JP2014195839A - 研磨パッド及び研磨パッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長寿命で且つ研磨性能が安定した湿式研磨パッド、及びこのような湿式研磨パッドの製造方法を提供する。
【解決手段】湿式研磨パッド7は、研磨面9に複数の溝17が形成された湿式研磨パッドであって、涙形気泡25を有する研磨シート19と、研磨シート19の一方の面19aに形成された接着層23と、涙形気泡25を有し一方の面21aが接着層23に貼り付けられた研磨シート21と、を備え、複数の溝17は、研磨シート19の他方の面19bから、研磨シート23の他方の面21b近傍までの深さを有している。
【選択図】図3

Description

本発明は、研磨パッド及び研磨パッドの製造方法に関し、特に、湿式研磨パッド及び湿式研磨パッドの製造方法に関する。
従来から、半導体デバイスや液晶ディスプレイ用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、磁気ディスク用ガラス基板等の被研磨物の表面を研磨して平坦化する方法として、化学的機械的研磨法(CMP法)が用いられている。CMP法を用いて被研磨物を研磨する際は、研磨パッドを被研磨物に押し当て、両者の間に研磨スラリーを供給しながら研磨パッドと被研磨物とを回転させる。研磨スラリーは、研磨パッドの回転に伴う遠心力によって、中心側から外側に向かって流れ、最終的には研磨パッドの外部に排出される。また、近年では、研磨スラリーを被研磨物の表面に均等かつ十分に行き渡らせて被研磨物を一様で高精度に平坦化すること、高価な研磨スラリーの消費を抑えること、及びスクラッチの原因となる研磨屑を効率的に排出することを達成するために、研磨パッドの研磨面に様々な形状の溝を形成する技術が多用されている。
そして研磨面に溝が形成された研磨パッドとしては、特許文献1に記載されたものが知られている。
特開2010−115717号公報
一般的に、溝付き研磨パッドでは、溝の間の研磨面部分が磨耗して溝が無くなると研磨性能が著しく低下するため、溝付きの研磨パッドの製品寿命は実質的に溝の深さに比例する。そこで溝付き研磨パッドの製品寿命を延ばすためには、研磨パッドを厚くして溝を深くすることが考えられる。しかしながら、湿式凝固法により得られるポリウレタン製の研磨パッド(以下、湿式研磨パッドという)は、上層部から下層部向けて垂れるように延びる涙形気泡を内部に有しており、気泡の開口面積は、研磨面部分の磨耗が進むにしたがって大きくなる。そうすると、湿式研磨パッドでは、上層部から下層部に向けて樹脂の密度が低くなっており、その上層部を研磨面として使用するときの研磨パッドの樹脂の表面積と、その下層部を研磨面として使用するときの研磨パッドの樹脂の表面積が著しく異なる。
したがって、溝付きの湿式研磨パッドは製品寿命を延ばすために、単に研磨パッドを厚くして溝を深くしたとしても、研磨パッドの磨耗が進んで下層部が研磨面として露出したときの研磨特性が決して良好でないことに起因して研磨性能が不安定になるだけであり、研磨パッドの製品寿命を延ばすための現実的な解決策にはならない。
そこで本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、長寿命で且つ研磨性能が安定した湿式研磨パッド、及びこのような湿式研磨パッドの製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、研磨面に複数の溝が形成された湿式研磨パッドであって、涙形気泡を有する第一の湿式研磨シートと、この第一の湿式研磨シートの一方の面に形成された接着層と、涙形気泡を有し一方の面が接着層に貼り付けられた第二の湿式研磨シートと、を備え、複数の溝は、第一の湿式研磨シートの他方の面から、第二の湿式研磨シートの他方の面近傍までの深さを有している。
このように構成された本発明によれば、同じ厚さの研磨パッドを一枚のシートにより構成した場合と比較して、研磨パッドの厚さ方向において研磨パッドの樹脂の密度をより均一にすることができる。従って、本発明によれば、研磨パッドを厚くしたとしても、研磨パッドの厚さ方向において樹脂の密度をより均一にすることができるので、製品寿命が長く、かつ研磨性能が安定した湿式研磨パッドを提供することができる。
また、本発明において、好ましくは、溝はエンボス加工によって形成されている。
このように構成された本発明によれば、エンボス加工によって溝を形成することによって、切削加工によって溝を形成する場合と比較して、隣接する溝の間の研磨面部分が脱落するのを防止することができる。
また、本発明において、好ましくは、第一の湿式研磨シートの一方の面は、第一の湿式研磨シートの涙形気泡の丸底部が形成されている側の面であり、第二の湿式研磨シートの一方の面は、当該第二の湿式研磨シートの涙形気泡の丸底部が形成されている側の面である。
このように構成された本発明によれば、研磨パッドの研磨面を第一の湿式研磨シートの涙形気泡の丸底部が形成されていない側の他方の面によって構成し、研磨パッドの研磨面とは反対側の面を第二の湿式研磨シートの涙形気泡の丸底部が形成されていない側の他方の面によって構成することができる。このように構成された湿式研磨パッドの樹脂の密度は、溝が形成されていない状態では、第一の湿式研磨シート及び第二の湿式研磨シートの涙形気泡の丸底部が形成されていない側の他方の面、及び接着層が形成されている中央部において比較的高くなり、第一の湿式研磨シート及び第二の湿式研磨シートの涙形気泡の丸底部が形成されていない側の他方の面と接着層との間において比較的低くなる。そしてこのような湿式研磨パッドに、エンボス加工を用いて溝を形成すると、湿式研磨パッドの厚さ方向にわたって樹脂の密度を均一にすることができる。これにより、製品寿命が長く、かつ研磨性能が安定した研磨パッドを提供することができる。
また、本発明において、好ましくは、接着層は、ポリウレタン系樹脂である。
このように構成された本発明によれば、第一の湿式研磨シートと第二の湿式研磨シートとの間に形成された接着層によっても被研磨物を研磨することができる。
また、上述した課題を解決するために、本発明は、研磨面に複数の溝が形成された湿式研磨パッドの製造方法であって、涙形気泡を有する第一の湿式研磨シートの一方の面に接着層を形成し、涙形気泡を有する第二の湿式研磨シートの一方の面を接着層に貼り付け、第一の湿式研磨シートの他方の面から、第二の湿式研磨シートの他方の面近傍までの深さを有する、複数の溝を形成することを備える。
このように構成された本発明によれば、同じ厚さの研磨パッドを一枚のシートにより構成した場合と比較して、研磨パッドの厚さ方向において研磨パッドの樹脂の密度をより均一にすることができる。従って、本発明によれば、研磨パッドを厚くしたとしても、研磨パッドの厚さ方向において樹脂の密度をより均一にすることができるので、製品寿命が長く、かつ研磨性能が安定した湿式研磨パッドを製造することができる。
以上のように、本発明によれば、長寿命で且つ研磨性能が安定した湿式研磨パッド、及びこのような湿式研磨パッドの製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態による湿式研磨パッドを備える研磨装置を示す断面図である。 本発明の実施形態による湿式研磨パッドの研磨面を示す上面図である。 図2のIII-III断面における断面図である。 本発明の実施形態による湿式研磨パッドを構成する研磨シートを示す断面図である。 本発明の実施形態による研磨シートを積層した状態を示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態による湿式研磨パッド及び湿式研磨パッドの製造方法について説明する。図1は、本発明による湿式研磨パッドを備える研磨装置を示す断面図である。
先ず、図1に示すように、研磨装置1は、CMP法により被研磨物3の面を平坦化するものである。研磨装置1は、回転軸周りに回転する研磨定盤5と、研磨定盤5の上面に固定された湿式研磨パッド7と、湿式研磨パッド7の研磨面9を目立てするためのドレッサ11と、被研磨物3を保持するための保持具13と、研磨スラリーを研磨面9に供給するための研磨スラリー供給装置15とを備えている。
このような研磨装置1は、研磨スラリー供給装置15から湿式研磨パッド7の研磨面9に研磨スラリーを供給しながら、研磨定盤5を及び保持具13を回転させることによって、保持具13に保持された被研磨物3の表面を平坦化するようになっている。
図2は、湿式研磨パッドの研磨面を示す上面図である。
湿式研磨パッド7は、湿式凝固法によって得られる発泡ポリウレタンで形成されており、その研磨面9には、研磨スラリーを流すための複数の溝17が形成されている。溝17は、研磨面9の中心から径方向に直線状に、湿式研磨パッド7の外周まで延びている。図2に示す例では、湿式研磨パッド7の研磨面9に16本の溝が研磨面9の中心から直線放射状に延びている。
研磨スラリー供給装置15の供給部は、研磨面9の中心の真上に配置されており、研磨スラリー供給装置15から供給された研磨スラリーは、研磨面9の中心に供給される。そして供給された研磨スラリーの一部は、研磨面9の中心から溝17内に入り、研磨面9の中心付近から湿式研磨パッド7の外周に向けて流れる。即ち、溝17は、研磨スラリーを研磨面9の中心付近から湿式研磨パッド7の外周まで流すための流路を形成しており、この流路は、研磨面9の中心付近が上流となり、湿式研磨パッド7の外周付近が下流となっている。
図3は、図2のIII-III断面における断面図である。また、図4は、湿式研磨パッドを構成する研磨シートを示す断面図である。
図3に示すように、湿式研磨パッド7は、湿式凝固法によって得られる2枚の発泡ポリウレタン製の研磨シート19,21を、接着層23を介して貼り合わせて構成されている。接着層23は、研磨シート19の一方の面19a、及び研磨シート21の一方の面21aに貼り合わされている。これら2枚の研磨シート19,21と接着層23は、湿式研磨パッド7の研磨層を構成し、使用時には、所定の基材(図示せず)上に固定される。研磨シート19,21同士を貼り合わせるための接着層23は、ポリウレタン系樹脂によって構成されていることが好ましい。接着層23を構成する材料を、研磨シート19,21を構成する材料と同一樹脂もしくは同系統の樹脂で同一樹脂硬度以下の樹脂DMF溶液とすることにより、接着層23によっても研磨を行えるからである。
また、湿式研磨パッド7の溝17は、エンボス加工によって形成されている。この溝は、研磨シート19の接着層23と隣接していない他方の面19bから、研磨シート21の接着層23と隣接していない他方の面21b近傍までの深さを有している。より具体的には、溝17は、その底が少なくとも研磨シート21の最大高さよりも低い位置に形成され、研磨シート21の厚さ方向でみたときに、溝17の底が、研磨シート19の他方の面19bよりも、研磨シート21の他方の面21bの近くにくるような深さを有している。なお、溝17の深さは、より深いほうが好ましく、これにより、湿式研磨パッド7の製品寿命を延ばすことができる。
エンボス加工によって溝17を形成する場合には、湿式研磨パッド7の研磨層全体の厚みよりも厚い厚さを有する突起を備える金型を準備し、この金型によって研磨シート19の他方の面19bを押し込む。これにより押し込まれた部分における研磨シート19の他方の面19b、及び一方の面19a、接着層23、並びに下方に配置された研磨シート21の一方の面21aが、一斉に研磨シート21の他方の面21b付近まで押し込まれて押し込まれた部分の厚みが、他の部分の厚みよりも薄くなり、これにより、研磨シート19の他方の面19bから研磨シート21の他方の面21b近傍までの深さの溝17が形成される。
研磨シート19,21は、湿式凝固法により製造されたものである。湿式凝固法では、先ず、ポリウレタン樹脂をDMF溶液に溶解し、これを所定の基材上に塗布する。そして基材を水槽に沈めることによって樹脂を水中で凝固再生させる。基材を水槽に沈めると、樹脂が水と接触している面から徐々に凝固が始まり、水と接触している面付近の樹脂が所謂スキン層を構成する。また、樹脂の凝固中、水槽内の水が樹脂との接触面から樹脂内に入り込むため、樹脂内には空間が形成される。水槽内の水によって形成される樹脂内の空間は、スキン層から厚さ方向に向けて垂れるような涙形となる。このような製造工程により、図4に示すように、内部に多数の涙形気泡25を有する研磨シート19,21が形成される。
図4に示すように、涙形気泡25は、研磨シート19,21におけるスキン層27が形成されている側の他方の面19b,21bから、一方の面19a,21aに向けて垂れて延びるような形状を有しており、涙形の先鋭部25aがスキン層27又は他方の面19b,21b付近に位置し、丸底部25bが一方の面19a,21a側に位置している。
ここで、多数の涙形気泡25を有する研磨シート19,21の厚さ方向の任意の位置において水平方向の断面をとると、その断面には、涙形気泡25によって多数の開口が形成されている。そして研磨シート19,21の任意の断面における樹脂の表面積は、断面における開口の占有率が低いほど大きくなり、反対に開口の占有率が高いほど小さくなる。そして任意の断面での涙形気泡25の開口の占有率は、スキン層27又は他方の面19b,21b付近において低くなり、スキン層又は他方の面19b,21bから離れるに従って高くなる。従って、研磨シート19,21の積層体の樹脂の表面積は、スキン層又は他方の面19b,21b付近において大きくなり、スキン層又は他方の面19b,21bから離れるに従って小さくなる、という特性を有している。そして湿式研磨パッド7は、このような研磨シート19,21を少なくとも2枚積層して形成されている。
図5は、研磨シートを積層した状態を示す断面図である。図5(a)に示すように、研磨シート19,21を積層する場合には、研磨シート19,21の涙形気泡25の丸底部25bが形成されている側の一方の面19a,21aが接着層23と貼り合わされるように、研磨シート19,21を積層することが好ましい。この場合、上に積層された研磨シート19の他方の面19bを初期の研磨面として使用する。研磨シート19,21をこのように積層すると、研磨パッド7内の樹脂の密度を厚さ方向でみたときに、研磨シート19の他方の面19b付近では高くなり、研磨シート19の他方の面19bから離れるに従って低くなり、ポリウレタン系樹脂からなる接着層23において再び樹脂の密度が高くなる。そして研磨パッド7の樹脂の密度は、下側に積層された研磨シート21の涙形気泡25の丸底部25b付近で低くなり、そこから先鋭部25aに向けて高くなる。従って、図5(a)に示すように、研磨シート19と研磨シート21の一方の面19a,21a同士を、接着層23を介して貼り合わせることにより、湿式研磨パッド7の厚さ方向において樹脂の密度が高い部分と低い部分、即ち樹脂の表面積が大きい部分と樹脂の表面積が小さい部分とを交互に形成することができる。そして樹脂の密度が高い部分と低い部分が交互に存在している研磨シート19と研磨シート21の積層体にエンボス加工を施して溝17を形成すると、樹脂の密度は積層体の厚さ方向にわたって均され、樹脂の表面積も厚さ方向にわたって均される。
また、図5(b)に示すように、上方に積層された研磨シート19の涙形気泡25の丸底部25bが、下方に配置された研磨シート21の涙形気泡25の先鋭部25aと隣接するように、研磨シート19の一方の面19aと、研磨シート21の他方の面21bとを接着層23に貼り合わせても良い。このように研磨シート19,21を積層することにより、研磨時に、研磨シート19の研磨面から磨耗が開始して一旦、樹脂の密度が低下するが、研磨シート19が完全に磨耗しきって接着層23が露出したときに再び樹脂の密度が高くなるため、湿式研磨パッド7内の樹脂の密度をその厚さ方向にわたって均し、樹脂の表面積を均すことができる。
次に、本発明の実施形態による湿式研磨パッド7の作用について詳述する。
上述したように、2枚の湿式凝固法で製造された研磨シート19,21を積層して研磨シートの積層体を形成し、そこに溝17を形成することにより、湿式研磨パッド7の厚さ方向にわたって涙形気泡25の分布をより均一にして樹脂の密度をより均一にすることができる。これにより、湿式研磨パッド7を厚くしたとしても、湿式研磨パッド7の厚さ方向にわたって樹脂の表面積を均一にすることができ、湿式研磨パッド7の研磨性能を安定させることができる。従って、湿式研磨パッド7を厚くして比較的深い溝17を形成することが可能となり、その結果、湿式研磨パッド7の長寿命化を図ることができる。
また、溝17をエンボス加工によって形成することにより、切削加工によって溝17を形成した場合と比較して溝17の間の研磨面部分の強度を強くすることができる。これにより、研磨時に研磨面部分が脱落するのを防止することができる。また、切削加工によって溝17を形成した場合、溝17内に接着層23の側部が露出してしまうが、エンボス加工によって溝17を形成することにより、接着層23の側部が露出するのを防止することができる。これにより、接着層23がスラリーによって侵食され研磨面部分の強度が低下するのを防止することができる。さらに、エンボス加工によって溝17を形成することによって研磨シート19が研磨シート21方向に押し込まれるので、湿式研磨パッド7の厚さ方向にわたって樹脂の密度を均すことができる。これによっても、湿式研磨パッド7の長寿命化を図ることができる。
さらに、本実施形態による湿式研磨パッド7の製造方法によれば、溝17をエンボス加工によって形成した場合、加熱されたエンボス加工機の金型の突起部の熱によって湿式研磨パッド7の基材が変形するのを防止することができる。即ち、溝17を形成するときには、金型の突起部は研磨シート21の他方の面21b付近にまで達するが、このとき金型の突起部と、基材との間には、研磨シート19,21及び接着層23が介在しているため、突起部の熱が基材に伝達されにくくなるからである。
尚、上述の例では、溝17の形状を放射状としたが、溝17の形状は格子状や螺旋状、同心円状としてもよい。また、上述の例では、2枚の研磨シート19,21を積層することとしたが、研磨シート19,21の数は2枚に限られるものではない。
また、必要に応じて、研磨パッドを製造した後、研磨面にバフ処理、スライス処理、溶剤による面溶解等の孔開け処理を行って研磨面に涙形気泡を開口させてもよい。製造直後の研磨シートは涙形気泡に開口を有しておらず、孔開け処理を施すことで、内在する涙形気泡が開口される。孔開け処理により、研磨パッドの厚みの均一性や研磨スラリーのなじみを向上させることができ、研磨特性を向上させることができる。なお、開口とは、実質的に内在する涙形気泡が研磨面に露出している状態を意味する。
また、必要に応じて研磨シートの研磨面と反対側の面に、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の剛性のある基材を貼り合わせてもよい。
以下、本発明の実施例について詳述する。
〔実施例〕
実施例では、100%モジュラス8.0MPaのポリエステル系ポリウレタン樹脂(30部)及びDMF(70部)を含む溶液100部に、別途DMF56部、及びカーボンブラック7部を添加し、これらを混合することにより樹脂含有溶液を得た。得られた樹脂含有溶液を、クリアランス0.5mmに設定したリバースコータを用いてポリエステルフィルム状に0.5mm厚にてキャストした。その後、樹脂含有溶液をキャストしたポリエステルフィルムを凝固浴(水)に浸漬し、該樹脂溶液を凝固させた後、洗浄・乾燥させて研磨シートを得た。続いて得られた研磨シートから第一の湿式研磨シート及び第二の湿式研磨シートを切り出した。
第一の湿式研磨シートと第二の湿式研磨シートとを貼り合わせるための接着剤として、100%モジュラス8MPaのポリエステル系ポリウレタン樹脂を30%含むDMF溶液を用意した。この接着剤を一方の湿式研磨シートの一方の面に塗布し、塗布面に他方の湿式研磨シートの一方の面を貼り合わせた。得られた積層体を乾燥機に通過させ、DMFを揮発させた。その後、貼りあわされた湿式研磨シートの片面側のスキン層にPET製の基材と有する両面テープとを貼り合わせ、研磨パッドを得た。さらに、得られた研磨パッドに湿式研磨シートの厚みに対し、80%の深さほど、格子状の金型(1mm幅の4mmピッチの格子金型)を押し付け、130℃でエンボス加工を施した。得られた湿式研磨パッドの研磨層の厚みは0.75mmであった。
〔比較例1〕
実施例1と同様の方法にて湿式研磨シートを得たのち、PET製の基材を有する両面テープを貼り合わせ、湿式研磨パッドを得た。その後、実施例1と同様にエンボス加工を施した。得られた研磨パッドの研磨層の厚みは0.4mmであった。
〔比較例2〕
クリアランスを1.0mmに設定する以外は、実施例1と同様の方法にて湿式研磨シートを得たのち、PET製の基材を有する両面テープを貼り合わせ、研磨パッドを得た。その後、実施例1と同様にエンボス加工を施した。得られた研磨パッドの研磨層の厚みは0.75mmであった。
〔評価〕
実施例及び比較例1,2の湿式研磨パッドについて、以下の条件で摩耗試験を行い、製品寿命を測定した。ドレッサとしてはダイヤモンドレッサー(砥粒サイズ:250μm、3M社製、商品名「A188」)を用いた。
〔摩耗試験条件〕
研磨機として、(株)荏原製作所製、商品名「F−REX300」を使用した。このとき、定盤回転数を80rpm、ドレス圧力を12N、スラリー吐出量を200mL/分に設定した。スラリーとしては純水を用いた。また、磨耗試験を開始する前に、研磨パッドを立ち上げる目的で、ドレス圧力20Nで10分間ドレッシングを行った。
製品寿命の測定は、研磨定盤を回転させるモーターの負荷電流値を測定することによって行った。これは、研磨パッドによって正常に研磨が行われている場合には、モーターの負荷電流値が安定しているのに対して、研磨パッドが摩耗して研磨摩擦の抵抗値が増加したときには、モーターの負荷電流値が高くなる性質を利用したものである。そしてモーターの負荷電流値を30分間隔で測定し、モーターの負荷電流値が1Aを超えた時点を研磨パッドの製品寿命とした。
上述の磨耗試験の結果を以下の表1に示す。
Figure 2014195839
表1に示すように、本発明の実施例にかかる研磨パッドの製品寿命は、比較例1及び2の研磨パッドの製品寿命よりも長いことが分かる。
7 湿式研磨パッド
17 溝
19 研磨シート
21 研磨シート
23 接着層
25 涙形気泡

Claims (6)

  1. 研磨面に複数の溝が形成された湿式研磨パッドであって、
    涙形気泡を有する第一の湿式研磨シートと、
    この第一の湿式研磨シートの一方の面に形成された接着層と、
    涙形気泡を有し一方の面が前記接着層に貼り付けられた第二の湿式研磨シートと、を備え、
    前記複数の溝は、前記第一の湿式研磨シートの他方の面から、前記第二の湿式研磨シートの他方の面近傍までの深さを有している、湿式研磨パッド。
  2. 前記溝はエンボス加工によって形成されている、請求項1に記載の湿式研磨パッド。
  3. 前記第一の湿式研磨シートの前記一方の面は、前記第一の湿式研磨シートの前記涙形気泡の丸底部が形成されている側の面であり、前記第二の湿式研磨シートの前記一方の面は、当該第二の湿式研磨シートの前記涙形気泡の丸底部が形成されている側の面である、請求項1又は2に記載の湿式研磨パッド。
  4. 前記接着層は、ポリウレタン系樹脂である、請求項1乃至3の何れか1項に記載の湿式研磨パッド。
  5. 前記第一の湿式研磨シートの涙形気泡は、研磨面に開口している請求項1乃至4の何れか1項に記載の湿式研磨パッド。
  6. 研磨面に複数の溝が形成された湿式研磨パッドの製造方法であって、
    涙形気泡を有する第一の湿式研磨シートの一方の面に接着層を形成し、
    涙形気泡を有する第二の湿式研磨シートの一方の面を前記接着層に貼り付け、
    前記第一の湿式研磨シートの他方の面から、前記第二の湿式研磨シートの他方の面近傍までの深さを有する、前記複数の溝を形成することを備える、湿式研磨パッドの製造方法。
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