JP2014190734A - 磁性体検出装置 - Google Patents

磁性体検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014190734A
JP2014190734A JP2013064071A JP2013064071A JP2014190734A JP 2014190734 A JP2014190734 A JP 2014190734A JP 2013064071 A JP2013064071 A JP 2013064071A JP 2013064071 A JP2013064071 A JP 2013064071A JP 2014190734 A JP2014190734 A JP 2014190734A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetoresistive element
magnetic
substrate
magnetoresistive
magnet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013064071A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6034731B2 (ja
Inventor
Shinsuke Mochizuki
信助 望月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kohden Co Ltd
Original Assignee
Kohden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kohden Co Ltd filed Critical Kohden Co Ltd
Priority to JP2013064071A priority Critical patent/JP6034731B2/ja
Priority to CN201480016352.4A priority patent/CN105190339B/zh
Priority to RU2015140665A priority patent/RU2650092C2/ru
Priority to PCT/JP2014/057219 priority patent/WO2014156793A1/ja
Priority to US14/763,917 priority patent/US9880235B2/en
Priority to BR112015022969-7A priority patent/BR112015022969B1/pt
Publication of JP2014190734A publication Critical patent/JP2014190734A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6034731B2 publication Critical patent/JP6034731B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/02Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux
    • G01R33/06Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux using galvano-magnetic devices
    • G01R33/09Magnetoresistive devices
    • G01R33/093Magnetoresistive devices using multilayer structures, e.g. giant magnetoresistance sensors
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F13/00Apparatus or processes for magnetising or demagnetising
    • H01F13/003Methods and devices for magnetising permanent magnets
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F7/00Magnets
    • H01F7/02Permanent magnets [PM]
    • H01F7/0273Magnetic circuits with PM for magnetic field generation
    • H01F7/0278Magnetic circuits with PM for magnetic field generation for generating uniform fields, focusing, deflecting electrically charged particles
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F7/00Magnets
    • H01F7/02Permanent magnets [PM]
    • H01F7/0273Magnetic circuits with PM for magnetic field generation
    • H01F7/0294Detection, inspection, magnetic treatment

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Measuring Magnetic Variables (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)

Abstract

【課題】 強磁性体薄膜磁気抵抗素子を用いて移動する磁性体の検出を高精度で行う。
【解決手段】 磁性体検出装置は、長尺状の磁石12,13及び強磁性体薄膜磁気抵抗素子23,24を備えている。磁石12,13は、Y軸方向にそれぞれ平行に延設され、Z軸方向に互いに反対方向に磁化されている。強磁性体薄膜磁気抵抗素子23,24は、磁石12,13間の磁力線経路内に配置された基板22の平面上にY軸方向ほぼ沿って延設された線状部分を有するように形成されていて、基板22の平面内におけるY軸方向と直交する方向の磁界の変化に対して抵抗値を変化させる。強磁性体薄膜磁気抵抗素子23.24には、磁石12,13により、強磁性体薄膜磁気抵抗素子23,24の飽和磁界より小さな磁界の強さであって、基板22の平面内のY軸方向に直交する方向のバイアス磁界が付与されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、移動する検証物に含まれる磁性体を検出する磁性体検出装置に関する。
従来から、紙幣、有価証券などの検証物に磁気インクを印刷したり、帯状の磁性体を漉き込んだりしておき、検証物の流通段階で、検証物を一定方向に移動させて検証物に本来含まれているはずの磁性体を検出することにより、検証物の真偽を判定することは知られている。
この場合に用いられる磁性体検出装置としては、例えば下記特許文献1に示されているように、磁性体の移動方向と直交する方向に延設された線状部分を有する強磁性体薄膜磁気抵抗素子を上面に形成した平板状の基板を、磁性体の移動路の下方にて磁性体の移動方向に対して傾けて配置するとともに、楕円状の磁路を有して強磁性体薄膜磁気抵抗素子を通過する磁力線を発生する1つの磁石を基板の下方に配置し、磁性体の移動による強磁性体薄膜磁気抵抗素子の抵抗値の変化を用いて、磁性体の存在を検出するようにしている。この場合、磁石は、強磁性体薄膜磁気抵抗素子の近傍位置にて基板に対して垂直に磁力線を通過させて、強磁性体薄膜磁気抵抗素子に対して、基板の平面内における強磁性体薄膜磁気抵抗素子の線状部分の延設方向と直交する方向に、強磁性体薄膜磁気抵抗素子の飽和磁界よりも小さな磁界をバイアス磁界(磁性体が存在しない状態において磁石により設定される磁界)として付与するように機能し、強磁性体薄膜磁気抵抗素子が、磁性体の移動に起因した、基板の平面内における強磁性体薄膜磁気抵抗素子の線状部分の延設方向と直交する方向の磁界の変化に対して抵抗値を変化させるように構成されている。
特許第4894040号公報
しかしながら、前述した強磁性体薄膜磁気抵抗素子の抵抗値の変化は、強磁性体薄膜磁気抵抗素子の線状部分の延設方向と直交する方向の小さな磁界変化を利用するものであるので、バイアス磁界の大きさが変動すると、磁性体の移動による抵抗値の変化が大きく変動する。磁石から発生される磁力線の方向及び分布状態は、磁石の形状、特に磁石の強磁性体薄膜磁気抵抗素子側の磁極面部分の形状に依存する。したがって、磁石が高精度で成形されていて、磁石の形状、特に強磁性体薄膜磁気抵抗素子側の磁極面部分の形状に誤差がない状態にないと、強磁性体薄膜磁気抵抗素子の抵抗値の変化すなわち移動する磁性体の検出を高精度で行えないという問題がある。
本発明は上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、強磁性体薄膜磁気抵抗素子に対してバイアス磁界を付与する磁石が多少の誤差を含んで成形されていても、強磁性体薄膜磁気抵抗素子の抵抗値の変化すなわち移動する磁性体の検出を高精度で行えるようにした磁性体検出装置を提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、第1方向(X軸方向)に移動する検証物(OB)に含まれる磁性体(MS)を検出するための磁性体検出装置であって、第1方向と直交する第2方向(Y軸方向)にそれぞれ平行に延設され、第1方向及び第2方向に直交する第3方向(Z軸方向)に互いに反対方向に磁化された長尺状の第1磁石(12)及び第2磁石(13)と、第1磁石及び第2磁石の間の磁力線経路内に配置された基板(22)の平面上に第2方向にほぼ沿って延設された線状部分を有するように形成されていて、基板の平面内における第2方向と直交する方向の磁界の変化に対して抵抗値を変化させる強磁性体薄膜磁気抵抗素子(23,24,23−1,23−2,24−1,24−2)を有する磁気センサとを備え、第1磁石及び第2磁石により、強磁性体薄膜磁気抵抗素子の飽和磁界より小さな強さの磁界が、強磁性体薄膜磁気抵抗素子に対して基板の平面内の第2方向に直交する方向にバイアス磁界として付与されるようにしたことにある。
上記のように構成した本発明においては、第1磁石及び第2磁石は、長尺状に形成されて第2方向にそれぞれ平行に延設され、かつ第3方向に互いに反対方向に磁化されている。したがって、第1磁石及び第2磁石による磁力線は第2方向に直交する平面内にて楕円状に発生され、第1磁石及び第2磁石の形状、特に磁極面部分の形状に多少の誤差があっても、磁力線の方向は安定して、強磁性体薄膜磁気抵抗素子を通過する磁力線は常に一定方向となる。その結果、強磁性体薄膜磁気抵抗素子に付与される基板の平面内の第2方向に直交する方向のバイアス磁界が変動することなく安定化し、磁性体の移動による強磁性体薄膜磁気抵抗素子の抵抗値の変化を安定化させることができ、磁性体を高精度で検出できるようになる。また、第1磁石と第2磁石の間の距離を調整することにより、磁力線の通過経路の形状を種々に変更することができ、強磁性体薄膜磁気抵抗素子に対する前記方向のバイアス磁界の設定が簡単になる。さらに、第1磁石及び第2磁石を設けることにより、第2方向の磁力と、第2方向に直交する平面内の磁力とを第2方向に沿って広い範囲に渡って安定化させることもでき、第2方向に沿って広い範囲に渡って磁性体の存在を精度よく検出できるようになる。
また、本発明の他の特徴は、基板の平面を第1方向に対して傾けて配置し、かつ強磁性体薄膜磁気抵抗素子の線状部分を、基板の平面上にて基板の平面内の第2方向に対して所定角度だけ傾けて延設させたことにある。
これによれば、強磁性体薄膜磁気抵抗素子の両端における第1磁石及び第2磁石による磁力線の第3方向成分の差により、強磁性体薄膜磁気抵抗素子内に延設方向に沿った一定方向の磁束を発生させて、強磁性体薄膜磁気抵抗素子の抵抗の変化を安定化させることができる。
また、本発明の他の特徴は、磁性体からなり、第1磁石及び第2磁石の磁気センサと反対側の磁極面を覆う被覆部材を設けたことにある。
これによれば、第1磁石及び第2磁石による強磁性体薄膜磁気抵抗素子側の磁力線の分布を、外部磁界による影響を受けることなく安定させることができ、磁性体の検出精度を高めることができる。
また、本発明の他の特徴は、磁気センサは、第2方向の同一位置において、基板の平面上に強磁性体薄膜磁気抵抗素子で形成されて線状部分を互いに対向させた第1磁気抵抗素子及び第2磁気抵抗素子を有し、第1磁石及び第2磁石による磁力線が第1磁気抵抗素子及び第2磁気抵抗素子間の中央位置にて基板の平面に対して垂直に通過して第1磁気抵抗素子及び第2磁気抵抗素子に対する前記方向のバイアス磁界がほぼ反対方向になるように、基板の平面を第1方向に対して所定角度だけ傾けて配置するようにしたことにある。
これによれば、基板の平面内における第1磁気抵抗素子及び第2磁気抵抗素子の延設方向に直交する方向に付与されるバイアス磁界がほぼ反対方向であって同じ大きさになり、磁性体の第1方向への移動による第1磁気抵抗素子及び第2磁気抵抗素子の抵抗値の変化を正負反対方向にほぼ対称に変化させるようにでき、第1磁気抵抗素子及び第2磁気抵抗素子の抵抗値の変化を利用し易くすることができる。
また、本発明の他の特徴は、第1磁気抵抗素子(23)と第2磁気抵抗素子(24)を直列に接続し、両端に所定電圧を印加して第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子の接続点の電圧を取り出す電気回路(31)を備えたことにある。
これによれば、第1磁気抵抗素子及び第2磁気抵抗素子はハーフブリッジ接続されるので、大きな出力電圧を取り出すことができる。
また、本発明の他の特徴は、磁気センサは、さらに、基板の平面上において第1磁気抵抗素子(23−1)及び第2磁気抵抗素子(24−1)をそれぞれ第2方向に延長した位置にて、基板の平面上に第2方向にほぼ沿って延設されるとともに互い対向させた線状部分をそれぞれ有するように強磁性体薄膜磁気抵抗素子で形成されていて、基板の平面内における第2方向と直交する方向の磁界の変化に対して抵抗値を変化させる第3磁気抵抗素子(23−2)及び第4磁気抵抗素子(24−2)を有し、第1磁石及び第2磁石による磁力線が第3磁気抵抗素子及び第4磁気抵抗素子間の中央位置にて基板の平面に対して垂直に通過して第3磁気抵抗素子及び第4磁気抵抗素子に対する前記方向のバイアス磁界がほぼ反対方向になるとともに、第3磁気抵抗素子に対する前記方向のバイアス磁界が第1磁気抵抗素子に対する前記方向のバイアス磁界と同一方向になるように構成し、さらに、第1磁気抵抗素子の第3磁気抵抗素子側の端子と第4磁気抵抗素子の第2磁気抵抗素子側の端子を接続し、第2磁気抵抗素子の第4磁気抵抗素子側の端子と第3磁気抵抗素子の第1磁気抵抗素子側の端子を接続し、第1磁気抵抗素子の第3磁気抵抗素子と反対側の端子と第2磁気抵抗素子の第4磁気抵抗素子と反対側の端子を接続し、かつ第3磁気抵抗素子の第1磁気抵抗素子と反対側の端子と第4磁気抵抗素子の第2磁気抵抗素子と反対側の端子を接続し、第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子の接続点と、第3磁気抵抗素子と第4磁気抵抗素子の接続点との間に所定電圧を印加して、第1磁気抵抗素子と第4磁気抵抗素子の接続点の電圧と、第2磁気抵抗素子と第3磁気抵抗素子の接続点の電圧との差電圧を取り出す電気回路(32)を備えたことにある。
これによれば、第1磁気抵抗素子、第2磁気抵抗素子、第3磁気抵抗素子及び第4磁気抵抗素子はフルブリッジ接続されるので、出力電圧を前記ハーフブリッジ接続の場合の2倍にすることができる。また、電気回路が、第1磁気抵抗素子と第4磁気抵抗素子の接続点の電圧と、第2磁気抵抗素子と第3磁気抵抗素子の接続点の電圧との差電圧を出力することにより、第1磁気抵抗素子及び第3磁気低抵抗素子の抵抗値の変化をもたらすバイアス磁界と、第2磁気抵抗素子及び第4磁気低抵抗素子の抵抗値の変化をもたらすバイアス磁界とにそれぞれノイズが含まれていても、これらのノイズがもたらす抵抗値変化が互いに相殺されて、出力電圧のS/N比が向上する。
また、本発明の他の特徴は、磁気センサは、さらに、基板の平面上において第1磁気抵抗素子(23−1)及び第2磁気抵抗素子(24−1)をそれぞれ第2方向に延長した位置にて、基板の平面上に第2方向にほぼ沿って延設されるとともに互い対向させた線状部分をそれぞれ有するように強磁性体薄膜磁気抵抗素子で形成されていて、基板の平面内における第2方向と直交する方向の磁界の変化に対して抵抗値を変化させる第3磁気抵抗素子(23−2)及び第4磁気抵抗素子(24−2)を有し、第1磁石及び第2磁石による磁力線が第3磁気抵抗素子及び第4磁気抵抗素子間の中央位置にて基板の平面に対して垂直に通過して第3磁気抵抗素子及び第4磁気抵抗素子に対する前記方向のバイアス磁界がほぼ反対方向になるとともに、第3磁気抵抗素子に対する前記方向のバイアス磁界が第1磁気抵抗素子に対する前記方向のバイアス磁界と同一方向になるように構成し、さらに、第1磁気抵抗素子の第3磁気抵抗素子と反対側の端子と第2磁気抵抗素子の第4磁気抵抗素子と反対側の端子を接続し、第3磁気抵抗素子の第1磁気抵抗素子の反対側の端子と第4磁気抵抗素子の第2磁気抵抗素子と反対側の端子を接続し、第1磁気抵抗素子の第3磁気抵抗素子側の端子と第4磁気抵抗素子の第2磁気抵抗素子側の端子を接続し、かつ第2磁気抵抗素子の第4磁気抵抗素子側の端子と第3磁気抵抗素子の第1磁気抵抗素子側の端子を接続し、第1磁気抵抗素子と第4磁気抵抗素子の接続点と、第2磁気抵抗素子と第3磁気抵抗素子の接続点との間に所定電圧を印加して、第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子の接続点の電圧と、第3磁気抵抗素子と第4磁気抵抗素子の接続点の電圧との差電圧を取り出す電気回路(32)を備えたことにある。
これによっても、第1磁気抵抗素子、第2磁気抵抗素子、第3磁気抵抗素子及び第4磁気抵抗素子はフルブリッジ接続されるので、出力電圧を前記ハーフブリッジ接続の場合の2倍にすることができる。また、この場合も、電気回路が、第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子の接続点の電圧と、第3磁気抵抗素子と第4磁気抵抗素子の接続点の電圧との差電圧を出力することにより、第1磁気抵抗素子及び第3磁気低抵抗素子の抵抗値の変化をもたらすバイアス磁界と、第2磁気抵抗素子及び第4磁気低抵抗素子の抵抗値の変化をもたらすバイアス磁界とにそれぞれノイズが含まれていても、これらのノイズがもたらす抵抗値変化が互いに相殺されて、出力電圧のS/N比が向上する。
また、本発明の他の特徴は、磁気センサから離れた位置に配置されて、磁気センサによる磁性体の検出前に、磁性体を磁化させる磁化器(40)を設けたことにある。
これによれば、硬磁性体で構成した磁性体が検査前に種々に磁化されていても、磁性体は磁化器による新たな磁化により常に同じ状態に磁化されるので、出力電圧は常に同じになり、磁性体の存在を精度よく検出できる。
さらに、本発明の実施にあたっては、移動する検出物に含まれる磁性体を検出するための磁性体検出方法の発明としても実施し得るものである。
本発明の第1実施形態に係る磁性体検出装置の概略縦断面図である。 (A)は磁性体検出装置の分解斜視図であり、(B)〜(D)は磁性体検出装置の組立て状態を示す斜視図である。 (A)は基板上の磁気抵抗素子の一例を示す平面図であり、(B)(C)は基板上の磁気抵抗素子の他の例を示す平面図である。 (A)は基板上における磁気抵抗素子の配置例を説明するための基板及び磁石の斜視図であり、(B)は磁気抵抗素子の長手方向に発生する磁束を説明するための説明図である。 フレキシブルプリント基板上の電気回路図である。 (A)は磁石間の磁力線に対する磁気抵抗素子の配置図であり、(B)は(A)の磁気抵抗素子を通る磁力線の状態を説明するための拡大説明図である。 磁気抵抗素子の磁界の強さに対する抵抗値の変化特性を示すグラフである。 磁性体の移動に伴う磁気抵抗素子の抵抗値の変化状態を示す特性図である。 (A)は2つの磁石を設けた場合と1つの磁石とを設けた場合における磁石の延設方向の磁力の変化を前記延設方向に沿って示すグラフであり、(B)は2つの磁石を設けた場合と1つの磁石とを設けた場合における磁石の延設方向と磁石の磁化方向とによって形成される平面内の磁力の変化を前記延設方向に沿って示すグラフである。 (A)はフルブリッジ接続した磁気センサの磁気抵抗素子の配置及び接続の一例を示す電気回路図であり、(B)はフルブリッジ接続した磁気センサの磁気抵抗素子の配置及び接続の他の例を示す電気回路図である。 単一の磁気抵抗素子を用いた磁気センサの電気回路図である。 本発明の第2実施形態に係る磁性体検出装置の概略縦断面図である。 (A)(B)は、磁化された磁性体の通過に伴う磁気抵抗素子を通過する磁力線の変化状態を説明するための説明図である。 前記第2実施形態に係り、磁性体の移動に伴う磁気抵抗素子の抵抗値の変化状態の一例を示す特性図である。 前記第2実施形態に係り、磁性体の移動に伴う磁気抵抗素子の抵抗値の変化状態の他の例を示す特性図である。 (A)〜(C)は、磁性体を磁化する磁化器内の磁石の配置例を示す図である。
a.第1実施形態
まず、本発明の第1実施形態に係る磁性体検出装置について図面を用いて説明する。図1は、磁性体検出装置の概略縦断面図である。図2(A)は磁性体検出装置の分解斜視図であり、図2(B)(C)(D)は磁性体検出装置の組立て状態を示す斜視図である。
この磁性体検出装置は、磁性体MSを本来含むはずの検証物OBを移動方向L(X軸方向)を含む平面内を矢印で示す方向に直線移動させて、検証物OBの真偽を判定するために用いられるものである。検証物OBは、例えば、紙幣、有価証券などであり、この検証物OBには、印刷された磁気インク、漉き込まれた帯状の磁性体などが含まれている。そして、磁性体検出装置は、検証物OBの移動方向Lを含む平面の下方に配置されており、検証物OBに含まれる磁性体MSの移動による磁力線の変化を利用して磁性体MSの有無を検出する。なお、図示省略しているが、検証物OBは、コンベアプレート、ローラなどを用いて移動される。
磁性体検出装置は、ケース11、磁石12,13、磁石固定部材14及びカバー15を備えるとともに、基板支持部材21、基板22、強磁性体薄膜磁気抵抗素子23,24及びフレキシブルプリント基板25を備えている。
ケース11は、磁性体材料(例えば、軟磁性体であるステンレス)により、X−Z平面内にて断面コ字状かつY軸方向に長尺状に一体形成された支持部材であり、Z軸線方向の上面を開放させている。磁石12,13は、フェライト磁石で構成した永久磁石であり、それぞれX−Z平面内にて断面長方形状かつY軸方向に長尺状に一体形成されて、Z軸方向に互いに反対方向に磁化されている。磁石12と磁石13の形状は同一である。本実施形態においては、磁石12はZ軸方向の上側磁極面をN極とするとともに下側磁極面をS極としており、磁石13はZ軸方向の上側磁極面をS極とするとともに下側磁極面をN極としている。なお、ケース11は、磁石12,13の強磁性体薄膜磁気抵抗素子23,24の反対側の磁極面を覆う本発明の被覆部材を構成する。また、ケース11の底面には、長手方向に沿って配列された複数の方形状の貫通孔11aが設けられている。
磁石固定部材14は、樹脂により、X−Z平面内にて長方形状かつY軸方向に長尺状に一体形成されている。この磁石固定部材14は、磁石12,13をX軸方向に所定距離だけ隔てて平行に保つ部材であり、そのX軸方向中央部にはZ軸方向の上下面に貫通する方形状の複数の貫通孔14aが設けられている。磁石固定部材14のZ軸方向の長さ(高さ)は磁石12,13のZ軸方向の長さ(高さ)に等しく、貫通孔14aはケース11の貫通孔11aにそれぞれ対向している。
カバー15は、剛性の高い弾性を有する非磁性材料(例えば、ステンレス)により形成され、X−Z平面内にて断面コ字状かつY軸方向に長尺状に一体形成されて、Z軸線方向の下面を開放させている。カバー15は、ケース11に組付けた磁石12,13、磁石固定部材14、基板支持部材21、基板22及びフレキシブルプリント基板25を覆うものである。
ケース11及びカバー15のY軸方向の長さは同じであり、磁石12,13のY軸方向の長さはケース11及びカバー15のY軸方向の長さの半分よりも若干短い。磁石固定部材14のY軸方向の長さは、磁石12,13のY軸方向の長さよりも若干短い。図2(B)に示すように、複数の磁石固定部材14(本実施形態では2個の磁石固定部材14)は、ケース11の内定面のX軸方向中央部にY軸方向に延設させて固定されている。磁石固定部材14のX軸方向両側面には、複数の磁石12及び複数の磁石13(本実施形態では2つずつの磁石12,13)がそれぞれ固定されている。この場合、磁石12,13のZ軸方向の下側面はケース11の内底面に固定され、磁石12,13のX軸方向の各外側面とケース11の内側面との間にはそれぞれ隙間が設けられている。また、複数の磁石12及び複数の磁石13に関しては、Y軸方向において密着させるようにしたが、多少の隙間(例えば、0.2mm以下の隙間)があっても問題ない。
基板支持部材21は、合成樹脂により、Y軸方向に長尺状に一体形成された支持部材である。基板支持部材21のY軸方向に直交する断面形状(X−Z平面内における断面形状)は直角3角形状であり、斜辺は他の2辺に対して略45度に傾斜している。基板支持部材21のY軸方向の長さは1つの磁石固定部材14のY軸方向の長さを貫通孔14aの数で除算した長さにほぼ等しく、複数(本実施形態では1つの磁石固定部材14の貫通孔14aの数の2倍である14個)の基板支持部材21が用意されている。そして、複数の基板支持部材21は、磁石12の上面及び磁石固定部材14の磁石12側の上面であって、磁石固定部材14の貫通孔14aのY軸方向位置に、長尺方向をY軸方向として1列に配置されて、それらの底面にて固定されている。したがって、基板支持部材21の斜面は、X−Y平面に対して、すなわち磁石12,13の上面に対して略45度の角度をなす。なお、この基板支持部材21の斜面及び基板22の上面のX−Y平面すなわち磁石12,13の上面に対する角度は、略45度でなくても、10乃至65度の範囲内の角度であればよい。
基板22は、非磁性体材料で平板状に基板支持部材21の斜面とほぼ同じ大きさに形成されていて、基板支持部材21の斜面に裏面にてそれぞれ固着されている。なお、この基板22の数は、基板支持部材21の数に等しい。基板22は少なくともその上面を平面としており、その上面はX−Y平面に対して略45度の角度をなす。強磁性体薄膜磁気抵抗素子23,24は、強磁性体磁気抵抗材により基板22の上面に、スパッタリングなどにより薄膜に形成された磁気抵抗素子(例えば、AMR素子)である。なお、以下の説明では、簡単化のために、強磁性体薄膜磁気抵抗素子23,24を単に磁気抵抗素子23,24という。磁気抵抗素子23,24は、ほぼY軸方向に直線的に延設された線状部分を有し、線状部分を互いに対向させてY軸方向に平行に基板22の上面に形成されている。これらの磁気抵抗素子23,24は、基板22の上面内におけるY軸方向と直行する平面内の磁界(磁力)の強さに従って、延設方向(Y軸方向)の両端間の抵抗値を変化させる。
前記説明においては、磁気抵抗素子23,24はほぼY軸方向に直線的に延設された線状部分を有していると説明したが、磁気抵抗素子23,24の延設方向、すなわち磁気抵抗素子23,24の線状部分は、基板22の上面(平面)内においてY軸方向に対して所定角度だけ傾けて設けられている。この所定角度は、例えば、1度乃至45度の範囲内にある。
この点について具体的に説明すると、図3(A)に示すように、磁気抵抗素子23,24は、例えばほぼY軸方向に延設された線状部分を分割した2つの分割線状部分23a,23b,24a,24bを有し、分割線状部分23a,23b,24a,24bは基板22の上面内にてY軸方向に対して傾けて設けられている。本実施形態では、分割線状部分23a,23bは図示右端が高くなり、分割線状部分24a,24bは図示右端が低くなるようにしているが、これらの傾き方向は分割線状部分23a,23bが同一であり、かつ分割線状部分24a,24bが同一であれば、どちらの方向でもよい。そして、分割線状部分23a,24aの各一端は導体26a,26bを介して基板22に設けた端子27a,27bにそれぞれ接続されている。分割線状部分23aの他端は分割線状部分23bの一端に導体26dを介して接続され、分割線状部分24aの他端は分割線状部分24bの一端に導体26eを介して接続され、分割線状部分23b,24bの各他端は導体26fを介して接続されており、分割線状部分23a,23bからなる磁気抵抗素子23と分割線状部分24a,24bからなる磁気抵抗素子24とが直列に接続されている。そして、磁気抵抗素子23,24の接続点すなわち分割線状部分23b,24bの接続点が導体26cを介して端子27cに接続されている。導体26a〜26fは、基板22の上面上に、導電性材料(非磁性材料)をスパッタリングなどにより形成されている。端子27a,27bは直列に接続された磁気抵抗素子23,24間に電圧(+Vb,GND)を付与するための端子であり、端子27cは磁気抵抗素子23,24間の電圧を出力電圧Voutとして取り出すための端子である。なお、2つの磁気抵抗素子23,24(分割線状部分23a,23b,24a,24b)及び導体26a〜26fが本発明の1つの磁気センサを構成する。
なお、本実施形態では、磁気抵抗素子23,24の線状部分をそれぞれ2つに分割したが、3つ以上にそれぞれ分割するようにしてもよい。ただし、この場合も、磁気抵抗素子23の線状部分を分割した複数の分割線状部分及び磁気抵抗素子24の線状部分を分割した複数の分割線状部分は、それぞれ同一方向に傾くようにする。また、図3(B)に示すように、磁気抵抗素子23,24の線状部分を分割することなく、基板22の上面におけるY軸方向に対して傾けた一本の線状部分でそれぞれ構成するようにしてもよい。この場合には、磁気抵抗素子23,24の線状部分の各一端は前記場合と同様な導体26a,26bを介して基板22に設けた端子27a,27bにそれぞれ接続されている。磁気抵抗素子23,24の線状部分の各他端は導体26fにより接続されて磁気抵抗素子23,24が直列に接続されて、磁気抵抗素子23,24の接続点が導体26cを介して基板22に設けた端子27cに接続されている。なお、この場合には、2つの磁気抵抗素子23,24及び導体26a〜26c,26fが本発明の1つの磁気センサを構成する。
さらに、図3(C)に示すように、磁気抵抗素子23,24をY軸方向に延設した延設部分を折り返して2本の線状部分を有するように構成してもよい。この場合、磁気抵抗素子23は一対の線状部分23A,23Bからなり、線状部分23Aは前記場合と同様な分割線状部分23a,23bからなり、分割線状部分23Bは分割線状部分23c,23dからなる。分割線状部分23c,23dは、基板22の上面において、分割線状部分23a,23bと対向させて、Y軸方向と直交する方向に分割線状部分23a,23bと平行に設けられている。磁気抵抗素子24は一対の線状部分24A,24Bからなり、線状部分24Aは前記場合と同様な分割線状部分24a,24bからなり、分割線状部分24Bは分割線状部分24c,24dからなる。分割線状部分24c,24dは、基板22の上面において、分割線状部分24a,24bと対向させて、Y軸方向と直交する方向に分割線状部分24a,24bと平行に設けられている。
分割線状部分23cの他端は分割線状部分23dの一端に導体26gを介して接続され、分割線状部分23b,23dの各他端は導体26hを介して接続されて、分割線状部分23a,23bと分割線状部分23c,23dとが折り返して直列に接続されている。分割線状部分24cの他端は分割線状部分24dの一端に導体26iを介して接続され、分割線状部分24b,24dの各他端は導体26jを介して接続されて、分割線状部分24a,24bと分割線状部分24c,24dとが折り返して直列に接続されている。そして、この場合には、磁気抵抗素子23の分割線状部分23a及び磁気抵抗素子24の分割線状部分24aの各一端は前記場合と同様な導体26a,26bを介して基板22に設けた端子27a,27bにそれぞれ接続されている。磁気抵抗素子23の分割線状部分23c及び磁気抵抗素子24の分割線状部分24cの各一端が導体26kにより接続されて磁気抵抗素子23,24が直列に接続され、磁気抵抗素子23,24の接続点が導体26cを介して基板22に設けた端子27cに接続されている。なお、この場合には、2つの磁気抵抗素子23,24(線状部分23A,23B,24A,24B)及び導体26a〜26e,26g〜26kが本発明の1つの磁気センサを構成する。
次に、磁気抵抗素子23,24の延設方向(磁気抵抗素子23,24の線状部分)を基板22の上面(平面)内においてY軸方向に対して所定角度だけ傾けた理由について説明しておく。磁気抵抗素子23,24すなわちAMRからなる強磁性体薄膜磁気抵抗素子の磁界による抵抗を安定して変化させるために、磁気抵抗素子23,24の長手方向にすなわち磁化容易軸方向に一定方向の磁力を与える必要がある。言い換えれば、磁気抵抗素子23,24をY軸方向に延設させた場合、磁石12,13による磁力線は基本的にはX−Z平面内を通りものであり、磁気抵抗素子23,24内には磁力は発生せず、磁気抵抗素子23,24の動作が安定しない。そこで、本実施形態では、磁気抵抗素子23,24の延設方向を基板22の上面においてY軸方向に対して所定角度だけ傾けることにより、磁気抵抗素子23,24の動作を安定させるようにしている。
この点について、前記図3(A)のように構成した磁気抵抗素子23,24を備えた基板22を用いて説明すると、基板22を図1に示すように基板支持部材21に組付けた状態では、図4(A)に示すように、基板22の上面は、磁石12,13の上面すなわちX−Y平面に対して略45度(10乃至65度の範囲内の角度)だけ傾く。これにより、図4(B)に示すように、磁石12,13の上面から磁気抵抗素子23,24の分割線状部分23a,23b,24a,24bの各両端までの距離(Z軸方向の距離)には、差が生じる。そのため、磁石12,13の上面に近い側の分割線状部分23a,23b,24a,24bの各端部が受ける磁力Hzaは、磁石12,13の上面に遠い側の分割線状部分23a,23b,24a,24bの各端部が受ける磁力Hzbに比べて大きくなる(Hza>Hzb)。この磁力Hza,Hzbの差Hza−Hzbは、磁気抵抗素子23,24の分割線状部分23a,23b,24a,24b内に図示矢印方向に磁束を発生させる。そして、この磁力差Hza−Hzbをある程度大きくすれば、磁気抵抗素子23,24は安定化する。したがって、前記磁気抵抗素子23,24の分割線状部分23a,23b,24a,24bをY軸方向に傾ける角度は、この安定化を実現するために設定される角度である。なお、この点に関しては、磁気抵抗素子23,24の前述した各種変形においても同様である。
フレキシブルプリント基板25は、電気回路部品を配置した細長いフレキシブルな電気配線用のプリント基板であり、基板支持部材21及び基板22と同じ数(本実施形態では、14個)だけ用意されて、基板22に電気的に接続されるとともに固着されている。このような基板支持部材21、基板22及びフレキシブルプリント基板25の組み付けにおいては、図2(B)に示すように、基板支持部材21に基板22を固定するとともに、フレキシブルプリント基板25を基板22に固定する。なお、磁気抵抗素子23,24及び導体26a〜26fは、スパッタリングなどにより基板22上に予め形成されている。そして、このように組み付けた基板支持部材21、基板22及びフレキシブルプリント基板25を、基板支持部材21の底面を磁石12の上面及び磁石固定部材14の磁石12側の上面に固着した後、フレキシブルプリント基板25の下端部を磁石固定部材14の貫通孔14a及びケース11の貫通孔11aを上方から下方に貫通させる(図2(C)の状態)。その後、カバー15をケース11に上方から被せる(図2(Dの状態)。カバー15は、弾性力によりケース11に固定される。
フレキシブルプリント基板25上には、電気配線が施されており、磁気抵抗素子23,24のハーブリッジ回路を含む電気回路が構成されている。この電気回路は、図5に示すように、複数の基板22の端子27aには直流電圧Vbが印加され、端子27bは接地(GND)され、端子27cには増幅器31が接続されている。これにより、直列に接続された磁気抵抗素子23,24間には直流電圧Vbが付与され、磁気抵抗素子23,24の接続点の出力電圧Voutが増幅器31を介して出力される。なお、これらの回路を、フレキシブルプリント基板25ではなく、フレキシブルプリント基板25に接続された回路装置に設けるようにしてもよい。
次に、磁石12,13と磁気抵抗素子23,24の配置関係について詳述する。磁石12から磁石13に向かう磁力線は、検証物OB(磁性体MS)が存在しない状態で、図6(A)(B)にて矢印で示すように、X−Z平面内にて楕円状となる。そして、この磁力線の経路には検証物OBの移動方向Lを含む平面が存在し、前記平面と磁石12の間には基板22上の磁気抵抗素子23,24が位置する。この場合、X−Z平面内において、磁気抵抗素子23と磁気抵抗素子24を結ぶ直線上の磁気抵抗素子23と磁気抵抗素子24との間の中央位置Po(磁気抵抗素子23と磁気抵抗素子24までの距離が等しい位置)における磁力線が磁気抵抗素子23,24が含まれる平面、すなわち基板22の上面に対して垂直となるように、磁石12,13と、磁気抵抗素子23,24を形成した基板22とが配置される。したがって、X−Z平面内において、磁気抵抗素子23を通る磁力線(磁力線ベクトルH1)の向きと、磁気抵抗素子24を通る磁力線(磁力線ベクトルH2)の向きは、中央位置Poを通る磁力線(磁力線ベクトルHo)に対してほぼ対称に外側方向に傾いたものとなる。言い換えれば、磁力線ベクトルH1,H2は、Y軸方向に平行かつ基板22の上面と直交する平面に対して反対方向に傾斜することになる。なお、磁気抵抗素子23,24間の距離は小さいので、磁力線ベクトルH1,H2の大きさはほぼ等しい。
さらに、これらの磁力線ベクトルH1,H2を基板22の上面に対して平行な水平成分H1x,H2xと垂直な垂直成分H1y,H2yに分けると、水平成分H1x,H2xは互いに反対方向であると同時に、その大きさはほぼ等しい。垂直成分H1y,H2yは、方向が等しくかつその大きさもほぼ等しい。
ここで、磁気抵抗素子23,24を構成する強磁性薄膜磁気抵抗素子(異方性磁気抵抗素子)の磁界に対する抵抗値の変化特性について説明しておく。強磁性体薄膜磁気抵抗素子の延設方向の両端間の抵抗値は、図7に示すように、薄膜が存在する平面内において強磁性体薄膜磁気抵抗素子の延設方向と直交する方向の磁界の強さが「0」であるとき最大で、その磁界の強さの絶対値が大きくなるに従って小さくなり、その磁界の強さが飽和磁界に達するとほぼ一定となる。このことは、本実施形態では、水平成分H1x,H2xが「0」であるとき最大となり、水平成分H1x,H2xが大きくなるに従って徐々に小さくなり、水平成分H1x,H2xがさらに磁界の強さが大きくなって飽和磁界に達するとほぼ一定となる。
したがって、検証物OB(磁性体MS)の通過により、磁気抵抗素子23,24の抵抗値が、飽和することなく、それぞれ最大に変化するように、磁石12,13により磁気抵抗素子23,24に対してバイアス磁界を付与することが好ましい。そのため、検証物OB(磁性体MS)が存在しない状態で、磁気抵抗素子23,24の抵抗値が磁界の変化による磁気抵抗素子23,24の最大抵抗値と飽和磁界時の抵抗値との平均値(中央値)になるような水平成分H1x,H2xをバイアス磁界として設定する。この場合、前述のように、検証物OB(磁性体MS)が存在しない状態では、水平成分H1x,H2xは互いに反対方向であると同時に、その大きさはほぼ等しいので、図7に示すように、水平成分H1x,H2xがバイアス磁界+Hb,−Hbになるように、磁石12,13の磁界の強さ、磁石12,13と磁気抵抗素子23,24との距離などを設定する。なお、図7においては、バイアス磁界+Hb,−Hbが水平成分H1x,H2xとして磁気抵抗素子23,24に付与された状態における磁気抵抗素子23,24の抵抗値を基準抵抗値Rbとして示している。この基準抵抗値Rbが、前記磁界の変化による磁気抵抗素子23,24の最大抵抗値と飽和磁界時の抵抗値との平均値にほぼ等しい。
このようにバイアス磁界+Hbが磁気抵抗素子23に付与された状態では、磁気抵抗素子23の抵抗値は、バイアス磁界+Hbを中心に、水平成分H1xの絶対値|H1x|の増加(図6(B)の右上方向に対応した正方向への増加)に従って基準抵抗値Rbから徐々に小さくなくなり、水平成分H1xの絶対値|H1x|の減少(図6(B)の右上方向に対応した正方向への減少)に従って基準抵抗値Rbから徐々に大きくなる。磁気抵抗素子24の抵抗値は、バイアス磁界−Hbを中心に、水平成分H2xの絶対値|H2x|の増加(図6(B)の左下方向に対応した負方向への増加)に従って基準抵抗値Rbから徐々に小さくなり、水平成分H2xの絶対値|H2x|の減少(図6(B)の左下方向に対応した負方向への減少)に従って基準抵抗値Rbから徐々に大きくなる。なお、後述するように、本実施形態においては、磁性体MSの移動による磁界の変化に対して、磁気抵抗素子23を通る磁界の水平成分H1xが負になったり、磁気抵抗素子24を通る磁界の水平成分H2xが正になったりすることはない。
次に、上記のように構成した第1実施形態に係る磁性体検出装置の動作を説明する。図1に示すように、磁性体MSを有する検証物OBを磁性体検出装置の上方にて移動方向Lに移動させる。なお、磁性体MSは、検証物OBのY軸方向に細長く延設されている。磁性体MSが磁気抵抗素子23,24から遠い状態では、磁気抵抗素子23,24を通過する磁石12,13を通る磁界は磁性体MSの影響を受けないので、磁気抵抗素子23,24における磁力線ベクトルH1,H2の水平成分H1x,H2xはバイアス磁界+Hb,−Hbに保たれており、磁気抵抗素子23,24の両端間の抵抗値はともに基準抵抗値Rbに保たれる。磁性体MSが磁気抵抗素子23,24に近づくと、磁気抵抗素子23,24を通過する磁石12,13による磁界は磁性体MSの影響を受け始めて、磁気抵抗素子23,24における磁力線ベクトルH1,H2の水平成分H1x,H2xが変化して、磁気抵抗素子23,24の両端間の抵抗値がそれぞれ変化し始める。
まず、磁気抵抗素子23の抵抗値の変化について説明すると、図8に示すように、磁性体MSが磁気抵抗素子23の近くにある状態において、磁力線ベクトルH1が磁性体MSが存在しない状態と同じ方向にある位置Aoに磁気抵抗素子23が位置するときには、磁気抵抗素子23を通過する磁力線ベクトルH1の水平成分H1xはバイアス磁界Hbであり、磁気抵抗素子23の抵抗は基準抵抗値Rbである。一方、磁性体MSが前記Ao位置から移動方向Lの右側に移動すると、磁力線は磁性体MSによって図示右方向に引っ張られて、磁気抵抗素子23を通過する磁力線ベクトルH1の水平成分H1xはバイアス磁界Hbよりも大きくなり、磁気抵抗素子23の抵抗値は基準抵抗値Rbより徐々に小さくなる。そして、水平成分H1xが最大になって磁気抵抗素子23の抵抗値が最小になる磁気抵抗素子23の位置がA1位置である。しかし、磁性体MSがA1位置からさらに右方向側に位置すると、磁力線は磁性体MSによってさらに右側に引っ張られて、磁気抵抗素子23を通過する磁力線が減少して、水平成分H1xが減少し始めて磁気抵抗素子23の抵抗値は徐々に増加して基準抵抗値Rbに等しくなっていく。そして、磁性体MSがさらに右方向側に位置して、磁性体MSの磁界への影響がなくなると、磁気抵抗素子23を通過する磁力線ベクトルH1の水平成分H1xはバイアス磁界+Hbに戻り、磁気抵抗素子23の抵抗値は基準抵抗値Rbに戻る。
一方、磁気抵抗素子23が位置Aoよりも左側近傍にある状態では、磁性体MSによる磁力線の引張りによって、磁気抵抗素子23を通過する磁力線ベクトルH1は左側に傾き、水平成分Hx1はバイアス磁界+Hbよりも小さくなり、磁気抵抗素子23の抵抗値は基準抵抗値Rbよりも大きくなる。しかし、この場合には、磁性体MSは位置Aoよりも右側に位置するときに比べて磁気抵抗素子23から離れた位置にあるので、磁気抵抗素子23の抵抗値の変化は小さい。磁性体MSがさらに左方向側に位置すると、磁力線ベクトルH1は磁性体MSが存在しない場合に近づいていき、水平成分H1xが増加し始め、磁気抵抗素子23の抵抗値は徐々に減少して基準抵抗値Rbに等しくなっていく。そして、磁性体MSがさらに左方向側に位置して、磁性体MSの磁界への影響がなくなると、磁気抵抗素子23を通過する磁力線ベクトルH1の水平成分H1xはバイアス磁界+Hbに戻り、磁気抵抗素子23の抵抗値は基準抵抗値Rbに戻る。磁性体MSの移動方向Lの位置に応じて、磁気抵抗素子23の抵抗値は図8の実線グラフのように変化する。
また、磁気抵抗素子24に関しても、磁力線ベクトルH2が磁性体MSが存在しない状態と同じ方向にある位置A3に磁気抵抗素子24が位置するときには、磁気抵抗素子24を通過する磁力線ベクトルH2の水平成分H2xはバイアス磁界−Hbであり、磁気抵抗素子24の抵抗は基準抵抗値Rbである。この場合、磁力線ベクトルH2は、磁気抵抗素子23,24間の中央位置を通る基板22の上面に垂直な磁力線ベクトルHoを中心にして、磁力線ベクトルH1と対称関係にあり、磁力線ベクトルH2の水平成分H2xは前記水平成分H1xと正負逆方向であってバイアス磁界−Hbになるように設定されている。したがって、磁性体MSの移動方向Lの位置に応じて、磁気抵抗素子24の抵抗値は、磁気抵抗素子23の抵抗値の変化を基準抵抗値Rbに対して反転した図8の破線グラフのように変化する。なお、位置Aoと位置A3の違いは磁気抵抗素子23,24の基板22の上面上の位置のずれのために生じるずれであり、磁気抵抗素子23,24間の距離は小さいので、前記位置Ao,A3間の距離も短い。
このように、磁性体MSを有する検証物OBの移動方向Lへの移動により、磁気抵抗素子23,24の抵抗値は図8のグラフに示すように変化する。一方、磁気抵抗素子23,24は、図5の電気回路図に示すように、直列に接続されて、その両端に直流電圧(+Vb,GND)が印加されている。そして、磁気抵抗素子23,24の接続点の電圧が増幅器31を介して出力電圧Voutとして出力される。したがって、出力電圧Voutは、磁気抵抗素子23,24の抵抗値の変化の差分(図8の実線グラフと破線グラフの差分)に対応した電圧となる。その結果、出力電圧Voutとしては、磁気抵抗素子23(又は磁気抵抗素子24)の抵抗値の変化を2倍したものとなる。なお、前記説明では、磁気抵抗素子23,24からなる1つの磁気センサに関してのみ説明したが、複数組の磁気抵抗素子23,24からなる複数の磁気センサについても増幅器31から前記出力電圧Voutがそれぞれ出力されることは同じである。その結果、検証物OBのY軸方向に延設された磁性体MSの存在を出力電圧Voutから検出できるようになる。
上記のように構成するとともに動作する磁性体検出装置においては、2つの磁石12,13を長尺状に形成してY軸方向に平行に配置して、Z軸方向に反対方向に磁化するようにした。これにより、磁石12,13間の磁力線はX−Z平面内にて楕円状に発生され、磁石12,13の形状、特に磁極面部分の形状に多少の誤差があっても、磁力線の方向は安定して、磁気抵抗素子23,24を通過する磁力線は常に一定方向となる。その結果、磁気抵抗素子23,24に付与されるバイアス磁界+Hb,−Hbが変動することなく安定化し、磁性体MSの移動による磁気抵抗素子23,24の抵抗値の変化を安定化させることができ、磁性体MSを高精度で検出できるようになる。また、磁石12,13間の距離を調整することにより、磁力性の軌跡の形状を種々に変更することができ、磁気抵抗素子23,24に対するバイアス磁界+Hb,−Hbの設定が簡単になる。
さらに、2つの磁石12,13を設けることにより、Y軸方向の磁力とX−Z平面内の磁力をY軸方向に沿って安定化させることも分かった。図9(A)(B)は、2つの磁石12,13を設けた場合におけるY軸方向の磁力とX−Z平面内の磁力の変化をY軸方向に沿って実線で表し、従来技術で説明したように1つの磁石だけ設けた場合におけるY軸方向の磁力とX−Z平面内の磁力の変化をY軸方向に沿って破線で表すグラフである。この図9(A)(B)のグラフによれば、1つの磁石だけを設けた場合に比べて、2つの磁石12,13を設けた場合には、Y軸方向に沿ったY軸方向の磁力とX−Z平面内の磁力がY軸方向の広い範囲で安定していることが分かる。その結果、上記第1実施形態のように、2つの磁石12,13を具備することにより、長尺状の磁石12,13の延設方向に沿って広い範囲に渡って磁気抵抗素子23,24の抵抗値の変化すなわち磁性体MSの存在を精度よく検出できるようになる。
また、上記第1実施形態においては、磁気抵抗素子23,24又は磁気抵抗素子23,24の分割線状部分23a〜23d,24a〜24dの延設方向を、基板22の上面上においてY軸方向から傾けて配置した。これにより、磁気抵抗素子23,24又は磁気抵抗素子23,24の分割線状部分23a〜23d,24a〜24dの両端における磁石12,13による磁力線のZ軸方向成分Hza,Hzbの差により、磁気抵抗素子23,24又は磁気抵抗素子23,24の分割線状部分23a〜23d,24a〜24d内に延設方向に沿った一定方向の磁束線を発生させて、磁気抵抗素子23,24の抵抗の変化を安定化させることができる。その結果、磁性体検出装置による磁性体MSの検出精度を高めることができる。
また、上記第1実施形態においては、ケース11は、磁性体材料(軟磁性体であるステンレス)で構成され、磁石12,13の磁気抵抗素子23,24の反対側の磁極面を覆っている。これにより、磁石12,13による磁気抵抗素子23,24側の磁力線の分布を、外部磁界による影響を受けずに安定化させることができ、磁性体検出装置による磁性体MSの検出精度を高めることができる。
また、上記第1実施形態においては、X−Y平面に対して傾けた配置した基板22の上面にて長尺状の磁気抵抗素子23,24を互いに対向させて平行に配置し、磁石12,13による磁力線が磁気抵抗素子23,24間の中央位置にて、基板22の上面に対して垂直に通過するように構成した。これにより、基板22の上面の平面内における磁気抵抗素子23,24の延設方向に直交する方向に付与されるバイアス磁界がほぼ反対方向であって同じ大きさになり、磁性体MSのX軸方向への移動による磁気抵抗素子23,24の抵抗値の変化を正負反対方向にほぼ対称に変化させるようにでき、磁気抵抗素子23,24の抵抗値の変化を利用し易くすることができる。そして、1つの磁気センサを構成する磁気抵抗素子23,24をハーフブリッジ接続して出力電圧Voutを取り出すようにしたので、1つの磁気抵抗素子を用いる場合に比べて、出力電圧Voutの変化を大きくすることができる。
上記第1実施形態では、前述のように、1つの磁気センサを構成する磁気抵抗素子23,24をハーフブリッジ接続して出力電圧Voutを取り出すようにした。しかし、これに代えて、1つの磁気センサを4つの磁気抵抗素子23−1,23−2,24−1,24−2で構成して、これらの磁気抵抗素子23−1,23−2,24−1,24−2をフルブリッジ接続して出力電圧Voutを取出すようにしてもよい。この場合、図10(A)に示すように、1つの基板22の上面に、磁気抵抗素子23−1,23−2,24−1,24−2が設けられている。磁気抵抗素子23−1,24−1は上記磁気抵抗素子23,24と同様に形成され、基板上の導体に関しても上記磁気抵抗素子23,24の場合と同じである。そして、端子に関しては、端子27a−1,27b−1,27c−1が上記端子27a,27b、27cにそれぞれ対応する。また、磁気抵抗素子23−2,24−2、端子27a−2,27b−2,27c−2及びこれらを接続する導体は、磁気抵抗素子23−1,24−1、端子27a−1,27b−1,27c−1及びこれらを接続する導体と同様に構成されてY軸方向に対称に設けられ、すなわち磁気抵抗素子23−2,24−2は基板22の上面において、磁気抵抗素子23−1,24−1をそれぞれY軸方向に延長した位置にて、基板22の上面上にY軸方向にほぼ沿って延設されるとともに互いに対向して配置されている。なお、磁気抵抗素子23−1,24−1、端子27a−1,27b−1,27c−1及びこれらを接続する導体と、磁気抵抗素子23−2,24−2、端子27a−2,27b−2,27c−2及びこれらを接続する導体とを独立した基板22にそれぞれ設けるようにしてもよい。
そして、フレキシブルプリント基板25上にて、端子27a−1,27b−1,27c−1及び端子27a−2,27b−2,27c−2は次のように電気的に接続されている。端子27c−1に直流電圧Vbが印加され、端子27c−2は接地されている(GND)。そして、端子27a−1と端子27b−2とが接続されて、その接続点が増幅器32の非反転入力に接続されている。端子27b−1と端子27a−2とが接続されて、その接続点が増幅器32の反転入力に接続されている。これにより、磁気抵抗素子23−1,24−2が直列に接続されるとともに、その両端に電圧Vb−GNDが印加されて、磁気抵抗素子23−1,24−2の接続点の電圧が増幅器32の非反転入力に供給される。また、磁気抵抗素子24−1,23−2が直列に接続されるとともに、その両端に電圧Vb−GNDが印加されて、磁気抵抗素子24−1,23−2の接続点の電圧が増幅器32の反転入力に供給される。増幅器32は、非反転入力と反転入力の差電圧を出力電圧Voutとして出力する。
このような接続はフルブリッジ回路を構成するもので、磁性体MSの移動に伴い、磁気抵抗素子23−1,24−2の抵抗値は正負反対に変化するとともに、磁気抵抗素子23−2,24−1の抵抗値は正負反対に変化し、磁気抵抗素子23−1と磁気抵抗素子24−2の接続点の電圧と、磁気抵抗素子24−1と磁気抵抗素子23−2の接続点の電圧も正負反対方向に変化する。そして、前記両接続点の電圧が増幅器31の非反転入力と反転入力に供給されて増幅器31は前記両接続点の電圧差を出力するので、増幅器31は実質的には前記両接続点の電圧変化を加算合成した出力電圧Voutを出力する。その結果、上述したハーフブリッジ接続の場合よりも、2倍大きな出力電圧Voutを得ることができる。
また、増幅器32が前記両接続点の電圧差を出力することにより、磁気抵抗素子23−1,23−2の抵抗値の変化をもたらす水平成分H1x及び磁気抵抗素子24−1,24−2の抵抗値の変化をもたらす水平成分H2xにそれぞれノイズが含まれていても、これらのノイズがもたらす抵抗値変化が互いに相殺されて、出力電圧VoutのS/N比が向上する。
さらに、前記図10(A)のフルブリッジ接続に代えて、磁気抵抗素子23−1,23−2,24−1,24−2及び増幅器32を図10(B)のようにフルブリッジ接続してもよい。すなわち、端子27b−1,27a−2に直流電圧Vbが印加され、端子27a−1,27b−2は接地されている(GND)。そして、端子27c−1が増幅器32の反転入力に接続され、端子27c−2が増幅器32の非反転入力に接続されている。これにより、磁気抵抗素子24−1,23−1が直列に接続されるとともに、その両端に電圧Vb−GNDが印加されて、磁気抵抗素子24−1,23−1の接続点の電圧が増幅器32の反転入力に供給される。また、磁気抵抗素子23−2,24−2が直列に接続されるとともに、その両端に電圧Vb−GNDが印加されて、磁気抵抗素子23−1,24−2の接続点の電圧が増幅器32の非反転入力に供給される。増幅器32は、非反転入力と反転入力の差電圧を出力電圧Voutとして出力する。
このような接続もフルブリッジ回路を構成するもので、磁性体MSの移動に伴い、磁気抵抗素子23−2,24−2の抵抗値は正負反対に変化するとともに、磁気抵抗素子24−1,23−1の抵抗値は正負反対に変化し、磁気抵抗素子23−2と磁気抵抗素子24−2の接続点の電圧と、磁気抵抗素子24−1と磁気抵抗素子23−1の接続点の電圧も正負反対方向に変化する。そして、前記両接続点の電圧が増幅器31の非反転入力と反転入力に供給されて増幅器31は前記両接続点の電圧差を出力するので、この場合も、増幅器31は実質的には前記両接続点の電圧変化を加算合成した出力電圧Voutを出力し、前述の場合と同様に、上述したハーフブリッジ接続の場合よりも、2倍大きな出力電圧Voutを得ることができる。
また、この場合も、増幅器32が前記両接続点の電圧差を出力することにより、磁気抵抗素子23−1,23−2の抵抗値の変化をもたらす水平成分H1x及び磁気抵抗素子24−1,24−2の抵抗値の変化をもたらす水平成分H2xにそれぞれノイズが含まれていても、これらのノイズは互いに相殺されて、出力電圧VoutのS/N比が向上する。
さらに、1つの磁気センサを複数の磁気抵抗素子23,24(又は23−1,23−2,24−1,24−2)で構成しなくても、1つの磁気抵抗素子のみで構成するようにしてもよい。この場合、図11に示すように、基板22の上面に磁気抵抗素子23のみを設け、端子27cに直流電圧+Vbを印加する。磁気抵抗素子23、導体及び端子27a,27cは上記第1実施形態の場合と同様に構成されている。そして、端子27aをフレキシブルプリント基板25上に設けた固定抵抗33の一端に接続し、固定抵抗33の他端を接地する(GND)。そして、磁気抵抗素子23と固定抵抗33の接続点を増幅器31に入力し、増幅器31から出力電圧Voutを取り出すようにする。
このように構成しても、磁性体MSの移動に伴う、磁気抵抗素子23の抵抗値の変化に応じて変化する出力電圧Voutを取出すことができるので、検証物OBに含まれる磁性体MSを検出することは可能である。ただし、この場合の出力電圧Voutは、上記第1実施形態の場合の1/2程度である。
なお、上記第1実施形態の変形例である図10(A)(B)及び図11の磁気抵抗素子23,24,23−1,23−2,24−1,24−2を、上記図3(A)(B)を用いて説明したように、3つ以上の線状部分をそれぞれ有するように分割したり、一本の線状部分でそれぞれ構成したりするようにしてもよい。また、図3(C)を用いて説明したように、磁気抵抗素子23,24,23−1,23−2,24−1,24−2をY軸方向の延設した延設部分を折り返して2本以上の線状部分を有するように構成してもよい。
b.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について図12を用いて説明する。この第2実施形態においては、磁性体検出装置は、上記第1実施形態で説明した磁性体検出装置による磁性体MSの検出の前に、検証物OBに含まれる磁性体MSを所定の状態に磁化するための磁化器40を備えている。これは、検証物OBに含まれる磁性体MSが軟磁性体で構成されていれば、上記第1実施形態による磁性体検出装置によって精度よく磁性体MSの存在を確認できるが、磁性体MSが硬磁性体で構成されている場合には、磁性体MSが予め磁化されていたり、上記第1実施形態のような磁性体検出装置により磁化されてしまったり、外部磁界によって磁化されてしまったりする場合がある。そして、このように硬磁性体で構成した磁性体MSが磁化されていると、上述した磁石12,13による磁力線が磁性体MS自体の磁力により影響を受け、上述した磁力線ベクトルH1,H2による磁気抵抗素子23,24の抵抗値の変化が均一にならず、前記抵抗値の変化すなわち磁性体MSの精度のよい検出が難しくなるためである。
磁化器40は、検証物OBの移動方向Lに対向して配置されており、永久磁石である磁石41を備えている。磁石41は、移動する検証物OBの平面に対して垂直方向に比較的強い磁力線を発生するもので、検証物OB側の面が例えばN極に磁化されているとともに、検証物OBの反対側の面がS極に磁化されている。なお、この磁化の方向は反対方向で、検証物OB側の面が例えばS極に磁化されているとともに、検証物OBの反対側の面がN極に磁化されていてもよい。磁石41は、ケース11と同様に磁性体材料(例えば、軟磁性体であるステンレス)により構成された収納ボックス42内に配置されている。収納ボックス42は、検証物OBに対向する面以外を覆うように形成されており、磁石41による磁力が磁石12,13による磁力線に影響を与えないようにしている。なお、磁石41が、影響を与えない程度に磁石12,13から離れていれば、収納ボックス42を設ける必要はない。他の構成は、上記第1実施形態で説明した磁性体検出装置と同じであるので、上記第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
このように構成した第2実施形態においては、検証物OBに含まれる硬磁性体で構成された磁性体MSが通過すると、磁性体MSが既に種々に磁化されていても、磁性体MSは磁化器40により常に同じ状態に磁化されて、磁石12,13及び磁気抵抗素子23,24の上方に移動する。この場合も、上記第1実施形態の場合と同様に、磁性体の通過により、磁石12,13による磁力線ベクトルH1,H2は影響を受けて、水平成分H1x、H2xは磁性体MSの通過により変化して、磁気抵抗素子23,24の抵抗値が変化する。この場合の磁気抵抗素子23,24の抵抗値の変化も、上記第1実施形態の場合と類似した変化であるが、磁性体MSから発生される磁力線によって水平成分H1x、H2xを含む磁力線ベクトルH1,H2が影響を受けるので、上記第1実施形態の場合とは若干異なる。
例えば、磁石41の下面側がN極に磁化されている場合には、検証物OBに含まれる磁性体MSは上面側がS極に磁化されるとともに下面側がN極に磁化される。したがって、図13(A)に示すように、磁性体MSが磁石12,13の間であって磁気抵抗素子23,24から比較的離れて位置する場合には、磁気抵抗素子23,24を通過する磁石12,13による磁力線はZ軸方向の上側に引っ張られる。そして、図13(B) に示すように、磁性体MSが磁石12,13の間であって磁気抵抗素子23,24の近傍に位置する場合には、磁気抵抗素子23,24を通過する磁石12,13による磁力線は反発してZ軸方向の下側に押しやられる。この結果、磁気抵抗素子23の抵抗値は図14の実線で示すように変化し、磁気抵抗素子24の抵抗値は図14の破線で示すように変化する。したがって、上記第1実施形態の出力電圧Voutとは異なる特性であるが、この第2実施形態においても、上記第1実施形態の場合と同様に、磁気抵抗素子23,24をハーフブリッジ接続して、ハーフブリッジ回路から出力される出力電圧Voutが安定するので、出力電圧Voutを用いて磁性体MSの存在を精度よく検出できる。また、硬磁性体で構成した磁性体MSが種々に磁化されていても、磁化器40による新たな磁化により、出力電圧Voutは常に同じになり、磁性体MSの存在を精度よく検出できる。
また、磁石41の下面側がS極に磁化されている場合には、検証物OBに含まれる磁性体MSは上面側がN極に磁化されるとともに下面側がS極に磁化される。したがって、この場合には、磁石12,13による磁力線は磁性体MSの通過により上記第1実施形態の場合よりも強く磁性体MS側に引っ張られる。そして、この場合には、磁性体MSの移動により、磁気抵抗素子23の抵抗値は図15の実線で示すように変化し、磁気抵抗素子24の抵抗値は図15の破線で示すように変化する。したがって、この場合も、上記第1実施形態の場合と同様に、磁気抵抗素子23,24をハーフブリッジ接続して、ハーフブリッジ回路から出力される出力電圧Voutが安定するので、出力電圧Voutを用いて磁性体MSの存在を精度よく検出できる。また、この場合も、硬磁性体で構成した磁性体MSが種々に磁化されていても、磁化器40による新たな磁化により、出力電圧Voutは常に同じになり、磁性体MSの存在を精度よく検出できる。
なお、前記説明では、磁性体MSが硬磁性体である場合について説明したが、この第2実施形態に係る磁性体検出装置を軟磁性体からなる磁性体MSの検出にも利用できる。磁性体MSが軟磁性体であれば、磁石41による磁性体MSの磁化は、磁性体MSが磁気抵抗素子23,24の近傍位置に移動するまでに解除される。そして、磁性体MSは磁気抵抗素子23,24の近傍で磁石12,13による磁界に対して上記実施形態の場合と同様に作用する。その結果、この場合にも、上記第1実施形態の場合と同様な出力電圧Voutが得られ、上記第1実施形態の場合と同様な磁性体MSの検出が実現される。
また、この第2実施形態では、磁石41を磁性体MSの通過路におけるZ軸方向の上側に設けるようにしたが、下側に設けるようにしてもよい。また、図16(A)に示すように、磁性体MSの通過路における下側にも、磁石43及び収納ボックス44を設けるようにしてもよい。この場合、上側の磁石41及び下側の磁石43の対向する磁極面を反対の磁極にするとよい。また、図16(B)に示すように、収納ボックス42内に磁石41に並べて磁石45を配置して、磁石41の磁性体MSの通路側の磁極面と磁石43の通路側の磁極面とを反対の磁極にするようにしてもよい。また、図16(C)に示すように、図16(B)に示す収納ボックス42内に磁石41,45に対向させて、磁性体MSの通路の下側にも収納ボックス44内に2つの磁石43,46を配置するようにしてもよい。
また、永久磁石である磁石41,43,45,46を用いた磁化器40に代えて、電磁石を用いた磁化器40を設けるようにしてもよい。これによれば、硬磁性体で構成された磁気抵抗素子23,24の抵抗値の検出においては、電磁石を作動させて磁性体MSを磁化して、磁気抵抗素子23,24の抵抗値の変化を検出するようにする。そして、軟磁性体で構成された磁気抵抗素子23,24の抵抗値の検出においては、電磁石を作動させずに磁性体MSを磁化しないで、磁気抵抗素子23,24の抵抗値の変化を検出するようにするとよい。
さらに、この第2実施形態に係る磁性体検出装置においても、上記第1実施形態の項で説明した各種変形は適用されるものである。
以上、本発明の第1及び第2実施形態について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形も可能である。
11…ケース、12,13…永久磁石、15…カバー、21…基板支持部材、22…基板、23,24,23−1,23−2,24−1,24−2…磁気抵抗素子(強磁性体薄膜磁気抵抗素子)、23A,23B…線状部分、23a〜23d,24a〜24d…分割線状部分、25…フレキシブルプリント基板、31,32…増幅器、33…固定抵抗、40…磁化器、41,43〜46…磁石、L…移動方向、MS…磁性体、OB…検証物

Claims (8)

  1. 第1方向に移動する検証物に含まれる磁性体を検出するための磁性体検出装置であって、
    前記第1方向と直交する第2方向にそれぞれ平行に延設され、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向に互いに反対方向に磁化された長尺状の第1磁石及び第2磁石と、
    前記第1磁石及び前記第2磁石の間の磁力線経路内に配置された基板の平面上に前記第2方向にほぼ沿って延設された線状部分を有するように形成されていて、前記基板の平面内における前記第2方向と直交する方向の磁界の変化に対して抵抗値を変化させる強磁性体薄膜磁気抵抗素子を有する磁気センサとを備え、
    前記第1磁石及び前記第2磁石により、前記強磁性体薄膜磁気抵抗素子の飽和磁界より小さな強さの磁界が、前記強磁性体薄膜磁気抵抗素子に対して前記基板の平面内の前記第2方向に直交する方向にバイアス磁界として付与されるようにしたことを特徴とする磁性体検出装置。
  2. 請求項1に記載した磁性体検出装置において、
    前記基板の平面を第1方向に対して傾けて配置し、かつ
    前記強磁性体薄膜磁気抵抗素子の線状部分を、前記基板の平面上にて前記基板の平面内の前記第2方向に対して所定角度だけ傾けて延設させたことを特徴とする磁性体検出装置。
  3. 請求項1又は2に記載した磁性体検出装置において、さらに、
    磁性体からなり、前記第1磁石及び前記第2磁石の前記磁気センサと反対側の磁極面を覆う被覆部材を設けたことを特徴とする磁性体検出装置。
  4. 請求項1乃至3のうちのいずれか一つに記載した磁性体検出装置において、
    前記磁気センサは、前記第2方向の同一位置において、前記基板の平面上に強磁性体薄膜磁気抵抗素子で形成されて線状部分を互いに対向させた第1磁気抵抗素子及び第2磁気抵抗素子を有し、
    前記第1磁石及び前記第2磁石による磁力線が前記第1磁気抵抗素子及び前記第2磁気抵抗素子間の中央位置にて前記基板の平面に対して垂直に通過して前記第1磁気抵抗素子及び前記第2磁気抵抗素子に対する前記方向のバイアス磁界がほぼ反対方向になるように、前記基板の平面を前記第1方向に対して所定角度だけ傾けて配置するようにしたことを特徴とする磁性体検出装置。
  5. 請求項4に記載した磁性体検出装置において、さらに、
    前記第1磁気抵抗素子と前記第2磁気抵抗素子を直列に接続し、両端に所定電圧を印加して前記第1磁気抵抗素子と前記第2磁気抵抗素子の接続点の電圧を取り出す電気回路を備えたことを特徴とする磁性体検出装置。
  6. 請求項4に記載した磁性体検出装置において、
    前記磁気センサは、さらに、前記基板の平面上において前記第1磁気抵抗素子及び前記第2磁気抵抗素子をそれぞれ前記第2方向に延長した位置にて、前記基板の平面上に前記第2方向にほぼ沿って延設されるとともに互い対向させた線状部分をそれぞれ有するように強磁性体薄膜磁気抵抗素子で形成されていて、前記基板の平面内における前記第2方向と直交する方向の磁界の変化に対して抵抗値を変化させる第3磁気抵抗素子及び第4磁気抵抗素子を有し、
    前記第1磁石及び前記第2磁石による磁力線が前記第3磁気抵抗素子及び前記第4磁気抵抗素子間の中央位置にて前記基板の平面に対して垂直に通過して前記第3磁気抵抗素子及び前記第4磁気抵抗素子に対する前記方向のバイアス磁界がほぼ反対方向になるとともに、前記第3磁気抵抗素子に対する前記方向のバイアス磁界が前記第1磁気抵抗素子に対する前記方向のバイアス磁界と同一方向になるように構成し、さらに、
    前記第1磁気抵抗素子の前記第3磁気抵抗素子側の端子と前記第4磁気抵抗素子の前記第2磁気抵抗素子側の端子を接続し、前記第2磁気抵抗素子の前記第4磁気抵抗素子側の端子と前記第3磁気抵抗素子の前記第1磁気抵抗素子側の端子を接続し、前記第1磁気抵抗素子の前記第3磁気抵抗素子と反対側の端子と前記第2磁気抵抗素子の前記第4磁気抵抗素子と反対側の端子を接続し、かつ前記第3磁気抵抗素子の前記第1磁気抵抗素子と反対側の端子と前記第4磁気抵抗素子の前記第2磁気抵抗素子と反対側の端子を接続し、前記第1磁気抵抗素子と前記第2磁気抵抗素子の接続点と、前記第3磁気抵抗素子と前記第4磁気抵抗素子の接続点との間に所定電圧を印加して、前記第1磁気抵抗素子と前記第4磁気抵抗素子の接続点の電圧と、前記第2磁気抵抗素子と前記第3磁気抵抗素子の接続点の電圧との差電圧を取り出す電気回路を備えたことを特徴とする磁性体検出装置。
  7. 請求項4に記載した磁性体検出装置において、
    前記磁気センサは、さらに、前記基板の平面上において前記第1磁気抵抗素子及び前記第2磁気抵抗素子をそれぞれ前記第2方向に延長した位置にて、前記基板の平面上に前記第2方向にほぼ沿って延設されるとともに互い対向させた線状部分をそれぞれ有するように強磁性体薄膜磁気抵抗素子で形成されていて、前記基板の平面内における前記第2方向と直交する方向の磁界の変化に対して抵抗値を変化させる第3磁気抵抗素子及び第4磁気抵抗素子を有し、
    前記第1磁石及び前記第2磁石による磁力線が前記第3磁気抵抗素子及び前記第4磁気抵抗素子間の中央位置にて前記基板の平面に対して垂直に通過して前記第3磁気抵抗素子及び前記第4磁気抵抗素子に対する前記方向のバイアス磁界がほぼ反対方向になるとともに、前記第3磁気抵抗素子に対する前記方向のバイアス磁界が前記第1磁気抵抗素子に対する前記方向のバイアス磁界と同一方向になるように構成し、さらに、
    前記第1磁気抵抗素子の前記第3磁気抵抗素子と反対側の端子と前記第2磁気抵抗素子の前記第4磁気抵抗素子と反対側の端子を接続し、前記第3磁気抵抗素子の前記第1磁気抵抗素子の反対側の端子と前記第4磁気抵抗素子の前記第2磁気抵抗素子と反対側の端子を接続し、前記第1磁気抵抗素子の前記第3磁気抵抗素子側の端子と前記第4磁気抵抗素子の前記第2磁気抵抗素子側の端子を接続し、かつ前記第2磁気抵抗素子の前記第4磁気抵抗素子側の端子と前記第3磁気抵抗素子の前記第1磁気抵抗素子側の端子を接続し、前記第1磁気抵抗素子と前記第4磁気抵抗素子の接続点と、前記第2磁気抵抗素子と前記第3磁気抵抗素子の接続点との間に所定電圧を印加して、前記第1磁気抵抗素子と前記第2磁気抵抗素子の接続点の電圧と、前記第3磁気抵抗素子と前記第4磁気抵抗素子の接続点の電圧との差電圧を取り出す電気回路を備えたことを特徴とする磁性体検出装置。
  8. 請求項1乃至7のうちのいずれか一つに記載した磁性体検出装置において、さらに、
    前記磁気センサから離れた位置に配置されて、前記磁気センサによる磁性体の検出前に、前記磁性体を磁化させる磁化器を設けたことを特徴とする磁性体検出装置。
JP2013064071A 2013-03-26 2013-03-26 磁性体検出装置 Active JP6034731B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013064071A JP6034731B2 (ja) 2013-03-26 2013-03-26 磁性体検出装置
CN201480016352.4A CN105190339B (zh) 2013-03-26 2014-03-18 磁性体检测装置
RU2015140665A RU2650092C2 (ru) 2013-03-26 2014-03-18 Устройство обнаружения магнитного материала
PCT/JP2014/057219 WO2014156793A1 (ja) 2013-03-26 2014-03-18 磁性体検出装置
US14/763,917 US9880235B2 (en) 2013-03-26 2014-03-18 Magnetic substance detection device
BR112015022969-7A BR112015022969B1 (pt) 2013-03-26 2014-03-18 Dispositivo de detecção de substância magnética

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013064071A JP6034731B2 (ja) 2013-03-26 2013-03-26 磁性体検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014190734A true JP2014190734A (ja) 2014-10-06
JP6034731B2 JP6034731B2 (ja) 2016-11-30

Family

ID=51623773

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013064071A Active JP6034731B2 (ja) 2013-03-26 2013-03-26 磁性体検出装置

Country Status (6)

Country Link
US (1) US9880235B2 (ja)
JP (1) JP6034731B2 (ja)
CN (1) CN105190339B (ja)
BR (1) BR112015022969B1 (ja)
RU (1) RU2650092C2 (ja)
WO (1) WO2014156793A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015007580A (ja) * 2013-06-25 2015-01-15 三菱電機株式会社 磁気センサ装置
CN104700492A (zh) * 2015-03-24 2015-06-10 苏州保瑟佳货币检测科技有限公司 一种有价证券的防伪检测方法及装置
JP2016206070A (ja) * 2015-04-24 2016-12-08 日本電産サンキョー株式会社 磁気センサ装置
JP2020016555A (ja) * 2018-07-26 2020-01-30 浜松光電株式会社 磁性体検出装置

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6619992B2 (ja) 2015-11-13 2019-12-11 グローリー株式会社 磁気検出装置
US10067201B2 (en) * 2016-04-14 2018-09-04 Texas Instruments Incorporated Wiring layout to reduce magnetic field
WO2018139123A1 (ja) * 2017-01-25 2018-08-02 三菱電機株式会社 筐体及び磁気センサ装置
US10352797B2 (en) 2017-10-10 2019-07-16 International Business Machines Corporation Tunable shock sensor with parallel dipole line trap system
JP7063307B2 (ja) * 2019-06-05 2022-05-09 Tdk株式会社 磁気センサおよび磁気センサシステム
JP6964830B2 (ja) * 2019-08-06 2021-11-10 三菱電機株式会社 磁気センサ装置
RU202681U1 (ru) * 2020-06-15 2021-03-02 Владимир Анатольевич Захаров Магнитный структуроскоп

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005030872A (ja) * 2003-07-10 2005-02-03 Toshiba Corp 磁性体量検出装置
JP2012255770A (ja) * 2011-05-16 2012-12-27 Mitsubishi Electric Corp 磁気センサ装置

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5187449U (ja) * 1975-01-08 1976-07-13
US4725776A (en) * 1984-01-25 1988-02-16 Matsushita Electric Industry Co., Ltd. Magnetic position detector using a thin film magnetoresistor element inclined relative to a moving object
US5450009A (en) 1990-12-28 1995-09-12 Kabushiki Kaisha Komatsu Seisakusho Magnetic sensor and structure of its mounting
JPH081505Y2 (ja) 1990-12-28 1996-01-17 株式会社小松製作所 磁気センサおよびその取付構造
JP3028380B2 (ja) * 1991-06-12 2000-04-04 グローリー工業株式会社 磁気質検出方法およびこれを用いた磁気質検出装置
JPH11311542A (ja) * 1998-04-28 1999-11-09 Yazaki Corp 磁気検出装置
JP4267271B2 (ja) * 2001-08-30 2009-05-27 株式会社東芝 磁性体検出装置
RU2292055C2 (ru) * 2002-03-04 2007-01-20 Сикпа Холдинг С.А. Измерительный зонд и содержащее его устройство аутентификации
JP4104923B2 (ja) * 2002-07-04 2008-06-18 株式会社東芝 磁性体検出装置
JP3105238U (ja) * 2004-05-14 2004-10-21 ニッコーシ株式会社 磁気センサー装置
JP2008145302A (ja) * 2006-12-11 2008-06-26 Hamamatsu Koden Kk 磁気センサ
JP4894040B2 (ja) * 2006-12-13 2012-03-07 浜松光電株式会社 磁気センサ
US20080238417A1 (en) * 2007-03-29 2008-10-02 Canon Denshi Kabushiki Kaisha Magnetic substance detection sensor and magnetic substance detecting apparatus
JP5719515B2 (ja) * 2010-02-05 2015-05-20 日本電産サンキョー株式会社 磁気センサ装置
KR101427543B1 (ko) * 2010-07-30 2014-08-07 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 자성체 검출 장치
CN102435961B (zh) * 2010-09-28 2014-10-08 株式会社村田制作所 长型磁传感器
DE102011109949A1 (de) * 2011-08-10 2013-02-14 Giesecke & Devrient Gmbh Prüfanordnung zur Wertdokumentprüfung
DE102011120972A1 (de) * 2011-12-13 2013-06-13 Giesecke & Devrient Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Prüfung von Wertdokumenten
CN103226865B (zh) * 2013-04-16 2016-05-25 无锡乐尔科技有限公司 一种基于磁电阻技术检测磁性图形表面磁场的磁头

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005030872A (ja) * 2003-07-10 2005-02-03 Toshiba Corp 磁性体量検出装置
JP2012255770A (ja) * 2011-05-16 2012-12-27 Mitsubishi Electric Corp 磁気センサ装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015007580A (ja) * 2013-06-25 2015-01-15 三菱電機株式会社 磁気センサ装置
CN104700492A (zh) * 2015-03-24 2015-06-10 苏州保瑟佳货币检测科技有限公司 一种有价证券的防伪检测方法及装置
CN104700492B (zh) * 2015-03-24 2017-06-13 苏州保瑟佳货币检测科技有限公司 一种有价证券的防伪检测方法及装置
JP2016206070A (ja) * 2015-04-24 2016-12-08 日本電産サンキョー株式会社 磁気センサ装置
JP2020016555A (ja) * 2018-07-26 2020-01-30 浜松光電株式会社 磁性体検出装置
JP7186419B2 (ja) 2018-07-26 2022-12-09 浜松光電株式会社 磁性体検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN105190339B (zh) 2018-02-09
RU2650092C2 (ru) 2018-04-06
RU2015140665A (ru) 2017-05-02
JP6034731B2 (ja) 2016-11-30
US20150369882A1 (en) 2015-12-24
BR112015022969A2 (pt) 2017-07-18
CN105190339A (zh) 2015-12-23
BR112015022969B1 (pt) 2021-11-16
US9880235B2 (en) 2018-01-30
WO2014156793A1 (ja) 2014-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6034731B2 (ja) 磁性体検出装置
JP5867235B2 (ja) 磁気センサ装置
US9086444B2 (en) Magnetic field detection device and current sensor
JP2017151105A (ja) 磁気角度位置センサ
WO2014181382A1 (ja) 磁気電流センサおよび電流測定方法
KR20140133876A (ko) 자기 센서장치
JP6300908B2 (ja) 磁気センサ装置
CN105629023A (zh) 电流检测装置
WO2018139233A1 (ja) 磁気抵抗効果素子デバイスおよび磁気抵抗効果素子装置
JP6316429B2 (ja) 磁気センサ装置
JP5799882B2 (ja) 磁気センサ装置
JP2012215405A (ja) 磁気センサ装置
CN109328307B (zh) 磁传感器以及具备该磁传感器的电流传感器
JP5861551B2 (ja) 磁気センサ装置
JP7186419B2 (ja) 磁性体検出装置
JP2014102181A (ja) 磁気センサ
WO2018092580A1 (ja) 電流センサ
US11639974B1 (en) Magnetic sensor device
WO2010095495A1 (ja) 磁気検出装置
JP2015155796A (ja) 電流センサ
JP2015031647A (ja) 電流センサおよびその製造方法
JP2017173236A (ja) 磁気センサ装置
JP2010266697A (ja) 弦振動検知センサ及びこれを用いた電気楽器用ピックアップ装置
JP2013134084A (ja) 磁気センサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161028

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6034731

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250