JP2014157029A - 原子炉システムおよび原子炉溶融物保持装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】事故時に炉心内で溶融して炉心から落下した溶融燃料を確実に保持し冷却を促進させる。
【解決手段】実施形態によれば、原子炉システム100は、炉心部1を収納し原子炉冷却材を保持する原子炉容器5と、事故時に炉心部1内の燃料が溶融して炉心部1から落下した溶融燃料を保持する溶融燃料保持装置10とを備える。溶融燃料保持装置10は原子炉容器5の内部であって炉心部1の下方に設けられて水平方向に広がる板状の受け皿部11を有する。受け皿部11は、複数の下方に突出する突出部11cを有するとともに上面内に凹部11bを有する。受け皿部11は、上下に貫通する貫通孔12aを有し、溶融燃料保持装置10は貫通孔12aから上方に立ち上がり上下に開口する立ち上がり管12をさらに有してもよい。
【選択図】図1
【解決手段】実施形態によれば、原子炉システム100は、炉心部1を収納し原子炉冷却材を保持する原子炉容器5と、事故時に炉心部1内の燃料が溶融して炉心部1から落下した溶融燃料を保持する溶融燃料保持装置10とを備える。溶融燃料保持装置10は原子炉容器5の内部であって炉心部1の下方に設けられて水平方向に広がる板状の受け皿部11を有する。受け皿部11は、複数の下方に突出する突出部11cを有するとともに上面内に凹部11bを有する。受け皿部11は、上下に貫通する貫通孔12aを有し、溶融燃料保持装置10は貫通孔12aから上方に立ち上がり上下に開口する立ち上がり管12をさらに有してもよい。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、事故時に炉心で溶融して炉心から落下した溶融燃料を原子炉容器内に保持して冷却する原子炉システムおよび溶融燃料を原子炉容器内に保持する溶融燃料保持装置に関する。
原子炉では、何らかの事故事象により、配管破断あるいは原子炉容器そのものの破損による原子炉容器内の冷却材喪失、ならびに炉心部で発生する除熱機能の喪失のような事態に陥った場合、炉心部の燃料が溶融すると共に、その高温の溶融燃料(デブリ)が炉心部より下方へ流出する可能性がある。
このような事態に至った場合、デブリが原子炉容器底部に堆積する。その状態が継続することにより、原子炉容器底部が破損し、格納容器内に流出する可能性がある。デブリが流出すると、流出したデブリは格納容器内のコンクリートを加熱し、デブリ−コンクリート反応を生じる。
この反応は、コンクリートが高温に加熱されることにより、二酸化炭素、水素等の非凝縮性ガスを大量に発生してコンクリートを溶融浸食するものである。非凝縮性ガスの大量発生は、格納容器内の圧力を上昇させることから、格納容器の破損に至る可能性がある。その場合、大量の放射性物質が、外部環境へ放出されることになる。
上記のような事態を回避するため、多くの対策が提案されている。
例えば、格納容器内に流出したデブリによるデブリ−コンクリート反応を抑制するために、原子炉容器の下方に、落下デブリを受けとめる保持装置(コアキャッチャ)を設置し、冷却手段を設けることによりデブリの冷却を促進させる技術が知られている。
また、コアキャッチャを原子炉容器内に設置する技術が知られている。これは、主に冷却材にナトリウムを使用する高速炉における対策である。高速炉の場合、原子炉容器の破損により、デブリと共に冷却材ナトリウムも格納容器内に落下するため、デブリ−コンクリート反応に加えてナトリウム−コンクリート反応によりコンクリートを加熱する可能性がある。ナトリウム−コンクリート反応では、水素発生に加えて強アルカリのナトリウム酸化物であるエアロゾルが生成、飛散するため、外部環境へ放出する可能性がある。
この事態を回避するため、たとえば、原子炉容器内に単段のコアキャッチャを設置する対策がされている。また、原子炉容器内に多段のコアキャッチャを設置し、デブリを分散させることにより除熱促進や未臨界状態の確保に寄与する技術が知られている。
Sibilo, J., "Generation IV nuclear reactors: strategy and challenges of R&D program for improving inspection and repair of sodium cooled systems," Proc. of ICAPP2010, paper 10066 (2010).
上述した圧力容器内にコアキャッチャを設置するシステムにおいて、原子炉の炉心からデブリが流出するあらゆる場合に、デブリがコアキャッチャ上で薄く分散された状態で堆積するとは限らない。
また、短時間に大量のデブリが流出した場合には、デブリがコアキャッチャの壁を乗り越えて、原子炉容器の底部まで達する可能性もあるという課題がある。
本発明の実施形態は上述の課題を解決するためになされたものであり、事故時に炉心内で溶融して炉心から落下した溶融燃料を確実に原子炉容器内に保持し冷却を促進させることを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の実施形態に係る原子炉システムは、炉心と、前記炉心を収納し原子炉冷却材を保持する原子炉容器と、前記原子炉容器内部の前記炉心の下方に設けられて、水平方向に広がる板状の受け皿部を有し、事故時に前記炉心内の燃料が溶融して前記炉心から落下した溶融燃料を保持する溶融燃料保持装置と、を備え、前記受け皿部は、複数の下方に突出する突出部を有するとともに上面内に凹部を有することを特徴とする。
また、本発明の実施形態は、炉心を収納し原子炉冷却材を保持する原子炉容器内部の前記炉心の下方に設けられて、水平方向に広がる板状の受け皿部を有し、事故時に前記炉心内の燃料が溶融して前記炉心から落下した溶融燃料を保持する溶融燃料保持装置であって、前記受け皿部は、複数の下方に突出する突出部を有するとともに上面内に凹部を具備する収容部を有することを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、事故時に炉心内で溶融して炉心から落下した溶融燃料を確実に保持し冷却を促進させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る原子炉システムおよび原子炉溶融物保持装置について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る原子炉システムおよび原子炉溶融物保持装置の構成の概要を示す立断面図である。また、図2は、第1の実施形態に係る原子炉溶融物保持装置の構成を示す図1の第II―II線矢視平断面図である。
図1は、第1の実施形態に係る原子炉システムおよび原子炉溶融物保持装置の構成の概要を示す立断面図である。また、図2は、第1の実施形態に係る原子炉溶融物保持装置の構成を示す図1の第II―II線矢視平断面図である。
原子炉システム100は、炉心部1、炉心部1の入り口の入口プレナム2、炉心部1の反応度を制御する反応度制御装置4、および炉心部1を収納して原子炉冷却材を保持する原子炉容器5を有する。高速炉の場合は、原子炉冷却材は、たとえば、液体金属ナトリウムである。
原子炉容器5は上下に延びた円筒形状であり上部は開放されている。原子炉容器5の上部には原子炉容器蓋6が設けられており、原子炉容器5と原子炉容器蓋6とによって密閉空間が形成されている。密閉空間における原子炉冷却材の上部はカバーガスに覆われている。
原子炉容器5内には、中間熱交換器8および循環ポンプ9が設けられている。中間熱交換器8は、炉心部1で発生した熱を原子炉容器5の外部に取り出す。循環ポンプ9は、コイルを有する電磁ポンプであり、原子炉冷却材を原子炉容器5内で循環させる。
なお、循環ポンプ9は、電磁ポンプの場合を示したが、電磁ポンプには限らない。たとえば、機械式ポンプでもよい。
原子炉容器5の内部であって、炉心部1の下方にはコアキャッチャ10が設けられている。コアキャッチャ10は、溶融燃料保持装置として、事故時に炉心部1内の燃料が溶融して炉心部1から落下した溶融燃料(デブリ)3を保持し、デブリ3が原子炉容器5の底部に到達するのを防止する。
このため、コアキャッチャ10は、炉心部1の下方で水平方向に広がっているほぼ円形の受け皿部11を有する。受け皿部11と原子炉容器5の底部は、底部の空間(底部プレナム7)を形成している。受け皿部11の最外周と原子炉容器5内壁とは、底部プレナム7に上方から原子炉冷却材が流入できるような間隙が形成されている。
コアキャッチャ10は、下方に突出した突出部11cと、上方から見ると凹部となっている凹部11bを有する。
また、コアキャッチャ10は、立ち上がり管12および屋根部13を有する。
受け皿部11には、複数の貫通孔12aが形成されており、立ち上がり管12は、それぞれの貫通孔12aから上方に延びている。立ち上がり管12は、上部、下部ともに開口を有している。
また、屋根部13は、それぞれの立ち上がり管12の直上に設けられている。屋根部13は、上方から落下してくるデブリ3が、立ち上がり管12内に侵入するのを防止する。このため、屋根部13は、立ち上がり管12の上部開口よりも水平方向に広く形成されている。
また、立ち上がり管12と屋根部13との間は、底部プレナム7内の原子炉冷却材が立ち上がり管12を上昇して、立ち上がり管12から流出する際の流動抵抗が極力小さくなるように十分な間隔寸法を確保することが望ましい。
したがって、立ち上がり管12と屋根部13との間隔は、デブリ3の立ち上がり管12への侵入が無いように広すぎず、かつ、立ち上がり管12から流出する際の流動抵抗の面から狭すぎないよう、適切な寸法に設定すればよい。
また、予備冷却材供給装置20は底部プレナム7内に原子炉冷却材を供給するために設けている。予備冷却材供給装置20は、冷却材補給容器21、冷却材補給管22および冷却材補給弁23を有する。
冷却材補給容器21は底部プレナム7に供給するための補給用冷却材を液体状態で貯留する。冷却材補給容器21は原子炉容器5よりも高い位置に設けられている。冷却材補給管22は、冷却材補給容器21から、受け皿部11の最外周と原子炉容器5内壁の間隙部すなわち底部プレナム7の入口まで配設されている。冷却材補給弁23は冷却材補給管22に設けられている。
また、原子炉容器蓋6には、原子炉容器5内の圧力を測定するために、圧力検出部25が設けられている。
冷却材補給弁23は原子炉システム100の通常運転時は閉止状態にある。冷却材補給弁23は、圧力検出部25により検出した原子炉容器5内の圧力が所定の設定圧力を超えると開く。
図3は、第1の実施形態に係る原子炉溶融物保持装置の構成の一部を示す図2の第III―III線矢視立断面図である。具体的には、受け皿部11の断面の一部を示している。
受け皿部11は、平板部11a、平板部11aの上面に形成された複数の凹部11b、および、平板部11aの下面から下方向に突出した複数の突出部11cを有する。
凹部11b内には、凹部11bの底部から凹部11bの深さの途中まで、下敷き金属14が収納されている。下敷き金属14は、受け皿部11の材料の沸点よりも低くかつ原子炉冷却材の沸点よりも高い沸点を有する材料が選定される。また、下敷き金属14は、原子炉冷却材との共存性が良い材料が選定される。下敷き金属14としては、たとえば、マグネシウムを用いてもよい。
凹部11b間相互の間隔は、たとえば数mmとしてもよい。炉心部1より落下するデブリ3の粒子の径は約数mmのものが多いことから、1つの凹部11bに数個の粒子が入り込む程度の容積となるように、凹部11bの容積を設定してもよい。
また、本実施形態においては、凹部11bは、それぞれ点在している例を示したが、例えば、凹部11bが溝状に延びたもの、あるいは、溝状でかつ平面的に渦巻き状に形成されていてもよい。
また、突出部11cは、平板部11aの下面の原子炉冷却材が、周囲を囲まれて滞留するように形成されているのではなく、流れるように流路が形成されるような形状であれば、板状に平板部11aの下面を這うように延びる形状のものでもよい。
次に、このように構成された本実施形態の作用を説明する。
原子炉の通常運転時においては、炉心部1の反応度は反応度制御装置4によって制御されている。原子炉冷却材は、入口プレナム2から炉心部1に流入する。炉心部1で温度上昇した原子炉冷却材は炉心部1から炉心部1上部の空間である上部プレナム6aに流出する。
上部プレナム6aに流出した原子炉冷却材は、中間熱交換器入口8bから中間熱交換器8の内部に流入し、中間熱交換器8内に設けられて、伝熱管8aの外側を流れ、伝熱管8a内を流れる2次冷却系の冷却材と熱交換することにより温度が低下した後に中間熱交換器出口8cより中間熱交換器8から流出する。
中間熱交換器出口8cは、循環ポンプ9の循環ポンプ入口9bと接続するように形成されている。したがって、中間熱交換器出口8cから流出した原子炉冷却材は、循環ポンプ入口9bから循環ポンプ9の内部に流入する。
循環ポンプ9の内部に流入した原子炉冷却材は、コイル9aによって駆動され、循環ポンプ出口管9cを経て、入口プレナム2に流入する。
原子炉の通常運転時においては、予備冷却材供給装置20は、動作をすることなく、待機状態である。
次に、何らかの事故事象によって、炉心部1の燃料が溶融して炉心部1から下方へデブリ3が流出する状態が発生した場合、循環ポンプ9の駆動用電源も喪失するために、循環ポンプ9は停止し、原子炉容器5内は原子炉冷却材の強制循環運転ではなくなっていると考えられる。
図4は、第1の実施形態に係る原子炉システムおよび原子炉溶融物保持装置の作用を説明する図1の第IV―IV線矢視平断面図である。
炉心部1の燃料が溶融して炉心部1から下方へ流出したデブリ3は、コアキャッチャ10の受け皿部11上に落下する。
受け皿部11の特定の部分に落下したデブリ3は、落下した部分にある凹部11b内に堆積していき、凹部11bの上面まで堆積すると、平板部11a上を流れ、周囲の凹部11b内に流入する。このように、デブリ3は、順次隣接する凹部11bを埋めていきながら広がっていき、凹部11bに分散して堆積する。
さらに、コアキャッチャ10上に落下するデブリ3は高温であるため、コアキャッチャ10上の下敷き金属14を沸騰させ金属蒸気を発生させる。堆積したデブリ3の底部の下側で発生した金属蒸気は、デブリ3内を通過して上昇、あるいは、デブリ3の側面から上昇する。
このような金属蒸気の発生により、デブリ3の水平方向への移動が促進される。このため、デブリ3が特定位置に連続して落下しても、順次拡散して受け皿部11上に分散堆積する。
また、下敷き金属14が沸騰した場合は、下敷き金属14が潜熱を吸収するため、デブリ3の冷却が促進される。
また、立ち上がり管12が原子炉冷却材の流路となり、底部プレナム7内の原子炉冷却材は、立ち上がり管12に流入してコアキャッチャ10の上方に流出する。この際に原子炉冷却材は、受け皿部11上に堆積したデブリ3により加熱されるため立ち上がり管12からの上昇力をもたらす。
この結果、底部プレナム7から立ち上がり管12に、立ち上がり管12からコアキャッチャ10の上方に、コアキャッチャ10の上方から底部プレナム7へと循環する自然循環流路が形成される。
この結果、コアキャッチャ10の受け皿部11の下面に周囲から立ち上がり管12への流れが形成される。この流れは、平板部11aの下面および突出部11c表面の冷却を促進する。このため、受け皿部11が冷却され、凹部11bおよび平板部11a上面のデブリ3の冷却がさらに促進される。
また、下敷き金属14の金属蒸気が発生したことによって原子炉容器5内の圧力が上昇して所定の設定値を超えると、予備冷却材供給装置20の冷却材補給弁23が開き冷却材補給容器21内の補給用冷却材が底部プレナム7に供給される。
この結果、底部プレナム7から立ち上がり管12を通る原子炉冷却材の流れがさらに加速されるため、デブリ3の冷却を効果的に行うことができる。
以上のように、本発明の実施形態によれば、事故時に炉心内の燃料が溶融して前記炉心から落下した溶融燃料を確実に保持し冷却を促進させることができる。
なお、本実施形態では、凹部11bと突出部11cのいずれも滑らかな曲面形状である場合を示したが、これに限らない。
図5は、第1の実施形態に係る原子炉溶融物保持装置の構成の第1の変形例を示す部分立断面図である。図5に示すように、断面が直線的な形状に形成されていてもよい。
また、図3で示す本実施形態においても、図5で示す第1の変形例においても、凹部11bと突出部11cは、相互に、平面的な位置が上下で対応している場合を示したが、これに限らない。
図6は、第1の実施形態に係る原子炉溶融物保持装置の構成の第2の変形例を示す部分立断面図である。図6に示すように、凹部11bと突出部11cのそれぞれの配列は、互いに独立して無関係であってもよい。
[第2の実施形態]
図7は、第2の実施形態に係る原子炉システムおよび原子炉溶融物保持装置の構成の概要を示す立断面図である。
図7は、第2の実施形態に係る原子炉システムおよび原子炉溶融物保持装置の構成の概要を示す立断面図である。
本実施形態は第1の実施形態の変形である。本実施形態においては、コアキャッチャ10の受け皿部11の底部に温度検出部26が設けられている。具体的には、温度検出部26は、それぞれの突出部11cの先端に設けられている。
なお、温度検出部26を設ける位置は、突出部11cの先端に限定されない。突出部11cの他の箇所でもよい。また、受け皿部11の形状を、たとえば、第1の実施形態における図3、あるいはその第2の変形例を示す図6のような形状として、領域に分けてそれぞれの領域の温度を検出できれば、平板部11a(図3、図6)の下面に設けてもよい。
温度検出部26は、たとえば熱電対などでよい。ケーブル(図示しない)は、原子炉容器蓋6にたとえば電線貫通部を設けて電線貫通部を貫通させて原子炉容器蓋6の上部に取り出す。
それぞれの温度検出部26からの温度信号のいずれかが所定の設定温度を超えると、予備冷却材供給装置20の冷却材補給弁23が開き、冷却材補給容器21内の補給用冷却材が冷却材補給管22を通して底部プレナム7に供給される。
このように構成された本実施形態においては、デブリ3がコアキャッチャ10上に落下した場合に、受け皿部11の温度が上昇すると、この温度上昇を温度検出部26が検出する。
いずれかの温度信号が所定の設定温度を超えると、補給用冷却材が底部プレナム7に供給され、デブリ3の冷却を促進することができる。
以上のように、本実施形態によって、第1の実施形態の効果に加えて、受け皿部11の温度上昇によっても補給用冷却材が底部プレナム7に供給され、デブリ3の冷却をさらに促進することができる。
[第3の実施形態]
図8は、第3の実施形態に係る原子炉システムおよび原子炉溶融物保持装置の構成の概要を示す立断面図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。本実施形態における原子炉システム100は、冷却材冷却装置30を更に有する。
図8は、第3の実施形態に係る原子炉システムおよび原子炉溶融物保持装置の構成の概要を示す立断面図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。本実施形態における原子炉システム100は、冷却材冷却装置30を更に有する。
冷却材冷却装置30は、汲み上げ管31、冷却器32、汲み上げポンプ33および汲み上げ弁34を有する。
冷却器32は、原子炉冷却材を冷却する冷却器である。なお、冷却器32の冷却媒体は空気でもよい。あるいは、たとえば、ナトリウムなど原子炉冷却材と反応性のないものであれば、このような冷媒を介して水冷によるものでもよい。
汲み上げ管31は、原子炉容器5内の原子炉冷却材の液面下に一方が開口され、他方は予備冷却材供給装置20の冷却材補給容器21に開放接続されている。
冷却器32は、汲み上げ管31に設けられている。また、汲み上げポンプ33および汲み上げ弁34は、汲み上げ管31に設けられている。冷却材補給弁23が開くと、汲み上げ弁34も開き、汲み上げポンプ33が動作する。
以上のように構成された本実施形態においては、事故時に予備冷却材供給装置20によって底部プレナム7に冷却材補給容器21内に収納されている補給用冷却材が底部プレナム7に供給されると、冷却材冷却装置30の汲み上げポンプ33により原子炉容器5内の原子炉冷却材が汲み上げられ、冷却器32において冷却された後に冷却材補給容器21に供給される。
なお、冷却器32における除熱量は、原子炉冷却材が凝固せずに液体状態を維持するようなレベルに設定される。
この結果、冷却材補給容器21内の補給用冷却材の温度が低温に維持されるとともに、冷却材補給容器21から底部プレナム7への補給用冷却材の供給が継続して行われることが可能となり、炉心から落下したデブリ3の冷却が更に促進される。
[第4の実施形態]
図9は、第4の実施形態に係る原子炉システムおよび原子炉溶融物保持装置の構成の概要を示す立断面図である。
図9は、第4の実施形態に係る原子炉システムおよび原子炉溶融物保持装置の構成の概要を示す立断面図である。
本実施形態は、第1の実施形態の変形である。本実施形態における原子炉システム100は、中性子吸収材供給部40を有する。中性子吸収材供給部40は、中性子吸収材容器41、中性子吸収材供給管42および中性子吸収材供給弁43を有する。
中性子吸収材容器41は、中性子を吸収する中性子吸収材を収納する。中性子吸収材は、原子炉冷却材がナトリウムのような場合は顆粒状のボロン、原子炉冷却材が水の場合はホウ酸水でよい。中性子吸収材容器41は、予備冷却材供給装置20の冷却材補給容器21よりも高い場所に配設されている。
中性子吸収材供給管42は、中性子吸収材容器41と冷却材補給容器21とを接続する。中性子吸収材供給弁43は、中性子吸収材供給管42に設けられている。
中性子吸収材供給弁43は必要に応じて開かれて、中性子吸収材容器41に収納されている中性子吸収材は冷却材補給容器21に供給される。
以上のように構成された本実施形態では、第1の実施形態による効果に加えて、事故時に、予備冷却材供給装置20から底部プレナム7に供給される補給用冷却材とともに中性子吸収材を底部プレナム7に供給することができる。この結果、原子炉容器5内のデブリ3の堆積による再臨界の可能性を抑制することができる。
図10は、第4の実施形態に係る原子炉システムおよび原子炉溶融物保持装置の変形例の構成の概要を示す立断面図である。第4の実施形態では、中性子吸収材供給管42は、中性子吸収材容器41と冷却材補給容器21とを接続しているが、本変形例においては、中性子吸収材供給管42は、冷却材補給管22に接続されている。
このような変形例では、第4の実施形態において中性子吸収材容器41と冷却材補給容器21およびこれらのまわりの配管の配置の多様性が確保できることから、配置設計上の裕度が増す。
[その他の実施形態]
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。たとえば、実施形態では、原子炉システム100は、液体金属冷却炉の場合を示しているが、これに限定されない。たとえば水冷却炉でもよい。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。たとえば、実施形態では、原子炉システム100は、液体金属冷却炉の場合を示しているが、これに限定されない。たとえば水冷却炉でもよい。
また、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。たとえば、第2の実施形態の温度検出信号も利用して予備冷却材供給装置20による補給用冷却材の供給を行う点と、第3または第4の実施形態における補給用冷却材とともに中性子吸収材を原子炉容器5内に供給する点を組み合わせてもよい。
さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…炉心部、2…入口プレナム、3…デブリ(溶融燃料)、4…反応度制御装置、5…原子炉容器、6…原子炉容器蓋、6a…上部プレナム、7…底部プレナム(下部空間)、8…中間熱交換器、8a…伝熱管、8b…中間熱交換器入口、8c…中間熱交換器出口、9…循環ポンプ、9a…コイル、9b…循環ポンプ入口、9c…循環ポンプ出口管、10…コアキャッチャ(溶融燃料保持装置)、11…受け皿部、11a…平板部、11b…凹部、11c…突出部、12…立ち上がり管、12a…貫通孔、13…屋根部(屋根)、14…下敷き金属、20…予備冷却材供給装置、21…冷却材補給容器、22…冷却材補給管、23…冷却材補給弁、25…圧力検出部、26…温度検出部、30…冷却材冷却装置、31…汲み上げ管、32…冷却器、33…汲み上げポンプ、34…汲み上げ弁、40…中性子吸収材供給部、41…中性子吸収材容器、42…中性子吸収材供給管、43…中性子吸収材供給弁、100…原子炉システム
Claims (11)
- 炉心と、
前記炉心を収納し原子炉冷却材を保持する原子炉容器と、
前記原子炉容器内部の前記炉心の下方に設けられて、水平方向に広がる板状の受け皿部を有し、事故時に前記炉心内の燃料が溶融して前記炉心から落下した溶融燃料を保持する溶融燃料保持装置と、
を備え、
前記受け皿部は、複数の下方に突出する突出部を有するとともに上面内に凹部を有することを特徴とする原子炉システム。 - 前記受け皿部は、上下に貫通する貫通孔を有し、
前記溶融燃料保持装置は、前記貫通孔から上方に立ち上がり上下に開口する立ち上がり管をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の原子炉システム。 - 前記溶融燃料保持装置は、前記受け皿部の材料の沸点よりも低くかつ前記原子炉冷却材の沸点よりも高い沸点を有する下敷き材を前記凹部に保有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原子炉システム。
- 前記溶融燃料保持装置は、前記立ち上がり管の上方に当該立ち上がり管と間隔を開けて前記立ち上がり管の上端開口部の上方を覆うように配設された屋根をさらに有すること、 を特徴とする請求項2または請求項3に記載の原子炉システム。
- 前記溶融燃料保持装置と前記原子炉容器の底部間の下部空間に補給用冷却材を供給する予備冷却材供給装置をさらに備え、
前記予備冷却材供給装置は、
前記原子炉容器の外部であって前記原子炉容器よりも上方に設けられて前記補給用冷却材を貯留する冷却材補給容器と、
前記冷却材補給容器から前記補給用冷却材を前記原子炉容器の底部に前記補給用冷却材を導く冷却材補給管と、
前記冷却材補給管に設けられた冷却材補給弁と、
を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の原子炉システム。 - 前記原子炉容器内の圧力を検出する圧力検出部をさらに備えて、
前記圧力検出部で検出した圧力が規定値を超えた場合に、前記冷却材補給弁を開くように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の原子炉システム。 - 前記受け皿部の下面に設けられた温度検出部をさらに有して、
前記温度検出部からの出力が規定値を超えた場合に、前記冷却材補給弁を開くように構成されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の原子炉システム。 - 前記原子炉容器から前記補給用冷却材を前記冷却材補給容器に汲み上げるための汲み上げ管と、
前記汲み上げ管に設けられた汲み上げポンプと、
前記汲み上げ管に設けられた前記補給用冷却材を冷却媒体で冷却する冷却器と、
を有することを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか一項に記載の原子炉システム。 - 前記冷却材補給容器から前記原子炉容器に供給する前記補給用冷却材に中性子吸収材を混入させる中性子吸収材供給部をさらに備えることを特徴とする請求項5ないし請求項8のいずれか一項に記載の原子炉システム。
- 前記炉心で発生した熱を外部に取り出す中間熱交換器と、
前記原子炉冷却材を前記原子炉容器内で循環させる循環ポンプと、
をさらに備えることを特徴とする原子炉システム。 - 炉心を収納し原子炉冷却材を保持する原子炉容器内部の前記炉心の下方に設けられて、水平方向に広がる板状の受け皿部を有し、事故時に前記炉心内の燃料が溶融して前記炉心から落下した溶融燃料を保持する溶融燃料保持装置であって、
前記受け皿部は、複数の下方に突出する突出部を有するとともに上面内に凹部を具備する収容部を有することを特徴とする溶融燃料保持装置。
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2013
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