JP2014147959A - タンディッシュ用上ノズル及び緻密質れんが - Google Patents

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【課題】一体成形による緻密質れんが部とポーラスれんが部との複層構造からなる内部構造を有する複層式の上ノズルにおいて、緻密質れんが部とポーラスれんが部とから、あるいは複数のポーラスれんが部相互からのガスの吹き分けを確実に行うことができ、より効果的にガスを溶鋼中に吹き込むことができるようにすること。
【解決手段】緻密質れんが部4を構成する緻密質れんがの平均気孔径を5μm以下、通気率を0.005cm・cm/(cm・sec・cm・HO)以下とし、緻密質れんが部4の通気率とポーラスれんが部2a,2bの通気率の比を1/4以下にする。
【選択図】図2

Description

本発明は 連続鋳造設備においてタンディッシュから鋳型(モールド)へ溶鋼を供給する経路において、タンディッシュ底部に設置されるスライディングノズル装置の上プレートの上部に装着される、ガス吹き込み機能を持つタンディッシュ用上ノズル(以下、単に「上ノズル」ともいう。)及びその一部を構成する緻密質れんがに関する。
溶鋼などの溶融金属の連続鋳造において、アルミナなどの非金属介在物(以下「アルミナ等」という。)の浮上分離促進、耐火物への付着防止などを目的として、タンディッシュ底部から上ノズルを通してArガスやNガスなどによるガス吹き込みが実施されている。
さらに近年においては、スライディングノズル装置の絞り部により近い部位からガス吹き込みができ、しかもモールド内溶鋼流の状況に応じガス吹き込み量を上下で独立して調整することによってガス吹き込みが極めて有効に行え、ノズルの閉塞防止が可能な、ポーラス部分と緻密質部分とからなる複数の層を備える上ノズルによるガスの吹き分けが実施されている。
具体的に図を用い説明する。連続鋳造において、溶鋼をタンディッシュからモールドに注入する際に従来から図1に示すようなスライディングノズル装置Sが用いられている。このスライディングノズル装置SはタンディッシュTの底部に設置され
上ノズルNが装着された上プレート6を有し その下面に下プレート7及び浸漬ノズル8が装着され、これらをスライドさせてモールド10への溶鋼量をコントロールするようになっている。
このようなスライディングノズル装置Sではアルミナ等の析出によるノズル閉塞防止対策として従来から上ノズルNによるガス吹き込みが広く実施されている。そして、このノズル閉塞の防止を有効に行うためには、導入するガスを有効に溶鋼流中に吹き分ける必要がある。そこで、上ノズルとしては、図2に示されるような緻密質れんが部4により区分けされた上部側と下部側との双方のポーラスれんが部2a、2bにそれぞれ別個にガス導入管9a,9bが連結される、いわゆる複層式の上ノズルが汎用されている。
これによればスライディングノズル装置の絞り部により近い部位からガス吹き込みができると共に、モールド内溶鋼流の状況に応じて、ガス吹き込み量を上下で独立して調整でき、ガス吹き込み(ガスバブリング)が極めて有効に行えるものとなる。具体的には複層式の上ノズルNでは、上部のポーラスれんが部2aの内周面から吹き出すガスの気泡がタンディッシュT内の溶鋼を攪拌すると共に、下部のポーラスれんが部2bの内周面から吹き出すガスの気泡が溶鋼と共に浸漬ノズル8側に下がり、溶鋼中に懸濁するアルミナ等の粒子を捕捉してモールド10内へ流出させ、浸漬ノズル8内壁へのアルミナ等の付着・堆積を防止するようにしている。したがって、このような複層式の上ノズルNにおいては、緻密質れんが部4により区分けされた上下のポーラスれんが部2a,2bそれぞれからのガスの吹き分けが完全に行われることが理想である。
しかし、従来の複層式の上ノズルにおいては、特に緻密質れんが部4とポーラス耐火物部2a,2bとを一体成形により製作する場合、上下のポーラス耐火物部2a,2bを遮断する緻密質れんが部4に十分な緻密性が得られず、この緻密質れんが部4からもガスが吐出し、その分ポーラスれんが部2a,2bからは溶鋼に必要量のガスが均一に吹き込まれず、この領域でアルミナ等が付着しやすくなる。さらに付着したアルミナ等が成長すると、吹き込みガスとして有効なガス量が減少し、下方の浸漬ノズル8に多量のアルミナ等が付着して短時間でノズル詰まりを起こす。浸漬ノズル8にノズル詰まりが生じると、浸漬ノズル8からの溶鋼吐出流が不均一になり、モールド10内の湯面が変動し、ブレイクアウト等の操業トラブルの原因となる。
すなわち、複層式の上ノズルは、ガス吹き込み量の調整(吹き分け)を行うことを目的としているものの、従来の複層式の上ノズルでは緻密質れんが部4からのガス吐出が発生することにより
例えば上部のポーラスれんが部2aからのガス吹き込みに着目すると、そのポーラスれんが部2aより均一なガス吐出が行われず、その結果、アルミナ等を除去することができず、ノズル閉塞防止が有効に図れないものになっていた。つまり、緻密質れんが部4からのガス吐出をほぼ完全に防止しなければガスの有効な吹き分けはできず、ノズル閉塞の防止にも限界が生じてくるのである。
複層式の上ノズル自体は、特許文献1〜5にも開示されている。しかし、その緻密質れんが部を構成する緻密質れんがはいずれも見掛気孔率が大きく、また、特許文献1〜5には、吹き分けを確実に行うために必要な緻密質れんが部とポーラスれんが部の特性要素についてはなんら記載されておらず、緻密質れんが部からの不本意なガス吐出が発生してしまい、ひいてはアルミナ等が付着してしまう問題があった。
特開平5−104215号公報 特開平7−256415号公報 特開2001−18057号公報 特開2007−90423号公報 特開2011−104629号公報
本発明は以上のような従来技術の問題点に鑑みなされたもので、その課題は、一体成形による緻密質れんが部とポーラスれんが部との複層構造からなる内部構造を有する複層式の上ノズルにおいて、緻密質れんが部とポーラスれんが部とから、あるいは複数のポーラスれんが部相互からのガスの吹き分けを確実に行うことができ、より効果的にガスを溶鋼中に吹き込むことができるようにすることにある。
本発明は、一体成形による緻密質れんが部とポーラスれんが部との複層構造からなる内部構造を有する複層式の上ノズルにおいて、緻密質れんが部の原料の粒度構成を適正にすることで緻密化し、かつポーラスれんが部との通気特性を最適化することによって、ガスの吹き分けを確実に行うことができるという知見に基づいたものである。すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)一体成形による緻密質れんが部とポーラスれんが部との複層構造からなる内部構造を有するガス吹き込み機能を持つタンディッシュ用上ノズルにおいて、前記緻密質れんが部の通気率と前記ポーラスれんが部の通気率の比が1/4以下であることを特徴とするタンディッシュ用上ノズル。
(2)前記緻密質れんが部は、粒径が1mm以上3mm以下の酸化物系耐火物原料25〜45質量%と、粒径が0.1mm以上1mm未満の酸化物系耐火物原料30〜50質量%とを含む原料を使用したものである(1)に記載のタンディッシュ用上ノズル。
(3)前記酸化物系耐火物原料は、酸化物系の中性耐火物原料から選択される1種又は2種以上である(2)に記載のタンディッシュ用上ノズル。
(4)前記酸化物系耐火物原料は、酸化物系の塩基性耐火物原料から選択される1種又は2種以上である(2)に記載のタンディッシュ用上ノズル。
(5)前記緻密質れんが部は、平均気孔径が5μm以下、通気率が0.005cm・cm/(cm・sec・cm・HO)以下である請求項1乃至4のいずれかに記載のタンディッシュ用上ノズル。
(6)請求項1乃至4のいずれかに記載のタンディッシュ用上ノズルの緻密質れんが部を構成する緻密質れんがであって、平均気孔径が5μm以下、通気率が0.005cm・cm/(cm・sec・cm・HO)以下である緻密質れんが。
本発明の上ノズルは、一体成形による緻密質れんが部とポーラスれんが部との複層構造からなる内部構造を有することを前提し、典型的には、緻密質れんが部を上下のポーラスれんが部間に配置した上で、緻密質れんが部の通気率とポーラスれんが部の通気率の比、すなわち、「緻密質れんが部の通気率/ポーラスれんが部の通気率」(以下「通気率比」という。)を1/4以下にすることで効果的な複層吹き、すなわち確実な吹き分けを可能とした上ノズルである。
本発明の上ノズルにおける緻密質れんが部は、粒径が1mm以上3mm以下の粗粒の酸化物系耐火物原料25〜45質量%と、粒径が0.1mm以上1mm未満の中間粒の酸化物系耐火物原料30〜50質量%とを含む原料を使用し、ポーラスれんが部との一体成形により得ることができる。上記の粗粒及び中間粒以外の残部は、粒径が0.1mm未満の微粒の酸化物系耐火物原料、シリカ、粘土(可塑剤)などにより構成することができ、当該残部には粒径が0.1mm以上の粒子を含まないことが好ましい。
緻密質れんが部の原料である酸化物系耐火物原料としては、アルミナ質、ムライト質等の酸化物系の中性耐火物原料から選択される1種又は2種以上、あるいはマグネシア質、ライム質等の酸化物系の塩基性耐火物原料から選択される1種又は2種以上が挙げられる。
緻密質れんが部の原料において、粒径が1mm以上3mm以下の粗粒の酸化物系耐火物原料を25〜45質量%とした理由は、45質量%を超えると粗粒が多くなって粒度構成にギャップを生じ緻密な組織が得られず、通気率、平均気孔径ともに大きくなりガスの遮断効果が損なわれ、結果として通気率比が1/4以下であるという条件を満足できず、ガスの吐出部分と非吐出部分との効果的な吹き分けができなくなるからである。
逆に粗粒の酸化物系耐火物原料が25質量%未満であると
中間粒や微粒が多くなるため成形時に微妙な圧力調整が必要となり、また生産性が低下し仮に成形はできても微粒が多いためラミネーション(内部亀裂)の発生や、焼成後の収縮などの問題が内在するため結果として目標とする緻密質れんが部の特性を得ることは難しい。
また、上述と同様に粗粒、中間粒及び微粒のバランスの観点から、粒径が0.1mm以上1mm未満の中間粒の酸化物系耐火物原料の配合量は30〜50質量%とし、残部は粒径が0.1mm未満の微粒とすることが好ましい。
一方、最密充填式として公知のアンドレアゼンやファーナスの式により連続粒度分布を有する粒度構成を用いることもよく知られているが、一体成形による緻密質れんが部とポーラスれんが部との複層構造からなる内部構造を有する複層式の上ノズルにおける緻密質れんが部に用いることは、微粒の量が多量になることから、この微粒による比表面積過多に伴う緻密化による焼成収縮のため亀裂が発生して満足のいく緻密質れんが部は得られない。
さらに本発明の上ノズルの緻密質れんが部及びこれを構成する緻密質れんがは、平均気孔径が5μm以下であり、かつ通気率が0.005cm・cm/(cm・sec・cmHO)以下であることが望ましい。平均気孔径が5μmを超え、通気率が0.005cm・cm/(cm・sec・cmHO)を超える場合には ガスを遮断することができず、ガスが緻密質れんが部内を透過して緻密質れんが部からも吐出してしまい、結果として通気率比が1/4以下であるという条件を満足できず、効果的な複層吹きのガス吹き分けを実現することが難しい。
すなわち、通気率比が1/4以下であるという条件を満足できない場合は、ポーラスれんが部から溶鋼にガスが均一に吹き込まれず、この領域でアルミナ等が付着する。さらに付着したアルミナ等が成長すると、吹き込みガスとして有効なガス量が減少し、下方の浸漬ノズルに多量のアルミナ等が付着して短時間でノズル詰まりを起こす。浸漬ノズルにノズル詰まりが生じると、浸漬ノズルからの溶鋼吐出流が不均一になり、モールド内の湯面が変動し、ブレイクアウト等の操業トラブルの原因となる。
本発明によれば緻密質れんが部の通気率とポーラスれんが部の通気率の比を1/4以下としたことで、例えば緻密質れんが部を挟んで上下にポーラスれんが部及びガス導入経路を設けた上ノズルにおいて、上部のガス導入経路から導入された吹き込みガスが緻密質れんが部から吐出したり、下部のガス導入経路から導入された吹き込みガスが緻密質れんが部から吐出したりすることが抑制される。その結果、上下のポーラスれんが部へのガス供給及び各ポーラスれんが部からのガス吹き込みを独立して確実に行うことができる。
このように本発明の上ノズルによれば、実使用時のガス分散を有効に防止でき、このため、導入されたガスにより効果的にガス吹きしたいポーラスれんが部からガスがノズル孔内に吐出されることになる。その結果、使用中の上ノズルの背圧低下もなくなり、かつアルミナ等も有効に除去できることによって、アルミナ等の付着によるノズル閉塞の発生も有効に防止できるので産業上の利用性は大きい。
連続鋳造設備においてタンディッシュから鋳型(モールド)へ溶鋼を供給する経路の構成例を示す。 図1で使用されている複層式の上ノズルの構成を示す。 水モデル試験の評価の例を示す。
本発明の上ノズルの内部構造に適用される複層構造のれんが部は、緻密質れんが部とポーラスれんが部とを一体成形、すなわち同時に一体加圧成形し焼成することで製造することができる。具体的には緻密質れんが部は、酸化物系耐火物原料(アルミナ質、ムライト質等の酸化物系の中性耐火物原料から選択される1種又は2種以上、あるいはマグネシア質、ライム質等の酸化物系の塩基性耐火物原料から選択される1種又は2種以上)を耐火原料骨材として使用し、可塑剤及びバインダーと共に混合、混練後、ポーラスれんが部と同時一体加圧成形、焼成することで形成することができる。
アルミナ質の中性耐火物原料であるアルミナ原料としては、焼結アルミナ、電融アルミナ、仮焼アルミナを使用することができる。ばん土けつ岩、シリマナイト、ボーキサイト等も使用できるが、不純物の混入が多くなるため、焼結アルミナ、電融アルミナ、仮焼アルミナを使用することが好ましい。
ムライト質の中性耐火物原料であるムライト原料としては、合成ムライト、電融ムライト等を使用することができる。
マグネシア質の塩基性耐火物原料であるマグネシア原料としては、海水焼結マグネシア、電融マグネシア、天然マグネシアを使用することができるが、不純物の焼結への影響を考慮し、純度は95%以上であることが好ましい。
可塑剤としては耐火粘土が使用でき、カオリン族である木節粘土や蛙目粘土等を使用することが好ましい。
これらの耐火原料骨材等を混合、混練する際に使用するバインダーとしては、有機物系では、天然や合成の糊剤等(でんぷん、デキストリン、アラビアゴム、糖蜜、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、リグニンスルフォン酸塩、ポリアクリル酸塩等)、合成樹脂(フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等)、無機物系では、珪酸塩、リン酸塩等が使用できる。その添加量は、耐火原料骨材に対して外掛け1.5〜3質量%が好ましい。
混合、混練にあたっては、使用する耐火原料骨材同士及び添加するバインダーの分散を良くするため、剪断力の大きなミキサーを使用する。
れんが部の加圧成形には、フリクションプレス、オイルプレス等の従来から使用されているプレス機を使用できるが、最高加圧時点でのれんが部受圧面積あたりの成形圧力が100MPa以上であることが必要であり、そのため、任意形状において、当該圧力以上で成形可能なプレス機を選択する必要がある。
れんが部の焼成は、トンネルキルン、シャトルキルン、電気炉等、従来から使用されている焼成機器を使用することができ、最高保持温度が1600℃以上である温度領域で焼成を行うことが好ましい。
以下、実施例について説明する。ただし、本実施例は本発明の一態様にすぎず、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
表1〜4に示す割合にて緻密質れんが部用の各種原料の秤量を行い、バインダーとしてフェノール樹脂を添加して混練し、プレス機により100MPa以上の圧力にて上ノズル形状に成形した。この成形は事前に準備しておいたポーラスれんが部用の混練物と一体成形を行い、積層構造(複層構造)での成形体を得た。その後
乾燥工程を経て、1600℃以上で5時間焼成した。そして、自然冷却後、当該焼成体の緻密質れんが部とポーラスれんが部からそれぞれ、各評価試験に応じた試験片を切り出し、その試験片を使用してかさ比重、見掛け気孔率、圧縮強度、平均気孔径及び通気率を評価し、さらに水モデル試験によりガスの吹き分け状況について評価した。
なお、上記ポーラスれんが部用の混練物は、表1、2の中性耐火物原料からなる緻密質れんが部に対しては原料としてアルミナを80質量%以上の割合で配合し、これにバインダーとしてフェノール樹脂を添加して混練したものを使用した。その通気率は、0.02cm・cm/(cm・sec・cmHO)である。一方、表3、4の塩基性酸化物からなる緻密質れんが部に対しては原料としてマグネシアを80質量%以上の割合で配合し、これにバインダーとしてフェノール樹脂を添加して混練したものを使用した。
その通気率は、0.02cm・cm/(cm・sec・cmHO)である。
各評価試験は、次の方法に基づいて行った。かさ密度及び見掛け気孔率はJIS
R 2105に準じた方法にて評価した。通気率は、JIS R 2115に準じた方法にて評価した。圧縮強度はJIS R 2106に準じた方法にて評価した。平均気孔径は、JIS
R 1655に記載の水銀圧入法に準じた方法にて評価した。水モデル試験では、上述の上ノズル形状に成形、焼成された焼成体を縦方向に半分に切断したものを試験片として水槽底部に横置き状態でセットし、エアを40L/minの流量で水槽内にガス吹き込み試験を実施した。評価は目視にて緻密質れんが部からのガス吐出の有無にて判断を行い、ガスの吐出が認められたものは×、認められなかったものは○とした。評価の例を図3に示す。
以下、表1〜4に示す本発明の上ノズルの実施例と比較例について説明する。
表1に示す実施例1〜5及び表2に示す比較例1〜6は主たる原料構成がアルミナ質とムライト質の構成にて評価試験を行ったものである。一方、表3に示す実施例6〜10、表4に示す比較例7〜11は主たる原料構成がマグネシア質の構成にて評価試験を行ったものである。
実施例1〜5、6〜10は、それぞれ緻密質れんが部用の原料に粒径1mm以上3mm以下の粗粒を25,30,35,40,45質量%、粒径0.1mm以上1mm未満の中間粒を50,45,40,35,30質量%配合したものである。これに対して比較例1〜5、7〜11は、それぞれ緻密質れんが部用の原料に粒径1mm以上3mm以下の粗粒を5,10,20,50,55質量%、粒径0.1mm以上1mm未満の中間粒を70,65,55,25,20質量%配合したものである。なお、比較例6はファーナスの公式に則り計算された粒度構成の原料を使用したものである。
実施例1〜10では いずれも比較例1〜11と比べて緻密な組織を有する緻密質れんが部が得られ、具体的には、平均気孔径が5μm以下、通気率が0.005cm・cm/(cm・sec・cm・HO)以下の緻密質れんが部を得ることができた。また、これの実施例1〜10の緻密質れんが部を有する上ノズルは、水モデル試験において良好な吹き分けができることが確認できた。
比較例1〜3、7〜9では、緻密質れんが部用の原料において粒径1mm以上3mm以下の粗粒の配合量が20質量%以下であることから中間粒や微粒が多くなり、成形時に微妙な圧力調整が必要となり、また生産性が低下し仮に成形はできても、中間粒や微粒が多いためラミネーション(内部亀裂)の発生や、焼成後の収縮などの問題が内在するため、結果として
目標とする緻密質れんが部を得ることは難しい上、得られても上記の理由で 目標とする緻密性は得られなかった。
比較例4、5、10、11では、緻密質れんが部用の原料において粒径1mm以上3mm以下の粗粒の配合量が50%質量以上と多く、粒度構成にギャップがあるため緻密な組織を有する緻密質れんが部は得られず、その平均気孔径及び通気率はともに大きく、水モデル試験の結果、当該緻密質れんが部からガスが吐出してしまい
本来のポーラスれんが部からのガス吹きが十分に実施できなかった。これは緻密質れんが部によるガスの遮断効果が十分に発揮されず、効果的な吹き分けができなかったためと考えられる。
比較例6では、ファーナスの公式に則り計算された粒度構成の原料を使用したことから原料の充填性は良かったが、小さい気孔径の気孔が多くなり、目標とする緻密性は得られなかった。
以上の結果を踏まえ、本発明品として実施例3の緻密質れんが部を有する上ノズルを実機に供する試験を行った。また、従来品として比較例3の緻密質れんが部を有する上ノズルについても実機に供する試験を行った。その結果、従来品ではアルミナ等の付着によるノズル閉塞に伴い鋳造中止となったが、本発明品ではアルミナ等の付着防止が図れ、上ノズルの耐用寿命を向上させることができた。これは、緻密質れんが部とポーラスれんが部の吹き分けが確実に行われている効果である。
T タンディッシュ
N 上ノズル
S スライディングノズル装置
1 メタルケース
2a,2b ポーラスれんが部
3a,3b ガスプール
4 緻密質れんが部
5 シール材
6 上プレート
7 下プレート
8 浸漬ノズル
9 ガス導入パイプ
9a,9b ガス導入パイプ
10 モールド

Claims (6)

  1. 一体成形による緻密質れんが部とポーラスれんが部との複層構造からなる内部構造を有するガス吹き込み機能を持つタンディッシュ用上ノズルにおいて、前記緻密質れんが部の通気率と前記ポーラスれんが部の通気率の比が1/4以下であることを特徴とするタンディッシュ用上ノズル。
  2. 前記緻密質れんが部は、粒径が1mm以上3mm以下の酸化物系耐火物原料25〜45質量%と、粒径が0.1mm以上1mm未満の酸化物系耐火物原料30〜50質量%とを含む原料を使用したものである請求項1に記載のタンディッシュ用上ノズル。
  3. 前記酸化物系耐火物原料は、酸化物系の中性耐火物原料から選択される1種又は2種以上である請求項2に記載のタンディッシュ用上ノズル。
  4. 前記酸化物系耐火物原料は、酸化物系の塩基性耐火物原料から選択される1種又は2種以上である請求項2に記載のタンディッシュ用上ノズル。
  5. 前記緻密質れんが部は、平均気孔径が5μm以下、通気率が0.005cm・cm/(cm・sec・cm・HO)以下である請求項1乃至4のいずれかに記載のタンディッシュ用上ノズル。
  6. 請求項1乃至4のいずれかに記載のタンディッシュ用上ノズルの緻密質れんが部を構成する緻密質れんがであって、平均気孔径が5μm以下、通気率が0.005cm・cm/(cm・sec・cm・HO)以下である緻密質れんが。
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