JP2014190878A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】熱伝導式ガスセンサにおける発熱抵抗体から被検出ガスへの熱伝達率を高め、被検出ガスの検出精度を向上させたガスセンサを提供する。
【解決手段】基板13上に設けられてダイヤフラムを形成する薄膜部Dと、薄膜部に設けられ、自身の温度変化により抵抗値が変化するヒータ15と、を備えた熱伝導式のガスセンサ1であって、ダイヤフラムのうち、ヒータのヒータパターン15a、15bが向かい合う部位の少なくとも一部にガスが流通する貫通孔19が形成され、貫通孔を形成するダイヤフラムの内側面19eは、テーパ状をなしている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、被検出雰囲気中に存在する可燃性ガス等のガス濃度を検出するガスセンサに関する。
近年、環境・自然保護などの社会的要求から、高効率で、クリーンなエネルギー源として燃料電池の研究が活発に行われている。その中で、低温作動、高出力密度等の利点により、家庭用、車載用などのエネルギー源として固体高分子型燃料電池(PEFC)や水素内燃機関が期待されている。これらのシステムでは、例えば、可燃性ガスである水素を燃料としているため、ガス漏れの検知が重要な課題の一つとして挙げられている。
この種の被検出雰囲気中に存在する可燃性ガスのガス濃度を検出するガスセンサとして、被検出雰囲気内にガス検出素子を配置し、このガス検出素子に、自身の温度変化(発熱)により抵抗値が変化する発熱抵抗体を備えた熱伝導式ガスセンサが知られている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、このガスセンサでは、発熱抵抗体に通電されて発熱抵抗体が発熱した際に可燃性ガスへの熱伝導が生じる。そのため、ガス検出素子の温度を一定の温度に制御する場合、熱伝導によって発熱抵抗体の温度が変化するとともに抵抗値が変化するため、その変化量に基づき、被検出ガスを検出することができる。
そして、上記ガス検出素子はMEMSの技術を用いて作製されており、基板上にダイヤフラムを形成する絶縁層を設け、この絶縁層に発熱抵抗体を配置させる構成を採っている。これにより、発熱抵抗体から基板への熱逃げがダイヤフラム部分で少なくなるので、発熱抵抗体の熱が被検出ガスへ伝わり易くなる。
又、ガス検出素子の表面側から基板内部へスリットを介してエッチング液を流してエッチングを進行させ、発熱抵抗体の下方に空洞を設けてダイヤフラムを形成したマイクロヒータが開発されている(例えば、特許文献2参照)。このマイクロヒータでは、スリット(貫通孔)がダイヤフラムを貫通して空洞へ向かって形成されるので、スリットに隣接する発熱部では被検出ガスとの接触面積が増え、被検出ガスへ熱が伝わり易くなる。
特開2005−300452号公報 特開2008−70153号公報
ところで、特許文献2記載の技術は、RIE(リアクティブイオンエッチング)を用いてスリットを形成しており、スリットの側壁を表面に対して垂直に加工している。しかしながら、被検出ガスの検出精度をさらに向上させるためには、スリット形状を改良して発熱抵抗体から可燃性ガスへの熱伝達率を積極的に高める必要がある。
すなわち、本発明は、熱伝導式ガスセンサにおける発熱抵抗体から被検出ガスへの熱伝達率を高め、被検出ガスの検出精度を向上させたガスセンサの提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のガスセンサは、基板上に設けられてダイヤフラムを形成する薄膜部と、前記薄膜部に設けられ、自身の温度変化により抵抗値が変化するヒータと、を備えた熱伝導式のガスセンサであって、前記ダイヤフラムのうち、前記ヒータのヒータパターンが向かい合う部位の少なくとも一部にガスが流通する貫通孔が形成され、前記貫通孔を形成する前記ダイヤフラムの内側面は、テーパ状をなしている。
このガスセンサによれば、貫通孔の内側面がテーパ状であるため、内側面が垂直な場合に比べ、内側面を介した内部のヒータと被検出ガスとの接触面積が増え、貫通孔に隣接する発熱抵抗体では熱がさらに被検出ガスへ伝わり易くなる。このため、発熱抵抗体から被検出ガスへの熱伝達率が高くなり、被検出ガスの検出精度を向上させることができる。
前記貫通孔は、表面側の開口のほうが反対側の開口よりも広くてもよい。
このガスセンサによれば、貫通孔をレジスト法によって容易に形成することができる。
向かい合う前記ヒータパターンがそれぞれ向かい合う変曲点を持ち、各変曲点を結ぶ線を挟んだ位置にそれぞれ前記貫通孔が形成されていてもよい。
変曲点付近ではヒータパターンが入り組んでおり、ヒータによる発熱量も高いため、線を挟んで複数の貫通孔が形成されていると、ヒータの熱がさらに被検出ガスへ伝わり易くなる。
前記基板は底面を有する凹部を備え、前記ダイヤフラムは前記凹部の表面に形成されていてもよい。
このガスセンサによれば、凹部は底面を有しているため、底面部分が補強部となって基板の強度低下を抑制できるので、ガス検出素子の寸法が小さい(基板の厚みが薄い)場合であっても強度が確保される。
前記ガスセンサは水素ガスを検出対象とすると、実用的であるので好ましい。
この発明によれば、熱伝導式ガスセンサにおける発熱抵抗体から被検出ガスへの熱伝達率を高め、被検出ガスの検出精度を向上させることができる。
ガスセンサの全体構成図である。 ガスセンサの主要部となるガス検出素子の構成を示す平面図である。 図2におけるA−A線及びB−B線に沿ったガス検出素子の断面図である。 ガス検出素子の製造工程を表す図である。 図4に続く図である。
以下に、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明が適用されたガスセンサ1の全体構成図である。
[全体構成]
ガスセンサ1は、熱伝導式のガス検出素子11を用いて、可燃性ガスの濃度を検出するものであり、例えば、燃料電池自動車の客室内に設置され、水素の漏れを検出する目的等に用いられる。
図1に示すように、ガスセンサ1は、ガス検出素子11(図2、図3参照)と、ガス検出素子11を駆動制御する制御回路90とを備えている。又、制御回路90は、ガス検出回路91、及び温度測定回路93を備えている。なお、制御回路90(但し、後述する発熱抵抗体15および測温抵抗体80を除く),マイコン94は単一の回路基板上に構成され、この回路基板とは別体にガス検出素子11は構成されている。
ガス検出回路91は、ガス検出素子11に備えられた発熱抵抗体15と、固定抵抗95,96,97とによって構成されるホイートストーンブリッジ911、及び、ホイートストーンブリッジ911から得られる電位差を増幅するオペアンプ912を備えている。
発熱抵抗体15として、自身の温度の上昇に伴い抵抗値が上昇する抵抗体を用いた場合、このオペアンプ912は、発熱抵抗体15の温度が所定の温度に保たれるように、発熱抵抗体15の温度が上昇した場合には出力する電圧を低くし、発熱抵抗体15の温度が下降した場合には出力する電圧を高くするように作動する。
そして、このオペアンプ912の出力は、ホイートストーンブリッジ911に接続されているので、発熱抵抗体15の温度が所定の温度より上昇すると、発熱抵抗体15の温度を下げるためにオペアンプ912から出力される電圧は低くなり、ホイートストーンブリッジ911に印加される電圧が低下する。このときの、ホイートストーンブリッジ911の端部を構成する電極21の電圧はガス検出回路91の出力としてマイコン94により検出され、マイコン94により検出された出力値は、被検出ガスに含まれ可燃性ガスを検出するための演算処理に供される。
温度測定回路93は、ガス検出素子11に備えられた測温抵抗体80(後述する)と、固定抵抗101,102,103によって構成されるホイートストーンブリッジ931と、ホイートストーンブリッジ931から得られる電位差を増幅するオペアンプ933とを備えている。このオペアンプ933の出力はマイコン94により検出され、マイコン94により検出された出力値は、被検出ガスの温度を測定するのに用いられ、さらに、被検出ガスに含まれ可燃性ガスを検出するための演算処理に供される。
以上のような構成を有する制御回路90の出力値に基づき、マイコン94により実行される可燃性ガスの濃度を演算する処理は、次のようなものである。まず、マイコン94が備えるCPU(図示せず)は、同じくマイコン94が備える記憶装置(図示せず)に記憶されたプログラムに基づき、ガス検出回路91の出力値から、可燃性ガス濃度にほぼ比例した第1の出力値を出力する。この第1の出力値は、ガスセンサ1の検出空間の雰囲気温度変化による出力変化を含んでいるので、続いて、温度測定回路93からの出力に基づき第1の出力値を補正した第2の出力値を出力する。さらに、マイコン94は、そのマイコン94の記憶装置(図示せず)に記憶された第2の出力値と可燃性ガスの濃度との関係に基づき、被検出ガス中に含まれる可燃性ガスの濃度を出力する。このように、第1の出力値を温度測定回路93の出力に基づき補正しているので、精度よく可燃性ガスを検出できる。尚、可燃性ガスの濃度を演算する処理は、上記のものに限られず、公知の手段を適宜用いれば良い。
[ガス検出素子]
次に、ガス検出素子11の構成について説明する。図2はガス検出素子11の平面図を示し、図3は図2のA−A線切断部およびB−B線切断部におけるそれぞれの端面図を示す。尚、図2において、紙面の左右方向をその平面図の左右方向とする。また、図3において、紙面の上下方向をその断面図の上下方向とする。
図2に示すように、ガス検出素子11は、平板形状(平面視四角形状)をなし、その表面の四隅にそれぞれ電極21、23、88、89が形成され、他方の面(裏面)の中心付近に、詳しくは後述する平面視矩形のダイヤフラムDが形成されている。
又、図3に示すように、ガス検出素子11は、シリコン半導体からなる基板13を備えるとともに、基板13の上下両側に絶縁層(上側絶縁層45、下側絶縁層47)を備えている。上側絶縁層45は、基板13の表面に形成されており、一方、下側絶縁層47は、基板13の裏面に形成されている。尚、上側絶縁層45は、基板13の表面に形成される複数の絶縁層33〜39から構成される。
そして、上側絶縁層45が部分的(平面から見てほぼ正方形)に露出するように基板13の一部を除去することで、図3に示すように上側絶縁層45の下側に凹部(空洞)13Cが形成されたダイヤフラム構造をなしている。上側絶縁層45のうち、凹部13Cの上側部分であってダイヤフラムDを形成する領域が特許請求の範囲の「薄膜部」に相当する。
なお、凹部13Cは底面を有しているため、底面部分が補強部となって基板13の強度低下を抑制できるので、ガス検出素子11の寸法が小さい(基板13の厚みが薄い)場合であっても強度が確保される。もちろん、凹部13Cが底面を有さず、基板13の底面側からダイヤフラムDに向かってピラミッド形状(四角錐形状)に除去された形態であってもよい。
上側絶縁層45のうち凹部13Cに対応する領域(薄膜部)には、渦巻き状にパターン形成された発熱抵抗体(特許請求の範囲の「ヒータ」)15が埋設されている。
発熱抵抗体15は、被検出ガスの温度(詳細には、可燃性ガスへの熱伝導)により自身の温度変化により抵抗値が変化する抵抗体である。発熱抵抗体15は、温度抵抗係数が大きい導電性材料で構成され、本実施形態では白金(Pt)で形成されている。可燃性ガスとしての水素ガスを検出する場合、水素ガスへの熱伝導によって発熱抵抗体15から奪われる熱量の大きさは、水素ガス濃度に応じた大きさとなる。このことから、発熱抵抗体15における電気抵抗値の変化に基づいて、水素ガス濃度を検出することが可能となる。
そして、ダイヤフラムD内に発熱抵抗体15を設けることにより、発熱抵抗体15が周囲から断熱されるため、短時間にて昇温又は降温する。このため、ガス検出素子11の熱容量を小さくすることができる。
なお、発熱抵抗体15の抵抗値変化は被検出ガスの温度による影響を受けるため、後述する測温抵抗体80の電気抵抗値に基づき検出される温度を用いて、発熱抵抗体15の電気抵抗値変化に基づき検出した被検出ガスの濃度を補正することにより、被検出ガス濃度の検出精度を向上させることができる。
又、上側絶縁層45及び下側絶縁層47は、単一の材料で形成されてもよいし、異なる材料を用いて複数層を成すように形成されてもよい。本実施形態では上側絶縁層45を構成する複数層は、表面側から基板13側へ向かって順に、窒化珪素層(Si34層)からなる保護層39、酸化ケイ素(SiO2)からなる上側絶縁保護層37、酸化ケイ素(SiO2)からなる下側絶縁保護層35、窒化珪素層(Si34層)からなる絶縁層33を積層してなる。上側絶縁保護層37と下側絶縁保護層35とは同一組成からなり、全体として絶縁保護層43として機能しており、発熱抵抗体15は絶縁保護層43内に埋設されている。
なお、最表層をなす保護層39は、発熱抵抗体15、測温抵抗体80、配線膜16の汚染や損傷を防止すべくそれらを覆うように設けられている。
一方、下側絶縁層47は、窒化珪素層(Si34層)からなる絶縁層34で形成されている。
又、ガス検出素子11は、縦横ともに数mm(例えば3mm×3mm)程度の大きさであり、例えば、シリコン半導体基板を用いたマイクロマシニング技術(マイクロマシニング加工)により製造される。
図2に戻り、発熱抵抗体15の左右の端は、発熱抵抗体15が形成された平面と同じ平面にそれぞれ埋設された配線をなすヒータリード部16(図3)を介して、各電極21、23に接続されている。なお、電極23がグランド電極となっている。電極21、23は、発熱抵抗体15に接続される配線の引き出し部位であり、コンタクトホール41(図4)を介して露出し、例えば、アルミニウム(Al)又は金(Au)で形成されている。
測温抵抗体80は、ガスセンサ1の検出空間内に存在する被検出ガスの温度を検出するためのものであり、ガス検出素子11の上辺(一辺)に沿って、上側絶縁保護層37と保護層39との間に埋設されている。測温抵抗体80は、電気抵抗値が温度に比例して変化(本実施形態では、温度の上昇に伴って抵抗値が増大)する導電性材料で構成され、本実施形態では白金(Pt)で形成されている。
測温抵抗体80は、測温抵抗体80が形成された平面と同じ平面に埋設された配線膜(図示せず)を介して電極88及びグランド電極89に接続されている。電極88及びグランド電極89は、コンタクトホール(図示せず)を介して露出し、例えば、アルミニウム(Al)又は金(Au)で形成されている。
さらに、ダイヤフラムDには、凹部13Cに連通してガスが流通する貫通孔19が複数形成されている。貫通孔19は、発熱抵抗体(ヒータ)15のヒータパターン15a、15bが向かい合う部位の少なくとも一部に形成されていればよいが、後述するように、貫通孔19の形成位置からエッチング液が基板13側に注入されて薄膜部下方に凹部13Cをエッチング形成する。このため、エッチングが均等に進行するよう、上記部位に限らず、ダイヤフラムDとなる薄膜部の面方向に分散して複数の貫通孔19が配置されていることが好ましい。
又、図3に示すように、貫通孔19(ダイヤフラムD)の内側面19eは、テーパ状をなしていて、表面側の開口のほうが反対側の開口よりも広くなっている。このように、貫通孔19の内側面19eがテーパ状であると、内側面19eが垂直な場合に比べ、内側面19eを介した内部の発熱抵抗体15と被検出ガスとの接触面積が増え、貫通孔19に隣接する発熱抵抗体15では熱がさらに被検出ガスへ伝わり易くなる。このため、発熱抵抗体15から被検出ガスへの熱伝達率が高くなり、被検出ガスの検出精度を向上させることができる。
なお、貫通孔19はテーパ状であればよく、表面側の開口のほうが反対側の開口よりも狭くてもよいが、後述するように貫通孔19は、基板13側へ向かって先細るテーパ状のレジスト孔をガイドにしてRIE(リアクティブイオンエッチング)を用いて形成していることから、表面側の開口のほうが反対側の開口よりも広い貫通孔19の方が作製し易い。
又、向かい合うヒータパターン15a、15Bがそれぞれ向かい合う変曲点15ap、15bpを持ち、各変曲点15ap、15bpを結ぶ線Lを挟んだ位置にそれぞれ貫通孔19が形成されていると好ましい。変曲点15ap、15bp付近ではヒータパターン15a、15Bが入り組んでおり、発熱抵抗体(ヒータ)15による発熱量も高いため、線Lを挟んで複数の貫通孔19が形成されていると、発熱抵抗体15の熱がさらに被検出ガスへ伝わり易くなる。なお、変曲点は、ヒータパターンの輪郭を表す曲線(直線を含む)上で曲率の符号が変化する点である。
なお、ダイヤフラムDの重心Gの位置に発熱抵抗体15のヒータパターンが存在することが好ましく、重心Gの位置でヒータパターンの幅が最も太いことが好ましい。発熱抵抗体15のヒータパターンがダイヤフラムDの外側にあるほど、放熱し易いため、その分だけヒータパターンを狭幅として温度を高くしている。ここで、仮に重心Gの位置にヒータパターンが存在しなかったり、ヒータパターンの幅が細いと、放熱し難い重心G近傍の温度が高くなり、発熱抵抗体15の平面方向の均熱性が低下する。又、発熱抵抗体15の最高温度は薄膜部の耐熱温度によって制限されるが、発熱抵抗体15の均熱性が低下すると発熱抵抗体15の局所的な高温部が発熱抵抗体15の最高温度を超えないようにしなければならず、発熱抵抗体15全体の平均温度が低下し、発熱抵抗体15から被検出ガスへ熱が伝わり難くなる。
次に、図4、図5を参照し、ガス検出素子11の製造工程について説明する。なお、図4、図5では、各工程について、図1におけるガス検出素子11のA−A線切断部およびB−B線切断部におけるそれぞれの端面状態を表している。
まず、シリコン半導体からなる基板13を準備し、この基板13を洗浄した上で基板13の上面及び下面に、それぞれPoly−Si膜からなる犠牲層31、32をLP−CVD法により成膜する。そして、シリコン基板13の上面側の犠牲層31を、ダイヤフラムDの形成領域に一致するように、必要領域を残しつつ不要領域を除去する(パターニングする)(図4(A))。この際、下面側の犠牲層32も除去する。
次に、減圧CVD法により、引張応力膜となる窒化珪素膜(Si34膜)からなる絶縁層33を基板13の上面(犠牲層31を含め)に形成し、同様に窒化珪素膜(Si34膜)からなる絶縁層34を基板13の下面に形成する。さらに、絶縁層33の表面に、圧縮応力膜である酸化珪素層(SiO2層)からなる下側絶縁保護層35をプラズマCVD法により形成する(図4(B))。
次に、下側絶縁保護層35の上に、スパッタ法により白金(Pt)等の金属膜を成膜した後、パターニングしてヒータ配線部15を形成する(図4(C))。このとき、ヒータ配線部15の配線形状(配線パターン)は、ヒータ配線部15の電気抵抗値が予め定められた設計値となるように定められている。また、このとき、ヒータ配線部15に電気的に接続されるヒータリード部16が、ヒータ配線部15と同様にパターニング形成される。
続いて、ヒータ配線部15を中心として上下方向(積層方向)の膜構成が対称となるように、プラズマCVD法により酸化ケイ素(SiO2)からなる上側絶縁保護層37を下側絶縁保護層35上に形成した後、LP−CVD法により窒化珪素層(Si34層)からなる保護層39を上側絶縁保護層37上に形成する。さらに、RIE(リアクティブイオンエッチング)の手法により、上側絶縁保護層37及び保護層39に対して、ヒータリード部16に通じるコンタクトホール41を形成する(図4(D))。なお、この工程において、測温抵抗体80についても、発熱抵抗体15と同様の手法により、上側絶縁保護層37と保護層39の間にパターニング形成する。
次に、コンタクトホール41に対して、スパッタ法により金(Au)等の金属膜を成膜した後、パターニングして金(Au)等の金属材料からなるコンタクト電極21を形成する(図5(E))。なお、図示を省略するが、他のコンタクトホールに対しても、同時に電極23、88、89を形成する。
次に、保護層39上にレジスト膜50を成膜し、後述する貫通孔19となる部位をエッチング除去してレジスト孔51を形成する。さらに、残ったレジスト膜50に熱(例えば、150℃で5分)を加えることで、レジスト孔50の内側面50eを、表面側の開口のほうが反対側の開口よりも広いテーパ状にする(図5(F))。ここで、レジストは例えば、AZ1500ポジレジスト(AZエレクトロニックマテリアルズ製)を使用できる。
次に、RIE(リアクティブイオンエッチング)の手法により、保護層39、上側絶縁保護層37、下側絶縁保護層35、絶縁層33の積層体(ダイヤフラムDを形成する薄膜部)に対して、犠牲層31に通じるスリットをなす貫通孔19を複数箇所に形成する(図5(G))。
ここで、RIEによるエッチングでは、保護層39だけでなく、保護層39の上層のレジスト孔51周囲のレジスト膜50も同時にエッチングされる。そのため、エッチングの進行とともに、レジスト孔51のサイズが大きくなっていき、保護層39の表面側が下側よりも大きい開口を形成しながらエッチングされる。このようにして、貫通孔19の内側面19eもテーパ状(この例では表面側の開口のほうが反対側の開口よりも広いテーパ状)になる。その後、レジスト50を除去する。
なお貫通孔形成工程においては、犠牲層31の全体に分散した状態となるように、かつ図3に示すようにヒータパターンが向かい合う部位の少なくとも一部に、複数の貫通孔19を形成する。
次に、異方性エッチング溶液(例えば、TMAH)を用いて、犠牲層31をエッチングするとともに、シリコン基板13のうち犠牲層31が積層された部分をエッチングする(図5(H))。
これにより、シリコン基板13に凹部(空洞)13Cを形成することができる。このとき、薄膜部に分散して配置された複数の貫通孔19から異方性エッチング溶液が注入されるため、犠牲層31のエッチングは、犠牲層31の全体においてほぼ均等に進行することになる。このため、犠牲層31がエッチングされてエッチング液がシリコン基板13に達するときには、シリコン基板13のうち犠牲層31が積層された部分に対して、ほぼ均等にエッチング液が接触する状態となる。これにより、シリコン基板13のうち犠牲層31が積層された部分についても、この部分の全体においてほぼ均等にエッチングが進行することになる。
厳密に言うと、犠牲層31のエッチングが終了した際には、シリコン基板13の表面は多少エッチングされており、凹凸状になっている。しかし、凹部の深さが浅く、凸部のエッチングレートが凹部に比べて早いため、直ちに、シリコン基板13の表面(凹部13Cの底面)の凹凸は平らになる。
このようにシリコン基板13のエッチングが進むことで、エッチングにより形成される凹部13Cの形状を、底面が平らな形状にすることができる。そして、底面が平らな形状の凹部13Cは、ピラミッド形状(四角錐形状)のキャビティに比べて、深さ寸法が小さくなる。
なお、犠牲層31を構成する材料は、等方性エッチングが可能である材料が好ましい。さらに、犠牲層31を構成する材料は、半導体基板13をエッチングする際に用いるエッチング液でエッチング可能である材料が好ましい。上記2つの条件を満たす材料としては、本実施形態のようにポリシリコン(Poly−Si)が挙げられる。
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。例えば、上記実施形態では、水素ガスを検出する場合について説明したが、本発明のガスセンサは他の種類の可燃性ガスも検出可能である。
又、上記したガス検出素子11の製造工程において、絶縁層33、34の密着性向上のため、絶縁層33、34を形成する下地側の層上に熱酸化膜を成膜しても良い。又、図4(D)のコンタクトホールの形成と、図5(G)の貫通孔の形成を同時に行っても良い。
1 ガスセンサ
13 基板
13C 基板の凹部
15 ヒータ(発熱抵抗体)
15a、15b ヒータパターン
15ap、15bp ヒータパターンの変曲点
19 貫通孔
19e 貫通孔(ダイヤフラム)の内側面
D ダイヤフラム(薄膜部)
L 変曲点を結ぶ線

Claims (5)

  1. 基板上に設けられてダイヤフラムを形成する薄膜部と、
    前記薄膜部に設けられ、自身の温度変化により抵抗値が変化するヒータと、を備えた熱伝導式のガスセンサであって、
    前記ダイヤフラムのうち、前記ヒータのヒータパターンが向かい合う部位の少なくとも一部にガスが流通する貫通孔が形成され、
    前記貫通孔を形成する前記ダイヤフラムの内側面は、テーパ状をなしているガスセンサ。
  2. 前記貫通孔は、表面側の開口のほうが反対側の開口よりも広い請求項1記載のガスセンサ。
  3. 向かい合う前記ヒータパターンがそれぞれ向かい合う変曲点を持ち、各変曲点を結ぶ線を挟んだ位置にそれぞれ前記貫通孔が形成されている請求項1又は2記載のガスセンサ。
  4. 前記基板は底面を有する凹部を備え、前記ダイヤフラムは前記凹部の表面に形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載のセンサ。
  5. 前記ガスセンサは水素ガスを検出対象とする請求項1ないし4のいずれかに記載のガスセンサ。
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