JP2014194927A - 合材スラリーおよびその製造方法とそれを用いた電極、電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】微粒子活物質を用いながらも、塗工適性に優れた合材スラリー、及び、電極内部抵抗を抑制した電池の製造方法を提供する。
【解決手段】活物質を溶媒に分散する第一の工程と、導電性炭素材料を添加し、混合し、混練または分散する第二の工程とを含む二次電池電極用合材スラリーの製造方法であって、結着剤を、前記第二の工程にて導電性炭素材料と同時に添加する、または、第二の工程に次いで、添加し、混合溶解し、混練もしくは分散する第三の工程を含むことを特徴とする二次電池電極用合材スラリーの製造方法によって、電池性能に優れた合材スラリーが得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電池用電極の作製に使用する合材スラリーおよびその製造方法とそれを用いた電極、電池に関する。さらに詳しくは、リチウムイオン二次電池用電極の作製に使用する合材スラリーおよびその製造方法とそれを用いた電極、電池に関する。
近年、デジタルカメラや携帯電話のような小型携帯型電子機器が広く用いられるようになってきた。これらの電子機器には、容積を最小限にし、かつ重量を軽くすることが常に求められてきており、搭載される電池においても、小型、軽量かつ大容量の電池の実現が求められている。また、自動車搭載用などの大型二次電池においても、従来の鉛蓄電池に代えて、大型の非水電解質二次電池の実現が望まれている。
そのような要求に応えるため、リチウムイオン二次電池の開発が活発に行われている。リチウムイオン二次電池の電極としては、リチウムイオンを含む正極活物質と導電性炭素材料と結着剤等とからなる合材を、金属箔の集電体の表面に固着させた正極、及び、リチウムイオンの脱挿入可能な負極活物質と導電助剤と結着剤等とからなる合材を、金属箔の集電体の表面に固着させた負極が使用されている。
正極活物質としては、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、及びリン酸鉄リチウム等のリチウム遷移金属複合酸化物が用いられているが、これらは導電性が悪く、単独での使用では充分な電池性能は得られない。そこで、電子伝導性のよい炭素材料を導電助剤として添加することにより、導電性を改善し、電極の内部抵抗を低減することが試みられている。
しかし、近年の小型化や高容量化を達成するためにはさらなる導電性の向上が求められている。特に、オリビン構造を有するリン酸鉄リチウムは、導電性の低さが問題となっており、粒子サイズをいかに低減させるかが重視され、開発が行われてきた。
しかし、微細化により一次粒子の導電性は向上するものの、一次粒子は微細であればあるほど、表面エネルギーは高いため、容易に凝集して強固な二次粒子を形成しやすくなってしまう。また、活物質は凝集をよく解した方が比表面積が大きくなり、電解液との接触が増えてリチウムイオンの出入りのし易さに相当するイオン抵抗が低くなる。一般に、イオン抵抗が低いほど、サイクル特性やレート特性等の電池性能は高くなる。そのため、イオン抵抗を低くするためには、いかに活物質の二次粒子の凝集を解き、分散・安定化させることが非常に重要である。
一方、導電性炭素材料の分散状態も導電性に大きく影響する。導電性炭素材料は一般に、一次粒子が凝集してより大きな二次粒子を形成しているが、凝集を解しすぎると電子伝導のパスが切断されて電子抵抗が高くなるといった課題があった。特に、アセチレンブラックは、一次粒子が合着した連鎖状あるいは凝集したストラクチャ構造として存在することで導電性を保っているため、混練による機械的ストレスによりストラクチャ構造が切断され、顕著に電子抵抗が高くなる。電子抵抗が高い程、サイクル特性やレート特性等の電池性能は低くなる傾向にある。
その一方で、導電性炭素材料が数十μm以上の粗大粒子を含んでいると、その近傍の電子抵抗が極めて低くなり、周囲より優先して充放電が起こる。そのため、局所的な劣化が促進されて、結果として電池全体の劣化に繋がってしまうといった課題があった。
従来より行われているリチウムイオン二次電池用正極合材スラリーの製造方法として、活物質と導電性炭素材料と結着剤と溶媒を一括で混合・分散する方法が用いられてきた(特許文献1、2)。この製造法では、活物質と導電性炭素材料の分散を同時に行うため、混練時間が短いと導電性炭素材料の導電性の低下を抑えることができるが、活物質の凝集が解れずイオン抵抗が上昇し、混練時間が長いと活物質の凝集は解れるが、導電性炭素材料の電子抵抗が上昇する問題がある。
また、例えば導電性炭素材料と結着剤と溶媒と混合したのち、活物質を後添加して混練する製造法も挙げられる(特許文献3)。この製造法では、導電性炭素材料の均一分散は可能だが、活物質の凝集が解れにくい課題がある。
また、例えば、ある特定の分散剤と、活物質とを溶剤に分散した後に、必要に応じて、導電助剤としての炭素材料、又は結着成分を混合することによって製造された合材スラリーを使用することにより、電極、電池性能を向上させる方法が挙げられている(特許文献4)。しかし、各成分の添加順序については、特に限定されたものではなく、実施例では、導電性炭素材料添加前に結着剤を添加しているため、結着成分が活物質を覆いやすく、イオン抵抗が上昇してしまう懸念がある。また、分散された活物質の粒径が大きく、活物質の凝集が解れていないといえる。
また、例えば、活物質、導電性炭素材料、結着剤を別々に溶媒に混合したのち、一括混合、もしくは前記活物質液と前記導電性炭素液を混合した後に前記結着剤液を混合する方法も挙げられる(特許文献5)。この方法では、溶媒の馴染み易さの異なる3成分をそれぞれ別々に溶媒と混合することで、凝集物のない均一な合材スラリーを製造し、塗工性、接着性、表面状態の改善を図るものである。しかし、各物質の二次凝集の解れ度合いや分散安定性についての記載がなく、さらに、実施例において、合材塗膜の剥がれやくぼみが残っているため、分散不充分であることが予測される。
また、例えば、活物質と結着剤の混合物を剪断しつつ攪拌する第一の工程と、導電性炭素材料と結着剤の混合物を剪断せずに攪拌する第二の工程と、これらを混合する第三の工程からなる製造法も挙げられる(特許文献6)。この製造法によると、一次粒子まで細分化された活物質と、鎖状を維持したままの導電性炭素材料を接触させることによる、高出力化についての効果について示している。しかしながら、活物質の一次粒子径が200nm以下になると、剪断のみで一次粒子レベルまで分散し、かつ再凝集のない安定なスラリーを保つことは困難である。また、活物質と結着剤のみで先に分散していることから、結着成分が活物質表面を覆いやすく、イオン抵抗が上昇してしまう懸念がある。
特開平7−29605 特開2000−123879 特開平9−213309 WO2010/013786 特開2010−27403 特開2010−238388
本発明は、活物質や導電性炭素材料の分散不良やそれに伴う保存不安定性、塗工性不良、導電性の低下、およびイオン抵抗の上昇を抑制し、電極内の内部抵抗を低減することで、集電体と合材層との密着性、活物質と導電性炭素材料との結着性に優れたレート特性、サイクル特性に優れた二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、活物質を溶媒に分散する第一の工程と、導電性炭素材料を添加し、混合し、混練または分散する第二の工程とを含む二次電池電極用合材スラリーの製造方法であって、結着剤を、前記第二の工程にて導電性炭素材料と同時に添加する、または、第二の工程に次いで、添加し、混合溶解し、混練もしくは分散する第三の工程を含むことを特徴とする二次電池電極用合材スラリーの製造方法によって、電池性能に優れた合材スラリーが得られることを見出した。
また、本発明の実施態様は、導電性炭素材料を予め溶媒中に分散させた導電性炭素材料分散液を使用することを特徴とする二次電池電極用合材スラリーの製造方法である。
また、本発明の実施態様は、結着剤を予め溶媒中に溶解または分散させた結着剤溶液または分散液を使用することを特徴とする二次電池電極用合材スラリーの製造方法である。
また、本発明の実施態様は、導電性炭素材料及び結着剤を予め混合した混合粉を使用することを特徴とする二次電池電極用合材スラリーの製造方法である。
また、本発明の実施態様は、前記第一の工程において、活物質の分散粒径が10μm以下である前記二次電池電極用合材スラリーの製造方法である。
また、本発明の実施態様は、前記第一の工程において、メディア型分散機を使用して分散する前記二次電池電極用合材スラリーの製造方法である。
また、本発明の実施態様は、第一の工程において、さらに分散剤と共に分散する、前記二次電池電極用合材スラリーの製造方法である。
また、本発明の実施態様は、活物質が正極活物質であって、BET比表面積2〜40m2/g、一次粒子径30〜500nmであり、導電性炭素で被覆された、下記一般式(1)で示されるオリビン型リチウムリン酸粒子である前記二次電池電極用合材スラリーの製造方法である。
一般式(1): LiFe1-xxPO4 (0≦x≦1)
(式中、MはMn、Co、Ni及びVからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を示す。)
また、本発明の実施態様は、活物質が負極活物質であって、BET比表面積2〜40m2/g、一次粒子径30nm〜1μmであるスピネル型チタン酸リチウム粒子である前記二次電池電極用合材スラリーの製造方法である。
また、本発明の実施態様は、前記製造方法によって製造してなる二次電池電極用合材スラリーである。
また、本発明の実施態様は、前記合材スラリーを基材に塗布してなる二次電池用電極である。
また、本発明の実施態様は、前記電極を具備してなる二次電池である。
本発明の好ましい実施形態によれば、活物質が、導電性炭素材料による良好な導電性を付与された状態で合材層中に均一かつ安定的に分散されることで、集電体と合材層との密着性、活物質と導電助剤との結着性に優れた電極が得られるため、電極の内部抵抗の低減を促すことにより、本電極を使用した二次電池の充放電効率を向上することができ、電池性能を総合的に向上させることができる。
実施例1、5、7〜12、17、18の合材スラリー製造プロセスを示す説明図である。 実施例2、13、14の合材スラリー製造プロセスを示す説明図である。 実施例3、6、15の合材スラリー製造プロセスを示す説明図である。 実施例4、16の合材スラリー製造プロセスを示す説明図である。 比較例1〜5の合材スラリー製造プロセスを示す説明図である。 比較例6、7の合材スラリー製造プロセスを示す説明図である。 比較例8の合材スラリー製造プロセスを示す説明図である。 比較例9の合材スラリー製造プロセスを示す説明図である。 比較例10の合材スラリー製造プロセスを示す説明図である。
<正極活物質>
正極活物質としては、特に限定はされないが、リチウムイオン二次電池に使用する場合、リチウムイオンをドーピングまたはインターカレーション可能な金属酸化物、金属硫化物等の金属化合物、および導電性高分子等を使用することができる。例えば、Fe、Co、Ni、Mn等の遷移金属の酸化物、リチウムとの複合酸化物、遷移金属硫化物等の無機化合物等が挙げられる。具体的には、MnO、V25、V613、TiO2等の遷移金属酸化物粉末、層状構造のニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、スピネル構造のマンガン酸リチウムなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物粉末、オリビン構造のリン酸化合物であるリン酸鉄リチウム系材料、TiS2、FeSなどの遷移金属硫化物粉末等が挙げられる。また、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーを使用することもできる。また、上記の無機化合物や有機化合物を混合して用いてもよい。
上記の活物質の内、層状構造のニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、スピネル構造のマンガン酸リチウムなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物、またはオリビン構造のリン酸鉄リチウムなどのリチウムと遷移金属との複合リン酸化物が好適に使用できる。とりわけ、導電性炭素で被覆された、一般式(1)で示されるリチウムリン酸金属粒子を用いることが好ましい。
一般式(1): LiFe1-xxPO4 (0≦x≦1)
(式中、MはMn、Co、Ni及びVからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を示す。)
具体的には、LiFePO4、LiMnPO4、LiFe0.5Mn0.5PO4などが挙げられるが、上記一般式の範囲内において、特に制限されない。
上記リチウムリン酸金属粒子を被覆する導電性炭素としては、導電性を有する炭素材料であれば特に限定されないが、好ましくは、結晶性の高い導電性炭素が少なくとも1層を形成した層状のものである。具体的には、TEM像によりグラファイト層が観察することができるものが好ましい。
上記導電性炭素で被覆されたリチウムリン酸金属粒子としては、平均一次粒子径が30〜500nm、より好ましくは50〜250nm、BET比表面積が2〜40m2/g、より好ましくは5〜30m2/gである粒子径が比較的小さい材料を用いる。これにより、活物質の反応面積を増大させることができる。
一方、負極活物質としては、特に限定はされないが、リチウム二次電池に使用する場合、リチウムイオンをドーピングまたはインターカレーション可能な金属Li、またはその合金、スズ合金、シリコン合金負極、LiXFe23、LiXWO2、Li4Ti512等の金属酸化物系、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン等の導電性高分子、ソフトカーボンやハードカーボンといった、アモルファス系炭素質材料や、高黒鉛化炭素材料等の人造黒鉛、あるいは天然黒鉛等の炭素質粉末、メソフェーズカーボン、樹脂焼成炭素材料、気層成長炭素繊維、炭素繊維などの炭素系材料が用いられる。
本発明では、負極活物質として、スピネル型チタン酸リチウム粒子を用いることが好ましい。具体的には、Li4Ti512などが挙げられる。上記チタン酸リチウム粒子としては、平均一次粒子径が30nm〜1μm、より好ましくは50〜800nm、BET比表面積が2〜40m2/g、より好ましくは5〜30m2/gである粒子径が比較的小さい材料を用いる。これにより、活物質の反応面積を増大させることができる。
本発明において、一次粒子の平均粒子径とは、走査型電子顕微鏡(SEM)の拡大画像(例えば20,000倍〜100,000万倍)で観察することによって測定された値の平均値のことを示す。詳細には、活物質粒子粉末のSEM像から、任意に20個の粒子を選択し、それらの長径と短径との平均値である。
<導電性炭素材料>
本発明における導電性炭素材料としては、導電性を有する炭素材料であれば特に限定されるものではないが、例えばアセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー、フラーレン等を単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。導電性、入手の容易さ、およびコスト面から、カーボンブラックの使用が好ましい。また、酸化処理された炭素材料も使用できる。
カーボンブラックとしては、気体もしくは液体の原料を反応炉中で連続的に熱分解し製造するファーネスブラック、特にエチレン重油を原料としたケッチェンブラック、原料ガスを燃焼させて、その炎をチャンネル鋼底面にあて急冷し析出させたチャンネルブラック、ガスを原料とし燃焼と熱分解を周期的に繰り返すことにより得られるサーマルブラック、特にアセチレンガスを原料とするアセチレンブラック等の各種のものを単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。また、通常行われている酸化処理された炭素材料も使用できる。
導電性炭素材料として用いるカーボンブラックは、酸化処理したカーボンを用いることも可能ではある。カーボンの酸化処理は、カーボンを空気中で高温処理したり、硝酸や二酸化窒素、オゾン等で二次的に処理したりすることにより、例えばフェノール基、キノン基、カルボキシル基、カルボニル基の様な酸素含有極性官能基をカーボン表面に直接導入(共有結合)する処理であり、カーボンの分散性を向上させるために一般的に行われている。しかしながら、官能基の導入量が多くなる程、カーボンの導電性が低下するため、酸化処理をしていないカーボンの使用が好ましい。
市販のカーボンブラックとしては、例えば、トーカブラック#4300、#4400、#4500、及び#5500等の東海カーボン社製ファーネスブラック、プリンテックスL等のデグサ社製ファーネスブラック、Raven7000、5750、5250、5000ULTRAIII、及び5000ULTRA等、Conductex SC ULTRA、Conductex 975 ULTRA等、PUER BLACK100、115、及び205等のコロンビヤン社製ファーネスブラック、#2350、#2400B、#2600B、#3050B、#3030B、#3230B、#3350B、#3400B、及び#5400B等の三菱化学社製ファーネスブラック、MONARCH1400、1300、900、VulcanXC−72R、及びBlackPearls2000等のキャボット社製ファーネスブラック、Ensaco250G、Ensaco260G、Ensaco350G、及びSuperP−Li等のTIMCAL社製ファーネスブラック、ケッチェンブラックEC−300J、及びEC−600JD等のアクゾ社製ケッチェンブラック、並びに、デンカブラック、デンカブラックHS−100、FX−35等の電気化学工業社製アセチレンブラック等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<分散剤>
本発明における分散剤としては、分散媒中で活物質を良好に分散できるものであれば特に限定されないが、酸性官能基、塩基性官能基および、それらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基を有するイオン性樹脂型分散剤、あるいはイオン性官能基を有しないノニオン性樹脂型分散剤、または、有機色素誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体、またはトリアジン誘導体であることが好ましい。これら分散剤は、1種類を用いてもよいし、複数種類を組み合わせて用いてもよい。
<A.イオン性樹脂型分散剤>
樹脂分散剤としては、アニオン性分散剤、カチオン性分散剤、両性分散剤などを挙げることができる。これらは、酸性官能基、塩基性官能基および水酸基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する重合体、または前記重合体の中和物の形態であり、電極形成用樹脂組成物の溶媒に水系溶媒を用いる際により好適に使用できる。
樹脂型分散剤の疎水性部位が、活物質への主たる吸着部位となり、酸性官能基、塩基性官能基および水酸基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基を含む親水性部位が、重合体の中和物を水性液状媒体に溶解ないし分散させる機能を担う。そして、電荷反発により活物質水性液状媒体中における分散状態を安定に保つことができるようになったものと考察される。
<A−1.アニオン性分散剤>
アニオン性分散剤としては、特に限定されないが、例えば、酸性官能基を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂、酸性官能基を有するポリビニル系樹脂、酸性官能基を有するポリエステル系樹脂、およびその他の市販の酸性官能基を有する樹脂等が挙げられる。また、酸性官能基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、及び燐酸基が挙げられる。
アニオン性部位としてカルボン酸もしくはスルホン酸の少なくとも一方を有し、酸価が100〜600mgKOH/gであり、水酸基価が0〜400mgKOH/gであり、重量平均分子量が5000以上であることが好ましい。
スルホン酸を有するアニオン性分散剤としては、スルホン酸を有する樹脂であれば特に限定されないが、例えば、芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物を用いることができる。芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物とは、例えば、ベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸(またはそれらのアルカリ金属塩)をホルマリンで縮合したものである。
アニオン性分散剤としては、芳香環を有するエチレン性不飽和単量体(a1)と、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)と、(a1)及び(a2)以外のエチレン性不飽和単量体(a3)とを共重合して得られる樹脂型分散剤を用いることもできる。ここで、単量体(a1)は任意成分である。
アニオン性分散剤中の共重合体を構成するエチレン性不飽和単量体の比率は、単量体(a1)〜(a3)の合計を100重量%とした場合に、(a1)が10〜80重量%、(a2)が20〜75重量%、(a3)が0〜70重量%であることが好ましい。
より好ましくは(a1)が10〜60重量%、(a2)が40〜75重量%、(a3)が0〜50重量%である。
芳香環を有するエチレン性不飽和単量体(a1)としては、芳香環を有する単量体であれば特に限定されないが、スチレン、α−メチルスチレンもしくはベンジル(メタ)アクリレートを例示することができる。
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)は、カルボキシル基を有する単量体であれば特に限定されないが、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、または、これらのアルキルもしくはアルケニルモノエステル、フタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、イソフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、テレフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、コハク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸等を例示することができる。特にメタクリル酸、アクリル酸が好ましい。
前記(a1)〜(a2)以外のその他の単量体(a3)としては、(メタ)アクリレート系化合物としては、アルキル系(メタ)アクリレート、アルキレングリコール系(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アニオン性分散剤は、カルボキシル基もしくはスルホン酸基を有する単量体を重合もしくは縮合して製造されるが、アニオン性分散剤の分子全体におけるアニオン性官能基を有する単量体の構成比率を酸価で表すと下記のようであることが好ましい。即ち、使用するアニオン性分散剤(A)の酸価が、100mgKOH/g以上600mgKOH/g以下の範囲であることが好ましく、更には300mgKOH/g以上600mgKOH/g以下の範囲であることが好ましい。
アニオン性分散剤の酸価が上記した範囲よりも低いと分散液の分散安定性が低下し、粘度が増加する傾向がある。また、酸価が上記した範囲より高いと、顔料表面に対するアニオン性分散剤の付着力が低下し、分散液の保存安定性が低下する傾向がある。
なお、酸価は、JIS K 0070の電位差滴定法に準拠して測定した酸価(mgKOH/g)を固形分換算した値である。
<A−2.カチオン性分散剤>
カチオン性分散剤は、カチオン性部位として脂肪族アミンもしくは芳香族アミンの少なくとも一方を有し、アミン価が110〜1000mgKOH/gであり、水酸基価が0〜400mgKOH/gであり、重量平均分子量が5000以上である、樹脂型分散剤であることが好ましい。
脂肪族アミンもしくは芳香族アミンを有するカチオン性分散剤としては、脂肪族アミンもしくは芳香族アミンを有する樹脂であれば特に限定されないが、例えば、脂肪族アミノ基もしくは芳香族アミノ基を有する単量体を重合もしくは縮合してなり、好ましくは、脂肪族アミノ基もしくは芳香族アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)を重合して得られるものである。脂肪族アミノ基もしくは芳香族アミノ基を有する単量体は1種類を用いてもよいし、複数種類を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明におけるカチオン性分散剤としては、芳香環を有するエチレン性不飽和単量体(b1)と、脂肪族アミノ基もしくは芳香族アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体(b2)と、(b1)及び(b2)以外のエチレン性不飽和単量体(b3)とを共重合して得られる樹脂型分散剤を用いることができる。ここで、単量体(b1)又は(b3)は任意成分である。
カチオン性分散剤中の共重合体を構成するエチレン性不飽和単量体の比率は、単量体(b1)〜(b3)の合計を100重量%とした場合に、(b1)が0〜30重量%、(b2)が30〜80重量%、(b3)が0〜70重量%であることが好ましい。
更に好ましくは(b1)が0〜30重量%、(b2)が50〜80重量%、(b3)が0〜50重量%である。
芳香環を有するエチレン性不飽和単量体(b1)としては、特に限定されないが、単量体(a1)で例示したものと同じものが挙げられる。
脂肪族アミノ基もしくは芳香族アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体(b2)は、脂肪族アミノ基もしくは芳香族アミノ基を有する単量体であれば特に限定されないが、脂肪族アミノ基を有するものとしては、例えば、1分子中に1つのエチレン性不飽和基を有する単量体として、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、アリルアミン、1分子中に2つのエチレン性不飽和基を有する単量体として、ジアリルアミン、ジアリルメチルアミン等を例示することができ、また、芳香族アミノ基を有するものとしては、アミノスチレン、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン等を例示することができる。
前記(b1)〜(b2)以外のその他の単量体(b3)としては、特に限定されないが、単量体(a3)で例示したものと同じものが挙げられる。
カチオン性分散剤は、アミノ基を有する単量体を重合もしくは縮合して製造されるが、カチオン性分散剤の分子全体におけるカチオン性官能基を有する単量体の構成比率をアミン価で表すと下記のようであることが好ましい。即ち、使用するカチオン性分散剤のアミン価が、110mgKOH/g以上1000mgKOH/g未満の範囲であることが好ましく、更には250mgKOH/g以上1000mgKOH/g未満の範囲であることが好ましい。
カチオン性分散剤のアミン価が上記した範囲よりも低いと分散液の分散安定性が低下し、粘度が増加する傾向がある。また、アミン価が上記した範囲より高いと、顔料表面に対するカチオン性分散剤の付着力が低下し、分散液の保存安定性が低下する傾向がある。
なお、アミン価は、試料1g中に含まれる全塩基性窒素を中和するのに要する過塩素酸と当量の水酸化カリウムのmg数で表したものである。測定方法は、JIS K 7237(1995)に記載されている電位差滴定法により求めたものを固形分換算した値である。
<A−3.両性分散剤>
両性分散剤としては、芳香環を有するエチレン性不飽和単量体(c1)と、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(c2)と、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体(c3)と、を必須成分とする共重合および前記共重合体の中和物であることが好ましい。
両性分散剤(C)中の共重合体を構成する単量体の比率は、単量体(c1)〜(c4)の合計を100重量%とした場合に、(c1)が5〜70重量%、(c2)が15〜60重量%、(c3)が1〜80重量%、(c4)が0〜79重量%である。
好ましくは、(c1):20〜70重量%、(c2):15〜45重量%、(c3):1〜70重量%、(c4):0〜50重量%である。
より好ましくは、(c1):30〜70重量%、(c2):15〜35重量%、(c3):1〜40重量%、(c4):0〜40重量%である。
芳香環を有するエチレン性不飽和単量体(c1)としては、特に限定されないが、単量体(a1)で例示したものと同じものが挙げられる。
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(c2)は、カルボキシル基含有不飽和化合物としてはマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、または、これらのアルキルもしくはアルケニルモノエステル、フタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、イソフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、テレフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、コハク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸等を例示することが出来る。特にメタクリル酸、アクリル酸が好ましい。
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体(c3)は、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン等が挙げられる。
前記(c1)〜(c3)以外のその他の単量体(c4)としては、特に限定されないが、単量体(a3)で例示したものと同じものが挙げられる。
樹脂型分散剤の水酸基価は、0mgKOH/g以上400mgKOH/g以下であることが望ましく、更には、0mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることが好ましい。水酸基価が400mgKOH/g以上であると、水媒体中での分子間の相互作用が強くなり、分散剤溶液の粘度が必要以上高くなるため、活物質の分散性が悪化する場合がある。
<B.ノニオン性分散剤>
ノニオン性樹脂とは、イオン性官能基を有していない樹脂が挙げられる。具体的には、
ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール変性アクリル樹脂、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルエーテル、ポリビニルカプロラクタム、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル−ビニルピロリドン共重合体、ビニルピロリドン−メタクリル酸アミド−ビニルイミダゾール共重合体、及びアルキル化ビニルピロリドン−1−ブテン共重合体等のビニルピロリドン系樹脂、リグニン、ペクチン、ゼラチン、キサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカン、セルロース系樹脂、キチン類、キトサン類、デンプンなどが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤の重量平均分子量は5000以上が好ましい。更に好ましくは30000以上である。また、その上限値は1500000以下が好ましく、800000以下がさらに好ましい。重量平均分子量が5000未満の場合、電極活物質もしくは導電助剤である炭素材料の分散不良を引き起こす可能性があり、30000未満の場合、電解液に溶出し、電池性能の悪化を引き起こす可能性がある。
樹脂型分散剤には中和剤を添加することもできる。中和することで、酸性官能基および塩基性官能基の塩は水媒体中で解離しやすくなり、より電荷を帯びやすくなる。そのため、中和したアニオン性分散剤が吸着した導電性炭素表面、正負極活物質表面は電荷を帯び、その反発によりさらに分散性が向上する。
<C.有機色素誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体、トリアジン誘導体>
分散剤としては、有機色素誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体、トリアジン誘導体(以下、各種誘導体と略記することがある)も好適に使用できる。酸性官能基、塩基性官能基および水酸基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する各種誘導体は、電極形成用樹脂組成物の溶媒に非水系溶媒を用いる際により好適に使用できる。また、これらの各種誘導体は、下記文献等にも記載されている。
参考文献1:特開2010-061934号公報
これら分散剤は、有機色素部位あるいはアントラキノン、アクリドン、またはトリアジン部位が活物質表面に作用(例えば吸着)することにより、分散効果を発揮するものと思われる。そして、活物質材料表面に作用した分散剤が有する酸性官能基、塩基性官能基および水酸基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基が分極ないしは解離することにより、電気的な相互作用(反発作用)が誘起され、活物質の非水性液状媒体中における分散状態を安定に保つことができるようになったものと考察される。
<C−1.酸性官能基を有する各種誘導体>
酸性官能基を有する各種誘導体としては、下記一般式(11)で示されるトリアジン誘導体、または一般式(14)で示される有機色素誘導体が好ましい。
一般式(11)
Figure 2014194927
1は−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−CH2NHCOCH2NH−または−X3−Y−X4−を表し、X2及びX4はそれぞれ独立に−NH−または−O−を表し、X3は−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−NHCO−または−NHSO2−を表し、
Yは炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基または置換基を有してもよいアリーレン基を表し、
Zは−SO3Mまたは−COOM、または−P(O)(−OM)2または−O−P(O)(−OM)2を表し、Mは1〜3価のカチオンの一当量を表し、
1は有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよい芳香族環残基または下記一般式(12)で表される基を表し、
Qは−O−R2、−NH−R2、ハロゲン基、−X1−R1または−X2−Y−Zを表し、R2は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基または置換基を有してもよいアルケニル基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
一般式(12)
Figure 2014194927
5は−NH−または−O−を表し、X6及びX7はそれぞれ独立に−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−または−CH2NHCOCH2NH−を表し、
3及びR4はそれぞれ独立に、有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよい芳香族環残基または−Y−Zを表し、Y及びZは一般式(11)と同義である。
一般式(11)のR1及び一般式(12)のR3、R4で表される有機色素残基としては、例えばジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ぺリノン系色素、ぺリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、金属錯体系色素等が挙げられる。とりわけ、金属による電池の短絡を抑制する効果を高めるためには、金属錯体系色素ではない有機色素残基の使用が好ましく、中でもアゾ系色素、ジケトピロロピロール系色素、無金属フタロシアニン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素の使用が分散性に優れるため好ましい。
一般式(11)のR1及び一般式(12)のR3、R4で表される複素環残基および芳香族環残基としては、例えば、チオフェン、フラン、ピリジン、ピラゾール、ピロール、イミダゾール、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンズチアゾール、ベンズトリアゾール、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、ベンゼン、ナフタリン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、アントラキノン等が挙げられる。とりわけ、少なくともS、N、Oのヘテロ原子のいずれかを含む複素環残基の使用が分散性に優れるため好ましい。
一般式(11)及び一般式(12)のYは、炭素数20以下の置換基を有していてもよいアルキレン基、アルケニレン基またはアリーレン基を表すが、好ましくは置換されていてもよいフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基または炭素数が10以下の側鎖を有していてもよいアルキレン基が挙げられる。
一般式(11)のQ中に含まれるR2で表される置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基は、好ましくは炭素数20以下のものであり、更に好ましくは炭素数が10以下の側鎖を有していてもよいアルキル基が挙げられる。置換基を有しているアルキル基またはアルケニル基とは、アルキル基またはアルケニル基の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン基、水酸基、メルカプト基等に置換されたものである。
一般式(11)の式中Mは、1〜3価のカチオンの一当量を表し、例えば、水素原子(プロトン)、金属カチオン、4級アンモニウムカチオンのいずれかを表す。また、分散剤構造中にMを2つ以上有する場合、Mはプロトン、金属カチオン、4級アンモニウムカチオンのいずれかひとつのみでも良いし、これらの組み合わせでも良い。
金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、ニッケル、コバルト等が挙げられる。
4級アンモニウムカチオンとしては、一般式(13)で示される構造を有する単一化合物または、混合物である。
一般式(13)
Figure 2014194927
5、R6、R7、R8は、水素、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、または置換基を有してもよいアリール基のいずれかを表す。
一般式(13)のR5、R6、R7、R8は、それぞれ同一でもよいし、異なっていてもよい。また、R5、R6、R7、R8が炭素原子を有する場合、炭素数は1〜40、好ましくは1〜30、更に好ましくは1〜20である。炭素数が40を超えると電極の導電性が低下する場合がある。
一般式(14)
Figure 2014194927
8は直接結合、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−CH2NHCOCH2NH−または−X9−Y−または−X9−Y−X10−を表し、X9は−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−NHCO−または−NHSO2−を表し、X10は−NH−または−O−を表し、Yは炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基または置換基を有してもよいアリーレン基を表し、
Zは−SO3Mまたは−COOM、または−P(O)(−OM)2、または−O−P(O)(−OM)2を表し、Mは1〜3価のカチオンの一当量を表し、
9は有機色素残基を表し、nは1〜4の整数を表す。
一般式(14)のR9で表させる有機色素残基としては、例えばジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ぺリノン系色素、ぺリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、金属錯体系色素等が挙げられる。R9で表させる有機色素残基には、一般的には色素と呼ばれていない淡黄色のアントラキノン残基を含む。とりわけ、金属による電池の短絡を抑制する効果を高めるためには、金属錯体系色素ではない有機色素残基の使用が好ましく、中でもアゾ系色素、ジケトピロロピロール系色素、無金属フタロシアニン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素の使用が分散性に優れるため好ましい。
一般式(14)の式中のMは、1〜3価のカチオンの一当量を表し、例えば、水素原子(プロトン)、金属カチオン、4級アンモニウムカチオンのいずれかを表す。また、分散剤構造中にMを2つ以上有する場合、Mはプロトン、金属カチオン、4級アンモニウムカチオンのいずれかひとつのみでも良いし、これらの組み合わせでも良い。
金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、ニッケル、コバルト等が挙げられる。
<C−2.塩基性官能基を有する各種誘導体>
塩基性官能基を有する各種誘導体としては、下記一般式(21)で示されるトリアジン誘導体、または一般式(26)で示される有機色素誘導体の使用が好ましい。
一般式(21)
Figure 2014194927
1は、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−CH2NHCOCH2NH−または−X2−Y−X3−を表し、X2は、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−NHCO−または−NHSO2−を表し、X3はそれぞれ独立に−NH−または、−O−を表し、Yは炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基または、置換基を有してもよいアリーレン基を表す。
Pは、一般式(22)、(23)または、一般式(24)のいずれかで示される置換基を表す。
Qは、−O−R2、−NH−R2、ハロゲン基、−X1−R1または、一般式(22)、(23)もしくは、一般式(24)のいずれかで示される置換基を表す。
2は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基または、置換基を有してもよいアルケニル基もしくは、置換基を有してもよいアリール基を表す。
一般式(22)
Figure 2014194927
一般式(23)
Figure 2014194927
一般式(24)
Figure 2014194927
4は、直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHCONHCH2−、−CH2−または、−X5−Y−X6−を表す。X5は、−NH−または、−O−を表し、X6は、直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHCONHCH2−または、−CH2−を表す。Yは炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基または、置換基を有してもよいアリーレン基を表す。
vは、1〜10の整数を表す。
3 、R4はそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基、またはR3 、R4とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環残基を表す。とりわけ、水素原子であることが、電池内での金属析出を抑える効果が高いと思われ好ましい。
5 、R6 、R7 、R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表す。
9は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
1は有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよい芳香族環残基または下記一般式(25)で示される基を表す。
一般式(25)
Figure 2014194927
Tは、−X8−R10または、W1を表し、Uは、−X9−R11または、W2を表す。
1およびW2は、それぞれ独立に−O−R2、−NH−R2、ハロゲン基または、一般式(22)、(23)もしくは、一般式(24)のいずれかで示される置換基を表す。
2は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基または、置換基を有してもよいアルケニル基もしくは、置換基を有してもよいアリール基を表す。
7は−NH−または−O−を表し、X8およびX9は、それぞれ独立に−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−または−CH2NHCOCH2NH−を表す。
Yは炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基または、置換基を有してもよいアリーレン基を示す。
10およびR11はそれぞれ独立に、有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよい芳香族環残基を表す。
一般式(21)のR1および、一般式(25)のR10、R11で表される有機色素残基としては、例えばジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ぺリノン系色素、ぺリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、金属錯体系色素等が挙げられる。とりわけ、金属による電池の短絡を抑制する効果を高めるためには、金属錯体系色素ではない有機色素残基の使用が好ましい。
一般式(21)のR1および、一般式(25)のR10、R11で表される複素環残基および芳香族環残基としては、例えば、チオフェン、フラン、ピリジン、ピラジン、トリアジン、ピラゾール、ピロール、イミダゾール、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンズチアゾール、ベンズトリアゾール、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、ベンゼン、ナフタリン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、アントラキノン、アクリドン等が挙げられる。これらの複素環残基および芳香族環残基は、アルキル基(メチル基、エチル基、ブチル基等)、アミノ基、アルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基等)、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等)、ハロゲン(塩素、臭素、フッ素等)、フェニル基(アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン等で置換されていてもよい)、およびフェニルアミノ基(アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン等で置換されていてもよい)等の置換基を有していてもよい。
一般式(21)、一般式(25)のYは、炭素数20以下の置換基を有していてもよいアルキレン基、アルケニレン基またはアリーレン基を表すが、好ましくは置換されていてもよいフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基または炭素数が10以下の側鎖を有していてもよいアルキレン基が挙げられる。
一般式(26)
Figure 2014194927
Zは、下記一般式(27)、(28)または、一般式(29)で示される群から選ばれる少なくとも1つのものである。nは、1〜4の整数を表す。
一般式(27)
Figure 2014194927
一般式(28)
Figure 2014194927
一般式(29)
Figure 2014194927
4は、直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHCONHCH2−、−CH2−または、−X5−Y−X6−を表す。X5は、−NH−または、−O−を表し、X6は、直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHCONHCH2−または、−CH2−を表す。Yは炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基または、置換基を有してもよいアリーレン基を表す。
vは、1〜10の整数を表す。
3 、R4はそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR3 、R4とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環残基を表す。とりわけ、水素原子であることが、電池内での金属析出を抑える効果が高いと思われ好ましい。
5 、R6 、R7 、R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表す。
9は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表す。
12は有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよい芳香族環残基をあらわす。
12で表される有機色素残基としては、例えばジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ぺリノン系色素、ぺリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、金属錯体系色素等が挙げられる。とりわけ、金属による電池の短絡を抑制する効果を高めるためには、金属錯体系色素ではない有機色素残基の使用が好ましい。
また、R12で表される複素環残基および芳香族環残基としては、例えば、チオフェン、フラン、ピリジン、ピラゾール、ピロール、イミダゾール、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンズチアゾール、ベンズトリアゾール、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、ベンゼン、ナフタリン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、アントラキノン、アクリドン等が挙げられる。これらの複素環残基および芳香族環残基は、アルキル基(メチル基、エチル基、ブチル基等)、アミノ基、アルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基等)、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等)、ハロゲン(塩素、臭素、フッ素等)、フェニル基(アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン等で置換されていてもよい)、およびフェニルアミノ基(アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン等で置換されていてもよい)等の置換基を有していてもよい。
<結着剤>
本発明の中の結着剤とは、導電性炭素材料やその他活物質などの粒子同士およびこれら粒子と集電体とを結着させるために使用されるものである。
結着剤としては、上記の機能を有するものであれば特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、カルボキシメチルセルロース等のセルロース樹脂、スチレン−ブタジエンゴムやフッ素ゴム等の合成ゴム、ポリアニリンやポリアセチレン等の導電性樹脂等、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、及びテトラフルオロエチレン等のフッ素原子を含む高分子化合物が挙げられる。又、これらの樹脂の変性物、混合物、又は共重合体でも良い。これら結着剤は、1種または複数を組み合わせて使用することも出来る。
好ましくは、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、及びテトラフルオロエチレン等のフッ素原子を含む高分子化合物である。
<溶媒>
本発明における溶媒としては、特に限定されないが、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルホルムアミドなどのアミド類、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアミンなどのアミン類、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、アミノアルコール類、スルホキシド類、カルボン酸エステル類、リン酸エステル類、エーテル類、ニトリル類、水等が挙げられる。
さらに、リチウム二次電池電極形成用組成物には、成膜助剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、pH調製剤、粘性調製剤などを必要に応じて配合できる。
本発明では、活物質を溶媒に分散する第一の工程と、導電性炭素材料を添加し、混合し、分散する第二の工程と、結着剤を、前記第二の工程にて導電性炭素材料と同時に添加する、または、第二の工程に次いで、添加し、混合溶解し、混練もしくは分散する第三の工程から合材スラリーを製造する。
本発明では、活物質分散液を作製した直後に、導電性炭素材料や結着剤を添加し合材スラリーを作製することが好ましい。直後とは、活物質の分散状態が保たれている間の時間であることを示し、具体的には、後述する粒度分布により確認することができる。本工程によれば、一次粒子径近くまで分散された活物質粒子に、導電性炭素材料を効果的に配位させることが可能となり、電極の内部抵抗の低減に効果があると思われる。
活物質の粒度分布とは、スラリーをサンプリングして所定濃度に希釈し、グラインドゲージ(JIS K5101)により求めた値であり、この値を活物質の分散粒径と定義する。
活物質の分散粒径としては、使用する活物質の一次粒子径の大きさによって変化する。特に限定するものではないが、50μm以下、好ましくは30μm以下、更に好ましくは10μm以下が好ましい。活物質の分散粒径が50μmを超える場合には、合材塗膜の材料分布のばらつき、電極の抵抗分布のばらつき等の不具合が生じる場合がある。
本発明の第一の工程で、活物質の分散液を得る際に用いられる装置としては、顔料分散等に通常用いられている分散機が使用できる。例えば、ホモジナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」、プライミクス社「フィルミックス」等)類、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル等のメディア型分散機、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等、吉田興業社製「ナノヴェイダ」)、エム・テクニック社製「クレアSS−5」、奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機、その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの分散機は単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。さらに、分散機としては、分散機からの金属混入防止処理を施したものを用いることが好ましい。
前記第一の工程で用いられる装置としては、特にメディア型分散機が好ましい。強固な凝集を有する微細な活物質粒子を均一に分散するためには、剪断力のみで粒子の高い表面エネルギーに勝ることは難しい。従って、メディアの衝突力や摩擦力、また剪断力等の機械的エネルギーを利用することが重要である。しかしながら、一次粒子を破砕するほどの余分な力を与えてしまうと、破砕面に活性部位が生じて、分散系の異常な粘度増加が生じたり、分散した粒子が再凝集を起こす「過剰分散」という状態が発生し、合材スラリーの安定性や塗工適性に問題を起こす可能性が増加する。本発明での活物質分散とは、一次粒子を破砕せず、二次粒子を一次粒子径近くまで分散させた状態を意味する。
メディア型分散機を使用する場合は、アジテーターおよびベッセルがセラミック製または樹脂製の分散機を使用する方法や、金属製アジテーターおよびベッセル表面をタングステンカーバイド溶射や樹脂コーティング等の処理をした分散機を用いることが好ましい。そして、メディアとしては、ガラスビーズや、ジルコニアビーズ、アルミナビーズ等のセラミックビーズを用いることが好ましい。また、ロールミルを使用する場合についても、セラミック製ロールを用いることが好ましい。分散装置は、1種のみを使用しても良いし、複数種の装置を組み合わせて使用しても良い。
本発明の第一の工程では、分散剤を使用することが好ましい。分散剤を溶媒中に完全ないしは一部溶解させ、その溶液中に活物質を添加、混合、分散することで、活物質を一次粒子近くまで分散させつつ、これら分散剤を活物質に吸着、被覆させて溶媒中に分散させることができるためである。この時、分散液中における活物質濃度は、30重量%以上、90重量%以下が好ましく、40重量%以上、80重量%以下がより好ましい。
分散剤の添加量は、用いる活物質の一次粒子径により決定されるが、活物質100重量部に対して、分散剤を0重量部以上、5重量部以下、好ましくは0.03重量部以上、3重量部以下、さらに好ましくは、0.05重量部以上、1重量部以下である。上記範囲内であると、分散性とイオン抵抗のバランスが良いため好ましい。
第二の工程は、第一の工程で作成した活物質を溶媒に分散して得られる分散液に、さらに、導電性炭素材料を添加し、混合し、混練または分散を行う。添加方法は、攪拌しながら行うことが好ましく、その後、分散装置を用いても良い。導電性炭素材料は、粉状で使用できるが、予め溶媒に分散させた分散液を使用することが好ましく、この時、導電性炭素材料を予め溶媒に分散させた分散液を得るために分散剤を添加してもよい。
また、上記第一の工程中またはその後、もしくは、第二の工程中またはその後のいずれかで、少なくとも一回以上金属異物等のコンタミを除く工程を入れることが好ましい。活物質および導電性炭素材料にはそれらの製造工程に由来する(原料中に含まれるコンタミやラインコンタミ等として)金属異物が含まれている場合が多く、これらの金属異物を除去することは、電池の短絡を防ぐために重要となる。本発明では、活物質や導電性炭素材料の凝集をほぐしたところでコンタミを除く工程を入れることで、効率良く金属異物を取り除くことができる。金属異物を除く方法としては、磁石による除鉄や、濾過、遠心分離等の方法が挙げられる。
第三の工程は、上記第二の工程で作成した活物質と導電性炭素材料からなる分散液に、さらに、結着剤を添加し、混合溶解し、混練または分散を行う。添加方法は、攪拌しながら行うことが好ましく、その後、分散装置を用いても良い。結着剤は粉状で使用できるが、予め溶媒中に溶解または分散させた結着剤溶液または分散液を使用することが好ましい。
第二の工程としての好ましいもう一つの態様は、第一の工程で作成した活物質を溶媒に分散して得られる分散液に、導電性材料及び結着剤を同時に添加し、混合溶解し、混練または分散を行う。添加方法は、攪拌しながら行うことが好ましく、その後、分散装置を用いても良い。導電性炭素材料及び結着剤は粉体で使用することができるが、溶媒中に溶解または分散された溶液を添加し、混合し、混練または分散しても良い。導電性炭素材料及び結着剤が溶媒中に溶解または分散された溶液の調製方法としては、例えば、導電性炭素材料及び結着剤とを予め粉状で混合した後、好ましくは、攪拌しながら、溶媒中に混合溶解し、混練または分散する方法が挙げられるが、各成分の添加順序等については特に限定されるものではない。
第二の工程としての好ましいもう一つの態様は、導電性炭素材料及び結着剤を予め混合した混合粉を添加し、混合し、混練または分散を行う。導電性炭素材料及び結着剤が混合された混合粉の調製方法としては、例えば、導電性炭素材料粉及び結着剤粉とをタンブラー等で十分混合する方法が挙げられるが、各成分の添加順序や混合方法については、特に限定されるものではない。例えば、メカノケミカル反応を伴うような強いシェアによる混合方法であっても良い。
第二の工程として、導電性材料及び結着剤を同時に添加する場合は、上記第三の工程は行う必要はないが、必要に応じて、第二の工程と第三の工程の両方を用いて結着剤を添加することもできる。
合材スラリー中における、導電性炭素材料及び結着剤の分散粒径としては、スラリーをサンプリングして所定濃度に希釈し、グラインドゲージによる粒度分布(JIS K5101)が20μm以下となる状態とする。
本発明の第二、第三の工程で用いられる装置としては、顔料分散等に通常用いられている分散機が使用できる。例えば、ディスパー、ホモミキサー、プラネタリーミキサー等のミキサー類、ホモジナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」、プライミクス社「フィルミックス」等)類、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル等のメディア型分散機、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等、吉田興業社製「ナノヴェイダ」)、エム・テクニック社製「クレアSS−5」、奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機、その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの分散機は単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。さらに、分散機としては、分散機からの金属混入防止処理を施したものを用いることが好ましい。
本発明の合材層は、本発明のリチウム二次電池電極形成用組成物を基材に塗布し、さらに乾燥することにより得られる。
<基材>
電極に使用する基材の材質や形状は特に限定されず、各種二次電池にあったものを適宜選択することができる。
例えば、基材の材質としては、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、又はステンレス等の金属や合金が挙げられる。リチウムイオン電池の場合、特に正極材料としてはアルミニウムが、負極材料としては銅が、それぞれ好ましい。
また、形状としては、一般的には平板上の箔が用いられるが、表面を粗面化したものや、穴あき箔状のもの、及びメッシュ状の集電体も使用できる。また、導電性組成物を塗布した基材を用いてもよい。
塗工方法にもよるが、固形分30〜90重量%の範囲で、合材スラリーの粘度は、100mPa・s以上、30,000mPa・s以下とするのが好ましい。
塗工可能な粘度範囲において、活物質粒子はできるだけ多く含まれるのが好ましく、例えば、電極合材スラリー中の総固形分に占める活物質の割合は、70重量%以上、98.5重量%以下が好ましく、80重量%以上、95重量%以下がより好ましい。
また、合材スラリー固形分に占める分散剤の割合は、15重量%以下であることが好ましい。
導電助剤を含む場合、合材スラリー固形分に占める導電助剤の割合は、0.1〜15重量 %であることが好ましい。
結着剤を含む場合、合材スラリー固形分に占める結着剤の割合は、0.1〜15重量%であることが好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例および比較例で使用した活物質、分散剤、導電性炭素材料、結着剤、増粘剤、混合機、分散機を以下に示す。
<活物質>
・リン酸鉄リチウム(LiFePO4、平均一次粒子径100nm、比表面積20m2/g)
・コバルト酸リチウム(LiCoO2、平均一次粒子径800nm、比表面積1.3m2/g)
・マンガン酸リチウム(LiMn24、平均一次粒子径800nm、比表面積1.4m2/g)
・チタン酸リチウム(Li4Ti512、一次粒子径700nm、比表面積7m2/g)
<分散剤>
・分散剤A(特許4240157 表1 分散剤Aに記載の酸性官能基を有するトリアジン誘導体)
Figure 2014194927
・分散剤B(特許4420123 表3 分散剤Jに記載の塩基性官能基を有するトリアジン誘導体)
Figure 2014194927

・K-15(DSP五協フード&ケミカル社製、ポリビニルピロリドン)
・ジョンクリル62−J(ジョンソンポリマー社製、スチレンアクリル共重合樹脂)
・#1120(ダイセルファインケム社製、カルボキシメチルセルロース(CMC))
<導電性炭素材料>
・デンカブラックHS−100(電気化学工業社製、アセチレンブラック、以下「HS−100」と略記する。)
・EC−300J(アクゾ社製、ケッチェンブラック)
・VGCF−H(昭和電工社製、カーボンナノチューブ)
<結着剤>
・KFポリマーW#7200(クレハ社製、フッ化ビニリデン単独重合体、以下「W#7200」と略記する。)
・KFポリマーL#7208(クレハ社製、フッ化ビニリデン単独重合体が8.0重量%のN−メチル−2−ピロリドン溶液、以下「L#7208」と略記する。)
・ファインパウダー 30−J(三井・デュポンフロロケミカル社製、ポリテトラフルオロエチレン、以下「30−J」と略記する。)
<混合機>
・FMミキサー(日本コークス工業社製)
<分散機>
・ディスパー(プライミクス社製、T.K.ホモディスパー)
・ホモジナイザー(プライミクス社製、フィルミックス)
・サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製、ダイノミル)
・プラネタリーミキサー(プライミクス社製、T.K.ハイビスミックス)
・ジェットミル(吉田機械興業社製、ナノヴェイダ)
・ディスパー付プラネタリーミキサー(プライミクス社製、ハイビスディスパ ーミックス)
<合材スラリーの製造>
(実施例1)正極合材スラリーの製造
容器に、N−メチル−2−ピロリドンを97.5重量部とリン酸鉄リチウムを90重量部添加し、ジルコニアビーズφ1.25mmでサンドミルを用いて30分間分散し、ジルコニアビーズを分離して活物質分散液を得た。続いて、活物質分散液にHS−100を5重量部添加し、ホモジナイザーを用いて10分間分散した後、L#7208を62.5重量部添加し、5分間分散して正極合材スラリーを得た。
(実施例2)正極合材スラリーの製造
実施例1と同様にして、活物質分散液を得た。容器に、N−メチル−2−ピロリドンを20重量部とHS−100を5重量部を採取し、ホモジナイザーで10分間分散して、導電性炭素材料分散液を作製した。そして、ディスパー攪拌下、活物質分散液に導電性炭素材料分散液を添加し、5分間攪拌した後、さらにL#7208を62.5重量部添加し、10分間攪拌して正極合材スラリーを得た。
(実施例3)正極合材スラリーの製造
実施例1と同様にして、活物質分散液を得た。HS−100を5重量部、W#7200を5重量部採取し、FMミキサーを用いて混合し、混合粉末とした。容器に、N−メチル−2−ピロリドンを90重量部採取した後、上記混合粉末をディスパー攪拌下、添加・溶解・混合し、さらにホモジナイザーで5分間分散して導電性炭素材料と結着剤の分散溶液を得た。そして、ディスパー攪拌下、活物質分散液に導電性炭素材料と結着剤の分散溶液を添加し、10分間分散して正極合材スラリーを得た。
(実施例4)正極合材スラリーの製造
実施例1と同様にして、活物質分散液を得た。続いて、HS−100を5重量部、W#7200を5重量部採取し、FMミキサーを用いて混合した、混合粉末とした。そして、ディスパー攪拌下、上記活物質分散液にN−メチル−2−ピロリドンを55重量部添加した後、さらに上記混合粉末を添加し、10分間溶解・混合した。さらに、ホモジナイザーを用いて5分間分散して正極合材スラリーを得た。
(実施例5)正極合材スラリーの製造
容器に、水を97.5重量部、リン酸鉄リチウムを90重量部採取し、ジルコニアビーズφ1.25mmでサンドミルを用いて30分間分散した後、ジルコニアビーズを分離して活物質分散液を得た。続いて、活物質分散液にHS−100を5重量部添加し、ホモジナイザーを用いて5分間分散し、活物質と導電性炭素材料の分散液とした。一方、#1120をディスパーを用いて水に溶かし、CMC3重量%水溶液を作製した。そして、ディスパー攪拌下、活物質と導電性炭素材料の分散液にCMC3重量%水溶液を33.3重量部、30−Jを6.7重量部を添加し、10分間分散して正極合材スラリーを得た。
(実施例6)正極合材スラリーの製造
実施例5と同様にして、活物質分散液を得た。#1120をディスパーを用いて水に溶かし、CMC3重量%水溶液を作製した。そして、HS−100を5重量部、CMC3重量%水溶液を33.3重量部、30−Jを6.7重量部採取し、ホモジナイザーを用いて5分間分散し、導電性炭素材料と結着剤の分散液とした。続いて、ディスパー攪拌下、上記導電性炭素材料と結着剤の分散液を、上記活物質分散液へ添加し、10分間分散した後、正極合材スラリーを得た。
(実施例7)正極合材スラリーの製造
実施例1で使用したサンドミルの時間を30分間から10分に変更した以外は、実施例1と同様な製造方法により、正極合材スラリーを得た。
(実施例8)正極合材スラリーの製造
容器に、N−メチル−2−ピロリドンを97.5重量部とリン酸鉄リチウムを90重量部添加し、ジェットミルを用いて30分間分散し、活物質分散液を得た。続いて、活物質分散液にHS−100を5重量部添加し、ホモジナイザーを用いて10分間分散した後、L#7208を62.5重量部添加し、5分間分散して正極合材スラリーを得た。
(実施例9)正極合材スラリーの製造
容器に、N−メチル−2−ピロリドンを73.4重量部採取し、分散剤Aを0.1重量部添加し、溶解させた。その溶液にリン酸鉄リチウムを90重量部添加し、ジルコニアビーズφ1.25mmでサンドミルを用いて30分間分散し、ジルコニアビーズを分離して活物質分散液を得た。続いて、活物質分散液にHS−100を5重量部添加し、ホモジナイザーを用いて10分間分散した後、L#7208を61.3重量部添加し、5分間分散して正極合材スラリーを得た。
(実施例10)正極合材スラリーの製造
実施例9で使用したリン酸鉄リチウムの替わりに、コバルト酸リチウムを使用した以外は、実施例9と同様な製造方法により、正極合材スラリーを得た。
(実施例11)正極合材スラリーの製造
実施例9で使用したコバルト酸リチウムの替わりに、マンガン酸リチウムを使用した以外は、実施例9と同様な製造方法により、正極合材スラリーを得た。
(実施例12)負極合材スラリーの製造
実施例9で使用したコバルト酸リチウムの替わりに、チタン酸リチウムを使用した以外は、実施例9と同様な製造方法により、負極合材スラリーを得た。
(実施例13)正極合材スラリーの製造
実施例9と同様にして、活物質分散液を得た。EC−300Jを5重量部、W#7200を4.8重量部採取し、FMミキサーを用いて混合し、混合粉末とした。容器に、N−メチル−2−ピロリドンを50重量部採取し、分散剤Aを0.2重量部添加し、溶解させた後、上記混合粉末をディスパー攪拌下、活物質分散液へ添加し、さらにホモジナイザーで10分間攪拌して導電性炭素材料と結着剤の分散溶液を得た。そして、ディスパー攪拌下、活物質分散液に導電性炭素材料と結着剤の分散溶液を添加し、10分間分散して正極合材スラリーを得た。
(実施例14)正極合材スラリーの製造
実施例13で使用したEC−300Jの替わりに、VGCF−Hを使用した以外は、実施例13と同様な製造方法により、正極合材スラリーを得た。
(実施例15)正極合材スラリーの製造
実施例9で使用した分散剤Aの替わりに、分散剤Bを使用した以外は、実施例9と同様な製造方法により、正極合材スラリーを得た。
(実施例16)正極合材スラリーの製造
実施例9で使用した分散剤Aの替わりに、K−15を使用した以外は、実施例9と同様な製造方法により、正極合材スラリーを得た。
(実施例17)正極合材スラリーの製造
#1120をディスパーを用いて水に溶かし、CMC3重量%水溶液を作製した。そして容器に、水を69重量部、CMC3重量%水溶液を15重量部、リン酸鉄リチウムを90重量部採取し、ジルコニアビーズφ1.25mmでサンドミルを用いて30分間分散した後、ジルコニアビーズを分離して活物質分散液を得た。続いて、水を50重量部、CMC3重量%水溶液を18.3重量部、HS−100を5重量部添加し、30−Jを6.7重量部採取し、ホモジナイザーを用いて分散し、導電性炭素材料と結着剤の分散液とした。そして、ディスパー攪拌下、活物質分散液へ導電性炭素材料と結着剤の分散液を添加し、10分間攪拌して正極合材スラリーを得た。
(実施例18)正極合材スラリーの製造
容器に、水を82.1重量部、ジョンクリル62−Jを2.9重量部、リン酸鉄リチウムを90重量部採取し、ジルコニアビーズφ1.25mmでサンドミルを用いて30分間分散した後、ジルコニアビーズを分離して活物質分散液を得た。続いて、活物質分散液にHS−100を5重量部添加し、ホモジナイザーを用いて10分間分散し、活物質および導電性炭素材料分散液とした。一方、#1120をディスパーを用いて水に溶かし、CMC3重量%水溶液を作製した。そして、CMC3重量%水溶液を33.3重量部、30−Jを5重量部採取し、ディスパー攪拌下、活物質および導電性炭素分散液に添加し、10分間分散して正極合材スラリーを得た。
(比較例1)正極合材スラリーの製造
リン酸鉄リチウムを90重量部とHS−100を5重量部、W#7200を5重量部、N−メチル−2−ピロリドンを122重量部採取し、プラネタリーにて90分間分散して正極合材スラリーを得た。
(比較例2)正極合材スラリーの製造
#1120をディスパーを用いて水に溶かし、CMC3重量%水溶液を作製した。容器に、水を97.5重量部、リン酸鉄リチウムを90重量部、HS−100、CMC3重量%水溶液を33.3重量部、30−Jを6.7重量部を採取し、プラネタリーにて90分間分散し、正極合材スラリーを得た。
(比較例3)正極合材スラリーの製造
比較例1で使用したリン酸鉄リチウムの替わりに、コバルト酸リチウムを使用した以外は、比較例1と同様な製造方法により、正極合材スラリーを得た。
(比較例4)正極合材スラリーの製造
比較例1で使用したリン酸鉄リチウムの替わりに、マンガン酸リチウムを使用した以外は、比較例1と同様な製造方法により、正極合材スラリーを得た。
(比較例5)負極合材スラリーの製造
比較例1で使用したリン酸鉄リチウムの替わりに、チタン酸リチウムを使用した以外は、比較例1と同様な製造方法により、正極合材スラリーを得た。
(比較例6)正極合材スラリーの製造
HS−100を5重量部とW#7200を5重量部、N−メチル−2−ピロリドンを122重量部採取し、ホモジナイザーを用いて30分間分散した。続いて、得られた分散液にリン酸鉄リチウムを90重量部添加し、ディスパーにて30分間分散して正極合材スラリーを得た。
(比較例7)正極合材スラリーの製造
HS−100を5重量部とW#7200を5重量部、N−メチル−2−ピロリドンを122重量部採取し、ホモジナイザーを用いて30分間分散した。続いて、得られた分散液にリン酸鉄リチウムを90重量部添加し、ホモジナイザーにて30分間分散して正極合材スラリーを得た。
(比較例8)正極合材スラリーの製造
実施例9と同様にして活物質分散液を得た。続いて、ディスパー攪拌下、活物質分散液にL#7208を60重量部添加し、10分間分散した。さらに、HS−100を5重量部添加した後に、ホモジナイザーを用いて5分間分散し、正極合材スラリーを得た。
(比較例9)正極合材スラリーの製造
容器に、リン酸鉄リチウムを90重量部、W#7208を56.3重量部添加し、ディスパー付プラネタリーミキサーを用いて30分間分散し、活物質分散液を得た。HS−100を5重量部、L#7208を6.3重量部、N−メチル−2−ピロリドンを65重量部採取し、ホモジナイザーで分散して導電性炭素材料と結着剤の分散溶液を得た。続いて、ディスパー攪拌下、活物質分散液に導電性炭素材料と結着剤の分散溶液を添加し、10分間分散して正極合材スラリーを得た。
(比較例10)正極合材スラリーの製造
容器に、N−メチル−2−ピロリドンを38.6重量部、リン酸鉄リチウムを90重量部採取し、ディスパーで10分間分散し、活物質混合液を得た。続いて、容器に、N−メチル−2−ピロリドンを37.4重量部、HS−100を5重量部採取し、ディスパーにて10分間混合し、導電性炭素材料混合液を得た。さらに、ディスパー攪拌下、上記導電性炭素材料混合液に活物質混合液を添加し、続いてL#7208を62.5重量部添加して10分間混合した後、ホモジナイザーで10分間分散し、さらにプラネタリーで30分間分散し、正極合材スラリーを得た。
実施例および比較例で得られた合材スラリーの製造方法について表1に示す。
Figure 2014194927
NMP:N−メチル−2−ピロリドン、AB:アセチレンブラック、KB:ケッチェンブラック、CNT:カーボンナノチューブ、PVDF:フッ化ビニリデン単独重合体
以下、上記で製造した各々の合材スラリー、電極および電池の試験方法と試験結果について説明する。
<活物質分散液及び合材スラリーの粒度評価>
活物質分散液及び合材スラリー粒度は、グラインドゲージによる判定(JIS K5101)より求めた。実施例および比較例で作製した各分散液の粒度を表1に示す。
表1記載のように、実施例1〜18、および比較例8で作製した合材スラリーの粒度はいずれも小さく、良好な分散状態であることを示した。先に活物質と溶媒を分散することで、強固な活物質の二次凝集が解砕され、合材スラリーにした後でも、効果が維持されていると考えられる。さらに、メディア型分散機を用いた実施例1〜6、9〜18、比較例8では、特に効果が高く、均一に分散されていることがわかる。一方、比較例1〜6、9、10で作製した合材スラリーは粒度が大きく、二次凝集粒子が解れていない。比較例9では、活物質の先分散を行っているが、せん断力型による分散であるため、強固な二次凝集を有する活物質では凝集が解れにくいと考察される。
<組成物の安定性>
上記実施例及び比較例で調製した各リチウム二次電池電極形成用組成物を25℃で保管し、固形物の凝集、沈降、及び溶媒との分離といった現象について観察した。判定は、目視によって行い、以下の基準に従い、評価した。通常、C以上の評価であれば、実用上問題のないレベルである。
((評価基準)
A:三週間以上、固形物の凝集、沈降、及び溶媒との分離といった現象が見られなかった。
B:二週間から三週間の間に、固形物の凝集、沈降、及び溶媒との分離といった現象が見られた。
C:一週間から二週間の間に、固形物の凝集、沈降、及び溶媒との分離といった現象が見られた。
D:一週間以内で固形物の凝集、沈降、及び溶媒との分離といった現象が見られた。
実施例および比較例で得られた組成物の安定性について表2に示す。
Figure 2014194927

表2記載のように、実施例で作製した合材スラリーは、比較例に比べ、良好な経時安定性を示した。活物質先分散により、合材スラリーの均一分散に加え、さらに分散安定性も向上していると考えられる。さらに、実施例9〜12、15〜18では、分散剤を使用しており、活物質と導電性炭素材料とが均一に分散された状態を長期間維持できると予想される。
<正極電極の製造>
実施例1〜11、13〜18、および比較例1〜4、6〜10で得た各正極合材スラリーを、集電体となる厚さ20μmのアルミ箔上にダイコーターを用いて塗布し、120℃の乾燥炉で乾燥して塗工物を得た。塗工量は8.0mg/cm2とした。続いてロールプレス機にて圧延処理し、30mm×50mmに裁断して、それぞれ、正極電極を作製した。
<負極合材スラリーの製造>
負極活物質としてメソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、大阪ガスケミカル社製)を90重量部、W#7200を10重量部を採取し、N−メチル−2−ピロリドン100重量部に添加した後、ホモジナイザーにて30分攪拌して負極合材スラリーを得た。
<負極電極の製造>
実施例12、比較例5および上記メソフェーズを使用した負極合材スラリーを、集電体となる厚さ20μmの銅箔上にダイコーターを用いて塗布し、120℃の乾燥炉で乾燥して塗工物を得た。塗工量は5.0mg/cm2とした。続いてロールプレス機にて圧延処理し、35mm×55mmに裁断して負極電極を作製した。
<密着性試験>
上記実施例及び比較例で作製した、合材層の膜厚が90μmの電極に、ナイフを用いて電極表面から集電体に達する深さまでの切込みを2mm間隔で縦横それぞれ6本の碁盤目の切込みを入れた。この切り込みに粘着テープを貼り付けて直ちに引き剥がし、活物質の脱落の程度を目視判定で判定した。評価基準は以下のとおりである。通常、C以上の評価であれば、実用上問題のないレベルである。
(評価基準)
A:剥離なし
B:極一部剥離
C:部分的に剥離
D:半分以上剥離
<電極の柔軟性>
上記実施例及び比較例で作製した各電極サンプルを短冊状にして集電体側を直径3mmの金属棒に接するように巻きつけた。巻きつけ時に起こる電極表面のひび割れの状態について、目視観察によって判定した。ひび割れが起こらないものほど、柔軟性が良いことを意味する。評価基準は以下のとおりである。通常、C以上の評価であれば、実用上問題のないレベルである。
(評価基準)
A:ひび割れなし。
B:極一部ひび割れが見られる。
C:部分的にひび割れが見られる。
D:全体的にひび割れが見られる。
実施例および比較例で作製した電極の密着性および柔軟性試験を表3に示す。
Figure 2014194927
表3記載のように、実施例で作製した電極は、比較例で作製した電極に比べ良好な密着性と柔軟性を示した。活物質を充分に分散した後に、結着剤を添加しているため、凝集した活物質の細孔内に結着成分が偏らず、均一な塗膜分布によるものと考察される。
<電池の製造>
正極電極と負極電極に、それぞれニッケルリード線を装着した。続いて、表4に示す組み合わせで、各正極電極と負極電極とをポリプロピレンの多孔質セパレーター(厚さ20μm、空孔率50%)を介して積層し、袋状のアルミラミネート容器(60mm×80mm、水蒸気透過度0.9g/m2/日)に挿入した。乾燥したAr雰囲気下、この容器内にLiPF6を1mol/Lの割合で含むエチレンカーボネート溶液である非水電解液を注入した後、容器を密閉して、それぞれ、電池を製造した。
<電池評価>
実施例1〜11、13〜18、および比較例1〜4、6〜10の電池に対して、25℃において上限電圧4.3V、充電電流0.2Cで、定電流定電圧充電を行った後、25℃にておいて放電電流0.2C、下限電圧2.0Vで定電流放電を行った際の放電容量を0.2C容量として求めた。続いて、25℃において上限電圧4.3V、充電電流0.2Cで、定電流定電圧充電を行った後、25℃にておいて放電電流5C、下限電圧2.0Vで定電流放電を行った際の放電容量を5C容量として求めた。0.2C容量に対する、5C容量の比を、放電容量維持率とした。電池の評価結果について表4に示す。
実施例12および比較例5の電池に対して、25℃において上限電圧2.7V、充電レート0.2Cで、定電流定電圧充電を行った後、25℃にておいて放電レート0.2C、下限電圧1.8Vで定電流放電を行った際の放電容量を0.2C容量として求めた。続いて、25℃において上限電圧2.7V、充電レート0.2Cで、定電流定電圧充電を行った後、25℃にておいて放電レート5C、下限電圧1.8Vで定電流放電を行った際の放電容量を5C容量として求めた。0.2C容量に対する、5C容量の比を、放電容量維持率とした。電池の評価結果について表4に示す。
Figure 2014194927
表4記載のように、実施例で作製した電池は、比較例に比べ良好な放電維持率を示した。表1で示されるように、比較例1〜5、9、10では正極合材スラリーの粒度が大きい。活物質の二次凝集が解れず、電解液に接触する面積が少なくなるため、イオン抵抗が増大したことが要因として考察される。また、比較例7では、ホモジナイザーで長時間分散しており、合材スラリーにかかる機械的ストレスが大きい。よって、活物質は解れてはいるが、導電性炭素材料のストラクチャも同時に切断され、電子抵抗が高くなったと考察される。さらに、比較例8、9では、結着剤を活物質の分散時、または活物質分散直後に添加し、その後、導電性炭素材料を添加している。よって、活物質へ吸着する結着成分が多くなり、活物質のイオン抵抗が上昇したと推察される。

Claims (12)

  1. 活物質を溶媒に分散する第一の工程と、導電性炭素材料を添加し、混合し、混練または分散する第二の工程とを含む二次電池電極用合材スラリーの製造方法であって、結着剤を、前記第二の工程にて導電性炭素材料と同時に添加する、または、第二の工程に次いで、添加し、混合溶解し、混練もしくは分散する第三の工程を含むことを特徴とする二次電池電極用合材スラリーの製造方法。
  2. 導電性炭素材料を予め溶媒中に分散させた導電性炭素材料分散液を使用することを特徴とする請求項1記載の二次電池電極用合材スラリーの製造方法。
  3. 結着剤を予め溶媒中に溶解または分散させた結着剤溶液または分散液を使用することを特徴とする請求項1または2記載の二次電池電極用合材スラリーの製造方法。
  4. 導電性炭素材料及び結着剤を予め混合した混合粉を使用することを特徴とする請求項1記載の二次電池電極用合材スラリーの製造方法。
  5. 第一の工程において、活物質の分散粒径が10μm以下であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の二次電池電極用合材スラリーの製造方法。
  6. 第一の工程において、さらにメディア型分散機を使用して分散することを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の二次電池電極用合材スラリーの製造方法。
  7. 第一の工程において、さらに分散剤と共に分散する、請求項1〜6いずれか記載の二次電池電極用合材スラリーの製造方法。
  8. 活物質が正極活物質であって、BET比表面積2〜40m2/g、一次粒子径30〜500nmであり、導電性炭素で被覆された、下記一般式(1)で示されるオリビン型リチウムリン酸金属粒子であることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の二次電池電極用合材スラリーの製造方法。
    一般式(1): LiFe1-xxPO4 (0≦x≦1)
    (式中、MはMn、Co、Ni及びVからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を示す。)
  9. 活物質が負極活物質であって、BET比表面積2〜40m2/g、一次粒子径30nm〜1μmであるスピネル型チタン酸リチウム粒子であることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の二次電池電極用合材スラリーの製造方法。
  10. 請求項1〜9いずれか記載の製造方法によって製造された二次電池電極用合材スラリー。
  11. 請求項10記載の合材スラリーを基材に塗布してなる二次電池用電極。
  12. 請求項11記載の電極を具備してなる二次電池。
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