JP2016035010A - 樹脂組成物、リフレクター、リフレクター付きリードフレーム及び半導体発光装置 - Google Patents

樹脂組成物、リフレクター、リフレクター付きリードフレーム及び半導体発光装置 Download PDF

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弘侑 長谷川
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Abstract

【課題】ポリオレフィン樹脂に対して、白色顔料を含む無機フィラーを多量に含む樹脂組成物を用いて成形した成形体であっても、成形体にクラックの発生がなく、耐熱性に優れた白色系の色調を有する樹脂組成物、その樹脂組成物を成形してなるリフレクター用樹脂フレーム、リフレクター、リフレクター付きリードフレーム及び半導体発光装置を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン樹脂及び白色顔料を含む無機フィラーを含有する樹脂組成物であって、ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量が220,000〜800,000であり、白色顔料が、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、200質量部を超え、500質量部以下含有されてなる、樹脂組成物である。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂組成物、リフレクター、リフレクター付きリードフレーム及び半導体発光装置に関する。
従来、電子部品を基板等に実装させる方法として、所定の場所に予め半田が点着された基板上に電子部品を仮固定した後、この基板を赤外線、熱風等の手段により加熱して半田を溶融させて電子部品を固定する方法(リフロー法)が採用されている。この方法により基板表面における電子部品の実装密度を向上させることができる。
また、半導体発光装置の一つであるLED素子は、小型で長寿命であり、省電力性に優れることから、表示灯等の光源として広く利用されている。そして近年では、より輝度の高いLED素子が比較的安価に製造されるようになったことから、蛍光ランプ及び白熱電球に替わる光源としての利用が検討されている。このような光源に適用する場合、大きな照度を得るために、表面実装型LEDパッケージ、即ち、アルミニウム等の金属製の基板(LED実装用基板)上に複数のLED素子を配置し、各LED素子の周りに光を所定方向に反射させるリフレクター(反射体)を配設する方式が多用されている。
しかし、LED素子は発光時に発熱を伴うため、このような方式のLED照明装置では、LED素子の発光時の温度上昇によりリフレクターが劣化してその反射率が低下することで輝度が低下し、LED素子の短寿命化等を招くこととなる。従って、リフレクターには耐熱性が要求されることとなる。
上記耐熱性の要求に応えるべく、特許文献1では、発光ダイオードのリフレクターに用いるポリマー組成物を提案し、具体的には、ポリフタルアミド、カーボンブラック、二酸化チタン、ガラス繊維、及び酸化防止剤を含むポリマー組成物を開示している。そして、当該組成物について熱老化後の反射率を測定し、カーボンブラックを含有しないポリマー組成物に比べて、当該組成物では良好な反射率が得られ、黄変も少ないことを示している。しかし、特許文献1に記載のポリマー組成物の熱老化試験は170℃で3時間という短時間での評価であり、より長時間の実用的な条件での耐熱耐久性で良好な結果が得られるかどうかは不明である。
また、特許文献2では、光半導体素子と蛍光体等の波長変換手段とを組み合わせた光半導体装置に用いる熱硬化性光反射用樹脂組成物が開示されている。この特許文献2に記載の熱硬化性光反射用樹脂組成物の熱老化試験は150℃で500時間というより実用的な条件で検証しているが、成形時間が90秒と熱可塑性樹脂に比べ長く、またポストキュアとして150℃で2時間が必要なため、生産性に問題があった。
これらの問題点を解決するために、特許文献3では、ポリメチルペンテンと分子量が1000以下であるアリル系置換基を有する架橋処理剤とを含む電子線硬化性樹脂組成物が提案されている。この引用文献3には、白色顔料を含むこと、更に白色顔料以外の無機粒子を含む電子線硬化性組成物がリフロー工程において、優れた耐熱性を有し、リフレクター等の成形体とした場合において、優れた耐熱性が得られることが記載されている。この特許文献3には、ポリメチルペンテンに対して、白色顔料及び無機粒子(球状溶融シリカ、ガラス繊維)を少量から多量の範囲で用いることが記載されているが、その実施例では、ポリメチルペンテン100質量部に対して、105質量部が最大であり、これ以上の白色顔料及び無機粒子を含むことについて記載されていない。
ポリメチルペンテンに対して、白色顔料及び無機粒子を多量に含有させるためには、成形性の観点から、分子量の低いポリメチルペンテンを用いることが考えられるが、分子量の低いポリメチルペンテンを用いた場合、リフレクターの要求厚みが薄くなるにつれて、成形体の強度が低下したり、歪みが大きくなることにより、リフレクター成形体表面にクラックの発生する可能性が高くなるという問題点が生じた。
特表2006−503160号公報 特開2009−149845号公報 特開2013−166926号公報
本発明の課題は、ポリオレフィン樹脂に対して、白色顔料を含む無機フィラーを多量に含む樹脂組成物を用いて成形した成形体であっても、成形体にクラックの発生がなく、耐熱性に優れた白色系の色調を有する樹脂組成物、その樹脂組成物を成形してなるリフレクター、リフレクター付きリードフレーム及びそのリフレクターを使用した半導体発光装置を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記の発明により当該目的を達成できることを見出した。すなわち、本発明は下記の通りである。
[1] ポリオレフィン樹脂及び白色顔料を含む無機フィラーを含有する樹脂組成物であって、ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量が220,000〜800,000であり、白色顔料が、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、200質量部を超え、500質量部以下含有されてなる、樹脂組成物。
[2] 前記白色顔料を含む無機フィラーの含有率が70〜90質量%である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3] 前記ポリオレフィン樹脂がポリメチルペンテンである、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] 前記白色顔料が酸化チタンである、[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5] 前記白色顔料以外の無機フィラーがガラス繊維である、[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6] 更に、架橋処理剤を含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる、リフレクター。
[8] [6]に記載の樹脂組成物を成形した後に、電子線を照射してなる、リフレクター。
[9] 厚さが0.1〜3.0mmである、[7]又は[8]に記載のリフレクター。
[10] [1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる、リフレクター付きリードフレーム。
[11] [6]に記載の樹脂組成物を成形した後に、電子線を照射してなる、リフレクター付きリードフレーム。
[12] 光半導体素子と、該光半導体素子の周りに設けられ、該光半導体素子からの光を所定方向に反射させるリフレクターとを基板上に有し、前記リフレクターが[7]〜[9]のいずれかに記載のリフレクターである、半導体発光装置。
本発明により得られる樹脂組成物は、成形体とした際にクラックの発生がなく、耐熱性に優れた白色系の色調を有する成形体を得ることができ、その樹脂組成物を成形して得られるリフレクター、リフレクター付きリードフレーム及び半導体発光装置を提供することができる。
本発明の半導体発光装置の一例を示す概略断面図である。 本発明の半導体発光装置の一例を示す概略断面図である。
[1.樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂及び白色顔料を含む無機フィラーを含有する樹脂組成物であって、ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量が220,000〜800,000であり、白色顔料が、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、200質量部を超え、500質量部以下含有されてなる樹脂組成物である。
以下、本発明の樹脂組成物について詳細に説明する。なお、本明細書において、好ましいとされている規定は任意に採用することができ、好ましいもの同士の組み合わせはより好ましいと言える。
<ポリオレフィン樹脂>
本発明の樹脂組成物に用いられるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、ノルボルネン誘導体を開環メタセシス重合させた樹脂あるいはその水素添加樹脂等が挙げられる。中でも、ポリメチルペンテンを用いることが好ましい。
前記ポリメチルペンテンは、融点が230〜240℃と高く、成形温度が280℃程度でも分解せず、耐薬品性及び電気絶縁性に優れているという特性を有する。このような特性を考慮すると、例えば、半導体発光装置のリフレクターとして使用するには好適なポリオレフィン樹脂である。
前記ポリメチルペンテン樹脂としては4−メチルペンテン−1の単独重合体が好ましいが、4−メチルペンテン−1と他のα−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン等の炭素数2ないし20のα−オレフィンとの共重合体で、4−メチル−1−ペンテンを主体とした共重合体でもよい。前記共重合体である場合は、耐熱性の観点から、炭素数10〜18のアルケンが共重合されたものが好ましく、炭素数16以上のアルケンが共重合されたものがより好ましい。
本発明の樹脂組成物に用いられるポリオレフィン樹脂は、重量平均分子量が220,000〜800,000であることを要す。重量平均分子量が220,000未満であると、樹脂組成物を成形して得られた成形体にクラックが発生し、好ましくない。例えば、半導体発光装置のリフレクターを成形した場合に、クラックが発生すると、リフレクターの強度が低下し、リフロー工程でリフレクターが破壊する恐れがある。また、重量平均分子量が800,000を超えると、樹脂組成物を成形することが困難となり好ましくない。重量平均分子量の下限値は、好ましくは230,000以上、より好ましくは240,000以上である。また、重量平均分子量の上限値は、好ましくは700,000以下、より好ましくは650,000以下である。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が好ましいが、再現性良く重量平均分子量が測定できる手法であれば、これに限定されない。たとえば、適切な溶媒で抽出した材料を例示した方法で重量平均分子量を測定することができる。
GPCによる重量平均分子量測定条件の例としては、以下の条件を例示することができる。
溶離液:o-ジクロロベンゼン
温度:140〜160℃
流速:1.0mL/min
試料濃度:1.0/L
注入量:300μL
<白色顔料を含む無機フィラー>
本発明の樹脂組成物には、白色顔料を含む無機フィラーが用いられる。本発明の樹脂組成物に用いられる白色顔料としては、酸化チタン、硫化亜鉛、酸化亜鉛、硫化バリウム、チタン酸カリウム等を単独もしくは混合して用いることが可能で、なかでも酸化チタンが好ましい。この白色顔料は、本発明の樹脂組成物から得られる成形体に白色系の色調を付与するために用いられるものであり、特にその色調を高度の白色とすることにより、成形体の光線反射率を向上させることができる。本発明の樹脂組成物を成形して得られる成形体で、成形体の光線反射率を向上させた成形体は、リフレクターとして用いることができる。特に成形体をリフレクターとして用いる場合、良好な光線反射率が要求されるため、白色顔料としては、入手が容易で、光線反射率にも優れる酸化チタンを用いることが好ましい。
白色顔料の平均粒径は成形性を考慮し、かつ高い反射率を得る観点からは、一次粒度分布において0.10〜0.50μmであることが好ましく、0.10〜0.40μmであることがより好ましく、0.21〜0.25μmであることがさらに好ましい。平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値D50として求めることができる。
本発明の樹脂組成物には、無機フィラーとして白色顔料のみを用いることもできるし、白色顔料と白色顔料以外の無機フィラーとを併用して用いることもできる。白色顔料以外の無機フィラーとしては、通常、熱可塑樹脂組成物及びエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂のような熱硬化樹脂組成物に配合されるものを単独もしくは混合して、使用することができる。具体的には、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、金属繊維、ホウ酸アルミニウムウイスカー、マグネシウム系ウイスカー、珪素系ウイスカー、ワラストナイト、イモゴライト、セピオライト、スラグ繊維、ゾノライト、石膏繊維、シリカ繊維、シリカ−アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊維、窒化珪素繊維およびホウ素繊維等の繊維状無機フィラー、シリカ粒子、層状珪酸塩、有機オニウムイオンで交換された層状珪酸塩、ガラスフレーク、非膨潤性雲母、グラファイト、金属箔、セラミックビーズ、クレイ、マイカ、セリサイト、ゼオライト、ベントナイト、ドロマイト、カオリン、粉末珪酸、長石粉、シラスバルーン、石膏、ノバキュライト、ドーソナイトおよび白土フラーレンなどのカーボンナノ粒子等の板状や粒子状の無機フィラーが挙げられる。
前記白色顔料以外の無機フィラーの中でも、繊維状無機フィラーを用いることが、成形して得られる成形体の寸法安定性の観点から好ましく、また、得られる成形体をリフレクターとして用いる場合、光線反射率を向上させる観点からガラス繊維を用いることが好ましい。前記ガラス繊維を用いる場合、断面形状は、一般的な丸型形状のガラス繊維を用いてもよいし、扁平形状等の異形断面を有するガラス繊維を用いてもよい。また、ガラス繊維のサイズとしては、断面の短径D1が0.5〜25μm、長径D2が0.5〜300μm、D1に対するD2の比D2/D1が1.0〜30である断面形状を有する平均繊維長0.75〜300μmのガラス繊維であることが好ましい。このガラス繊維は、通常、ミルドファイバーとも呼ばれ、ガラス長繊維を粉砕して得ることができる。特に、ガラス繊維の平均断面積が1〜100μm2、好ましくは30〜85μm2であるガラス繊維を用いてリフレクターを成形した場合、基板との密着度を向上させることができる。
<架橋処理剤>
本発明の樹脂組成物には、架橋処理剤を含むことが好ましい。架橋処理剤を含む樹脂組成物を成形した後、該成形体に電子線を照射させることで、より優れた耐熱性を得ることができ、得られる成形体の熱による変形を防止することができる。
このような架橋処理剤は、飽和もしくは不飽和の環構造を有し、少なくとも1つの環を形成する原子のうち少なくとも1つの原子が、アリル基、メタリル基、連結基を介したアリル基、及び連結基を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基と結合してなる構造を有する。かかる構造を有する架橋処理剤を含有することで、良好な電子線硬化性を発揮し、優れた耐熱性を有する樹脂組成物とすることができる。
飽和もしくは不飽和の環構造としては、シクロ環、ヘテロ環、芳香環等が挙げられる。環構造を形成する原子の数は、3〜12であることが好ましく、5〜8であることがより好ましく、6員環であることがさらに好ましい。
また、前記架橋処理剤の分子量は、1000以下であることが好ましく、500以下であることがより好ましく、300以下であることがさらに好ましい。分子量が1000以下であることで、樹脂組成中の分散性が低くなることを防ぎ、電子線照射による有効な架橋反応を起こすことが可能となる。
また、環構造の数は1〜3であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることがさらに好ましい。
架橋処理剤の融点は、使用するポリオレフィン樹脂の融点以下であることが好ましく、例えば200℃以下であることが好ましい。
上記のような架橋処理剤であれば、成形時の流動性に優れるため、樹脂組成物の成形温度を低下させ熱負荷を軽減したり、成形時の摩擦を軽減したり、白色顔料を含む無機フィラーの含有率を増やすことができる。
ここで、前記架橋処理剤における連結基としては、エステル結合、エーテル結合、アルキレン基、(ヘテロ)アリーレン基等が挙げられる。環を形成する原子のうちアリル系置換基と結合しない原子は、水素、酸素、窒素等が結合した状態、又は種々の置換基が結合した状態となっている。
本発明に係る架橋処理剤は、当該架橋処理剤の1つの環を形成する原子のうち少なくとも2つの原子が、それぞれ独立に、アリル系置換基と結合してなることが好ましい。また環構造が6員環である場合、当該環を形成する原子のうちの少なくとも2つの原子が、それぞれ独立に、アリル系置換基と結合してなり、1つのアリル系置換基が結合した原子に対して、他のアリル系置換基がメタ位の原子に結合していることが好ましい。
さらに前記架橋処理剤は、下記式(1)又は(2)で表されることが好ましい。
(式(1)中、R1〜R3はそれぞれ独立に、アリル基、メタリル基、エステル結合を介したアリル基、及びエステル結合を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基である。)
(式(2)中、R1〜R3はそれぞれ独立に、アリル基、メタリル基、エステル結合を介したアリル基、及びエステル結合を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基である。)
上記式(1)で表される架橋処理剤としてはトリアリルイソシアヌレート、メチルジアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌル酸、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート等が挙げられる。
上記式(2)で表される架橋処理剤としてはオルトフタル酸のジアリルエステル、イソフタル酸のジアリルエステル等が挙げられる。
<樹脂組成物中の各成分の含有率>
本発明の樹脂組成物中には、白色顔料含有率は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、200質量部を超え、500質量部以下含有されることを要す。白色顔料含有率が200質量部以下であると、本発明の樹脂組成物から得られる成形体の色調を白色系とすることが困難となって、光線反射率が低下したり、また光線反射率の長期耐熱性が低下したりする恐れがあり好ましくない。白色顔料含有率が500質量部を超えると、樹脂組成物を成形体とすることが困難となり好ましくない。白色顔料含有率は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、好ましくは300〜480質量部であり、より好ましくは350〜450質量部である。白色顔料以外の無機フィラーとしては、10〜300質量部、好ましくは30〜200質量部、より好ましくは50〜180質量部である。無機フィラーと白色顔料の含有率が上記範囲内であれば、得られる成形体の色調を高度の白色とすることができ、成形体をリフレクターとする場合、光線反射率を向上させることができ、かつ成形体の寸法安定性を優れたものとすることができる。
また、本発明の樹脂組成物中の白色顔料を含む無機フィラー含有率は、70〜90質量%、好ましくは、72〜88質量%、より好ましくは、75〜85質量%とすることが望ましい。本発明の樹脂組成物中の白色顔料を含む無機フィラー含有率は、灰分量として測定することができる。
本発明の樹脂組成物中に含まれる灰分の測定方法は、一般的な樹脂組成物の灰分の求め方として規定された方法(JIS K 7250−1(ISO 3451−1))及びそれに準拠した方法、あるいはTG−DTA法に従って測定することができる。これらの測定方法の内、JIS K 7250−1(ISO 3451−1)及びそれに準拠した方法で測定することが好ましい。ただし、JIS K 7250−1(ISO 3451−1)及びそれに準拠した方法は非常に多くの試料量が必要であるため、十分な試料量が得られない場合はTG−DTA法で測定してもよい。
以下に灰分の測定条件を記す。
(1)JIS K 7250−1(ISO 3451−1)
A法(直接灰化法)
灰化温度;800℃
灰化時間;2時間
(2)TG−DTA法
熱重量/示差熱同時分析装置(TG−DTA)を用いて、測定試料の質量を測定した後、アルミパン中、大気雰囲気下、10℃/分で600℃まで昇温後、そのまま600℃で30分間加熱し試料を灰化する。加熱前の質量に対する加熱後の質量を百分率で表し、その値を灰分とする。
また、本発明の樹脂組成物中の灰分の含有率は、上記記載の測定方法によって、正確に測定することができるが、樹脂組成物全体の配合量に対する白色顔料を含む無機フィラーの配合量の割合から、概算して算出することもできる。
本発明の樹脂組成物中のポリオレフィン樹脂含有率は、7〜30質量%、好ましくは11〜28質量%とすることが望ましい。ポリオレフィン樹脂含有率が上記範囲であれば、樹脂組成物を成形する際の成形性を保ちながら、耐熱性の優れた成形体とすることができる。
本発明の樹脂組成物には、前記架橋処理剤を用いることができるが、該架橋処理剤の含有率は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、15〜40質量部、好ましくは15〜30質量部、より好ましくは16〜20質量部の量を含有させることが望ましい。架橋処理剤が上記範囲内であれば、架橋前の成形体から架橋処理剤をブリードアウトさせることなく、架橋を効果的に行うことができる。
なお、本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない限り、種々の添加剤を含有させることができる。例えば、樹脂組成物の性質を改善する目的で、種々のウィスカー、シリコーンパウダー、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム、脂肪酸エステル、グリセリン酸エステル、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の内部離型剤や、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、シアノアクリレート系、イソシアヌレート系、シュウ酸アニリド系、ベンゾエート系、ヒンダートアミン系、ベンゾトリアゾール系、フェノール系等の酸化防止剤や、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系等の光安定剤といった添加剤を配合することができる。
また、本発明の樹脂組成物には、シランカップリング剤のような分散剤を配合することができる。シランカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン等のジシラザン;環状シラザン;トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、トリメトキシシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、及びビニルトリアセトキシシラン等のアルキルシラン化合物;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、及びN−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等のアミノシラン化合物;等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、既述のポリオレフィン樹脂及び白色顔料を含む無機フィラーと、使用することが好ましい架橋処理剤とを前述した含有率となる配合量で溶融混練してペレット等の造粒物として製造することができる。溶融混練方法としては、溶融混練押出機、2本ロールあるいは3本ロール、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー等の撹拌機、ポリラボシステムやラボプラストミル等の溶融混練機等の公知の溶融混練方法を用いることができる。
本発明の樹脂組成物から得られる成形体は、クラックの発生がなく、耐熱性に優れ、白色系の色調を有する成形体が得られるので、種々の用途に適用することができる。例えば、耐熱性絶縁膜、耐熱性離型シート、太陽電池の光反射シートやLEDを始めとした照明やテレビ用の光源のリフレクターとして適用することができる。特にLEDは光半導体素子の密封性が素子寿命に影響を与えるため、クラックの発生が少なく、密封性の高い本発明によるリフレクター、リフレクター用樹脂組成物はLEDに好ましく適用できる。さらにリードフレームをエッチング及びハーフエッチングで加工して作製され、素子の設置部の裏面を電極として利用するメタルサブストレート型LEDにより好適に適用することが可能である。本発明の樹脂組成物を成形し、種々の用途の成形体とするためには、トランスファー成形、圧縮成形、射出成形等の成形方法を用いることができる。例えば、射出成形方法を用いる場合、シリンダー温度200〜400℃、金型温度20〜150℃で射出成形して得ることができる。また、架橋処理剤を使用した樹脂組成物においては、得られた成形体に電子線照射処理を施して得ることができる。電子線照射処理を行うことにより成形体をより耐熱性の優れたものとすることができる。なお、電子線照射処理は架橋処理剤を使用した樹脂組成物に対して行うこともでき、その電子線照射処理された樹脂組成物を成形して成形体を得ることもできる。
電子線の加速電圧については、用いる樹脂組成物の大きさや成形体の厚みに応じて適宜選定し得る。例えば、厚みが1mm程度の成形体の場合は通常加速電圧250〜3000kV程度で、使用した架橋処理剤を架橋し、硬化させることができる。なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと成形体の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、成形体への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による成形体の劣化を最小限にとどめることができる。また、電子線を照射する際の吸収線量は樹脂組成物の組成により適宜設定されるが、成形体中の架橋密度が飽和する量が好ましく、照射線量は50〜600kGyであることが好ましい。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
[2.リフレクター]
本発明のリフレクターは、既述の本発明の樹脂組成物を成形してなる。
当該リフレクターは、後述する半導体発光装置と組み合わせて用いてよいし、他の材料からなる半導体発光装置(LED実装用基板)と組み合わせて用いてもよい。
本発明のリフレクターは、主として、半導体発光装置のLED素子からの光をレンズ(出光部)の方へ反射させる作用を有する。リフレクターの詳細については、本発明の半導体発光装置に適用されるリフレクター(後述するリフレクター12)と同じであるためここでは省略する。
なお、本発明の樹脂組成物は成形体にクラックの発生がなく、耐熱性に優れた白色系の色調を有するので光半導体パッケージ用のリフレクターとして好適である。
[3.リフレクター付きリードフレーム]
本発明のリフレクター付きリードフレームは前述した本発明の樹脂組成物を成形してなる。リードフレームは、リフレクターを載置するための基板を示す。リードフレームは、半導体発光装置の分野で用いられるものあればいかなるものであっても使用可能である。リードフレームの材料としては、例えば、アルミナや、窒化アルミニウム、ムライト、ガラスなどの焼結体から構成されるセラミック等を挙げることができる。これ以外にも、ポリイミド樹脂等のフレキシブル性を有する樹脂材料等を挙げることができる。特に金属よりなるリードフレームとしては、アルミニウム、銅及び銅の合金が用いられることが多く、反射率の向上のため銀などの反射率が高い貴金属によりメッキされることも多い。特に金属で形成されたリフレクター用基板は、リードフレームと呼称されることも多い。リードフレームに形成された端子部等は、ハーフエッチングにより形成されていてもよい。具体的には、上記のリードフレームに、本発明の樹脂組成物を射出成形することにより所望のリフレクター形状に成形することで、本発明のリフレクター付きリードフレームが製造される。
本発明のリフレクター付きリードフレームの厚さ(リフレクターの厚み)は、0.1〜3.0mmであることが好ましく、0.1〜1.0mmであることがより好ましく、0.1〜0.8mmであることがさらに好ましい。
本発明のリフレクター付きリードフレームは、これにLEDチップを載せてさらに公知の封止剤により封止を行い、ダイボンディングを行なって所望の形状にすることで、半導体発光装置とすることができる。なお、本発明のリフレクター付きリードフレームは、リフレクターとして作用するが、半導体発光装置を支える枠としても機能している。
[4.半導体発光装置]
本発明の半導体発光装置を図1に例示する。本実施形態に半導体発光装置は、光半導体素子10と、この光半導体素子10の周りに設けられ、光半導体素子10からの光を所定方向に反射させる光反射面を有するリフレクター12とを基板14上に有してなる。光半導体素子10は、LED素子又はLEDパッケージであることが好ましい。半導体発光装置において、リフレクター12は、上述のリフレクターに相当し、光反射面の少なくとも一部(図1の場合は全部)が上述した本発明のリフレクター用樹脂組成物からなる成形体で構成されてなる。
光半導体素子10は、放射光(一般に、白色光LEDにおいてはUV又は青色光)を放出する、例えば、AlGaAs、AlGaInP、GaP又はGaNからなる活性層を、n型及びp型のクラッド層により挟んだダブルヘテロ構造を有する半導体チップ(発光体)であり、例えば、一辺の長さが0.5mm程度の六面体の形状をしている。そして、ワイヤーボンディング実装の形態の場合には、リード線16を介して不図示の電極(接続端子)に接続されている。
リフレクター12の形状は、レンズ18の端部(接合部)の形状に準じており、通常、角形、円形、楕円形等の筒状又は輪状である。図1の概略断面図においては、リフレクター12は、筒状体(輪状体)であり、リフレクター12のすべての端面が基板14の表面に接触、固定されている。
なお、リフレクター12の内面は、光半導体素子10からの光の指向性を高めるために、テーパー状に上方に広げられていてもよい(図1参照)。
また、リフレクター12は、レンズ18側の端部を、当該レンズ18の形状に応じた形に加工された場合には、レンズホルダーとしても機能させることができる。
リフレクター12は、図2に示すように、光反射面側だけを本発明の樹脂組成物からなる光反射層12bとしてもよい。この場合、光反射層12bの厚さは、熱抵抗を低くする等の観点から、500μm以下とすることが好ましく、300μm以下とすることがより好ましい。光反射層12bが形成される部材12aは、公知の耐熱性樹脂で構成することができる。
既述のようにリフレクター12上にはレンズ18が設けられているが、これは通常樹脂製であり、目的、用途等により様々な構造が採用され、着色されることもある。
基板14とリフレクター12とレンズ18とで形成される空間部は、透明封止部であってよいし、必要により空隙部であってもよい。この空間部は、通常、透光性及び絶縁性を与える材料等が充填された透明封止部であり、ワイヤーボンディング実装において、リード線16に直接接触することにより加わる力、及び、間接的に加わる振動、衝撃等により、光半導体素子10との接続部、及び/又は、電極との接続部からリード線16が外れたり、切断したり、短絡したりすることによって生じる電気的な不具合を防止することができる。また、同時に、湿気、塵埃等から光半導体素子10を保護し、長期間に渡って信頼性を維持することができる。
この透光性及び絶縁性を与える材料(透明封止剤組成物)としては、通常、シリコーン樹脂、エポキシシリコーン樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらのうち、耐熱性、耐候性、低収縮性及び耐変色性の観点から、シリコーン樹脂が好ましい。
以下に、図1に示す半導体発光装置の製造方法の一例について説明する。
まず、上記本発明の反射材樹脂組成物を、所定形状のキャビティ空間を備える金型を用いたトランスファー成形、圧縮成形、射出成形等により、所定形状のリフレクター12を成形する。その後、別途準備した光半導体素子10及び電極を、接着剤又は接合部材により基板14に固定し、リード線16によりLED素子と電極を接続する。次いで、基板14及びリフレクター12により形成された凹部に、シリコーン樹脂等を含む透明封止剤組成物を注入し、加熱、乾燥等により硬化させて透明封止部とする。その後、透明封止部上にレンズ18を配設して、図1に示す半導体発光装置が得られる。
なお、透明封止剤組成物が未硬化の状態でレンズ18を載置してから、組成物を硬化させてもよい。
本発明の樹脂組成物から得られる成形体はクラックの発生がなく、強度に優れるため半導体発光装置パッケージとしての厚みが、3.0mm以下、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.8mm以下である薄型半導体発光装置パッケージ用のリフレクターとして好適である。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、本実施例1〜15及び比較例1〜3において使用した材料は下記の通りである。
ポリオレフィン樹脂
・ポリオレフィン樹脂(1)
ポリメチルペンテン樹脂:重量平均分子量=497,000
・ポリオレフィン樹脂(2)
ポリメチルペンテン樹脂:重量平均分子量=243,000
・ポリオレフィン樹脂(3)
ポリメチルペンテン樹脂:重量平均分子量=589,000
・ポリオレフィン樹脂(4)
ポリメチルペンテン樹脂:重量平均分子量=208,000
なお、上記の重量平均分子量は、GPCにより以下の条件で測定した。
GPC測定条件
装置:Waters製 GPC/V2000
溶離液:o-ジクロロベンゼン
温度:145℃
流速:1.0mL/min
試料濃度:1.0/L
注入量:300μL
白色顔料
・酸化チタン粒子:PF−691(石原産業(株)製 ルチル型構造 平均粒径0.21μm)
白色顔料以外の無機フィラー
・ガラス繊維:PF70E−001(日東紡(株)製、繊維長70μm、平均断面積95.0μm2、断面形状は丸形のガラス繊維)
・架橋処理剤1
TAIC(トリアリルイソシアヌレート)日本化成(株)製
・架橋処理剤2
MeDAIC(メチルジアリルイソシアヌレート)四国化成工業(株)製
・架橋処理剤3
DA−MGIC(ジアリルモノグリシジルイソシアヌル酸)四国化成工業(株)製
・架橋処理剤4
MA−DGIC(モノアリルジグリシジルイソシアヌレート)四国化成工業(株)製
・架橋処理剤5
TMAIC(トリメタリルイソシアヌレート)日本化成(株)製
・架橋処理剤6
ダップモノマー(オルトフタル酸のジアリルエステル)ダイソー(株)製
その他の添加剤
・シランカップリング剤:ヘキシルトリメトキシシラン[KBM−3063(信越化学(株)製)]
・離型剤 :ステアリン酸亜鉛[SZ−2000(堺化学(株)製)]
・酸化防止剤(1) :IRGANOX1010(BASF・ジャパン(株)製)
・酸化防止剤(2) :ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト[(株)ADEKA製、商品名:アデカスタブPEP36]
[実施例1〜15、比較例1〜3]
下記表1〜表4に示すように各種材料を配合、混練し、樹脂組成物を得た。
なお、樹脂組成物は、各種材料を配合し、押出機(日本プラコン(株) MAX30:ダイス径3.0mm)とペレタイザー((株)東洋精機製作所 MPETC1)を用いて行い、樹脂組成物を得た。
これらの組成物につき、250℃、30秒、20MPaの条件で、750mm×750mm×厚さ0.2mmにプレス成形し、成形体(1)を作製した。
また、上記で得た樹脂組成物(ペレット)を射出成形機ソディックTR40ERソディック(プリプラ式)を用いて、銀メッキフレーム(リードフレーム)(厚さ:250μm)上に厚み:700μm、外形寸法:35mm×35mm、開口部:2.9mm×2.9mmとなるよう成形しリフレクター付きリードフレーム(2)を得た。なお、リフレクター付きリードフレーム(2)には、36個の開口部を有する。射出成形機条件は、シリンダー温度:260℃、金型温度:70℃、射出速度:200mm/sec、保圧力:100MPa、保圧時間:1sec、冷却時間:15secとした。これらの成形体(1)及び(2)に、加速電圧を800kVで400kGyの吸収線量にて電子線を照射した。これらの下記諸特性を評価した。結果を下記表1〜表4に示す。
(評価1)
・灰分
樹脂組成物の灰分は、TG−DTA法により、600℃、30分の条件で燃焼させて残る灰分の重量を測定して、質量%として求めた。測定装置としては、リガク社製 Thermo Plus2 TG8120を用いた。灰分を表1〜表4に示す。
(評価2)
・クラック発生数
36個の開口部を有するリフレクター付きリードフレーム(2)を150℃で500時間放置した後の表面部及び裏面部を顕微鏡(倍率:20倍)にて観察し、長さが500μm以上のクラックについて、その有無を確認した。そして、36個中のクラックの発生がある開口部の数を求めた。リフレクター付きリードフレーム(2)1枚についてクラックの発生がある開口部の数の平均値を算出し、クラック発生数とした。数値が小さいほどクラック発生が少ないことを示す。クラック発生数を表1〜表4に示す。
(評価3)
・メルトフローレート(MFR)の測定
樹脂組成物のMFRはJIS K 7210:1999 熱可塑性プラスチックのMFRに記載の方法に準拠した方法により測定した。具体的には、試験温度280℃、試験荷重2.16kg、60秒で行う。測定装置としては、チアスト社製 メルトフローテスターを用いた。MFRを表1〜表4に示す。
(評価4)
・反射率(長期耐熱)
成形体(1)の試料を、200℃で35時間放置した後の、波長230〜780nmにおける光反射率を分光光度計UV−2550((株)島津製作所製)を使用して測定した。測定結果として、波長450nmの反射率を表1〜表4に示す。
上記実施例の結果から明らかなとおり、ポリオレフィン樹脂及び白色顔料を含む無機フィラーを含有する樹脂組成物であって、ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量が220,000〜800,000であり、白色顔料の含有率がポリオレフィン樹脂100質量部に対して、200質量部を超え、500質量部以下含有されてなる樹脂組成物は、表面にクラックの発生の少なく、反射率において耐熱性に優れた成形体を得ることができる。これに対して、比較例1及び2で示されように、重量平均分子量が220,000未満のポリオレフィン樹脂を用いると成形体表面にクラックの発生が多くなることがわかる。また、比較例3で示されるように、ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量が220,000〜800,000であっても、白色顔料の含有率が200質量部未満であると、200℃で35時間後の反射率が大きく低下し、耐熱性に劣ることが示されている。
以上から、本発明の樹脂組成物は、リフレクターや半導体発光装置用の反射材に有用であるといえる。
10・・・光半導体素子
12・・・リフレクター
14・・・基板
16・・・リード線
18・・・レンズ

Claims (12)

  1. ポリオレフィン樹脂及び白色顔料を含む無機フィラーを含有する樹脂組成物であって、ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量が220,000〜800,000であり、白色顔料が、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、200質量部を超え、500質量部以下含有されてなる、樹脂組成物。
  2. 前記白色顔料を含む無機フィラーの含有率が70〜90質量%である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記ポリオレフィン樹脂がポリメチルペンテンである、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記白色顔料が酸化チタンである、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 前記白色顔料以外の無機フィラーがガラス繊維である、請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 更に、架橋処理剤を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる、リフレクター。
  8. 請求項6に記載の樹脂組成物を成形した後に、電子線を照射してなる、リフレクター。
  9. 厚さが0.1〜3.0mmである、請求項7又は8に記載のリフレクター。
  10. 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる、リフレクター付きリードフレーム。
  11. 請求項6に記載の樹脂組成物を成形した後に、電子線を照射してなる、リフレクター付きリードフレーム。
  12. 光半導体素子と、該光半導体素子の周りに設けられ、該光半導体素子からの光を所定方向に反射させるリフレクターとを基板上に有し、前記リフレクターが請求項7〜9のいずれかに記載のリフレクターである、半導体発光装置。
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