JP2014204482A - エネルギ変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エネルギ変換効率の向上を図ることが可能なエネルギ変換装置を提供する。
【解決手段】エネルギ変換装置1は、交流電圧を発生する発電装置101と、整流平滑回路102と、DC−DCコンバータ103と、整流平滑回路102とDC−DCコンバータ103との間に設けられた遅延回路104と、を備える。DC−DCコンバータ103は、制御端子CNを備え、制御端子CNとDC−DCコンバータ103のグランドラインとの間の電圧が所定の起動電圧を超えたときに起動するように構成されている。遅延回路104は、受動素子のみで形成されたローパスフィルタにより構成され、ローパスフィルタを整流平滑回路102の出力端間に接続し、ローパスフィルタの高電位側の出力端と制御端子CNとを接続し、ローパスフィルタの低電位側の出力端とDC−DCコンバータ103のグランドラインとを接続してある。
【選択図】図1
【解決手段】エネルギ変換装置1は、交流電圧を発生する発電装置101と、整流平滑回路102と、DC−DCコンバータ103と、整流平滑回路102とDC−DCコンバータ103との間に設けられた遅延回路104と、を備える。DC−DCコンバータ103は、制御端子CNを備え、制御端子CNとDC−DCコンバータ103のグランドラインとの間の電圧が所定の起動電圧を超えたときに起動するように構成されている。遅延回路104は、受動素子のみで形成されたローパスフィルタにより構成され、ローパスフィルタを整流平滑回路102の出力端間に接続し、ローパスフィルタの高電位側の出力端と制御端子CNとを接続し、ローパスフィルタの低電位側の出力端とDC−DCコンバータ103のグランドラインとを接続してある。
【選択図】図1
Description
本発明は、エネルギ変換装置に関するものである。
エネルギ変換装置としては、例えば、図18に示すように、発電部200と、整流部210と、充電部220と、動作開始制御部230と、DC−DCコンバータ240と、を備えた構成のものが知られている(特許文献1)。
発電部200は、圧電素子によって構成されている。充電部220は、コンデンサによって構成されている。
動作開始制御部230は、接地線201と電圧線202との間に設けられた2つの分圧抵抗231、232と、コンパレータ233と、遅延制御部235と、出力制御部238と、を備えている。
コンパレータ233は、分圧抵抗231、232で分圧された電圧が基準電圧Vrefを超えたところで出力がHレベルとなる。
遅延制御部235は、遅延時間設定コンデンサ236と、遅延回路237と、を備えている。
エネルギ変換装置は、コンパレータ233の出力がHレベルになると、遅延制御部235のコンデンサ236に蓄電されていく。
エネルギ変換装置は、コンデンサ236に所定電圧が蓄電されて所定閾値を超えたところで遅延回路237から出力制御部238に信号が与えられる。すると、エネルギ変換装置では、出力制御部238からDC−DCコンバータ240にHレベルのイネーブル信号が出力される。
DC−DCコンバータ240は、動作開始制御部230からのイネーブル信号を受けて動作を開始する。すなわち、DC−DCコンバータ240は、イネーブル信号がLレベルのときは電源供給を停止した状態を維持し、イネーブル信号がHレベルになると、充電部220に蓄積された電力を所定電圧に変換して電源供給を開始する。
また、特許文献1には、タッチセンサ式の入力装置である入力部(図示せず)と、発電部200と、整流部210と、充電部220と、動作開始制御部230と、DC−DCコンバータ240と、制御部と、発信部と、を備えた遠隔操作装置が記載されている。
制御部は、入力部からのコマンドを検出し、コマンドに応じた制御処理を実行する。例えば、制御部は、コマンドに応じた送信データを生成し、発信部に送る。
発信部は、制御部から与えられた送信データを機器(例えば、テレビやエアコンディショナ)へ送信する。
制御部及び発信部は、発信部からの送信データの送信が完了したところで動作を停止する。
また、エネルギ変換装置としては、例えば、電磁誘導作用により運動エネルギを電気エネルギに変換する機能を有するエネルギ変換装置が提案されている(例えば、特許文献2)。
特許文献2には、エネルギ変換装置の一例として、図19に示す構成を有する発電装置300が記載されている。
この発電装置300は、収納部310aが設けられた支持体310と、収納部310aに配置された永久磁石320及びコイルバネ330と、を備えている。
支持体310は、3枚のプリント基板311〜313により構成されている。この支持体310は、2枚のプリント基板311、313間に配置されたプリント板312の矩形状の開口部312aにより、収納部310aが形成されている。
発電装置300は、プリント基板313の下面に、平面コイル314a及び314bが形成されている。平面コイル314a及び314bの各々は、渦巻状に形成されている。平面コイル314a及び314bは、巻き方向が互いに逆になるように形成されている。
プリント基板313には、平面コイル314a及び314bの中央部と対応する領域に、開口部313aが形成されている。この開口部313aには、磁心(コア)315が埋め込まれている。磁心315は、プリント基板313の下面から突出するように形成されており、平面コイル314a及び314bの中央部に配置されている。
永久磁石320は、磁化方向が矢印Z1方向である部分(磁区)320aと、磁化方向が矢印Z2方向である部分320bとを含んでおり、多極磁石として構成されている。このため、プリント基板313近傍では、図19中に破線で示した磁力線で表される磁界が形成されている。
コイルバネ330は、開口部312aの側面312bと永久磁石320の端部320cとの間に配置されるとともに、開口部312aの側面312cと永久磁石320の端部320dとの間に配置されている。
発電装置300は、一対のコイルバネ330により、支持体310に対して永久磁石320が矢印X1方向(矢印X2方向)において所定の基準位置に配置されるように付勢されている。
発電装置300は、プリント基板313の上面に、平面コイル314a及び314bにおいて発生する誘導起電力を制御するとともに、出力するための回路部316が設けられている。
図18に示した回路図の構成では、動作開始制御部230での消費電力に起因してエネルギ変換効率が低下してしまう。
また、特許文献2には、回路部316の回路構成について記載されていない。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、エネルギ変換効率の向上を図ることが可能なエネルギ変換装置を提供することにある。
本発明のエネルギ変換装置は、運動エネルギを電気エネルギに変換して交流電圧を発生する発電装置と、前記発電装置の出力端間に接続された整流平滑回路と、前記整流平滑回路の出力端間に接続されたDC−DCコンバータと、前記整流平滑回路と前記DC−DCコンバータとの間に設けられた遅延回路と、を備え、前記DC−DCコンバータは、制御端子を備え、前記制御端子と前記DC−DCコンバータのグランドラインとの間の電圧が所定の起動電圧を超えたときに起動するように構成され、前記遅延回路は、受動素子のみで形成されたローパスフィルタにより構成され、前記ローパスフィルタを前記整流平滑回路の出力端間に接続し、前記ローパスフィルタの高電位側の出力端と前記制御端子とを接続し、前記ローパスフィルタの低電位側の出力端と前記DC−DCコンバータの前記グランドラインとを接続してあることを特徴とする。
このエネルギ変換装置において、前記発電装置は、電磁誘導型の振動発電装置であることが好ましい。
このエネルギ変換装置において、前記振動発電装置は、磁石ブロックとコイルブロックとが第1方向で対向配置され、前記磁石ブロックと前記コイルブロックとが前記第1方向に直交する第2方向において相対的に変位することで生じる電磁誘導により前記交流電圧を発生するように構成され、前記磁石ブロックと前記コイルブロックとの一方を備えた可動部を外部から作動させ前記可動部を減衰振動させることができるように構成されており、前記可動部と、前記可動部を囲む支持部と、前記可動部と前記支持部とを接続している弾性体部とを備え、前記支持部が前記弾性体部を介して前記可動部を支持しており、前記弾性体部は、前記第2方向における剛性が前記第2方向に直交する方向の剛性に比べて小さく、前記第2方向における前記可動部の両側それぞれには、複数の前記弾性体部が並んで設けられていることが好ましい。
このエネルギ変換装置において、前記弾性体部は、ばねであることが好ましい。
本発明のエネルギ変換装置においては、エネルギ変換効率の向上を図ることが可能となる。
(実施形態1)
以下では、本実施形態のエネルギ変換装置1について図1に基づいて説明する。
以下では、本実施形態のエネルギ変換装置1について図1に基づいて説明する。
エネルギ変換装置1は、発電装置101と、整流平滑回路102と、DC−DCコンバータ103と、遅延回路104と、を備える。
発電装置101は、運動エネルギを電気エネルギに変換して交流電圧を発生する機能を有する。
整流平滑回路102は、発電装置101の出力端間に接続されている。整流平滑回路102は、発電装置101で発生する交流電圧を直流電圧に整流する機能と、この直流電圧の直流成分のみを取り出すためにリップル成分(交流成分)を抑圧する機能と、を有する。要するに、整流平滑回路102は、発電装置101で発生した交流電圧を整流平滑した直流電圧を出力するように構成されている。
DC−DCコンバータ103は、整流平滑回路102の出力端間に接続されている。DC−DCコンバータ103は、整流平滑回路102の出力電圧を所定の直流電圧に変換する機能を有する。
遅延回路104は、整流平滑回路102とDC−DCコンバータ103との間に設けられている。
DC−DCコンバータ103は、制御端子CNを備え、制御端子CNとDC−DCコンバータ103のグランドラインとの間の電圧が所定の起動電圧を超えたときに起動するように構成されている。
遅延回路104は、受動素子のみで形成されたローパスフィルタにより構成され、ローパスフィルタを整流平滑回路102の出力端間に接続し、ローパスフィルタの高電位側の出力端と制御端子CNとを接続し、ローパスフィルタの低電位側の出力端とDC−DCコンバータ103のグランドラインとを接続してある。
発電装置101としては、電磁誘導型の振動発電装置EH(図2参照)を採用しているが、これに限らず、例えば、静電誘導型の振動発電装置、圧電型の振動発電装置等を採用することができる。
電磁誘導型の振動発電装置とは、電磁誘導を利用して運動エネルギを電気エネルギに変換する発電装置である。
静電誘導型の振動発電装置とは、静電誘導を利用して運動エネルギを電気エネルギに変換する発電装置である。
圧電型の振動発電装置とは、圧電効果を利用して運動エネルギを電気エネルギに変換する発電装置である。
以下では、電磁誘導型の振動発電装置EH(以下、「発電装置EH」という。)について図2〜7に基づいて説明する。
発電装置EHは、磁石2を備えた磁石ブロック3と、コイル4aを備えたコイルブロック4と、を有し、磁石ブロック3とコイルブロック4とが第1方向(図2(a)の上下方向)で対向配置されている。発電装置EHは、磁石ブロック3とコイルブロック4とが上記第1方向に直交する第2方向(図2(a)の左右方向)において相対的に変位することで生じる電磁誘導により運動エネルギを電気エネルギに変換する機能を有する。
発電装置EHは、磁石ブロック3を備えた可動部12を外部から作動させ可動部12を減衰振動させることが可能なものである。発電装置EHは、可動部12と、支持部14と、可動部12と支持部14との間に介在する弾性体部15と、を備えている。発電装置EHは、支持部14が弾性体部15を介して可動部12を支持しており、可動部12が上記第2方向に振動可能となっている。弾性体部15は、上記第2方向における剛性が上記第2方向に直交する方向の剛性に比べて小さい。これにより、エネルギ変換装置1は、可動部12の振動方向を上記第2方向に単方向化することが可能となる。
発電装置EHは、上述の可動部12と支持部14と各弾性体部15とを有する振動ブロック11を備えている。振動ブロック11の可動部12の振動方向については、例えば、可動部12の重心を原点とする直交座標を仮定して説明することができる。この直交座標では、例えば、上記第2方向に沿ってx軸の正方向を決め、上記第1方向及び上記第2方向それぞれに直交する方向に沿ってy軸の正方向を決め、上記第1方向に沿って上記第2方向に直交するz軸の正方向を決めることができる。この場合、振動ブロック11は、可動部12の振動方向をx軸の正負方向に単方向化することが可能となり、y軸の正負方向やz軸の正負方向への振動成分を抑制することが可能となる。
したがって、発電装置EHは、図2(b)でみれば、可動部12の振動方向が上記第2方向である左右方向に単方向化され、図2(b)の上下方向や可動部12の厚み方向(図2(b)の紙面に直交する方向)等への振動が抑制される。よって、発電装置EHは、不要な振動成分の発生を抑制することが可能となり、エネルギ変換効率の向上を図ることが可能となる。
また、発電装置EHは、振動ブロック11の厚み方向の一面(第1面)側に配置される第1キャップ21と、振動ブロック11の厚み方向の他面(第2面)側に配置される第2キャップ31と、を備えている。発電装置EHは、第1キャップ21及び第2キャップ31の各々に、上述のコイルブロック4が保持されている。また、発電装置EHは、第1キャップ21と振動ブロック11との間に配置された第1スペーサ41と、第2キャップ31と振動ブロック11との間に配置された第2スペーサ42と、を備えている。
発電装置EHの各構成要素については、以下に詳細に説明する。
振動ブロック11は、支持部14の平面視形状を枠状としてある。また、振動ブロック11は、支持部14の内側に、可動部本体13が配置されている。可動部本体13は、支持部14の内側面から離れて配置されている。また、振動ブロック11は、上記第2方向において可動部本体13の両側に弾性体部15が配置されている。また、振動ブロック11は、可動部本体13の平面視形状を枠状としてある。振動ブロック11は、可動部本体13の内側に、磁石ブロック3が配置されている。磁石ブロック3は、可動部本体13に固定されている。
可動部本体13の内周形状は、矩形状である。磁石ブロック3の外周形状は、可動部本体13の内周形状よりも若干小さな矩形状としてある。磁石ブロック3を可動部本体13に固定する方法としては、例えば、接着剤により固定する方法を採用することができる。この場合には、磁石ブロック3の外周面と可動部本体13の内側面との間に接着剤からなる接合部が介在することになる。磁石ブロック3を可動部本体13に固定する方法は、これに限らず、例えば、磁石ブロック3と可動部本体13との間の隙間に別部材を圧入することで固定する方法等を採用することができる。また、磁石ブロック3を可動部本体13に固定する方法は、可動部本体13の外側面側から螺子により固定する方法を採用することもできる。
可動部本体13と磁石ブロック3とで構成される可動部12の平面視形状は、八角形状としてある。可動部12の平面視形状は、八角形状に限らず、例えば、矩形状の形状としてもよい。振動ブロック11では、可動部本体13の外周形状及び内周形状それぞれが大きさの異なる矩形状となっていてもよい。また、可動部12の平面視形状は、例えば、円形状や正多角形状としてもよい。
磁石ブロック3は、複数個(例えば、4個)の磁石2を備えており、これら複数個の磁石2が上記第2方向に並んで配置されている。つまり、磁石ブロック3は、複数個の磁石2が1次元のアレイ状に配置されている。磁石2は、永久磁石により構成することが好ましい。永久磁石の材料としては、例えば、ネオジム(NdFeB)、サマリウムコバルト(SmCo)、アルニコ(Al−Ni−Co)、フェライト等を採用することができる。
磁石2は、短冊状に形成されている。また、磁石2は、厚み方向の一面側がN極、他面側がS極となるように着磁されている。磁石2を構成する永久磁石は、例えば、磁石材料を切削、研磨等で整形加工した後、パルス着磁法等によって着磁することにより、形成することができる。
磁石ブロック3は、上述の複数個の磁石2の各々の幅方向が上記第2方向に一致するように各磁石2が配置されている。また、磁石ブロック3は、この磁石ブロック3の厚み方向の両面側それぞれで、上記第2方向においてN極とS極とが交互に並ぶように、複数個の磁石2が配置されている。要するに、磁石ブロック3は、上記第2方向において隣り合う磁石2同士の磁化の向きを逆向きとしてある。なお、磁石ブロック3は、複数個の磁石2が1次元のアレイ状に配置されているが、これに限らず、例えば、2次元のアレイ状に配置された構成としてもよい。
振動ブロック11は、可動部本体13と支持部14と各弾性体部15とを、例えば、基板10から形成することができる。基板10としては、磁力線に対して低減衰で且つ電気絶縁性を有する絶縁性基板が好ましく、例えば、高抵抗率のシリコン基板を用いることができる。高抵抗率のシリコン基板は、例えば、抵抗率が100Ωcm以上であることが好ましく、1000Ωcm以上であることがより好ましい。
基板10としてシリコン基板を用いた場合、振動ブロック11は、可動部本体13、支持部14及び各弾性体部15の材料がシリコンとなる。このような振動ブロック11は、例えば、MEMS(micro electro mechanical systems)の製造技術を利用して製造することができる。この場合、振動ブロック11では、可動部本体13、支持部14及び各弾性体部15を一体に形成することができる。要するに、振動ブロック11は、可動部本体13と支持部14と各弾性体部15とが、1枚のシリコン基板から一体に形成された構成とすることができる。これにより、発電装置EHの製造時には、振動ブロック11を形成する際に、可動部本体13、支持部14及び各弾性体部15のアセンブリ工程が不要となり、製造が容易になる。
また、各弾性体部15と可動部本体13及び支持部14とが接着用の樹脂からなる接続部で接続されている場合には、振動時に振動エネルギが接続部において熱エネルギとなって損なわれる。これに対して、可動部本体13と支持部14と各弾性体部15とが、1枚のシリコン基板から一体に形成された構成では、各弾性体部15と可動部本体13及び支持部14とが低減衰材料であるシリコンにより一体に形成されているので、振動時のエネルギ損失を低減することが可能となり、エネルギ変換効率を向上することが可能となる。なお、基板10の材料に関して、磁力線に対して影響を及ぼさないという点では、比透磁率が低いほうが好ましい。
基板10は、高抵抗率のシリコン基板に限らず、例えば、高抵抗率のSOI(Siliconon Insulator)基板等を用いることができる。また、振動ブロック11は、基板10の材料や抵抗率に応じて、適宜の絶縁膜を設けてもよい。
弾性体部15は、ばねであることが好ましい。これにより、発電装置EHは、弾性体部15の1個当たりの蓄積エネルギを大きくすることが可能となり、発電装置EHの小型化を図ることが可能となる。
弾性体部15は、上記第2方向における可動部12の両側の各々に、複数個(例えば、5個)ずつ並んで設けられていることが好ましい。これにより、発電装置EHは、可動部12の両側の各々に弾性体部15が1個ずつ設けられている場合に比べて、可動部12の振動方向の更なる単方向化が可能となり、エネルギ変換効率の更なる向上を図ることが可能となる。更に、発電装置EHは、個々の弾性体部15にかかる応力を低減することが可能となり、耐久性の向上を図ることが可能となる。可動部12の両側の弾性体部15の数は、特に5個に限定するものではない。
弾性体部15を構成するばねの材料は、半導体であるシリコンや金属等を採用することができるが、金属よりもシリコンであることが好ましい。これにより、エネルギ変換装置1は、弾性体部15を構成するばねの材料が金属である場合に比べて、弾性体部15での振動減衰に起因した運動エネルギの損失を低減することが可能となるから、エネルギ変換効率の向上を図れる。
弾性体部15の材料としては、シリコンに限らず、例えば、ステンレス(例えば、SUS304等)、鋼、銅、銅合金(真鍮、ベリリウム銅)、Ti合金、Al合金等を採用することができる。弾性体部15の材料は、対数減衰率の低い材料が好ましく、例えば、対数減衰率が0.04以下の材料が好ましい。
また、発電装置EHは、弾性体部15を構成するばねの材料がシリコンであれば、金属である場合に比べて、弾性体部15の耐久性を向上させることが可能となる。また、発電装置EHは、弾性体部15を構成するばねの材料が、シリコンであることにより、基板10としてシリコン基板を採用し、MEMS等の製造技術を利用して各々が基板10の一部からなる各弾性体部15を形成することが可能となる。これにより、発電装置EHは、ばねの形状の弾性体部15において厚み寸法W1(図3参照)に対する幅寸法H1(図2(a)参照)の比で表されるアスペクト比を大きくすることが可能となる。MEMS等の製造技術を利用する場合には、リソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して基板10をバルクマイクロマシニングすることにより、ばね形状の弾性体部15の厚み寸法W1を高精度に制御することが可能となる。しかも、この場合には、ばね形状の弾性体部15の幅寸法H1を基板10の厚みと同じ値とすることが可能となるから、アスペクト比の大きなばね形状の弾性体部15を寸法精度良く形成することが可能となる。なお、図2(a)、(b)に示した発電装置EHでは、弾性体部15の形状として、つづら折れ状のばね形状を採用しており、ばね形状の弾性体部15の厚み寸法W1を0.4mm、幅寸法H1を1mmとしてある。この場合のアスペクト比は、2.5である。また、この一例の場合には、x軸方向の剛性が約2754N/m、y軸方向の剛性が約3267N/m、z軸方向の剛性が約3146N/mである。つまり、この一例の場合には、上記第2方向における剛性が上記第2方向に直交する方向の剛性に比べて小さい。ただし、これらの数値例は、図3に示すように、つづら折れ状のばね形状の弾性体部15自身において、折り返し箇所を2箇所だけ増やし、また、隣り合う部位同士の間隔W3を0.12mm、x軸方向における弾性体部15全体の長さX11を7mm、y軸方向における弾性体部15全体の長さY11を7mmとした場合の値である。剛性の測定に関しては、例えば、支持部14を冶具で固定した後、微小引張試験機、あるいはフォースゲージとμメータとを組み合わせたものを用いることができる。この場合には、可動部12に対してx軸方向、y軸方向及びz軸方向それぞれの力を加えたときの変位を測定することで、ばね定数を算出することができる。
発電装置EHは、弾性体部15が上記第2方向における可動部12の両側の各々に、複数個ずつ並んで設けられている場合、各複数個ずつの弾性体部15の全ての材料をシリコンとすることができる。振動ブロック11は、各複数個ずつの弾性体部15のうち少なくとも1個ずつの材料がシリコンであればよく、他の弾性体部15の材料を金属としてもよい。
弾性体部15を構成するばねの形状は、例えば、つづら折れ状であることが好ましい。この場合、弾性体部15は、平面視形状において折り返し部分に角のないU字状に形成された形状のほうが、平面視形状において折り返し部分に角のあるU字状に形成された形状よりも好ましい。発電装置EHは、弾性体部15の折り返し部分に角のない形状を採用することにより、弾性体部15の折り返し部分での応力集中に起因した破損やクラックの発生等を抑制することが可能となる。
また、つづら折れ状の弾性体部15としては、平面視において折り返し部分の厚み寸法を他の部位の厚み寸法よりも大きくした形状としてもよく、弾性体部15の折り返し部分での応力集中に起因した破損やクラックの発生等を抑制することが可能となる。
また、つづら折れ状の弾性体部15としては、平面視において折り返し部分間の距離が徐々に短くなる形状としてもよい。
また、弾性体部15は、平面視において蛇行した形状であれば、つづら折れ状の形状に限らず、例えば、波形状(平面視で正弦波状)の形状でもよい。
また、弾性体部15を構成するばねの形状は、つづら折れ状や波形状等の蛇行した形状に限らず、他の形状でもよい。
可動部本体13の厚み寸法は、各弾性体部15の厚み寸法と同じに設定してあるが、これに限らず、可動部12の所望の質量等に基づいて各弾性体部15の厚み寸法よりも大きくしてもよい。また、可動部本体13の厚み寸法は、各弾性体部15の厚み寸法よりも小さくしてもよい。この場合は、弾性体部15の上記第1方向の剛性を高くすることが可能となる。
発電装置EHは、弾性体部15を構成するばねの平面視の形状を、蛇行した形状とした場合、上記第2方向において可動部12と支持部14との間に生じるデッドスペースの面積をより小さくすることが好ましい。これにより、発電装置EHは、歪みエネルギとして蓄えられるエネルギ量を増加させることが可能となる。よって、発電装置EHは、歪みエネルギとして蓄えるエネルギ量が同じであれば、弾性体部15の小型化及び低背化を図ることが可能となる。金属等の機械加工では、弾性体部15の小型化に関し、弾性体部15の厚み寸法W1を200〜300μm程度、折り返した部位間の寸法W3を200〜300μm程度よりも小型化するのが難しい。これに対して、マイクロマシニング技術を利用して弾性体部15を形成するようにした場合には、弾性体部15のより一層の小型化を図ることが可能となり、デッドスペースの面積を小さくすることが可能となる。デッドスペースの面積を小さくする設計例としては、例えば、弾性体部15の厚み寸法W1を10μm程度とし、折り返した部位間の寸法W3を10μm程度とすればよく、マイクロマシニング技術を利用して弾性体部15を形成することで実現できる。
また、振動ブロック11は、弾性体部15が、側面視で波板状(コルゲート板状)の形状でもよい。
第1スペーサ41及び第2スペーサ42は、枠状に形成されている。発電装置EHは、第1スペーサ41の形状と第2スペーサ42の形状とを同じ形状に設定してあることが好ましい。これにより、発電装置EHは、部品共通化による低コスト化を図ることが可能となる。
また、第1スペーサ41及び第2スペーサ42の外形寸法は、振動ブロック11の外形寸法に合わせてあることが好ましい。
第1スペーサ41及び第2スペーサ42の各々の材料としては、例えば、エンジニヤリングプラスチック(例えば、ポリカーボネート等)等の樹脂、セラミック、シリコン等を採用することができる。第1スペーサ41及び第2スペーサ42の各々の材料としてシリコンを採用した場合には、第1スペーサ41及び第2スペーサ42の各々をシリコン基板から形成することができる。これにより、第1スペーサ41及び第2スペーサ42の各々と振動ブロック11の支持部14との接合方法としては、例えば、表面活性化接合法や、共晶接合法や、樹脂接合法等を採用することができる。
第1キャップ21及び第2キャップ31の外形寸法は、振動ブロック11の外形寸法に合わせてあることが好ましい。
発電装置EHは、第1キャップ21の形状と第2キャップ31の形状とを同じ形状に設定してあることが好ましい。これにより、発電装置EHは、部品共通化による低コスト化を図ることが可能となる。
第1キャップ21及び第2キャップ31の各々の材料としては、例えば、エンジニヤリングプラスチック(例えば、ポリカーボネート等)等の樹脂、セラミック、シリコン等を採用することができる。第1キャップ21及び第2キャップ31の各々の材料としてシリコンを採用した場合には、第1キャップ21及び第2キャップ31の各々をシリコン基板から形成することができる。これにより、第1キャップ21、第2キャップ31と、第1スペーサ41、第2スペーサ42それぞれとの接合方法としては、例えば、表面活性化接合法や、共晶接合法や、樹脂接合法等を採用することができる。また、発電装置EHは、第1スペーサ41及び第2スペーサ42を設けずに、第1キャップ21及び第2キャップ31を振動ブロック11に固定した構成としてもよい。
発電装置EHは、第1キャップ21と第1スペーサ41と振動ブロック11と第2スペーサ42と第2キャップ31とを、複数個(例えば、4個)のねじ(図示せず)により固定するようにしてもよいし、接着剤により固定するようにしてもよいし、固定部材として、ねじと接着剤とを併用してもよい。また、発電装置EHは、第1キャップ21、第1スペーサ41、振動ブロック11、第2スペーサ42及び第2キャップ31それぞれからなる部材のうち、発電装置EHの厚み方向において隣り合う部材同士に、相互に嵌合可能な構造を設けて嵌合させることで固定するようにしてもよい。
図5に示した発電装置EHは、第1キャップ21、第1スペーサ41、振動ブロック11、第2スペーサ42及び第2キャップ31それぞれの四隅に、固定用のねじを挿通可能な貫通孔21a、41a、11a、42a及び31aをそれぞれ形成してある。各貫通孔21a、41a、11a、42a及び31aの平面視での開口形状は、円形状としてある。これらの開口形状は、円形状以外の形状でもよい。
また、振動ブロック11は、可動部本体13から平面視において上記第2方向に直交する方向に突出する2つの突部13bを一体に設けてある。各突部13bの各々は、平面視矩形状に形成されている。また、振動ブロック11は、枠状の支持部14の内側面に、各突部13bの各々を上記第2方向に変位可能とする2つの第1凹部(第1切欠部)14bが形成されている。そして、第1キャップ21及び第2キャップ31には、各第1凹部14bの各々の投影領域に、矩形状の貫通孔21b、31bがそれぞれ形成されている。また、第1スペーサ41及び第2スペーサ42の内側面には、各第1凹部14bの各々の投影領域に、第2凹部(第2切欠部)41b、42bがそれぞれ形成されている。したがって、発電装置EHでは、外部から貫通孔21b、31b及び第2凹部41b、42bを通して、両突部13bに対して適宜の冶具により外力を与えて可動部12を上記第2方向へ変位させることが可能となっている。これにより、発電装置EHでは、両突部13bを変位させた後に冶具を引き抜けば、可動部12が上記第2方向に振動することとなる。要するに、発電装置EHは、可動部12を変位させて作動させることが可能である。この場合の可動部12の振動は、減衰振動である。これにより、発電装置EHの出力電圧(発電装置EHで発生する交流電圧)の波形は、例えば、図7に示すように時間の経過とともに減衰する波形となる。なお、冶具としては、例えば、二股のフォーク状の形状のものを採用することができる。
振動ブロック11は、図2(b)、図6(a)、図6(b)に示すように、支持部14に、上記第2方向への可動部12の変位量を制限するテーパ状のストッパ部14cを設けてある。一方、可動部12の外周面(可動部本体13の外側面)には、ストッパ部14cと略平行な傾斜面12cを設けてある。支持部14に設けられたストッパ部14cは、支持部14の内側面において上記第2方向に平行な面に対して傾斜している。可動部12に設けられた傾斜面12cは、可動部12の外周面において上記第2方向に平行な面に対して傾斜している。
発電装置EHでは、両突部13bに対して適宜の冶具により外力を与えて可動部12を上記第2方向へ変位させる際に、傾斜面12cがストッパ部14cに接触することで可動部12の変位が制限される。これにより、発電装置EHは、可動部12を作動させる際に可動部12の変位量(可動部12の初期変位)を略一定値とすることが可能となる。また、発電装置EHでは、上記第2方向とは異なる方向への可動部12の変位を抑制することが可能となる。これらにより、発電装置EHでは、外力を与える度に発電出力がばらつくのを抑制することが可能となる。なお、図6(a)中の矢印は、可動部12を変位させる向きの一例を示している。発電装置EHは、図6(a)中の矢印とは逆向きへ変位させることも可能である。
コイルブロック4は、複数個(例えば、5個)のコイル4aを備えている。これら複数個のコイル4aは、上記第2方向に並んで配置され接着剤によりブロック化されている。要するに、コイルブロック4は、コイル4aが1次元のアレイ状に配置されたコイルアレイにより構成されている。また、磁石ブロック3は、磁石2が1次元のアレイ状に配置された磁石アレイにより構成されている。コイルブロック4のコイル4aの数は、磁石ブロック3の磁石2の数より1だけ多いほうが好ましい。要するに、磁石ブロック3の磁石2の数をm(mは自然数)とすれば、コイルブロック4のコイル4aの数は、m+1とすることが好ましい。また、コイルブロック4におけるコイル4aのピッチと、磁石ブロック3における磁石2のピッチとは同じであることが好ましい。また、コイルブロック4は、対向する磁石ブロック3において隣り合う磁石2同士の境界とコイル4aの中心線(口軸)とが同一平面上に揃うように各コイル4aが配置されていることが好ましい。これにより、発電装置EHは、エネルギ変換効率を向上させることが可能となる。
コイル4aは、芯材4bに巻回されたコイル線材により構成されている。コイル線材としては、絶縁被覆付きの銅線を採用することができる。コイル線材は、巻線機により芯材4bに巻き付けて接着剤等により固定されている。芯材4bの材料としては、例えば、エンジニヤリングプラスチック(例えば、ポリカーボネート等)等の樹脂や、セラミック等の絶縁性材料を採用することが好ましい。銅線を被覆する絶縁膜の材料としては、例えば、ウレタン、ホルマール、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリアミドイミド等を採用することができる。
芯材4bは、短冊状に形成されている。芯材4bは、厚み方向が上記第2方向に一致し、幅方向が振動ブロック11の厚み方向に一致し、長手方向が平面視において上記第2方向に直交する方向に一致するように配置されている。
コイルブロック4は、磁石ブロック3との対向面側が平坦化されるように、各コイル4aを各芯材4bの幅方向において磁石ブロック3側の一端部に巻回してある。第1キャップ21に保持されるコイルブロック4(以下、「第1コイルブロック4A」ともいう。)は、各芯材4bの幅方向の他端部を、第1キャップ21に形成された複数の位置決め用の貫通孔21cの各々に挿入し固定してある。第1キャップ21に第1コイルブロック4Aを組み込む際には、例えば、別途に用意したダミー部材(組立用の冶具)の平坦面に、磁石ブロック3との対向面となる側を突き当てた状態で、各芯材4bを第1キャップ21に固定し、その後、ダミー部材を取り去ればよい。これにより、第1コイルブロック4Aでは、複数のコイル4aのコイル面が揃うこととなり、磁石ブロック3との対向面側が略平坦となる。
また、第2キャップ31に保持されるコイルブロック4(以下、「第2コイルブロック4B」ともいう。)は、各芯材4bの幅方向の他端部を、第2キャップ31に形成された複数の位置決め用の貫通孔31cの各々に挿入し固定してある。第2キャップ31に第2コイルブロック4Bを組み込む際には、例えば、別途に用意したダミー部材(組立用の冶具)の平坦面に、磁石ブロック3との対向面となる側を突き当てた状態で、各芯材4bを第2キャップ31に固定し、その後、ダミー部材を取り去ればよい。これにより、第2コイルブロック4Bでは、複数のコイル4aのコイル面が揃うこととなり、磁石ブロック3との対向面側が略平坦となる。
コイルブロック4において隣り合うコイル4a同士は、第1の導電性接合材で接合され電気的に接続されている。第1の導電性接合材の材料としては、例えば、半田や銀ペースト等を採用することができる。隣り合うコイル4a同士は、それぞれ逆巻き方向となるように直列接続されている。
第1コイルブロック4Aの両端のコイル4aそれぞれにおいて隣り合うコイル4aに接続されていない側の線端部は、第1キャップ21に設けられた電極(図示せず)に電気的に接続されている。第2コイルブロック4Bの両端のコイル4aそれぞれにおいて隣り合うコイル4aに接続されていない側の線端部は、第2キャップ31に設けられた電極(図示せず)に電気的に接続されている。線端部と電極とは、第2の導電性接合材で接合され電気的に接続されている。第2の導電性接合材の材料としては、例えば、半田や銀ペースト等を採用することができる。第2の導電性接合材としては、金属製のねじ等を用いてもよい。
発電装置EHは、各コイル4aの各々が芯材4bを備えている(つまり、各コイル4aの各々は、いわゆる有芯コイルである)が、芯材4bを備えていないもの(いわゆる空芯コイル)でもよい。芯材4bを備えない構成とする場合には、例えば、第1キャップ21及び第2キャップ31の各々に各コイル4aを各別に位置決めするリブ(突起)を設ければよい。この場合には、例えばリブにコイル4aが巻装された状態で、リブとコイル4aとを接着剤等で接着すればよい。
また、各コイル4aの各々は、例えば、平面コイルにより構成してもよい。この場合には、例えば、第1キャップ21及び第2キャップ31の各々に平面コイルを形成すればよい。
平面コイルの材料としては、例えば、銅、金、銀等を採用することができる。また、平面コイルの材料としては、パーマロイ、コバルト基アモルファス合金、フェライト等を採用してもよい。平面コイルは、蒸着法、スパッタ法等の薄膜形成技術、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術等を利用して形成することができる。
ところで、図19に示した構成の発電装置300では、コイルバネ330の中間部が矢印Z1方向へ変位可能であると推考される。このため、発電装置300では、永久磁石320の厚み方向の振動に起因して上述の間隔が変動し、発電特性が不安定となったり、発電効率が低下する懸念がある。つまり、発電装置300のようなエネルギ変換装置では、エネルギ変換特性が不安定となったり、エネルギ変換効率が低下する懸念がある。また、発電装置300は、上述の間隔を狭くすると、永久磁石320が平面コイル314a及び314bに接触してしまう懸念がある。
また、上述の発電装置300は、プリント基板312の開口部312aにおける矢印X1方向及び矢印X2方向に沿った側面と永久磁石320とが接することで、矢印X1方向と矢印Z1方向とに直交する方向に対する永久磁石320の移動が規制されているものと推考される。しかしながら、このような場合には、永久磁石320が矢印X1方向(矢印X2方向)に振動する際に摺動抵抗が生じて、発電効率が低下してしまうものと考えられる。
これに対し、発電装置EHにおける弾性体部15は、上記第2方向における剛性が上記第2方向に直交する方向の剛性に比べて小さい。よって、発電装置EHは、可動部12の振動方向を、上記第2方向に単方向化することが可能となり、エネルギ変換効率の向上を図ることが可能となる。
また、発電装置EHは、上記第2方向における可動部12の両側それぞれに複数の弾性体部15が設けられている。これにより、発電装置EHは、可動部12の両側の各々に弾性体部15が1個ずつ設けられている場合に比べて、可動部12の振動方向の更なる単方向化が可能となり、エネルギ変換効率の更なる向上を図ることが可能となる。
また、発電装置EHは、第1キャップ21、第2キャップ31に、第1コイルブロック4A、第2コイルブロック4Bそれぞれが保持されている。これにより、発電装置EHは、第1キャップ21と第2キャップ31との一方のみにコイルブロック4が保持されている場合に比べて、エネルギ変換効率の向上を図れる。
また、発電装置EHは、第1コイルブロック4Aにおける複数個のコイル4aの直列回路と、第2コイルブロック4Bにおける複数個のコイル4aの直列回路とを直列接続することで、出力電圧を高めることも可能となる。
また、発電装置EHは、第1キャップ21と振動ブロック11との間に配置された枠状の第1スペーサ41を備えている。これにより、発電装置EHは、第1コイルブロック4Aと磁石ブロック3との間のギャップ長を、第1スペーサ41の厚みで規定することが可能となる。したがって、発電装置EHは、第1コイルブロック4Aと磁石ブロック3との間のギャップの狭ギャップ化を図りながらも、第1コイルブロック4Aと磁石ブロック3との接触を防止することが可能となる。発電装置EHは、第1コイルブロック4Aと磁石ブロック3との間のギャップの狭ギャップ化により、磁束の利用効率の向上を図ることが可能となって、エネルギ変換効率の向上を図ることが可能となる。
また、発電装置EHは、第2キャップ31と振動ブロック11との間に配置された枠状の第2スペーサ42を備えている。これにより、発電装置EHは、第2コイルブロック4Bと磁石ブロック3との間のギャップ長を、第2スペーサ42の厚みで規定することが可能となる。したがって、発電装置EHは、第2コイルブロック4Bと磁石ブロック3との間のギャップの狭ギャップ化を図りながらも、第2コイルブロック4Bと磁石ブロック3との接触を防止することが可能となる。発電装置EHは、第2コイルブロック4Bと磁石ブロック3との間のギャップの狭ギャップ化により、磁束の利用効率の向上を図ることが可能となって、エネルギ変換効率の向上を図ることが可能となる。
発電装置EHは、可動部12の上記第2方向への振動に伴って発生する電磁誘導によって、交流の誘導起電力が発生する。この場合、発電装置EHの開放電圧は、可動部12の振動に応じた交流電圧となる。発電装置EHは、両突部13bに冶具等により外力を与え後に冶具を引き抜けば、可動部12が減衰振動するので、この減衰振動に応じた交流電圧を発生する。
よって、本実施形態のエネルギ変換装置1においては、可動部12を変位させて作動させることが可能であり、且つ、エネルギ変換効率の向上を図ることが可能となる。
なお、発電装置EHは、この発電装置EHの共振周波数と一致する環境振動(外部振動)を利用して発電させることもできる。環境振動としては、例えば、稼動中のFA(factory automation)機器で発生する振動、車両の走行によって発生する振動、人の歩行によって発生する振動等、種々の環境振動がある。発電装置EHで発生する交流電圧の周波数は、環境振動の周波数が発電装置EHの共振周波数と一致する場合、発電装置EHの共振周波数と同じになる。
以下では、エネルギ変換装置1の具体的な回路構成例について図8の回路図に基づいて説明する。
図8では、発電装置EHを等価回路で記載してある。この等価回路では、発電装置EHを、交流電圧源Vsと、発電装置EHの抵抗成分により構成される抵抗Rsと、発電装置EHのインダクタンス成分により構成されるインダクタLsとの直列回路で表わしてある。発電装置EHの抵抗成分とは、コイルブロック4の各コイル4aの抵抗成分の合成抵抗に相当する抵抗成分である。発電装置EHのインダクタンス成分とは、コイルブロック4の各コイル4aのインダクタンス成分の合成インダクタンスに相当するインダクタンス成分である。
整流平滑回路102は、両波倍電圧整流回路により構成することができる。両波倍電圧整流回路は、2個のダイオードD1、D2と、2個のコンデンサC1、C2と、を備えている。両波倍電圧整流回路は、2個のダイオードD1、D2の直列回路と、2個のコンデンサC1、C2の直列回路と、が並列接続されている。要するに、両波倍電圧整流回路は、2個のダイオードD1、D2と、2個のコンデンサC1、C2と、がブリッジ接続されている。両波倍電圧整流回路は、ダイオードD1のカソードが、2個のコンデンサC1、C2の直列回路の一端に接続され、ダイオードD2のアノードが、2個のコンデンサC1、C2の直列回路の他端に接続されている。
エネルギ変換装置1は、発電装置101の一方の出力端が、2個のダイオードD1、D2の直列回路における両ダイオードD1、D2の接続点に接続されている。また、エネルギ変換装置1は、発電装置101の他方の出力端が、2個のコンデンサC1、C2の直列回路における両コンデンサC1、C2の接続点に接続されている。
ダイオードD1(以下、「第1ダイオードD1」ともいう。)とダイオードD2(以下、「第2ダイオードD2」ともいう。)とは、仕様の同じものを用いており、同じ特性を有しているのが好ましい。なお、各ダイオードD1、D2の各々は、ショットキーバリアダイオードであるのが好ましい。これにより、エネルギ変換装置1は、各ダイオードD1、D2の各々がシリコンダイオードである場合に比べて、第1ダイオードD1、第2ダイオードD2それぞれでの順方向電圧降下をより小さくすることが可能となる。
コンデンサC1(以下、「第1コンデンサC1」ともいう。)とコンデンサC2(以下、「第2コンデンサC2」ともいう。)とは、仕様の同じものを用いており、同じ特性を有しているのが好ましい。
整流平滑回路102は、両波倍電圧整流回路に限らない。整流平滑回路102は、例えば、4個の整流用ダイオードがブリッジ接続された全波整流回路と、この全波整流回路の出力端間に接続された平滑コンデンサとで構成してもよい。また、整流平滑回路102は、例えば、整流用ダイオードと、この整流用ダイオードに直列接続された平滑コンデンサとで構成することもできる。
DC/DCコンバータ103は、例えば、図8に示すように、DC−DCコンバータ用のIC(Integrated Circuit)素子131に加えて、インダクタL3、抵抗R2、R3及びコンデンサC3を備えた構成を採用することができる。インダクタL3、抵抗R2、R3及びコンデンサC3は、IC素子131に外付けした電子部品である。図8では、IC素子131として、Microchip Technology社のMCP1640/B/C/Dを用いる場合を例示してある。インダクタL3は、IC素子131のVIN端子とSW端子との間に接続してある。コンデンサC3は、IC素子131のVOUT端子とGND端子との間に接続してある。抵抗R2は、IC素子131のVOUT端子とVFB端子との間に接続してある。抵抗R3は、IC素子131のVFB端子とGND端子の間に接続してある。IC素子131のGND端子は、DC−DCコンバータ103のグランドライン103bに接続されている。DC−DCコンバータ103のグランドライン103bは、例えば、IC素子131、インダクタL3、抵抗R2、R3及びコンデンサC3を実装する回路基板でグランド用にパターン化された導体層(配線)により構成することができる。この回路基板には、DC−DCコンバータ103の回路部品以外に、発電装置101、整流平滑回路102の回路部品等を実装することが好ましい。回路基板としては、例えば、プリント配線基板等を採用することができる。
DC−DCコンバータ103は、IC素子131として、MicrochipTechnology社のMCP1640/B/C/Dを用いる場合、MCP1640/B/C/DのEN端子が、制御端子CNを構成する。DC−DCコンバータ103は、制御端子CNとGND端子との間の電圧が所定の起動電圧を超えるまでIC素子131が起動しないので、低消費電力化を図ることが可能となる。
また、IC素子131は、MCP1640/B/C/Dに限らず、例えば、MAX1724、LTC(登録商標)3526、TEXAS INSTRUMENT社のTPS61220、トレックス・セミコンダクター株式会社のXC9135等を用いることもできる。IC素子131は、製品によって端子(ピン)の機能や配置、端子の割り当て(ピンアサイン)が異なる場合がある。
DC−DCコンバータ103は、MAX1724を用いる場合、例えば、インダクタL3をBATT端子とLX端子との間に接続し、コンデンサC3をOUT端子とGND端子との間に接続すればよく、SHDN端子が、制御端子CNを構成する。
DC−DCコンバータ103は、LTC(登録商標)3526を用いる場合、例えば、インダクタL3をVIN端子とSW端子との間に接続し、コンデンサC3をVOUT端子とGND端子との間に接続し、抵抗R2をVOUT端子とFB端子との間に接続し、抵抗R3をFB端子とGND端子の間に接続すればよく、SHDN端子が、制御端子CNを構成する。
DC−DCコンバータ103は、TPS61220を用いる場合、例えば、インダクタL3をVIN端子とL端子との間に接続し、コンデンサC3をVOUT端子とGND端子との間に接続し、抵抗R2をVOUT端子とFB端子との間に接続し、抵抗R3をFB端子とGND端子の間に接続すればよく、EN端子が、制御端子CNを構成する。
DC−DCコンバータ103は、XC9135を用いる場合、例えば、インダクタL3をBAT端子とLx端子との間に接続し、コンデンサC3をVOUT端子とPGND端子との間に接続すればよく、EN端子が、制御端子CNを構成する。
DC/DCコンバータ103の構成は特に限定するものではなく、例えば、昇圧用トランスを備えた昇圧型DC−DCコンバータでもよい。IC素子131は、入力側から出力側へ電流が流れないように入力側と出力側とを電気的に絶縁する機能(「負荷切断機能」とも呼ばれる。)を備えているのが好ましい。
遅延回路104は、受動素子として、抵抗R4とコンデンサC4とを用い、抵抗R4とコンデンサC4とを直列接続したローパスフィルタにより構成してある。遅延回路104は、抵抗R4とコンデンサC4との直列回路を整流平滑回路102の出力端間に接続し、コンデンサC4の高電位側の出力端と制御端子CNとを接続し、コンデンサC4の低電位側の出力端とDC−DCコンバータ103のグランドラインとを接続してある。
エネルギ変換装置1は、DC−DCコンバータ103の出力端間に、負荷105を接続すれば、負荷105の電源として機能することとなる。負荷105としては、例えば、無線回路、センサ、固体発光素子等を採用することが可能である。無線回路は、無線通信規格として、例えば、EnOcean(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、特定小電力無線、微弱無線、Wi-Fi(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)等を採用することができるが、特に限定するものではない。センサとしては、例えば、温度センサ、湿度センサ、ガスセンサ(例えば、CO2センサ、COセンサ等)、浮遊粒子センサ(例えば、ほこりセンサ、花粉センサ等)、加速度センサ、圧力センサ等を採用することができる。固体発光素子としては、例えば、発光ダイオード、半導体レーザ等を採用することができる。
エネルギ変換装置1は、コンデンサC4の両端電圧がDC−DCコンバータ103の所定の起動電圧以上の電圧になると、DC−DCコンバータ103が起動される。要するに、エネルギ変換装置1は、発電装置101の発電開始からDC−DCコンバータ103が起動されるまでの遅延時間を、ローパスフィルタの時定数によって決めることが可能となる。よって、エネルギ変換装置1は、DC−DCコンバータ103を安定動作させることが可能となる。
図9は、エネルギ変換装置1の動作説明図であり、A1が、整流平滑回路102の入力電圧波形、A2が、整流平滑回路102の出力電圧波形、A3が、DC−DCコンバータ103の出力電圧波形、それぞれを示している。
図10は、比較例のエネルギ変換装置の回路図である。比較例のエネルギ変換装置は、図8の遅延回路104を備えていない点のみが実施形態1のエネルギ変換装置1と相違する。また、図11は、比較例のエネルギ変換装置の動作説明図であり、A1が、整流平滑回路102の入力電圧波形、A2が、整流平滑回路102の出力電圧波形、A3が、DC−DCコンバータ103の出力電圧波形、それぞれを示している。
比較例のエネルギ変換装置では、図11のA3に示すDC−DCコンバータ103の出力電圧波形から見て、DC−DCコンバータ103が正常に動作していないと推考される。これに対して、実施形態1のエネルギ変換装置1では、図9のA3に示すDC−DCコンバータ103の出力電圧波形から見て、発電装置101の出力電圧が発生し始めた時点から遅延してDC−DCコンバータ103が起動され、DC−DCコンバータ103が正常に昇圧動作していると推考される。なお、比較例のエネルギ変換装置では、コンデンサC1、C2の各容量値を小さくすることで整流平滑回路102の出力電圧を大きくすることも考えられる。しかしながら、比較例のエネルギ変換装置では、コンデンサC1、C2の各容量値を変えてしまうと、発電装置101と整流平滑回路102とのインピーダンス不整合が生じ、発電装置101から取り出せるエネルギ量が低下し、エネルギ変換効率が低下してしまう。
本実施形態のエネルギ変換装置1では、DC−DCコンバータ103の起動を遅延させるための遅延回路104が受動素子のみで形成されているので、低消費電力化を図ることが可能となり、且つ、発電装置101と整流平滑回路102とをインピーダンス整合させつつDC−DCコンバータ103を安定動作させることが可能となる。よって、本実施形態のエネルギ変換装置1では、エネルギ変換効率の向上を図ることが可能となる。また、本実施形態のエネルギ変換装置1では、DC−DCコンバータ103の起動を遅延させるための回路構成を、図18における動作開始制御部230に比べて簡略化することができ、低コスト化を図ることが可能となる。
実施形態1のエネルギ変換装置1は、発電装置101が電磁誘導型の振動発電装置EHにより構成されているので、発電装置101を圧電型の振動発電装置や静電容量型の振動発電装置により構成する場合に比べて、整流平滑回路102のコンデンサ(コンデンサC1、C2や、平滑コンデンサ)の容量値を大きくすることが可能となり、エネルギ変換効率の向上を図ることが可能となる。
図12は、エネルギ変換装置1の変形例の回路図である。この変形例のエネルギ変換装置1は、遅延回路104を構成するローパスフィルタが、インダクタL5と抵抗R5とを直列接続して構成してある点が相違する。すなわち、変形例における遅延回路104は、インダクタL5と抵抗R5との直列回路を整流平滑回路102の出力端間に接続し、抵抗R5の高電位側の出力端と制御端子CNとを接続し、抵抗R5の低電位側の出力端とDC−DCコンバータ103のグランドラインとを接続してある。
変形例のエネルギ変換装置1は、抵抗R5の両端電圧がDC−DCコンバータ103の所定の起動電圧以上の電圧になると、DC−DCコンバータ103が起動される。要するに、変形例のエネルギ変換装置1は、発電装置101の発電開始からDC−DCコンバータ103が起動されるまでの遅延時間を、ローパスフィルタの時定数によって決めることが可能となる。よって、変形例のエネルギ変換装置1は、DC−DCコンバータ103を安定動作させることが可能となる。
(実施形態2)
以下では、本実施形態のエネルギ変換装置について図13〜図17に基づいて説明する。
以下では、本実施形態のエネルギ変換装置について図13〜図17に基づいて説明する。
本実施形態のエネルギ変換装置は、実施形態1のエネルギ変換装置1と比べて、発電装置EHの構成が相違し、可動部12を上記第2方向に沿って変位させるための入力機構5を備えている点等が相違する。なお、本実施形態のエネルギ変換装置は、実施形態1のエネルギ変換装置1と同様、図1や図8に示した、整流平滑回路102、DC−DCコンバータ103及び遅延回路104を備えている。
また、本実施形態のエネルギ変換装置は、可動部12に接続された第1磁性材料部7と、入力機構5に接続された第2磁性材料部6とを備え、第1磁性材料部7と第2磁性材料部6との間に発生する磁力により可動部12を変位可能である。
第1磁性材料部7は、第1磁石もしくは第1磁性体のいずれかにより構成することができる。また、第2磁性材料部6は、第2磁石もしくは第2磁性体のいずれかにより構成することができる。
振動ブロック11は、支持部14の平面視形状をC字状としてある。ここで、振動ブロック11は、互いに対向する2つの端面14e、14eを有している。また、可動部12は、可動部本体13の外側面から上記第2方向に沿って突出する1つの突出部18を備えている。突出部18の先端面には、上述の第1磁性材料部7が接続されている。突出部18と第1磁性材料部7とは、接着剤により接続されている。突出部18の平面視形状は、上記第2方向を長手方向とする長方形状としてある。突出部18の短手方向の寸法は、支持部14の両端面間の寸法よりもやや小さな寸法に設定してある。第1磁性材料部7の平面視形状は、矩形状としてある。
第1磁性材料部7は、第1磁性体により構成してあるが、これに限らず、第1磁石により構成してもよい。第1磁性材料部7を第1磁性体により構成する場合の材料としては、例えば、鉄−コバルト合金、電磁軟鉄、電磁ステンレス、パーマロイ等を採用することができる。また、第1磁性材料部7を第1磁石により構成する場合の材料としては、例えば、ネオジム、サマリウムコバルト、アルニコ、フェライト等を採用することができる。
振動ブロック11は、可動部本体13と突出部18と支持部14と各弾性体部15とを、例えば、基板10から形成することができる。この場合、振動ブロック11では、可動部本体13、突出部18、支持部14及び各弾性体部15を一体に形成することができる。要するに、振動ブロック11は、可動部本体13と突出部18と支持部14と各弾性体部15とが、1枚のシリコン基板から一体に形成された構成とすることができる。これにより、発電装置EHの製造時には、振動ブロック11を形成する際に、可動部本体13、突出部18、支持部14及び各弾性体部15のアセンブリ工程が不要となり、製造が容易になる。可動部本体13と突出部18と支持部14と各弾性体部15とが、1枚のシリコン基板から一体に形成された構成では、各弾性体部15と可動部本体13、突出部18及び支持部14とが低減衰材料であるシリコンにより一体に形成されているので、振動時のエネルギ損失を低減することが可能となり、エネルギ変換効率を向上することが可能となる。
振動ブロック11は、上記第2方向における可動部12の両側それぞれに、複数の弾性体部15が並んで設けられていることが好ましい。これにより、発電装置EHは、可動部12の両側の各々に弾性体部15が1個ずつ設けられている場合に比べて、可動部12の振動方向の更なる単方向化が可能となり、エネルギ変換効率の更なる向上を図ることが可能となる。更に、発電装置EHは、個々の弾性体部15にかかる応力を低減することが可能となり、耐久性の向上を図ることが可能となる。可動部12の両側それぞれの弾性体部15の数は、特に限定するものではない。
第1スペーサ41及び第2スペーサ42は、平面視形状がC字状の形状である。発電装置EHは、第1スペーサ41の形状と第2スペーサ42の形状とを同じ形状に設定してあることが好ましい。これにより、エネルギ変換装置1は、部品共通化による低コスト化を図ることが可能となる。
また、第1スペーサ41及び第2スペーサ42の外形寸法は、振動ブロック11の外形寸法に合わせてあることが好ましい。
また、発電装置EHは、第1スペーサ41及び第2スペーサ42を設けずに、第1キャップ21及び第2キャップ31を振動ブロック11に固定した構成としてもよい。
発電装置EHは、上述の入力機構5に外力を与えることで可動部12を上記第2方向に沿って変位させた後で、第2磁性材料部6が第1磁性材料部7から離れれば、可動部12が減衰振動するので、この減衰振動に応じた交流電圧を発生する。要するに、発電装置EHは、可動部12を変位させて作動させることが可能である。
入力機構5は、実装基板8に固定されている。実装基板8としては、例えば、実施形態1のエネルギ変換装置1で説明した回路基板を採用することができる。これにより、本実施形態のエネルギ変換装置は、発電装置EHと入力機構5との相対的な位置関係を規定することができる。
入力機構5は、実装基板8に固定される円柱状の回動軸51と、この回動軸51に回動自在に保持された回動部本体52と、回動部本体52から突出された操作部53と、回動部本体52から操作部53とは反対側に突出された突出部54と、を備えている。操作部53は、例えば、エネルギ変換装置の使用者等が指等で操作可能な大きさに形成されている。操作部53と回動部本体52と突出部54とは、例えば、樹脂により形成することができる。第2磁性材料部6は、突出部54の先端面に接続されている。突出部54と第2磁性材料部6とは接着剤により接続されている。第2磁性材料部6の平面視形状は、矩形状としてある。
第2磁性材料部6は、第2磁石により構成されているが、これに限らず、第2磁性体により構成してもよい。第2磁性材料部6を第2磁石により構成する場合の材料としては、例えば、ネオジム、サマリウムコバルト、アルニコ、フェライト等を採用することができる。また、第2磁性材料部6を第2磁性体により構成する場合の材料としては、例えば、鉄−コバルト合金、電磁軟鉄、電磁ステンレス、パーマロイ等を採用することができる。
第1磁性材料部7と第2磁性材料部6との間に発生する磁力の方向は、吸引する方向であるが、これに限らず、反発する方向でもよい。例えば、第1磁性材料部7を第1磁石により構成し、第2磁性材料部6を第2磁石により構成し、第1磁石と第2磁石との同極同士が対向するように第1磁石と第2磁石とを配置すれば、第1磁性材料部7と第2磁性材料部6との間に発生する磁力の方向は、反発する方向となる。
入力機構5は、操作部53と突出部54と第2磁性材料部6とが一直線上に配置されており、操作部53と突出部54と第2磁性材料部6とを結ぶ直線が上記第2方向と略直交するように配置されている。
入力機構5は、例えば、図16に示すように、ねじりコイルばねからなる復帰ばね55を備えている。復帰ばね55は、回動部本体52内で回動軸51を囲むように配置されており、一端部55aが実装基板8に固定され、他端部55bが操作部53に固定されている。
図16に示した入力機構5は、初期位置にある操作部53に対して復帰ばね55のばね力に抗して外力を与えることにより、上記第2方向に沿って突出部54が突出部18から離れる向きへ変位する。そして、入力機構5は、操作部53へ与えられていた外力がなくなると、復帰ばね55のばね力によって、操作部53が初期位置に戻るようになっている。なお、入力機構5は、図16の構成に限定するものではなく、他の構成でもよい。
第1磁性材料部7が第1磁性体であり且つ第2磁性材料部6が第2磁性体である場合には、入力機構5が、第2磁性材料部6を磁化可能な磁石(以下、磁化用磁石と称する)を備えるようにすればよい。入力機構5は、磁化用磁石を第2磁性材料部6に接触させて第2磁性材料部6を磁化することにより第2磁性材料部6と第1磁性材料部7との間に磁力を発生させ、第2磁性材料部6から磁化用磁石を離すことにより第2磁性材料部6の磁気を消失させ第2磁性材料部6と第1磁性材料部7との間の磁力を消失させるようにすればよい。
振動ブロック11は、支持部14に、上記第2方向への可動部12の変位量を規定値に制限するストッパ部14c(図13(b)参照)を設けてある。ストッパ部14cは、支持部14の内側面において上記第2方向に平行な面に対して傾斜したテーパ状である。これに対し、可動部12の外周面(可動部本体13の外側面)には、ストッパ部14cと略平行な傾斜面12c(図13(b)参照)を設けてある。可動部12に設けられた傾斜面12cは、可動部12の外周面において上記第2方向に平行な面に対して傾斜している。エネルギ変換装置では、上述の入力機構5に外力を与えて可動部12を上記第2方向へ変位させる際に、傾斜面12cがストッパ部14cに接触することで可動部12の変位量が規定値に制限されるから、可動部12の変位量を略一定値とすることが可能となる。また、エネルギ変換装置では、上記第2方向とは異なる方向への可動部12の変位を抑制することが可能となる。これらにより、エネルギ変換装置では、外力を与える度に発電出力がばらつくのを抑制することが可能となり、また、外力を与える際に弾性体部15に上記第2方向以外の方向へ過大な力が作用するのを抑制することが可能となり、信頼性の向上を図ることが可能となる。
エネルギ変換装置の動作の一例について図17に基づいて説明するが、図17は、第2磁性材料部6が第2磁石により構成され、第1磁性材料部7が第1磁性体により構成されている場合の動作例を説明するためのものである。
エネルギ変換装置は、図17(a)に示すように操作部53が初期位置にある状態では、第2磁性材料部6と第1磁性材料部7との間に発生している磁力により、第2磁性材料部6に第1磁性材料部7が吸着されている。エネルギ変換装置は、初期位置にある操作部53に対して、操作部53が発電装置EHに近づく向き(図17(a)中の矢印の向き)の外力が与えられると、図17(b)の矢印で示すように、操作部53及び突出部54が反時計回りに回動する。この際、エネルギ変換装置は、可動部12が図17(b)の右側の弾性体部15の弾性力に抗して移動し、第1磁性材料部7が第2磁性材料部6に吸着された状態が維持される。なお、図17(b)において入力機構5に付した矢印は、入力機構5の回動方向を示している。
そして、エネルギ変換装置1は、操作部53が更に回動され弾性体部15のばね力が第1磁性材料部7と第2磁性材料部6との間の磁力よりも大きくなると、図17(c)に示すように第1磁性材料部7が第2磁性材料部6から離れ、可動部12が上記第2方向に沿って振動する。この振動は、減衰振動である。なお、図17(c)において、可動部12に付した矢印は、可動部12の振動方向を示し、入力機構5に付した矢印は、入力機構5の回動方向を示している。
その後、入力機構5へ外力を与えるのを止めると、入力機構5は、復帰ばね55のばね力によって初期位置に戻る。なお、図17(d)において入力機構5に付した矢印は、入力機構5の回動方向を示している。
エネルギ変換装置は、操作部53を初期位置から第1所定角(例えば、5°)だけ回動させたときに可動部12が上記規定値だけ変位し、操作部53を初期位置から第2所定角(例えば、10°)だけ回動させたときに弾性体部15のばね力が第1磁性材料部7と第2磁性材料部6との間の磁力よりも大きくなるように、弾性体部15のばね力を設計してある。第1所定角及び第2所定角は、特に限定するものでないが、第2磁性材料部6が上記第2方向に沿った一直線上で変位するように設計することが好ましい。
本実施形態のエネルギ変換装置は、可動部12を上記第2方向に沿って変位させるための入力機構5と、可動部12に接続された第1磁性材料部7と、入力機構5に接続された第2磁性材料部6と、を備え、第1磁性材料部7と第2磁性材料部6との間に発生する磁力により、可動部12を変位可能である。これにより、エネルギ変換装置は、入力機構5へ外力を適宜与えることで可動部12を変位させて作動させることが可能であり、且つ、可動部12へ上記第2方向とは異なる方向の力が作用するのを抑制することが可能となり、エネルギ変換効率及び信頼性の向上を図ることが可能となる。エネルギ変換装置は、入力機構5と第2磁性材料部6と第1磁性材料部7とで、可動部12を変位させるアクチュエータを構成している。
エネルギ変換装置は、第1磁性材料部7が、第1磁性体もしくは第1磁石のいずれかからなり、第2磁性材料部2が、第2磁性体もしくは第2磁石のいずれかからなるので、第1磁性材料部7と第2磁性材料部6との間に発生する磁力を適宜設定することが可能となる。
また、エネルギ変換装置は、第1磁性材料部7と第2磁性材料部6との間に発生する磁力の方向が、吸引する方向なので、磁力の方向が反発する方向である場合に比べて、可動部12を上記第2方向に沿って安定して変位させることが可能となる。
ところで、上述の各実施形態1、2では、可動部12が磁石ブロック3を備え、第1キャップ21及び第2キャップ31の各々がコイルブロック4を備えているが、これらに限らず、可動部12がコイルブロック4を備え、第1キャップ21及び第2キャップ31の少なくとも一方が磁石ブロック3を備えた構成としてもよい。また、弾性体部15は、ゴムや樹脂等により形成してもよい。
1 エネルギ変換装置
3 磁石ブロック
4 コイルブロック
12 可動部
14 支持部
15 弾性体部
101 発電装置
102 整流平滑回路
103 DC−DCコンバータ
103b グランドライン
104 遅延回路
CN 制御端子
EH 振動発電装置
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104 遅延回路
CN 制御端子
EH 振動発電装置
Claims (4)
- 運動エネルギを電気エネルギに変換して交流電圧を発生する発電装置と、前記発電装置の出力端間に接続された整流平滑回路と、前記整流平滑回路の出力端間に接続されたDC−DCコンバータと、前記整流平滑回路と前記DC−DCコンバータとの間に設けられた遅延回路と、を備え、前記DC−DCコンバータは、制御端子を備え、前記制御端子と前記DC−DCコンバータのグランドラインとの間の電圧が所定の起動電圧を超えたときに起動するように構成され、前記遅延回路は、受動素子のみで形成されたローパスフィルタにより構成され、前記ローパスフィルタを前記整流平滑回路の出力端間に接続し、前記ローパスフィルタの高電位側の出力端と前記制御端子とを接続し、前記ローパスフィルタの低電位側の出力端と前記DC−DCコンバータの前記グランドラインとを接続してあることを特徴とするエネルギ変換装置。
- 前記発電装置は、電磁誘導型の振動発電装置であることを特徴とする請求項1記載のエネルギ変換装置。
- 前記振動発電装置は、磁石ブロックとコイルブロックとが第1方向で対向配置され、前記磁石ブロックと前記コイルブロックとが前記第1方向に直交する第2方向において相対的に変位することで生じる電磁誘導により前記交流電圧を発生するように構成され、前記磁石ブロックと前記コイルブロックとの一方を備えた可動部を外部から作動させ前記可動部を減衰振動させることができるように構成されており、前記可動部と、前記可動部を囲む支持部と、前記可動部と前記支持部との間に介在する弾性体部とを備え、前記支持部が前記弾性体部を介して前記可動部を支持しており、前記弾性体部は、前記第2方向における剛性が前記第2方向に直交する方向の剛性に比べて小さく、前記第2方向における前記可動部の両側それぞれには、複数の前記弾性体部が並んで設けられていることを特徴とする請求項2記載のエネルギ変換装置。
- 前記弾性体部は、ばねであることを特徴とする請求項3記載のエネルギ変換装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013076430A JP2014204482A (ja) | 2013-04-01 | 2013-04-01 | エネルギ変換装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105262967A (zh) * | 2015-11-09 | 2016-01-20 | 惠州高盛达科技有限公司 | 低功耗wifi模块供电电路及电视机 |
JP2016127214A (ja) * | 2015-01-08 | 2016-07-11 | 株式会社リコー | 光源駆動装置、光源装置、距離測定装置、移動体装置、レーザ加工機及び光源駆動方法 |
JP2016171546A (ja) * | 2015-03-16 | 2016-09-23 | ミツミ電機株式会社 | 無線送信装置および無線送信システム |
-
2013
- 2013-04-01 JP JP2013076430A patent/JP2014204482A/ja active Pending
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CN105262967B (zh) * | 2015-11-09 | 2023-06-02 | 惠州高盛达科技有限公司 | 低功耗wifi模块供电电路及电视机 |
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