA((株)クラレ製、PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、偏光軸とフィルムの長手方向とが直交するようにロールツーロールで貼りあわせて偏光板1006を作製した。
このとき、偏光板保護膜のセルロースアシレートフィルム側が、偏光子側になるように貼り合わせた。
Figure 2014206716
<バックライト側偏光板の作製>
(光学補償膜の作製)
以下の方法で、光学補償膜201を作製した。
[光学補償層201の作製]
下記の組成物をミキシングタンクに投入し攪拌して、各成分を溶解し、コア層セルロースアシレートドープ3を調製した。前記光学補償層006と同様にマット剤分散液3を、セルロースアシレートに対してシリカ微粒子が0.02質量部となる量で混合し、外層セルロースアシレートドープ3を調製した。
-------------------------------------------------------------------------
アセチル置換度2.43のセルロースアセテート 100質量部
下記エステルオリゴマー(化合物4−1) 19質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 471質量部
メタノール(第2溶剤) 70質量部
-------------------------------------------------------------------------
[セルロースアシレートフィルムの作製]
前記コア層セルロースアシレートドープ3とその両側に外層セルロースアシレートドープ3とを3層同時に流延口から20℃のドラム上に流延した。溶剤含有率略20質量%の状態で剥ぎ取り、パスロールを搬送させ120℃20分間乾燥させ巻き取った。得られたフィルムをさらに、テンターを用いてフィルム搬送方向(MD)に直交する方向(TD)に延伸温度185℃で85%延伸した。作製したフィルムを光学補償層201とした。膜厚は40μm、Re(550)=110nm、Rth(550)=100nmであった。また、450nmにおけるReと550nmにおけるReの比(Re(450)/Re(550))は1.02であった。屈折率は1.48とした。
[偏光板の作製]
前記偏光板保護膜01と同様の条件でケン化処理した光学補償層201とケン化処理したハードコート層付偏光板保護膜01とを、偏光子1を挟むように、PVA((株)クラレ製、PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、偏光軸とフィルムの長手方向とが直交するようにロールツーロールで貼りあわせて偏光板2001を作製した。
このとき、偏光板保護膜のセルロースアシレートフィルム側が、偏光子側になるように張り合わせた。
[光学補償層202〜205の作製]
前記光学補償層201と延伸温度、倍率以外は同様の方法で表4に示すようにRe、Rthの異なる光学補償層202〜205を作製した。
光学補償層201の代わりに、光学補償層202〜205を使用する以外は、偏光板2001と同様の方法で貼合し、偏光板2002〜2005を作製した。
<バックライト側偏光板の作製>
[偏光板保護膜02の形成]
バックライト側偏光板の偏光板保護膜としてゼオノアフィルムZF14−040(日本ゼオン(株)製)を用い偏光板保護膜02とした。透湿度は1g/m2・日であった。
[偏光板の作製)
偏光板保護膜02上に、下記UV硬化接着剤を、マイクログラビアコーター(グラビアロール:#300、回転速度140%/ライン速)を用いて、厚さ5μmになるように塗工した接着剤付きフィルムとした。次いで、これを、上記ポリビニルアルコール接着剤に浸漬した偏光子1に、前記偏光板保護膜02、ケン化処理した光学補償層201とともにロール機で貼り合わせた。
{UV硬化接着剤}
----------------------------------------------------------------------
2−ヒドロキシエチルアクリレート 100質量部
ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート
(サートマージャパン(株)製、商品名SR355) 11質量部
----------------------------------------------------------------------
貼り合わせたフィルムの両側から、電子線を照射して、偏光子の両側にフィルムを有する偏光板2006を得た。ライン速度は20m/min、加速電圧は250kV、照射線量は20kGyとした。
[光学補償層206、207の作製]
特開2009−063983の実施例に記載のフィルム試料No.111を作製し、光学補償層206とした。膜厚は55μm、Re(550)=95nm、Rth(550)=130nm、Re(450)/Re(550)=0.83であった。また、延伸温度、倍率を変え、膜厚53μm、Re(550)=110nm、Rth(550)=120nmの光学補償層207を作製した。
光学補償層201の代わりに、光学補償層206、207を使用する以外は、偏光板2006と同様の方法で貼合し、偏光板2007、2008を得た。
[光学補償層208の作製)]
鹸化したトリアセチルセルロースフィルム(TD80UL、富士フイルム(株)製)の上に、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製 MP−203)の希釈液をスピンコートして配向膜を形成し、ラビング処理を施した。該配向膜の上に、下記の組成の塗布液を、バーコーターを用いて連続的に塗布、乾燥および加熱(配向熟成)し、液晶を水平配向させ、
さらに紫外線照射して厚さ1.0μmの光学補償層208を形成した。Re(550)は130nm、Rth(550)=65nmであった。屈折率は1.58とした。クリスタルローテーション法を応用して傾斜角を測定したところ、水平配向していることが確かめられた。また、450nmと550nmのそれぞれの波長で測定したレターデーションの比(Re(450)/Re(550))は1.05であった。
光学補償層208の塗布液組成
--------------------------------------------------------------------------------
棒状液晶化合物:化合物5−1 13.0質量部
増感剤:化合物5−2 0.13質量部
重合開始剤:化合物5−3 0.39質量部
含フッ素界面活性剤:化合物5−4 0.13質量部
メチルエチルケトン 86.4質量部
--------------------------------------------------------------------------------
Figure 2014206716
Figure 2014206716
Figure 2014206716
Figure 2014206716
偏光板保護膜01、偏光子1、光学補償層208を偏光板1006と同様の方法で貼り合わせ、偏光板2009とした。
この時光学補償層のトリアセチルセルロースフィルム側、偏光板保護膜01のセルロースアシレートフィルム側がそれぞれ偏光子側となるように貼り合わせた。
Figure 2014206716
<液晶表示装置の作製>
VAモード液晶表示装置(39E61HR、SKYWORTH社製)の表裏の偏光板および位相差板を剥がして、本発明の視認側偏光板、バックライト側偏光板を吸収軸が互いに直交するように貼り合わせ液晶セル3001〜3016を作製した。
Figure 2014206716
<液晶表示装置の評価>
[正面コントラストの評価)
暗室内で黒表示時に測定機(EZ−Contrast XL88、ELDIM社製)を用いて正面方向の黒輝度及び白輝度を計測した。白輝度/黒輝度を正面コントラストとした。
正面コントラストが3000以上:A
正面コントラストが3000以下:B
とし、各液晶表示装置を評価した。
[斜め光漏れ、色味の評価]
暗室内で黒表示時に液晶TVを点灯させ、斜め方向の光漏れ、色変化を観察した。
(光漏れの評価基準)
A:極角が60度より大きい領域でも、ほぼ光漏れが視認されない。
B:極角が60度より小さい領域でも、著しい光漏れが観察される。
[カラーシフトの評価基準]
A:全ての極角方向、方位角方向で色味付きがほとんど観察されない。
B:極角60度方向で、液晶セルの法線を中心として360度回転させた時、やや色味付きが観察される。
C:極角60度方向で、液晶セルの法線を中心として360度回転させた時、色味付きが観察される。
[ムラの評価]
{Dry直後のムラ}
作製した液晶表示装置を50℃90%RH環境下に24時間投入し、その後40℃10%RH環境下に2時間投入した。
液晶表示装置を点灯直後に、暗室内で黒表示時に正面方向からムラを観察した。光漏れが生じているムラ部の輝度をBM5A(TOPCON社製)で計測し、以下のように評価を行った。A、B、Cを実用上問題ないとした。
0.1cd/m2未満 :A
0.1cd/m2以上 0.3cd/m2未満 :B
0.5cd/m2未満 :C
0.5cd/m2以上 :D
{連続点灯後のムラ}
さらに25℃60%環境下で20時間連続点灯し、暗室内で黒表示時に正面方向からムラを観察した。光漏れが生じているムラ部の輝度をBM5A(TOPCON社製)で計測し、以下のように評価を行った。A、B、Cを実用上問題ないとした。
0.1cd/m2未満 :A
0.1cd/m2以上 0.3cd/m2未満 :B
0.5cd/m2未満 :C
0.5cd/m2以上 :D
Figure 2014206716
前記実施例5および実施例9の視認側偏光板をバックライト側に、バックライト側偏光板を視認側に、吸収軸が互いに直交するように貼り合わせ液晶セル3017〜3018を作製し、同様に評価した。
Figure 2014206716

Claims (5)

  1. 吸収軸が互いに直交する一対の偏光板が液晶セルを挟んで配置されるVAモード液晶表示装置であって、視認側の偏光板が液晶セル側から順に、光学補償層、偏光子、偏光板保護膜を有し、前記光学補償層の厚みが10μm以下であり、Rth(550)が35nm〜200nmであり、バックライト側の偏光板が液晶セル側から順に、光学補償層、偏光子、偏光板保護膜を有し、前記光学補償層の厚みが10μm〜60μmであり、下記式(1)及び(2)を満たすVAモード液晶表示装置。
    式(1) 30nm≦Re(550)≦200nm
    式(2) 50nm≦Rth(550)≦400nm
    (Re(550)は、波長550nmにおける面内レターデーションを表し、Rth(550)は、波長550nmにおける厚み方向のレターデーションを表す。)
  2. 吸収軸が互いに直交する一対の偏光板が液晶セルを挟んで配置されるVAモード液晶表示装置であって、視認側の偏光板が液晶セル側から順に、光学補償層、偏光子、偏光板保護膜を有し、前記光学補償層の厚みが10μm以下であり、Rth(550)が35nm〜220nmであり、バックライト側の偏光板が液晶セル側から順に、光学補償層、偏光子、偏光板保護膜を有し、前記光学補償層の厚みが10μm〜60μmであり、下記式(1)及び(2)を満たすVAモード液晶表示装置。
    式(1) 30nm≦Re(550)≦200nm
    式(2) 50nm≦Rth(550)≦400nm
    (Re(550)は、波長550nmにおける面内レターデーションを表し、Rth(550)は、波長550nmにおける厚み方向のレターデーションを表す。)
  3. 前記視認側の偏光板に含まれる光学補償層が、水平配向した円盤状液晶性化合物を有し、前記偏光子上に直接、または配向膜を介して形成される請求項1または2に記載のVAモード液晶表示装置。
  4. 前記バックライト側の偏光板に含まれる光学補償層が、下記式(3)を満たす請求項1〜3のいずれか1項に記載のVAモード液晶表示装置。
    式(3) 0.5≦Re(450)/Re(550)≦1.0
  5. 前記バックライト側の偏光板に含まれる偏光板保護膜の厚みが60μm以下であり、40℃90%RHにおける透湿度が50g/m2・日以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のVAモード液晶表示装置。
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