JP2014183680A - 短絡電流保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】負荷短絡保護時におけるツェナーダイオードの発熱を抑制しながら、ノイズによる誤動作を抑制する短絡電流保護装置を提供する。
【解決手段】ドレイン電流Idの検出電流値Iaにより比較電圧値Vaを発生させ、第2基準電圧値Vref2を第1基準電圧値Vref1より低い値に設定し、サージ電流(ノイズ)が発生したときに作動するゲート電圧調整部42によりゲート端電圧Vg2をツェナー電圧Vzdまで低下させた後、コンデンサCaによりツェナー電流Izdを制限し、負荷短絡が発生したときゲート制御回路54及びドライバ72を通じてゲート端電圧Vg2を0[V]にする。
【選択図】図2

Description

この発明は、直流電力と交流電力の変換を行う電力変換器等に用いられるMOSFETやIGBT等のスイッチング素子の負荷短絡時における短絡電流保護装置に関し、たとえば、直流電圧を交流電圧に変換して負荷に供給するインバータ等に適用して好適な前記スイッチング素子の短絡電流保護装置に関する。
従来から、特許文献1及び特許文献2に示すように、負荷短絡時に、インバータ等の電力変換器を構成するスイッチング素子に過大な短絡電流を流れないように保護する技術が公表されている。
図8に示すように、特許文献1に開示された短絡電流保護装置110が適用された電力変換器112は、通常時(負荷の非短絡時)には、ハイレベルとローレベルとの間で変化するゲート信号電圧e0を、コンプリメンタリ接続のトランジスタ102、104を介して0[V](基準電位)と定電圧電源106の駆動電圧(定電圧ともいう。)Vcc[V]との間で変化するゲート電圧(ゲート駆動電圧ともいう。)Vg1(0[V]又はVcc[V])を発生させ、抵抗器108を介してIGBT114及び補助IGBT116のゲート端子(ゲート入力端子ともいう。)にゲート電圧(ゲート端電圧ともいう。)Vg2(0[V]又はVcc[V])として印加することで、IGBT114及び補助IGBT116を同時にオンオフスイッチングし、オン時(ターンオン時)に、ドレイン電流(コレクタ電流)Idを流すように構成されている。
なお、この明細書において、ゲート電圧Vg1とゲート電圧Vg2とを区別して説明した方が分かりやすい場合には、抵抗器108の一端(入力端)に印加されるゲート電圧Vg1をゲート駆動電圧Vg1といい、抵抗器108の他端(出力端)であるゲート端子(ゲート入力端子)に印加されるゲート電圧Vg2をゲート端電圧Vg2という。
前記の補助IGBT116には、予めメインのIGBT114に流れるドレイン電流Idの何分の1かの正確な検出電流(検出電流値ともいう。)Iaが流れるように構成されている。
負荷の短絡時に、短絡電流保護装置110は、急激に増加するドレイン電流Idの電流値を、補助IGBT116のエミッタ端子と基準電位との間に挿入した電流検出抵抗器118により検出電流値Iaを電圧変換した電圧値Vaにて検出する。
そして、この特許文献1に係る短絡電流保護装置110では、検出された電圧値Vaが、ツェナーダイオード120の降伏電圧Vzpとエミッタ接地型のトランジスタ122のベースエミッタ電圧Vbeとの和(Vzp+Vbe≒Vzp)を上回る電圧値になったときに、トランジスタ122をオン状態にし、ゲート端電圧Vg2を、ツェナーダイオード120の降伏電圧Vzpとトランジスタ122のオン電圧Vsatの和電圧Vzp+Vsat(≒Vzp)にクランプする。これにより、ゲート端電圧Vg2が駆動電圧Vccまで上昇することを防止し、短絡電流であるドレイン電流Idを減少させ、スイッチング素子であるIGBT114を保護するものと推定される。
一方、図9に示すように、特許文献2に開示された従来技術に係る短絡電流保護装置210が適用された電力変換器212は、通常時(負荷の非短絡時)には、0[V](基準電位)と定電圧電源106の駆動電圧(定電圧ともいう。)Vcc[V]との間で変化するゲート駆動電圧Vg1(0[V]又はVcc[V])を発生させ、抵抗器208を介してIGBT214のゲート端子にゲート端電圧Vg2(0[V]又はVcc[V])として印加することで、IGBT214をオンオフスイッチングし、オン時(ターンオン時)に、ドレイン電流Idを流すように構成されている。
なお、IGBT214のセンスエミッタ端子には、コレクタ−エミッタ間に流れるドレイン電流Id(主電流)の例えば1万分の1の検出電流Iaが流れると記載されている。
負荷の短絡時には、短絡電流保護装置210は、急激に増加するドレイン電流Idの電流値を、エミッタ端子と基準電位との間に挿入した電流検出抵抗器218に検出電流値Iaを電圧変換した電圧値Vaにて検出する。
そして、この特許文献2に係る短絡電流保護装置210では、検出された電圧値Vaが、保護用MOSFET222のオン電圧Vgsonになったとき(図示しない時点t3´とする。)に、保護用MOSFET222がオン状態(Vds≒0[V])にし、コンデンサ224の端子間電圧が、IGBT214のゲート端電圧Vg2であるセンスエミッタ−エミッタ間電圧Vseに瞬時になるものと推定される。
その後、さらに、このセンスエミッタ−エミッタ間電圧Vseが、抵抗器208とコンデンサ224の時定数に基づきゲート電圧Vg1(=Vcc)に向かって増加するものと推定される。
この動作により、ドレイン電流Idの増加が抑制され、前記負荷短絡の時点t3´から一定時間後の時点(図示しない時点t4´とする。)に、ゲート駆動回路230によりゲート駆動電圧Vg1が停止状態(0[V]に固定された状態)にされる。これによりIGBT214のゲートエミッタ間電圧Vgeが小さくなり、これに伴いドレイン電流Idが低下し、IGBT214がオフ状態となってドレイン電流Idがゼロ値になり、IGBT214が保護されるものと想定される。
特開平5−218836号公報(図4、[0014]〜[0017]) 特開2009−213305号公報(図2、図3、図5、[0038]〜[0041])
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来技術に係る短絡電流保護装置110においては、負荷短絡の保護時に、ツェナーダイオード120によりゲート端電圧Vg2をツェナー電圧Vzpにクランプしているとき、駆動電圧Vccを発生する定電圧電源106の能力と抵抗器108の抵抗値に応じた電流(ツェナー電流Izp)が定電圧電源106からトランジスタ102及び抵抗器108を通じてツェナーダイオード120に連続して流れることから、定格電力の大きな大サイズの素子で形成されるツェナーダイオード120が必要になるという課題がある。
さらに、駆動電圧Vccを発生する定電圧電源106及びトランジスタ102の回路構成及び素子も過大電流に対応した回路構成にする必要があり、結果として、保護回路全体が大型化、且つ仕様的に肥大化するという課題がある。
なお、抵抗器108の抵抗値を大きくすれば、負荷短絡の保護時にツェナーダイオード120に流れるツェナー電流Izpを抑制することができるが、抵抗器108の抵抗値は、スイッチング素子であるIGBT114、116のスイッチング特性が確保できる値より大きな値にするとスイッチング時間(IGBT114、116がオン状態からオフ状態、又はオフ状態からオン状態に遷移する遷移時間)が長くなるので抵抗器108の数値を大きな値にすることには制約がある。
仮に、トランジスタ122とツェナーダイオード120とに直列に抵抗器を挿入することを考慮しても、負荷短絡時に遅延が発生し、IGBT114及び116にダメージを与えてしまう。
その上、ツェナーダイオード120の降伏電圧Vzpには、ばらつきがあり、一定の検出電流値Iaでの保護制御を行うことが困難であるという課題もある。
一方、上記特許文献2に係る従来技術の短絡電流保護装置210においても、保護用MOSFET222のオン電圧(ゲート閾値電圧Vgsthという。)にばらつきがあり、一定の検出電流値Iaでの保護制御を行うことが困難となり、そのため、スイッチング時におけるサージ電流等のノイズによる誤動作が発生し易いという課題がある。
この発明は、このような種々の課題を考慮してなされたものであり、保護時における保護用のツェナーダイオードの発熱を抑制しながら、ノイズによる誤動作を抑制することを可能とする短絡電流保護装置を提供することを目的とする。
特許請求の範囲及びこの[課題を解決するための手段]の項では、理解の便宜のために、スイッチング素子として、NMOSFET、NPN型IGBT等、N型のスイッチング素子の特性を考慮して電流値、閾値の大きさを記載しているが、数値を絶対値で理解すれば分かるように、特許請求の範囲には、P型のスイッチング素子の特性に適用した場合も含まれることはいうまでもない。
この発明に係る短絡電流保護装置は、スイッチング素子を備えた電力変換器の短絡電流保護装置において、前記スイッチング素子のゲート入力端子にゲート電圧として所定の駆動電圧を印加することによって前記スイッチング素子のターンオン及びターンオフを制御するゲート制御回路と、前記スイッチング素子に流れる電流値を検知する電流検知部と、前記電流値が第1閾値を上回ったことを検出すると共に、検出してから第1の時間後に前記ゲート制御回路による前記ゲート電圧の印加を遮断する保護回路と、前記電流値が前記第1閾値より小さい第2閾値を上回ったことを検出すると共に、検出してから前記第1の時間よりも短い第2の時間後に前記ゲート電圧を前記駆動電圧よりも低減させ、且つ前記電流値が前記第2閾値を上回った後に前記第2閾値を下回った場合には、前記駆動電圧を印加するゲート電圧調整部と、を備えることを特徴とする。
理解の便宜のために、この発明に係る前記ゲート電圧調整部が存在しないと仮定した場合、前記保護回路に設定される第1閾値は、ターンオン時のサージ等のノイズによっては上回らない比較的に大きな値に設定しないと、ノイズを負荷短絡と誤検知してしまい、インバータ等のスイッチング素子利用装置の性能を低下させてしまう。その一方で、ノイズによる誤検知を防止するために保護回路に設定される第1閾値を大きな値にすると、ゲート電圧の遮断までにかかる時間が長くなるため、スイッチング素子にかかるストレス(電気的な損傷)が大きくなり、結果、スイッチング素子の寿命が短くなってしまう。
そこで、この発明では、保護回路に加えてゲート電圧調整部を備える。ゲート電圧調整部は、スイッチング素子に流れる電流値が、保護回路の作動開始条件である前記第1閾値より小さい第2閾値を上回ったことを検出してから、第2の時間(前記保護回路がゲート電圧の印加を遮断する第1の時間よりも短い時間)後に前記ゲート電圧を前記駆動電圧よりも低減させ、且つ前記電流値が前記第2閾値を上回った後に前記第2閾値を下回った場合には、前記駆動電圧を印加するように構成したので、この構成により、ノイズ発生(通常のサージ発生)により保護回路が完全に作動してしまうことを回避できる。
より具体的に、前記ゲート電圧調整部は、一端が前記ゲート入力端子側に接続され、他端が基準電位側に接続されると共に、前記電流値が前記第1閾値より小さい前記第2閾値を上回った場合に導通状態となるスイッチ部と、前記スイッチ部と前記ゲート入力端子との間に直列接続されたコンデンサ及びツェナーダイオードと、を備えるように構成してもよい。
この構成によれば、スイッチング素子に流れる電流値が前記第1閾値より小さな値に設定された第2閾値を上回った場合には、ゲート電圧調整部が作動してスイッチ部が導通することにより、ゲート入力端子に入力されるゲート電圧(ゲート端電圧)が、まずツェナーダイオードの降伏電圧まで瞬時に引き下げられる。
従って、ゲート端電圧の降伏電圧までの低下により、スイッチング素子を流れる電流が瞬時に制限され、負荷短絡等の短絡が発生している状態及び発生していない状態においても、スイッチング素子に過剰な電流が流れることが抑制される。
このように、ゲート電圧調整部は、一端がゲート入力端子側に接続され、他端が基準電位側に接続されるスイッチ部と、前記スイッチ部と前記ゲート入力端子との間に直列接続されたコンデンサ及びツェナーダイオードと、を備える比較的簡易な構成にされているため、前記電流値が前記第2閾値を上回る際には瞬時にゲート端電圧をツェナーダイオードの降伏電圧まで引き下げることができる(応答時間が短く、応答が早い)。
しかも、前記電流値が前記第2閾値を一時的に上回るような場合、すなわち負荷短絡が発生しておらず、例えば通常のターンオン動作の際のサージによって前記電流値が一時的に大きくなった場合には、ゲート端電圧が、ゲート電圧調整部により一時的に低下されるものの、前記電流値が前記第1閾値より小さい前記第2閾値を下回ったことに対応して速やかに通常のゲート電圧がゲート入力端子に印加されるため、負荷短絡を誤検知することなく通常のスイッチング動作を継続することができる。この場合、前記保護回路は動作しない。
さらに、前記電流値が前記第2閾値より大きい値に設定された第1閾値を上回る場合には、負荷短絡が発生したとみなして保護回路が作動するので、ゲート電圧の印加が遮断され、その結果、スイッチング素子に流れる電流も遮断されてスイッチング素子の動作が停止され、スイッチング素子が保護される。
このように、保護回路に設定される第1閾値は、負荷短絡の誤検知を防ぐために、ゲート電圧調整部に設定される第2閾値より大きな値に設定され、さらには適宜の遅延フィルタ等を含んで構成されるため、ゲート電圧調整部に比べて応答時間が長くなる(応答が遅くなる。)。すなわち、前記電流値が第1閾値を上回ってからゲート電圧の遮断動作が開始するまでに遅延時間(前記第1の時間)が発生する。
このため、負荷短絡時に、保護回路のみでゲート電圧の印加を遮断させる場合には、ゲート電圧が遮断されるまでの間の時間は、通常のゲート電圧によるゲート端電圧が印加されていることとなり、比較的大きな電流がスイッチング素子に流れてしまうこととなるが、この発明によれば、負荷短絡時に、相対的に応答時間が短く(前記第2の時間)、高速動作するゲート電圧調整部がまずゲート端電圧を低減させた上で、負荷短絡が確定する程大きな電流値になったとき(電流値が第1閾値を上回るとき)に保護回路によってゲート電圧を遮断することができるため、負荷短絡時にスイッチング素子が停止するまでに流れる電流値(エネルギー)を小さくしつつ、負荷短絡を誤検知してしまうことを抑制することができる。
さらにまた、ゲート電圧調整部は、スイッチ部とゲート入力端子との間に接続されたコンデンサ及びツェナーダイオードを備えていることにより、電流値が第2閾値を上回った場合に、ゲート入力端子に入力されるゲート端電圧はまずツェナーダイオードの降伏電圧まで引き下げられた後、コンデンサの充電に伴ってツェナーダイオードを流れる電流が小さくなっていくため、ツェナーダイオードの発熱を低減することができる。従って、ツェナーダイオードのみで構成する場合に比べて、ツェナーダイオードの発熱が低減され、ツェナーダイオードとして素子サイズの小さい小型な素子を採用することができる。
ゲート入力端子に入力されるゲート端電圧は、コンデンサの充電に伴って徐々に高くなっていくこととなるが、負荷短絡が確定した際に保護回路によってゲート電圧の印加が遮断されるため、スイッチング素子を流れる電流が増大していく前にスイッチング素子に流れる電流を遮断することができる。
この場合、前記保護回路は、短絡時(負荷短絡時)に前記ゲート電圧調整部の前記ツェナーダイオードによって低くされた前記ゲート電圧が、前記コンデンサへの充電により上昇することで、前記スイッチング素子に流れる前記電流値が劣化開始限界電流値又は一定の劣化が許容できる電流値まで上がる前に、前記ゲート電圧(前記ゲート駆動電圧)を確実に遮断するために設けられる。
さらに、前記保護回路及び前記ゲート電圧調整部は、それぞれ前記第1閾値及び前記第2閾値を第1基準電圧値及び第2基準電圧値とする第1及び第2比較器を備え、前記電流値と前記閾値を比較するために、前記スイッチング素子に流れる電流を抵抗器に流して該抵抗器の両端の電圧を比較電圧値とし、前記比較電圧値が前記第2基準電圧値を上回ったとき、前記ゲート電圧調整部を構成する前記第2比較器の遷移出力により前記スイッチ部を導通状態にし、その後、前記比較電圧値が前記第1基準電圧値を上回った場合に、前記保護回路を構成する第1比較器の遷移出力により前記ゲート電圧(前記ゲート駆動電圧)の印加を遮断する構成にすることにより、ゲート電圧調整部によるノイズ等を負荷短絡と誤検知することを回避しながらスイッチング素子を保護する予備的な高速保護と、保護回路による負荷短絡時のスイッチング素子の保護を、それぞれ、一定値の正確な基準電流値に対応する第2及び第1基準電圧値が設定された第2及び第1比較器を利用することにより、それぞれ開始することができる。
この発明によれば、保護用のツェナーダイオードにコンデンサを直列接続しているので保護時における保護用のツェナーダイオードの発熱を抑制しながら、保護回路が作動する閾値(第1閾値)に比較して相対的に小さい値に設定された閾値(第2閾値)を有するゲート電圧調整部によりノイズによる誤動作を抑制することができる。
この実施形態に係る短絡電流保護装置が適用された電気自動車の構成図である。 この実施形態に係る短絡電流保護装置の詳細構成図である。 この実施形態に係る短絡電流保護装置の動作説明に供されるフローチャートである。 この実施形態に係る短絡電流保護装置の動作説明に供されるタイミングチャートである。 図4例のタイミングチャート中、短絡電流保護期間を含む期間を一部デフォルメして拡大して示すタイミングチャートである。 スイッチング素子とツェナーダイオードの電力削減の模式的説明図である。 他の実施形態に係る短絡電流保護装置の詳細構成図である。 特許文献1に開示された従来技術に係る短絡電流保護装置の構成図である。 特許文献2に開示された従来技術に係る短絡電流保護装置の構成図である。
以下、この発明に係る短絡電流保護装置について好適な実施形態を挙げ、添付の面を参照して詳細に説明する。
なお、以下に参照する図面において、上記図8、図9に示したものと対応するものには同一の符号を付けてその詳細な説明は省略する。
図1は、この実施形態に係る短絡電流保護装置10が適用された電気自動車12の構成を示している。
電気自動車12は、基本的には、高電圧のバッテリ14と、バッテリ14の電源電圧である直流の、例えば数百[V]程度のバッテリ電圧Vbatを3相の交流電圧に変換する電圧変換器としてのインバータ16と、前記交流電圧により駆動される駆動モータ18と、これらの要素を制御駆動するECU(電子制御ユニット)により構成されるゲート駆動ユニット20とから構成される。なお、駆動モータ18の回転軸は、図示しないトランスミッションを介して車輪に接続されている。
なお、電気自動車12には、動力源を駆動モータ18とし、少なくともバッテリ14を動力資源とする、いわゆるEVの他、HEV(ハイブリッド自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド自動車)、及びFCV(燃料電池自動車)等が含まれる。また、電気自動車12が、レンジエクステンデッドEVの場合には、公知のように、内燃エンジンと発電機が用いられるが、この実施形態に係るゲート駆動ユニット20は、前記発電機で発生された交流電圧を直流電圧に変換するインバータに適用することもできる。
駆動モータ18としては、固定子としてのU相、V相、W相の各コイル18u、18v、18wが、Y型に結線され、円周方向に永久磁石(PM)が埋め込まれた回転子を備えるPMモータ(永久磁石同期モータ)が使用されている。
力行時には、バッテリ14の電力が、ヒューズ22、電磁リレー24、及びハーネス26を通じ、インバータ16を介し、さらにハーネス(バスバー)30を通じて駆動モータ18に供給される。
また、減速時等の回生時には、駆動モータ18の回生電力がインバータ16を通じて交流/直流変換され、バッテリ14を充電する。
バッテリ14の正極Pと負極N(基準電位)との間には、バッテリ電圧Vbatを検知する電圧センサ32と平滑コンデンサ34とが接続され、負極N側には電流センサ35(電圧センサ)でバッテリ電流Ibatを検出するためのシャント抵抗器が接続されている。
インバータ16は、それぞれがパワーデバイスであるスイッチング素子Q1〜Q6と、このスイッチング素子Q1〜Q6にそれぞれ逆方向に接続されるダイオードD1〜D6と、が3相のフルブリッジ型構成に接続され、各相の上アーム素子のスイッチング素子Q1とダイオードD1、スイッチング素子Q2とダイオードD2、及びスイッチング素子Q3とダイオードD3と、下アーム素子のスイッチング素子Q4とダイオードD4、スイッチング素子Q5とダイオードD5、及びスイッチング素子Q6とダイオードD6と、の各中点が駆動モータ18の3相のUVW相のU相コイル18u、V相コイル18v、及びW相コイル18vに接続されている。
スイッチング素子Q1〜Q6は、それぞれMOSFETを採用しているが、IGBTでもよく、その他のスイッチング素子でもよい。
スイッチング素子Q1〜Q6は、公知のように、ゲート駆動ユニット20が発生するPWM(パルス幅変調)信号に基づきオンオフスイッチング(ターンオン及びターンオフ)され、所定周期(所定時間)内の通電時間(オン時間)が制御される。
図2は、スイッチング素子Q1〜Q6を前記PWM信号に基づき制御するゲート駆動ユニット20中、1つのスイッチング素子Qを駆動・保護する短絡電流保護装置10の詳細構成を示している。実際上、図2に示すゲート駆動ユニット20が、各スイッチング素子Q1〜Q6毎に準備されているが、ここでは、理解の便宜と煩雑さの回避のために、1つのスイッチング素子Q分のみの回路構成図を描いている。
また、図2中に描いている各グランド(GND)は、理解の便宜のためであり、実際には、図8及び図9に示した定電圧電源106と同様の定電圧電源(不図示)から発生される定電圧Vcc(駆動電圧Vccともいう。)に対する基準電位(一般にVee等と表記される。Vcc>Vee)を意味している。
下アームのスイッチング素子Q4、Q5、Q6の基準電位は、例えば、バッテリ14の負極側(図1例では、シャーシグランドから浮いている。)の電位に設定され、上アームのスイッチング素子Q1、Q2、Q3の基準電位は、下アームのスイッチング素子Q4、Q5、Q6のHigh側電位に設定される。
ゲート駆動ユニット20は、短絡電流保護装置10を構成する保護回路41及びゲート電圧調整部42を備える。
図2に示すように、保護回路41は、第1比較器51と、ラッチ回路55を備えるゲート制御回路54と、から構成される。第1比較器51は、比較電圧値Vaと、第1閾値である第1基準電圧値Vref1とを比較し、比較電圧値Vaが第1基準電圧値Vref1を上回る電圧となった場合に、ローレベルからハイレベルに遷移する保護信号(比較結果信号)Sp1を、ゲート制御回路54を構成するラッチ回路55に出力する、例えばヒステリシス機能を含むコンパレータ等の電圧比較器61を備える。
第1基準電圧値Vref1は、図示しない定電圧電源から発生される定電圧Vcc(駆動電圧Vccともいう。)を精密な抵抗器で抵抗分圧した正確な値に設定されている。第1基準電圧Vref1は、基準電圧発生用集積回路を用いて発生させてもよい。この実施形態において、定電圧Vccは、例として数[V]〜数十[V](Vcc=数[V]〜数十[V])に設定されている。この場合、第1基準電圧値Vref1は、負荷短絡を検出するために、ドレイン電流Idの第1過大電流値Idov1(図4参照)を検出する値に設定される。
図2において、ゲート制御回路54は、図示しないマイクロコンピュータにより発生されるPWM信号を、適宜のバッファ回路及びフィルタ回路を通じて出力する。ゲート制御回路54から出力されたPWM信号は、ドライバ72を通じて0[V]又は駆動電圧Vccの2値をとるゲート電圧(ゲート駆動電圧)Vg1に変換され、さらに、抵抗器Rg(抵抗値もRgとする。)を通じてスイッチング素子Qのゲート端子(ゲート入力端子)にゲート電圧(ゲート端電圧)Vg2として印加される。
ゲート電圧調整部42が、後述する過大な電流値Iaを検出していないとき、換言すれば、負荷に短絡やサージ電圧等のノイズが発生していないときの通常時のゲート電圧Vg2は、ゲート電圧Vg1に略等しい。
ゲート電圧調整部42は、第2比較器52と、スイッチング素子Qのゲート電圧(ゲート端電圧)Vg2を制限するゲート電圧制限回路56とから構成される。
ゲート電圧制限回路56は、MOSFETにより構成されるスイッチ部SWaと、スイッチ部SWaのドレイン端子と、スイッチング素子Qのゲート端子との間に直列に接続される、降伏電圧(ツェナー電圧)VzdのツェナーダイオードZDと、コンデンサCaと抵抗器Rdの並列回路とを備える。スイッチ部SWaには、MOSFETの他、IGBT、トランジスタ等、適宜のスイッチング素子を用いることができる。
この実施形態において、ツェナーダイオードZDの降伏電圧Vzdは、一例として公称値数ボルト[V](Vzd=数ボルト[V]〜数十ボルト[V])のツェナーダイオードZDを使用している。抵抗器Rdは、放電抵抗器であり、保護回路41が、例えば、マイクロ秒オーダーで動作する場合、例えば、その100〜1000倍のミリ秒オーダーでコンデンサCaに蓄積された電荷を放電する大きな値に設定される。
前記のスイッチング素子Qは、ドレイン電流Idが流れ込むドレイン端子と、ゲート電圧Vg2が印加されるゲート端子と、基準電位であるグランド(GND)に接続されるソース端子と、ドレイン端子とソース端子との間に逆方向に接続されるダイオードDと、センスソース端子とを備えている。センスソース端子には、一端が基準電位に接続された抵抗器Raと、保護回路41及びゲート電圧調整部42の入力端子が接続される。
スイッチング素子Qのセンスソース端子からは、ドレイン電流Idの正確に何分の1かの電流が検出電流Iaとして流れ出る。この検出電流Iaの電流値(これもIaという。)が、ゲート駆動ユニット20を構成する誤差の少ない抵抗器Ra(抵抗値もRaとする。)に電圧降下を発生させ、検出電流値Iaに比例した電圧値(比較電圧値ともいう。)Vaを発生する。抵抗器Raは、ドレイン電流Idの電流検知部として動作する。
なお、スイッチング素子Qがセンスソース端子を備えていない場合には、スイッチング素子Qのソース端子とグランド(仮想基準電位)との間に小抵抗値の抵抗器を挿入したり、電流センサを挿入してもよい。
ゲート電圧調整部42の第2比較器52は、比較電圧値Vaと、第2閾値である第2基準電圧値Vref2とを比較し、比較電圧値Vaが第2基準電圧値Vref2を上回る電圧となった場合に、ローレベルからハイレベルに遷移するスイッチ信号(比較結果信号)Sp2を、ゲート電圧制限回路56を構成するスイッチング素子(ここでは、MOSFET)からなるスイッチ部SWaのゲート端子に出力する、例えばヒステリシス機能を備えたコンパレータ等の電圧比較器62を備える。第2基準電圧値Vref2も、定電圧Vccを精密な抵抗器で抵抗分圧した正確な値に設定されている。この場合、第2基準電圧値Vref2は、ドレイン電流Idのサージ電流に対応する第2過大電流値Idov2(Idov2<Idov1)(図4参照)を検出する値に設定される。
上述したように、ゲート電圧調整部42が、過大な電流値Iaを検出していないとき、換言すれば、負荷に短絡やサージ電圧等のノイズが発生していない通常時には、第2比較器52の出力信号であるローレベルのスイッチ信号Sp2によりスイッチ部SWaがオフ状態になっている。このため、ゲート電圧調整部42が、スイッチング素子Qのゲート端子に対して回路的に開放状態になっている。
ここで、MOSFETであるスイッチ部SWaのゲートソース間オン電圧には、ばらつきがあるが、第2基準電圧値Vref2で正確に作動する(反転する)第2比較器52から出力されるハイレベル(この値は、スイッチ部SWaのゲートソース間オン電圧の2倍以上の電圧に設定可能である。)のスイッチ信号Sp2により駆動されるので、スイッチ部SWaは、比較電圧値Vaが第2基準電圧値Vref2を上回ると瞬時にオフ状態からオン状態(ドレインソース間電圧が略0値)に遷移する。
スイッチ部SWaがオン状態に遷移するときには、ゲート駆動電圧Vg1がVg1=Vccになっているので、ゲート端電圧Vg2が、ツェナーダイオードZDの降伏電圧Vzdにクランプされ、その後、ゲート端電圧Vg2は、コンデンサCaが抵抗器Rgを通じて駆動電圧Vccに向かって時定数Ca×Rgで充電されることで上昇する。コンデンサCaの端子間電圧が基準電位0[V]から電圧(Vcc−Vzd)まで充電された(上昇した)とき、ツェナーダイオードZDが降伏状態からオフ状態に遷移し、ゲート電圧調整部42がスイッチング素子Qのゲート端子から電気的に遮断される(開放状態とされる)。
上述したように、ゲート駆動ユニット20は、ECUにより構成されるが、ECUはコンピュータを含み、CPUが各種入力に基づきROM等のメモリに記憶されているプログラムを実行することで各種の機能を実現する機能部(機能手段)としても動作するが、これらの機能はハードウエアにより実現することもできる。実際上、この実施形態において、短絡電流保護装置10の部分は、略ハードウエアにより構成されている。ゲート駆動ユニット20は、ECUではなく、ECUと独立した駆動回路や制御回路等で構成することもできる。
この実施形態において、ゲート駆動ユニット20は、保護回路41とゲート電圧調整部42とからなる短絡電流保護装置10として機能する他に、通常の電気自動車12と同様に、アクセルペダル操作、シフト操作等に基づいて、駆動モータ18が、所望の回転数、所望のトルクで駆動されるための指令電圧とバッテリ電圧Vbatと、に応じたデューティを有するPWM信号を生成し、フィードバック制御する。
基本的には以上のように構成され、且つ動作するこの実施形態に係る短絡電流保護装置10の動作について、図3のフローチャート及び図4のタイミングチャートを参照しながら説明する。なお、フローチャートに係るプログラムを実行するのは、ゲート駆動ユニット20のCPU(図示略)である。
ステップS1にて、通常(公知)の要領にて作成されたPWM信号がゲート制御回路54に入力されると、ゲート制御回路54は、ステップS2にて、このPWM信号のエッジを検出する。なお、PWM信号の波形は、通常時において、ゲート駆動電圧Vg1及びゲート端電圧Vg2の波形と、オン(ON、ハイレベル)・オフ(OFF、ローレベル)のタイミングが同期した振幅が異なる波形である。
この場合、ステップS2のエッジ検出結果は、フローチャート中に示すように、立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジ、又は維持(エッジでなく電圧が変化しない)のいずれかである。
ステップS2にて、例えば、時点t1に示すように、立ち上がりエッジであると判定した場合には、ステップS3にて、ローレベルからハイレベルに遷移するゲート駆動電圧Vg1を出力することにより、スイッチング素子Qのゲート端子にローレベルからハイレベルに遷移するゲート端電圧Vg2(Vg2=Vcc[V])が印加される。
例えば、図1に示す下アーム素子のスイッチング素子Q5のゲート端子にローレベルからハイレベルに遷移するゲート端電圧Vg2が印加されてターンオンされるとき、上アーム素子のスイッチング素子Q1のゲート端子にも同期してローレベルからハイレベルに遷移するゲート端電圧Vg2が印加されてターンオンし、バッテリ14からのバッテリ電流Ibatがオン状態になったスイッチング素子Q1、駆動モータ18のU相コイル18u、V相コイル18v、及びオン状態になったスイッチング素子Q5を通じて流れる(他のスイッチング素子Q2、Q3、Q4、Q6はオフ状態。)。
実際上、このときのスイッチング素子Q1、Q5に流れるドレイン電流Idは、図4の時点t1〜t2間に示すように、U相コイル18u及びV相コイル18vのインダクタンスに応じて傾斜して上昇し、時点t2でピーク値のサージ(サージ電圧)を発生し、以下、徐々に上昇する。
次いで、ステップS4にて、実際上は、時点t1にて、ゲート電圧調整部42は、ドレイン電流Idが第2過大電流値Idov2を上回るか否かを、検出電圧値Vaが第2基準電圧値Vref2を上回る(Va>Vref2)か否かにより検出する。
時点t1〜t2では、上回っていない。この場合には、ステップS4の判定は否定的となり(ステップS4:NO)、ステップS1にもどり、時点t3まで、ステップS1→ステップS2:維持→ステップS4:NOを微小時間毎に繰り返す。
次いで、時点t3に対応するステップS2にて、PWM信号が立ち下がりエッジであると判定した場合には、ステップS5にて、ハイレベルからローレベルに遷移するゲート駆動電圧Vg1を出力することにより、スイッチング素子Qのゲート端子にハイレベルからローレベルに遷移するゲート端電圧Vg2(Vg2=0[V])が印加される。
この場合、この下アーム素子のスイッチング素子Q5のゲート端電圧Vg2と、これに同期した上アーム素子のスイッチング素子Q1のゲート端電圧Vg2とにより、時点t3にて、スイッチング素子Q1、Q5がターンオフ状態にされる。
ステップS5の処理後、時点t3〜時点t4まで、ステップS1→ステップS2:維持→ステップS4:NO→ステップS1が微小時間毎に繰り返される。
次いで、時点t4に対応するステップS2にて、立ち上がりエッジであると判定した場合には、ステップS3にて、ゲート制御回路54は、ローレベルからハイレベルに遷移するゲート駆動電圧Vg1を出力することにより、スイッチング素子Q2、Q6のゲート端子にローレベルからハイレベルに遷移するゲート端電圧Vg2(Vg2=Vcc[V])が印加される。
このとき、バッテリ14からのバッテリ電流Ibatが、ターンオン状態のスイッチング素子Q2、駆動モータ18のV相コイル18v、W相コイル18w、及びターンオン状態のスイッチング素子Q6を通じて流れる(他のスイッチング素子Q1、Q3、Q4、Q5はオフ状態。)。
そして、以降の時点t5において、発生したサージ電圧により、スイッチング素子Q6(図2のスイッチング素子Qとする。)に流れるドレイン電流Idが、第2過大電流値Idov2を上回るとき、ステップS4の検出電圧値Vaが、第2基準電圧値Vref2を上回る(Va>Vref2)ように設計されているので、ゲート電圧調整部42の第2比較器52(電圧比較器62)が作動(反転)する(ステップS4:YES)。
電圧比較器62が反転している時点t5〜t6にて、ステップS6のゲート電圧調整部42によるゲート電圧制限(低減)処理が実行される。
このゲート電圧制限処理は、検出電流値Iaが第2過大電流値Idov2に対応する値まで上昇したときに、Va>Vref2が成立して第2比較器52が作動し(反転し)、その出力であるスイッチ信号Sp2がローレベルからハイレベルに遷移してスイッチ部SWaがオン状態になり、ツェナーダイオードZDにツェナー電流Izdが流れ、ツェナーダイオードZDが降伏電圧Vzdの領域になり、スイッチング素子Qのゲート端子に印加されるゲート端電圧Vg2が降伏電圧Vzdまで低下される(図4参照)。これにより第2過大電流値Idov2を上回るドレイン電流Idになることが回避され、スイッチング素子Qが受けるストレスが、スイッチング素子Qの寿命には影響し得ない最小限なものとされる。
この場合、スイッチング素子Q2、Q6により駆動されているV相コイル18vの入力端とW相コイル18wの入力端との間(スイッチング素子Q2、Q5とスイッチング素子Q3、Q6の中点間)では、短絡(負荷短絡)が発生していないので、時点t5+Δt(Δtは微小時間)で、サージ電圧(サージ電流)が消滅すると、ステップS7の判定処理で、検出電流値Iaが第2過大電流値Idov2より大きな、負荷短絡が発生することを検知する第1過大電流値Idov1には到達しないので、ステップS7の判定(Va>Vref1)が否定的(ステップS7:NO)となり、ステップS1に戻る。
以降、時点t5〜t8までは、ステップS1→ステップS2:維持→ステップS4:NOが微小時間毎に繰り返される。なお、時点t5〜t7の間でツェナーダイオードZDの素子温度Tzdは、周囲温度より上昇している。
次いで、時点t8〜t10まで、ステップS1→ステップS2:維持→ステップS4:NOが微小時間毎に繰り返されるが、時点t8と時点t10の間の時点t9にて、W相コイル18wとU相コイル18uの駆動モータ18の入力端で短絡(負荷短絡)が発生したものとする。
この場合、時点t10に対応するステップS2にて、ゲート制御回路54によりPWM信号の立ち上がりエッジであると判定され、ステップS3にて、ローレベルからハイレベルに遷移するゲート駆動電圧Vg1を出力することにより、スイッチング素子Q3、Q4のゲート端子にローレベルからハイレベルに遷移するゲート端電圧Vg2(Vg2=Vcc[V])が印加される。
このとき、バッテリ14からのバッテリ電流Ibatがターンオン状態のスイッチング素子Q3を通じ、短絡路を通り(駆動モータ18のW相コイル18w及びU相コイル18uを迂回して)、ターンオン状態のスイッチング素子Q4を通じて流れる。
この場合、時点t11に対応するステップS4の判定(Va>Vref2)が肯定的となり、ゲート電圧調整部42の作動によりゲート端電圧Vg2が、ツェナーダイオードZDの降伏電圧Vzdまで低減されるが、ドレイン電流Idが短絡電流となるために、時点t11以降も上昇の程度が抑制されるが上昇する。
そうすると、時点t11´に対応するステップS7での検出電流値Iaが第2過大電流値Idov2より大きな第1過大電流値Idov1を上回るので、ステップS7の判定(Va>Vref1)が肯定的(ステップS7:YES)となり、ステップS5にて、負荷短絡保護処理がなされる。
すなわち、時点t11´にて、検出電圧値Vaが第1基準電圧値Vref1を上回ると保護回路41の第1比較器51が作動し(反転し)、保護信号Sp1がローレベルからハイレベル(能動レベル)になる。
これによりラッチ回路55が不可逆的に作動し、ゲート制御回路54は、ゲート駆動電圧Vg1をハイレベルである駆動電圧Vccから強制的にローレベルである基準電位(=0[V])にする信号を、所定の遅延時間Td経過後の時点t12にてドライバ72に出力する。
これにより、時点t11以降時点t12まで、コンデンサCaが充電されてゲート端電圧Vg2が上昇して、前記スイッチング素子Qに流れるドレイン電流Idが劣化開始限界電流値又は一定の劣化が許容できる電流値Idovlimitまで上がる前に、ゲート駆動電圧Vg1及びゲート端電圧Vg2がローレベル0[V]にされる。なお、劣化開始限界電流値とは、この電流値を上回ると、スイッチング素子Qの寿命が短くなる予め定められた閾値電流値をいう。一定の劣化が許容できる電流値Idovlimitとは、劣化開始限界電流値よりは大きな値であり劣化は開始するが、換言すれば寿命は短くなるが、短くなった寿命であっても、例えば、短絡電流保護装置10が適用された製品の寿命、この実施形態では、電気自動車12の製品寿命と同程度以上の許容できる寿命等をいう。
ドライバ72のゲート駆動電圧Vg1のローレベルの0[V]の出力によりゲート端電圧Vg2が同時に略ツェナー電圧Vzdからローレベルの0[V]にされ、スイッチング素子Q3、Q4が、オフ状態、いわゆる遮断状態(開放状態)にされるので、時点t12以降、短絡電流に対応するドレイン電流Idが減少し、時点t13でゼロ値になり、必要であれば、時点t12以降、リレー制御信号Srにより電磁リレー24が閉状態から開放状態にされる。このため、時点t14にてツェナーダイオードZDの素子温度Tzdは、温度上昇が解消される。
[実施形態のまとめ]
以上説明したように上述した実施形態に係る、スイッチング素子Qを備えた電力変換器であるインバータ16の短絡電流保護装置10において、スイッチング素子Qのゲート入力端子にゲート電圧Vg2として所定の駆動電圧Vg1(0[V]、Vcc[V])を印加することによってスイッチング素子Qのターンオン及びターンオフを制御するゲート制御回路54と、スイッチング素子Qに流れる電流値Idを比較電圧値Vaとして検知する電流検知部としての抵抗器Raと、電流値Idに対応する比較電圧値Vaが第1閾値Vref1を上回ったことを検出する(時点t11´)と共に、検出してから第1の時間後(時点t12)にゲート制御回路54によるゲート電圧Vg1(Vg2)の印加を遮断する保護回路41と、前記電流値Idに対応する比較電圧値Vaが第1閾値Vref1より小さい第2閾値Vref2を上回ったことを検出する(時点t5)と共に、検出してから第1の時間(時点t11´〜t12の間の時間)よりも短い第2の時間後(時点t5´の直後)にゲート電圧Vg2を駆動電圧Vg1よりも低減させ(Vzdにさせ)、且つ前記電流値Idに対応する比較電圧値Vaが前記第2閾値Vref2を下回った(時点t6)場合には、前記駆動電圧Vg1を印加するゲート電圧調整部42と、を備える。この構成により、ノイズ発生(通常のサージ発生)により保護回路41が完全に作動してしまうことを回避することができる。
このようにして、インバータ16を構成するスイッチング素子Q(Q1〜Q6)を負荷短絡から保護すると共に、負荷短絡保護時におけるツェナーダイオードZDの発熱を抑制(後に詳しく説明する。)しながら、ノイズによる誤動作を抑制することができる。
すなわち、ドレイン電流Idの検出電流値Iaにより抵抗器Raに電圧降下である比較電圧値Vaを発生させると共に、第2基準電圧値Vref2を第1基準電圧値Vref1より低い値に設定し、サージ電流(ノイズ)が発生したときに反転し作動する第2比較器52を有するゲート電圧調整部42によりゲート端電圧Vg2をツェナー電圧Vzdまで低下させた後、コンデンサCaの充電によりツェナー電流Izdを制限し、負荷短絡が発生したとき、第1比較器51及びゲート制御回路54によりドライバ72を通じてゲート端電圧Vg2を0[V]にすることで、ノイズによるスイッチング素子Qの誤動作を防止しながら、ツェナーダイオードZDの発熱を抑制し、且つ負荷短絡時にスイッチング素子Qを破壊から保護する。
より詳しく説明すると、短絡電流保護装置10は、スイッチング素子Qのゲート入力端子に所定のゲート端電圧Vg2を印加することによってスイッチング素子Qのターンオン及びターンオフを制御するゲート制御回路54と、スイッチング素子Qに流れる電流値であるドレイン電流Idに比例する電流値Iaを検知する電流検知部としての電圧降下発生用の抵抗器Raと、所定の電流値Iaに対応する比較電圧値Vaが第1閾値としての第1基準電圧値Vref1を上回った場合に、ゲート制御回路54によるゲート駆動電圧Vg1の印加を遮断する保護回路41と、電流値Iaに基づきゲート端電圧Vg2を低減させる(この実施形態では、VccからVzdに低減させている)ゲート電圧調整部42と、を備える。
ゲート電圧調整部42は、一端が前記ゲート入力端子側に接続され、他端が基準電位側に接続されると共に、電流値Iaに対応する比較電圧値Vaが、前記第1閾値としての第1基準電圧値Vref1より小さい第2閾値としての第2基準電圧値Vref2(Vref2<Vref1)を上回った場合に導通状態となるスイッチ部SWaと、このスイッチ部SWaとゲート入力端子との間に直列に接続されたコンデンサCa及びツェナーダイオードZDと、を備える。
ここで、図5に示す、図4例のタイミングチャート中、短絡電流保護期間を含む期間を一部デフォルメして拡大したタイミングチャートをも参照して説明する。
上記した短絡電流保護装置10の構成によれば、時点t9において負荷短絡が発生し、スイッチング素子Qに流れるドレイン電流Idに対応する検出電流値Iaによる検出電圧値Vaが、第1基準電圧値Vref1より小さな値に設定された第2基準電圧値Vref2を上回ったとき(図5中、時点t11)には、ゲート電圧調整部42が作動してスイッチ信号Sp2がローレベルからハイレベルになりスイッチ部SWaが導通することにより、スイッチング素子Qのゲート入力端子に入力されるゲート端電圧Vg2が、まずツェナーダイオードZDの降伏電圧Vzdまで瞬時に引き下げられる。
ゲート端電圧Vg2の降伏電圧Vzdまでの低下により、スイッチング素子Qを流れるドレイン電流Idが、短絡電流保護装置10が存在しないときの2点鎖線で示すドレイン電流Idのように上昇することがなく、1点鎖線で示すドレイン電流Idのように上昇が制限される。
時点t11´にて、検出電圧値Vaが第1基準電圧値Vref1を上回ると第1比較器51が作動し(反転し)、保護信号Sp1がローレベルからハイレベル(能動レベル)になる。
これによりラッチ回路55が不可逆的に作動し、ゲート制御回路54は、ゲート駆動電圧Vg1をハイレベルである駆動電圧Vccから強制的にローレベルである基準電位(=0[V])にする信号を所定の遅延時間Td経過後の時点t12にてドライバ72に出力する(図5中、ゲート制御回路54による保護制御の波形参照)。
これにより、時点t12にて、ゲート電圧Vg1、Vg2がローレベルに遷移し、スイッチング素子Qが遮断状態にされ、負荷短絡によるドレイン電流Idが急激に減少する。時点t12〜t14でドレイン電流Idがゼロ値になるまでに、時点t12´で保護信号Sp1がローレベルになり、時点t13にてスイッチ信号Sp2がローレベルになるが、その前の時点t12にて、保護回路41を構成するゲート制御回路54により不可逆的な保護制御がかかっているので、問題になることはない。
このようにして、負荷短絡等の短絡が発生している状態においても、スイッチング素子Qに流れるドレイン電流Idを劣化開始限界電流値又は一定の劣化が許容できる電流値Idovlimit以下の値に制限することができ、寿命劣化・破壊に至る過剰なドレイン電流Idが流れることが抑制される。
つまり、ゲート電圧調整部42は、一端がスイッチング素子Qのゲート入力端子側に接続され、他端が基準電位側に接続されるスイッチ部SWaと、このスイッチ部SWaと前記ゲート入力端子との間に直列接続されたコンデンサCa及びツェナーダイオードZDと、を備える比較的簡易な高速スイッチングに適した構成にされているため、電流値Ia(電圧値Va)が第2閾値(第2基準電圧値Vref2)を上回る際には極めて短時間にゲート端電圧Vg2をツェナーダイオードZDの降伏電圧Vzdまで引き下げることができる(応答時間が短い)。
しかも、電流値Ia(電圧値Va)が第2閾値(第2基準電圧値Vref2)を一時的に上回るような場合、すなわち負荷短絡が発生しておらず、例えば通常のターンオン動作(Vg2=Vcc)の際のサージによって電流値Iaが一時的に大きくなった場合には、ゲート端電圧Vg2は、図4の時点t5〜t6に示したように、ゲート電圧調整部42により一時的に低下されるものの、電流値Iaが第1閾値(基準電圧値Vref1)を上回ることなく、この第1閾値(基準電圧値Vref1)より小さい第2閾値(第2基準電圧値Vref2)を下回ったことに対応して速やかに通常のゲート電圧Vg2がゲート入力端子に印加されるため、負荷短絡と誤検知することなく通常のスイッチング動作を継続することができる。この場合、保護回路41は動作しない。
さらに、電流値Iaが第2閾値(基準電圧Vref2)より大きい値に設定された第1閾値(基準電圧値Vref1)を上回る場合には、負荷短絡が発生したとみなして保護回路41が作動するので、ゲート電圧Vg1、Vg2のゲート入力端子への印加が遮断され、その結果、スイッチング素子Qに流れるドレイン電流Idも遮断されてスイッチング素子Qの動作が停止され、スイッチング素子Qが保護される。
このように、保護回路41に設定される第1閾値(基準電圧Vref1)は、負荷短絡の誤検知を防ぐために、ゲート電圧調整部42に設定される第2閾値(基準電圧値Vref2)より大きな値に設定され、さらには適宜の遅延フィルタ等(ゲート制御回路54の遅延時間Tdに対応する。)を含んで構成されるため、ゲート電圧調整部42に比べて応答時間が長くなる。すなわち、電流値Iaが第1閾値(第1基準電圧値Vref1)を上回ってからゲート駆動電圧Vg1の遮断動作が開始するまでに遅延時間Tdが発生する。
このため、負荷短絡時に、保護回路41のみでゲート電圧Vg1、Vg2の印加を遮断させようとした場合には、ゲート電圧Vg1、Vg2が遮断されるまでの間の時間は、通常のゲート駆動電圧Vg1によるゲート端電圧Vg2が印加されていることとなり、比較的大きなドレイン電流Idがスイッチング素子Qに流れてしまうこととなるが、この実施形態によれば、負荷短絡時(時点t9)に、相対的に応答時間の短い高速動作するゲート電圧調整部42がまずゲート端電圧Vg2を低減させた上で、負荷短絡が確定する程大きな電流値Iaになったとき{電流値Iaが第1閾値(第1基準電圧値Vref1)を上回るとき}に保護回路41によってゲート駆動電圧Vg1を遮断することができるため、負荷短絡時にスイッチング素子Qが停止するまでに流れる電流値(エネルギー)を小さくしつつ、負荷短絡を誤検知してしまうことを抑制することができる。
さらにまた、ゲート電圧調整部42は、スイッチ部SWaとゲート入力端子との間に接続されたコンデンサCa及びツェナーダイオードZDを備えていることにより、電流値Iaが第2閾値(第2基準電圧値Vref2)を上回った場合に、スイッチング素子Qのゲート入力端子に入力されるゲート端電圧Vg2は、まずツェナーダイオードZDの降伏電圧Vzdまで引き下げられた後、コンデンサCaの充電に伴ってツェナーダイオードZDを流れるツェナー電流Izdが小さくなっていくため、ツェナーダイオードZDの発熱を低減することができる。従って、ツェナーダイオードZDのみで構成する場合(特許文献1に係る図8参照)に比べて、ツェナーダイオードZDの発熱を低減して、ツェナーダイオードZDを小型化することができる。
模式図である図6を参照して、ツェナーダイオードZDの発熱低減に関し、視覚的に説明すると、ドレイン電流Idの増加中、時点t11において、ツェナーダイオードZDが降伏状態になると、この実施形態及び図8例において、ゲート入力端子は、駆動電圧VccからVcc−Vzd(Vcc−Vzp:図8)まで低下する。時点t11までは、ツェナー電流Izd(Izp:図8)が0[A]であるから、時点t11にて、その電力が0[W]からツェナー電力Wzdmax(Wzpmax:図8)[W]まで増加する。時点t11以降、この実施形態では、コンデンサCaが充電されるので、ツェナー電流Izdは、その分減少するのに対し、図8例では、コンデンサCaがないのでツェナー電流Izpは、時点t11の状態と変わらない。このため、この実施形態でのツェナー電力Wzdは、ツェナーダイオードZDの電力Wzdが、ツェナーダイオードZDの降伏電圧Vzd未満となる電力0[W]の仮想の時点tiまで、時点t11から曲線100に示すように徐々に減少するが、図8例では、ツェナーダイオード120のツェナー電力Wzpが、一点鎖線で示すように、ツェナーダイオード120の降伏電圧Vzp未満となる電力0[W]の仮想の時点tiまで、時点t11から変化しない。
この実施形態によれば、ゲート入力端子に入力されるゲート端電圧Vg2は、コンデンサCaの充電に伴って徐々に高くなっていくこととなるが、負荷短絡が確定した際に保護回路41によってゲート電圧Vg1(Vg2)の印加が遮断されるため、スイッチング素子Qを流れるドレイン電流Idが増大していく前にスイッチング素子Qに流れるドレイン電流Idを遮断することができる。
このように、この実施形態では、保護回路41は、短絡時にゲート電圧調整部42のツェナーダイオードZDによって低くされたゲート端電圧Vcc−Vzdが、コンデンサCaへの充電により通常のターンオンさせるゲート端電圧Vg2=Vccまで上がる前にゲート端電圧Vg2の印加を遮断するために設けられている。
さらに、この実施形態に係る保護回路41及びゲート電圧調整部42は、それぞれ前記第1閾値及び前記第2閾値を第1基準電圧値Vref1及び第2基準電圧値Vref2とする第1及び第2比較器51、52を備え、電流値Ia(電圧値Va)と前記閾値(第1及び第2基準電圧値Vref1、Vref2)を比較するために、スイッチング素子Qに流れるドレイン電流Idに比例する検出電流Iaを抵抗器Raに流して該抵抗器Raの両端の電圧を比較電圧値Vaとし、比較電圧値Vaが第2基準電圧値Vref2を上回った場合に、ゲート電圧調整部42を構成する第2比較器52の遷移出力であるスイッチ信号Sp2によりスイッチ部SWaを導通状態にし、その後、比較電圧値Vaが第1基準電圧値Vref1を上回った場合に、保護回路41を構成する第1比較器51の遷移出力である保護信号Sp1によりゲート電圧(ゲート駆動電圧Vg1)の印加を遮断する構成にしているので、ゲート電圧調整部42によるノイズ等を負荷短絡と誤検知することを回避しながらスイッチング素子Qを保護する予備的な高速保護と、保護回路41による負荷短絡時のスイッチング素子Qの不可逆的な保護を、それぞれ、一定値の正確な電流値Iaに対応する第1及び第2基準電圧値Vref1、Vref2が設定された第1及び第2比較器51、52を利用することにより、それぞれ開始することができるので、一定の検出電流値(検出電圧値Va)で正確・均一な誤動作制御、保護制御を行うことができる。
すなわち、この実施形態によれば、保護用のツェナーダイオードZDにコンデンサCaを直列接続しているので保護時における保護用のツェナーダイオードZDの発熱を抑制しながら、保護回路41が作動する閾値(第1閾値)Vref1に比較して相対的に小さい値に設定された閾値(第2閾値)Vref2を有するゲート電圧調整部42によりノイズによる誤動作を抑制することができ、且つ電流値Iaに対応する電圧値Vaを第1及び第2比較器51、52により比較するようにしたので、一定の検出(比較)電流値{検出(比較)電圧値}で正確・均一な誤動作制御及び保護制御を行うことができる。
なお、この発明は、上述の実施形態に限らず、例えば、図7に示す他の実施形態に係る短絡電流保護装置10aに変形する等、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
図7例のゲート電圧調整部42aを有する短絡電流保護装置10aでは、図2中の第2比較器52を省略してスイッチ部SWaを電圧値Vaにより直接駆動する構成にしているが、スイッチ部SWaに用いられるMOSFETのゲート閾値電圧Vgsthを予め測定し選択したMOSFETを用いれば、図2例と同等の精度で動作させることができる。選択しない場合であっても、一定精度での保護効果を得ることができる。
10、10a…短絡電流保護装置 12…電気自動車
16…インバータ 18…駆動モータ
41…保護回路 42、42a…ゲート電圧調整部
51…第1比較器 52…第2比較器
54…ゲート制御回路 Ca…コンデンサ
Q(Q1〜Q6)…スイッチング素子 ZD…ツェナーダイオード

Claims (4)

  1. スイッチング素子を備えた電力変換器の短絡電流保護装置において、
    前記スイッチング素子のゲート入力端子にゲート電圧として所定の駆動電圧を印加することによって前記スイッチング素子のターンオン及びターンオフを制御するゲート制御回路と、
    前記スイッチング素子に流れる電流値を検知する電流検知部と、
    前記電流値が第1閾値を上回ったことを検出すると共に、検出してから第1の時間後に前記ゲート制御回路による前記ゲート電圧の印加を遮断する保護回路と、
    前記電流値が前記第1閾値より小さい第2閾値を上回ったことを検出すると共に、検出してから前記第1の時間よりも短い第2の時間後に前記ゲート電圧を前記駆動電圧よりも低減させ、且つ前記電流値が前記第2閾値を上回った後に前記第2閾値を下回った場合には、前記駆動電圧を印加するゲート電圧調整部と、
    を備えることを特徴とする短絡電流保護装置。
  2. 請求項1に記載の短絡電流保護装置において、
    前記ゲート電圧調整部は、
    一端が前記ゲート入力端子側に接続され、他端が基準電位側に接続されると共に、前記電流値が前記第1閾値より小さい前記第2閾値を上回った場合に導通状態となるスイッチ部と、
    前記スイッチ部と前記ゲート入力端子との間に直列接続されたコンデンサ及びツェナーダイオードと、
    を備えることを特徴とする短絡電流保護装置。
  3. 請求項2記載の短絡電流保護装置において、
    前記保護回路は、短絡時に前記ゲート電圧調整部の前記ツェナーダイオードによって低くされた前記ゲート電圧が、前記コンデンサへの充電により上昇して、前記スイッチング素子に流れる前記電流値が劣化開始限界電流値又は一定の劣化が許容できる電流値まで上がる前に、前記ゲート電圧を遮断する
    ことを特徴とする短絡電流保護装置。
  4. 請求項2又は3のいずれか1項に記載の短絡電流保護装置において、
    前記保護回路及び前記ゲート電圧調整部は、
    それぞれ前記第1閾値及び前記第2閾値を第1基準電圧値及び第2基準電圧値とする第1及び第2比較器を備え、
    前記電流値と前記閾値を比較するために、前記スイッチング素子に流れる電流を抵抗器に流して該抵抗器の両端の電圧を比較電圧値とし、前記比較電圧値が前記第2基準電圧値を上回った場合に、前記ゲート電圧調整部により前記スイッチ部を導通状態にし、その後、前記比較電圧値が前記第1基準電圧値を上回った場合に、前記保護回路により前記ゲート電圧の印加を遮断する
    ことを特徴とする短絡電流保護装置。
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