JP2014152660A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関が停止しており、カム軸にカムトルクが作用している状態であっても、ロック部材をロック穴から速やかに抜脱して相対回転位相を変更することができるバルブタイミング調整装置を提供する。
【解決手段】バルブタイミング調整装置を構成する第1のロック機構50Aのインナーピン51Aが第1ロック穴60Aに進入している状態で第2のロック機構50Bによって相対回転位相の進角側への変位が規制されているときに、インナーピン51Aと第1ロック穴60Aの進角側の側壁601との間に隙間SP1が生じる。そして、バルブタイミング調整装置の制御装置は、インナーピン51Aが第1ロック穴60Aに進入している状態で機関停止しているときに、進角室44の作動油圧を増大させる中間ロック解除処理を行う。
【選択図】図3
【解決手段】バルブタイミング調整装置を構成する第1のロック機構50Aのインナーピン51Aが第1ロック穴60Aに進入している状態で第2のロック機構50Bによって相対回転位相の進角側への変位が規制されているときに、インナーピン51Aと第1ロック穴60Aの進角側の側壁601との間に隙間SP1が生じる。そして、バルブタイミング調整装置の制御装置は、インナーピン51Aが第1ロック穴60Aに進入している状態で機関停止しているときに、進角室44の作動油圧を増大させる中間ロック解除処理を行う。
【選択図】図3
Description
本発明は、内燃機関のバルブの開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置に関する。
特許文献1に記載されるバルブタイミング調整装置は、機関出力軸と吸気バルブ用のカム軸との相対回転位相を調整する可変機構と、同相対回転位相を最遅角位相と最進角位相との間の中間位相で保持する第1のロック機構と、同相対回転位相を最遅角位相で保持する第2のロック機構とを備えている。そして、アイドルストップ条件の成立を契機に機関運転を停止させる場合には、第2のロック機構によって上記相対回転位相を最遅角位相で保持させた状態で機関運転が停止される。一方、運転者の機関運転停止操作、具体的にはイグニッションスイッチをオフにするなどのイグニッションオフ操作(以下、「IGオフ操作」ともいう。)による機関停止指示を契機に機関運転を停止させる場合には、第1のロック機構によって上記相対回転位相を中間位相で保持させた状態で機関運転が停止される。
特許文献1に記載される第1のロック機構は、機関出力軸の回転に連動して回転する第1の回転体に進退移動可能に支持されるロック部材を有している。そして、上記相対回転位相が最遅角位相と上記中間位相との間で変位するときには、カム軸と共に回転する第2の回転体に形成されている溝にロック部材が進入し、同ロック部材が上記相対回転位相の変位に合わせて溝内を移動するようになっている。こうした第1のロック機構では、ロック部材が溝の進角側の側壁に当接された状態で上記相対回転位相が中間位相で保持される。
しかしながら、こうした第1のロック機構では、上記相対回転位相を中間位相で保持させたとしても、ロック部材は溝内を遅角側に移動可能となっているため、上記相対回転位相が中間位相から遅角側に変位することがあり得る。そこで、上記相対回転位相を中間位相で確実に保持させるために、上記相対回転位相が中間位相であるときにロック部材が進入するロック穴を、上記溝の進角側の端部に設けることが考えられる。この場合、ロック穴にロック部材を進入させることにより、上記相対回転位相の中間位相からの変位が規制され、同相対回転位相が中間位相で確実に保持されるようになる。
ところで、内燃機関を温間始動させる場合には、圧縮比が高いことによるプレイグニッションの発生などを抑制するために、上記相対回転位相を最遅角位相で保持させた状態で内燃機関を始動させることがある。このとき、前回の機関運転の停止時に第1のロック機構によって上記相対回転位相を中間位相に保持した状態で機関停止がなされ、上記相対回転位相が中間位相で保持されている場合には、今回の内燃機関の始動に先立って、第1のロック機構による保持を解除した上で、同相対回転位相を可変機構によって遅角側に変位させて第2のロック機構によって最遅角位相で保持させることになる。
ここで、カム軸には、バルブを閉弁させるバルブスプリングの付勢力によるカムトルクが作用している。こうしたカムトルクは、機関停止中におけるカムの停止位相によって、カム軸を進角側に正回転させる方向に作用したり遅角側に逆回転させる方向に作用したりする。そのため、カム軸に作用するカムトルクの方向によっては、ロック部材がロック穴の側壁に押し付けられ、ロック部材とロック穴の側壁との間で生じる摩擦力が大きくなり、ロック部材がロック穴から抜脱されにくくなることがある。すなわち、第1のロック機構による上記相対回転位相の中間位相での保持を解除しにくくなることがある。
なお、こうした課題は、吸気バルブの開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置に限らず、排気バルブの開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置にあっても同様に生じ得る。
本発明の目的は、内燃機関が停止しており、カム軸にカムトルクが作用している状態であっても、ロック部材をロック穴から速やかに抜脱して相対回転位相を変更することができるバルブタイミング調整装置を提供することにある。
上記課題を解決するためのバルブタイミング調整装置は、機関出力軸の回転に連動して回転する第1の回転体とバルブ用のカム軸と共に回転する第2の回転体との相対回転位相を、進角用の油圧室及び遅角用の油圧室の作動油圧の調整によって変更する可変機構と、相対回転位相を最遅角位相と最進角位相との間の第1の相対回転位相に保持する第1のロック機構と、相対回転位相を前記第1の相対回転位相よりも遅角側の第2の相対回転位相に保持する第2のロック機構と、各油圧室の作動油圧の調整によって、可変機構及び第1のロック機構及び第2のロック機構を制御する制御装置と、を備えたバルブタイミング調整装置を前提としている。このバルブタイミング調整装置において、第1及び第2の各ロック機構は、第1及び第2の各回転体の一方に進退移動可能に支持されるロック部材を有し、同ロック部材を第1及び第2の各回転体の他方に形成されているロック穴に進入させることで上記相対回転位相を保持する一方、進角用の油圧室及び遅角用の油圧室の少なくとも一方の作動油圧が増大されるとロック部材がロック穴から抜脱されて上記相対回転位相の保持が解除されるものである。また、上記バルブタイミング調整装置では、第1のロック機構のロック部材がロック穴に進入している状態で第2のロック機構によって相対回転位相の進角側への変位が規制されているときに、第1のロック機構のロック部材とロック穴の進角側の側壁との間に隙間が生じるようになっている。そして、上記バルブタイミング調整装置では、制御装置は、第1のロック機構のロック部材がロック穴に進入している状態で機関停止しているときに、進角用の油圧室の作動油圧を増大させる中間ロック解除処理を行う。
第1のロック機構のロック部材がロック穴に進入しており、第1のロック機構によって上記相対回転位相が第1の相対回転位相で保持されている場合、カムトルクがカム軸を遅角側に逆回転させる方向に作用していると、第1のロック機構のロック部材がロック穴の遅角側の側壁に押し付けられ、ロック部材がロック穴から抜けにくくなる。
これに対して、上記構成では、第1のロック機構のロック部材がロック穴に進入している状態で機関停止しているときに、進角用の油圧室の作動油圧を増大させる中間ロック解除処理を行うようにしている。上記のようにカム軸を遅角側に逆回転させる方向にカムトルクが作用している状態で進角用の油圧室の作動油圧を増大させると、カム軸に進角側に正回転させる方向へのトルクが生じ、こうしたトルクで上記カムトルクを相殺することができる。しかも、第1のロック機構によって上記相対回転位相が第1の相対回転位相で保持されている状態では、第2のロック機構によって上記相対回転位相の進角側への変位が規制されているため、進角用の油圧室の作動油圧を増大させたとしても、第1のロック機構のロック部材とロック穴の進角側の側壁との間に隙間が生じている状態は維持される。そのため、進角用の作動油圧を増大させることにより、第1のロック機構では、ロック部材とロック穴の側壁との間で摩擦が生じにくくなり、ロック部材がロック穴から速やかに抜脱されるようになる。
なお、カム軸を進角側に正回転させるカムトルクが作用している場合には、進角用の油圧室の作動油圧の増大によって生じるトルクとカムトルクの双方がカム軸を進角側に正回転させる方向に作用することになる。しかし、第2のロック機構によって相対回転位相の進角側への変位が規制されているため、ロック部材とロック穴の進角側の側壁との間に隙間が生じている状態が維持される。そのため、この場合にもロック部材とロック穴の側壁との間で摩擦が生じにくい状態となり、ロック部材がロック穴から速やかに抜脱される。
したがって、上記構成によれば、内燃機関が停止している状態においてカム軸に作用するカムトルクの方向に拘わらず、ロック部材をロック穴から速やかに抜脱することができるようになる。これにより、内燃機関が停止しており、カム軸にカムトルクが作用している状態であっても、ロック部材をロック穴から速やかに抜脱して相対回転位相を変更することができるようになる。
なお、上記バルブタイミング調整装置において、制御装置は、内燃機関の始動要求がなされてから機関始動が開始されるまでの間に中間ロック解除処理を行うことが好ましい。
上記中間ロック解除処理によれば、第1のロック機構による上記相対回転位相の第1の相対回転位相での保持が速やかに解除されるため、内燃機関の始動要求がなされてから機関始動が開始されるまでの短い期間であってもロック部材のロック穴からの抜脱を行うことができるようになる。
上記中間ロック解除処理によれば、第1のロック機構による上記相対回転位相の第1の相対回転位相での保持が速やかに解除されるため、内燃機関の始動要求がなされてから機関始動が開始されるまでの短い期間であってもロック部材のロック穴からの抜脱を行うことができるようになる。
また、内燃機関の始動要求がなされてから機関始動が開始されるまでの間に中間ロック解除処理を行う構成を採用すれば、始動要求がなされてから相対回転位相を変位させる態様となるため、始動要求がなされたときの状態に応じてその状態に適した相対回転位相に変位させ、内燃機関を始動させることができるようになる。
また、上記カム軸が吸気バルブ用のカム軸であるとする。この場合、中間ロック解除処理を行った後、機関始動が開始されるまでの間に遅角用の油圧室の作動油圧を増大させる遅角処理を行うことにより、温間時に機関始動要求がなされたときに、温間始動に備えて予め相対回転位相を遅角側に変位させることができ、プレイグニッションの発生を抑制することができるようになる。
また、上記バルブタイミング調整装置では、第2のロック機構のロック部材がロック穴に進入しており、可変機構によって上記相対回転位相の遅角側への変位が規制されているときに、同第2のロック機構のロック部材とロック穴の遅角側の側壁との間に隙間が生じるようにしてもよい。この場合、制御装置は、第2のロック機構のロック部材がロック穴に進入している状態で機関停止しているときに、遅角用の油圧室の作動油圧を増大させる遅角側ロック解除処理を行うことが好ましい。
第2ロック機構のロック部材がロック穴に進入しており、第2のロック機構によって上記相対回転位相が第2の相対回転位相で保持されている場合、カムトルクがカム軸を進角側に正回転させる方向に作用していると、第2のロック機構のロック部材がロック穴の進角側の側壁に押し付けられロック部材がロック穴から抜けにくくなる。
これに対して、上記構成では、第2のロック機構のロック部材がロック穴に進入している状態で機関停止しているときに、遅角用の油圧室の作動油圧を増大させる遅角側ロック解除処理を行うようにしている。上記のようにカム軸を進角側に正回転させる方向にカムトルクが作用している状態で遅角用の油圧室の作動油圧を増大させると、カム軸に遅角側に逆回転させる方向へのトルクが生じ、こうしたトルクで上記カムトルクを相殺することができる。しかも、第2のロック機構によって上記相対回転位相が第2の相対回転位相で保持されている状態では、可変機構によって上記相対回転位相の遅角側への変位が規制されているため、遅角用の油圧室の作動油圧を増大させたとしても、第2のロック機構のロック部材とロック穴の遅角側の側壁との間に隙間が生じている状態は維持される。そのため、遅角用の作動油圧を増大させることにより、第2のロック機構では、ロック部材とロック穴の側壁との間で摩擦が生じにくくなり、ロック部材がロック穴から速やかに抜脱されるようになる。
なお、カム軸を遅角側に逆回転させるカムトルクが作用している場合には、遅角用の油圧室の作動油圧の増大によって生じるトルクとカムトルクの双方がカム軸を遅角側に逆回転させる方向に作用することになる。しかし、可変機構によって相対回転位相の遅角側への変位が規制されているため、ロック部材とロック穴の遅角側の側壁との間に隙間が生じている状態が維持される。そのため、この場合にもロック部材とロック穴の側壁との間で摩擦が生じにくい状態となり、ロック部材がロック穴から速やかに抜脱される。
したがって、上記構成によれば、内燃機関が停止している状態においてカム軸に作用するカムトルクの方向に拘わらず、ロック部材をロック穴から速やかに抜脱して上記相対回転位相が第2の相対回転位相で保持されている状態を速やかに解除することができるようになる。
なお、上記カム軸が吸気バルブ用のカム軸であるとする。この場合、制御装置は、アイドルストップ条件の成立を契機に機関停止させるとき、第2のロック機構によって上記相対回転位相を第2の相対回転位相で保持させた状態で機関運転を停止させ、機関停止中において第2のロック機構による上記相対回転位相の第2の相対回転位相での保持が継続している状態で機関運転停止操作が行われたときに、遅角側ロック解除処理を行い、その後に進角用の油圧室の作動油圧を増大させる進角処理を行うことが好ましい。
上記構成によれば、アイドルストップ条件の成立時には、上記相対回転位相が第2の相対回転位相で保持された状態で内燃機関の運転が停止される。そのため、こうしたアイドルストップ条件の成立を契機として内燃機関の運転が停止されている状態から内燃機関を再始動させるときには、上記相対回転位相を変更することなく、すなわち上記相対回転位相を第2の相対回転位相で保持したままで内燃機関を再始動させることができる。したがって、内燃機関の早期の再始動を実現することができる。
一方、上述のようにアイドルストップ条件の成立を契機に内燃機関の運転が停止されている状態のときに機関運転停止操作が行われることがある。この場合には交差点などでの一時的な車両停止ではなく、しばらく停車状態が継続されることが予想されるため、次回の機関始動時には冷間始動となる可能性がある。この点、上記構成では、上記相対回転位相が第2の相対回転位相に保持されている状態での内燃機関の間欠停止中に機関運転停止操作が行われると、上記遅角側ロック解除処理によって第2のロック機構による上記相対回転位相の第2の相対回転位相での保持が解除され、上記進角処理によって同相対回転位相が進角側に変位される。すなわち、冷間始動に備えて上記相対回転位相を上記第2の相対回転位相よりも進角側に予め変位させることができ、冷間始動性を向上させることができるようになる。
以下、内燃機関のバルブの開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置を具体化した一実施形態を図1〜図10に従って説明する。
図1に示す内燃機関11の燃焼室12には、吸気バルブ13の開弁時に吸気通路14を通じて吸入空気が吸入される。また、このとき、インジェクタ15から噴射された燃料も燃焼室12に吸入される。この燃焼室12では、点火プラグ16が点火されることによって、吸入空気及び燃料を含む混合気が燃焼される。そして、この燃焼によって生じた力がピストン17及びコネクティングロッド18を通じて機関出力軸であるクランク軸19に伝達され、クランク軸19が回転する。また、燃焼室12で混合気が燃焼されると、排気バルブ20の開弁時に排気が燃焼室12から排気通路21に排出される。
図1に示す内燃機関11の燃焼室12には、吸気バルブ13の開弁時に吸気通路14を通じて吸入空気が吸入される。また、このとき、インジェクタ15から噴射された燃料も燃焼室12に吸入される。この燃焼室12では、点火プラグ16が点火されることによって、吸入空気及び燃料を含む混合気が燃焼される。そして、この燃焼によって生じた力がピストン17及びコネクティングロッド18を通じて機関出力軸であるクランク軸19に伝達され、クランク軸19が回転する。また、燃焼室12で混合気が燃焼されると、排気バルブ20の開弁時に排気が燃焼室12から排気通路21に排出される。
内燃機関11は、吸気バルブ13を開閉駆動させるカム軸22と、排気バルブ20を開閉駆動させるカム軸23とを備えている。吸気バルブ用のカム軸22には、吸気バルブ13の開閉タイミング、すなわちバルブタイミングを調整する油圧駆動式のバルブタイミング調整機構30が設けられており、クランク軸19の回転力がタイミングチェーンからバルブタイミング調整機構30を介して伝達される。一方、排気バルブ用のカム軸23には、クランク軸19の回転力がタイミングチェーンを介して直接伝達される。そして、クランク軸19の回転力がカム軸22,23に伝達されると、カム軸22,23に一体に設けられているカム24,25の回転によってバルブ13,20が開閉駆動される。
次に、図2〜図4を参照して、バルブタイミング調整機構30について詳述する。
図2に示すように、バルブタイミング調整機構30は、吸気バルブ13のバルブタイミングを変更する可変機構40と、吸気バルブ13のバルブタイミングを最遅角時期と最進角時期との間の中間時期に保持するための第1のロック機構50Aと、吸気バルブ13のバルブタイミングを最遅角時期に保持するための第2のロック機構50Bとを備えている。
図2に示すように、バルブタイミング調整機構30は、吸気バルブ13のバルブタイミングを変更する可変機構40と、吸気バルブ13のバルブタイミングを最遅角時期と最進角時期との間の中間時期に保持するための第1のロック機構50Aと、吸気バルブ13のバルブタイミングを最遅角時期に保持するための第2のロック機構50Bとを備えている。
可変機構40は、吸気バルブ用のカム軸22と一体回転する第2の回転体としてのベーンロータ41と、クランク軸19の回転に連動して回転する円筒形状のハウジングロータ42とを備えている。ベーンロータ41は、吸気バルブ用のカム軸22に固定されるボス411とボス411から径方向外側に突出する複数(本実施形態では3つ)のベーン412とを有しており、ハウジングロータ42の内部に配置されている。
ハウジングロータ42には、径方向内側に突出する複数(本実施形態では3つ)の区画壁421が設けられている。そして、周方向で互いに隣り合う区画壁421同士の間に形成されている収容室43は、その内部に配置されるベーンロータ41のベーン412によって2つの油圧室に区画されている。収容室43におけるベーン412のカム軸回転方向後側の油圧室は進角用の油圧室としての進角室44であり、収容室43におけるベーン412のカム軸回転方向前側の油圧室は遅角用の油圧室としての遅角室45である。
なお、図2及び図3に示すように、ハウジングロータ42の一方側の開口(図3では下側の開口)は、クランク軸19の回転力がタイミングチェーンを介して伝達されるスプロケット46によって閉塞されている。一方、ハウジングロータ42の他方側の開口(図3では上側の開口)は、略円盤状のカバー47によって閉塞されている。したがって、本実施形態では、ハウジングロータ42、スプロケット46及びカバー47により、クランク軸19の回転に連動して回転する第1の回転体が構成される。
そして、バルブタイミング調整機構30では、遅角室45に作動油が供給されるとともに進角室44から作動油が排出されると、遅角室45の作動油圧が進角室44の作動油圧よりも高くなり、ベーンロータ41がハウジングロータ42に対してカム軸回転方向とは反対の方向(図2における左回り)に相対回転される。このようにハウジングロータ42に対するベーンロータ41の相対回転位相が遅角側に変位した場合、吸気バルブ13のバルブタイミングが遅角される。なお、以降の記載において、「ハウジングロータ42に対するベーンロータ41の相対回転位相」のことを、単に「相対回転位相」というものとする。
一方、進角室44に作動油が供給されるとともに遅角室45から作動油が排出されると、進角室44の作動油圧が遅角室45の作動油圧よりも高くなり、ベーンロータ41がハウジングロータ42に対してカム軸回転方向(図2における右回り)に相対回転される。このように相対回転位相が進角側に変位した場合、吸気バルブ13のバルブタイミングが進角される。
図2に示すように、第1のロック機構50Aは、ベーンロータ41のベーン412のうちの1つに設けられている。この第1のロック機構50Aは、相対回転位相を最遅角位相と最進角位相との間に設定されている中間位相で保持する機構である。なお、最遅角位相とは、吸気バルブ13のバルブタイミングが最も遅角されているときの相対回転位相であり、最進角位相とは、吸気バルブ13のバルブタイミングが最も進角されているときの相対回転位相である。また、本実施形態では、上記中間位相は、「第1の相対回転位相」に相当し、例えば内燃機関11の冷間始動に適した相対回転位相に設定されている。
第2のロック機構50Bは、第1のロック機構50Aが設けられているベーン412とは異なる他のベーン412の1つ設けられている。この第2のロック機構50Bは、相対回転位相を最遅角位相で保持する機構である。本実施形態では、最遅角位相が、第1の相対回転位相である中間位相よりも遅角側に設定されている「第2の相対回転位相」に相当する。
図3及び図4に示すように、第1及び第2のロック機構50A,50Bは、円筒形状をなすインナーピン51A,51Bと、インナーピン51A,51Bの外周に配置される円環状のアウターピン52A,52Bとを備えている。アウターピン52A,52Bは、インナーピン51A,51Bに対して、カム軸22の延びる方向である軸方向(図3における上下方向)に摺動可能となっている。そして、インナーピン51A,51B及びアウターピン52A,52Bは、ベーン412に形成されている収容孔413内に収容されている。
収容孔413内には、カバー47側(図3では上側)の開口を閉塞するスプリングガイドブッシュ53A,53Bと、スプロケット46側(図3では下側)の開口に固定されるリングブッシュ54A,54Bとが設けられている。このリングブッシュ54A,54Bの中央には、インナーピン51A,51Bの先端が通過できる程度の円孔541が形成されている。
また、インナーピン51A,51Bとスプリングガイドブッシュ53A,53Bとの間には、インナーピン51A,51Bをスプロケット46側に付勢するインナーピンスプリング55A,55Bが設けられている。また、アウターピン52A,52Bとスプリングガイドブッシュ53A,53Bとの間には、アウターピン52A,52Bをスプロケット46側に付勢するアウターピンスプリング56A,56Bが設けられている。
また、アウターピン52A,52Bとリングブッシュ54A,54Bとの間には、解除室57A,57Bが区画形成されている。油路を介した解除室57A,57Bへの作動油の供給によって解除室57A,57Bの作動油圧が増大されると、アウターピン52A,52Bはアウターピンスプリング56A,56Bの付勢力に抗してカバー47側に変位可能となり、インナーピン51A,51Bはインナーピンスプリング55A,55Bの付勢力に抗してカバー47側に変位可能となる。
また、収容孔413には、バルブタイミング調整機構30の遅角室45に連通する油室連通路58と、進角室44に連通する油室連通路59とが接続されている。アウターピン52A,52Bがスプロケット46側に変位したときに油室連通路58,59が互いに連通され、アウターピン52A,52Bがカバー47側に変位したときに油室連通路58,59の互いの連通がアウターピン52A,52Bによって遮断される。したがって、解除室57A,57Bの作動油圧が減少され、アウターピン52A,52Bがスプロケット46側に変位したときには、遅角室45と進角室44とが互いに連通される。
そして、図3に示すように、第1のロック機構50Aにあっては、相対回転位相が上記中間位相になると、インナーピン51Aが、インナーピンスプリング55Aからの付勢力によって収容孔413からスプロケット46側に突出し、スプロケット46に形成されている第1ロック穴60A内に進入する。こうしてインナーピン51Aが第1ロック穴60Aに係合されることでハウジングロータ42に対するベーンロータ41の相対回転が規制され、相対回転位相が中間位相で保持されるようになる。したがって、本実施形態では、第1のロック機構50Aのインナーピン51Aが、「第1のロック機構のロック部材」に相当する。
なお、第1ロック穴60Aの直径は、インナーピン51Aの先端、すなわち第1ロック穴60Aに進入する部分の直径よりも大きい。そのため、インナーピン51Aが第1ロック穴60Aに進入している状態では、インナーピン51Aと第1ロック穴60Aの周壁との間には隙間が生じる。また、スプロケット46における第1ロック穴60Aの側方には、第1ロック穴60Aよりも浅い第1溝61Aが、ベーン412が進角側に回動したときのインナーピン51Aの軌跡に沿うように形成されている。
また、図4に示すように、第2のロック機構50Bにあっては、相対回転位相が最遅角位相になると、インナーピン51Bが、インナーピンスプリング55Bからの付勢力によって収容孔413からスプロケット46側に突出し、スプロケット46に形成されている第2ロック穴60B内に進入する。こうしてインナーピン51Bが第2ロック穴60Bに係合されることでハウジングロータ42に対するベーンロータ41の相対回転が規制され、相対回転位相が最遅角位相で保持されるようになる。したがって、本実施形態では、第2のロック機構50Bのインナーピン51Bが、「第2のロック機構のロック部材」に相当する。
なお、第2ロック穴60Bの直径は、インナーピン51Bの先端、すなわち第2ロック穴60Bに進入する部分の直径よりも大きい。そのため、インナーピン51Bが第2ロック穴60Bに進入している状態では、インナーピン51Bと第2ロック穴60Bの周壁との間には隙間が生じる。また、スプロケット46における第2ロック穴60Bの側方には、第2ロック穴60Bよりも浅い第2溝61Bが、ベーン412が進角側に回動したときのインナーピン51Bの軌跡に沿うように形成されている。本実施形態では、相対回転位相が最遅角位相と中間位相との間で変位する場合、相対回転位相の変位に合わせてインナーピン51Bが第2溝61Bの内部で移動するようになっている。
ちなみに、図3に示すように、第1のロック機構50Aのインナーピン51Aが第1ロック穴60Aに進入している場合、第2のロック機構50Bのインナーピン51Bは、第2溝61Bの進角側の側壁611に当接することがある。このように第2のロック機構50Bのインナーピン51Bが側壁611に当接すると相対回転位相の中間位相から進角側への変位が規制される。本実施形態のバルブタイミング調整機構30では、インナーピン51Bが側壁611に当接している状態のときに第1のロック機構50Aのインナーピン51Aと第1ロック穴60Aの進角側の側壁601との間に隙間SP1が生じるようになっている。この状態では、相対回転位相の中間位相から進角側への変位が第2のロック機構50Bによって規制されるため、相対回転位相を更に進角側に変位させようとする力が作用したとしてもインナーピン51Aと側壁601との間に隙間SP1が生じている状態が維持される。
また、図4に示すように、第2のロック機構50Bのインナーピン51Bが第2ロック穴60Bに進入している場合には、ベーン412がその遅角側に位置する区画壁421に当接することで、相対回転位相の最遅角位相から遅角側への変位が規制される。本実施形態のバルブタイミング調整機構30では、ベーン412がその遅角側に位置する区画壁421に当接している状態のときに第2のロック機構50Bのインナーピン51Bと第2ロック穴60Bの遅角側の側壁602との間に隙間SP2が生じるようになっている。この状態では、相対回転位相の最遅角位相から遅角側への変位が可変機構40によって、すなわち可変機構40のベーン412と区画壁421とが当接することによって規制されるため、相対回転位相を更に遅角側に変位させようとする力が作用したとしてもインナーピン51Bと側壁602との間に隙間SP2が生じている状態が維持される。
次に、図5及び図6を参照して、本実施形態のバルブタイミング調整装置における作動油の供給系について説明する。
図5に示すように、オイルパン70に貯留されている作動油は、吸込油路71を通じて機関駆動式のオイルポンプ72に汲み上げられる。そして、オイルポンプ72から吐出された作動油は、バルブタイミング調整機構30を含む各部位に供給される。
図5に示すように、オイルパン70に貯留されている作動油は、吸込油路71を通じて機関駆動式のオイルポンプ72に汲み上げられる。そして、オイルポンプ72から吐出された作動油は、バルブタイミング調整機構30を含む各部位に供給される。
オイルポンプ72は第1供給油路73を通じてオイルコントロールバルブ74に接続されており、オイルコントロールバルブ74は第1排出油路75を通じてオイルパン70に接続されている。また、オイルコントロールバルブ74は、進角油路76を通じて進角室44に接続されているとともに、遅角油路77を通じて遅角室45に接続されている。さらに、オイルコントロールバルブ74は、第1及び第2のロック機構50A,50Bの解除室57A,57Bに解除油路78を通じて接続されている。なお、オイルポンプ72とオイルコントロールバルブ74とを繋ぐ第1供給油路73の途中には、オイルコントロールバルブ74からオイルポンプ72への作動油の流れを規制する逆止弁79が設けられている。
また、オイルポンプ72と逆止弁79との間の第1供給油路73には第1分岐油路80が接続されており、この第1分岐油路80は作動油を貯留するタンク81に接続されている。このタンク81には、ポンプ油路82を通じて電動式の油圧ポンプ(以下、「電動ポンプ」という)83が接続されている。この電動ポンプ83の吐出口には第2分岐油路84が接続されており、この第2分岐油路84はオイルコントロールバルブ74と逆止弁79との間の第1供給油路73に接続されている。
こうした油路を備えることにより、オイルコントロールバルブ74には、オイルポンプ72によってオイルパン70から吸い込まれた作動油が供給される。また、機関停止中や機関始動時などのようにオイルポンプ72からの作動油の供給が停止しているときやオイルポンプ72の作動油供給能力が低下しているときにも、電動ポンプ83の駆動によってタンク81に貯留された作動油をオイルコントロールバルブ74に供給することができる。
なお、オイルコントロールバルブ74は、複数のポートが設けられている単一のハウジングと、このハウジング内に設けられている単一のスプールとにより構成されている。そして、このスプールがハウジングに対して移動することにより、進角室44、遅角室45及び解除室57A,57Bに対する作動油の給排状態が、図6に示すモードM1,M2,M3,M4,M5に変更される。
第1モードM1は、進角室44及び遅角室45の作動油の給排をともに停止し、解除室57A,57Bから作動油を排出するモードである。
この第1モードM1では、進角室44及び遅角室45の作動油圧が変更されないため、相対回転位相は変位せず吸気バルブ13のバルブタイミングが現状のまま保持される。また、解除室57A,57Bの作動油圧が低くなるため、第1及び第2のロック機構50A,50Bのインナーピン51A,51Bは収容孔413から突出可能な状態になる。そのため、相対回転位相が最遅角位相となっているときには第2のロック機構50Bによって相対回転位相が最遅角位相に固定された状態に維持され、相対回転位相が中間位相となっているときには第1のロック機構50Aによって相対回転位相が中間位相に固定された状態に維持される。したがって、第1モードM1では、進角室44や遅角室45に作動油を供給することができない場合でも、第1のロック機構50A又は第2のロック機構50Bによって相対回転位相の固定状態を保持することができる。なお、第1モードM1は、例えば機関停止中に選択される。
この第1モードM1では、進角室44及び遅角室45の作動油圧が変更されないため、相対回転位相は変位せず吸気バルブ13のバルブタイミングが現状のまま保持される。また、解除室57A,57Bの作動油圧が低くなるため、第1及び第2のロック機構50A,50Bのインナーピン51A,51Bは収容孔413から突出可能な状態になる。そのため、相対回転位相が最遅角位相となっているときには第2のロック機構50Bによって相対回転位相が最遅角位相に固定された状態に維持され、相対回転位相が中間位相となっているときには第1のロック機構50Aによって相対回転位相が中間位相に固定された状態に維持される。したがって、第1モードM1では、進角室44や遅角室45に作動油を供給することができない場合でも、第1のロック機構50A又は第2のロック機構50Bによって相対回転位相の固定状態を保持することができる。なお、第1モードM1は、例えば機関停止中に選択される。
第2モードM2は、遅角室45に作動油を供給する一方で進角室44から作動油を排出するとともに、解除室57A,57Bから作動油を排出するモードである。
この第2モードM2では、遅角室45の作動油圧が進角室44の作動油圧よりも高くなるため、相対回転位相が遅角側に変位され、吸気バルブ13のバルブタイミングが遅角される。また、解除室57A,57Bの作動油圧が低くなるため、第1及び第2のロック機構50A,50Bのインナーピン51A,51Bは収容孔413から突出可能な状態になる。そのため、相対回転位相が最遅角位相になっているときには第2のロック機構50Bによって相対回転位相が最遅角位相に維持され、相対回転位相が中間位相となっているときには第1のロック機構50Aによって相対回転位相が中間位相に維持される。なお、第2モードM2は、例えば機関停止に際してバルブタイミングを最遅角時期又は中間時期で固定するときに選択される。
この第2モードM2では、遅角室45の作動油圧が進角室44の作動油圧よりも高くなるため、相対回転位相が遅角側に変位され、吸気バルブ13のバルブタイミングが遅角される。また、解除室57A,57Bの作動油圧が低くなるため、第1及び第2のロック機構50A,50Bのインナーピン51A,51Bは収容孔413から突出可能な状態になる。そのため、相対回転位相が最遅角位相になっているときには第2のロック機構50Bによって相対回転位相が最遅角位相に維持され、相対回転位相が中間位相となっているときには第1のロック機構50Aによって相対回転位相が中間位相に維持される。なお、第2モードM2は、例えば機関停止に際してバルブタイミングを最遅角時期又は中間時期で固定するときに選択される。
第3モードM3は、遅角室45に作動油を供給する一方で進角室44から作動油を排出するとともに、解除室57A,57Bに作動油を供給するモードである。
この第3モードM3では、遅角室45の作動油圧が進角室44の作動油圧よりも高くなるため、相対回転位相が遅角側に変位され、吸気バルブ13のバルブタイミングが遅角される。また、解除室57A,57Bの作動油圧が高くなるため、第1及び第2のロック機構50A,50Bのインナーピン51A,51Bは収容孔413に収容された状態になる。したがって、第1及び第2のロック機構50A,50Bによるバルブタイミングの固定は解除されている。なお、第3モードM3は、例えばバルブタイミングを遅角させる際に選択される。
この第3モードM3では、遅角室45の作動油圧が進角室44の作動油圧よりも高くなるため、相対回転位相が遅角側に変位され、吸気バルブ13のバルブタイミングが遅角される。また、解除室57A,57Bの作動油圧が高くなるため、第1及び第2のロック機構50A,50Bのインナーピン51A,51Bは収容孔413に収容された状態になる。したがって、第1及び第2のロック機構50A,50Bによるバルブタイミングの固定は解除されている。なお、第3モードM3は、例えばバルブタイミングを遅角させる際に選択される。
第4モードM4は、進角室44及び遅角室45の作動油の給排をともに停止し、解除室57A,57Bに作動油を供給するモードである。
この第4モードM4では、進角室44及び遅角室45の作動油圧が変更されないため、相対回転位相は変位せず吸気バルブ13のバルブタイミングが現状のまま保持される。また、解除室57A,57Bの作動油圧が高くなるため、第1及び第2のロック機構50A,50Bのインナーピン51A,51Bは収容孔413に収容された状態になる。したがって、第1及び第2のロック機構50A,50Bによるバルブタイミングの固定は解除されている。つまり、第4モードM4では、第1モードM1と異なり、バルブタイミングの保持が進角室44及び遅角室45の作動油圧の保持によって行われる。そして、インナーピン51A,51Bによるバルブタイミングの固定は解除されているため、第3モードM3や後述の第5モードM5にモードが切り替えられると、ベーン412が速やかに相対回転し、バルブタイミングが速やかに変更される。なお、第4モードM4は、例えば、機関運転中においてバルブタイミングを保持するときに選択される。
この第4モードM4では、進角室44及び遅角室45の作動油圧が変更されないため、相対回転位相は変位せず吸気バルブ13のバルブタイミングが現状のまま保持される。また、解除室57A,57Bの作動油圧が高くなるため、第1及び第2のロック機構50A,50Bのインナーピン51A,51Bは収容孔413に収容された状態になる。したがって、第1及び第2のロック機構50A,50Bによるバルブタイミングの固定は解除されている。つまり、第4モードM4では、第1モードM1と異なり、バルブタイミングの保持が進角室44及び遅角室45の作動油圧の保持によって行われる。そして、インナーピン51A,51Bによるバルブタイミングの固定は解除されているため、第3モードM3や後述の第5モードM5にモードが切り替えられると、ベーン412が速やかに相対回転し、バルブタイミングが速やかに変更される。なお、第4モードM4は、例えば、機関運転中においてバルブタイミングを保持するときに選択される。
第5モードM5は、進角室44に作動油を供給する一方で遅角室45から作動油を排出するとともに、解除室57A,57Bに作動油を供給するモードである。
この第5モードM5では、進角室44の作動油圧が遅角室45の作動油圧よりも高くなるため、相対回転位相が進角側に変位され、吸気バルブ13のバルブタイミングが進角される。また、解除室57A,57Bの作動油圧が高くなるため、第1及び第2のロック機構50A,50Bのインナーピン51A,51Bは収容孔413に収容された状態になる。したがって、第1及び第2のロック機構50A,50Bによるバルブタイミングの固定は解除されている。なお、この第5モードM5は、例えばバルブタイミングを進角させる際に選択される。
この第5モードM5では、進角室44の作動油圧が遅角室45の作動油圧よりも高くなるため、相対回転位相が進角側に変位され、吸気バルブ13のバルブタイミングが進角される。また、解除室57A,57Bの作動油圧が高くなるため、第1及び第2のロック機構50A,50Bのインナーピン51A,51Bは収容孔413に収容された状態になる。したがって、第1及び第2のロック機構50A,50Bによるバルブタイミングの固定は解除されている。なお、この第5モードM5は、例えばバルブタイミングを進角させる際に選択される。
バルブタイミング調整装置を備える内燃機関11の各種制御は、図5に示す制御装置100によって行われる。制御装置100は、演算処理を実行するCPU、制御に必要なプログラムやデータが記憶されたROM、CPUの演算結果が一時的に記憶されるRAM、外部との間で信号を入力したり出力したりするためのポートなどを備えている。
内燃機関11には、機関運転状態等を検出する各種のセンサが設けられている。例えば、吸気カムポジションセンサ101は吸気バルブ用のカム軸22の回転位相を検出し、クランクポジションセンサ102は機関回転速度の算出に必要なクランク軸19の回転角を検出する。また、水温センサ103は内燃機関11の冷却水の温度を検出し、アクセル操作量センサ104はアクセルペダルの操作量を検出する。また、車速センサ105は内燃機関11が搭載されている車両の車速を検出する。また、制御装置100には、イグニッションスイッチ106が電気的に接続されている。イグニッションスイッチ106は、内燃機関11の運転と停止を切り替えるメインスイッチであり、このイグニッションスイッチ106がオン操作されることにより内燃機関11の始動要求がなされる。つまり、制御装置100は、イグニッションスイッチ106がオン操作されたときに内燃機関11を始動させ、イグニッションスイッチ106がオフ操作されたときに内燃機関11の運転を停止させる。
また、本実施形態の内燃機関11は、イグニッションスイッチ106がオンになっている状態で機関運転中に所定のアイドルストップ条件が成立したときに内燃機関11の運転を自動的に停止させる一方、アイドルストップ条件が成立しなくなったときに機関運転を自動的に再開させるアイドルストップ機能を備えている。すなわち、アイドルストップ条件が成立しなくなったことに基づいて始動要求がなされることもある。
ところで、機関運転を停止させる際には、相対回転位相が中間位相又は最遅角位相で保持される。例えば、本実施形態では運転者によるイグニッションスイッチ106のオフ操作、すなわち機関運転停止操作を契機に機関運転を停止させる場合には、第1のロック機構50Aによって相対回転位相が中間位相で保持される。また、アイドルストップ条件の成立を契機に機関運転を停止させる場合には、第2のロック機構50Bによって相対回転位相が最遅角位相で保持される。なお、アイドルストップ条件の成立を契機に機関運転が停止されている状態で、イグニッションスイッチ106がオフ操作されることがある。この場合、相対回転位相の最遅角位相での保持が解除され、相対回転位相が進角側に変位されて中間位相で保持される。
また、機関運転を開始させる際には、相対回転位相をそのときの内燃機関11の状態に応じた相対回転位相に調整した上で機関運転が開始される。例えば、内燃機関11の冷却水の温度が高い場合などのような温間始動時には、プレイグニッションの発生の抑制などを目的として、相対回転位相を最遅角位相で保持させた状態で機関運転が開始される。このとき、始動要求がなされる前に第2のロック機構50Bによって相対回転位相が既に最遅角位相で保持されていた場合には、相対回転位相が変更されることなく機関始動が開始される。その一方で、機関始動が要求されるまで第1のロック機構50Aによって相対回転位相が中間位相で保持されていた場合には、機関始動に先立って、相対回転位相の中間位相での保持を解除して相対回転位相を最遅角位相まで変位させた上で、第2のロック機構50Bによって相対回転位相が最遅角位相で保持されることとなる。
また、水温センサ103によって検出される内燃機関11の冷却水の温度が低い場合などのような冷間始動時には、相対回転位相を中間位相で保持させた状態で機関運転が開始される。このとき、始動要求がなされる前に第1のロック機構50Aによって相対回転位相が既に中間位相で保持されていた場合には、相対回転位相が変更されることなく機関始動が開始される。
そこで次に、図7に示すフローチャートを参照して、アイドルストップ条件の成立を契機に機関運転が停止されている際、すなわち相対回転位相が最遅角位相で保持された状態で機関運転が停止している際に、制御装置100が予め設定された所定制御サイクル毎に実行する処理ルーチンについて説明する。
図7に示すように、本処理ルーチンにおいて、制御装置100は、再始動要求がなされたか否かを判定する(ステップS11)。例えばブレーキペダルの踏み込みが解除されたりアクセルペダルが操作されたりするなどしてアイドルストップ条件が成立しなくなった場合、このステップS11を通じて始動要求がなされたと判定される。始動要求がなされたと判定された場合(ステップS11:YES)、制御装置100は、相対回転位相を最遅角位相で保持させたままで機関始動を許可し(ステップS12)、本処理ルーチンを終了する。
一方、始動要求がなされていない場合(ステップS11:NO)、制御装置100は、イグニッションスイッチ106がオフ操作されたか否かを判定する(ステップS13)。イグニッションスイッチ106がオフ操作されていない場合(ステップS13:NO)、制御装置100は、本処理ルーチンを一旦終了する。一方、イグニッションスイッチ106がオフ操作された場合(ステップS13:YES)、制御装置100は、電動ポンプ83の駆動を開始させる(ステップS14)。続いて、制御装置100は、オイルコントロールバルブ74の動作モードを上記第3モードM3に設定し、第2のロック機構50Bのインナーピン51Bを第2ロック穴60Bから脱抜させる遅角側ロック解除処理を行う(ステップS15)。
そして、制御装置100は、オイルコントロールバルブ74の動作モードを上記第5モードM5に設定し、相対回転位相を最遅角位相から中間位相よりも進角側に変位させる進角処理を行う(ステップS16)。続いて、制御装置100は、オイルコントロールバルブ74の動作モードを上記第2モードM2に設定し、相対回転位相を中間位相に変位させて同中間位相で保持させ(ステップS17)、本処理ルーチンを終了する。
次に、図8に示すフローチャートを参照して、相対回転位相が中間位相で保持されている状態でイグニッションスイッチ106のオン操作によって始動要求がなされた場合に制御装置100が実行する処理ルーチンについて説明する。すなわち、この処理ルーチンは、イグニッションスイッチ106のオフ操作を契機に機関運転が停止されている状態からイグニッションスイッチ106のオン操作によって始動要求がなされた場合に実行される。
図8に示すように、本処理ルーチンにおいて、制御装置100は、水温センサ103によって検出される内燃機関11の冷却水の温度などから推定される機関温度が低温であるか否かを判定する(ステップS21)。ここでは、機関温度が判定温度以上であるときには機関温度が高温であると判定される一方、機関温度が判定温度よりも低いときに機関温度が低温であると判定される。機関温度が低温である場合(ステップS21:YES)、今回の機関始動が冷間始動となるため、制御装置100は、相対回転位相を中間位相で保持したままで機関始動を許可し(ステップS22)、本処理ルーチンを終了する。
一方、機関温度が高温である場合(ステップS21:NO)、今回の機関始動が温間始動となるため、制御装置100は、電動ポンプ83の駆動を開始させる(ステップS23)。続いて、制御装置100は、オイルコントロールバルブ74の動作モードを上記第5モードM5に設定し、第1のロック機構50Aのインナーピン51Aを第1ロック穴60Aから脱抜させる中間ロック解除処理を行う(ステップS24)。
そして、制御装置100は、オイルコントロールバルブ74の動作モードを上記第3モードM3に設定し、相対回転位相を中間位相から遅角側に変位させる遅角処理を行う(ステップS25)。続いて、制御装置100は、オイルコントロールバルブ74の動作モードを上記第2モードM2に設定し、相対回転位相を最遅角位相で保持させる(ステップS26)。そして、制御装置100は、相対回転位相を最遅角位相で保持させた状態で機関始動を許可し(ステップS22)、本処理ルーチンを終了する。
次に、図9に示すタイミングチャートを参照して、運転者によるイグニッションスイッチ106のオン操作によって内燃機関11が温間始動する際、すなわち相対回転位相を中間位相から最遅角位相まで変位させてから機関始動を行う際の動作について説明する。
図9(a)〜(d)に示すように、第1のタイミングt1でイグニッションスイッチ106がオン操作されると、電動ポンプ83が駆動し始め、バルブタイミング調整機構30の各油圧室(進角室44、遅角室45及び解除室57A,57B)の作動油圧の調整が可能となる。そして、オイルコントロールバルブ74の動作モードが第5モードM5に設定され、第1のロック機構50Aのインナーピン51Aを第1ロック穴60Aから脱抜させる中間ロック解除処理が行われる。
すると、進角室44及び解除室57A,57Bの作動油圧が増大され、第1のロック機構50Aでは、インナーピン51A及びアウターピン52Aに対して、インナーピンスプリング55A及びアウターピンスプリング56Aからの付勢力とは反対側に作用する力が作用する。
ここで、機関停止中にあっては、吸気バルブ用のカム軸22には、吸気バルブ13を閉弁させるバルブスプリングからの付勢力に起因するカムトルクが作用している。このカムトルクがカム軸22に作用する方向は、機関停止中におけるカム24の停止位相によって変わる。例えば、カムトルクがカム軸22に対して遅角させる逆回転方向(図3では左側)に作用している場合、可変機構40及び第2のロック機構50Bは相対回転位相の遅角側への変位を許容しているため、インナーピン51Aが第1ロック穴60Aの遅角側の側壁に押し付けられる(図3参照)。この状態では、解除室57Aの作動油圧を増大させてインナーピン51Aを第1ロック穴60Aから脱抜させようとしても、インナーピン51Aと第1ロック穴60Aの遅角側の側壁との間で大きな摩擦力が発生し、インナーピン51Aの第1ロック穴60Aからの速やかな脱抜に支障をきたすおそれがある。
この点、上述したように、本実施形態の中間ロック解除処理では、オイルコントロールバルブ74の動作モードが第5モードM5に設定されるため、解除室57Aだけではなく進角室44の作動油圧も増大される。こうして進角室44の作動油圧が増大されると、ベーン412には、ベーン412をハウジングロータ42に対して進角側に相対回動させるようなトルク(以下、「進角トルク」ともいう。)が作用する。その結果、この進角トルクによって上記カムトルクが相殺され、インナーピン51Aと第1ロック穴60Aの遅角側の側壁との間の摩擦力を小さくすることができる。
しかも、第1のロック機構50Aのインナーピン51Aが第1ロック穴60Aに進入している状態で第2のロック機構50Bのインナーピン51Bが第2溝61Bの進角側の側壁611に当接すると、ベーン412の更なる進角側への相対回動が規制される。そのため、第1のロック機構50Aのインナーピン51Aが第1ロック穴60Aに進入している状態では、インナーピン51Aと第1ロック穴60Aの進角側の側壁601との間に隙間SP1が生じている状態が維持される。すなわち、進角室44の作動油圧が増大されても、インナーピン51Aは第1ロック穴60Aの進角側の側壁601に当接しない。
その結果、進角室44及び解除室57Aの作動油圧を増大させることにより、インナーピン51Aは、第1ロック穴60Aから速やかに脱抜されて収容孔413内に収容される。したがって、第1のロック機構50Aによる相対回転位相の中間位相での保持が速やかに解除される。
そして、相対回転位相の中間位相での保持が解除されている第2のタイミングt2では、オイルコントロールバルブ74の動作モードが相対回転位相を遅角させるための第3モードM3に変更される。すると、遅角室45の作動油圧が増大される一方で進角室44の作動油圧が減少されるため、ベーン412がハウジングロータ42に対して遅角側に相対回動される。
なお、オイルコントロールバルブ74の動作モードが第3モードM3に設定されている場合、各解除室57A,57Bの作動油圧も増大される。そのため、第1のロック機構50Aのインナーピン51Aは収容孔413に収容されたままとなり、第2のロック機構50Bのインナーピン51Bは、第2溝61Bから脱抜されて収容孔413に収容される。その結果、ベーン412が遅角側に相対回動している最中にインナーピン51A,51Bがロック穴60A,60Bや溝61A,61Bに係合されにくいため、相対回転位相が円滑に遅角側に変位される。
そして、第3のタイミングt3でベーン412が遅角側の区画壁421に当接すると、相対回転位相が最遅角位相になり、オイルコントロールバルブ74の動作モードが第2モードM2に変更される。すると、遅角室45の作動油圧を増大及び進角室44の作動油圧の減少が継続された上で、解除室57A,57Bの作動油圧が減少される。その結果、第2のロック機構50Bでは、インナーピン51Bは、インナーピンスプリング55Bからの付勢力によって収容孔413内からスプロケット46側に突出し、同スプロケット46に形成されている第2ロック穴60Bに進入する(図4参照)。すなわち、第2のロック機構50Bによって相対回転位相が最遅角位相で保持される。そして、この状態で第4のタイミングt4において機関運転が開始される。
なお、機関停止中にあっては、カムトルクがカム軸22に対して進角させる正回転方向(図3では右側)に作用していることもある。この場合、ベーン412に支持されている第1のロック機構50Aのインナーピン51Aは、ハウジングロータ42に対して進角側に相対回動しようとする。そのため、インナーピン51Aが第1ロック穴60Aの遅角側の側壁に当接していたとしても、インナーピン51Aは第1ロック穴60Aの遅角側の側壁に押し付けられない。また、インナーピン51Aが第1ロック穴60Aに進入している状態では、第2のロック機構50Bによって相対回転位相の進角側への変位が規制される。そのため、進角室44の作動油圧の増大に起因して上記進角トルクがベーン412に作用しても、インナーピン51Aと第1ロック穴60Aの進角側の側壁601との間に隙間SP1が生じている状態が維持される。すなわち、進角トルク及びカムトルクの双方によって、インナーピン51Aが第1ロック穴60Aの進角側の側壁601に押し付けられることはない。したがって、進角室44及び解除室57Aの作動油圧の増大によって、インナーピン51Aが第1ロック穴60Aから速やかに脱抜されて収容孔413内に収容され、第1のロック機構50Aによる相対回転位相の中間位相での保持が速やかに解除される。
次に、図10に示すタイミングチャートを参照して、アイドルストップ条件の成立を契機に機関停止しているときにイグニッションスイッチ106がオフ操作された場合、すなわち機関停止中に相対回転位相を最遅角位相から中間位相に変位させる際の動作について説明する。
アイドルストップ条件の成立を契機に内燃機関11の運転を停止させる場合には、第2のロック機構50Bによって相対回転位相を最遅角位相で保持させてから機関停止がなされる。したがって、図10(a)〜(d)に示すように、イグニッションスイッチ106がオフ操作されるまでの間(第1のタイミングt11以前)には、オイルコントロールバルブ74の動作モードが第1モードM1にされており、相対回転位相が最遅角位相に保持されている。第1のタイミングt11においてイグニッションスイッチ106がオフ操作されると、電動ポンプ83が駆動し始め、バルブタイミング調整機構30の各油圧室(進角室44、遅角室45及び解除室57A,57B)の作動油圧の調整が可能となる。そして、オイルコントロールバルブ74の動作モードが第3モードM3に設定され、第2のロック機構50Bのインナーピン51Bを第2ロック穴60Bから脱抜させる遅角側ロック解除処理が行われる。
すると、遅角室45及び解除室57A,57Bの作動油圧が増大され、第2のロック機構50Bでは、インナーピン51B及びアウターピン52Bに対して、インナーピンスプリング55B及びアウターピンスプリング56Bからの付勢力とは反対側に作用する力が作用する。
ここで、機関停止中にあっては、吸気バルブ用のカム軸22に対するカムトルクが、カム軸22を進角させる正回転方向(図4では右側)に作用することがある。この場合、ベーン412に支持されている第2のロック機構50Bのインナーピン51Bは、ハウジングロータ42に対して進角側に相対回動する。この場合、可変機構40及び第1のロック機構50Aは相対回転位相の進角側への変位を許容しているため、インナーピン51Bが第2ロック穴60Bの進角側の側壁に押し付けられている。この状態では、解除室57Bの作動油圧を増大させてインナーピン51Bを第2ロック穴60Bから脱抜させようとしても、インナーピン51Bと第2ロック穴60Bの進角側の側壁との間で大きな摩擦力が発生し、インナーピン51Bの第2ロック穴60Bからの速やかな脱抜に支障をきたすおそれがある。
この点、上述したように、本実施形態の遅角側ロック解除処理では、オイルコントロールバルブ74の動作モードが第3モードM3に設定されるため、解除室57Bだけではなく遅角室45の作動油圧も増大される。こうして遅角室45の作動油圧が増大されると、ベーン412には、ベーン412をハウジングロータ42に対して遅角側に相対回動させるようなトルク(以下、「遅角トルク」ともいう。)が作用する。その結果、この遅角トルクによって上記カムトルクが相殺され、インナーピン51Bと第2ロック穴60Bの進角側の側壁との間の摩擦力を小さくすることができる。
しかも、第2のロック機構50Bのインナーピン51Bが第2ロック穴60Bに進入している状態では、相対回転位相を遅角側に変位させることができない。そのため、第2のロック機構50Bのインナーピン51Bが第2ロック穴60Bに進入している状態では、インナーピン51Bと第2ロック穴60Bの遅角側の側壁602との間に隙間SP2が生じている状態が維持される。すなわち、遅角室45の作動油圧が増大されても、インナーピン51Bは第2ロック穴60Bの遅角側の側壁602に当接しない。
その結果、遅角室45及び解除室57Bの作動油圧を増大させることにより、インナーピン51Bは、第2ロック穴60Bから速やかに脱抜されて収容孔413内に収容される。したがって、第2のロック機構50Bによる相対回転位相の最遅角位相での保持が速やかに解除される。
そして、相対回転位相の最遅角位相での保持が解除されている第2のタイミングt12では、オイルコントロールバルブ74の動作モードが第5モードM5に変更される。すると、進角室44の作動油圧が増大される一方で遅角室45の作動油圧が減少されるため、ベーン412がハウジングロータ42に対して進角側に相対回動される。
なお、オイルコントロールバルブ74の動作モードが第5モードM5に設定されている場合、各解除室57A,57Bの作動油圧も増大される。そのため、第1及び第2のロック機構50A,50Bのインナーピン51A,51Bは収容孔413に収容されたままとなる。すなわち、ベーン412の進角側への相対回動の最中にあっては、インナーピン51A,51Bがロック穴60A,60Bや溝61A,61Bに係合されにくいため、相対回転位相が円滑に進角側に変位される。
そして、第3のタイミングt13で相対回転位相が中間位相を通過すると、オイルコントロールバルブ74の動作モードが第2モードM2に変更される。すると、解除室57A,57Bの作動油圧が減少される。その結果、第1のロック機構50Aでは、インナーピン51Aは、インナーピンスプリング55Aからの付勢力によって収容孔413内からスプロケット46側に突出し、同スプロケット46に形成されている第1溝61Aに進入する。オイルコントロールバルブ74の動作モードが第2モードM2である場合には、遅角室45の作動油圧が増大されるとともに進角室44の作動油圧が減少されるため、ベーン412が遅角側に相対回動する。そのため、ベーン412に支持されているインナーピン51Aは、第1溝61A内を遅角側に移動し、第4のタイミングt14で第1ロック穴60Aの直上位置に達すると同第1ロック穴60Aに進入する。これにより、第1のロック機構50Aによって相対回転位相が中間位相で保持される。また、第2のロック機構50Bでは、インナーピン51Bは、インナーピンスプリング55Bからの付勢力によって収容孔413内からスプロケット46側に突出し、同スプロケット46に形成されている第2溝61Bに進入する。こうして第4のタイミングt14で相対回転位相が中間位相に保持されると、オイルコントロールバルブ74の動作モードが第1モードM1に変更され、その後、始動要求がなされるまで相対回転位相を中間位相に保持する状態が継続されることになる。
なお、機関停止中にあっては、カムトルクがカム軸22に対して遅角させる逆回転方向(図4では左側)に作用していることもある。この場合、ベーン412に支持されている第2のロック機構50Bのインナーピン51Bは、ハウジングロータ42に対して遅角側に相対回動しようとする。そのため、インナーピン51Bが第2ロック穴60Bの進角側の側壁に当接していたとしても、インナーピン51Bが第2ロック穴60Bの進角側の側壁に押し付けられることはない。また、インナーピン51Bが第2ロック穴60Bに進入している状態では、可変機構40によって相対回転位相の進角側への変位が規制されている。そのため、遅角室45の作動油圧の増大に起因して上記遅角トルクがベーン412に作用しても、インナーピン51Bと第2ロック穴60Bの遅角側の側壁602との間に隙間SP2が生じている状態が維持される。すなわち、遅角トルク及びカムトルクの双方によって、インナーピン51Bが第2ロック穴60Bの遅角側の側壁602に押し付けられることはない。したがって、遅角室45及び解除室57Bの作動油圧の増大によって、インナーピン51Bが第2ロック穴60Bから速やかに脱抜されて収容孔413内に収容され、第2のロック機構50Bによる相対回転位相の最遅角位相での保持が速やかに解除される。
上述した構成及び作用により、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)第1のロック機構50Aのインナーピン51Aが第1ロック穴60Aに進入している状態では、第2のロック機構50Bによって相対回転位相の進角側への変位が規制されているため、インナーピン51Aと第1ロック穴60Aの進角側の側壁601との間に隙間SP1が生じている状態が維持される。そのため、吸気バルブ用のカム軸22に対して上記カムトルクが何れの方向(正回転方向又は逆回転方向)に作用する場合であっても、中間ロック解除処理の実行によって進角室44及び解除室57Aの作動油圧を増大させることにより、インナーピン51Aを第1ロック穴60Aから速やかに脱抜させることができる。すなわち、第1のロック機構50Aによる相対回転位相の中間位相での保持を速やかに解除させることができる。したがって、内燃機関11が停止しており、カム軸22にカムトルクが作用している状態であっても、第1のロック機構50Aのインナーピン51Aを第1ロック穴60Aから速やかに抜脱して相対回転位相を変更可能な状態にすることができる。
(1)第1のロック機構50Aのインナーピン51Aが第1ロック穴60Aに進入している状態では、第2のロック機構50Bによって相対回転位相の進角側への変位が規制されているため、インナーピン51Aと第1ロック穴60Aの進角側の側壁601との間に隙間SP1が生じている状態が維持される。そのため、吸気バルブ用のカム軸22に対して上記カムトルクが何れの方向(正回転方向又は逆回転方向)に作用する場合であっても、中間ロック解除処理の実行によって進角室44及び解除室57Aの作動油圧を増大させることにより、インナーピン51Aを第1ロック穴60Aから速やかに脱抜させることができる。すなわち、第1のロック機構50Aによる相対回転位相の中間位相での保持を速やかに解除させることができる。したがって、内燃機関11が停止しており、カム軸22にカムトルクが作用している状態であっても、第1のロック機構50Aのインナーピン51Aを第1ロック穴60Aから速やかに抜脱して相対回転位相を変更可能な状態にすることができる。
(2)本実施形態の中間ロック解除処理を行うことにより、第1のロック機構50Aによる相対回転位相の中間位相での保持が速やかに解除されるため、内燃機関11の始動要求がなされてから機関始動が実際に開始されるまでの短い期間であってもインナーピン51Aを第1ロック穴60Aから抜脱させることができる。
(3)本実施形態では、イグニッションスイッチ106がオン操作された場合、冷間始動時には第1のロック機構50Aによって相対回転位相が中間位相で保持されたままで機関始動が開始される。これに対し、温間始動時には第1のロック機構50Aによる相対回転位相の中間位相での保持が解除されて第2のロック機構50Bによって相対回転位相が最遅角位相で保持された上で、機関始動が開始される。すなわち、温間始動時におけるプレイグニッションの発生を抑制することができる。また、このように機関始動時の機関温度によって相対回転位相を適宜変更する制御構成を採用することにより、吸気バルブ13のバルブタイミングを始動時における内燃機関11の状態に応じた適切な時期に設定した上で機関始動を開始させることができる。
(4)第2のロック機構50Bのインナーピン51Bが第2ロック穴60Bに進入している状態では、可変機構40によって相対回転位相の遅角側への変位が規制されているため、インナーピン51Bと第2ロック穴60Bの遅角側の側壁602との間に隙間SP2が生じている状態が維持される。そのため、吸気バルブ用のカム軸22に対して上記カムトルクが何れの方向に作用する場合であっても、遅角側ロック解除処理の実行によって遅角室45及び解除室57Bの作動油圧を増大させることにより、インナーピン51Bを第2ロック穴60Bから速やかに脱抜させることができる。すなわち、第2のロック機構50Bによる相対回転位相の最遅角位相での保持を速やかに解除させることができる。したがって、内燃機関11が停止しており、カム軸22にカムトルクが作用している状態であっても、第2のロック機構50Bのインナーピン51Bを第2ロック穴60Bから速やかに抜脱して相対回転位相を変更可能な状態にすることができる。
(5)アイドルストップ条件の成立時には、第2のロック機構50Bによって相対回転位相が最遅角位相で保持された状態で内燃機関11の運転が停止される。そのため、こうしたアイドルストップ条件の成立を契機として内燃機関11の運転が停止されている状態から内燃機関11を再始動させるときには、相対回転位相を変更することなく、すなわち相対回転位相を最遅角位相で保持したままで内燃機関11を再始動させることができる。したがって、内燃機関11の早期の再始動を実現することができる。
(6)一方、アイドルストップ条件の成立を契機に内燃機関11の運転が停止されている状態のときにイグニッションスイッチ106がオフ操作されることがある。この場合には交差点などでの一時的な車両停止ではなく、しばらく停車状態が継続されることが予想されるため、時間の機関始動時には冷間始動となる可能性がある。この点、本実施形態では、相対回転位相が最遅角位相で保持された状態でイグニッションスイッチ106がオフ操作された場合には、第2のロック機構50Bによる相対回転位相の最遅角位相での保持が解除され、第1のロック機構50Aによって相対回転位相が中間位相で保持されることとなる。すなわち、冷間始動に備えて相対回転位相を中間位相に予め変位させることができ、冷間始動性を向上させることができる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・第2のロック機構50Bによって相対回転位相が最遅角位相で保持されている状態でイグニッションスイッチ106がオフ操作されたときに、第2のロック機構50Bによる相対回転位相の最遅角位相での保持の解除を行わない構成としてもよい。この場合には、次回のイグニッションスイッチ106のオン操作に伴う機関始動が冷間始動であるときに、第2のロック機構50Bによる相対回転位相の最遅角位相での保持を解除して第1のロック機構50Aによって相対回転位相を中間位相で保持させた後に、機関始動を開始させるようにすればよい。こうした構成を採用すると、次回のイグニッションスイッチ106のオン操作に伴う機関始動が温間始動であるときには、第2のロック機構50Bによる相対回転位相の最遅角位相での保持を維持したままで機関始動を開始させることとなる。すなわち温間始動時には、相対回転位相を変更させる処理を行わなくても温間始動性を向上させた状態で機関始動を行うことができる。
・第2のロック機構50Bによって相対回転位相が最遅角位相で保持されている状態でイグニッションスイッチ106がオフ操作されたときに、第2のロック機構50Bによる相対回転位相の最遅角位相での保持の解除を行わない構成としてもよい。この場合には、次回のイグニッションスイッチ106のオン操作に伴う機関始動が冷間始動であるときに、第2のロック機構50Bによる相対回転位相の最遅角位相での保持を解除して第1のロック機構50Aによって相対回転位相を中間位相で保持させた後に、機関始動を開始させるようにすればよい。こうした構成を採用すると、次回のイグニッションスイッチ106のオン操作に伴う機関始動が温間始動であるときには、第2のロック機構50Bによる相対回転位相の最遅角位相での保持を維持したままで機関始動を開始させることとなる。すなわち温間始動時には、相対回転位相を変更させる処理を行わなくても温間始動性を向上させた状態で機関始動を行うことができる。
・機関始動に先立って、第1のロック機構50Aによる相対回転位相の中間位相での保持を解除することができるのであれば、その後の相対回転位相の遅角側への変位及び第2のロック機構50Bによる相対回転位相の最遅角位相での保持は、機関始動中に行ってもよい。この場合、上記実施形態の場合と比較して早期に機関始動を開始させることができる。
・第2の相対回転位相は、第1の相対回転位相として機能する中間位相よりも遅角側の相対回転位相であれば最遅角位相でなくてもよい。このように第2の相対回転位相が最遅角位相よりも進角側の相対回転位相に設定されている場合には、第2のロック機構50Bによって相対回転位相が第2の相対回転位相で保持されているときであっても、ベーン412が遅角側の区画壁421に当接していないため、可変機構40によって相対回転位相の遅角側への変位を規制することができない。そこで、ロック穴60A,60Bが形成されているスプロケット46には、第1のロック機構50Aのインナーピン51Aが進入できる形状の溝(以下、「第3溝」ともいう。)を、第1ロック穴60Aから遅角側に延びるように設けてもよい。そして、この第3溝を、第2のロック機構50Bのインナーピン51Bが第2ロック穴60Bに進入し且つインナーピン51Bと第2ロック穴60Bの遅角側の側壁602との間に隙間SP2が生じている状態で、遅角側の側壁にインナーピン51Aが当接するように形成してもよい。この構成によれば、第1のロック機構50Aによって相対回転位相の遅角側への変位を規制することで、インナーピン51Bと第2ロック穴60Bの遅角側の側壁602との間に隙間SP2が生じている状態を維持することができる。そのため、機関停止中であっても、遅角室45及び解除室57Bの作動油圧を増大させることにより、第2のロック機構50Bのインナーピン51Bを第2ロック穴60Bから速やかに脱抜させることができる。
・第1のロック機構は、相対回転位相を中間位相で保持することができるのであれば、上記実施形態に記載した構成以外の構成を採用してもよい。例えば、第1のロック機構のロック部材は、円筒形状以外の他の形状(例えば、板状)であってもよい。また、第1のロック機構を、ベーン412ではなく、第1の回転体を構成するハウジングロータ42、スプロケット46、カバー47などに設けてもよい。この場合、第1のロック機構のロック部材が進入する第1ロック穴及び第1溝を、ベーンロータ41に形成することとなる。
・第2のロック機構は、相対回転位相を最遅角位相で保持することができるのであれば、上記実施形態に記載した構成以外の構成を採用してもよい。例えば、第2のロック機構のロック部材は、円筒形状以外の他の形状(例えば、板状)であってもよい。また、第2のロック機構を、ベーン412ではなく、第1の回転体を構成するハウジングロータ42、スプロケット46、カバー47などに設けてもよい。この場合、第2のロック機構のロック部材が進入する第2ロック穴及び第2溝を、ベーンロータ41に形成することとなる。
・可変機構40は、進角室44及び遅角室45の作動油圧の調整によって相対回転位相を調整することができるのであれば、上記実施形態に記載した構成以外の他の任意の構成であってもよい。
・排気バルブ20のバルブタイミングを調整するために、上記実施形態と同様の構成のバルブタイミング調整機構を排気バルブ用のカム軸23に設けてもよい。これにより、排気バルブ20のバルブタイミングをそのときの内燃機関11の状態に応じた適切な時期に設定した上で、機関始動を開始させることができる。
・また、車両は、動力源として内燃機関のみを有する車両であってもよいし、動力源として内燃機関に加えてモータを有するハイブリッド車両であってもよい。ハイブリッド車両にあっては、内燃機関を運転させて走行する第1の走行モードと、内燃機関の運転を停止させて走行する第2の走行モードとが用意されている。この場合、第1の走行モードから第2の走行モードに移行する際には、内燃機関を間欠停止させることとなるため、上記相対回転位相を最遅角位相で保持させた状態で内燃機関11の運転を停止させることとなる。
11…内燃機関、13…吸気バルブ、19…機関出力軸としてのクランク軸、20…排気バルブ、22,23…カム軸、40…可変機構、41…第2の回転体としてのベーンロータ、42…第1の回転体を構成するハウジングロータ、44…進角室、45…遅角室、46…第1の回転体を構成するスプロケット、47…第1の回転体を構成するカバー、50A…第1のロック機構、50B…第2のロック機構、51A,51B…ロック部材としてのインナーピン、60A,60B…ロック穴、601…第1ロック穴の進角側の側壁、602…第2ロック穴の遅角側の側壁、100…制御装置、SP1,SP2…隙間。
Claims (5)
- 機関出力軸の回転に連動して回転する第1の回転体とバルブ用のカム軸と共に回転する第2の回転体との相対回転位相を、進角用の油圧室及び遅角用の油圧室の作動油圧の調整によって変更する可変機構と、
前記相対回転位相を最遅角位相と最進角位相との間の第1の相対回転位相に保持する第1のロック機構と、
前記相対回転位相を前記第1の相対回転位相よりも遅角側の第2の相対回転位相に保持する第2のロック機構と、
前記各油圧室の作動油圧の調整によって、前記可変機構及び前記第1のロック機構及び前記第2のロック機構を制御する制御装置と、を備えたバルブタイミング調整装置であり、
前記第1及び第2の各ロック機構は、前記第1及び第2の各回転体の一方に進退移動可能に支持されるロック部材を有し、同ロック部材を前記第1及び第2の各回転体の他方に形成されているロック穴に進入させることで前記相対回転位相を保持する一方、前記進角用の油圧室及び前記遅角用の油圧室の少なくとも一方の作動油圧が増大されると前記ロック部材が前記ロック穴から抜脱されて前記相対回転位相の保持が解除されるものであり、
前記第1のロック機構の前記ロック部材が前記ロック穴に進入している状態で前記第2のロック機構によって前記相対回転位相の進角側への変位が規制されているときに、前記第1のロック機構の前記ロック部材と前記ロック穴の進角側の側壁との間に隙間が生じ、
前記制御装置は、前記第1のロック機構の前記ロック部材が前記ロック穴に進入している状態で機関停止しているときに、前記進角用の油圧室の作動油圧を増大させる中間ロック解除処理を行う
ことを特徴とするバルブタイミング調整装置。 - 前記制御装置は、内燃機関の始動要求がなされてから機関始動が開始されるまでの間に前記中間ロック解除処理を行う
請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。 - 前記カム軸は、吸気バルブ用のカム軸であり、
前記制御装置は、前記中間ロック解除処理を行った後、機関始動が開始されるまでの間に前記遅角用の油圧室の作動油圧を増大させる遅角処理を行う
請求項2に記載のバルブタイミング調整装置。 - 前記第2のロック機構の前記ロック部材が前記ロック穴に進入しており、前記可変機構によって前記相対回転位相の遅角側への変位が規制されているときに、同第2のロック機構の前記ロック部材と前記ロック穴の遅角側の側壁との間に隙間が生じ、
前記制御装置は、前記第2のロック機構の前記ロック部材が前記ロック穴に進入している状態で機関停止しているときに、前記遅角用の油圧室の作動油圧を増大させる遅角側ロック解除処理を行う
請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載のバルブタイミング調整装置。 - 前記カム軸は、吸気バルブ用のカム軸であり、
前記制御装置は、
アイドルストップ条件の成立を契機に機関停止させるとき、前記第2のロック機構によって前記相対回転位相を前記第2の相対回転位相で保持させた状態で機関運転を停止させ、
機関停止中において前記第2のロック機構による前記相対回転位相の前記第2の相対回転位相での保持が継続している状態で機関運転停止操作が行われたときに、前記遅角側ロック解除処理を行い、その後に前記進角用の油圧室の作動油圧を増大させる進角処理を行う
請求項4に記載のバルブタイミング調整装置。
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