JP2014141604A - 貯蔵安定性の改善されたポリマー微粒子含有硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、靱性や耐衝撃性の良好な硬化物を与え得る貯蔵安定性に優れた硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】本発明の硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、ポリマー微粒子(B)1〜100質量部、膠質炭酸カルシウム(C)1〜100質量部、を含有する硬化性樹脂組成物であって、ヒュームドシリカ(D)の含有量が0.5質量部未満であることを特徴とする硬化性樹脂組成物である。
【選択図】 なし
【解決手段】本発明の硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、ポリマー微粒子(B)1〜100質量部、膠質炭酸カルシウム(C)1〜100質量部、を含有する硬化性樹脂組成物であって、ヒュームドシリカ(D)の含有量が0.5質量部未満であることを特徴とする硬化性樹脂組成物である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、靱性および耐衝撃性に優れた、エポキシ樹脂を主成分とする硬化性樹脂組成物に関するものである。
エポキシ樹脂の硬化物は、寸法安定性、機械的強度、電気的絶縁特性、耐熱性
、耐水性、耐薬品性などの多くの点で優れている。しかしながら、エポキシ樹脂
の硬化物は破壊靭性が小さく、非常に脆性的な性質を示すことがあり、広い範囲
の用途においてこのような性質が問題となることが多い。
、耐水性、耐薬品性などの多くの点で優れている。しかしながら、エポキシ樹脂
の硬化物は破壊靭性が小さく、非常に脆性的な性質を示すことがあり、広い範囲
の用途においてこのような性質が問題となることが多い。
特許文献1には、エポキシ樹脂などの硬化性樹脂を主成分とする硬化性樹脂組成物に、ポリマー微粒子を分散させることにより、得られる硬化物の靱性や耐衝撃性を改善する技術が開示されている。
靱性や耐衝撃性を有するエポキシ樹脂組成物を接着剤などに応用する技術は、特許文献2などに開示されており、このようなエポキシ樹脂組成物にチクソ性を付与する目的で、一般に、ヒュームドシリカが添加される。
ところが、ポリマー微粒子とヒュームドシリカを含有するエポキシ樹脂組成物は、貯蔵安定性が十分ではない場合があった。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、得られる硬化物の靱性および耐衝撃性に優れる硬化性樹脂組成物のチクソ性を低下させる事なく、貯蔵安定性を改善することにある。
本発明者は、このような問題を解決するために鋭意検討した結果、
エポキシ樹脂(A)と、ポリマー微粒子(B)を含有する硬化性樹脂組成物において、
(A)成分100質量部に対して、膠質炭酸カルシウム(C)を1〜100質量部とし、かつ、ヒュームドシリカ(D)を0.5質量部未満とすることにより前記課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
エポキシ樹脂(A)と、ポリマー微粒子(B)を含有する硬化性樹脂組成物において、
(A)成分100質量部に対して、膠質炭酸カルシウム(C)を1〜100質量部とし、かつ、ヒュームドシリカ(D)を0.5質量部未満とすることにより前記課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本願発明は、
エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、ポリマー微粒子(B)1〜100質量部、膠質炭酸カルシウム(C)1〜100質量部、を含有する硬化性樹脂組成物であって、
ヒュームドシリカ(D)の含有量が0.5質量部未満であることを特徴とする硬化性樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、ポリマー微粒子(B)1〜100質量部、膠質炭酸カルシウム(C)1〜100質量部、を含有する硬化性樹脂組成物であって、
ヒュームドシリカ(D)の含有量が0.5質量部未満であることを特徴とする硬化性樹脂組成物に関する。
(B)成分の数平均粒径は、10〜2000nmであることが好ましい。
(B)成分は、コアシェル構造を有することが好ましい。
(B)成分は、ジエン系ゴム、(メタ)アクリレート系ゴム、及びオルガノシロキサン系ゴムよりなる群から選択される1種以上のコア層を有することが更に好ましい。
前記ジエン系ゴムは、ブタジエンゴム、および/または、ブタジエン−スチレンゴムであることが更に好ましい。
(B)成分は、芳香族ビニルモノマー、ビニルシアンモノマー、(メタ)アクリレートモノマー、よりなる群から選択される1種以上のモノマー成分を、コア層にグラフト重合してなるシェル層を有することが更に好ましい。
(B)成分は、エポキシ基を有するモノマー成分を、コア層にグラフト重合してなるシェル層を有することが更に好ましい。
(B)成分は、該硬化性樹脂組成物中で1次粒子の状態で分散していることが好ましい。
(C)成分は、脂肪酸で処理した膠質炭酸カルシウムであることが好ましい。
(D)成分は、含有しないことが好ましい。
(A)成分100質量部に対して、更に、エポキシ硬化剤(E)1〜40質量部を含有することが好ましい。
(A)成分100質量部に対して、更に、硬化促進剤(F)1〜10質量部を含有することが好ましい。
好ましくは、一液型硬化性樹脂組成物である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、チクソ性を低下させる事なく、貯蔵安定性を顕著に改善することができる。
以下、本発明の硬化性樹脂組成物について詳述する。
<エポキシ樹脂(A)>
本発明の硬化性樹脂組成物の主成分として、エポキシ樹脂(A)を使用する。
本発明の硬化性樹脂組成物の主成分として、エポキシ樹脂(A)を使用する。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA(又はF)型エポキシ樹脂、フッ素化エポキシ樹脂、ポリブタジエンあるいはNBRを含有するゴム変性エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAのグリシジルエーテルなどの難燃型エポキシ樹脂、p−オキシ安息香酸グリシジルエーテルエステル型エポキシ樹脂、m−アミノフェノール型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン系エポキシ樹脂、ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂、各種脂環式エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、トリグリシジルイソシアヌレート、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンのような多価アルコールのグリシジルエーテル、ヒダントイン型エポキシ樹脂、石油樹脂などのような不飽和重合体のエポキシ化物、含アミノグリシジルエーテル樹脂や、上記のエポキシ樹脂にビスフェノールA(又はF)類または多塩基酸類等を付加反応させて得られるエポキシ化合物などが例示されるが、これらに限定されるものではなく、一般に使用されているエポキシ樹脂が使用され得る。これらエポキシ樹脂は単独で用いても良く2種以上併用しても良い。
これらのエポキシ樹脂の中でもエポキシ基を一分子中に少なくとも2個有するものが、硬化に際し、反応性が高く硬化物が3次元的網目を作りやすいなどの点から好ましい。
<ポリマー微粒子(B)>
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)成分100質量部に対して、ポリマー微粒子(B)1〜100質量部を使用する。(B)成分の靱性改良効果により、得られる硬化物は靱性および耐クラック性に優れる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)成分100質量部に対して、ポリマー微粒子(B)1〜100質量部を使用する。(B)成分の靱性改良効果により、得られる硬化物は靱性および耐クラック性に優れる。
得られる硬化性樹脂組成物の取扱いやすさと、得られる硬化物の靭性改良効果のバランスから、(A)成分100質量部に対して、(B)成分は2〜70質量部が好ましく、3〜50質量部がより好ましく、4〜20質量部が特に好ましい。
ポリマー微粒子の粒子径は特に限定されないが、工業的生産性を考慮すると、体積平均粒子径(Mv)は10〜2000nmが好ましく、30〜600nmがより好ましく、50〜400nmが更に好ましく、100〜200nmが特に好ましい。なお、ポリマー粒子の体積平均粒子径(Mv)は、マイクロトラックUPA150(日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
(B)成分は硬化性樹脂組成物中で1次粒子の状態で分散していることが好ましい。本発明における、「ポリマー微粒子が硬化性樹脂組成物中で1次粒子の状態で分散している」(以下、一次分散とも呼ぶ。)とは、ポリマー微粒子同士が実質的に独立して(接触なく)分散していることで、その分散状態は、例えば、硬化性樹脂組成物の一部をメチルエチルケトンのような溶剤に溶解し、これをレーザー光散乱による粒子径測定装置等により、その粒子径を測定することにより確認できる。
また、ポリマー微粒子の「安定な分散」とは、ポリマー微粒子が、連続層中で凝集したり、分離したり、沈殿したりすることなく、定常的に通常の条件下にて、長期間に渡って、分散している状態を意味し、また、ポリマー微粒子の連続層中での分布も実質的に変化せず、また、これらの組成物を危険がない範囲で加熱することで粘度を下げて攪拌したりしても、「安定な分散」を保持できることが好ましい。
(B)成分は単独で用いても良く2種以上併用しても良い。
ポリマー微粒子の構造は特に限定されないが、2層以上のコアシェル構造を有することが好ましい。また、コア層を被覆する中間層と、この中間層をさらに被覆するシェル層とから構成される3層以上の構造を有することも可能である。
以下、各層について具体的に説明する。
≪コア層≫
コア層は、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物の靱性を高める為に、ゴムとしての性質を有する弾性コア層であることが好ましい。ゴムとして性質を有するためには、本発明の弾性コア層は、ゲル含量が60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。なお、本明細書でいうゲル含量とは、凝固、乾燥により得られたクラム0.5gをトルエン100gに浸漬し、23℃で24時間静置した後に不溶分と可溶分を分別したときの、不溶分と可溶分の合計量に対する不溶分の比率を意味する。また、コア層は、ガラス転移温度が23℃以下であることが好ましい。
コア層は、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物の靱性を高める為に、ゴムとしての性質を有する弾性コア層であることが好ましい。ゴムとして性質を有するためには、本発明の弾性コア層は、ゲル含量が60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。なお、本明細書でいうゲル含量とは、凝固、乾燥により得られたクラム0.5gをトルエン100gに浸漬し、23℃で24時間静置した後に不溶分と可溶分を分別したときの、不溶分と可溶分の合計量に対する不溶分の比率を意味する。また、コア層は、ガラス転移温度が23℃以下であることが好ましい。
ゴムとしての性質を有する弾性コア層を形成し得るポリマーとしては、天然ゴムや、ジエン系モノマー(共役ジエン系モノマー)および(メタ)アクリレート系モノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマー(第1モノマー)を50〜100質量%、および他の共重合可能なビニル系モノマー(第2モノマー)を0〜50質量%含んで構成されるゴム弾性体や、ポリシロキサンゴム系弾性体、あるいはこれらを併用したものが挙げられる。得られる硬化物の靱性改良効果の点からジエン系モノマーを用いたジエン系ゴムが好ましい。多種のモノマーの組合せにより、幅広いポリマー設計が可能なことから、(メタ)アクリレート系ゴムが好ましい。また、硬化物の耐熱性を低下させることなく、低温での耐衝撃性を向上しようとする場合には、弾性コア層はポリシロキサンゴム系弾性体であることが好ましい。なお、本発明において(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味する。
弾性コア層に用いるジエン系ゴムを構成するモノマー(共役ジエン系モノマー)としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエンなどが挙げられる。これらのジエン系モノマーは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
靱性改良効果の点から、1,3−ブタジエンを用いるブタジエンゴム、または、1,3−ブタジエンとスチレンの共重合体であるブタジエン−スチレンゴムが好ましく、ブタジエンゴムがより好ましい。また、ブタジエン−スチレンゴムは、屈折率の調整により得られる硬化物の透明性を高めることができ、より好ましい。
また、弾性コア層に用いる(メタ)アクリレート系ゴムを構成するモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香環含有(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルアルキル(メタ)アクリレートなどのグリシジル(メタ)アクリレート類;アルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;アリル(メタ)アクリレート、アリルアルキル(メタ)アクリレートなどのアリルアルキル(メタ)アクリレート類;モノエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの多官能性(メタ)アクリレート類などが挙げられる。これらの(メタ)アクリレート系モノマーは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に好ましくはエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。
上記第1モノマーと共重合可能なビニル系モノマー(第2モノマー)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレンなどのビニルアレーン類;アクリル酸、メタクリル酸などのビニルカルボン酸類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのビニルシアン類;塩化ビニル、臭化ビニル、クロロプレンなどのハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのアルケン類;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼンなどの多官能性モノマーなどが挙げられる。これらのビニル系モノマーは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に好ましくはスチレンである。
また、弾性コア層を構成し得るポリシロキサンゴム系弾性体としては、例えば、ジメチルシリルオキシ、ジエチルシリルオキシ、メチルフェニルシリルオキシ、ジフェニルシリルオキシ、ジメチルシリルオキシ−ジフェニルシリルオキシなどの、アルキル或いはアリール2置換シリルオキシ単位から構成されるポリシロキサン系ポリマーや、側鎖のアルキルの一部が水素原子に置換されたオルガノハイドロジェンシリルオキシなどの、アルキル或いはアリール1置換シリルオキシ単位から構成されるポリシロキサン系ポリマーが挙げられる。これらのポリシロキサン系ポリマーは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、ジメチルシリルオキシ、メチルフェニルシリルオキシ、ジメチルシリルオキシ−ジフェニルシリルオキシが硬化物に耐熱性を付与する上で好ましく、ジメチルシリルオキシが容易に入手できて経済的でもあることから最も好ましい。
弾性コア層がポリシロキサンゴム系弾性体から形成される態様において、ポリシロキサン系ポリマー部位は、硬化物の耐熱性を損なわないために、弾性体全体を100質量%として80質量%以上(より好ましくは90質量%以上)含有していることが好ましい。
ポリマー微粒子の硬化性樹脂組成物中での分散安定性を保持する観点から、コア層は、上記モノマーを重合してなるポリマー成分やポリシロキサン系ポリマー成分に架橋構造が導入されていることが好ましい。架橋構造の導入方法としては、一般的に用いられる手法を採用することができる。例えば、上記モノマーを重合してなるポリマー成分に架橋構造を導入する方法としては、ポリマー成分に多官能性モノマーやメルカプト基含有化合物等の架橋性モノマーを添加し、次いで重合する方法などが挙げられる。また、ポリシロキサン系ポリマーに架橋構造を導入する方法としては、重合時に多官能性のアルコキシシラン化合物を一部併用する方法や、ビニル反応性基、メルカプト基などの反応性基をポリシロキサン系ポリマーに導入し、その後ビニル重合性のモノマーあるいは有機過酸化物などを添加してラジカル反応させる方法、あるいは、ポリシロキサン系ポリマーに多官能性モノマーやメルカプト基含有化合物などの架橋性モノマーを添加し、次いで重合する方法などが挙げられる。
前記多官能性モノマーとしては、ブタジエンは含まれず、アリル(メタ)アクリレート、アリルアルキル(メタ)アクリレート等のアリルアルキル(メタ)アクリレート類;アリルオキシアルキル(メタ)アクリレート類;(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル基を2個以上有する多官能(メタ)アクリレート類;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼン等が挙げられる。特に好ましくはアリルメタアクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、及びジビニルベンゼンである。
本発明において、コア層のガラス転移温度(以下、単に「Tg」と称する場合がある)は0℃以下であることが好ましく、−20℃以下がより好ましく、−40℃以下が更に好ましく、−60℃以下であることが特に好ましい。
また、コア層の体積平均粒子径は0.03〜2μmが好ましいが、0.05〜1μmがさらに好ましい。体積平均粒子径が0.03μm未満のものを安定的に得ることは難しい場合が多く、2μmを超えると最終成形体の耐熱性や耐衝撃性が悪くなる恐れがある。なお体積平均粒子径は、マイクロトラックUPA150(日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
コア層は、ポリマー粒子全体を100質量%として40〜97質量%が好ましく、60〜95質量%がより好ましく、70〜93質量%が更に好ましく、80〜90質量%が特に好ましい。コア層が40質量%未満では硬化物の靱性改良効果が低下する場合がある。コア層が97質量%よりも大きいとポリマー微粒子が凝集し易くなり、硬化性樹脂組成物が高粘度となり取り扱い難い場合がある。
本発明において、コア層は単層構造であることが多いが、多層構造であってもよい。また、コア層が多層構造の場合は、各層のポリマー組成が各々相違していてもよい。
≪中間層≫
本発明では、必要により、中間層を形成させてもよい。特に、中間層として、以下のゴム表面架橋層を形成させてもよい。
本発明では、必要により、中間層を形成させてもよい。特に、中間層として、以下のゴム表面架橋層を形成させてもよい。
前記ゴム表面架橋層は、同一分子内にラジカル性二重結合を2以上有する多官能性モノマー30〜100重量%、及びその他のビニルモノマー0〜70重量%からなるゴム表面架橋層成分を重合してなる中間層重合体からなり、本発明の硬化性樹脂組成物の粘度を低下させる効果、ポリマー微粒子(B)の(A)成分への分散性を向上させる効果を有する。また、コア層の架橋密度を上げたりシェル層のグラフト効率を高める効果も有する。
前記多官能性モノマーの具体例としては、上述の多官能性モノマーと同じモノマーが例示されるが、好ましくはアクリメタクリレート、トリアリルイソシアヌレートである。
≪シェル層≫
ポリマー微粒子の最も外側に存在するシェル層は、シェル形成用単量体を重合したものであるが、本発明に係る、ポリマー微粒子と(A)成分との相溶性を向上させ、本発明の硬化性樹脂組成物、又はその硬化物中においてポリマー微粒子が一次粒子の状態で分散することを可能にする役割を担うシェルポリマーからなる。
ポリマー微粒子の最も外側に存在するシェル層は、シェル形成用単量体を重合したものであるが、本発明に係る、ポリマー微粒子と(A)成分との相溶性を向上させ、本発明の硬化性樹脂組成物、又はその硬化物中においてポリマー微粒子が一次粒子の状態で分散することを可能にする役割を担うシェルポリマーからなる。
このようなシェル重合体は、好ましくは前記コア層にグラフトしている。より正確には、シェル層の形成に用いる単量体成分が、コア層を形成するコアポリマーにグラフト重合して、実質的にシェルポリマー層とゴムコアとが化学結合していることが好ましい。即ち、好ましくは、シェルポリマーは、コアポリマーの存在下に前記シェル形成用単量体をグラフト重合させることで形成され、このようにすることで、このコアポリマーにグラフト重合されており、コアポリマーの一部又は全体を覆っている。この重合操作は、水性のポリマーラテックス状態で調製され存在するコアポリマーのラテックス対して、シェル重合体の構成成分であるモノマーを加えて重合させることで実施できる。
シェル層形成用モノマーとしては、(B)成分の硬化性樹脂組成物中での相溶性及び分散性の点から、例えば、芳香族ビニルモノマー、ビニルシアンモノマー、(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、(メタ)アクリレートモノマーがより好ましい。
硬化物や重合体中で(B)成分が凝集せずに良好な分散状態を維持するために、(A)成分と化学結合させる観点から、シェル層形成用モノマーとして、エポキシ基、オキセタン基、水酸基、アミノ基、イミド基、カルボン酸基、カルボン酸無水物基、環状エステル、環状アミド、ベンズオキサジン基、及びシアン酸エステル基からなる群から選ばれる1種以上を含有する反応性基含有モノマーを含有することが好ましく、エポキシ基を有するモノマーが好ましい。
また、シェル層形成用モノマーとして、二重結合を2個以上有する多官能性モノマーを使用すると、硬化性樹脂組成物中においてポリマー微粒子の膨潤を防止し、また、硬化性樹脂組成物の粘度が低く取扱い性がよくなる傾向がある為好ましい。
多官能性モノマーは、シェル形成用モノマー100重量%中に、1〜20重量%含まれていることが好ましく、より好ましくは、5〜15重量%である。
前記芳香族ビニルモノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
前記ビニルシアンモノマーの具体例としては、アクリロニトリル、又はメタクリロニトリル等が挙げられる。
前記(メタ)アクリレートモノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記エポキシ基を有するモノマーの具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記二重結合を2個以上有する多官能性モノマーの具体例としては、上述の多官能性モノマーと同じモノマーが例示されるが、好ましくはアクリメタクリレート、トリアリルイソシアヌレートである。
本発明では、例えば、スチレン0〜50質量%、アクリロニトリル0〜50質量%、メチルメタクリレート0〜100質量%、グリシジルメタクリレート0〜50重量%を組み合わせたシェル形成用モノマーの重合体であるシェル層とすることが好ましい。これにより、所望の靱性改良効果と機械特性をバランス良く実現することができる。特に、グリシジルメメタクリレートを構成成分として含ませることで(A)成分との界面接着が向上すると考えられ好ましい。
これらのモノマー成分は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シェル層は、上記モノマー成分の他に、他のモノマー成分を含んで形成されてもよい。
シェル層のグラフト率は、70%以上(より好ましくは80%以上、さらには90%以上)であることが好ましい。グラフト率が70%未満の場合には、液状樹脂組成物の粘度が上昇する場合がある。なお、本明細書において、グラフト率の算出方法は下記の通りである。
先ず、ポリマー微粒子を含有する水性ラテックスを凝固・脱水し、最後に乾燥してポリマー微粒子のパウダーを得た。次いで、ポリマー微粒子のパウダー2gをメチルエチルケトン(MEK)100gに23℃で24時間浸漬した後にMEK可溶分をMEK不溶分と分離し、さらにMEK可溶分からメタノール不溶分を分離した。そして、MEK不溶分とメタノール不溶分との合計量に対するMEK不溶分の比率を求めることによって算出した。
≪ポリマー微粒子の製造方法≫
(コア層の製造方法)
本発明で用いるポリマー微粒子を構成するコア層を形成するポリマーが、ジエン系モノマー(共役ジエン系モノマー)および(メタ)アクリレート系モノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマー(第1モノマー)を含んで構成される場合には、コア層の形成は、例えば、乳化重合、懸濁重合、マイクロサスペンジョン重合などによって製造することができ、例えばWO2005/028546号公報に記載の方法を用いることができる。
(コア層の製造方法)
本発明で用いるポリマー微粒子を構成するコア層を形成するポリマーが、ジエン系モノマー(共役ジエン系モノマー)および(メタ)アクリレート系モノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマー(第1モノマー)を含んで構成される場合には、コア層の形成は、例えば、乳化重合、懸濁重合、マイクロサスペンジョン重合などによって製造することができ、例えばWO2005/028546号公報に記載の方法を用いることができる。
また、コア層を形成するポリマーがポリシロキサン系ポリマーを含んで構成される場合には、コア層の形成は、例えば、乳化重合、懸濁重合、マイクロサスペンジョン重合などによって製造することができ、例えばWO2006/070664号公報に記載の方法を用いることができる。
(シェル層および中間層の形成方法)
中間層は、中間層形成用モノマーを公知のラジカル重合により重合することによって形成することができる。コア層を構成するゴム弾性体をエマルジョンとして得た場合には、二重結合を2以上有するモノマーの重合は乳化重合法により行うことが好ましい。
中間層は、中間層形成用モノマーを公知のラジカル重合により重合することによって形成することができる。コア層を構成するゴム弾性体をエマルジョンとして得た場合には、二重結合を2以上有するモノマーの重合は乳化重合法により行うことが好ましい。
シェル層は、シェル層形成用モノマーを、公知のラジカル重合により重合することによって形成することができる。コア層、または、コア層を中間層で被覆して構成されるポリマー粒子前駆体をエマルジョンとして得た場合には、シェル層形成用モノマーの重合は乳化重合法により行うことが好ましく、例えば、WO2005/028546号公報に記載の方法に従って製造することができる。
乳化重合において用いることができる乳化剤(分散剤)としては、ジオクチルスルホコハク酸やドデシルベンゼンスルホン酸などに代表されるアルキルまたはアリールスルホン酸、アルキルまたはアリールエーテルスルホン酸、ドデシル硫酸に代表されるアルキルまたはアリール硫酸、アルキルまたはアリールエーテル硫酸、アルキルまたはアリール置換燐酸、アルキルまたはアリールエーテル置換燐酸、ドデシルザルコシン酸に代表されるN−アルキルまたはアリールザルコシン酸、オレイン酸やステアリン酸などに代表されるアルキルまたはアリールカルボン酸、アルキルまたはアリールエーテルカルボン酸などの各種の酸類、これら酸類のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩などのアニオン性乳化剤(分散剤);アルキルまたはアリール置換ポリエチレングリコールなどの非イオン性乳化剤(分散剤);ポリビニルアルコール、アルキル置換セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸誘導体などの分散剤が挙げられる。これらの乳化剤(分散剤)は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリマー粒子の水性ラテックスの分散安定性に支障を来さない限り、乳化剤(分散剤)の使用量は少なくすることが好ましい。また、乳化剤(分散剤)は、その水溶性が高いほど好ましい。水溶性が高いと、乳化剤(分散剤)の水洗除去が容易になり、最終的に得られる硬化物への悪影響を容易に防止できる。
乳化重合法を採用する場合には、公知の開始剤、すなわち2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどを熱分解型開始剤として用いることができる。
また、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、パラメンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキサイドなどの有機過酸化物;過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの無機過酸化物といった過酸化物と、必要に応じてナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、グルコースなどの還元剤、および必要に応じて硫酸鉄(II)などの遷移金属塩、さらに必要に応じてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムなどのキレート剤、さらに必要に応じてピロリン酸ナトリウムなどのリン含有化合物などを併用したレドックス型開始剤を使用することもできる。
レドックス型開始剤系を用いた場合には、前記過酸化物が実質的に熱分解しない低い温度でも重合を行うことができ、重合温度を広い範囲で設定できるようになり好ましい。中でもクメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物をレドックス型開始剤として用いることが好ましい。前記開始剤の使用量、レドックス型開始剤を用いる場合には前記還元剤・遷移金属塩・キレート剤などの使用量は公知の範囲で用いることができる。また二重結合を2以上有するモノマーを重合するに際しては公知の連鎖移動剤を公知の範囲で用いることができる。追加的に界面活性剤を用いることができるが、これも公知の範囲である。
重合に際しての重合温度、圧力、脱酸素などの条件は、公知の範囲のものが適用できる。また、中間層形成用モノマーの重合は1段で行なっても2段以上で行なっても良い。例えば、弾性コア層を構成するゴム弾性体のエマルジョンに中間層形成用モノマーを一度に添加する方法、連続追加する方法の他、あらかじめ中間層形成用モノマーが仕込まれた反応器に弾性コア層を構成するゴム弾性体のエマルジョンを加えてから重合を実施する方法などを採用することができる。
<膠質炭酸カルシウム(C)>
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)成分100質量部に対して、膠質炭酸カルシウム(C)を1〜100質量部含有することが必須である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)成分100質量部に対して、膠質炭酸カルシウム(C)を1〜100質量部含有することが必須である。
(C)成分は、本願の硬化性樹脂組成物の粘度を上昇させ、チクソ性を付与する。更に、本願の(A)成分および(B)成分と組み合わせても貯蔵安定性に悪影響を与えない。
(C)成分は、一般に、生石灰に水を加えてできた石灰乳に、炭酸ガスを反応させて製造される、均一な粒子の炭酸カルシウムであり、「沈降炭酸カルシウム」、「コロイド炭酸カルシウム」、あるいは、「合成炭酸カルシウム」と呼ばれる場合もある。
(C)成分は、(A)成分への分散性の点から、表面処理したものが好ましく、飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸などの脂肪酸や樹脂酸で表面処理したものがより好ましい。得られる硬化性組成物の貯蔵安定性の点から、飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸で表面処理したものが更に好ましく、不飽和脂肪酸で表面処理したものが特に好ましい。
(C)成分の平均粒子径は、特に制限されないが、0.03〜0.3μmが好ましく、0.05〜0.2μmがより好ましく、0.07〜0.15μmが更に好ましい。
(C)成分の使用量は、(A)成分100質量部に対して、5〜70質量部が好ましく、10〜50質量部がより好ましく、15〜40質量部が更に好ましく、20〜30質量部が特に好ましい。1質量部未満では、チクソ性付与効果が十分ではない場合があり、100質量部より多いと、硬化性組成物が高粘度となり、取り扱い難くなる場合がある。
(C)成分は単独で用いても良く2種以上併用しても良い。
<ヒュームドシリカ(D)>
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)成分100質量部に対して、ヒュームドシリカ(D)の含有量は、0.5質量部未満であることが必須である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)成分100質量部に対して、ヒュームドシリカ(D)の含有量は、0.5質量部未満であることが必須である。
(D)成分は、本願の硬化性樹脂組成物の粘度を上昇させ、チクソ性を付与する。しかしながら、本願の(A)成分および(B)成分と組み合わせると、貯蔵安定性が低下することが判明した。
(D)成分の使用量は、(A)成分100質量部に対して、0.3質量部未満が好ましく、0.1質量部未満がより好ましく、0.01質量部未満が更に好ましく、(D)成分を含有しないことが特に好ましい。0.5質量部以上では、本願の硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性が悪く、取り扱い難くなる場合がある。
(D)成分は、一般に、四塩化珪素ガス等のケイ素塩化物を気相中で燃焼させて製造されるシリカ微粒子である。
(D)成分は、球形で細孔のない一次粒子からなるが、その製造工程において強く凝集した凝集粒子や集塊粒子が形成される。これら粒子の表面にはシロキサン及びシラノール基が存在しており、このシラノール基へシラン類やシラザン類等を化学的に反応させることにより、疎水性が付与される。具体的な表面処理剤としては、例えば、ジメチルジクロロシランやシリコーンオイル、ヘキサメチルジシラザン、オクチルシラン、ヘキサデシルシラン、アミノシラン、メタクリルシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリジメチルシロキサン等を挙げることができる。表面を疎水化することによって(A)成分に分散し易くなる。(A)成分への分散性の点から、ポリジメチルシロキサンで表面処理することが好ましい。
(D)成分の粒径は、特に制限されないが、比表面積(BET吸着法による)が、好ましくは10m2/g以上、より好ましくは30〜500m2/g、更に好ましくは50〜300m2/g程度の超微粉末状のシリカが好ましい。なお、BET吸着法とは、粉体粒子表面に吸着占有面積のわかった不活性気体分子を液体窒素の温度で物理吸着させ、その量から試料の比表面積を求める方法である。
(D)成分は単独で用いても良く2種以上併用しても良い。
<(C)成分、(D)成分以外の充填材>
本発明では、本発明の効果を低下させない程度に、(C)成分、(D)成分以外の充填材を含むことができる。
本発明では、本発明の効果を低下させない程度に、(C)成分、(D)成分以外の充填材を含むことができる。
充填材の具体例としては、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、およびカーボンブラックの如き補強性充填材;重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、アルミニウム微粉末、フリント粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、シラスバルーン、ガラスミクロバルーン、石綿、ガラス繊維およびフィラメントの如き繊維状充填材等が挙げられる。
<エポキシ樹脂硬化剤(E)>
本発明では、必要に応じてエポキシ樹脂硬化剤(E)を使用することができる。
本発明では、必要に応じてエポキシ樹脂硬化剤(E)を使用することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物を仮に一成分型接着剤として使用する場合、80℃以上、好ましくは140℃以上の温度まで加熱すると接着剤が急速に硬化するように(E)成分を選択するのが好ましい。逆に、室温(約22℃)や少なくとも50℃までの温度では硬化するとしても非常にゆっくりとなるよう、(E)成分および後述の(F)成分を選択するのが好ましい。
(E)成分としては、例えば、三塩化ホウ素/アミン錯体、三フッ化ホウ素/アミン錯体、ジシアンジアミド、メラミン、ジアリルメラミン、グアナミン(例えば、アセトグアナミンおよびベンゾグアナミン)、アミノトリアゾール(例えば、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール)、ヒドラジド(例えば、アジピン酸ジヒドラジド、ステアリン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、セミカルバジド)、シアノアセトアミド、並びに、芳香族ポリアミン(例えば、ジアミノジフェニルスルホン)が挙げられる。ジシアンジアミド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンを用いるのがより好ましく、ジシアンジアミドが特に好ましい。
上記硬化剤の中でも、潜在性エポキシ硬化剤は、本発明の硬化性樹脂組成物を一液化できるため好ましい。
(E)成分は、単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。
(E)成分は、組成物を硬化させるのに十分な量で使用する。典型的には、組成物中に存在するエポキシド基の少なくとも80%を消費するのに十分な硬化剤を供給する。エポキシド基の消費に必要な量を超える大過剰量は、通常必要ない。(E)成分の使用量は、(A)成分100質量部に対して、1〜40質量部が好ましく、2〜30質量部がより好ましく、3〜25質量部が更に好ましく、5〜20質量部が特に好ましい。1質量部未満では、本願の硬化性樹脂組成物の硬化性が悪くなる場合がある。40質量部より多いと、本願の硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性が悪く、取り扱い難くなる場合がある。
<硬化剤促進剤(F)>
本発明では、必要に応じて硬化促進剤(F)を使用することができる。
<硬化剤促進剤(F)>
本発明では、必要に応じて硬化促進剤(F)を使用することができる。
(F)成分は、エポキシ基と、硬化剤や接着剤の他の成分上のエポキシド反応性基との反応)を促進するための触媒である。
(F)成分としては、尿素類、例えば、p−クロロフェニル−N,N−ジメチル尿素(Monuron)、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素(Phenuron)、3,4−ジクロロフェニル−N,N−ジメチル尿素(Diuron)、N−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−N’,N’−ジメチル尿素(Chlortoluron)、tert−アクリル−またはアルキレンアミン、例えば、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ポリ(p−ビニルフェノール)マトリックスに組み込まれた2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ピペリジンまたはこれらの誘導体、イミダゾール誘導体、一般にC1−C12アルキレンイミダゾールまたはN−アリールイミダゾール、例えば、2−エチル−2−メチルイミダゾールまたはN−ブチルイミダゾール、6−カプロラクタム、等が挙げられる。触媒は封入されていてもよく、あるいは、温度を上げた場合にのみ活性となる潜在的なものでもよい。
(F)成分は、単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。
(F)成分の使用量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましく、0.5〜3質量部が更に好ましく、0.8〜2質量部が特に好ましい。0.1質量部未満では、本願の硬化性樹脂組成物の硬化性が悪くなる場合がある。10質量部より多いと、本願の硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性が悪く、取り扱い難くなる場合がある。
<その他の配合成分>
本発明では、必要に応じて、その他の配合成分を使用することができる。その他の配合成分としては、酸化カルシウムなどの脱水剤、顔料や染料等の着色剤、体質顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、安定化剤(ゲル化防止剤)、可塑剤、レベリング剤、消泡剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、減粘剤、低収縮剤、有機質充填剤、熱可塑性樹脂、乾燥剤、分散剤等が挙げられる。
<硬化性樹脂組成物の製法>
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)成分を主成分とする硬化性樹脂組成物中に、ポリマー微粒子(B)を含有する組成物であり、好ましくは、ポリマー微粒子(B)が1次粒子の状態で分散した組成物である。
<その他の配合成分>
本発明では、必要に応じて、その他の配合成分を使用することができる。その他の配合成分としては、酸化カルシウムなどの脱水剤、顔料や染料等の着色剤、体質顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、安定化剤(ゲル化防止剤)、可塑剤、レベリング剤、消泡剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、減粘剤、低収縮剤、有機質充填剤、熱可塑性樹脂、乾燥剤、分散剤等が挙げられる。
<硬化性樹脂組成物の製法>
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)成分を主成分とする硬化性樹脂組成物中に、ポリマー微粒子(B)を含有する組成物であり、好ましくは、ポリマー微粒子(B)が1次粒子の状態で分散した組成物である。
このような、ポリマー微粒子(B)を1次粒子の状態で分散させた組成物を得る方法は、種々の方法が利用できるが、例えば水性ラテックス状態で得られたポリマー微粒子を(A)成分と接触させた後、水等の不要な成分を除去する方法、ポリマー微粒子を一旦有機溶剤に抽出後に(A)成分と混合してから有機溶剤を除去する方法等が挙げられるが、国際公開WO2005/28546に記載の方法を利用することが好ましい。その具体的な製造方法は、順に、ポリマー微粒子(B)を含有する水性ラテックス(詳細には、乳化重合によってポリマー微粒子を製造した後の反応混合物)を、20℃における水に対する溶解度が5質量%以上40質量%以下の有機溶媒と混合した後、さらに過剰の水と混合して、ポリマー粒子を凝集させる第1工程と、凝集したポリマー微粒子(B)を液相から分離・回収した後、再度有機溶媒と混合して、ポリマー微粒子(B)の有機溶媒溶液を得る第2工程と、有機溶媒溶液をさらに(A)成分と混合した後、前記有機溶媒を留去する第3工程とを含んで調製されることが好ましい。
(A)成分は、23℃で液状であると、前記第3工程が容易となる為、好ましい。「23℃で液状」とは、軟化点が23℃以下であることを意味し、23℃で流動性を示すものである。
上記の工程を経て得た、(A)成分にポリマー微粒子(B)が1次粒子の状態で分散した組成物に、更に(A)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分、(F)成分、及び、前記その他配合成分、の各成分を、必要により更に追加混合する事により、ポリマー微粒子(B)が1次粒子の状態で分散した本発明の硬化性樹脂組成物が得られる。
<硬化物>
本発明には、上記硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物が含まれる。本発明の硬化性樹脂組成物は、ポリマー微粒子が一次粒子の状態で分散していることから、これを硬化することによって、ポリマー微粒子が均一に分散した硬化物を容易に得ることができる。また、ポリマー微粒子が膨潤し難く、硬化性樹脂組成物の粘性が低いことから、硬化物を作業性よく得ることができる。
本発明には、上記硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物が含まれる。本発明の硬化性樹脂組成物は、ポリマー微粒子が一次粒子の状態で分散していることから、これを硬化することによって、ポリマー微粒子が均一に分散した硬化物を容易に得ることができる。また、ポリマー微粒子が膨潤し難く、硬化性樹脂組成物の粘性が低いことから、硬化物を作業性よく得ることができる。
<用途>
本発明の組成物は、取扱い性の点から、一液型の硬化性樹脂組成物であるのが好ましい。
本発明の組成物は、取扱い性の点から、一液型の硬化性樹脂組成物であるのが好ましい。
本発明の組成物は、構造用接着剤などの接着剤、塗料、ガラス繊維との積層用材料、プリント配線基板、電気絶縁材料等の用途に好ましく用いられる。
以下、実施例および比較例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更して実施することが可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお下記実施例および比較例において「部」および「%」とあるのは、質量部または質量%を意味する。
評価方法
先ず、実施例および比較例によって製造した硬化性樹脂組成物の評価方法について、以下説明する。
先ず、実施例および比較例によって製造した硬化性樹脂組成物の評価方法について、以下説明する。
[1]平均粒子径の測定
水性ラテックスに分散しているポリマー粒子の体積平均粒子径(Mv)は、マイクロトラックUPA150(日機装株式会社製)を用いて測定した。脱イオン水で希釈したものを測定試料として用いた。測定は、水、またはメチルエチルケトンの屈折率、およびそれぞれのポリマー粒子の屈折率を入力し、計測時間600秒、Signal Levelが0.6〜0.8の範囲内になるように試料濃度を調整して行った。
水性ラテックスに分散しているポリマー粒子の体積平均粒子径(Mv)は、マイクロトラックUPA150(日機装株式会社製)を用いて測定した。脱イオン水で希釈したものを測定試料として用いた。測定は、水、またはメチルエチルケトンの屈折率、およびそれぞれのポリマー粒子の屈折率を入力し、計測時間600秒、Signal Levelが0.6〜0.8の範囲内になるように試料濃度を調整して行った。
[2]粘度の測定
硬化性樹脂組成物の粘度は、BROOKFIELD社製デジタル粘度計DV−II+Pro型を用いて測定した。スピンドルCPE−52を使用し、23℃で測定した。
1.コア層の形成
製造例1−1;ポリブタジエンゴムラテックス(R−1)の調製
100L耐圧重合機中に、脱イオン水200質量部、リン酸三カリウム0.03質量部、リン酸二水素カリウム0.25質量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)0.002質量部、硫酸第一鉄・7水和塩(Fe)0.001質量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDS)1.5質量部を投入し、撹拌しつつ十分に窒素置換を行なって酸素を除いた後、ブタジエン(BD)100質量部を系中に投入し、45℃に昇温した。パラメンタンハイドロパーオキサイド(PHP)0.015質量部、続いてナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)0.04質量部を投入し重合を開始した。重合開始から4時間目に、PHP0.01質量部、EDTA0.0015質量部およびFe0.001質量部を投入した。重合10時間目に減圧下残存モノマーを脱揮除去して重合を終了し、ポリブタジエンゴム粒子を含むラテックス(R−1)を得た。得られたラテックスに含まれるポリブタジエンゴム粒子の体積平均粒子径は0.10μmであった。
硬化性樹脂組成物の粘度は、BROOKFIELD社製デジタル粘度計DV−II+Pro型を用いて測定した。スピンドルCPE−52を使用し、23℃で測定した。
1.コア層の形成
製造例1−1;ポリブタジエンゴムラテックス(R−1)の調製
100L耐圧重合機中に、脱イオン水200質量部、リン酸三カリウム0.03質量部、リン酸二水素カリウム0.25質量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)0.002質量部、硫酸第一鉄・7水和塩(Fe)0.001質量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDS)1.5質量部を投入し、撹拌しつつ十分に窒素置換を行なって酸素を除いた後、ブタジエン(BD)100質量部を系中に投入し、45℃に昇温した。パラメンタンハイドロパーオキサイド(PHP)0.015質量部、続いてナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)0.04質量部を投入し重合を開始した。重合開始から4時間目に、PHP0.01質量部、EDTA0.0015質量部およびFe0.001質量部を投入した。重合10時間目に減圧下残存モノマーを脱揮除去して重合を終了し、ポリブタジエンゴム粒子を含むラテックス(R−1)を得た。得られたラテックスに含まれるポリブタジエンゴム粒子の体積平均粒子径は0.10μmであった。
2.ポリマー微粒子の調製(シェル層の形成)
製造例2−1;コアシェルポリマーラテックス(L−1)の調製
3Lガラス容器に、製造例1−1で得たラテックス(R−1)1575質量部(ポリブタジエンゴム粒子510質量部相当)および脱イオン水315質量部を仕込み、窒素置換を行いながら60℃で撹拌した。EDTA0.024質量部、Fe0.006質量部、SFS1.2質量部を加えた後、グラフトモノマー(スチレン(ST)40質量部、アクリロニトリル(AN)20質量部、グリシジルメタクリレート(GMA)30質量部)、およびクメンヒドロパーオキサイド(CHP)0.3質量部の混合物を2時間かけて連続的に添加しグラフト重合した。添加終了後、更に2時間撹拌して反応を終了させ、コアシェルポリマーのラテックス(L−1)を得た。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマーの体積平均粒子径は0.11μmであった。
製造例2−1;コアシェルポリマーラテックス(L−1)の調製
3Lガラス容器に、製造例1−1で得たラテックス(R−1)1575質量部(ポリブタジエンゴム粒子510質量部相当)および脱イオン水315質量部を仕込み、窒素置換を行いながら60℃で撹拌した。EDTA0.024質量部、Fe0.006質量部、SFS1.2質量部を加えた後、グラフトモノマー(スチレン(ST)40質量部、アクリロニトリル(AN)20質量部、グリシジルメタクリレート(GMA)30質量部)、およびクメンヒドロパーオキサイド(CHP)0.3質量部の混合物を2時間かけて連続的に添加しグラフト重合した。添加終了後、更に2時間撹拌して反応を終了させ、コアシェルポリマーのラテックス(L−1)を得た。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマーの体積平均粒子径は0.11μmであった。
3.硬化性樹脂中にポリマー微粒子(B)が分散した分散物の調製
製造例3−1;分散物(M−1)の調製
25℃の1L混合槽にメチルエチルケトン(MEK)132gを導入し、撹拌しながら、それぞれ前記製造例2−1〜2−4で得られたコアシェルポリマーの水性ラテックス(L−1〜L−4)を132g(ポリマー微粒子40g相当)投入した。均一に混合後、水200gを80g/分の供給速度で投入した。供給終了後、速やかに撹拌を停止したところ、浮上性の凝集体および有機溶媒を一部含む水相からなるスラリー液を得た。次に、一部の水相を含む凝集体を残し、水相360gを槽下部の払い出し口より排出させた。得られた凝集体にMEK90gを追加して均一に混合し、コアシェルポリマーを均一に分散した分散体を得た。この分散体に、(A)成分であるエポキシ樹脂(A−1:三菱化学社製、JER828EL)120gを混合した。この混合物から、回転式の蒸発装置で、MEKを除去した。このようにして、エポキシ樹脂にポリマー微粒子が分散した分散物(M−1)を得た。
製造例3−1;分散物(M−1)の調製
25℃の1L混合槽にメチルエチルケトン(MEK)132gを導入し、撹拌しながら、それぞれ前記製造例2−1〜2−4で得られたコアシェルポリマーの水性ラテックス(L−1〜L−4)を132g(ポリマー微粒子40g相当)投入した。均一に混合後、水200gを80g/分の供給速度で投入した。供給終了後、速やかに撹拌を停止したところ、浮上性の凝集体および有機溶媒を一部含む水相からなるスラリー液を得た。次に、一部の水相を含む凝集体を残し、水相360gを槽下部の払い出し口より排出させた。得られた凝集体にMEK90gを追加して均一に混合し、コアシェルポリマーを均一に分散した分散体を得た。この分散体に、(A)成分であるエポキシ樹脂(A−1:三菱化学社製、JER828EL)120gを混合した。この混合物から、回転式の蒸発装置で、MEKを除去した。このようにして、エポキシ樹脂にポリマー微粒子が分散した分散物(M−1)を得た。
(実施例1〜8、比較例1〜6)
表1に示す処方にしたがって、(A)成分であるエポキシ樹脂(A−1)、前記製造例3−1で得られた分散物(M−1)、(C)成分である膠質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、(D)成分であるヒュームドシリカ、をそれぞれ計量し、よく混合して硬化性樹脂組成物を得た。この組成物を、40℃で7日間貯蔵する前後で、Shear Rate(ずり速度)が1(s-1)と5(s-1)における粘度を測定した。チクソ性は、『貯蔵前の1(s-1)の粘度/貯蔵前の5(s-1)の粘度』から評価した。この値が大きいほど、チクソ性が良いことを表す。貯蔵安定性は、『貯蔵後の5(s-1)の粘度/貯蔵前の5(s-1)の粘度』から評価した。この値が大きいほど、貯蔵安定性が悪いことを表す。試験結果を表1に示す。
表1に示す処方にしたがって、(A)成分であるエポキシ樹脂(A−1)、前記製造例3−1で得られた分散物(M−1)、(C)成分である膠質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、(D)成分であるヒュームドシリカ、をそれぞれ計量し、よく混合して硬化性樹脂組成物を得た。この組成物を、40℃で7日間貯蔵する前後で、Shear Rate(ずり速度)が1(s-1)と5(s-1)における粘度を測定した。チクソ性は、『貯蔵前の1(s-1)の粘度/貯蔵前の5(s-1)の粘度』から評価した。この値が大きいほど、チクソ性が良いことを表す。貯蔵安定性は、『貯蔵後の5(s-1)の粘度/貯蔵前の5(s-1)の粘度』から評価した。この値が大きいほど、貯蔵安定性が悪いことを表す。試験結果を表1に示す。
なお、表1中の各種配合剤は、以下に示すものを使用した。
<膠質炭酸カルシウム(C)>
白艶華CCR(白石工業製、飽和脂肪酸で表面処理された膠質炭酸カルシウム)
白艶華CCR−S(白石工業製、不飽和脂肪酸で表面処理された膠質炭酸カルシウム)
白艶華CCR(白石工業製、飽和脂肪酸で表面処理された膠質炭酸カルシウム)
白艶華CCR−S(白石工業製、不飽和脂肪酸で表面処理された膠質炭酸カルシウム)
<重質炭酸カルシウム>
ホワイトンSB(白石カルシウム製、無処理重質炭酸カルシウム)
ホワイトンSB(白石カルシウム製、無処理重質炭酸カルシウム)
<ヒュームドシリカ(D)>
CAB−O−SIL TS−720(CABOT製、ポリジメチルシロキサンで表面処理されたヒュームドシリカ)、
HDK H18(WACKER製、ポリジメチルシロキサンで表面処理されたヒュームドシリカ)、
Aerosil 130(EVONIK製、無処理ヒュームドシリカ)、
CAB−O−SIL TS−720(CABOT製、ポリジメチルシロキサンで表面処理されたヒュームドシリカ)、
HDK H18(WACKER製、ポリジメチルシロキサンで表面処理されたヒュームドシリカ)、
Aerosil 130(EVONIK製、無処理ヒュームドシリカ)、
表1から、本発明の硬化性樹脂組成物は、チクソ性が高く、かつ、貯蔵安定性が良好(粘度変化が小さい)であることが判る。
Claims (13)
- エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、ポリマー微粒子(B)1〜100質量部、膠質炭酸カルシウム(C)1〜100質量部、を含有する硬化性樹脂組成物であって、
ヒュームドシリカ(D)の含有量が0.5質量部未満であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。 - (B)成分の数平均粒径が、10〜2000nmであることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- (B)成分が、コアシェル構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
- (B)成分が、ジエン系ゴム、(メタ)アクリレート系ゴム、及びオルガノシロキサン系ゴムよりなる群から選択される1種以上のコア層を有することを特徴とする請求項3に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記ジエン系ゴムが、ブタジエンゴム、および/または、ブタジエン−スチレンゴムであることを特徴とする請求項4に記載の硬化性樹脂組成物。
- (B)成分が、芳香族ビニルモノマー、ビニルシアンモノマー、(メタ)アクリレートモノマー、よりなる群から選択される1種以上のモノマー成分を、コア層にグラフト重合してなるシェル層を有することを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- (B)成分が、エポキシ基を有するモノマー成分を、コア層にグラフト重合してなるシェル層を有することを特徴とする請求項3から6のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- (B)成分が、該硬化性樹脂組成物中で1次粒子の状態で分散していることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- (C)成分が、脂肪酸で処理した膠質炭酸カルシウムである請求項1から8のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- (D)成分を含有しない事を特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- (A)成分100質量部に対して、更に、エポキシ硬化剤(E)1〜40質量部を含有する事を特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- (A)成分100質量部に対して、更に、硬化促進剤(F)1〜10質量部を含有する事を特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1から12のいずれかに記載の一液型硬化性樹脂組成物。
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