JP2014138210A - デジタル放送受信装置およびデジタル放送受信方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】OFDM受信信号をFFTしてサブキャリア成分を出力し、SP信号を抽出し、既知SP信号を生成し、抽出されたSP信号を既知SP信号で除算して、SP信号に対応する伝送路特性信号を算出し、算出したSP信号に対応する伝送路特性信号に対して、シンボル方向の内挿を行い、シンボル方向に内挿された伝送路特性信号を、キャリア方向にIFFTして遅延プロファイルを出力し、この遅延プロファイルをフィルタリングし、フィルタリングされた遅延プロファイルをFFTして、全てのサブキャリア成分に対応する伝送路特性信号を出力し、OFDM受信信号をFFTして得られたサブキャリア成分を、フィルタリングされた遅延プロファイルをFFTして得られたサブキャリア成分に対応する伝送路特性で除算して復調信号を出力する。
【選択図】図8
Description
OFDM方式において、送信する情報は、複数のサブキャリアに割り振られ、各サブキャリアでQPSK(Quadrature Phase Shift Keign)方式またはQAM(Quadrature Amplitude Modulation)方式あるいは多値PSK方式などのデジタル変調が施される。
また、サブキャリアを受信側で復調する際に利用する信号として、既知信号が、特定のサブキャリアに多重されている。これらの多重化されたサブキャリアは、逆フーリエ変換処理によって直交変換され、所望の送信周波数に周波数変換されて伝送される。
なお、逆フーリエ変換を行う伝送単位をシンボルと呼ぶ。
国内の地上デジタル放送であるISDB−T方式または欧州のDVB−T方式を例にとると、送信信号にスキャッタードパイロット(SP;Scattered Pilot)信号が周期的に挿入されている。
スキャッタードパイロット信号(以下、SP信号と記載する)は、図1に示すように、時間方向に4シンボルごと、キャリア(周波数)方向に12キャリアずつ分散配置されており、かつ、それらの挿入位置は4シンボル周期で同じ周波数位置になるようにシンボルごとに3キャリアずつシフトしながら配置されている。
さらに、SP信号の伝送路特性の推定結果を、図2に示すようにシンボル(時間)方向に内挿補間し、その後、図3に示すようにキャリア(周波数)方向に内挿補間をすることで、全てのサブキャリアに対する伝送路特性を得ることが可能となる。
ここで、シンボル方向に内挿補間をする理由は、12キャリアずつ分散配置されたSP信号をシンボル方向に内挿処理することでキャリア方向に3キャリアずつ分散された信号となり、推定可能な伝送路特性の時間範囲がTs/12からTs/3に拡張されて、到来波の到来時間差が大きい環境であっても正しく伝送路推定が可能となるためである。
なお、Tsは有効シンボル長を表す。
しかしながら、高速に移動しながら受信する環境にあっては、受信信号が、ドップラー変動を受け、シンボルごとの伝送路特性が変動する。
この変動の最大周波数(最大ドップラー周波数とも言う)がシンボル内挿補間で補間可能な最大周波数である1/((Ts+Tg)/8)(Hz)を超えると、図5に示すように、シンボル内挿補間が正しく行えなくなり、結果的に、遅延プロファイルにおいて、図8に示すように、擬似的な遅延波が現れるようになる。
ここで、Tsは有効シンボル長で、Tgはガードインターバル長であり、サンプリング定理と4シンボル周期にSP信号が内挿されていることから上記式が導かれる。
このとき、誤ったシンボル内挿補間を行った伝送路特性を基にキャリア方向の内挿処理を行うと、正しい伝送路特性が得られず、受信性能が悪化するという問題点があった。
上述した問題点を解決するために、従来のデジタル放送受信装置においては、FFT部100が、受信されたOFDM信号から1シンボル期間だけ切り出し、高速フーリエ変換を実行する。これにより、受信信号が時間軸信号から周波数軸信号となる。
すなわち、フーリエ変換を行うことで、周波数軸信号の搬送波単位であるサブキャリアごとの信号に変換される。
SP信号は既知信号であるため、既知信号生成部104が、所定のサブキャリア位置に対応する既知のSP信号(以下、既知SP信号と呼ぶ)を生成する。
続いて、除算部103aが、パイロット抽出部101で抽出されたSP信号を、既知信号生成部104が生成した既知SP信号で除算して伝送路特性信号を得る。
なお、SP信号は、12サブキャリアごとに分散して挿入されているため、全てのサブキャリアの伝送路特性を取得するには内挿処理を行う必要がある。
遅延プロファイル推定部106は、入力した伝送路特性信号から到来波の到来時間およびそのレベルを判定し、キャリア内挿フィルタ部107に通知する。
キャリア内挿フィルタ部107では、その通知内容に基づいてフィルタ(FIRフィルタなど)の係数を設定し、入力した伝送路特性信号に対してフィルタリング処理を行う。
しかしながら、従来のデジタル放送受信装置では、キャリア内挿フィルタ部107を用いるため、キャリア内挿フィルタのタップ段数に応じてフィルタの通過帯域および減衰量に制約が生じるという課題があった。
受信されたOFDM信号は、FFT部1のFFT1aによって1シンボル期間だけ切り出して高速フーリエ変換され、時間軸信号から周波数軸信号となる。フーリエ変換を行うことで周波数軸信号の搬送波単位であるサブキャリアごとの信号に変換される。
パイロット抽出部2は、サブキャリアごとになった信号から所定のサブキャリア位置に挿入されているSP信号のみを抽出する。また、既知信号生成部5が所定のサブキャリア位置の既知SP信号を生成する。
次に、FFT部1のIFFT1bで、シンボル方向内挿処理したデータをキャリア方向にIFFT(高速逆フーリエ変換)を行う。
IFFT後のデータは、一般的に遅延プロファイルと呼ばれる遅延時間ごとの到来波のレベルを表す信号となる。ここでは、3キャリアごとのキャリア全てをIFFTする。
このとき、不要信号判定部7が、本来の到来波ではない不要なデータを検出し、フィルタリング部7で該当するサンプルをゼロまたは前後複数サンプルの近似データに置き換えてもよい。これにより、伝送路推定精度を向上させることが可能となる。なお、この処理は行わなくても構わない。
除算部4bは、サブキャリアごとに伝送路特性で除算をすることで(等化という)送信信号を再生する。以降、後段のデータ再生部9で元の送信データが再生される。
図9は、この発明の実施の形態2におけるデジタル放送受信方法を示すフローチャートであり、不要信号判定部7による判定方法の一例を示している。
まず、不要信号判定部7は、FFT部1のIFFT1bによる高速逆フーリエ変換の結果(遅延プロファイル)を入力すると、この遅延プロファイルにおけるピーク値(最大値)を算出する(ステップST1)。次に、不要信号判定部7は、ピーク値に対する一定の割合(変数α)で閾値を算出する(ステップST2)。
高速に移動しながら受信する環境においては、受信信号は、ドップラー変動を受けて、シンボルごとの伝送路特性が変動する。この変動の最大周波数(最大ドップラー周波数とも言う)が、シンボル内挿補間で補間可能な最大周波数である1/((Ts+Tg)/8)(Hz)を超えた場合、図5に示したようにシンボル内挿補間が正しく行えなくなり、キャリア方向のIFFT結果(遅延プロファイル)上に擬似的な遅延波が現れる。
この擬似的な遅延波は、図6に示したように、到来波の遅延時間に対して、SP信号のサンプリング周波数に対応する±Ts/12の遅延時間に現れることになる。
まず、不要信号判定部7は、IFFT結果である遅延プロファイルを1サンプルずつ読み出して(ステップST1a)、そのインデックスに対して、前後±Ts/12に当たるサンプル位置に、所定のレベル以上の擬似的な到来波(ピーク)が存在するか否かを判定する(ステップST2a)。
また、擬似的な到来波が存在しない場合(ステップST2a;NO)は、ステップST4aの処理に移行する。
また、全てのサンプルで処理を終了した場合(ステップST4a;YES)、不要データ判定処理を終了する。
このようにすることで、高速に移動しながら受信する環境であっても、正確に伝送路特性を推定することができ、受信性能を向上させることができる。
特に、図11に示すように、±Ts/12付近に本来の到来波が存在するような場合、到来波と擬似的な遅延波とが近接するため、従来方式のキャリア方向の内挿フィルタで、擬似的な遅延波を除去するには多くのタップ段数のフィルタを構成する必要がある。
これに対して、上記実施の形態3のようにすることで、到来時間に依存しないフィルタリングを行うことができる。
Claims (6)
- OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を使用したデジタル放送波を受信して、受信したOFDM信号をフーリエ変換してサブキャリア成分を出力する第1のフーリエ変換部と、
前記第1のフーリエ変換部から出力されたサブキャリア成分に含まれるパイロット信号を抽出するパイロット抽出部と、
前記パイロット信号に対応する既知信号を生成する既知信号生成部と、
前記パイロット抽出部が抽出した前記パイロット信号を、前記既知信号生成部が生成した前記既知信号で除算して前記パイロット信号に対応する伝送路特性信号を算出する第1の除算部と、
前記第1の除算部が算出した前記パイロット信号に対応する伝送路特性信号に対して、シンボル方向の内挿を行うシンボル内挿フィルタ部と、
前記シンボル内挿フィルタ部がシンボル方向に内挿した伝送路特性信号をキャリア方向に逆フーリエ変換して遅延プロファイルを出力する逆フーリエ変換部と、
前記遅延プロファイルをフィルタリングするフィルタリング部と、
前記フィルタリング部によってフィルタリングされた前記遅延プロファイルをフーリエ変換して、全てのサブキャリア成分に対応する伝送路特性信号を出力する第2のフーリエ変換部と、
前記第1のフーリエ変換部から出力された前記サブキャリア成分を、前記第2のフーリエ変換部から出力された前記サブキャリア成分に対応する伝送路特性で除算して復調信号を出力する第2の除算部とを備えたデジタル放送受信装置。 - 前記第1および前記第2のフーリエ変換部と前記逆フーリエ変換部は、1つのフーリエ変換回路を共用して構成されることを特徴とする請求項1記載のデジタル放送受信装置。
- 前記フィルタリング部は、前記遅延プロファイルにおいて、サンプルごとに0データを複数サンプルずつ挿入してローパスフィルタリングを行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載のデジタル放送受信装置。
- 前記逆フーリエ変換部から出力された前記遅延プロファイルのピークレベルから所定の割合の閾値を決定して、この閾値未満のレベルのデータを不要データと判定する不要信号判定部を備え、
前記フィルタリング部は、前記不要信号判定部によって判定された不要データを0または前後複数のサンプルの近似データに置き換えることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のデジタル放送受信装置。 - 前記逆フーリエ変換部から出力された前記遅延プロファイルにおいて前記シンボル内挿フィルタ部によるシンボル方向の内挿で発生した擬似的な遅延波を判別して、この擬似的な遅延波を不要データと判定する不要信号判定部を備え、
前記フィルタリング部は、前記不要信号判定部によって判定された不要データを0または前後複数のサンプルの近似データに置き換えることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のデジタル放送受信装置。 - OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を使用したデジタル放送波を受信して、受信したOFDM信号をフーリエ変換してサブキャリア成分を出力するステップと、
前記サブキャリア成分に含まれるパイロット信号を抽出するステップと、
前記パイロット信号に対応する既知信号を生成するステップと、
前記抽出された前記パイロット信号を前記既知信号で除算して、前記パイロット信号に対応する伝送路特性信号を算出するステップと、
前記算出した前記パイロット信号に対応する伝送路特性信号に対して、シンボル方向の内挿を行うステップと、
前記シンボル方向に内挿された伝送路特性信号を、キャリア方向に逆フーリエ変換して遅延プロファイルを出力するステップと、
前記遅延プロファイルをフィルタリングするステップと、
前記フィルタリングされた前記遅延プロファイルをフーリエ変換して、全てのサブキャリア成分に対応する伝送路特性信号を出力するステップと、
前記受信したOFDM信号をフーリエ変換して得られた前記サブキャリア成分を、前記フィルタリングされた前記遅延プロファイルをフーリエ変換して得られた前記サブキャリア成分に対応する伝送路特性で除算して復調信号を出力するステップとを備えたデジタル放送受信方法。
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