JP2014203974A - 照明方法及び装置、並びに露光方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】空間光変調器の複数の光学要素に入射する光の強度等の使用条件をできるだけ一定にする。【解決手段】光源10からの照明光ILで照明瞳面IPPを照明する照明装置8であって、二次元の配置面に配列された複数のミラー要素16を有し、光源10からの照明光ILを複数のミラー要素16を介して照明瞳面IPPに導く空間光変調器14と、複数のミラー要素16を介した照明光ILの強度又は照度を、この照明光ILの光路を横切る面である可変ビームスプリッター21のビームスプリッター面内において一律に調節する照度調節系20と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、被照射面を照明する照明技術、その照明技術を用いる露光技術、及びこの露光技術を用いるデバイス製造技術に関する。
例えば半導体素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するためのリソグラフィー工程で、半導体ウエハ又はガラス基板のような感光材料が塗布された基板を露光するために使用されるステッパー又はスキャニングステッパー等の露光装置は、レチクル(マスク)を様々な照明条件で照明するために照明装置を備えている。最近の照明装置としては、照明光学系の瞳面(射出瞳が形成される面と光学的に共役な面)上での光強度分布をレチクルのパターンに応じて様々な分布に最適化できるように、光源から供給される露光用の照明光(露光光)を反射するための傾斜角可変の多数の微小なミラー要素を有する可動マルチミラー方式の空間光変調器(spatial light modulator)を含む強度分布設定光学系を備えたタイプも提案されている(例えば特許文献1参照)。
米国特許出願公開第2003/0038225号明細書
露光装置において、露光を継続すると、露光光の照射エネルギーによって、空間光変調器のミラー要素の駆動特性(例えば駆動電圧と傾斜角との関係)が次第に変動する恐れがある。そこで、露光中の照明光学系の瞳面における光強度分布の変動を抑制するためには、例えば予めその駆動特性の変動の状態を求めておき、露光中に積算照射エネルギー又は露光時間に応じて、ミラー要素の駆動電圧を補正することが好ましい。
しかしながら、レチクルのパターン及び/又は基板の感光材料の感度等によって、照明光学系の瞳面における目標とする照度(単位面積当たりで単位時間当たりのエネルギー)は大きく変化するとともに、空間光変調器のミラー要素の駆動特性の変動の状態は、ミラー要素に入射する光の照度によって変化する恐れがある。このために、ミラー要素に入射する光の照度を種々に変化させて、それぞれミラー要素の駆動特性の変動の状態を求めておくこととすると、そのための時間が長くなり、露光装置の稼働効率が低下する恐れがある。
本発明の態様は、このような事情に鑑み、空間光変調器の光学要素の使用条件をできるだけ一定にすることを目的とする。
第1の態様によれば、光源からの光で被照射面を照明する照明装置において、二次元面に配列された複数の反射光学要素を有し、その光源からの光をその複数の反射光学要素を介してその被照射面に導く空間光変調器と、その複数の反射光学要素を介した光の強度を調節する光強度調節部と、を備える照明装置が提供される。
第2の態様によれば、露光光源からの光でパターンを照明し、その露光光源からの光でそのパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、第1の態様の照明装置を備え、その照明装置を用いてその露光光源からの光でそのパターンを照明する露光装置が提供される。
第3の態様によれば、光源からの光で被照射面を照明する照明方法において、二次元面に配列された複数の反射光学要素を有する空間光変調器のその複数の反射光学要素にその光源からの光を照射することと、その複数の反射光学要素を介した光の強度を調節することと、その強度が調節された光をその被照射面に導くことと、を含む照明方法が提供される。
第4の態様によれば、露光光源からの光でパターンを照明し、その露光光源からの光でそのパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光方法において、第3の態様の照明方法を用いてその露光光源からの光でそのパターンを照明する露光方法が提供される。
第5の態様によれば、本発明の態様の露光方法又は露光装置を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成されたその基板を処理することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、被照射面における光の強度を調節する場合には、空間光変調器の複数の反射光学要素を介した後の光の強度を調節するため、複数の反射光学要素に入射する光の強度は変化させる必要がない。このため、空間光変調器の反射光学要素の使用条件を一定にできる。
(A)は実施形態の一例に係る露光装置の概略構成を示す図、(B)は図1(A)中の可変ビームスプリッターを示す図、(C)は可変ビームスプリッターの透過率分布等の一例を示す図である。 (A)は図1(A)中の空間光変調器のミラー要素のアレイの一部を示す拡大斜視図、(B)は図2(A)中の一つのミラー要素の駆動機構を示す図である。 照明方法を含む露光方法の一例を示すフローチャートである。 (A)は光強度分布の変化の一例を示す図、(B)は比較例における光強度分布の変化の他の例を示す図である。 (A)は変形例に係る露光装置の照明装置を示す図、(B)は変形例に係る照明装置の要部を示す図である。 電子デバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
本発明の実施形態の一例につき図1(A)〜図4(B)を参照して説明する。
図1(A)は本実施形態に係る露光装置EXの概略構成を示す。露光装置EXは、一例としてスキャニングステッパー(スキャナー)よりなる走査露光型の露光装置(投影露光装置)である。図1(A)において、露光装置EXは、露光用の照明光(露光光)ILでレチクルR(マスク)のパターン面であるレチクル面Raを照明する照明装置8を備えている。照明装置8は、照明光ILをパルス発光する光源10と、光源10からの照明光ILでレチクル面Raを照明する照明光学系ILSと、照明条件の制御等を行う照明制御部36と、後述の照度調節系20及び瞳モニタ系24とを備えている。さらに、露光装置EXは、レチクルRを移動するレチクルステージRSTと、レチクルRのパターンの像を半導体ウエハ(以下、単にウエハという。)Wの表面に投影する投影光学系PLと、ウエハWを移動するウエハステージWSTと、装置全体の動作を統括的に制御するコンピュータよりなる主制御系35と、各種制御系等とを備えている。
以下、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を設定し、Z軸に垂直な平面内において図1(A)の紙面に平行な方向にX軸を、図1(A)の紙面に垂直な方向にY軸を設定して説明する。本実施形態では、露光時のレチクルR及びウエハWの走査方向はY軸に平行な方向(Y方向)である。また、X軸、Y軸、及びZ軸に平行な軸の回りの回転方向(傾斜方向)をθx方向、θy方向、及びθz方向として説明する。
光源10としては、一例として波長193nmの直線偏光のレーザ光をパルス発光するArFエキシマレーザ光源が使用されている。なお、光源10として、波長248nmのレーザ光を供給するKrFエキシマレーザ光源、又は固体レーザ光源(YAGレーザ、半導体レーザ等)から出力されるレーザ光の高調波をパルス発生する高調波発生装置等も使用できる。
図1(A)において、光源10から射出された照明光ILは、ビームエキスパンダ11を含む伝達光学系、照明光ILの偏光方向及び偏光状態を調整するための例えば回転可能な1/2波長板及び1/4波長板等を含む偏光光学系12、及び光路折り曲げ用のミラー13を経て、空間光変調器(spatial light modulator:SLM)14のそれぞれ直交する2軸の回りの傾斜角が可変の多数の微小なミラー要素16の反射面に所定の小さい入射角で斜めに入射する。照明光ILは、ビームエキスパンダ11によってほぼ平行光束となって、ミラー要素16のアレイ上の例えばY方向に細長い長方形の照射領域に入射する。空間光変調器14(以下、SLM14という。)は、多数のミラー要素16のアレイと、各ミラー要素16を支持して駆動する駆動基板部15とを有する。以下では、ミラー要素16の2軸の回りの傾斜角(いわゆる、チルト角)を単にミラー要素16の角度とも称する。各ミラー要素16の角度はSLM制御系17によって制御される。
SLM14の全部のミラー要素16の反射面は、ミラー要素16の傾斜角が0の状態(又は電源オフの状態)で、ZY面に対して小さい角度で傾斜した平面(以下、配置面ともいう。)に設置されている。
図2(A)は、SLM14の一部を示す拡大斜視図である。図2(A)において、SLM14の駆動基板部15の表面には、ほぼY方向及びZ方向に一定ピッチで近接して配列された多数のミラー要素16のアレイが支持されている。
図2(B)に示すように、ミラー要素16の駆動機構は、一例としてミラー要素16を支柱41を介して支持する4つのヒンジ部材43と、支持基板44と、支持基板44上にヒンジ部材43を支持する4つの絶縁性の支柱部材42と、支持基板44上に形成された4つの電極45A,45B,45C,45Dとを備えている。ミラー要素16の個数は例えば数千〜数10万である。この構成例では、ミラー要素16はアルミニウム等の金属から形成され、全部のミラー要素16は共通の信号ライン(不図示)を介して接地されている。また、ミラー要素16の4つの電極45A〜45Dには個別の信号ライン(不図示)を介してSLM制御系17によって、所定範囲内で連続的に可変の電圧である駆動電圧が印加される。
各ミラー要素16に対向する電極45A〜45Dの駆動電圧を個別に制御して、各ミラー要素16とこれに対向する電極45A〜45Dとの間の電位差を制御することで、4つのヒンジ部材43を介して可撓的に支持される支柱41を揺動及び傾斜させることができる。これによって、支柱41に固設された各ミラー要素16の反射面の直交する2軸の回りの傾斜角を所定の可変範囲内で連続的に制御することができる。
駆動基板部15に設けられたミラー要素16のアレイ及びこれらの駆動機構は、例えばMEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システム)技術を用いて製造することが可能である。また、ミラー要素16のアレイを有する空間光変調器としては、例えば欧州特許公開第779530号明細書、又は米国特許第6,900,915号明細書等に開示されているものを使用可能である。なお、ミラー要素16はほぼ正方形の平面ミラーであるが、その形状は矩形又は円形等の任意の形状であってもよい。
図1(A)において、SLM14は、照明条件に応じて、多数のミラー要素16を介して後述のマイクロフライアイレンズ25の入射面25Iに所定の光強度分布(光量分布)を形成する。各ミラー要素16の直交する2軸の回りの角度によって、このミラー要素16で反射された光の入射面25Iにおける照射領域の中心のY方向及びZ方向の位置(入射位置)が規定される。各ミラー要素16の角度と、その反射光の入射面25Iにおける入射位置との変換関係は照明制御部36内の記憶部に記憶されている。また、SLM14のミラー要素16の駆動特性(電極45A〜45Dに印加される駆動電圧と、ミラー要素16の直交する2軸の回りの角度との関係)も予め求められており、その駆動特性の情報も照明制御部36内の記憶部に記憶されている。SLM14の個々のミラー要素16からの反射光の入射面25Iにおける入射位置(ひいては、後述の照明瞳面IPPにおける入射位置)が設定されると、照明制御部36では、その入射位置及びその変換関係から、個々のミラー要素16の角度を求めることができ、求められた角度及びその駆動特性から、その個々のミラー要素16の駆動電圧を求めることができる。この駆動電圧の情報がSLM制御系17に供給され、SLM制御系17が各ミラー要素16の駆動電圧を制御することで、各ミラー要素16の角度が目標値に設定される。
SLM14の多数のミラー要素16で反射された照明光ILは、照明光学系ILSの光軸AXIに沿って照明光ILをほぼ平行な光に変換する入射光学系18に入射する。入射光学系18は、入射面25Iに形成される光強度分布と相似な分布を入射面25Iと入射光学系18との間の面に形成する働きをも有する。入射光学系18を通過した照明光ILは、第1レンズ系19a及び第2レンズ系19bよりなるリレー光学系19を介してマイクロフライアイレンズ25の入射面25Iに入射する。マイクロフライアイレンズ25は、多数の微小なレンズエレメントをZ方向及びY方向にほぼ密着するように配置したものであり、マイクロフライアイレンズ25の射出面が照明光学系ILSの瞳面(以下、照明瞳面という)IPPとなる。照明瞳面IPPは、照明光学系ILSの射出瞳が形成される面と光学的に共役である。マイクロフライアイレンズ25の射出面(照明瞳面IPP)には、波面分割によって多数の二次光源(光源像)よりなる面光源が形成される。
マイクロフライアイレンズ25は、多数の光学系を並列に配置したものであるため、入射面25Iにおける大局的な光強度分布がそのまま射出面である照明瞳面IPPに伝達される。言い換えると、入射面25Iに形成される大局的な光強度分布と、二次光源全体の大局的な光強度分布とが高い相関を示す。このため、入射面25Iに形成される照明光ILの任意の光強度分布がほぼそのまま照明瞳面IPPにおける光強度分布となり、入射面25Iは照明瞳面IPPと等価な面である。また、入射光学系18及びリレー光学系19よりなる光学系によって、入射面25Iは、ミラー要素16の配置面に対してほぼ空間的にフーリエ変換の関係にある。
なお、マイクロフライアイレンズ25の代わりにフライアイレンズを使用してもよい。また、マイクロフライアイレンズとして、例えば米国特許第6,913,373号明細書に開示されているシリンドリカル・マイクロフライアイレンズを用いてもよい。
また、フライアイレンズやマイクロフライアイレンズのように射出側レンズ面の前側焦点位置を入射側レンズ面の位置に設定するもの以外に、多数のレンズ面を並列に配置したレンズアレイを適用することもできる。
本実施形態では、一例として、照明瞳面IPP又はこの近傍の面に、円形開口を持つ開口絞り26が設置されている。開口絞り26によって、コヒーレンスファクタ(いわゆるσ値)が1の円周部が規定されている。なお、SLM14のミラー要素16のアレイからの反射光によって、σ値が1の円周部を規定する場合には、開口絞り26は省略できる。
さらに、第1レンズ系19aと第2レンズ系19bとの間に、光軸AXIに対してほぼ45度で交差するように、互いに透過率が異なる複数のビームスプリッター部を持つビームスプリッター(以下、可変ビームスプリッターという。)21が設置されている。また、可変ビームスプリッター21を、そのビームスプリッター面に沿った移動方向DRに沿って移動する駆動部DRVが設けられている。可変ビームスプリッター21を透過した照明光IL1は、第2レンズ系19bを介してマイクロフライアイレンズ25に入射する。可変ビームスプリッター21及び駆動部DRVから、照明瞳面IPPにおける照明光ILの照度を複数段階に亘って大まかに切り換える照度調節系20が構成され、駆動部DRVは照明制御部36によって制御される。
可変ビームスプリッター21のビームスプリッター面が設置されている面の中心(光軸AXI上の位置)は、一例として、SLM14のミラー要素16のアレイの配置面とほぼ共役である。また、図2(B)に示すように、可変ビームスプリッター21上での照明光ILの照射領域ILAは、移動方向DRに直交する方向に細長いほぼ長方形の領域である。そして、可変ビームスプリッター21は、移動方向DRに沿ってそれぞれ照射領域ILAよりもわずかに大きい複数(図1(B)では5個)のビームスプリッター部21a,21b,21c,21d,21eに区分され、ビームスプリッター部21a,21b,21c,21d,21eの照明光ILに対する透過率と反射率との比は、一例としてそれぞれ9:1、7:3、5:5、3:7、及び1:9に設定されている。このため、照明制御部36の制御のもとで駆動部DRVが可変ビームスプリッター21を移動方向DRに沿って移動して、ビームスプリッター部21a〜21eを照射領域ILAに順次設定することによって、可変ビームスプリッター21における照明光ILの透過率IT及び反射率IRを、それぞれ図1(C)に示す実線の折れ線A1及び点線の折れ線A2に従って複数段階で調節できる。なお、可変ビームスプリッター21のビームスプリッター面が設置されている面の中心(光軸AXI上の位置)を、SLM14のミラー要素16のアレイの配置面に対するフーリエ変換面、照明瞳面IPPと光学的に共役な面、照明瞳面IPPと等価な面、または照明瞳面IPPと等価な面と光学的に共役な面にしてもよい。ここで、可変ビームスプリッター21のビームスプリッター面が設置されている面は、SLM14のミラー要素16のアレイの配置面とマイクロフライアイレンズ25との間であれば良い。
本実施形態では、一例として、光源10からビームエキスパンダ11、偏光光学系12、及びミラー13を介してSLM14のミラー要素16のアレイに供給される照明光ILの照度(単位面積当たりの単位時間当たりに入射するパルスエネルギー)はほぼ一定であり、その照度のばらつきは平均値(設定値)に対して数%程度以下である。そして、入射面25I、ひいては照明瞳面IPPにおける照明光ILの照度の調節は、SLM14と照明瞳面IPPとの間にある可変ビームスプリッター21の移動方向DRにおける位置を制御して、可変ビームスプリッター21を透過する照明光ILの透過率を制御することによって行われる。なお、図1(B)の可変ビームスプリッター21を用いる場合には、照明光ILの透過率は5段階で制御可能であるが、制御可能な透過率の数(ビームスプリッター部21a〜21eの数)は任意の複数の数でよい。
また、可変ビームスプリッター21で反射(分岐)された照明光IL2は、集光レンズ22を介してCCD又はCMOS型の2次元の撮像素子23の受光面に入射する。撮像素子23の受光面が配置されている検出面HPは、集光レンズ22によって、マイクロフライアイレンズ25の入射面25Iと光学的に共役に設定されている。言い換えると、検出面HPは照明瞳面IPPと等価な面でもある。可変ビームスプリッター21、集光レンズ22、及び撮像素子23を含んで瞳モニタ系24が構成されている。
撮像素子23の撮像信号を処理回路(不図示)で処理することによって、入射面25Iの光強度分布、ひいては照明瞳面IPPにおける光強度分布を計測できる。計測結果は照明制御部36に供給される。なお、照明制御部36は、主制御系35を含むコンピュータのソフトウェア上の機能であってもよい。
また、照明瞳面IPPに形成された面光源からの照明光(これも照明光ILとする)は、第1リレーレンズ28、レチクルブラインド(視野絞り)29、第2リレーレンズ30、光路折り曲げ用のミラー31、及びコンデンサー光学系32を介して、レチクル面Raの照明領域を均一な照度分布で照明する。レチクルブラインド29は、固定ブラインド及び走査露光時に開閉する可動ブラインドを有する。ビームエキスパンダ11からSLM14までの光学部材、入射光学系18、リレー光学系19、及びマイクロフライアイレンズ25からコンデンサー光学系32までの光学系を含んで照明光学系ILSが構成されている。照明光学系ILSは、マイクロフライアイレンズ25(フライアイ光学系)と、コンデンサー光学系32とから構成されるインテグレータ光学系を備えている。照明光学系ILSの各光学部材は、不図示のフレームに支持されている。
照明光学系ILSからの照明光ILのもとで、レチクルRの照明領域内のパターンは、両側(又はウエハ側に片側)テレセントリックの投影光学系PLを介して、ウエハWの一つのショット領域の露光領域に所定の投影倍率(例えば1/4、1/5等)で投影される。投影光学系PLの瞳面(以下、投影瞳面という)PLP又はその近傍には開口絞りASが設置されている。投影瞳面PLPは、投影光学系PLの射出瞳が形成される面と光学的に共役であり、投影瞳面PLPは、照明瞳面IPPと光学的に共役でもある。ウエハW(基板)は、リシコン等の基材の表面にフォトレジスト(感光材料)を所定の厚さで塗布したものを含む。
また、レチクルRはレチクルステージRSTの上面に吸着保持され、レチクルステージRSTは、不図示のレチクルベースの上面(XY平面に平行な面)に、Y方向に一定速度で移動可能に、かつ少なくともX方向、Y方向、及びθz方向に移動可能に載置されている。レチクルステージRSTの2次元的な位置は不図示のレーザ干渉計によって計測され、この計測情報に基づいて主制御系35が、リニアモータ等を含む駆動系37を介してレチクルステージRSTの位置及び速度を制御する。
一方、ウエハWはウエハホルダ(不図示)を介してウエハステージWSTの上面に吸着保持され、ウエハステージWSTは、不図示のウエハベースの上面(XY平面に平行な面)でX方向、Y方向、及びθz方向に移動可能であるとともに、Y方向に一定速度で移動可能である。ウエハステージWSTの2次元的な位置は不図示のレーザ干渉計及び/又は回折格子を用いるエンコーダ装置によって計測され、この計測情報に基づいて、主制御系35がリニアモータ等を含む駆動系38を介してウエハステージWSTの位置及び速度を制御する。なお、レチクルR及びウエハWのアライメントを行うためのアライメント系(不図示)も備えられている。
また、本実施形態では、ウエハステージWSTに、投影瞳面PLPの光強度分布をモニタするための開口計測系39が設けられている。開口計測系39の構成は、瞳モニタ系24の集光レンズ22及び撮像素子23と同様である。レチクルステージRSTにレチクルRが載置されていない状態で、開口計測系39を投影光学系PLの露光領域に移動して、照明光学系ILSから照明光ILを照射することで、開口計測系39によって投影瞳面PLPの光強度分布、ひいては照明瞳面IPPの光強度分布を計測できる。計測結果は照明制御部36に供給される。なお、ウエハステージWSTに固定される開口計測系39の代わりに、ウエハステージWST又はレチクルステージRSTに設けられる着脱式の開口計測系を使用することも可能である。
露光装置EXの露光時の基本的な動作として、ウエハステージWSTを駆動してウエハWの露光対象のショット領域を露光領域の手前に移動(ステップ移動)する。そして、光源10の発光を開始して、照明光学系ILSからの照明光ILでレチクルRを照明し、レチクルRのパターンの投影光学系PLによる像でウエハWを露光しつつ、レチクルステージRST及びウエハステージWSTを介してレチクルR及びウエハWを投影倍率を速度比としてY方向に同期して移動することで、ウエハWの一つのショット領域にレチクルRのパターンの像が走査露光される。このようにウエハWのステップ移動と走査露光とを繰り返すステップ・アンド・スキャン動作によって、ウエハWの全部のショット領域にレチクルRのパターンの像が露光される。なお、レチクルR及びウエハWの走査方向を図1(A)におけるX方向とすることもできる。
次に、本実施形態の露光装置EXを用いる照明方法を含む露光方法の一例につき、図3のフローチャートを参照して説明する。この動作は主制御系35によって制御される。まず、図3のステップ102において、レチクルステージRSTにレチクルRがロードされる。そして、主制御系35は、内部の記憶装置の露光データファイルからレチクルRのパターン及び露光対象のウエハWのフォトレジストの感度に応じて定められている照明条件(ここでは照明瞳面IPPにおける照明光ILの光強度分布、偏光状態、及び照度を含む)を読み出し、読み出した照明条件を照明制御部36に入力する(ステップ104)。照明制御部36は、入力された偏光状態に応じて偏光光学系12の波長板の回転角の調整等を行う。
さらに、照明制御部36は、その入力された照明瞳面IPPにおける照度の目標値、光源10から出力されてSLM14のミラー要素16のアレイに入射する照明光ILの既知の照度、及びミラー要素16のアレイから照明瞳面IPPまでの光学系(可変ビームスプリッター21を除く部分の光学系)の既知の透過率を用いて、可変ビームスプリッター21における透過率の目標値を計算する。そして、照度調節系20の可変ビームスプリッター21のビームスプリッター部21a〜21eのうちで、その計算された透過率の目標値に最も近い透過率を持つビームスプリッター部が照明光ILの照射領域ILAに設定されるように、駆動部DRVを介して可変ビームスプリッター21の移動方向DRの位置を調節する(ステップ106)。可変ビームスプリッター21は、例えば点線で示す位置A3に移動される。なお、照度調節系20による照度の調節は、可変ビームスプリッター21の透過率を複数段階のうちのいずれかに設定する大まかな調節であり、最終的に高精度に設定する必要があるのは走査露光後のウエハWの各ショット領域における露光量(照度と露光時間との積)である。このため、照明瞳面IPPにおける照度が目標値からある程度ずれていても、例えばレチクルR及びウエハWの走査速度の調整によって、その露光量を目標範囲内に制御可能である。
また、照明制御部36は、その入力された照明瞳面IPPの光強度分布が設定されるように、SLM14の各ミラー要素16からの反射光の照明瞳面IPPにおける入射位置を求める。さらに、照明制御部36は、各ミラー要素16からの反射光の入射位置、上述のミラー要素16の角度と入射位置との既知の変換関係、及びミラー要素16の既知の駆動特性(駆動電圧と角度との関係)に基づいて、各ミラー要素16の駆動電圧を求め、求めた駆動電圧をSLM制御系17に設定する。これによって、目標とする光強度分布が設定されるように、SLM14の各ミラー要素16の角度が個別に設定される(ステップ108)。ここでは、一例として、照明条件は輪帯照明であり、照明瞳面IPPに設定すべき照明光ILの光強度分布は、図4(A)の光軸を中心とする輪帯状の領域51で強度が大きくなる分布であるとする。この後、レチクルRのアライメントが行われる。
そして、ウエハステージWSTにフォトレジストが塗布された未露光のウエハWをロードしてアライメントを行い(ステップ110)、光源10による照明光ILの発光を開始させる(ステップ112)。これによって、照明光ILがSLM14の複数のミラー要素16に入射し、入射した照明光ILがそれらのミラー要素16によって反射され(ステップ114)、反射された照明光ILの照度が照度調節系20の可変ビームスプリッター21によって、そのビームスプリッター面に沿って一律に調節され(ステップ116)、照度が調節された照明光ILが照明瞳面IPPを照明する(ステップ118)。そして、照明瞳面IPPからの照明光ILのもとで、レチクルR及び投影光学系PLを介してウエハWが走査露光され(ステップ120)、光源10の発光が停止され、ウエハWがアンロードされる(ステップ122)。その後のステップ124において、露光対象のウエハがある場合には、ステップ110〜122の照明及び露光の動作が繰り返される。
また、別のレチクルのパターンを露光するときに、照明瞳面IPPにおける照度の目標値が変更されたときには、その照度の目標値により近い照度が照明瞳面IPPに設定されるように、照度調節系20の可変ビームスプリッター21の位置が調節される。この照明方法及び露光方法によれば、光源10からSLM14のミラー要素16のアレイに入射する照明光ILの照度はほぼ一定であり、照明瞳面IPPにおける照度の目標値が変更されたときには、SLM14と照明瞳面IPPとの間にある可変ビームスプリッター21の移動方向DRの位置を調節するだけでよい。従って、照明瞳面IPPにおける照度の調節を容易に行うことができる。また、常に目標とする照明条件でレチクルRを照明でき、レチクルRのパターンの像を高精度にウエハWに露光できる。
さらに、このような露光を継続していくと、例えば照明光ILの照射エネルギーによるSLM14のミラー要素16の駆動機構(例えば図2(B)の4つのヒンジ部材43)の温度上昇等によって、SLM14のミラー要素16の駆動特性(駆動電圧と角度との関係)が変動する。一例として、駆動機構の温度上昇によって、同じ駆動電圧でもミラー要素16の角度が大きく変化するようになるため、露光中にミラー要素16の駆動電圧を固定しておくと、照明瞳面IPPにおける光強度分布は次第に広がって、図4(A)の点線の輪帯状の領域52Aで強度が大きくなるような分布に変化する。このままでは、照明条件が変化して、投影光学系PLの解像度の低下等が生じる恐れがある。
そこで、一例として、ウエハWの露光を行う前に、SLM14の各ミラー要素16の角度を照明瞳面IPPで目標とする光強度分布が得られるように設定し、光源10の発光を開始させて、瞳モニタ系24で照明瞳面IPPにおける照明光ILの光強度分布を所定のサンプリングレートでモニタする。そして、照明制御部36では、瞳モニタ系23を介して計測された複数の光強度分布に基づいて、光源10の発光開始後の照明光ILの積算照射エネルギー(又は露光時間若しくは発光時間)に応じて、照明瞳面IPPにおける光強度分布を目標とする分布に維持しておくための、ミラー要素16の補正後の駆動特性を求める。この補正後の駆動特性は、一例として、積算照射エネルギーが例えばEi(i=1,2,…)に達したとき、又は露光時間が例えばTiに達したときの駆動特性をテーブルとしたものである。このテーブルを作成するための光強度分布のモニタに際しては、瞳モニタ系24の代わりに開口計測系39等を使用することも可能である。
また、駆動特性変動のタイミングのモニタ用に積算照射エネルギーを使用する場合には、例えば図1(A)の入射光学系18とリレー光学系19との間に設けたビームスプリッター(不図示)で分岐された光の強度をモニタする光電センサよりなるインテグレータセンサ(不図示)を設け、このインテグレータセンサの出力を積算すればよい。一方、そのモニタ用に露光時間(又は発光時間)を使用する場合には、例えば主制御系35から光源10に出力される発光トリガーパルス(不図示)をモニタしてもよい。
この後、ステップ120のウエハの露光中に、積算照射エネルギーがEiに達するか、又は露光時間がTiに達したときに、照明制御部36では、そのテーブルからi番目の補正後の駆動特性を読み出し、この補正後の駆動特性に基づいてSLM14の各ミラー要素16の駆動電圧を算出し、算出結果をSLM制御系17に設定する。これによって、照明光ILの照射エネルギーでミラー要素16の駆動特性が変動しても、照明瞳面IPPの光強度分布を目標とする範囲内に維持できる。
この駆動特性の補正に関して、本実施形態では、照明瞳面IPPにおける照度の大まかな調節を、SLM14と照明瞳面IPPとの間にある照度調節系20を用いて行っている。そして、SLM14のミラー要素16に入射する照明光ILの照度はほぼ一定であるため、その補正後の駆動特性のテーブルの作成は、1回行うだけでよいため、露光装置EXの稼働効率を高く維持できる。
これに対して、照明瞳面IPPにおける照度の大まかな調節を、光源10とSLM14との間にある(SLM14の上流にある)例えばターレット方式で交換可能に配置された複数の互いに透過率(減光率)が異なるND(Neutral Density)フィルタ等を用いて行うことも可能である。しかしながら、この場合(以下、比較例という。)には、照明瞳面IPPにおける照度の目標値が切り換えられると、光源10から射出されて、SLM14のミラー要素16に入射する照明光ILの照度が大きく変化する。例えば、その照度がほぼ最小値に設定された場合には、SLM14のミラー要素16の駆動機構の温度上昇の割合が小さくなり、SLM14のミラー要素16の駆動特性の変動量も小さくなる。このため、輪帯照明であれば、変動後の照明瞳面IPPの光強度分布は、図4(B)の点線の輪帯状の領域52Bで示すように、元の領域51に近い分布となる。このため、照明瞳面IPPにおける光強度分布を例えば5段階に亘って切り換えるとき、比較例においては、その5段階の照度に関してそれぞれミラー要素16の補正後の駆動特性のテーブルを求めておく必要がある。さらに、各段階の照度に関して光強度分布の変動状態を計測する場合には、その間に、ミラー要素16の温度が十分に下がるまでの冷却期間を設ける必要がある。この結果、その補正後の駆動特性のテーブルを求めるための時間(SLM14の調整時間又はキャリブレーション時間)が例えば5倍以上に長くなり、露光装置EXの稼働効率が低下することになる。
上述のように、本実施形態の露光装置EXは、光源10からの照明光ILで照明瞳面IPP(被照射面)を照明する照明装置8を備えている。そして、照明装置8は、二次元の配置面に配列された複数のミラー要素16(反射光学要素)を有し、光源10からの照明光ILを複数のミラー要素16を介して照明瞳面IPPに導くSLM(空間光変調器)14と、複数のミラー要素16を介した照明光ILの強度又は照度を、この照明光ILの光路を横切る面(可変ビームスプリッター21のビームスプリッター面)内において一律な透過率で調節する照度調節系20(光強度調節部)と、を備えている。
また、照明装置8を用いる照明方法は、光源10からの照明光ILで照明瞳面IPPを照明する照明方法において、SLM14の複数のミラー要素16に光源10からの照明光ILを照射するステップ112と、複数のミラー要素16を介した照明光ILの強度又は照度を、この照明光ILの光路を横切る面内において一律に調節するステップ116と、その強度又は照度が調節された照明光ILを照明瞳面IPPに導くステップ118と、を含んでいる。
本実施形態によれば、照明瞳面IPPにおける照明光ILの照度を調整する場合には、SLM14の複数のミラー要素16を介した後の照明光ILの強度が一律に調整される。このため、複数のミラー要素16に入射する照明光ILの照度は変化させる必要がなく、SLM14のミラー要素16の使用条件(ここでは使用時間中に入射する照明光ILの照度)を一定にできる。従って、光源10からSLM14のミラー要素16に入射する照明光ILの照射エネルギーに起因するミラー要素16の駆動特性(駆動電圧と角度との関係)の変動の状態を求めておく場合には、光源10から入射する照明光ILに関して1回だけその変動の状態を求めておくだけでよいため、SLM14の調整時間等が短縮され、露光装置EXの稼働効率を向上できる。
また、本実施形態では、照度調節系20の可変ビームスプリッター21は、SLM14からの照明光ILを照明瞳面IPP及び瞳モニタ系24の受光面(検出面HP)に分岐するための光学部材を兼用している。このため、照明光学系ILSの光軸方向の長さを短く設定でき、照明光学系ILSを小型化できる。
また、本実施形態の露光装置EXは、露光用の光源10からの照明光ILでレチクルRのパターンを照明し、照明光ILでそのパターン及び投影光学系PLを介してウエハW(基板)を露光する露光装置において、本実施形態の照明装置8を用いて光源10からの照明光ILでそのパターンを照明している。従って、露光装置EX又は露光装置EXを用いる露光方法によれば、露光装置EXの稼働効率を高く維持した状態で、常にレチクルRを目標とする照明条件で照明でき、レチクルRのパターンの像を高精度にウエハWに露光できる。
なお、上記の実施形態では以下のような変形が可能である。
まず、照度調節系20の代わりに、透過率(ひいては反射率)が互いに異なり回転可能なターレット板に固定された複数のビームスプリッター、及びそのターレット板を回転する駆動部よりなる調節系を使用し、照明瞳面IPPの照度を切り換えるときにはそのターレット板を回転してもよい。この調節系では、その複数のビームスプリッターは、光軸AXIに対して例えば45度で傾斜した面に沿って配置される。
また、照明装置8が例えば瞳モニタ系24を備えていない場合には、照度調節系20の代わりに、回転可能なターレット板に固定された互いに透過率又は減光率(照明光ILの吸収率)が異なる複数のNDフィルタ、及びそのターレット板を回転する駆動部よりなる調節系を使用してもよい。この場合の調節系の複数のNDフィルタの設置面は、例えば図1(A)のSLM14の複数のミラー要素16とマイクロフライアイレンズ25との間の照明光ILの光路上の任意の位置(例えば入射光学系18と第1レンズ系19aとの間)に設置できる。そして、照明瞳面IPPにおける照度を切り換えるときにはそのターレット板を回転すればよい。
また、上記の実施形態では、SLM14とは別の照度調節系20を用いて照明瞳面IPPにおける照度を調節している。これに対して、図5(A)の変形例で示すように、SLM14を照明瞳面IPPにおける照度を調節するための機構の一部として使用してもよい。なお、図5(A)及び(B)において、図1(A)に対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図5(A)は、この変形例の露光装置の照明光学系ILSAを備える照明装置8Aを示し、図5(B)は、照明装置8Aの要部を示す。図5(A)において、入射光学系18とリレー光学系19の第1レンズ系19aとの間の配置面APに、照明光学系ILSAの光軸AXIを中心とする円形の開口を有する絞り部材33が配置され、第1レンズ系19aと第2レンズ系19bとの間に、SLM14の複数のミラー要素16で反射された照明光ILを照明瞳面IPP及び瞳モニタ系24の検出面HPに分岐するための、透過率が大きく反射率の小さいビームスプリッター21Aが配置されている。一例として、絞り部材33の配置面APは、マイクロフライアイレンズ25の入射面25Iと光学的に共役であり、絞り部材33の開口の大きさは、入射面25Iにおけるσ値が1の円周と共役な円周よりも大きく設定されている。SLM14及び絞り部材33から光強度調節部が構成されている。この他の構成は上記の実施形態と同様である。
この変形例の照明装置8Aにおいても、光源10からSLM14の複数のミラー要素16に入射する照明光ILの照度はほぼ一定である。そして、照明瞳面IPPにおける照明光ILの照度を調節するために、照明制御部36は、SLM14の複数のミラー要素16のうちの一部のミラー要素16の傾斜角を大きく設定し、この一部のミラー要素16からの反射光(図5(A)では反射光IL3,IL4)を入射光学系18を介して絞り部材33に照射する。そして、複数のミラー要素16のうちで、その反射光が絞り部材33に照射されるミラー要素16の割合を制御することで、照明瞳面IPPにおける照明光ILの照度を調節する。例えば図5(B)のように、ミラー要素16のうちのより多くのミラー要素16からの反射光IL3〜IL6を絞り部材33に照射することで、照明瞳面IPPにおける照度を低下させることができる。
この変形例によれば、SLM14と照明瞳面IPPとの間に絞り部材33を配置して、SLM14のミラー要素16の一部のミラー要素16からの反射光を絞り部材33に照射するのみで、照明瞳面IPPにおける照度を例えば一律に調節できる。従って、簡単な構成で、複数のミラー要素16に入射する照明光ILの照度は変化させる必要がなく、SLM14のミラー要素16の使用条件(ここでは使用時間中に入射する照明光ILの照度)を一定にできる。
なお、この変形例において、絞り部材33は、SLM14の複数のミラー要素16と照明瞳面IPPとの間に任意の位置に配置可能であり、絞り部材33を例えばビームスプリッター21Aの前後に配置することも可能である。また、絞り部材33を複数のミラー要素16と入射光学系18との間に配置することも可能である。さらに、開口絞り26で絞り部材33を兼用することも可能である。
また、上記の実施形態では、輪帯照明が使用されているが、照明条件として、照明瞳面IPPにおいて、円形領域、4極の領域、又は2極の領域等で光強度が大きくなる光強度分布を使用する任意の照明条件を使用する場合にも、上記の実施形態の照明方法が適用できる。
なお、上記の実施形態では、入射面25I又は照明瞳面IPPにおける光強度分布(光量分布)を設定するために複数のミラー要素16の直交する2軸の回りの傾斜角を制御可能なSLM14が使用されている。しかしながら、SLM14の代わりに、それぞれ反射面の法線方向の位置が制御可能な複数のミラー要素のアレイを有する空間光変調器を使用する場合にも、上記の実施形態の照明方法が適用可能である。このような空間光変調器としては、たとえば米国特許第5,312,513号明細書、並びに米国特許第6,885,493号明細書の図1dに開示される空間光変調器を用いることができる。これらの空間光変調器では、二次元的な高さ分布を形成することで回折面と同様の作用を入射光に与えることができる。なお、上述した二次元的に配列された複数の反射面を持つ空間光変調器を、たとえば米国特許第6,891,655号明細書や、米国特許公開第2005/0095749号明細書の開示に従って変形しても良い。さらに、SLM14の代わりに、例えばそれぞれ入射する光の状態(反射角、屈折角、透過率等)を制御可能な複数の光学要素を備える任意の光変調器を使用する場合にも、本発明が適用可能である。
また、上記の実施形態ではオプティカルインテグレータとして図1(A)の波面分割型のインテグレータであるマイクロフライアイレンズ25等が使用されている。しかしながら、オプティカルインテグレータとしては、内面反射型のオプティカルインテグレータとしてのロッド型インテグレータを用いることもできる。
また、上記の実施形態の照明装置8,8A及び照明方法は例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞をウエハW上に形成することによって、ウエハW上にライン・アンド・スペースパターンを形成する露光装置(リソグラフィシステム)にも適用することができる。
また、上述の実施形態では、露光装置においてマスク(又はウェハ)を照明する照明光学系に対して本発明を適用しているが、これに限定されることなく、マスク(又はウェハ)以外の被照明物体を照明する一般的な照明光学系に対して本発明を適用することもできる。
また、上記の実施形態の露光装置EX又は露光方法を用いて半導体デバイス等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造する場合、この電子デバイスは、図6に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造するステップ223、前述した実施形態の露光装置又は露光方法によりマスクのパターンを基板に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
言い換えると、上記のデバイスの製造方法は、上記の実施形態の露光装置又は露光方法を用いて、マスクのパターンを介して基板(ウエハW)を露光する工程と、その露光された基板を処理する工程(即ち、基板のレジストを現像し、そのマスクのパターンに対応するマスク層をその基板の表面に形成する現像工程、及びそのマスク層を介してその基板の表面を加工(加熱及びエッチング等)する加工工程)と、を含んでいる。
このデバイス製造方法によれば、露光装置EXの稼働効率を高く維持して、レチクルのパターンの像を常に高精度にウエハに露光できるため、電子デバイスを高いスループット(生産性)で高精度に製造できる。
なお、本発明は、例えば米国特許出願公開第2007/242247号明細書、又は欧州特許出願公開第1420298号明細書等に開示されている液浸型露光装置にも適用できる。さらに、本発明は、コンデンサー光学系を使用しない照明光学装置にも適用可能である。さらに、本発明は、投影光学系を用いないプロキシミティ方式等の露光装置にも適用することができる。
また、本発明は、半導体デバイスの製造プロセスへの適用に限定されることなく、例えば、液晶表示素子、プラズマディスプレイ等の製造プロセスや、撮像素子(CMOS型、CCD等)、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システム)、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイス(電子デバイス)の製造プロセスにも広く適用できる。
このように本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
EX…露光装置、ILS…照明光学系、R…レチクル、PL…投影光学系、W…ウエハ、IPP…照明瞳面、8…照明装置、10…光源、14…空間光変調器(SLM)、16…ミラー要素、17…SLM制御系、20…照度調節系、24…瞳モニタ系、25…マイクロフライアイレンズ、35…主制御系、36…照明制御部

Claims (21)

  1. 光源からの光で被照射面を照明する照明装置において、
    二次元面に配列された複数の反射光学要素を有し、前記光源からの光を前記複数の反射光学要素を介して前記被照射面に導く空間光変調器と、
    前記複数の反射光学要素を介した光の強度を調節する光強度調節部と、
    を備えることを特徴とする照明装置。
  2. 前記光強度調節部は、
    前記空間光変調器に入射する光の強度に対して、前記被照射面に入射する光の強度を調節することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記光強度調節部は、
    前記被照射面に導かれる光の強度と、前記被照射面とは異なる面に導かれる光の強度との割合を調節することを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
  4. 前記光強度調節部は、
    前記複数の反射光学要素からの光の光路を横切る移動方向に移動可能に配置されて、前記被照射面に導かれる光の強度と、前記被照射面とは異なる面に導かれる光の強度との割合が互いに異なる複数の光分岐面を有する光分岐部材と、
    前記光分岐部材を前記移動方向に移動させる駆動部と、
    を有することを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
  5. 前記被照射面とは異なる面に導く光を検出する検出装置をさらに備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の照明装置。
  6. 前記光源から前記複数の反射光学要素に入射する光の強度がほぼ一定であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の照明装置。
  7. 前記光源から前記複数の反射光学要素に入射する光の積算強度に関する情報を計測する計測部と、
    前記計測部の計測結果に応じて前記複数の反射光学要素の駆動量を補正する制御部と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の照明装置。
  8. 前記光源からの光を波面分割し、前記波面分割された光を重ね合わせて照射するインテグレータ光学系を備え、
    前記光強度調節部は、前記空間光変調器と前記インテグレータ光学系との間に設けられることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明装置。
  9. 前記光強度調節部は、前記複数の反射光学要素を介した光の強度を、該光の光路を横切る面内において一律に調節することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の照明装置。
  10. 露光光源からの光でパターンを照明し、前記露光光源からの光で前記パターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、
    請求項1乃至9のいずれか一項に記載の照明装置を備え、
    前記照明装置を用いて前記露光光源からの光で前記パターンを照明することを特徴とする露光装置。
  11. 光源からの光で被照射面を照明する照明方法において、
    二次元面に配列された複数の反射光学要素を有する空間光変調器の前記複数の反射光学要素に前記光源からの光を照射することと、
    前記複数の反射光学要素を介した光の強度を調節することと、
    前記強度が調節された光を前記被照射面に導くことと、
    を含むことを特徴とする照明方法。
  12. 前記光の強度を調節することは、
    前記空間光変調器に入射する光の強度に対して、前記被照射面に入射する光の強度を調節することを含むことを特徴とする請求項11に記載の照明方法。
  13. 前記光の強度を調節することは、
    前記被照射面に導かれる光の強度と、前記被照射面とは異なる面に導かれる光の強度との割合を調節することを含むことを特徴とする請求項11又は12に記載の照明方法。
  14. 前記光の強度を調節することは、
    前記複数の反射光学要素を介した光を、前記被照射面に導かれる光と前記被照射面とは異なる面に導かれる光とに可変の割合で分岐させることを含むことを特徴とする請求項13に記載の照明方法。
  15. 前記光の強度を調節することは、
    前記被照射面とは異なる面に導かれる光を受光することを含むことを特徴とする請求項13又は14に記載の照明方法。
  16. 前記光源から前記複数の反射光学要素に入射する光の積算強度に関する情報を計測することと、
    前記計測された積算強度に関する情報に応じて、前記複数の反射光学要素の駆動量を補正することと、をさらに含むことを特徴とする請求項11乃至15のいずれか一項に記載の照明方法。
  17. 前記強度が調節された光を波面分割し、前記波面分割された光を重ね合わせて照射することを含むことを特徴とする請求項11乃至16のいずれか一項に記載の照明方法。
  18. 前記光の強度を調節することは、
    前記複数の反射光学要素を介した光の強度を、該光の光路を横切る面内において一律に調節することを特徴とする請求項11乃至17のいずれか一項に記載の照明方法。
  19. 露光光源からの光でパターンを照明し、前記露光光源からの光で前記パターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光方法において、
    請求項11乃至18のいずれか一項に記載の照明方法を用いて前記露光光源からの光で前記パターンを照明することを特徴とする露光方法。
  20. 請求項10に記載の露光装置を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、
    前記パターンが形成された前記基板を処理することと、
    を含むデバイス製造方法。
  21. 請求項19に記載の露光方法を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、
    前記パターンが形成された前記基板を処理することと、
    を含むデバイス製造方法。
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