JP2014192341A - 太陽電池モジュール用裏面保護シート - Google Patents

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Abstract

【課題】長期耐久性の良好な太陽電池モジュール用裏面保護シートを提供する。
【解決手段】少なくともポリエステルフィルムと紫外線保護層とからなる太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、該紫外線保護層が主剤と硬化剤を有し、主剤は酸化チタン20〜40重量%、アクリル系樹脂15〜35重量%およびフッ素系樹脂0.1〜5重量%を含有しており、硬化剤はポリイソシアネートを主成分としており、紫外線保護層の密着性がクラス0であり、5%のNaOH水溶液に48時間浸漬した後の色差ΔEが3.0以下であり、5%のNaOH水溶液に48時間浸漬した後の紫外線保護層の密着性がクラス0ないし1である太陽電池モジュール用裏面保護シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池モジュール用裏面保護シートに関する。
太陽光発電は、無尽蔵で無公害の新たなエネルギー源として実用化されつつあり、このための太陽電池モジュールとしては表面保護シート、接着性樹脂層、太陽電池、接着性樹脂層、裏面保護シートを積層し、一体化したものが広く知られている。
裏面保護シートは、直接太陽光にさらされることは無いものの、設置方法によっては回り込みや照り返しによる太陽光が当たるため、裏面保護シートに耐光性を付与することは重要である。
従来から用いられている裏面保護シートとしては、白色のポリフッ化ビニルフィルム(デュポン(株)“テドラー”(登録商標))が例示でき、該フィルムでポリエステルフィルムを挟んだ積層構成の裏面保護シートは当概用途で幅広く用いられている。ポリフッ化ビニルフィルムは耐光性に優れるが、高価であり太陽電池モジュールの低価格化の点では障害となる。またフッ素を含有しているため廃棄コストが高い問題を有する。
近年、ポリエステル等の基材フィルムに紫外線保護層を積層した裏面保護シートが提案されている。紫外線保護層で背面からの光の侵入を遮断する構成であり、基材に汎用性がありコストも安くできることから生産数量が増えている(特許文献1)。
ところで紫外線保護層を設ける構成の場合、紫外線保護層そのものの耐久性、および基材フィルムの長期耐久性が重要となる。最近は設置後20年〜30年の長期に渡る品質保証を求められており、長期耐久性の要求は年々高まっている。
国際公開第2010/067780号
本発明が解決しようとする課題は、長期耐久性の良好な太陽電池モジュール用裏面保護シートを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明に係る太陽電池モジュール用裏面保護シートは、少なくともポリエステルフィルムと紫外線保護層とからなる太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、該紫外線保護層が主剤と硬化剤を有し、主剤は酸化チタン20〜40重量%、アクリル系樹脂15〜35重量%およびフッ素系樹脂0.1〜5重量%を含有しており、硬化剤はポリイソシアネートを主成分としており、紫外線保護層の密着性がクラス0であり、5%のNaOH水溶液に48時間浸漬した後の色差ΔEが3.0以下であり、5%のNaOH水溶液に48時間浸漬した後の紫外線保護層の密着性がクラス0ないし1であることを特徴とするものからなる。
本発明によれば、長期耐久性に優れ、長時間の使用に耐える太陽電池モジュール用裏面保護シートを提供することができる。
本発明の一実施態様に係る太陽電池モジュール用裏面保護シートは、少なくともポリエステルフィルムと紫外線保護層とからなる太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、該紫外線保護層が主剤と硬化剤を有し、主剤は、酸化チタン20〜40重量%、アクリル系樹脂15〜35重量%、フッ素系樹脂0.1〜5重量%を有し、硬化剤はポリイソシアネートを主成分とし、紫外線保護層の密着性がクラス0であり、NaOH(5%水溶液)に48時間浸漬後の色差ΔEが3.0以下、NaOH(5%水溶液)に48時間浸漬後の紫外線保護層の密着性がクラス0ないし1である。以下、各構成について説明する。
[ポリエステルフィルム]
本実施態様におけるポリエステルとは、多価カルボン酸とポリアルコールの縮重合体の総称であって、一般的にはジカルボン酸とジオールの縮重合により得られた、主鎖中にエステル結合を有する樹脂であって、例えば、テレフタル酸とジエンチレグリコールからなるポリエチレンテレフタレート(PET)や2,6−ナフタレンジカルボン酸とジエチレングリコールからなるポリエチレンナフタレート(PEN)などが代表的なものとして挙げられる。また、ポリエステル樹脂は共重合体であっても良く、共重合成分としては、例えば、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等のジオール成分、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびそのエステル形成性誘導体のジカルボン酸成分などを使用することができる。
本実施態様の太陽電池モジュール用裏面保護シートのポリエステルフィルムは外気に直接さらされる最外層に用いる観点から、耐加水分解性に優れるポリエステルフィルムであることが好ましい。ところでポリエステル樹脂フィルムにはオリゴマーと呼ばれる低重合量の重合体が1.5〜2重量%含まれている。ポリエステル樹脂のオリゴマーの代表的なものは環状三量体であり、その含有量が多いフィルムは屋外などの長期暴露において機械的強度の低下や、雨水等による加水分解の進行に伴う亀裂、材破などを生じる。これに対して固相重合法で重合して得られる環状三量体の含有量が1.0重量%以下のポリエステル樹脂を原料としてポリエステル樹脂フィルムを製膜することで、高温高湿度下での加水分解を抑制することが可能であり、さらに耐熱性及び耐候性にも優れたフィルムが得られる。環状三量体の含有量は、例えばポリマー100mgをオルトクロロフェノール2mlに溶解させた溶液を用いて、液体クロマトグラフィーにて測定することで樹脂重量に対する含有量(重量%)を測定する方法で求められる。
また、樹脂フィルムには、必要に応じて、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、充填剤、着色顔料等の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲内で添加した樹脂フィルム等も用いることができる。
樹脂フィルムの厚さは、特に制限されるものではないが、裏面保護シートの耐電圧特性、コスト等を勘案すると、25〜300μmの範囲が好ましい。
[紫外線保護層]
本実施態様の太陽電池モジュール用裏面保護シートにおける紫外線保護層は、本来の機能を果たすための紫外線吸収性に加え、耐候性、耐熱性、耐UV性、基材ポリエステルフィルムとの接着性等を考慮して選定される。
紫外線保護層とは、裏面保護シートの最外層に配設される層であって、太陽電池モジュールの裏面側に積層される裏面保護シートを、モジュール裏面側からの紫外線の照射から保護するための機能を有し、ポリエステルフィルム上に塗布されて裏面保護シートに導入されるものである。
紫外線保護層は上記機能達成のための構成に加え、意匠性を付与するためにその目的に応じた着色化剤が添加されることがある。
紫外線保護層には、主剤として、紫外線を吸収または反射する着色剤と、それを固定するためのバインダー樹脂が含まれる。バインダー樹脂は、架橋構造をとるものであることが長期耐候性の点から好ましく、比較的安価なアクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂等が好ましく用いられる。ポリマー構造中に架橋の基点となる水酸基を有するポリオール系バインダー樹脂とポリイソシアネート架橋剤からなる組成物を塗布過程で反応させて架橋構造を形成することが好ましい。また、上記の樹脂に加えてフッ素樹脂を添加することで、表面強度、耐久性を高めることができる。
アクリル系樹脂としては、アクリル樹脂、アクリルポリオール共重合体、アクリル/ウレタン共重合体などが用いられる。例えば「アクリナール」(東栄化成(株)製)、「アクリット」(大成ファインケミカル(株)製)、「ヒタロイド」(日立化成工業(株)製)、「アクリディック」(DIC(株)製)、「ユーダブル」((株)日本触媒製)、「ダイヤナール」(三菱レイヨン(株))などが挙げられる。ポリウレタン系樹脂としては、例えば、「サンプレン」(三洋化成工業(株)製)、「タケラック」(三井化学(株)製)、「TA」(日立化成ポリマー(株)製)、「セイカボンド」(大日精化工業(株)製)などが挙げられる。これらの樹脂は、同一樹脂系においては、2種類以上の樹脂の混合で使用するのが望ましい。
フッ素系ワックスとしては、商品名としては、例えば「CERAFLOUR」(ビックケミー・ジャパン(株)製)、「SST」(シャムロック(株)製)などが挙げられる。
本実施態様において用いる着色剤は、樹脂層を着色し、色調を長期に維持する働きを有する。太陽電池モジュール用裏面保護シートは、光反射性及び意匠性の観点から白色のものが主流である。これらの顔料は特定の波長の光線を吸収し、または反射することから、これらの顔料を用いて樹脂層を着色することにより光線から紫外線保護層のバインダー樹脂を保護するという効果が得られる。
本実施態様に用いる着色剤としては、無機顔料、有機顔料等の各種着色顔料を使用できるが、長期にわたり屋外で使用される用途であることから、光安定性の高い無機顔料が好ましく用いられる。無機顔料では、入手容易性、価格から、酸化チタンが好ましく用いられる。酸化チタンの数平均粒子径は、特に発色の観点から0.1〜1.0μmが好ましく、バインダー樹脂に対する分散性やコストの観点から0.2〜0.5μmがより好ましい。
バインダー樹脂と着色剤との配合比は、酸化チタン20〜40重量%、アクリル系樹脂15〜35重量%、フッ素系樹脂0.1〜5重量%である
酸化チタンが20重量%未満だと適切な紫外線遮断性能が得られず、また40%より多いと紫外線保護層が脆くなり適切な強度が得にくい。アクリル系樹脂が15%未満だと着色剤の分散不良が発生し紫外線遮断性が低下する傾向がある。また35%より多いと紫外線保護層が固くなり、基材との密着性が低下する傾向がある。フッ素樹脂0.1%未満だと添加による強度向上等の効果が得られず、また5%を超えると紫外線保護層が固くなり、基材との密着性が低下する傾向がある。
本実施態様における紫外線保護層には、その特性を損なわない限りにおいて、可塑剤、熱安定剤、酸化防止剤、強化剤、劣化防止剤、耐候剤、難燃剤、離型剤などを添加してもよい。
本実施態様の紫外線保護層には、樹脂層の特性向上の目的でアクリル系樹脂中の水酸基と反応し得る官能基を有する硬化剤が配合される。硬化剤を配合することで、ポリエステルフィルムと紫外線保護層との間の密着力の向上、あるいは架橋構造の導入に伴う紫外線保護層の耐久性向上といった効果が得られる。特に、本実施態様における紫外線保護層が最外層に位置するように太陽電池モジュール用裏面保護シートの設計を行った場合には、太陽電池モジュールの製造工程、具体的にはガラスラミネート工程(セル充填工程)において、樹脂層が最大150℃程度の高温下で、長い場合には30分以上の熱処理に曝されるため、特に耐熱性が要求される。本実施態様においてバインダー樹脂の水酸基と反応し得る架橋剤の使用が好ましく、中でもポリイソシアネート系の硬化剤を使用し、ウレタン結合(架橋構造)の生成を促す処方が好ましい。架橋剤として用いるポリイソシアネート系架橋剤としては、芳香族系ポリイソシアネート、芳香脂肪族系ポリイソシアネート、脂環族系ポリイソシアネートおよび脂肪族系ポリイソシアネート等が例示できる。これらの架橋剤は、各々以下に示すジイソシアネート化合物を原料とするものである。
芳香族系ポリイソシアネートの原料となるジイソシアネートとしては、例えば、m−またはp−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、4,4′−、2,4′−又は2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、および4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート等が例示される。
芳香脂肪族系ポリイソシアネートの原料となるジイソシアネートとしては、例えば、1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネート(XDI)や、1,3−または1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が例示される。
脂環族系ポリイソシアネートの原料となるジイソシアネートとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート;IPDI)、4,4′−、2,4′−または2,2′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、および1,3−または1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(水添XDI)等が例示される。
脂肪族系ポリイソシアネートの原料となるジイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−、2,3−または1,3−ブチレンジイソシアネート、および2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が例示される。
ポリイソシアネートの原料としては、これらのジイソシアネートを複数種組み合わせて用いることや、ビュウレット変性体(脂肪族系)、ヌレート変性体(脂環族系)などの変性体として用いることが可能である。中でもポリイソシアネートの原料としては、樹脂骨格中に紫外線域の光の吸収帯を有する芳香環を含有する樹脂は、紫外線照射に伴い黄変し易いことから、脂環族ポリイソシアネートまたは脂肪族ポリイソシアネートを主成分とする硬化剤を用いることが好ましい。さらに、太陽電池モジュールの仕上げ工程で、太陽電池モジュール用裏面保護シートの最外層に付着した樹脂や汚れを拭き取るためにエタノールを用いることが多く、最外層に耐エタノール性が求められるが、脂環族ポリイソシアネートを主成分とする硬化剤を用いることで、脂肪族ポリイソシアネートより樹脂層の硬化が進み、耐エタノール性が向上するため、脂環族ポリイソシアネートを使用することが好ましい。また、ポリオール系バインダー樹脂との架橋反応の易進行性、架橋度、耐熱性、耐紫外線性などの観点からヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート変性体を使用することが好ましい。
本実施態様における紫外線保護層を塗布法により形成するための塗液の溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノールおよび水等を例示することができる。塗液の性状としてはエマルジョン型および溶解型のいずれでも良い。
紫外線保護層を基材フィルム上に形成する方法は特に制限されず、公知のコーティング手法を用いることができる。コーティング手法としては、種々の方法を適用することができ、例えば、ロールコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、ダイコーティング法およびグラビアロールコーティング法等や、これらを組み合わせた方法を利用することができる。
本実施態様における紫外線保護層の厚さは0.5〜10μmが好ましく、さらに好ましくは1〜8μm、特に好ましくは1〜6μmである。この紫外線保護層を塗布方法により形成する場合、厚さが0.5μm未満であると、塗工時にはじきや膜切れといった現象を生じ易く、均一な塗膜を形成し難いために、基材ポリエステルフィルムに対する密着力、紫外線カット性、耐剥がれ性、耐傷性が十分に発現しない場合がある。一方、紫外線保護層の厚さが10μmを越えると、紫外線カット性能は十分発現するが、塗工方式に制約を生じたり(厚膜塗布が可能な特異プロセス、装置制約)、生産コストが高くなったり、搬送ロールへの塗膜粘着やそれに伴う塗膜の剥がれ等を生じ易くなるなどの点が懸念される。
[裏面保護シート]
本実施態様において、必要に応じ、フィルムの紫外線保護層と反対面に、白色フィルム、金属酸化物蒸着層を有するフィルム、太陽電池素子の封止材であるエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)との熱接着性を有するフィルムのうち、基材フィルムとは異なるフィルムを1つ以上積層することにより、各種要求特性を満たす太陽電池裏面保護シートを得ることができる。
白色フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルムである東レ製“ルミラー”E20F、ポリフッ化ビニルフィルムであるデュポン社製“テドラー”PV2001、ポリフッ化ビニリデンフィルムであるアルケマ社製“カイナー”302−PGM−TRなどが例示できる。無機酸化物蒸着層を有するフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム基材上に酸化アルミニウムからなる金属酸化物蒸着層が形成されてなる東レフィルム加工(株)製“バリアロックス”1011HGが例示できる。EVAとの熱接着性を有するフィルムとしては、ポリオレフィンフィルムである東レフィルム加工(株)製ZK93K、4801、4806、B011Wなどが例示できる。白色フィルムを積層した場合には光反射性が付与され、金属酸化物蒸着層を有するフィルムを積層した場合には水蒸気遮断性が付与され、またオレフィンフィルム層をEVAに対向する側に積層した場合は、EVAとの熱接着性に優れたものとなる。また、本実施態様の太陽電池モジュール用裏面保護シートに積層するフィルムは必ずしも1枚である必要はなく、付与したい特性に応じて、適宜各部材フィルムを組み合わせ、太陽電池モジュール用裏面保護シートを設計すれば良い。
また、太陽電池モジュール用裏面保護シートの構成中、紫外線保護層上を除く箇所であれば、いずれかの層に機能性付与を目的とする蒸着層、スパッタ層、ウェットコーティング層などが形成されていても良い。
フィルムを積層し、シート状に加工する手法としては、公知のドライラミネート法が利用できる。ドライラミネート法を用いた樹脂フィルムの貼り合わせには、ポリエーテルポリウレンタン系樹脂、ポリエステルポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエポキシ系樹脂などの主剤とポリイソシアネート系の硬化剤とを含有成分とする公知のドライラミネート用接着剤を用いることができる。ただし、これらの接着剤を用いて形成される接着剤層には、接着強度が長期間の屋外使用で劣化することに起因する剥離を生じないこと、外観の悪化や光線反射率の低下につながる黄変を生じないことなどが必要である。また、接着剤層の厚さとしては、好ましくは1〜5μmの範囲である。1μm未満であると十分な接着強度が得られ難い場合がある。一方、5μmを越えると接着剤塗工のスピードが上がらず、さらには接着剤使用量が増加し生産コストの上昇につながる。
接着剤層の材料としては、公知のドライラミネート用接着剤を使用することができる。一般にドライラミネート用接着剤は主剤および架橋剤の2つの成分を希釈溶媒で希釈して調合したものが用いられるが、架橋剤としては活性水酸基との反応性に富み、その反応速度及び初期密着力の発現が早いイソシアネート基含有オリゴマーを用いる処方が好ましい。これらの利点に加えて、基材フィルムとの接着強度が高く、さらにその接着強度の恒温安定性、長期耐久性にも優れる接着性樹脂層を形成することができる。このイソシアネート基含有オリゴマーと組み合せて用いられる主剤樹脂としては、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリオール系などのウレタン系樹脂やエポキシ系樹脂を例示することができ、詳細な要求特性、加工条件適性に応じて、適宜選択して用いることができる。また、太陽電池モジュール用裏面保護シートの構成によっては、上記の接着剤層にもUV光が到達し、樹脂の光劣化を誘引することも考えられる。そのような観点から、接着剤層の形成に用いる樹脂としては芳香環を含有しない、あるいは含有量の少ない脂肪族系樹脂あるいは脂環族系樹脂が好ましい。
[密着性]
紫外線保護層の基材密着性については、ISO2409に則り、紫外線保護層を格子上にカットし、テープを貼り付け60°の角度で引きはがし、剥がれの状態を確認する。ISO2409では引きはがし時間を0.5から1秒で規定しているが、太陽電池用紫外線保護層の強度試験として、引きはがし時間を0.1から0.2秒に設定した。
本実施態様の紫外線保護層は、基材密着性がクラス0であることが必要である。クラスは下記の通り分類される。クラス1以上になると、製造、使用時の密着性を保証できない。
クラス0:カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にも剥がれはない。
クラス1:カットの交差点における塗膜の小さな剥がれ(剥がれの程度:5%以下)。
クラス2:塗膜がカットの縁に沿って、及び/又は交差点において剥がれている(剥がれの程度:5%〜15%)。
クラス3:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大剥がれを生じており、あるいは目のいろいろな部分が、部分的又は全面的に剥がれている(剥がれの程度:15%〜35%)。
クラス4:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大剥がれを生じており、あるいは数ヶ所の目が部分的は全面的に剥がれている(剥がれの程度:35%〜65%)。
クラス5:クラス0〜4のいずれにも分類できない大剥がれが生じている。
[耐NaOH性]
紫外線保護層の耐NaOH性については、23℃の5wt%のNaOH水溶液に紫外線保護層を48時間浸漬し、水洗、取り出し後の紫外線保護層の色差ΔEが3以下であることが必要である。屋外使用においてはその使用環境がアルカリ性になる箇所(農地等)が存在するため、耐NaOH性は重要である。色差ΔEが3以上であると、実使用においても長期使用による色変化が大きくなり、外観不良、発電効率の低下などが発生し得る。また、水洗、取り出し後の紫外線保護層の密着性を前述の方法で測定し、クラス0ないし1であることが必要である。クラス2以上になると、実使用において長期使用時に密着力が低下し外観不良、基材の劣化等が起こり得る。
次に、実施例を挙げて、具体的に本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートについて説明する。
<特性の評価方法>
本実施態様で用いた特性の評価方法は、下記のとおりである。
(1)紫外線保護層の密着性
ISO2409に則り、紫外線保護層を格子上にカットし、テープを貼り付け60°の角度で引きはがし、剥がれの状態を確認する。ISO2409では引きはがし時間を0.5から1秒で規定しているが、太陽電池用紫外線保護層の強度試験として、引きはがし時間を0.1から0.2秒に設定した。結果を前述のクラス0からクラス5に分類した。
(2)耐NaOH性
和光純薬(株)製の水酸化ナトリウム(純度99%)50gをガラス容器中で純水に溶かして1000gとし、5wt%の水酸化ナトリウム水溶液を調製した。溶解に伴い発熱するため、23℃の環境で3時間放置して室温にした。基材に紫外線保護層を設けた試料を20cm角にカットし、調製した水酸化ナトリウム水溶液に全体が浸かるように入れ、暗所に放置し48時間経過させた。試料を純水で洗浄、乾燥させた。
処理したサンプルについて、(2)の密着性試験を同様に実施した。
また、処理前後のサンプルについて、X−RITE社製スペクトロフォトメーター SP68を用いて色差を測定し、ΔEを算出した。
(3)耐久性試験
エスペック社製プレッシャークッカーTPS−211を用い、120℃、100%RHの環境下で48時間の熱処理を基材に紫外線保護層を設けた試料に施した。その後、(2)の密着性試験および下記のジャンクションボックス樹脂との接着性評価を実施した。
(4)ジャンクションボックス接着用シリコーン樹脂との接着性の評価
紫外線保護層とジャンクションボックスを接着させるために使用される専用のシリコーン樹脂との密着力を以下の方法で評価した。太陽電池モジュール用裏面保護シートの紫外線保護層上に米ダウコーニング社製“Solar PV”804を、スペーサーを用いて厚さが0.2mmになるように塗布し、もう1枚の太陽電池モジュール用裏面保護シートを、紫外線保護層同士が向かい合うように重ね、ゴムローラーで空気を抜くように押しつけて接着した。この接着サンプルを室温下、1週間放置し、乾燥させて作製したサンプルを試験片とした。この試験片から幅15mmの短冊状に測定用試験片を3本切り出し、JIS K6854に基づき、サンプルを上下それぞれ剥離角度90°で引きはがす、いわゆるT型ピールで接着強度測定を行った。測定は3本の短冊状試験片それぞれについて1回行い、得られた強度の平均値をシリコーン樹脂接着強度の値とした。接着強度、8N/15mm以上のものを良好(○)、6〜8N/15mmのものを使用可能(△)、8N/15mm未満のものを使用不可(×)と判定した。
(実施例1)
(紫外線保護層形成用塗料の調製)
表1に則った配合で、ペイントシェーカー(直径2mmのガラスビーズ使用)を用いて分散させ、酸化チタン分散液を調製した。
Figure 2014192341
上記分散液を用いて、表2の通り、実施例1、2、比較例1、2の紫外線保護層用塗料を調製した。
Figure 2014192341
(裏面保護シートの作製)
上記塗料を、コロナ処理をした東レ(株)製ポリエチレンテレフタレートフィルム“ルミラー”X10S(厚み125ミクロン)上に、バーコーター#12にて乾燥後厚みが3〜5ミクロンになるように塗布し、120℃で10秒乾燥した。50℃で72時間のエージングを実施して実施例1の紫外線保護層付きの基材を作製した。実施例1の紫外線保護層の密着性はクラス0であり、NaOH処理後のΔEは2.0、密着性はクラス0である。耐久性評価の結果、密着性、ジャンクションボックス樹脂との接着性は良好であった。試験結果を表3に示す。
Figure 2014192341
(実施例2)
アクリル系樹脂を東栄化成(株)製 ”アクリナール”TZ#7501に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の裏面保護シートを製造した。実施例2の紫外線保護層の密着性はクラス2であり、NaOH処理後のΔEは1.8、密着性はクラス4である。耐久性評価の結果、密着性、ジャンクションボックス樹脂との接着性は良好であった。
(比較例1)
アクリル系樹脂の配合量を5重量部にしたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の裏面保護シートを製造した。比較例1の紫外線保護層の密着性はクラス0であり、NaOH処理後のΔEは2.0、密着性はクラス0である。耐久性評価の結果、密着性、ジャンクションボックス樹脂との接着性ともに不良であった。
(比較例2)
フッ素樹脂を添加しないこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の裏面保護シートを製造した。比較例2の紫外線保護層の密着性はクラス3であり、NaOH処理後のΔEは4.5、密着性はクラス5である。耐久性評価の結果、密着性、ジャンクションボックス樹脂との接着性ともに不良であった。
上記の各実施例と比較例の結果から明らかなように、本発明の手法によれば、長期耐久性に優れ、最外層で用いる場合に必要な端子ボックス接着用シリコーン樹脂との密着力にも優れた紫外線保護層を有する太陽電池裏面封止材用フィルムが得られる。
本発明の太陽電池裏面封止用シートは、長期耐久性に優れ、最外層で用いる場合に必要な端子ボックス接着用シリコーン樹脂との密着力にも優れ、太陽電池モジュールにおいて好適に用いられる。

Claims (1)

  1. 少なくともポリエステルフィルムと紫外線保護層とからなる太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、該紫外線保護層が主剤と硬化剤を有し、主剤は酸化チタン20〜40重量%、アクリル系樹脂15〜35重量%およびフッ素系樹脂0.1〜5重量%を含有しており、硬化剤はポリイソシアネートを主成分としており、紫外線保護層の密着性がクラス0であり、5%のNaOH水溶液に48時間浸漬した後の色差ΔEが3.0以下であり、5%のNaOH水溶液に48時間浸漬した後の紫外線保護層の密着性がクラス0ないし1であることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シート。
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