JP2014189711A - 光半導体実装用基板、半導体発光装置、及び光半導体実装用基板の製造方法 - Google Patents

光半導体実装用基板、半導体発光装置、及び光半導体実装用基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リフレクターとしての特性や生産性に優れ、かつリフレクターとリフレクター用基板を含む光半導体実装用基板とした際に、リフレクター用基板とリフレクターの間の密着性が変化しない、リフレクターとリフレクター用基板を含む光半導体実装用基板、半導体発光装置、及び光半導体実装用基板の製造方法を提供する。
【解決手段】リフレクター用基板と、前記リフレクター用基板に設けられ、電子線硬化性樹脂組成物を電子線で硬化して形成されたリフレクターと、を含む光半導体実装用基板であって、前記電子線性樹脂組成物が、所定の結晶性の熱可塑性樹脂と所定の架橋処理剤と無機材料とを含み、前記リフレクター用基板の20℃〜150℃の線膨張係数と前記電子線硬化物層からなるリフレクターの20℃〜150℃の線膨張係数との差が、30ppm/K以内である光半導体実装用基板である。
【選択図】図1

Description

本発明は、光半導体実装用基板、半導体発光装置、及び光半導体実装用基板の製造方法に関する。
半導体発光装置の一つであるLED素子は、小型で長寿命であり、省電力性に優れることから、表示灯等の光源として広く利用されている。そして近年では、より輝度の高いLED素子が比較的安価に製造されるようになったことから、蛍光ランプ及び白熱電球に替わる光源としての利用が検討されている。このような光源に適用する場合、大きな照度を得るために、表面実装型LEDパッケージ、即ち、アルミニウム等の金属製の基板(LED実装用基板)上に複数のLED素子を配置し、各LED素子の周りに光を所定方向に反射させるリフレクター(反射体)を配設する方式が多用されている。
しかし、LED素子は発光時に発熱を伴うため、このような方式のLED照明装置では、LED素子の発光時の温度上昇によりリフレクターが劣化してその反射率が低下することで輝度が低下し、LED素子の短寿命化等を招くこととなる。従って、リフレクターには耐熱性が要求されることとなる。また、LED素子の発光時の温度上昇においても反射率が低下しないことも要求されることとなる。また、リフレクターを構成する材質には、上記特性とともに、生産性を高くするためリフレクターへの加工がしやすいとの性質、すなわち、成形性が高いことも要求される。
リフレクター用の樹脂組成物として、例えば特許文献1では、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化触媒、(D)無機充填剤、(E)白色顔料、(F)添加剤及び(G)離型剤を含む熱硬化性光反射用樹脂組成物が提案されている。
また、特許文献2では、20質量%以上の、ASTMD648にしたがって測定した1.82MPaの荷重における加熱撓み温度が80℃より高い1種以上の重縮合ポリマー、0乃至5質量%の、ASTMD648にしたがって測定した1.82MPaの荷重における加熱撓み温度が80℃以下である1種以上のポリマー、白色顔料、及び黒色顔料、を含むポリマー組成物が提案されている。
特開2009−149845号公報 特開2011−134311号公報
しかし、特許文献1で使用される熱硬化性光反射用樹脂組成物は、トランスファー成形後に150℃で2時間にわたり後硬化が必要であるため、量産性が低いという問題点がある。特許文献2で使用される樹脂組成物は長期耐熱性が低くなる問題がある。
さらに、リフレクターの特性や生産性が確保されたとしても、リフレクターとリフレクター用基板との間の密着性が熱によって低下してしまうと、リフレクターとそのリフレクター用基板との間に水分や外気が浸入して、光半導体素子の性能が低下してしまう問題がある。
以上から、本発明は、リフレクターとしての特性や生産性に優れ、かつリフレクターとリフレクター用基板を含む光半導体実装用基板とした際に、リフレクター用基板とリフレクターの間の密着性が変化しにくい、リフレクターとリフレクター用基板を含む光半導体実装用基板、半導体発光装置、及び光半導体実装用基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記の発明により当該目的を達成できることを見出した。すなわち、本発明は下記の通りである。
[1] リフレクター用基板と、前記リフレクター用基板に設けられ、電子線硬化性樹脂組成物を電子線で硬化して形成されたリフレクターと、を含む光半導体実装用基板であって、前記電子線性樹脂組成物が、結晶性の熱可塑性樹脂と架橋処理剤と無機材料とを含み、前記結晶性の熱可塑性樹脂は、樹脂単体での吸水率が0.1%以下であり、かつ沸騰水吸水率が0.1%以下であり、前記架橋処理剤が飽和もしくは不飽和の環構造を有し、少なくとも1つの環を形成する原子のうち少なくとも1つの原子が、アリル基、メタリル基、連結基を介したアリル基、及び連結基を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基と結合してなり、前記リフレクター用基板の20℃〜150℃の線膨張係数と前記リフレクターの20℃〜150℃の線膨張係数との差が、30ppm/K以内である光半導体実装用基板。
[2] 前記架橋処理剤の1つの環を形成する原子のうち少なくとも2つの原子が、それぞれ独立に、前記アリル系置換基と結合してなる[1]に記載の光半導体実装用基板。
[3] 前記架橋処理剤の環が6員環であり当該環を形成する原子のうちの少なくとも2つの原子が、それぞれ独立に、前記アリル系置換基と結合してなり、1つのアリル系置換基が結合した原子に対して、他のアリル系置換基がメタ位の原子に結合してなる[2]に記載の光半導体実装用基板。
[4] 前記架橋処理剤が下記式(1)で表される[1]〜[3]のいずれかに記載の光半導体実装用基板。
Figure 2014189711
(式(1)中、R1〜R3はそれぞれ独立に、アリル基、メタリル基、エステル結合を介したアリル基、及びエステル結合を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基である。)
[5] 前記架橋処理剤が下記式(2)で表される[1]〜[3]のいずれかに記載の光半導体実装用基板。
Figure 2014189711
(式(2)中、R1〜R3はそれぞれ独立に、アリル基、メタリル基、エステル結合を介したアリル基、及びエステル結合を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基である。)
[6] 前記無機材料が、白色顔料、および白色顔料以外の無機粒子から選ばれる少なくとも1つ以上を含む[1]〜[5]のいずれかに記載の光半導体実装用基板。
[7] 前記白色顔料以外の無機粒子がシリカ粒子、ガラス繊維、又は、シリカ粒子及びガラス繊維である上記[6]に記載の光半導体実装用基板。
[8] 分散剤及び樹脂改質剤が配合されてなる[1]〜[7]のいずれかに記載の光半導体実装用基板。
[9] 光半導体素子と、光半導体実装用基板とを含み、前記光半導体実装用基板が上記[1]〜[8]のいずれか記載の光半導体実装用基板からなる半導体発光装置。
[10] リフレクター基板と、前記リフレクター用基板に設けられ、電子線硬化性樹脂組成物を電子線で硬化して形成されたリフレクターと、を含む光半導体実装用基板の製造方法であって、前記電子線性樹脂組成物が、結晶性の熱可塑性樹脂と架橋処理剤と無機材料とを含み、前記結晶性の熱可塑性樹脂は、樹脂単体での吸水率が0.1%以下であり、かつ沸騰水吸水率が0.1%以下であり、前記架橋処理剤が飽和もしくは不飽和の環構造を有し、少なくとも1つの環を形成する原子のうち少なくとも1つの原子が、アリル基、メタリル基、連結基を介したアリル基、及び連結基を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基と結合してなり、前記リフレクター用基板の20℃〜150℃の線膨張係数と前記リフレクターの20℃〜150℃の線膨張係数との差が、30ppm/K以内である光半導体実装用基板の製造方法
[11] 前記電子線性樹脂組成物に対し、射出温度200℃〜400℃、金型温度20〜150℃で射出成形する射出成形工程と、射出成形工程の前又は後に、電子線照射処理を施す電子線照射工程を含む上記[10]に記載の光半導体実装用基板の製造方法。
本発明によれば、リフレクターとしての特性や生産性に優れ、リフレクターとリフレクター用基板の密着性が変化しにくい、リフレクターとリフレクター用基板を含む光半導体実装用基板、光半導体実装用基板を用いた半導体発光装置、光半導体実装用基板の製造方法を提供することができる。
本発明の半導体発光装置の一例を示す概略断面図である。
[1.電子線硬化性樹脂組成物]
本発明の電子線硬化性樹脂組成物は、特定の結晶性の熱可塑性樹脂と特定の架橋処理剤と無機材料とを含んでなる。
本発明における結晶性の熱可塑性樹脂は、樹脂単体で吸水率が0.1%以下である必要がある。吸水率が0.1%より大きいと、高温高湿環境下での長期使用時に、基板に反射率の向上の目的で施した銀めっきより錆が生じる。従って、光束が著しく劣化し長期信頼性が悪化する。
また、本発明における結晶性の熱可塑性樹脂は、樹脂単体で沸騰水吸水率が0.1%以下である必要がある。沸騰水吸水率が0.1%より大きいと、高温高湿環境下での長期使用時に、吸水による変形が生じる。従って、長期信頼性が悪化する。
樹脂単体で吸水率が0.1以下、かつ沸騰水吸水率が0.1%以下である結晶性の熱可塑性樹脂としては、オレフィン樹脂、及び、ポリテトラフルオロエチレン4フッ化エチレン樹脂に代表されるフッ素樹脂が挙げられる。
ここで、吸水率とは、24時間常温浸漬での吸水率を示す用語として用いており、100℃の水(沸騰水)の吸水率である沸騰水吸水率ともに、吸水率の測定法であるJIS K7209(プラスチックの吸水率および沸騰水吸水率試験方法)で規定されている測定法に準じて測定された値を示す。
オレフィン樹脂としては、例えば、ノルボルネン誘導体を開環メタセシス重合させた樹脂あるいはその水素添加、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等が挙げられる。なかでも、ポリメチルペンテンが好ましい。
オレフィン樹脂の中で、ポリメチルペンテンは屈折率が1.46とシリカ粒子の屈折率に非常に近いため、混合した際でも透過率や反射率等の光学特性の阻害を抑えることが可能である。かかる点を考慮すると、例えば、半導体発光装置のリフレクターとして使用するには好適である。
しかし、リフロー工程における耐熱性に対しては、十分でない場合がある。この問題に対し本発明では、特定の架橋処理剤をポリメチルペンテンに含有させ電子線を照射させることで、リフロー工程においても十分な耐熱性を発揮し得る樹脂組成物とすることができた。これにより、リフレクターとした際にも樹脂の融解によるリフレクターの変形を防ぐ
ことができる。
ポリメチルペンテンは融点が232℃と高く、加工温度の280℃程度でも分解せずに分解温度が300℃近辺という特性を有する。一方、このような特性を有する有機過酸化物や光重合開始剤は一般には存在しないので、有機過酸化物による架橋や紫外光による架橋は不可能である。
また、ポリメチルペンテンに対して電子線を照射(例えば、吸収線量:200kGy)しても架橋と同時に分子鎖の切断が進行するため、樹脂単体では有効な架橋は起こり難い。しかし、本発明に係る架橋処理剤を含有させることにより、電子線照射によって有効に架橋反応が起こるため、リフロー工程においても樹脂の溶解による変形を防ぐことができるようになる。
このような架橋処理剤は、飽和もしくは不飽和の環構造を有し、少なくとも1つの環を形成する原子のうち少なくとも1つの原子が、アリル基、メタリル基、連結基を介したアリル基、及び連結基を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基と結合してなる構造を有する。かかる構造を有する架橋処理剤を含有することで、良好な電子線硬化性を発揮し、優れた耐熱性を有する樹脂組成物とすることができる。
飽和もしくは不飽和の環構造としては、シクロ環、ヘテロ環、芳香環等が挙げられる。環構造を形成する原子の数は、3〜12であることが好ましく、5〜8であることがより好ましく、6員環であることがさらに好ましい。
また、本発明に係る架橋処理剤の分子量は1000以下であることが好ましく、500以下であることがより好ましく、300以下であることがさらに好ましい。分子量が1000以下であることで、樹脂組成中の分散性が低くなりことを防ぎ、電子線照射による有効な架橋反応を起こすことが可能となる。
また、環構造の数は1〜3であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることがさらに好ましい。
架橋処理剤の融点は、使用するオレフィン樹脂の融点以下であることが好ましく、例えば200℃以下であることが好ましい。
上記のような架橋処理剤であれば、加工時に流動性に優れるため、熱可塑性樹脂の加工温度を低下させ熱負荷を軽減したり、加工時の摩擦を軽減したり、無機成分の充填量を増やすことができる。
ここで、本発明に係る架橋処理剤における連結基としては、エステル結合、エーテル結合、アルキレン基、(ヘテロ)アリーレン基等が挙げられる。環を形成する原子のうちアリル系置換基と結合しない原子は、水素、酸素、窒素等が結合した状態、又は種々の置換基が結合した状態となっている。
本発明に係る架橋処理剤は、当該架橋処理剤の1つの環を形成する原子のうち少なくとも2つの原子が、それぞれ独立に、アリル系置換基と結合してなることが好ましい。また環構造が6員環である場合、当該環を形成する原子のうちの少なくとも2つの原子が、それぞれ独立に、アリル系置換基と結合してなり、1つのアリル系置換基が結合した原子に対して、他のアリル系置換基がメタ位の原子に結合していることが好ましい。
さらに本発明に係る架橋処理剤は、下記式(1)又は(2)で表されることが好ましい。
Figure 2014189711
(式(1)中、R1〜R3はそれぞれ独立に、アリル基、メタリル基、エステル結合を介したアリル基、及びエステル結合を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基である。)
Figure 2014189711
(式(2)中、R1〜R3はそれぞれ独立に、アリル基、メタリル基、エステル結合を介したアリル基、及びエステル結合を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基である。)
上記式(1)で表される架橋処理剤としてはトリアリルイソシアヌレート、メチルジアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌル酸、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート等が挙げられる。
上記式(2)で表される架橋処理剤としてはオルトフタル酸のジアリルエステル、イソフタル酸のジアリルエステル等が挙げられる。
本発明に係る架橋処理剤は、オレフィン樹脂100質量部に対して、2〜40質量部配合されてなることが好ましく、10〜40質量部配合されてなることがより好ましく、15〜40質量部配合されてなることがさらに好ましく、15〜30質量部配合されてなることが特に好ましく、16〜20質量部配合されてなることが非常に好ましい。2〜40質量部配合されてなることで、ブリードアウトすることなく架橋を効果的に進行させることができる。
ポリメチルペンテン樹脂としては4−メチルペンテン−1の単独重合体が好ましいが、4−メチルペンテン−1と他のα−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン等の炭素数2ないし20のα−オレフィンとの共重合体で、4−メチル−1−ペンテンを90モル%以上含む4−メチルペンテン−1を主体とした共重合体でもよい。
4−メチルペンテン−1の単独重合体の分子量はゲルパーミッションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが1000以上、特に5000以上が好ましい。
本発明の電子線硬化性樹脂組成物においては無機材料が含まれる。無機材料は、白色顔料と白色顔料以外の無機粒子、又は、白色顔料と白色顔料以外の無機粒子のいずれかが含まれる。白色顔料を含むことで、リフレクター等の用途に供することができる。
また、無機材料としては、白色顔料以外の無機粒子を含むことが好ましい。この白色顔料以外の無機粒子としては、通常、熱可塑樹脂組成物及びエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂のような熱硬化樹脂組成物に配合されるものを単独もしくは混合して、使用することができる。無機粒子の形状及び粒径は特に限定されるものではない。例えば、粒子状及び繊維状、異形断面繊維状、凹凸差の大きな形状、厚みの薄い薄片状といった形状のものが使用できる。
具体的には、シリカ粒子、ガラス繊維等が挙げられる。このような電子線硬化性樹脂組成物は、特にリフレクター用に好適である。
本発明に係る白色顔料としては、酸化チタン、硫化亜鉛、酸化亜鉛、硫化バリウム、チタン酸カリウム等を単独もしくは混合して使用することが可能で、なかでも酸化チタンが好ましい。
白色顔料の含有量は、オレフィン樹脂100質量部に対し、200質量部超500質量部以下とし、300〜480質量部であることがより好ましく、350〜450質量部であることがさらに好ましい。200質量部以下、及び、500質量部を超えると製品性能(例、リフレクターの光反射率、強度、成形反り)が不足したり、無機成分が多く加工ができない、または加工できても成形状態が悪く、ボソボソで製品性能(例、リフレクターの光反射率)が低下してしまったりする。
白色顔料の平均粒径は成形性を考慮し、かつ高い反射率を得る観点から一次粒度分布において0.10〜0.50μmであることが好ましく、0.10〜0.40μmであることがより好ましく、0.21〜0.25μmであることがさらに好ましい。平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値D50として求めることができる。
本発明に係る無機粒子は、通常熱可塑樹脂組成物及びエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂のような熱硬化樹脂組成物に配合されるものを単独もしくは混合して、使用することができる。
無機粒子の含有量は、オレフィン樹脂100質量部に対し、10〜300質量部であることが好ましく、30〜200質量部であることがより好ましく、50〜120質量部であることがさらに好ましい。
本発明の電子線硬化性樹脂組成物は、既述のオレフィン樹脂、架橋処理剤、及び白色顔料と、必要に応じて、シリカ粒子、ガラス繊維等の少なくともいずれかの無機粒子と、を既述のような所定比で混合して作製することができる。混合方法としては、2本ロールあるいは3本ロール、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー等の撹拌機、ポリラボシステムやラボプラストミル等の溶融混練機等の公知の手段を適用することができる。これらは常温、冷却状態、加熱状態、常圧、減圧状態、加圧状態のいずれで行ってもよい。
なお、本発明の効果を損なわない限り、種々の添加剤を含有させることができる。例えば、樹脂組成物の性質を改善する目的で、種々のウィスカー、シリコーンパウダー、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム、脂肪酸エステル、グリセリン酸エステル、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の内部離型剤や、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、シアノアクリレート系、イソシアヌレート系、シュウ酸アニリド系、ベンゾエート系、ヒンダートアミン系、ベンゾトリアゾール系、フェノール系等の酸化防止剤や、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系等の光安定剤といった添加剤を配合することができる。
また、シランカップリング剤のような分散剤を配合することができる。
シランカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン等のジシラザン;環状シラザン;トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、トリメトキシシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、及びビニルトリアセトキシシラン等のアルキルシラン化合物;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、及びN−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等のアミノシラン化合物;等が挙げられる。
本発明の電子線硬化性樹脂組成物を用いることで、種々の形状や大きさのリフレクターを形成できる。
このようなリフレクターは、下記の成形方法により製造することが好ましい。すなわち、本発明の電子線硬化性樹脂組成物に対し、シリンダー温度200〜400℃、金型温度20〜150℃で射出成形する射出成形工程と、射出成形工程の前又は後に、電子線照射処理を施す電子線照射工程を含む成形方法により作製することが好ましい。
なお、成形性を損なわない限りは、電子線照射による架橋反応は成形前に行うことができる。
電子線の加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得る。例えば、厚みが1mm程度の成型物の場合は通常加速電圧250〜3000kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材の劣化を最小限にとどめることができる。また、電子線を照射する際の吸収線量は樹脂組成物の組成により適宜設定されるが、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、照射線量は50〜600kGyであることが好ましい。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
[2.リフレクター]
本発明のリフレクターは、既述の本発明の電子線硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物からなる。
当該リフレクターは、後述する半導体発光装置と組み合わせて用いてよいし、他の材料からなる半導体発光装置と組み合わせて用いてもよい。
本発明のリフレクターは、主として、半導体発光装置の光半導体素子からの光をレンズ(出光部)の方へ反射させる作用を有する。リフレクターの詳細については、本発明の半導体発光装置に適用されるリフレクター(後述するリフレクター12)と同じであるためここでは省略する。
なお、本発明のリフレクターは球状溶融シリカ粒子を含有させることで、当該リフレクターを製造する工程において水による発泡が抑えられるため、不良を生じるほどの微細孔が形成されることがない。従って、当該リフレクターを用いた製品(例えば、半導体発光素子)において、微細孔に起因した不良が生じ難くなるため、当該製品としての耐久性を向上させることができる。
上記のように、球状溶融シリカ粒子を含有させた電子線硬化性樹脂組成物を用いてリフレクターを形成した半導体発光素子は、当該リフレクターに不良を生じるほどの微細孔が形成されることがないため、微細孔に起因した不良が生じ難くなる。そのため、当該製品としての耐久性が向上することになる。
[3.光半導体実装用基板]
本発明において、リフレクター用基板とリフレクターとを含む光半導体実装用基板は、リフレクター用基板と、リフレクター用基板に設けられた、電子線硬化性樹脂組成物を電子線で硬化して形成されたリフレクターを一体とした基板自体をひとつの部品として見た場合のみでなく、後述するように、半導体発光装置とした際に結果としてリフレクターが設けられたリフレクター用基板が光半導体素子の基板となっている場合を含む概念である。この際、リフレクターとリフレクター用基板は、リフレクターの形成時に直に接着形成されていてもよいし、独立に形成されたリフレクターを接着剤などを介してリフレクター用基板に接着してもよい。
本発明におけるリフレクター用基板は、リフレクターを載置するための基板を示し、光半導体実装用基板は、光半導体素子(例えばLED素子)を載置するための基板を示す。リフレクター用基板は、半導体発光装置の分野で用いられるものあればいかなるものであっても使用可能である。リフレクター用基板の材料としては、たとえば、アルミナや、窒化アルミ、ムライト、ガラスなどの焼結体から構成されるセラミック等を挙げることができる。これ以外にも、ポリイミド樹脂等のフレキシブル性を有する樹脂材料等を挙げることができる。特に金属よりなるリフレクター用基板としては、アルミニウム、銅及び銅の合金が用いられることが多く、反射率の向上のため銀などの反射率が高い貴金属によりめっきされることも多い。特に金属で形成されたリフレクター用基板は、リードフレームと呼称されることも多い。
本発明において、リフレクター用基板とリフレクターとを含む光半導体実装用基板は、リフレクター用基板の20℃〜150℃の線膨張係数と前記リフレクターの20℃〜150℃の線膨張係数との差が、30ppm/K以内であることを要する。リフレクター用基板の20℃〜150℃の線膨張係数と前記リフレクターの20℃〜150℃の線膨張係数との差が、30ppm/Kより大きくなると、長期間の使用において、また、点灯、消灯の繰り返しにおいて、リフレクター用基板とリフレクターの間に剥離を生じる。この剥離部から水分や外気(特に大気中の硫化水素)の侵入を受けることにより、リフレクター用基板に施した銀めっきの硫化による変色や、水分侵入により光半導体素子の劣化を誘発しやすいことにより信頼性の低下を招くこととなる。
[4.半導体発光装置]
本発明の半導体発光装置は、図1に例示するように、光半導体素子(例えばLED素子)10を有する光半導体実装用基板11を有している。この光半導体実装用基板11は、光半導体素子10の周りに設けられ、光半導体素子10からの光を所定方向に反射させるリフレクター12をリフレクター用基板14上に有してなる。そして、リフレクター12の光反射面の少なくとも一部(図1の場合は全部)が既述の電子線硬化性樹脂組成物の電子線による硬化物で構成されてなる。
光半導体素子10は、放射光(一般に、白色光LEDにおいてはUV又は青色光)を放出する、例えば、AlGaAs、AlGaInP、GaP又はGaNからなる活性層を、n型及びp型のクラッド層により挟んだダブルヘテロ構造を有する半導体チップ(発光体)であり、例えば、一辺の長さが0.5mm程度の六面体の形状をしている。そして、ワイヤーボンディング実装の形態の場合には、リード線16を介して不図示の電極(接続端子)に接続されている。
リフレクター12の形状は、レンズ18の端部(接合部)の形状に準じており、通常、
角形、円形、楕円形等の筒状又は輪状である。図1の概略断面図においては、リフレクター12は、筒状体(輪状体)であり、リフレクター12のすべての端面がリフレクター用基板14の表面に接触、固定されている。
なお、リフレクター12の内面は、光半導体素子10からの光の指向性を高めるために、テーパー状に上方に広げられていてもよい(図1参照)。
また、リフレクター12は、レンズ18側の端部を、当該レンズ18の形状に応じた形に加工された場合には、レンズホルダーとしても機能させることができる。
既述のようにリフレクター12上にはレンズ18が設けられているが、これは通常樹脂製であり、目的、用途等により様々な構造が採用され、着色されることもある。
リフレクター用基板14とリフレクター12とレンズ18とで形成される空間部は、透明封止部であってよいし、必要により空隙部であってもよい。この空間部は、通常、透光性及び絶縁性を与える材料等が充填された透明封止部であり、ワイヤーボンディング実装において、リード線16に直接接触することにより加わる力、及び、間接的に加わる振動、衝撃等により、光半導体素子10との接続部、及び/又は、電極との接続部からリード線16が外れたり、切断したり、短絡したりすることによって生じる電気的な不具合を防止することができる。また、同時に、湿気、塵埃等から光半導体素子10を保護し、長期間に渡って信頼性を維持することができる。
この透光性及び絶縁性を与える材料(透明封止剤組成物)としては、通常、シリコーン樹脂、エポキシシリコーン樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらのうち、耐熱性、耐候性、低収縮性及び耐変色性の観点から、シリコーン樹脂が好ましい。
以下に、図1に示す半導体発光装置の製造方法の一例について説明する。
まず、上記本発明の電子線硬化性樹脂組成物を、所定形状のキャビティ空間を備える金型を用いたトランスファー成形、圧縮成形、射出成形等により、所定形状のリフレクター12を成形する。
その後、リフレクター12をリフレクター用基板14に接着剤又は接合部材により固定して、光半導体実装用基板を得る。次いで、別途、準備した光半導体素子10、電極及びリード線16を、接着剤又は接合部材により光半導体実装用基板に固定して、光半導体が実装された光半導体実装用基板を得る。なお、光半導体素子10、電極及びリード線16を、接着剤又は接合部材によりリフレクター用基板14に固定した後に、リフレクター12にリフレクター用基板14に固定することで、光半導体が実装された光半導体実装用基板を得てもよい。
次いで、リフレクター用基板14及びリフレクター12により形成された凹部に、シリコーン樹脂等を含む透明封止剤組成物を注入し、加熱、乾燥等により硬化させて透明封止部とする。その後、透明封止部上にレンズ18を配設して、図1に示す半導体発光装置が得られる。なお、透明封止剤組成物が未硬化の状態でレンズ18を載置してから、組成物を硬化させてもよい。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、本実施例1〜6及び比較例1〜3において使用した材料は下記の通りである。
(A)樹脂
・樹脂(1)
ポリメチルペンテン:TPX RT18(三井化学(株)製)
吸水率 0.01%以下
沸騰水吸水率 0.01%以下
・樹脂(2)
ポリアミド樹脂:ジェネスタ TA112((株)クラレ製)
吸水率 0.17%
沸騰水吸水率 0.15%
(B)架橋処理剤
架橋処理剤については下記の通りである。また、下記架橋処理剤の構造については、下記表1及び化学式に示す。
・架橋処理剤
TAIC(トリアリルイソシアヌレート) 日本化成社製
Figure 2014189711
表1中の構造を示す式(1)は下記の通りである。
Figure 2014189711
(C)白色顔料
・酸化チタン粒子 :PF−691(石原産業(株)製 ルチル型構造 平均粒径0.21μm)
(D)無機粒子
・ガラス繊維:PF70E−001(日東紡(株)製、繊維長70μm)
(F)添加剤
・シランカップリング剤:KBM−3063(信越化学(株)製)
・離型剤 :SZ−2000(堺化学(株)製)
・1次酸化防止剤 :IRGANOX1010(BASF・ジャパン(株)製)
・2次酸化防止剤(1):PEP−36(アデカ(株)製)
・2次酸化防止剤(2):IRGAFOS168(BASF・ジャパン(株)製)
[実施例1〜6、比較例1〜2]
下記表2−1〜表2−2に示すように各種材料を配合、混練し、樹脂組成物を得た。
なお、樹脂組成物は、各種材料を配合し、押出機(日本プラコン(株) MAX30:ダイス径3.0mm)とペレタイザー((株)東洋精機製作所 MPETC1)を用いて行い、樹脂組成物を得た。
これらの組成物について、卓上手動式射出成形機ハンドトゥルーダPM−1((株)東洋精機製作所製)を用いて、シリンダー温度:250℃、金型温度:110℃、射出速度:200mm/sec、冷却時間:60secで射出成形し、射出方向が長辺となるよう19(±1)mm×5(±0.1)mm×厚さ0.55(±0.1)mmに切り出し、形成体(1)を作製した。
また、上記で得た樹脂組成物を射出成形機ソディックTR40ERソディック(プリプラ式)を用いて、銀メッキ銅リフレクター用基板(厚さ:250μm)上に厚み:700μm、外形寸法:35mm×35mm、開口部:2.9mm×2.9mmとなるよう成形しリフレクター用樹脂基板形成体(2)を得た。射出成形機条件は、シリンダー温度:260℃、金型温度:70℃、射出速度:200mm/sec、保圧力:100MPa、保圧時間:1sec、冷却時間:15secとした。
[比較例3]
下記表2−2に示すような樹脂組成物を150℃のオーブン(ETAC HT220 楠本化成(株)製)で6〜8時間乾燥させた後、卓上手動式射出成形機ハンドトゥルーダPM−1((株)東洋精機製作所製)を用いて、シリンダー温度:320℃、金型温度:140℃、射出速度:100mm/sec、冷却時間:60secで射出成形し、射出方向が長辺となるよう19(±1)mm×5(±0.1)mm×厚さ0.55(±0.1)mmに切り出し、形成体(1)を作製した。
また、上記で得た樹脂組成物を射出成形機ソディックTR40ERソディック(プリプラ式)を用いて、銀メッキ銅リフレクター用基板(厚さ:250μm)上に厚み:700μm、外形寸法:35mm×35mm、開口部:2.9mm×2.9mmとなるよう成形しリフレクター用樹脂基板形成体(2)を得た。射出成形機条件は、シリンダー温度:320℃、金型温度:140℃、射出速度:100mm/sec、保圧力:100MPa、保圧時間:1sec、冷却時間:30secとした。
これらの形成体(1)及びリフレクター用樹脂基板形成体(2)に、実施例1〜6、比較例1は加速電圧を800kVで400kGyの吸収線量にて電子線を照射して、比較例2〜3については電子線を照射せずに、リフレクター及びリフレクター実装用基板をそれぞれ得た。これらの下記諸特性を評価した。結果を下記表2−1〜表2−2に示す。
(評価1)
・線膨張係数の測定
形成体(1)から得られたリフレクターの試料を、Thermo Plus 2シリーズ TMA8310(株式会社リガク製)により、測定温度20℃〜330℃、昇温速度10℃
/min、荷重を形成体(1)の測定断面積に対して10mN/mm2加えて引張負荷法(TMA)にて測定し、20℃〜150℃の範囲についての線膨張係数を算出した。リフレクター用基板(銅板)についても同様の測定で20℃〜150℃の範囲についての線膨張係数を算出した。20℃〜150℃の範囲についての線膨張係数と、基板と形成体(1)から得られたリフレクターの線膨張係数の差を基板とリフレクターの線膨張係数の差として下記表2−1〜表2−2に示す。
(評価2)
・高温高湿動作試験
リフレクター用樹脂基板形成体(2)に電子線を照射した光半導体実装用基板にワイヤーボンディング実装にてLEDチップを実装し半導体発光装置を形成した。こうして得られた半導体発光装置について、定電流200mAで発光させた際の光束を瞬間マルチ測光システム(広ダイナミックレンジタイプ) MCPD−9800(大塚電子(株)製)にて測定し初期光束(Φ0)とした。また、同一の半導体時発光装置を温度85℃、湿度85%RHの環境下で定電流200mAにて連続発光させた。累積で100時間、200時間、500時間経過後に定電流200mAで発光させた際の光束を瞬間マルチ測光システム(広ダイナミックレンジタイプ) MCPD−9800(大塚電子(株)製)にて測定し100時間後光束(Φ100)、200時間後光束(Φ200)、500時間後光束(Φ500)とした。(以降まとめて実験後光束(ΦE)とも記載する。)
測定した初期光束(Φ0)、及び実験後光束(ΦE)から下記の式Aに従って光束劣化率を算出した。
光束劣化率(%)=|(ΦE−Φ0)/Φ0×100| ・・・式A
500時間後光束(Φ500)より算出した光束劣化率を下記表2−1〜表2−2に示す。
また、100時間後光束(Φ100)、200時間後光束(Φ200)、500時間後光束(Φ500)測定の際に、半導体発光装置の外観テェックを行った。外観に変色や、樹脂の分解化観察されず、光束劣化率が10%未満であれば○評価、外観に変色や、樹脂の分解化のいずれかが観察されるか、光束劣化率が10%以上であれば×評価とした。500時間後光束(Φ500)測定時の外観観察の評価を下記表2−1〜表2−2に示す。
500時間後光束(Φ500)測定時の外観観察において×とした理由は、比較例1は銀メッキ銅リフレクター用基板の銀面の変色と樹脂分解が観測され、比較例2は銀メッキ銅基板の銀面の変色が観測され、比較例1〜3のいずれも、光束劣化率が10%以上であったためである。
Figure 2014189711
Figure 2014189711
上記実施例の結果から明らかなとおり、リフレクター用基板と、前記リフレクター用基板に設けられ、電子線硬化性樹脂組成物を電子線で硬化して形成されたリフレクターと、を含む光半導体実装用基板にて、前記電子線硬化性樹脂組成物が結晶性の熱可塑性樹脂と架橋処理剤と無機材料とを含み、前記結晶性の熱可塑性樹脂は、樹脂単体での吸水率が0.1%以下かつ沸騰水吸水率が0.1%以下であり、前記架橋処理剤が飽和もしくは不飽和の環構造を有し、少なくとも1つの環を形成する原子のうち少なくとも1つの原子が、アリル基、メタリル基、連結基を介したアリル基、及び連結基を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基と結合してなり、前記リフレクター用基板の20℃〜150℃の線膨張係数と前記リフレクターの20℃〜150℃の線膨張係数との差が、30ppm/K以内となることで、高温高湿環境での長期の使用においても信頼性が高く変色や光束劣化の少ない優れた光半導体実装用基板とすることができた。
以上から、本発明の光半導体実装用基板は、光半導体実装用の基板に有用であるといえる。
10・・・光半導体素子
11・・・光半導体実装用基板
12・・・リフレクター
14・・・リフレクター用基板
16・・・リード線
18・・・レンズ

Claims (11)

  1. リフレクター用基板と、前記リフレクター用基板に設けられ、電子線硬化性樹脂組成物を電子線で硬化して形成されたリフレクターと、を含む光半導体実装用基板であって、
    前記電子線硬化性樹脂組成物が、結晶性の熱可塑性樹脂と架橋処理剤と無機材料とを含み、
    前記結晶性の熱可塑性樹脂は、樹脂単体での吸水率が0.1%以下かつ沸騰水吸水率が0.1%以下であり、
    前記架橋処理剤が飽和もしくは不飽和の環構造を有し、少なくとも1つの環を形成する原子のうち少なくとも1つの原子が、アリル基、メタリル基、連結基を介したアリル基、及び連結基を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基と結合してなり、
    前記リフレクター用基板の20℃〜150℃の線膨張係数と前記リフレクターの20℃〜150℃の線膨張係数との差が、30ppm/K以内である光半導体実装用基板。
  2. 前記架橋処理剤の1つの環を形成する原子のうち少なくとも2つの原子が、それぞれ独立に、前記アリル系置換基と結合してなる請求項1に記載の光半導体実装用基板。
  3. 前記架橋処理剤の環が6員環であり当該環を形成する原子のうちの少なくとも2つの原子が、それぞれ独立に、前記アリル系置換基と結合してなり、1つのアリル系置換基が結合した原子に対して、他のアリル系置換基がメタ位の原子に結合してなる請求項2に記載の光半導体実装用基板。
  4. 前記架橋処理剤が下記式(1)で表される請求項1〜3のいずれか1項に記載の光半導体実装用基板。
    Figure 2014189711
    (式(1)中、R1〜R3はそれぞれ独立に、アリル基、メタリル基、エステル結合を介したアリル基、及びエステル結合を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基である。)
  5. 前記架橋処理剤が下記式(2)で表される請求項1〜3のいずれか1項に記載の光半導体実装用基板。
    Figure 2014189711
    (式(2)中、R1〜R3はそれぞれ独立に、アリル基、メタリル基、エステル結合を介したアリル基、及びエステル結合を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基である。)
  6. 前記無機材料が、白色顔料、および白色顔料以外の無機粒子から選ばれる少なくとも1つ以上を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の光半導体実装用基板。
  7. 前記白色顔料以外の無機粒子がシリカ粒子、ガラス繊維、又は、シリカ粒子及びガラス繊維である請求項6に記載の光半導体実装用基板。
  8. 分散剤及び樹脂改質剤が配合されてなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の光半導体実装用基板。
  9. 光半導体素子と、半導体実装用基板とを含み、
    前記光半導体実装用基板が請求項1〜8のいずれか1項に記載の光半導体実装用基板からなる半導体発光装置。
  10. リフレクター基板と、前記リフレクター用基板に設けられ、電子線硬化性樹脂組成物を電子線で硬化して形成されたリフレクターと、を含む半導体実装用基板の製造方法であって、
    前記電子線性樹脂組成物が、結晶性の熱可塑性樹脂と架橋処理剤と無機材料とを含み、
    前記結晶性の熱可塑性樹脂は、樹脂単体での吸水率が0.1%以下かつ沸騰水吸水率が0.1%以下であり、
    前記架橋処理剤が飽和もしくは不飽和の環構造を有し、少なくとも1つの環を形成する原子のうち少なくとも1つの原子が、アリル基、メタリル基、連結基を介したアリル基、及び連結基を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基と結合してなり、
    前記リフレクター用基板の20℃〜150℃の線膨張係数と前記リフレクターの20℃〜150℃の線膨張係数との差が、30ppm/K以内である光半導体実装用基板の製造方法。
  11. 前記電子線性樹脂組成物に対し、射出温度200℃〜400℃、金型温度20〜150℃で射出成形する射出成形工程と、射出成形工程の前又は後に、電子線照射処理を施す電子線照射工程を含む請求項10に記載の光半導体実装用基板の製造方法。
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