以下で説明する各実施形態では、一例として、本発明の情報表示装置をデジタルテレビに適用した場合について説明する。しかし、これに限らず、本発明の情報表示装置は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、スマートフォン、電子黒板など、あらゆるサイズの情報表示装置に適用することが可能である。
なお、以下の図面において同一または相当する部分には、同一の参照符号を付すものとし、それらの説明は重複して行なわない。また、図面における長さ、大きさおよび幅などの寸法関係ならびに形状は、図面の明瞭化と簡略化のために適宜に変更されており、実際の寸法および形状を表してはいない。
≪実施形態1≫
本発明の一実施形態について、図1〜図6に基づいて説明すると以下の通りである。
〔デジタルテレビの構成〕
図1は、デジタルテレビ1の構成を示すブロック図である。図1には、デジタルテレビ1が備える一般的なハードウェア構成、および、デジタルテレビ1が本発明の情報表示装置として機能するための要部構成が示される。なお、デジタルテレビ1のハードウェア構成について、本実施形態に直接関係のない部分(例えば、外部機器と通信する部分など)は、記載の簡潔性を担保する観点から、構成の説明およびブロック図から省略した。ただし、実施の実情に即して、デジタルテレビ1は当該省略した構成を含んでもよい。
図1に示すとおり、本実施形態では、デジタルテレビ1は、デジタル放送を選局するためのチューナとして2つのチューナを持つ、いわゆるダブルチューナのデジタルテレビである。このような形態には限定されないが、デジタルテレビ1は、選局された映像の切替遅延を抑えるために、複数のチューナを有するものであることが好ましい。なお、あるチューナが、現在選局しているデジタル放送とは別のデジタル放送を選局して映像を切り替える際には、デジタル信号処理に時間がかかる場合がある。チューナによる切り替えの所要時間(切替遅延)は、例えば、1秒程度である。
デジタルテレビ1は、制御部10と、記憶部11と、入出力処理部群と、映像処理部群とを備えている。入出力処理部群には、第1表示部12、第1操作部13、第2表示部14、第2操作部15、および音声出力部16が含まれる。映像処理部群には、第1チューナ部17、第2チューナ部18、各チューナ部のためのデコーダ19およびデコーダ20、切替回路21、OSD処理回路22、ならびに、各表示部を制御する表示制御部23が含まれる。
第1表示部12および第2表示部14は、液晶パネル、有機ELパネルなどのフラットディスプレイパネルを含み、デジタルテレビ1によって処理される情報、画像などを表示する。第1表示部12と第2表示部14とは、1のディスプレイパネルによって一体となって形成されていてもよく、当該1のディスプレイパネルに割り当てられた第1表示領域が第1表示部12として、第2表示領域が第2表示部14として機能してもよい。あるいは、第1表示部12と第2表示部14とは、別個に設けられていてもよい。
第1操作部13および第2操作部15は、ユーザがデジタルテレビ1を動作させるための指示を入力するためのものである。第1操作部13は、指示体(指またはペンなど)の接触を受け付けるタッチ面と、指示体とタッチ面との間の接触/非接触(接近/非接近)、および、その接触(接近)位置を検知するためのタッチセンサ(圧力センサ、静電容量センサ、光センサなど)とで構成されている。第1操作部13は、タッチ面に対してなされたユーザのタッチ操作をセンシングし、その入力信号をデジタルテレビ1に伝達する。第2操作部15は、例えば、デジタルテレビ1の本体外で遠隔操作するためのリモートコントローラ(リモコン)を含む。この場合、第2操作部15は、さらに、デジタルテレビ1の本体側において、リモコン側の各キー操作による信号(例えば赤外線による信号)を受光する受光手段(図示せず)を有している。
なお、本実施形態では、第1表示部12および第1操作部13は、一体に形成されてタッチパネルを構成するものとするが、このような実施の形態は一例であって、本発明の情報表示装置の構成を限定する意図はない。
音声出力部16は、デジタルテレビ1が処理した音声信号を、音声として出力するものであり、アンプおよびスピーカ等により実現される。
第1チューナ部17および第2チューナ部18は、指定されたチャンネルのデジタル放送信号を選局して受信するものである。デコーダ19およびデコーダ20は、それぞれの、第1チューナ部17および第2チューナ部18から出力された放送信号をデコードするものである。上記放送信号は、例えば、映像信号と、音声信号と、電子番組表などが含まれるデータ信号とに分離される。切替回路21は、デコーダ19およびデコーダ20のそれぞれから信号を受け付けるための2つの入力を持ち、いずれか1つの信号を切り替えて出力するものである。音声信号は、音声出力部16へ、映像信号は、OSD処理回路22へ出力される。OSD処理回路22は、供給された映像信号に、デジタルテレビ1の内部処理で作成されたOSD(On-Screen Display)画像を重畳させる処理を実行するものである。表示制御部23は、OSD処理回路22によって処理された映像信号を受け付けて、第2表示部14に出力するものである。また、表示制御部23は、デジタルテレビ1の内部処理で作成された画像の映像信号を第1表示部12に出力するものである。表示制御部23は、第1表示部12と、第2表示部14とのそれぞれに対して、独立して、液晶表示パネルおよびバックライトなどの駆動制御を行うことができる。なお、第1表示部12と、第2表示部14とが別体である場合には、表示部のそれぞれについて2つの表示制御部が設けられてもよい。
記憶部11は、(1)デジタルテレビ1の制御部10が実行する制御プログラム、(2)制御部10が実行するOSプログラム、(3)制御部10が、本発明の情報表示装置の各種機能を実行するためのアプリケーションプログラム、および、(4)該アプリケーションプログラムを実行するときに読み出す各種データを非一時的に記憶するものである。例えば、記憶部11は、ROM(read only memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)、HDD(Hard Disc Drive)、NVRAM(non-Volatile random access memory)などの記憶装置で実現される。
制御部10は、デジタルテレビ1が備える各部を統括制御するものであり、例えば、CPU(central processing unit)などで実現される。制御部10は、機能ブロックとして、操作受付部30、項目表示位置決定部31、情報取得部32、映像切替制御部33、表示情報切替制御部34、および切替項目決定部35を備えている。制御部10は、必要に応じて、項目表示位置補正部36を備えていてもよい。なお、実施形態1では、項目表示位置補正部36は不要である。上述した制御部10の各機能ブロックは、例えば、CPU(central processing unit)が、上述の記憶装置に記憶されているプログラムを不図示のRAM(random access memory)等に読み出して実行することで実現できる。
操作受付部30は、第1操作部13から出力された入力信号に基づいて、指示体の接触位置、指示体の移動速度、移動方向などを特定する。また、これにより、ユーザが行ったタッチ操作の種別(シングルタップ、ダブルタップ、フリック、ドラッグ、ピンチイン、ピンチアウトなど)を特定する。
項目表示位置決定部31は、第1表示部12に、複数の項目が選択肢として表示されている際に、現在注目されている項目(以下、注目項目と称する)の表示位置と、現在または切り替え中の注目項目を指し示すカーソルの位置との位置関係に応じて、フォーカス(注目)されている項目の表示位置を項目表示位置として決定するものである。本実施形態では、項目は、具体的にはチャンネルである。
したがって、項目表示位置は、チャンネル番号に基づいて決定することができる。
例えば、第1表示部12においてフォーカスされているチャンネルにカーソルが当たっている場合、項目表示位置決定部31は、第1表示部12において現在カーソルが当たっているチャンネルの番号によって項目表示位置を決定することができる。なお、カーソルは、仮想的なものであってもよく、第1表示部12において表示されていなくても構わない。また、第1表示部12における表示では、カーソルに相当するものが所定の位置に固定されていてもよい。カーソルについては、後ほど改めて説明する。
また、チャンネルが切り替えられる途中においては、カーソルが隣り合う2つのチャンネルにまたがって表示される。この場合には、カーソルが当たっている割合に応じて、チャンネル番号と、2つのチャンネルの間を多段階的に定義した数値とを組み合わせて、項目表示位置は表現される。例えば、カーソルが1チャンネルと2チャンネルとの中間に位置している時点では、項目表示位置決定部31は、項目表示位置を1.5チャンネルと決定する。なお、項目表示位置の決定方法の詳細については後述する。また、上述のとおり、項目表示位置はチャンネル番号としては実在しない数値を用いて多段階的に表現され得る。しかしながら、これらは項目表示位置を特定するための情報として用いられるものであり、実際に切り替えるチャンネル番号を指定するための情報として用いることはできない。よって、実際に切り替えるチャンネル番号としては、後述の切替項目決定部35が、ユーザのタッチ操作が完了した後の項目表示位置に基づいて、実在するチャンネル番号に変換したものが用いられる。
情報取得部32は、第1チューナ部17、第2チューナ部18、デコーダ19およびデコーダ20を制御して、指定されたチャンネルを選局して得られる情報を取得するものである。上述のとおり、情報取得部32の制御下で得られる情報には、映像信号、音声信号、データ信号(電子番組表など)が含まれる。
映像切替制御部33は、切替回路21を制御して、第1チューナ部17から得られた映像信号、および、第2チューナ部18から得られた映像信号(または音声信号)のいずれか一方が、適切なタイミングで第2表示部14(または音声出力部16)に出力されるように信号を切り替える。
表示情報切替制御部34は、操作受付部30を介して入力されたユーザの指示にしたがって、第1表示部12に表示されている情報を切り替えるものである。具体的には、表示情報切替制御部34は、操作受付部30が受け付けたタッチ操作の接触位置、移動方向、移動速度などに応じて、第1表示部12に表示されている表示情報(チャンネル番号を表すアイコン、カーソルなどのオブジェクト)を、移動させたり、スクロールさせたりする。これにより、ユーザは、自身のタッチ操作に応じて、チャンネルが切り替わっていることを目で見て確認することができる。本実施形態では、具体例として、第1表示部12においてチャンネルなどの項目を切り替えるので、表示情報切替制御部34は、項目切替制御部、あるいは、チャンネル情報切替制御部として機能する。
切替項目決定部35は、項目表示位置決定部31によって決定された項目表示位置に基づいて、ユーザによって指定されたチャンネル番号を決定するものである。具体的には、ユーザのタッチ操作が完了した時点で決定された項目表示位置を、実在するチャンネル番号に変換する。例えば、実在するチャンネル番号が整数で定義されており、項目表示位置が、チャンネル番号の小数第1位の数字を用いて多段階的に定義されているとする。この場合、切替項目決定部35は、項目表示位置の小数第1位を四捨五入(切り上げ、または、切り下げ)して、上記タッチ操作によって指定されたチャンネル番号を求めることができる。
〔番組情報について〕
図2は、記憶部11に記憶されている番組情報テーブル40の一具体例を示す図である。図2において、番組情報をテーブル形式のデータ構造にて示したことは一例であって、番組情報のデータ構造を、テーブル形式に限定する意図はない。
情報取得部32の制御下で、デコーダ19またはデコーダ20は、第1チューナ部17または第2チューナ部18が選局して受信した放送信号の中から、データ信号を分離する。本実施形態では、一例として、情報取得部32は、得られたデータ信号の中から、現在放送中の各チャンネルの番組について番組情報を抽出して、図2に示す番組情報テーブルを生成する。
図2に示すとおり、番組情報テーブルは、チャンネルに関連付けて、そのチャンネルで現在放送中の番組の番組情報を格納する構造である。この番組情報テーブルを参照することにより、表示情報切替制御部34は、チャンネル番号と併せて当該チャンネルで放送中の番組の番組情報を、第1表示部12に表示させることができる。
なお、記憶部11には、図2の番組情報テーブルに限らず、取得された電子番組表の全ての情報が記憶されていてもよい。
〔漸次切替ユーザインターフェース(UI)について〕
図3の(a)は、デジタルテレビ1における各表示部の領域の割り当て例を示す図である。本実施形態では、デジタルテレビ1は、アスペクト比16:10の液晶表示パネルを有する。該液晶表示パネルは、上部にアスペクト比16:9となる第2表示領域(網点の領域)と、下部にアスペクト比16:1となる第1表示領域(斜線の領域)とを含む。前者は、第2表示部14を構成し、後者は、第1表示部12を構成する。上記の構成によれば、第2表示領域にフルHD(Full High Definition)映像を縮小することなく表示しつつ、同時に、第1表示領域には他のコンテンツ(本実施形態では、第2表示領域の映像に関連付けられた文字情報、チャンネル番号など)を表示させることができる。なお、上述したとおり、本実施形態では、第1表示部12は、第1操作部13とともにタッチパネルとして構成されているので、ユーザは、第1表示領域に表示されたUIをタッチ操作することにより、デジタルテレビ1を操作することができる。
図3の(b)は、複数の項目(チャンネル)を選択肢として第1表示部12に表示するためのUIの一具体例を示す図である。
本実施形態では、一例として、多角柱のオブジェクトの側面を、ユーザの操作に応じて漸次回転させて、複数ある側面のうち、ある1面を第1表示部12に表示させることにより、所望の選択肢の選択、すなわち、当該チャンネルへの切り替えを可能する漸次切替UIが採用される。漸次切替UIは、所定の順序で複数の選択肢(項目)を並べて配置したものであり、少なくとも現在フォーカスされている注目項目が第1表示部12に表示される。より詳細には、漸次切替UIは、ユーザ操作にしたがって、第1表示部12における項目の視覚的状態を、項目から次の項目へと連続的に変化させて注目項目を切り替えることにより、注目項目を選択することを可能にするユーザインターフェースである。具体的には、例えば、漸次切替UIは、ユーザ操作に応じて、注目項目を指すカーソルを複数の項目の上で連続的に(漸次)移動させることによって、注目項目を切り替える。あるいは、固定されたカーソル位置に注目項目が当たるように、複数の項目の配置を連続的に移動させることによって、注目項目を切り替える。あるいは、ユーザ操作によって指定された項目が新たに第1表示部12に表示されるように、切替前の項目を徐々に非表示にし、新たに指定された項目を徐々に表示することによって注目項目を切り替えてもよい。すなわち、項目をフェードアウト/フェードイン、スライドアウト/スライドインさせることなども、視覚的情報を連続的に変化させることに含まれる。
また、視覚的情報の連続的な変化は、厳密に滑らかな連続性をもつものでなくてもよい。つまり、視覚的情報を連続的に変化させることには、視覚的情報を多段階的に変化させることが含まれる。例えば、チャンネルが2チャンネルから3チャンネルに切り替える場合、注目項目の視覚的状態(項目表示位置)を無段階的に滑らかに変化させてもよいし、2、2.25、2.5、2.75、3…と多段階的に変化させてもよい。また、多段階的に注目項目の視覚的状態を変化させる場合、上述の4段階には限られず、項目間において、視覚的状態を任意の段階で変化させることができる。例えば、10段階で注目項目の視覚的状態を変化させてもよい。
ユーザのタッチ操作は、第1表示部12と一体に設けられた第1操作部13に対してなされ、操作受付部30によって受け付けられる。ユーザのタッチ操作に応じて、表示情報切替制御部34が、漸次切替UI(六角柱)の拡大、縮小、回転(チャンネル表示の切り替え)などを実行する。
例えば、選択肢となる項目が6個(6チャンネル)ある場合、記憶部11に記憶されている六角柱のオブジェクトの側面6面に、図2の番組情報テーブルに格納されている各チャンネルの番組情報が、チャンネル番号とともに割り当てられる。図3の(b)に示すとおり、六角柱のオブジェクトの状態が、チャンネル番号「4ch」と、4chの番組情報とが割り当てられた第4側面が正面を向いている状態であるとする。この場合、第1表示部12には、第4側面が、第1表示部12に表示される。一方、デジタルテレビ1の映像処理部群においては4chが選局されて、当該チャンネルの番組の映像が第2表示部14に表示される。これにより、ユーザは、現在選局されているチャンネルについて、チャンネル番号と4chの番組情報とを映像とともに知ることが可能となる。また、このとき、番組情報が第2表示部14に表示されている映像に重ねられたり、当該映像が番組情報の表示のために縮小されたりすることがないので、第2表示部14の映像の視認性が阻害されることがない。
図4の(a)〜(e)は、第1表示部12に表示される、角柱型の漸次切替UIにおいてチャンネルが漸次切り替わる様子を説明する図である。
図4の(a)に示すとおり、第1操作部13に対してユーザのタッチ操作が行われていない状態では、1つのチャンネル(図の例では「4ch」)が選択された状態で、漸次切替UIが第1表示部12に表示される。具体的には、4chに対応する六角柱の側面がフォーカスされ、六角柱の表示サイズは、上記側面だけが第1表示部12に表示される大きさで維持される。
図4の(b)に示すとおり、第1操作部13に対してタッチ操作が開始されると、縮小された六角柱全体が第1表示部12に表示されて、六角柱が奥に押し込まれる様子が再現される。そして、ユーザは、続けて六角柱を回転させたい方向にドラッグ操作またはフリック操作を行う。以下、本実施形態では、ドラッグ操作という用語を用いるが、ベクトルの大きさと方向とを指示することができる操作として、ドラッグ操作とフリック操作を区別することなく取り扱う。よって、ドラッグ操作の用語は、フリック操作を排除する意図はない。
図4の(c)に示すとおり、第1操作部13に対してドラッグ操作が行われると、操作受付部30がドラッグ方向を特定し、表示情報切替制御部34がそのドラッグ方向にしたがって六角柱の回転を開始する。具体的には、ユーザが上から下へドラッグ操作を行った場合には、第1表示部12に表示されている手前の側面が上から下へ流れるように六角柱を回転させる。表示情報切替制御部34は、側面が真正面の状態を瞬時に切り替えるのではなく、図4の(c)に示すとおり、六角柱が徐々に(漸次)回転する様子をアニメーションで表示する。このとき、六角柱の表示サイズは、全体が第1表示部12に収まるように縮小されたままである。これにより、六角柱の回転をより立体的にユーザに見せることができ、六角柱が回転している途中であることがユーザに分かり易くなる。
表示情報切替制御部34によって六角柱の回転が開始される一方、第2表示部14においては、回転が開始される直前に選局されていたチャンネル(4ch)の映像の表示が維持される。第1表示部12の映像は、回転後最終的にどのチャンネルが指定されたのが決定され、その新しいチャンネルの選局が完了した後に切り替えられる。このように、本発明のデジタルテレビ1は、第2表示部14の映像が切り替わる前から、ユーザのタッチ操作に反応して即時にチャンネル表示の漸次切り替え(すなわち、六角柱の回転)を開始する。これにより、映像を切り替えるのに多少の時間を要するために生じてしまうタイムラグ、すなわち、タッチ操作に対して反応がない時間(ユーザの目から見て、表示部に何の変化も起こらない時間)をなくすことができ、ユーザが抱く遅延の印象を解消することができる。
図4の(d)に示すとおり、ユーザのドラッグ操作が終了すると、表示情報切替制御部34は、六角柱のドラッグ操作に基づく回転を止める。回転停止直後の六角柱において、図4の(c)に示すように1側面が真正面に来ていない状態、すなわち、項目表示位置が複数のチャンネルにまたがっている状態になることが想定される。このような場合には、上述したとおり、切替項目決定部35が、停止直後の項目表示位置に基づいて、当該項目表示位置の値を四捨五入するなどして、実在するチャンネル番号に変換し、新たにフォーカスされるチャンネルを決定する。表示情報切替制御部34は、切替項目決定部35が決定したチャンネルの側面が真正面に来るように六角柱の自動回転を実行し、六角柱の姿勢を微調整する。
図4の(e)に示すとおり、六角柱の微調整のための回転を終えると、表示情報切替制御部34は、六角柱の表示サイズをドラッグ操作が開始される前の元のサイズに戻す。これにより、奥に押し込まれていた六角柱が手前に戻ってきた様子を表現することができ、4chから5chへのチャンネルの切り替えが完了したことを、視覚的かつ直感的にユーザに分かり易く伝えることができる。
なお、六角柱のオブジェクトが、チャンネル番号を表示する部分と番組情報を表示する部分とに分かれており、各部分が独立して回転するようになっていてもよい。この場合、チャンネル番号を表示する部分の回転後に番組情報を表示する部分が連動して変化(回転)してもよい。また、この場合、番組情報を表示する部分の回転が終了したときにチャンネルの切り替えが完了したと認識してもよい。
一方、映像切替制御部33は、切り替え後のチャンネル(5ch)を選局した第1チューナ部17または第2チューナ部18によって取得された、5chの映像が第2表示部14に表示されるように、切替回路21を制御する。本発明のデジタルテレビ1において、映像切替制御部33は、映像の切り替えを、漸次切替UI(六角柱)に表示されているチャンネルの切り替えが完了する時点(図4の(e)の時点)以前に行う。より好ましくは、映像切替制御部33は、漸次切替UIのチャンネルの切り替えが完了するのと同時に、第2表示部14の映像の切り替えを行うことが好ましい。
そのために、情報取得部32は、2以上のチューナ部の空いている方を制御して、ユーザによって選択されるチャンネルを予測し、当該チャンネルの選局を事前に行わせることが可能である。また、表示情報切替制御部34は、切り替え後のチャンネルの選局、および、当該チャンネルの映像取得が間に合うように、六角柱の回転速度を調整することも可能である。
上記構成によれば、第1表示部12において、チャンネルの切り替えが完了する時点もしくはそれ以前に、第2表示部14の映像を切り替えることが可能となる。つまり、ユーザが、第1表示部12に表示された漸次切替UIを見て、チャンネルの切り替えが完了したと認識したときか、または、それよりも早く、第2表示部14における映像の切り替えを完了させることができる。そのため、ユーザがチャンネルが切り替わったと認識してから、実際に映像が切り替わるまでの間に従来生じていたタイムラグをなくすことができ、ユーザが抱く遅延の印象を解消することができる。
本発明の上記漸次切替UIを実現するための制御部10の各部の各機能について、以下でより詳細に説明する。デジタルテレビ1が、ユーザ操作に応じて、第1表示部12に表示されるチャンネル表示を漸次切り替えるとともに、第2表示部14に表示される映像を指定されたチャンネルの映像に切り替えることを「チャンネル切替処理」と称する。
〔チャンネル切替処理について〕
図5は、チャンネル切替処理におけるデジタルテレビ1の各部の動作タイミングを示すタイミングチャートである。図6は、デジタルテレビ1が実行するチャンネル切替処理の流れを示すフローチャートである。
なお、図5において、時間の経過を左から右へかけて横軸にとり、任意の時点、t1、t2、・・・、t5、・・・を示しているが、横軸の長さは時間の長さを表していない。つまり、各時点t1、t2、・・・、t5、・・・、は、チャンネル切替処理中のある任意の時点を表しているにすぎない。よって、各時点は、横軸に等間隔に配置されているが、このことは、各時点が一定の時間間隔であることを意味していない。図7および図8についても同様である。
また、図5に示す漸次切替UIにおいて太枠で示したものは、カーソルに相当するものである。しかしながら、このようなカーソルの図示は説明のためであり、上述のように、カーソルは表示されていなくてもよいし、画面の所定の位置において固定されていてもよい。
また、項目表示位置決定部31は、カーソルの基準線(例えば、図5のカーソルを示す太枠の上端)を用いて項目表示位置を決定することができる。具体的には、フォーカスされ、カーソルが当たっているチャンネルから、どの程度基準線が昇順方向または降順方向に移動したかに基づいて、項目表示位置決定部31は、項目表示位置を決定することができる。
時点t1は、タッチ操作(後のドラッグ操作)が開始された時点である。この時点では、第1表示部12には、一例として、六角柱の2chの側面がフォーカスされて表示されているとする。つまり、t1では、漸次切替UIの項目表示位置は、「2(ch)」であり、選局されている実在の2chと一致する。第1チューナ部17は、情報取得部32の制御下で、2chを選局している。切替回路21は、映像切替制御部33の制御下で、第1チューナ部17によって取得される映像信号(すなわち、2chの映像)を選択し、第2表示部14に出力させている。
時点t1で(S101においてYES)、まず、項目表示位置決定部31は、ドラッグ操作が開始される直前までフォーカスされていたチャンネル(切替前注目チャンネル)として「2ch」を取得する(S102)。なお、この時点で、表示情報切替制御部34は、六角柱を縮小して表示させてもよい。
ここで、時点t1周辺のように、もう一方のチューナ(第2チューナ部18)が空いている期間があれば、その期間、情報取得部32は、空いている第2チューナ部18を制御して、定期的にすべてのチャンネルを順次選局させて、各チャンネルの最新の番組情報を取得しておく構成であってもよい。こうして、図2に示す番組情報テーブルの番組情報が定期的に更新されて最新の番組情報が維持される。つまり、漸次切替UIにおいてチャンネル番号とともに表示される番組情報を最新の状態に保つことが可能となる。ユーザは、チャンネル番号ではなく、番組情報が表示されている領域をドラッグして、チャンネルを切り替えることができてもよい。
時点t1以降、タッチ操作が継続されてドラッグ操作が開始されると(S103においてYES)、操作受付部30は、ドラッグ方向を特定する(S104)。続いて、項目表示位置決定部31は、特定されたドラッグ方向に基づいて項目表示位置を取得する(S105)。例えば、図5に示すとおり、ドラッグ方向が下である場合、チャンネル番号は昇順に回転される。よって、項目表示位置決定部31は、項目表示位置を決定するための基準線を、チャンネル番号の数字が大きい側(図5のカーソルを示す太枠の上端)にとる。回転が開始される直前では、項目表示位置の上端は、2chと3chとの境界にあり、項目表示位置決定部31は、この境界位置を、項目表示位置「2ch」と決定する。なお、ドラッグ方向が上であるとき(すなわち、チャンネル番号が降順に回転されるとき)、項目表示位置決定部31は、基準線をカーソルの下端側にとってもよい(チャネル番号の数字が小さい側)。
続いて、表示情報切替制御部34は、特定されたドラッグ方向にしたがって、ドラッグの動きに合わせて六角柱を回転させて、項目表示位置をチャンネル番号の数字が大きい側へ漸次移動させる(S106)。時点t2は、回転中のある時点を示している。時点t2では、項目表示位置が2chから3chに移行する過程であり、基準線が、2chと3chとの間に定義された10段階の目盛の1つ目に到達している。この時点では、項目表示位置決定部31は、項目表示位置を2.1chと決定する。
項目表示位置決定部31は、上記ドラッグ方向にて、決定した項目表示位置が、次のチャンネルにさしかかったか否かを判断する(S107)。ドラッグ方向が、昇順である場合は、項目表示位置が実際のチャンネル番号を超えると、次のチャンネルにさしかかったと判断される。反対に、降順である場合は、実際のチャンネル番号を下回ると、次のチャンネルにさしかかったと判断される。具体的には、項目表示位置決定部31は、時点t2のように、項目表示位置が、切替前注目チャンネル(2ch)を超えて、次のチャンネル(3ch)にさしかかったと判断したとする(S107においてYES)。この場合、情報取得部32は、映像の先読みが必要と判断し、現在視聴されているチャンネル(2ch)を選局しているチューナとは別の空いているチューナ、例えば、第2チューナ部18を制御して、上記次のチャンネルの選局を開始する(S108)。これにより、3chの映像を予め取得しておくことが可能になる。
ドラッグ操作が継続し、かつ、同じドラッグ方向が維持されている場合には(S109においてNO、S110においてNO)、S106〜S108が繰り返される。例えば、時点t3は、ユーザの同方向のドラッグ操作が継続しているある時点を示す。なお、ドラッグ操作は継続されているものの、ドラッグ方向が反対方向に変更された場合には(S109においてNO、S110においてYES)、デジタルテレビ1は、S104に戻り、ドラッグ方向を特定しなおし、項目表示位置の基準線を特定しなおして、同様の処理を繰り返す。
時点t4のように、ユーザのドラッグ操作が終了した場合(S109においてYES)、切替項目決定部35は、このドラッグ操作の後に切り替えられる新たなチャンネル(切替後注目チャンネル)を決定する(S111)。具体的には、ドラッグ操作が終了した時点t4において、項目表示位置決定部31は、項目表示位置を決定する。図5に示す例では、項目表示位置を2.9chと決定する。項目表示位置が実在しないチャンネル番号の値を取るとき、切替項目決定部35は、項目表示位置(2.9ch)を四捨五入して、実在するチャンネル番号(3ch)に変換して、切替後注目チャンネルを決定する。上記のとおり、切替後注目チャンネルは、基準線に応じて決定される項目表示位置に基づいて決定される。よって、基準線は、切替後注目チャンネルを決めるための仮想的な位置ともいうことができる。フォーカスされている項目の表示が、カーソルからどの程度移動したかが判別できれば基準線のとり方に特に制限はない。例えば、カーソル中央に基準線をとっても構わない。
続いて、映像切替制御部33は、切替項目決定部35によって決定された切替後注目チャンネルの映像が第2表示部14に表示されるように切替回路21を制御する(S112)。なお、S102にて特定された切替前注目チャンネルと、S111にて特定された切替後注目チャンネルが同一であった場合には、映像切替制御部33は映像を切り替える必要はないと判断する。一方、S108(時点t2以降)にて、空いている第2チューナ部18が予め選局していたチャンネルが切替後注目チャンネルである場合には、映像切替制御部33は、第2チューナ部18からの映像信号を選択して、タイムラグを生じさせることなくすぐに、第2表示部14の映像を3chの映像に切り替えることができる。
S111(時点t4)の後、映像が切り替えられている一方で、表示情報切替制御部34は、漸次切替UIにおけるチャンネル表示の切り替えを継続している。具体的には、時点t4では、ドラッグ操作が終了し、項目表示位置が2.9chとなり、切替後注目チャンネルが3chと確定している。そこで、ドラッグ操作が終了した後、表示情報切替制御部34は、自動で六角柱を回転させて、項目表示位置が3chになるように、すなわち、3chの側面が真正面に来るように、六角柱の姿勢を微調整する(S113)。
ここで、本発明のデジタルテレビ1において、映像切替制御部33が第2表示部14において、切替前注目チャンネル(2ch)の映像を、切替後注目チャンネル(3ch)の映像に切り替えるタイミングは、表示情報切替制御部34が上記の微調整のための回転を終わらせて、2chから3chへのチャンネル表示の切り替えを完了する時点(図5の時点t5)以前となる。より好ましくは、図5に示すとおり、表示情報切替制御部34がチャンネル表示の漸次切り替えを完了させる時点t5と、映像切替制御部33が映像を切り替える時点t5とは同時である。
上記構成によれば、第1表示部12において、チャンネルの切り替えが完了する時点もしくはそれ以前に、第2表示部14の映像を切り替えることが可能となる。つまり、ユーザが、第1表示部12に表示された漸次切替UIを見て、チャンネルの切り替えが完了したと認識したときか、または、それよりも早く、第2表示部14における映像の切り替えを完了させることができる。そのため、ユーザがチャンネルが切り替わったと認識してから、実際に映像が切り替わるまでの間に従来生じていたタイムラグをなくすことができ、ユーザが抱く遅延の印象を解消することができる。
第1表示部12におけるチャンネル表示の漸次切り替えが完了するのと同時に、第2表示部14における映像の切り替えを行う構成では、さらに以下の効果を奏する。
例えば、上述の特許文献1の技術では、切り替え操作に応じてチャンネル表示または番組情報が表示されてから、映像が切り替えられるまでにタイムラグが生じる。しかし、そのタイムラグの長さは、ユーザに通知されない。そのため、映像の切り替えにかかる待機時間がユーザに伝わらず、ユーザはタイムラグを必要以上に長く感じたり、操作性が悪いと感じたりして、ユーザを苛立たせる要因となっていた。
これに対して、本発明のデジタルテレビ1の構成によれば、第1表示部12において、漸次切替UIが切り替えられている途中の様子をアニメーションで漸次表示する一方、回転途中で予測した切替後のチャンネルについて映像を先読みしておき、回転が完了するのと同時に、第2表示部14において映像を切り替える。そのため、ユーザは、漸次切替UIが徐々に切り替わる(回転する)アニメーションを見ながら、回転終了時点、すなわち、映像が切り替わる時点を予測することができる。このように視覚的情報に基づいて、映像切り替え時点をユーザは直感的に理解するので、操作上の違和感をなくし、ユーザを苛立たせる要因を排除することが可能となる。さらに、表示情報切替制御部34が六角柱の回転速度を一定にすれば、ユーザは、映像が切り替わる時点をさらに予測しやすくなるというメリットがある。
なお、図5に図示した通りのタイミングには限定されず、表示情報切替制御部34がチャンネル表示の漸次切り替えを完了させる時点と、映像切替制御部33が映像を切り替える時点とは異なっていてもよい。
表示情報切替制御部34がチャンネル表示の漸次切り替えを完了させる時点は、映像切替制御部33が映像を切り替える時点以降であってもよい。また、表示情報切替制御部34がチャンネル表示の漸次切り替えを完了させる時点は、映像切替制御部33が映像を切り替える時点よりも所定時間前であってもよい。例えば、映像切替制御部33が映像を切り替える時点を、1.0秒とした場合、表示情報切替制御部34がチャンネル表示の漸次切り替えを完了させる時点は、0.8秒程度であってもよいし0.5秒程度であってもよい。
≪実施形態2≫
本発明の情報表示装置に関する他の実施形態について、図1、図7〜図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態に係る情報表示装置は、従来技術の以下の課題を解決する。
特許文献2、3には、ダブルチューナを搭載したデジタル放送受信装置が開示されている。デジタル放送受信装置は、チャンネルアップダウンボタンを用いてザッピング選局されると、その操作方向に応じて昇順または降順でチャンネルが切り替わることから、選局中のチャンネルの次のチャンネルをバックグラウンドで先読みすることができる。これにより、先読みした分、切り替え操作が行われてから切り替え後のチャンネルの番組が表示されるまでの時間を短縮する。
しかしながら、単に次のチャンネルを先読みする構成では、その先読みしたチャンネルがユーザが最終的に所望するチャンネルではないことがあり、ユーザが望むチャンネルの番組を、遅延を発生させずに切り替えることができない場合がある。特に、チャンネルの指定を離散的な入力によって行わずに、上述の実施形態1におけるドラッグ操作のように、アナログ的(連続的)な入力によって行う場合には、チャンネル先読みの不正確性の問題は極めて顕著である。
本実施形態では、デジタルテレビ1は、ドラッグ操作の速度を考慮して、ドラッグ速度に応じて先読みすべきチャンネルを予測するとともに先読みのタイミングを制御する。
〔デジタルテレビの構成〕
実施形態2におけるデジタルテレビ1の構成は、実施形態1のそれと比較して以下の点が異なる。
制御部10の操作受付部30は、ドラッグ方向に加えて、ユーザのドラッグ操作によって生じる指の移動の軌跡とその移動時間とに基づいてドラッグ速度を特定する。
表示情報切替制御部34は、漸次切替UI(六角柱)を回転させる速度、すなわち、項目表示位置を移動させる速度を、上記ドラッグ速度に応じて変化させる。
情報取得部32は、映像を第2チューナ部18に先読みさせるタイミングを、項目表示位置と、ドラッグ速度とに応じて決定する。
情報取得部32は、ドラッグ速度が早いときは、先読みのタイミングを早くする一方、ドラッグ速度が遅いときは、先読みのタイミングを遅らせる。例えば、項目表示位置が、3chにさしかかったとき(項目表示位置が2.1以上になったとき)、そのときのドラッグ速度が高速であれば、2.1chに到達した時点で3chの選局を開始させる。中速であれば、2.5chに到達した時点で、低速であれば、2.8chに到達した時点で、3chの選局を開始させる、といった具合である。
制御部10は、機能ブロックとして、さらに、項目表示位置補正部36を備えている。項目表示位置補正部36は、ドラッグ操作が終了した時点の項目表示位置を、ドラッグ速度に基づいて補正するものである。
表示情報切替制御部34は、ドラッグ操作が終了した後、補正された項目表示位置に合うように、第1表示部12に表示されている漸次切替UI(六角柱)を自動で回転させる。これにより、六角柱の慣性回転(慣性移動)が実現される。慣性回転は、ドラッグ操作の速度(勢い)に応じた速度で、六角柱を回転させて、ドラッグ操作が終わった後も、あたかも慣性によって回転が持続されるかのような状態を表示情報切替制御部34が再現したものである。本実施形態では、表示情報切替制御部34は、摩擦によって自然に回転が止まると言う様子も加えて再現する。よって、項目表示位置補正部36は、ドラッグ操作が終了した時点の項目表示位置に対して、終了時点のドラッグ速度に基づいて所定の規則に基づいて、慣性回転分の移動距離を加算する。なお加算する移動距離は、ドラッグ方向が昇順であれば正の数、降順であれば負の数となる。
なお、補正後の、すなわち、移動距離加算後の項目表示位置が、少数点以下の値を持つ実在しないチャンネル番号の値になる場合には、実施形態1と同様に、切替項目決定部35が、上記値を四捨五入して実在のチャンネル番号に変換する。この場合、表示情報切替制御部34は、慣性回転に加えて微調整のための回転を自動で実施する。
〔チャンネル切替処理について〕
図7は、ドラッグ操作が遅いときのチャンネル切替処理におけるデジタルテレビ1の各部の動作タイミングを示すタイミングチャートである。図8は、ドラッグ操作が早いときのチャンネル切替処理におけるデジタルテレビ1の各部の動作タイミングを示すタイミングチャートである。図9は、実施形態2のデジタルテレビ1が実行するチャンネル切替処理の流れを示すフローチャートである。
図7および図9を参照して、ドラッグ操作が遅い場合のチャンネル切替処理について説明する。
S201〜S203は、実施形態1と同様である。S203において操作受付部30は、ドラッグ操作を認識すると、ドラッグ方向に加えてドラッグ速度を特定する(S204)。続いて、項目表示位置決定部31は、特定されたドラッグ方向に基づいて項目表示位置を取得する(S205)。ドラッグ方向が下である場合、チャンネル番号は昇順にフォーカスされるので、実施形態1と同様に、基準線をフォーカス範囲(太枠内)の上端にとり、時点t1の項目表示位置を2chと特定する。
続いて、表示情報切替制御部34は、項目表示位置を、特定されたドラッグ方向に、特定されたドラッグ速度に応じた移動速度で移動させる(S206)。本実施形態では、表示情報切替制御部34は、上記ドラッグ方向へ、上記ドラッグ速度に応じた回転速度で、六角柱を回転させる。このとき、表示情報切替制御部34は、回転(移動)の速度を、特定されたドラッグ速度に応じて変化させる。どのようなドラッグ速度の場合に、どのような回転速度にするのかは、予め適宜決定されていればよい。ここでは、ドラッグ速度は比較的低速であるので、表示情報切替制御部34は、その低速度に合わせて、項目表示位置をチャンネル番号の数字が大きい側へ漸次と移動させる。イベントが起こらずドラッグが継続されているうちは(S207においてNO、S209においてNO、S210においてNO)、項目表示位置が、2.1、2.2、...、2.7と移動するように、六角柱の回転が継続される。時点t2は、項目表示位置が2chから3chに移行する過程であり、基準線が、2chと3chとの間に定義された10段階の目盛の8つ目に到達している。この時点では、項目表示位置決定部31は、項目表示位置を2.8chと決定する。
項目表示位置決定部31は、決定した項目表示位置が、上記ドラッグ方向において、次のチャンネルに、上記ドラッグ速度に応じた閾値分以上に到達したか否かを判断する(S207)。具体例を挙げて説明すると、時点t2のように、項目表示位置が、切替前注目チャンネル(2ch)を超えて、次のチャンネル(3ch)にさしかかり、なおかつ、所定目盛以上に到達したとする。図7に示す例では、低速の場合の目盛の閾値は、80%である。ドラッグ速度が低速で、ドラッグ方向が昇順の場合に、最新の項目表示位置が、境界の項目表示位置(2ch)から、+0.8ch分次のチャンネルに到達したと項目表示位置決定部31が判断すると(S207においてYES)、情報取得部32は、次のチャンネルの先読みを開始すべきと判断する。そして、情報取得部32は、具体的には、現在視聴されているチャンネル(2ch)を選局しているチューナとは別の空いているチューナ、例えば、第2チューナ部18を制御して、上記次のチャンネルの選局を開始する(S208)。これにより、3chの映像を予め取得しておくことが可能になる。ドラッグ速度、すなわち、六角柱の回転速度が比較的低速であるので、項目表示位置が、2.8chくらいから選局を開始しても、項目表示位置が3chに到達するころまでに、3chの映像は充分間に合う。このように回転速度に応じて選局が間に合うように、S207で参照する閾値は適宜設定される。
なお、ドラッグ操作は継続されているものの、ドラッグ方向およびドラッグ速度の少なくとも1つが変更された場合には(S209においてNO、S210においてYES)、デジタルテレビ1は、S204に戻り、変更されたドラッグ方向およびドラッグ速度の少なくとも1つを特定しなおす。そして、以降の処理を繰り返す。
時点t3のように、ユーザのドラッグ操作が終了した場合(S109においてYES)、項目表示位置決定部31は、ドラッグ終了時点t3の項目表示位置(図7の例では、3.8ch)を特定する。一方、項目表示位置補正部36は、時点t3にて最後に特定されたドラッグ速度を操作受付部30から取得する(S211)。項目表示位置補正部36は、上記項目表示位置に、上記ドラッグ速度に応じた慣性移動(回転)距離を加算して、項目表示位置を補正する(S212)。具体的には、項目表示位置補正部36は、時点t3の項目表示位置3.8chを、時点t3のドラッグ速度に基づいて補正する。図7の例では、ドラッグ方向は昇順であり、ドラッグ速度は低速であったとする。この場合、項目表示位置補正部36は、低速の場合に加算する移動距離+0.5ch分を、上記項目表示位置3.8chに加算して、慣性回転後の項目表示位置4.3chを算出する。
加算される移動距離、すなわち補正値は、例えば、高速の場合±1.5ch、中速の場合±0.8ch、低速の場合±0.5chというようにドラッグ速度に応じて予め決定されている。なおドラッグ方向が昇順の場合は、補正値は正の数、降順の場合には負の数となる。また、具体的にどの速度範囲(例えば、n〜mピクセル/秒)が、高速、中速、低速のどの速度区分に属するのかについても、予め決定されているものとする。
切替項目決定部35は、補正後(慣性回転後)の項目表示位置4.3chに基づいて、このドラッグ操作の後に切り替えられる新たなチャンネル(切替後注目チャンネル)を決定する(S213)。図7に示す例では、ドラッグ操作が終了した時点t3において、項目表示位置決定部31は、項目表示位置を3.8chと決定し、項目表示位置補正部36が、項目表示位置を4.3chに補正する。補正の結果、項目表示位置が実在しないチャンネル番号の値を取るとき、切替項目決定部35は、項目表示位置(4.3ch)の小数第一位を四捨五入して、実在するチャンネル番号(4ch)に変換して、切替後注目チャンネルを決定する。
続いて、映像切替制御部33は、切替項目決定部35によって決定された切替後注目チャンネルの映像が第2表示部14に表示されるように切替回路21を制御する。具体的には、S203にて予め選局していたチャンネルと、S213にてドラッグ操作終了後に特定された切替後注目チャンネルとが同一であった場合には(S214においてYES)、映像切替制御部33は、第2チューナ部18からの映像信号を選択して、タイムラグを生じさせることなくすぐに、第2表示部14の映像を4chの映像に切り替えることができる(S215)。なお、S203にて予め選局していたチャンネルと、S213にてドラッグ操作終了後に特定された切替後注目チャンネルとが一致しない場合には(S214においてNO)、情報取得部32は、切替後注目チャンネルの選局をすぐに第2チューナ部18に開始させて、その映像が取れ次第、映像切替制御部33がすぐに当該映像に切り替えればよい。
S215(時点t3)の後、映像が切り替えられている一方で、表示情報切替制御部34は、漸次切替UIにおけるチャンネル表示の切り替えを継続している。具体的には、まず、時点t3では、ドラッグ操作が終了し、項目表示位置が3.8chとなり、慣性回転後の項目表示位置が4.3chと確定している。そこで、ドラッグ操作が終了した後、表示情報切替制御部34は、自動で六角柱を回転させて、項目表示位置が4.3chになるように、六角柱を慣性回転させる。ドラッグ速度が低速であるので、慣性回転による項目表示位置の移動距離は、比較的短い。図7では、時点t3から時点t4にかけて慣性回転が継続される。さらに、項目表示位置が4.3chであることから、切替後注目チャンネルが4chと確定している。そこで、慣性回転が終了した時点4から時点t5にかけて、表示情報切替制御部34は、項目表示位置を調節して、チャンネルの切り替えを完了する(S217)。具体的には、表示情報切替制御部34は、六角柱を回転させて、項目表示位置が4chになるように、すなわち、4chの側面が真正面に来るように、六角柱の姿勢を微調整する。図7に示す例では、4.3chまで行き過ぎた項目表示位置を4chまで戻すアニメーションが第1表示部12において再現される。
ここで、本発明のデジタルテレビ1において、表示情報切替制御部34が慣性回転または上記の微調整のための回転を終わらせて、2chから3chを経て4chへのチャンネル表示の漸次切り替えを完了するタイミングは(図7の時点t5)、映像切替制御部33が第2表示部14において、切替前注目チャンネル(2ch)の映像を、切替後注目チャンネル(4ch)の映像に切り替えた以後であってもよい。より好ましくは、図7に示すとおり、表示情報切替制御部34がチャンネル表示の漸次切り替えを完了させる時点t5と、映像切替制御部33が映像を切り替える時点t5とは同時である。なお、表示情報切替制御部34が慣性回転または上記の微調整のための回転を終わらせて、2chから3chを経て4chへのチャンネル表示の漸次切り替えを完了するタイミングは(図7の時点t5)、映像切替制御部33が第2表示部14において、切替前注目チャンネル(2ch)の映像を、切替後注目チャンネル(4ch)の映像に切り替える所定時間前であってもよい。当該所定時間は、ユーザに切り替えの遅延を感じさせないような時間を基準に決定することができる。言い換えれば、当該所定時間は、映像切替制御部33が映像を切り替えるのにかかる時間に基づき決定することができる。
ドラッグ操作が早い場合のチャンネル切替処理も、図9に示すとおり、基本的には、ドラッグ操作が遅い場合と同様に実施される。
しかし、ドラッグ操作が早い場合には、項目表示位置の移動速度(六角柱の回転速度)も早いため、選局開始のタイミングを早めないと、時点t5での映像の切り替えに間に合わない可能性がある。そのため、高速の場合の目盛の閾値は、例えば、10%に設定されている。そして、図8に示すとおり、情報取得部32は、ドラッグ操作が高速の場合には、項目表示位置が次のチャンネルの1目盛目に到達した時点(例えば、図8の時点t2)で、低速のときよりも早めに上記次のチャンネルの選局を開始する。
また、時点t3でドラッグ操作が終了した場合、項目表示位置補正部36は、ドラッグ速度に応じて、高速の場合にはより長く慣性回転させるために、加算する移動距離をより多くする。具体的には、ドラッグ方向が昇順で、ドラッグ速度が高速の場合には、+1.5ch分の移動距離を、時点t3の項目表示位置(3.1ch)に加算する。項目表示位置は、4.6chに補正される。さらに、切替項目決定部35によって、切替後注目チャンネルは、5chと決定される。
情報取得部32は、5chと決定された時点、すなわち、ドラッグ操作が終わったt3の時点で、早速、5chの選局を開始する。これまで選局していた3chは、慣性回転のための加算および微調整のための四捨五入の結果、選局されないことが判明したので、第2チューナ部18に3chの選局を終わらせて、5chの選局を開始するように情報取得部32が命じればよい。
情報取得部32が5chの映像を準備している一方、表示情報切替制御部34は、第1表示部12に表示されている漸次切替UIに対して、ドラッグ操作が終わった後の、慣性回転および微調整のための回転とを継続して行う。まず、表示情報切替制御部34は、項目表示位置が、4.6chのところに来るように慣性回転を実行する。時点t4は、慣性回転が終了した時点を示す。次に、表示情報切替制御部34は、項目表示位置が、4chに一致するように微調整のための回転を実行する。時点t5は、微調整回転が終了した時点を示す。
ここで、本発明のデジタルテレビ1において、映像切替制御部33が第2表示部14において、切替前注目チャンネル(2ch)の映像を、切替後注目チャンネル(5ch)の映像に切り替えるタイミングは、表示情報切替制御部34が慣性回転または上記の微調整のための回転を終わらせて、2chから3chへ回転し、3chから4chへ自動で回転することを経て、5chへのチャンネル表示の切り替えを完了する時点(図8の時点t5)以前となる。より好ましくは、図8に示すとおり、表示情報切替制御部34がチャンネル表示の漸次切り替えを完了させる時点t5と、映像切替制御部33が映像を切り替える時点t5とは同時である。
そして、以上のとおり、本発明のデジタルテレビ1は、ドラッグ操作の速度を考慮して、ドラッグ速度に応じて先読みすべきチャンネルを予測するとともに先読みのタイミングを制御する。そのため、ユーザが所望するチャンネルをより正確に予測することができ、予測したチャンネルの映像を、チャンネル表示の切り替え完了時に間に合うように取得しておくことができる。
≪実施形態3≫
本発明の情報表示装置に関する他の実施形態について、図10〜図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
実施形態2では、ドラッグ操作(フリック操作)における指示体の移動方向と、移動速度とに応じて、項目表示位置の移動方向と、移動(回転)速度とが決定される構成であった。しかし、本発明のデジタルテレビ1は、ドラッグ操作が開始されてから、指示体の移動が停止しても(移動速度が0になっても)、指示体と第1操作部13との接触が継続しているかぎり、漸次切替UIの回転(項目表示位置の移動)の処理を継続する構成である。
上述の各実施形態では、ユーザは、所望のチャンネル番号に表示が切り替わるまで、何度もドラッグ操作(またはフリック操作)を繰り返さなければならない。さらに、上下方向のドラッグ操作が必要であるのに、第1操作部13のタッチ面の縦幅が狭い場合には、一層ドラッグ操作の回数が増え、ユーザにとってチャンネルの切り替えが煩わしい操作となる。選択肢(チャンネル)が膨大な量になる場合には、それだけ、項目表示位置の移動距離が長くなるため、煩わしさはより一層深刻なものとなる。
一方、本実施形態では、ユーザは、ドラッグ操作の開始位置と、接触を継続したままの最新の接触位置とによって、項目表示位置の移動方向と移動速度とを指定することができる。つまり、第1操作部13の狭い領域上でも、指示体の接触を継続させるだけで、項目表示位置の移動(回転)を継続させることができ、上記煩わしさが解消される。
より具体的には、図10に示すとおり、最左上端を原点(0、0)、横軸をX、縦軸をYとする座標を有する第1操作部13に対して、ユーザは、ドラッグ操作を任意のP0の位置から開始したとする。操作受付部30は、ドラッグ開始位置P0の少なくともY座標を取得する。ユーザは、指の接触を継続させて、六角柱を回転させたい方向に指をドラッグさせる。その結果、例えば、最新の指の接触位置がP1であるとする。操作受付部30は、現在の接触位置P1の少なくともY座標を取得する。そして、操作受付部30は、ドラッグ開始位置P0から現在接触位置P1までのY座標におけるベクトルV1の方向を、ドラッグ方向として得る。表示情報切替制御部34は、得られたベクトルV1の方向にしたがって、チャンネル番号を降順に漸次切り替える移動方向M1に六角柱を回転させる。さらに、操作受付部30は、ベクトルV1の大きさに比例して、回転速度を決定する。これにしたがって、表示情報切替制御部34は、ベクトルV1の大きさが大きいほど(P0とP1とのY座標値の差分が大きいほど)、項目表示位置の移動速度(回転速度)を早くする。これにより、短時間で、より多くのチャンネルを切り替えることができる。
現在の接触位置がP2の場合は、操作受付部30は、ベクトルV2を得る。表示情報切替制御部34は、移動方向M2に、ベクトルV2の大きさに応じた移動速度で、項目表示位置を移動させる。図10に示す例では、Y座標値の差分が小さいP2のドラッグ操作では、六角柱の回転速度は、P1の場合と比較して遅くなる。
〔チャンネル切替処理について〕
図11は、実施形態3のデジタルテレビ1が実行するチャンネル切替処理の流れを示すフローチャートである。
S301〜S303は、実施形態2のS201〜S203と同様である。S303において操作受付部30は、ドラッグ操作を認識すると、まず、S301にて入力されたドラッグ開始位置を取得する(S304)。続いて、操作受付部30は、接触が継続されている状態での指示体(指)の最新の接触位置(以下、現在接触位置)を取得する。そして、操作受付部30は、上記ドラッグ開始位置と、上記現在接触位置とに基づいて、ドラッグ方向および移動速度を決定する(S305)。例えば、操作受付部30は、ドラッグ開始位置から現在接触位置までのベクトルを得て、該ベクトルの方向によりドラッグ方向を、ベクトルの大きさにより移動(回転)速度を決定することができる。
続いて、項目表示位置決定部31は、特定されたドラッグ方向に基づいて項目表示位置を取得する(S306)。ドラッグ方向が下(例えば、ベクトルV2)である場合、チャンネル番号は昇順にフォーカスされるので、実施形態1および2と同様に、基準線をフォーカス範囲(太枠内)の上端にとり、ドラッグ開始時点の項目表示位置を特定する。
続いて、表示情報切替制御部34は、六角柱を、決定されたドラッグ方向に、決定された移動速度で回転させる(S307)。Y座標値の差分が小さく移動速度が比較的低速であって、ドラッグ方向がベクトルV2である場合、表示情報切替制御部34は、その低速度に合わせて、項目表示位置をチャンネル番号の数字が大きい側へ漸次と移動させる。現在接触位置が変更されずドラッグが継続されているうちは(S309においてNO、S310においてNO、S311においてNO)、項目表示位置が、チャンネル番号の大きい方へ移動するように、六角柱の回転が継続される。この間、項目表示位置決定部31は、そのときの項目表示位置が、上記ドラッグ方向において、次のチャンネルに、上記移動(回転)速度に応じた閾値分以上に到達したか否かを判断している(S308)。
項目表示位置が、切替前注目チャンネルを超えて、次のチャンネルにさしかかり、なおかつ、所定目盛以上に到達したとする。例えば、2chから、2.8chに到達したとする。なお、閾値は、S305にて決定される移動速度に応じて、選局が間に合うようにあらかじめ適宜決定されているものとする。項目表示位置が閾値の目盛に到達したと、項目表示位置決定部31が判断した場合(S308においてYES)、情報取得部32は、例えば、第2チューナ部18を制御して、上記次のチャンネルの選局を開始する(S309)。これにより、将来フォーカスされるチャンネルの映像を予め取得しておくことが可能になる。
なお、最初のドラッグ操作から接触は継続されているものの、現在接触位置が変更された場合には(S310においてNO、S311においてYES)、デジタルテレビ1は、S305に戻り、変更された現在接触位置に基づいてベクトルを定義しなおし、ドラッグ方向および移動速度の少なくとも1つを決定しなおす。そして、以降の処理を繰り返す。
指示体の接触状態が終わり、ユーザのドラッグ操作が終了した場合(S310においてYES)、項目表示位置決定部31は、ドラッグ終了時点の項目表示位置を特定する。一方、項目表示位置補正部36は、ドラッグ終了時点にて最後に決定された移動速度を操作受付部30から取得する(S312)。項目表示位置補正部36は、ドラッグ終了時点の上記項目表示位置を、上記移動速度に基づいて補正する(S313)。移動速度が速いほど、加算する慣性移動距離の絶対値は大きくなる。
切替項目決定部35は、補正後(慣性回転後)の項目表示位置が実在するチャンネル番号に一致しない場合には、四捨五入するなどして、補正された項目表示位置に基づいて、切替後注目チャンネルを決定する(S314)。
S315〜S318は、実施形態2のS214〜217と同様である。
ここで、本発明のデジタルテレビ1において、映像切替制御部33が第2表示部14において、切替前注目チャンネルの映像を、切替後注目チャンネルの映像に切り替えるタイミング(S316)は、表示情報切替制御部34が慣性回転または上記の微調整のための回転を終わらせて、チャンネル表示の漸次切り替えを完了する時点(S318)以前となる。より好ましくは、表示情報切替制御部34がチャンネル表示の漸次切り替えを完了させる時点と、映像切替制御部33が映像を切り替える時点とは同時である。
≪実施形態4≫
図12の(a)は、デジタルテレビ1における各表示部の領域について、他の割り当て例を示す図である。図12の(b)は、第1表示部12に表示される漸次切替UIの他の具体例を示す図である。
図12の(a)に示すとおり、デジタルテレビ1は、アスペクト比21:9の液晶表示パネルを有していてもよい。この場合、液晶表示パネルは、アスペクト比16:9となる第2表示領域(網点の領域)と、その右または左側に、アスペクト比5:9となる第1表示領域(斜線の領域)とを有する。表示情報切替制御部34は、アスペクト比5:9の第1表示領域を実現する第1表示部12に漸次切替UIを表示する。
漸次切替UIは、六角柱のように立体的に各項目を表示するものに限られない。図12の(b)に示すとおり、表示情報切替制御部34は、各項目を平面に並べた項目リストとしての漸次切替UI50を平面的にスクロールさせる構成であってもよい。図12の(b)において、太枠は、第1表示部12に表示される範囲を示しており、二重枠は、カーソルを示す。この場合、表示情報切替制御部34は、二重枠の表示位置を固定して、項目リストをスクロールさせることにより、項目表示位置を移動させて、チャンネル表示を漸次切り替える。
≪実施形態5≫
本発明の漸次切替UIにおいて切り替えられる項目は、チャンネル番号に限られない。本発明の一側面に係る漸次切替UIは、項目の切り替えに時間がかかるものに関し、好適に採用することができる。本発明の一側面に係る漸次切替UIは、例えば、項目の切り替えに、ハードウェアの切り替えや、ネットワーク通信等が伴うものについて好ましく採用することができる。
より具体的には、デジタルテレビ1の入力切替「地デジ」/「BD」/「HDD」を切り替えるためのUIを、本発明の漸次切替UIで実現してもよい。この場合、入力を切り替えるための時間、例えば、HDDの立ち上げにかかる時間についてユーザが抱く遅延の印象を解消することができる。また、放送映像と同期して表示される情報、例えば、「データ放送」/「天気情報」/「広告情報」を切り替えるためのUIを、本発明の漸次切替UIで実現してもよい。この場合、天気情報の読み込みにかかる時間にユーザが抱く遅延の印象を解消することができる。
あるいは、漸次切替UIを以下のように実現してもよい。
図13の(a)は、デジタルテレビ1における各表示部の領域について、他の割り当て例を示す図である。図13の(b)は、漸次切替UIによって切り替えられる、第2表示部14に表示される情報の他の具体例を示す図である。
図13の(a)に示すとおり、デジタルテレビ1は、1つの表示部の1つの表示領域において、ソフトウェア的に、第1表示領域12’(斜線の領域)と、第2表示領域14’(網点の領域)とを割り当ててもよい。この場合、OSD処理回路22は、切替回路21から供給された映像信号の所定の領域(第1表示領域12’)に、表示情報切替制御部34によって生成されたOSD画像としての漸次切替UI51を重畳させて、重畳後の映像信号を上記1つの表示部に出力する。
この場合、本体とは別に設けられたリモコンとしての第2操作部15を用いて、漸次切替UI51の切り替えが指示されてもよい。第2操作部15の上下または+−キーなどが押下されることによって、項目の切り替え指示が離散的に入力される構成であってもよい。
例えば、図13の(b)に示すとおり、第1表示領域12’には、漸次切替UI51が表示され、第2表示領域14’には、天気予報図が表示される。漸次切替UI51においては、「降水確率」、「気温」、「風向」等の項目が選択可能な状態で、第2表示領域14’に重ねて表示される。ユーザ指示にしたがって表示情報切替制御部34が上記項目を漸次切り替える一方で、映像切替制御部33は、選択された項目に対応する情報が表示された天気予報図に切り替えて第2表示領域14’表示させる。図13の(b)に示す例は、「降水確率」の項目が選択された場合に、第2表示領域14’が降水確率に係る天気予報図に切り替わった様子を示している。このとき、漸次切替UI51の項目の切り替えが完了するタイミングと、天気予報図が切り替わるタイミングとは、同時であることが好ましい。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る情報表示装置は、上記課題を解決するために、所定の順序で並べられた複数の項目(チャンネル)のうち、フォーカスされている注目項目(注目チャンネル)を少なくとも1つ表示する第1表示領域(第1表示部12)と、上記注目項目に対応付けられている情報を表示する第2表示領域(第2表示部14)とを含む表示部(第1表示部12および第2表示部14)を備えている情報表示装置(デジタルテレビ1)であって、入力部(第1操作部13)を介して入力された注目項目を切り替えることを指示する項目切替指示にしたがって、現在の注目項目である切替前注目項目(切替前注目チャンネル)の次に注目項目となる切替後注目項目(切替後注目チャンネル)を決定する項目決定手段(切替項目決定部35)と、上記項目切替指示にしたがって、上記第1表示領域に表示される注目項目を、切替前注目項目から切替後注目項目へと視覚的状態を連続的に変化させて切り替える第1切替制御手段(表示情報切替制御部34)と、上記第2表示領域に表示されている切替前注目項目に対応する情報(映像)を、切替後注目項目に対応する情報へと切り替える第2切替制御手段(映像切替制御部33)とを備え、上記第1切替制御手段は、上記第2切替制御手段による情報の切り替えに応じて、上記切替後注目項目への切り替えを完了することを特徴とする。
上記の構成によれば、ユーザ操作によって、第1表示領域に表示されている注目項目の切り替えが指示されると、第1切替制御手段は、上記ユーザの指示にしたがって、表示されている注目項目を切り替える。第1切替制御手段が行う切り替えは、切替前注目項目から切替後注目項目へと視覚的状態を連続的に変化させることにより、漸次実施される。その一方、第2切替制御手段は、上記ユーザの指示にしたがって注目項目が切り替えられることに応じて、上記第2表示領域に表示されている切替前注目項目に対応する情報を、切替後注目項目に対応する情報へと切り替える。
ここで、上記第1切替制御手段は、上記第2切替制御手段が情報を切り替えた時点または該時点よりも後に、上記切替後注目項目への、漸次実施していた切り替えを完了してもよい。言い換えれば、上記第1切替制御手段は、上記第2切替制御手段が情報を切り替えた時点以降に、上記切替後注目項目への、漸次実施していた切り替えを完了してもよい。
これにより、ユーザが項目の切り替えを指示してから、第1表示領域に表示されている注目項目が切り替わるよりも前に、あるいは、切り替わるのと同時に、第2表示領域に表示されている情報を切り替えることができる。
つまり、ユーザが、第1表示領域に表示された漸次切り替えられている複数の項目を見て、項目の切り替えが完了したと認識したときか、または、それよりも早く、第2表示領域における情報の切り替えを完了させることができる。
また、上記第1切替制御手段は、上記第2切替制御手段が情報を切り替えた時点または該時点よりも所定時間前に、上記切替後注目項目への、漸次実施していた切り替えを完了してもよい。
これにより、ユーザが項目の切り替えを指示してから、第1表示領域に表示されている注目項目が切り替わった後、すぐに、第2表示領域に表示されている情報を切り替えることができる。
以上により、ユーザが項目が切り替わったと認識してから、対応する情報が実際に切り替わるまでの間に従来生じていたタイムラグをなくす、または、短縮することができ、ユーザが抱く遅延の印象を解消または軽減することができるという効果を奏する。
本発明の態様2に係る情報表示装置では、上記態様1において、上記第1切替制御手段は、上記項目切替指示が入力された場合に、視覚的状態の連続的変化を開始し、上記第2切替制御手段が上記切替後注目項目に対応する情報に切り替えた時に、上記連続的変化を終了して上記切替後注目項目への切り替えを完了することが好ましい。
これにより、ユーザが項目切替指示を入力した時すぐに、第1表示領域において、注目項目の変化が視覚的に開始される。そのため、ユーザは、自身が操作を起こした時点と、それによって何らかの処理が開始される時点との間にタイムラグを感じることが無いため、処理が遅れているという印象を持たずに済む。なお、「項目切替指示が入力された場合」とは、項目切替指示が入力された時の直後を含み、視覚的状態の連続的変化の開始までに多少の遅延も許容される。
さらに、第2表示領域においては、ユーザが項目が切り替わったと認識したのと同時に、該項目に対応する情報に切り替わるため、第2表示領域において情報の切り替えが遅延しているという印象を持たずに済む。このように項目切り替えの視覚的情報に基づいて、情報が切り替わるまでの待機時間をユーザは直感的に理解するので、操作上の違和感をなくし、ユーザを苛立たせる要因を排除することが可能となる。
本発明の様態3に係る情報表示装置では、上記様態1または2において、上記項目切替指示は、切り替えの方向と量とを指示するものであり、上記第1切替制御手段は、指定された方向および量にしたがって、注目項目を含む所定の順序で並べられた複数の項目、または、注目項目を指すカーソルを移動させることにより、フォーカスされている注目項目を連続的に切り替えてもよい。
ユーザが指定した切り替えの方向および量にしたがって、注目項目が漸次切り替えられるので、操作上の違和感がなくなり、情報が切り替わるまでの待機時間をユーザはより自然に直感的に理解することができる。
本発明の様態4に係る情報表示装置は、上記様態3において、第1チューナ部を制御して、上記切替前注目項目に対応付けられている放送波を選局して、該切替前注目項目に対応する映像を受信する第1情報取得手段と、第2チューナ部を制御して、上記切替後注目項目に対応付けられている放送波を選局して、該切替後注目項目に対応する映像を受信する第2情報取得手段とを含み、上記第2情報取得手段は、上記切替後注目項目が決定されたときに選局を開始し、上記第1切替制御手段は、上記第2情報取得手段が上記切替後注目項目の映像を受信した後、注目項目の切り替えを完了することが好ましい。
上記構成によれば、現在フォーカスされている切替前注目項目(チャンネル)の映像は、第1情報取得手段が選局を行うことにより受信されて、上記第2表示領域に表示されている。その一方で、上記項目決定手段によって上記切替後注目項目が決定されたときに、上記第2情報取得手段が、すぐに選局を開始する。これにより、上記第1切替制御手段は、上記切替後注目項目の映像を受信した後、注目項目の切り替えを完了する。言い換えれば、上記第1切替制御手段が注目項目の切り替えを完了する前に、該上記切替後注目項目の映像を受信しておくことができる。よって、上記第2切替制御手段は、上記第1切替制御手段が注目項目の切り替えを完了する前に、あるいは、完了するのと同時に、上記第2表示領域に表示される映像を、切替前注目項目のものから切替後注目項目のものに切り替えることができる。
本発明の様態5に係る情報表示装置は、上記様態4において、上記第1表示領域において切替前注目項目から切替後注目項目へと切り替わる間に上記第1切替制御手段によって実行されている連続的変化の途中の視覚的状態(項目表示位置)を特定する変化状態特定手段(項目表示位置決定部31)を備え、上記第2情報取得手段は、上記切替後注目項目が決定されるまでの間、上記変化状態特定手段によって切替前注目項目から次の項目への状態変化の開始が特定された後、当該次の項目への切り替えが完了するまでの間に、該次の項目に対応する放送波の選局を開始することが好ましい。
上記構成によれば、上記第1表示領域において、視覚的に、フォーカスされている注目項目が、次の項目に移行しようとする状態にさしかかった場合、次の項目へと項目表示位置が移動して、次の項目への切り替えが完了するまでの間に、上記第2情報取得手段は、当該次の項目の選局をあらかじめ開始することができる。これにより、当該次の項目が、切替後注目項目に決定された場合に、上記第2切替制御手段は、上記第1切替制御手段が注目項目の切り替えを完了するまでの任意のタイミングで、上記第2表示領域に表示される映像を、切替前注目項目のものから切替後注目項目のものに切り替えることができる。
本発明の様態6に係る情報表示装置では、上記様態5において、上記項目切替指示は、さらに切り替えの速度を指示するものであり、上記第1切替制御手段は、指定された速度に応じて、項目またはカーソルを移動させるものであり、上記第2情報取得手段は、上記項目切替指示の入力が終了した時点の上記速度が速いほど、上記次の項目に対応する放送波の選局を早く開始することが好ましい。
上記構成によれば、上記第2情報取得手段は、視覚的状態(項目表示位置)が、切替前注目項目から次の項目への状態遷移を開始した後、当該次の項目への切り替えが完了するまでの間のうち、上記切り替えの速度が速いほど、より早いタイミングで、放送波の選局を開始する。これにより、速度が速いことに応じて、項目から項目への状態の移行が速く行われたとしても、より早いタイミングで選局が開始される。そのため、上記第2切替制御手段は、より早く次の項目の映像を得ることができるので、遅延なく、映像の切り替えを行うことができる。
本発明の様態7に係る情報表示装置では、上記様態4から6までのいずれかの様態において、上記項目切替指示は、さらに切り替えの速度を指示するものであり、上記第1切替制御手段は、指定された速度に応じて、項目またはカーソルを移動させるものであり、上記項目決定手段は、上記項目切替指示の入力が終了した時点の上記速度が速いほど、切替前注目項目から遠くに並ぶ項目を切替後注目項目として決定することが好ましい。
上記構成によれば、ユーザ操作の速度を考慮して、上記第2情報取得手段が先読みすべき項目を予測する。そのため、ユーザが所望する項目をより正確に予測することができ、予測した項目の映像を、項目の切り替え完了時に間に合うように取得しておくことができる。
本発明の様態8に係る情報表示装置では、上記様態6または7において、上記第1切替制御手段は、上記項目切替指示にしたがって項目またはカーソルを移動させた後に、上記項目切替指示の入力が終了した時点の上記移動速度に応じて、慣性による移動を継続させるものであり、上記項目決定手段(項目表示位置補正部36および切替項目決定部35)は、上記項目切替指示の入力が終了したとき、上記慣性による移動の後にフォーカスされる項目を上記移動速度に応じて算出することにより、切替後注目項目を決定してもよい。
上記構成によれば、ユーザ操作が終わった後に継続される項目またはカーソルの移動距離を、上記移動速度に応じて求めることにより、切替後注目項目を事前により正しく決定することができる。これにより、正しく決定した項目の映像を、項目の切り替え完了時に間に合うように取得しておくことができる。
本発明の様態9に係る情報表示装置の制御方法は、上記課題を解決するために、所定の順序で並べられた複数の項目のうち、フォーカスされている注目項目を少なくとも1つ表示する第1表示領域と、上記注目項目に対応付けられている情報を表示する第2表示領域とを含む表示部を備えている情報表示装置の制御方法であって、上記情報表示装置の入力部を介して入力された注目項目を切り替えることを指示する項目切替指示にしたがって、現在の注目項目である切替前注目項目の次に注目項目となる切替後注目項目を決定する項目決定ステップと、上記項目切替指示にしたがって、上記第1表示領域に表示される注目項目を、切替前注目項目から切替後注目項目へと視覚的状態を連続的に変化させて切り替える第1切替ステップと、上記第1切替ステップが実行される一方で、上記第2表示領域に表示されている切替前注目項目に対応する情報を、切替後注目項目に対応する情報へと切り替える第2切替ステップとを含み、上記第1切替ステップは、上記第2切替ステップにおける情報の切り替えに応じて、上記切替後注目項目への切り替えを完了することを特徴とする。
なお、上記情報表示装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各部として動作させることにより上記情報表示装置をコンピュータにて実現させる情報表示装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
≪ソフトウェアによる実現例≫
デジタルテレビ1の制御ブロック(特に、操作受付部30、項目表示位置決定部31、情報取得部32、映像切替制御部33、表示情報切替制御部34、切替項目決定部35および項目表示位置補正部36)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、デジタルテレビ1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。