JP2014197013A - 強直性脊椎炎を有する患者における抗−TNFα抗体に対する臨床応答を予測する血清マーカー - Google Patents

強直性脊椎炎を有する患者における抗−TNFα抗体に対する臨床応答を予測する血清マーカー Download PDF

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Abstract

【課題】抗−TNFα剤による療法の開始前に、強直性脊椎炎と診断された患者を管理するためのツールを提供する。【解決手段】ツールは、血清マーカー濃度を使用した標準的な臨床一次及び二次エンドポイントに基づいて、治療法に対する応答を予測する特定のマーカー及びアルゴリズムである。一実施形態において、レプチン又はオステオカルシンのベースラインレベルを使用して、治療法の開始後の第14週における応答を予測する。別の実施形態では、治療法の第4週後の補体成分3等の血清タンパク質バイオマーカーにおける変化を使用する。【選択図】図1

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2008年12月30日出願の米国特許出願第61/141,421号の優先権を主張するものであり、出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
(発明の分野)
本発明は、血清バイオマーカーを使用して、強直性脊椎炎と診断された患者の抗−TNFα生物学的治療を用いた処置に対する応答を予測するための方法及び手順に関する。
現在入手可能な又は開発中のゴリムマブ又はアダリムマブ、ヒト抗−TNFα抗体又はインフリキシマブ、マウス−ヒトキメラ抗−TNF抗体、又はエンテラセプト(enteracept)、TNFRコンストラクト等の生物製剤を用いて強直性脊椎炎(AS)を処置する決定は、多数の困難を提示している。その困難のうちの1つは、どの対象が処置に応答し、どの対象が処置後に応答を失うかを予測することである。
バイオマーカーは、「正常な生物学的過程、発病過程、又は治療介入に対する薬理学的な応答性の指標として客観的に測定され評価される特徴として定義される」(非特許文献1)。バイオマーカーの定義は、発現の変化が、疾病若しくは進行の危険性の増加に、又は所定の処置に対する応答性の予測に、関連付けられ得るタンパク質として最近更に定義された。
抗−TNF抗体をインビトロ又はインビボシステムに添加することによるTNFαの中和は、炎症性サイトカインの発現と、他の血清タンパク質及び非タンパク質の構成成分の数と、を変更し得る。培養した滑膜線維芽細胞に添加された抗−TNF抗体は、サイトカインIL−1、IL−6、IL−8及びGM−CSFの発現を低減した(非特許文献2)。インフリキシマブで処置されたRA患者は、低下されたTNFR1、TNFR2、IL−1Rアンタゴニスト、IL−6、血清アミロイドA、ハプトグロビン及びフィブリノゲンの血清レベルを有した(非特許文献3)。他の試験により、インフリキシマブで処置されたRA患者が、低下された可溶性ICAM−3及びsP−セレクチンの血清レベル(非特許文献4)、並びにサイトカインIL−18のレベルの低下(非特許文献5)を有することが示された。
上昇したC−反応性タンパク質(CRP)のレベルは、様々な免疫介在性炎症性疾患を有する患者に観察されている。これらの観察は、CRPが抗−TNFα処置のマーカーとしての潜在的な価値を有し得ることを示している。(非特許文献6)は、インフリキシマブが、早期RAを有する患者においてCRPを正常レベルに戻すことを示した。難治性乾癬性関節炎においても(非特許文献7)、インフリキシマブによる処置がCRPを正常レベルに戻した。CRPレベルも、メトトレキサートのみで処置された早期RA患者における関節損傷進行に関連していることが示されている(非特許文献8)。インフリキシマブ処置がメトトレキサート処置に加えられた場合、CRPレベルは、もはや関節損傷進行に関与しなかった。
RAを有する患者の処置において、Charles(1999)及び非特許文献9は、インフリキシマブがIL−6等の炎症関連のサイトカインと、VEGF(血管内皮増殖因子)等の血管新生関連のサイトカインとの発現を低下させ得ることを示した。非特許文献10は、インフリキシマブ処置が、処置から2週間以内に、滑膜内のTNF、IL−1α及びIL−1βの合成を低下させることを示した。非特許文献11は、インフリキシマブによる処置後に、VEGF、FGF及びMMP−2における低下が乾癬の領域内で有意に向上され、乾癬の重篤さを低減することを示した。非特許文献12は、インフリキシマブ処置がAS患者の血清中のIL−6、VEGF及びCRPのレベルを低下させ、この低下は疾病活性尺度の改善を反映することを示した。
インフリキシマブによるAS患者の処置はIL−6の低下をもたらし、この低下は臨床的尺度の改善と関連していた(非特許文献13)。インフリキシマブ処置患者において、処置後のIL−6及びCRPの早期低下は、疾病活性スコアにおける改善に関連していた。
処置前の血清マーカー濃度も、抗−TNFα処置に対する応答に関与していた。IL−2Rの低いベースライン血清レベルは、難治性RAを有する患者のインフリキシマブに対する臨床応答に関連することが見出された(Kuuliala 2006)。Visvanathan(2007a)は、インフリキシマブ及びMTXを用いたRA患者の処置が、MMP−3を含む炎症関連マーカーの数の減少を誘導することを示した。この試験では、MMP−3のベースラインレベルが、処置後1年の臨床的改善の尺度と有意に相関することが示された。
Biomarker Working Group,2001.Clin.Pharm.and Therap.69:89〜95 Feldmann & Maini(2001)Annu Rev Immunol 19:163〜196 Charles 1999 J Immunol 163:1521〜1528 Gonzalez−Gay、2006 Clin Exp Rheumatol 24:373〜379 Pittoni、2002 Ann Rheum Dis 61:723〜725;van Oosterhout、2005 Ann Rheum Dis 64:537〜543 St Clair、2004 Arthritis Rheum 50:3432〜3443 Feletar、2004 Ann Rheum Dis 63:156〜161 Smolen、2006 Arthritis Rheum 54:702〜710 Strunk(2006 Rheumatol Int.26:252〜256) Ulfgren(2000 Arthritis Rheum 43:2391〜2396) Mastroianni(2005 Br J Dermatol 153:531〜536) Visvanathan(Ann Rheum Dis 2008;67;511〜517;) Visvanathan,2006 Arthritis Rheum 54(Suppl):S792
したがって、炎症及び全身性疾病の血清タンパク質及び非タンパク質マーカーの数は抗−TNFα処置中に変更されることが示されているが、マーカーと予測的アルゴリズムとの固有のセットは、今の所、見出されていない。
本発明は、多数のバイオマーカーを使用して、抗−TNFαによる処置に対する患者の応答を予測することに関し、より詳細には患者が応答するか又はしないかを測定することに関する。加えて、本発明は、患者が処置に応答したか否かを測定し、また応答が持続するか否かを測定するのに使用され得る。一態様において、本発明は、患者血清サンプルを使用した多成分スクリーンを用いて、TNFα中和モノクローナル抗体による処置に対するASを有する患者の応答及び非応答を予測することを包含する。
一実施形態において、実際の臨床応答評価と相関付けられている、抗−TNFα療法の開始前にAS患者からのデータセット中に同定された特定のマーカーセットは、抗−TNFα療法による処置前の、AS患者の臨床応答の予測に使用される。特定の実施形態において、マーカーセットは、レプチン、TIMP−1、CD40リガンド、G−CSF、MCP−1、オステオカルシン、PAP、補体成分3、VEGF、インスリン、フェリチン及びICAM−1からなる群から選択される2つ以上のマーカーである。
一実施形態において、実際の臨床応答評価と相関付けられている、抗−TNFα療法の開始の前後にAS患者からのデータセット中に同定された特定のマーカーセットは、抗−TNFα療法による処置前の、AS患者の臨床応答の予測に使用される。特定の実施形態において、マーカーセットは、レプチン、TIMP−1、CD40リガンド、G−CSF、MCP−1、オステオカルシン、PAP、補体成分3、VEGF、インスリン、フェリチン及びICAM−1からなる群から選択される2つ以上のマーカーである。
本発明は、抗−TNFα療法に対するAS患者の応答を予測するためのコンピュータベースのシステムも提供し、コンピュータは患者のデータセットからの値を使用して決定木等の予測的アルゴリズムと比較し、データセットは、レプチン、TIMP−1、CD40リガンド、G−CSF、MCP−1、オステオカルシン、PAP、補体成分3、VEGF、インスリン、フェリチン及びICAM−1からなる群から選択される1つ以上のマーカーの血清濃度を含む。一実施形態において、コンピュータベースのシステムは、患者データセットを処理し、出力を生成する学習ずみニューラルネットワークであり、データセットは、レプチン、TIMP−1、CD40リガンド、G−CSF、MCP−1、オステオカルシン、PAP、インスリン、補体成分3、VEGF及びICAM−1からなる群から選択される1つ以上のマーカーの血清濃度を含む。
本発明は、AS患者から獲得した標本又はサンプル中の血清マーカーを処理及び検出可能な装置も提供し、血清マーカー濃度は、レプチン、TIMP−1、CD40リガンド、G−CSF、MCP−1、オステオカルシン、PAP、補体成分3、VEGF、インスリン、フェリチン及びICAM−1からなる群から選択される。
本発明は、AS患者から獲得した標本又はサンプル中の血清マーカーを処理及び検出可能な装置を含むキットも提供し、血清マーカー濃度は、レプチン、TIMP−1、CD40リガンド、G−CSF、MCP−1、オステオカルシン、PAP、補体成分3、VEGF、インスリン、フェリチン及びICAM−1からなる群から選択される。
図1〜6は、血清バイオマーカーの使用に基づき、ASAS20又はBASDAIにより評価された患者臨床応答と相関付けられた決定木の形態で示されるAS応答予測モデルである。非応答者又は「否」ノードは、ノード内の全対象がモデルにより非応答者と予測される一方、「肯」ノードは、ノード内の全対象がモデルにより応答者と予測されることを意味する。ノード内に、ノード内の実際の非応答者の数/実際の応答者の数が示されている。
第14週にてASAS20を用いて、ゴリムマブを受容している試験患者から多重化方法で分析したベースライン(第0週)マーカーデータから開発した予測値モデルであり、応答者に関する初期分類子はレプチン(カットオフ値<3.804、対数目盛り)に基づき、応答者に関する二次分類子は、CD40リガンド(カットオフ値>=1.05、対数目盛り)に基づく。 第14週にてBASDAIにおける変化を用いて、ゴリムマブを受容している試験患者から多重化方法で分析したベースライン(第0週)マーカーデータから開発した予測値モデルであり、初期応答者基準はTIMP−1(カットオフ値>=7.033)であり、応答者の二次分類子はG−CSF(カットオフ値<3.953)であり、TIMP−1がカットオフ値未満の場合、前立腺酸性ホスファターゼが応答者の分類子(カットオフ>=−1.287、log値)であり、TIMP−1及びPAPが両方ともそれらのそれぞれのカットオフ値未満の場合、MCP−1が応答者に関する分類子(<7.417、対数目盛り)。 第14週にてASAS20を用いて評価した、ゴリムマブを受容している試験患者及び応答から多重化方法及び個々のEIAの両方により定量化した、ベースライン(第0週)における血清マーカー値から開発したAS応答予測モデルであり、オステオカルシンが応答者の初期分類子(カットオフ値>=3.878、対数目盛り)であり、オステオカルシンがそのそれぞれのカットオフ値未満の場合、PAPが応答者の分類子(カットオフ値>=−1.359、対数目盛り)として使用される。 第14週にてBASDAI変化を用いて評価した、ゴリムマブを受容している試験患者及び応答から多重化方法及び個々のEIAの両方により定量化した、ベースライン(第0週)における血清マーカー値から開発したAS応答予測モデルであり、オステオカルシンが応答者の初期分類子(カットオフ値>=3.977、対数目盛り)であり、オステオカルシンがカットオフ値未満の場合、PAPが応答者の分類子(カットオフ>=−1.415)であり、オステオカルシン及びPAPの両方がそれらのそれぞれのカットオフ値未満の場合、インスリンが応答者の分類子(カットオフ値<2.711、対数目盛り)として使用される。 応答を第14週にてASAS20を用いて評価した、ゴリムマブを受容している試験患者から多重化方法により定量化した、ベースラインと、抗−TNF療法の開始後のベースライン(第0週)から第4週への血清マーカーの変化とから開発したAS応答予測モデルであり、ベースラインレプチンが応答者の初期分類子(カットオフ値<3.804、対数目盛り)であり、レプチンがカットオフ値未満の場合、ベースラインから第4週への補体3の変化が応答者の分類子(カットオフ<−0.224)として使用され、レプチン及び補体3がそれらのそれぞれのカットオフ値以上の場合、ベースラインVEGFが応答者の分類子(カットオフ>=8.724)として使用される。 第14週にてBASDAIにおける変化を用いて評価した、ゴリムマブを受容している試験患者及び応答から多重化方法により定量化した、ベースラインと、抗−TNF療法の開始後のベースライン(第0週)から第4週への血清マーカーの変化とから開発したAS応答予測モデルであり、初期応答者基準は、ベースラインから第4週への補体成分3の変化(カットオフ値<−0.233、対数目盛り)であり、補体3の変化がカットオフ値以上の場合、ベースラインフェリチンが分類子(カットオフ値>=7.774、対数目盛り)として使用され、補体3の変化がカットオフ値以上で、ベースラインフェリチンがそのそれぞれのカットオフ値未満の場合、ICAM−1の変化が応答者の分類子(カットオフ値>=−0.2204、対数目盛り)として使用される。
Figure 2014197013
定義
「バイオマーカー」は、Biomarkers Definitions Working Group(Atkinsonら、2001 Clin Pharm Therap 69(3):89〜95)による、正常な生物学的過程、発病過程、又は治療的介入に対する薬理応答の客観的指標として、客観的に測定及び評価される特徴として定義される。したがって、解剖学的又は生理学的過程は、タンパク質、遺伝子発現(mRNA)、小分子、代謝産物又は無機質のレベルが可能なように、例えば挙動の範囲のようなバイオマーカーとしての役割を果たすが、但しバイオマーカーと、関連する生理学的、毒物学的、薬理学的又は臨床成績との間に、検証された関係が存在することを条件とする。
マーカーの「血清レベル」は、血液等の標本から調製されたサンプル上で、典型的にはエクスビボで免疫測定法等の1つ以上の方法により測定されたマーカーの濃度を意味する。免疫測定法は、各マーカーに関する免疫特異的な試薬、典型的には抗体を使用し、酵素結合反応、例えばEIA、ELISA、RIA、又は他の直接的若しくは間接的プローブを含む多様なフォーマットにて実行され得る。サンプル中のマーカーを定量化する他の方法、例えば、電気化学的検出、蛍光プローブ結合検出も可能である。この測定法はまた「多重化」されてもよく、単一のサンプル調査中に多数のマーカーが検出及び定量化される。
観察的研究は、通常、それらの結果をオッズ比(OR)又は相対的危険性として報告する。これらの両方は、暴露(例えば喫煙、薬物療法の使用)と疾病又は死との間の関連性の大きさの尺度である。相対的危険性1.0は、暴露が疾病の危険性を変化させないことを示す。相対的危険性1.75は、暴露を有する患者の疾病を発症する可能性が1.75倍であり、又は疾病の危険性が75%高いことを示す。相対的危険性1未満は、暴露が危険性を低下させることを示す。オッズ比は、相対的危険性が特に計算できない場合に、症例対照研究において相対的危険性を見積もる方法である。オッズ比は、疾病が希な場合、正確であるが、この近似は、疾病が通常のものである場合、同様に良好ではない。
予測値は、臨床現場において試験の結果を解釈する助けとなる。手順の診断値は、その感度、特異性、予測値及び有効性により規定される。いずれの試験方法も、真陽性(TP)、偽陰性(FN)、偽陽性(FP)及び真陰性(TN)を生成するであろう。試験の「感度」は、陽性試験を有する、疾病が存在し又は応答する患者の百分率、即ち(TP/TP+FN)×100%である。試験の「特異性」は、陰性試験を有する、疾病を有さない又は応答しない全患者の百分率、即ち(TN/FP+TN)×100%である。試験の「予測値」又は「PV」は値(陽性又は陰性)が真の値である回数の尺度(%)であり、即ち、真陽性である全陽性試験の百分率が陽性予測値(PV+)、即ち(TP/TP+FP)×100%である。「陰性予測値」(PV−)は、応答しない、陰性試験を有する患者の百分率、即ち(TN/FN+TN)×100%である。試験の「正確性」又は「有効性」は、全試験数と比較して正確な回答を与える試験の数の百分率、即ち(TP+TN/TP+TN+FP+FN)×100%である。「誤り率」は、応答すると予測された患者が応答せず、また応答すると予測されなかった患者が応答する場合、即ち(FP+FN/TP+TN+FP+FN)×100%である。全体的な試験の「特異性」は、感度の正確性の尺度であり、試験の特異性は、全体の疾病の可能性が集団内で変化する際に変化せず、予測値は変化する。PVは、所定の患者における疾病の存在若しくは不在、又は臨床応答の存在若しくは不在への医師の臨床評価により変化する。
バイオマーカーの「低下したレベル」又は「より低いレベル」は、「カットオフ値」と称される所定の値と比較して定量化可能に低く、定量下限(LOQ)よりも高いレベルを指し、この「カットオフ値」は、患者サンプル採取及び処理条件に関連したアルゴリズム及びパラメータに特異的である。
バイオマーカーの「より高いレベル」又は「上昇したレベル」は、「カットオフ値」と称される所定の値と比較して定量化可能に高く、この「カットオフ値」は、患者サンプル採取及び処理条件に関連したアルゴリズム及びパラメータに特異的である。
本明細書で使用されるとき、用語「ヒトTNFα」(本明細書でhTNFα、hTNFa又は単にTNFと略される)は、17kD分泌形態及び26kD膜結合形態として存在するヒトサイトカインを指すことを意図し、その生物学的に活性な形態は、非共有結合した17kD分子の三量体から構成される。用語、ヒトTNFαは、標準的な組み換え発現方法により調製され、又は商業的に購入することができる(R & D Systems,Catalog No.210−TA,Minneapolis,Minn.)組み換えヒトTNFα(rhTNFα)を含むことを意図する。
「抗−TNFα」、「抗−TNFα」、抗−TNFα又は単に「抗−TNF」療法又は処置は、受容体結合を遮断、阻害、中和、防止し、又はTNFαによるTNFR活性を防止することが可能な生物分子(生物製剤)を患者に投与することを意味する。そのような生物製剤の例は、インフリキシマブ及びアダリムマブの一般名で販売されている抗体、並びにゴリムマブ等の臨床開発中の抗体を含むがこれらに限定されない、TNFαに対する中和Mabであり、エンテラセプトとして公知のTNFR−免疫グロブリンキメラ等の、TNFaに結合可能な非抗体構造も含む。この用語は、本明細書と、米国特許第6,090,382号、同第6,258,562号、同第6,509,015号、並びに米国特許出願第09/801185号及び同第10/302356号に記載されている抗−TNFαヒト抗体及び抗体部分のそれぞれを含む。一実施形態において、本発明で使用されるTNFα阻害剤は、インフリキシマブ(Remicade(登録商標)、Johnson及びJohnson、参照により本明細書に組みこまれる米国特許第5,656,272号に記載)、CDP571(ヒト化モノクローナル抗−TNF−α IgG4抗体)、CDP 870(ヒト化モノクローナル抗−TNF−α抗体断片)、抗−TNF dAb(P
eptech)、CNTO 148(ゴリムマブ、及びCentocor、WO 02/12502号参照)、及びアダリムマブ(Humira(登録商標)Abbott Laboratories、ヒト抗−TNF mAb、米国特許第6,090,382号にD2E7として記載)を含む抗−TNFα抗体、又はその断片である。本発明で使用され得る更なるTNF抗体は、参照により本明細書に組みこまれる米国特許第6,593,458号、同第6,498,237号、同第6,451,983号、及び同第6,448,380号に記載されている。別の実施形態では、TNFα阻害剤は、TNF融合タンパク質、例えばエタネルセプト(Enbrel(登録商標)、Amgen、参照により本明細書に組みこまれるWO 91/03553号及びWO 09/406476号に記載)である。別の実施形態では、TNFα阻害剤は、組み換えTNF結合タンパク質(r−TBP−I)(Serono)である。
「サンプル」又は「患者のサンプル」は、TNFα関連の疾病に関連した症状を有することが疑われる又は表している患者から、抽出、生成、収集、又は別様に獲得した、細胞、組織若しくは流体又はそれらの一部である標本を意味する。
概観
プロテオミクス等の技術における近年の進歩は、ハイスループット方法により生成した新しい情報を、臨床病理学的相関に基づき、また多くの場合、病理組織学的発見を包含する現在の診断モデルと統合する挑戦を病理学者に提示している。医療情報学及び生物情報学の分野における平行した発展は、これらの問題に合理的に取り組むための技術的かつ数学的方法を提供し、開業医及び病理学者又は他の医療専門家に、多変量の及び集学的な診断及び予後モデルの形態の新しいツールを提供している。これらのツールは、より正確な、個々の患者ベースの情報を提供することが期待される。根拠に基づく医学(EBM)及び医学判断学(MDA)は、これらの比較的新しい学問分野に属し、定量的方法を使用して情報の値を評価し、個々の患者のケアに影響を与え得る予後の評価、治療法に対する応答、及び臨床試験の選択のためにいわゆる最良の証拠を多変量モデルと統合する。
本発明は、数個の態様を含む。
1.ASを有する患者におけるゴリムマブ等の抗−TNF処置に対する応答又は非応答に関連したバイオマーカーを同定するための血清の使用。
2.抗−TNF療法を開始する前に、診断されたAS患者からの血清中に存在するバイオマーカーを使用して、ゴリムマブ等の抗−TNFα Mab処置に対する応答又は非応答を予測する能力。
3.抗−TNF療法で処置されたASを有する患者における成果を予測するためのアルゴリズム。
a.第14週におけるAS患者の抗−TNFαに対する臨床応答又は非応答は、抗−TNF療法の開始前に、診断されたAS患者の血清中に存在するバイオマーカーを使用して、評価時(第0週)に予測され得る。
b.第14週におけるAS患者の抗−TNFα処置に対する臨床応答又は非応答は、治療法の開始前(第0週)に得られたベースライン値からのバイオマーカーと、治療法の開始後の第4週でのバイオマーカーとの変化を使用して予測され得る。
c.第14週におけるAS患者の抗−TNFα処置に対する臨床応答又は非応答は、治療法の開始前(第0週)に得られたベースライン値からのバイオマーカーの変化を、治療法の開始後の第4週でのバイオマーカーの変化と組み合わせて使用して予測され得る。
4.本発明のマーカーを使用して、AS患者の抗−TNFα療法に対する応答又は非応答を予測する手段を含む装置、システム及びキット。
マーカーの濃度に基づく予測的アルゴリズムの開発に有用なマーカーを規定するために、ゴリムマブで処置された患者から血清を獲得した。血清は、処置のベースライン(第0
週)、第4週及び第14週、又は他の中間点若しくはより長い時間点にて獲得してもよい。血清サンプル中の多数のバイオマーカーを分析し、バイオマーカーのベースライン濃度と、処置後のバイオマーカーの濃度における変化と、を測定する。次いで、ベースラインとバイオマーカー発現の変化とを使用して、バイオマーカー発現が第14週又は処置開始後の他の規定時間点における処置成果と相関するか否かを、ASAS20又は臨床応答の他の尺度により評価して決定する。一実施形態では、AS患者の抗−TNFα療法に対する臨床応答に関連したマーカーを規定するプロセスと、それらのマーカーの血清濃度を含む、応答又は非応答を予測するためのアルゴリズムとの開発は、段階的な分析を使用し、初期相関は、患者の第14週及び第24週における臨床評価に対する各患者の第0週、第4週及び第14週における各バイオマーカーの値に関するロジスティック回帰分析により行われ、多数の臨床エンドポイントにおいてマーカーの治療法に対する応答との有意な相関の能力が測定されたら、CART又は本明細書に記載した若しくは当技術分野にて公知の他の好適な分析方法を使用して、マーカー又はマーカーセットの規定された血清値に基づく固有のアルゴリズムを開発する。
本明細書に開示した他のマーカーに加えて、データセットマーカーは1つ以上の臨床的兆候から選択されてもよく、その例は、年齢、性別、血圧、身長及び体重、肥満度指数、CRP濃度、煙草使用、心拍数、空腹時インスリン濃度、空腹時ブドウ糖濃度、糖尿病状態、他の薬物療法の使用、並びに特定の機能的評価又は挙動評価、並びに/又は放射線学的若しくは他の画像ベースの評価であり、個々の尺度に数値が適用され、又は全体的な数値スコアが生成される。臨床的変数が一般に評価され、得られたデータはアルゴリズムにおいて上記のマーカーと組み合わされる。
分析プロセスへ入力する前に、各マーカーに関する値を、通常三回、又は多数の三回にて測定することにより、各データセットにおけるデータを収集する。データを操作してもよく、例えば標準曲線を使用して生データを変換し、三回測定の平均を使用して、各患者に関する平均及び標準偏差を計算してもよい。これらの値は、モデルに使用される前に、例えばlog−変換、Box−Cox変換(Box and Cox(1964)J.Royal Stat.Soc,Series B,26:211—246参照)変換等の変換をされてもよい。次いで、このデータを、規定パラメータを有する分析プロセスに入力してもよい。
このようにしてタンパク質マーカーに関連した定量的データが得られ、次いで他のデータセット成分を、学習アルゴリズムを使用して以前に決定されたパラメータを有する分析プロセスに供し、即ち、本明細書に提供する実施例(実施例1〜3)のように、予測的モデルに入力する。分析プロセスのパラメータは、本明細書に開示したもの、又は本明細書に記載したガイドラインを使用して誘導したものであってもよい。線形判別分析、再帰的特長削除(recursive feature elimination)、マイクロアレイの予測分析、ロジスティ
ック回帰分析、CART、FlexTree、LART、ランダムフォレスト、MART等の学習アルゴリズム、又は他の機械学習アルゴリズムが、適切な参照又は訓練データに適用されて、AS応答又は非応答分類に好適な分析プロセスのためのパラメータを決定する。
分析プロセスは、サンプルが所定のクラスに属する確率を決定するための閾値を設定し得る。確率は、少なくとも50%、又は少なくとも60%又は少なくとも70%又は少なくとも80%又はそれ以上であることが好ましい。
別の実施形態では、分析プロセスは、得られたデータセットと参照データセットとの比較が、統計的に有意な差異を生じるか否かを決定する。統計的に有意な差異を生じる場合、データセットが由来するサンプルを、参照データセットクラスに属さないものとして分
類する。逆に、そのような比較が参照データセットと統計的に有意に異ならない場合、データセットが由来するサンプルは、参照データセットクラスに属するものとして分類される。
一般に、分析プロセスは、線形アルゴリズム、二次アルゴリズム、多項式アルゴリズム、決定木アルゴリズム、投票アルゴリズム等の統計分析方法により生成されるモデルの形態を有するであろう。
分析プロセスのパラメータを決定するための参照/訓練データセットの使用
任意の好適な学習アルゴリズムを用いて、適切な参照又は訓練データセットを使用して、分類に使用されるべき分析プロセスのパラメータを決定し、即ち予測的モデルを開発する。
使用するべき参照又は訓練データセットは、決定されるべき所望のAS分類、例えば応答者又は非応答者に依存するであろう。データセットは、2つ、3つ、4つ又はそれ以上のクラスからのデータを含んでもよい。
例えば、抗−TNFα療法に対する応答の予測に使用される分析プロセスのためのパラメータを決定する、管理された学習アルゴリズムを使用するためには、対照サンプル及び疾病サンプルを含むデータセットを訓練セットとして使用する。代替的に、管理された学習アルゴリズムは、AS疾病療法に関する予測的モデルの開発に使用される。
統計分析
以下は、開示した方法の実践を補助するための、当業者が利用可能な統計分析方法の種類の例である。統計分析は、2つの課題の一方又は両方に適用され得る。まず、これら及び他の統計的方法は、好ましいデータセットを形成するであろう好ましいマーカー及び他の徴候のサブセットを同定するのに使用され得る。加えて、これら及び他の統計的方法は、データセットと共に使用されて結果を生成する分析プロセスの生成に使用され得る。本明細書に示し、又は当技術分野にて別様に入手可能な、数個の統計的方法は、これらの課題の両方を実行し、本明細書に開示した方法を実践するための分析プロセスとしての使用に好適なモデルを生じる。
特定の実施形態では、バイオマーカー及びそれらの対応する特徴(例えば発現レベル又は血清レベル)を使用して、患者のクラス、例えば抗−TNFα療法に対する応答者及び非応答者を区別する分析プロセス(1つ又は複数)を開発する。これらの例示的データ分析アルゴリズム又は当技術分野にて公知の他の技術を使用して分析プロセスを構築した後、分析プロセスを使用して、試験対象を2つ以上の表現型クラス(例えば抗−TNFα療法に応答すると予測される患者、又は応答しないと予測される患者)のうちの1つに分類し得る。これは分析プロセスを、試験対象から得られたマーカープロファイルに適用することにより達成される。したがって、そのような分析プロセスは、診断指標としての多大な価値を有する。
一態様において、開示された方法は、試験対象からのマーカープロファイルを、訓練集団から獲得したマーカープロファイルに対して評価する方法を提供する。いくつかの実施形態では、訓練集団内の対象、及び試験対象から得られた各マーカープロファイルは、複数の異なるマーカーのそれぞれに関する特徴を含む。いくつかの実施形態では、この比較は、(i)訓練集団からのマーカープロファイルを使用して分析プロセスを開発し、(ii)この分析プロセスを試験対象からのマーカープロファイルに適用する、ことにより達成される。そのようなものとして、本明細書に開示した方法のいくつかの実施形態に適用される分析プロセスは、試験AS患者が抗−TNFα療法に応答するか否か、又は応答し
ない患者を決定するのに使用される。
したがって、いくつかの実施形態では、上述した二分決定状況における結果は、4つの可能な成績を有する。(i)分析プロセスが、対象が抗−TNFα療法に対する応答者となることを示し、対象が規定期間中に抗−TNFα療法に実際に応答する、真の応答者(真陽性、TP);(ii)分析プロセスが、対象が抗−TNFα療法に対する応答者となることを示し、対象が規定期間中に抗−TNFα療法に実際に応答しない、偽応答者(偽陽性、FP);(iii)分析プロセスが、抗−TNFα療法に対する応答者とならないことを示し、対象が規定期間中に抗−TNFα療法に応答しない、真の非応答者(真陰性、TN);又は(iv)分析プロセスが、患者が抗−TNFα療法に対する応答者とならないことを示し、対象が規定期間中に抗−TNFα療法に実際に応答する、偽の非応答者(偽陰性、FN)。
分析プロセスを開発するための関連したデータ分析アルゴリズムには、線形、ロジスティックを含む判別分析、及びより柔軟な判別技術(例えば全体が参照により本明細書に組みこまれるGnanadesikan、1977,Methods for Statistical Data Analysis of Multivariate Observations,New York:Wiley 1977参照);分類木及び回帰木(CART)及び変形等の木ベースのアルゴリズム(例えば全体が参照により本明細書に組みこまれるBreiman、1984,Classification and Regression Trees,Belmont,Calif.:Wadsworth
International Group参照);一般化加法モデル(例えば全体が参照により本明細書に組みこまれるTibshirani、1990,Generalized Additive Models,London:Chapman and Hall参照);並びにニューラルネットワーク(例えば全体が参照により本明細書に組みこまれるNeal、1996,Bayesian Learning for Neural Networks,New York:Springer−Verlag;及びInsua、1998,Feedforward neural networks for
nonparametric regression In:Practical Nonparametric and Semiparametric Bayesian
Statistics,pp.181〜194,New York:Springer参照)が挙げられるが、これらに限定されない。
特定の実施形態では、本発明のデータ分析アルゴリズムは、分類及び回帰木(CART)、多重相加的回帰木(Multiple Additive Regression Tree)(MART)、マイクロ
アレイに関する予測分析(PAM)又はランダムフォレスト分析を含む。それらのアルゴリズムは、血液サンプル等の生物材料からの複雑なスペクトルを分類して、対象を正常か又は特定の疾病状態に特徴的なバイオマーカー発現レベルを所有するか区別する。別の実施形態では、本発明のデータ分析アルゴリズムは、ANOVA及びノンパラメトリック等価物(nonparametric equivalent)、線形判別分析、ロジスティック回帰分析、最小近傍分類子分析(nearest neighbor classifier analysis)、ニューラルネットワーク、主成分分析、二次判別分析、回帰分類子及びサポートベクターマシンを含む。
それらのアルゴリズムは、分析プロセスを構成し、及び/又は分析プロセスの適用の速度及び効率を向上させ、研究者のバイアスを避けるために使用され得るが、当業者は本発明の予測的モデルの使用方法を実行するのにコンピュータベースの装置を必要としないことを認識するであろう。
CART分析の結果
本発明の一態様では、ASと診断された患者における血清マーカーの分析は、バイオマ
ーカーのベースライン値と抗−TNFα療法に対する応答との間の有意な関係に焦点を当てた。本発明の別の態様では、ASと診断された患者における血清マーカーにおいて、ベースライン(抗−TNFα療法の前)から治療後の第4週への血清マーカーにおける変化の分析は、後の時間(第14週)の患者の臨床応答又は非応答に関連していた。
本発明の特定の実施形態では、レプチンのベースライン濃度は、ゴリムマブで処置された患者に関するASAS20として評価される第14週の成果を予測するための、初期分類子であり得る。代替的な実施形態では、ベースラインオステオカルシン(osteocalin)は、ゴリムマブで処置された患者に関するASAS20又はBASDAIとして評価される第14週の成果を予測するための、初期分類子であり得る。この情報は、医師により使用されて、ゴリムマブ処置から利益を得る者を決定することができ、また同様に重要なこととして、そのような処置から利益を得ない患者を同定することができる。
代替的に、BASDAIがモデルの臨床成績成分として使用された。またベースラインにおけるTIMP−1、ベースラインにおけるオステオカルシン、又は補体成分3における変化は、分類用の初期マーカーであった。TIMP−1値が高い場合、G−CSFにおける変化と組み合わせ、TIMP−1値がカットオフ未満で、MCP−1値がカットオフ値未満の場合、前立腺酸性ホスファターゼを組み合わせて、第14週での成果を予測した。
抗−TNFα療法に対する応答のベースラインバイオマーカー予測
予測的アルゴリズムをベースラインバイオマーカー血清濃度値のみを含むデータセットから構築した際、抗−TNFα療法で処置したAS患者の臨床応答を、臨床応答を評価するASAS20及びBASDAI等の2つ以上の方法と相関付け、マーカーはレプチン、TIMP−1、CD40リガンド、G−CSF、MCP−1、オステオカルシン、PAP,及びインスリンを含んでいた。
本明細書で示したように、ベースライン(第0週、処置前)にてAS患者から獲得した血清中のバイオマーカーの分析は、多重化測定法で定量化され、最良のCARTモデルは、初期分類子としてレプチンを含んだ。3.8(対数目盛り)を越えるレプチンを有する対象は非応答者と予測され、3.8未満のレプチンを有する対象は二次予測物のCD40リガンドに基づいて分類される(1.05を越えるCD40リガンドはAS応答者と予測され、1.05未満のCD40リガンドは非応答者と予測される)(図1)。モデルの感度は86%であり、モデル特異性は88%であった。臨床的尺度が、BASDAIにおけるベースラインから第14週への変化であった場合、多重の異なるバイオマーカーにより定量化されたベースラインバイオマーカーデータが分類子:TIMP−1、前立腺酸性ホスファターゼ、GCSF及びMCP−1(図2)、となったが、BASDAIモデルの全体の正確性はASAS20モデルと同様であった。
ベースライン(第0週、処置前)でAS患者から獲得した血清中のバイオマーカーの分析は、多重化測定法及び個々のEIAで定量化され、最良のCARTモデルは初期分類子としてオステオカルシンを含んだ。3.878(対数目盛り)を越えるオステオカルシンを有する対象は応答者と予測され、3.878未満のオステオカルシンを有する対象は、前立腺酸性ホスファターゼに基づいて更に分類される(図3)。モデル感度は90%であり、モデル特異性は84%であった。したがって、多重化測定法と個々のEIA測定法とからのデータを使用し、結果をBASDAI及びASAS20のいずれかと相関付けることにより、両方が分類子としてオステオカルシン及び前立腺酸性ホスファターゼを含むモデルを生成した。BASDAIベースのモデルは、追加の分類子の1つとしてインスリンを組み込んだ。モデル正確性は、BASDAI臨床応答の予測に関して61/76(80%)であった(図4)。
これらの結果は、バイオマーカーのベースラインレベルが医師によって処置前に測定されて、ゴリムマブで処置したどの患者が処置に応答し又は応答しないかを同定できることを示唆する。
成果の早期予測物としてのバイオマーカー変化
臨床応答を評価するASAS20及びBASDAI等の2つ以上の方法において、臨床応答と相関することが見出された、AS患者における、ベースライン血清レベルから第4週へのバイオマーカー変化は、レプチン、VEGF、補体3、ICAM−1及びフェリチンを含む。
多重のみで定量化された、ベースライン及び第4週においてAS患者から獲得した血清中のバイオマーカーの分析に関して、バイオマーカーモデルは、初期分類子としてレプチンを使用する。3.8(対数目盛り)を越えるレプチンを有する対象は非応答者と予測され、3.8未満のレプチンを有する対象は、2つの追加の分類子、i)補体3における変化、及びii)VEGFに基づいて分類される(図5)。モデルの感度は92%であり、モデル特異性は81%であった。臨床的尺度がBASDAIにおけるベースラインから第14週への変化であった場合、全体の正確性はASAS20モデルと同様であり、補体成分3における変化が初期分類子であり、ベースラインフェリチンを使用した2つのサブ分類が続き、その後にICAM−1における変化が続く(図6)。
抗−TNFα療法に対するAS患者の応答又は非応答を予測するのに有用なアルゴリズムの生成のための本発明に記載した特定の例は、多数のマーカーがASプロセスと相関することを示し、治療法に対する応答の診断又は予測におけるそれぞれの特定のバイオマーカーの定量的解釈は、今までに確率されていない本出願人らは、規定した特定のマーカーに基づいた患者データのサンプリングを用いてアルゴリズムが生成できることを証明した。本発明のマーカーを使用する1つの方法では、コンピュータ支援装置を使用して患者データを捕捉し、必要な分析を実行する。別の態様では、コンピュータ支援装置又はシステムは、「訓練データセット」と表現されるデータを使用して、予測的分析の適用に必要な分類子情報を生成する。
分析を実行するための器具、試薬及びキット
診断されたAS患者の抗−TNF療法に対する応答を予測するための血清バイオマーカーの測定は、本発明に記載される標準的な免疫化学的及び生物物理学的方法を使用して、臨床検査室又は研究所、又は病院若しくは病院以外の場所の中心研究所で実行されてもよい。マーカー定量化は、WBCカウント、血小板及びESR等の他の標準的な測定と同一の時間に実行されてもよい。分析は、市販のキットを使用して個別に若しくはバッチで、又は個々の患者サンプルに多重化分析を用いて実行されてもよい。
本発明の一態様では、個別の及びセットの試薬を使用して、1つ以上の工程において、患者のサンプル中のバイオマーカー、又はバイオマーカー若しくはパネルの相対的又は絶対的な量を測定する。試薬を使用して、抗体免疫特異的なバイオマーカー等のバイオマーカーを捕捉してもよく、バイオマーカーは酵素結合免疫特異的測定法等の間接的測定により検出可能な、リガンドバイオマーカー対を形成する。単一分析物EIA又は多重化分析のいずれかを実行し得る。多重化分析は、単一の血清サンプルを使用して、多数の同時のEIAベースの測定法を実行できる技術である。非常に少量のサンプル容積中の多数のバイオマーカーを定量化するのに有用な1つのプラットホームは、Austin,TexasのRules Based Medicine(Luminex Corporation所有)により使用されるxMAP(登録商標)技術であり、光学的分類スキーム、生化学的測定法、フローサイトメトリー並びに高度なデジタル信号処理ハードウェア及びソ
フトウェアを組み合わせることにより、単一の反応容器内で100に至る多重化ミクロスフェアベースの測定法を実行する。この技術では、多重化は、分析物特異的なそれぞれの測定法に、固有の蛍光サインで標識されたミクロスフェアセットを割り当てることにより達成される。多重化測定法は流通装置内で分析され、この装置は、ミクロスフェアが赤色及び緑色レーザーを通過する際に各ミクロスフェアを個々に調べる。代替的に、方法及び試薬を使用して、質量、電荷又は組み合わせ、例えばSELDIを用いる等の直接物理的測定を用いて、サンプルを検出及び可能な定量化のために加工する。NextGen Sciences(Ann Arbor,MI)により提供されるもの等、定量的質量分析による多数反応監視測定法が開発されている。
したがって、本発明の一態様によれば、AS状態の評価のためのバイオマーカーの検出は、対象からのサンプルを、バイオマーカーと試薬との結合を可能にする条件下で基質、例えば、上部に捕捉試薬を有するプローブと接触させた後、吸着剤に結合されたバイオマーカーを好適な方法により検出することを含む。マーカーを検出する1つの方法は、気相イオン分光法、例えば質量分析法である。この目的に使用し得る他の検出パラダイムには、光学的方法、電気化学的方法(ボルタメトリー(voltametry)、電流測定又は電気化学蛍光法)、原子力顕微鏡及び高周波法、例えば多重共鳴分光法(multipolar resonance spectroscopy)が挙げられる。顕微鏡法に加えて、共焦点及び非共焦点の両方の光学的方
法の例は、蛍光、発光、化学発光、吸光度、反射率、透過率、及び複屈折又は屈折率の検出(例えば表面プラズモン共鳴法、偏光解析法、共振ミラー法、回折格子結合器導波管法(grating coupler waveguide method)又はインターフェロメトリー)、並びに酵素結合比色分析又は蛍光法である。
患者からの標本は、検出方法に適用する前に、非限定的に、マーカーを標本の他の成分から濃縮、精製又は分離する方法等の方法で、加工済み標本又はサンプルに加工する必要があり得る。例えば、分析物濃度の検出方法に供される前に、血液サンプルを典型的には抗凝固薬で処理し、細胞成分及び血小板を除去する。代替的に、検出は連続加工システムにより達成されてもよく、前記システムは、材料及び試薬を組みこんで、そのような濃縮、分離又は生成工程を達成し得る。一実施形態において、加工システムは、捕捉試薬の使用を含む。捕捉試薬の1つのタイプは、典型的にはクロマトグラフィーで使用される材料である「クロマトグラフィー吸着剤」である。クロマトグラフィー吸着剤には、例えばイオン交換材料、金属キレーター、固定化金属キレート、疎水性相互作用吸着剤、親水性相互作用吸着剤、染料、単純生体分子(例えばヌクレオチド、アミノ酸、単糖及び脂肪酸)、混合モード吸着剤(例えば疎水性誘引/静電反発吸着剤)が挙げられる。「生体分子特異的」捕捉試薬は、生体分子、例えばヌクレオチド、核酸分子、アミノ酸、ポリペプチド、多糖、脂質、ステロイド又はこれらの抱合体(例えば糖タンパク質、リポタンパク質、糖脂質)である捕捉試薬である。所定の場合に、生体分子特異的吸着剤は、多タンパク質複合体、生体膜又はウイルス等の巨大分子構造であってもよい。具体的な生体分子特異的吸着剤は、抗体、受容体タンパク質及び核酸である。生体分子特異的吸着剤は、一般に、クロマトグラフィー吸着剤と比較して高い、標的分析物に対する特異性を有する。
したがって、本発明によるバイオマーカーの検出及び定量化は、所定の選択性状況、例えば吸着剤又は洗浄溶液を使用することにより向上される。洗浄溶液とは、吸着剤表面に対する分析物の吸着に影響を与え若しくは前記吸着を変更し、及び/又は表面から未結合材料を除去するのに使用される、典型的には溶液である薬剤を指す。洗浄溶液の溶出特性は、例えばpH、イオン強度、疎水性、カオトロピズムの程度、洗剤強度、及び温度に依存し得る。
本発明の一態様では、サンプルは多重化様式で分析され、これは患者サンプルからのマーカーの加工が実質的に同時に行われることを意味する。一態様において、サンプルは固
有の特異性を示す多数の捕捉試薬を含む基質により接触される。捕捉試薬は、通常、免疫特異的な抗体、又はその断片である。基質は、捕捉試薬(1つ又は複数)が取り付けられる一般に平面状の表面を有する固体基質を示す用語である「バイオチップ」等の単一成分であってもよく、又は捕捉試薬は、多数の基質の間で分離され、例えば、個々の球状の基質(ビーズ)に結合していてもよい。度々、バイオチップの表面は、複数の指定可能な位置を含み、前記位置のそれぞれには捕捉試薬が結合されている。バイオチップは、プローブインターフェイスと係合するよう適合されてもよく、それにより、気相イオン分光法、好ましくは質量分析法においてプローブとして機能する。代替的に、本発明のバイオチップは別の基質上に装着されて、分光計内に挿入され得るプローブを形成してもよい。ビーズの場合、個々のビーズは、サンプルに暴露された後、検出のために分配又は選別されてもよい。
本発明によるバイオマーカーの捕捉及び検出のために、Ciphergen Biosystems(Fremont,CA)、Perkin Elmer(Packard BioScience Company(Meriden CT)、Zyomyx(Hayward,CA)及びPhylos(Lexington,MA)、GE Healthcare,Corp.(Sunnyvale,CA)等の商業的供給源から多様なバイオチップが入手可能である。これらのバイオチップの例は、前述の米国特許第6,225,047号及び同第6,329,209号(Wagnerら)、並びにWO 99/51773号(Kuimelis及びWagner)、WO 00/56934号(Englertら)に記載されているものであり、特に、Wohlstadterら、WO98/12539及び米国特許第6066448号に教示されている多特異的、多アレイ等の、サンプル中の分析物マーカーの存在又は量の検出に電気化学的方法及び電気化学発光方法を使用するものである。
生体分子特異的な捕捉及び/又は検出試薬を有する基質を、例えば血清を含むサンプルと、存在し得るバイオマーカーが試薬に結合できるのに十分な期間接触させる。本発明の一実施形態では、上部に生体分子特異的な捕捉又は検出試薬を有する2つ以上のタイプの基質を、生物サンプルと接触させる。インキュベーション期間後、基質を洗浄して、未結合材料を除去する。任意の好適な洗浄溶液を使用することができ、好ましくは水性溶液が使用される。
基質に結合したバイオマーカーは、脱着後に直接、飛行時間型質量分析計等の気相イオン分光計を使用することにより検出される。バイオマーカーはレーザー等のイオン化源によりイオン化され、生成されたイオンはイオン光学アセンブリにより収集された後、質量分析器が、通過するイオンを分散及び分析する。次いで、検出器が、検出イオンの情報を質量対電荷比に翻訳する。バイオマーカーの検出は、一般に、信号強度の検出を含むであろう。したがって、バイオマーカーの量及び質量の両方が決定され得る。そのような方法はバイオマーカーの発見に使用することができ、ある場合には、バイオマーカーの定量化に使用することができる。
別の実施形態では、本発明の方法は、例えば米国特許第5571410号及びUSRE36350号に教示されているような、液相中の小分子及び/又は巨大分子溶質の検出及び分析に有用な、液体サンプル取り扱いを小型化できるミクロ流体装置、及び液相分析のための分析装置であり、場合により、クロマトグラフィー分離手段、電気泳動分離手段、通電クロマトグラフィー分離手段、又はそれらの組み合わせを使用する。ミクロ流体装置又は「ミクロ装置」は、分析物流体が分離され得るよう配置された多数のチャネルを含んでもよく、それによりバイオマーカーが捕捉され、場合により装置内の指定可能な位置で検出されることができる(米国特許第5637469号、同第6046056号及び同第6576478号)。
バイオマーカーの検出により生成したデータは、プログラム可能なデジタルコンピュータの使用により分析され得る。コンピュータプログラムはデータを分析して、検出されたマーカーの数と信号強度とを示す。データ分析は、バイオマーカーの信号強度を決定する工程と、所定の統計分布から逸脱したデータを除去する工程とを含んでもよい。例えば、データはある参照に対して正規化されてもよい。コンピュータは、得られたデータを表示のために、又は所望であれば更なる分析のために、様々なフォーマットに変換し得る。
人工ニューラルネットワーク
いくつかの実施形態では、ニューラルネットワークが使用される。ニューラルネットワークは、マーカーの選択されたセットのために構成され得る。ニューラルネットワークは、二段階回帰又は分類モデルである。ニューラルネットワークは層構造を有し、層構造は、重み層により出力ユニットの層に接続された入力ユニット(及びバイアス)の層を含む。回帰のために、出力ユニットの層は、典型的には1つのみの出力ユニットを含む。しかしながら、ニューラルネットワークは、途切れのない様式で、多数の定量的応答を取り扱うことができる。
多層ニューラルネットワークには、入力ユニット(入力層)、隠れユニット(hidden unit)(隠れ層(hidden layer))及び出力ユニット(出力層)が存在する。更に、入力
ユニット以外の各ユニットに接続された単一のバイアスユニットが存在する。ニューラルネットワークは、Dudaら、2001,Pattern Classification,Second Edition,John Wiley &Sons,Inc.,New York;及びHastieら、2001,The Elements of Statistical Learning,Springer−Verlag,New Yorkに記載されている。
ニューラルネットワークを使用する基本的な手法は、未学習ネットワークから開始し、訓練パターン、例えば訓練データセット内の患者からのマーカープロファイルを入力層に提示し、ネットを介して信号をパスし、出力、例えば訓練データセット内の患者の予後を出力層にて決定する。次いで、これらの出力は標的値、例えば訓練データセット内の患者の実際の成果と比較され、差異は誤差に対応する。この誤差又は基準関数は、ある重みのスカラー関数であり、ネットワーク出力が所望の出力と一致した際に最小限となる。したがって、重みはこの誤差の測定値を低減するよう調整される。回帰では、この誤差は、誤差平方和であってもよい。分類では、この誤差は、平方誤差又はクロスエントロピー(偏差)のいずれかであってもよい。例えばHastieら、2001,The Elements of Statistical Learning,Springer−Verlag,New Yorkを参照されたい。
通常使用される3つの訓練プロトコルは、確率、バッチ及びオンラインである。確率訓練では、訓練セットからパターンがランダムに選択され、各パターン提示のためにネットワーク重みが更新される。確率的バックプロパゲーション等の勾配降下法により学習された多層非線形ネットワークは、ネットワークトポロジーにより規定されるモデルにて重み値の最尤法を実行する。バッチ訓練では、学習が行われる前に、全パターンがネットワークに提示される。典型的には、バッチ訓練では、訓練データにより数個のパスが形成される。オンライン訓練では、各パターンが1回提示され、ネットに1回のみ提示される。
いくつかの実施形態では、重みのために出発値が考慮される。重みがほぼ0の場合、ニューラルネットワークの隠れ層に通常使用されるシグモイドの有効部分(例えばHastieら、2001,The Elements of Statistical Learning,Springer−Verlag,New York参照)は、大体線形で
あるため、ニューラルネットワークは、およそ線形モデルに崩壊する。いくつかの実施形態では、重みのための出発値は、ほぼ0であるランダム値であるよう選択される。したがって、モデルはほぼ線形から出発し、重みが増大するにつれて非線形となる。個々のユニットは方向に局在し、必要に応じて非線形性を導入する。正確な0の重みの使用は、0誘導体及び完全な対称性をもたらし、アルゴリズムは決して動かない。代替的に、大きい重みは度々乏しい解をもたらす。
入力のスケーリングは、ボトム層の重みの効果的なスケーリングを決定するため、最終的な解の品質に大きい影響を与え得る。したがって、いくつかの実施形態では、平均0及び標準偏差1を有するように最初に全発現値を標準化する。このことは全入力が正則化プロセスにて等しく処理されることを確実にし、ランダムな開始重みのための重要な範囲を選択することを可能にする。標準化入力と共に、範囲−0.7、+0.7に亘りランダムな均一重み(random uniform weight)をとるのが典型的である。
隠れ層を有するネットワークを使用する際に頻発する問題は、ネットワーク内で使用する最適な数の隠れユニットである。ネットワークの入力及び出力数は、解決するべき問題によって決定される。本明細書に開示した方法では、所定のニューラルネットワークのための入力数は、選択されたマーカーのセットにおけるマーカーの数であってもよい。
ニューラルネットワークのための出力の数は、典型的には1つのみ、肯又は否であるが、いくつかの実施形態では2つ以上の出力が使用されて、2つのみを越える状態がネットワークによって定義される。
データの分析に使用されるソフトウェアは、信号の分析にアルゴリズムを適用するコードを含んで、信号が本発明によるバイオマーカーに対応する信号におけるピークを提示するか否かを決定することができる。ソフトウェアは観察されたバイオマーカー信号に関するデータを分類木又はANN分析に供して、バイオマーカー、又は、患者の疾病診断又は状態を示すバイオマーカー信号の組み合わせが存在するか否かを決定することもできる。
したがって、プロセスは、学習段階と分類段階とに分割され得る。学習段階において、学習アルゴリズムは、分類が意図される異なるクラスのメンバーを含むデータセット、例えばASと診断された及び抗−TNFα療法に応答した患者からの複数のサンプルからのデータ、及び陰性成績を有する患者、抗−TNFα療法に応答しなかったAS患者からの複数のサンプルからのデータに適用される。データの分析に使用される方法には、人工ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン、遺伝子アルゴリズム及び自己組織化マップ並びに分類及び回帰木分析が挙げられるが、これらに限定されない。これらの方法は、例えばWO01/31579号、2001年5月3日(Barnhillら);WO02/06829号、2002年1月24日(Hittら)及びWO02/42733号、2002年5月30日(Paulseら)に記載されている。学習アルゴリズムは、通常、組み合わせで特定のマーカー及び特定のマーカーの濃度等のデータに適するよう調整された分類アルゴリズムを生成し、このアルゴリズムは、未知サンプルを2つのクラス、例えば非応答者に対する応答者に分類し得る。分類アルゴリズムは、最終的に予測的試験に使用される。
データ内のパターンを分析し、また成功のために任意の所定の基準を用いて追加のパターンを考案するためのフリーウェア及び専売ソフトウェアの両方のソフトウェアが容易に入手可能である。
キット
別の態様では、本発明は、ゴリムマブ等の抗−TNFα剤を用いた処置に応答するか又
は応答しないかを決定するためのキットを提供し、キットは、本発明に従って血清マーカーを検出するのに使用される。キットは、AS患者内で異なるように存在する血清マーカー及びマーカーの組み合わせの存在に関してスクリーニングする。
一態様において、キットはサンプルを収集するためのランセット(lance)又は穿刺ツ
ール等の、皮膚の「突き刺し」を生じる手段を含む。キットは、場合によりスティックから血液を収集するための、毛細管等のプローブを含んでもよい。
一実施形態において、キットは、本発明によるマーカーを結合する、生体特異性の1つ以上の捕捉試薬を有する基質を含む。キットは、それぞれ同一の又は異なる基質上に存在する、1つ(one)以上の生体特異性の捕捉試薬を含んでもよい。
更なる実施形態では、そのようなキットはラベル又は別個の挿入物の形態を有する、好適な操作パラメータに関する指示書を含んでもよい。例えば、指示書は、サンプルの収集法、又はプローブを空にし若しくは洗浄する方法を、消費者に知らせ得る。更なる別の実施形態では、キットは、検定(calibration)のための基準として使用されるバイオマー
カーサンプルを有する1つ以上の容器を含んでもよい。
抗−TNF療法に対するAS患者の応答を予測するための本発明のアルゴリズムの使用方法では、抗−TNF療法の前と、治療法の開始後の特定の期間とに、血液又は他の流体が患者から獲得される。血液は血清部分を抽出するために加工され、又は全体が使用されてもよい。血液又は血清サンプルは、例えば1:2、1:5、1:10、1:20、1:50、又は1:100に希釈され、又は未希釈で使用されてもよい。1つのフォーマットでは、血清又は血液サンプルは既成の試験ストリップ又はスティックに適用され、室温で、1分間、5分間、10分間、15分間、1時間又はそれ以上等の特定の時間中インキュベートされる。特定の測定法の時間後、サンプル及び結果は、ストリップから直接読み取り可能である。例えば、結果は、1つ以上のマーカーの濃度範囲を示す、着色帯又は灰色帯の様々な色合いとして出現する。試験ストリップキットは、1つ以上のマーカーの相対的な濃度に基づいて結果を解釈するための指示書を提供するであろう。代替的に、ストリップ上のマーカー検出システムの彩度を検出可能な装置を提供してもよく、この装置は、場合により、その一連のマーカーに関する適切な診断アルゴリズムに基づいて試験解釈の結果を提供してもよい。
本発明の使用方法
本発明は、ASと診断された患者において検出されたバイオマーカーを分析することによる、ゴリムマブ等の抗−TNFα剤による治療法に対する応答性を予測する方法を提供する。本発明の方法では、患者は、主観的及び客観的基準を使用して、経験豊かな専門家によりASと最初に診断される。
ASの発病に関する継続した研究は、開始因子の識別、下流事象、炎症のメディエータ、及びプロセスの制御因子に焦点を当てている。AS発症危険性のおよそ90%が遺伝性であると推定されている。最強の遺伝的危険性因子は、HLA−B27分子に関連している。危険性に果たすHLA−B27の重要な役割を前提として、数個の可能な機構が提案されている。しかしながら、強い興味及び活発な研究にも関わらず、HLA−B27がどのように疾病の罹り易さに寄与しているかの一般的な見解は未だ存在しない。環境因子の役割は尚理解しづらく、ASが靱帯及び腱の骨に対する結合(腱付着部)に関与し、又は仙腸関節に関与する傾向の理解も同様である。
ASの主要な臨床的特徴には、仙腸関節炎により生じる炎症性背部痛、軸方向骨格内の他の位置の炎症、末梢関節炎、腱付着部炎及び前部ぶどう膜炎が挙げられる。構造的変化
は、骨低下(osteodestruction)ではなく、主に骨増殖により生じる。靱帯骨棘及び関節強直は、この疾病の最も独特な特徴である。ASの独特な症状は、腰痛、殿部痛、制限された脊椎可動性、股関節痛、肩部痛、末梢関節炎及び腱付着部炎である。神経症状は、疾病の数個の合併症による索又は脊髄神経の圧迫により生じ得る。強直した脊柱を有する患者に脊椎骨折が発生し、外傷は最小限又は存在しない。最も通常の骨折部位は、C5−6間隙である。AS患者の21%に臨床的に有意な環軸椎亜脱臼が生じる場合があり、環軸椎亜脱臼は脊髄圧迫に繋がり得る。馬尾症候群は、長期にわたるASの希な合併症であり、その原因の理解は乏しく、炎症、くも膜炎、機械的伸展(mechanical stretching)、神経根の圧迫、脱髄及び虚血を含む。
臨床的評価方法
ASの診断は、1984 Modified New York Criteria(van der Linden S,Valkenburg HA,Cats A:Evaluation of diagnostic criteria for ankylosing spondylitis.A proposal for modification of New York criteria.Arthritis Rheum 27:361〜368,1984)により規定されるいくつかの撮像技術による仙腸関節炎の臨床的特徴と証拠との組み合わせにより行われる。赤血球沈降速度(ESR)及びC−反応性タンパク質(CRP)レベル等の、疾病の研究室マーカーは、疾病活性の評価、又は処置に対する応答の監視には役立たないことが示されている(Spooorenberg Aら、1999 J Rheumatol 26:980〜4)。
臨床的基準は、1)腰痛及び3ヶ月を越える持続時間における硬直、該硬直は、運動により改善するが安静により軽減されない、2)矢状及び前頭(冠状)面の両方における腰椎の動きの制限、3)年齢及び性別で補正された正常値と比較した胸郭拡張の制限である。放射線学的基準は、両側仙腸関節炎グレード2以上、又は片側グレード3以上である。仙腸関節炎の放射線学的等級付けは、5つのグレードからなる。グレード0は正常な脊椎であり、グレード1は疑わしい変化を示し、グレード2は幾分の侵食を有する硬化を示し、グレード3は重篤な侵食、関節腔の偽拡張、及び部分的な関節強直を示し、グレード4は完全な関節強直を示す。明確なASは、1つの放射線学的基準が、少なくとも1つの臨床的基準と関連した際に存在する。ASの高い可能性は、3つの臨床的基準が存在し、又は放射線学的な基準が存在し、かつ臨床的基準を満足する徴候若しくは症状が存在しない場合に考慮される。臨床的グレードをデータセットの一部として使用して、治療法に対する応答の予測的アルゴリズムを生成してもよい。
ASの診断が確立されたら、医師は一般に、臨床成果を長軸方向に監視して、疾病の悪化の危険性にある患者を同定する。強直性脊椎炎の評価試験群(ASAS)は、管理のための疾病の多数のコアパラメータを規定している。AS患者の疼痛は、通常、背部に限定されるが、軸方向外の部位(extra-axial site)は、末梢疾病所見を有する患者における鎮痛療法の主な焦点であり得る。単一の100mm水平視覚的アナログ目盛り(VAS)を使用して、夜間及び通常の脊椎痛を測定する。抗−TNF療法で処置されたAS患者において、ASASは応答基準を開発している。これら基準のうちの数個は下記に概略され、又はAmerican Society若しくはリウマチ学者との接触により得ることができる。
ASAS20は「スコア」の生成に使用される数個の基準の20%改善を反映している(Anderson JJら、2001 Arthritis Rheum 44:1876〜1886)。ASAS改善基準は、処置に対する陽性応答を、第1に、20%の相対的な改善、第2に、10ユニットの3〜4のドメイン(炎症、機能、疼痛の患者知覚、及び患者の全体的な健康、第4のドメインの悪化がない)における明白な改善として規定
する。
BASDAI(Bath強直性脊椎炎疾病活性インデックス)は、AS患者における炎症活性を規定する。炎症は、不快感の程度、及び患者が経験する朝硬直を評価することにより、臨床的に評価され得る。BASDAIは自己管理インデックスであり、各質問は、100mm VAS内に構成されている(範囲0〜100、0=硬直なし、100=非常に重篤な硬直)。スコアは処置による変化に敏感であることが示されている。
BASMI(Bath強直性脊椎炎計測学インデックス)は、定量的な、医師が評価した、AS患者が経験する脊椎可動性の制限の尺度である。BASMIは、5つの臨床的測定値からなる有効なインデックスであり、該測定値は、頸部回転、耳株から壁迄の距離、側棘屈曲(lateral spine flexion)、腰椎屈曲、及び軸方向分節関与を反映する果間距
離である。BASMIは良好な観察者間の信頼性を示すことが証明されているが、急性炎症の結果としての物理的制約を、慢性疾病損傷により生じるものと区別することができない。患者の寿命に亘るBASMIの進行を示す、発行されている長軸方向の研究は存在しないが、患者のBASMIスコアは、AS患者が進行性疾病を発症するにつれて時間の経過と共に徐々に増大することが仮定される。ある場合に、BASMIを脊髄X線写真と相関付けることにより、X線像上の損傷の存在との有意な相関が示された。
BASFI(Bath強直性脊椎炎機能性インデックス)は、物理的機能の尺度を使用して、連日の任務を実行する患者の能力の限界の程度を評価する。物理的機能は、BASFI及びDougados Functional Index(DFI)を使用して測定される。しかしながら、BASFIは、診療及び臨床試験の両方で最も広く使用されている尺度である。
本明細書に記載される臨床的インデックスは患者データセットの一部であり、数値スコアを割り当て得ることが認識されるであろう。
以前の治療法の失敗
ASASは、ASにおける抗−TNF療法の必要性に関する合意書を準備している(Braunら、2003 Annals Rheumatic Diseases 62:817〜824)。軸方向疾病、末梢関節及び腱付着部炎のASの3つの全提示に関して、処置の失敗を少なくとも3ヶ月の標準的なNSAID処置の試験として定義した。抗−TNF療法を開始する前、患者は、最大推奨又は最大許容抗−炎症投与量の使用に基づいて、これらの薬物が矛盾しない限り、少なくとも2つのNSAIDの十分な治療的試験を有している必要がある。
軸方向疾病、末梢関節及び腱付着部炎の3つ全部に関して、NSAID処置の失敗が必要である。
症候性軸方向疾病では、抗−TNF療法の開始前に追加の処置を必要としない。
症候性末梢関節では、少関節炎において関節内コルチコステロイド処置(少なくとも2回の注射)の失敗が通常必要とされる。矛盾せず又は許容不可能でない限り、3g/日迄のm最大許容投与量における、スルファサラジンを用いた標準的なDMARD処置を4ヶ月間処方される必要がある。
症候性腱付着部炎では、少なくとも2回の局所ステロイド注射からなる十分な治療的試験が、これらの注射が矛盾しない限り、通常必要である。
TNFa療法に対する適合性
インフリキシマブ等の抗−TNFα剤は市販されており、数年に亘りASの処置に使用されている。抗−TNFα剤は、強直性脊椎炎の劇的な改善をもたらし、疾病の異なる症
状を寛解させ、生活の質を向上させることが示されている。AS患者は、臨床評価を越える追加の基準、場合により、NSAIDs及び理学療法、スルファサルジン(sulfasalzine)又はメトトレキサート又はビスホスホネート等の等の代替療法に応答しないことに基づいて、抗−TNFα療法の候補者として考慮され得る。
患者管理
抗−TNF療法に対する早期応答を予測又は評価するための本発明の方法では、抗−TNF療法の開始前の「ベースライン訪問」時に、抗−TNF療法で処置される患者からベースライン、即ち、「第0週」のサンプルを獲得する。サンプルは、本発明の方法に関連したバイオマーカーを評価し得る任意の組織であってもよい。一実施形態において、サンプルは、血液、血清、尿、***及び便からなる群から選択される流体からなる群から選択される流体である。特定の実施形態では、サンプルは、直接静脈穿刺又は静脈カテーテルを介した標準的な方法により引かれた患者の血液から得られた血清サンプルである。
加えて、ベースライン訪問において、ASを有する患者の個体群統計学及び病歴に関する情報が、標準化された書式又は症例記録表に記録されるであろう。患者の診断からの時間、以前の処置歴、併用薬物療法、C−反応性タンパク質(CRP)レベル、及び疾病活性の評価(即ち、BASDAI、BASMI)等のデータが記録される。
患者は、ベースライン訪問の時、又は24〜48時間以内に抗−TNF療法の第1の投与を受ける。ベースライン訪問時、患者は第4週の訪問について予定を決められる。
第4週の訪問では、抗−TNFα療法の初期投与からおよそ28日後、好ましくはベースラインサンプルと同一のプロトコル及び経路を使用して、第2の患者サンプルが獲得される。患者を検査し、医療専門家が禁止したような他のインデックス、撮像若しくは情報、又は指定された試験設計を実行又は監視してもよい。患者は、ASAS及びBASDAIに示されたセット等の基準を用いた疾病の評価と、バイオマーカー評価のための患者サンプルの獲得とを行う目的で、第8週、第12週、第14週、第28週等の次の訪問の予定が決められる。
処置前、処置中又は処置後の任意の時間又は上記の時間において、患者のサンプル又は患者から獲得した他の流体若しくは組織サンプル中で、他のパラメータ及びマーカーを評価してもよい。それらにはヘモグロビン含有量、ヘマトクリット、赤血球容積、平均赤血球径、赤血球沈降速度(ESR)等の標準的な血液学的パラメータが含まれてもよい。ASの存在の評価に有用であると測定されている他のマーカーは、患者のサンプルのいくつか又は全部にて定量化されてもよく、前記他のマーカーは、CRP(Spoorenberg Aら、1999.J Rheumatol 26:980〜984)及びIL−6、並びに血清1型N−テロペプチド(NTX)、尿中II型コラーゲンC−テロペプチド(尿中CTX−II)及び血清マトリクスメタロプロテアーゼ(metalloptrotesase)3
(MMP3、ストロメライシン1)(米国特許第20070172897号参照)等の軟骨分解のマーカーである。
処置に対する応答の評価に有用であり得る追加の炎症関連のマーカーは、IL−8又はIL−1等の炎症性サイトカイン、ENA−78/CXCL5、RANTES、MIP−1β等の炎症性ケモカイン;血管新生関連のタンパク質(EGF、VEGF);MMP−9、TIMP−1等の追加のプロテアーゼ;IFNγ、IL−12p40、IP−10等の細胞性免疫システム(TH−1)上に作用する分子;並びにIL−4及びIL−13を含む体液性免疫システム(TH−2)上に作用する分子;FGF塩基性等の増殖因子;ミエロペルオキシダーゼを含む炎症の一般的マーカー;並びにICAM−1等の接着関連分子であってもよい。
医療専門家による応答の臨床的判断は、試験結果により否定されるべきではない。しかしながら、試験はゴリムマブによる処置を中止する決定を行う補助となり得る。予測モデル(アルゴリズム)が90%感度及び60%特異性を有する試験では、50%の患者が臨床応答を示し、50%が評価スコア又は評価を示さない場合、臨床応答と一致する。これは、応答者のうち45%が正確にAS応答者と同定され(5人が非応答者の可能性があると報告される)、30%又は非応答者が正確に非応答者として同定される(20%が応答者の可能性があると区別される)ことを意味する。したがって、全体的な利益は、60%の全員の真の非応答者が不必要な治療法を割愛し、又は早期の時間点(第4週)で治療法を中止することである。5%の偽陰性「応答者」(非応答者の可能性があると同定)は処置されており、全患者と同様、前記応答者の応答は、第14週又はその後の処置を連続する又は中止する決定を行う前に、臨床的に判断されるであろう。20%の偽陰性「非応答者」(可能な応答者と同定)は、臨床的に判断される必要があり、処置の中止の決定を行うのに通常の時間を要するであろう。
実施例1:試料採取及び解析
Centocor Protocol C0524T09、多施設ランダム化、二重盲、プラセボ対照、3−アーム試験に登録した患者から血清サンプルを獲得し評価した。3つのグループは、プラセボと、抗−TNFα Mab処置の2つの用量レベルとからなり、ゴリムマブ50mg、又はゴリムマブ100mgが活動性強直性脊椎炎を有する患者内の4週間毎のSC注射として投与される。一次有効性評価は、第14週及び第24週に行った。バイオマーカー試験用の血清サンプルを、100人の患者からベースライン(第0週)、第4週及び第14週にて収集した。
Rules Based Medicine(Austin,TX)、又は単一分析物ELISAにより実行される多重分析を用いた、市販の測定法により血清のバイオマーカーを分析した。全サンプルを、試験迄、−80℃で保管した。サンプルを室温で解凍し、ボルテックスし、清澄のために13,000×gで5分間高速回転させ、抗原分析のために150uLをマスターマイクロタイタープレート内へと除去した。自動化ピぺッティングを用いて、各サンプルのアリコートを分析物の捕捉ミクロスフェア多重物(multiplex)の1つに導入した。サンプルと捕捉ミクロスフェアとのこれらの混合物を徹底的に混合し、室温で1時間インキュベートした。各多重物のためのビオチン化、レポーター抗体の多重化カクテルを使用し、ストレプトアビジン−フィコエリトリンを使用して検出した。分析はLuminex 100器具及内で実行され、得られたデータ流は、Rules−Based Medicineにより開発され、Qiagen Instrumentsに使用許諾された専売のデータ分析ソフトウェアを使用して解釈した。各多重物のために、較正器及びコントロールの両方を作動させた。試験結果は、最初、各多重物に関して、高、中及び低コントロールについて決定して、適切な測定法の遂行を確実にした。特定の多重物中に局在するそれぞれの分析物の未知の値は、データ分析パッケージ内に含まれる4つ及び5つのパラメータ、重み付き及び非重み付き曲線適合アルゴリズムを使用して決定した。各時間点において、合計92のタンパク質バイオマーカーを測定した(表1)。
Figure 2014197013
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92のバイオマーカーのそれぞれは、定量下限(LOQ)を有する。分析にバイオマーカーを使用する基準は、バイオマーカーが少なくとも20%のサンプルにおいて定量限界を越えることを必要とした。300のサンプルからの92のバイオマーカのうち、63(68%)が、分析に含まれるためのその基準を満たした。各バイオマーカーの分布の評価を行って、そのバイオマーカーのlog変換が保証されたか否かを決定した。この評価は、処置群に関わりなく行った。全体で、分析セット内の63のバイオマーカーのうちの6
0がlog2変換された。表2は、最終分析に含まれたバイオマーカー、LOQ、及びlog変換が可能であったか否かを同定する。
追加のベースラインバイオマーカー分析
所定のマーカーが多重試験メニューに含まれなかったため、Rules Based Medicine多重分析に加えて単一のEIA方法を使用して、血清バイオマーカーデータの追加のセットを生成した。追加のマーカーを多重バイオマーカーデータセットと組み合わせて、単一及び多重マーカーの組み合わせに基づくモデル正確性を決定した。これらのデータは、予測的モデルの一部のみとして含まれた。
Figure 2014197013
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サンプル相関マトリックスからの平均対相関も評価し、全サンプルは、他のサンプルと少なくとも平均89%の相関を示し、バイオマーカーデータは対象サンプル全体で一貫していることを示した。
バイオマーカーに関する要約統計量を、表3に示す。ベースラインバイオマーカーレベルの分布は、一般に、3つの処置群の全体で均衡していた。
Figure 2014197013
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ゴリムマブ処置群では、多数のマーカーが、ベースラインレベルから第4週及び第14週へと有意に変化した。プラセボ処置対象では、遙かに限定されたマーカーのセットが変化した。一般に、2つのゴリムマブ用量群の間の差異は、有意ではなかった。対象内でのベースラインからの変化を、ゴリムマブ群(組み合わせた用量群)とプラセボ群との間で比較した。測定されたマーカーのおよそ半分が、ゴリムマブとプラセボとの間で、ベースラインからの変化の有意な差異を示し(表4)、5)は、組み合わせたゴリムマブ群とプラセボ群との間で、ベースラインからの変化の有意な(p<0.01)差異を有するマーカーを示す。
Figure 2014197013
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実施例2:マーカー及び関連性
予測的モデル又はアルゴリズムを構築するために、マーカーデータを試験の臨床エンドポイントに関連して評価した。この試験では、ASAS20第14週、ASAS20第2
4週、BASMIにおける変化第14週、BASFIにおける変化第14週、及びBASDAIにおける変化第14週と規定される6つの臨床エンドポイントが存在した。これらの試験エンドポイントは、患者の疾病状態を評価するための一般に受け入れられている臨床的方法である。タンパク質バイオマーカーのサブ試験における100人の患者と、収集された試験エンドポイントとを下記に示す(表6)。
Figure 2014197013
表7に、臨床応答の一次エンドポイントを示し、エントリーは群の応答者/全体を表す。これは、バイオマーカーサブ試験の主な焦点ではないが、このコホート内で臨床エンドポイントに対する処置効果を評価するために試験を解釈することに尚役立つ。表7に示すように、ゴリムマブ処置群の応答は、BASMIを除いて、評価した臨床エンドポイントの範囲全体で、プラセボに対して有意に上位であった。
Figure 2014197013
タンパク質マーカー試験に参加している試験患者において、性別が6つの臨床エンドポイントのうちの3つに有意に関連していた(表8)。性別は多数のタンパク質バイオマーカーとも有意に関連していた。そのため、性別はバイオマーカー値と臨床エンドポイントとの間の関連性を試験されるモデルを調整するための共変数として使用された。この調整を有さない場合、性別と相関したマーカー(例えば、前立腺特異的抗原)は、臨床エンドポイントに関連しているように見えるが、性別/エンドポイントの相関のアーチファクトであろう。CRPは、通常ASと関連したマーカーであるが、この試験では、CRPのベースライン値は臨床エンドポイントと統計的に相関しなかった。
Figure 2014197013
実施例3:予測モデル構築
ベースライン、第4週、及び第14週においてバイオマーカーの関連性に関して評価した。これらの分析から、数個の知見が現れた。調べた92個のマーカーのうち、臨床応答と有意に関連したものは殆ど存在しなかった。有意な効果を示したマーカーと、これらのマーカーに関するマーカーとエンドポイントとの関係は、数個の一次及び二次エンドポイントの全体で概ね一貫していた。臨床成課上に用量効果が存在しなかったため、使用したデータはゴリムマブ処置群(全患者はゴリムマブを受容)と組み合わせた。バイオマーカーをベースライン、第4週及び第14週において、関連性に関して評価した。
全ての分析は、R(R:A Language and Environment for Statistical Computing,2008,Author:R Development Core Team,R Foundation for Statistical Computing,Vienna,Austria,ISBN 3−900051−07−0)を使用して実行した。ベースラインからの変化は、1−サンプルt−試験を用いて試験した。臨床因子とベースラインバイオマーカーとの関連は、ロバスト線形回帰モデルを使用して評価した。ロバストロジスティック回帰モデルを使用して、バイオマーカーと臨床エンドポイントとの関連を試験した。肯/否である臨床エンドポイント変数は、1/0コードを使用した。連続的な臨床エンドポイントは、全対象の中央値に閾値を適用することにより、この分析のために1/0変数に変換された。
時間点及び臨床エンドポイントの全体で一貫して同定されたベースラインマーカーは、レプチン、ハプトグロビン、インスリン、ENA78及びアポリポタンパク質C3、オステオカルシン、P1NP、並びにIL6であった(EIAによる)。これらのマーカーのそれぞれは、少なくとも3つの臨床エンドポイントにおいて有意であり、少なくとも1つのエンドポイントに関して1.5を越えるオッズ比を有した。これらのマーカーに関して、表9はそれらの臨床エンドポイントに関連したオッズ比及びp−値を示す。表9において、オッズ比(OR)は、log2目盛り上の1単位変化、又は線形目盛りの二倍の、臨床応答の増大されたオッズを表す。
この試験の結果の信頼性を増大させるために、多数のエンドポイントの全体において多数の時間点で有意な関連を示すマーカーの同定に焦点を当てた。ベースラインにおいて、臨床エンドポイント全体に一貫して同定された多重−決定マーカーは、レプチン、ハプトグロビン、インスリン、ENA78及びアポリポタンパク質C3であった。加えて、血清サンプルの単一ELISA試験は、オステオカルシン、P1NP及びIL−6を同定した。これらの8つのマーカーのそれぞれは、少なくとも3つの臨床エンドポイントにおいて0.05未満のp−値を有し、少なくとも1つのエンドポイントに関して1.5を越えるオッズ比(OR)を有した。これらのマーカーに関して、表9はそれらの臨床エンドポイントに関連したオッズ比及びp−値を示す。ORは、log2目盛り上の1単位変化、又
は線形目盛りの二倍の、臨床応答の増大されたオッズを表す。
Figure 2014197013
ベースラインからの早期(第4週)変化が、時間点及び臨床エンドポイント全体において予測的に一貫したマーカーは、ハプトグロビン、血清アミロイド、CRP、α−1アンチトリプシン、フォン・ヴィレブランド因子、補体因子3及び血清マーカーIL−6であった(ELISA)。これらの7つのマーカーのそれぞれは、少なくとも3つの臨床エンドポイントにおいて有意であり、少なくとも1つのエンドポイントに関して3を越えるオッズ比を有した。これらのマーカーに関して、表10はそれらの臨床エンドポイントに関連したオッズ比及びp−値を示す。
Figure 2014197013
プラセボ
ゴリムマブ処置群において観察されたバイオマーカー/臨床エンドポイント関連性とは対称的に、プラセボ群ではバイオマーカー値と臨床エンドポイント応答との関連性が、あったとしても、殆ど存在しなかった(図示せず)。この結果は、ゴリムマブバイオマーカー分析で見られたより有意なバイオマーカーに対する内部標準又はベンチマークとしての役割を果たす。
ベースラインバイオマーカーの予測方法
処置に対する患者の長期臨床応答の予測に使用できるバイオマーカーの決定に使用する分類及び回帰木(CART)予測的モデルを開発した。全予測モデルは、一つ抜き交差確認(leave-one-out cross-validation)を使用した。CARTモデルは、決定木(図1〜6)の形態で示されている。木のノードは、クラス予測(肯は、予測された臨床エンドポイント応答者、否は、予測された臨床的非応答者)及び2つの数字(x/y、xは、そのノードに属する、試験での非応答者の実際の数、yは、そのノードに属する、試験での答者の実際の数)で標識されている。モデルの全体的な正確性は、「否」エンドノード全体のxの数、及び「肯」エンドノード全体のyの数である。モデルは、一次臨床エンドポイント、第14週におけるACR20、及び選択された二次臨床エンドポイントに関して開発された。一般に、二次エンドポイントモデルは、それらの感度及び特異性において、一次エンドポイントモデルと非常に類似していた。
予測的モデルを使用して、どのバイオマーカーが、処置に対する患者の応答の予測に使用できるかを決定した。多重測定法により、及びASAS20(一次)エンドポイントを使用して分析されたマーカーに関するベースラインで得た値に基づいて、1つのモデルを開発した(図1)。モデルを使用して得たサンプル結果の分析では、モデルがサンプルに適用された際に、モデルは試験患者の61/76(80%)で正確であることが示された。これは、モデルで分析された患者サンプルにおいて、第14週でのそれらの臨床応答(ASAS20)を患者の80%において結果が予測できたことを意味する。モデルの図を図1に示す。バイオマーカーモデルは、レプチンを初期分類子として使用する。即ち、3.8(対数目盛り)以上のレプチンを有する患者は、非応答者として予測される。次いで、3.8未満のレプチンレベルを有する患者は、二次マーカー、CD40リガンドの使用に基づいて分類される。1.05を越えるCD40リガンド結果を有する患者は、応答者として予測される一方、3.8未満のレプチンレベル及び1.05未満のCD40リガンドを有する患者は、非応答者として予測される。モデルを使用した予測の感度は、86%である。モデルを使用した結果の特異性は、88%である。
図2に、BASDAIエンドポイントに関する予測モデルを示す。このモデルのために異なるバイオマーカーが選択され、BASDAIモデルの全体的な正確性は、ASAS20モデルと同様である。図2のアルゴリズムは、抗−TNF療法に対する応答の初期分類子としての、7.033(対数目盛り)以上のTIMP−1レベルに基づく。7.033以上のTIMP−1レベルを有する患者は、更に、3.953未満のG−CSFを使用して予測応答者として分類され、3.953以上のG−CSFを使用して予測非応答者として分類される。7.033未満のTIMP−1レベルを有する患者は、更にPAPレベルを使用して分類され、−1.287未満のレベルは応答者を予測し、−1.287を越えるレベルの患者は更にMCP−1レベルに基づいて分類され、7.417未満のMCP−1は応答者を予測し、7.417以上のMCP−1は非応答者を予測する。
個々のEIA測定法(非多重化測定法)及び3plex測定法(Luminex)を使用して分析したマーカーがCART分析に含まれる場合、アルゴリズム(決定木)結果は、臨床エンドポイントがASAS20又はBASDAI(それぞれ図3及び4)のいずれであっても初期分類子としてオステオカルシンに依存した。追加のマーカーは、マーカーのパネルの予測能力を向上させることが見出された。ベースラインバイオマーカー/血清バイオマーカーモデルの正確性は、第14週にてASAS20により評価して、臨床応答の予測に関して67/76(88%)であった(図3)。このバイオマーカーモデルは、初期分類子としてオステオカルシン(個々のEIAにより測定法)を使用する。3.878(対数目盛り)以上のオステオカルシンを有する患者は、応答者と予測される。3.878未満のオステオカルシンを有する患者は、PAPに基づいて分類される。モデルの正確性は88%であり、感度は90%であり、モデル特異性は84%であった。
同様の分析において、BASDAIエンドポイントに関する予測モデルを図4に示す。この場合、BASDAIとASAS20モデルは非常に類似することが判明し(両方ともオステオカルシン及びPAPを含んでいた)、BASDAIモデルは、1つの追加の分類子としてインスリンを加えた)。モデルの正確性は、BASDAI臨床応答の予測に関して61/76(80%)であった。
ベースライン濃度、及び第4週におけるベースラインからの変化
多重データを使用する追加の予測モデルを開発して、処置の第4週におけるバイオマーカーの変化が、第14週における臨床成果の予測を含み得るか否かを決定した。ASAS20を予測するアルゴリズムを、図5に示す。ASAS20を予測するベースラインのみのアルゴリズムと同様、ベースラインレプチンが初期分類子である。3.8(対数目盛り)以上のレプチンを有する患者は非応答者として予測され、3.8未満のレプチンを有する患者は、2つの追加の予測物、i)補体3における変化、及びii)ベースラインVEGF、に基づいて更に分類される。このモデルでは、正確性は第14週での臨床応答(ASAS20)に関して64/76(84%)であった。モデルの感度は92%、特異性は81%であった。
BASDAIエンドポイントに関する予測モデルを、図6に示す。BASDAIモデルの全体的な正確性はASAS20モデルと類似しているが、異なるバイオマーカーを選択し、この分析で使用した。初期マーカーは補体成分3の第0週から第4週への変化であり、0.233(対数目盛り)未満の低下を有する患者は応答者として予測され、補体成分3において0.2333以上の低下を有する患者は、ベースラインフェリチンに基づいて更に分類され、フェリチン値がカットオフ値7.774を越える場合、患者は予測された応答者として分類され、フェリチンが7.774未満の場合、患者は予測された非応答者として分類され、フェリチンに基づいて非応答者と予測されたサブセットは、ICAM−1レベルにおける変化に基づいて更に分類され、第0週から第4週の間でICAM−1の低下が0.02204以上の者は予測された応答者として分類され、第0週から第4週の間でICAM−1の低下が0.02204未満の残りの患者は非応答者として分類される。
タンパク質バイオマーカー試験の結果は、ゴリムマブ療法の結果として、多数のバイオマーカーが有意に変化したことを示した。対照的に、プラセボ対照アームではバイオマーカーの変化は殆ど観察されなかった。2つの種類の新規なバイオマーカーベースの臨床応答予測モデルが開発され、一方はベースラインバイオマーカー値を患者の臨床応答を予測するためのみ使用し、他方はバイオマーカー値の早期変化を使用して、より長期間(第14週、第24週)の臨床応答を予測する。モデルは、マーカーのサブセットが、単純な処置の非特異的な効果とは対照的に、ゴリムマブに対する臨床応答に関連した変化を有することを示唆する。このことは、多数の臨床エンドポイントの全体を見渡すロバストロジスティック回帰分析から結論付けることができる。
重要なことには、マーカー値(ベースライン、又は第4週での変化のいずれか)は臨床成績に先行していた。このことは、ゴリムマブ処置に対するAS患者の最終的な応答又は非応答を、良好な正確性を伴う予測に使用できるバイオマーカーのパネルが開発できることを示している。
ゴリムマブに対する臨床応答(徴候及び症状)の最良のバイオマーカーモデル(特異性及び感度に基づいた)は、図3及び4に示したように、オステオカルシン及び前立腺酸性ホスファターゼのベースラインレベルを含んでいた。
以下、本発明の主な特徴と態様を列挙する。
1. 強直性脊椎炎の診断を有する患者の、抗−TNFα療法に対する応答を予測するための方法であって、
a)レプチン、CD40リガンド、TIMP−1、前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)、G−CSF、MCP−1、補体成分3、VEGF、オステオカルシン、フェリチン及びICAM−1からなる群から選択される少なくとも1つの血清マーカーの濃度を測定し、
b)前記測定された濃度を、抗−TNFα療法を受容し、1つ以上の臨床エンドポイントに基づいて応答者又は非応答者として分類された、ASと診断された患者からのマーカーの血清濃度の値のセットを分析することにより決定されたカットオフ値と比較する、ことを含む、方法。
2. 前記患者からの血液又は血清サンプル中のハプトグロビン、血清アミロイド、CRP、α−1アンチトリプシン、フォン・ヴィレブランド因子及びインスリンからなる群から選択される前記血清中の追加のマーカー濃度が測定される、1.に記載の方法。
3. 強直性脊椎炎の診断を有する患者の、抗−TNFα療法に対する応答を予測するための方法であって、
a)前記患者からの血液又は血清サンプル中のレプチン及びCD40リガンドの濃度を測定し、
b)前記ASサンプル中のレプチンの前記濃度をレプチンカットオフ値と比較し、前記濃度が前記カットオフ値以上の場合、前記患者は抗−TNFα療法に対する非応答者として予測され、レプチンの前記血清値が前記カットオフ値未満の場合、
c)前記患者のサンプル中のCD40リガンドの前記濃度をCD40リガンドカットオフ値と比較し、前記CD40リガンドカットオフ値以上のCD40の濃度は、前記患者がTNFα治療に応答することを示し、前記CD40リガンド値未満の値及び前記レプチンカットオフ値未満のレプチンは、TNFα中和治療に対する非応答者を予測する、ことを含む、方法。
4. 前記サンプルが血清である、3.に記載の方法。
5. 前記血清中のレプチンの濃度がlog変換され、前記レプチンカットオフ値が3.804である、4.に記載の方法。
6. 前記血清中のCD40の濃度がlog変換され、前記CD40カットオフ値が1.05である、3.に記載の方法。
7. 前記測定工程が同時に実行される、3.に記載の方法。
8. 前記測定工程がコンピュータ支援装置により実行される、3.に記載の方法。
9. 前記患者が非−TNF中和治療により処置されている、1〜5.のいずれか一項に記載の方法。
10. 強直性脊椎炎の診断を有する患者の、抗−TNFα療法に対する応答を予測するための方法であって、
a)前記患者からの血液又は血清サンプル中のオステオカルシン、前立腺酸性ホスファターゼ及びインスリンの濃度を測定し、
b)前記ASサンプル中のオステオカルシンの前記濃度をオステオカルシンカットオフ
値と比較し、前記濃度が前記カットオフ値以上の場合、前記患者は抗−TNFα療法に対する非応答者として予測され、オステオカルシンの前記血清値が前記カットオフ値未満の場合、
c)前記患者のサンプル中の前立腺酸性ホスファターゼの濃度を前立腺酸性ホスファターゼカットオフ値と比較し、前記前立腺酸性ホスファターゼカットオフ値以上の前立腺酸性ホスファターゼの濃度は、前記患者がTNFα治療に対する応答者であると予測し、前記前立腺酸性ホスファターゼカットオフ値未満の値と、場合により、
d)ASAS20により評価された臨床成績に基づいて、前記患者を非応答者と予測されたと分類し、又は更に、BASDAIにより評価して、前記患者血清中のインスリンの濃度をインスリンカットオフ値と比較することにより前記患者を分類し、前記インスリンカットオフ値未満のインスリン値は、前記患者を応答者と予測されたと分類し、カットオフ値以上のインスリン値は、前記患者をTNFα中和治療に対する非応答者と予測されたと分類する、ことを含む、方法。
11. 前記サンプルが血清である、10.に記載の方法。
12. 血清中のオステオカルシンの前記濃度がlog変換され、前記オステオカルシンカットオフ値が3.9である、11.に記載の方法。
13. 血清中の前立腺酸性ホスファターゼの濃度がlog変換され、前記前立腺酸性ホスファターゼカットオフ値が1.4である、10.に記載の方法。
14. 血清中のインスリンの濃度がlog変換され、前記インスリンカットオフ値が2.711である、10.に記載の方法。
15. 前記測定工程が同時に実行される、10.に記載の方法。
16. 前記測定工程がコンピュータ支援装置により実行される、15.に記載の方法。
17. 強直性脊椎炎の診断を有する患者の、抗−TNFα療法に対する応答を予測するための方法であって、
a)前記患者からの血液又は血清サンプル中のオステオカルシン及び前立腺酸性ホスファターゼの濃度を測定し、
b)前記ASサンプル中の前記オステオカルシンの濃度をオステオカルシンカットオフ値と比較し、前記濃度が前記カットオフ値以上の場合、前記患者は抗−TNFα療法に対する非応答者として予測され、オステオカルシンの前記血清値が前記カットオフ値未満の場合、
c)前記患者のサンプル中の前立腺酸性ホスファターゼの前記濃度を前立腺酸性ホスファターゼカットオフ値と比較し、前記前立腺酸性ホスファターゼカットオフ値以上の前立腺酸性ホスファターゼの濃度は、前記患者がTNFα治療に対する応答者であると予測し、前記前立腺酸性ホスファターゼカットオフ値未満の値と、
d)により評価された前記臨床成績に基づいて、前記患者を非応答者であると分類する、ことを含む、方法。
18. 強直性脊椎炎の診断を有する患者の、抗−TNFα療法に対する応答を予測するための方法であって、
a)前記患者からの血液又は血清サンプル中のTIMP−1及び前立腺酸性ホスファターゼ、GCSF及びMCP−1の濃度を測定し、
b)前記ASサンプル中のTIMP−1の前記濃度をTIMP−1カットオフ値と比較し、前記濃度が前記TIMP−1カットオフ値以上の場合、前記患者は更に分類され、T
IMP−1の前記血清値が前記カットオフ値未満の場合、
c)前記患者のサンプル中の前立腺酸性ホスファターゼの濃度を前立腺酸性ホスファターゼカットオフ値と比較し、前記前立腺酸性ホスファターゼカットオフ値未満の前立腺酸性ホスファターゼの濃度は、前記患者がTNFα治療に対する応答者であると予測し、前記前立腺酸性ホスファターゼカットオフ値以上の値は、前記患者が更に分類されることを要し、
d)BASDAIにより評価して、前記患者血清中のMCP−1の濃度をMCP−1カットオフ値と比較し、前記MCP−1カットオフ値未満のMCP−1値は、前記患者が応答者であると予測し、カットオフ値以上のMCP−1値は、前記患者がTNFα中和治療に対する非応答者であると予測する、ことを含む、方法。
19. 前記患者の血清が前記TIMP−1カットオフ値以上のTIMP−1のレベルを有する場合、前記患者の血清中のG−CSFのレベルをG−CSFカットオフ値と比較し、BASDAIにより評価されて、前記患者血清中の前記G−CSFレベルがG−CSFカットオフ値未満の場合、前記患者は抗−TNF療法に応答すると予測されたように分類され、前記G−CSF値が前記G−CSFカットオフ値以上の場合、BASDAIにより評価されて、前記患者は抗−TNF療法に対する非応答者であると予測されたように分類される、18.に記載の方法。
20. 前記TIMP−1カットオフ値が7.03である、18又は19.に記載の方法。
21. 強直性脊椎炎の診断を有する患者の、抗−TNFα療法に対する応答を予測するための方法であって、
a)ベースラインサンプル及び第4週サンプルから補体成分3(C3)濃度における変化、ベースラインにおけるフェリチン、及び前記患者からの血液又は血清サンプル中のCAM−1のベースラインからの第4週のマーカー濃度の変化を測定し、
b)抗−TNF療法の開始前に採取した前記AS患者の血液サンプル中のC3の前記濃度の、抗−TNF療法の開始後の第4週に採取した前記AS患者の血清サンプル中のC3の前記濃度に対する変化をC3カットオフ値と比較し、濃度における前記変化が前記C3カットオフ値未満と決定された場合、前記患者は抗−TNF療法に応答すると予測されたと分類され、前記C3カットオフ値以上のC3の血清濃度における変化を有する患者を、フェリチンカットオフ値と比較される前記患者のサンプル中のフェリチンのベースライン値を使用して分類し、前記カットオフ値以上の値により、前記患者は抗−TNFα療法に対する応答者であると予測され、フェリチンレベルの前記血清値が前記カットオフ値未満の場合、
c)抗−TNF療法の開始前に採取された前記AS患者の血液サンプル中のICAM−1の前記濃度の、抗−TNF療法の開始後の第4週に採取した前記AS患者の血清サンプル中のICAM−1の前記濃度に対する変化をICAM−1カットオフ値と比較し、ICAM−1濃度における前記変化が前記ICAM−1カットオフ値以上と決定された場合、前記患者は抗−TNF療法に応答すると予測されたと分類され、ICAM−1濃度における前記変化が前記ICAM−1カットオフ値未満であると決定された場合、前記患者は予測された非応答者と分類される、ことを含む、方法。
22. 前記C3変化のカットオフ値が−0.233である、21.に記載の方法。
23. 抗−TNFα治療により処置されるべき強直性脊椎炎と診断された患者から得た、処置後に1つ以上の臨床エンドポイントを使用して評価された、データのセットに予測アルゴリズムを適用するための、コンピュータベースのシステムであって、
コンピュータ読み取り可能なフォーマットにおける患者データセットを受信及び加工す
るためのコンピュータステーションであって、前記コンピュータステーションが前記患者データセットを加工し、出力分類を生成するための学習ずみニューラルネットワークを含み、前記学習ずみニューラルネットワークが患者データセットを前処理する方法により学習され、前記方法が、
a)ASに関連した患者バイオマーカーを選択する工程と、
b)統計的に及び/又はコンピュータ的に、前記選択された患者バイオマーカーの区別力(power)を、線形及び/又は非線形の組み合わせにおいて個別に試験して、臨床エン
ドポイントに基づいて患者の応答又は非応答を示す工程と、
c)二次入力の誘導のための統計的方法を、元の又は変換されたバイオマーカーの線形及び/又は非線形の組み合わせである前記ニューラルネットワークに適用する工程と、
d)区別力を示す患者バイオマーカーのみ又は誘導された二次入力を選択する工程と、
e)前記前処理された患者バイオマーカー又は誘導された二次入力を使用して、前記コンピュータベースのニューラルネットワークを訓練する工程と、を含む、コンピュータベースのシステム。
24. 前記出力分類が、前記患者が抗−TNFα療法に応答するか又は応答しないかであり、前記臨床エンドポイントがASA20又はBASDAIであり、前記バイオマーカーが患者の性別、レプチン、CD40リガンド、TIMP−1、MCP−1、G−CSF、PAP、オステオカルシン、インスリン、VEGF、フェリチン、補体成分3、ICAM−1又は前記バイオマーカーの組み合わせである、23.に記載のコンピュータベースのシステム。
25. 抗−TNFα治療で処置されるべき強直性脊椎炎と診断された患者が、1つ以上の臨床エンドポイントにより評価されるように、療法に応答するか又は応答しないかを予測するための装置であって、
a)レプチン、CD40リガンド、TIMP−1、MCP−1、G−CSF、PAP、オステオカルシン、インスリン、VEGF、フェリチン、補体成分3又はICAM−1からなる群から選択される抗−TNFα療法に対するAS患者の応答又は非応答に関連したマーカーに特異的な抗体と、検出可能なラベルで標識された二次抗体と、を含む試験ストリップと、
b)前記ラベルにより生成された信号を、前記信号を加工可能なリーダーを使用して検出し、
c)前記信号の前記加工から得られたデータを、前記サンプル中の前記マーカーの所定の濃度を示す結果に加工する、ことを含む、装置。
26. 前記リーダーがヒトである、25.に記載の装置。
27. 前記リーダーが反射率計である、25.に記載の装置。
28. 抗−TNFα治療で処置されるべき強直性脊椎炎と診断された患者が、1つ以上の臨床エンドポイントにより評価されるように、治療法に応答するか又は応答しないかの予測に使用するための予後試験キットであって、レプチン、CD40リガンド、TIMP−1、MCP−1、G−CSF、PAP、オステオカルシン、インスリン、VEGF、フェリチン、補体成分3、ICAM−1又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される患者サンプル中の1つ以上のマーカーの存在を定量化可能な前調製された基質を含む、キット。

Claims (22)

  1. 強直性脊椎炎の診断を有する患者の、抗−TNFα療法に対する応答を予測するための方法であって、
    a)CD40リガンド、TIMP−1、前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)、G−CSF、MCP−1、補体成分3、VEGF、オステオカルシン、フェリチン及びICAM−1からなる群から選択される少なくとも1つの血清マーカーの濃度を測定し、
    b)前記測定された濃度を、抗−TNFα療法を受容し、1つ以上の臨床エンドポイントに基づいて応答者又は非応答者として分類された、ASと診断された患者からのマーカーの血清濃度の値のセットを分析することにより決定されたカットオフ値と比較する、ことを含む、方法。
  2. 前記患者からの血液又は血清サンプル中のハプトグロビン、血清アミロイド、CRP、α−1アンチトリプシン、フォン・ヴィレブランド因子及びインスリンからなる群から選択される前記血清中の追加のマーカー濃度が測定される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記患者が非−TNF中和治療により処置されている、請求項1〜2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 強直性脊椎炎の診断を有する患者の、抗−TNFα療法に対する応答を予測するための方法であって、
    a)前記患者からの血液又は血清サンプル中のオステオカルシン、前立腺酸性ホスファターゼ及びインスリンの濃度を測定し、
    b)前記ASサンプル中のオステオカルシンの前記濃度をオステオカルシンカットオフ値と比較し、前記濃度が前記カットオフ値以上の場合、前記患者は抗−TNFα療法に対する非応答者として予測され、オステオカルシンの前記血清値が前記カットオフ値未満の場合、
    c)前記患者のサンプル中の前立腺酸性ホスファターゼの濃度を前立腺酸性ホスファターゼカットオフ値と比較し、前記前立腺酸性ホスファターゼカットオフ値以上の前立腺酸性ホスファターゼの濃度は、前記患者がTNFα治療に対する応答者であると予測し、前記前立腺酸性ホスファターゼカットオフ値未満の値と、場合により、
    d)ASAS20により評価された臨床成績に基づいて、前記患者を非応答者と予測されたと分類し、又は更に、BASDAIにより評価して、前記患者血清中のインスリンの濃度をインスリンカットオフ値と比較することにより前記患者を分類し、前記インスリンカットオフ値未満のインスリン値は、前記患者を応答者と予測されたと分類し、カットオフ値以上のインスリン値は、前記患者をTNFα中和治療に対する非応答者と予測されたと分類する、ことを含む、方法。
  5. 前記サンプルが血清である、請求項4に記載の方法。
  6. 血清中のオステオカルシンの前記濃度がlog変換され、前記オステオカルシンカットオフ値が3.9である、請求項5に記載の方法。
  7. 血清中の前立腺酸性ホスファターゼの濃度がlog変換され、前記前立腺酸性ホスファターゼカットオフ値が1.4である、請求項4に記載の方法。
  8. 血清中のインスリンの濃度がlog変換され、前記インスリンカットオフ値が2.711である、請求項4に記載の方法。
  9. 前記測定工程が同時に実行される、請求項4に記載の方法。
  10. 前記測定工程がコンピュータ支援装置により実行される、請求項9に記載の方法。
  11. 強直性脊椎炎の診断を有する患者の、抗−TNFα療法に対する応答を予測するための方法であって、
    a)前記患者からの血液又は血清サンプル中のオステオカルシン及び前立腺酸性ホスファターゼの濃度を測定し、
    b)前記ASサンプル中の前記オステオカルシンの濃度をオステオカルシンカットオフ値と比較し、前記濃度が前記カットオフ値以上の場合、前記患者は抗−TNFα療法に対する非応答者として予測され、オステオカルシンの前記血清値が前記カットオフ値未満の場合、
    c)前記患者のサンプル中の前立腺酸性ホスファターゼの前記濃度を前立腺酸性ホスファターゼカットオフ値と比較し、前記前立腺酸性ホスファターゼカットオフ値以上の前立腺酸性ホスファターゼの濃度は、前記患者がTNFα治療に対する応答者であると予測し、前記前立腺酸性ホスファターゼカットオフ値未満の値と、
    d)により評価された前記臨床成績に基づいて、前記患者を非応答者であると分類する、ことを含む、方法。
  12. 強直性脊椎炎の診断を有する患者の、抗−TNFα療法に対する応答を予測するための方法であって、
    a)前記患者からの血液又は血清サンプル中のTIMP−1及び前立腺酸性ホスファターゼ、GCSF及びMCP−1の濃度を測定し、
    b)前記ASサンプル中のTIMP−1の前記濃度をTIMP−1カットオフ値と比較し、前記濃度が前記TIMP−1カットオフ値以上の場合、前記患者は更に分類され、TIMP−1の前記血清値が前記カットオフ値未満の場合、
    c)前記患者のサンプル中の前立腺酸性ホスファターゼの濃度を前立腺酸性ホスファターゼカットオフ値と比較し、前記前立腺酸性ホスファターゼカットオフ値未満の前立腺酸性ホスファターゼの濃度は、前記患者がTNFα治療に対する応答者であると予測し、前記前立腺酸性ホスファターゼカットオフ値以上の値は、前記患者が更に分類されることを要し、
    d)BASDAIにより評価して、前記患者血清中のMCP−1の濃度をMCP−1カットオフ値と比較し、前記MCP−1カットオフ値未満のMCP−1値は、前記患者が応答者であると予測し、カットオフ値以上のMCP−1値は、前記患者がTNFα中和治療に対する非応答者であると予測する、ことを含む、方法。
  13. 前記患者の血清が前記TIMP−1カットオフ値以上のTIMP−1のレベルを有する場合、前記患者の血清中のG−CSFのレベルをG−CSFカットオフ値と比較し、BASDAIにより評価されて、前記患者血清中の前記G−CSFレベルがG−CSFカットオフ値未満の場合、前記患者は抗−TNF療法に応答すると予測されたように分類され、前記G−CSF値が前記G−CSFカットオフ値以上の場合、BASDAIにより評価されて、前記患者は抗−TNF療法に対する非応答者であると予測されたように分類される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記TIMP−1カットオフ値が7.03である、請求項12又は13に記載の方法。
  15. 強直性脊椎炎の診断を有する患者の、抗−TNFα療法に対する応答を予測するための方法であって、
    a)ベースラインサンプル及び第4週サンプルから補体成分3(C3)濃度における変化、ベースラインにおけるフェリチン、及び前記患者からの血液又は血清サンプル中のCAM−1のベースラインからの第4週のマーカー濃度の変化を測定し、
    b)抗−TNF療法の開始前に採取した前記AS患者の血液サンプル中のC3の前記濃度の、抗−TNF療法の開始後の第4週に採取した前記AS患者の血清サンプル中のC3の前記濃度に対する変化をC3カットオフ値と比較し、濃度における前記変化が前記C3カットオフ値未満と決定された場合、前記患者は抗−TNF療法に応答すると予測されたと分類され、前記C3カットオフ値以上のC3の血清濃度における変化を有する患者を、フェリチンカットオフ値と比較される前記患者のサンプル中のフェリチンのベースライン値を使用して分類し、前記カットオフ値以上の値により、前記患者は抗−TNFα療法に対する応答者であると予測され、フェリチンレベルの前記血清値が前記カットオフ値未満の場合、
    c)抗−TNF療法の開始前に採取された前記AS患者の血液サンプル中のICAM−1の前記濃度の、抗−TNF療法の開始後の第4週に採取した前記AS患者の血清サンプル中のICAM−1の前記濃度に対する変化をICAM−1カットオフ値と比較し、ICAM−1濃度における前記変化が前記ICAM−1カットオフ値以上と決定された場合、前記患者は抗−TNF療法に応答すると予測されたと分類され、ICAM−1濃度における前記変化が前記ICAM−1カットオフ値未満であると決定された場合、前記患者は予測された非応答者と分類される、ことを含む、方法。
  16. 前記C3変化のカットオフ値が−0.233である、請求項15に記載の方法。
  17. 抗−TNFα治療により処置されるべき強直性脊椎炎と診断された患者から得た、処置後に1つ以上の臨床エンドポイントを使用して評価された、データのセットに予測アルゴリズムを適用するための、コンピュータベースのシステムであって、
    コンピュータ読み取り可能なフォーマットにおける患者データセットを受信及び加工するためのコンピュータステーションであって、前記コンピュータステーションが前記患者データセットを加工し、出力分類を生成するための学習ずみニューラルネットワークを含み、前記学習ずみニューラルネットワークが患者データセットを前処理する方法により学習され、前記方法が、
    a)ASに関連したレプチンを含まない患者バイオマーカーを選択する工程と、
    b)統計的に及び/又はコンピュータ的に、前記選択された患者バイオマーカーの区別力(power)を、線形及び/又は非線形の組み合わせにおいて個別に試験して、臨床エンドポイントに基づいて患者の応答又は非応答を示す工程と、
    c)二次入力の誘導のための統計的方法を、元の又は変換されたバイオマーカーの線形及び/又は非線形の組み合わせである前記ニューラルネットワークに適用する工程と、
    d)区別力を示す患者バイオマーカーのみ又は誘導された二次入力を選択する工程と、
    e)前記前処理された患者バイオマーカー又は誘導された二次入力を使用して、前記コンピュータベースのニューラルネットワークを訓練する工程と、を含む、コンピュータベースのシステム。
  18. 前記出力分類が、前記患者が抗−TNFα療法に応答するか又は応答しないかであり、前記臨床エンドポイントがASA20又はBASDAIであり、前記バイオマーカーが患者の性別、CD40リガンド、TIMP−1、MCP−1、G−CSF、PAP、オステオカルシン、インスリン、VEGF、フェリチン、補体成分3、ICAM−1又は前記バイオマーカーの組み合わせである、請求項17に記載のコンピュータベースのシステム。
  19. 抗−TNFα治療で処置されるべき強直性脊椎炎と診断された患者が、1つ以上の臨床エンドポイントにより評価されるように、療法に応答するか又は応答しないかを予測するための装置であって、
    a)CD40リガンド、TIMP−1、MCP−1、G−CSF、PAP、オステオカルシン、インスリン、VEGF、フェリチン、補体成分3又はICAM−1からなる群から選択される抗−TNFα療法に対するAS患者の応答又は非応答に関連したマーカーに
    特異的な抗体と、検出可能なラベルで標識された二次抗体と、を含む試験ストリップと、
    b)前記ラベルにより生成された信号を、前記信号を加工可能なリーダーを使用して検出し、
    c)前記信号の前記加工から得られたデータを、前記サンプル中の前記マーカーの所定の濃度を示す結果に加工する、ことを含む、装置。
  20. 前記リーダーがヒトである、請求項19に記載の装置。
  21. 前記リーダーが反射率計である、請求項19に記載の装置。
  22. 抗−TNFα治療で処置されるべき強直性脊椎炎と診断された患者が、1つ以上の臨床エンドポイントにより評価されるように、治療法に応答するか又は応答しないかの予測に使用するための予後試験キットであって、CD40リガンド、TIMP−1、MCP−1、G−CSF、PAP、オステオカルシン、インスリン、VEGF、フェリチン、補体成分3、ICAM−1又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される患者サンプル中の1つ以上のマーカーの存在を定量化可能な前調製された基質を含む、キット。
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