JP2014141672A - 水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョン、およびそれを用いてなる水性インクジェットインク組成物 - Google Patents

水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョン、およびそれを用いてなる水性インクジェットインク組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 増粘剤を使用せずとも高粘度を示し、かつ、光沢性などのインク特性にも優れた水性インクジェットインク組成物を得るためのアクリル系樹脂エマルジョンを提供すること。
【解決手段】 酸価が1〜100mgKOH/gのアクリル系樹脂粒子を含有してなる水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョンであり、
1Hスピン拡散時間が5msで測定されるアクリル系樹脂粒子の表面領域における酸性基含有モノマーの含有モル比率(As)と、アクリル系樹脂粒子全体における酸性基含有モノマーの含有モル比率(At)との比(As/At)が9以上である水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョン。
【選択図】なし

Description

本発明は、水性インクジェットインクとして有用に用いることができるアクリル系樹脂エマルジョンに関するものである。
インクジェット記録方式は、水性インク組成物を、熱的または機械的のいずれかのパルス形態を誘発する電気シグナルにより、小さな孔から噴射された液滴の形態で基体上に噴霧するものである。このパルスに応答して、インクはノズルから噴射され、液滴を形成し、液滴は基体表面上の特定の位置へと推進する。一旦表面上に付いた後は、この液滴をその位置および寸法を充分に維持させて、適切な解像度の画像を形成させなければならず、その後、液滴を乾燥させ、かつ基体表面に充分に付着させるものである。
近年では、インクジェット記録技術の革新的な進歩により、これまで写真やオフセット印刷の分野であった高精細な画像記録(印刷)にもインクジェット記録方式が用いられるようになっている。高粘度インクを用いると、より鮮明な画像が得られることから、高粘度向けインクヘッドを備えたインクジェットプリンタの開発が行なわれており、かかる高粘度向けインクヘッドに適用可能な高粘度インクが要求されてきた。
インクジェットインクに用いられる水性のインクジェットインクとしては、例えば水性ビヒクル、自己分散顔料、シリコーン含有界面活性剤、特定のガラス転移温度(Tg)を有するポリマーを含むインク組成物(特許文献1)や、ポリマー、グリセリン、増粘剤および水を少なくとも含むインク組成物(特許文献2)が開発されている。また、特許文献2においては増粘剤を用いてインクの粘度を調整する方法が開示されている。
特開2006−22328号公報 特開2011−202030号公報
しかしながら、特許文献1のような樹脂エマルジョンを用いてなる水性インクジェットインク組成物は、一般的に粘度が低いものであり、このままでは高粘度向けインクヘッドには適用できないものである。
また、高粘度向けインクヘッドに適用するべく、例えば、特許文献2のように増粘剤を用いてインクの粘度を上げる方法も考えられるが、増粘剤を用いて高粘度化した水性インクジェットインク組成物は、高粘度向けインクヘッドで使用することは可能となるものの、印刷されたインクの光沢性が低下してしまうという問題点があった。
そこで、このような背景下において、本発明は、増粘剤を使用せずとも高粘度を示し、かつ、光沢性などのインク特性にも優れた水性インクジェットインク組成物を得るためのアクリル系樹脂エマルジョンを提供することを目的とするものである。
しかるに本発明者等は、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、そのエマルジョン中に含有するアクリル系樹脂粒子において、その粒子表面領域の酸性基含有モノマーの含有比率が高いエマルジョンを水性インクジェットインク組成物に使用すると、高粘度でありながらも光沢性に優れるインクが得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、酸価が1〜100mgKOH/gのアクリル系樹脂粒子を含有してなる水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョンであり、1Hスピン拡散時間が5msで測定されるアクリル系樹脂粒子の表面領域における酸性基含有モノマーの含有モル比率(As)と、アクリル系樹脂粒子全体における酸性基含有モノマーの含有モル比率(At)との比(As/At)が9以上であることを特徴とする水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョンに関するものである。
また、本発明においては、水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョンを用い、さらに顔料、溶剤および濡れ剤を含む水性インクジェットインク組成物も提供するものである。
本発明の水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョンを用いた水性インクジェットインク組成物は、粘度が高く高粘度向けインクヘッドで使用することが可能であり、かつ光沢等のインク特性にもバランス良く優れるため、高精細な画像記録にも使用できるものである。
NMRスペクトルにおける、Polymer Preprints Japan Vol. 60, No. 2, 3086 (2011)に記載のAs測定方法の説明図である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
本発明のアクリル系樹脂エマルジョンは、酸価が1〜100mgKOH/gのアクリル系樹脂粒子を含有してなる水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョンであり、1Hスピン拡散時間が5msで測定されるアクリル系樹脂粒子の表面領域における酸性基含有モノマーの含有モル比率(As)と、アクリル系樹脂粒子全体における酸性基含有モノマーの含有モル比率(At)との比(As/At)が9以上である水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョンである。
まず、本発明の水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョンを構成するアクリル系樹脂について説明する。
<アクリル系樹脂>
上記アクリル系樹脂は、酸価が1〜100mgKOH/gであることが必要であり、好ましくは1〜50mgKOH/g、特に好ましくは1〜30mgKOH/gである。
かかる酸価が高すぎると該アクリル系樹脂を含むエマルジョンを用いて得られるインク塗膜の耐水性が低下する傾向があり、低すぎてもアクリル系樹脂粒子の安定性が低下する傾向がある。
なお、酸価をかかる範囲内にするためには、例えば、後述する酸性基含有モノマーの配合量を調整すればよい。
そして、上記アクリル系樹脂において1Hスピン拡散時間が5msで測定されるアクリル系樹脂粒子の表面領域における酸性基含有モノマーの含有モル比率(As)と、アクリル系樹脂粒子全体における酸性基含有モノマーの含有モル比率(At)との比(As/At)が9以上であることが必要であり、好ましくは10〜100、特に好ましくは11〜80、更に好ましくは12〜60、殊に好ましくは13〜40である。
上記As/Atが低すぎると、得られる水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョンを用いてなる水性インクジェットインク組成物の粘度が低くなる傾向にあるからである。
上記1Hスピン拡散時間が5msで測定されるアクリル系樹脂粒子の表面領域における酸性基含有モノマーの含有モル比率(As)の範囲としては、1〜100が好ましく、特に好ましくは2〜80、更に好ましくは10〜60である。
かかるAsの値が大きすぎると上記アクリル系樹脂粒子を含むエマルジョンを用いて得られるインク塗膜の耐水性が低下する傾向があり、低すぎるとアクリル系樹脂粒子の安定性が低下する傾向がある。
上記アクリル系樹脂粒子全体における酸性基含有モノマーの含有モル比率(At)の範囲としては、0.1〜11が好ましく、特に好ましくは0.5〜8、更に好ましくは1〜5である。
かかるAtの値が大きすぎると上記アクリル系樹脂粒子を含むエマルジョンを用いて得られるインク塗膜の耐水性が低下する傾向があり、低すぎるとアクリル系樹脂粒子の安定性が低下する傾向がある。
上記酸性基含有モノマーとしては、例えば、カルボキシル基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー等があげられるが、これらの中でも増粘効果が得られやすい点でカルボキシル基含有モノマーが好ましい。
上記As(粒子表面の酸モノマー比率)およびAt(粒子全体の酸モノマー比率)は、NMRスペクトルを解析することによって算出することができる。
例えば、酸性基がカルボキシル基である場合、カルボキシル基含有モノマーは、13Cスペクトルにおいて、190〜180ppmにカルボキシル基の共鳴線が表れ、一方、アクリレートモノマーは、13Cスペクトルにおいて180〜170ppmにエステル構造中のカルボニル基の共鳴線が表れる。これら2つの共鳴線の面積比から各々の共重合組成を算出することができる。
ここで上記Asとは、前記のようにNMRの1Hスピン拡散時間が5msで測定されるアクリル系樹脂粒子の表面領域における酸性基含有モノマーの含有比率をいう。ここで測定領域であるアクリル系樹脂粒子の表面領域、すなわち粒子表面からの深さが問題となるが、アクリル系樹脂粒子表面上の特定の深さは、下記〔数1〕の式で算出できる。
〔数1〕
L=0.816×(τd)1/2
〔ここで上記L(nm)はアクリル系樹脂粒子表面からの深さ、0.816は係数、τd(ms)は1Hスピン拡散時間(参考文献:Masuda et al., Solid State Nuclear Magnetic Resonance (2003) 23, 198)を表す。〕
すなわち、上記〔数1〕の式により、AsにおけるNMRの1Hスピン拡散時間5msは、アクリル系樹脂粒子表面からの深さ約1.8nmとなる。すなわち、Asは、アクリル系樹脂粒子表面からの深さ約1.8nm領域における酸性基含有モノマーの含有比率を算出したものである。
これに対し、上記Atとは、アクリル系樹脂粒子全体における酸性基含有モノマーの含有モル比率をいい、上記のようにNMRスペクトルを解析することによって算出できる。
上記NMRスペクトルは、汎用のNMR装置であれば通常測定でき、例えば、NMR測定装置(Bruker社製、AVANCE III 400WB)の測定により得られる。そして、上記Asは、図1で示すPolymer Preprints Japan Vol. 60, No. 2, 3086 (2011)に記載の方法により測定でき、上記AtはCP/MAS(Cross Polarization Magic Angle Spinning)を用いることにより測定できる。
図1中の各記号について以下の通り説明する(ただし磁場方向をz軸とする)。
・90±x : 90°パルスをx, -x 軸の順に向きに位相を回す。
・90−x : 90°パルスを-x軸の向きに位相を回す。
・180y : y軸を中心に180°パルスを回す。
・τt : 固体成分の磁化が消失する時間
・τd : 1Hスピン拡散時間
・VACP : 交差分極 (Variable Amplitude Magic Angle Spinning)部分
・(i) : コンタクトタイム(交差分極をかけている時間)
・DD : デカップリング(Dipole Decoupling)
・PD : 次のパルスへの待ち時間(Post Delay)
・FID : 自由減衰(Free Induction Decay)
・(ii) : FID信号を取り込んでいる時間
以下、NMRスペクトルの測定方法について具体的に説明する。
<NMRスペクトルの測定方法>
NMRスペクトル(AsおよびAtを含む)は、NMR測定装置(Bruker社製、AVANCE III 400WB)により、20℃の温度下、4mmΦ固体CP/MASプローブと、4mmHRMAS試料管とを用い、下記表1の測定条件で測定を行った。
Figure 2014141672
上記アクリル系樹脂粒子の平均粒子径については、40〜300nmであることが好ましく、特に好ましくは50〜200nm、更に好ましくは60〜150nmである。
かかる平均粒子径が大きすぎると塗膜の光沢性が低下する傾向があり、小さすぎると製造時に乳化剤を多量に使用しないといけなくなり経済的に不効率となる傾向がある。
なお、かかる平均粒子径は、動的光散乱法(DLS)を用いて温度23℃、散乱角90°で測定された自己相関関数をcumulant fittingしたときに得られる体積平均粒子径であり、測定装置としてはParticle Sizing Systems社製、「Nicomp 380」が使用できる。
ここで、上記のアクリル系樹脂粒子の表面領域とは、粒子全体の体積に対して、約3〜25%の体積の表面領域を表すものである。
上記特性を有するアクリル系樹脂は、1段の重合により得られるものであってもよいし、2段以上の重合により得られるものであってもよいが、2段以上の重合で得られることが後段の重合において酸性基含有モノマーの配合比率をより高めることで、酸性基含有モノマーの粒子表面への偏析を促進できる点で好ましい。
上記1段の重合の場合には、例えば、アクリル系樹脂粒子の酸価が1〜100mgKOH/gの範囲で本質的に水溶性である酸性基含有モノマーの配合比率を高めることで、該モノマーの粒子表面への偏析を促進でき、所望のアクリル系樹脂粒子を含むエマルジョンを重合することができる。
上記2段階(nが2の場合)の重合の場合には、例えば、1段目の単量体成分を乳化重合して第1のエマルジョンを得た後、その中に、より多くの酸性基含有モノマーを含む2段目の単量体成分を加え、第1のエマルジョン中で更に乳化重合する方法等があげられる。
上記重合回数nは2以上の整数であり、好ましくは2〜3、特に好ましくは2である。nが大きすぎても増粘効果が低下する傾向がある。
上記アクリル系樹脂の重合においては、各重合段階におけるモノマー組成について、下記の重量比(α)および(β)の関係を満たすことが好ましい。
(α)1段目〜(n−1)段目の重合に使用される酸性基含有モノマー(1a)と、n段目の重合に使用される酸性基含有モノマー(2a)との重量比〔(1a)/(2a)〕が、0/100〜40/60。
(β)1段目〜(n−1)段目の重合に使用されるモノマーの合計量(X1)と、n段目の重合に使用されるモノマーの合計量(X2)との重量比〔(X1)/(X2)〕が、99/1〜60/40。
上記(α)においては、かかる1段目〜(n−1)段目の重合に使用される酸性基含有モノマー(1a)と、n段目の重合に使用される酸性基含有モノマー(2a)との重量比〔(1a)/(2a)〕について、(1a)/(2a)=0/100〜40/60であることが好ましく、更に好ましくは(1a)/(2a)=0.5/99.5〜20/80、特に好ましくは(1a)/(2a)=1/99〜10/90である。
(1a)に対する(2a)の使用量が少なすぎるとインクジェットインク組成物とした際に充分に粘度を上げることができない傾向がある。
また、上記(β)においては、かかる1段目〜(n−1)段目の重合に使用されるモノマーの合計量(X1)と、n段目の重合に使用されるモノマーの合計量(X2)との重量比〔(X1)/(X2)〕について、(X1)/(X2)=99/1〜60/40であることが好ましく、更に好ましくは(X1)/(X2)=99/1〜80/20、特に好ましくは(X1)/(X2)=98/25〜90/10である。
かかる(X1)に対する(X2)の含有割合が多すぎるとアクリル系樹脂の粘度が高くなりすぎる傾向があり、低すぎるとインクジェットインク組成物とした際に充分に粘度を上げることができない傾向がある。
以下、n=2、即ち2段階重合によりアクリル系樹脂を製造する場合について、詳細に説明する。
まず、1段目の重合においては、酸性基含有モノマー(1a)および(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(1b)を主成分とする単量体成分[I]を重合すればよい。
本明細書において、主成分とは、全体の過半を占める成分のことをいい、全体が主成分のみからなる場合も含む意味である。
上記酸性基含有モノマー(1a)としては、例えば、カルボキシル基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー等があげられるが、これらの中でも増粘効果が得られやすい点でカルボキシル基含有モノマーが好ましい。
上記カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、アクリル酸ダイマー、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、グルタコン酸、イタコン酸、アクリルアミド−N−グリコール酸、ケイ皮酸等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸が好ましく、インクジェットインク組成物の安定性の点で特に好ましくはメタクリル酸である。
上記スルホン酸基含有モノマーとしては、例えば、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリル酸エステル、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等があげられる。
上記リン酸基含有モノマーとしては、例えば、ビニルホスホン酸等があげられる。
上記酸性基含有モノマー(1a)は使用しないことが水性インクジェットインク組成物を用いて得られるインク塗膜の物性(耐エタノール性や耐水性)に優れる点で好ましいが、使用する場合は、単量体成分[I]中における含有量として、好ましくは0.1〜20重量%、特に好ましくは0.5〜10重量%、更に好ましくは1〜5重量%である。
かかる酸性基含有モノマーの含有量が多すぎると水性インクジェットインク組成物を用いて得られるインク塗膜の物性(耐エタノール性や耐水性)が低下する傾向がある。
上記(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(1b)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、iso−オクチルアクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、iso−ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環族(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの場合、アルキル基の炭素数が、通常1〜20、特には1〜12、更には1〜8であることが好ましい。これらは1種を単独でまたは2種以上を併せて用いることができる。
かかる(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(1b)の中でも、メチルメタクリレートやn−ブチルアクリレートが好ましく用いられ、水性インクジェットインク組成物を用いて得られるインク塗膜の物性(耐エタノール性や耐水性)に優れる点で、特に好ましくはメチルメタクリレートである。
上記(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(1b)の単量体成分[I]中における含有量としては、好ましくは80〜100重量%、特に好ましくは90〜99.9重量%、更に好ましくは95〜99.5重量%であり、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(1b)の含有量が少なすぎると、水性インクジェットインク組成物を用いて得られるインク塗膜の物性(耐エタノール性や耐水性)が低下する傾向がある。
本発明においては、必要に応じて、酸性基含有モノマー(1a)、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(1b)以外のモノマー(1c)を共重合させてもよく、例えば、下記のモノマー(a)〜(h)等があげられる。
(a)ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和モノマー。
(b)エポキシ基含有エチレン性不飽和モノマー。
(c)メチロール基含有エチレン性不飽和モノマー。
(d)アルコキシアルキル基含有エチレン性不飽和モノマー。
(e)シアノ基含有エチレン性不飽和モノマー。
(f)ラジカル重合性の二重結合を2個以上有しているエチレン性不飽和モノマー。
(g)アミノ基を有するエチレン性不飽和モノマー。
(h)芳香環含有エチレン性不飽和モノマー。
本発明で使用するアクリル系樹脂としては、上記(a)〜(h)以外に、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ビニルピロリドン、メチルビニルケトン、ブタジエン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のモノマーも、必要に応じて適宜使用することができる。
上記ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和モノマー(a)としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。中でも好ましくは、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートや、炭素数2〜4のアルキレン基を有するポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートであり、特に好ましくはヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
上記エポキシ基含有エチレン性不飽和モノマー(b)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、メチルグリシジル(メタ)アクリレート等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。中でも好ましくはグリシジル(メタ)アクリレートである。
上記メチロール基含有エチレン性不飽和モノマー(c)としては、例えば、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジメチロール(メタ)アクリルアミド等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記アルコキシアルキル基含有エチレン性不飽和モノマー(d)としては、例えば、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメトキシ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノアルコキシ(メタ)アクリレート等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記シアノ基含有エチレン性不飽和モノマー(e)としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル等があげられる。
上記ラジカル重合性の二重結合を2個以上有しているエチレン性不飽和モノマー(f)としては、例えば、ジビニルベンゼン、ポリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記アミノ基を有するエチレン性不飽和モノマー(g)としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記芳香環含有エチレン性不飽和モノマー(h)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは単独もしくは2種以上併せて用いられる。
上記(1a)、(1b)以外のモノマー(1c)を使用する場合の単量体成分[I]全体に対する含有割合としては、0〜10重量%であることが好ましく、特に好ましくは0〜5重量%である。かかる(1a)、(1b)以外のモノマー(1c)の含有割合が多すぎると水性インクジェットインク組成物を用いて得られるインク塗膜の耐水性が低下する傾向がある。
次いで、2段目の重合においては、上記1段目の重合体に、酸性基含有モノマー(2a)および(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(2b)を主成分とする単量体成分[II]を加えて重合すればよい。
上記酸性基含有モノマー(2a)としては、例えば、上記の酸性基含有モノマー(1a)と同様のものがあげられる。これらの中でも好ましくは、増粘作用に優れる点でカルボキシル基含有モノマーであり、特に好ましくは(メタ)アクリル酸であり、更に好ましくはメタクリル酸である。
上記酸性基含有モノマー(2a)の単量体成分[II]中における含有量としては、好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは30〜70重量%、更に好ましくは40〜60重量%である。
かかる酸性基含有モノマーの含有量が多すぎると水性インクジェットインク組成物を用いて得られるインク塗膜の物性(耐エタノール性や耐水性)が低下する傾向があり、少なすぎると充分な増粘効果が得られにくい傾向がある。
上記(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(2b)としては、上記の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(1b)と同様のものがあげられる。これらの中でも好ましくは、水性インクジェットインク組成物を用いて得られるインク塗膜の物性(耐エタノール性や耐水性)に優れる点でメチル(メタ)アクリレートやn−ブチルアクリレートであり、特に好ましくはメチル(メタ)アクリレート、更に好ましくはメチルメタアクリレートである。
上記(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(2b)の単量体成分[II]中における含有量としては、好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは30〜70重量%、更に好ましくは40〜60重量%である。
かかる(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの含有量が多すぎると増粘効果が得られにくい傾向があり、少なすぎると水性インクジェットインク組成物を用いて得られるインク塗膜の物性(耐エタノール性や耐水性)が低下しやすい傾向がある。
また、必要に応じて、酸性基含有モノマー(2a)、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(2b)以外のモノマー(2c)として、上記のモノマー(1c)と同様のモノマーを用いてもよい。
上記(2a)、(2b)以外のモノマー(2c)を使用する場合の単量体成分[II]全体に対する含有割合としては、0〜10重量%であることが好ましく、特に好ましくは0〜5重量%である。かかる(2a)、(2b)以外のモノマー(2c)の含有割合が多すぎると塗膜の耐水性が低下する傾向がある。
次に上記単量体成分[I]および[II]を用いて、それぞれ重合することによりアクリル系樹脂エマルジョンが得られる。まず、アクリル系樹脂エマルジョンについて説明する。
上記アクリル系樹脂エマルジョンを得るための成分としては、上記単量体成分[I]および[II]以外に、界面活性剤を使用することが好ましく、更に必要に応じて、重合開始剤、重合調整剤、可塑剤、造膜助剤等の他の成分を適宜用いることができる。
上記界面活性剤としては、公知一般の界面活性剤を用いればよく、例えば、アニオン型、カチオン型、およびノニオン型の反応性界面活性剤、アニオン型、カチオン型、およびノニオン型の非反応性界面活性剤が挙げられる。
これらの中でも、重合安定性および経時安定性に優れる点で、アニオン型反応性界面活性剤、アニオン型非反応性界面活性剤、ノニオン型非反応性界面活性剤を用いることが好ましい。
また、非反応性の界面活性剤を用いる場合は、経時安定性に優れる点でアニオン型非反応性界面活性剤とノニオン型非反応性界面活性剤を併用することが好ましい。
上記アニオン型反応性界面活性剤としては、アニオン型であって、かつ反応性を有する界面活性剤であれば特に限定されないが、例えば、下記一般式(1)〜(11)のような構造をもつものが挙げられる。
Figure 2014141672
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ここで、一般式(1)〜(11)において、R1はアルキル基、R2は水素またはメチル基、R3はアルキレン基、nは1以上の整数、mおよびlは1以上の整数であり「m+l=3」の関係にある。また、XはSO3NH4、SO3Naのいずれかである。
上記アニオン型反応性界面活性剤として具体的には、「アデカリアソープSE−20N」、「アデカリアソープSE−10N」、「アデカリアソープPP−70」、「アデカリアソープPP−710」、「アデカリアソープSR−10」、「アデカリアソープSR−20」〔以上、旭電化工業社製〕、「エレミノールJS−2」、「エレミノールRS−30」〔以上、三洋化成工業社製〕、「ラテムルS−180A」、「ラテムルS−180」、「ラテムルPD−104」〔以上、花王社製〕、「アクアロンBC−05」、「アクアロンBC−10」、「アクアロンBC−20」、「アクアロンHS−05」、「アクアロンHS−10」、「アクアロンHS−20」、「ニューフロンティアS−510」、「アクアロンKH−05」、「アクアロンKH−10」〔以上、第一工業製薬社製〕、「フォスフィノ−ルTX」〔東邦化学工業社製〕等の市販品が挙げられる。
上記アニオン型反応性界面活性剤の中でも特に、アクリルとの反応が良好であり、エマルジョンの安定性がよい点で、上記一般式(3)、(4)、(5)、(9)、(10)で示される構造の界面活性剤、即ちアルキルフェノール構造を有さないアニオン型反応性乳化剤、具体的には、「アデカリアソープSR−10」、「アデカリアソープSR−20」、「エレミノールJS−2」、「エレミノールRS−30」、「ラテムルS−180A」、「ラテムルS−180」、「ラテムルPD−104」、「アクアロンKH−05」、「アクアロンKH−10」等が好適である。中でも、「アクアロンKH−10」、「ラテムルPD−104」が更に好適である。
上記アニオン型非反応性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
上記ノニオン型非反応性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸等が挙げられる。
上記ノニオン型反応性界面活性剤としては、例えば上記一般式(1)〜(11)において、Xが水素に変更されたものが挙げられ、具体的には、「アデカリアソープNE−10」、「アデカリアソープNE−20」、「アデカリアソープNE−30」、「アデカリアソープNE−40」、「アデカリアソープER−10」、「アデカリアソープER−20」、「アデカリアソープER−30」、「アデカリアソープER−40」、〔以上、旭電化工業社製〕、「アクアロンRN−10」、「アクアロンRN−20」、「アクアロンRN−30」、「アクアロンRN−50」〔以上、第一工業製薬社製〕等の市販品が挙げられる。
なお、上記界面活性剤は、単量体混合物からなる乳化モノマー液に配合したり、単量体成分を重合するための重合缶に予め加えておいたりしてもよく、又両者を併用してもよい。また、界面活性剤の配合に際しては、界面活性剤の直接配合だけでなく、界面活性剤を別途溶媒や単量体成分に溶解して配合したりしてもよい。さらに、界面活性剤の配合はいずれの重合段階に用いてもよく、複数回に分けて配合してもよい。
上記界面活性剤の使用量については、単量体成分[I]および[II]の合計100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、特に好ましくは3〜5重量部である。
かかる界面活性剤が少なすぎると重合安定性が低下する傾向があり、多すぎると塗膜物性が低下する傾向がある。
上記重合開始剤としては、水溶性、油溶性のいずれのものも用いることが可能である。例えば、アルキルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、p−メタンヒドロパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロルベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、ジ−イソブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、4,4′−アゾビス−4−シアノバレリックアシッドのアンモニウム(アミン)塩、2,2′−アゾビス(2−メチルアミドオキシム)ジヒドロクロライド、2,2′−アゾビス(2−メチルブタンアミドオキシム)ジヒドロクロライドテトラヒドレート、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕−プロピオンアミド}、2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド〕、各種レドックス系触媒(この場合酸化剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、p−メタンハイドロパーオキサイド等が、還元剤としては亜硫酸ナトリウム、酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、アスコルビン酸等が用いられる。)等があげられる。
これらの重合開始剤は単独であるいは2種以上併せて用いられる。これらの中でも重合安定性に優れる点で、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、レドックス系触媒(酸化剤:過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、還元剤:亜硫酸ナトリウム、酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、アスコルビン酸)等が好適である。
上記重合開始剤の使用量は、単量体成分[I]および[II]の合計100重量部に対して、0.01〜5重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.03〜3重量部、更に好ましくは0.02〜1重量部である。重合開始剤の使用量が少なすぎると、重合速度が遅くなる傾向があり、多すぎると得られる重合体の分子量が低くなり耐水性が低下しやすい傾向がある。
なお、上記重合開始剤は、重合缶内に予め加えておいてもよいし、重合開始直前に加えてもよいし、必要に応じて重合途中に追加配合してもよい。あるいは、単量体成分[I]に予め配合したり、上記単量体成分[I]からなる乳化液に配合したりしてもよい。また、重合開始剤の配合に際しては、重合開始剤を別途溶媒や上記単量体成分[I]に溶解して配合したり、溶解した重合開始剤を更に乳化状にして配合したりしてもよい。
また、前記重合調整剤としては、例えば、連鎖移動剤、pH緩衝剤等があげられる。
上記連鎖移動剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール;アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類;n−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸、チオグリコール酸オクチル、チオグリセロール等のメルカプタン類等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
この連鎖移動剤の使用は、重合を安定に行わせるという点では有効であるが、アクリル系樹脂の重合度を低下させ、得られる塗膜の弾性率を低下させる可能性がある。そのため、具体的には、連鎖移動剤の使用量は、単量体成分[I]および[II]の合計100重量部に対して、0.01〜1重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.01〜0.5重量部である。かかる連鎖移動剤の使用量が少なすぎると、連鎖移動剤としての効果が不足する傾向があり、使用量が多すぎると、塗膜の弾性率が低下する傾向がある。
また、上記pH緩衝剤としては、例えば、ソーダ灰(炭酸ナトリウム)、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、蟻酸ナトリウム、蟻酸アンモニウム等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記pH緩衝剤の使用量は、単量体成分[I]および[II]の合計100重量部に対して0.01〜10重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.1〜5重量部である。かかるpH緩衝剤の使用量が少なすぎると、重合調整剤としての効果が低下する傾向があり、使用量が多すぎると、反応を阻害しやすい傾向がある。
また、前記可塑剤としては、例えば、アジペート系可塑剤、フタル酸系可塑剤、燐酸系可塑剤等があげられ、前記造膜助剤としては、例えば、沸点が260℃以上のものがあげられる。
上記可塑剤および造膜助剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、適宜選択することができ、例えば、可塑剤としては単量体成分[I]および[II]の合計100重量部に対して通常0.1〜50重量部、造膜助剤としては単量体成分[I]および[II]の合計100重量部に対して通常0.1〜50重量部である。
アクリル系樹脂エマルジョンは、分散質が上記アクリル系樹脂であり、また、分散媒としては、上記アクリル系樹脂が分散質となるような分散媒が好ましい。このような分散媒の中でも、より好ましいのは水系媒体からなるものである。ここで水系媒体とは、水、または水を主体としてアルコール性溶媒を含有する水性媒体をいい、好ましくは水である。
アクリル系樹脂エマルジョンの重合方法としては、まず単量体成分[I]を乳化重合して第1のエマルジョンを得た後、次いで単量体成分[II]を第1のエマルジョンに加え、その中で乳化重合する方法が増粘作用に優れる点で好ましい。
上記単量体成分[I]の乳化重合の方法としては、例えば、反応缶に、水、界面活性剤を仕込み、昇温して単量体成分[I]と重合開始剤を滴下するモノマー滴下式乳化重合法;および、滴下する単量体成分[I]の混合モノマーを予め界面活性剤と水とで分散・乳化させた後、その分散・乳化モノマーを滴下する乳化モノマー滴下式乳化重合法等が挙げられるが、重合温度等の重合工程の管理やコントロール性に優れる点で乳化モノマー滴下式重合方法が好ましい。
かかる乳化モノマー滴下式乳化重合法では、例えば、まず、反応缶に水、必要に応じて界面活性剤を仕込み、これを昇温(通常40〜90℃)した後、界面活性剤と水で乳化・分散された単量体成分[I]の一部(通常1〜50重量%)と重合開始剤をこの反応缶に配合して、初期重合を実施し(通常、反応時間は0.1〜3時間)、次いで、残りの単量体成分[I]を、一括または滴下しながら反応缶に配合し、必要に応じて更に重合開始剤を配合しながら重合を進行させる方法が挙げられる。
単量体成分[I]の重合は、単量体成分[I]の全量を配合終了した時点から、通常0.5〜2時間(好ましくは0.5〜1時間)重合を継続することによって、単量体成分[I]の重合率が90%を超えた(好ましく95%以上の)時点で重合が完了し、第1のエマルジョンが得られたものとみなせばよく、引き続き単量体成分[II]の乳化重合を行なえばよい。
上記重合率は、単量体組成から計算した不揮発分の計算値と、下記不揮発分の実測値との比率より得られる。
〔不揮発分の実測値〕
エマルジョンを一定量容器に取り出し、105℃のオーブンで1時間乾燥した際の加熱残分重量。
上記単量体成分[II]の乳化重合は、第1のエマルジョンの存在下、即ち単量体成分[I]の重合が完了した反応缶内に、単量体成分[II]を滴下することが好ましい。
かかる単量体成分[II]の乳化重合は、単量体成分[II]の全量を通常40〜90℃(好ましくは60〜85℃)で0.1〜3時間(好ましくは0.5〜2時間)かけて一括または分割し配合すればよい。
以上により、2段階重合によるアクリル系樹脂エマルジョンが得られる。
なお、n=3以上の場合、すなわち3段階以上の重合によりアクリル系樹脂エマルジョンを得る場合にも、本発明の所望の目的を達成するため、上記2段階重合のように、最終段階の重合において他の段階よりも多くの酸性基含有モノマーを含む単量体成分を用いて重合するという方法を用いればよい。
上記得られたアクリル系樹脂エマルジョンを主成分とする本発明の水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョンが得られる。
なお、本発明の水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョンには、必要に応じて、有機顔料、無機顔料、水溶性添加剤、pH調整剤、防腐剤、消泡剤、酸化防止剤等の添加剤を適宜配合しても差し支えない。
上記水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョンを構成するアクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、0〜120℃であることが好ましく、特に好ましくは30〜100℃、更に好ましくは40〜100℃である。
かかるガラス転移温度が高すぎると造膜性が低下する傾向があり、低すぎると水性インクジェットインク組成物を用いて得られるインク塗膜の物性が低下しやすい傾向がある。
なお、かかるガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121(プラスチックの転移温度測定方法)に準じて、示差走査熱量分析計(DSC)を用いて昇温速度10℃/分, 2nd runで測定すればよい。かかる2nd runとは、一度ガラス転移温度以上に昇温(1st run)し、一定の熱履歴にした後、再昇温(2nd run)を行うことである。
上記水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョンの固形分濃度は20〜50重量%であることが好ましく、特に好ましくは30〜45重量%である。
かかる固形分濃度が高すぎると重合安定性が低下する傾向があり、低すぎるとインク処方の自由度が狭まる傾向がある。
上記水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョンの粘度は10〜100,000mPa・sであることが好ましく、特に好ましくは10〜50,000mPa・s、更に好ましくは10〜10,000mPa・sである。
かかる粘度が低すぎるとインクへの配合後に高粘度のインクが得られない傾向があり、高すぎるとインク調整の作業性が低下する傾向がある。
なお、かかる粘度はB型粘度計で測定した値である。
<水性インクジェットインク組成物>
本発明においては、上記で得られた水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョンに、顔料分散体、溶剤、濡れ剤等を適宜配合した後、アルカリで処理することにより好適な水性インクジェットインク組成物が得られる。
上記顔料分散体としては、例えば、キャボット社製;商品名「CAB−O−JET 200」、「CAB−O−JET 260M」、「CAB−O−JET 270Y」、「CAB−O−JET 400」、「CAB−O−JET 450C」、「CAB−O−JET 465M」、「CAB−O−JET 470Y」、「CAB−O−JET 480V」、「CAB−O−JET 554B」、「CAB−O−JET 740Y」等が用いられ、水性インクジェットインク組成物全体に対して通常2〜15重量%用いられる。
上記溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、1−シクロヘキシル−2−ピロリドン、オキサゾリジン−2−オン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が用いられ、水性インクジェットインク組成物全体に対して通常5〜50重量%用いられる。
上記濡れ剤としては、例えば、共栄社化学社製;商品名「ポリフローKL−245」、「ポリフローKL−260」等のシリコーン系界面活性剤、ネオス社製;商品名「フタージェント100C」、「フタージェント150CH」等のフッ素系界面活性剤等が用いられ、水性インクジェットインク組成物全体に対して通常0.01〜1重量%用いられる。
上記顔料分散体、溶剤、濡れ剤等を配合方法としては、例えば、アクリル系樹脂エマルジョン中に、水によって希釈された各配合成分(顔料分散体、溶剤、濡れ剤等)を、撹拌下、添加する方法が好ましい。
上記アルカリ処理に使用するアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属含有塩基や、アンモニア、アルカノールアミンなどのアミン類が挙げられ、水性インクジェットインク組成物を用いて得られるインク塗膜の物性に優れる点で、好ましくはアミン類、特に好ましくはアンモニアである。
上記アルカリ処理の条件は、例えば、水性インクジェットインク組成物に、撹拌下5〜10%アンモニア水を添加する方法が好ましい。添加終了後、数分〜数時間撹拌し続けることにより中和が完了する。
また、水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョンの配合量(固形分)は、水性インクジェットインク組成物全体に対して通常1〜20重量%である。
水性インクジェットインク組成物は、公知一般のインクジェット式の印刷方法に従い、基材に塗布することで、水性インクジェットインクとして使用することができる。
かかる基材としては、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の非吸収性基材、紙等の吸収性基材等が挙げられるが、これらの中でも非吸収性基材が好ましく、特に好ましくは塩化ビニルである。
本発明の水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョンは、高粘度向けプリンタヘッドで使用するための水性インクジェットインク組成物として有用である。
以下、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
なお、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
下記の平均粒子径は上記の方法により測定したものである。
[実施例1]
<水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョン(E1)の製造>
メチルメタクリレート95部、ブチルアクリレート5部からなる単量体成分[I]を、水40部に非反応性界面活性剤を3.5部〔花王社製;商品名「エマルゲン 1135S−70」(ノニオン型非反応性界面活性剤)2部、Clariant社製;商品名「Emulsogen EPA073」(アニオン型非反応性界面活性剤)1.5部〕を溶解した水溶液中に添加し、撹拌することで乳化モノマー組成物を作製した。
次いで、温度計、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管および滴下ロートを備えたガラス製反応容器に水173部、非反応性界面活性剤1部〔Clariant社製;商品名「Emulsogen EPA073」(アニオン型非反応性界面活性剤)〕を仕込み、撹拌して溶解させ、73℃まで昇温した。そこに上記乳化モノマーの5%を投入し撹拌し、3%過硫酸カリウムを1.3部添加し初期重合を行った。その後、80℃に温度を保ちつつ3%過硫酸カリウム5.3部と残りの上記乳化モノマー組成物を3時間30分かけて滴下しながら重合反応を進行させた。滴下終了後、60分間反応を行ない1段目の重合を終了した。
次いで、メチルメタクリレート2.8部、メタクリル酸2.4部からなる単量体成分[II]を3%過硫酸カリウム0.87部と同時に添加し2段目の重合を開始させた。滴下終了後5%アンモニア水溶液を用いてpH6に調整した後1時間反応を熟成した。その後50℃に冷却し更に1時間撹拌を続けた。引き続き室温へと冷却した後、防腐剤(ソー・ジャパン社製;商品名「Acticide MBS」)を0.5部添加して、乳白色の水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョン(E1)(固形分濃度30%、平均粒子径70nm、樹脂酸価14mgKOH/g、ガラス転移温度95℃)を得た。
[比較例1]
<水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョン(E1’)の製造>
メチルメタクリレート85部、ブチルアクリレート15部、メタクリル酸2.2部からなる単量体成分を、水36部に反応性界面活性剤を3部〔アデカ社製;商品名「アデカリアソープSR-10」(アニオン型反応性界面活性剤)1部、第一工業製薬社製;商品名「アクアロンKH-10」(アニオン型反応性界面活性剤)2部〕を溶解した水溶液中に添加し、撹拌することで乳化モノマー組成物を作製した。
次いで、温度計、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管および滴下ロートを備えたガラス製反応容器に水80部、反応性界面活性剤1部(アデカ社製;商品名「アデカリアソープSR-10」)を仕込み、撹拌して溶解させ、73℃まで昇温した。そこに上記乳化モノマーの5%を投入し撹拌し、3%過硫酸カリウムを2.2部添加し初期重合を行った。その後、80℃に温度を保ちつつ3%過硫酸カリウム4.4部と残りの上記乳化モノマー組成物を4時間かけて滴下しながら重合反応を進行させた。滴下終了後10%アンモニア水溶液を用いてpH6に調整したのち1時間反応を熟成した。
その後50℃に冷却し、更に1時間撹拌を続けた。引き続き室温へと冷却した後、防腐剤(Clariant社製;商品名「NIPACIDE BIT 20」)を0.5部添加して、乳白色の水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョン(E1’)(固形分濃度41%、平均粒子径105nm、樹脂酸価12mgKOH/g、ガラス転移温度80℃)を得た。
上記得られた実施例1および比較例1の水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョンを用いて、下記の通り測定した。
<NMRスペクトルの測定方法>
NMRスペクトル(AsおよびAtを含む)は、NMR測定装置(Bruker社製、AVANCE III 400WB)により、20℃の温度下、4mmΦ固体CP/MASプローブと、4mmHRMAS試料管とを用い測定を行った。なお、測定条件は、下記表2に記載した通りで行った。
Figure 2014141672
<酸性基含有モノマーの含有モル比率の算出方法>
酸性基含有モノマーの含有モル比率は、上記NMR測定により得られたスペクトルについて下記の区間186.5〜181.8ppmおよび181.8〜171.8ppmで区切り、それぞれの面積比から積分値AおよびBを算出し、これを下記〔数2〕の式に適用することにより、酸性基含有モノマーの含有モル比率を算出した。
・積分値A…メタクリル酸のCO(186.5〜181.8ppm)
・積分値B…メチルメタクリレート+ブチルアクリレートのCO(181.8〜171.8ppm)
〔数2〕
メタクリル酸の含有モル比率(mol%) = 100 × A/(A+B)
アクリル系樹脂エマルジョン(E1)と(E1’)中の酸性基含有モノマーであるメタクリル酸のモル比率を、上記NMR測定および酸性基含有モノマーの含有モル比率算出方法により算出し、得られたAs,Atおよび「As/At」を下記表3に示す。
Figure 2014141672
つぎに、上記得られたアクリル系樹脂エマルジョン(E1),(E1’)を用いて、水性インクジェットインク組成物を製造する。
<水性インクジェットインク組成物(C1)の製造>
実施例1で得られた水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョン(E1)9部(固形分量)に対して、造膜助剤として2−ピロリドン10部とプロピレングリコールモノプロピルエーテル10部、濡れ剤(Evonik Tego社製、Wet 260)0.5部、水70.5部を撹拌下配合した後に、10%アンモニア水を用いてpH7.8になるように調整し、水性インクジェットインク組成物(C1)を得た。
<水性インクジェットインク組成物(C1’)の製造>
比較例1で得られた水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョン(C1’)9部(固形分量)に対して、造膜助剤として2−ピロリドン10部とプロピレングリコールモノプロピルエーテル10部、濡れ剤(Evonik Tego社製、Wet 260)0.5部、水70.5部を撹拌下配合した後に、10%アンモニア水を用いてpH7.8になるように調整し、水性インクジェットインク組成物(C1’)を得た。
<粘度評価>
B型粘度計(東機産業株式会社製、TVB10、23℃、ローターNo.1、回転数60rpm)を用いて、水性インクジェットインク組成物(C1)および(C1’)の粘度を測定した。測定結果は後記の表4に示す。
なお、水性インクジェットインク組成物の適正粘度は4〜30mPa・s程度であり、中でも10mPa・s以上の場合を高粘度の水性インクジェットインク組成物とみなされる。ここで、上記得られた水性インクジェットインク組成物(C1’)は適正粘度範囲外であるためバーコーターにて適正に塗工できなかった。そこで、この水性インクジェットインク組成物(C1’)の粘度を、適正粘度とするべく増粘剤を配合した。
<水性インクジェットインク組成物(C2’)の製造>
水性インクジェットインク組成物(C1’)に、水性インクジェットインク組成物(C1’)全量に対して10重量%の増粘剤(東邦化学工業社製:ビスマルYK−1)を配合して、水性インクジェットインク組成物(C1)と同粘度のインク組成物である水性インクジェットインク組成物(C2’)を得た。
上記で得られた水性インクジェットインク組成物(C1)および(C2’)について、下記の通り光沢性を評価した。
<光沢性評価>
水性インクジェットインク組成物(C1)および(C2’)を、ポリ塩化ビニル(PVC)シート(Metamark社製 MD5)にバーコーターNo.4(wet 9.1 mm (micrometer)厚)を用いて塗工した。その後100℃のオーブンに20分間入れ造膜・乾燥させた塗工面を得た。
得られた塗工面について、光沢計(BYK Gardner社製:「Micro−TRI−gloss 4520」)を用いて、20°光沢と60°光沢を測定した。
評価基準は以下の通りであり、結果は下記表4に示す。
なお、基材シートであるPVCシートの光沢度は、20°光沢が70(△)、60°光沢が90(○)である。
(評価)
○…光沢度80以上。
△…光沢度40以上〜80未満。
×…光沢度0〜40未満。
Figure 2014141672
上記表4の結果から、実施例1の水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョン(E1)は、最終段階の重合において他の段階よりも多くの酸性基含有モノマーを含む単量体成分を用いて重合することにより、アクリル系樹脂粒子の表面側が高酸価となり、かかる表面の高酸価成分が溶解しエマルジョン粒子間の相互作用が強まるため、水性インクジェットインク組成物とした際に高粘度とすることができ、更に該組成物から得られるインクジェットインクは光沢性にも優れることがわかった。
一方、比較例1の水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョン(E1’)は、水性インクジェットインク組成物(C1’)とした際の粘度が低いものであり、かかる水性インクジェットインク組成物を増粘剤を用いて高粘度化させたとしても、水性インクジェットインク組成物(C2’)のように、インクジェットインクの光沢性に劣るものであることがわかった。
本発明の水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョンは、水性インクジェットインク組成物として使用した際に、増粘剤を使用せずとも高粘度を示し、かつ、光沢性などのインク特性にも優れた効果を得るため、特に高粘度向けプリンタヘッド用の水性インクジェットインク組成物として有用である。

Claims (5)

  1. 酸価が1〜100mgKOH/gのアクリル系樹脂粒子を含有してなる水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョンであり、
    1Hスピン拡散時間が5msで測定されるアクリル系樹脂粒子の表面領域における酸性基含有モノマーの含有モル比率(As)と、アクリル系樹脂粒子全体における酸性基含有モノマーの含有モル比率(At)との比(As/At)が9以上であることを特徴とする水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョン。
  2. 上記アクリル系樹脂粒子の平均粒子径が、40〜300nmであることを特徴とする請求項1記載の水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョン。
  3. 上記水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョンが、n段階(nは2以上の整数)の重合により得られ、下記の重量比(α)および(β)を備えていることを特徴とする請求項1または2記載の水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョン。
    (α)1段目〜(n−1)段目の重合に使用される酸性基含有モノマー(1a)と、n段目の重合に使用される酸性基含有モノマー(2a)との重量比が、(1a)/(2a)=0/100〜40/60。
    (β)1段目〜(n−1)段目の重合に使用されるモノマーの合計量(X1)と、n段目の重合に使用されるモノマーの合計量(X2)との重量比が、(X1)/(X2)=99/1〜60/40。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性インクジェットインク用アクリル系樹脂エマルジョン、顔料、溶剤および濡れ剤を含むことを特徴とする水性インクジェットインク組成物。
  5. 請求項4記載の水性インクジェットインク組成物をアルカリで処理してなることを特徴とする水性インクジェットインク組成物。
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