JP2013076675A - 液体金属冷却原子炉用受動冷却システム - Google Patents

液体金属冷却原子炉用受動冷却システム Download PDF

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Abstract

【課題】炉心で発生した残留崩壊熱の除去時に十分な除熱を実現できること。
【解決手段】ヒートコレクタ34とサイロ31との間に下降流通路35が、ヒートコレクタとガードベッセル19との間に上昇流通路36がそれぞれ形成され、これらの通路を備えて冷却用通路33が構成され、外部空気を下降流通路内に導入して流下させ、サイロ底部で空気の流れを上昇流に変えた後に上昇流通路内を上昇させて外部へ排出する間に、液体金属冷却材13、原子炉容器11及びガードベッセルを冷却する液体金属冷却原子炉用受動冷却システム32において、原子炉容器11内の上部に、液体金属冷却材13に浸漬した状態で配置された吸熱部材41と、原子炉容器の上方に配置され、吸熱部材と熱的に連結または遮断可能に設けられたヒートシンク42とを有し、ヒートシンクは、吸熱部材との熱的な連結時に、この吸熱部材の熱を原子炉容器外へ放熱するよう構成されたものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液体金属冷却原子炉において、原子炉停止時に炉心で発生した残留崩壊熱を除熱する液体金属冷却原子炉用受動冷却システムに関する。
図11に示すような液体金属冷却原子炉100では、運転中の緊急事態に対処するために、または保守点検を行うために、炉心101における燃料の核***反応を停止し、低温停止の状態に至らなければならない場合がある。一般的に、原子炉の停止は、炉心101内に中性子吸収制御装置102を挿入して、核***を生じるために必要な中性子を燃料から奪うことにより行われる。しかし、原子炉停止後も、ある一定時間残留崩壊熱が炉心101から発生し続けるため、原子炉容器103内の液体金属冷却材104の温度は、速やかには低下しない。従って、原子炉停止後に何らかの作業を行うためには、この残留崩壊熱を炉心101からできるだけ早く消散させる必要がある。
ところで、液体金属冷却材104及び隣接する原子炉構造材(原子炉容器103、ガードベッセル105等)は熱容量が大きいため、残留崩壊熱の消散が妨げられている。例えば、液体金属冷却材104に蓄積された残留崩壊熱は、原子炉容器103からガードベッセル105に伝達され、このガードベッセル105の熱も、ガードベッセル105から、外側に隔たって配置されてサイロ106を形成するコンクリート構造物107へ向かって外向きに伝達され、原子炉容器103、ガードベッセル105及びコンクリート構造物107の温度が上昇してしまう。
しかしながら、コンクリート構造物107は、長期間高温にさらされると、その性質が変化し脆くなる傾向にあり、例えば、高温にさらされたときに膨張してひび割れが生じる恐れがある。また、一般的にSUSで製作されている原子炉容器103も、過大な高温に長時間さらされると、その強度が低下する恐れがある。
従って、残留崩壊熱による原子炉構造材の過熱を防止するため、一般に、崩壊熱除去系と呼ばれるシステムが採用されている。この崩壊熱除去系としては、空気を作動流体とし、自然対流、熱伝導、及び熱輻射の固有のプロセスによって連続的に動作する完全に受動的な受動冷却システム(RVACS)108を有しているものがある(特許文献1参照)。尚、図11中の符号111は反射体、112は電磁ポンプ、113は中間熱交換器である。
この受動冷却システム(RVACS)108では、通常運転時に炉心101で発生した熱、及び原子炉停止時に炉心101で発生した残留崩壊熱は、まず、液体金属冷却材104から原子炉容器103へ伝達される。次に、原子炉容器103の熱は、ガードベッセル105へ熱輻射で伝達されると共に、これらの原子炉容器103とガードベッセル105との隙間に充填された不活性ガスによる熱伝導や自然対流によって、ガードベッセル105へ伝達される。次に、ガードベッセル105の熱は、ガードベッセル105の外表面と、受動冷却システム(RVACS)108内で空気通路110を形成するために設置されたヒートコレクタ109との間で、熱輻射によってヒートコレクタ9へ伝達されると共に、空気通路110内での自然対流によって空気通路110内の空気へ伝達される。更に、ヒートコレクタ109の熱は、コンクリート構造体107へ熱輻射により伝達されると共に、ヒートコレクタ109及びコンクリート構造体107の熱は、空気通路110内での自然対流によって、この空気通路110の空気へ伝達される。
特開2011−21901号公報
ところが、上述のように受動冷却システム108を用いて炉心101にて発生した残留崩壊熱を除熱する場合には、原子炉容器103とガードベッセル105との隙間に充填された気体(例えば不活性ガス)の熱伝導性が低いため、この気体が、上記残留崩壊熱を除熱する際に熱抵抗になってしまう。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、炉心で発生した残留崩壊熱の除熱性能を向上した液体金属冷却原子炉用受動冷却システムを提供することにある。
本発明の実施形態による液体金属冷却原子炉用受動冷却システムは、液体金属冷却材が収容された原子炉容器の上部に、少なくとも一部が前記液体金属冷却材に浸漬した状態で配置された吸熱部材と、前記吸熱部材を支持し、前記原子炉容器の上方までのびた吸熱部材支持手段と、前記吸熱部材支持手段の上方に配置されたヒートシンクと、前記ヒートシンクを保持する前記ヒートシンク保持手段とを有し、前記ヒートシンクは、前記ヒートシンク保持手段による保持が解除されると落下し、前記吸熱部材支持手段を介して前記吸熱部材と熱的に連結されることを特徴とするものである。
本発明の実施形態によれば、炉心の除熱性能を向上することができる。
本発明に係る液体金属冷却原子炉用受動冷却システムの第1実施形態が適用された液体金属冷却原子炉を示す略半側断面図。 図1の吸熱部材及びヒートシンクなどを示す斜視図。 図2の電磁捕縛リングを示し、(A)は閉状態、(B)は開状態をそれぞれ示す概略平面図。 本発明に係る液体金属冷却原子炉用受動冷却システムの第2実施形態における吸熱部材、ヒートシンク及び冷却装置を示す斜視図。 本発明に係る液体金属冷却原子炉用受動冷却システムの第3実施形態が適用された液体金属冷却原子炉を示す側断面図。 本発明に係る液体金属冷却原子炉用受動冷却システムの第4実施形態が適用された液体金属冷却原子炉を示す側断面図。 本発明に係る液体金属冷却原子炉用受動冷却システムの第5実施形態が適用された液体金属冷却原子炉を示す側断面図。 本発明に係る液体金属冷却原子炉用受動冷却システムの第6実施形態が適用された液体金属冷却原子炉を示す側断面図。 本発明に係る液体金属冷却原子炉用受動冷却システムの第7実施形態が適用された液体金属冷却原子炉を示す側断面図。 本発明に係る液体金属冷却原子炉用受動冷却システムの第8実施形態が適用された液体金属冷却原子炉を示す側断面図。 従来の液体金属冷却原子炉を示す側断面図。
以下、本発明を実施するための実施形態を図面に基づき説明する。
[A]第1実施形態(図1、図2)
図1は、本発明に係る液体金属冷却原子炉用受動冷却システムの第1実施形態が適用された液体金属冷却原子炉を示す略半側断面図である。
この図1に示す液体金属冷却原子炉10では、原子炉容器11内に炉心12が配置されると共に、1次冷却材としての液体金属冷却材(例えば液体ナトリウム)13が満たされて収容される。従って、炉心12は液体金属冷却材13に浸されている。炉心12は、核燃料の燃料集合体(不図示)が配列されて成り、全体として円柱形状に構成される。
炉心12の外側に、円柱形状の隔壁14が、炉心12を支持する炉心支持板15から延在して設置されている。この隔壁14と炉心12との間に、全体として円環形状の反射体16が配置される。また、隔壁14と原子炉容器11との間に、液体金属冷却材13の流路17が円環形状に形成され、この流路17内に、炉心支持板15にて支持された中性子遮蔽体18が配置される。この中性子遮蔽体18は、炉心12から反射体16を透過または迂回して放射する中性子を遮蔽する。また、原子炉容器11の外側にガードベッセル19が設けられて、原子炉容器11が格納されて保護される。これらの原子炉容器11とガードベッセル19との隙間26に、不活性ガスなどの気体が充填されている。
原子炉容器11内においては、中性子遮蔽体18の上方に円環形状の電磁ポンプ20が配置され、この電磁ポンプ20の上方に中間熱交換器21が設置される。これらの電磁ポンプ20と中間熱交換器21は例えば一体に構成される。電磁ポンプ20は、原子炉容器11内の液体金属冷却材13を、実線矢印Aの如く、流路17内において上方から下方へ向かって流動させる。また、中間熱交換器21のチューブ側とシェル側に、それぞれ液体金属冷却材13と2次冷却材25が流れる。
前記反射体16は、駆動軸22を介して反射体駆動機構23により、炉心12の軸方向、つまり液体金属冷却原子炉10の上下方向に移動可能に駆動される。駆動軸22は、図示しない継手を介して反射体16に連結され、原子炉容器11の上部を閉塞する上部プラグ24を貫通して原子炉容器11の上下方向に延在する。また、反射体駆動機構23は上部プラグ24に設置される。反射体16は、液体金属冷却原子炉10の上下方向に移動することで、炉心12からの中性子の漏洩を調整して、この炉心12の反応度を制御する。
液体金属冷却原子炉10の運転により、原子炉容器11内の液体金属冷却材13は炉心12を冷却しつつ、この炉心12の核***により発生した熱を外部へ取り出す。液体金属冷却材13は、実線矢印Aに示すように、電磁ポンプ20によって流路17内を下方へ流動し、中性子遮蔽体18の内部を流れて原子炉容器11の底部に至る。この液体金属冷却材13は、原子炉容器11の底部から炉心12内へ至り、この炉心12内を、矢印Bに示すように上方へ移動して温度が上昇し、中間熱交換器21のチューブ側に流入する。この中間熱交換器21内で、液体金属冷却材13は2次冷却材25と熱交換を行った後、再び電磁ポンプ20により流路17内を下方へ流動する。
2次冷却材25は、入口ノズル27を経て中間熱交換器21のシェル側に流入し、この中間熱交換器20のチューブ側を流れる液体金属冷却材13により加熱された後、出口ノズル28から外部へ流出し、その熱がタービンなどを用いて動力等に変換される。尚、図1中の符号29は中性子吸収制御装置であり、この中性子吸収制御装置29は、上部プラグ24に設置された中性子吸収制御装置駆動機構30により駆動される。
上述のような液体金属冷却原子炉10では、ガードベッセル19が、地表下に掘り下げて形成されたコンクリート製のサイロ31に間隔を置いて収容されて据え付けられる。このガードベッセル19とサイロ31との間の空間に、空気を作動流体とし、自然対流、熱伝導及び熱輻射の固有のプロセスによって連続的に動作する完全に受動的な受動冷却システム(RVACS:Reactor Vessel Auxiliary Cooling System)32の冷却用通路33が形成されている。
つまり、ガードベッセル19とサイロ31との間に筒状のヒートコレクタ34が設置される。このヒートコレクタ34とサイロ31との間に下降流通路35が形成され、ヒートコレクタ34とガードベッセル19との間に上昇流通路36が形成される。下降流通路35は、地表下に埋設されて空気導入口38を備えた吸気通路としての空気導入配管37に接続される。また、上昇流通路36は、地表下に埋設されて空気排出口40を備えた排気通路としての空気排出配管39に接続される。これらの下降流通路35、上昇流通路36、空気導入配管37及び空気排出配管39により、冷却用通路33が構成される。
上昇流通路36では、ガードベッセル19により加熱された高温の空気が矢印Yに示すように上昇し、空気排出配管39を通り空気排出口40から外部へ排出される。この上昇流通路36内での空気の流れによって下降流通路35内に、空気導入口38及び空気導入配管37を経て外部の低温の空気が導入されて、矢印Xのように流下(下降)する。下降流通路35内を流下した空気は、ヒートコレクタ34端部下方のサイロ31の底部で流れを上昇流に変えて上昇流通路36内を上述のように上昇し、空気排出口40から外部へ排出される。空気が下降流通路35及び上昇流通路36を流れる間に、液体金属冷却材13、原子炉容器11、ガードベッセル19、及びサイロ31を形成するコンクリート製構造物31Aが冷却される。
原子炉の通常運転時に炉心12で発生した熱、及び中性子吸収制御装置29が炉心12内に挿入された原子炉停止時に炉心12で発生した残留崩壊熱は、上述のように構成された受動冷却システム32によって除熱される。
つまり、通常運転時に炉心12にて発生した熱、及び原子炉停止時における炉心12で発生した残留崩壊熱は、まず、液体金属冷却材13を経て原子炉容器11へ伝達される。次に、この原子炉容器11の熱は熱輻射、及び原子炉容器11とガードベッセル19との隙間26内に充填された気体(例えば不活性ガス)による熱伝導や自然対流によってガードベッセル19へ伝達される。次に、ガードベッセル19の熱は、熱輻射によってヒートコレクタ34へ伝達されると共に、上昇流通路36内の空気の自然対流によって、この上昇流通路36内の空気へ伝達される。更に、ヒートコレクタ34の熱の一部は、熱輻射によってコンクリート製構造物31Aへ伝達される。また、このコンクリート製構造物31A及び上記ヒートコレクタ34の熱は、下降流通路35内の空気へ伝達される。
本実施形態の受動冷却システム32では、更に吸熱部材41及びヒートシンク42(図2)を有し、原子炉停止時に原子炉容器11内の液体金属冷却材13を受動冷却する機能を有する。
前記吸熱部材41は、図1及び図2に示すように、熱伝導性の高い材料にてリング形状に形成される。この吸熱部材41は、原子炉容器11内の上部、即ち中間熱交換器21の上方に、少なくとも一部が液体金属冷却材13に浸漬された状態で配置される。この吸熱部材41は、原子炉容器の上方まで延びた吸熱部材支持手段としての吊り下げ棒43と、着脱用リング44とを介して上部プラグ24に支持される。つまり、図2に示すように、吊り下げ棒43の下端に吸熱部材41が、吊り下げ41の上端に着脱用リング44がそれぞれ固着される。この着脱用リング44は、上部プラグ24に設置された収納ボックス45に収納されると共に、この収納ボックス45に取り付けられる。これにより吸熱部材41が、吊り下げ棒43、着脱用リング44及び収納ボックス45を介して上部プラグ24に支持される。このうち、吊り下げ棒43及び着脱用リング44は、液体金属冷却材13の熱を良好に伝達可能な形状及び熱伝導性を有する。
ヒートシンク42は空気中に放熱する機能を有し、図2に示すように収納ボックス45内に収納されて、原子炉容器11及び吊り下げ棒43の上方に配置される。このヒートシンク42は、吸熱部材41と同様にリング形状であり、上面に被把持棒46が複数本立設され、下面に伝熱棒47が複数本垂設される。これらの被把持棒46は、ヒートシンク保持手段としての電磁捕縛リング48に把持(保持)され、この電磁捕縛リング48は、収納ボックス45の天面に設けられた上部取付構造体49に支持される。これにより、ヒートシンク42は、被把持棒46、電磁捕縛リング48及び上部取付構造体49を介して収納ボックス45に支持される。
ヒートシンク42の下面に垂設された複数本の伝熱棒47は、着脱用リング44に形成された複数の嵌合穴50に挿入されて嵌合可能に構成される。また、電磁捕縛リング48は、図3(A)に示すように、通電状態では閉じて被把持棒46を把持し、この被把持棒46と一体化される。このときには、ヒートシンク42は吸熱部材41と分離されているので、この吸熱部材41と熱的に遮断される。また、電磁捕縛リング48は、図3(B)に示すように、電源消失(喪失)時には開いて被把持棒46の把持を解除する。このときヒートシンク42が落下し、このヒートシンク42の伝熱棒47が着脱用リング44の嵌合穴50に嵌合する。これにより、ヒートシンク42が伝熱棒47、着脱用リング44及び吊り下げ棒43を介して吸熱部材41と熱的に連結される。
従って、液体金属冷却原子炉10の通電運転時には、電磁捕縛リング48がヒートシンク42の被把持棒46を把持して、ヒートシンク42が被把持棒46及び電磁捕縛リング48を介して上部プラグ24の収納ボックス45の上部取付構造体49に支持されるので、このヒートシンク42は吸熱部材41と熱的に遮断され、放熱機能を果たさない。また、液体金属冷却原子炉10の停止時で電源が消失したときには、電磁捕縛リング48が開くので、ヒートシンク42は落下し、このヒートシンク42の伝熱棒47が着脱用リング44の嵌合穴50に嵌合する。これにより、ヒートシンク42は、伝熱棒47、着脱用リング44及び吊り下げ棒43を経て吸熱部材41と熱的に連結され、原子炉容器11内の液体金属冷却材13の熱を原子炉容器11外のガス中に放熱する。
以上のように構成されたことから、本実施形態によれば、次の効果(1)を奏する。
(1)原子炉容器11内で液体金属冷却材13に浸漬された吸熱部材41を、原子炉停止時で且つ電源消失時に、原子炉容器11の上方に配置されたヒートシンク42に熱的に連結させる。これにより、原子炉容器11内の液体金属冷却材13の熱を吸熱部材41からヒートシンク42へ、吊り下げ棒43、着脱用リング44及び伝熱棒47を経て熱伝導により伝達させることで、液体金属冷却材13を効率良く冷却できる。この結果、炉心12の除熱性能を向上することができる。
なお、本実施形態ではリング状のヒートシンク42と着脱用リング44を接続するものとして説明したが、これらは中性子吸収制御装置駆動機構30等との兼ね合いからリング状にしているだけであって、他機器との干渉がなければ、例えば双方とも単なる円板であっても構わない。また、ヒートシンク42と着脱用リング44は熱的に接続可能であればよく、例えば伝熱棒47等の接続機構を省略して単にヒートシンク42が着脱用リング44上に載置されるのみであってもよい。
また、吸熱部材41はリング状として説明したが、多角形であってもよいし、連続的に接続されてないものであってもよい。液体金属冷却材の流れを阻害しないように、また表面積を増加させるために、例えば多孔板、格子状、所定間隔を空けて板を複数並べた構成等にすると、より好ましい。
また、ヒートシンク42と着脱用リング44はそれぞれ一方または両方が、一体のリングとして形成されてなくともよい。例えば吸熱部材41には単に吊り下げ棒43が複数立設された構造(着脱用リング44がない)とし、吊り下げ棒43との接続部と放熱部を一体にしたヒートシンクを各吊り下げ棒43の上方に配置した構造であってもよい。
上記のように、吸熱部材41、ヒートシンク42、およびこれらを熱的に接続する構造物は種々の変形をとることができる。なお、冷却効率の観点からは、吸熱部材41やヒートシンク42と及びこれらの間に介在する構造物の接触面積やヒートシンクの表面積は大きいほうが望ましい。
さらに、ヒートシンク42は、ヒートシンク保持手段としての電磁捕縛リング48と被把持棒46によって吸熱部材41が切り離された状態で維持されるものとして説明したが、この構成に限定されない。電源が喪失された場合に自動的に係合が解除されるような構成でヒートシンク42を支持していればよく、例えばヒートシンク42側面の凹部を設け、この凹部に挿入されて電力が供給されている間はヒートシンク42を支持するラッチを収納ボックス45に設けた構成であってもよい。
[B]第2実施形態(図1、図4)
図4は、本発明に係る液体金属冷却原子炉用受動冷却システムの第2実施形態における吸熱部材、ヒートシンク及び冷却装置を示す斜視図である。この第2実施形態において、前記第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施形態の受動冷却システム55が前記第1実施形態と異なる点は、冷却用通路33の上昇流通路36側、即ちこの上昇流通路36に連通する空気排出配管39の空気排出口40付近に、放熱部としての放熱体56を備える冷却装置57(図1に2点鎖線で表示)が内蔵され、この冷却装置57の放熱体56が、伝熱部材としての熱伝達用バー58等を介してヒートシンク42に連結可能に構成された点である。
つまり、冷却装置57の装置ハウジング59内には、複数本の伝熱棒60が突設された前記放熱体56と、熱伝達用バー58の端部に装着された受け台61と、通電時に伝熱棒60を把持した状態で放熱体56を装置ハウジング59に支持させる電磁捕縛リング62とが収容されている。
電磁捕縛リング62は、電源消失時に開いて伝熱棒60を解放し、これにより放熱体56及び伝熱棒60が落下し、この伝熱棒60が受け台61の嵌合穴63に挿入して嵌合する。この結果、放熱体56が伝熱棒60、受け台61及び熱伝達用バー58を経てヒートシンク42に熱的に連結され、液体金属冷却原子炉10の停止時における電源消失時に、原子炉容器11内の液体金属冷却材13の熱がヒートシンク42にて放熱されると共に、冷却装置57の放熱体56からも放熱される。また、液体金属冷却原子炉10の通常運転時には、電磁捕縛リング62が前述の如く伝熱棒60を把持しているので、この伝熱棒60が受け台61の嵌合穴63に嵌合せず、放熱体56は、ヒートシンク42に対し熱的に遮断されている。
従って、本実施形態によれば、前記第1実施形態の効果(1)と同様な効果を奏するほか、次の効果(2)及び(3)を奏する。
(2)液体金属冷却原子炉10の停止時における電源消失時に、冷却装置57の放熱体56が熱伝達用バー58等を介してヒートシンク42に熱的に連結されるので、原子炉容器11内の液体金属冷却材13の熱をヒートシンク42にて放熱できると共に、熱伝達用バー58等を経て冷却装置57の放熱体56にても放熱でき、液体金属冷却材13を更に効率よく冷却できる。と同時に、放熱体56による放熱によって冷却用通路33の空気排出配管39における空気排出口40付近の空気温度が上昇するので、空気排出配管39及び上昇流通路36内を上昇する空気の流量を増大させることができる。この結果、冷却用通路33の全体を流れる空気の流速が上昇し流量を増大できるので、この空気により液体金属冷却材13、原子炉容器11、ガードベッセル19及びコンクリート製構造体31Aをより効率的に冷却できる。これらのことから、炉心12にて生じた残留崩壊熱を、より一層好適に除熱できる。
(3)液体金属冷却原子炉10の通常運転時には、冷却装置57の放熱体56がヒートシンク42と熱的に遮断され、且つヒートシンク42が原子炉容器11内の吸熱部材41と熱的に遮断されるので、この通常運転時における液体金属冷却材13の熱が吸熱部材41らを介して炉外に放出される量を低減することができる。
尚、本第2実施形態においては、冷却装置57における伝熱棒60、受け台61及び電磁捕縛リング62を省略し、放熱体56が熱伝達用バー58に常に熱的に連結されていてもよい。この場合には、上記効果(3)を実現できないものの、冷却装置57の構造を簡素化でき、装置のロバスト性が向上する。
また、第1実施形態で吸熱部材41等についての説明と同様に、放熱体56や受け台61は種々の変形をとることが可能である。
[C]第3実施形態(図5)
図5は、本発明に係る液体金属冷却原子炉用受動冷却システムの第3実施形態が適用された液体金属冷却原子炉を示す側断面図である。この第3実施形態において、前記第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施形態の受動冷却システム65が前記第1実施形態と異なる点は、ガードベッセル19の上部に第1接続配管としての上流側接続配管66が、この上流側接続配管66と異なる位置、例えばガードベッセル19の下部に第2接続配管としての下流側接続配管67がそれぞれ設けられ、これらの上流側接続配管66及び下流側接続配管67が、冷却用通路33の下降流通路35内に少なくとも一部が鉛直方向に延在して配置された放熱用配管68に接続されて構成された点である。
前記上流側接続配管66及び下流側接続配管67は、ガードベッセル19及びヒートコレクタ34を貫通して下降流通路35内まで延び、これらの端部が放熱用配管68に接続される。また、これらの上流側接続配管66及び下流側接続配管67には、溶融弁69が設置されている。この溶融弁69により、原子炉容器11とガードベッセル19との隙間26内の気体(例えば不活性ガス)が放熱用配管68内に流入可能に構成される。尚、溶融弁69は、放熱用配管68に設けられてもよい。
つまり、液体金属冷却原子炉10の停止時で液体金属冷却材13の温度が設計温度を超えると、溶融弁69が開弁される。この溶融弁69の開弁時に、原子炉容器11とガードベッセル19との隙間26内の高温の気体が、上流側接続配管66を経て放熱用配管68内を流下し、下降流通路35内を流れる低温の空気と熱交換されて冷却された後、下流側接続配管67を経て隙間26内に戻されて循環する。このようにして、原子炉容器11とガードベッセル19との隙間26内の気体が直接冷却される。
以上ように構成されたことから、本実施形態においても、前記第1及び第2実施形態の効果(1)〜(3)と同様な効果を奏するほか、次の効果(4)を奏する。
(4)液体金属冷却原子炉10の停止時で液体金属冷却材13の温度が設計温度を超えると、原子炉容器11とガードベッセル19との隙間26内の気体は放熱用配管68内を流れ、下降流通路35を流れる空気により冷却される。このため、原子炉容器11を効率よく冷却することができる。
[D]第4実施形態(図6)
図6は、本発明に係る液体金属冷却原子炉用受動冷却システムの第4実施形態が適用された液体金属冷却原子炉を示す側断面図である。この第6実施形態において、前記第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施形態の受動冷却システム70が前記第1実施形態と異なる点は、ガードベッセル19の上部に流出配管71が、冷却用通路33の下降流通路35に開口して設けられ、この流出配管71よりも低い位置、例えばガードベッセル19の下部に流入配管72が、下降流通路35内で鉛直上方に延びた流入配管73に接続されて構成された点である。この流入配管73は、下降流通路35に開口して設けられる。
流出配管71及び流入配管72は、ガードベッセル19及びヒートコレクタ34を貫通して下降流通路35まで延び、溶融弁74を備える。この溶融弁74により、原子炉容器11とガードベッセル19との隙間26内の気体が、流出配管71を経て下降流通路35内へ流出可能とされ、この流出分に相当する下降流通路35内の空気が、流入配管73及び流入配管72を経て上記隙間26内へ流入可能に構成される。
つまり、液体金属冷却原子炉10の停止時で液体金属冷却材13の温度が設計温度を超えると、溶融弁74が開弁される。この溶融弁74の開弁により、原子炉容器11とガードベッセル19との隙間26内の高温の気体が、流出配管71を経て下降流通路35内へ流出する。この流出した気体と同量の低温の空気が、下降流通路35から流入配管73に取り込まれ、流入配管72を経て隙間26内へ流入し、この隙間26内の温度上昇が抑制される。
以上のように構成されたことから、本実施形態においても、前記第1及び第2実施形態の効果(1)〜(3)と同様な効果を奏するほか、次の効果(5)を奏する。
(5)液体金属冷却原子炉10の停止時で液体金属冷却材13の温度が設計温度を超えると、原子炉容器11とガードベッセル19との隙間26内の高温の気体が冷却用通路33の下降流通路35へ流出し、この流出した気体と同量の低温の空気が下降流通路35から流入配管73により取り込まれ、上記隙間26内へ流入する。このため、この低温の空気の流入によって隙間26内の温度上昇が抑制されるので、原子炉容器11を効率的に冷却できる。
[E]第5実施形態(図7)
図7は、本発明に係る液体金属冷却原子炉用受動冷却システムの第5実施形態が適用された液体金属冷却原子炉を示す側断面図である。この第5実施形態において、前記第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施形態の受動冷却システム75が前記第1実施形態と異なる点は、原子炉容器11の上部に、この原子炉容器11を貫通して、原子炉容器11とガードベッセル19との隙間26に開口する導出配管76が設けられ、この導出配管76を経て、原子炉容器11内の液体金属冷却材13が上記隙間26内へ導入可能に構成された点である。
前記導出配管76は、原子炉容器11の上部で液体金属冷却材13が満たされた箇所(つまり、液体金属冷却材13の液面よりも低い位置)に設けられ、溶融弁77を備える。この溶融弁77は、液体金属冷却原子炉10の停止時で、液体金属冷却材13が設計温度を超えると開弁する。この溶融弁77の開弁時に、原子炉容器11内の液体金属冷却材13が導出配管76を経て、原子炉容器11とガードベッセル19との隙間26内に導入され、この隙間26の熱伝導率が高められる。
以上のように構成されたことから、本実施形態においても、前記第1及び第2実施形態の効果(1)〜(3)と同様な効果を奏する他、次の効果(6)を奏する。
(6)液体金属冷却原子炉10の停止時で炉心12の温度が設計温度以上のときに、原子炉容器11内の液体金属冷却材13が導出配管76を経て、原子炉容器11とガードベッセル19との隙間26内に導入され、この隙間26の熱伝導率が高められる。このため、原子炉容器11とガードベッセル19との温度差が小さくなり、冷却用通路33の上昇流通路36を流れる空気によって原子炉容器11を効率良く冷却できる。
[F]第6実施形態(図8)
図8は、本発明に係る液体金属冷却原子炉用受動冷却システムの第6実施形態が適用された液体金属冷却原子炉を示す側断面図である。この第6実施形態において、前記第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施形態の受動冷却システム80が前記第1実施形態と異なる点は、ガードベッセル19の上部に注入配管81が設けられ、この注入配管81が、ガードベッセル19の外側に設置された液体金属貯蔵容器82に接続され、この液体金属貯蔵容器82内に貯蔵された液体金属(例えば液体ナトリウム)が注入配管81を経て、原子炉容器11とガードベッセル19との隙間26内に注入可能に構成された点である。
前記注入配管81は、ガードベッセル19を貫通して設けられ、溶融弁83を備える。この溶融弁83は、液体金属冷却原子炉10の停止時で、液体金属冷却材13が設計温度を超えると開弁する。この溶融弁83の開弁時に、液体金属貯蔵容器82内の液体金属が注入配管81を経て、原子炉容器11とガードベッセル19との隙間26内に注入され、この隙間26の熱伝導率が高められる。
以上のように構成されたことから、本実施形態においても、前記第1及び第2実施形態の効果(1)〜(3)と同様な効果を奏するほか、次の効果(7)を奏する。
(7)液体金属冷却原子炉10の停止時で炉心12の温度が設計温度以上のときに、液体金属貯蔵容器82内の液体金属が注入配管81を経て、原子炉容器11とガードベッセル19との隙間26内に注入され、この隙間26の熱伝導率が高められる。このため、原子炉容器11とガードベッセル19との温度差が小さくなり、冷却用通路33の上昇流通路36を流れる空気によって原子炉容器11を効率良く冷却できる。
[G]第7実施形態(図9)
図9は、本発明に係る液体金属冷却原子炉用受動冷却システムの第7実施形態が適用された液体金属冷却原子炉を示す側断面図である。この第7実施形態において、前記第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施形態の受動冷却システム85が前記第1実施形態と異なる点は、冷却用通路33の上昇流通路36側、即ちこの上昇流通路36に接続された空気排出配管39の空気排出口40付近に熱交換器86が内蔵され、原子炉容器11内の液体金属冷却材13に浸漬される浸漬部88を備えた配管87が、前記熱交換器86に接続されてループ状の流路を形成するよう構成された点である。
前記配管87は、原子炉容器11及びガードベッセル19を貫通して設けられて、一部が熱交換器86に接続されると共に、内部に冷媒(例えば液体ナトリウム)が充填されている。更に配管87には、浸漬部88に溶融弁89が配設されている。この溶融弁89により、冷媒が配管87内を流通できないように構成される。
液体金属冷却原子炉10の停止時に液体金属冷却材13の温度が設計温度を超えると、溶融弁89が開弁され、冷媒が配管87内を自由に流通可能となる。そして、配管87の浸漬部88で原子炉容器11内の液体金属冷却材13により加熱された高温の冷媒は、その密度が小さくなって熱交換器86側へ流動する。冷媒は、熱交換器86内で、冷却用通路33の空気排出配管39を流れる空気により冷却されて低温となり、密度が大きくなって、配管87内を浸漬部88へ向けて流動する。このようにして、配管87内の冷媒は、浸漬部88と熱交換器86との間で循環し、原子炉容器11内の液体金属冷却材13が冷却される。
以上のように構成されたことから、本実施形態においても、前記第1及び第2実施形態の効果(1)〜(3)と同様な効果を奏するほか、次の効果(8)を奏する。
(8)液体金属冷却原子炉10の停止時で炉心12の温度が設計温度以上のときに、配管87内の冷媒が、この配管87の浸漬部88で原子炉容器11内の液体金属冷却材13により加熱され、熱交換器86で冷却用通路36の空気排出配管39を流れる空気により冷却される。このため、この冷媒を介して、原子炉容器11内の液体金属冷却材13を効率良く冷却できる。
[H]第8実施形態(図10)
図10は、本発明に係る液体金属冷却原子炉用受動冷却システムの第8実施形態が適用された液体金属冷却原子炉を示す側断面図である。この第8実施形態において、前記第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施形態の受動冷却システム90が前記第1実施形態と異なる点は、冷却用通路33の上昇流通路36側、即ちこの上昇流通路36に接続された空気排出配管39の空気排出口40付近に熱交換器91が内蔵され、原子炉容器11とガードベッセル19との隙間26内に配管92の一部が配設され、この配管92がガードベッセル19を貫通し、その他の一部が前記熱交換器91に接続されて、配管92がループ状の流路を形成するよう構成された点である。
配管92は、内部に冷媒(例えば液体ナトリウム)が充填され、この冷媒に、原子炉容器11からの熱が主に熱輻射及び熱伝導により伝達される。更に、配管92には、例えば隙間26に位置する部分に溶融弁93が配設される。この溶融弁93により、冷媒が配管92内を流通できないように構成される。
つまり、液体金属冷却原子炉10の停止時に隙間26の温度が設計温度を超えると、溶融弁93が開弁され、冷媒が配管92内を自由に流通可能となる。そして、配管92における隙間26内に位置する部分で原子炉容器11により加熱された高温の冷媒は、その密度が小さくなって熱交換器91側へ流動する。冷媒は、熱交換器91内で、冷却用通路33の空気排出配管39を流れる空気により冷却されて低温になり、密度が大きくなって、配管92内を隙間26に位置する部分側へ流動する。このようにして、配管92内の冷媒は熱交換器91を通って循環し、隙間26内のガスを冷却する。
以上のように構成されたことから、本実施形態においても、前記第1及び第2実施形態の効果(1)〜(3)と同様な効果を奏するほか、次の効果(9)を奏する。
(9)液体金属冷却原子炉10の停止時で炉心12の温度が設計温度以上のときに、配管92内の冷媒が、隙間26に位置する部分において原子炉容器11により加熱され、熱交換器91で冷却用通路33の空気排出配管39を流れる空気により冷却される。このため、この冷媒を介して、隙間26内のガスが効率よく冷却され、結果的に原子炉容器11を効率的に冷却できる。
以上、本発明を各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形してもよく、また、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、第3〜第8実施形態では、第1実施形態の吸熱部材41及びヒートシンク42等、または第2実施形態の吸熱部材41、ヒートシンク42及び冷却装置57等が適用された態様について述べたが、これらの第1及び第2実施形態が適用されない態様であってもよい。この場合にも、第3〜第8実施形態は、炉心12にて発生した残留崩壊熱に対し受動冷却機能を十分に発揮できる。
10 液体金属冷却原子炉
11 原子炉容器
12 炉心
13 液体金属冷却材
19 ガードベッセル
24 上部プラグ
26 隙間
32 受動冷却システム
33 冷却用通路
34 ヒートコレクタ
35 下降流通路
36 上昇流通路
37 空気導入配管(吸気通路)
39 空気排出配管(排気通路)
41 吸熱部材
42 ヒートシンク
43 吊り下げ棒(吸熱部材支持手段)
48 電磁捕縛リング(ヒートシンク保持手段)
55 受動冷却システム
56 放熱体(放熱部)
57 冷却装置
58 熱伝達用バー(伝熱部材)
65 受動冷却システム
66 上流側接続配管(第1接続配管)
67 下流側接続配管(第2接続配管)
68 放熱用配管
70 受動冷却システム
71 流出配管
72 流入配管
73 流入配管
75 受動冷却システム
76 導出配管
80 受動冷却システム
81 注入配管
82 液体金属貯蔵容器
85 受動冷却システム
86 熱交換器
87 配管
88 浸漬部
90 受動冷却システム
91 熱交換器
92 配管

Claims (10)

  1. 液体金属冷却材が収容された原子炉容器の上部に、少なくとも一部が前記液体金属冷却材に浸漬した状態で配置された吸熱部材と、
    前記吸熱部材を支持し、前記原子炉容器の上方までのびた吸熱部材支持手段と、
    前記吸熱部材支持手段の上方に配置されたヒートシンクと、
    前記ヒートシンクを保持する前記ヒートシンク保持手段とを有し、
    前記ヒートシンクは、前記ヒートシンク保持手段による保持が解除されると落下し、前記吸熱部材支持手段を介して前記吸熱部材と熱的に連結されることを特徴とする液体金属冷却原子炉用受動冷却システム。
  2. 前記ヒートシンク保持手段は、その電源が喪失すると前記ヒートシンクの保持を解除するよう構成されたことを特徴とする請求項1記載の液体金属冷却原子炉用受動冷却システム。
  3. 前記原子炉容器を格納するガードベッセルと、
    このガードベッセルを収容するサイロとの間に設けられたヒートコレクタと、
    前記サイロ内部に空気をとりこむ吸気流路と、
    前記サイロ内部の空気を排出する排気流路と、を備え、
    前記ヒートコレクタと前記サイロとの間に、前記吸気流路からとりこんだ空気が下降する下降流通路が形成され、
    前記ヒートコレクタと前記ガードベッセルとの間に、前記下降流通路を通過した空気が上昇する上昇流通路が形成され、
    前記上昇流通路を通過した空気は前記排気流路から排出されることを特徴とする請求項1または請求項1または2記載の液体金属冷却原子炉用受動冷却システム
  4. 前記排気流路中に配置された放熱部と、
    前記ヒートシンクと前記放熱部を連結する伝熱部材と、を備えることを特徴とする請求項3に記載の液体金属冷却原子炉用受動冷却システム。
  5. 前記ガードベッセルを貫通して設けられた第1接続配管と、
    前記ガードベッセルを貫通し、前記第1接続配管と異なる位置に設けられた第2接続配管と、
    前記第1および第2接続配管に接続され、少なくとも一部が前記下降流通路中に位置する放熱用配管と、
    前記接続配管または前記放熱用配管に設けられた溶融弁と、を備えることを特徴とする請求項3または4に記載の液体金属冷却原子炉用受動冷却システム。
  6. 前記ガードベッセルを貫通し、前記下降流通路中に開口した流出配管と、
    前記ガードベッセルを貫通し、前記流出配管よりも低位置で前記下降流通路中に開口した流入配管と、
    前記流出配管と前記流入配管それぞれに設けられた溶融弁と、を備えたことを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項に記載の液体金属冷却原子炉用受動冷却システム。
  7. 前記液体金属冷却材の液面よりも低位置で前記原子炉容器を貫通し、前記原子炉容器とガードベッセルとの隙間内に開口する導出配管と、
    前記導出配管に設けられた溶融弁と、を備えることを特徴とする請求項3乃至6の何れか1項に記載の液体金属冷却原子炉用受動冷却システム。
  8. 前記ガードベッセルを貫通する注入配管と、
    この注入配管に接続され、内部に液体金属を貯蔵した液体金属貯蔵容器と、
    前記注入配管に設けられた溶融弁と、を特徴とする請求項3乃至7の何れか1項に記載の液体金属冷却原子炉用受動冷却システム。
  9. 一部が前記排気流路中に位置し、一部が前記原子炉容器内の前記液体金属冷却材に浸漬され、前記原子炉容器および前記ガードベッセルを貫通してループ状の流路を形成し、内部を冷媒が流通する配管を備えることを特徴とする請求項3乃至8の何れか1項に記載の液体金属冷却原子炉用受動冷却システム。
  10. 一部が前記排気流路中に位置し、一部が前記原子炉容器と前記ガードベッセルの隙間に位置し、前記ガードベッセルを貫通してループ状の流路を形成し、内部を冷媒が流通する配管を備えることを特徴とする請求項3乃至9の何れか1項に記載の液体金属冷却原子炉用受動冷却システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR3127840A1 (fr) 2021-10-05 2023-04-07 Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives Réacteur nucléaire refroidi au métal liquide intégrant un système complètement passif d’évacuation de la puissance résiduelle (EPUR) à source froide modulaire.
US11636956B2 (en) 2019-12-09 2023-04-25 Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives Liquid metal-cooled nuclear reactor incorporating a completely passive residual power removal (DHR) system
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