JP2014174656A - タッチパネル用電極部材、タッチパネル、及び画像表示装置 - Google Patents

タッチパネル用電極部材、タッチパネル、及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】透明基材の寸法変化に起因するセンサ電極の濃淡ムラ発生を抑制できるタッチパネル用電極部材と、これを用いたタッチパネル及び画像表示裝置を提供する。
【解決手段】タッチパネル用電極部材10は、透明基材1の面上に位置検知用のセンサ電極2が、金属層による不透明な導体がメッシュ状に形成されることで透視性を確保した透明電極として形成されている。センサ電極は延在方向Deを有し、透明基材の加熱寸法変化率について、延在方向Deに平行方向の加熱寸法変化率Rpと、延在方向Deに直交方向の加熱寸法変化率Rcとの関係が、Rp>Rcとなっている。タッチパネルはこのタッチパネル用電極部材を用いる。画像表示装置はこのタッチパネルを画像表示パネルの表示面上に備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、タッチパネル用電極部材と、これを用いたタッチパネル、及び該タッチパネルを用いた画像表示裝置に関する。
近年、各種電子機器の入力装置としてタッチパネルが普及している(特許文献1、特許文献2)。タッチパネルは抵抗膜方式など各種位置検知方式のものが実用化されており、最近では特にマルチタッチ(多点同時入力)が可能な静電容量方式のタッチパネルが注目されている。
図5は、静電容量方式の一種である投影型静電容量方式による従来のタッチパネル40の一例を示す図である。図5(a)、図5(b)及び図5(c)は平面図、図5(d)は断面図である。
同図に示す従来のタッチパネル40の場合は、透明基材41の面上に位置検知用のセンサ電極42が形成されており、この透明基材41として2枚の透明基材41a及び透明基材41bを用いる。一方の透明基材41aには、X軸方向に延びる複数の位置検知用のX方向センサ電極42xが形成され、他方の透明基材41bには、X軸方向と直交するY軸方向に延びる複数の位置検知用のY方向センサ電極42yが形成されている。そして、X方向センサ電極42xが形成された一方の透明基材41aと、Y方向センサ電極42yが形成された他方の透明基材41bとが、X方向センサ電極42xが形成された側とY方向センサ電極42yが形成された側とが、対向する向きで、間に接着層43を介して積層されてなる形態である。X方向センサ電極42xとY方向センサ電極42yとの互いの電気的な絶縁は、接着層43によってなされている。
X方向センサ電極42x及びY方向センサ電極42yの電極パターンは、投影型静電容量方式では各種知られているが、ここでは、そのなかでも代表的なパターンとして、格子状のパターンを説明する。
図5(b)の平面図に示すように、X方向センサ電極42xは、X軸方向に互いに離間して配列した複数のX方向センサ電極要素42xEが、その角部分で電気的に接続されたパターン形状をしている。同図に例示の場合、X方向センサ電極要素42xEの形状は、周辺部を除く主要部分にて正方形形状で、X軸方向での両端は、それぞれ、X軸方向で半分に切断したような三角形形状をしている。
Y方向センサ電極42yも、X方向センサ電極42xと同様に、図5(c)の平面図に示すように、Y軸方向に互いに離間して配列した複数のY方向センサ電極要素42yEが、その角部分で電気的に接続されたパターン形状をしている。Y方向センサ電極要素42yEの主要部及び両端部における形状も、X方向センサ電極42xの場合と同様である。
こうしたX方向センサ電極42xとY方向センサ電極42yとが、接着層43によって互いに絶縁されて積層されるとき、図5(a)の平面図で示すように、X方向センサ電極要素42xEとY方向センサ電極要素42yEとは、Z軸方向、つまり、厚み方向で互いに重なり合わないように積層される。
特開2008−97283号公報 特開2009−259063号公報
しかしながら、図6(a)の平面図に示すように、X方向センサ電極要素42xEとY方向センサ電極要素42yEとの互いのXY平面方向での位置関係がずれると、センサ電極2は見えにくい透明な電極ではあるが、濃淡ムラとなって視認されることがある。
なお、図5(a)の平面図では、X方向センサ電極42xとY方向センサ電極42yとは、これらを互いに識別し易いように、互いに輪郭線及びハッチングを変えて図示してあるが、どちらも例えばITO(インジウム錫酸化物)など同じ材料で形成されている。このため、濃淡ムラを説明する図6(a)では、実際に視認される状態に近いように、X方向センサ電極42xとY方向センサ電極42yとは、ともに同じ輪郭線及びハッチングを用いて描いてある。そこで比較として、図6(b)の平面図に、X方向センサ電極42xとY方向センサ電極42yとに、ともに同じ輪郭線及びハッチングを用いて描いたときの相互の位置関係が正しいときの見え方を示す。
こうしたセンサ電極2の濃淡ムラは、X方向センサ電極42xが形成された一方の透明基材41aと、Y方向センサ電極42yが形成された他方の透明基材41bとが、積層されるときの位置合わせが悪いと生じる。
しかし、濃淡ムラは、位置あわせ精度がよくても生じることがある。それは、X方向センサ電極42xが形成された一方の透明基材41a、或いは、Y方向センサ電極42yが形成された他方の透明基材41bにおいて、これらを互いに積層する前の段階で、製造工程中のエッチングレジスト形成、エッチング、洗浄後の乾燥などの熱履歴による寸法収縮等によって、正しい寸法となっていないときに生じる。
すなわち、本発明の課題は、透明基材の寸法変化に起因するセンサ電極の濃淡ムラ発生を抑制できるタッチパネル用電極部材と、これを用いたタッチパネル、及び該タッチパネルを用いた画像表示裝置を提供することである。
そこで、本発明では、次のような構成のタッチパネル用電極部材、タッチパネル及び画像表示装置とした。
(1)透明基材と、この透明基材の面上に形成された位置検知用のセンサ電極とを有し、
前記センサ電極は、透視性導電層として、層自体が不透明な金属層による導体がメッシュ状に形成された導電メッシュ層によって形成されており、
前記センサ電極は延在方向Deを有し、
前記透明基材の加熱寸法変化率について、
前記延在方向Deに平行方向の加熱寸法変化率Rpと、
前記延在方向Deに直交方向の加熱寸法変化率Rcとの関係が、
Rp>Rc
である、タッチパネル用電極部材。
(2)前記加熱寸法変化率が最大となる方向が前記延在方向Deに含まれる、前記(1)のタッチパネル用電極部材。
(3)前記(1)又は(2)のタッチパネル用電極部材を含んでなる、タッチパネル。
(4)前記(3)のタッチパネルを画像表示パネルの表示面上に配置してなる、画像表示裝置。
本発明によれば、透明基材の寸法変化に起因するセンサ電極の濃淡ムラ発生を抑制できるタッチパネル用電極部材と、これを用いたタッチパネル、及び該タッチパネルを用いた画像表示裝置を提供することができる。
本発明によるタッチパネル用電極部材の一実施形態を説明する平面図(a)、導電メッシュ層の部分拡大平面図(b)、センサ電極の平面図(c)、及び断面図(d)。 本発明によるタッチパネルの一実施形態を説明する平面図(a)、そのセンサ電極の平面図(b)及び(c)、並びに断面図(d)。 図2のタッチパネルを構成する2枚のタッチパネル用電極部材におけるセンサ電極のパターン形状を示す平面図(a)及び(b)。 本発明による画像表示装置の一実施形態を示す断面図。 従来のタッチパネルの一例を示す平面図(a)、そのセンサ電極の平面図(b)及び(c)、並びに断面図(d)。 従来のタッチパネルで生じ得るセンサ電極による濃淡ムラを説明する平面図(a)、及び濃淡ムラが発生していない状態を説明する平面図(b)。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面は概念図であり、説明上の都合に応じて適宜、構成要素の縮尺関係、縦横比等は誇張されていることがある。
《A》タッチパネル用電極部材:
先ず、本発明によるタッチパネル用電極部材を、図1(a)、図1(b)及び図1(c)の平面図、並びに、図1(d)の断面図に示す一実施形態例を参照して説明する。
図1に示す実施形態のタッチパネル用電極部材10は、透明基材1と、この透明基材1の一方の面(図1(d)に於いては上方の面)の面上に形成された位置検知用のセンサ電極2とを有する。このセンサ電極2は、透明性を確保するための透視性導電層4として、層自体が不透明な金属層による導体がメッシュ状に形成された導電メッシュ層4aによって形成されている。
本実施形態においては、導電メッシュ層4aを構成する金属層は具体的には銅箔からなる銅層である。銅箔は、ポリエステル系樹脂製の透明基材1が、導電メッシュ層4a側の面に透明な接着層(図示は略)を備えており、この接着層によって透明基材1に密着積層されている。
同図に示すセンサ電極2の電極パターンは、投影型静電容量方式に対応できるものである。このセンサ電極2は延在方向Deを有する。本実施形態においては、延在方向Deは、図1(a)〜(c)に於いては図面左右方向のX軸方向である。より具体的には、透明基材1の同一面上に、同一の延在方向Deを有する複数のセンサ電極2が、延在方向Deに直交するY軸方向(図1(a)に於いては上下方向)に配列している。センサ電極2は、X軸方向に平行な方向を延在方向Deとしており、当該X軸方向に平行な方向以外の方向には延在方向Deは持たない。
しかも、このタッチパネル用電極部材10は、これを構成する透明基材1の加熱寸法変化率について、
センサ電極2の延在方向Deに平行方向の加熱寸法変化率Rpと、当該延在方向Deに直交方向の加熱寸法変化率Rcとの関係が、Rp>Rc、となっている。換言すると、加熱寸法変化率Rpが加熱寸法変化率Rcよりも大きくなっている。さらに、換言すると、加熱寸法変化率Rpが相対的に大きい方向を、延在方向Deとしてセンサ電極2が形成されている。
なお、ここで、透明基材1の加熱寸法変化率とは、センサ電極2を積層した状態に於ける透明基材1についての加熱寸法変化率ではなく、透明基材1単体としての加熱寸法変化率である。
したがって、既にセンサ電極2を形成済みの透明基材1については、そのセンサ電極2を酸溶液などでセンサ電極2を構成する金属層を除去した後の透明基材1についての加熱寸法変化率を測定することによって得ることができる特性値である。
図1に示す本実施形態におけるタッチパネル用電極部材10は、そのセンサ電極2がX軸方向を延在方向Deとするものであった。したがって、後述本発明によるタッチパネルで説明するように、X軸方向と通常は直交するY軸方向に延びる複数のセンサ電極2を透明基材1上に有する別体のタッチパネル用電極部材10と組み合わせることで、タッチパネルとして機能することになる(後述図2及び図3参照)。
このような構成のタッチパネル用電極部材10とすることによって、透明基材1の加熱寸法変化率が相対的に大きい方向での当該加熱寸法変化率を、これと平行な方向を延在方向Deとするセンサ電極2によって、低減することができる。その結果、センサ電極2を形成済みの透明基材1の加熱寸法変化が抑制される。
さらに、加熱寸法変化率が相対的に大きい方向として、加熱寸法変化率が最大となる方向を含むようにすれば、より効果的に透明基材1の加熱寸法変化が抑制される。
以上の結果、本実施形態のタッチパネル用電極部材10では、透明基材1の寸法変化に起因するセンサ電極2の濃淡ムラ発生を抑制できる効果が得られる。
以下、構成要素ごとに詳述する。
《透明基材1》
透明基材1は、シート状又は板状であり、透明で且つ電気絶縁性で樹脂材料を用いた基材であれば特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンレフタレートなどのポリエステル系樹脂、或いは、ポリエーテルエーテルケトン、アクリル系樹脂、シクロポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などを用いた樹脂フィルムを使用することができる。
透明基材1としては、一般に、ガラスなどの無機材料のものもあるが、透明基材1の加熱寸法変化率を抑制するという本発明の趣旨において、こうした無機材料は、樹脂材料に比べて加熱寸法変化がオーダー的に小さいので、本発明による効果を充分に発揮しにくい。このため、透明基材1としては、無機材料よりも樹脂材料の方が好ましい。
本発明において、「シート」、「フィルム」、及び「板」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いに区別しない。
本発明において、透明基材1の透明とは、タッチパネルとしたときに、タッチパネルを透して見る画像表示パネルの表示の視認性を損なわない程度に透明であることを意味する。
また、透明基材1の透明とは、無色透明であることが好ましいが、個々のタッチパネル用途に於いて要求される諸特性、特に表示の視認性に実用上支障をきたさない範囲であれば、着色透明でもよい。
透明基材1の厚みは、機械的強度、取り扱い性などの点で、画面サイズにもよるが、例えば15〜1000μm、通常、25〜100μmである。この範囲未満であると、機械的強度、取り扱い性が低下することがあり、この範囲を超えると、薄型化の支障となることがあるからである。
<加熱寸法変化率>
透明基材1は、その厚み方向に直交する基材面方向において、加熱寸法変化を有し得る。こうした加熱寸法変化が透明基材1に生じるのは、透明基材1の製造時に加わった熱、応力及びこれら両方によって、透明基材1が、その内部に残留応力を有することが一つの原因であると考えられる。残留応力によって、加熱寸法変化は、収縮或いは伸張の変化となる。また、残留応力の面内分布によって、加熱寸法変化は、透明基材1の面内での任意の或る方向とは交差する方向とで、異なる加熱寸法変化率を有し得る。また、連続帯状(ウェッブとも言う)の透明基材1では、その幅方向において、加熱寸法変化率が最大となる方向及びその最大値が異なり得る。
そこで、本発明においては、この加熱寸法変化率について、
センサ電極2の延在方向Deに平行方向の加熱寸法変化率Rpと、
センサ電極2の延在方向Deに直交方向の加熱寸法変化率Rcとの関係が、
次の〔式1〕を満たす関係とする。
Rp>Rc 〔式1〕
加熱寸法変化率は、以下の〔式2〕により求めることができる。
加熱寸法変化率〔%〕=(加熱前後の寸法変化/加熱前寸法)×100 〔式2〕
上記〔式2〕による加熱寸法変化率の定義では、単位を%とする百分率としたが、加熱寸法変化率Rp及び加熱寸法変化率Rcに対して統一して扱うならば、100を掛けて百分率としなくてもよい。
加熱前後の寸法変化は、加熱後に寸法収縮することもあるし、寸法が増えることもある。上記〔式2〕中の「加熱前後の寸法変化」は、寸法収縮及び寸法伸張のいずれにおいても、常にゼロ又は正の値である。
ここで、加熱寸法変化率Rp及び加熱寸法変化率Rcの具体例を示せば、加熱寸法変化率Rpは0.8%、加熱寸法変化率Rcは0.3%である。
そして、面内方向で異なる加熱寸法変化率を有する透明基材1であっても、相対的に大きい加熱寸法変化率を示す方向を、センサ電極2の延在方向Deと一致させることで、センサ電極2が形成されタッチパネル用電極部材10となった状態において、相対的に濃淡ムラの原因となる得る方向について、加熱寸法変化率を効果的に低減させることができることになる。
それは、透明基材1自体の加熱寸法変化率の方向とセンサ電極2の延在方向Deとを、このような特定関係とすることで、透明基材1にセンサ電極2のパターンを形成前の状態から、センサ電極2のパターンが形成された後の状態に至る、センサ電極2を構成する金属層と透明基材1との積層体に対して、製造工程中のレジスト露光、レジスト現像、金属層エッチング、洗浄、乾燥などの一連の熱履歴に起因する寸法変化を効果的に抑制することができるからである。
ここで具体例を示せば、面内方向で異なる加熱寸法変化率を有する透明基材1として、連続帯状で流れ方向MDでの加熱寸法変化率が、幅方向TDでの加熱寸法変化率に対して大きいものについて、例えば、流れ方向MDに延在方向Deが直交するセンサ電極2が形成された状態では流れ方向MDの加熱寸法変化率が2.7%であったが、流れ方向MDに延在方向Deが平行なセンサ電極2を形成された状態では、流れ方向MDの加熱寸法変化率を2.0%と小さくできた。
加熱寸法変化率の測定における、加熱温度及び加熱時間は、一義的で一定の加熱温度及び一定の加熱時間とする必要はない。加熱温度及び加熱時間は、透明基材1の材質、製造工程中で晒され得る熱履歴、及び、タッチパネル用電極部材10に要求される耐熱性などによって、適宜な条件に設定すればよい。
例えば、透明基材1の材質が、ポリエチレンテレフタレートである場合などで例示すれば、
1)加熱温度150℃で加熱時間1hr、
2)加熱温度120℃で加熱時間1hr、
3)加熱温度100℃で加熱時間1hr、
4)加熱温度150℃で加熱時間30min、
5)加熱温度120℃で加熱時間30min、
6)加熱温度100℃で加熱時間30min、
などとすることができる。
加熱寸法変化率の測定における加熱温度及び加熱時間は、例えば、JIS C2151に準拠した特性値としてもよい。
ただし、加熱寸法変化率の測定における加熱温度及び加熱時間は、透明基材1を構成する樹脂がガラス転位点Tgを有する場合は、ガラス転位点Tgより高い温度を加熱温度とし、透明基材1を構成する樹脂が融点Tmを有する場合は、融点Tmより低い温度を加熱温度とするのが、本発明による効果を得る上で、現実のタッチパネルの通常の保管、後加工、及び使用環境下に於ける寸法変化の程度を反映させて評価する上で、現実的且つ効果的である。
加熱寸法変化率の測定は、例えば、透明基材1を、センサ電極2の延在方向Deが一辺と平行になるようにして、縦横10cmの大きさの正方形に切断した試験片を作製し、これをオーブン中に所定温度及び所定時間放置後、取り出して、さらにオーブン投入前と同一条件の測定環境として室温(例えば20〜25℃の間の一体の温度)にて1時間放置して、寸法を0.1mm単位で測定する。
既に透明基材1上にセンサ電極2、後述する取り出し回路3などが形成されている場合は、これらを、稀硫酸、塩化第二鉄水溶液等の酸性水溶液など公知の腐蝕液によって化学的に腐蝕除去することで、これらによる加熱寸法変化率への影響を排除した状態の透明基材1自体に対して加熱寸法変化率を測定することができる。
腐蝕液によるセンサ電極2や取り出し回路3の除去の際は、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、さらに好ましくは30℃以下で行う。除去時の熱履歴による寸法変化があっても無視できる程度に小さくするためである。
〔加熱寸法変化率が最大となる方向が延在方向Deに含まれる形態〕
センサ電極2の延在方向Deは、センサ電極2の全域に於いて透明基材1が有する加熱寸法変化率が最大となる方向に一致させるのが、透明基材1の寸法変化に起因するセンサ電極2の濃淡ムラ発生を、より効果的に抑制できる点で好ましい。
ただ、加熱寸法変化率が最大となる方向、つまり、最大加熱寸法変化率を与える方向Drは、透明基材1の面内において一様でないことがある。例えば、連続帯状の透明基材1において、その幅方向において、最大加熱寸法変化率を与える方向Drが、幅方向での中央部と両側端部とでは、異なることがある。
こうした透明基材1に対しては、一つのタッチパネル用電極部材10において、最大加熱寸法変化率を与える方向Drが、どこをとっても同じ方向であるとは言えない。そこで、本発明においては、1つのタッチパネル用電極部材10の少なくとも一部に於いて、センサ電極2の延在方向Deと透明基材1の最大加熱寸法変化率を与える方向Drとが一致するようにする。これを「加熱寸法変化率が最大となる方向Drが延在方向Deに含まれるようにする」と呼称する。このようにすれば、透明基材1の寸法変化に起因するセンサ電極2の濃淡ムラ発生を、より効果的に抑制できることになる。
<接着層>
図示はしないが、透明基材1は、センサ電極2が金属層による導電メッシュ層4aから形成されていることから、センサ電極2との密着性が不足する場合などにおいては、当該透明基材1の一構成要素として、接着剤層、アンカー層、密着強化層などの公知の接着層を、センサ電極2が形成される側の面に有することができる。例えば、接着層としては、本実施形態に於いてはウレタン系樹脂を用いるが、その他、エポキシ系樹脂などを用いることができる。
本実施形態においては、センサ電極2となる導電メッシュ層4aを構成する金属層に金属箔を用いてある関係上、金属箔を透明基材1に貼り合わせるために用いた接着層は、センサ電極2が形成される側の透明基材1の面の全面に備えられている。
ただ、本発明においては、センサ電極2となる導電メッシュ層4aを構成する金属層と透明基材1との間に接着層を有する場合は、この接着層は、少なくとも金属層と透明基材1との間に形成されていればよい。
《センサ電極2》
センサ電極2は、位置検知用の電極である。センサ電極2は延在方向Deを有する。
<電極パターン>
本実施形態においては、センサ電極2は投影型静電容量方式に対応可能なパターンとして、センサ電極2は、1方向としてX軸方向を延在方向Deとして、X軸方向に延びる複数のセンサ電極2が、X軸方向と直交するY軸方向に配列されている。
個々のセンサ電極2は、図1(c)に示すように、延在方向DeであるX軸方向に互いに離間して配列した複数のセンサ電極要素2Eが、その角部分を電極要素接続部2Cで電気的に接続されたパターン形状をしている。同図に例示の場合、センサ電極要素2Eの形状は、周辺部を除く主要部分にて正方形形状で、X軸方向での両端は、それぞれ、X軸方向で半分に切断したような三角形形状をしている。
<延在方向De>
センサ電極2は延在方向Deを有する。本実施形態においては、延在方向Deは、図面左右方向であるX軸方向である。ただし、本発明においては、延在方向Deの方向は任意である。
投影型静電容量方式のタッチパネルが必要とするセンサ電極2としては、延在方向Deとして第1の方向を有する複数の第1センサ電極2と、この第1センサ電極2と絶縁され、前記第1の方向と交差する方向を第2の方向とする複数の第2センサ電極2である。通常、第1の方向と第2の方向との交差は、直交関係となる。
本実施形態におけるタッチパネル用電極部材10は、このうちの1方向、具体的には、図面でX軸方向のセンサ電極2を有する形態例となっている。
そして、本発明においては、この延在方向Deについて、上述したように、透明基材1の加熱寸法変化率の面内における大小方向関係と、特定の関係としてある。
<透視性導電層4>
センサ電極2は、画像表示パネルの表示の視認に支障を来たさないように、透視性導電層4によって形成されている。
透視性導電層4における「透視性」とは、タッチパネルを透して見る画像表示パネルの表示の視認性を損なわない程度に、画像表示パネルの表示を目視できることを意味する。本発明においては、透視性導電層4としては、層自体は不透明な金属層による導体がメッシュ状に形成されることで、大局的に見れば、みかけ上透明であるかのように見える開口部4aOを有する導電メッシュ層4aが用いられている。
図1(b)の部分拡大平面図は、透視性導電層4として形成された導電メッシュ層4aのメッシュパターンの一例を示す。
導電メッシュ層4aでは、センサ電極2の位置検知領域を例えば40V型モニターディスプレイのように大面積にしても、ITOなどの透明金属酸化物膜に比べて、表面抵抗率を低く維持しやすい効果も得られる。
透視性導電層4としては、一般に、ITOなどの透明金属酸化物膜からなり層自体が透明であって開口部4aOを持たない透明導電層も有り得る。しかし、こうした透明導電層は、層自体を透明とするために、例えば200nm以下の薄膜で形成される必要があることから、通常1μm以上で形成される導電メッシュ層4aによって得られる加熱寸法変化率の低減効果ほどまでには期待できない。
〔導電メッシュ層4a〕
導電メッシュ層4aは、導電性材料による導体がメッシュパターンで形成されてなる層である。導電性材料としては、銅、金、銀、白金、錫、アルミニウム、ニッケル等の高導電性金属(及びこれらの合金も含む)を用いることができる。特にこれらの高導電性金属は、ITO薄膜等の透明金属酸化物膜に比べて、導電メッシュ層4aを形成した面の表面抵抗率を低くできる利点がある。開口部4aOを有する状態においては、高導電性金属を用いた導電メッシュ層4aは、金属箔、蒸着、スパッタなどによる金属蒸着膜、電解めっき、無電解めっきなどによる金属めっき膜、或いは金属蒸着膜上への金属めっき膜積層などこれらの組み合わせなどの、金属層のエッチングによるパターンニングなど、公知の形成法で形成することができる。
導電メッシュ層4aの厚みは、透視性及び導電性、並びに、加熱寸法変化率に対する低減効果の点で、0.5μm〜20μm、通常1〜5μmである。厚みが前記範囲未満であると、導体としての導電性が低下し、透視性と導電性とのバランスが取り難くなる上、加熱寸法変化率に対する低減効果が得難くなる。厚みが前記範囲を超えると、導体としての導電性はよくなるが、線幅に対する厚みのアスペクト比が大きくなり、細線の安定的な形成が難しくなる。
本実施形態においては、導電メッシュ層4aは、銅箔からなる金属層をエッチングによってパターンニングして形成されている。銅箔は、電解銅箔でもよいし、蒸着やスパッタで形成された蒸着銅箔でもよい。銅箔の厚みは、例えば10μm、極薄銅箔では1μmなどとすることができる。
導電メッシュ層4aのメッシュパターンのパターン形状は、特に制限はない。図1(b)のメッシュパターンは、正方格子のパターンである。メッシュパターンは、こうした正方格子以外に、三角格子、長方形格子、五角格子、六角格子などの周期性を有する規則的パターン、或いは、ランダムな形状の開口部4aOを含む不規則的パターンでもよい。開口部4aOの形状は、図1(b)に示される正方格子のメッシュパターンの場合、開口部4aOは正方形である。また、開口部4aOは三角格子では三角形、五角格子では五角形、六角格子では六角形となる。
また、導電メッシュ層4aのメッシュパターンとしては、導体が平行線群乃至ストライプ状に形成され、導体によって全周囲を取り囲まれた開口部4aOが存在しないパターンも含む。
導電メッシュ層4aは、そのメッシュパターンが有する開口部4aOなど導体非形成部によって、透視性を確保している。
導電メッシュ層4aの線は、図1に例示のような直線のみからなる形状以外に、曲線のみからなる形状、直線と曲線とからなる形状でもよい。
導電メッシュ層4aの線幅は、センサ電極2の位置検知領域の内部については、視認距離に応じた不可視性及び要求される表面抵抗率により適宜設定する。例えば、線幅は50μm以下、好ましくは30μm以下、より好ましくは15μm以下、さらに好ましくは10μm以下とするとよい。下限は、例えば、センサ電極2に要求される導電性を確保し、また、断線を回避する為に1μm以上、好ましくは3μm以上とする。
導電メッシュ層4aが図1(b)のように、導体非形成部が全周囲を導体で取り囲まれた開口部4aOを有する場合、開口部4aOの大きさは、例えば、50〜2000μmである。開口部4aOの大きさ、線幅、導電メッシュ層4aの層自体の体積抵抗率及び厚みが、表面抵抗率に影響する。センサ電極2として要求される表面抵抗率に応じて、これらは決定される。
なお、ここで、開口部4aOの大きさとは、開口部4aOが多角形形状の場合、最長の対角線長として定義される。
メッシュパターンが規則的パターンである場合、その開口部4aO乃至は導体非形成部
の周期性と、画像表示パネルの画素配列の周期性とが干渉して、モアレが生じることがある。モアレが生じる場合には、導電メッシュ層4aのメッシュパターンの開口部4aO乃至は導体非形成部の配列方向を、画像表示パネルの画素配列の配列方向に対して傾ける、いわゆるバイアス角を設定してもよい。図1(b)に示す、導電メッシュ層4aのメッシュパターンは、45度のバイアス角が設定された例である。バイアス角は、0度超過、90度未満の範囲内で設定される。バイアス角を設定することによって、モアレを目立たなくさせることができる。
不規則なメッシュパターンとしては、本出願人によって公開された特許である、特開2012−178556号公報(電磁波遮蔽材、積層体および画像表示装置)、特開2013−5013号公報(透明アンテナ、及び画像表示装置)などで開示される、ボロノイ図を利用して画成することができるメッシュパターンを、採用することもできる。このメッシュパターンは、周期性を極めて効果的に低減することができ、その結果、バイアス角の設定をしなくても、モアレ発生を極めて効果的に低減することができる。
《その他の構成要素》
タッチパネル用電極部材10は、センサ電極2を外部回路に接続するための取り出し回路3(図1(a)参照)、フレキシブルプリント基板、透明基材1やセンサ電極2などの表面を保護する保護層など、公知の構成要素を、含むことができる。
取り出し回路3は、導電メッシュ層4aと同一材料で同時形成してもよい。取り出し回路3は、配線、電極、接続端子などを含み得る。
保護層は、センサ電極2などが、他の構成要素と電気的な接触が必要でない部分に対して、例えば、保護フィルムを貼り付けるなどして形成することができ、これにより信頼性を向上させることができる。
《変形形態》
本発明のタッチパネル用電極部材10は、上記した形態以外のその他の形態をとり得る。以下、その一部を説明する。
<センサ電極2>
センサ電極2の電極パターンは、その位置検知方式に応じたものでよく、公知の各種パターンを採用することができる。
例えば、導電メッシュ層4が、厚み方向で互いに絶縁されて重なりあうパターンでもよい。この場合、重なり合う導電メッシュ層4aのメッシュパターンについて、互いの形成部及び非形成部の重なりの程度により濃淡ムラが生じることがある。
したがって、本発明においては、センサ電極2の位置検知方式としては、そのセンサ電極2が延在方向Deを有する位置検知方式であれば、いずれの方式でもよい。したがって、投影型静電容量方式以外にも、マトリックス方式、多点同時入力対応の抵抗膜方式などでもよい。-
各位置検知方式におけるセンサ電極2のパターンは任意であり、公知の各種パターンを採用することができる。
〔パターン補正〕
センサ電極2は、そのパターン形成時から、このセンサ電極2と組み合わせるもう一方のセンサ電極2と積層する時までの工程中での寸法変化を見込んで、その分を補正してパターン形成してもよい。上記、寸法変化とは、実際に工程中で受ける温度、湿度、及び応力などの種々の因子が総合的に影響したことによる寸法変化を意味し、なお且つ、センサ電極形成済み透明基材1の状態での寸法変化である。
よって、上述したセンサ電極2の延在方向Deと特定関係とする加熱寸法変化率とは、温度及び時間条件が異なるのが常であり、また層構成的にも異なる。
なお、「工程中での寸法変化の分を見込んで、その分を補正する」とは、例えば、該工程中に特定方向の寸法が収縮する場合は、予めその収縮分だけセンサ電極2の特定方向の寸法を大きくして、該センサ電極2を透明基材1上に形成し、該工程が完了した時点でセンサ電極2の特定方向の寸法が、工程中での特定方向の寸法収縮と予め寸法を大きめにした分とが相殺して、所定の値となるようにすることを言う。
パターン補正する際に考慮する寸法変化の方向は、1方向のみ考慮する場合、寸法変化が最大となる方向とするのが好ましい。ただ、1方向でもよいが、互いに直交する2方向で品質上有意な寸法変化が認められるときは、これら2方向とすることで、より確かなパターン補正が可能となる。
パターン補正方向を1方向とする場合、その方向はセンサ電極2の延在方向Deとは交差する方向、或いは延在方向Deである。例えば、延在方向Deと交差する方向とするのは、延在方向Deについては、センサ電極2によって寸法変化が抑制された結果、センサ電極2形成済みの状態では、延在方向Deと交差する方向、例えば、パターン補正方向を延在方向Deと直交する方向の方が、寸法変化が大きくなった場合などである。また、パターン補正方向を延在方向Deとするのは、延在方向Deについては、センサ電極2によって寸法変化が抑制されているが、それでも、まだ延在方向Deと交差する方向、例えば延在方向Deと直交する方向に比べて、延在方向Deの寸法変化が大きい場合などである。
このように予めパターン補正しておくことによって、上述したセンサ電極2の延在方向Deと加熱寸法変化率Rp及び加熱寸法変化率Rcとの関係を規定するのみでは、寸法変化による濃淡ムラ発生に対する抑制効果が充分でない場合に、これを補うことができる。
《B》タッチパネル:
本発明によるタッチパネルは、上記した本発明によるタッチパネル用電極部材10を含んでなる位置入力装置である。
《タッチパネル用電極部材10》
タッチパネル用電極部材10については、上述したので、その内容についてのさらなる説明は省略する。
ここでは、タッチパネル20として組み込まれるときのことについて説明する。
例えば、位置検知方式が投影型静電容量方式である場合には、上記タッチパネル用電極部材10は、互いのセンサ電極2の電極要素が重ならないように、少なくとも1枚が用いられ、2枚用いることもできる。
位置検知方式が多点同時入力対応の抵抗膜方式である場合には、上記タッチパネル用電極部材10は、互いのセンサ電極2が対向するような向きの配置で、少なくとも1枚が用いられ、2枚用いることもできる。
位置検知方式がどうであれ、上記タッチパネル用電極部材10を1枚用いる形態では、他方の1枚は、その透明基材がガラス板のものでもよい。ただし、この場合、ガラス板であると薄型化の点では不利であり、この点で、2枚とも上記タッチパネル用電極部材10を用いる形態の方が薄型化の点で有利である。
ここで、図2に示す実施形態のタッチパネル20は、静電容量方式の一種である投影型静電容量方式による一例である。図2(a)はタッチパネル20の平面図、図2(b)及び図2(c)はセンサ電極2x及びセンサ電極2yの平面図、図2(d)は図2(a)中で切断線A―A′に於けるタッチパネル20の断面図である。
同図に示すタッチパネル20では、上下で2枚の上述本発明のタッチパネル用電極部材10a及びタッチパネル用電極部材10aが用いられる。
図3(a)の平面図はタッチパネル用電極部材10aを示し、図3(b)の平面図はタッチパネル用電極部材10bを示す。
図2(d)の断面図で、図面上側となる第1のタッチパネル用電極部材10aは、透明基材1a及びX軸方向に延びる複数の位置検知用のX方向センサ電極2xを有し、図面下側となる第2のタッチパネル用電極部材10bは、透明基材1b及びX軸方向と直交するY軸方向に延びる複数の位置検知用のY方向センサ電極2yを有する。
図3(a)の平面図で示される第1のタッチパネル用電極部材10aでは、そのX方向センサ電極2xの延在方向Deは図面左右方向であり、この延在方向Deに平行な透明基材1の加熱寸法変化率Rpが、この延在方向Deに直交する加熱寸法変化率Rcよりも大きい。
図3(b)の平面図で示される第2のタッチパネル用電極部材10bでは、そのY方向センサ電極2yの延在方向Deは図面上下方向であり、この延在方向Deに平行な透明基材1の加熱寸法変化率Rpが、この延在方向Deに直交する加熱寸法変化率Rcよりも大きい。
そして、X方向センサ電極2xが形成された透明基材1aを有する第1のタッチパネル用電極部材10aと、Y方向センサ電極2yが形成された透明基材1bを有する第2のタッチパネル用電極部材10bとが、X方向センサ電極2xが形成された側とY方向センサ電極2yが形成された側とが、厚み方向で同一方向の向きで、間に透明な接着層5を介して積層されてなる形態である。X方向センサ電極2xとY方向センサ電極2yとの互いの電気的な絶縁は、透明基材1及び接着層5によってなされている。
X方向センサ電極2x及びY方向センサ電極2yの電極パターンは、投影型静電容量方式では各種知られているが、ここでは、そのなかでも代表的なパターンとして、格子状のパターンとなっている。
図2(b)の平面図に示すように、X方向センサ電極2xは、X軸方向に互いに離間して配列した複数のX方向センサ電極要素2xEが、その角部分で電気的に接続されたパターン形状をしている。同図に例示の場合、X方向センサ電極要素2xEの形状は、周辺部を除く主要部分にて正方形形状で、X軸方向での両端は、それぞれ、X軸方向で半分に切断したような三角形形状をしている。
Y方向センサ電極2yも、X方向センサ電極2xと同様に、図2(c)の平面図に示すように、Y軸方向に互いに離間して配列した複数のY方向センサ電極要素2yEが、その角部分で電気的に接続されたパターン形状をしている。Y方向センサ電極要素2yEの主要部及び両端部における形状も、X方向センサ電極2xの場合と同様である。
こうしたX方向センサ電極2xとY方向センサ電極2yとが、接着層5によって互いに絶縁されて積層されるとき、図2(a)の平面図で示すように、X方向センサ電極要素2xEとY方向センサ電極要素2yEとは、Z軸方向、つまり、厚み方向で互いに重なり合わないように積層される。
X方向センサ電極2x及びY方向センサ電極2yからなるセンサ電極2は、透明性を確保するための透視性導電層4として、層自体が不透明な金属層による導体がメッシュ状に形成された導電メッシュ層4aによって形成されている。
《接着層5》
接着層5には、表示に支障を来たさないように透明樹脂を用いることができる。接着層5は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂などの接着層乃至は粘着シートによって形成することができる。
《その他の構成要素》
センサ電極2を外部回路に接続するための取り出し回路3(図1(a)の右端にその一部を図示)、及び、図示は略すがフレキシブルプリント基板、タッチパネル駆動回路などの公知の構成要素を、含むことができる。
このような構成とすることによって、本発明によるタッチパネル20では、透明基材1a及び透明基材1bの寸法変化に起因するX方向センサ電極2x及びY方向センサ電極2yの干渉などによる濃淡ムラ発生を抑制できる効果が得られる。
《変形形態》
本発明のタッチパネル20は、上記した形態以外のその他の形態をとり得る。以下、その一部を説明する。
<センサ電極2の厚み方向での向き>
図2に示した実施形態では、延在方向Deが互いに交差するX方向センサ電極2xとY方向センサ電極2yとは、厚み方向(Z軸方向)で同一方向を向いていた。
しかし、本発明においては、延在方向Deが互いに交差するセンサ電極2同士の厚み方向での向きは、互いに対向する向き、これとは逆に互いに背中を対向させる向きなど、異なる向きであってもよい。このようにすることで、設計の自由度を高めることができる。
《C》画像表示装置:
本発明による画像表示装置は、上記したタッチパネル20を画像表示パネルの表示面上に配置してなる構成の画像表示装置である。こうした構成とすることによって、入力手段を表示部等に備えた装置とすることができる。
図4の断面図は、本発明の画像表示装置の一実施形態を示し、同図の画像表示装置100は、画像表示パネル30と、この画像表示パネル30の表示面30a上に配置された、本発明のタッチパネル20とを、少なくとも含む構成の装置である。
《タッチパネル20》
タッチパネル20は、上述した本発明によるタッチパネル20である。よって、さらなる説明は省略する。
《画像表示パネル30》
画像表示パネル30としては、液晶表示パネル、プラズマ画像表示パネル、EL(電界発光)パネル、電子ペーパーなどの各種画像表示パネルの他、ブラウン管でもよい。
《前面保護板50》
図4に一点鎖線で示すように、タッチパネル20の表面保護などの為に、タッチパネル20の前方に、前面保護板50を設けてもよい。
前面保護板50としては、ガラス板、樹脂板などを用いることができる。
《その他の構成要素》
図4は、本発明による画像表示装置100の一例として、その基本的な構成例を示すものであった。本発明による画像表示装置100は、図示はしないが、その用途に応じて、入出力回路、各種制御回路、同調回路、電源回路、バックライト、筐体など、画像表示装置における公知の構成要素を含み得る。
また、図4では、タッチパネル20、画像表示パネル30、及び、前面保護板50のそれぞれの部材の間は、空隙を有するように描いてあるが、これらの間は、粘着シートなど透明樹脂層で埋め尽くしてもよい。こうした構成とすることによって、部材間における表面反射が減り、表面反射によって表示画質が低下するのを抑制することができる。
《D》用途:
本発明によるタッチパネル用電極部材10を用いた本発明によるタッチパネル20の用途は、特に限定されない。例えば、画像表示パネル、或いは網点で表現された白黒乃至はカラーの印刷物、或いは印画紙に形成された写真などの表示面上に配置する用途である。
本発明の画像表示裝置100は、タブレットコンピュータなどの携帯情報端末、スマートフォンなどの各種電話機、テレビジョン受像裝置、パーソナルコンピュータ、電子書籍端末、モニターディスプレイ、デジタルカメラ、デジタルフォトフレーム、計測器、医療用機器、遊戯機器、事務用機器、現金自動支払機、電子黒板、自販機等の、位置入力手段を表示部等に備えた画像表示装置に広く適用できる。
1 透明基材
1a 透明基材
1b 透明基材
2 センサ電極
2E センサ電極要素
2C 電極要素接続部
2x X方向センサ電極
2xE X方向センサ電極要素
2y Y方向センサ電極
2yE Y方向センサ電極要素
3 取り出し回路
4 透視性導電層
4a 導電メッシュ層
4aO 開口部
5 接着層
10 タッチパネル用電極部材
10a タッチパネル用電極部材
10b タッチパネル用電極部材
20 タッチパネル
30 画像表示パネル
30a 表示面
40 従来のタッチパネル
41 透明基材
41a 一方の透明基材
41b 他方の透明基材
42 センサ電極
42x X方向センサ電極
42xE X方向センサ電極要素
42y Y方向センサ電極
42yE Y方向センサ電極要素
43 接着層
50 前面保護板
100 画像表示装置
Rc 加熱寸法変化率
Rp 加熱寸法変化率
De 延在方向

Claims (4)

  1. 透明基材と、この透明基材の面上に形成された位置検知用のセンサ電極とを有し、
    前記センサ電極は、透視性導電層として、層自体が不透明な金属層による導体がメッシュ状に形成された導電メッシュ層によって形成されており、
    前記センサ電極は延在方向Deを有し、
    前記透明基材の加熱寸法変化率について、
    前記延在方向Deに平行方向の加熱寸法変化率Rpと、
    前記延在方向Deに直交方向の加熱寸法変化率Rcとの関係が、
    Rp>Rc
    である、タッチパネル用電極部材。
  2. 前記加熱寸法変化率が最大となる方向が前記延在方向Deに含まれる、請求項1に記載のタッチパネル用電極部材。
  3. 請求項1又は2に記載のタッチパネル用電極部材を含んでなる、タッチパネル。
  4. 請求項3に記載のタッチパネルを画像表示パネルの表示面上に配置してなる、画像表示
    装置。
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