JP2014206593A - コンバイナ - Google Patents

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Abstract

【課題】より鮮明な像の表示が可能な新たな反射防止処理が施されたコンバイナを提供する。【解決手段】透明な板状の光学部材であるコンバイナ本体11と、前記コンバイナ本体の表面上に配置されたフィルム12とを備え、前記フィルムは、前記コンバイナ本体の表面と近接する一方の面とは反対側の他方の面に凹部または凸部12aが周期的に連続して形成され、一周期分の前記凹部または前記凸部の間隔が可視光の波長よりも短い。前記連続する凹部または凸部12aが形成された面の境界では、可視光が反射せずに透過するので、複数の光路を通った光が重なって表示されるのを防止でき、鮮明な像の表示が可能になる。接着層を設ける場合には、アイポイントからの距離が遠い方の面にフィルム12を配置する。【選択図】図1

Description

本発明は、光学部材であるコンバイナに関し、例えば車両に搭載されるヘッドアップディスプレイ(HUD:Head Up Display)装置などに利用される。
車両に搭載されるHUD装置においては、特許文献1に開示されているように、HUD装置の本体から投射された光の像を平板状のコンバイナに入射させ、このコンバイナの面で反射した光を運転者の観察位置であるアイポイントに導いている。従って、アイポイントで観察できる像は、コンバイナよりも前方の位置に存在するかのように虚像として結像される。また、コンバイナは透明であるので、運転者はコンバイナを透過して見える車両外部の風景等の実像と表示された虚像とを重ね合わせた状態で見ることができる。
また、特許文献2に開示されているように、HUD装置用のコンバイナと同等の機能を有する反射スクリーンも知られている。すなわち、シースルー型の表示装置においては、反射・透過性のスクリーンに映像を投影し、スクリーンの背景と、投影した映像とを観察することができる。
特開平8−11580号公報 特開2009−237351号公報
ところで、光の反射は主に屈折率の急激な変化によって生じる。従って、板状のコンバイナを利用するHUD装置の場合には、コンバイナの表側の面と裏側の面との双方で光の反射が発生する。つまり、HUD装置の本体から投射された光の像は、コンバイナの表側の面で反射されて所定のアイポイントに向かうが、同時にコンバイナの裏側の面で反射された光もアイポイントに向かう。すなわち、互いに光路が違う2つの像が共通のアイポイントで観察できることになり、光路の違いにより互いに表示位置がずれた2つの像の重なりとして見えてしまう。これにより表示の視認性や表示品質が大幅に低下する。
特に、車両用のHUD装置の場合には、ある程度の厚みを有するコンバイナが使用されることが多く、表面側で反射する像と裏面側で反射する像との光路差が大きくなりやすい。このため、重なる2つの像の位置ずれも大きくなる。従って、特許文献1等に開示されているコンバイナにおいては、様々な反射防止処理が施されている。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より鮮明な像の表示が可能な新たな反射防止処理が施されたコンバイナを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係るコンバイナは、下記(1)〜(4)を特徴としている。
(1) 透明な板状の光学部材であるコンバイナ本体と、
前記コンバイナ本体の表面上に配置されたフィルムと、
を備え、
前記フィルムは、前記コンバイナ本体の表面と近接する一方の面とは反対側の他方の面に凹部または凸部が周期的に連続して形成され、一周期分の前記凹部または前記凸部の間隔が可視光の波長よりも短い、
こと。
(2) 上記(1)の構成のコンバイナであって、
前記コンバイナ本体は、前記コンバイナ本体からの反射光を観察する位置であるアイポイントと前記コンバイナ本体とを結ぶ直線に交差する2つの面を有し、
前記フィルムは、前記コンバイナ本体の2つの面のうちのいずれか一方の面上に配置される、
こと。
(3) 上記(2)の構成のコンバイナであって、
前記フィルムは、前記コンバイナ本体の2つの面のうちの、前記アイポイントからの距離が大きい一方の面上に配置される、
こと。
(4) 上記(3)の構成のコンバイナであって、
前記フィルムは、前記コンバイナ本体の面と近接する一方の面が所定の接着層を介して前記コンバイナ本体の表面に接着されることにより、前記コンバイナ本体の表面上に配置される、
こと。
上記(1)の構成のコンバイナによれば、前記フィルムに形成された前記凹部または前記凸部は、間隔が可視光の波長よりも短いので、可視光を反射せず透過することができる。すなわち、前記コンバイナ本体の表面で発生する光の反射を防止することができる。
上記(2)の構成のコンバイナによれば、前記コンバイナ本体の2つの面のうちのいずれか一方の面の反射を前記フィルムが防止するので、前記アイポイントに向かう光の像の光路を一方だけに制限し、表示像が2重に映るのを防止できる。
上記(3)の構成のコンバイナによれば、前記コンバイナ本体の一方の面で反射し前記アイポイントに向かう光の像が、より鮮明な状態で表示される。
上記(4)の構成のコンバイナによれば、前記コンバイナ本体の一方の面で反射し前記アイポイントに向かう光が、前記接着層を通過する回数が減る。従って、前記接着層における僅かな光の反射等の影響も抑制することができ、より鮮明な状態で表示可能になる。
本発明のコンバイナによれば、コンバイナ本体における光の反射によって、像が二重に見える状況を回避することが可能であり、HUD装置等においてより鮮明な表示が可能になる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、コンバイナの構成例を示す側面図である。 図2は、図1のコンバイナを利用するHUD装置の構成例を示す側面図である。 図3は、図1に示したコンバイナにおける光路を示す側面図である。 図4は、図1に示したフィルムの断面構造を拡大して示す側面図である。 図5は、フィルムが存在しないコンバイナにおける入射光および反射光を示す側面図である。 図6は、図4に示したフィルムにおける各部の屈折率の分布状態を示すグラフである。 図7は、フィルムを設けたコンバイナにおける入射光および反射光を示す側面図である。 図8は、フィルムが存在しないコンバイナを利用するHUD装置における光路を示す側面図である。 図9は、図8に示す状況でアイポイントに投影される像の具体例を示す正面図である。 図10は、図1に示したコンバイナの変形例の構成を示す側面図である。 図11は、図1および図10に示したコンバイナを利用するHUD装置においてアイポイントに投影される像の具体例を示す正面図である。 図12は、接着層を含むコンバイナの構成および光路を示す側面図である。 図13は、図12に示したコンバイナの変形例を示す側面図である。
本発明のコンバイナに関する具体的な実施の形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
<第1実施形態>
<システム全体の概要の説明>
本実施形態におけるコンバイナ10の構成例を図1に示す。また、図1のコンバイナ10を利用するHUD装置の構成例を図2に示す。
本実施形態では、図1に示すように、車両に搭載したHUD装置の一部分としてコンバイナ10を利用する場合を想定している。勿論、HUD装置以外の用途でコンバイナ10を利用することも可能である。
図2に示した例では、HUD装置の本体であるHUDユニット100が、車両のダッシュボード近傍に配置されている。HUDユニット100の内部には、表示部110、ミラー120、角度調整機構130等の構成要素が備わっている。
表示部110は、例えば透過型の液晶表示パネルにより構成され、HUD装置が表示すべき可視情報を表示することができる。具体的には、速度表示用の文字情報として、「60km/h」を表示したり、変速機の状態として文字の「D」を表示したり、警告用の特別なパターンを表示することができる(図11参照)。
表示部110が表示した可視情報は、その近傍に配置されたバックライトにより照明され、光の像として投射される。すなわち、表示部110から出射された光の像は、ミラー120を介してコンバイナ10に投影され、更にコンバイナ10の面で反射して運転者の観察位置である所定のアイポイント20に向かう。
コンバイナ10の面による光の反射を利用しているので、アイポイント20の位置で見える表示像30は、図2に示すように、コンバイナ10および車両の窓ガラスよりも前方の所定の位置に存在するかのように、虚像として表示される。
<コンバイナの構成>
図1に示したコンバイナ10は、コンバイナ本体11およびフィルム12で構成されている。コンバイナ本体11は、光学的に透明な材料を用いて板状に構成されている。具体例としては、アクリル樹脂を材料として用いることができる。また、撓みや変形が生じないように、コンバイナ本体11は十分な厚みを有している。
フィルム12は、コンバイナ本体11と同等の屈折率を有する透明な材料を用いて構成してある。例えば、ポリカーボネートを用いてフィルム12を構成することができる。フィルム12の厚みは、コンバイナ本体11よりも十分に薄い。フィルム12は、コンバイナ本体11の一方の面と重なるように配置してある。図3に示した構成においては、コンバイナ本体11の厚み方向の2つの面(11a、11b)のうち、アイポイント20から距離が遠い方の面(11b)に重ねてフィルム12を配置してある。
また、フィルム12の外気と接する側の面(アイポイント20から距離が遠い方の面)には、面の全域にわたって均一に微細凹凸部12aが形成してある。微細凹凸部12aの詳細については後で説明する。
<光路の説明>
図1に示したコンバイナ10における光路を図3に示す。
図2に示したHUDユニット100から出射された光は、図3に示すように入射光21としてコンバイナ本体11の面11aに入射する。この面11aでは、コンバイナ本体11の屈折率と、外気(大気)の屈折率と間に大きな違いがあるため、面11aと外気との境界で光の反射が発生する。従って、入射光21の一部分(4%程度)が反射し、反射光22としてアイポイント20に向かう。
また、入射光21の一部分はコンバイナ本体11を透過して他方の面11bに向かう。この面11bと重なるように屈折率が同等のフィルム12が配置してあるので、面11bとフィルム12の境界では光の反射は生じない。また、フィルム12の外気と接する側の面には微細凹凸部12aが形成してあるため、フィルム12の外気と接する側の面と外気の境界においても光の反射が生じることはなく(詳細は後述する)、コンバイナ本体11およびフィルム12を透過した光の全体が、透過光23としてコンバイナ10を通過する。
従って、アイポイント20に入射する光については、コンバイナ本体11の面11bやフィルム12における反射の影響を受けることはない。これにより、光路の違う複数の像が重なることがなくなり、鮮明な表示が実現する。
<フィルムの詳細な構成の説明>
図1に示したフィルム12の一部分の断面構造を拡大して図4に示す。
図4に示すように、フィルム12の外気と接する側の面に微細凹凸部12aが形成してある。この微細凹凸部12aは、可視光の波長(300[nm]〜800[nm]程度)よりも小さい一定の間隔で、多数の微細な凹部又は凸部を周期的にかつ連続的に形成したものである。図4に示した例では、形成する凹凸の間隔を100[nm]に定めてある。
また、微細凹凸部12aを構成する多数の凹凸の各々は、フィルム12の厚み方向の高さの変化に応じて、断面積が連続的に徐々に変化するように、図4のように斜面を有する表面形状になっている。
<不要な反射を防止する原理の説明>
<微細凹凸部12aが存在しない場合の光路>
フィルム12の微細凹凸部12aが存在しない場合のコンバイナにおける入射光および反射光を図5に示す。
図5のように、コンバイナの基材に光が入射する場合、入射光の一部分は、外気と基材の表側の面(入射面)との境界で反射する。更に、基材を透過する光の一部分は、基材の裏側の面(出射面)と外気との境界で反射し、残りの光が基材を通過する。
各部の反射光の比率は、以下に示すフレネルの式から求めることができる。
R={(ncosθ−ncosθ)/(ncosθ+ncosθ)}
R:反射率
:空気の屈折率
:基材の屈折率(ポリカーボネートの場合:1.585)
θ:入射角度
例えば、基材の屈折率が1.5、入射角度θが0度の場合には、図5に示すように各部の反射光は4%程度の比率になる。
図5に示すように、基材の2つの面でそれぞれ光が反射すると、光路の違う複数の光が位置ずれしたまま重なって投影される。これにより、表示の視認性や表示品質が低下する。このような不要な反射を防止するために、前述の微細凹凸部12aが設けてある。
<フィルム12上の屈折率の分布状態>
図4に示したフィルム12における各部の屈折率の分布状態を図6に示す。
「共鳴・サブ波長の原理」によれば、構造の周期が短くなると、回折や光波共鳴は発生せず、微細構造は周期を構成する材料と空気の平均屈折率の物質とみなすことができる。つまり、微細凹凸部12aのように、可視光の波長よりも短い間隔で形成された凹凸の箇所については、各部の屈折率がフィルム12の材料と空気の平均屈折率により定まる。また、凹凸の箇所に斜面が形成されているため、高さ(厚み)方向の位置の違いに応じて、凹凸の断面積が変化している。更に、断面積の変化は緩やかであり、連続的である。このような断面積の変化に伴って、フィルム12の材料と空気との面積の比率が変化し、前記平均屈折率が変化する。
上記の理由により、微細凹凸部12aにおける各部の屈折率は、図6に示すように高さに応じて連続的に、かつ緩やかに変化する。つまり、微細凹凸部12aにおけるフィルム12の材料と隣接する空気との境界については、どの位置においても急激な屈折率の変化は生じない。光の反射は主に屈折率の急激な変化によって生じるので、微細凹凸部12aの各部のように屈折率が緩やかにしか変化しない境界では反射はほとんど生じないことになる。
<微細凹凸部12aが存在する場合の光路>
微細凹凸部12aを有するフィルム12を設けたコンバイナ10における入射光および反射光を図7に示す。
図7に示すように、上方からフィルム12に向かう方向に光が入射する場合には、上記の理由により、微細凹凸部12aと外気との境界では入射光の全体がそのままフィルム12に入射し反射はほとんど生じない。また、コンバイナ本体11を透過した光は、面11aと外気との境界で一部分(例えば4%)が反射し、それ以外の残りの光が面11aから外気側に出射される。面11aで反射した光は、再びコンバイナ本体11およびフィルム12を透過し、微細凹凸部12aと外気との境界でも反射することなく、外気側に出射される。
<表示される像の具体例>
<微細凹凸部12aが存在しない場合>
微細凹凸部12aが存在しないコンバイナを利用するHUD装置における光路を図8に示す。また、図8に示す状況でアイポイントに投影される像の具体例を図9に示す。
図8に示す状況においては、HUDユニット100から投射されコンバイナに入射する入射光が、コンバイナの厚み方向の2面の各々と外気との境界でそれぞれ反射する。従って、複数の光路を通った光がそれぞれアイポイント20に向かう。そのため、複数の光路を通った光の像が互いに位置ずれし重なった状態で投影される。
図9に示した表示像30Aにおいては、光路の違いにより上下方向に互いに位置がずれた状態で2つの像が重なって表示されている。つまり、「60km/h」、「D」、および警告のパターンが、それぞれ2つずつ位置がずれた状態で重なっている。このため、視認性および表示品質を改善する必要がある。
<微細凹凸部12aが存在する場合>
図1に示したコンバイナ10を利用するHUD装置においてアイポイントに投影される像の具体例を、表示像30Bとして図11に示す。
図1に示したコンバイナ10を利用する場合には、図3に示したように光路が形成されるので、アイポイント20に向かう反射光の光路は1つだけになる。従って、図9に示すような像の重なりは発生せず、図11に示す表示像30Bのように鮮明な像をアイポイント20で視認することができる。
なお、例えば紫外線のように、微細凹凸部12aの凹凸の間隔(100nm)よりも波長が小さい光の成分については、微細凹凸部12aと外気との境界において数%程度の反射が生じる可能性がある。しかし、HUD装置の表示を視認する人間は、可視光以外の光の成分を認知することができないので、紫外線等の光が微細凹凸部12aの箇所で反射しても表示内容に変化は生じない。
<変形例>
<構成の説明>
図1に示したコンバイナ10の変形例の構成を図10に示す。図10に示したコンバイナ10Bは、図1のコンバイナ10と同様に、コンバイナ本体11およびフィルム12を備えている。
但し、コンバイナ10Bにおいては、コンバイナ本体11の厚み方向の2つの面11a、11bのうち、アイポイント20に距離が近い方の面11aと重ねた状態でフィルム12が配置してある。フィルム12の微細凹凸部12aは、外気と触れる側の面に形成してある。
<光路の説明>
前述のHUDユニット100から出射されコンバイナ10Bに向かう光は、図10に示すように入射光21としてフィルム12の面(微細凹凸部12aが存在する面)に入射する。
前述のように、微細凹凸部12aと外気との境界では光の反射が生じないので、入射光21の全体がそのままコンバイナ10Bのフィルム12およびコンバイナ本体11を透過する。そして、コンバイナ本体11の面11bと外気との境界では、屈折率の急激な変化により数%程度の反射が生じる。これが反射光22として面11bからアイポイント20に向かう。また、面11bからアイポイント20に向かう光は、フィルム12と外気との境界を再び通過するが、この時にも微細凹凸部12aが存在するのでこの境界で反射が生じることはない。
<表示される像の具体例>
図10に示したコンバイナ10Bを使用する場合にも、アイポイント20に向かう光の光路は1つだけである。従って、図9の表示像30Aのような像の重なりが生じることはない。
<第2実施形態>
<構成の説明>
本実施形態におけるコンバイナ10Cの構成および光路を図12に示す。また、図12に示したコンバイナの変形例を図13に示す。
ところで、図10に示したコンバイナ10Bを使用する場合には、アイポイント20に向かう反射光22は、フィルム12およびコンバイナ本体11をそれぞれ2回通過しているので、コンバイナ10の場合と比べて表示品質が多少劣化する可能性がある。例えば、図11に示した表示像30Cのように、表示像30Bよりも少しぼやけて鮮明度が低下する場合がある。第2実施形態で説明する変形例は、鮮明度の低下を抑えることができるものである。
図12に示したコンバイナ10Cは、図1のコンバイナ10と同様に、コンバイナ本体11およびフィルム12を備えている。また、コンバイナ10Cのフィルム12は、コンバイナ本体11の厚み方向の2つの面11a、11bのうち、アイポイント20からの距離が遠い方の面11b側に配置してある。
また、図12に示したコンバイナ10Cにおいては、フィルム12を接着によりコンバイナ本体11にしっかりと固定してある。従って、図12に示すようにコンバイナ本体11とフィルム12との境界に接着層13が存在している。
接着層13は透明であり、接着層13の厚みはコンバイナ本体11およびフィルム12よりも非常に小さい。しかし、接着層13が光学的に僅かながら光の減衰、散乱、反射などの悪影響を及ぼす可能性もある。つまり、接着層13の影響により、図11に示した2つの表示像30B、30Cの違いのように、鮮明度や表示品質が僅かに劣化する可能性がある。
従って、接着層13がアイポイント20に到達する光に与える影響を抑えるために、図12に示すように、フィルム12はコンバイナ本体11の厚み方向の2つの面11a、11bのうち、アイポイント20からの距離が遠い方の面11b側に配置してある。
<光路の説明>
図2に示したHUDユニット100から出射された光は、図12に示すように入射光21としてコンバイナ本体11の面11aに入射する。外気と面11aの境界では、コンバイナ本体11の屈折率と、外気(大気)の屈折率との間に大きな違いがあるため、光の反射が発生する。従って、入射光21の一部分(4%程度)が反射し、反射光22としてアイポイント20に向かう。
また、入射光21の一部分はコンバイナ本体11を透過して他方の面11bに向かう。さらに、入射光21の一部分は接着層13を通過してフィルム12に向かう。接着層13と重なるように屈折率が同等のフィルム12が配置してあるので、接着層13とフィルム12の境界では光の反射は生じない。また、フィルム12の外気と接する側の面には微細凹凸部12aが形成してあるため、フィルム12の外気と接する側の面と外気の境界においても光の反射が生じることはなく、コンバイナ本体11およびフィルム12を透過した光の全体が、透過光23としてコンバイナ10を通過する。
従って、アイポイント20に入射する反射光22については、面11bと接着層13の境界において反射した光がわずかに含まれているものの、接着層13を通過していない光が支配的となる。このため、コンバイナ本体11の面11bやフィルム12の各部における反射等の影響を受けることもない。これにより、鮮明な表示が実現する。
<変形例との違いの説明>
一方、図13に示した変形例のコンバイナ10Dにおいては、フィルム12はコンバイナ本体11の厚み方向の2つの面11a、11bのうち、アイポイント20からの距離が近い方の面11a側に配置してある。
従って、図13のコンバイナ10Dの場合には、HUDユニット100から出射された入射光21は、図13の右に向かってフィルム12、接着層13、およびコンバイナ本体11を透過し、コンバイナ本体11の面11bで一部分が反射される。更に、面11bで反射した反射光が、図13の左に向かってコンバイナ本体11、接着層13、およびフィルム12を順次に透過し、反射光22Bとしてアイポイント20に向かう。つまり、コンバイナ10Dを使用する場合には、アイポイント20に入射する反射光22Bは、接着層13を2回通過した光が支配的となる。
従って、図12のコンバイナ10Cの場合には接着層13が反射光22に与える影響を最小限に抑えられるのに対し、コンバイナ10Dの場合には反射光22Bは接着層13を2回通過した光であるため、例えば光の強度の減衰、光の散乱、反射などの影響を受け易くなってしまう。このため、図12の反射光22によって視認される像は、図11の表示像30Bに示されるように輪郭が鮮明に視認されるのに対して、図13の反射光22Bによって視認される像は、図11の表示像30Cに示されるように、ぼやけてしまう。
この結果、フィルム12をコンバイナ本体11に固定するために接着する場合であっても、コンバイナ10Cのようにフィルム12をコンバイナ本体11の厚み方向の2つの面11a、11bのうち、アイポイント20からの距離が遠い方の面11b側に配置することにより、接着層13が反射光22に与える影響を最小限に抑え、表示の鮮明度が低下するのを防止することができる。
10,10B,10C,10D コンバイナ
11 コンバイナ本体
12 フィルム
12a 微細凹凸部
13 接着層
20 アイポイント
21 入射光
22 反射光
23 透過光
30,30A,30B,30C 表示像
100 HUDユニット
110 表示部
120 ミラー
130 角度調整機構

Claims (4)

  1. 透明な板状の光学部材であるコンバイナ本体と、
    前記コンバイナ本体の表面上に配置されたフィルムと、
    を備え、
    前記フィルムは、前記コンバイナ本体の表面と近接する一方の面とは反対側の他方の面に凹部または凸部が周期的に連続して形成され、一周期分の前記凹部または前記凸部の間隔が可視光の波長よりも短い、
    ことを特徴とするコンバイナ。
  2. 前記コンバイナ本体は、前記コンバイナ本体からの反射光を観察する位置であるアイポイントと前記コンバイナ本体とを結ぶ直線に交差する2つの面を有し、
    前記フィルムは、前記コンバイナ本体の2つの面のうちのいずれか一方の面上に配置される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のコンバイナ。
  3. 前記フィルムは、前記コンバイナ本体の2つの面のうちの、前記アイポイントからの距離が大きい一方の面上に配置される、
    ことを特徴とする請求項2に記載のコンバイナ。
  4. 前記フィルムは、前記コンバイナ本体の面と近接する一方の面が所定の接着層を介して前記コンバイナ本体の表面に接着されることにより、前記コンバイナ本体の表面上に配置される、
    ことを特徴とする請求項3に記載のコンバイナ。
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