JP2014198436A - 積層発泡シート、及び、食品用容器 - Google Patents

積層発泡シート、及び、食品用容器 Download PDF

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Abstract

【課題】耐衝撃性と座屈強度とに優れた成形品の形成に有用な積層発泡シートを提供すること。【解決手段】サーキュラーダイからの共押出によって積層一体化されたポリスチレン系樹脂非発泡層とポリスチレン系樹脂発泡シート層とを備え、前記ポリスチレン系樹脂非発泡層が、ゴム成分を含有する耐衝撃性ポリスチレン樹脂で形成されて前記ゴム成分からなる粒子をポリスチレン樹脂中に分散させた海島構造を有し、前記粒子が所定形状となっている積層発泡シートを提供する。【選択図】 図1

Description

本発明は、積層発泡シート、及び、食品用容器に関し、より詳しくは、サーキュラーダイからの共押出によって積層一体化されたポリスチレン系樹脂非発泡層とポリスチレン系樹脂発泡シート層とを備えた積層発泡シート、及び、該積層発泡シートが熱成形されてなる食品用容器に関する。
従来、ポリスチレン系樹脂発泡シートは、そのままの状態で、あるいは、ポリスチレン系樹脂フィルムなどがラミネートされた積層発泡シートの状態で真空成形やプレス成形などといった熱成形に利用されており、食品トレイやカップ麺用容器といった食品用容器の原材料として広く用いられている。
なかでも、積層発泡シートは、ポリスチレン系樹脂発泡シート単体を用いた成形品に比べて美麗な外観を有する成形品を作製し得るとともに前記ポリスチレン系樹脂フィルムからなるポリスチレン系樹脂非発泡層とポリスチレン系樹脂発泡シート層とのそれぞれの材質や厚みの調整によって物性値などに対する種々の要求に対応することが容易であることから広く用いられている。
この種の積層発泡シートの製造方法としては、個別に作製したポリスチレン系樹脂発泡シートとポリスチレン系樹脂フィルムとを加熱ローラーなどを使って積層一体化させる熱ラミネート法、予め作製したポリスチレン系樹脂発泡シートの表面にフラットダイからポリスチレン系樹脂フィルムを熱溶融状態で押出して積層一体化させる押出ラミネート法などのほかに一つのダイからポリスチレン系樹脂発泡シートとポリスチレン系樹脂フィルムとを同時に押出す共押出法が知られている。
なかでも共押出法は、積層発泡シートの製造工程を簡略化させることができる点において好適であり、例えば、下記特許文献1においては、HIPSなどと称される耐衝撃性ポリスチレン樹脂をポリスチレン系樹脂非発泡層の形成材料として利用し、共押出によって積層発泡シートを形成させることが記載されている(実施例等参照)。
ところで、カップ麺を食する際には、容器の周側壁の上端に親指を当てて他の指を容器底壁の下面に添えた片持ち状態で熱湯を注ぎ入れるようなことが行われる。
そして、熱湯を注ぎ終える頃には全体の質量が大きなものとなり、注ぎ入れた熱湯による荷重を親指を当てた周側壁上端と容器底壁との間の圧縮力としてカップ麺容器に作用させることになる。
また、カップ麺は、通常、複数の製品が段ボール箱に箱詰めされた状態となってメーカーから販売店に搬送されるが、この搬送の際には複数の箱が積層されたり、別の商品がカップ麺を収容した箱の上に積載されたりするためにカップ麺用容器には圧縮荷重が加えられることになる。
このようなことから、カップ麺用容器は、周側壁上端に下方に向けた圧縮荷重をある程度加えても座屈を生じさせない強度を有することが要望されている。
特開2012−006357号公報
上記要望に対し、例えば、先の特許文献1に示されているようにポリスチレン系樹脂非発泡層を耐衝撃性ポリスチレン樹脂によって形成させてカップ麺用容器に対する耐衝撃性の向上を図ろうとすると座屈強度をむしろ低下させるおそれを有している。
この点について説明すると、耐衝撃性ポリスチレン樹脂は、通常、硬質なマトリックス相となるポリスチレン樹脂中に軟質な分散相となるゴム成分を分散させており、当該ゴム成分からなる粒子はポリスチレン樹脂中に分散させた海島構造を有し、前記粒子の衝撃吸収作用によって耐衝撃性を発揮させている。
従って、耐衝撃性ポリスチレン樹脂は、通常、ゴム成分を含んでいない汎用ポリスチレン樹脂などに比べて圧縮応力に対して変形を生じ易い。
そのため、耐衝撃性ポリスチレン樹脂によってポリスチレン系樹脂非発泡層が形成された積層発泡シートでカップ麺用容器を作製すると容器周側壁上端に加わった荷重の分担割合としてポリスチレン系樹脂非発泡層側の割合が汎用ポリスチレン樹脂などでポリスチレン系樹脂非発泡層を形成させた場合に比べて低下するおそれを有する。
即ち、従来のカップ麺用容器は、耐衝撃性と座屈強度との両方に優れた状態とすることが困難となっている。
なお、耐衝撃性と座屈強度との両立が求められているのはカップ麺用容器や食品用容器のみならず前記のような積層発泡シートが熱成形して得られる成形品に対して広く求められているものである。
本発明はこのような要望を満足させることを課題としており、耐衝撃性と座屈強度とに優れた成形品の形成に有用な積層発泡シートを提供し、ひいては、耐衝撃性と座屈強度とに優れた食品用容器などの成形品を提供することを課題としている。
本発明者は、前記共押出法が押出ラミネート法などに比べて得られる積層発泡シートを座屈強度に優れた成形品の形成に有利であること、及び、前記ゴム成分からなる粒子がポリスチレン系樹脂非発泡層において特定の形状となるように積層発泡シートを形成させることで座屈強度に優れた成形品の形成に特に有利となることを見出して本発明を完成させるに至ったものである。
即ち、上記課題を解決するための積層発泡シートに係る本発明は、サーキュラーダイからの共押出によって積層一体化されたポリスチレン系樹脂非発泡層とポリスチレン系樹脂発泡シート層とを備え、前記ポリスチレン系樹脂非発泡層が、ゴム成分を含有する耐衝撃性ポリスチレン樹脂で形成されて前記ゴム成分からなる粒子をポリスチレン樹脂中に分散させた海島構造を有し、前記粒子は、前記共押出における押出方向に対して直交するシート幅方向に沿ってポリスチレン系樹脂非発泡層を切断した際に、該切断面での前記シート幅方向における長さ(LTD)と該シート幅方向に直交するシート厚み方向における幅(WTD0)との比率(LTD/WTD)が2.5以上25.0以下となり、且つ、前記押出方向に沿ってポリスチレン系樹脂非発泡層を切断した際に、該切断面での前記押出方向における長さ(LMD)と該シート幅方向に直交するシート厚み方向における幅(WMD)との比率(LMD/WMD)が2.5以上25.0以下となる形状を有していることを特徴としている。
また、食品用容器に係る本発明は、食品が載置される底壁と、該底壁の外周縁から立ち上がる周側壁とが備えられ、サーキュラーダイからの共押出によって積層一体化されたポリスチレン系樹脂非発泡層とポリスチレン系樹脂発泡シート層とを有する積層発泡シートが熱成形されてなり、前記ポリスチレン系樹脂非発泡層と前記ポリスチレン系樹脂発泡シート層とが前記底壁及び前記周側壁の厚み方向に積層されている食品用容器であって、ゴム成分を含有する耐衝撃性ポリスチレン樹脂で前記ポリスチレン系樹脂非発泡層が形成されて前記ゴム成分からなる粒子をポリスチレン樹脂中に分散させた海島構造が前記ポリスチレン系樹脂非発泡層に形成されており、前記周側壁を形成している前記ポリスチレン系樹脂非発泡層中の前記粒子は、該周側壁を周回する方向に向けて前記ポリスチレン系樹脂非発泡層を切断した際に、該切断面での前記周回する方向における長さ(LX)と該方向に直交する周側壁の厚み方向における幅(WX)との比率(LX/WX)が2.5以上30.0以下となり、且つ、前記周回する方向に直交する垂直面によってポリスチレン系樹脂非発泡層を切断した際に、該切断面での前記周側壁の立上る方向における長さ(LZ)と周側壁の厚み方向における幅(WZ)との比率(LZ/WZ)が2.5以上30.0以下となる形状を有していることを特徴としている。
本発明の積層発泡シートは、ポリスチレン系樹脂非発泡層とポリスチレン系樹脂発泡シート層とがサーキュラーダイからの共押出によって積層一体化されている。
サーキュラーダイによる押出しに際しては、ポリスチレン系樹脂非発泡層に押出方向(MD)及び、該押出方向に直交するシート幅方向(TD)に加える延伸を調整することが容易である。
従って、本発明においては、ポリスチレン系樹脂非発泡層の形成に耐衝撃性ポリスチレン樹脂を用いてサーキュラーダイによる押出を実施する際に前記延伸の加え方によってゴム成分からなる粒子の形状を容易に調整することができる。
そして、本発明の積層発泡シートは、シート幅方向に沿ってポリスチレン系樹脂非発泡層を切断した際に、該切断による断面での前記粒子の形状が当該シート幅方向に細長い形状となり、且つ押出方向に沿ってポリスチレン系樹脂非発泡層を切断した際に、シート幅方向と同様に切断面での粒子形状が前記押出方向に細長い形状となるように形成させる。
即ち、本発明の積層発泡シートは、前記粒子が扁平な板状となってポリスチレン系樹脂非発泡層に分散されており、しかも、複数の粒子が、その面方向を積層発泡シートの平面方向に揃える形でポリスチレン系樹脂非発泡層に分散されている。
言い換えると、本発明の積層発泡シートは、ゴム成分に比べて硬質なポリスチレン樹脂が粒子間において平板状になっている。
即ち、本発明の積層発泡シートは、ゴム成分粒子を球状に近い形状で分散させている従来の積層発泡シートに比べ、シート幅方向、及び、押出方向でのポリスチレン系樹脂非発泡層の圧縮強度を向上させている。
このことにより、本発明の積層発泡シートを熱成形してなる食品用容器は、周側壁の上端に下方に向けた荷重が加えられた場合に、前記ポリスチレン系樹脂非発泡層側の加重の分担割合を従来の食品用容器に比べて増大させることができ、ポリスチレン系樹脂発泡シート層側に加わる負担を軽減することができる。
即ち、本発明の積層発泡シートを熱成形してなる食品用容器は、前記荷重が加えられた際の座屈の防止を図りうる。
ポリスチレン系樹脂積層発泡シートの一例を示した概略断面図である。 ポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造装置を示した模式図である。 共押出ダイの一例を示した縦断面図である。 食品用容器の一例を示した概略斜視図である。 図4の食品用容器のX−X線矢視断面図である。 実施例3の積層発泡シートの押出方向に対して直交するシート幅方向の断面(TD)におけるポリスチレン系樹脂非発泡層の様子を観察したTEM写真。 実施例3の積層発泡シートの押出方向の断面(MD)におけるポリスチレン系樹脂非発泡層の様子を観察したTEM写真。 実施例3の積層発泡シートを熱成形して形成させた角型トレイの周側壁を該周側壁が周回方向の断面におけるポリスチレン系樹脂非発泡層の様子を観察したTEM写真。 実施例3の積層発泡シートを熱成形して形成させた角型トレイの周側壁を該周側壁が周回する方向に直交する垂直面方向の断面におけるポリスチレン系樹脂非発泡層の様子を観察したTEM写真。 比較例1の積層発泡シートの押出方向に対して直交するシート幅方向の断面(TD)におけるポリスチレン系樹脂非発泡層の様子を観察したTEM写真。 比較例1の積層発泡シートの押出方向の断面(MD)におけるポリスチレン系樹脂非発泡層の様子を観察したTEM写真。 比較例1の積層発泡シートを熱成形して形成させた角型トレイの周側壁を該周側壁が周回方向の断面におけるポリスチレン系樹脂非発泡層の様子を観察したTEM写真。 比較例1の積層発泡シートを熱成形して形成させた角型トレイの周側壁を該周側壁が周回する方向に直交する垂直面方向の断面におけるポリスチレン系樹脂非発泡層の様子を観察したTEM写真。 積層発泡シートの各断面方向を説明する模式図。 食品用容器の各断面方向を説明する模式図。
以下に、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。
本発明の積層発泡シートは、サーキュラーダイからの共押出によって積層一体化されたポリスチレン系樹脂非発泡層(以下、単に「非発泡層」ともいう)とポリスチレン系樹脂発泡シート層(以下、単に「発泡層」ともいう)とを備えている。
また、本実施形態の積層発泡シートは、図1にその断面構造を示すように、前記発泡層10が2層構造となっており、他方よりも発泡度が高く低密度な低密度発泡層11と他方よりも発泡度が低く高密度な高密度発泡層12とを有している。
即ち、本実施形態の積層発泡シートは、表面側から順に、非発泡層20、高密度発泡層12、低密度発泡層11となる積層構造を有するものとなっている。
そして、本実施形態の積層発泡シートは、前記非発泡層20が、ゴム成分を含有する耐衝撃性ポリスチレン樹脂で形成されて前記ゴム成分からなる粒子をポリスチレン樹脂中に分散させた海島構造を有している。
さらに、本実施形態の積層発泡シートは、前記粒子が、前記共押出における押出方向(MD)に対して直交するシート幅方向(TD)に沿って非発泡層20を切断した際に、前記シート幅方向における長さ(LTD)と該シート幅方向に直交するシート厚み方向(VD)における幅(WTD)との比率(LTD/WTD)が2.5以上25.0以下となっている。
ここで、各断面について図14を参照しつつより詳しく説明する。
図14は、積層発泡シートの非発泡層20を模式的に示したもので、図中の“EX”の符号を付して示した矢印が押出方向を表している。
従って、押出方向に沿って切断した断面とは図中において“P1”の符号を付して示した平面による断面を意味する。
そして、この断面(P1)において押出方向(EX)に直交するシート厚み方向とは、矢印t1の方向を意味する。
また、押出方向に直交するシート幅方向に沿って切断した断面とは、図中において“P2”の符号を付して示した平面による断面を意味する。
従って、この断面(P2)において押出方向(EX)に直交するシート厚み方向とは、矢印t2の方向を意味する。
なお、図中において“P3”の符号を付して示した平面は、シート厚み方向に平行する面を意味している。
そして、前記粒子の長さ(LTD)及び幅(WTD)については、以下のようにして測定することができる。
(粒子形状測定方法)
積層発泡シートを押出方向に対して直交するシート幅方向の断面(TD)が観察できるように切片を採取する。
その後、切り出した切片をエポキシ樹脂中に包埋後、60℃の温度で24時間かけて前記エポキシ樹脂を硬化させ、ウルトラミクロトーム(例えば、ライカマイクロシステムズ社製、型名「LEICA ULTRACUT UCT」、DiATOME社 Ultra Sonic)を用いて超薄切片(例えば、厚み70nm)を作製する。
切片の切削方向は厚み方向(VD)とし、染色剤は四酸化オスミウムを用いる。次いで、透過型電子顕微鏡(TEM)(例えば、日立ハイテクノロジーズ社製、型名「H−7600」、AMT社製カメラシステム、「ER−B」)にて非発泡層の表面が写るように写真撮影を行う。
その際、透過型電子顕微鏡本体の倍率を1000倍とする。
上記条件により撮影して得られた写真を印刷し、ゴム粒子寸法と写真上のスケールバー長さをミツトヨ社製「デジマチックキャリパ」にて1/100mmまで計測し、スケールバー実測値とスケールバーの表示値から前記長さ(LTD)及び前記幅(WTD)について算出する。
なお、粒子寸法を測定する場所は非発泡層表面から厚み方向(VD)に10μmの範囲内の分散しているゴム粒子の中から前記シート幅方向(TD)における長さが500nm以上のものについて測定する。
該ゴム粒子の寸法はシート幅方向に最も長い場所を測定し、その平均値を長さ(LTD)とする。
同様に厚み方向にゴム粒子が最も長い場所の寸法を測定し、その平均値を幅(WTD)とする。計測するゴム粒子数が約1000個程度になるような枚数の写真にある全ての該ゴム粒子を計測する。そして、求められた長さ(LTD)を幅(WTD)で除することにより前記比率(LTD/WTD)を算出することができる。
本実施形態の積層発泡シートは、前記粒子が、シート幅方向(TD)のみならず共押出における押出方向(MD)においてもその断面形状が長く伸びる形状となっていることが好ましい。
即ち、前記粒子は、押出方向(MD)に沿って非発泡層20を切断した際に、該押出方向における長さ(LMD)と該シート幅方向に直交するシート厚み方向(VD)における幅(WMD)との比率(LMD/WMD)が2.5以上25.0以下となっていることが好ましい。
なお、この押出方向における粒子の長さ(LMD)及び前記幅(WMD)については、積層発泡シートを押出方向(MD)の断面が観察できるように切片を採取すること以外は前記のシート幅方向における粒子の長さ(LTD)及び前記幅(WTD)と同様にして求めることができる。
即ち、該切片において観察される粒子の中から押出方向(MD)における長さが500nm以上のものを測定対象として選択し、前記長さ(LMD)と前記幅(WMD)とを求めることができる。
ここで前記粒子の機能について、図4、図5を参照しつつ詳しく説明する。
図4は、本実施形態の積層発泡シートを熱成形してなるカップ状の食品用容器の概略斜視図であり、この図にも示されているように、前記食品用容器100は上部開口した逆円錐台状となっている。
また、図5は、前記食品用容器100の仮想中心線(図4の線C)を含んだ垂直平面によって前記食品用容器100を切断した様子を示す断面図であり、図4の破線Aに沿って食品用容器100を切断した様子を示す断面図である。
これらの図に例示の食品用容器100は、その上面側が食品が載置される載置面となり、且つ下面側が当該食品用容器100の接地面となる底壁110と、該底壁110の外周縁から立ち上がる周側壁120とを備え、該周側壁120の上端から外向きに短く伸びるフランジ部130をさらに有している。
本実施形態の食品用容器100は、前記底壁110が平面視円形で前記周側壁120は外向きにやや傾斜した形で底壁外周縁から立ち上がっている。
従って、食品用容器100は、前記周側壁120の上端内側によって画定される開口縁120eが前記底壁110よりも大きな円形となっている。
そして、この食品用容器100は、前記発泡層10と前記非発泡層20とが前記底壁110及び前記周側壁120の厚み方向に積層された積層構造を有している。
より詳しくは、前記食品用容器100は、前記周側壁120の内表面121、及び、前記底壁110の食品載置面が前記発泡層10となり、周側壁120の外表面122、及び、前記底壁110の接地面が前記非発泡層20となるように本実施形態の積層発泡シート1が熱成形されて形成されたものである。
前記周側壁120を形成している前記非発泡層中のゴム成分からなる前記粒子は、該周側壁120を周回する方向(D1)に向けて前記非発泡層20を切断した際に、該切断面での前記周回する方向(D1)における長さ(LX)と該方向に直交する周側壁120の厚み方向(D2)における幅(WX)との比率(LX/WX)が2.5以上30.0以下となっていることで食品用容器100に優れた座屈強度を発揮させている。
この食品用容器の周側壁における粒子の前記長さ(LX)と幅(WX)については写真撮影を行う切片を周側壁120から採取する点、並びに、該周側壁120を周回する方向(D1)の断面が観察できるように周側壁120を切断して前記切片を採取すること以外は、前記のシート幅方向における粒子の長さ(LTD)及び前記幅(WTD)と同様にして求めることができる。
即ち、該切片において観察される粒子の中から周側壁を周回する方向(D1)における長さが500nm以上のものを測定対象として選択し、前記長さ(LX)と前記幅(WX)とを求めることができる。
また、前記粒子は、前記周回する方向(D1)に直交する垂直面(前記中心線Cを含む水直面)によって非発泡層20を切断した際に、該切断面での前記周側壁120の立上る方向(D3)における長さ(LZ)と周側壁120の厚み方向(D2)における幅(WZ)との比率(LZ/WZ)が2.5以上30.0以下となる形状を有していることで食品用容器100に優れた座屈強度を発揮させている。
この食品用容器の周側壁における粒子の前記長さ(LZ)と幅(WZ)については写真撮影を行う切片を周側壁120から採取する点、並びに、前記周回する方向(D1)に直交する垂直面(前記中心線Cを含む水直面)の断面が観察できるように周側壁120を切断して前記切片を採取すること以外は前記のシート幅方向における粒子の長さ(LTD)及び前記幅(WTD)と同様にして求めることができる。
即ち、該切片において観察される粒子の中から周側壁の立ち上がる方向(D3)における長さが500nm以上のものを測定対象として選択し、前記長さ(LZ)と前記幅(WZ)とを求めることができる。
なお、食品用容器における断面について図15を参照しつつより詳しく説明すると、前記のように周側壁120は外向き傾斜した状態で立ち上がっている。
従って、該周側壁120の厚み方向とは、垂直方向に対する周側壁の傾斜角を図中に示した“θ1”としたときに、食品用容器の中心軸Cと同じ中心軸を有する仰角が“θ1”の仮想円錐体の頂点(TP)から底面外縁(TE)に向けた方向となる。
即ち、周側壁120を周回する方向(D1)に向けて前記非発泡層20を切断した際の断面とは、前記仮想円錐体の側面となる図中に“P4”の符号を付して示した平面による断面を表している。
従って、この平面(P4)による断面において周側壁120の厚み方向(D2)とは、例えば、矢印t3の方向を意味する。
さらに、周側壁120の周回する方向(D1)に直交する垂直面による断面とは、図中に“P5”の符号を付して示した平面による断面を表し、該断面における周側壁120の厚み方向(D2)とは、例えば、矢印t3の方向を意味する。
即ち、前記粒子は、扁平な板状となって非発泡層20に分散されており、しかも、複数の粒子が、その平面方向を前記周側壁の面方向と並行させる形で非発泡層に分散されている。
そのため、前記周側壁120を構成している非発泡層においては、ゴム成分に比べて硬質なポリスチレン樹脂が粒子間において平板状になっている。
即ち、前記食品用容器は、ゴム成分粒子を球状に近い形状で非発泡層中に分散させている従来の食品用容器に比べ、周側壁の立ち上がり方向、及び、周側壁の周方向における非発泡層の圧縮強度が向上されている。
このことから前記周側壁120に対し上側から荷重が加わった場合において底壁と周側壁との境界部などにおいて座屈が生じることを抑制させることができる。
なお、上記の効果は、底壁と周側壁との境界部などにおいてのみ生じるものではなく、例えば、底壁に糸尻などと呼ばれる下方に突出する環状のリブを形成させた場合においても上記と同様の理由から当該環状リブに座屈が生じることを抑制させることができる。
また、上記効果は、カップ状の容器において生じるものでもない。
例えば、積層シートを熱成形して、食品を載置する底壁が平面視長方形で、該底壁の外縁からやや外広がりに立ち上がる角枠状の周側壁を有する角型トレイを作製した場合も同じである。
即ち、前記底壁の外縁の長辺方向が押出方向となり、短辺方向がシート幅方向となるように熱成形すること考えると、非発泡層20において前記粒子がシート幅方向に向けて長くなっている積層発泡シートを前記熱成形に利用することで角型トレイの周側壁長辺側において、該周側壁が立ち上がる方向に向けて前記粒子が長く伸びた状態になる。
そうすると、前記粒子を構成しているゴム成分よりも硬質なポリスチレン樹脂もゴム粒子間において周側壁が立ち上がる方向に向けて長く伸びた状態となって非発泡層中に存在することになる。
一般に、角型トレイも、例えば、平坦な台上に載置した状態で上から押し潰すような圧縮荷重を加えた場合において底壁と周側壁との境界部などを内側にめり込ませて座屈してしまうことがある。
そして、非発泡層を単に耐衝撃性ポリスチレンで形成させた角型トレイは、非発泡層がGPPSなどで形成されている角型トレイに比べて前記圧縮荷重に対する非発泡層の反発力が低くなる傾向を示し、その分の負担が発泡層側に転嫁されてしまう結果として座屈を生じさせ易くなる。
一方で、この角型トレイは、周側壁の起立方向に長く延びたポリスチレン樹脂の抵抗力によって上記のような原因による座屈が抑制される。
なお、非発泡層20における前記粒子がシート幅方向のみならす押出方向に向けても長くなって平面視円形に近い状態となっていることで、前記角型トレイは、長辺側のみならず短辺側においても周側壁が立ち上がる方向に向けて前記粒子が長く伸びた状態になり、より一層優れた座屈強度を発揮することとなる。
このような非発泡層20を形成させるための耐衝撃性ポリスチレン樹脂としては、ブタジエンゴムをGPPS中に分散させたもの、ポリスチレンにポリブタジエンをグラフト化させたものなどの一般的な耐衝撃性ポリスチレン樹脂を採用することができる。
また、前記非発泡層20は、積層発泡シートの用途などにもよるが、通常、60μm〜200μmの厚みとなって形成される。
その一方で、前記発泡層10における低密度発泡層11及び高密度発泡層12を構成するポリスチレン系樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、t−ブチルスチレン、ジメチルスチレンなどのスチレン系単量体の単独重合体又はこれらの共重合体などとすることができる。
なかでも、前記発泡層10は、前記非発泡層20との共押出に適していることからスチレン単独重合体たるGPPSで形成させることが好ましい。
該発泡層10の厚みは、通常、100μm〜300μmとされ、この内、前記低密度発泡層11の厚みは、通常、10μm〜100μmとされる。
また、前記高密度発泡層12の厚みは、200μm〜290μmとされる。
該発泡層10を発泡状態にさせるための発泡剤としては、通常、炭化水素系発泡剤が用いられ、該炭化水素系発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタンなどを一種単独、又は、複数混合して用いることができる。
また、発泡層10の気泡の形成状態を調整すべく気泡核剤を低密度発泡層11及び高密度発泡層12の各層に含有させるようにしてもよく、該気泡核剤としては、例えば、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、ガラスビーズなどの無機化合物粒子、ポリテトラフルオロエチレンなどの有機化合物粒子などが挙げられる。
本実施形態の積層発泡シートは、発泡層10と非発泡層とを共押出する際の押出し条件等によって前記粒子の形状等を調整することができる。
なお、前記積層発泡シート1を共押出しによって製造するための装置について図2、図3を参照しつつ説明する。
図2は、本実施形態の積層発泡シートの製造方法に用いられる製造装置の一例を示す構成図であり、サーキュラーダイから発泡剤を含有するポリスチレン系樹脂組成物を押出発泡して筒状の発泡体を形成させた後、該筒状の発泡体を冷却マンドレルの外周に沿わせて冷却し、冷却された発泡体を上下に二分割してロールに巻き取る様子を示したもので図3は、図2の破線丸囲いAで示した部分の詳細を示すべく拡大した断面図を表している。
これらの図に示されている積層発泡シート1の製造装置は、2系統のタンデム押出機60,70と、1系統のシングル押出機80との合計3系統の押出機を備えている。
即ち、前記製造装置は、低密度発泡層11を作製するためのタンデム押出機60(以下、「第一押出機60」ともいう)と、高密度発泡層12を作製するためのタンデム押出機70(以下、「第二押出機70」ともいう)と、非発泡層20を作製するためのシングル押出機80(以下、「第三押出機80」ともいう)との3系統の押出機を並行させて備えており、これらから押出される溶融樹脂を合流させるための合流金型90と、該合流金型90で合流された溶融樹脂を共押出しさせるためのサーキュラーダイ100をさらに備えている。
前記合流金型90は、溶融樹脂による円筒状の流れを内部に形成させ得るように構成されており、且つ、内から順に、第一押出機60から供給される溶融樹脂(以下、「第一溶融樹脂」ともいう)、第二押出機70から供給される溶融樹脂(以下、「第二溶融樹脂」ともいう)、第三押出機80から供給される溶融樹脂(以下、「第三溶融樹脂」ともいう)となる三層構造の流れを形成させ得るように構成されている。
また、前記サーキュラーダイ100は、その円環状の吐出口111から、前記合流金型90から供給された溶融樹脂を共押出して内から順に、低密度発泡層11、高密度発泡層12、非発泡層20の順となる円筒状発泡体を形成し得るように構成されている。
本実施形態の積層発泡シートの製造装置には、サーキュラーダイ100から筒状に吐出された発泡体FBを内外両方から空冷する冷却装置CR1,CR2と、この筒状の発泡体FBを拡径して所定の大きさの筒状にするための冷却マンドレル200と、該冷却マンドレル200通過後の発泡体FB’をスリットして2枚の帯状の積層発泡シート1に分割するスリット装置CTと、スリットされた帯状の積層発泡シート1を複数のローラ91を通過させた後に巻き取るための巻取ローラ92が備えられている。
なお、ここでは合流金型に供給する溶融樹脂の温度調整が容易である点、並びに、溶融樹脂中に発泡剤をより均一に分散させやすい点において、発泡層の形成に用いる2系統の押出機をタンデム押出機としているが、要すれば、前記第一押出機60及び第二押出機70の内の一方、又は、両方をシングル押出機としてもよい。
また、逆に第三押出機80をタンデム押出機とすることも可能である。
このような製造装置を用いて本実施形態の積層発泡シートを形成させる際には、サーキュラーダイ100の口径(d)と冷却マンドレル200の外径(D)との比率(D/d)、サーキュラーダイ100から冷却マンドレル200までの発泡体FB’の移動時間、及び、冷却装置CR1による前記発泡体外側(非発泡層側)の冷却速度などの条件によって非発泡層の周方向(TD)への延伸度合いを調整することができる。
即ち、非発泡層中に分散されるゴム成分粒子のシート幅方向における断面形状も上記条件によって調整することができる。
一方で押出方向への延伸は、サーキュラーダイ100の吐出口111において第一溶融樹脂が受けるせん断、冷却装置CR1による冷却と前記巻取ローラ92による発泡体FBの引取速度など条件によって調整することができる。
即ち、非発泡層中に分散されるゴム成分粒子の押出方向における断面形状も上記条件によって調整することができる。
本実施形態においては、ゴム成分からなる粒子を積層発泡シート1のシート幅方向に向けて長く伸びた形状とさせることが重要な要件となっていることから、前記発泡体FBに対して周方向への延伸が強く加わるような製造条件を選択して積層発泡シートを作製させることが好ましい。
なお、合流金型内やサーキュラーダイにおける非発泡層形成用の第三溶融樹脂を発泡層形成用の第一溶融樹脂や第二溶融樹脂に比べて過度に高温にすることなく良好なる流動性を発揮させて押出後の非発泡層に適度な延伸を与えやすくさせる上においては、前記第三溶融樹脂は、押出機中において炭化水素系発泡剤を少量含有させて可塑化させることが好ましい。
このような可塑化効果を第三溶融樹脂に発揮させるための炭化水素系発泡剤の含有量としては、例えば、第三溶融樹脂を構成する樹脂100質量部に対し、0.1質量部〜2.0質量部とすることができる。
このようにして作製された積層発泡シートは、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、マッチモールド成形、プレス成形といった各種の熱成形により種々の成形品とすることができる。
その際に得られる成形品は、内外いずれかに前記非発泡層を備えることで耐衝撃性に優れるとともに座屈強度に優れたものとなる。
本実施形態の積層発泡シートは、耐衝撃性や座屈強度に対する要望が強いことから、特に食品用容器の原材料として利用されることが好ましい。
なお、本実施形態においては、片面にのみ非発泡層を有する積層発泡シートを例示しているが、発泡層の両面に非発泡層を有する積層発泡シートも本発明の積層発泡シートとして意図するものである。
このような表裏両面に非発泡層を備え、しかも、その内部にゴム成分からなる粒子が所定の形状となって分散されている積層発泡シートを熱成形してなる食品用容器は、耐衝撃性、及び、座屈強度に特に優れたものとなる。
なお、本発明は上記例示に限定されるものではなく、上記において直接的に記載されていない事項であっても、積層発泡シートや積層発泡シートを成形型で熱成形して得られる食品用容器などに関して従来公知の技術事項については、本発明においても適宜採用が可能なものである。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
第一押出機として、口径が115mmの第一段目の単軸押出機と、この第一段目の単軸押出機に接続された口径が150mmの第二段目の単軸押出機とからなるタンデム型押出機を用意した。
また、第二押出機として口径が90mmの単軸押出機を用意する一方、第三押出機として口径が115mmの単軸押出機を用意した。
更に、これらの押出機から供給される溶融樹脂を合流させる合流金型と、サーキュラーダイとを用意した。
そして、これらを図2に概略的に示した状態となるようにして共押出を実施し積層発泡シートを作製した。
具体的には、第一押出機における第一段目の単軸押出機に、ポリスチレン(DIC社製 、GPPS、商品名「XC−515」)100質量部、及び、ポリスチレンに気泡調整剤としてタルク及び分散剤が添加されてなるマスターバッチ(キハラ化成社製 商品名「SMA−01BE」、タルク:約40質量%)1.0質量部を供給して樹脂温度220℃にて溶融混練した後、第一段目の単軸押出機に発泡剤としてブタン(ノルマルブタン:35質量%、イソブタン:65質量%)3.0質量部を圧入した上でポリスチレン樹脂を溶融混練して第一溶融樹脂とし、次にこの第一溶融樹脂を第二段目の単軸押出機に供給して溶融混練しながら樹脂温度153.5℃まで冷却した。
この第一押出機に並行して第二押出機に、ポリスチレン(東洋スチレン社製、GPPS、商品名「HRM18」)100質量部、及び、ポリスチレンに気泡調整剤としてタルク及び分散剤が添加されてなるマスターバッチ(キハラ化成社製 商品名「SMA−01BE」、タルク:約40質量%)1.5質量部を供給して樹脂温度220℃にて溶融混練した後にブタン(ノルマルブタン:35質量%、イソブタン:65質量部)2.2質量部を圧入した上で溶融混練して第二溶融樹脂とし、この第二溶融樹脂を樹脂温度162.5℃まで冷却した。
さらに上記第三押出機には、耐衝撃性ポリスチレン(東洋スチレン社製、HIPS、商品名「E785N」)70質量部、及び、ポリスチレン(PSジャパン社製 商品名「G0002」)30質量部を供給して樹脂温度220℃にて溶融混練した上で、ポリスチレン樹脂100質量部に対してブタン(ノルマルブタン:35質量%、イソブタン:65質量部)1.7質量部を第三押出機に圧入して更に溶融混練し第三溶融樹脂とした後に、該第三溶融樹脂を樹脂温度が185℃になるまで冷却した。
そして、第一溶融樹脂、第二溶融樹脂、及び、第三溶融樹脂を合流金型に供給して、これらの溶融樹脂を合流させ、内側から外側に向かって低密度発泡層(第一溶融樹脂)、高密度発泡層(第二溶融樹脂)、非発泡層(第三溶融樹脂)の順に積層された円筒状の発泡体をサーキュラーダイからの共押出によって形成させた。
なお、サーキュラーダイは、円環状の吐出口を形成する内側ダイの先端外径(直径)が215mmで且つ外側ダイとの間のクリアランスが0.76mmであった。
この発泡体に対し、外周面(非発泡層)に積層発泡シート1m2当たりに対する風量が0.48m3/分となるように40℃の冷却風を吹き付けるとともに内周面(低密度発泡層)に1m2当たり0.21m3/分の風量で40℃の冷却風を吹き付け、徐々に拡径させながら冷却マンドレルへと移動させ、直径670mmの冷却マンドレルに内周面を摺接させて内側からのさらなる冷却を実施した。
なお、サーキュラーダイの吐出口から冷却マンドレルまでの発泡体の移動時間は、この実施例1においては4.0秒であった。
この冷却マンドレル通過後、円筒状発泡体を押出方向に連続的に切断して切り開き、低密度発泡層、高密度発泡層、及び、非発泡層の順序で積層一体化されてなる長尺帯状の積層発泡シートを製造した。得られたシートの坪量は非発泡層が170g/m2で発泡層が220g/m2であった。
次に、押出後、1カ月経過後に積層発泡シートをプラグアシスト真空成形に供し、非発泡層が内側となるように熱成形して角型トレイを作製した。
なお、角型トレイは、深さ6.0cmで、平面視における底壁の形状が一辺11.8cmの正方形であり、該底壁の外縁から外向きに傾斜して立ち上がる周側壁の上端によって画定された一辺14.5cmの正方形の開口を有するものである。
また、角型トレイは、周側壁の上端から外向きに1.5cm幅となって延びるフランジ部を有し、該フランジ部の外縁によって画定される平面視における輪郭形状が、一辺17.5cmの正方形となるものである。
(実施例2)
サーキュラーダイの開口部から冷却マンドリルにかかるまでの時間を3.5秒とし、連続的に供給して円筒状発泡体を冷却した以外は実施例1と同様に積層発泡シート、及び、角型トレイを作製した。
(実施例3)
サーキュラーダイの開口部から冷却マンドリルにかかるまでの時間を3.0秒とし、連続的に供給して円筒状発泡体を冷却した以外は実施例1と同様に積層発泡シート、及び、角型トレイを作製した。
(実施例4)
サーキュラーダイの開口部から冷却マンドリルにかかるまでの時間を2.5秒とし、連続的に供給して円筒状発泡体を冷却した以外は実施例1と同様に積層発泡シート、及び、角型トレイを作製した。
(実施例5)
サーキュラーダイの開口部から冷却マンドリルにかかるまでの時間を2.0秒とし、連続的に供給して円筒状発泡体を冷却した以外は実施例1と同様に積層発泡シート、及び、角型トレイを作製した。
(比較例1)
サーキュラーダイの開口部から冷却マンドリルにかかるまでの時間を1.5秒とし、連続的に供給して円筒状発泡体を冷却した以外は実施例1と同様に積層発泡シート、及び、角型トレイを作製した。
(比較例2)
サーキュラーダイの開口部から冷却マンドリルにかかるまでの時間を8.0秒とし、連続的に供給して円筒状発泡体を冷却した以外は実施例1と同様に積層発泡シート、及び、角型トレイを作製した。
作製した角型トレイは、以下のようにして座屈強度を測定した。
(座屈強度測定方法)
オリエンテック社製、型名「テンシロンRTC−1310A」のクロスヘッドの下面側に500kgfのロードセルを装着し、該ロードセルの下方に直径15cmの円形治具を取り付けた。
該円形治具の直下のステージ上に底面が上になるように角型トレイを伏せた状態で置き、クロスヘッドを下方に向けて100m/minのスピードで移動させ前記円形治具で角型トレイを圧縮し、該角型トレイが座屈した際の強度を求めた。
それぞれの積層発泡シートのゴム粒子の寸法比率とそれらを熱成形することにより得られた角型トレイの周側壁におけるゴム粒子の寸法比率を以下の表に示す。
また、実施例3、比較例1の積層発泡シート、及び、該積層発泡シートを熱成形した角型トレイの周側壁について非発泡層の透過型電子顕微鏡写真を図6−13に示す。
なお、図中の黒色部分がゴムで白色部分がポリスチレンである。
上記結果からも、本発明の積層発泡シートによれば座屈強度に優れた成形品が提供されうることがわかる。
1:積層発泡シート、10:ポリスチレン樹脂発泡シート層(発泡層)、20:ポリスチレン系樹脂非発泡層(非発泡層)

Claims (2)

  1. サーキュラーダイからの共押出によって積層一体化されたポリスチレン系樹脂非発泡層とポリスチレン系樹脂発泡シート層とを備え、
    前記ポリスチレン系樹脂非発泡層が、ゴム成分を含有する耐衝撃性ポリスチレン樹脂で形成されて前記ゴム成分からなる粒子をポリスチレン樹脂中に分散させた海島構造を有し、前記粒子は、前記共押出における押出方向に対して直交するシート幅方向に沿ってポリスチレン系樹脂非発泡層を切断した際に、該切断面での前記シート幅方向における長さ(LTD)と該シート幅方向に直交するシート厚み方向における幅(WTD)との比率(LTD/WTD)が2.5以上25.0以下となり、且つ、前記押出方向に沿ってポリスチレン系樹脂非発泡層を切断した際に、該切断面での前記押出方向における長さ(LMD)と該シート幅方向に直交するシート厚み方向における幅(WMD)との比率(LMD/WMD)が2.5以上25.0以下となる形状を有していることを特徴とする積層発泡シート。
  2. 食品が載置される底壁と、該底壁の外周縁から立ち上がる周側壁とが備えられ、サーキュラーダイからの共押出によって積層一体化されたポリスチレン系樹脂非発泡層とポリスチレン系樹脂発泡シート層とを有する積層発泡シートが熱成形されてなり、前記ポリスチレン系樹脂非発泡層と前記ポリスチレン系樹脂発泡シート層とが前記底壁及び前記周側壁の厚み方向に積層されている食品用容器であって、
    ゴム成分を含有する耐衝撃性ポリスチレン樹脂で前記ポリスチレン系樹脂非発泡層が形成されて前記ゴム成分からなる粒子をポリスチレン樹脂中に分散させた海島構造が前記ポリスチレン系樹脂非発泡層に形成されており、前記周側壁を形成している前記ポリスチレン系樹脂非発泡層中の前記粒子は、該周側壁を周回する方向に向けて前記ポリスチレン系樹脂非発泡層を切断した際に、該切断面での前記周回する方向における長さ(LX)と該方向に直交する周側壁の厚み方向における幅(WX)との比率(LX/WX)が2.5以上30.0以下となり、且つ、前記周回する方向に直交する垂直面によってポリスチレン系樹脂非発泡層を切断した際に、該切断面での前記周側壁の立上る方向における長さ(LZ)と周側壁の厚み方向における幅(WZ)との比率(LZ/WZ)が2.5以上30.0以下となる形状を有していることを特徴とする食品用容器。
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