JP2012072354A - インクジェット用水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット用水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】保存安定性及び吐出安定性、画像の耐擦過性が高いインクジェット用水性インクを提供する。
【解決手段】ABCトリブロックポリマーと樹脂エマルションを含有するインクジェット用水性インクであって、ブロックAはアルキル基、又はシクロアルキル基から成る(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ブロックBはアルキル基、シクロアルキル基、又はヒドロキシアルキル基から成る(メタ)アクリル酸アルキルエステル、Cは−COOH基、又はそれらの塩を官能基として含み、アルキル基又はシクロアルキル基から成る(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット用水性インク、かかるインクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法に関する。
近年、インクジェット記録方式は、紙などの浸透性の記録媒体への印刷だけではなく、ポリ塩化ビニルやポリエチレンテレフタラートなどのプラスチックを用いた非浸透性の記録媒体への印刷といった応用展開がなされている。従来、非浸透性の記録媒体に用いるインクとしては、非水性の溶剤インクが主流であったが、最近では、環境への安全性がより高い水性インクについても検討がなされている。
非浸透性の記録媒体用のインクとして、水が主溶媒である水性インクを用いる場合は、有機溶剤が主溶媒である非水系の溶剤インクのように記録媒体の表面を溶解させる作用が弱いため、記録媒体と色材を密着させるためのバインダーを更に含有する必要がある。このバインダーとして、樹脂エマルションを含有した水性インクが提案されている(特許文献1)。特許文献1は、インク中に分散されている熱可塑性樹脂と環状アミド化合物を含有するプラスチックフィルム用の水性顔料インクに関する発明である。そして、環状アミド化合物がプラスチックフィルムの表面を溶解すると同時に、水の蒸発により熱可塑性樹脂が成膜することで、フィルムとの密着性が改善することが開示されている。
特開2006−282822号公報
しかしながら、本発明者らの検討の結果、樹脂エマルションを使用した従来の水性顔料インクは、非浸透性の記録媒体への密着性は改善されてはいるものの、インクの保存安定性や吐出安定性などが十分でなかった。また、画像の耐擦過性に関しても要求されるレベルには至っていないことが分かった。
特許文献1では、熱可塑性樹脂をインク中に分散させるために、インク中の水の含有量に対する樹脂の含有量の割合が少なくなっている。そのため、記録媒体に付与される色材の量に対して、得られる樹脂の被膜の量が相対的に少なくなるため、画像に十分な耐擦過性を持たせられない。また、水性インクの保存安定性や吐出安定性の観点から、樹脂の設計を行っていないため、インクの保存安定性及び吐出安定性が不十分であることが分かった。
従って、本発明の目的は、インクの保存安定性及び吐出安定性に優れ、得られた画像の耐擦過性が高いインクジェット用水性インクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記本発明のインクジェット用水性インクを用いたインクカートリッジ及びインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明にかかるインクジェット用水性インクは、ABCトリブロックポリマーと樹脂エマルションを含有するインクジェット用水性インクであって、前記ABCトリブロックポリマーが、下記一般式(1)で表されるユニットを含むAブロック、下記一般式(2)で表されるユニットを含むBブロック、及び下記一般式(3)で表されるユニットを含むCブロックで構成されることを特徴とする。
(一般式(1)中、RA1は水素原子又はメチル基であり、RA2が炭素数1乃至8のアルキル基、又は炭素数4乃至8のシクロアルキル基である。)
(一般式(2)中、RB1が水素原子又はメチル基であり、RB2が炭素数4乃至8のアルキル基、炭素数4乃至8のシクロアルキル基、又は炭素数2乃至8のヒドロキシアルキル基である。)
(一般式(3)中、RC1乃至RC4のうち少なくとも1つは、−COOH基、−RC5−COOH基、又はそれらの塩であり、残りは水素原子、炭素数1乃至8のアルキル基、又は炭素数4乃至8のシクロアルキル基である。RC5は炭素数1乃至5のアルキレン基である。)
本発明によれば、インクの保存安定性及び吐出安定性に優れ、得られた画像の耐擦過性が高いインクジェット用水性インクを提供することができる。また、本発明の別の実施態様によれば、前記インクジェット用水性インクを用いたインクカートリッジ及びインクジェット記録方法を提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明のインクジェット用水性インク(以下「インク」とする)は、特定のABCトリブロックポリマーと樹脂エマルションを含有するという特徴を有する。尚、塩を形成している成分の少なくとも一部はインク中で解離してイオンとして存在することがあるが、本発明においては、便宜上、このことも「塩を含有する」という表現に含む。
本発明者らは、インクの保存安定性及び吐出安定性が高く、更に得られる画像の耐擦過性が高いインクを得るために、インク中に使用する樹脂エマルションを種々検討した。まず、インクの保存安定性及び吐出安定性を高くする方法としては、樹脂エマルションに対する水の含有量を増やす方法や樹脂エマルションを親水性の高い構造にする方法が挙げられる。しかし、前者の場合は、インク中の水の含有量に対する樹脂エマルションの含有量が少なくなるため、特許文献1のように画像の耐擦過性が低下してしまう。また、後者の場合は、記録媒体に付与される色材の量に対して十分な量の樹脂エマルションをインク中に含有することができるが、得られる画像の親水性が高く、画像内に水や水溶性溶剤の残留量が多くなるため、耐擦過性が低下してしまう。つまり、従来公知の方法では、インクの保存安定性及び吐出安定性と、画像の耐擦過性はトレードオフの関係にあった。
上記結果を受けて本発明者らが検討を重ねたところ、樹脂エマルションを含有する水性インクに更に特定のABCトリブロックポリマーを含有するという本発明に至った。一般的に、樹脂エマルションを含有する水性インク中に、更にポリマーを含有すれば、画像の耐擦過性は向上するが、インクの保存安定性及び吐出安定性は更に低下してしまう。しかし、特定のABCトリブロック構造を有するポリマーを用いることで、従来ではトレードオフの関係にあったインクの保存安定性及び吐出安定性と、画像の耐擦過性を両立することが可能であることが分かった。
本発明のインクに使用する特定のABCトリブロックポリマーとは具体的には、下記一般式(1)で表されるユニットを含むAブロック、下記一般式(2)で表されるユニットを含むBブロック、及び下記一般式(3)で表されるユニットを含むCブロックで構成される。
(一般式(1)中、RA1は水素原子又はメチル基であり、RA2が炭素数1乃至8のアルキル基、又は炭素数4乃至8のシクロアルキル基である。)
(一般式(2)中、RB1が水素原子又はメチル基であり、RB2が炭素数4乃至8のアルキル基、炭素数4乃至8のシクロアルキル基、又は炭素数2乃至8のヒドロキシアルキル基である。)
(一般式(3)中、RC1乃至RC4のうち少なくとも1つは、−COOH基、−RC5−COOH基、又はそれらの塩であり、残りは水素原子、炭素数1乃至8のアルキル基、又は炭素数4乃至8のシクロアルキル基である。RC5は炭素数1乃至5のアルキレン基である。)
本発明のインクに使用するABCトリブロックポリマーのうち、Aブロックは樹脂エマルションとの親和性が高いブロックであり、Cブロックは分散媒体であるインク中の水や水性媒体との親和性(親水性)が高いブロックである。更に、本発明のインクに使用するABCトリブロックポリマーは、Cブロックよりも親水性が低いBブロックを、AブロックとCブロックの間に有する。
そして、樹脂エマルションを含有するインク中において、本発明のインクに使用するトリブロックポリマーは、その分子鎖の片方がAブロックを介してインク中の樹脂エマルションの粒子表面に吸着し、もう片方がCブロックによって分散媒体中に配向する構造をとる。ABCトリブロックポリマーがこのような構造をとることで、樹脂エマルションは表面がアニオン性に帯電したように振る舞い、それぞれの粒子同士の斥力によって、樹脂エマルションはインク中に安定に分散するため、インクの保存安定性が向上する。更に、吐出の際にインクに加わる熱や圧力などによって、分散安定性が崩れて吐出口近辺に析出するような樹脂エマルションが少なくなるため、インクの吐出安定性も向上する。このとき、本発明のインクに使用するABCトリブロックポリマーと異なり、Bブロックを介せずにAブロックとCブロックが直接結合したようなACジブロックポリマーを用いた場合は、上述のインクの保存安定性や吐出安定性の向上効果は得られない。この理由は明らかではないが、本発明者らは以下のように考えている。ACジブロックポリマーを用いた場合、AブロックとCブロックが近接して存在するため、Cブロックは樹脂エマルション表面近傍に存在することになり、十分に分散媒体中に拡がった構造をとれない。また、Aブロックが樹脂エマルション粒子の表面に吸着する際に、一部のCブロックも巻き込んで吸着するポリマー分子鎖が存在する。このような現象により、ACジブロックポリマーでは、Cブロックを有することによる効果が十分に発現しないと考えられる。
以上のメカニズムのように、本発明のインクの各構成が有効に働くことによって、従来公知の方法ではトレードオフの関係にあったインクの保存安定性及び吐出安定性と、画像の耐擦過性を両立することが可能となるものである。尚、本発明のインクは、非浸透性の記録媒体に対して用いた場合に、上述の本発明の効果が顕著に得られ、より好ましい。また、インク受容層を有する記録媒体や普通紙などの記録媒体に対して用いた場合にも、十分に本発明の効果が得られる。
[インク]
以下、本発明のインクを構成する各成分について、それぞれ説明する。
<ABCトリブロックポリマー>
本発明において「ABCトリブロックポリマー」とは、Aブロック、Bブロック、Cブロックの異なる3種類のポリマーを、ABCの順番で共有結合によって連結させた構造を有するポリマーを意味する。尚、それぞれのブロックは1種類のモノマーを単重合させたポリマーでも、2種以上のモノマーをランダム共重合させたランダムポリマーでもよく、他の2つのブロックと異なるポリマーでありさえすればよい。しかし、例えばAブロックが更に2元のブロックポリマーとなっている場合のように、それぞれのブロックが2種以上のモノマーのブロックポリマーであるものは、本発明における「ABCトリブロックポリマー」には含まない。尚、以下「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」と記載した場合は、それぞれ「アクリル酸、メタクリル酸」、「アクリレート、メタクリレート」を示すものとする。
(Aブロックを構成するモノマー)
重合により上記一般式(1)で表されるユニットを含むAブロックを構成するモノマーとしては、一般式(4)で表される化合物が挙げられる。
(一般式(4)中、RA1は水素原子又はメチル基であり、RA2が炭素数1乃至8の直鎖若しくは分岐アルキル基、又は炭素数4乃至8のシクロアルキル基である。)
一般式(4)で表される化合物としては、(メタ)アクリル酸と、炭素数1乃至8の直鎖若しくは分岐アルキルアルコール、又は炭素数4乃至8のシクロアルキルアルコールを用いて合成される(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。本発明においては、上記一般式(4)で表される化合物のうちの1種のみを単重合させてAブロックを構成してもよく、又は2種以上をランダム共重合することでAブロックを構成してもよい。また、一般式(4)で表される化合物と後述の「その他のモノマー」をランダム共重合することでAブロックを構成してもよい。その場合は、「その他のモノマー」の含有量(質量%)は、Aブロックの含有量(質量%)を基準として、35.0質量%以下が好ましい。
本発明においては、一般式(4)で表される化合物のみを重合させてAブロックを形成すること、即ち、Aブロックの含有量(質量%)を基準としたときの「その他のモノマー」の含有量が0質量%であることが好ましい。また、樹脂エマルションとの親和性の観点から、Aブロックを構成するユニットは、樹脂エマルションを構成するユニットと同種のものを用いることが好ましい。
ABCトリブロックポリマーに占めるAブロックの割合(質量%)は、ABCトリブロックポリマー全質量を基準として、40.0質量%以上80.0質量%以下が好ましい。40.0質量%未満の場合、樹脂エマルションとの親和性が高いセグメントが少なくなり、インクの吐出安定性の向上効果が十分に得られない場合がある。また、80.0質量%より多い場合は、樹脂エマルションとの親和性が高いセグメントが多くなり、相対的に親水性の高いセグメントが少なくなるため、インクの吐出安定性の向上効果が十分に得られない場合がある。
(Bブロックを構成するモノマー)
重合により上記一般式(2)で表されるユニットを含むBブロックを構成するモノマーとしては、一般式(5)で表される化合物が挙げられる。
(一般式(5)中、RB1が水素原子又はメチル基であり、RB2が炭素数4乃至8の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数4乃至8のシクロアルキル基、又は炭素数2乃至8のヒドロキシアルキル基である。)
一般式(5)で表される化合物としては、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−メチル−5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが挙げられる。本発明においては、上記一般式(5)で表される化合物のうちの1種のみを単重合させてBブロックを構成してもよく、又は2種以上をランダム共重合することでBブロックを構成してもよい。また、所望の物性が得られるように、一般式(5)で表される化合物と後述の「その他のモノマー」をランダム共重合することでBブロックを構成してもよい。「その他のモノマー」の含有量(質量%)は、Bブロックの含有量(質量%)を基準として、35.0質量%以下が好ましい。また、Bブロックの含有量(質量%)は、ABCトリブロックポリマー全質量を基準として、2.7質量%以上53.0質量%以下が好ましい。
また、本発明においては、一般式(5)で表される化合物と、後述の「その他のモノマー」の中でも(メタ)アクリル酸のような酸性モノマーをランダム共重合してBブロックを形成することが特に好ましい。その場合は、Bブロックの酸価がCブロックの酸価より小さい必要がある。Bブロックがこのような構造であると、BブロックはAブロックとCブロックの中間の親水性を持つため、AブロックとCブロックの機能分離がより明確に起き、上記の本発明の効果をより高いレベルで達成することが可能となる。尚、「Bブロックの酸価(mgKOH/g)」とは、Bブロックと同じ組成で構成されるポリマーを仮定し、そのポリマー1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)を意味する。Aブロックの酸価、Cブロックの酸価に関しても同様に定義するものとする。
(Cブロックを構成するモノマー)
重合により上記一般式(3)で表されるユニットを含むCブロックを構成するモノマーとしては、一般式(6)で表される化合物が挙げられる。
(一般式(6)中、RC1乃至RC4のうち少なくとも1つは、−COOH基、−RC5−COOH基、又はそれらの塩であり、残りは水素原子、炭素数1乃至8の直鎖若しくは分岐アルキル基、又は炭素数4乃至8のシクロアルキル基である。RC5は炭素数1乃至5の置換又は無置換のアルキレン基である。)
一般式(6)で表される化合物としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸、その誘導体、及びその塩が挙げられる。塩としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)塩、アンモニウム塩及び有機アンモニウム塩などが挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸が好ましい。塩としては、ナトリウム塩又はカリウム塩が好ましい。本発明においては、上記一般式(6)で表される化合物のうちの1種のみを単重合させてCブロックを構成してもよく、又は2種以上をランダム共重合することでCブロックを構成してもよい。また、所望の物性が得られるように、一般式(6)で表される化合物と後述の「その他のモノマー」をランダム共重合することでCブロックを構成してもよい。その場合は、「その他のモノマー」の含有量(質量%)は、Cブロックの含有量(質量%)を基準として、35.0質量%以下が好ましい。本発明においては、一般式(6)で表される化合物のみを重合させてCブロックを形成すること、即ち、Cブロックの含有量(質量%)を基準としたときの「その他のモノマー」の含有量が0質量%であることが好ましい。Cブロックの含有量(質量%)は、ABCトリブロックポリマー全質量を基準として、2.0質量%以上16.0質量%以下が好ましい。
(その他のモノマー)
本発明のインクに使用するABCトリブロックポリマーを構成するA〜Cの各ブロックは、本発明の効果が得られる範囲であれば、それぞれ上記の一般式(4)〜(6)で表される化合物と「その他のモノマー」をランダム共重合することで得てもよい。その場合は「その他のモノマー」の含有量(質量%)は、「その他のモノマー」を用いるブロックの含有量(質量%)を基準として、35.0質量%以下が好ましい。
「その他のモノマー」としては、具体的に、(メタ)アクリル酸;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、N,Nジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル化合物;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルプロピル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド(メタ)アクリロイルモルホリンなどの(メタ)アクリル酸アルキルアミド化合物;N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾールなどの含窒素ビニル化合物などが挙げられる。
(トリブロックポリマーの合成方法)
本発明のインクに使用するトリブロックポリマーは、上記で説明した構造を有せばよく、その合成方法としては、従来、一般的に用いられている方法を何れも用いることができる。具体的には、リビングラジカル重合法やリビングアニオン重合法など従来公知の方法が挙げられる。また、トリブロックポリマーの分子鎖中に酸性モノマー由来のブロック構造を導入する方法としては、酸性モノマーを用いて重合する方法や、酸性モノマーのアルキルエステルモノマーを用いて重合した後にアルキルエステル基を加水分解する方法が挙げられる。
(トリブロックポリマーの分析方法)
得られたトリブロックポリマーの組成、分子量に関しては、従来公知の方法により分析を行うことができる。また、トリブロックポリマーを含有するインクからも、インクを遠心分離し、その沈降物と上澄み液を調べることで分析することができる。尚、インクの状態でも分析は行うことができるが、トリブロックポリマーを分離しておくと、精度がより高まる。具体的な手法としては、インクを75,000rpmで遠心分離し、その上澄み液からトリブロックポリマーを抽出する。分離したトリブロックポリマーを高温ガスクロマトグラフィー/質量分析計(高温GC/MS)を用いて分析することで、トリブロックポリマーを構成しているユニットの種類を確認できる。また、分離したトリブロックポリマーを核磁気共鳴法(13C−NMR)やフーリエ変換型赤外分光光度計(FT−IR)によって定量的に分析し、これらの化合物の分子量や種類や含有量を確認することができる。また、トリブロックポリマーの酸価は滴定法により測定することができる。後述する実施例では、ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、電位差自動滴定装置AT510(京都電子工業製)を用いて、水酸化カリウムエタノール滴定液によって電位差滴定することで、測定することができる。また、トリブロックポリマーの重量平均分子量及び数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により得られる。本発明におけるGPCの測定条件は以下の通りである。
・装置:Alliance GPC 2695(Waters製)
・カラム:Shodex KF−806Mの4連カラム(昭和電工製)
・移動相:THF(特級)
・流速:1.0mL/min
・オーブン温度:40.0℃
・試料溶液の注入量:0.1mL
・検出器:RI(屈折率)
・ポリスチレン標準試料:PS−1及びPS−2(Polymer Laboratories製)
(分子量:7,500,000、2,560,000、841,700、377,400、320,000、210,500、148,000、96,000、59,500、50,400、28,500、20,650、10,850、5,460、2,930、1,300、580の17種)。後述する実施例においても、上記の条件で測定を行った。
(トリブロックポリマーの特性)
本発明のインクに使用するABCトリブロックポリマーは、GPCにより得られるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が、1,000以上30,000以下であることが好ましい。より好ましくは1,000以上10,000以下、更に好ましくは2,000以上10,000以下である。数平均分子量が1,000未満であるとトリブロックポリマーの水溶性が増加し、得られる画像内に水や水溶性溶剤の残留量が多くなるため、画像の耐擦過性の向上効果が十分に得られない場合がある。数平均分子量が30,000より大きいと、トリブロックポリマーの水溶性が低下するため、インクの吐出安定性の向上効果が十分に得られない場合がある。
また、ABCトリブロックポリマーのGPCにより得られる分子量分布が、1.0≦(ポリスチレン換算の重量平均分子量:Mw)/(ポリスチレン換算の数平均分子量:Mn)≦2.0であることが好ましい。尚、分子量分布の値は原理的に1.0以上であり、この値が1.0に近づくほど単分散であることを意味する。一方、分子量分布が2.0より大きいと、インクの保存安定性の向上効果が十分に得られない場合がある。
本発明のインクに使用するABCトリブロックポリマーの酸価は、20mgKOH/g以上100mgKOH/g以下、更には、40mgKOH/g以上80mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価が20mgKOH/g未満であると、樹脂エマルション粒子が十分な親水性を有さず、インクの吐出安定性の向上効果が十分に得られない場合がある。また、酸価が100mgKOH/gより大きいと、樹脂エマルション粒子の親水性が高く、得られる画像内に水や水溶性溶剤の残留量が多くなるため、画像の耐擦過性の向上効果が十分に得られない場合がある。
また、本発明のインクに使用するABCトリブロックポリマーの親水性は、ABCトリブロックポリマーのGPCにより得られるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)の酸価に対する比(Mn/酸価)により、評価することができる。本発明においては、Mn/酸価の値が、50以上300以下であることが好ましい。50未満であると、ABCトリブロックポリマーの酸価に対する分子量が小さいため、トリブロックポリマーの親水性が高く、得られる画像内に水や水溶性溶剤の残留量が多くなるため、画像の耐擦過性の向上効果が十分に得られない場合がある。また、300よりも大きい場合は、トリブロックポリマーの親水性が低く、樹脂エマルションが十分な親水性を有さず、インクの吐出安定性の向上効果が十分に得られない場合がある。
本発明のインクに使用するABCトリブロックポリマーに占めるAブロックの割合が、ポリマー中に含まれる全ての酸性モノマー由来のセグメントの割合に対して、ABCトリブロックポリマー全質量を基準として3.5倍以上30.0倍以下であることが好ましい。3.5倍未満であると、ABCトリブロックポリマーの親水性が高く、得られる画像内に水や水溶性溶剤の残留量が多くなるため、画像の耐擦過性の向上効果が十分に得られない場合がある。また、30.0倍より大きいと、樹脂エマルションへの親和性を制御するAブロックのCブロックに対する比率が大きくなるため、樹脂エマルションが十分な親水性を有さず、インクの吐出安定性の向上効果が十分に得られない場合がある。インク中のABCトリブロックポリマーの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下であることが好ましい。
<樹脂エマルション>
本発明において「樹脂エマルション」とは、水中に分散している状態で存在するポリマー微粒子を意味する。具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステルや(メタ)アクリル酸アルキルアミドなどのモノマーを乳化重合するなどして合成したアクリルエマルション;(メタ)アクリル酸アルキルエステルや(メタ)アクリル酸アルキルアミドなどとスチレンのモノマーを乳化重合するなどして合成したスチレン−アクリルエマルション;ポリエチレンエマルション、ポリプロピレンエマルション、ポリウレタンエマルション、スチレン−ブタジエンエマルションなどが挙げられる。また、樹脂エマルションを構成するコア部とシェル部でポリマーの組成が異なるコアシェル型樹脂エマルションや、粒径を制御するために予め合成したアクリル系微粒子をシード粒子とし、その周辺で乳化重合することにより得られるエマルションなどでもよい。更には、アクリル樹脂エマルションとウレタン樹脂エマルションなど異なる樹脂エマルションを化学的に結合させたハイブリッド型樹脂エマルションなどでもよい。
樹脂エマルションを構成するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどのアルキルアルコールと(メタ)アクリル酸から合成される(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルプロピル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド(メタ)アクリロイルモルホリンなどの(メタ)アクリル酸アルキルアミドが挙げられる。本発明においては、Aブロックとの親和性の観点から、Aブロックを構成するユニットと同種のものを用いて樹脂エマルションを合成することが好ましい。
本発明のインクに使用する樹脂エマルションの分子量は、GPCにより得られるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が、100,000以上3,000,000以下、更には300,000以上2,000,000以下であることが好ましい。
本発明のインクに使用する樹脂エマルションの平均粒径は、50nm以上250nm以下であることが好ましい。平均粒径が50nm未満であると、単位体積当たりの樹脂エマルション粒子の表面積が大きくなり、粒子間の凝集力が大きくなるため、保存安定性の向上効果が十分に得られない場合がある。また、平均粒径が250nmより大きいと、樹脂エマルションのインク中での沈降速度が速くなるため、インクの吐出安定性や保存安定性の向上効果が十分に得られない場合がある。
本発明のインクに使用する樹脂エマルションのガラス転移温度(Tg)は、40℃以上90℃以下であることが好ましい。更には、50℃以上80℃以下であることがより好ましい。Tgが40℃未満であると、樹脂が軟らかく、得られた画像の耐擦過性の向上効果が十分得られない場合がある。また、Tgが90℃より高いと樹脂エマルションの最低造膜温度も高くなるため、記録媒体に付与された樹脂が軟化しにくく、画像の定着性が十分でない場合がある。これらの観点から、樹脂エマルションのTgが40℃以上90℃以下の範囲となり得る、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートを用いた樹脂エマルションを用いることが好ましい。
本発明のインクに使用する樹脂エマルションの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として0.1質量%以上10.0質量%以下が好ましい。更には、2.0質量%以上8.0質量%以下がより好ましい。0.1質量%未満であると、画像の耐擦過性の向上効果が十分に得られない場合がある。また、10.0質量%より大きいと、インクの粘度が上昇し、インクの吐出安定性の向上効果が十分に得られない場合がある。
本発明のインクに使用する樹脂エマルションのインク全質量を基準とした含有量(質量%)が、本発明のインクに使用するABCトリブロックポリマーのインク全質量を基準とした含有量(質量%)に対して、1.0倍以上10.0倍以下であることが好ましい。1.0倍未満であると、画像の耐擦過性の向上効果が十分に得られない場合がある。また、10.0倍より大きいと、樹脂エマルションを安定に分散させるABCトリブロックポリマーの含有量が相対的に低くなるためインクの保存安定性及び吐出安定性の向上効果が十分に得られない場合がある。
<色材>
本発明のインクは、更に色材を含有してもよい。用いられる色材としては、顔料及び染料が挙げられる。顔料及び染料としては、従来公知のものを何れも使用することができる。色材の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上20.0質量%以下が好ましく、更には1.0質量%以上12.0質量%以下とするのがより好ましい。特に、耐候性の観点から、色材として顔料を用いることが好ましい。尚、色材として顔料を用いる場合、分散剤として樹脂を用いる樹脂分散タイプの顔料(高分子分散剤を使用した樹脂分散顔料、顔料粒子の表面を樹脂で被覆したマイクロカプセル顔料、顔料粒子の表面に高分子を含む有機基が化学的に結合したポリマー結合自己分散顔料)や顔料粒子の表面に親水性基を導入した自己分散タイプの顔料(自己分散顔料)が挙げられる。無論、分散方法の異なる顔料を併用することも可能である。具体的な顔料としては、カーボンブラックや有機顔料を用いることが好ましい。また、顔料は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のインクが色材を含有する場合、色材のインク全質量を基準とした含有量(質量%)が、本発明のインクに使用する樹脂エマルションのインク全質量を基準とした含有量(質量%)に対して、0.1倍以上1.0倍以下であることが好ましい。0.1倍未満であると、インク中の樹脂エマルションの含有量が多くなりインクの粘度が上昇するため、インクの吐出安定性及び保存安定性の向上効果が十分に得られない場合がある。また、1.0倍よりも大きいと、色材に対する樹脂エマルションの相対量が少なく、画像の耐擦過性の向上効果が十分に得られない場合がある。
<水性媒体>
本発明のインクは、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有する。水とは、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。また、水溶性有機溶剤としては、例えば、炭素数1乃至4のアルキルアルコール類、アミド類、ポリアルキレングリコール類、グリコール類、アルキレン基の炭素原子数が2乃至6のアルキレングリコール類、多価アルコール類、多価アルコールのアルキルエーテル類、含窒素化合物類などが挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下、更には30.0質量%以上80.0質量%以下であることが好ましい。また、インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下、更には3.0質量%以上40.0質量%以下であることが好ましい。
<その他の成分>
本発明のインクは、上記の成分以外にも必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及びその他の樹脂などの種々の添加剤を含有してもよい。このような添加剤のインク中における含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.05質量%以上10.0質量%以下、更には0.2質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
本発明のインクは、更にフッ素系やシリコーン系の界面活性剤を含有することが好ましい。フッ素系やシリコーン系の界面活性剤は、少量の含有量でもインクの表面張力を低下させることができるため、インクの記録媒体への濡れ性を高めることができる。これにより、非浸透性の記録媒体に記録を行う際も、インクが記録媒体上で弾かれる現象が抑制され、画像品質をより向上することができる。フッ素系やシリコーン系の界面活性剤としては、例えば、Zonyl FSO、Zonyl FSO100、Zonyl FSN、Zonyl FSN100(以上、Dupont製)、メガファックF−410、メガファックF−493、メガファックF−443、メガファックF−444、メガファックF−445(以上、DIC製)、Novec FC−4430、Novec FC−4432(以上、3M製)、フタージェント100、フタージェント150、フタージェント150CH、フタージェント250、フタージェント400SW、フタージェント501(以上、ネオス製)、KS508、KP360A、KP360A(以上、信越シリコーン製)、FZ−2191、FZ−2123、8211ADDITIVE(以上、東レダウコーニング製)などが挙げられる。
また、本発明のインクのpHは、7.0以上10.0以下の範囲とするのが好ましい。インクのpHを酸性領域(pH7.0未満)とすると、ABCトリブロックポリマー中のアニオン性基(例えば、カルボキシラートイオン基)が、プロトンを受け取り電気的に中性となった官能基(例えば、カルボキシル基)が多く存在するようになる。そのため、ABCトリブロックポリマー間の斥力が小さくなり、樹脂エマルション粒子の分散安定性の向上効果が十分に得られない場合がある。一方、インクのpHが高すぎると、インクジェット記録装置を構成する部材などの腐食が発生する場合があるために、インクのpHは10.0以下とすることが好ましい。pH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン;水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;有機酸や無機酸などが挙げられる。尚、インクのpHは、25℃における値であり、一般的なpHメータを用いて測定することができる。
[インクカートリッジ]
本発明のインクカートリッジは、インクを収容するインク収容部を備えてなり、前記インク収容部に、上記で説明した本発明のインクが収容されてなるものである。インクカートリッジの構造としては、インク収容部が、液体のインクを収容するインク収容室、及び負圧によりその内部にインクを保持する負圧発生部材を収容する負圧発生部材収容室で構成されるものが挙げられる。又は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容量の全量を負圧発生部材により保持する構成のインク収容部であるインクカートリッジであってもよい。更には、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
[インクジェット記録方法]
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット方式の記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体に画像を形成する工程を有するインクジェット記録方法であり、前記画像形成工程に上記で説明した本発明のインクを使用するものである。本発明においては特に、インクに熱エネルギーを作用させて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる方式のインクジェット記録方法が好ましい。尚、本発明における「記録」とは、インク受容層を有する記録媒体や普通紙などの記録媒体に対して本発明のインクを用いて記録する態様、ガラス、プラスチック、フィルムなどの非浸透性の記録媒体に対して本発明のインクを用いてプリントを行う態様を含む。特に、本発明のインクを非浸透性の記録媒体に対して用いた場合に本発明の効果が顕著に得られるため、より好ましい。
また、本発明においては、記録媒体の加熱工程を有することが好ましい。これは、加熱工程により水性媒体の蒸発が促進されるため、得られる画像中に水性媒体が残留することを抑制することができ、画像の耐擦過性を向上することができるからである。また、記録媒体の加熱工程は、前記画像形成工程の前でも後でもよいが、インクを記録媒体に付与する前に記録媒体を加熱する工程を有する方が好ましい。これは、インクが記録媒体に付与された瞬間に水性媒体の蒸発が起きることで、隣接するインク液滴間での色材の流動が抑えられるため、得られる画像の画質がより向上するからである。尚、「インクを記録媒体に付与する前に記録媒体を加熱する」とは、加熱された記録媒体にインク液滴が付与されさえすればよく、このような条件を満たすのであれば、記録媒体を加熱しながら記録を行う場合も含まれる。具体的には、プラテンを熱で変形しにくいダイカスト製法で作製したアルミニウム合金とし、プラテン下部にニッケル合金製ヒーターを配置し、プラテンを加熱することで記録媒体を加熱しながら記録を行う方法などが挙げられる。また、インクを記録媒体に付与する前に記録媒体を加熱する工程に加えて、更に、インクを記録媒体に付与した後に加熱工程を設けることもできる。インクを記録媒体に付与した後に加熱工程を更に設けることで、記録媒体に付与されたインク液滴の乾燥や樹脂エマルションの造膜をさらに促進させ、インクの記録媒体への定着性をより向上させることができる。尚、非浸透性の記録媒体を用いる場合は、何れの加熱工程においても、記録媒体の軟化温度より低い温度で加熱することが好ましい。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。尚、略称は以下の通りである。
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
MMA:メチルメタクリレート
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
nBA:n−ブチルアクリレート
nBMA:n−ブチルメタクリレート
tBMA:tert−ブチルアクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
iPMA:イソプロピルメタクリレート
nNMA:n−ノニルメタクリレート
BzMA:2−ベンジルメタクリレート
ETEGMA:エトキシトリエチレングリコールメタクリレート
<ポリマー水溶液の調製>
(ポリマー水溶液1〜71、77〜81の調製)
下記の重合法I又は重合法IIを用いて、表1及び表2の仕込みでポリマー水溶液1〜71、77〜81を調製した。
(重合法I)
リチウム0.47gを加えたテトラヒドロフラン(THF)160g中に、窒素雰囲気下、重合温度T(℃)でn−ブチルリチウム溶液1.73gを加え、続いてモノマーxを加え40分間撹拌した。その後、ジエチル亜鉛溶液3.08gを加え1分間撹拌し、モノマーxの重合溶液を得た。続いて、THF11g中にモノマーyを加えたものに、ジエチル亜鉛溶液4.53gを4回に分けて加えたモノマーy溶液を、モノマーxの重合溶液に6分かけて滴下し、滴下終了後60分間撹拌し、XYジブロックポリマー水溶液を得た。更に、THF11g中にモノマーzを加えたものに、ジエチル亜鉛溶液4.53gを4回に分けて加えたモノマーz溶液を、XYジブロックポリマー水溶液に6分かけて滴下し、滴下終了後60分間撹拌し、更に酢酸1.3gを加え反応を停止させた。この溶液に35.0%塩酸水溶液を2.8g加え、室温で10分間撹拌し、純水で3回洗浄後、乾燥させて、XYZトリブロックポリマーを得た。
得られたXYZトリブロックポリマーの数平均分子量を、GPCを用いて上述の条件で測定した。また、それぞれのポリマーについて、プロトン核磁気共鳴(H−NMR)分光法により、カルボキシル基の化学シフトMAA値δ:12〜13にピークが存在したことから、tBMAが加水分解されていることを確認した。更に、H−NMR測定により各ブロックを構成するモノマー構成比を分析した。また、酸価はXYZトリブロックポリマーをTHFに溶解し、0.5mol/LのKOHエタノール溶液を滴定試薬として、電位差自動滴定装置AT510(京都電子工業製)によって測定した。得られたXYZトリブロックポリマーをTHFに溶かしたものに、ポリマーのアニオン性基の中和率がモル基準で80%となるように水酸化カリウム水溶液を加え、更に適量の水を加えて撹拌した後、減圧条件下にてTHFを除去し、水を加えて25.0質量%のポリマー水溶液を得た。
(重合法II)
窒素置換したグローブボックス内で、モノマーxとエチル−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピオネート24.8mgを、重合温度T(℃)で30時間反応させた。反応終了後、続いてモノマーyを添加し、重合温度T(℃)で30時間反応させた。反応終了後、モノマーzを添加し、重合温度T(℃)で30時間反応させた。反応終了後、クロロホルム5mLに溶解した後、その溶液を撹拌している水/メタノール混合溶液300mL(水:メタノール=1:4)中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりXYZトリブロックポリマーを得た。
得られたXYZトリブロックポリマーの分子量を、GPCを用いて上述の条件で測定した。更に、H−NMR分光法により、各ブロックを構成するモノマー構成比を分析した。また、酸価はXYZトリブロックポリマーをTHFに溶解し、0.5mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液を滴定試薬として、電位差自動滴定装置AT510(京都電子工業製)によって測定した。得られたポリマーの溶液にポリマーのアニオン性基の中和率がモル基準で80%となるように水酸化カリウム水溶液を加え、更に適量の水を加えて撹拌した後、減圧条件下にて重合溶媒を除去し、水を加えて25.0質量%のポリマー水溶液とした。
(ポリマー水溶液72の調製)
リチウム0.47gを加えたTHF160g中に、窒素雰囲気下、−50℃でn−ブチルリチウム溶液1.73gを加え、続いてMMA4.52g、nBMA1.16g、tBMA1.28gを加え40分間撹拌した。その後、ジエチル亜鉛溶液3.08gを加え1分間撹拌し、更に、酢酸1.3gを加え反応を停止させた。この溶液に35.0%塩酸水溶液を2.8g加え、室温で10分間撹拌し、純水で3回洗浄後、乾燥して、ランダムポリマーを得た。
得られたランダムポリマーの数平均分子量を、GPCを用いて上述の条件で測定した。また、H−NMR分光法により、カルボキシル基の化学シフトMAA値δ:12〜13にピークが存在したことから、tBMAが加水分解されていることを確認した。更に、H−NMR測定によりモノマー構成比を分析した。また、酸価はランダムポリマーをTHFに溶解し、0.5mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液を滴定試薬として、電位差自動滴定装置AT510(京都電子工業製)によって測定した。得られたランダムポリマーをTHFに溶かしたものに、ポリマーのアニオン性基の中和率がモル基準で80%となるように水酸化カリウム水溶液を加え、更に適量の水を加えて撹拌した後、減圧条件下にてTHFを除去し、水を加えて25.0質量%のポリマー水溶液72を得た。
(ポリマー水溶液73〜76の調製)
下記の重合法を用いて、表3に記載の仕込みでポリマー水溶液73〜76を調製した。リチウム0.47gを加えたTHF160g中に、窒素雰囲気下、−50℃でn−ブチルリチウム溶液1.73gを加え、続いてモノマーxを加え40分間撹拌した。その後、ジエチル亜鉛溶液3.08gを加え1分間撹拌し、モノマーxの重合溶液を得た。続いて、THF11g中にモノマーyを加えたものに、ジエチル亜鉛溶液4.53gを4回に分けて加えたモノマーy溶液を、モノマーxの重合溶液に6分かけて滴下し、滴下終了後60分間撹拌し、更に、酢酸1.3gを加え反応を停止させた。この溶液に35.0%塩酸水溶液を2.8gを加え、室温で10分間撹拌し、純水で3回洗浄後、乾燥して、XYジブロックポリマーを得た。
得られたXYジブロックポリマーの分子量を、GPCを用いて上述の条件で測定した。また、それぞれのポリマーについて、H−NMR分光法により、カルボキシル基の化学シフトMAA値δ:12〜13にピークが存在したことから、tBMAが加水分解されていることを確認した。更に、H−NMR測定により各ブロックを構成するモノマー構成比を分析した。また、酸価はXYジブロックポリマーをTHFに溶解し、0.5mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液を滴定試薬として、電位差自動滴定装置AT510(京都電子工業製)によって測定した。得られたXYジブロックポリマーをTHFに溶かしたものに、ポリマーのアニオン性基の中和率がモル基準で80%となるように水酸化カリウム水溶液を加え、更に適量の水を加えて撹拌した後、減圧条件下にてTHFを除去し、水を加えて25.0質量%のポリマー水溶液73〜76を得た。
(ポリマー水溶液82の調製)
150mLのTHF中の9.05g(10.5mL、51.9mmol)の1−メトキシ−1−トリメチルシロキシ−2−メチル−1−プロペン及び2mLのテトラブチルアンモニウムビアセテート(プロピレンカーボネート中で0.1M)の溶液に、107g(121mL、0.677mol)のトリメチルシリルメタクリレートを滴下した。滴下中、反応液の温度はゆっくりと上がり、そして追加の2mLのテトラブチルアンモニウムビアセテート(プロピレンカーボネート中で0.1M)を添加した。すべてのモノマーを添加した後、温度は57℃に上がり続けた。温度が33℃に下がったときに、アルゴン雰囲気下、塩基性アルミナカラム上を通過させることで精製したBzMAを91.6g(88.6mL、0.52mol)添加した。温度が39℃で平衡になったときに、追加の1mLのテトラブチルアンモニウムビアセテート(プロピレンカーボネート中で0.1M)を添加した。モノマーの添加が完了すると、温度は57℃に上がった。温度が35℃に下がったときに、アルゴン雰囲気下、塩基性アルミナカラム上を通過させることで精製したETEGMA51.2g(51.2mL、0.205mol)を滴下漏斗を用いて滴下し、この混合物を一晩撹拌した。H−NMR分光法により、残留モノマーが存在しないことを確認した。得られた溶液を、150mLの0.03Mメタノール性フッ化テトラブチルアンモニウム及び100mLのTHFと共に12時間還流した。ロータリーエバポレーターで減圧蒸留し溶媒を除去した後、残留したポリマーを真空オーブン中50℃で48時間乾燥すると、186.3gのMAA−BzMA−ETEGMAのトリブロックポリマーを得た。得られたトリブロックポリマーをH−NMR分光法による測定を行い、トリメチルシリルエステル基が残留しないことを確認した。得られたABCトリブロックポリマーをTHFに溶かしたものに、ポリマーのアニオン性基の中和率がモル基準で80%となるように水酸化カリウム水溶液を加え、更に適量の水を加えて撹拌した後、減圧条件下にてTHFを除去し、水を加えて25.0質量%のポリマー水溶液82を得た。
(ポリマー水溶液83の調製)
三方活栓を取り付けたガラス容器内を窒素置換した後、窒素ガス雰囲気下250℃に加熱し吸着水を除去した。系を室温に戻した後、酢酸エチル16mmol、1−イソブトキシエチルアセテート0.05mmol及びトルエン11mLにイソブチルビニルエーテル(CH=CHOCHCH(CH)(以下、IBVEと略す。)を加え、反応系を冷却した。系内温度が0℃に達したところでエチルアルミニウムセスキクロリド(ジエチルアルミニウムクロリドとエチルアルミニウムジクロリドとの等mol混合物)を0.2mmol加え重合を開始した。分子量を時分割にGPCを用いてモニタリングし、イソブチルビニルエーテルの重合の完了を確認した。次いで、2−(2−メトキシエトキシ)−エチル−ビニルエーテル(CH=CHOCHCHOCHCHOCH)(以下、MEEVEと略す。)を添加し、重合を続行した。GPCを用いるモニタリングによって、2−(2−メトキシエトキシ)−エチル−ビニルエーテルの重合の完了を確認した。その後、安息香酸2−ビニロキシエチルエーテル(CH=CHOCHCHOPhCOOH:Phはフェニル基を表す)(以下、BzAVEEと略す。)におけるカルボン酸部がエステル化された単位構造となるモノマーのトルエン溶液を添加して、20時間、重合反応を行った。重合反応の停止は、系内に0.3質量%のアンモニア/メタノール水溶液を加えて行った。反応混合物溶液をジクロロメタンにて希釈し、0.6mol/L塩酸水溶液で3回、次いで蒸留水で3回洗浄した。得られた有機相をエバポレーターで濃縮・乾固したものを真空乾燥させたものを、セルロースの半透膜を用いてメタノール溶媒中透析を繰り返し行い、モノマー性化合物を除去した。更に、水分散液中で0.1mol/Lの塩酸水溶液で中和してCセグメントのナトリウム塩部がフリーのカルボン酸になったトリブロックポリマーを得た。化合物の同定は、H−NMR及びGPCを用いて行った。得られたABCトリブロックポリマーをTHFに溶かしたものに、ポリマーのアニオン性基の中和率がモル基準で80%となるように水酸化カリウム水溶液を加え、更に適量の水を加えて撹拌した後、減圧条件下にてTHFを除去し、水を加えて25.0質量%のポリマー水溶液83を得た。
以上のようにして得られたポリマー水溶液1〜83のポリマー組成及び物性を表4〜6に示した。
<樹脂エマルション分散液の調製>
以下に示す手順により、樹脂エマルション分散液Em.1〜Em.4を調製した。
(樹脂エマルション分散液Em.1の調製)
三口フラスコに撹拌棒と冷却管及び滴下用シリンジと窒素ガス導入管を接続し、三口フラスコを50℃に保持した恒温槽中に入れた。三口フラスコには、下記の(三口フラスコに入れる原料)を入れ、撹拌棒で撹拌することで乳化状態とした。
(三口フラスコに入れる原料)
・重合開始剤:過硫酸カリウム 0.5部
・乳化剤:ラテムル PD−104(花王製) 3.0部
・メチルメタクリレート(MMA) 4.425部
・2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA) 0.5部
・アクリル酸(AA) 0.075部
・イオン交換水 130.0部
更に、滴下用シリンジに下記の(滴下用シリンジに入れる原料)を入れ、恒温層の温度が常に50℃になるように気をつけながら、3時間かけて上記の三口フラスコ内に滴下し、樹脂エマルションを合成した。
(滴下用シリンジに入れる原料)
・重合開始剤:過硫酸カリウム 0.5部
・乳化剤:ラテムル PD−104(花王製) 3.0部
・メチルメタクリレート(MMA) 88.5部
・2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA) 10.0部
・アクリル酸(AA) 1.5部
得られた樹脂エマルションの安定性を高めるために、10%水酸化カリウム水溶液とイオン交換水を更に滴下し、表7のpH及び樹脂の含有量となるように調製したものを樹脂エマルション分散液Em.1とした。更に、得られた樹脂エマルションの平均粒径及び数平均分子量を測定した。樹脂エマルションの平均粒径は、マイクロトラックUPA−EX150(日機装製)を用いて、体積平均粒径の50%累計値により求められる平均粒径を測定した。また、樹脂エマルションの数平均分子量はGPCを用いて測定した。測定条件は以下の通りである。
・装置:Alliance GPC 2695(Waters製)
・カラム:Shodex KF−806Mの4連カラム(昭和電工製)
・移動相:THF(特級)
・流速:1.0mL/min
・オーブン温度:40.0℃
・試料溶液の注入量:0.1mL
・検出器:RI(屈折率)
・ポリスチレン標準試料:PS−1及びPS−2(Polymer Laboratories製)
(分子量:7,500,000、2,560,000、841,700、377,400、320,000、210,500、148,000、96,000、59,500、50,400、28,500、20,650、10,850、5,460、2,930、1,300、580の17種)。測定結果と樹脂エマルションの特性を表7に示す。
(樹脂エマルション分散液Em.2の調製)
(三口フラスコに入れる原料)及び(滴下用シリンジに入れる原料)を以下のものにした以外は樹脂エマルション分散液Em.1と同様にして樹脂エマルション分散液Em.2を得た。
(三口フラスコに入れる原料)
・重合開始剤:過硫酸カリウム 0.5部
・乳化剤:ラテムル PD−104(花王製) 3.0部
・メチルメタクリレート(MMA) 4.25部
・n−ブチルアクリレート(nBA) 0.6部
・アクリル酸(AA) 0.15部
・イオン交換水 130.0部
(滴下用シリンジに入れる原料)
・重合開始剤:過硫酸カリウム 0.5部
・乳化剤:ラテムル PD−104(花王製) 3.0部
・メチルメタクリレート(MMA) 85.0部
・n−ブチルアクリレート(nBA) 12.0部
・アクリル酸(AA) 3.0部
更に、得られた樹脂エマルションの平均粒径及び数平均分子量を測定した。測定結果と樹脂エマルションの特性を表7に示す。
(樹脂エマルション分散液Em.3の調製)
(三口フラスコに入れる原料)及び(滴下用シリンジに入れる原料)を以下のものにした以外は樹脂エマルション分散液Em.1と同様にして樹脂エマルション分散液Em.3を得た。
(三口フラスコに入れる原料)
・重合開始剤:過硫酸カリウム 0.5部
・乳化剤:ラテムル PD−104(花王製) 3.0部
・メチルメタクリレート(MMA) 4.25部
・2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA) 0.6部
・メタクリル酸(MAA) 0.15部
・イオン交換水 130.0部
(滴下用シリンジに入れる原料)
・重合開始剤:過硫酸カリウム 0.5部
・乳化剤:ラテムル PD−104(花王製) 3.0部
・メチルメタクリレート(MMA) 85.0部
・2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA) 12.0部
・メタクリル酸(MAA) 3.0部
更に、得られた樹脂エマルションの平均粒径及び数平均分子量を測定した。測定結果と樹脂エマルションの特性を表7に示す。
(樹脂エマルション分散液Em.4の調製)
(三口フラスコに入れる原料)及び(滴下用シリンジに入れる原料)を以下のものにした以外は樹脂エマルション分散液Em.1と同様にして樹脂エマルション分散液Em.4を得た。
(三口フラスコに入れる原料)
・重合開始剤:過硫酸カリウム 0.5部
・乳化剤:ラテムル PD−104(花王製) 3.0部
・メチルメタクリレート(MMA) 4.25部
・n−ブチルアクリレート(nBA) 0.6部
・メタクリル酸(MAA) 0.15部
・イオン交換水 130.0部
(滴下用シリンジに入れる原料)
・重合開始剤:過硫酸カリウム 0.5部
・乳化剤:ラテムル PD−104(花王製) 3.0部
・メチルメタクリレート(MMA) 85.0部
・n−ブチルアクリレート(nBA) 12.0部
・メタクリル酸(MAA) 3.0部
更に、得られた樹脂エマルションの平均粒径及び数平均分子量を測定した。測定結果と樹脂エマルションの特性を表7に示す。
<顔料分散液の調製>
(ブラック顔料分散液K1の調製)
自己分散顔料分散液Cab−O−Jet200(Cabot製)を水で希釈し、十分撹拌してブラック顔料分散液K1(顔料の含有量は15.0質量%)を得た。
(シアン顔料分散液C1の調製)
自己分散顔料分散液Cab−O−Jet250C(Cabot製)を水で希釈し、十分撹拌してシアン顔料分散液C1(顔料の含有量は10.0質量%)を得た。
(マゼンタ顔料分散液M1の調製)
自己分散顔料分散液Cab−O−Jet265M(Cabot製)を水で希釈し、十分撹拌してマゼンタ顔料分散液M1(顔料の含有量は10.0質量%)を得た。
(イエロー顔料分散液Y1の調製)
自己分散顔料分散液Cab−O−Jet740Y(Cabot製)を水で希釈し、十分撹拌してイエロー顔料分散液Y1(顔料の含有量は10.0質量%)を得た。
(ブラック顔料分散液K2の調製)
下記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、撹拌下で樹脂分散剤を完全に溶解させた。
・樹脂分散剤:JONCRYL683(BASF製) 10.0部
・2−ピロリドン 10.0部
・水酸化カリウム 1.35部
・イオン交換水 63.65部
この溶液にブラック顔料であるカーボンブラック(NIPex 160 IQ;Degussa製)15.0部を加え、30分間プレミキシングを行った後、ビーズミル UAM−015(寿工業製)を用い分散処理(使用ビーズ:0.05mm径ジルコニアビーズ、ビーズ充填率:70%(嵩比重換算)、ローター回転数:42.1Hz、分散時間:2時間)を行ってブラック顔料分散液K2(顔料の含有量は15.0質量%)を得た。
(シアン顔料分散液C2の調製)
ブラック顔料をシアン顔料であるC.I.ピグメントブルー15:3(IRGALITE Blue 8700;チバスペシャルティケミカルズ製)とした以外はブラック顔料分散液K2と同様にしてシアン顔料分散液C2(顔料の含有量は15.0質量%)を調製した。
(マゼンタ顔料分散液M2の調製)
ブラック顔料をマゼンタ顔料であるC.I.ピグメントバイオレット19(Hostajet Magenta E5B−PT VP3565;クラリアントジャパン製)とした以外はブラック顔料分散液K2と同様にしてマゼンタ顔料分散液M2(顔料の含有量は15.0質量%)を調製した。
(イエロー顔料分散液Y2の調製)
ブラック顔料をイエロー顔料であるC.I.ピグメントイエロー155(Graphtol Yellow 3GP;クラリアントジャパン製)とした以外はブラック顔料分散液K2と同様にしてイエロー顔料分散液Y2(顔料の含有量は15.0質量%)を調製した。
<インクの調製>
(インク1)
上記で得られたブラック顔料分散液K1、樹脂エマルション分散液Em.1及びポリマー水溶液1を下記の組成で混合した。
ブラック顔料分散液K1(顔料の含有量は15.0質量%) 14.0質量%
樹脂エマルション分散液Em.1(樹脂の含有量は45.0質量%) 14.0質量%
ポリマー水溶液1(ポリマーの含有量は25.0質量%) 4.0質量%
2−ピロリドン 23.0質量%
ポリエチレングリコール(平均分子量は600) 5.0質量%
2−メチル−1,3−プロパンジオール 8.0質量%
Zonyl FSO−100(界面活性剤:デュポン製) 1.0質量%
イオン交換水 31.0質量%
これを十分撹拌して分散し、インク1を調製した。
(インク13〜18、25〜30、66〜83)
ポリマー水溶液1をポリマー水溶液13〜18、25〜30、66〜83とした以外はインク1と同様にしてインク13〜18、25〜30、66〜83を得た。
(インク2)
上記で得られたブラック顔料分散液K1、樹脂エマルション分散液Em.2及びポリマー水溶液2を下記の組成で混合した。
ブラック顔料分散液K1(顔料の含有量は15.0質量%) 14.0質量%
樹脂エマルション分散液Em.2(樹脂の含有量は45.0質量%) 14.0質量%
ポリマー水溶液2(ポリマーの含有量は25.0質量%) 4.0質量%
2−ピロリドン 23.0質量%
ポリエチレングリコール(平均分子量は600) 5.0質量%
1,2−プロパンジオール 8.0質量%
Zonyl FSO−100(界面活性剤:デュポン製) 1.0質量%
イオン交換水 31.0質量%
これを十分撹拌して分散し、インク2を調製した。
(インク3〜7、19〜24、60〜65)
ポリマー水溶液2をポリマー水溶液3〜7、19〜24、60〜65とした以外はインク2と同様にしてインク3〜7、19〜24、60〜65を得た。
(インク8)
上記で得られたブラック顔料分散液K2、樹脂エマルション分散液Em.3及びポリマー水溶液8を下記の組成で混合した。
ブラック顔料分散液K2(顔料の含有量は15.0質量%) 14.0質量%
樹脂エマルション分散液Em.3(樹脂の含有量は45.0質量%) 14.0質量%
ポリマー水溶液8(ポリマーの含有量は25.0質量%) 4.0質量%
2−ピロリドン 25.0質量%
ポリエチレングリコール(平均分子量は600) 5.0質量%
2−メチル−1,3−プロパンジオール 9.0質量%
Zonyl FSO−100(界面活性剤:デュポン製) 1.0質量%
イオン交換水 28.0質量%
これを十分撹拌して分散し、インク8を調製した。
(インク9〜12、31〜36、48〜53)
ポリマー水溶液8をポリマー水溶液9〜12、31〜36、48〜53とした以外はインク8と同様にしてインク9〜12、31〜36、48〜53を得た。
(インク37)
上記で得られたブラック顔料分散液K2、樹脂エマルション分散液Em.4及びポリマー水溶液37を下記の組成で混合した。
ブラック顔料分散液K2(顔料の含有量は15.0質量%) 14.0質量%
樹脂エマルション分散液Em.4(樹脂の含有量は45.0質量%) 14.0質量%
ポリマー水溶液37(ポリマーの含有量は25.0質量%) 4.0質量%
2−ピロリドン 24.0質量%
ポリエチレングリコール(平均分子量は600) 3.0質量%
1,2−プロパンジオール 9.0質量%
Zonyl FSO−100(界面活性剤:デュポン製) 1.0質量%
イオン交換水 31.0質量%
これを十分撹拌して分散し、インク37を調製した。
(インク38〜47、54〜59)
ポリマー水溶液37をポリマー水溶液38〜47、54〜59とした以外はインク37と同様にしてインク38〜47、54〜59を得た。
(インク84)
ポリマー水溶液1を0質量%として、イオン交換水を36.0質量%とした以外はインク1と同様にしてインク84を得た。
(インク85)
樹脂エマルション分散液Em.1及びポリマー水溶液1を0質量%として、イオン交換水を50.0質量%とした以外はインク1と同様にしてインク85を得た。
(インク86)
ブラック顔料分散液K1を0質量%として、イオン交換水を46.0質量%とした以外はインク1と同様にしてインク86を得た。
(インク87)
上記で得られたシアン顔料分散液C1、樹脂エマルション分散液Em.1及びポリマー水溶液1を下記の組成で混合した。
シアン顔料分散液C1(顔料の含有量は10.0質量%) 17.0質量%
樹脂エマルション分散液Em.1(樹脂の含有量は45.0質量%) 15.0質量%
ポリマー水溶液1(ポリマーの含有量は25.0質量%) 4.0質量%
2−ピロリドン 25.0質量%
ポリエチレングリコール(平均分子量は600) 5.0質量%
2−メチル−1,3−プロパンジオール 9.0質量%
Zonyl FSO−100(界面活性剤:デュポン製) 1.0質量%
イオン交換水 24.0質量%
これを十分撹拌して分散し、インク87を調製した。
(インク88)
シアン顔料分散液C1をシアン顔料分散液C2(顔料の含有量は15.0質量%)とした以外はインク87と同様にしてインク88を得た。
(インク89)
上記で得られたマゼンタ顔料分散液M1、樹脂エマルション分散液Em.1及びポリマー水溶液1を下記の組成で混合した。
マゼンタ顔料分散液M1(顔料の含有量は10.0質量%) 37.0質量%
樹脂エマルション分散液Em.1(樹脂の含有量は45.0質量%) 12.0質量%
ポリマー水溶液1(ポリマーの含有量は25.0質量%) 4.0質量%
2−ピロリドン 20.0質量%
ポリエチレングリコール(平均分子量は600) 3.0質量%
2−メチル−1,3−プロパンジオール 7.0質量%
Zonyl FSO−100(界面活性剤:デュポン製) 1.0質量%
イオン交換水 16.0質量%
これを十分撹拌して分散し、インク89を調製した。
(インク90)
マゼンタ顔料分散液M1をマゼンタ顔料分散液M2(顔料の含有量は15.0質量%)とした以外はインク89と同様にしてインク90を得た。
(インク91)
上記で得られたイエロー顔料分散液Y1、樹脂エマルション分散液Em.1及びポリマー水溶液1を下記の組成で混合した。
イエロー顔料分散液Y1(顔料の含有量は10.0質量%) 39.0質量%
樹脂エマルション分散液Em.1(樹脂の含有量は45.0質量%) 13.0質量%
ポリマー水溶液1(ポリマーの含有量は25.0質量%) 4.0質量%
2−ピロリドン 21.0質量%
ポリエチレングリコール(平均分子量は600) 5.0質量%
2−メチル−1,3−プロパンジオール 7.0質量%
Zonyl FSO−100(界面活性剤:デュポン製) 1.0質量%
イオン交換水 10.0質量%
これを十分撹拌して分散し、インク91を調製した。
(インク92)
イエロー顔料分散液Y1をイエロー顔料分散液Y2(顔料の含有量は15.0質量%)とした以外はインク91と同様にしてインク92を得た。
(インク93)
ブラック顔料分散液K1で用いた顔料を染料のC.I.フードブラック2とした以外はインク1と同様にしてインク93を得た。
(インク94)
上記で得られたブラック顔料分散液K1、ポリウレタン樹脂エマルション分散液(JONCRYL 790;BASF製、樹脂の含有量が48.0質量%、平均粒径Dが0.20μm)及びポリマー水溶液1を下記の組成で混合した。
ブラック顔料分散液K1(顔料の含有量は15.0質量%) 14.0質量%
JONCRYL 790 8.3質量%
ポリマー水溶液1(ポリマーの含有量は25.0質量%) 4.0質量%
2−ピロリドン 18.0質量%
ポリエチレングリコール(平均分子量は600) 3.0質量%
2−メチル−1,3−プロパンジオール 8.0質量%
Zonyl FSO−100(界面活性剤:デュポン製) 1.0質量%
NIKKOL BC−20(日光ケミカルズ製) 0.5質量%
イオン交換水 43.2質量%
これを十分撹拌して分散し、インク94を調製した。
<評価>
本発明においては下記の各評価項目の評価基準において、AA〜Bが好ましいレベルとし、C及びDは許容できないレベルとした。尚、実施例72は、インク85を充填したカートリッジとインク86を充填したカートリッジをそれぞれインクジェット記録装置に装着し、インク85を記録した領域にインク86が重なるように記録したものを記録物とした。そして、この記録物を用いて、インクの吐出安定性と画像の耐擦過性の評価を行った。また、インクの保存安定性の評価は、インク86のみを用いて行った。
(インクの吐出安定性)
上記で得られたインクをそれぞれインクカートリッジに充填し、インクジェット記録装置 PIXUS Pro9500(キヤノン製)に装着した。そして、キヤノン写真用紙・光沢ゴールドGL−101(キヤノン製)に対して、記録モードを「キヤノン写真用紙・光沢ゴールド 標準モード」として、17cm×25cmのベタ画像(記録デューティが100%の画像)を印刷した。尚、上記インクジェットプリント装置では、解像度600dpi×600dpiで1/600インチ×1/600インチの単位領域に1滴あたり4pLの体積のインクを4滴付与する条件が、記録デューティが100%であると定義される。このとき得られた記録物について、ベタ画像の光学濃度を反射濃度計(RD−19I;Gretag Macbeth製)を用いて測定した。そして、1枚目の画像の光学濃度をOD、100枚目の画像の光学濃度をOD100としたときの2つの値の比DR=OD100/ODを算出し、インクの吐出安定性を評価した。インクの吐出安定性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表8に示した。
AA:0.9≦DRであった
A:0.7≦DR<0.9であった
B:0.5≦DR<0.7であった
C:DR<0.5であった
D:100枚目まで印刷することができなかった。
(画像の耐擦過性)
上記で得られたインクをそれぞれインクカートリッジに充填し、インクジェット記録装置 imagePROGRAF iPF6000S(キヤノン製)に搭載した。そして、そして、非浸透性の記録媒体であるLLJET 光沢塩ビグレー糊EX LLSPEX113(桜井製)に対して、記録モードを「フォト光沢紙 きれいモード」として、6cm×13cmのベタ画像(記録デューティが100%の画像)を印刷した。尚、上記インクジェットプリント装置では、解像度600dpi×600dpiで1/600インチ×1/600インチの単位領域に1滴あたり4pLの体積のインクを4滴付与する条件が、記録デューティが100%であると定義される。尚、プラテンを熱で変形しにくいダイカスト製法で作製したアルミニウム合金とし、プラテン下部にニッケル合金製ヒーターを配置し、プラテンを加熱することで記録媒体を加熱しながら記録を行った。尚、加熱温度は記録媒体表面温度で60℃になるように設定した。このとき得られた記録物のベタ画像を、JIS L0805に規定する摩擦用白布を用い、JIS L0849に準拠した方法で50回擦り、その前後のベタ画像の光学濃度を反射濃度計(RD−19I;Gretag Macbeth製)を用いて測定した。そして、擦る前の画像の光学濃度をOD、50回擦った後の画像の光学濃度をOD50としたときの2つの値の比DR=OD50/ODを算出し、画像の耐擦過性を評価した。耐擦過性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表8に示す。
AA:0.9≦DRであった
A:0.7≦DR<0.9であった
B:0.5≦DR<0.7であった
C:0.3≦DR<0.5であった
D:DR<0.3であった。
(インクの保存安定性)
上記で得られた各インクをテフロン(登録商標)製の容器に入れ、温度60℃で1週間保存した。保存試験前後のインク中の顔料の平均粒子径(体積平均粒子径)をナノトラック粒度分布測定装置(UPA−EX150;日機装製)を用いて測定した。そして、保存試験前のインク中の顔料の平均粒子径をD、保存試験後のインク中の顔料の平均粒子径をDとしたときの2つの値の比P=D/Dを算出し、インクの保存安定性を評価した。インクの保存安定性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表8に示す。
AA:0.9≦P<1.2であった
A:0.7≦P<0.9、又は1.2≦P<1.5であった
B:0.5≦P<0.7、又は1.5≦P<1.8であった
C:P<0.5、又は1.8≦P<2.0であった
D:保存試験後、顔料が凝集していた。

Claims (11)

  1. ABCトリブロックポリマーと樹脂エマルションを含有するインクジェット用水性インクであって、
    前記ABCトリブロックポリマーが、下記一般式(1)で表されるユニットを含むAブロック、下記一般式(2)で表されるユニットを含むBブロック、及び下記一般式(3)で表されるユニットを含むCブロックで構成されることを特徴とするインクジェット用水性インク。

    (一般式(1)中、RA1は水素原子又はメチル基であり、RA2が炭素数1乃至8のアルキル基、又は炭素数4乃至8のシクロアルキル基である。)

    (一般式(2)中、RB1が水素原子又はメチル基であり、RB2が炭素数4乃至8のアルキル基、炭素数4乃至8のシクロアルキル基、又は炭素数2乃至8のヒドロキシアルキル基である。)

    (一般式(3)中、RC1乃至RC4のうち少なくとも1つは、−COOH基、−RC5−COOH基、又はそれらの塩であり、残りは水素原子、炭素数1乃至8のアルキル基、又は炭素数4乃至8のシクロアルキル基である。RC5は炭素数1乃至5のアルキレン基である。)
  2. 更に、顔料を含有する請求項1に記載のインクジェット用水性インク。
  3. 前記ABCトリブロックポリマーの酸価が20mgKOH/g以上100mgKOH/g以下である請求項1又は2に記載のインクジェット用水性インク。
  4. 前記ABCトリブロックポリマーに占める、Aブロックの割合(質量%)が、前記ABCトリブロックポリマー全質量を基準として、40.0質量%以上80.0質量%以下である請求項1乃至3の何れか1項に記載のインクジェット用水性インク。
  5. 前記ABCトリブロックポリマーの数平均分子量が、1,000以上30,000以下である請求項1乃至4の何れか1項に記載のインクジェット用水性インク。
  6. 前記ABCトリブロックポリマーが、1.0≦(重量平均分子量)/(数平均分子量)≦2.0の分子量分布を有する請求項1乃至5の何れか1項に記載のインクジェット用水性インク。
  7. 前記ABCトリブロックポリマーに占める、Aブロックの割合(質量%)が、前記ABCトリブロックポリマー中に含まれる全ての酸性モノマー由来のユニットの割合(質量%)に対して、3.5倍以上30.0倍以下である請求項1乃至6の何れか1項に記載のインクジェット用水性インク。
  8. 前記ABCトリブロックポリマーの数平均分子量の前記ABCトリブロックポリマーの酸価に対する比が、50以上300以下である請求項1乃至7の何れか1項に記載のインクジェット用水性インク。
  9. インクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジであって、前記インク収容部に収容されたインクが請求項1乃至8の何れか1項に記載のインクジェット用水性インクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  10. インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出させて記録媒体に記録を行う工程を有するインクジェット記録方法であって、前記インクが、請求項1乃至8の何れか1項に記載のインクジェット用水性インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  11. 更に、前記インクを前記記録媒体に付与する前に前記記録媒体を加熱する工程を有する請求項10に記載のインクジェット記録方法。
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