JP2014139927A - 蓄電デバイス、およびそれに用いる電極並びに多孔質シート - Google Patents
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Abstract
【課題】高速充放電や優れた高容量密度を有する新規な蓄電デバイス、およびそれに用いる電極並びに多孔質シートを提供する。
【解決手段】電解質層3と、これを挟んで設けられた正極2と負極4とを有する蓄電デバイスであって、上記正極2および負極4の少なくとも一方の電極が、カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーを含有する蓄電デバイス。
【選択図】図1
【解決手段】電解質層3と、これを挟んで設けられた正極2と負極4とを有する蓄電デバイスであって、上記正極2および負極4の少なくとも一方の電極が、カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーを含有する蓄電デバイス。
【選択図】図1
Description
本発明は蓄電デバイス、およびそれに用いる電極並びに多孔質シートに関し、詳しくは、高速充放電や優れた容量密度を有する新規な蓄電デバイス、およびそれに用いる電極並びに多孔質シートに関するものである。
近年、携帯型PC、携帯電話、携帯情報端末(PDA)等における電子技術の進歩、発展に伴い、これら電子機器の蓄電デバイスとして、繰り返し充放電することができる二次電池等が広く用いられている。このような二次電池等の電気化学的蓄電デバイスにおいては、電極として使用する材料の高容量化や早い充放電が望まれる。
蓄電デバイスの電極は、イオンの挿入・脱離が可能な機能を有する活物質を含有する。活物質のイオンの挿入・脱離は、いわゆるドーピング・脱ドーピング(またはドープ・脱ドープということもある)とも称され、活物質の一定の分子構造あたりのドーピング・脱ドーピング量をドープ率と呼び、ドープ率が高い材料ほど、電池としては高容量化が可能となる。
電気化学的には、イオンの挿入・脱離の量が多い材料を電極として使用することにより、電池として高容量化が可能となる。より詳しく述べると、蓄電デバイスとして注目されるリチウム二次電池においては、リチウムイオンを挿入・脱離することができるグラファイト系の負極が用いられ、6つの炭素原子あたり1つ程度のリチウムイオンが挿入・脱離し高容量化が得られている。
このようなリチウム二次電池のなかでも、正極にマンガン酸リチウムやコバルト酸リチウムのようなリチウム含有遷移金属酸化物を用い、負極にリチウムイオンを挿入・脱離し得る炭素材料を用い、両電極を電解液中で対峙させたリチウム二次電池は、高エネルギー密度を有するようになるため、上述した電子機器の蓄電デバイスとして広く用いられている。
しかし、上記リチウム二次電池は、電気化学反応によって電気エネルギーを得る二次電池であって、上記電気化学反応の速度が小さいために、出力密度が低いという欠点がある。さらに、二次電池の内部抵抗が高いため、急速な放電は困難であるとともに、急速な充電も困難となっている。また、充放電に伴う電気化学反応によって電極や電解液が劣化するため、一般に寿命、すなわち、サイクル特性もよくない。
そこで、上記の問題を改善するため、ドーパントを有するポリアニリンのような導電性ポリマーを電極活物質に用いるリチウム二次電池も知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、一般に、導電性ポリマーを正極活物質として有する二次電池は、充電時には導電性ポリマーにアニオンがドープされ、放電時にはそのアニオンがポリマーから脱ドープされるアニオン移動型である。そのため、負極活物質にリチウムイオンを挿入・脱離し得る炭素材料等を用いたときは、充放電時にカチオンが両電極間を移動するカチオン移動型のロッキングチェア型二次電池を構成することができない。すなわち、ロッキングチェア型二次電池は電解液量が少なくてすむという利点を有するが、上記導電性ポリマーを正極活物質として有する二次電池はそれができず、蓄電デバイスの小型化に寄与することができない。
このような問題を解決するために、電解液を大量に必要とせず、電解液中のイオン濃度を実質的に変化させないとともに、これにより体積や重量当たりの容量密度、エネルギー密度の向上を目的とした、カチオン移動型の二次電池も提案されている。これは、ドーパントとしてポリビニルスルホン酸のようなポリマーアニオンを有する導電性ポリマーを用いて正極を構成し、負極にリチウム金属を用いているものである(特許文献2参照)。
またスルホン酸基をポリアニリンの主骨格に付与した導電性ポリマーを電池電極として用いることも提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、上記に提案された導電性ポリマーを用いた二次電池は、性能において未だ充分ではなく、正極にマンガン酸リチウムやコバルト酸リチウムのようなリチウム含有遷移金属酸化物を用いたリチウム二次電池に比べ、容量密度やエネルギー密度が低いものである。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであって、電極に、イオンの挿入・脱離により導電性の変化する、カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーを用いることによって、電極活物質のドープ率を高め、高速充放電や優れた高容量密度を有する新規な蓄電デバイス、およびそれに用いる電極ならびに多孔質シートを提供することを目的とする。ここで、カルボン酸基とは、カルボン酸またはその塩をいう。
上記目的を達成するため、本発明は、電解質層と、これを挟んで設けられた正極と負極とを有する蓄電デバイスであって、上記正極および負極の少なくとも一方の電極が、カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーを含有する蓄電デバイスを第一の要旨とする。
また、本発明は、蓄電デバイス用電極であって、カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーを含有する蓄電デバイス用電極を第二の要旨とし、さらに、蓄電デバイス電極用多孔質シートであって、カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーを含有する蓄電デバイス電極用多孔質シートを第三の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、導電性ポリマーを用いて電極を構成し、高容量密度および高エネルギー密度を有する蓄電デバイスを得るために検討を重ねた。その過程で、導電性ポリマーに着目し、ドープ率を向上させるべく、これを中心に検討をさらに重ねた。その結果、カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーを用いて、正極および負極の少なくとも一方の電極を構成することにより、蓄電デバイス特性が大幅に向上することを見出し本発明に到達した。
ここで本発明における、ドープ率とは、上述のように、活物質の一定の分子構造あたりのドーピング・脱ドーピング量を意味する。また、自己ドープ型ポリマーとは、ポリマー鎖の中にドーパントが共有結合している状態のポリマーをいう。
このように、電解質層と、これを挟んで設けられた正極と負極とを有する蓄電デバイスであって、上記正極および負極の少なくとも一方の電極が、カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーを含有する蓄電デバイスであると、高速充放電や活物質重量当たりの容量密度に優れる高性能の蓄電デバイスが得られるようになる。ここで活物質とは、カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーのことである。
また、蓄電デバイス用電極であって、カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーを含有する蓄電デバイス用電極であると、この電極は高ドープ率を示すことから、この電極を用いて作製された蓄電デバイスは、活物質重量当たりの容量密度や電極体積当たりの容量密度に一層優れるようになる。
さらに、蓄電デバイス電極用多孔質シートであって、カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーを含有する蓄電デバイス電極用多孔質シートであると、この多孔質シートを電極として用いて作製された電極蓄電デバイスは、活物質重量当たりの容量密度や電極体積当たりの容量密度にさらに一層優れるようになる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する説明は、本発明の実施態様の一例であり、本発明は、以下の内容に限定されない。
本発明の蓄電デバイスは、図1に示すように、電解質層3と、これを挟んで対向して設けられた正極2と負極4とを有する蓄電デバイスであり、正極2および負極4の少なくとも一方の電極が、カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーを含有することを特徴とする。
本発明は、カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーを活物質とした電極であることが、最大の特徴であり、以下、その電極形成材料等について順に説明する。
<カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーについて>
上記カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーとは、イオンの挿入・脱離により導電性が変化する導電性ポリマー骨格にカルボン酸基が共有結合にて付加された導電性ポリマーをいい、この導電性ポリマーはそれ自体ドープできることから、いわゆる自己ドープ型導電性ポリマーということができる(以後、「電極活物質」と呼ぶことがある)。このように、ポリマー骨格にカルボン酸基を付加すると、このカルボン酸基のアニオンで、充電時に導電性ポリマー骨格中に生成したカチオンラジカルを補償することになり、また放電時には電解液中のリチウムカチオンを捕捉することになる。このようにして、リチウムカチオンがポリマーの分子内部にまで挿入・脱離するようになることから、電池内の電解液量が減少し、導電性ポリマーの活物質量を増やすことができる。
上記カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーとは、イオンの挿入・脱離により導電性が変化する導電性ポリマー骨格にカルボン酸基が共有結合にて付加された導電性ポリマーをいい、この導電性ポリマーはそれ自体ドープできることから、いわゆる自己ドープ型導電性ポリマーということができる(以後、「電極活物質」と呼ぶことがある)。このように、ポリマー骨格にカルボン酸基を付加すると、このカルボン酸基のアニオンで、充電時に導電性ポリマー骨格中に生成したカチオンラジカルを補償することになり、また放電時には電解液中のリチウムカチオンを捕捉することになる。このようにして、リチウムカチオンがポリマーの分子内部にまで挿入・脱離するようになることから、電池内の電解液量が減少し、導電性ポリマーの活物質量を増やすことができる。
上記のように、カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーは、導電性ポリマーに共有結合にてカルボン酸基を導入したものをいい、導電性ポリマーを基本骨格とする。ここで導電性ポリマーとは、ポリマー主鎖の酸化反応または還元反応によって生成し、または消失する電荷の変化を補償するために、イオン種がポリマーに挿入し、またはポリマーから脱離することによって、ポリマー自身の導電性が変化する一群のポリマーをいう。
このようなポリマーにおいて、導電性が高い状態をドープ状態といい、低い状態を脱ドープ状態という。導電性を有するポリマーが酸化反応または還元反応によって導電性を失い、絶縁性(すなわち、脱ドープ状態)となっても、そのようなポリマーは、酸化還元反応によって再度、可逆的に導電性を有することができるので、このように脱ドープ状態にある絶縁性のポリマーも、本発明においては、導電性ポリマーの範疇に入れることとする。
導電性ポリマーとしては、イオンの挿入・脱離により導電性が変化するポリマーということもでき、例えば、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリイソチアナフテン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリアズレン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)や、これら種々の誘導体等があげられる。特に、電気化学的容量の大きなポリアニリンまたはポリアニリン誘導体が好ましく用いられる。
上記ポリアニリンの誘導体としては、例えば、アニリンの4位以外の位置にアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基等の置換基を少なくとも1つ有するものがあげられる。なかでも、o−メチルアニリン、o−エチルアニリン、o−フェニルアニリン、o−メトキシアニリン、o−エトキシアニリン等のo−置換アニリン、m−メチルアニリン、m−エチルアニリン、m−メトキシアニリン、m−エトキシアニリン、m−フェニルアニリン等のm−置換アニリンが好ましく用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記導電性ポリマーの、イオンの挿入・脱離は、先に述べたように、いわゆるドーピング・脱ドーピングとも称され、ドープ率が高い材料ほど、電池としては高容量化が可能となる。
導電性ポリマーのドープ率としては、ポリアニリン系は全窒素の内、ほぼ半分の窒素が1電子酸化されたカチオンラジカル(セミキノンラジカル)状態になっていることから、約0.5と言われている。ポリアニリン系ポリマーの導電性は、ドープ状態では10-1〜103S/cm程度、脱ドープ状態では、10-15〜10-2S/cmとなる。
本発明による蓄電デバイスにおいて、上記カルボン酸基を有する導電性ポリマー骨格の−COO-は、導電性ポリマー中に存在することから、いわゆる固定ドーパントとして機能するためロッキングチェア型の機構を有し、本発明による蓄電デバイスの特性の向上に関与しているものとみられる。
上記カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーは、上述のように導電性ポリマーにカルボン酸基を導入したものをいい、この調製方法としては、(1)無置換モノマーとカルボン酸置換モノマーとを共重合させる方法、(2)導電性ポリマーにカルボン酸を付加させる方法、の2つに大きく分けられる。
ここで無置換モノマーとは、上記導電性ポリマーを合成する際のモノマー群をいい、例えば、アニリン、ピロール、チオフェン等があげられる。上記カルボン酸置換モノマーとは、上記アニリン、ピロール、チオフェン等のモノマーの水素基をカルボン酸基に置換したものをいう。
上記(1)の方法で用いられるカルボン酸置換モノマーの具体例を、ポリアニリンを例にあげ説明する。ベンゼン環1個あたりに1個のカルボン酸を有する例としては、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸を、ベンゼン環1個に2個のカルボン酸を有する例として、3−アミノフタル酸、2−アミノイソフタル酸、5−アミノイソフタル酸、2−アミノテレフタル酸等を挙げることができる。また、上記のカルボン酸置換モノマーには、カルボン酸以外の置換基を有していても良いが、アミノ基のp位に置換基を有するものは、円滑な酸化重合を妨げる可能性があるため、好ましくない。
このうち上記(1)の方法の場合、重合仕込み時のカルボン酸置換モノマーの割合は、無置換モノマー1モルに対して、0.1〜3モルであることが好ましく、さらに0.2〜2.5モル、特に0.4〜2.0モルであることが好ましい。カルボン酸置換モノマーの割合が少なすぎると、出力密度に優れる蓄電デバイスを得ることができない傾向にあり、多すぎても、出力密度の高い蓄電デバイスを得ることができない傾向にある。
また、上記(1)の方法の場合として、ポリアニリンを例にあげると、アニリンとカルボン酸置換アニリンの共重合は、酸化剤によってアミノ基の非共有電子対が引き抜かれることにより窒素に生成するカチオンラジカルが、その極限構造であるアミノ基のパラ位のベンゼン環炭素上に生成するラジカルとのラジカルカップリング反応により起こると考えられている。したがって、アニリンとカルボン酸置換アニリンの双方のカチオンラジカルがカップリングして生成するポリマーの構造は、必ずしも一義的に構造が決定されるものではないが、一般にカルボン酸置換基の置換部位をベンゼン環内の任意の位置にあることを示す下記式(I)の表記方法が用いられることから、アニリンとカルボン酸置換アニリンとの共重合により得られる共重合体の繰り返し単位は、下記一般式(II)または(III)のように表される。
さらに、重合後得られた酸化ドープ状態の自己ドープ型ポリアニリンの構造を、より詳細に説明すると、下記一般式(IV)の様にも表される。一般式(IV)のAは、重合時に用いられるプロトン酸のアニオン種を示しており、後記する実施例1に即して言えば、テトラフルオロホウ酸のアニオンであるBF4 -を示している。また一般式(IV)はその極限構造式としての下記一般式(V)でも表される。
このように酸化ドープ状態の自己ドープ型ポリアニリンの窒素原子上に生成したカチオンラジカルは、ポリマー内に共有結合でつながっているドーパントのカルボン酸のカルボキシレートアニオンで補償され、電気的な中性状態を保つと共に、同時に系中に存在するプロトン酸アニオンによっても補償されている。また、電荷補償に関与していないカルボン酸も存在していると考えられ、これは重合終了時は遊離カルボン酸の構造になっていると考えられる。
従って、重合時に系中に存在するプロトン酸アニオンが、生成した自己ドープ型ポリアニリンの中に移動型ドーパントとして混入してくることは、二次電池のロッキングチェア機構を中心にして電池を作動させたい場合に、問題となる場合もあるため、重合にて得られた自己ドープ型ポリアニリンを、水酸化リチウムによるアルカリ処理を行って、プロトン酸を除去しておくことも可能である。
ドープ状態の自己ドープ型ポリアニリンを、水酸化リチウムによるアルカリ処理を行うことにより、重合時に用いたプロトン酸でドープされた部分を脱ドープさせることにより、下記一般式(VI)に示したように、キノンジイミン構造が生じる。このアルカリ処理の後、還元剤にて還元処理し、自己ドープ型ポリアニリンの中から、キノンジイミン構造をなくしておくことが好ましい。キノンジイミン構造が残っていると、その部分がリチウム二次電池の正極活物質として不活性化され、電池容量が減少する可能性があるためである。
上記一般式(IV)および(V)で示された酸化ドープ状態自己ドープ型ポリアニリンを、水酸化リチウムでアルカリ処理し、次いでヒドラジン一水和物にて還元し、還元脱ドープ状態自己ドープ型ポリアニリンを得る反応について、上記一般式(IV)および(V)に、(VI)および(VII)を加えた反応式を下記に示す。
このように、重合後の水不溶性自己ドープ型ポリアニリンを、水酸化リチウムによるアルカリ処理、ヒドラジン一水和物による還元処理を行うと、自己ドープ型ポリアニリンは水溶性になってしまう。そのため、通常のポリマー粉末を水中撹拌洗浄することにより、ポリマー中の無機低分子不純物や有機低分子夾雑物を除去することができない。従って、このような場合には、「ゲル濾過」の手法にて、低分子不純物・夾雑物を除去することになる。
ここで「ゲル濾過」とは、カラムにつめたゲル濾過用担体にサンプルを通して、大きさの違いによって分子を分離する手法である。大きい分子は、担体の間をすり抜けて早く溶出される。担体には小さな孔が開いており、小さい分子はその孔に入り込んですぐには溶出できないため、大きい分子より遅く溶出される。この原理を利用して、種々の分子を分離できる。
ゲル濾過用担体は、反応性や吸着性をもたずに不活性で、化学的・物理的に安定な多孔性のマトリックスで作られている。担体のポアサイズと粒径分布は厳密にコントロールされており、さまざまな選択性をもつ各種ゲル濾過用担体が市販されている。
市販品として例えば、脱塩や迅速なグループ分画に適したSephadex G−10(GEヘルスケア・ジャパン社製)があり、分画分子量は、球状タンパク質換算で、約1,000である。
上記市販品のゲル濾過用担体を用いた、カルボン酸基を有する還元脱ドープ状態自己ドープ型ポリアニリン粉末の調製方法としては、次の通りである。
水酸化リチウムによるアルカリ処理後、ヒドラジン一水和物にて還元した還元脱ドープ状態自己ドープ型ポリアニリン水溶液は、平均孔径0.2μmの親水処理PTFEメンブレンフィルタを用いて濾過し、不溶部を除く。不溶部を除いた濾液を、ゲル濾過用担体としてSephadex G−10を充填したカラムを用いたゲル濾過処理により分画する。カラムから溶出した自己ドープ型ポリアニリン水溶液を、エバポレータにより水を留去させて、濃縮〜乾固させることによって、カルボン酸基を共有結合で有する自己ドープ型ポリアニリン粉末が還元脱ドープ状態で得られる。
水酸化リチウムによるアルカリ処理後、ヒドラジン一水和物にて還元した還元脱ドープ状態自己ドープ型ポリアニリン水溶液は、平均孔径0.2μmの親水処理PTFEメンブレンフィルタを用いて濾過し、不溶部を除く。不溶部を除いた濾液を、ゲル濾過用担体としてSephadex G−10を充填したカラムを用いたゲル濾過処理により分画する。カラムから溶出した自己ドープ型ポリアニリン水溶液を、エバポレータにより水を留去させて、濃縮〜乾固させることによって、カルボン酸基を共有結合で有する自己ドープ型ポリアニリン粉末が還元脱ドープ状態で得られる。
さらに、前記(1)の方法の場合としてカルボン酸基を有するポリピロールの調製を例にあげると、カルボン酸を有するピロールモノマーと無置換ピロールモノマーの共重合により得られるポリピロール共重合体を挙げることができる。カルボン酸を有するピロールモノマーとしては、「ピロール−2−カルボン酸」(シグマ−アルドリッチ社製)を用いることができる。
また、前記(2)の方法として、カルボン酸基を有するポリアニリンの調製を例にあげると、ポリアニリンのベンゼン環にカルボン酸を導入する場合と、ポリアニリンの窒素にカルボン酸を導入する場合がある。前者としては、例えば、クロルギ酸を塩化アルミニウムの存在下に求電子置換反応させる方法等がある。また後者のポリアニリンの窒素にカルボン酸を導入させる場合としては、N−H基の水素を水素化リチウムにより引き抜き、Nアニオンとした後、カルボン酸を有するハロゲン化物との求核置換反応により導入する方法等がある。
さらに、電極形成材料としては、上記カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーとともに、必要に応じて、導電助剤、バインダー等を適宜配合することができる。
上記導電助剤としては、蓄電デバイスの放電時に印加する電位によって性状の変化しない導電性材料であればよく、例えば、導電性炭素材料、金属材料等があげられ、なかでもアセチレンブラック、ケッチェンブラック等の導電性カーボンブラックや、炭素繊維、カーボンナノチューブ等の繊維状炭素材料が好ましく用いられる。特に好ましくは導電性カーボンブラックである。
上記バインダーとしては、例えば、フッ化ビニリデン、スチレン/ブタジエン共重合体ゴム、ポリビニルピロリドン、PTFE(テトラフルオロエチレン)、スチレン/ブタジエン共重合ゴムに水添(水素添加)して得られるスチレン/ブタジエン/ブチレン共重合体、スチレン/エチレン/ブチレン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル/ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリロニトリル/ポリアクリル酸エステル共重合体等があげられる。
<電極について>
本発明の蓄電デバイスに係る電極は、少なくとも上記カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーからなり、好ましくは多孔質シートに形成される。
本発明の蓄電デバイスに係る電極は、少なくとも上記カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーからなり、好ましくは多孔質シートに形成される。
上記電極の厚みは、1〜1000μmであることが好ましく、10〜700μmであることがさらに好ましい。厚みが薄すぎると、充分な容量が得られない蓄電デバイスとなる傾向があり、逆に、厚みが厚すぎると、電極内部におけるイオンの拡散がしにくくなり、所望の出力が得られない傾向がみられるためである。
上記電極の厚みは、電極を先端形状が直径5mmの平板であるダイヤルゲージ(尾崎製作所社製)を用いて測定し、電極の面に対して10点の測定値の平均をもとめることにより得られる。集電体上に電極(多孔質層)が設けられ複合化している場合には、その複合化物の厚みを、上記と同様に測定し、測定値の平均をもとめ、集電体の厚みを差し引いて計算することにより電極の厚みが得られる。
また、電極の空隙率(%)は、{(電極の見かけ体積−電極の真体積)/電極の見かけ体積}×100で算出でき、好ましくは50〜95%であり、さらに好ましくは60〜92%である。
ここで、上記電極の見かけ体積とは、「電極の電極面積×電極厚み」をいい、具体的には、電極の物質の体積、電極内の空隙の体積、および電極表面の凹凸部の空間の体積の総和からなる。また、上記電極の真体積とは、「電極構成材料の体積」をいい、具体的には、正極構成材料の構成重量割合と各構成材料の真密度の値を用いて、電極構成材料全体の平均密度を算出しておき、電極構成材料の重量総和をこの平均密度で除することにより求められる。
本発明の蓄電デバイスに係る電極は、例えば、つぎのようにして形成される。電極活物質としてカルボン酸基を有する酸化ドープ状態の自己ドープ型導電性ポリマーを水に分散させて、必要に応じて、導電性カーボンブラックのような導電助剤、あるいはフッ化ビニリデン、スチレン/ブタジエン共重合体ゴム、ポリビニルピロリドンのようなバインダーを加え、充分に分散させて、ペーストを調製する。これを集電体上に塗布した後、水を蒸発させることによって、集電体上に電極活物質と(必要に応じて、導電助剤とバインダー等の任意成分)の混合物の複合体としてシート電極を得ることができる。
なお、電極活物質としてカルボン酸基を有する還元脱ドープ状態自己ドープ型導電性ポリマーを用いる場合には、このポリマーが水溶性であるため、水溶性もしくは水系エマルジョン状態のバインダー類は使用できない。その場合には、PTFEをバインダーとして乾式で多孔質シート電極を作製したり、このポリマーが溶解しない有機溶剤を用いた溶剤系バインダーを用いて多孔質シート電極を作製することがある。
上記のように形成された電極においては、カルボン酸は、導電性ポリマーの一部として存在するため、電極内に固定される。そして、このように導電性ポリマー主骨格の近傍に配置されたカルボン酸は、電極活物質の酸化還元時の電荷補償に使用される。
したがって、本発明における蓄電デバイスは、ロッキングチェア型のイオン移動機構を有するため、ドーパントとして働く電解液中のアニオンの量が少なくて済む。この結果電解液の使用量が少なくても良好な特性を発現できる蓄電デバイスとなる。
カルボン酸基を有する導電性ポリマーのロッキングチェア型機講を、ポリ(アニリン−co−3−アミノ安息香酸)を例に下記に示した。
上記のロッキングチェア型機構から明らかなように、カルボン酸基が共有結合で主鎖に結合されている本発明の導電性ポリマー含有正極では、充電時にポリアニリンの窒素の非共有電子対から電子が一つ引き抜かれ、その結果生成したカチオンラジカルの正電荷を補償するために共有結合で主鎖に結合されたカルボン酸のカルボキシレートアニオンが相互作用し、分子全体の電気的な中性状態を保つ。その結果、余ったリチウムカチオンは正極内から放出されて負極側に移動する。
逆に放電時には、ポリアニリンの窒素上のカチオンラジカルは還元されて電子が一つ入り、非共有電子対が再生され電荷は中性になる。その結果カルボキシレートアニオンが残るので、このアニオンを電気的に中性にするため、リチウムカチオンが負極側から入ってきて、カルボン酸リチウム塩として分子全体としての電気的な中性を保つ。
本発明では、カルボン酸がポリマー主鎖に共有結合で固定されているため、上記の様な充放電によるリチウムカチオンの挿入・脱離が起こるが、これが無置換のポリアニリンの場合だと、全く様相が変わる。
すなわち、無置換ポリアニリンであれば、充電時に生成するポリアニリンの窒素上に生成するカチオンラジカルの正電荷を補償するのは、電解液中の支持電解質アニオンであり、支持電解質としてLiBF4を用いている場合には、BF4アニオンである。その場合、放電時にはポリアニリンの窒素上のカチオンラジカルが1電子還元されて中性になり、余ったBF4アニオンは、正極から出て行くだけであり、リチウムカチオンが正極内に入ってくることはない。
よって、本発明のカルボン酸基が共有結合で主鎖内に結合された導電性ポリマーを正極に用いた二次電池で、放電後の電極上に付着した電解液を溶剤で充分洗浄した後に分析し、リチウムの有無を調べることで、上記のロッキングチェア機構が作動しているか否かを検証することができる。すなわち、充電後リチウムが消失し、放電後リチウムが増大していれば、ロッキングチェア機構が働いていることになる。
このロッキングチェア機構が働いているかは、後記の実施例の二次電池を用いて、TOF−SIMS(飛行時間二次イオン質量分析計)分析により実際に検証することができる(後記の実施例2参照)。
従来の導電性高分子を正極とするリチウム二次電池は、充放電時に電解質アニオンが挿入・脱離するリザーブ型機構で作動するため、この出入りする電解質イオンを溶解状態で保つために大量の電解液が必要になる。そのため電池全体の重量が重くなり、重量エネルギー密度が小さくなってしまう最大の欠点を有していた。その大きな問題点が、本発明のカルボン酸基が共有結合で主鎖内に結合された導電性ポリマーを正極に用いた二次電池で解消されたことになり、非常に少ない電解液量で導電性高分子を正極とするリチウム二次電池が作動することになった意義は大きい。
なお、本発明に係る電極は、蓄電デバイスの正極および負極のいずれにも用いることができるが、とりわけ、正極として用いることが好ましい。すなわち、本発明に係る電極は、図1に示すように、電解質層3とこれを挟んで対峙する一対の電極が設けられた蓄電デバイスにおける正極2および負極4のいずれにも用いることができるが、正極2として用いることが好ましい。以下、本発明の蓄電デバイスに係る電極を正極2として使用した場合について、蓄電デバイスの構成を説明する。
<電解質層について>
本発明の蓄電デバイスに係る電解質層は、電解質により構成されるが、例えば、セパレータに電解液を含浸させてなるシートや、固体電解質からなるシートが好ましく用いられる。固体電解質からなるシートは、それ自体がセパレータを兼ねている。
本発明の蓄電デバイスに係る電解質層は、電解質により構成されるが、例えば、セパレータに電解液を含浸させてなるシートや、固体電解質からなるシートが好ましく用いられる。固体電解質からなるシートは、それ自体がセパレータを兼ねている。
上記電解質は、溶質と、必要に応じて溶媒と各種添加剤とを含むものから構成される。このような溶質としては、例えば、リチウムイオンなどの金属イオンと、これに対する適宜のカウンターイオン、スルホン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロヒ素イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドイオン、ハロゲンイオン等を組み合わせてなるものが好ましく用いられる。このような上記溶質の具体例としては、LiCF3SO3、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiCl等をあげることができる。
必要に応じて用いられる溶媒としては、例えば、カーボネート類、ニトリル類、アミド類、エーテル類等の少なくとも1種の非水溶媒、すなわち、有機溶媒が用いられる。このような有機溶媒の具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N'−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン等をあげることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なお、上記溶媒に上記溶質が溶解したものを「電解液」ということがある。
<負極について>
本発明の蓄電デバイスに係る負極としては、イオンを挿入・脱離し得る負極活物質を用いて形成される。上記負極活物質としては、金属リチウムや、酸化・還元時にリチウムイオンが挿入・脱離し得る炭素材料や遷移金属酸化物、シリコン、スズなどが好ましく用いられる。また、本発明において、「用いる」とは、その形成材料のみを使用する場合以外に、その形成材料と他の形成材料とを組み合わせて使用する場合も含める趣旨であり、通常、他の形成材料の使用割合は、その形成材料の50重量%未満に設定される。
本発明の蓄電デバイスに係る負極としては、イオンを挿入・脱離し得る負極活物質を用いて形成される。上記負極活物質としては、金属リチウムや、酸化・還元時にリチウムイオンが挿入・脱離し得る炭素材料や遷移金属酸化物、シリコン、スズなどが好ましく用いられる。また、本発明において、「用いる」とは、その形成材料のみを使用する場合以外に、その形成材料と他の形成材料とを組み合わせて使用する場合も含める趣旨であり、通常、他の形成材料の使用割合は、その形成材料の50重量%未満に設定される。
また、本発明においては、上述のように、正極、電解質層、負極のほかに、セパレータを用いている。このようなセパレータは、各種の態様で用いることができる。上記セパレータとしては、正極と負極との間の電気的な短絡を防ぐことができ、さらに、電気化学的に安定であり、イオン透過性が大きく、ある程度の機械強度を有する絶縁性の多孔質シートを用いることが好ましい。上記セパレータの材料としては、例えば、紙、不織布や、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド等の樹脂からなる多孔性の多孔質シートが好ましく用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。また、上述のとおり、電解質層が固体電解質からなるシートである場合には、それ自体がセパレータを兼ねているため、別途他のセパレータを準備する必要はない。
<蓄電デバイスについて>
本発明の蓄電デバイスとしては、ラミネートセルや、多孔質シート型、シート型、角型、円筒型、ボタン型等種々の形状に形成される。
本発明の蓄電デバイスとしては、ラミネートセルや、多孔質シート型、シート型、角型、円筒型、ボタン型等種々の形状に形成される。
本発明の蓄電デバイスは、電極活物質(A)重量当たりの容量密度が、通常70mAh/g以上であり、100mAh/g以上という優れた容量密度を有する。
本発明の蓄電デバイスがこのように高容量を有する理由は、カルボン酸基を有する導電性ポリマーが電極に導入されることにより、このカルボン酸が導電性ポリマー主鎖近傍にドーパントアニオンとして配置されるため、電極内の固定ドーパントとして存在することになる。そして、このように導電性ポリマーの主鎖近傍に固定配置されたカルボン酸は、電極活物質の酸化還元時の電荷補償に使用される。この結果、電解液の使用量が少なくても良好な特性を発現できる蓄電デバイスとなる。
さらに、本発明の蓄電デバイスの電極は、上記カルボン酸基を有する導電性ポリマーを用いているため、電気二重層キャパシタのように高速充放電特性に優れるうえ、従来の電気二重層キャパシタの容量密度よりも高い容量密度を有するようになる。このことから、本発明に係る蓄電デバイスは、キャパシタ的二次電池ということができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
<正極の作製>
〔アニリンと3−アミノ安息香酸を共重合して得られるポリ(アニリン−co−3−アミノ安息香酸)粉末の調製〕
カルボン酸基を有する導電性ポリマーとして、ポリ(アニリン−co−3−アミノ安息香酸)粉末を下記のように調製した。
<正極の作製>
〔アニリンと3−アミノ安息香酸を共重合して得られるポリ(アニリン−co−3−アミノ安息香酸)粉末の調製〕
カルボン酸基を有する導電性ポリマーとして、ポリ(アニリン−co−3−アミノ安息香酸)粉末を下記のように調製した。
1Lのガラス製ビーカー中にイオン交換水348.4gを入れ、42重量%テトラフルオロホウ酸水溶液(和光純薬工業社製、試薬特級)215.4g (1.03モル)を加え、マグネチックスターラーにて撹拌し混和させた。そこにアニリン(和光純薬工業社製、試薬特級)12.0g(0.129モル)と3−アミノ安息香酸(東京化成工業社製、試薬1級)17.7g (0.129モル)を添加し、撹拌溶解させた。アニリンと3−アミノ安息香酸は、テトラフルオロホウ酸と塩を形成して水に完全に溶解した。
この混合溶液を、メカニカル撹拌機の設置された1Lのセパラブルフラスコに移して、ステンレス製のジャケット付き冷却槽中にセットした。冷却槽は、低温恒温槽に接続して、−10℃の冷媒を循環させた。撹拌を続けながら、イオン交換水109.2gにペルオキソ二硫酸アンモニウム58.8g(0.258モル)を溶解させた酸化剤水溶液を、セパラブルフラスコ中に、チューブポンプを用いて0.1mL/分の滴下速度でゆっくりと滴下した。その際、重合溶液温度を0℃以下に保つように注意しながら滴下した。
約2時間掛けて酸化剤水溶液を添加した後、冷却を止め、そのままさらに2時間撹拌を続けた。その後、セパラブルフラスコの内容物を、No.2濾紙(ADVANTEC社製)にて吸引濾過して、アニリンと3−アミノ安息香酸との共重合体粉末、すなわちポリ(アニリン−co−3−アミノ安息香酸)粉末を濾別した。15重量%テトラフルオロホウ酸水溶液にて共重合体粉末を洗浄した。ついで、メタノール中で2回撹拌洗浄した後、室温下、15時間真空乾燥を行った。乾燥後の収量は、19.3gであった。この粉末をIR用錠剤成型器を用いてディスク状に成形し、ファン・デル・ポー法により4端子法電導度測定を行った。電導度は、2.4S/cmであった。
48重量%スチレン/ブタジエン共重合体ゴム(SBR)エマルジョン(JSR社製、TRD2001)5.2gと19.8重量%ポリビニルピロリドン(PVP)水溶液(日本触媒社製、K−90W)30.3gを混合し、イオン交換水7gを添加して、超音波ホモジナイザーにて均一溶液化して得られたバインダポリマー分散液を調製した。上記で得られたアニリンと3−アミノ安息香酸の共重合体粉末4gと導電性カーボンブラックであるアセチレンブラック(電気化学工業社製、デンカブラック)0.547gを粉末状態で混合した後、上記にて調製したSBRとPVPからなるバインダポリマー分散液4.63g中に添加し、スパチュラでかき混ぜて混合した後、超音波ホモジナイザー(ヒールッシャー社製、UP−200S)にて分散混合し、粘性のある電極ペーストを調製した。得られたペーストを真空吸引鍾とロータリーポンプにて脱泡した。
このようにして脱泡したペーストをエッチング処理した電気二重層キャバシタ用の幅150mm、厚み30μmのアルミニウム箔(宝泉社製、30CB)上に卓上型自動塗工機(テスター産業社製、PI−1210)を用いて、マイクロメーター付きフィルムアプリケータ(SA−204)にて塗布し、室温で45分間放置した後、100℃のホットプレート上で乾燥した。この後、真空プレス機(北川精機社製、KVHC−PRESS)を用いて、温度140℃、圧力15.2kgf/cm2(1.5MPa)で5分間プレスして、シート状分極性電極(正極シート)を得た。
この正極シートを15.95mmφの打ち抜き機にて円形に打ち抜いた。アルミ箔厚みを差し引いた電極活物質層厚みは397μm、同じくアルミ箔集電体分を除いた電極活物質層重量は8.4mgであり、電極活物質層の空隙率は91.5%であった。
上記空隙率を算定する際に用いる各構成材料の真密度(真比重)としては、ポリ(アニリン−co−3−アミノ安息香酸)1.2(ドーパントを含む)、デンカブラック(アセチレンブラック)2.0、スチレン/ブタジエン共重合体ゴム(SBR)1.04、ポリビニルピロリドン(PVP)1.0として計算した。
<負極材料の準備>
厚み50μmの金属リチウム箔(本城金属社製、コイン型金属リチウム)を準備した。
厚み50μmの金属リチウム箔(本城金属社製、コイン型金属リチウム)を準備した。
<電解液の準備>
1モル/dm3濃度のテトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)のエチレンカーボネート/ジメチルカーボネート溶液(キシダ化学社製)を準備した。
1モル/dm3濃度のテトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)のエチレンカーボネート/ジメチルカーボネート溶液(キシダ化学社製)を準備した。
<セパレータの準備>
不織布(宝泉社製、TF40−50、空孔率:55%)を準備した。
不織布(宝泉社製、TF40−50、空孔率:55%)を準備した。
〔電極セルの製造〕
まず、セルへの組み付け前に、上記正極シートを直径15.95mmの打ち抜き刃が据え付けられた打ち抜き治具にて円盤状に打ち抜いて正極とし、負極としては金属リチウム箔、セパレータとしては不織布を準備し、電解液には1モル/dm3濃度のテトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)のエチレンカーボネート/ジメチルカーボネート溶液(キシダ化学社製)を準備した。電解液量(mg)は、テトラフルオロホウ酸をドープしたポリ(アニリン−co−3−アミノ安息香酸)の重量(mg)に対して、4.5倍とした。
まず、セルへの組み付け前に、上記正極シートを直径15.95mmの打ち抜き刃が据え付けられた打ち抜き治具にて円盤状に打ち抜いて正極とし、負極としては金属リチウム箔、セパレータとしては不織布を準備し、電解液には1モル/dm3濃度のテトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)のエチレンカーボネート/ジメチルカーボネート溶液(キシダ化学社製)を準備した。電解液量(mg)は、テトラフルオロホウ酸をドープしたポリ(アニリン−co−3−アミノ安息香酸)の重量(mg)に対して、4.5倍とした。
露点が−100℃のグローブボックス中、超高純度アルゴンガス雰囲気下で、これらを宝泉社製の非水電解液二次電池実験用のステンレス製HSセルに組み付けた。上記正極およびセパレータは、HSセルへの組み付けの前に真空乾燥機にて100℃で5時間、真空乾燥した。
(蓄電池性能)
0.05mA/cm2の電流値にて、3.8Vまで充電を行った。3.8V到達後、定電位充電に切り替えた。充電後30分放置し、その後0.05mA/cm2の電流値にて、電圧が2Vになるまで放電し、これを繰り返した。
0.05mA/cm2の電流値にて、3.8Vまで充電を行った。3.8V到達後、定電位充電に切り替えた。充電後30分放置し、その後0.05mA/cm2の電流値にて、電圧が2Vになるまで放電し、これを繰り返した。
放電レート0.05Cのときの初期重量容量密度は107mAh/gであり、放電レート0.2Cのときの初期重量容量密度は97mAh/gであった。充放電電流値を変化させながら測定したレート試験の結果を図2に示す。但し、0.2Cのときの重量容量密度を容量維持率(%)の基準とした。
〔比較例1〕
〔テトラフルオロホウ酸アニオンをドーパントとする導電性ポリアニリン粉末の調製〕
イオン交換水138gを入れた300mL容量のガラス製ビーカーに42重量%濃度のテトラフルオロホウ酸水溶液(和光純薬工業社製、試薬特級)84.0g(0.402モル)を加え、磁気スターラーにて撹拌しながら、これにアニリン10.0g(0.107モル)を加えた。テトラフルオロホウ酸水溶液にアニリンを加えた当初は、アニリンは、テトラフルオロホウ酸水溶液に油状の液滴として分散していたが、その後、数分以内に水に溶解して、均一で透明なアニリン水溶液となった。このようにして得られたアニリン水溶液は低温恒温槽を用いて−4℃以下に冷却した。
〔テトラフルオロホウ酸アニオンをドーパントとする導電性ポリアニリン粉末の調製〕
イオン交換水138gを入れた300mL容量のガラス製ビーカーに42重量%濃度のテトラフルオロホウ酸水溶液(和光純薬工業社製、試薬特級)84.0g(0.402モル)を加え、磁気スターラーにて撹拌しながら、これにアニリン10.0g(0.107モル)を加えた。テトラフルオロホウ酸水溶液にアニリンを加えた当初は、アニリンは、テトラフルオロホウ酸水溶液に油状の液滴として分散していたが、その後、数分以内に水に溶解して、均一で透明なアニリン水溶液となった。このようにして得られたアニリン水溶液は低温恒温槽を用いて−4℃以下に冷却した。
つぎに、酸化剤として二酸化マンガン粉末(和光純薬工業社製、試薬1級)11.63g(0.134モル)を上記アニリン水溶液中に少量ずつ加えて、ビーカー内の混合物の温度が−1℃を超えないようにした。このようにして、アニリン水溶液に酸化剤を加えることによって、アニリン水溶液は直ちに黒緑色に変化した。その後、しばらく撹拌を続けたとき、黒緑色の固体が生成し始めた。
このようにして、80分間かけて酸化剤を加えた後、生成した反応生成物を含む反応混合物を冷却しながら、さらに、100分間撹拌した。その後、ブフナーロートと吸引瓶を用いて、得られた固体をNo.2濾紙(ADVANTEC社製)にて吸引濾過して、粉末を得た。この粉末を約2モル/dm3濃度のテトラフルオロホウ酸水溶液中にて磁気スターラーを用いて撹拌、洗浄し、ついで、アセトンにて数回、撹拌、洗浄し、これを減圧濾過した。得られた粉末を室温で10時間真空乾燥して、テトラフルオロホウ酸アニオンをドーパントとする導電性ポリアニリン12.5gを鮮やかな緑色粉末として得た。この粉末をIR用錠剤成型器を用いてディスク状に成形し、ファン・デル・ポー法により4端子法電導度測定を行った。電導度は、19.5 S/cmであった。
得られたドープ状態ポリアニリン粉末4.0gを実施例1のポリ(アニリン−co−3−アミノ安息香酸)の代わりに使用し、実施例1と同様に黒色水分散液を得た。
この後、実施例1と同様にして、上記バインダーを用いて正極シートを作製した。この複合体シートの厚みは275μmで、空隙率は47%であった。
上記空隙率を算定する際に用いる上記各構成材料の真密度(真比重)としては、ポリアニリン1.2(ドーパントを含む)、デンカブラック(アセチレンブラック)2.0、スチレン/ブタジエン共重合体ゴム(SBR)1.04、ポリビニルピロリドン(PVP)1.0として計算した。
その後、実施例1と同様に、HSセルに組み込んで、リチウム二次電池を組み立て、その電池特性を評価した。充放電レート0.05Cのときの初期重量容量密度は100mAh/gであり、充放電レート0.2Cのときの初期重量容量密度は91mAh/gであった。充放電電流値を変化させながら測定したレート試験の結果を実施例1とともに図2に示す。
よく知られているように、電池容量がX(mAh)である場合、全容量を1時間かけて放電するときの電流値はX(mA)であり、充放電レートが1Cである。Cは容量を表わす「capacity」の頭文字をとったものである。したがって、2C充放電の電流値は2X(mA)であり、このとき、充放電は 1/2時間、即ち、30分で終了する。10C充放電の電流値は10X(mA)となり、このとき、1/10時間、即ち、6分で充放電が終了する。このように、Cの大きい値まで充放電できることは、その電池の出力が非常に大きいことを示し、高速充放電ができることを意味している。
比較例1の蓄電池の重量容量密度は100mAh/gという高い容量密度であったが、図2に示す結果から明らかなように、レート試験においては、5Cでほぼ容量が取り出せなくなった。
一方、実施例1で組み立てた蓄電池は、10C以上という極めて高い放電レートで充放電できるので、非常に出力特性の高い電池であることが分かった。
また、実施例1の電池セルの重量容量密度は充分に大きな値であり、電気二重層キャパシタに比べてもより大きな容量密度が得られることが分かった。したがって、導電性ポリマー鎖にカルボン酸を結合したカルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーを電極形成材料として用いると、高速充放電や優れた高容量密度を有する新規な蓄電デバイスが得られること分かる。
また、上記実施例1の自己ドープ型ポリアニリンのように酸化ドープ状態で使用するだけでなく、次に示すように、還元脱ドープ状態で使用することも可能である。
〔実施例2〕
〔還元型カルボン酸タイプ自己ドープ型ポリアニリン粉末の調製〕
2Lのガラス製ビーカーに、イオン交換水1,020gを入れ、そこに42重量%濃度テトラフルオロホウ酸水溶液を376.3g(1.8モル)添加し、マグネチックスターラーにて撹拌して均一混合した。撹拌下、3−アミノ安息香酸54.86g(0.40モル)をこのテトラフルオロホウ酸水溶液中に粉末を添加し、溶解させた。最初は懸濁状態であったが、数分以内に粉末は溶解して、薄黄土色の透明溶液となった。そこへアニリン18.6g(0.20モル)を添加し、撹拌溶解させた。最初は油状液滴が分散された状態であったが、数分以内に均一な透明水溶液となった。これらのモノマー類を溶解させたテトラフルオロホウ酸水溶液の入ったビーカーから、錨型撹拌羽根と平板撹拌羽根の2つの羽根が付いた撹拌棒が設置された、3L円筒型ガラス製セパラブルフラスコ内に内容物を移して、撹拌した。このセパラブルフラスコを、低温恒温循環装置に連結された外浴内に設置して、3℃に冷却した。
〔還元型カルボン酸タイプ自己ドープ型ポリアニリン粉末の調製〕
2Lのガラス製ビーカーに、イオン交換水1,020gを入れ、そこに42重量%濃度テトラフルオロホウ酸水溶液を376.3g(1.8モル)添加し、マグネチックスターラーにて撹拌して均一混合した。撹拌下、3−アミノ安息香酸54.86g(0.40モル)をこのテトラフルオロホウ酸水溶液中に粉末を添加し、溶解させた。最初は懸濁状態であったが、数分以内に粉末は溶解して、薄黄土色の透明溶液となった。そこへアニリン18.6g(0.20モル)を添加し、撹拌溶解させた。最初は油状液滴が分散された状態であったが、数分以内に均一な透明水溶液となった。これらのモノマー類を溶解させたテトラフルオロホウ酸水溶液の入ったビーカーから、錨型撹拌羽根と平板撹拌羽根の2つの羽根が付いた撹拌棒が設置された、3L円筒型ガラス製セパラブルフラスコ内に内容物を移して、撹拌した。このセパラブルフラスコを、低温恒温循環装置に連結された外浴内に設置して、3℃に冷却した。
酸化剤水溶液として、イオン交換水254.3gに、ペルオキソ二硫酸アンモニウム136.92g(0.6モル)を溶解させ、35重量%水溶液を用意した。溶液は無色透明であった。
セパラブルフラスコ内の反応混合物の温度を2〜4℃に保ちながら、酸化剤水溶液を上記アニリン/3−アミノ安息香酸混合水溶液中に、滴下速度1mL/分の速度で、チューブポンプを用いて少量ずつ加えて酸化重合した。外浴温度は1℃であった。セパラブルフラスコの撹拌速度は、300rpmとした。アニリン/3−アミノ安息香酸混合水溶液は、最初、薄黄土色であったが、35分後位から、反応溶液の色が徐々に緑色がかってきた。そして黒緑色となり、変色から15分後には黒緑色の粉末が生成し始めた。反応混合液は、酸化剤添加前の2℃から、酸化剤添加から黒緑色粉末生成に至る間に、アニリンの酸化重合の重合熱発生による8℃までの温度上昇が見られた。
2時間掛けて酸化剤を全て滴下させた後、冷却下、そのまま撹拌を継続させ、合計5.5時間重合させた後、重合を終えた。その後、ブフナーロートと吸引瓶を用いて、得られた固体を、平均孔径0.2μmのPTFE製親水化処理メンブレンフィルタ「オムニポア・メンブレンフィルタ」(アズワン社より購入)を用いて、ブフナーロートにて吸引濾過して、黒緑色の導電性粉末を得た。この粉末をメタノールにて撹拌洗浄3回、水洗2回、アセトン洗浄2回行った後、得られた粉末を真空乾燥機にて35℃にて17時間真空乾燥して、ドープ状態のアニリンと3−アミノ安息香酸の共重合体20.0gを黒緑色粉末として得た。van der Pauw法による4端子法電導度測定で得られた電導度は、3.3×10-4 S/cmであった。
カルボン酸タイプ自己ドープ型ポリアニリンは、ドープ状態では、メタノール、アセトン、水のいずれにも溶解しなかった。従って、ドープ状態でメタノール洗浄、水洗しておけば、未反応モノマー類も洗浄できることになる。
この共重合体を水酸化リチウムにて脱ドープ処理し、さらにヒドラジン一水和物にて還元処理し、共重合体水溶液を調製し、この水溶液サンプルから低分子夾雑物を除去するために、ゲル濾過処理〜エバポレータ濃縮・乾固処理にて、自己ドープ型ポリアニリン粉末を得た。
ゲル濾過処理は下記のようにして行った。ガラス製ビーカーにイオン交換水 200g を取り、この中に、マグネチックスターラー撹拌下、水酸化リチウム1.06g(0.0443モル)を溶解し、ここへ上記共重合体10gを添加、撹拌した。溶液の色は、黒青色を示した。更にここに、ヒドラジン一水和物0.92g(0.018モル)を添加し、撹拌を続けた。自己ドープ型ポリアニリンのキノンジイミン構造部分の還元反応が起こり、生成窒素ガスにより大量の泡が発生した。反応溶液の色は、黒褐色を呈した。撹拌を4時間続け、共重合体を完全に溶解させた。この後、得られた反応液をブフナーロート型ガラス濾過器(相互理化学硝子製作所社製、11G−2ガラスフィルタ)を用いて吸引濾過したところ、ガラスフィルタ上には不溶部は残っていなかった。
ゲル濾過材は、GEヘルスケア・ジャパン製「Sephadex 10−G」(分画分子量 1,000)を用いた。よって、自己ドープ型ポリアニリン水溶液中に含まれる、未反応モノマーを含む分子量1,000以下の低分子夾雑物を水溶液中から除去できる、と言うものである。これを充填するカラムとして、下部に焼結ガラス製フィルタ及びコック付きの、85mmφのガラス製カラムで、高さ500mm、容積2,500 mLのものを用い、これにゲル濾過材を充填して使用した。
自己ドープ型ポリアニリンの水酸化リチウム処理〜ヒドラジン還元処理にて得られた還元状態自己ドープ型ポリアニリン水溶液を、このゲル濾過材の充填されたガラスカラムの上部から投入すると、黒灰色のゲル濾過材上部から、黒褐色の還元状態自己ドープ型ポリアニリン水溶液が、層状に落下してくるため、その境目を注視しながら、黒褐色の帯がカラム下部から出てくるタイミングで、ゲル濾過物の捕集を開始した。
充填材上部に液体がなくなると、カラム下部からの液体の流出が停止するため、その時はイオン交換水をカラム上部から注ぎ、ゲル濾過処理液の流出を促すことになる。処理液の終点は、流出液の黒褐色の色の濃さと流出液のpHとを、pH試験紙でチェックしながら、低分子量のアルカリ性物質が出始める前までを、主精製物の流出フラクション(精製水溶液フラクション)として定めた。
回収した精製水溶液フラクションを、エバポレータにて濃縮・乾固することにより、還元型カルボン酸タイプ自己ドープ型ポリアニリンの単離粉末14.2gが最終生成物として得られた。
(二次電池の作製)
次に得られたカルボン酸基が共有結合で結合された自己ドープ型ポリアニリンを正極とするリチウム二次電池特性について説明する。
次に得られたカルボン酸基が共有結合で結合された自己ドープ型ポリアニリンを正極とするリチウム二次電池特性について説明する。
上記により得られた還元脱ドープ状態自己ドープ型ポリアニリン112mgを、導電助剤のアセチレンブラック(電気化学工業社製、デンカブラック) 112mg、バインダーポリマーのPTFE(テトラフルオロエチレン)粉末(ダイキン工業社製、F−102) 25mgと一緒に、メノウ製乳鉢に取り、ワカメ状に材料が延びるまでよく混練した。混練した材料から100mgをとり、直径13mmφの錠剤成形機を用いて、シート状に成形した。得られたシートから25mg分切り出して、電池用正極とした。これを露点−55℃のドライルーム中に設置された真空乾燥機中で、100℃、2時間真空乾燥し、その後電極重量を精秤した。電極活物質重量は、配合割合に基づきこの乾燥重量の45重量%とした。
実施例1と同様にして、露点−100℃のグローブボックス内にて、ステンレス製HSセルを用いて、負極としての15.5mmφのコイン型金属リチウム、不織布セパレータ TF40−50、上記で作製した正極を、この順序で組み上げた。電解液は、1モル/dm3のヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)のエチレンカーボネート/ジメチルカーボネート溶液100μLを、負極の金属リチウム、とその上に不織布セパレータをセットした後に、セル内に注入し、この上に正極をセットし、上蓋を載せた後、セルをネジで締め付けて密閉構造とした。
充放電条件は、充電上限電圧 4.2V、放電下限電圧 2.0Vとし、電流値は、0.04mA/cm2の定電流で充電し、充電上限電圧に到達すると、ここからは定電圧充電に切り替え、電流値が初期の20%まで低下した時点でレストモードで放置し、30分後に今度は充電時と同じ定電流で、放電下限電圧まで定電流放電した。図5にこのときの充放電曲線を示す。容量密度は、111mAh/gであった。n=2で作製した電池の片方を充電状態で休止し、もう一方は放電状態で休止させた。次に、グローブボックス内でこれらのセルを分解して、正極を取り出し、電解液の溶剤であるエチレンカーボネート/ジメチルカーボネートで、3回洗浄を繰り返した後、アルミラミネートフィルム中に正極を入れ、ヒートシールし、それぞれTOF−SIMS分析に供した。
〔比較例2〕
実施例2において、3−アミノ安息香酸を用いない他は実施例2と同様にして調製し、カルボン酸基を有しないポリアニリンを得た。そして、このポリアニリンを用いた最終的なリチウム電池を作製した。
実施例2において、3−アミノ安息香酸を用いない他は実施例2と同様にして調製し、カルボン酸基を有しないポリアニリンを得た。そして、このポリアニリンを用いた最終的なリチウム電池を作製した。
〔実施例3〕
実施例2において、3−アミノ安息香酸 54.86g(0.40モル)の代わりに、2−アミノ安息香酸54.86g(0.40モル)を用いた以外、実施例2と全く同様にして還元脱ドープ状態自己ドープ型ポリアニリンを得た。
実施例2において、3−アミノ安息香酸 54.86g(0.40モル)の代わりに、2−アミノ安息香酸54.86g(0.40モル)を用いた以外、実施例2と全く同様にして還元脱ドープ状態自己ドープ型ポリアニリンを得た。
〔実施例4〕
3Lのガラス製ビーカーに、イオン交換水2,043gを入れ、そこに42重量%濃度テトラフルオロホウ酸水溶液を188.2g(0.9モル)添加し、マグネチックスターラーにて撹拌して均一混合した。撹拌下、5−アミノイソフタル酸36.23g(0.20モル)をこのテトラフルオロホウ酸水溶液中に粉末を添加し、溶解させた。最初は懸濁状態であったが、数分以内に粉末は溶解して、無色透明の溶液となった。そこへアニリン9.31g(0.10モル)を添加し、撹拌溶解させた。最初は油状液滴が分散された状態であったが、数分以内に均一な透明水溶液となった。これらのモノマー類を溶解させたテトラフルオロホウ酸水溶液の入ったビーカーから、錨型撹拌羽根と平板撹拌羽根の2つの羽根が付いた撹拌棒が設置された、3L円筒型ガラス製セパラブルフラスコ内に内容物を移して、撹拌した。このセパラブルフラスコにを、低温恒温循環装置に連結された外浴内に設置して、10℃に冷却した。
3Lのガラス製ビーカーに、イオン交換水2,043gを入れ、そこに42重量%濃度テトラフルオロホウ酸水溶液を188.2g(0.9モル)添加し、マグネチックスターラーにて撹拌して均一混合した。撹拌下、5−アミノイソフタル酸36.23g(0.20モル)をこのテトラフルオロホウ酸水溶液中に粉末を添加し、溶解させた。最初は懸濁状態であったが、数分以内に粉末は溶解して、無色透明の溶液となった。そこへアニリン9.31g(0.10モル)を添加し、撹拌溶解させた。最初は油状液滴が分散された状態であったが、数分以内に均一な透明水溶液となった。これらのモノマー類を溶解させたテトラフルオロホウ酸水溶液の入ったビーカーから、錨型撹拌羽根と平板撹拌羽根の2つの羽根が付いた撹拌棒が設置された、3L円筒型ガラス製セパラブルフラスコ内に内容物を移して、撹拌した。このセパラブルフラスコにを、低温恒温循環装置に連結された外浴内に設置して、10℃に冷却した。
酸化剤水溶液として、イオン交換水211gに42%テトラフルオロホウ酸水溶液(和光純薬工業製 試薬特級)を62.6g(0.3モル)添加し、更にペルオキソ二硫酸アンモニウム68.46g (0.3モル)を加えて溶解させ、20重量%溶液を作製した。溶液は無色透明であった。
この後は、実施例2と全く同様にして、還元脱ドープ状態の自己ドープ型ポリアニリンを得た。
以上得られた実施例2〜4及び比較例2を用いて、以下の分析・測定を行った。
<TOF−SIMS分析>
TOF−SIMS(飛行時間二次イオン質量分析計:Time-of-flight secondary ion mass spectrometer)とは、固体試料上の原子、分子の化学情報を一分子層以下の感度で測定でき、また特定の分子や原子の分布を100nm以下の空間分解能で観察できる質量分析計である。TOF−SIMSは一次イオンビームを固体試料に照射し、その際に試料の最表面から放出されるイオン(二次イオン)を検出する二次イオン質量分析法(SIMS)の一つで、質量分析計に飛行時間質量分析計(TOF−MS)を用いるため、TOF−SIMSと呼ばれる。
TOF−SIMS(飛行時間二次イオン質量分析計:Time-of-flight secondary ion mass spectrometer)とは、固体試料上の原子、分子の化学情報を一分子層以下の感度で測定でき、また特定の分子や原子の分布を100nm以下の空間分解能で観察できる質量分析計である。TOF−SIMSは一次イオンビームを固体試料に照射し、その際に試料の最表面から放出されるイオン(二次イオン)を検出する二次イオン質量分析法(SIMS)の一つで、質量分析計に飛行時間質量分析計(TOF−MS)を用いるため、TOF−SIMSと呼ばれる。
TOF−SIMS分析の対象となる位置を明確にするため、まず充電休止状態および放電休止状態のリチウム二次電池から取り出した正極の光学顕微鏡(OM像)を図の上段に示すとともに、LiイオンのTOF−SIMSマッピング像を図の下段に示す。また、図の左側に充電休止状態で取り出した正極を示し、図の右側に放電休止状態で取り出した正極を示す(図3(A):充電時OM像、図3(B):放電時OM像、図3(C):充電時TOF−SIMS像、図3(D):放電時TOF−SIMS像)。
上記TOF−SIMSを用いて、実施例2の正極サンプルを分析した結果を図3に示すとともに、比較例2の正極サンプルを分析した結果を図4に示した。
本実施例に示した電池がロッキングチェア機構で動いているかどうかは、前記したように、放電時に正極のポリアニリン内部にまで、きちんとリチウムイオンが帰ってきているかどうかで判断できる。
実際に、図3(D)のLiイオンの分布状況を見れば一目瞭然である。すなわち、図3(C)の充電休止状態の電池の正極内ポリアニリン中には、リチウムイオンはほとんど存在していないが、図3(D)の放電休止状態の電池の正極内ポリアニリン中には、ほぼ全面に均一にリチウムイオンが分布している様子が示されている。これより、本発明に示された、主鎖骨格内に共有結合で結合された状態でカルボン酸基を有する自己ドープ型ポリアニリンは、ロッキングチェア機構で充放電することが明瞭に示されている。
このことより、導電性高分子正極のリチウム二次電池において従来より指摘されていた、電解液量を多くしないと大容量が得られないため電池全体としての重量エネルギー密度が小さくなってしまう、という導電性高分子正極の根源的な大きな課題が、本発明の主鎖骨格内に共有結合で結合された状態でカルボン酸基を有する自己ドープ型ポリアニリンを用いることで解決された。すなわち、本発明の電池は、ロッキングチェア機構で充放電することのできるリチウム二次電池であるため、ごく少量の電解液で二次電池として作動するので、電解液重量を含めた電池全体としての重量エネルギー密度を大きくできるという画期的なリチウム二次電池が得られることになる。
これに対して、図4は比較例2のTOF−SIMS像であるが、図3よりも高倍率の光顕像になっている〔図3(A),(C)約300μm×300μm、図3(B),(D)約220μm×220μm、図4(A),(C)約60μm×60μm、図4(B),(D)約44μm×44μm〕。これは、図4の比較例2の無置換ポリアニリンの平均粒子径は数μm〜20μm程度であり、図3の実施例2の自己ドープ型ポリアニリンの平均粒子径(数μm〜70μm)よりも小さいためである。図4(C)のLiイオンのTOF−SIMSマッピング像において、充電状態で休止したサンプルのポリアニリンの内部にリチウムイオンか存在しないのは当然であるが、図4(D)より放電状態で休止したサンプルの内部にも、リチウムイオンは存在しないことが明らかである。このことは、比較例2の無置換ポリアニリンを正極としたリチウム二次電池では、ロッキングチェア機構では充放電していないことを明瞭に示している。このとき、この電池は、電解液中のヘキサフルオロリン酸アニオンが、充電時にポリアニリン内部に進入してドープ状態ポリアニリンになり、放電時にポリアニリン内部から電解液中に出て行くことにより充放電するリザーブ型機構で動作している。従って、ヘキサフルオロリン酸アニオンが大量に必要であり、そのため電解液が大量に必要であるため、電解液重量を含む電池全体の重量が大きくなり、そのため本電池の重量エネルギー密度は、小さくなってしまうのである。
<FT−IRスペクトル>
上記調製により得られた実施例2〜3で得られた還元脱ドープ状態の自己ドープ型ポリアニリンを準備し、KBrディスク法を用いて、フーリエ変換赤外分光光度計(Thermo Fisher Scientific社製、Nicolet magna760)により、FT−IRスペクトルを得た。実施例2のポリアニリンに対するスペクトルを図6、実施例3のポリアニリンに対するスペクトルを図7に示す。
上記調製により得られた実施例2〜3で得られた還元脱ドープ状態の自己ドープ型ポリアニリンを準備し、KBrディスク法を用いて、フーリエ変換赤外分光光度計(Thermo Fisher Scientific社製、Nicolet magna760)により、FT−IRスペクトルを得た。実施例2のポリアニリンに対するスペクトルを図6、実施例3のポリアニリンに対するスペクトルを図7に示す。
図6および図7のFT−IRスペクトルより、還元状態ポリアニリンのピークに加えて、カルボン酸塩のピークが1561cm-1に存在している。一方、1700cm-1付近に現れるはずの遊離カルボン酸由来のピークが見あたらないことから、これは全てのカルボン酸がLi塩化された自己ドープ型ポリアニリンのFT−IRスペクトルであることが分かる。
<13C−固体NMRスペクトル>
また、実施例2〜4の自己ドープ型ポリアニリン粉末を用い、13C−固体NMRスペクトル測定装置(Bruker Biospin社製、AVANCE 300)によって得られたポリアニリン粉末の13C−固体NMRスペクトルを図8〜10に示す。また比較例2のカルボン酸を有しないポリアニリン粉末の13C−固体NMRスペクトルを図11に示す。
また、実施例2〜4の自己ドープ型ポリアニリン粉末を用い、13C−固体NMRスペクトル測定装置(Bruker Biospin社製、AVANCE 300)によって得られたポリアニリン粉末の13C−固体NMRスペクトルを図8〜10に示す。また比較例2のカルボン酸を有しないポリアニリン粉末の13C−固体NMRスペクトルを図11に示す。
実施例2〜4に対応する図8〜10から、還元脱ドープ状態ポリアニリンの芳香環のCに由来するピークが、110〜150ppmに表れている。一方、3−アミノ安息香酸を用いていない比較例2に対応する図11には、カルボン酸塩のカルボニル炭素が175ppmに全くピークが表れていないのに対し、実施例2〜4に対応する図8〜10には175ppmにピークが明瞭に表れていることから、実施例における本ポリマーが、カルボン酸塩が共有結合で芳香環に結合された、自己ドープ型ポリアニリンであることが分かる。
なお、図11の30.5ppmのピークは、ポリアニリン合成時の洗浄溶剤のアセトンの残存によるものにすぎない。
なお、図11の30.5ppmのピークは、ポリアニリン合成時の洗浄溶剤のアセトンの残存によるものにすぎない。
また、図9の実施例3の13C−固体NMRスペクトルより、カルボキシル基炭素に由来する175ppmのピークと、それ以外の芳香族炭素に由来するピークの比率より、カルボキシル基置換されたアニリン骨格が60モル%という高い比率で導入されているという結果となった。これは175ppmにカルボニル炭素のピークが明瞭に現れていることから容易に理解され得る。
さらに、図10の実施例4の13C−固体NMRスペクトルより、カルボキシル基炭素に由来する174ppmのピーク1と、それ以外の芳香族炭素に由来するピーク2の比率より、共重合体中の、アミノイソフタル酸残基の含有率は、43モル%であることが分かった。この例で、13C−固体NMRスペクトルの174ppmに現れているカルボン酸に帰属されるピーク面積が大きくなっているのは、芳香環当たりに2個のカルボン酸を有するイソフタル酸骨格のアミンを用いてアニリンと共重合させたことから、モノマー残基の含有率の2倍のカルボン酸炭素量があるためである。本実施例で得られた共重合体が、これまで得られたアニリンとカルボン酸含有芳香族アミンの共重合体の中で、最もカルボン酸含有率の高いものであった。
本発明の蓄電デバイスは、リチウム二次電池等の蓄電デバイスや高容量キャパシタとして好適に使用できる。また、本発明の蓄電デバイスは、従来の二次電池や電気二重層キャパシタと同様の用途に使用でき、例えば、携帯型PC、携帯電話、携帯情報端末(PDA)等の携帯用電子機器や、ハイブリッド電気自動車、電気自動車、燃料電池自動車等の駆動用電源に広く用いられる。
1 集電体(正極用)
2 正極
3 電解質層
4 負極
5 集電体(負極用)
2 正極
3 電解質層
4 負極
5 集電体(負極用)
Claims (3)
- 電解質層と、これを挟んで設けられた正極と負極とを有する蓄電デバイスであって、上記正極および負極の少なくとも一方の電極が、カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーを含有することを特徴とする蓄電デバイス。
- 蓄電デバイス用電極であって、カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーを含有することを特徴とする蓄電デバイス用電極。
- 蓄電デバイス電極用多孔質シートであって、カルボン酸基を有する自己ドープ型導電性ポリマーを含有することを特徴とする蓄電デバイス電極用多孔質シート。
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