JP2014201143A - 繊維強化樹脂製のフードパネル - Google Patents

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Yasushi Kageyama
裕史 影山
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【課題】繊維強化樹脂製のフードパネルに関し、アウターパネルとインナーパネル以外の部材を適用することなく、もって部品点数の増加による重量増、製造コスト増、軽量化の阻害といった問題が生じることなく、適度な剛性と高い歩行者等の衝突安全性を備えた繊維強化樹脂製のフードパネルを提供する。【解決手段】繊維強化樹脂製のインナー2の上に面状の繊維強化樹脂製のアウター1が配設されてなる繊維強化樹脂製のフード10であって、インナー2はマトリックス樹脂内にランダム繊維が含まれて形成されており、アウター1はマトリックス樹脂内に連続繊維が含まれて形成されていて、アウターの曲げ強度に比してインナーの曲げ強度が相対的に低くなっている。【選択図】図1

Description

本発明は、車両等を構成するフードパネルに関し、特に繊維強化樹脂製のフードパネルに関するものである。
樹脂に強化用繊維材が混入されてなる繊維強化樹脂部材(繊維強化プラスチック(FRP))は、軽量かつ高強度であることから、自動車産業や建設産業、航空産業など、様々な産業分野で使用されている。
たとえば自動車産業においては、ピラーやロッカー、床下フロアなどの車両の骨格構造部材や、フードパネルなどの意匠性が要求される非構造部材に上記繊維強化樹脂材が適用され、車両の強度保証を図りながらその軽量化を実現し、低燃費で環境フレンドリーな車両を製造する試みがおこなわれている。
上記する繊維強化樹脂部材には、マトリックス樹脂に熱可塑性樹脂が適用され、その内部に炭素繊維やガラス繊維等の繊維材であって、長さが50mm程度かそれ未満の長繊維やさらに繊維長の短い短繊維がたとえばランダムに配向してなるランダム繊維を含む部材が適用されることが多い。
製造される繊維強化樹脂部材は二次元的な平面状のもののみならず、湾曲状、2つの平面が直交した形状、3つの平面が直交した鉤状といった三次元的な形状のものなど、その形状形態は多様に存在している。
ところで、車両には衝突時における安全性を高めることが要求されており、歩行者等が車両前方部にあるフードパネルに衝突した際の歩行者等の安全性を確保するべく、フードパネルには、通常時には容易に塑性変形することのない剛性を有し、衝撃荷重作用時には適度に変形して衝突エネルギーを良好に吸収することのできる剛性と変形性能が求められている。
ところで、人が頭部から落下等して物に叩き付けられた際に、頭部への衝撃を緩和するといった安全性の有無を判断する指標として、HIC(頭部損傷基準)がある。このHICの基準値は、1000以下、加速度が200g以下と規定されているが、車両のフードパネルに上記するFRPを適用した場合にも、FRPを適用した際の軽量化と高強度といったFRPに固有の効果を享受できることに加えて、適度な剛性を確保しながら、歩行者等が衝突した際のHICの効果的な低減が切望されている。
ここで、特許文献1には、繊維強化複合材料から構成される第1および第2の表面材と、樹脂発泡材料から構成される芯材とを備え、芯材が第1の表面材と第2の表面材の間にサンドイッチされ、芯材と第1および第2の表面材が接合され、芯材において第1および第2の表面材と接合される側の表面に凹部が形成されていることによって、芯材と第1および第2の表面材の接合部に芯材と第1および第2の表面材を接合していない非接合部分が設けられている自動車用フードが開示されている。
特許文献1で開示される自動車用フードによれば、FRPを適用することで軽量かつ高剛性といったFRPに固有の性能を享受できることに加えて、適切なエネルギー吸収性能を具備することができるとしている。しかしながら、このように第1および第2の表面材、すなわちアウターとインナーの間にこれらとは別体の衝撃吸収材を介在させることから、部品点数が増加して製造コスト増に繋がること、部品点数の増加によってフード全体の重量も増加し、FRPを適用した際の最大のメリットの一つである軽量化を阻害してしまうこと、といった問題がある。また、衝撃吸収材を設置するためのスペースを確保する必要も生じ、エンジンルーム内のレイアウトが制限されるといった問題もある。さらに、アウターに対して衝撃吸収材を一体成形する場合は、アウターのセット方法や鋳包み方法が難しく、成形後にずれの有無を確認することも難しいなど、成形困難性の問題もある。
特開2006−77815号公報
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、繊維強化樹脂製のフードパネルに関し、アウターとインナー以外の部材を適用することなく、もって部品点数の増加によるフードパネルの重量増、製造コスト増、軽量化の阻害といった問題が生じることなく、適度な剛性と高い歩行者等の衝突安全性を備えた繊維強化樹脂製のフードパネルを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による繊維強化樹脂製のフードパネルは、繊維強化樹脂製のインナーの上に面状の繊維強化樹脂製のアウターが配設されてなる繊維強化樹脂製のフードであって、インナーはマトリックス樹脂内にランダム繊維が含まれて形成されており、アウターはマトリックス樹脂内に連続繊維が含まれて形成されていて、アウターの曲げ強度に比してインナーの曲げ強度が相対的に低いものである。
本発明の繊維強化樹脂製のフードパネルは、インナーとアウターから構成され、インナーがランダム繊維を有していることで剛性が低い部材となり、アウターが連続繊維を有していることで剛性が高い部材となり、これら剛性の高い部材と低い部材を積層してフードパネルを構成したことで、アウターによって所要の剛性を確保しながら、人が衝突等して衝撃を受けた際にアウターが変形し、剛性の低いインナーが潰れる(破壊される)ことで衝撃エネルギーを吸収して歩行者等安全性を確保することのできるフードパネルである。
アウターは平面、曲面等の面材からなり、インナーはアウターと同様に面材であってもよいし、複数の梁材のユニット部材であってもよい。
たとえばアウター、インナーともに面材の場合は、双方が積層され、面接着されてフードパネルが構成される。歩行者等がアウターに衝突した際には、アウターが変形してインナーに荷重を伝え、この荷重によってインナーが破壊することで衝突エネルギーを吸収し、歩行者等の頭部の損傷を最小限にすることが可能となる。
また、インナーは凸条を有し、この凸条の内側に面材もしくは格子梁が形成されていて、アウターが凸条の上で固定され、凸条の内側では、インナーとアウターの間に隙間が形成されている形態であってもよい。
この形態では、歩行者等がアウターに衝突してアウターが変形した際に、アウターは隙間を介して下方のインナーに接触し、インナーに荷重を作用させてインナーを破壊することになる。すなわち、衝撃荷重にてアウターのみが速やかに変形して荷重をインナーに伝え、インナーが速やかに破壊して衝撃エネルギーを吸収することができる。歩行者等の頭部がフードパネルに激突した際に可及的速やかに衝撃エネルギーを吸収することが歩行者等安全性の向上に重要であることから、このようにインナーとアウターの間に隙間が形成されたフードパネルは好ましい実施の形態と言える。
ここで、アウターを構成する連続繊維は、連続繊維がマトリックス樹脂内に一方向に配向された一方向材(UD材)や擬似等方材(多軸積層材や経糸および緯糸からなる織物など)などを挙げることができる。一方、インナーを構成するランダム繊維は、短繊維や長繊維がマトリックス樹脂内にランダムに含有されたものである。そして、この連続繊維やランダム繊維を構成する繊維素材としては、セラミック繊維、ガラス繊維や炭素繊維といった無機繊維、金属繊維、有機繊維のいずれか一種もしくは二種以上の混合材を適用することができる。
また、アウターとインナーを構成するマトリックス樹脂は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれであってもよく、アウターとインナーで同じ素材樹脂を適用してもよいし、異なる素材樹脂を適用してもよい。
ランダム繊維は連続繊維に比して材料歩留りが向上し、たとえば6割程度から8〜9割程度にまで材料歩留りが向上するとの試算もある。また、材料単価に関してもランダム繊維が相対的に低くなっている。これらのことより、アウター、インナーの双方に連続繊維を適用する場合に比して材料歩留りを高めることができ、材料コストを抑制することができる。
また、インナーにランダム繊維を適用したことで、インナーがリブを備えた部材であったり、形状が複雑で連続繊維を適用した場合には製造が困難な場合であっても、容易に製造することが可能になる。特にランダム繊維を適用した部材の製造に当たっては、ランダム繊維材料を成形型内で流動させ、流動する材料同士をぶつけて繊維配向を所望に揃えたり、部材の一部のみ樹脂を具備しない強度弱部を容易に成形できるなど、優れた加工性を享受することができる。
また、前記繊維強化樹脂製のフードパネルの実施の形態として、前記アウターの曲げ強度が645MPa以上であって1000MPa以下であり、前記インナーの曲げ強度が90MPa以上であって355MPa以下である形態を挙げることができる。
本発明者等による検証の結果、アウターの曲げ強度の下限値とインナーの曲げ強度の上限値をそれぞれ上記数値範囲に設定することで、アウターは適度の剛性を有するとともに、衝突荷重を受けた際には変形してインナーに荷重を伝え、インナーが曲げ破壊して衝突エネルギーを吸収することができる。なお、1000MPaを超える曲げ強度を備えたアウターを製造するのは困難であること、90MPa未満の曲げ強度のインナーではアウターを十分に保持し難いことがそれぞれの上限値および下限値の規定根拠である。
以上の説明から理解できるように、本発明の繊維強化樹脂製のフードパネルによれば、ランダム繊維を含むインナーと連続繊維を含むアウターから構成され、アウターの曲げ強度に比してインナーの曲げ強度が相対的に低くなっていることで、アウターとインナーの他に別途の衝撃吸収材を適用することなく、アウターに作用した衝撃荷重をインナーに伝えてインナーを破壊させ、この破壊によって衝撃エネルギーを吸収して耐衝突安全性に優れた繊維強化樹脂製のフードパネルを安価に製造することができる。
(a)は本発明のフードパネルの実施の形態1の分解斜視図であり、(b)はその組立図である。 (a)は本発明のフードパネルの実施の形態2を構成するインナーの斜視図であり、(b)はフードパネルの実施の形態2の斜視図である。 (a)は図2のIII−III矢視図であってアウターの中央に衝撃荷重が付与された状態を示した図であり、(b)は衝撃荷重付与後のフードパネルの状態を示した図である。 (a)は本発明のフードパネルの実施の形態3を構成するインナーの斜視図であり、(b)はフードパネルの実施の形態3の斜視図である。 2点支持された試験体に集中荷重を付与する曲げ試験を説明した模式図である。
以下、図面を参照して本発明の繊維強化樹脂製のフードパネルの実施の形態1〜3を説明する。
(フードパネルの実施の形態1)
図1aは本発明のフードパネルの実施の形態1の分解斜視図であり、図1bはその組立図である。図1で示すフードパネル10は、面状の繊維強化樹脂製のインナー2の上に同様に面状の繊維強化樹脂製のアウター1が積層され、双方が接着剤等で接着されて構成されている。なお、フードパネル10は、平坦状、湾曲状、平坦面と湾曲面のユニット体など、多様な3次元形状を呈している。
アウター1は、熱硬化性樹脂もしくは熱可塑性樹脂からなるマトリックス樹脂の内部に連続繊維が含まれて形成されている。
この連続繊維としては、JISで規定するように50mmを超える連続繊維がマトリックス樹脂内に一方向に配向された一方向材(UD材)や擬似等方材(多軸積層材や経糸および緯糸からなる織物など)などを挙げることができる。
マトリックス樹脂として適用される熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂やフェノール樹脂、ポリウレタンなどを挙げることができる。一方、マトリックス樹脂として適用される熱可塑性樹脂としては、結晶性プラスチック、非結晶性プラスチックのいずれを適用してもよく、結晶性プラスチックとしては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ナイロン(PA:ナイロン6、ナイロン66など)、ポリアセタール(POM)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などを挙げることができ、非結晶性プラスチックとしては、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ABS樹脂、熱可塑性エポキシなどを挙げることができる。
また、連続繊維としては、ボロンやアルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニアなどのセラミック繊維や、ガラス繊維や炭素繊維といった無機繊維、銅や鋼、アルミニウム、ステンレス等の金属繊維、ポリアミドやポリエステルなどの有機繊維のいずれか一種もしくは二種以上の混合材を挙げることができる。
アウター1がマトリックス樹脂内に連続繊維が含まれた部材であることから、曲げ剛性が比較的高くなり、衝撃荷重を受けない通常時においてアウター1を叩いたり、押したりした場合でも塑性変形することなく、初期の形状を維持することができる。
一方、インナー2は、マトリックス樹脂内にランダム繊維が含まれて形成されている。
このランダム繊維は、繊維長が50mm未満の長繊維や、長繊維よりも繊維長の短い短繊維がランダムな配向でマトリックス樹脂内に含まれたものである。
インナー2のマトリックス樹脂も、上記するアウター1のマトリックス樹脂で挙げた素材のいずれか一種を素材として適用することができ、ランダム繊維の繊維材も連続繊維の繊維材で挙げた素材のいずれか一種もしくは二種以上の組み合わせを適用することができる。
また、アウター1とインナー2のマトリックス樹脂は同素材のものを適用してもよいし、異種素材のものを適用してもよい。そして、アウター1とインナー2の接合形態は、接着剤による接合のほか、メカニカルクリンチやネジ留め、セルフピアスリベットなどによる接続形態であってもよい。
インナー2がマトリックス樹脂内にランダム繊維が含まれた部材であることから、アウター1に比して曲げ剛性が低くなる。そのため、フードパネル10を構成するアウター1に人が衝突等して衝撃を受けた際に、まずアウター1が変形し、変形したアウター1から剛性の低いインナー2に衝撃荷重が伝えられ、この衝撃荷重によってインナー2が潰される(破壊される)ことになる。逆に言えば、アウター1は通常時には塑性変形しない程度の剛性を有しており、所定の衝撃荷重を受けた際に変形する性能を有していること、一方で、インナー2はアウター1から伝えられた所定の衝撃荷重に対して破壊する程度の剛性を有するように設計されている。
衝撃荷重を受けたアウター1が塑性変形する過程で衝撃エネルギーの一部が吸収されるが、インナー2が破壊する過程で衝撃エネルギーの多くが吸収され、フードパネル10に衝突した歩行者等の安全性を確保することが可能となる。
図示するフードパネル10によれば、アウター1とインナー2ともにFRP部材からなることで軽量であることは勿論のこと、アウター1とインナー2がそれぞれ連続繊維とランダム繊維を有していて曲げ剛性が異なっており、アウター1から伝播された衝撃荷重にてインナー2を積極的に破壊せしめて衝撃エネルギーを吸収するようにしたことで、アウターおよびインナー以外の他部材にてエネルギー吸収を図る場合の課題である、フードの構成部材数の増加やこれに起因する製造コストの増加、フード全体の重量の増加といった課題は生じ得ない。
(フードパネルの実施の形態2)
図2aは本発明のフードパネルの実施の形態2を構成するインナーの斜視図であり、図2bはフードパネルの実施の形態2の斜視図である。
図2で示すフードパネル10Aは、フードパネル10と同様に面状の繊維強化樹脂製のアウター1の下方に、面状の繊維強化樹脂材とその外側輪郭に沿う形状の凸条2aとからなるインナー2Aが配設され、双方が接着剤等で接着されて構成されている。
図2bで示すアウター1とインナー2Aの組み付け状態において、双方の間には凸条2aの高さ分の隙間Gが形成されている。
このようにアウター1とインナー2Aの間に適度の隙間Gが形成されていることにより、フードパネル10Aのアウター1に衝撃荷重が作用した際にアウター1を変形させ易くすることができる。より具体的には、図1で示すフードパネル10の場合には、アウター1とインナー2が相互に面接合されているために、アウター1のたとえば一点に集中的に衝撃荷重が作用した場合に、アウター1とインナー2による複合面材全体が曲げ変形しながらインナー2を曲げ破壊させる必要がある。これに対し、フードパネル10Aの場合には、アウター1に集中荷重が作用した際にアウター1のみが曲げ変形し、一定量だけ変形した後にアウター1がインナー2Aの一部に接触して衝撃荷重を伝えることになる。このことを図3を参照して説明する。
図3aで示すように、アウター1のたとえば中央位置に衝撃荷重Pが作用すると、図3bで示すように、アウター1は両端支持の状態で中央が下方に変形し、凸条2aの高さ分だけ変形してインナー2Aと接触し、インナー2Aに衝撃荷重を伝えてこれを破壊させる。
このように、アウター1に衝撃荷重が作用した際にまずアウター1のみをスムーズに変形させ、次いでインナー2Aをスムーズに破壊に至らしめることができるため、フードパネル10に比してより短時間での衝撃吸収性が高く、耐衝突安全性の高いフードパネルとなる。
(フードパネルの実施の形態3)
図4aは本発明のフードパネルの実施の形態3を構成するインナーの斜視図であり、図4bはフードパネルの実施の形態3の斜視図である。
図4で示すフードパネル10Bは、フードパネル10,10Aと同様に面状の繊維強化樹脂製のアウター1の下方に、フードの外郭ラインに沿う梁2bと中央の2本の梁から構成された繊維強化樹脂製のインナー2Bが配設され、双方が接着剤等で接着されて構成されている。
インナー2Bを梁材から構成したことでフードパネル10Bの一層の軽量化を図ることができる。また、アウター1から伝播される衝撃荷重にて梁材からなるインナー2Bが破壊されて衝撃エネルギーを吸収することにより、フードパネル10,10Aと同様に耐衝突安全性の高いフードパネルとなる。なお、図示を省略するが、梁材からなるインナー2Bの一部に繊維の存在しない構造弱部を設けておいてもよく、この構造弱部は、2つの梁材の溶着部や融着部などであってもよい。アウター1から伝播された衝撃荷重にて構造弱部が他の部位に比して先行して破壊し易くなることで、より一層スムーズなインナー2Bの破壊が励行され、所望の衝撃吸収性能をより一層瞬時に得ることが可能となる。
[曲げ試験とその結果]
本発明者等は、図5で示すように梁状の試験体TP(長さL1は100mm±0.5mm、高さtは25mm±0.5mm)を製作し、2点支持させ(支持スパンL2は80mm)、温度は室温(25℃程度)とし、試験体TPの中央位置に5mm/分の載荷速度で荷重Qを付与する曲げ試験を実施した。
ここで、試験体TPは、アウター用の試験体としてマトリックス樹脂内に連続繊維を含ませたもの、インナー用の試験体としてマトリックス樹脂内に短繊維をランダムに含ませたものをそれぞれ製作し、アウターは10本の試験体で曲げ試験を実施し、インナーは42本の試験体(ウェルドなし:30本、ウェルドあり:12本で、「ウェルドなし」とはインナーの一部に繊維の存在しない構造弱部を備えた試験体のことであり、「ウェルドあり」とはインナーの一部に構造弱部を備えた試験体のことである)で曲げ試験を実施した。試験結果を以下の表1に示す。
Figure 2014201143
表1より、アウターの曲げ強度は最小値の645MPa以上に設定し、かつ、インナーの曲げ強度は最大値の355MPa以下に設定することで、アウターが曲げ変形されて荷重がインナーに伝えられ、インナーが破壊するフードパネルを製造することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…アウター、2,2A,2B…インナー、2a…凸条、2b…梁材、10,10A,10B…フードパネル、G…隙間

Claims (4)

  1. 繊維強化樹脂製のインナーの上に面状の繊維強化樹脂製のアウターが配設されてなる繊維強化樹脂製のフードであって、
    インナーはマトリックス樹脂内にランダム繊維が含まれて形成されており、アウターはマトリックス樹脂内に連続繊維が含まれて形成されていて、アウターの曲げ強度に比してインナーの曲げ強度が相対的に低い繊維強化樹脂製のフードパネル。
  2. インナーは凸条を有し、該凸条の内側に面材もしくは格子梁が形成されており、
    アウターが前記凸条の上で固定され、該凸条の内側では、インナーとアウターの間に隙間が形成されている請求項1に記載の繊維強化樹脂製のフードパネル。
  3. インナーの一部に構造弱部が備えてある請求項1または2に記載の繊維強化樹脂製のフードパネル。
  4. 前記アウターの曲げ強度が645MPa以上であって1000MPa以下であり、前記インナーの曲げ強度が90MPa以上であって355MPa以下である請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化樹脂製のフードパネル。
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